説明

リボフラノース化合物およびプリンヌクレオシド化合物の製造方法

【課題】医薬品の合成中間体として有用なプリンヌクレオシド化合物のより効率のよい、工業的に適した製造方法を提供すること。
【解決手段】D−キシロース(II)を酸存在下で化合物(III)と反応させた後、酸加水分解して化合物(IV)を得、5位のOH基を選択的に保護して化合物(V)を得、3位のOH基を酸化して化合物(VI)を得、3位のC=O基を還元して化合物(VII)を得、化合物(VIII)と反応させて化合物(IX)得、酸加水分解反応に付して化合物(X)を得、アシル化して化合物(I)を得、化合物(XI)をニトリル系溶媒またはエステル系溶媒中、シリル化剤およびルイス酸の存在下で反応させた後、2’位を脱アシル化して化合物(XII)を得る。
【化1】


(式中、各記号は明細書記載のとおりである。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リボフラノース化合物およびプリンヌクレオシド化合物の新規製造方法、ならびに新規なリボフラノース化合物およびプリンヌクレオシド化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
式(XVII):
【0003】
【化1】

【0004】
(式中、DMTはジメトキシトリチル基を示す。)で表されるプリンヌクレオシド化合物は、アンチセンス医薬の原料化合物として有用である(非特許文献1参照)。上記化合物は、非特許文献1では2,6−ジアミノプリンリボシドから合成されているが、反応の選択性が悪く、また酵素反応を要する等、工業的に適した方法とはいえず、より効率的な製造法の開発が望まれている。
【0005】
また、特許文献1には、リボフラノース化合物からプリンヌクレオシド化合物を製造する方法が開示されているが、リボフラノース化合物についての具体的な製造方法は開示されていないし、また、プリンヌクレオシド化合物については、本発明のような製造方法は開示されていない。
【特許文献1】特開2005−132767号公報
【非特許文献1】Nucleosides, Nucleotides & Nucleic Acids (2003), 22(5-8), 1327-1330.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、医薬品の合成中間体として有用なプリンヌクレオシド化合物のより効率のよい、工業的に適した製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、上記化合物の効率のよい製造方法を鋭意検討した結果、新規なリボフラノース化合物を中間体とした合成ルートを採用することにより、反応の選択性に問題がなく、さらに酵素反応を要せずして、目的のプリンヌクレオシド化合物を製造できることを見出した。さらに、中間体として種々の新規プリンヌクレオシド化合物を見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は以下のとおりである。
【0008】
[1]下記工程(a)ないし(g)を包含することを特徴とする、一般式(I):
【0009】
【化2】

【0010】
(式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよいアシル基を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基ORの立体配置が何ら限定されないことを示す。)(以下、化合物(I)ともいう。)で表される化合物の製造方法:
(a)式(II):
【0011】
【化3】

【0012】
(式中、波線は、アノマー炭素原子の置換基OHの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表されるD−キシロースを、酸の存在下で一般式(III):
【0013】
【化4】

【0014】
(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を示す。)で表される化合物(以下、化合物(III)ともいう。)と反応させた後、酸加水分解して、一般式(IV):
【0015】
【化5】

【0016】
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(IV)ともいう。)を得る工程;
(b)化合物(IV)の5位のヒドロキシ基を選択的に保護して、一般式(V):
【0017】
【化6】

【0018】
(式中、Pは置換基を有していてもよいベンゾイル基を示し、他の記号は前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(V)ともいう。)を得る工程;
(c)化合物(V)の3位のヒドロキシ基を酸化して、一般式(VI):
【0019】
【化7】

【0020】
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(VI)ともいう。)を得る工程;
(d)化合物(VI)の3位のカルボニル基を還元して、一般式(VII):
【0021】
【化8】

【0022】
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(VII)ともいう。)を得る工程;
(e)化合物(VII)の保護基Pを除去した後、塩基の存在下で一般式(VIII):
【0023】
【化9】

【0024】
(式中、Xは、ハロゲン原子、メシルオキシ基またはトシルオキシ基を示し、Rは前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(VIII)ともいう。)を反応させて、一般式(IX):
【0025】
【化10】

【0026】
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物(以下、化合物(IX)ともいう。)を得る工程;
(f)化合物(IX)を酸加水分解反応に付して、一般式(X):
【0027】
【化11】

【0028】
(式中、Rは前記と同義を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基OHの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表される化合物(以下、化合物(X)ともいう。)を得る工程;および
(g)化合物(X)の1位および2位のヒドロキシ基をアシル化して、化合物(I)を得る工程。
【0029】
[2]化合物(IX)を酸加水分解反応に付すことを特徴とする、化合物(X)の製造方法。
[3]化合物(X)の1位および2位のヒドロキシ基をアシル化することを特徴とする、化合物(I)の製造方法。
【0030】
[4]化合物(I)と、一般式(XI):
【0031】
【化12】

【0032】
(式中、YおよびYは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を示す。)で表される化合物またはその塩(以下、化合物(XI)ともいう。)を、ニトリル系溶媒またはエステル系溶媒中、シリル化剤およびルイス酸の存在下で反応させた後、2’位を脱アシル化することを特徴とする、一般式(XII):
【0033】
【化13】

【0034】
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物またはその塩(以下、化合物(XII)ともいう。)の製造方法。
【0035】
[5]Rが炭素数7〜21のアラルキル基である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[6]Rがベンジル基である、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の製造方法。
[7]Rが炭素数1〜8のアシル基である、上記[1]、[3]および[4]のいずれかに記載の製造方法。
[8]Rがアセチル基である、上記[1]、[3]および[4]のいずれかに記載の製造方法。
[9]Yが、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基である、上記[4]記載の製造方法。
[10]Yがハロゲン原子である、上記[4]記載の製造方法。
[11]Yが、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいアミノ基である、上記[4]記載の製造方法。
[12]Yがアミノ基である、上記[4]記載の製造方法。
【0036】
[13]化合物(X)。
[14]Rが炭素数7〜21のアラルキル基である、上記[13]記載の化合物。
[15]Rがベンジル基である、上記[13]記載の化合物。
【0037】
[16]一般式(XVIII):
【0038】
【化14】

