リンク統合処理装置
【課題】 チラシ広告のようなリンク付画像を縮小した場合でも、見づらくないようにリンクエリアを統合させた状態で表示するとともに、統合後のリンクエリアが、リンクエリアとしての機能を正しく発揮することが可能なリンク統合処理装置を提供する。
【解決手段】 統合する倍率が設定された設定ファイルを読込み(S1)、リンクエリアとリンク先が記録されたリンクファイルを読み込んだ後(S2)、統合リンクファイルの作成を開始し(S3)、リンクファイル内の情報を統合リンクファイル内に追記する(S4)。そして、設定ファイルに統合する倍率が存在する場合は(S5)、統合する倍率を読み込み(S6)、読み込んだ統合する倍率に応じてリンクエリアとリンク先をそれぞれ統合し(S7)、統合されたリンクエリアとリンク先を統合リンクファイル内に追記する(S8)。
【解決手段】 統合する倍率が設定された設定ファイルを読込み(S1)、リンクエリアとリンク先が記録されたリンクファイルを読み込んだ後(S2)、統合リンクファイルの作成を開始し(S3)、リンクファイル内の情報を統合リンクファイル内に追記する(S4)。そして、設定ファイルに統合する倍率が存在する場合は(S5)、統合する倍率を読み込み(S6)、読み込んだ統合する倍率に応じてリンクエリアとリンク先をそれぞれ統合し(S7)、統合されたリンクエリアとリンク先を統合リンクファイル内に追記する(S8)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンク付きの画像を表示するにあたり、リンクを指示するために画像上に表示されたリンクエリアを、見易く、かつ指示し易いように加工するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットにおいては、チラシ広告を画像として閲覧可能にした、いわゆるネットチラシが提供されている。このネットチラシにより、利用者は、新聞の折込広告として入ってくるチラシと同様に、商品の広告をパソコン等で閲覧することができる。このネットチラシのサービスでは、表示されたチラシ画像にリンクエリアが設定されており、利用者がリンクエリアをクリックすることにより、リンク先にアクセスし、対応する商品の詳細情報を得たり、その商品の注文を行うことができるようなものも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2834329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チラシ広告等の画像をインターネットを介して閲覧する場合、ブラウザにより画像ビューアを起動して、目的箇所をより詳細に見るために画像の拡大表示を行ったり、全体をまとめ見るために画像の縮小表示を行ったりすることが可能となっている。上記のネットチラシのように、リンク付画像であるチラシ広告を表示する場合、画像を縮小すると、それに比例してリンクエリアも縮小されるため、見づらく、かつ操作(クリック)しづらくなる。
【0005】
一方、全体の縮小に伴って表示されるシンボルが縮小される場合に、そのシンボルを他のシンボルに置き換えられる技術が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、対応するシンボルに単純に置き換えるものであるため、リンク先を有するリンクエリアの縮小に用いることはできない。
【0006】
そこで、本発明は、チラシ広告のようなリンク付画像を縮小した場合でも、見づらくないようにリンクエリアを統合させた状態で表示するとともに、統合後のリンクエリアが、リンクエリアとしての機能を正しく発揮することが可能なリンク統合処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、リンクエリアを特定する情報とリンク先の組み合わせであるリンク情報を取得するとともに、統合する倍率を取得し、前記リンクエリア間の距離に前記取得した統合する倍率を乗じて得られる値が所定の値以下である場合に、前記リンクエリア同士を統合して新たなリンクエリアを生成するリンクエリア統合手段と、前記統合前の複数のリンクエリアに対応付けられていたリンク先を1つのリンク先として統合し、統合後のリンク先を、前記統合後のリンクエリアに対応付けるリンク先統合手段と、を有することを特徴とするリンク統合処理装置を提供する。
【0008】
本発明によれば、リンクエリアを特定する情報を取得し、リンクエリア間の距離に統合する倍率を乗じて得られる値が所定の値以下である場合に、リンクエリア同士を統合して新たなリンクエリアを生成し、統合前の複数のリンクエリアに対応付けられていたリンク先を1つのリンク先として統合し、統合後のリンク先を、統合後のリンクエリアに対応付けるようにしたので、リンク付画像を表示する際に、表示倍率に近い統合する倍率を用いて統合されたリンクエリアを表示することができ、また、そのリンクエリアが指示された場合に、適切なリンク先を特定することが可能となる。
【0009】
また、本発明では、前記リンクエリア統合手段は、前記リンクエリアの範囲に基づいて各リンクエリアの中央座標を算出し、各リンクエリアの中央座標間の距離を前記リンクエリア間の距離として算出することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、リンクエリアの統合ための基準となるリンクエリア間の距離を、リンクエリアの中央座標間の距離により求めるようにしたので、多様な形態をとり得るリンクエリアに対しても、好ましい態様で統合することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、リンク付画像を縮小した場合でも、見づらくないようにリンクエリアを統合させた状態で表示するとともに、統合後のリンクエリアが、リンクエリアとしての機能を正しく発揮することが可能となるという効果を有する。また、統合していないリンクを選択することによりチラシ画面から購入商品を選択する仕方と、統合リンクを入り口として商品リストから購入商品を選択する仕方とを、表示倍率を変更することにより切り替えられるという従来技術にない効果を奏する。これにより、パーソナルコンピュータ等の限定された画面サイズにおいて、異なる販売店チラシを比較しながら購入商品を選択することが容易にできるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】リンク付画像閲覧システムの概略構成図である。
【図2】本発明で用いるリンクファイル、設定ファイル、統合リンクファイルの構造を示す図である。
【図3】本発明で用いるリンクファイル、設定ファイル、統合リンクファイルの具体例を示す図である。
【図4】本発明に係るリンク統合処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】閲覧端末におけるリンク付画像の表示処理を示すフローチャートである。
【図6】リンク付画像とリンクエリアの対応関係、リンクエリア情報を示す図である。
【図7】リンクエリアの統合処理(例1)を説明するための図である。
【図8】リンクエリアの統合処理(例1)を説明するための図である。
【図9】リンクエリアの統合処理(例1)を説明するための図である。
【図10】リンクエリアの統合処理(例1)を説明するための図である。
【図11】リンクエリアの統合処理(例2)の様子を示す図である。
【図12】リンクエリアの統合処理(例2)の様子を示す図である。
【図13】リンクエリアの統合処理(例2)後のリンクエリア情報を示す図である。
【図14】リンクエリアの統合処理(例3)の様子を示す図である。
【図15】リンクエリアの統合処理(例3)時のリンクエリア情報、統合対象外リンクエリアリストを示す図である。
【図16】リンクエリアに対応付けられたリンク先URLを示す図である。
【図17】商品購入サイトにアクセスして商品購入を行う場合における閲覧端末20の画面の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1.概略構成)
