説明

リュウガン種子抽出物の製造方法及びその応用

【課題】本発明は、リュウガン種子抽出物の製造方法及びその応用を提供する。
【解決手段】
該製造方法は、下記に示す手順、(1)特定濃度の抽出液を製し、(2)抽出液の温度を特定温度に加熱、(3)抽出液の中に砕いたリュウガン種子の顆粒を入れ、抽出し、(4)抽出後の溶液をろ過、濃縮し、(5)濃縮後の溶液を冷凍、乾燥して、(6)リュウガン種子抽出物の製造が完了することが含まれており、試験結果によると、本発明の製造方法により得られたリュウガン種子抽出物は、抗炎症反応を起こし、尿酸生成抑制、細菌活性化の抑制、そして肌角質細胞の生長促進、創傷治癒速度の向上を行うと同時に、生体内の臓器に損傷を与え、またはその負担をかけることがないことが明らかになった。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リュウガン種子抽出物の製造方法に関わり、得られたリュウガン種子抽出物は、生体に応用され、抗炎症、血清尿酸値の低減、角質細胞増殖の促進、創傷治癒の増強及び細菌の活性化抑制など多くの効果がある。
【背景技術】
【0002】
一、炎症(Inflammation):
炎症は、薬物の治療で見逃せない症状で、体から発した病気発症前の警告信号でもある。細菌、怪我、化学品その他の原因により、人体の組織にダメージがあった場合、ダメージを受けた組織附近には、マクロファージ(Macrophage)が活性化され、外来からの異物を捕食すると同時に、更に生体防御反応の因子も放出されることになり、組織の炎症が外来物からの刺激を受け続けると、該防御システムが数ヶ月から数年間続くことがあるところから、炎症があった場合は往々にして、放出された因子量も多くなるが、研究の結果により、該因子には、一酸化窒素(Nitric oxide, NO)、腫瘍壊死因子(Tumor necrosis factor, TNF)、インターロイキン(Interleukin, IL)、顆粒球コロニー刺激因子(Granulocyte colony stimulating factor, G-CSF)、単球コロニー刺激因子(Monocyte colony stimulating factor, M-CSF)、顆粒球単球コロニー刺激因子(Granulocyte-monocyte colony stimulating factor, GM-CSF)が含まれていることが明らかになり、学者らは、単核細胞とマクロファージから生じられたTNFをTNF-αと、T淋巴細胞から生じられたリンホトキシン(Lymphotoxin, LT)をTNF-βとそれぞれ名付け、区別している。
【0003】
リポ多糖(Lipopolysaccharides, LPS)は、細胞内毒素の主要成分で、動物実験の結果によると、LPSの働きにより、胃内に食べ物が長時間溜まりやすく、その働きは、LPSに誘導された炎症性サイトカイン及び一酸化窒素の増加に関わると証明されたが、生体がLPSの刺激を受けたとき、単球マクロファージに作用して、TNF-α、IL-1β、IL-6など様々なサイトカインの合成を誘導し、生体の防御反応と修復を行わせるようにするが、TNF-α、IL-1β、IL-6の三種類のサイトカインの合成はカスケードの順序で行われ、すなわち、LPSの誘導によるTNF-αの合成、TNF-αの誘導によるIL-1βの合成、そしてIL-1βの誘導によるIL-6の合成という流れになるが、しかし、サイトカインの過剰生成で、生体にも悪い影響を及ぼし、例えば、TNF-αの過剰生成により、多くの臓器の機能低下、播種性血管内凝固症候群や毒素性ショック症候群に罹り、ないし死亡する恐れもあり、抗TNF抗体を投与した動物に対して、毒素性ショック症候群による致命的発生を有効に防げるということである。
【0004】
現在、医薬界で使用されている抗炎症薬は種類が多く、例えば、抗生物質(Antibiotics)、非ステロイド性抗炎症薬(Non-steroidal anti-inflammation drugs;NSAIDs)、抗ヒスタミン薬(Anti-histamine drugs)などがあり、それらは優れた抗炎効果があるが、薬剤耐性や胃腸へダメージを与えるなどの副作用も起こす。
【0005】
二、痛風:
痛風は、プリンの代謝異常または尿酸の排泄低下により起こった疾患で、高尿酸血症(Hyperuricemia)、急性再発生単関節痛(Recurrent acute monoarthritis)、尿酸ナトリウム塩による痛風結節(Tophi)沈着、痛風性慢性関節炎などの臨床症状があるが、適切な治療を行わなければ、最終的に痛風腎症(Gouty nephropathy)になるのがよく見られる。この疾患は主に、原発性と続発性の二タイプに大別できるが、原発性痛風患者の1%弱は酵素不足で、たいていは原因不明で発症したと言われ、臨床では、痛風性関節炎が多く見られ、常に高脂血症、高血圧病、糖尿病、動脈硬化や冠動脈疾患などを伴う場合が多く、続発性痛風は多く、腎臓病、血液病や薬物などで起こした合併症である。
痛風発作の基盤になる高尿酸血症は、痛風とは同義語ではなく、研究によると、約5〜18.8%の患者は最終的に、高尿酸血症から痛風に至るが、痛風患者はある段階で、必ず高尿酸血症になると言われている。
【0006】
