説明

リフロー炉、酸素濃度制御装置、炉内の酸素濃度の制御方法、酸素濃度制御用プログラムおよび酸素濃度制御用プログラムを格納した記録媒体

【課題】不活性ガスの供給コストを削減できるリフロー炉を提供する。
【解決手段】プリント基板30に部品を半田付けするリフロー炉105は、半田付けに関連する半田材の状態を検出する半田材状態検出装置からの半田材の状態を入力する制御部20を含む。制御部20は、入力された半田材の状態に応じて弁14,15を制御して炉内の酸素濃度を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、リフロー炉、酸素濃度制御装置、炉内の酸素濃度の制御方法、酸素濃度制御用プログラムおよび酸素濃度制御用プログラムを格納した記録媒体に関し、特に、ランニングコストの低減が可能な、リフロー炉、酸素濃度制御装置、炉内の酸素濃度の制御方法、酸素濃度制御用プログラムおよび酸素濃度制御用プログラムを格納した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、電子部品実装装置のリフロー炉内において基板に電子部品を実装する際に、半田付けする部分に予め半田を供給しておき、これを熱源で溶かして半田付けを行っている。この際に、加熱雰囲気が空気であると、基板上の銅製プリント箔表面(基板の基板ランド)、電子部品のリード線(部品)、半田ペーストの表面が酸化してしまい、良好な半田付けができなくなる。この現象を防止するため、一般的には、加熱時の酸化進行を防止するために、窒素ガスなどの不活性ガスがリフロー炉内に供給されている。このような不活性ガスの供給にはコストがかかるため、その消費量を減らすことが望まれている。
【0003】
この不活性ガスの消費量を減らすための方法が、たとえば、特開平6−97645号公報(特許文献1)や、特開平7−212032号公報(特許文献2)や、特開2006−156487号公報(特許文献3)等に開示されている。
【0004】
特許文献1によれば、炉内に窒素ガス以外に可燃性ガスを送入し、この可燃性ガスを燃焼させて炉内の酸素濃度を低下させることにより、置換用の窒素ガスの量を減少させている。
【0005】
特許文献2によれば、炉内の酸素濃度を濃度計によりサンプリングしながら、PIDコントローラを用いて炉内を設定された酸素濃度に安定させている。
【0006】
特許文献3によれば、炉内に、回路基板の搬送方向と同一または反対方向にわずかな量の窒素ガスを吹き出すことによって、炉内の窒素ガスの流動を制御して、炉内の窒素ガスの消費量を低減している。
【特許文献1】特特開平6−97645号公報(要約)
【特許文献2】特開平7−212032号公報(要約)
【特許文献3】特開2006−156487号公報(要約)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従来のリフロー炉における不活性ガスの消費を低減させるには、上記のような方法が行われていた。上記のように、一般的には、炉内の酸素濃度が所定の濃度になるように制御されていた。
【0008】
しかしながら、特許文献1のような方法では、可燃性ガスの送入や、その燃焼設備が必要になるという問題があった。特許文献2のような方法では、炉内の酸素濃度のサンプリング計や、PIDコントローラ等が必要であった。また、特許文献3のような方法では、炉内に、回路基板の搬送方向と同一または反対方向に窒素ガスを吹き出すための設備が必要であった。
【0009】
すなわち、従来の方法では、不活性ガスの消費量を低減しようとすると、そのための装置が複雑になり、高価になるという問題があった。
【0010】
また、不活性ガスの制御は半田材劣化に影響があるため最適な制御が難しいという問題があった。
【0011】
この発明は、上記のような問題点に着目してなされたもので、不活性ガスの供給コストを削減できるリフロー炉、炉内の酸素濃度の制御方法、酸素濃度制御用プログラムおよび酸素濃度制御用プログラムを格納した記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る、基板に部品を半田付けするリフロー炉は、半田付けに関連する半田材の状態を検出する半田材状態検出手段と、半田材状態検出手段によって検出された半田材の状態に応じて炉内の酸素濃度を制御する制御手段とを含む。
【0013】
基板に電子部品を半田付けするための炉内もしくは炉外における半田材の状態を検出し、検出された半田材の状態に応じて、炉内の酸素濃度を変化させるようにしたため、半田材の状態に応じて最適な量の不活性ガスを供給できる。