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、リンク付画像閲覧システムの概略構成図である。図1に示すように、リンク付画像閲覧システムは、商品情報およびリンク付画像を管理する商品管理サーバ10と、リンク付画像を閲覧する閲覧端末20が通信ネットワーク30を介して接続された構成となっている。
【0014】
商品管理サーバ10は、スーパーマーケットや百貨店等の小売業者が運営するWebサイトを開設したサーバコンピュータであり、チラシ画像等のリンク付画像を記憶した画像記憶部、商品情報を記憶した商品情報記憶部を有している。また、商品管理サーバ10は、商品情報を特定した閲覧端末20からの商品情報要求に従って商品情報を掲載した画面を作成し、閲覧端末20に返信する機能を有している。このような商品管理サーバ10は、CPU、メモリ、外部記憶装置、表示装置、入力機器等を有する汎用のサーバコンピュータに所定のCGIプログラム、Webサーバーソフトウエアを組み込むことにより実現され、基本的には公知のものである。ただし、本実施形態では、後述するようにリンク統合処理装置としても機能するため、この機能を実現するための専用のプログラムを組み込んでいる。
【0015】
閲覧端末20は、一般の利用者が商品管理サーバ10で開設されているWebサイトにアクセスして、リンク付画像を閲覧するための端末装置であり、CPU、メモリ、外部記憶装置、表示装置、入力機器等を有する汎用のコンピュータにブラウザ、画像ビューアを組み込むことにより実現される。画像ビューアは、ブラウザのプラグインソフトウェアであり、ブラウザにおいて画像を表示させる際に、起動する。このような画像ビューアとしては、Flash Player(米アドビシステムズ社)等を用いることができる。閲覧端末20内の画像ビューアは、汎用の画像ビューアに専用のプログラムが追加されたものとなっている。画像ビューアに専用のプログラムが組み込まれることにより、閲覧端末20は、表示倍率に応じて異なるリンクエリアを表示する処理を実行する。
【0016】
商品管理サーバ10は、閲覧端末20に送信するためのリンク付画像および統合リンクファイルを記憶している。リンク付画像は、閲覧端末20において画像ビューアによりビットマップ形式に展開可能な画像データである。本実施形態では、リンク付画像として、いわゆる折込広告におけるチラシと同一内容のチラシ画像を用いている。また、統合リンクファイルは、リンク付画像上におけるリンクエリアの設定位置およびリンク先URLを示したものである。本実施形態では、リンクファイルにおいて、チラシ画像であるリンク付画像上における商品の掲載位置にリンクエリアを設定し、そのリンクエリアにその商品の情報の所在を示すURLを設定している。
【0017】
次に、統合リンクファイルについて説明する。統合リンクファイルは、リンクファイルと設定ファイルにより作成される。リンクファイル、設定ファイル、統合リンクファイルの構造を図2に示す。図2(a)に示すように、リンクファイルには、複数のリンクについてリンクIDごとに記録されている。各リンクIDで特定されるリンクの詳細は、そのエリア座標とリンク先URLにより定められている。
【0018】
図2(b)に示すように、設定ファイルには、「統合する距離」が1つだけ記録されており、その後、「統合する倍率」が1つ以上記録されている。図2(c)に示すように、統合リンクファイルには、1つ以上の「統合する倍率」が記録され、各「統合する倍率」ごとに複数のリンクが記録されている。
【0019】
実際のリンクファイル、設定ファイル、統合リンクファイルを図3に示す。図3(a)はリンクファイルを示す図である。実際のリンクファイルでは、図3(a)に示すように、3行単位で1つのリンクを定義している。1行目から3行目までの3行では、リンクID=L1のリンクについて定義しており、1行目でリンクID、2行目でエリア座標、3行目でリンク先URLをそれぞれ定義している。エリア座標は、始点のxy座標と終点のxy座標で特定される矩形状のリンクエリアとして定義される。
【0020】
図3(b)は設定ファイルを示す図である。実際の設定ファイルでは、統合する距離は、“Pitch”として記録されている。図3(b)の例では、<Pitch=12>であるので、統合する距離は、12画素に設定されていることを示している。なお、この統合する距離を示す画素数は、標準の表示倍率(100%)のときのものであり、表示倍率が変更された場合は、その倍率に応じて変化した画素数となる。2行目以下は、1行単位が「統合する倍率」が記録されている。「統合する倍率」は、倍率IDと具体的な倍率の数値により定義されている。図3(b)の例では、倍率ID=R1〜R3の3つの「統合する倍率」が定義されており、それぞれ75%、50%、25%となっている。「統合する倍率」については、倍率IDと倍率の数値を設定することにより、任意に定義することが可能である。
【0021】
図3(c)は統合リンクファイルを示す図である。統合リンクファイルには、先頭に、倍率ID=R0、倍率100%の場合のリンク群が定義されている。これは、リンクファイルに記録されたリンク群そのものである。そして、以降、設定ファイルに記録されている倍率IDに対応するリンク群が記録される。各倍率IDに対応するリンク群の詳細については後述する。
【0022】
(統合リンクファイルの作成処理)
次に、統合リンクファイルの作成処理について図4のフローチャートを用いて説明する。上述のように、統合リンクファイルは、リンクファイルと設定ファイルから作成される。まず、設定ファイルを読み込む(S1)。続いて、リンクファイルを読み込む(S2)。S1の設定ファイル読込み、S2のリンクファイル読込みはどちらを先に行っても良い。設定ファイルとリンクファイルの両方を読み込んだら、統合リンクファイルの作成を開始する(S3)。すなわち、空のテキストファイルを統合リンクファイルとして生成する。次に、S2で読み込んだリンクファイル内の情報を、統合リンクファイルの先頭に記録する(S4)。この際、先頭には、「統合する倍率」として倍率ID=0、倍率100%を示す<倍率ID=R0 倍率=100%>というタグを記録する。
【0023】
次に、設定ファイルを参照し、未処理の「統合する倍率」の有無を判断する(S5)。未処理の「統合する倍率」が存在する場合には、設定ファイルからその「統合する倍率」を読み込む(S6)。続いて、S1で読み込んだリンクファイルに記録されたリンク群を用いて、リンク統合処理を行う(S7)。このリンク統合処理の詳細については後述する。
【0024】
次に、リンク統合処理を行うことにより得られた新たなリンク情報を統合リンクファイルに追記する(S8)。そして、S5に戻って、未処理の「統合する倍率」の有無を判断し、未処理の「統合する倍率」が存在する場合には、統合する倍率を読み込んだ後(S6)、リンク統合処理を行う(S7)。未処理の「統合する倍率」がなくなった場合には、統合リンクファイルの作成処理を終了する。
【0025】
作成された統合リンクファイルは、リンク付画像と対応付けて商品管理サーバ10内の画像記憶部に保存される。なお、統合リンクファイルの作成処理は、閲覧端末20に専用のプログラムを組み込んだ状態で、リンクファイルと設定ファイルを閲覧端末20にダウンロードし、閲覧端末20のメモリ上で実行するようにすることもできる。
【0026】
(2.処理動作)
次に、本発明に係るリンク付画像閲覧システムの処理動作について説明する。まず、利用者が閲覧端末20においてブラウザを起動し、商品管理サーバ10にアクセスする。そして、閲覧端末20から店舗が指定されると、商品管理サーバ10は、指定された店舗のリンク付画像と統合リンクファイルを順次、閲覧端末20に送信する。
【0027】