【0039】
(式中、Y1’およびY2’は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を示し、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を表す。)で示される化合物またはその塩(但し、2−アミノ−6−クロロ−9β―(2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル)−D−リボフラノシルプリンを除く。)(以下、化合物(XVIII)ともいう。)。
【0040】
[17]Y1’が、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基である、上記[16]記載の化合物またはその塩。
[18]Y1’が、塩素原子、ベンジルオキシ基またはヒドロキシ基である、上記[16]記載の化合物またはその塩。
[19]Y2’が、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいアミノ基である、上記[16]記載の化合物またはその塩。
[20]Y2’が、アミノ基またはイソブチリルアミノ基である、上記[16]記載の化合物またはその塩。
[21]Rが、水素原子、炭素数1〜10のアシル基または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基である、上記[16]記載の化合物またはその塩。
[22]Rが、水素原子、アセチル基または2−メトキシエチル基である、上記[16]記載の化合物またはその塩。
[23]RおよびRが、それぞれ独立して、水素原子、炭素数7〜21のアラルキル基または炭素数1〜10のアシル基である、上記[16]記載の化合物またはその塩。
[24]RおよびRが、それぞれ独立して、水素原子、ベンジル基またはアセチル基である、上記[16]記載の化合物またはその塩。
【発明の効果】
【0041】
本発明の方法は、酵素反応等を必要とせず、高選択的かつ高収率で医薬中間体として有用なプリンヌクレオシド化合物を製造できるので、工業的に有用な方法である。また、本発明により見出された新規リボフラノース化合物および新規プリンヌクレオオシド化合物は、医薬品の合成中間体として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0042】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で用いられている各記号の定義は以下のとおりである。
【0043】
、Y、Y、Y1’またはY2’で示される「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子である。Xとしては、好ましくは塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等である。Y、Y、Y1’またはY2’としては、それぞれ好ましくはフッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子等である。
【0044】
またはRで示される「アルキル基」としては、それぞれ炭素数1〜12の直鎖または分枝のアルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、2−エチルブチル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等が挙げられ、好ましくは炭素数1〜5の直鎖または分枝のアルキル基、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル等である。
【0045】
、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよいアルキル基」の「アルキル基」としては、上記で定義された「アルキル基」と同義であり、好ましくは炭素数1〜5の直鎖または分枝のアルキル基、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、イソブチル等である。当該アルキル基は置換可能な位置に置換基を有していてもよい。当該置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ等)、ヒドロキシ基、オキソ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)等が挙げられる。当該置換基の数は特に限定はなく、0〜3個が好ましく、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0046】
、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよいアラルキル基」の「アラルキル基」は、上記で定義された「アルキル基」の任意の位置にアリール基(好ましくは炭素数6〜12のアリール基)が置換して形成される総炭素数7〜21のアラルキル基であり、例えば、ベンジル、1−または2−フェニルエチル、1−、2−または3−フェニルプロピル、1−または2−ナフチルメチル、1−または2−(1−ナフチル)エチル、1−または2−(2−ナフチル)エチル、ベンズヒドリル、トリチル等が挙げられ、好ましくはベンジル、トリチル等である。当該アラルキル基は置換可能な位置に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、例えば、ハロゲン原子、C1−6アルキル基(例、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、イソブチル等)、C1−6アルコキシ基(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、イソブトキシ等)、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシル基、C1−6アルコキシカルボニル基(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、C6−12アリール基(例、フェニル基、ナフチル基等)等が挙げられる。当該置換基の数は特に限定はなく、0〜3個が好ましく、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0047】
、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基」の「ヘテロアリールアルキル基」は、上記で定義された「アルキル基」の任意の位置にヘテロアリール基が置換して形成されるヘテロアリールアルキル基であり、例えば、2−または3−チエニルメチル、2−または3−フリルメチル、1−、2−または3−ピロリルメチル、1−、2−、4−または5−イミダゾリルメチル、2−、4−または5−オキサゾリルメチル、2−、4−または5−チアゾリルメチル、1−、3−、4−または5−ピラゾリルメチル、3−、4−または5−イソオキサゾリルメチル、3−、4−または5−イソチアゾリルメチル、1,2,4−トリアゾール−1−、3−、4−または5−イルメチル、1,2,3−トリアゾール−1−、2−または4−イルメチル、1H−テトラゾール−1−または5−イルメチル、2H−テトラゾール−2−または5−イルメチル、2−、3−または4−ピリジルメチル、2−、4−または5−ピリミジニルメチル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリルメチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリルメチル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニルメチル、1−、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイミダゾリルメチル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリルメチル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリルメチル、1−または2−(2−または3−チエニル)エチル、1−または2−(2−または3−フリル)エチル、1−または2−(1−、2−または3−ピロリル)エチル、1−または2−(1−、2−、4−または5−イミダゾリル)エチル、1−または2−(2−、4−または5−オキサゾリル)エチル、1−または2−(2−、4−または5−チアゾリル)エチル、1−または2−(1−、3−、4−または5−ピラゾリル)エチル、1−または2−(3−、4−または5−イソオキサゾリル)エチル、1−または2−(3−、4−または5−イソチアゾリル)エチル、1−または2−(1,2,4−トリアゾール−1−、3−、4−または5−イル)エチル、1−または2−(1,2,3−トリアゾール−1−、2−または4−イル)エチル、1−または2−(1H−テトラゾール−1−または5−イル)エチル、1−または2−(2H−テトラゾール−2−または5−イル)エチル、1−または2−(2−、3−または4−ピリジル)エチル、1−または2−(2−、4−または5−ピリミジニル)エチル、1−または2−(1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル)エチル、1−または2−(2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル)エチル、1−または2−(2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニル)エチル、1−または2−(1−、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイミダゾリル)エチル、1−または2−(2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル)エチル、1−または2−(1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル)エチル等が挙げられる。当該ヘテロアリールアルキル基は置換可能な位置に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、上記「置換基を有していてもよいアラルキル基」で例示された置換基と同じ置換基が挙げられる。当該置換基の数は特に限定はなく、0〜3個が好ましく、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0048】
、R、RまたはRで示される「置換基を有していてもよいアシル基」の「アシル基」としては、例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバロイル、ヘキサノイル、イソヘキサノイル等の脂肪族アシル基;ベンゾイル、1−または2−ナフトイル等の芳香族アシル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜10のアシル基であり、より好ましくは炭素数1〜8のアシル基であり、好ましくはアセチル、ベンゾイル等である。
当該アシル基は置換可能な位置に置換基を有していてもよく、そのような置換基としては、上記「置換基を有していてもよいアラルキル基」で例示された置換基と同じ置換基が挙げられる。当該置換基の数は特に限定はなく、0〜3個が好ましく、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0049】
で示される「置換基を有していてもよいベンゾイル基」における置換基は、上記「置換基を有していてもよいアシル基」で例示された置換基と同じ置換基が挙げられる。当該置換基の数は特に限定はなく、0〜3個が好ましく、当該置換基は同一でも異なっていてもよい。
【0050】
、Y、Y1’またはY2’で示される「置換基を有していてもよいヒドロキシ基」および「置換基を有していてもよいアミノ基」における置換基としては、上記で定義された「置換基を有していてもよいアルキル基」、「置換基を有していてもよいアラルキル基」、「置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基」、「置換基を有していてもよいアシル基」等が挙げられ、メチル、ベンジル、アセチル、イソブチリル等が好ましい。
【0051】
本明細書で定義される化合物は、塩の形態であってもよい。そのような塩としては、例えば、無機酸塩(例えば、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等);有機酸塩(例えば、酢酸塩、プロピオン酸塩、メタンスルホン酸塩、4−トルエンスルホン酸塩、シュウ酸塩、マレイン酸塩等);アルカリ金属塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等);アルカリ土類金属塩(例えば、カルシウム塩、マグネシウム塩等);有機塩基塩(例えば、トリメチルアミン塩、トリエチルアミン塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン塩等)等が挙げられる。
【0052】
およびRとしては、それぞれ独立して、アルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
としては、置換基を有していてもよいアラルキル基が好ましく、炭素数7〜21のアラルキル基がより好ましく、ベンジル基がさらに好ましい。
としては、置換基を有していてもよいアシル基が好ましく、炭素数1〜8のアシル基がより好ましく、アセチル基がさらに好ましい。
としては、水素原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜10のアシル基、置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基がより好ましく、水素原子、アセチル基、2−メトキシエチル基がさらに好ましい。
およびRとしては、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアラルキル基、置換基を有していてもよいアシル基が好ましく、水素原子、炭素数7〜21のアラルキル基、炭素数1〜10のアシル基がより好ましく、水素原子、ベンジル基、アセチル基がさらに好ましい。
【0053】
としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基が好ましく、ハロゲン原子がより好ましく、塩素原子がさらに好ましい。
1’としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基が好ましく、塩素原子、ベンジルオキシ基、ヒドロキシ基がより好ましい。
としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基が好ましく、アミノ基がより好ましい。
2’としては、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいアミノ基が好ましく、アミノ基、イソブチリルアミノ基がより好ましい。
【0054】
としては、ベンゾイル基、p−トルオイル基、p−クロロベンゾイル基が好ましい。
【0055】
本発明の反応スキームを以下に示す。
【0056】
【化15】