実験室では、尿酸酵素法(Uricase differential spectrophotometric method)により、血清尿酸値を正確に測定できるが、高尿酸血症は、絶対的と相対的タイプの二つに大きく分かれるが、血清尿酸値が血中に溶けることのできる量の上限値を超えた場合を絶対的高尿酸血症と言い、温度37℃下で、飽和血清尿酸値は7mg/dlであるが、この飽和度を超えた尿酸は少しずつ針状の結晶になり、一般の疫学研究では、正常者の血清尿酸値の平均値に二つの標準偏差を上限とし、男性は血清尿酸値7mg/dlを超えた場合、女性は6mg/dlを超えた場合、相対的高尿酸症に罹ったと見られるが、血清尿酸値7mg/dlを越えた場合は、痛風または腎臓結石の発症率が高いと言われている。
【0007】
痛風発作の臨床病状は、無症候性高尿酸血症(Asymptomatic hyperuricemia)、痛風性急性関節炎(Acute gouty arthritis)、間欠期(Inter-critical gout)、痛風性慢性関節炎(Chronic tophaceous gout)という四段階がある。
より正確に痛風を診断するには、痛風性急性関節炎発作のとき、関節液を採取したあと、中性好性白血球に貪食された尿酸塩の針状結晶(Monosodium urate crystal)があり、その結晶を偏光顕微鏡で見ると、負の複屈折性(Negative birefringent)になる場合、痛風と確定できる。他によく見られる痛風の臨床症状または実験室の検査対象では、痛風発作が足の親指に突然起こり、足背、足首などの単一関節が赤く腫れや激痛する症状、コルヒチン投与で有効な者、または高尿酸血症患者というのが挙げられるが、それらは痛風診断の参考のみである。
【0008】
原発性痛風は原因不明で、完治できないとされるが、臨床治療の目的は、1、痛風性関節炎の急性発作を即時に制御し、2、高尿酸血症の長期治療を通じて、尿酸ナトリウム塩の沈着による関節障害や腎障害を防ぐことにある。
【0009】
降尿酸薬の選択では、腎機能が正常または軽度障害である場合、または24時間尿中の尿酸排泄量が600mgより低い場合、尿酸排泄促進薬を投与し、腎機能が中程度損害(クレアチニンクリアランス率<35ml/分)である場合、または24時間尿中の尿酸が顕著に上昇した場合、尿酸生成抑制薬を投与するが、血清尿酸値が顕著に上昇し、痛風結節が大量に沈着した場合は、進行性の痛風性合併症を予防するため、上述した二種の薬物を併用してもよい。
【0010】
該促進尿酸排泄薬(Uricosuric agent)は主に、近位尿細管の尿酸の再吸収を抑制して、尿酸排泄を促進するのに用いられるが、腎臓から大量な尿酸が排泄され、生じられる腎臓損害や腎臓結石という副作用を防ぐため、投与は少量から始めるということで、7〜10日間に、投与量を少しずつ増やし、尿のアルカリ化を考慮に入れて行う。この類の薬物は、プロベネシド(Probenecid)、ベンズブロマロン(Benzbromarone)などがある。
該尿酸生成抑制薬(Xanthine oxidase inhibitor)は、アロプリノール(Allopurinol)だけで、その構造はヒポキサンチン(hypoxanthine)に類似し、キサンチンオキシダーゼ(xanthine oxidase)を強く阻害する働きがあり、痛風結節や腎臓結石の形成を抑制すると同時に、痛風結節の溶解を促すこともできる。抗ガン剤、例えばメルカプトプリン(Mercaptopurine)またはアザチオプリン(Azathioprine)を併用した場合、抗ガン剤の血中濃度が上昇するが、その時、適当な投与量や臨床副作用に心掛けよう。
【0011】
三、創傷治癒 (Wound healing):
創傷治癒プロセスは、多くの細胞におけるダイナミック(Dynamic)な相互作用(Interactive)で、細胞移動、細胞増殖、細胞分化、細胞外マトリックスの合成と組織再構築(Tissue remodeling)などを含み、複数の段階(Multiple steps)を経て行われており、当該プロセスは、損傷を受けた上皮の再生や皮下結合組織の修復に関わるが、皮膚創傷の治癒中、創縁の両側の表皮角質細胞が増殖し、創縁の中央部へ移動して新しい表皮層を形成させるようにするが、該治癒プロセスは、数日間から数週間までかかる。
【0012】
創傷治癒と密接に関わる増殖因子(Growth factors)は、繊維芽細胞増殖因子2(Fibroblast growth factor 2,FGF2)、血小板由来増殖因子(Platelet-derive growth factor,PDGF)、上皮増殖因子(Epidermal growth factor,EGF)、角質細胞増殖因子(Keratinocyte growth factor,KGF)、トランスフォーミング増殖因子-α(Transforming growth factor-α,TGF-α)、トランスフォーミング増殖因子-β(Transforming growth factor-β,TGF-β)及び血管内皮増殖因子(Vascular endothelial growth factor,VEGF)が含まれ、これらの増殖因子(Growth factors)の中で、PDGF、EGF、TGF-βとVEGFは角質細胞から分泌され、PDGFは、マクロファージ(Macrophages)や繊維芽細胞(Fibroblasts)を吸引、マトリックスたんぱく質(Matrix protein)の生成を促進し、EGFは、自己分泌(Autocrine)の移動や増殖を促進、TGF-βは、繊維芽細胞(Fibroblasts)の増殖、細胞移動や血管新生を促進すると同時に、創傷治癒の初め頃、大量に放出され、VEGFは、血管通過性、血管再生マトリックス(Proangiogenic matrix)の沈着や血管新生を促進、単核細胞(Monocyte)を移動させるように刺激するものだと言われている。上述した研究結果によると、これらの角質細胞から放出される増殖因子(Growth factors)はどれも、創傷治癒プロセスに密切に関わっているということである。