【0014】
その結果、不活性ガスの供給コストを削減できるリフロー炉を提供できる。
【0015】
好ましくは、半田材は、半田付けに使用する半田ペースト、電子部品のメッキ、および、電子部品が半田付けされる基板ランドのうちの少なくとも一つを含む。
【0016】
さらに好ましくは、半田材の状態は、半田ペースト、部品のメッキ、および、基板ランドのうちのいずれかの酸化値を含む。
【0017】
なお、半田材の状態は、半田ペースト、または、基板ランドの還元値を含んでもよい。
【0018】
また、半田材の状態は、半田ペースト、部品のメッキ、および、基板ランドの酸化値、または、還元値の組み合わせを含んでもよい。
【0019】
酸化値とは金属の酸化度を表し半田付け(金属接合)を阻害する要因の値である。また還元値とはフラックスの還元能力であり半田付けにおける濡れ性等に影響する要因の値である。部品メッキには一般的にフラックスが使われないため、実施の形態では部品メッキの還元値を利用していないが、部品メッキにフラックスが含まれていれば還元値を利用してもよい。
【0020】
なお、制御手段は、半田材の状態に応じて炉内の酸素濃度を段階的に制御してもよいし、無段階に制御してもよい。
【0021】
この発明の他の局面においては、基板に部品を半田付けする炉において使用される酸素濃度制御装置は、半田付けに関連する半田材の状態を検出する半田材状態検出手段と、半田材状態検出手段によって検出された半田材の状態に応じて炉内の酸素濃度を制御する制御手段とを含む。
【0022】
この発明の他の局面においては、基板に電子部品を半田付けするためのリフロー炉における炉内の酸素濃度の制御方法は、半田材の状態を検出するステップと、検出された半田材の状態に応じて炉内の酸素濃度を制御するステップとを含む。
【0023】
この発明のさらに他の局面においては、酸素濃度制御用プログラムは、リフロー炉に接続されたコンピュータに上記の酸素濃度の制御方法を実行させる。
【0024】
上記酸素濃度制御プログラムは、コンピュータ読取可能記録媒体に格納されるのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、この発明の一実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、この実施の形態に係るリフロー炉が組み込まれた電子部品実装装置周りの構成を示す模式図である。図1を参照して、電子部品実装装置100は、電子部品が実装される基板の流れる上流側から下流側に向かって配列された印刷工程と、マウント工程と、リフロー工程とを含む。各工程間は、コンベヤ、ロボット、その他の搬送装置によって連結されている。各工程には、その工程の処理を行なうための装置が設けられている。
【0026】
印刷工程には、基板のランドに半田ペーストを印刷するための印刷機101と、印刷後の検査を行なう印刷後検査機102とが設けられる。マウント工程には、基板に部品をマウントするためのマウンタ103と、マウント後の検査を行なうマウント後検査機104とが設けられる。リフロー工程には、電子部品のメッキされた端子を基板ランドに半田付けをするためのリフロー炉105と半田付け後の検査を行なうリフロー後検査機106とが設けられる。
【0027】
図2は、この発明に係るリフロー炉105の概略構成を示す模式図である。図2を参照して、リフロー炉105は、窒素ガス等が供給される不活性雰囲気室10を含み、その中にコンベヤ11が設けられ、これによって半田付けの準備ができたプリント基板30が搬送される。不活性雰囲気室10は、コンベヤ11用の開口部が設けられているため、供給された不活性ガスは自動的に外部へ漏れる。
【0028】
不活性雰囲気室10には、不活性ガスとして,例えば、窒素ガスをするための窒素ガス供給口16と、空気を供給するための空気供給口18と、室内のガス成分を取り出すサンプリング口17とが設けられる。窒素ガスは、図示のない窒素ガスボンベから弁14および流量計13を介して窒素ガス供給口16へ供給される。空気は、弁15を介して空気供給口18へ供給される。
【0029】
リフロー炉105には、炉内の雰囲気を制御するための制御部として機能する、CPUを有する制御部20が設けられている。サンプリング口17から取り出された不活性雰囲気室10の室内のガスは、酸素濃度計12で酸素濃度が測定され、その値が制御部20へ入力される。流量計13で測定された供給される窒素ガス量も制御部20に入力される。一方、プリント基板30の半田付けに関連する半田材の状態が予め測定されて、制御部20に入力される。制御部20は、入力された半田材の状態に応じて、後に説明する半田状態値を演算して、弁14,15の開度を制御して窒素ガスおよび空気の不活性雰囲気室10への供給量を制御する。