【0057】
(式中、各記号は前記と同義を示す。)
以下に、各工程について詳細に説明する。
以下の各工程で得られる化合物は、常法によって単離(例えば、中和、抽出、濃縮、晶析等)または精製(例えば、再結晶、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー等)をすることができる。また、特に単離または精製することなく次工程に付することもできる。
【0058】
工程(a)
工程(a)では、D−キシロースを酸の存在下で化合物(III)と反応させて、下式(II’)で表される化合物(以下、化合物(II’)ともいう)を得、次いで、当該化合物を酸加水分解して3位および5位のヒドロキシ基を選択的に脱保護することにより、1位および2位のヒドロキシ基のみを保護した化合物(IV)を製造することができる。
【0059】
【化16】

【0060】
(式中、各記号は前記と同義を示す。)
第1工程
第1工程は、具体的には、D−キシロース、化合物(III)および酸を混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
【0061】
使用される酸としては、特に限定はなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、中でも、無機酸が好ましく、硫酸、塩酸がより好ましい。酸の使用量は、D−キシロースに対して、通常0.1当量〜10当量であり、好ましくは0.5当量〜2当量である。
【0062】
化合物(III)の使用量は、D−キシロースに対して、通常1当量〜100当量であり、好ましくは10当量〜50当量である。
【0063】
この工程は、脱水剤の存在下で実施することが好ましい。脱水剤としては、無水硫酸銅(II)、無水硫酸マグネシウム等が挙げられ、中でも、無水硫酸銅(II)が好ましい。脱水剤の使用量は、D−キシロースに対して、通常0.1重量倍〜10重量倍であり、好ましくは1重量倍〜5重量倍である。
【0064】
この工程では、化合物(III)を大過剰用いる場合には、溶媒を兼ねてもよく、あるいは別途溶媒を使用してよい。溶媒としては、例えば、トルエン、酢酸エチル等が挙げられる。
【0065】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0066】
得られる化合物(II’)は、アンモニア、炭酸水素アンモニウム等で中和後、抽出、濾過、濃縮等の常法により、単離することができる。
【0067】
第2工程
第2工程は、化合物(II’)を酸で処理することにより実施される。
【0068】
使用される酸としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、中でも、無機酸が好ましく、塩酸がより好ましい。酸の使用量は、反応溶液のpHが1〜2となるように添加すればよい。pHがこの範囲より低いと1位および2位のヒドロキシ基も脱保護されやすくなり、逆に、この範囲より高いと3位および5位のヒドロキシ基を脱保護できなくなるので、好ましくない。
【0069】
この工程では、酸を大過剰用いた場合には、溶媒を兼ねてもよく、あるいは別途溶媒を使用してよい。使用される溶媒としては、例えば、水、水とアルコール類(例、メタノール、エタノール等)との混合溶媒等が挙げられ、中でも、水が好ましい。
【0070】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0071】
工程(b)
工程(b)では、化合物(IV)の5位のヒドロキシ基を選択的に保護することにより、化合物(V)を製造することができる。
工程(b)では、置換基を有していてもよいベンゾイル基(例、ベンゾイル、トルオイル、p−クロロベンゾイル等)のように立体的に比較的嵩高い保護基を用いることによって、5位のヒドロキシ基のみを選択的に保護することができる。
【0072】
具体的には、化合物(IV)、対応するハロゲン化ベンゾイルおよび塩基を溶媒中で混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
【0073】
使用されるハロゲン化ベンゾイルとしては、例えば、塩化ベンゾイル、塩化p−トルオイル、塩化p−クロロベンゾイル等が挙げられる。ハロゲン化ベンゾイルの使用量は、化合物(IV)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは1当量〜2当量である。
【0074】
使用される塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられ、2以上の塩基を組み合わせて用いてもよい。中でも、ピリジン、トリエチルアミンが好ましい。塩基の使用量は、化合物(IV)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは1当量〜3当量である。
【0075】
使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えば、トルエン、酢酸エチル等を単独または混合して使用することができる。溶媒の使用量としては、化合物(IV)に対して、通常1重量倍〜100重量倍であり、好ましくは5重量倍〜20重量倍である。
【0076】
反応温度は、通常−10℃〜100℃、好ましくは0℃〜10℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0077】
工程(c)
工程(c)では、化合物(V)の3位のヒドロキシ基を酸化することにより、化合物(VI)を製造することができる。酸化方法としては、公知の様々な方法(例えば、Pfitzner−Moffatt酸化、スワン酸化、デスマーチン酸化等)が挙げられる。以下、Pfitzner−Moffatt酸化について説明するが、これに限定されるものではない。
【0078】
Pfitzner−Moffatt酸化は、具体的には、化合物(V)、ジメチルスルホキシド、カルボジイミド系縮合剤および酸を溶媒中で混合させることにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
【0079】
使用される溶媒としては、本反応を阻害しない溶媒であればいずれでもよく、例えば、トルエン、クロロホルム、ジクロロメタン等を単独または混合して使用することができる。溶媒の使用量は、化合物(V)に対して、通常1重量倍〜10重量倍であり、好ましくは5重量倍〜20重倍である。
【0080】
ジメチルスルホキシドの使用量は、化合物(V)に対して、通常1当量〜20当量であり、好ましくは2当量〜10当量である。
【0081】
カルボジイミド系縮合剤としては、例えば、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)等が挙げられ、中でも、DCCが好ましい。カルボジイミド系縮合剤の使用量は、化合物(V)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは1.1当量〜1.5当量である。
【0082】
酸としては、例えば、トリフルオロ酢酸、クロロ酢酸等が挙げられ、中でも、トリフルオロ酢酸が好ましい。酸の使用量は、化合物(V)に対して、通常0.01当量〜1当量であり、好ましくは0.05当量〜0.2当量である。
【0083】
当該酸化反応は、塩基の存在下で実施することが好ましい。当該塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられ、中でも、ピリジン、トリエチルアミンが好ましい。塩基の使用量は、化合物(V)に対して、通常0.01当量〜1当量であり、好ましくは0.05当量〜0.5当量である。
【0084】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0085】
工程(d)
工程(d)では、化合物(VI)の3位のカルボニル基を還元することにより、化合物(VII)を製造することができる。工程(c)および(d)の酸化・還元反応により、3位のヒドロキシ基がα位に反転して、リボフラノース誘導体とすることができる。
【0086】
工程(d)は、具体的には、化合物(VI)および還元剤を溶媒中で混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム等が挙げられ、中でも、水素化ホウ素ナトリウムが好ましい。還元剤の使用量は、化合物(VI)に対して、通常0.5当量〜5当量であり、好ましくは1当量〜1.5当量である。
【0087】
使用される溶媒としては、本反応を阻害しない溶媒であればいずれでもよく、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、アルコールと水の混合溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量は、化合物(VI)に対して、通常1重量倍〜100重量倍であり、好ましくは5重量倍〜20重量倍である。
【0088】
反応温度は、通常−50℃〜100℃、好ましくは−10℃〜20℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0089】
工程(e)
工程(e)では、化合物(VII)の保護基Pを除去した後、塩基の存在下で化合物(VIII)を反応させることにより、化合物(IX)を製造することができる。
塩基の種類によっては、工程(e)は、化合物(VII)、化合物(VIII)および塩基を溶媒中で混合することにより、保護基Pの除去も同時に実施できる。なお、それらの混合順序は特に制限されない。
【0090】
使用される化合物(VIII)としては、臭化ベンジル、塩化ベンジル等が好ましい。化合物(VIII)の使用量は、化合物(VII)に対して、通常2当量〜20当量であり、好ましくは2当量〜25当量である。
【0091】
使用される塩基としては、保護基Pの除去も同時に実施できる点から、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類等が好ましく、中でも、水素化ナトリウムがより好ましい。塩基の使用量は、化合物(VII)に対して、通常2当量〜20当量であり、好ましくは2当量〜3当量である。
【0092】
使用される溶媒としては、本反応を阻害しない溶媒であればいずれでもよく、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン等を単独または混合して使用することができる。溶媒の使用量は、化合物(VII)に対して、通常2重量倍〜20重量倍であり、好ましくは5重量倍〜10重量倍である。
【0093】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0094】
工程(f)
工程(f)では、化合物(IX)を酸加水分解して、1および2位のヒドロキシ基を脱保護することにより、化合物(X)を製造することができる。この化合物(X)は新規化合物であり、アンチセンス医薬等の中間体として有用である。
工程(f)は、具体的には、化合物(IX)と酸を溶媒中で混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
【0095】
使用される酸としては、特に限定はなく、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;酢酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等の有機酸が挙げられ、中でも、有機酸が好ましく、トリフルオロ酢酸がより好ましい。酸の使用量は、化合物(IX)に対して、通常10当量〜100当量であり、好ましくは20当量〜50当量である。
【0096】
使用される溶媒としては、例えば、水、水とアルコール類(例、メタノール、エタノール等)との混合溶媒等が挙げられ、水が好ましい。溶媒の使用量としては、化合物(IX)に対して、通常1重量倍〜10重量倍であり、より好ましくは2重量倍〜10重量倍である。
【0097】
反応温度は、通常−10℃〜100℃、好ましくは−5℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0098】
なお、得られた化合物(X)のアノマー炭素原子の置換基OHは、α位でもβ位でもどちらの立体配置も自由に取ることができる。従って、化合物(X)のアノマー炭素原子の置換基OHの立体配置は何ら限定されず、立体配置がα位であるもの、β位であるものおよびそれらの混合のいずれでもよく、具体的には、置換基OHの立体配置がα位であるものとβ位であるものとの比率が、0:100〜100:0まで任意の割合となる。
【0099】
工程(g)
工程(g)では、化合物(X)の1および2位のヒドロキシ基をアシル化することにより、化合物(I)を製造することができる。この化合物(I)は、アンチセンス医薬等の中間体として有用である。
工程(g)は、具体的には、溶媒中、化合物(X)、アシル化剤および塩基を混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
【0100】
使用されるアシル化剤としては、Rで表される「置換基を有していてもよいアシル基」に対応する酸無水物またはアシルハライド等が挙げられ、中でも、無水酢酸、アセチルクロリド等が好ましく、無水酢酸がより好ましい。アシル化剤の使用量は、化合物(X)に対して、通常2当量〜20当量であり、好ましくは2当量〜10当量である。
【0101】
使用される塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられ、2以上の塩基を組み合わせて用いてもよい。中でも、ピリジンとジメチルアミノピリジンの組み合わせが好ましい。塩基の使用量は、化合物(X)に対して、通常0.01当量〜2当量であり、好ましくは0.1当量〜1当量である。
【0102】
使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル等を単独または混合して使用することができる。溶媒の使用量としては、化合物(X)に対して、通常1重量倍〜20重量倍であり、より好ましくは5重量倍〜10重量倍である。
【0103】
反応温度は、通常−10℃〜100℃、好ましくは0℃〜10℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0104】
なお、得られた化合物(I)のアノマー炭素原子の置換基OHは、化合物(X)の場合と同様に、α位でもβ位でもどちらの立体配置も自由に取ることができる。従って、化合物(X)のアノマー炭素原子の置換基OHの立体配置は何ら限定されず、立体配置がα位であるもの、β位であるものおよびそれらの混合のいずれでもよく、具体的には、置換基OHの立体配置がα位であるものとβ位であるものとの比率が、0:100〜100:0まで任意の割合となる。
【0105】
このようにして得られたリボフラノース化合物である化合物(I)は、以下の工程(h)により、プリンヌクレオシド化合物へと導かれる。
【0106】
工程(h)
工程(h)では、化合物(I)と化合物(XI)をニトリル系溶媒またはエステル系溶媒中、シリル化剤およびルイス酸の存在下で反応させることにより、下式(XII”)で表される化合物(以下、化合物(XII”)ともいう)を得、次いで、化合物(XII”)の2’位を脱アシル化することにより、化合物(XII)を製造することができる。
【0107】
【化17】