【0013】
一方、《全国中草薬彙編》には、リュウガン種子は、胃痛、焼けど、刀傷出血、疳気の痛み、外傷出血、疥癬、湿瘡などの治療に用いられるものだと記載され、昔の人がリュウガン種子を外傷の治療に用いて、血止め、鎮痛、筋肉生成によい効果があり、《黄氏医抄方》では、「刀斧の傷を治すとき、リュウガン種子の分量を問わず、それを火で焼干し、その性質を残して粉末化したものを患部に塗布すると治る」と書かれ、古文献には、「リュウガン種子の粉末を刀傷に塗布したことで、昔、西秦や巴理坤の軍營で多くの人が治された」と述べられ、《殷紅趾伝方》にも「刀傷の出血を治すとき、リュウガン種子を炒め、細かく研磨して、それを傷口に塗る」と書いてある。上述した昔の書籍や薬典の記載により、リュウガン種子が皮膚の刀傷やその関連疾患の治療に効果的で、創傷治癒の促進に効果があることは分かるが、その作用メカニズムは不明である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】特許公表2008−512211号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は、リュウガン種子抽出物の製造方法及び生体の応用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明はまず、下記に示す手順、
(1)特定濃度の抽出液を製し、
(2)抽出液の温度を特定温度に加熱、
(3)抽出液の中に砕いたリュウガン種子の顆粒を入れ、抽出し、
(4)抽出後の溶液をろ過、濃縮し、
(5)更に濃縮後の溶液を冷凍、乾燥して、
(6)リュウガン種子抽出物の製造が完了する
ことが含まれているリュウガン種子抽出物の製造方法を提供することを特徴とする。
【0017】
そして、本発明にあっては、抽出液は水溶液またはアルコール溶液、アルコール溶液はエタノール溶液、エタノール溶液の濃度は20%〜95%で、手順(2)では、該抽出液を70℃〜90℃に加熱、手順(3)では、該抽出の抽出温度は70℃〜90℃で、抽出時間は1〜3時間で行われるという該製造方法の最適な方案を提供することを特徴とする。
【0018】
本発明にあっては更に、該方法で作られたリュウガン種子抽出物の成分は、コリラジン(Corilagin)、エラグ酸(Ellagic acid)、沒食子酸(Gallic acid)が含まれていることを提供することを特徴とする。
【0019】
そのうえ、本発明は更に、該リュウガン種子抽出物の主な応用、
該リュウガン種子抽出物は、生体の抗炎症に応用、
該リュウガン種子抽出物は、生体の尿酸降下に応用、
該リュウガン種子抽出物は、生体の創傷治癒促進に応用、
該リュウガン種子抽出物は、細菌活性化の抑制に応用
されることを提供することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の製造方法により得られたリュウガン種子抽出物は、次に示すように、
生体に用いられ、抗炎症反応を起こし、尿酸生成抑制、細菌活性化の抑制、そして肌角質細胞の生長促進、創傷治癒速度の向上を行うと同時に、生体内の臓器に損傷を与え、またはその負担をかけることはないというメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】沒食子酸、コリラジン、エラグ酸が含まれている標準品溶液の高速液体クロマトグラフ分析図(HPLC図)。
【図2】本発明のリュウガン種子抽出物の高速液体クロマトグラフ分析図(HPLC図)。
【図3】表3から作成された折れ線グラフ。
【図4】表4から作成された折れ線グラフ。
【図5(1)】表7の平均値から作成されたヒストグラム。
【図5(2)】表7の平均値から作成されたヒストグラム。
【図6】表8の平均値から作成されたヒストグラム。
【図7】表9の平均値から作成されたヒストグラム。
【図8】表10から作成された折れ線グラフ。
【図9】表11から作成された折れ線グラフ。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、具体的な実施例を以って、本発明の技術方案について更に説明するが、本発明は、以下の実施形態を含むが、それに限れないが、現有技術により、本発明の改造などを行い、本発明の実質内容から離れない限り、本発明の保護範囲に含まれるものとする。
【実施例1】
【0023】
(1)親水性溶液(例えば、水)または親油性溶液を抽出液とするが、本実施例は、濃度20〜95%のエタノール溶液を抽出液とするが、
(2)抽出液の温度を70〜90℃に加熱、
(3)砕いたリュウガン種子を抽出液の中に入れ、抽出温度を70〜90℃に維持し、抽出時間は1〜3時間で、抽出するが、
(4)抽出後の溶液をろ過、濃縮し、
(5)更に低温低圧で冷凍、乾燥して、
(6)リュウガン種子抽出物の製造が完了する。
【0024】
高速液体クロマトグラフィー(High Performance liquid Chromatography, HPLC)により調製したリュウガン種子抽出物を分析して、沒食子酸(Gallic acid)、コリラジン(Corilagin)、エラグ酸(Ellagic acid)の含まれる主な組成成分を得られるが、その構造式はそれぞれ下記の通り。
コリラジン(Corilagin):