【0030】
なお、この半田材の状態の測定は、図示のない、半田材状態検出手段によって行われる。この半田材状態検出手段は公知であるため、その説明は省略する。
【0031】
図3は、プリント基板30上に半田付けされる電子部品の一例としての、ICチップの取付け状態を示す図である。図3を参照して、基板35上には印刷工程で形成された基板ランド34a,34bの上にICチップ31のメッキされた脚32a,32bが載置されるようにマウント工程でマウントされ、脚32a,32bが基板ランド34a,34bに半田ペースト33a,33bで半田付けされる。これらの各要素が半田付けに関連する。
【0032】
図4は、半田材状態検出手段によって検出される半田状態の一例としての、半田ペーストの酸化値(還元値)ごとの状態を示す図である。(A)は周囲環境が窒素ガスの供給なしで空気中にある状態を示し、(B)は窒素ガスの供給がある状態で酸素濃度が9000ppmである状態を示す。縦方向は、半田ペーストの状態値を酸化値と還元値とで表している。すなわち、一番上の欄は、半田ペーストの酸化値が0(還元値も0)の場合で、中央は、半田ペーストの酸化値が0.02(還元値は−0.09)の場合で、一番下は、半田ペーストの酸化値が0.04(還元値は−0.18)の場合を示す。図4においては、半田ペーストの状態が記号で表示されている。「○」は、半田ペーストの状態が良好(半田溶融光沢度が80以上)であることを示し、「△」は多少劣化が進んだ状態である(半田溶融光沢度が60〜80程度)ことを示し、「×」は劣化した状態(半田溶融光沢度が60程度)を示す。
【0033】
ここで、半田溶融光沢度とは、リフロー炉における溶融後の半田フィレットの光沢度を示す値である。半田材の劣化により、半田未溶融となり凹凸が表面にできる、あるいはフラックス残渣の発生により光沢度が低下する。この光沢度は、可視光等をフィレットに照射し正反射で返ってくる光の量などで計測可能である。半田溶融光沢度の値は高いほど半田材の品質が良い状態を示し、値が低くなると不良であることを示す。
【0034】
日本工業規格(JIS)では、可視光を60°で入射したときの鏡面反射率が10%となる、屈折率1.567のガラス面を光沢度100と規定しているが、半田溶融光沢度については必ずしもこの光沢度を使用する必要はなく、半田材について独自に定義した光沢度を使用してもかまわない。
【0035】
図4から解るように、半田ペーストの酸化値が低いほど(還元値が高いほど)、また、酸素濃度が低いほど、半田ペーストの状態は良くなることが解る。このことから、半田ペーストの状態に応じて、雰囲気を変えれば適切な半田付けができることが解る。
【0036】
次に、半田状態の一例としての半田ペースト酸化値によって半田溶融光沢度がどのように変化するのかについて説明する。図5は、この変化を示す図である。
【0037】
図5を参照して、図中実線で示す空気中であれば、半田ペーストの酸化値が0.00であれば、半田溶融光沢度は約80程度であるが、半田ペーストの酸化値が上がるにつれて劣化し、光沢度は60程度まで低下する。一方で、酸素濃度が9000ppm程度であれば、半田ペーストの酸化値に応じて、一点鎖線で示すように徐々に低下する。酸素濃度が5000ppmであれば、半田ペーストの酸化値に応じて、点線で示すように、ほとんど変化しない。
【0038】
従来は、この図において、点線、または一点鎖線で示すように、不活性雰囲気室10内の酸素濃度は所定の一定濃度に維持されていた。
【0039】
これに対して、この実施の形態においては、半田ペーストの酸化値に応じて、酸素濃度を変化させる。すなわち、半田ペーストの酸化値が0.00であれば、空気(エア)中でも、酸素濃度が9000ppmでも、5000ppmでも半田溶融光沢度はほとんど変わらないため、空気中で半田付けを行う。半田ペースト酸化値が0.02程度になると、空気中では半田溶融光沢度が大幅に下がるため、酸素濃度が9000ppmで半田付けを行う。半田ペーストの酸化値がさらに増えて、0.04程度になると、酸素濃度を5000ppmに下げる。このように半田ペーストの酸化値に応じて酸素濃度を変化させる制御を行うことによって、ほぼ一定の半田溶融光沢度で半田付けができ、且つ、窒素ガスの供給量を減らすことが可能になる。
【0040】
