説明

リフロー半田付け装置

【課題】半田付け時に、半田部に気泡が残る半田付け不良を低減できるリフロー半田付け装置を提供する。
【解決手段】電子部品を搭載した基板9を、炉1内に順次配列されている予熱室2A,2B,2Cとリフロー室3A,3Bを搬送しながら、加熱された雰囲気気体を使用して電子部品を基板に半田付けするリフロー半田付け装置において、加熱された雰囲気気体が室内を循環するリフロー室3Bの内部に雰囲気圧力を減少できる減圧室6を備え、前記基板9の加熱溶融された半田部が減圧室6で脱泡される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リフロー半田付け装置に関し、特に半田付け時に半田部の脱泡を行なう減圧室を備えるリフロー半田付け装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リフロー半田付け装置は、例えば、電子部品が搭載された基板を、予熱室及びリフロー室が順次配列されている炉内をコンベヤで搬送しながら、熱風を基板に吹き付けて電子部品を基板に半田付けする。(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−188467号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のリフロー半田付けにおいて、半田部にボイドを生じて、半田付け不良を発生する場合がある。
【0005】
本発明の目的は、半田付け時に、半田部に気泡が残る半田付け不良を低減できるリフロー半田付け装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、電子部品を搭載した基板を炉内を搬送しながら、加熱された雰囲気気体を使用して電子部品を基板に半田付けするリフロー半田付け装置において、
前記基板の搬送経路に雰囲気圧力を減少できる減圧室を備え、前記基板の加熱溶融された半田部が減圧室で脱泡されることを特徴とする。
【0007】
前記減圧室が、加熱された雰囲気気体が室内を循環する加熱室の内部に設けられていることが好ましい。
【0008】
前記加熱室がヒータと送風機を有し、前記ヒータで加熱された雰囲気気体が、前記加熱室の外側に配置されたモータで駆動される前記送風機により室内を循環することが好ましい。また、前記減圧室がヒータと送風機を有し、前記ヒータで加熱された雰囲気気体が、前記加熱室の外側に配置されたモータで駆動される前記送風機により室内を循環することが好ましい。また、前記減圧室が、加熱された雰囲気気体を前記基板に吹き出すための熱風噴出手段と、前記送風機の吐出口と前記熱風噴出手段とを接続する導風ダクトとを備えることが好ましい。
【0009】
前記加熱室の送風機を駆動するモータと前記減圧室の送風機を駆動するモータとが、前記加熱室の上下面に対向して配置されていることが好ましい。
【0010】
上記において、前記基板を搬送するコンベヤとして、炉内に、炉の入口側から減圧室の手前位置まで配設されている基板搬送コンベヤと、減圧室に配設されている基板搬送コンベヤと、減圧室の直後から炉の出口まで配設されている基板搬送コンベヤとが設けられていることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板の半田部が減圧室内で脱泡処理されるため、半田部に気泡が残る半田付け不良を低減できる。また、加熱された雰囲気気体が室内を循環する加熱室の内部に減圧室を設けることにより、電子部品を搭載した基板が加熱室で加熱されながら減圧室に搬入されるので、前記基板が温度低下することなく、減圧室に搬入できる。更に、加熱室内を循環する加熱雰囲気気体が減圧室の周壁を加熱するので、減圧室内の雰囲気気体が前記周壁を通じて全体にわたって加熱される。そのため、減圧室内で処理される基板が全体にわたって均一に加熱される。更に、減圧室内にヒータと送風機を設け、加熱された雰囲気気体が室内を循環するようにすれば、基板の半田部を確実に加熱溶融できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施形態であるリフロー半田付け装置を示す一部破断正面図で、シャッターが開いた状態を示す。
【図2】本発明の一実施形態であるリフロー半田付け装置を示す一部破断正面図で、シャッターが閉じた状態を示す。
【図3】減圧室を示している平断面図である。
【図4】基板搬送コンベヤとガイドレールを示す縦断面図である。
【図5】減圧室内の基板支持レール部分を示す斜視図である。
【図6】レール連結部材の連結機構を示している斜視図である。
【図7】移載手段を示している正面図である。
【図8】本発明の別の実施形態であるリフロー半田付け装置を示す正面図である。
【図9】減圧室付近部分を示す一部断面正面図である。
【図10】減圧室(密閉状態)を示す縦断面図である。
【図11】減圧室(開放状態)を示す縦断面図である。
【図12】減圧室と窒素ガス供給源及び真空ポンプとの接続構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態を図1〜図7及び図12を参照しながら説明する。
【0014】