閲覧端末20は、商品管理サーバ10からリンク付画像と統合リンクファイルを受信すると、画像ビューアを起動する。そして、閲覧端末20は、画像ビューアの機能によりリンク付画像の表示処理を開始する。図5は、本発明に係る閲覧端末20の処理動作を示すフローチャートである。まず、閲覧端末20は、受信したリンク付画像の読込みを行う(S11)。続いて、リンク付画像と連続して受信した統合リンクファイルの読込みを行う(S12)。次に、閲覧端末20は、画像ビューアにおいて設定されている表示倍率を取得する(S13)。そして、取得した表示倍率に応じてリンク貼付処理を行う(S14)。
【0028】
具体的には、まず、S14において取得した表示倍率と、統合リンクファイル内の各倍率IDに対応する統合する倍率を比較する。そして、表示倍率より大きく、表示倍率に最も近い統合する倍率に対応する倍率IDを特定する。表示倍率より大きい統合する倍率が存在しない場合には、統合する倍率“100%”に対応する倍率IDを取得する。例えば、図3(c)の統合リンクファイルを参照する場合、取得した表示倍率が120%であれば、統合する倍率“100%”の倍率ID=R0が取得され、取得した表示倍率が70%であれば、統合する倍率“75%”の倍率ID=R1が取得される。
【0029】
そして、その特定された倍率IDに対応するエリア座標とリンク先URLを取得し、リンク付画像上でリンクエリアを特定するとともに、当該リンクエリアにリンク先URLの対応付けを行ったHTMLデータを生成する。続いて、閲覧端末20は、生成されたHTMLデータを表示装置に表示させる(S15)。この際、特定されたリンクエリアを示すシンボルをリンク付画像上に表示させる。リンクエリアを示すシンボルとしては、様々な形態のものを採用できるが、本実施形態では、リンクエリアの外延を示す矩形としている。また、表示されるリンクエリアの座標値は、統合リンクファイルのエリア座標に表示倍率を乗じたものになる。表示倍率100%の場合、リンクエリアを示す矩形は、リンクファイル内でエリア座標として設定された始点座標と終点座標をそのまま頂点とする矩形となる。この結果、閲覧端末20の表示装置には、リンク付画像にリンクエリアが重ねられたものが表示される。
【0030】
リンクの貼り付け、リンク付画像の表示後は、閲覧端末20は、表示倍率の変更指示の待ち状態となる。そして、表示倍率の変更指示があった場合、閲覧端末20は、変更された表示倍率を取得する(S13)。そして、リンク貼付処理(S14)、表示処理(S15)を実行する。
【0031】
(2.1.リンク統合処理例1)
次に、S7におけるリンク統合処理の詳細について説明する。まず、例1として、リンクファイルに記録された「統合する距離」が“12”の場合について説明する。図6(a)はリンク付画像とリンクエリアの対応関係を示す図である。リンク付画像とリンクエリアの対応関係は、図3(a)に示したリンクファイル内のエリア座標により定義されている。ここでは、リンク付画像上の所定位置の画素を基準点(0,0)とし、図面右方向、下方向に向かって増加するように座標が設定されている。通常、図6(a)に示すように、各商品ごとにリンクエリアが定義される。図6(a)においては、リンクID=L1〜L16の16個のリンクエリアが定義されている。
【0032】
統合されるリンクエリアは、取得された「統合する倍率」によって異なる。ここでは、まず、「統合する倍率」が75%の場合について説明する。商品管理サーバ10は、「統合する倍率」の取得後、リンクファイル内の各リンクIDについて、そのエリア座標を取得した後、各リンクエリアの中心座標を算出し、図6(b)に示すようなリンクエリアリストを得る。図6(b)に示すように、リンクエリアリストは、リンクエリアに関する情報をリンクID順にリスト化したものである。このリンクエリアリストは、メモリ内のワークエリアに格納される。続いて、商品管理サーバ10は、リンクエリアリストのうち、先頭のリンクエリア、すなわちリンクIDの値が最も若いものを対象リンクエリアに設定する。したがって、図6(b)の例では、リンクエリアL1が対象リンクエリアとして設定されることになる。
【0033】
続いて、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL1との距離を算出する。距離の算出の際、取得した表示倍率を乗じる処理を行う。従って、取得した統合する倍率が75%の場合、0.75を乗じた値となる。この結果、図7(b)に示すように、各リンクエリアについて、リンクエリアL1との距離が記録されたリンクエリアリストが得られる。図7の例では、平方根については、四捨五入して小数点以下2桁として距離を算出している。
【0034】
次に、商品管理サーバ10は、リンクファイルに記録された「統合する距離(Pitch)」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。図7(b)の例では、統合する距離“12”より小さいのは、L2、L5、L6の3つであるので、この3つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。図7(a)は、図6(a)のうち、リンクエリアだけを抽出したものである。図7(a)中、網掛けが施されたL1、L2、L5、L6が統合されることになる。
【0035】
統合対象リンクエリアが決定したら、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。この統合リンクエリアには、新たなリンクIDを付与する。この結果、図8(a)、(b)に示すようにリンクID“L17”の統合リンクエリアが得られる。そして、リンクエリアリストの統合リンクエリアL17には、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0036】
1つの統合リンクエリアが得られたら、商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いものを対象リンクエリアに設定する。したがって、図8(b)の例では、リンクID“L3”のリンクエリアL3が対象リンクエリアとして設定されることになる。
【0037】
続いて、リンクエリアL1の場合と同様に、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL3との距離を算出する。この結果、図8(b)に示すように、各リンクエリアについて、リンクエリアL3との距離が記録されたリンクエリア情報が得られる。既に統合されたリンクエリアL1、L2、L5、L6、統合リンクエリアL17については、距離の算出は行わない。
【0038】
次に、商品管理サーバ10は、リンクファイルに記録された「統合する距離」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。図8(b)の例では、統合する距離“13”より小さいのは、L4、L7、L8の3つであるので、この3つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0039】
同様にして、商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアに対して統合処理を行っていき、全てのリンクエリアが統合済みとなった場合に、リンクエリアの統合を終了する。この結果、図9に示すような統合リンクエリアが得られることになる。図9(a)(b)に示すように、リンクエリアL1〜L16に対して統合処理を行った結果、統合リンクエリアL17〜L20が得られる。
【0040】
得られた統合リンクエリアL17〜L20を特定する矩形の始点と終点はエリア座標タグとして、リンクIDタグと対応付けて統合リンクファイルに追記される(図4のS8)。リンク先URLについても統合されたものが、リンクIDタグと対応付けて統合リンクファイルに追記される(図4のS8)。リンク先URLの統合については後述する。
【0041】
次に、S6で読み込んだ統合する倍率が50%の場合について説明する。商品管理サーバ10は、統合する倍率の取得後、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いものを対象リンクエリアに設定する。したがって、図9(b)の例では、リンクID“L17”のリンクエリアL17が対象リンクエリアとして設定されることになる。