なお、ここでは、半田ペーストの酸化値を例に上げて説明したが、これに限らず、半田ペーストの還元値を用いても同様である。また、半田ペーストの酸化値を還元値とを別に規定するのは、半田ペーストは金属粉(酸化材)とフラックス(還元材)とから構成されており、この配合割合に応じて、酸化値と還元値とは独立して変化し、これらの値は必ずしも一方が決まれば他方が決まるというものではないためである。
【0041】
次に、制御部20で行う具体的な制御内容について説明する。ここでは酸素濃度を3段階に分けて制御する例について説明する。図6は、不活性雰囲気室10の酸素濃度に応じて3段階に分けて制御する場合の閾値を示す図であり、図7は制御部20が行う処理内容を示すフローチャートである。
【0042】
上記したように、半田ペーストの酸化値(および/または還元値)によって半田付けの状態が変化する。同様に、図3に示した半田付けに関連する各要素、すなわち、部品のメッキの酸化の程度(酸化値)、基板ランドの酸化値(および/または還元値)等によっても半田付けの状態が変化する。そこで、ここでは、これらを全て考慮した値として、半田状態値Dという概念を導入する。
【0043】
半田状態値D=a×│Po│+b×│Pr│+c×│Mo│+d×│Lo│+e×│Lr│
ここで、a,b,c,d,eは係数であり、Poは半田ペースト酸化値であり、Prは半田ペースト還元値であり、Moは部品メッキの酸化値であり、Loは基板ランドの酸化値であり、Lrは、基板ランドの還元値である。また、Th1およびTh2は、半田状態値を三段階に分けるための閾値である。
【0044】
なお、半田状態値Dとしては、まず考慮すべきなのは、半田ペーストの酸化値または還元値であり、次に、部品メッキの酸化の程度であり、その次に基板の基板ランドの酸化値または還元値の順に考慮すべきである。
【0045】
なお、部品メッキには一般的にフラックスが使われないため、本実施の携帯では部品メッキの還元値を利用していないが、部品メッキにフラックスが含まれていれば還元値を利用してもよい。
【0046】
図7は、この場合の制御部20が行う処理内容を示すフローチャートである。図7を参照して、リフロー炉に搬入されてくるプリント基板上の半田付けに関連する各部の半田状態を予め、上記した半田状態検出手段によって検出しておき(ステップS11、以下ステップを省略する)、それの基づいて制御部20は、上記した半田状態値Dを演算する。そして、半田状態値Dの値が閾値Th1より小さければ(S12でD<Th1)、酸素濃度をレベル1、すなわち、不活性雰囲気室10を空気に設定する。半田状態値Dの値が閾値Th1より小さければ(S12でTh1≦D<Th2)、酸素濃度をレベル2、すなわち、9000ppm以下に設定する。半田状態値Dの値が閾値Th2より大きければ(S12でD>Th2)、酸素濃度をレベル3、すなわち、5000ppm以下に設定する。この動作をプリント基板ごとに繰り返す。
【0047】
図8は、制御部20が図7で設定した酸素レベルとなるように不活性雰囲気室10を制御する処理内容を示すフローチャートである。図8を参照して、まず酸素濃度計12で不活性雰囲気室10の酸素濃度を計測する(S21)。この計測値によって、酸素濃度が図7で設定した目標レベルよりも高ければ(S21で目標レベル<酸素濃度)、弁14を開いて、弁15を閉じる(S23)。酸素濃度が図7で設定した目標レベルよりも低ければ(S21で目標レベル>酸素濃度)、弁15を開いて、弁14を閉じる(S24)。酸素濃度が図7で設定した目標レベルであれば(S21で目標レベル=酸素濃度)、なにもしないで処理を終了する。
【0048】
なお、上記実施の形態においては、半田状態値Dとして、半田ペーストの酸化値、半田ペースト還元値、部品メッキの酸化値、基板ランドの酸化値、基板ランドの還元値を含めたが、これに限らず、このうちの少なくとも一つを用いればよい。
【0049】
また、上記実施の形態においては、半田状態値Dに応じて、三段階に分けて制御する場合について説明したが、これに限らず、任意の段階に分けて制御してもよいし、段数を分けずに、半田状態値Dの値に応じた最適酸素濃度値を定め、その値を基準として、比例するように、あるいはPID制御等を使用して無段階で制御してもよい。これにより、酸素濃度をより正確に制御することが可能になる。
【0050】
また、上記実施の形態においては、不活性雰囲気室に空気を供給するための弁を設けてこれを制御部で制御する場合について説明したが、空気は制御しなくてもよい。これにより、弁を減らして、装置をより簡単なものにすることができる。
【0051】