【0108】
第1工程
工程(h)の第1工程は、具体的には、通常、化合物(I)、化合物(XI)、シリル化剤およびルイス酸を溶媒中で混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されず、例えば、化合物(I)、化合物(XI)、シリル化剤、ルイス酸および溶媒を一括混合してもよいし、化合物(XI)、シリル化剤および溶媒を混合した後、化合物(I)およびルイス酸を加えてもよい。また、化合物(I)、化合物(XI)、シリル化剤および溶媒を混合した後、ルイス酸を加えてもよいし、化合物(XI)、シリル化剤、ルイス酸および溶媒を混合した後、化合物(I)を加えてもよい。収率および化合物(I)の安定性の点で、化合物(XI)、シリル化剤および溶媒を混合した後、化合物(I)およびルイス酸を加えることが好ましい。
【0109】
化合物(XI)としては、例えば、6−フルオロプリン、6−クロロプリン、2,6−ジクロロプリン、2−アミノ−6−クロロプリン、2−アミノ−6−ヨードプリン等が挙げられ、中でも、2−アミノ−6−クロロプリンが好ましい。化合物(XI)は、市販されているものを用いてもよいし、例えば、特開平5−170766号公報、特開平6−157530号公報、特開平11−60575号公報、特開2002−88082号公報等の公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。化合物(XI)の使用量は、化合物(I)に対して、通常0.1〜1当量であり、好ましくは0.2〜1当量である。
【0110】
シリル化剤としては、例えば、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシリルクロリド等の単独または混合物が挙げられ、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミドが好ましい。かかるシリル化剤の使用量は、化合物(XI)に対して、通常0.8当量〜5当量である。
【0111】
ルイス酸としては、例えば、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル、トリメチルシリルヨーダイド等が挙げられ、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリルが好ましい。かかるルイス酸は、通常市販されているものが用いられ、その使用量は、あまり多すぎると、不純物の副生が増加するため、化合物(I)および化合物(XI)のうちの使用量の少ない方に対して、通常0.005当量〜1当量、好ましくは0.01当量〜0.5当量である。
【0112】
ニトリル系溶媒としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等の親水性ニトリル系溶媒が挙げられ、エステル系溶媒としては、例えば、酢酸エチル、酢酸プロピル等が挙げられる。反応後の処理が容易で、目的とする化合物(XII”)を結晶として取り出しやすいという点で、親水性ニトリル系溶媒が好ましく、中でも、アセトニトリルが好ましい。溶媒の使用量は、化合物(XI)に対して、通常1重量倍〜20重量倍である。
【0113】
この反応は、常圧条件下で実施してもよいし、加圧条件下で実施してもよい。また、シリル化剤等の分解を抑えるため、例えば、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下で実施することが好ましい。
反応温度は、通常0〜150℃、好ましくは50〜150℃である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0114】
反応終了後、必要に応じて、アンモニア水、炭酸水素ナトリウム水溶液等のアルカリ水溶液にて中和後、抽出、濃縮等の常法により、単離することができる。なお、例えば、アセトニトリル等の親水性ニトリル系溶媒を用いた場合には、中和後、水を混合することにより、化合物(XII”)が結晶として析出するため、濾過等の手段により、容易に単離することができる。
【0115】
第2工程
工程(h)の第2工程では、化合物(XII”)の2’位を脱アシル化することにより、化合物(XII)を製造することができる。脱アシル化反応としては、加水分解またはアルコール分解等が挙げられる。具体的には、化合物(XII”)を溶媒中で酸または塩基と処理することにより実施される。
【0116】
使用される酸としては、例えば、塩酸、硫酸等が挙げられ、塩基としては、アンモニア、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等が挙げられ、アンモニア、水酸化ナトリウムが好ましい。
酸または塩基の使用量は、化合物(I)に対し、通常0.1当量〜10当量であり、好ましくは1当量〜5当量である。
【0117】
使用される溶媒としては、例えば、水、アルコール(例、メタノール、エタノール等)または水とアルコール類との混合溶媒等が挙げられ、メタノールが好ましい。溶媒の使用量としては、化合物(I)に対して、通常1重量倍〜20重量倍である。
【0118】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0119】
化合物(XII)において、Rがベンジル基であり、Yが塩素原子であり、かつYがアミノ基である化合物(XII’)は、下記反応スキームで示される工程(i)ないし(m)により、アンチセンス医薬の合成中間体として有用な化合物(XVII)に導くことができる。
【0120】
【化18】