リフロー半田付け装置は、図1及び図2に示されているように、炉1内に、2個の予熱室2A,2B、2個のリフロー室3A,3B、1個の冷却室4を搬送ラインに沿って順に有している。5は、各室を仕切る仕切壁である。炉1内には、雰囲気ガスとして、半田の酸化を防止するために不活性ガス、本実施形態では窒素ガスが供給されている。
【0015】
最初のリフロー室3A内には減圧室6が設けられている。減圧室6の前後の炉1内にはそれぞれ基板搬送コンベヤ7,8が配設されている。電子部品を搭載したプリント基板9は、半田付け箇所にペースト状のクリーム半田が塗られており、基板搬送コンベヤ7によって予熱室2A,2B内を搬送された後、後述する第1移載手段25(図7参照)によって基板搬送コンベヤ7からリフロー室3A内の減圧室6に送り込まれ、後述する第2移載手段28(図7参照)によって減圧室6から基板搬送コンベヤ8に移載されて、リフロー室3B及び冷却室4内を搬送される。
【0016】
予熱室2A,2B及びリフロー室3A,3Bにおいて、12はヒータ14によって加熱された雰囲気気体を循環させる送風機、13は送風機12を駆動するモータ、14はヒータである。
【0017】
予熱室2A,2B及び減圧室6の存在しないリフロー室3Bにおいては、ヒータ14で加熱された雰囲気気体が送風機12から吹き出されて室内を循環し、図示外の熱風噴出装置の複数の噴出口から電子部品を搭載したプリント基板9に吹き付けられ、前記プリント基板9が所定の温度に加熱されるように構成されている。なお、送風機12から吹き出された雰囲気気体が予熱室2A,2B及びリフロー室3B内を良好に循環するように各室にそれぞれ導風装置を設ければより好ましい。前記プリント基板9は予熱室2A,2Bで所定の温度に加熱され、リフロー室3Bで半田部が加熱溶融される。
【0018】
減圧室6が存在するリフロー室3Aにおいては、ヒータ14で加熱された雰囲気気体が送風機12から吹き出されて室内を循環し、前記プリント基板9は半田部が加熱溶融される。なお、送風機12から吹き出された雰囲気気体がリフロー室3A内を良好に循環するように導風装置を設ければより好ましい。
【0019】
減圧室6の壁部にはヒータ(図示せず)が埋め込まれている。減圧室6の周壁はアルミニウム材で形成されている。壁部に埋め込まれているヒータ及びリフロー室3A内を循環する加熱雰囲気気体によって減圧室6の周壁が加熱され、周壁を通じて減圧室6内の雰囲気気体が全体にわたって加熱される。そのため、減圧室6内で処理される前記プリント基板9が減圧室6内の加熱雰囲気気体によって全体にわたって均一に加熱される。
【0020】
減圧室6は半田部の脱泡が行なわれる所定の減圧雰囲気まで真空ポンプ31(図12参照)によって減圧されるように構成されている。すなわち、減圧室6には真空ポンプ31が接続され、減圧室6と真空ポンプ31とを接続するライン32にはラインの開閉を行う開閉バルブ33が設けられている。また、減圧室6には窒素ガス供給源34が接続されており、減圧室6と窒素ガス供給源34との間の接続ライン35に解放バルブ36が設けられている。
【0021】
したがって、電子部品を搭載したプリント基板9は、所定の減圧雰囲気の減圧室6内で溶融半田部が脱泡される。
【0022】
冷却室5においては、冷却風としての雰囲気気体が送風機12から吹き出されて室内を循環し、基板搬送コンベヤ8上のプリント基板9の半田部を冷却する。
【0023】
炉1の入口側から炉1内を減圧室6の手前位置まで水平に配設されている基板搬送コンベヤ7は、チェーンコンベヤからなっており、左右一対設けられている。電子部品を搭載したプリント基板9は、炉1の入口側で左右の基板搬送コンベヤ7に支持され、基板搬送コンベヤ7によって炉1内を移動して減圧室6の手前位置まで搬送される。
【0024】
基板搬送コンベヤ7はローラリンクとピンリンクとを交互に連結して構成されている。図4に示されているように、ローラリンクはローラリンクプレート15aとローラ15bで構成され、ピンリンクはピンリンクプレート16aと連結ピン16bで構成され、連結ピン16bがピンリンクプレート16aの側面から内側に突出している。したがって、左右の基板搬送コンベヤ7は、ピンリンクプレート16aから内側に突出している連結ピン16bで前記プリント基板9の下面の左右端部を支持しながら電子部品を搭載したプリント基板9を搬送する。
【0025】
基板搬送コンベヤ7はガイドレール17を有している。ガイドレール17は基板搬送コンベヤ7に沿って設けられており、基板搬送コンベヤ7を水平に移動するように案内する。ガイドレール17は、図4に示されているように、基板搬送コンベヤ7に沿って延びる上下一対の水平レール17aと、水平レール17aの外側面が固定され水平レール17aよりも上方に延びている垂直板部材17bとから構成されている。基板搬送コンベヤ7は、ローラリンク15のローラ15bがガイドレール17の上下の水平レール17aに挟まれて案内され、炉1の入口側から減圧室6の手前位置まで水平に移動する。
【0026】
左右の基板搬送コンベヤ7とガイドレール17のうち、一方の基板搬送コンベヤ7とガイドレール17は幅方向に一緒に移動可能に構成されており、他方の基板搬送コンベヤ7とガイドレール17は固定とされている。すなわち、一方の基板搬送コンベヤ7とガイドレール17は水平に幅方向に一緒に移動でき、電子部品を搭載したプリント基板9の幅寸法に応じて、左右の基板搬送コンベヤ7間の幅寸法を変更できるように構成されている。
【0027】