また、上記実施の形態においては、図7の処理をプリント基板ごとに繰り返す場合について説明したが、これに限らず、プリント基板の一定枚数ごとに、あるいは一定時間ごとに繰り返すようにしてもよい。これにより、プリント基板1枚あたりの半田状態値Dの変化が微少である場合などに、処理の回数を減らすことができる。
【0052】
また、上記実施の形態においては、電子部品実装装置におけるリフロー炉において、酸素濃度を制御する場合について説明したが、これに限らず、基板に部品を半田付けする任意の炉において酸素濃度を制御するようにしてもよい。
【0053】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示された実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】電子部品実装装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】リフロー炉の概略構成を示す模式図である。
【図3】プリント基板上に半田付けされるICチップの取付け状態を示す図である。
【図4】周囲環境ごとの半田ペーストの状態を示す図である。
【図5】周囲の雰囲気ごとに半田ペースト酸化値によって半田溶融光沢度がどのように変化するのかを示す図である。
【図6】濃度制御を行う場合の一例を示す図である。
【図7】半田状態値に応じて制御部が行う処理内容を示すフローチャートである。
【図8】酸素濃度に応じて制御部が行う処理内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0055】
10 不活性雰囲気室、11 コンベヤ、12 酸素濃度計、13 流量計、14,15 弁、16 窒素ガス供給口、17 サンプリング口、18 空気供給口、20 制御部、30 プリント基板、101 印刷機、103 マウンタ、105 リフロー炉。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に部品を半田付けするリフロー炉であって、
半田付けに関連する半田材の状態を検出する半田材状態検出手段と、
前記半田材状態検出手段によって検出された前記半田材の状態に応じて炉内の酸素濃度を制御する制御手段とを含む、リフロー炉。
【請求項2】
前記半田材は、半田付けに使用する半田ペースト、前記部品のメッキ、および、前記部品が半田付けされる基板ランドのうちの少なくとも一つを含む、請求項1に記載のリフロー炉。
【請求項3】
前記半田材の状態は、前記半田ペースト、前記部品のメッキ、および、前記基板ランドのうちのいずれかの酸化値を含む、請求項2に記載のリフロー炉。
【請求項4】
前記半田材の状態は、前記半田ペースト、または、前記基板ランドの還元値を含む、請求項2または3に記載のリフロー炉。
【請求項5】
前記半田材の状態は、前記半田ペースト、前記部品のメッキ、および、前記基板ランドの酸化値、または、還元値の組み合わせを含む、請求項2に記載のリフロー炉。
【請求項6】
前記制御手段は、前記半田材の状態に応じて炉内の酸素濃度を段階的に制御する、請求項1から5のいずれかに記載のリフロー炉。
【請求項7】
前記制御手段は、前記半田材の状態に応じて炉内の酸素濃度を無段階に制御する、請求項1から5のいずれかに記載のリフロー炉。
【請求項8】
基板に部品を半田付けする炉において使用される酸素濃度制御装置であって、
半田付けに関連する半田材の状態を検出する半田材状態検出手段と、
前記半田材状態検出手段によって検出された前記半田材の状態に応じて炉内の酸素濃度を制御する制御手段とを含む、酸素濃度制御装置。
【請求項9】
基板に電子部品を半田付けするためのリフロー炉における炉内の酸素濃度の制御方法であって、
前記半田材の状態を検出するステップと、
検出された半田材の状態に応じて前記炉内の酸素濃度を制御するステップとを含む、炉内の酸素濃度の制御方法。
【請求項10】
リフロー炉に接続されたコンピュータに、請求項9に記載の酸素濃度の制御方法を実行させる、酸素濃度制御用プログラム。
【請求項11】
請求項10に記載の酸素濃度制御用プログラムを格納したコンピュータ読取可能記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−112822(P2008−112822A)
【公開日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−294132(P2006−294132)
【出願日】平成18年10月30日(2006.10.30)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】