【0121】
(式中、Bnはベンジル基を示し、DMTはジメトキシトリチル基を示す。)
以下、工程(i)ないし(m)について詳細に説明する。
【0122】
工程(i)
工程(i)では、化合物(XII’)の6位の塩素原子をベンジルオキシ化することにより、化合物(XIII)を製造することができる。工程(i)は、具体的には、ベンジルアルコールを塩基と反応させてベンジルアルコキシドとした後、化合物(XII’)を添加することにより実施することができる。
【0123】
ベンジルアルコールの使用量は、化合物(XII’)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは1当量〜5当量である。
【0124】
使用される塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ金属類;水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類等が挙げられ、好ましくは水酸化ナトリウムである。塩基の使用量は、ベンジルアルコールに対して、通常0.5当量〜2当量であり、好ましくは0.8当量〜1.5当量である。
【0125】
ベンジルアルコキシド生成反応は、溶媒中で行ってもよいが、無溶媒で行ってもよい。溶媒を用いる場合は、例えば、トルエン、キシレン、酢酸エチル等が用いられる。
【0126】
ベンジルアルコキシド生成の反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは50℃〜100℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0127】
次いで、ベンジルアルコキシドを含む反応混合物に化合物(XII’)を添加し、通常0℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃の範囲で反応させる。反応時間は、通常1時間〜24時間である。
【0128】
工程(j)
工程(j)では、化合物(XIII)の2’位のヒドロキシ基をメトキシエチル化することにより、化合物(XIV)を製造することができる。工程(j)は、具体的には、化合物(XIII)、メトキシエチルハライドおよび塩基を溶媒中で混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
【0129】
メトキシエチルハライドとしては、例えば、2−ブロモエチルメチルエーテルが好ましい。メトキシエチルハライドの使用量は、化合物(XIII)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは1当量〜5当量である。
また、メトキシエチルハライドを活性化するため、テトラブチルアンモニウムヨージド等のヨウ化物を添加してもよい。ヨウ化物の使用量は、メトキシエチルハライドに対して、通常0.01当量〜1当量であり、好ましくは0.05当量〜0.2当量である。
【0130】
使用される塩基としては、例えば、水素化ナトリウム、水素化リチウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属類が挙げられ、水素化ナトリウムが好ましい。塩基の使用量は、化合物(XIII)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは1当量〜5当量である。
【0131】
使用される溶媒としては、当該反応を阻害しないものであればよく、例えば、テトラヒドロフラン、トルエン、酢酸エチル等を単独または混合して使用することができる。溶媒の使用量としては、化合物(XIII)に対して、通常1重量倍〜20重量倍であり、より好ましくは3重量倍〜10重量倍である。
【0132】
工程(j)では、リチウムヘキサメチルジシラジド、リチウムジイソプロピルアミドのような強塩基をさらに使用するのが好ましい。かかる強塩基の使用量は、化合物(XIII)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは1当量〜5当量である。
【0133】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0134】
工程(k)
工程(k)では、化合物(XIV)の2位のアミノ基をイソブチリル化することにより、化合物(XV)が製造される。工程(k)は、具体的には、化合物(XIV)、イソブチリルクロリドおよび塩基を混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
【0135】
イソブチリルクロリドの使用量は、化合物(XIV)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは1当量〜2当量である。
【0136】
使用される塩基としては、例えば、ピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられ、2以上の塩基を組み合わせて用いてもよい。中でも、ピリジン、トルエチルアミンが好ましい。塩基の使用量は、化合物(XIV)に対して、通常1当量〜100当量であり、好ましくは1当量〜50当量である。
【0137】
工程(k)は、溶媒中で行ってもよいが、無溶媒で行ってもよい。溶媒を用いる場合は、例えば、トルエン、酢酸エチル等が用いられる。
【0138】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0139】
工程(l)
工程(l)では、化合物(XV)の5’位を脱ベンジル化することにより、化合物(XVI)を製造することができる。この時、6位および3’位も同時に脱ベンジル化される。脱ベンジル化反応としては、加水素分解反応が好ましい。以下、加水素分解反応について説明するが、工程(l)はこれに限定されない。
【0140】
加水素分解反応は、具体的には、溶媒中、化合物(XV)を触媒存在下、水素雰囲気中で攪拌することにより実施される。
【0141】
使用される触媒としては、パラジウム炭素、展開ニッケル等が挙げられ、なかでも、パラジウム炭素が好ましい。触媒の使用量は、化合物(XV)に対して、通常0.01重量倍〜10重量倍であり、より好ましくは0.1重量倍〜1重量倍である。
【0142】
使用される溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン、水等を単独または混合して使用することができる。溶媒の使用量としては、化合物(XV)に対して、通常5重量倍〜100重量倍であり、より好ましくは10重量倍〜50重量倍である。
【0143】
反応系中の水素圧は、特に限定されず、加圧しても常圧でもよく、常圧がさらに好ましい。
【0144】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0145】
工程(m)
工程(m)では、化合物(XVI)の5’位のヒドロキシ基をジメチルトリチル化することにより、化合物(XVII)を製造することができる。工程(m)は、具体的には、化合物(XVI)、ジメチルトリチルクロリドおよび塩基を混合することにより実施されるが、それらの混合順序は特に制限されない。
【0146】
ジメチルトリチルクロリドの使用量は、化合物(XVI)に対して、通常1当量〜5当量であり、好ましくは1当量〜2当量である。
【0147】
塩基としては、例えば、ピリジン、ピコリン、ルチジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン等が挙げられ、2以上の塩基を組み合わせて用いてもよい。中でも、2,6−ルチジン、ピリジンが好ましい。塩基の使用量は、化合物(XVI)に対して、通常1当量〜10当量であり、好ましくは2当量〜5当量である。
【0148】
工程(m)は、溶媒中で行ってもよいが、無溶媒で行ってもよい。溶媒を用いる場合は、例えば、トルエン、酢酸エチル等が用いられる。
【0149】
反応温度は、通常0℃〜100℃、好ましくは10℃〜50℃の範囲である。反応時間は、用いられる試薬や反応温度にも依存するが、通常1時間〜24時間である。
【0150】
以上の方法により製造することができる一般式(XVIII):
【0151】
【化19】