炉1の出口側の基板搬送コンベヤ8及びガイドレール18も、上記の基板搬送コンベヤ7及びガイドレール17と同じように構成されている。すなわち、基板搬送コンベヤ8は、チェーンコンベヤからなり、左右一対設けられ、電子部品を搭載したプリント基板9は左右の基板搬送コンベヤ8に支持され、炉1内を移動して出口まで搬送される。基板搬送コンベヤ8を水平に移動するように案内するガイドレール18は、上下一対の水平レールと、水平レールが固定されている垂直板部材18bとを有している。そして、左右の基板搬送コンベヤ8とガイドレール18のうち、一方の基板搬送コンベヤ8とガイドレール18は水平に幅方向に一緒に移動可能に構成されており、電子部品を搭載したプリント基板9の幅寸法に応じて、左右の基板搬送コンベヤ8間の幅寸法を変更できるように構成されている。
【0028】
従来のリフロー半田付け装置においても、様々な幅寸法のプリント基板を搬送するために、左右の基板搬送コンベヤとガイドレールのうち、一方の基板搬送コンベヤとガイドレールは幅方向に一緒に移動可能に構成されており、左右の基板搬送コンベヤ間の幅寸法を変更できるように構成されている。基板搬送コンベヤとガイドレールの移動機構としては、従来、一般的に送りねじ機構が採用されている。本実施形態における基板搬送コンベヤ7,8とガイドレール17,18の幅方向への移動機構も、図示しないが、従来同様の送りねじ機構によって構成されている。
【0029】
減圧室6は、図3及び図5に示されているように、左右一対の基板支持レール19を内部に有している。基板支持レール19は基板搬送経路に沿って水平に延びている断面L字形のレール部材であり、水平レール19aと、水平レール19aの外側端部から垂直に上方に延びている垂直板部材19bとから構成されている。水平レール19aは内側端部がステップ状に一段低く形成されており、左右の基板支持レール19における水平レール19aの内側端部上面で前記プリント基板9の下面の左右端部を支持する。
【0030】
左右の基板支持レール19は、減圧室6の内部に水平に固定されている前後一対の支持ロッド20に支持されている。支持ロッド20は基板搬送経路と直交する方向に水平に延びており、基板支持レール19を挿通して基板支持レール19を支持している。一対の基板支持レール19のうち、一方の基板支持レール19は支持ロッド20に移動可能に支持されており、他方の基板支持レール19は支持ロッド20に固定とされている。すなわち、一方の基板支持レール19は支持ロッド20に沿って幅方向に水平に移動でき、左右の基板支持レール19間の幅寸法を変更できるように構成されている。
【0031】
減圧室6の前後面には、上下動により開閉動作を行なうシャッター21が設けられており、減圧室6の前後面に形成されている開口部22の開閉を行なう。シャッター21はシリンダ装置23によって上下動し、下位置で減圧室6の開口部22は開状態とされ、上位置で閉状態にされる。減圧室6はシャッター21が閉じられて密閉状態とされたとき、開閉バルブ33が開き、真空ポンプ31によって所定の減圧雰囲気まで減圧されるように構成されている。
【0032】
図1、図2、図3及び図6に示されているように、炉1の入口側の左右の基板搬送コンベヤ7のうち、幅方向に移動可能な基板搬送コンベヤ7のガイドレール17には、レール連結部材24の基端部が垂直板部材17bの減圧室6側上端部に上下方向に回動可能に取り付けられている。レール連結部材24は、その先端部に、幅方向に移動可能な基板支持レール19の垂直板部材19bを左右両側から挟む連結片部24aを有している。炉1の出口側の左右の基板搬送コンベヤ8のうち、幅方向に移動可能な基板搬送コンベヤ8のガイドレール18にも、上記と同様にして、レール連結部材24が取り付けられている。
【0033】
レール連結部材24は次のように作用する。すなわち、シャッター21が下方に移動してシャッター21が開けられ、減圧室6が開状態のとき、レール連結部材24の先端部の連結片部24aが基板支持レール19の垂直板部材19bを左右両側から挟むようにして基板支持レール19の水平レール19aの上面で支持される。この状態で、減圧室6の前後に配設されている基板搬送コンベヤ7,8及びガイドレール17,18と、減圧室6内の基板支持レール19とが、レール連結部材24で連結されて一体化されるので、一緒に移動することができる。したがって、電子部品を搭載したプリント基板9の幅寸法に応じて、前記プリント基板9の左右端部を支持する一対の基板搬送コンベヤ7,8の幅寸法を変更すれば、減圧室6内の一対の基板支持レール19の幅寸法も一緒に変更することができる。
【0034】
次に、シャッター21が上方に移動してシャッター21が閉じられ、減圧室6が閉状態とされるとき、レール連結部材24はシャッター21の上動とともに、シャッター21の上面によって上方に回動され、先端部の連結片部24aが基板支持レール19の垂直板部材19bから外れるように構成されている。
【0035】
上記のようにして、レール連結部材24は減圧室6のシャッター21の開閉動作に連動して、基板搬送コンベヤ7,8のガイドレール17,18と減圧室6内の基板支持レール19の接離を行なう。そして、レール連結部材24は、シャッター21が開(減圧室6が開状態)のとき前記両レールを連結し、シャッター21が閉(減圧室6が閉状態)のとき前記両レールを非連結とする。