沒食子酸(Gallic acid):


エラグ酸(Ellagic acid):

【0025】
該高速液体クロマトグラフィーの分析条件は、表1に示す。
【表1】

沒食子酸、コリラジン、エラグ酸の含まれる標準溶液を参照溶液とし、該高速液体クロマトグラフィーの分析条件により分析して、図1に示す結果が得られるが、該結果によると、沒食子酸(42.42μg/ml)、コリラジン(52.72μg/ml)とエラグ酸(22.4μg/ml)の保持時間(Retention Time)はそれぞれ、14.409、43.304、63.489分間となり、該リュウガン種子抽出物を、高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、図2に示す結果を得られるが、該結果によると、リュウガン種子抽出物ピークの成分の保持時間はそれぞれ、14.461、43.302、63.476分間となり、それゆえ、該リュウガン種子抽出物の主要成分は標準溶液の場合と同様で、すなわち、該リュウガン種子抽出物は、沒食子酸、コリラジンとエラグ酸が含まれている。
【0026】
調製した該リュウガン種子抽出物の治療効果を示すために、各種の体内試験と体外試験を行った。
【0027】
一、抗炎症効果の体内試験:
(一)材料の準備:
リュウガン種子抽出物(抽出液はエタノール溶液50%)、リュウガン種子抽出物A(抽出液は純水)とリュウガン種子抽出物B(抽出液はエタノール溶液20%)。
(二)体内試験(給餌試験):
1、オスのSDラット(Sprague-dawley rats)を24匹用い、毎匹の体重は約200g〜250gで、飼育室の室内温度を23℃にし、照明は明暗を12時間ごとに切り替え、SDラット専用餌を用い、飲料水は、逆浸透膜で処理される。
2、該ラットを九組にランダムに分け、各組は6匹、それぞれ給餌するが、
(1)制御組は、逆浸透膜水だけを経口投与、
(2)リュウガン種子抽出物を経口投与(0.5g/Kg、ラットには体重1Kgにつき、リュウガン種子抽出物0.5gを経口投与)、一週間後、大腸菌リポ多糖の腹腔内注射(Lipopolysaccharides, LPS,2.5mg/Kg、ラットには体重1Kgにつき、2.5mg大腸菌リポ多糖を注射)を行い、24時間後、
(3)リュウガン種子抽出物(0.5g/Kg)を経口投与、一週間後、LPS(2.5mg/Kg)の腹腔内注射を行い、48時間後、
(4)LPS(2.5mg/Kg)の腹腔内注射を行い、24時間後、リュウガン種子抽出物A(0.5g/Kg)を経口投与するが、
(5)LPS(2.5mg/Kg)の腹腔内注射を行い、24時間後、リュウガン種子抽出物B(0.5g/Kg)を経口投与、
(6)LPS(2.5mg/Kg)の腹腔内注射を行い、24時間後、リュウガン種子抽出物(0.5g/Kg)を経口投与し、
(7)LPS(2.5mg/Kg)の腹腔内注射を行い、48時間後、リュウガン種子抽出物(0.5g/Kg)を経口投与するが、
(8)LPS(2.5mg/Kg)の単独腹腔内注射を行い、24時間後、
(9)リュウガン種子抽出物(0.5g/Kg)の単独経口投与を行う。
薬物投与を終え、一晩絶食させ、その後、エチルエーテルで麻醉して、とSDラットの腹腔動脈から採血、血清免疫検査に用いる。
3、血清免疫検査:
酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)により、腫瘍壊死因子(TNF-α)の細胞インターロイキン(IL- 1β)を測定する。
4、統計的方法:
本実験で得られたデータはすべて、一元配置分散分析(One-way analysis of variance, ANOVA)で行う。
5、実験結果:
表2に示すように、IL-1βでは、リュウガン種子抽出物の経口投与、及びLPSの腹腔内注射により、いずれもSDラットに免疫反応を起こしたが、表3と図3に示すように、TNF-αではあらかじめ、リュウガン種子抽出物を経口投与し、それから、LPSの腹腔内注射やリュウガン種子抽出物の単独経口投与を行った場合、いずれも抗炎症作用があり、LPS逆浸透膜で処理したあと、更に、リュウガン種子抽出物を経口投与した場合は、SDラットへの抗炎症作用がないと分かった。
【0028】
【表2】