【0152】
(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表されるプリンリボヌクレオシド化合物(2−アミノ−6−クロロ−9β―(2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル)−D−リボフラノシルプリンを除く。)は、新規化合物であり、アンチセンス医薬の合成中間体として有用である。
【0153】
化合物(XVIII)において、Rが、水素原子、炭素数1〜10のアシル基または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基であり、RおよびRが、それぞれ独立して、水素原子、炭素数7〜21のアラルキル基または炭素数1〜10のアシル基であり、Y1’が、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基であり、かつY2’が、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいアミノ基である化合物が好ましく、中でも、Rが、水素原子、アセチル基または2−メトキシエチル基であり、RおよびRが、それぞれ独立して、水素原子、ベンジル基またはアセチル基であり、Y1’が、塩素原子、ベンジルオキシ基またはヒドロキシ基であり、かつY2’が、アミノ基またはイソブチリルアミノ基である化合物が特に好ましい。
【実施例】
【0154】
以下、本発明について、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【0155】
実施例1 1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−キシロフラノース
【0156】
【化20】

【0157】
D−キシロース(30.0g)および無水硫酸銅(II)(40.0g)のアセトン(400ml)懸濁液に98%硫酸(10.0g)を加え、室温で7時間撹拌した。TLCにより反応が終了していることを確認したのち、その反応混合物を濾過した。得られたろ液に28%アンモニア水を加えて中和し、析出した結晶を濾過した。ろ液を濃縮し、残渣に水(150ml)を加えた。その溶液を0℃に冷却した後、35%塩酸を加え、pHが1以下になるようにした。室温で4時間撹拌し、TLCにより反応が終了していることを確認したのち、重炭酸ナトリウムで中和した。得られた溶液からトルエン(100ml)で3回抽出し、得られたトルエン溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧下で濃縮して、表題化合物(36g)を得た。収率95%
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ(ppm) 1.32 (3H, s), 1.49 (3H, s), 4.07 (2H, m), 4.18 (1H, m), 4.33 (1H, d), 4.53 (1H, d), 5.98 (1H, d).
13C-NMR (CDCl3, 100MHz) δ(ppm) 25.2, 25.8, 51.8, 60.1, 77.8, 84.6, 103.8, 110.7.
MS (CI, 70eV) m/z 191 (M++H, 100), 173 (20), 133(53).
【0158】
実施例2−1 1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−キシロフラノース 5−ベンゾエート
【0159】
【化21】

【0160】
1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−キシロフラノース(3.99g)のトルエン(30ml)溶液にピリジン(1.56g)を加え、0℃に冷却し、塩化ベンゾイル(2.95g)を滴下した。TLCにより原料が消失していることを確認したのち、反応混合物をろ過した。ろ液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(4.53g)を得た。収率77%
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ(ppm) 1.32 (3H, s), 1.51 (3H, s), 3.42 (1H, d), 4.20 (1H, m), 4.40 (2H, m), 4.59 (1H, d), 4.78 (1H, m), 5.97 (1H, d), 7.45 (2H, m), 7.59 (1H, m), 8.05 (2H, t).
13C-NMR (CDCl3, 100MHz) δ(ppm) 26.2, 26.8, 61.4, 74.4, 78.5, 85.0, 104.7, 111.8, 128.4, 129.2, 129.8, 133.4, 167.2.
MS (CI, 70eV) m/z 294 (M+, 100), 236 (24).
【0161】
実施例2−2 1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−キシロフラノース 5−(4’−メチルベンゾエート)
実施例2−1において、ピリジンの代わりにトリエチルアミンを、塩化ベンゾイルの代わりに塩化p−トルオイルをそれぞれ使用し、ジメチルアミノピリジンを追加したこと以外は実施例2−1と同様に行い、表題化合物を得た。収率73%
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ(ppm) 1.32 (3H, s), 1.51 (3H, s), 2.42 (3H, s), 3.41 (1H, d), 4.17 (1H, m), 4.40 (2H, m), 4.59 (1H, d), 4.78 (1H, m), 5.96 (1H, d), 7.25 (2H, d), 7.94 (2H, d).
MS (CI, 70eV) m/z 309 (M+, 100), 251 (27).
【0162】
実施例2−3 1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−キシロフラノース 5−(4’−クロロベンゾエート)
実施例2−1において、ピリジンの代わりにトリエチルアミンを、塩化ベンゾイルの代わりに塩化4−クロロベンゾイルをそれぞれ使用し、ジメチルアミノピリジンを追加したこと以外は実施例2−1と同様に行い、表題化合物を得た。収率48%
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ(ppm) 1.32 (3H, s), 1.51 (3H, s), 2.42 (3H, s), 3.41 (1H, d), 4.17 (1H, m), 4.40 (2H, m), 4.59 (1H, d), 4.78 (1H, m), 5.96 (1H, d), 7.25 (2H, d), 7.94 (2H, d).
【0163】
実施例3 1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−エリスロペンタフラノ−3−ロース 5−ベンゾエート
【0164】
【化22】

【0165】
1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−キシロフラノース 5−ベンゾエート(3.1g)のトルエン(30ml)溶液を0℃に冷却し、DMSO(3ml)、ピリジン(0.3ml)、トリフルオロ酢酸(0.1ml)およびN,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド(2.9g)を加え、室温で18時間反応させた。酢酸エチル(30ml)を加え、ろ過した後、ろ液を水(10ml)で洗浄した。有機層を濃縮し、表題化合物(2.63g)を得た。収率85%
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ(ppm) 1.36 (3H, s), 1.44 (3H, s), 4.36 (1H, d), 4.40 (1H, d), 4.61 (2H, m), 6.06 (1H, t), 7.36 (2H, m), 7.56 (1H, m), 8.06 (2H, d).
13C-NMR (CDCl3, 100MHz) δ(ppm) 27.1, 27.4, 63.4, 76.1, 103.0, 114.3, 128.4, 129.2, 129.6, 133.2, 165.6, 207.4.
【0166】
実施例4 1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−リボフラノース 5−ベンゾエート
【0167】
【化23】

【0168】
1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−エリスロペンタフラノ−3−ロース 5−ベンゾエート(5.32g)の90%メタノール(61ml)水溶液に水素化ホウ素ナトリウム(0.73g)を徐々に加え、0℃で5時間撹拌した。反応が終了した後、5%塩化アンモニウム水溶液(20ml)を加え、過剰の水素化ホウ素ナトリウムを除いた。反応液を濃縮し、アセトニトリル(20ml)で3回抽出し、有機層を濃縮して、表題化合物(5.0g)を得た。収率94%
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ(ppm) 1.39 (3H, s), 1.59 (3H, s), 3.92 (1H, dd), 4.09 (1H, d), 4.47 (1H, m), 4.61 (2H, m), 4.68 (1H, m), 4.73 (1H, d), 5.86 (1H, d), 7.44-7.56 (3H, m), 8.06 (2H, d).
13C-NMR (CDCl3, 100MHz) δ(ppm) 25.6, 62.4, 71.1, 77.3, 77.5, 103.1, 111.8, 127.3, 128.7, 132.1, 165.4.
MS (CI, 70eV) m/z 295 (M++1, 14), 237 (100), 123 (16).
【0169】
実施例5 1,2−O−(1−メチルエチリデン)−3,5−ジ−O−ベンジル−α−D−リボフラノース
【0170】
【化24】