【0042】
続いて、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL17との距離を算出する。距離の算出の際、取得した表示倍率を乗じる処理を行う。従って、取得した統合する倍率が50%の場合、0.5を乗じた値となる。この結果、図9(b)に示すように、各リンクエリアについて、リンクエリアL17との距離が記録されたリンクエリアリストが得られる。既に統合されたリンクエリアL1〜L16については、距離の算出は行わない。
【0043】
次に、商品管理サーバ10は、設定ファイルに記録された「統合する距離」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。図9(b)の例では、統合する距離“12”より小さいのは、L18、L19、L20の3つであるので、この3つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0044】
統合対象リンクエリアが決定したら、商品管理サーバ10は、上述のように、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を統合リンクエリアとして設定する。この結果、図10(a)、(b)に示すようにリンクID“21”の統合リンクエリアが得られる。そして、統合リンクエリアL21には、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアL17〜L20には、統合済みであることを示す情報が記録される。これにより、統合済みでないリンクエリアが存在しなくなるため、商品管理サーバ10は、リンクエリアの統合を終了する。
【0045】
(2.3.リンク統合処理例2)
次に、例2として、リンクファイルに記録された「統合する距離」が“8”の場合について説明する。まず、リンク統合処理について説明する。図11は、統合する距離が8、表示倍率が75%の場合のリンクエリアの統合の様子を示す図である。図11(a)は図7(a)と同一であり、リンクファイルを読み込んで生成されるリンクエリアを示している。この場合、上記の例と同様に、リンクエリアリストを作成した後、リンクIDの値が最も若いL1を対象リンクエリアに設定する。
【0046】
続いて、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL1との距離を、統合する倍率75%に対応する0.75を乗じることにより算出する。そして、商品管理サーバ10は、設定ファイルに記録された「統合する距離(Pitch)」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。ここで、統合する距離“8”より小さいのは、L2、L5の2つであるので、この2つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0047】
次に、閲覧端末20は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。しかし、L2、L5の2つを内包する最小の長方形には、統合対象リンクエリアでないL6も含まれてしまう。この場合、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形に含まれ、L6を内包しない最大の長方形を設定する。ここで、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形に含まれ、L6を内包しない最大の長方形としては、L2を内包し、L5を内包しないものと、L5を内包し、L2を内包しないものが存在する。このように最大面積の長方形(正方形含む)が複数存在する場合、優先順位は正方形・横長の長方形・縦長の長方形の順とする。
【0048】
図11の例では、正方形はないので、L2を含む横長の長方形を統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(b)に示すような統合リンクエリアL17が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。この際、リンクエリアL5は、統合リンクエリアL17に含まれないが、リンクエリアL17に対応付けられるリンク先URLには、リンクエリアL5に対応付けられていたリンク先URLに含まれていた商品番号を含む。すなわち、リンクエリアL17をクリックすると、リンクエリアL1、L2、L5に対応付けられていた商品の情報にアクセスすることが可能となる。
【0049】
1つの統合リンクエリアが得られたら、閲覧端末20は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いものを対象リンクエリアに設定する。したがって、図11(b)の例では、リンクID“L3”のリンクエリアL3が対象リンクエリアとして設定されることになる。
【0050】
続いて、リンクエリアL1の場合と同様に、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL3との距離を算出する。既に統合されたリンクエリアL1、L2、L5、統合リンクエリアL17については、距離の算出は行わない。
【0051】
次に、商品管理サーバ10は、リンクファイルに記録された「統合する距離」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。図11(b)の例では、統合する距離“8”より小さいのは、L4、L7の2つであるので、この2つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0052】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。この場合も、L4、L7の2つを内包する最小の長方形には、統合対象リンクエリアでないL8が含まれてしまうので、対象リンクエリアL3と統合対象リンクエリアL4、L7を内包する最小の長方形に含まれ、L8を内包しない最大の長方形として横長の長方形を設定する。この結果、図11(c)に示すようなL3、L4を内包する統合リンクエリアL18が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。この際、リンクエリアL7は、統合リンクエリアL18に含まれないが、リンクエリアL18に対応付けられるリンク先URLには、リンクエリアL7に対応付けられていたリンク先URLに含まれていた商品番号を含む。すなわち、リンクエリアL18をクリックすると、リンクエリアL3、L4、L7に対応付けられていた商品の情報にアクセスすることが可能となる。
【0053】