【表3】

【0029】
二、抗痛風効果の体内試験及びその体外試験:
(一)材料の準備:リュウガン種子抽出物(抽出液為50%エタノール溶液)。
(二)体内試験(給餌試験):
1、オスのSDラット(Sprague-dawley rats)を24匹用い、毎匹の体重は約200g〜250gで、飼育室の室内温度を23℃にし、照明は明暗を12時間ごとに切り替え、SDラット専用餌を用い、飲料水は、逆浸透膜で処理される。
2、該ラットを三組にランダムに分け、各組は8匹ずつ、一組は対照組で、該組には逆浸透膜水を経口投与し、もう一組は実験組で、該組には、ラット体重300 mg/Kgの6-ヒポキサンチン(Hypoxathine)を投与、それにラット体重250 mg/Kgのオキソニン酸(Oxonic acid、尿酸分解酵素阻害剤)を投与するが、更にもう一組は、リュウガン種子組で、該組には、ラット体重300 mg/Kgの6-ヒポキサンチン(Hypoxathine)を、ラット体重250 mg/Kgのオキソニン酸(Oxonic acid)を、及びリュウガン種子0.1%(wt%)を経口投与するが、オキソニン酸(Oxonic acid)配合の主な目的は、SDラットの体内に高尿酸血症の形成を誘導するためであり、SDラットには、飲料水を自由に摂取させて、薬物投与期間に、毎日動物を二回観察、毎日体重を一回計り、薬物投与を終え、一晩絶食させ、その後、エチルエーテルで麻醉して、SDラットの尾部から採血、血清生化学検査に用いる。
(1)対照組:逆浸透膜水の経口投与。
(2)実験組:ラット体重300 mg/Kgの6-ヒポキサンチン(Hypoxathine)を経口投与、それにラット体重250 mg /Kgのオキソニン酸(Oxonic acid)を投与する。
(3)リュウガン種子組ラット体重:300mg/Kgの6-ヒポキサンチン(Hypoxanthine)を、ラット体重250mg/Kgのオキソニン酸(Oxonic acid)を、及びリュウガン種子0.1%(Wt%)を投与する。
3、血清生化学検査:
生化学自動分析装置(Ciba-cornint 550)測定により、SDラットの血清尿酸値を測定する。
4、統計的方法:
本実験で得られたデータはすべて、一元配置分散分析(One-way analysis of variance, ANOVA)で行う。
5、実験結果:
表4と図4に示すように、リュウガン種子抽出物(抽出液はエタノール溶液50%)の投与により、SDラットの血清尿酸値が有効に低下、低下效果は32%まで達している。
【表4】

【0030】
(三)体外実験(キサンチンオキシダーゼ(Xanthine oxidase)阻害実験):
1、リン酸緩衝溶液(PBS)で、キサンチン(Xanthine)50mmol/Lを調製し、
2、キサンチンオキシダーゼ(Xanthine oxidase)をリン酸緩衝溶液(PBS)で0.1〜0.2 unit/mlに調製、
3、各種のリュウガン種子抽出物見本の調製:
(1)純水で、リュウガン種子を抽出、調製、
(2)エタノール溶液20%で、リュウガン種子を抽出、調製、
(3)エタノール溶液50%で、リュウガン種子を抽出、調製、
(4)エタノール溶液95%で、リュウガン種子を抽出、調製。
4、陽性対照組−臨床薬アロプリノール(Allopurinol)を用い、陽性対照組にキサンチンオキシダーゼ(Xanthine oxidase)を添加、5分間反応させた後、キサンチン(Xanthine)を添加する。
5、空白対照組を用い、該組に純水だけを添加する。
6、リュウガン種子抽出物の見本にはそれぞれ、キサンチンオキシダーゼ(Xanthine oxidase)を添加、5分間反応させたあと、キサンチン(Xanthine)を添加する。
7、分光光度計を使用、波長290nmにして、リュウガン種子抽出物の各見本及び対照組の吸光度変化を測定するが、20秒毎に一回、計5分間測定し、それから、測定器で酵素活性を算出する。
8、活性阻害率=〔1-(実験組活性/対照組活性)〕。
9、実験結果:
表5に示すように、各リュウガン種子抽出物はすべて、キサンチンオキシダーゼ(Xanthine oxidase)活性への阻害効果があり、活性阻害率が60%まで達している。
【表5】