【0171】
60%水素化ナトリウム(2.58g)のTHF(100ml)溶液に、1,2−O−(1−メチルエチリデン)−α−D−リボフラノース 5−ベンゾエート(8.00g)および臭化ベンジル(9.57g)を加え、還流下(65℃)、4時間反応させた。反応溶液を室温に冷却した後、メタノール及び水を加え、アセトニトリルにより抽出した。有機層を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(7.00g)を得た。収率70%
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ(ppm) 1.36 (3H, s), 1.59 (3H, s), 3.57 (1H, dd), 3.76 (1H, d), 3.86 (1H, m), 4.17 (1H, m), 4.48-4.58 (3H, m), 4.73 (1H, d), 5.75 (1H, d), 7.27-7.34 (10H, m).
13C NMR (CDCl3, 100MHz) δ(ppm) 14.2, 22.7, 26.6, 26.8, 29.0, 31.9, 68.0, 72.2, 73.5, 78.0, 104.1, 112.8, 127.5, 127.6, 127.9, 127.9, 128.2, 128.3, 137.6, 138.0
MS (CI, 70eV) m/z 371 (M++1, 13), 313 (100), 205 (60), 147(41), 133 (24).
【0172】
実施例6 1,2−ジ−O−アセチル−3,5−ジ−O−ベンジル−D−リボフラノース
【0173】
【化25】

【0174】
(a)3,5−ジ−O−ベンジル−D−リボフラノース
1,2−O−(1−メチルエチリデン)−3,5−ジ−O−ベンジル−α−D−リボフラノース(7.20g)の70%トリフルオロ酢酸(100g)水溶液を0℃で1時間、その後室温で2時間撹拌した。その反応液を38%重炭酸カリウム水溶液(163g)に滴下した後、酢酸エチル(100ml)で3回抽出し、有機層を濃縮して、3,5−ジ−O−ベンジル−D−リボフラノースを得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz) δ(ppm) 3.47 (1H, m), 3.55(1H, m), 3.84 (1H, dd), 3.76 (1H, d), 3.84 (1H, m), 4.01 (1H, m), 4.41-4.50 (4H, m), 4.62 (2H, d), 4.98 (2H, dd), 6.33 (1H, d), 7.26-7.33 (10H, m).
13C-NMR (CDCl3, 100MHz) δ(ppm) 70.9, 72.1, 72.3, 73.0, 78.8, 102.0, 127.3, 127.4, 128.0, 128.0, 138.3.
【0175】
(b)1,2−ジ−O−アセチル−3,5−ジ−O−ベンジル−D−リボフラノース
(a)で得られた3,5−ジ−O−ベンジル−D−リボフラノースをTHF(63ml)に加え、ピリジン(9.5ml)およびジメチルアミノピリジン(0.30g)を加えた。0℃に冷却した後、無水酢酸(7.4ml)を滴下し、3時間反応させた。酢酸エチルで希釈し、1N塩酸(60ml)、10%重炭酸カリウム水溶液(60ml)及び飽和食塩水(60ml)で洗浄した。有機層を濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(6.92g)を得た。収率86%(1,2−O−(1−メチルエチリデン)−3,5−ジ−O−ベンジル−α−D−リボフラノースからの収率)
1H-NMR (CDCl3, 400MHz) δ(ppm) 1.92 (3H, s), 2.12 (3H, s), 3.55 (1H, dd), 3.68 (1H, dd), 4.23 (1H, m), 4.30 (1H, m), 4.44.63-4.58 (4H, m), 5.30 (1H, d), 6.12 (1H, d), 7.27-7.33 (10H, m).
13C-NMR (CDCl3, 100MHz) δ(ppm) 20.8, 21.0, 69.2, 73.2, 73.6, 76.4, 81.4, 98.5, 101.5, 127.4, 127.5, 127.9, 128.2, 128.4, 137.3, 138.0, 169.1, 169.8.
MS (CI, 70eV) m/z 415 (M++1, 1.3), 355 (100), 205 (25), 147(54), 139 (54).
【0176】
実施例7 2−アミノ−6−クロロ−3’,5’−ジ−O−ベンジルプリンリボシド
【0177】
【化26】

【0178】
アセトニトリル(12ml)、2−アミノ−6−クロロプリン(1.0g,5.90mmol)およびN,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド(2.47g,12.1mmol)の混合物を50℃で2時間撹拌した。その後、1,2−ジ−O−アセチル−3,5−ジ−O−ベンジル−D−リボフラノース(2.44g,5.90mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸トリメチルシリル(0.12g,0.54mmol)を加え、還流下(85℃)で2時間反応した。室温まで冷却し、水(10ml)を加え、28%アンモニア水により中和した。酢酸エチル(10ml)で3回抽出し、有機層を濃縮した。残渣に1Nアンモニアメタノール液(10ml)を加え、20時間撹拌した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=1:1)により精製して、表題化合物(2.70g)を得た(収率96%)。
【0179】
実施例8 6−O−ベンジル−3’,5’−ジ−O−ベンジルグアノシン
【0180】
【化27】

【0181】
ベンジルアルコール(13.5g)および水酸化ナトリウム(0.50g,12.5mmol)の混合物を80℃で2時間撹拌した。その後、2−アミノ−6−クロロ−3’,5’−ジ−O−ベンジルプリンリボシド(2.70g,5.61mmol)を加え、室温で20時間反応した。1%苛性水(20g)およびMTBE(メチルt-ブチルエーテル)(20g)を加え、分液した。有機層を濃縮後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=1:4)により精製して、表題化合物(1.94g)を得た。収率67%
【0182】
実施例9 6−O−ベンジル−2’−O−(2−メトキシエチル)−3’,5’−ジ−O−ベンジルグアノシン
【0183】
【化28】

【0184】
リチウムヘキサメチルジシラジドのTHF溶液(10.5g)、水素化ナトリウム(60% in oil,0.42g,10.5mmol)、ヨウ化テトラブチルアンモニウム(0.38g,1.03mmol)、6−O−ベンジル−3’,5’−ジ−O−ベンジルグアノシン(1.94g,3.51mmol)および2−ブロモエチルメチルエーテル(1.46g,10.5mmol)の混合物を30℃で5時間撹拌した。その後、反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=5:1)により精製し、表題化合物(1.42g)を得た。収率66.3%
【0185】
実施例10−1 6−O−ベンジル−2−N−(2−メチル−1−オキソプロピル)−3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−O−(2−メトキシエチル)グアノシン
【0186】
【化29】