次に、商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL6を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL6との距離を算出し、統合する距離“8”より小さい、L10を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0054】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(d)に示すようなL10を内包する統合リンクエリアL19が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0055】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL8を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL8との距離を算出し、統合する距離“8”より小さい、L12を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0056】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(e)に示すようなL12を内包する統合リンクエリアL20が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0057】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL9を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL9との距離を算出し、統合する距離“8”より小さい、L13を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0058】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(f)に示すようなL13を内包する統合リンクエリアL21が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0059】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL11を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL11との距離を算出し、統合する距離“8”より小さい、L15を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0060】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(g)に示すようなL15を内包する統合リンクエリアL22が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0061】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL14を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL14との距離を算出する。この場合、統合する距離“8”より小さい、リンクエリアが存在しないため、L14については統合を行わない。しかし、重複処理を防ぐため、リンクエリアL14には、処理済みであることを示す情報が記録される。
【0062】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL16を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL16との距離を算出する。しかし、この時点では、既に他のリンクエリアは、「統合リンクエリア」「統合済み」「処理済み」のいずれかの情報が記録されたものしかないため、距離の算出を行えない。したがって、統合可能なリンクエリアが存在しないため、リンクエリアL16には、処理済みであることを示す情報を記録する。全てのリンクエリアが、「統合リンクエリア」「統合済み」「処理済み」の状態となったら、統合処理を終了し、「統合リンクエリア」「処理済み」の情報を削除する。「統合済み」の情報は記録されたままとなる。
【0063】
図12(a)〜(c)は、統合する距離が8、統合する倍率が50%の場合のリンクエリアの統合の様子を示す図である。図12(a)は図11(g)と同一である。商品管理サーバ10は、「統合済み」でないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL14を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL14との距離を、統合する倍率50%に対応する0.5を乗じることにより算出し、統合する距離“8”より小さい、L19、L21、L22を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0064】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。この場合、L19、L21、L22の3つを内包する最小の長方形を設定する。この結果、図12(b)に示すようなL19、L21、L22を内包する統合リンクエリアL23が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0065】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL16を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL16との距離を、統合する倍率50%に対応する0.5を乗じることにより算出し、統合する距離“8”より小さい、L20を統合対象リンクエリアとして設定する。 次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアL16と統合対象リンクエリアL20を内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図12(c)に示すようなL20を内包する統合リンクエリアL24が得られる。そして、統合リンクエリアL24には、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアL16、L20には、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0066】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL17を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL17との距離を、統合する倍率50%に対応する0.5を乗じることにより算出する。この場合、統合する距離“8”より小さいリンクエリアが存在しないため、L17については統合を行わない。しかし、重複処理を防ぐため、リンクエリアL17には、処理済みであることを示す情報が記録される。
【0067】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL18を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL18との距離を算出する。しかし、この時点では、既に他のリンクエリアは、「統合リンクエリア」「統合済み」「処理済み」のいずれかの情報が記録されたものしかないため、距離の算出を行うことができない。したがって、統合可能なリンクエリアが存在しないため、リンクエリアL18には、処理済みであることを示す情報を記録する。これにより、全てのリンクエリアが、「統合リンクエリア」「統合済み」「処理済み」の状態となるため、統合処理を終了し、「統合リンクエリア」「処理済み」の情報を削除する。
【0068】
図12(d)(e)は、統合する距離が8、統合する倍率が25%の場合のリンクエリアの統合の様子を示す図である。図12(d)は図12(c)と同一である。商品管理サーバ10は、「統合済み」でないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL17を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクID“L17”との距離を、統合する倍率25%に対応する0.25を乗じることにより算出し、統合する距離“8”より小さい、L18、L23、L24を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0069】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアL17と統合対象リンクエリアL18、L23、L24を内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図12(e)に示すようなL18、L23、L24を内包する統合リンクエリアL25が得られる。この場合、リンクエリアL25は正方形となる。そして、統合リンクエリアL25には、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアL18、L23、L24には、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0070】