【0036】
次に、電子部品を搭載したプリント基板9を基板搬送コンベヤ7から減圧室6に移載する第1移載手段25について説明する。第1移載手段25は、図1及び図2には図示されていないが、炉1内に配設されており、図7に示されているように前記プリント基板9の後面を押すプッシャー部26を有し、このプッシャー部26がシリンダ装置27で上下動可能に構成され、更にシリンダ装置27が基板搬送経路に沿って前後に水平に移動できるように構成されている。
【0037】
したがって、基板搬送コンベヤ7上の前記プリント基板9を減圧室6に移載するときは、プッシャー部26が前記プリント基板9の後面に移動した後、減圧室6に向かって前方に水平に所定距離だけ移動することによって、プッシャー部26が前記プリント基板9の後面を押して、前記プリント基板9を基板搬送コンベヤ7から減圧室6内に移載する。
【0038】
電子部品を搭載したプリント基板9を減圧室6から基板搬送コンベヤ8に移載する第2移載手段28も、第1移載手段27と同様に構成されている。すなわち、第2移載手段28も炉1内に配設されており、前記プリント基板9の後面を押すプッシャー部29を有し、このプッシャー部29がシリンダ装置30で上下動可能に構成され、更にシリンダ装置30が基板搬送経路に沿って前後に水平に移動できるように構成されている。
【0039】
したがって、減圧室6内の前記プリント基板9を基板搬送コンベヤ8に移載するときは、プッシャー部29が前記プリント基板9の後面に移動した後、減圧室6外に向かって前方に水平に所定距離だけ移動することによって、プッシャー部29が前記プリント基板9の後面を押して、前記プリント基板9を減圧室6から基板搬送コンベヤ8に移載する。
【0040】
なお、本実施形態においては、第1移載手段25のシリンダ装置27と第2移載手段28のシリンダ装置30は連結されて一緒に前後に動くように構成されている。
【0041】
以下、上記リフロー半田付け装置の動作を説明する。
【0042】
真空ポンプ31の接続ライン32の開閉バルブ33は閉じられ、解放バルブ36は開いており、減圧室6内は窒素ガス供給源34から窒素ガスが供給されている。
【0043】
電子部品を搭載したプリント基板9は、炉1の入口側で基板搬送コンベヤ7に載せられ、基板搬送コンベヤ7によって減圧室6の手前位置まで搬送され、第1移載手段25によって基板搬送コンベヤ7からリフロー室3Aの減圧室6内に移載される。このとき、シャッター21は下方に移動されてシャッター21は開けられている。
【0044】
上記において、予熱室2A,2Bとリフロー室3A,3Bと冷却室4では、各室内の送風機12がモータ13によって回転駆動されている。
【0045】
予熱室2A,2Bでは、ヒータ14で加熱された雰囲気気体が送風機12に吸入され、吹き出されて室内を循環している。したがって、電子部品を搭載したプリント基板9は各室内を循環する加熱雰囲気気体によって、予熱室2A,2Bで所定の温度に加熱される。
【0046】
減圧室6が存在するリフロー室3Aにおいては、ヒータ14で加熱された雰囲気気体が送風機12に吸入され、吹き出されて室内を循環している。したがって、電子部品を搭載したプリント基板9がリフロー室3A内の循環する加熱雰囲気気体によって加熱されながら減圧室6に搬入される。その結果、前記プリント基板9が温度低下することなく、減圧室6に搬入される。
【0047】
減圧室6は壁部に埋め込まれているヒータ及びリフロー室3A内を循環する加熱雰囲気気体によって周壁が加熱され、減圧室6内の雰囲気気体が全体にわたって加熱されている。そのため、減圧室6内で処理される前記プリント基板9が減圧室6内の加熱雰囲気気体によって全体にわたって均一に加熱される。
【0048】
したがって、電子部品を搭載したプリント基板9は最初のリフロー室3Aで半田部が加熱溶融され、更に減圧室6内で所定時間加熱されて半田部が溶融される。
【0049】
この後、シャッター21が上方に移動して閉じられ、減圧室6は密閉状態とされ、解放バルブ36が閉じられるとともに、真空ポンプ31の接続ライン32の開閉バルブ33が開放され、真空ポンプ31が作動する。これにより、減圧室6内の窒素ガスは真空ポンプ31によって所定の真空雰囲気になるまで排気される。
【0050】
減圧室6は半田部の脱泡を行なえる所定の減圧雰囲気で所定時間保持され、前記プリント基板9は減圧室6内で所定時間、脱泡処理される。
【0051】
その後、開閉バルブ33が閉じられ、解放バルブ36が開放され、窒素ガス供給源34から窒素ガスが減圧室6内に供給される。次に、シャッター21が下方に移動してシャッター21が開けられた後、前記プリント基板9は第2移載手段28によってリフロー室3Aの減圧室6から基板搬送コンベヤ8に移載され、出口まで搬送される。
【0052】
減圧室6が存在しないリフロー室3Bでは、ヒータ14で加熱された雰囲気気体が送風機12に吸入され、吹き出されて室内を循環している。したがって、前記プリント基板9は室内を循環する加熱雰囲気気体によって、所定の高温度に加熱されて半田部が加熱溶融される。
【0053】
以上に述べた通り、電子部品を搭載したプリント基板9は、炉1内を搬送されながら、プリント基板上のクリーム半田が予熱室2A,2Bで所定の温度に加熱される。前記プリント基板9は、更に、半田部がリフロー室3A及び減圧室6内で加熱溶融されるとともに、減圧室6で脱泡処理される。前記プリント基板9は、更に、半田部がその後のリフロー室3Bで加熱溶融され、続いて、冷却室4で溶融半田が冷却固化され、電子部品が基板上に半田付けされる。