【0187】
ピリジン(7.0g)、6−O−ベンジル−2’−O−(2−メトキシエチル)−3’,5’−ジ−O−ベンジルグアノシン(1.42g,2.32mmol)およびイソブチリルクロリド(0.30g,2.81mmol)の混合物を室温で11時間反応した。その後、メタノール(10ml)、水(10ml)および酢酸エチル(10ml)を加えて分液し、有機層を濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン=2:1)により精製して、表題化合物(1.07g)を得た。収率64%
【0188】
実施例10−2 6−クロロ−2−(2−メチル−1−オキソプロピル)アミノ−2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジルプリンリボシド
実施例10−1において、6−O−ベンジル−2’−O−(2−メトキシエチル)−3’,5’−ジ−O−ベンジルグアノシンの代わりに2−アミノ−6−クロロ−2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジルプリンリボシドを使用したこと以外は実施例10−1と同様に行い、表題化合物を得た。収率57.1%
【0189】
実施例10−3 6−クロロ−2−(2−メチル−1−オキソプロピル)アミノ−2’,3’,5’−トリ−O−アセチルプリンリボシド
実施例10−1において、6−O−ベンジル−2’−O−(2−メトキシエチル)−3’,5’−ジ−O−ベンジルグアノシンの代わりに2−アミノ−6−クロロ−2’,3’,5’−トリ−O−アセチルプリンリボシドを使用したこと以外は実施例10−1と同様に行い、表題化合物を得た。収率57.1%
【0190】
実施例11 2’−O−(2−メトキシエチル)−2−N−(2−メチル−1−オキソプロピル)グアノシン
【0191】
【化30】

【0192】
メタノール(25ml)、6−O−ベンジル−2−N−(2−メチル−1−オキソプロピル)−3’,5’−ジ−O−ベンジル−2’−O−(2−メトキシエチル)グアノシン(0.8g,1.17mmol)および10%Pd/C(50%wet,0.80g)を入れた反応容器を水素に置換し、常圧、40℃で混合物を22時間撹拌した。その後窒素に置換し、Pd/Cを濾過した。反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン/メタノール=1:3:6)により精製して、表題化合物(0.38g)を得た。収率80%
【0193】
実施例12 5’−O−ジメトキシトリチル−2’−O−(2−メトキシエチル)−2−N−(2−メチル−1−オキソプロピル)グアノシン
【0194】
【化31】

【0195】
2’−O−(2−メトキシエチル)−2−N−(2−メチル−1−オキソプロピル)グアノシン(100mg,0.24mmol)、2,6−ルチジン(100mg,0.93mmol)およびジメトキシトリチルクロリド(80mg,0.24mmol)の混合物を40℃で10時間反応した。混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘプタン/メタノール=1:3:6)により精製して、表題化合物(0.14g)を得た。収率83%
【産業上の利用可能性】
【0196】
本発明によれば、医薬品の合成中間体として有用なプリンヌクレオシド化合物のより効率のよい、工業的に適した製造方法を提供できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記工程(a)ないし(g)を包含することを特徴とする、一般式(I):
【化1】


(式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよいアシル基を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基ORの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表される化合物の製造方法:
(a)式(II):
【化2】


(式中、波線は、アノマー炭素原子の置換基OHの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表されるD−キシロースを、酸の存在下で一般式(III):
【化3】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を示す。)で表される化合物と反応させた後、酸加水分解して、一般式(IV):
【化4】


(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得る工程;
(b)一般式(IV)で表される化合物の5位のヒドロキシ基を選択的に保護して、一般式(V):
【化5】


(式中、Pは置換基を有していてもよいベンゾイル基を示し、他の記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得る工程;
(c)一般式(V)で表される化合物の3位のヒドロキシ基を酸化して、一般式(VI):
【化6】


(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得る工程;
(d)一般式(VI)で表される化合物の3位のカルボニル基を還元して、一般式(VII):
【化7】


(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得る工程;
(e)一般式(VII)で表される化合物の保護基Pを除去した後、塩基の存在下で一般式(VIII):
【化8】


(式中、Xは、ハロゲン原子、メシルオキシ基またはトシルオキシ基を示し、Rは前記と同義を示す。)で表される化合物を反応させて、一般式(IX):
【化9】


(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物を得る工程;
(f)一般式(IX)で表される化合物を酸加水分解反応に付して、一般式(X):
【化10】


(式中、Rは前記と同義を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基OHの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表される化合物を得る工程;および
(g)一般式(X)で表される化合物の1位および2位のヒドロキシ基をアシル化して、一般式(I)で表される化合物を得る工程。
【請求項2】
一般式(IX):
【化11】


(式中、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子またはアルキル基を示し、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示す。)で表される化合物を酸加水分解反応に付すことを特徴とする、一般式(X):
【化12】


(式中、Rは前記と同義を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基OHの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表される化合物の製造方法。
【請求項3】
一般式(X):
【化13】


(式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基OHの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表される化合物の1位および2位のヒドロキシ基をアシル化することを特徴とする、一般式(I):
【化14】


(式中、Rは前記と同義を示し、Rは置換基を有していてもよいアシル基を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基ORの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表される化合物の製造方法。
【請求項4】
一般式(I):
【化15】


(式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、Rは置換基を有していてもよいアシル基を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基ORの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表される化合物と、一般式(XI):
【化16】


(式中、YおよびYは、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を示す。)で表される化合物またはその塩を、ニトリル系溶媒またはエステル系溶媒中、シリル化剤およびルイス酸の存在下で反応させた後、2’位を脱アシル化することを特徴とする、一般式(XII):
【化17】


(式中、各記号は前記と同義を示す。)で表される化合物またはその塩の製造方法。
【請求項5】
が炭素数7〜21のアラルキル基である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項6】
がベンジル基である、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項7】
が炭素数1〜8のアシル基である、請求項1、3および4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項8】
がアセチル基である、請求項1、3および4のいずれかに記載の製造方法。
【請求項9】
が、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基である、請求項4記載の製造方法。
【請求項10】
がハロゲン原子である、請求項4記載の製造方法。
【請求項11】
が、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいアミノ基である、請求項4記載の製造方法。
【請求項12】
がアミノ基である、請求項4記載の製造方法。
【請求項13】
一般式(X):
【化18】


(式中、Rは、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を示し、波線は、アノマー炭素原子の置換基OHの立体配置が何ら限定されないことを示す。)で表される化合物。
【請求項14】
が炭素数7〜21のアラルキル基である、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
がベンジル基である、請求項13記載の化合物。
【請求項16】
一般式(XVIII):
【化19】


(式中、Y1’およびY2’は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、置換基を有していてもよいヒドロキシ基または置換基を有していてもよいアミノ基を示し、Rは、水素原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を表し、RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子、置換基を有していてもよいアシル基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアラルキル基または置換基を有していてもよいヘテロアリールアルキル基を表す。)で示される化合物またはその塩(但し、2−アミノ−6−クロロ−9β―(2’−O−アセチル−3’,5’−ジ−O−ベンジル)−D−リボフラノシルプリンを除く。)。
【請求項17】
1’が、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいヒドロキシ基である、請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項18】
1’が、塩素原子、ベンジルオキシ基またはヒドロキシ基である、請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項19】
2’が、ハロゲン原子または置換基を有していてもよいアミノ基である、請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項20】
2’が、アミノ基またはイソブチリルアミノ基である、請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項21】
が、水素原子、炭素数1〜10のアシル基または置換基を有していてもよい炭素数1〜5のアルキル基である、請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項22】
が、水素原子、アセチル基または2−メトキシエチル基である、請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項23】
およびRが、それぞれ独立して、水素原子、炭素数7〜21のアラルキル基または炭素数1〜10のアシル基である、請求項16記載の化合物またはその塩。
【請求項24】
およびRが、それぞれ独立して、水素原子、ベンジル基またはアセチル基である、請求項16記載の化合物またはその塩。

【公開番号】特開2007−137843(P2007−137843A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−336371(P2005−336371)
【出願日】平成17年11月21日(2005.11.21)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【Fターム(参考)】