この結果、リンクエリアリストには、「統合済み」「統合リンクエリア」以外のリンクエリアが存在しなくなるため、統合処理を終了する。図12(e)に対応する統合終了時のリンクエリアリストを図13に示す。
【0071】
(2.4.リンク統合処理例3)
本実施形態では、リンクファイルによりリンクエリアのリンク付画像上における位置を特定する。そのため、必ずしも上記例1、例2のように、左上端から順番にリンクIDが設定されるわけではない。例3では、図14、図15に示すようにリンクエリアを中央から順に設定した場合について説明する。例3においても統合する距離は“8”、表示倍率75%であるものとする。
【0072】
例3においても、例1、例2と同様、リンクエリアリストを作成した後、リンクIDの値が最も若いL1を対象リンクエリアに設定する。続いて、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL1との距離を算出する。そして、商品管理サーバ10は、リンクファイルに記録された「統合する距離(Pitch)」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定するが、統合する距離“8”より小さいのは、図15(a)に示すように、L3、L5、L6、L8の4つであるので、この4つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0073】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。ここで、図14(b)に、L3、L5、L6、L8の4つを内包する最小の長方形(この例では正方形)を太枠で、統合対象リンクエリアでないリンクエリアを網掛けで示す。図14(b)に示すように、L3、L5、L6、L8の4つを内包する最小の長方形には、統合対象リンクエリアでないL2、L4、L7、L9も含まれてしまう。
【0074】
例2において説明したように、統合対象リンクエリアの全てを内包する最小の長方形に統合対象リンクエリアでないリンクエリアが含まれる場合、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形に含まれ、統合対象リンクエリアでないリンクエリアを内包しない最大の長方形を設定する。しかし、図14(b)に示すように、統合対象リンクエリアの全てを内包する最小の長方形に統合対象リンクエリアでないリンクエリアが複数含まれる場合、まず、統合対象リンクエリアでないリンクエリアをリスト化する。例3の場合、図15(b)に示すような統合対象外リンクエリアリストが得られることになる。統合対象外リンクエリアリストには、統合対象外リンクエリアを、対象リンクエリアとの距離が小さい順に記録する。距離が同じである場合は、リンクIDの若い順に記録する。
【0075】
続いて、商品管理サーバ10は、統合対象外リンクエリアリスト内のリンクエリアのうち、上位に記録されているリンクエリアから順に、統合対象リンクエリアの全てを内包する最小の長方形から除外し、面積が最大となる長方形を得る処理を行う。まず、リンクエリアL2を除外する処理を行う。すると、図14(c)に太枠で示した長方形が得られる。次に、リンクエリアL4を除外する処理を行うが、図14(c)に示すように、リンクエリアL4は既に除外されているため、実質的に変更は行われない。
【0076】
続いて、商品管理サーバ10は、リンクエリアL7を除外する処理を行う。すると、図14(d)に太枠で示した長方形が得られる。さらに、商品管理サーバ10は、リンクエリアL9を除外する処理を行う。すると、図14(e)に太枠で示した長方形が得られる。この結果、全ての統合対象外リンクエリアが除外されたので、図14(e)において太枠で囲まれた部分が統合リンクエリアとなる。
【0077】
(2.5.リンク先URLの統合処理)
リンク統合処理においては、リンクエリアの統合に伴い、リンク先URLの統合も行われる。具体的には、各リンク先URLに記録されたリンク先の詳細情報を連結することにより行う。ここでは、図16(a)に示すように、リンクファイルに記録されている標準のリンク先URLがリンクID“31”は、“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=39-46-01”、リンクID“32”は、“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=34-22-01”である場合を例にとって説明する。URL中、“zzz.yyy.xxx”はサーバ名を特定する文字列であり、その後に、商品情報の表示を行う命令である“link.php?”が記述され、その後に商品を特定する“pid=・・・”が記述されている。
【0078】
図16(b)は、リンクID“31”とリンクID“32”のリンクが統合された場合のリンクID“33”のリンク先URLを示す図である。統合されたリンク先では、URL中のサーバ名を特定する“zzz.yyy.xxx”の後に、商品情報のリスト表示を行う命令である“list.php?”が記述され、その後にリンクID“31”、“32”のリンク先URLに記述されていた“pid=39-46-01” “pid=34-22-01”を“&”で結んで記述する。図16の例は、2つのリンク先URLを統合するものであるが、それ以上の数のリンク先URLを統合する場合であっても、“&”および“pid=・・・”の数が増えるだけであり、基本的には同じように統合が行われる。
【0079】
上記リンク統合処理では、リンクエリアの統合処理後に連続してリンク先URLの統合処理を行う。すなわち、閲覧端末20は、図16(a)に示したような複数の標準のリンク先URLを基に、図16(b)に示したようなリンク先URLを作成する。統合されたリンク先URLは、図4のS8において、リンクIDタグと対応付けて統合リンクファイルに追記される。
【0080】
(2.6.リンクエリアをクリックした場合の処理)
上述のようにして、閲覧端末20は、画像ビューアの機能により表示倍率に応じたリンクの貼付処理(S14)、HTML表示(S15)を行う。常に表示倍率に応じたリンクエリアの表示処理が閲覧端末20により行われることにより、利用者に対して、常に見易く、クリックし易いリンクエリアが提示されることになる。次に、このようなリンクエリアを利用者がクリックした場合について説明する。
【0081】
リンクエリアがクリックされた場合における処理は、そのリンクエリアに対応付けられているリンク先URLが、図16(a)に示したような標準のリンク先URLであるか、図16(b)に示したような統合されたリンク先URLであるかにより異なる。図16(a)に示したような標準のリンク先URLである場合、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“link.php?pid=39-46-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“link.php”というプログラムを実行し、“pid=39-46-01”で特定された商品を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成し、閲覧端末20に返信する。閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、1つの商品が掲載された画面を表示装置に表示する。なお、このように、リンクエリアをクリックした後、所定のサーバにアクセスし、サーバが“link.php”のような商品情報の表示を行うプログラムを実行して、指定された商品の情報を含むHTMLデータを返信し、閲覧端末20のブラウザにより画面に表示する技術は公知のものである。