【0054】
以上のリフロー半田付け装置において、電子部品を搭載したプリント基板9の幅寸法に対応して、基板搬送コンベヤ7,8と減圧室6内の基板支持レール19について左右の幅寸法を変更する場合は次のように実施される。
【0055】
減圧室6のシャッター21が下方に移動されて、シャッター21が開けられる。このとき、レール連結部材24の先端部の連結片部24aが基板支持レール19の垂直板部材19bを左右両側から挟むようにして基板支持レール19の水平レール19aの上面で支持される。この状態で、減圧室6の前後に配設されている基板搬送コンベヤ7,8及びガイドレール17,18と、減圧室6内の基板支持レール19とが、レール連結部材24で連結されて一体化される。したがって、電子部品を搭載したプリント基板9の幅寸法に応じて、前記プリント基板9の左右端部を支持する一対の基板搬送コンベヤ7,8及び減圧室6内の一対の基板支持レール19の幅寸法を一緒に変更することができる。
【0056】
シャッター21が上方に移動してシャッター21が閉じられ、減圧室6が閉状態とされると、レール連結部材24はシャッター21の上動とともに、シャッター21の上面によって上方に回動され、先端部の連結片部24aが基板支持レール19の垂直板部材19bから外れる。
【0057】
上記のようにして、レール連結部材24は減圧室6のシャッター21の開閉動作に連動して、基板搬送コンベヤ7,8のガイドレール17,18と減圧室6内の基板支持レール19の接離が行なわれ、レール連結部材24は、シャッター21が開(減圧室6が開状態)のとき前記両レールを連結し、シャッター21が閉(減圧室6が閉状態)のとき前記両レールを非連結とする。
【0058】
次に、本発明の別の実施形態を図8〜図12を参照しながら説明する。
【0059】
リフロー半田付け装置は、図8に示されているように、炉1内に、3個の予熱室2A,2B,2C、2個のリフロー室3A,3B、1個の冷却室4を搬送ラインに沿って順に有している。5は、各室を仕切る仕切壁である。炉1内には、雰囲気ガスとして、半田の酸化を防止するために不活性ガス、本実施形態では窒素ガスが供給されている。
【0060】
最後のリフロー室3B内には減圧室6が設けられている。減圧室6の前後の炉1内にはそれぞれ基板搬送コンベヤ37,38が配設され、減圧室6にも基板搬送コンベヤ39が配設されている。
【0061】
炉1の入口側から炉1内を減圧室6の手前位置まで水平に配設されている基板搬送コンベヤ37は、前記実施形態で説明した基板搬送コンベヤ7と同じ構成のチェーンコンベヤからなっており、左右一対設けられている。電子部品を搭載したプリント基板9は、炉1の入口側で左右の基板搬送コンベヤ37に支持され、基板搬送コンベヤ37によって炉1内を移動して減圧室6の手前位置まで搬送される。
【0062】
減圧室6の直後から炉1内を炉1の出口まで水平に配設されている基板搬送コンベヤ38も同様にチェーンコンベヤからなり、左右一対設けられている。電子部品を搭載したプリント基板9は左右の基板搬送コンベヤ38に支持され、減圧室6の直後から炉1内を移動して出口まで搬送される。
【0063】
減圧室6内に水平に配設されている基板搬送コンベヤ39も前記基板搬送コンベヤ37,38と同様にチェーンコンベヤからなり、左右一対設けられている。
【0064】
電子部品を搭載したプリント基板9は、半田付け箇所にペースト状のクリーム半田が塗られており、基板搬送コンベヤ37によって予熱室2A,2B,2C及び最初のリフロー室3A内を搬送され、最後のリフロー室3Bに搬入された後、減圧室6内に配設されている基板搬送コンベヤ39に移載され、基板搬送コンベヤ39によって減圧室6内の所定位置に配置される。前記プリント基板9は減圧室6内で加熱及び脱泡処理を施された後、基板搬送コンベヤ39によって減圧室6から基板搬送コンベヤ38に移載され、基板搬送コンベヤ38によって最後のリフロー室3Bから冷却室4内を搬送される。
【0065】
予熱室2A,2B,2C及び最初のリフロー室3Aにおいて、12はヒータ14で加熱された雰囲気気体を循環させる送風機、13は送風機12を駆動するモータ、14はヒータで、40は導風装置である。これらで熱風循環装置41が構成され、熱風循環装置41は基板搬送コンベヤ37を挟んで上下に設けられている。
【0066】
したがって、予熱室2A,2B,2C及び減圧室6の存在しない最初のリフロー室3Aにおいては、ヒータ14で加熱された雰囲気気体が送風機12の吸入口から吸入され、送風機12の半径方向に設けられている吐出口から導風装置40に吐出され、導風装置40に案内され、基板搬送コンベヤ37に臨むようにして設けられている複数のガス噴出口から基板搬送コンベヤ37上のプリント基板9に吹き付けられる。その後、上記のように、加熱雰囲気気体は送風機12の吸入口から吸入されて吐出口から導風装置40に吐出される。このようにして、加熱雰囲気気体が熱風循環装置41によって各室2A,2B,2C,3A内を循環し、電子部品を搭載したプリント基板9が加熱される。
【0067】