【0031】
三、抗痛風効果の毒性試験:
(一)材料の準備:リュウガン種子抽出物。
(二)急性毒試験:SDラットを2組に分け、各組は8〜10匹、実験前に一晩絶食させるが、飲料水は摂取させるが、リュウガン種子抽出物(450mg/ml)を経口投与したあと、中毒症状を観察、14日間以内の体重変化と死亡数を記録するが、半数致死量(LD50)及びその95%信頼限界は、Litctchfield−Wilcoxon法により算出する。
(三) 28日間給餌の急性毒試験:該ラットを2組に分け、各組は10匹ずつ、それぞれ、リュウガン種子抽出物1g/kg、3g/kg及び脱イオン水(1 ml/100g)の経口投与を連続28日間行うが、薬物投与期間に、毎日動物を二回観察、毎週一回体重を測るが、薬物投与を終え、一晩絶食させたあと、エチルエーテルで麻醉して、SDラットの腹腔動脈から採血し、血液学検査と血清生化学検査に用いる。
(四)血清生化学検査:
生化学自動分析装置(Ciba-cornint 550)測定により、グルタミン酸オキザロ酢酸トランスアミナーゼ(GOT)、グルタミン酸ピルビン酸トランスアミナーゼ(GPT)、アルブミン(Albumin)、グロブリン(Globulin)、クレアチニン(Greatinine)を測定する。
(五)統計的方法:
本実験で得られたデータはすべて、一元配置分散分析(One-way analysis of variance, ANOVA)で行い、そしてDunnett試験を行い、p<0.01を顕著な有意差と認められる。
(六)実験結果:
1、急性毒性:
急性毒試験の主要目的は、一回の薬物投与により、試験動物の半数致死量を求めることにあり、SDラットには、空腹時の最大用量は、体重100gにつき薬量1.0mlを投与可能、薬物濃度は450mg/mlであり、それゆえ、急性毒試験の薬量は15g/kgを基準とし、そこで、SDラットは完全に死亡しない場合、それ以上行わない。
SDラット10匹へのリュウガン種子抽出物15g/kgの単回経口投与を基準とし、14日間観察したところ、死亡なしということから、SDラットの半数致死量(LD50)は15g/kgより大きいと判断、リュウガン種子抽出物を投与したあと、14日目に、SDラットの体重は、制御組のに比較して、相違がないと認めた。
2、28日間連続給餌の毒性試験:
最大投与量は、半数致死量1/5を原則とし、最大投与量は3g/kgと1g/kgにする。
(1)各組はSDラット8〜10匹、リュウガン種子抽出物1g/kg、3g/kgを28日間連続経口投与し、死亡なしということから、制御組の場合に比較したところ、体重にも顕著な変化がないと認めた。
(2)血清生化学検査:
表6に示すように、リュウガン種子抽出物を28日間連続経口投与したところ、SDラット1g/kgと3g/kgには、抽出物組と正常対照組における血清生化学指標は相違がないと見られた。
(3)主要臓器重量:
リュウガン種子抽出物を連続28日間経口投与したが、SDラット1g/kgと3g/kg組の肝臓と腎臓の重量は、制御組の場合とは相違がないところから、リュウガン種子抽出物は主要臓器重量に影響がないと分かった。
(4)病理検査:
リュウガン種子抽出物を連続28日経口投与した1g/kgと3g/kg組には、病理切片検査を行ったところ、SDラットの心臓、肝臓、腎臓、脾臓、副腎、精嚢、睾丸は一切変化なし。
3、実験結果:
リュウガン種子抽出物は、生体内臓器への損害、臓器への負担を与えないものだと判定した。
【表6】

【0032】
四、静菌試験:
(一)材料:
リュウガン種子抽出物を主要成分とする“P豆凝膠(リュウガン種子抽出物を含む製品名)”2.5mg/ml(“P豆凝膠”1ml当たりに、リュウガン種子抽出物2.5mgが含まれるもの)を用い、逆浸透膜水で、一倍の等張リン酸液を調製(1×PBS、等張液とは赤血球膜の変形を起こさないようにする溶液のことをいい)、それから、調製済み等張リン酸液を無菌フィルター(Mini pore)でろ過して、無菌状態の“P豆凝膠”等張リン酸液を調製する。
(二)試験菌種:
大腸菌(Escherichia coli)と黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus):
1、大腸菌、黄色ブドウ球菌をそれぞれ、LB broth 液体培地、37℃で16時間連続培養、培養済み菌液を、一倍の等張リン酸液(1×PBS)で三回洗浄、毎回洗浄後、3000 rpmで10分間遠心、上清を除去するが、洗浄後の菌液を、吸光度(OD value)を光度計で測定し、最後に一倍の等張リン酸液で希釈、吸光度0.3(OD = 0.3)の菌液を調製して実験する。
2、調製済み一倍の等張リン酸液(1×PBS)には、それぞれ10倍連続希釈済み大腸菌、黄色ブドウ球菌の菌液を加え、37℃で連続1時間処理する。
3、1時間処理後の菌液から、5、10、20、50、100μlを取り、LB培地に塗布し、37℃で、18時間連続培養、その後、各培地の菌数を数えるが、菌液をP豆凝膠の等張リン酸液で処理したのは実験組に、菌液を逆浸透膜水の等張リン酸液で処理したのは対照組にする。
4、上述した手順をそれぞれ三回行い、最後に結果を統計する。
5、実験結果:
表7と図5に示すように、対照組に比較して、実験組は大腸菌と黄色ブドウ球菌群数が顕著に減少したことから、リュウガン種子抽出物を主要成分とする“P豆凝膠”は確かに、大腸菌と黄色ブドウ球菌に対する抑制機能があることが明らかになり、それがニキビ・吹き出物の抑制に応用される。
【表7】