【0082】
クリックされたリンクエリアに対応付けられているリンク先が、図16(b)に示したような統合されたリンク先URLである場合、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“list.php?pid=39-46-01&pid=34-22-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“list.php”という商品の一覧表示を行うプログラムを実行し、“pid=39-46-01”“pid=34-22-01”で特定された商品の商品名を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成する。この際、各商品名にはリンクを設定し、それぞれ“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=39-46-01”、“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=34-22-01”という標準のリンク先URLを対応付ける。そして、商品管理サーバ10は、作成したHTMLの画面データを閲覧端末20に返信する。閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、複数の商品の商品名が一覧表示された画面を表示装置に表示する。
【0083】
そして、この画面上で利用者により商品名に対応したリンクがクリックされると、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“link.php?pid=39-46-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“link.php”というプログラムを実行し、“pid=39-46-01”で特定された商品を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成し、閲覧端末20に返信する。閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、1つの商品が掲載された画面を表示装置に表示する。
【0084】
ここで、本発明により統合されたリンクエリアを利用して、商品購入サイトにアクセスして商品購入を行う場合における閲覧端末20の画面の状態を図17に示す。図17においては4つの画面が示されているが、左側の2つの画面は、リンク付画像(チラシ画像)であり、右側の2つの画面は、購入画面である。いずれも上側はリンク付画像の相対的な縮小時(例えば表示倍率50%)を示しており、下側はリンク付画像の相対的な拡大時(例えば表示倍率100%)を示している。
【0085】
図17の拡大時には、リンクエリアが統合されていないため、図16(a)に示したような標準のリンク先URLが対応付けられている。したがって、このリンクエリアがクリックされると、上述のように、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“link.php?pid=39-46-01”の情報を処理要求とともに送信する。そして、商品管理サーバ10では、“link.php”というプログラムを実行し、“pid=39-46-01”で特定された商品を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成し、閲覧端末20に返信する。そして、閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、1つの商品が掲載された画面を表示装置に表示する。この結果、図17の右下に示したような商品詳細画面が表示されることになる。利用者は、この商品詳細画面において、数量を指定し、購入ボタンをクリックすることにより、商品を購入することができる。
【0086】
図17の縮小時には、リンクエリアが統合されているため、図16(b)に示したような統合されたリンク先URLが対応付けられている。したがって、このリンクエリアがクリックされると、上述のように、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“list.php?pid=39-46-01&pid=34-22-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“list.php”という商品の一覧表示を行うプログラムを実行し、“pid=39-46-01”“pid=34-22-01”で特定された商品の商品名を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成する。この際、各商品名にはリンクを設定し、それぞれ“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=39-46-01”、“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=34-22-01”という標準のリンク先URLを対応付ける。さらに“pid=39-46-01”“pid=34-22-01”に対応する単位、価格を商品管理サーバ10から抽出し、数量入力欄と購入ボタンを画面データに配置する。そして、商品管理サーバ10は、作成したHTMLの画面データを閲覧端末20に返信する。そして、閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、複数の商品が掲載された画面を表示装置に表示する。この結果、図17の右上に示したような特売一覧画面が表示されることになる。利用者は、この特売一覧画面において商品を購入することもできる。利用者が、この特売一覧画面において、商品名に設定されたリンクをクリックすると、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“link.php?pid=39-46-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“link.php”というプログラムを実行し、“pid=39-46-01”で特定された商品を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成し、閲覧端末20に返信する。そして、閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、1つの商品が掲載された画面を表示装置に表示する。この結果、図17の右下に示したような商品詳細画面が表示されることになる。利用者は、この商品詳細画面において、数量を指定し、購入ボタンをクリックすることにより、商品を購入することができる。
【0087】
以上、説明したように、本発明によれば、統合していないリンクを選択することによりチラシ画面から購入商品を選択する仕方と、統合リンクを入り口として商品リストから購入商品を選択する仕方とを、表示倍率を変更することにより切り替えられるという従来技術にない効果を奏する。これにより、パーソナルコンピュータ等の限定された画面サイズにおいて、異なる販売店チラシを比較しながら購入商品を選択することが容易にできるという顕著な効果を奏する。
【0088】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、リンクエリアを統合するか否かの基準をリンクエリアの中心同士の距離としたが、リンクエリア同士の距離を、必ずしもリンクエリアの中心で定める必要はなく、リンクエリア内における中心以外の所定の位置としても良い。例えば、リンクエリアの外延となる枠同士の最短距離をリンクエリア間の距離としても良い。しかし、様々なリンクエリアの大きさ、配置で実験した結果、リンクエリアの中心同士の距離を採用した場合が最も好ましい結果が得られた。