電子部品を搭載したプリント基板9は基板搬送コンベヤ37によって炉1内を搬送されながら、予熱室2A,2B,2Cで所定の温度に加熱され、最初のリフロー室3Aで半田部が加熱溶融される。
【0068】
減圧室6が存在するリフロー室3Bにおいて、12はヒータ14で加熱された雰囲気気体を循環させる送風機、13は送風機12を駆動するモータ、14はヒータで、42は導風カバーである。送風機12は垂直な回転軸を有し、リフロー室3B内の上部位置に配置し、回転軸がリフロー室3Bの上側に配置されているモータ13の回転軸に接続されている。送風機12は下面に開口する吸入口がリフロー室3B内に臨み、外周に吐出口が開口している。導風カバー42は送風機12の上側及び側方を覆い、下面が開放している。ヒータ14はリフロー室3B内の送風機12の下方位置に配置している。減圧室6は送風機12及びヒータ14よりも下方にあり、リフロー室3B内の下部位置に配置されている。
【0069】
したがって、ヒータ14により加熱された雰囲気気体は、送風機12により、送風機12の吸入口から吸入され、吐出口から吐出されて導風カバー42に案内されながら下方へ流れ、基板搬送コンベヤ37上の電子部品を搭載したプリント基板9と減圧室6の周壁とを加熱した後、ヒータ14を通過して加熱され、送風機12に吸入され、吐出される。このようにして、加熱雰囲気気体がリフロー室3B内を循環し、基板搬送コンベヤ37上の電子部品を搭載したプリント基板9と減圧室6の周壁が加熱される。
【0070】
電子部品を搭載したプリント基板9は基板搬送コンベヤ37によって搬送され、最後のリフロー室3Bで半田部が加熱溶融されながら、温度低下することなく減圧室6内に搬入される。
【0071】
図8〜図11に示されているように、減圧室6は上下に分割されて上側筐体6Aと下側筐体6Bとから構成されている。下側筐体6Bはリフロー室3B内に固定配置されている。これに対して、上側筐体3Aはシリンダ装置43によって上下に移動可能に構成されている。
【0072】
リフロー室3Bの下側位置に鉛直に配置されたシリンダ装置43の進退ロッド43aの上端には支持板部材44が固着されている。支持板部材44には搬送ラインの方向に沿って前後に間隔をおいて立設された一対の支柱45が貫通している。したがって、支持板部材44は支柱45にガイドされながらシリンダ装置43によって上下動する。支持板部材44の上面には4本の支柱46がリフロー室3Bの下面を上下動可能に貫通して立設され、減圧室6の周囲に配置している。これらの支柱46は上端部が連結板部材47に連結され、連結板部材47が減圧室6の上側筐体6Aの上面に連結されている。
【0073】
したがって、シリンダ装置43によって進退ロッド43aが上下動することにより、減圧室6の上側筐体6Aが上下に移動し、上側筐体6Aが下側筐体6Bに密接する密閉状態(図10参照)と、上側筐体6Aが下側筐体6Bに対して間隔を置いて上方に配置される開放状態(図11参照)の2つの状態を採る。
【0074】
減圧室6は加熱された雰囲気気体を循環させる熱風循環装置48を有している。熱風循環装置48は雰囲気気体を加熱するヒータ49、加熱された雰囲気気体を循環させる送風機50、送風機50を駆動するモータ51、送風機50の吐出口に接続されている導風ダクト52、熱風噴出ケーシング部材53、及び熱風噴出ケーシング部材53に接続されている導風ダクト54を有している。
【0075】
送風機50は垂直な回転軸を有し、下側筐体6B内の底部に配置し、回転軸がリフロー室3Bの下側に配置されているモータ51の回転軸に接続されている。したがって、リフロー室3B内の送風機12を駆動するモータ13と減圧室6内の送風機50を駆動するモータ51とが、リフロー室3Bの上下面に対向して配置されている。送風機50は上面に開口する吸入口が減圧室6内に臨み、外周に開口する吐出口が導風ダクト52に接続している。導風ダクト52は送風機50の半径方向に左右に延び、更に上方に垂直に下側筐体6Bの上端部まで延びて先端が開口している。ヒータ49は下側筐体6B内の送風機50の上方位置に配置している。
【0076】
熱風噴出ケーシング部材53は上側筐体6A内の上部位置に配置固定されており、減圧室6に配設されている基板搬送コンベヤ39に対向するよう配置され、加熱された雰囲気気体を電子部品を搭載したプリント基板9に吹き出すための熱風噴出口を基板搬送コンベヤ39に臨む側に複数有している。熱風噴出ケーシング部材53には導風ダクト54が接続している。導風ダクト54は熱風噴出ケーシング部材53から左右に延び、更に下方に垂直に上側筐体6Aの下端部まで延びて先端が開口している。
【0077】
上側筐体6A内の導風ダクト54は、減圧室6が密閉状態のとき、下側筐体6B内の導風ダクト52に連結される。したがって、減圧室6が密閉状態のとき、ヒータ49により加熱された雰囲気気体は、送風機50により、送風機50の吸入口から吸入され、吐出口から吐出されて導風ダクト52,54内を流れ、熱風噴出ケーシング部材53内に流入し、複数の熱風噴出口から基板搬送コンベヤ39上の電子部品を搭載したプリント基板9の上面に吹き付けられる。
【0078】