(三)試験菌種:ざ瘡菌(Propionibacterium acne):
1、ざ瘡菌をanBAP broth液体培地、37℃で48時間連続培養、培養済み菌液を一倍の等張リン酸液(1×PBS)で三回洗浄、毎回洗浄後、3000 rpmで10分間遠心、上清を除去するが、洗浄後の菌液を、吸光度(OD value)を光度計で測定し、最後に一倍の等張リン酸液で希釈、吸光度0.3(OD = 0.3)の菌液を調製して実験する。
2、調製済み一倍の等張リン酸液(1×PBS)には、それぞれ10倍連続希釈済みざ瘡菌を加え、30℃で1時間連続処理する。
3、1時間処理後の菌液から、5、10、20、50、100μlを取り、LB培地に塗布し、30℃で48時間連続培養、その後、各培地の菌数を数えるが、菌液をP豆凝膠の等張リン酸液で処理したのは実験組に、菌液を逆浸透膜水の等張リン酸液で処理したのは対照組にする。
4、上述した手順をそれぞれ三回行い、最後に結果を統計する。
5、実験結果:
表8と図6に示すように、対照組に比較して、実験組はざ瘡菌数が顕著に減少したことから、リュウガン種子抽出物を主要成分とする“P豆凝膠”は確かに、ざ瘡菌に対する抑制機能があることが明らかになり、それがニキビ・吹き出物の抑制に応用される。
【表8】

(四)試験菌種:紅色毛癬菌(Trichophyton rubrum):
1、紅色毛癬菌をIMA plate(Inhibit mold Agar)培地、30℃で96時間連続培養、培養済み菌液を一倍の等張リン酸液(1×PBS)で三回洗浄、毎回洗浄後、3000 rpmで10分間遠心、上清を除去するが、洗浄後の菌液を、吸光度(OD value)を光度計で測定し、最後に一倍の等張リン酸液で希釈、吸光度0.1(OD = 0.1)の菌液を調製して実験する。
2、調製済み一倍の等張リン酸液(1×PBS)には、それぞれ10倍連続希釈済み紅色毛癬菌を加え、 30℃で1時間連続処理する。
3、1時間処理後の菌液から、5、10、20、50、100μlを取り、LB培地に塗布し、130℃で96時間連続培養、その後、各培地の菌数を数えるが、菌液をP豆凝膠の等張リン酸液で処理したのは実験組に、菌液を逆浸透膜水の等張リン酸液で処理したのは対照組にする。
4、上述した手順をそれぞれ三回行い、最後に結果を統計する。
5、実験結果:
表9と図7に示すように、対照組に比較して、実験組は紅色毛癬菌が顕著に減少した(約30%)ことから、リュウガン種子抽出物を主要成分とする“P豆凝膠”は確かに、紅色毛癬菌というばい菌に対する抑制機能があることが明らかになり、それが水虫の生成抑制に応用される。
【表9】

【0033】
五、創傷治癒メカニズムの促進試験:
(一)材料の準備:
1、リュウガン種子抽出物5 gを二次水250 mlの中に溶かし、ろ紙2号でろ過、その後、更にフィルター0.45 μm、0.22 μmでろ過しておく。
2、リュウガン種子抽出物0%、0.25%、2.5%、5.0%と10.0%(Wt%)を角質細胞培養液として調製する。
3、ヒト表皮角質細胞(Human epidermal keratinocytes;HEKa-C005-5C)。
(二)細胞培養:ヒト表皮角質細胞1×104 cells/ml(HEKa-C005-5C)を、角質細胞増殖因子(KC supplements)とペニシリン−ストレプトマイシン(Penicillin−Streptomycin)添加の角質細胞培地(Cascade biologics,USA)、37℃で、CO25%含有培養箱に入れ、培養し、これは初代細胞であり、二日に一回培地を交換し、初代細胞が八分増殖したとき、継代培養をするが、そこにトリプシンEDTA溶液0.25%(Trypsin-EDTA solution, トリプシン0.25%とEDTA0.02%含有)を加え、37℃で、5分間作用させ、その後、角質細胞を懸濁させ、上清10%で洗浄、中和したあと、遠心管の中に入れ、1500rpmで10分間遠心、上清を除去するが、それから、角質細胞培地で再び細胞を懸濁させ、1:3で希釈したあと、更にCO2濃度5%含有培養箱に入れ、培養するが、三代目細胞を取り、実験する。
(三)細胞増殖能測定:クリスタルバイオレット(Crystal violet)染色法により行うが、ヒト表皮角質細胞(HEKa-C005-5C)を24、48、72時間培養したあと、まず、倒立式顕微鏡で細胞生長の実際状況を観察、上清200μlを使用して細胞を二回洗浄、細胞診固定液で細胞を20分間固定し、それから、PBST 200μlで細胞を二回洗浄するが、クリスタルバイオレット(Crystal violet)溶液100μlで室温で30分間染色、その後、上清200μlで細胞を三回洗浄するが、SDS1%で細胞を溶解したあと、室温で、1時間振盪培養するが、細胞核を染めたクリスタルバイオレット染料を溶出させ、波長595 nmにおける吸光度(OD値)を測定し、それと同時に、参考波長650 nmで吸光度(OD値)を修正する。
リュウガン種子抽出物の添加されない組を制御組にし、生長促進率を算出する。
(四)ELISA法によるヒト表皮角質細胞の分泌された増殖因子(growth factors)放出量測定:
1、ヒト表皮角質細胞が刺激を受けたあと、上清を回収して、Commercial kitsで培養液中の増殖因子(growth factors)量を測定する。
2、まず、96孔プレート(96 well plates)のマイクロタイタープレート(Microtitration plate)を用い、牛血清アルブミン(Bovine serum albumin)で未結合位置を阻害させ、更にPBS-Tweenで洗淨し、刺激した上清を100μlずつ加え、37℃で2時間反応させ、その後、PBS−Tweenで洗淨するが、それから、ウサギ抗増殖因子(Rabbit-anti-growth factor Ab-HRP Chemicon,Temecula,CA)を加え、37℃で、2時間反応させた後、洗淨、更に発色性基質(Substrate、o-フェニレンジアミン(O-phenyldiamine)含有)を加えるが、発色後、2NH2SO450μlを加えて、反応を停止させると同時に、波長450nmにおける吸光度を測定、そこから、増殖因子(growth factors)の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)濃度を測定する。
(五)実験結果:
1、表10と図8に示すように、クリスタルバイオレット(Crystal violet)染色法で測定して得た増殖能は、顕微鏡で見た結果と一致し、リュウガン種子抽出物2.5%、5.0%と10%組における角質細胞生長促進倍数はそれぞれ、制御組の1.25、1.26と1.50倍となり、その中、リュウガン種子抽出物10%組だけは統計上、顕著な有意差がある(p値<0.05)ということから、リュウガン種子抽出物10%だけで、ヒト表皮角質細胞の生長促進に有効だと明らかになった。
2、表11と図9に示すように、酵素免疫吸着測定法(ELISA)の測定結果により、コラーゲンI(Collagen I,CI)とフィブロネクチン(Fibronectin,FN)を塗布した組には、リュウガン種子抽出物5%、10%を加え、培養したあと、上清の血管内皮細胞増殖因子(VEGF)が薬量の増加によって顕著に上昇した(p<0.05)が、そこから、リュウガン種子抽出物は、創傷治癒促進プロセスにおいて、血管増殖メカニズム促進機能があり、生体の創傷治癒を促進できることが明らかになった。
【表10】