電子部品を搭載したプリント基板9の上面に吹き付けられた熱風は、電子部品を搭載したプリント基板9を加熱した後、減圧室6内の空間部を下方へ流れ、ヒータ49を通過して加熱され、送風機50に吸入され、吐出される。このようにして、加熱された雰囲気気体が減圧室6内を循環し、電子部品を搭載したプリント基板9を加熱する。また、リフロー室3B内を循環する加熱雰囲気気体が減圧室6の周壁を加熱するので、減圧室6内の雰囲気気体が前記周壁を通じて全体にわたって加熱される。そのため、減圧室6内で処理される前記プリント基板9が減圧室6内の加熱雰囲気気体によって全体にわたって均一に加熱される。
【0079】
減圧室6は半田部の脱泡が行なわれる所定の減圧雰囲気まで真空ポンプ31(図12参照)によって減圧されるように構成されている。すなわち、減圧室6には真空ポンプ31が接続され、減圧室6と真空ポンプ31とを接続するライン32にはラインの開閉を行う開閉バルブ33が設けられている。また、減圧室6には窒素ガス供給源34が接続されており、減圧室6と窒素ガス供給源34との間の接続ライン35に解放バルブ36が設けられている。
【0080】
したがって、電子部品を搭載したプリント基板9は、所定の減圧雰囲気の減圧室6内で溶融半田部が脱泡される。
【0081】
冷却室4においては、基板搬送コンベヤ38を挟んで上下に冷却風循環装置55が設けられている。冷却風循環装置55は、前記熱風循環装置41とはヒータを備えていない点でのみ相違し、他の構成は同じである。したがって、冷却室4においては、冷却風としての雰囲気気体が冷却室4内を循環し、基板搬送コンベヤ38上のプリント基板9の半田部を冷却する。
【0082】
以下、上記リフロー半田付け装置の動作を説明する。
【0083】
真空ポンプ31の接続ライン32の開閉バルブ33は閉じられ、解放バルブ36は開いており、減圧室6内は窒素ガス供給源34から窒素ガスが供給されている。
【0084】
電子部品を搭載したプリント基板9は、炉1の入口側で基板搬送コンベヤ37に載せられ、基板搬送コンベヤ37によって減圧室6の手前位置まで搬送され、減圧室6内の基板搬送コンベヤ39に移載され、基板搬送コンベヤ39によって減圧室6内の所定位置に配置される。このとき、減圧室6の上側筐体6Aはシリンダ装置43によって下側筐体6Bに対して間隔をおいて上方に配置されている(図11参照)。
【0085】
上記において、予熱室2A,2B,2Cとリフロー室3A,3Bと冷却室4では、各室内の送風機12がモータ13によって回転駆動されている。
【0086】
予熱室2A,2B,2Cと、減圧室6が存在しない最初のリフロー室3Aでは、ヒータ14で加熱された雰囲気気体が送風機12に吸入され、吹き出されて室内を循環している。したがって、電子部品を搭載したプリント基板9は各室内を循環する加熱雰囲気気体によって、予熱室2A,2B,2Cで所定の温度に加熱され、減圧室6が存在しない最初のリフロー室3Aで所定の高温度に加熱されて半田部が溶融される。
【0087】
減圧室6が存在する最後のリフロー室3Bにおいては、ヒータ14で加熱された雰囲気気体が送風機12に吸入され、吹き出されて室内を循環している。したがって、電子部品を搭載したプリント基板9がリフロー室3B内の循環する加熱雰囲気気体によって半田部が加熱溶融されながら減圧室6に搬入される。その結果、前記プリント基板9が温度低下することなく、減圧室6に搬入される。
【0088】
前記プリント基板9が減圧室6内の基板搬送コンベヤ39に移載され、基板搬送コンベヤ39によって減圧室6内の所定位置に配置されると、上側筐体6Aはシリンダ装置43によって下方に移動して下側筐体6Bに密接し、減圧室6は密閉状態(図10参照)とされる。
【0089】
リフロー室3B内を循環する加熱雰囲気気体が減圧室6の周壁を加熱するので、減圧室6内の雰囲気気体が前記周壁を通じて全体にわたって加熱される。そのため、減圧室6内で処理される前記プリント基板9が減圧室6内の加熱雰囲気気体によって全体にわたって均一に加熱される。
【0090】
更に、減圧室6内ではヒータ49で加熱された雰囲気気体が送風機50に吸入され、吹き出されて室内を循環しており、基板搬送コンベヤ39上の電子部品を搭載したプリント基板9は、熱風噴出ケーシング部材53の熱風噴出口から吹き出される加熱雰囲気気体によって加熱される。
【0091】
したがって、電子部品を搭載したプリント基板9は最後のリフロー室3Bで半田部が加熱溶融され、更に減圧室6内で所定時間加熱されて半田部が溶融される。
【0092】
この後、解放バルブ36が閉じられるとともに、真空ポンプ31の接続ライン32の開閉バルブ33が開放され、真空ポンプ31が作動する。これにより、減圧室6内の窒素ガスは真空ポンプ31によって所定の真空雰囲気になるまで排気される。
【0093】
減圧室6は半田部の脱泡を行なえる所定の減圧雰囲気で所定時間保持され、前記プリント基板9が減圧室6内で所定時間、脱泡処理される。
【0094】
その後、開閉バルブ33が閉じられ、解放バルブ36が開放され、窒素ガス供給源34から窒素ガスが減圧室6内に供給される。次に、上側筐体6Aがシリンダ装置43によって上方に移動し、下側筐体6Bに対して間隔をおいて上方に配置された後(図11参照)、前記プリント基板9は基板搬送コンベヤ39によって減圧室6から基板搬送コンベヤ38に移載され、基板搬送コンベヤ38によってリフロー室3Bから冷却室4を通って出口まで搬送される。
【0095】
以上に述べた通り、電子部品を搭載したプリント基板9は、炉1内を搬送されながら、プリント基板上のクリーム半田が予熱室2A,2B,2Cで所定の温度に加熱され、半田部が最初のリフロー室3Aで加熱溶融され、更に最後のリフロー室3B及び減圧室6内で加熱溶融されるとともに、減圧室6で脱泡処理される。前記プリント基板9は、その後、冷却室4で溶融半田が冷却固化され、電子部品が基板上に半田付けされる。
【0096】
なお、上記実施形態では、減圧室が存在するリフロー室の送風機及びそれを駆動するモータをリフロー室の上部側に配置し、減圧室、減圧室内の送風機及びそれを駆動するモータをリフロー室の下部側に配置した例を示したが、本発明はこれに限ることはなく、それらを上下逆に配置することもできる。すなわち、減圧室が存在するリフロー室の送風機及びモータをリフロー室の下部側に配置し、減圧室、減圧室の送風機及びモータをリフロー室の上部側に配置するように構成することもできる。
【0097】
また、上記実施形態では、減圧室を加熱室の内部に設けた例を示したが、本発明はこれに限ることはなく、減圧室は基板の搬送経路の途中に設ければよい。例えば、加熱室と加熱室の間(例えばリフロー室とリフロー室の間)に設けるようにしてもよい。
【0098】
また、減圧室内の基板の加熱方法は上記実施形態で示した例に限ることはなく、例えば減圧室に遠赤外線ヒータを設けるようにしてもよい。
【0099】
また、上記実施形態では炉内の気体として窒素ガスを使用したものを示したが、気体は窒素ガスに限らない。例えば、空気を使用する場合もある。
【符号の説明】
【0100】
1・・炉、2A,2B,2C・・予熱室、3A,3B・・リフロー室、4・・冷却室、5・・仕切壁、6・・減圧室、6A・・上側筐体、6B・・下側筐体、7,8・・基板搬送コンベヤ、9・・電子部品を搭載したプリント基板、12・・送風機、13・・モータ、14・・ヒータ、15a・・ローラリンクプレート、15b・・ローラ、16a・・ピンリンクプレート、16b・・連結ピン、17,18・・ガイドレール、17a・・水平レール、17b,18b・・垂直板部材、19・・基板支持レール、19a・・水平レール、19b・・垂直板部材、20・・支持ロッド、21・・シャッター、22・・開口部、23・・シリンダ装置、24・・レール連結部材、24a・・連結片部、25・・第1移載手段、26・・プッシャー部、27・・シリンダ装置、28・・第2移載手段、29・・プッシャー部、30・・シリンダ装置、31・・真空ポンプ、32・・接続ライン、33・・開閉バルブ、34・・窒素ガス供給源、35・・接続ライン、36・・解放バルブ、37,38,39・・基板搬送コンベヤ、40・・導風装置、41・・熱風循環装置、42・・導風カバー、43・・シリンダ装置、43a・・進退ロッド、44・・支持板部材、45,46・・支柱、47・・連結板部材、48・・熱風循環装置、49・・ヒータ、50・・送風機、51・・モータ、52・・導風ダクト、53・・熱風噴出ケーシング部材、54・・導風ダクト、55・・冷却風循環装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品を搭載した基板を炉内を搬送しながら、加熱された雰囲気気体を使用して電子部品を基板に半田付けするリフロー半田付け装置において、
前記基板の搬送経路に雰囲気圧力を減少できる減圧室を備え、前記基板の加熱溶融された半田部が減圧室で脱泡されることを特徴とするリフロー半田付け装置。
【請求項2】
前記減圧室が、加熱された雰囲気気体が室内を循環する加熱室の内部に設けられていることを特徴とする請求項1記載のリフロー半田付け装置。
【請求項3】
前記加熱室がヒータと送風機を有し、前記ヒータで加熱された雰囲気気体が、前記加熱室の外側に配置されたモータで駆動される前記送風機により室内を循環することを特徴とする請求項2記載のリフロー半田付け装置。
【請求項4】
前記減圧室がヒータと送風機を有し、前記ヒータで加熱された雰囲気気体が、前記加熱室の外側に配置されたモータで駆動される前記送風機により室内を循環することを特徴とする請求項3記載のリフロー半田付け装置。
【請求項5】
前記減圧室が、加熱された雰囲気気体を前記基板に吹き出すための熱風噴出手段と、前記送風機の吐出口と前記熱風噴出手段とを接続する導風ダクトとを備えることを特徴とする請求項4記載のリフロー半田付け装置。
【請求項6】
前記加熱室の送風機を駆動するモータと前記減圧室の送風機を駆動するモータとが、前記加熱室の上下面に対向して配置されていることを特徴とする請求項4又は5記載のリフロー半田付け装置。
【請求項7】
前記基板を搬送するコンベヤとして、炉内に、炉の入口側から減圧室の手前位置まで配設されている基板搬送コンベヤと、減圧室に配設されている基板搬送コンベヤと、減圧室の直後から炉の出口まで配設されている基板搬送コンベヤとが設けられていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のリフロー半田付け装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−171714(P2011−171714A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−283093(P2010−283093)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(500379509)有限会社ヨコタテクニカ (31)
【Fターム(参考)】