【表11】

【0034】
上述した体内試験、体外試験と毒性試験から分かるように、本発明のリュウガン種子抽出物は、生体に用いられ、抗炎症反応を起こし、尿酸生成抑制、細菌活性化の抑制、そして肌角質細胞の生長促進、創傷治癒速度の向上を行うと同時に、該リュウガン種子抽出物は、生体内の臓器に損傷を与え、またはその負担をかけることはないということで、安心して使用できるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
該製造方法は、下記に示す手順、
(1)特定濃度の抽出液を製し、
(2)抽出液の温度を特定温度に加熱、
(3)抽出液の中に砕いたリュウガン種子の顆粒を入れ、抽出し、
(4)抽出後の溶液をろ過、濃縮し、
(5)更に濃縮後の溶液を冷凍、乾燥して、
(6)リュウガン種子抽出物の製造が完了する
ことが含まれていることを特徴とするリュウガン種子抽出物の製造方法。
【請求項2】
該抽出液は、親水性溶液または親油性溶液であることを特徴とする請求項1に記載のリュウガン種子抽出物の製造方法。
【請求項3】
該親油性溶液は、エタノール水溶液であることを特徴とする請求項2に記載のリュウガン種子抽出物の製造方法。
【請求項4】
該エタノール溶液の濃度は、20%〜95%であることを特徴とする請求項3に記載のリュウガン種子抽出物の製造方法。
【請求項5】
手順(2)で、該抽出液を70℃〜90℃に加熱するように行われることを特徴とする請求項1に記載のリュウガン種子抽出物の製造方法。
【請求項6】
手順(3)で、該抽出の抽出温度は、70℃〜90℃で行われることを特徴とする請求項1に記載のリュウガン種子抽出物の製造方法。
【請求項7】
手順(3)で、該抽出の抽出時間は、1〜3時間で行われることを特徴とする請求項1に記載のリュウガン種子抽出物の製造方法。
【請求項8】
該成分は、コリラジン、エラグ酸和沒食子酸が含まれていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のリュウガン種子抽出物の製造方法。
【請求項9】
生体の抗炎症に応用されることを特徴とする請求項8に記載のリュウガン種子抽出物の応用。
【請求項10】
生体内の尿酸生成抑制に応用されることを特徴とする請求項8に記載のリュウガン種子抽出物の応用。
【請求項11】
生体の創傷治癒の促進に応用されることを特徴とする請求項8に記載のリュウガン種子抽出物の応用。
【請求項12】
細菌活性化の抑制に応用されることを特徴とする請求項8に記載のリュウガン種子抽出物の応用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(1)】
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【図5(2)】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−532148(P2012−532148A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518722(P2012−518722)
【出願日】平成21年7月8日(2009.7.8)
【国際出願番号】PCT/CN2009/072687
【国際公開番号】WO2011/003236
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(512004556)喬本生医股▲ふん▼有限公司 (1)
【Fターム(参考)】