【0089】
また、上記実施形態では、リンクエリアに対応付けられるリンク先として商品情報の所在を特定するURLを用いたが、商品情報以外の様々な情報を設定することも可能であるし、また、コンピュータにより情報の所在が特定可能なものであれば、例えばIPアドレス等、URL以外のリンク先を設定しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、コンピュータにおける画像ビューアを用いた画像表示に関する産業、特に、リンク付画像を表示倍率を変更させて表示する必要性のある産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
10・・・商品管理サーバ
20・・・閲覧端末
30・・・通信ネットワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、リンク付きの画像を表示するにあたり、リンクを指示するために画像上に表示されたリンクエリアを、見易く、かつ指示し易いように加工するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、インターネットにおいては、チラシ広告を画像として閲覧可能にした、いわゆるネットチラシが提供されている。このネットチラシにより、利用者は、新聞の折込広告として入ってくるチラシと同様に、商品の広告をパソコン等で閲覧することができる。このネットチラシのサービスでは、表示されたチラシ画像にリンクエリアが設定されており、利用者がリンクエリアをクリックすることにより、リンク先にアクセスし、対応する商品の詳細情報を得たり、その商品の注文を行うことができるようなものも存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2834329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
チラシ広告等の画像をインターネットを介して閲覧する場合、ブラウザにより画像ビューアを起動して、目的箇所をより詳細に見るために画像の拡大表示を行ったり、全体をまとめ見るために画像の縮小表示を行ったりすることが可能となっている。上記のネットチラシのように、リンク付画像であるチラシ広告を表示する場合、画像を縮小すると、それに比例してリンクエリアも縮小されるため、見づらく、かつ操作(クリック)しづらくなる。
【0005】
一方、全体の縮小に伴って表示されるシンボルが縮小される場合に、そのシンボルを他のシンボルに置き換えられる技術が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1に記載の技術では、対応するシンボルに単純に置き換えるものであるため、リンク先を有するリンクエリアの縮小に用いることはできない。
【0006】
そこで、本発明は、チラシ広告のようなリンク付画像を縮小した場合でも、見づらくないようにリンクエリアを統合させた状態で表示するとともに、統合後のリンクエリアが、リンクエリアとしての機能を正しく発揮することが可能なリンク統合処理装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、リンクエリアを特定する情報とリンク先の組み合わせであるリンク情報を取得するとともに、統合する倍率を取得し、前記リンクエリア間の距離に前記取得した統合する倍率を乗じて得られる値が所定の値以下である場合に、前記リンクエリア同士を統合して新たなリンクエリアを生成するリンクエリア統合手段と、前記統合前の複数のリンクエリアに対応付けられていたリンク先を1つのリンク先として統合し、統合後のリンク先を、前記統合後のリンクエリアに対応付けるリンク先統合手段と、を有することを特徴とするリンク統合処理装置を提供する。
【0008】
本発明によれば、リンクエリアを特定する情報を取得し、リンクエリア間の距離に統合する倍率を乗じて得られる値が所定の値以下である場合に、リンクエリア同士を統合して新たなリンクエリアを生成し、統合前の複数のリンクエリアに対応付けられていたリンク先を1つのリンク先として統合し、統合後のリンク先を、統合後のリンクエリアに対応付けるようにしたので、リンク付画像を表示する際に、表示倍率に近い統合する倍率を用いて統合されたリンクエリアを表示することができ、また、そのリンクエリアが指示された場合に、適切なリンク先を特定することが可能となる。
【0009】
また、本発明では、前記リンクエリア統合手段は、前記リンクエリアの範囲に基づいて各リンクエリアの中央座標を算出し、各リンクエリアの中央座標間の距離を前記リンクエリア間の距離として算出することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、リンクエリアの統合ための基準となるリンクエリア間の距離を、リンクエリアの中央座標間の距離により求めるようにしたので、多様な形態をとり得るリンクエリアに対しても、好ましい態様で統合することが可能となる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、リンク付画像を縮小した場合でも、見づらくないようにリンクエリアを統合させた状態で表示するとともに、統合後のリンクエリアが、リンクエリアとしての機能を正しく発揮することが可能となるという効果を有する。また、統合していないリンクを選択することによりチラシ画面から購入商品を選択する仕方と、統合リンクを入り口として商品リストから購入商品を選択する仕方とを、表示倍率を変更することにより切り替えられるという従来技術にない効果を奏する。これにより、パーソナルコンピュータ等の限定された画面サイズにおいて、異なる販売店チラシを比較しながら購入商品を選択することが容易にできるという顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】リンク付画像閲覧システムの概略構成図である。
【図2】本発明で用いるリンクファイル、設定ファイル、統合リンクファイルの構造を示す図である。
【図3】本発明で用いるリンクファイル、設定ファイル、統合リンクファイルの具体例を示す図である。
【図4】本発明に係るリンク統合処理装置の処理動作を示すフローチャートである。
【図5】閲覧端末におけるリンク付画像の表示処理を示すフローチャートである。
【図6】リンク付画像とリンクエリアの対応関係、リンクエリア情報を示す図である。
【図7】リンクエリアの統合処理(例1)を説明するための図である。
【図8】リンクエリアの統合処理(例1)を説明するための図である。
【図9】リンクエリアの統合処理(例1)を説明するための図である。
【図10】リンクエリアの統合処理(例1)を説明するための図である。
【図11】リンクエリアの統合処理(例2)の様子を示す図である。
【図12】リンクエリアの統合処理(例2)の様子を示す図である。
【図13】リンクエリアの統合処理(例2)後のリンクエリア情報を示す図である。
【図14】リンクエリアの統合処理(例3)の様子を示す図である。
【図15】リンクエリアの統合処理(例3)時のリンクエリア情報、統合対象外リンクエリアリストを示す図である。
【図16】リンクエリアに対応付けられたリンク先URLを示す図である。
【図17】商品購入サイトにアクセスして商品購入を行う場合における閲覧端末20の画面の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(1.概略構成)
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1は、リンク付画像閲覧システムの概略構成図である。図1に示すように、リンク付画像閲覧システムは、商品情報およびリンク付画像を管理する商品管理サーバ10と、リンク付画像を閲覧する閲覧端末20が通信ネットワーク30を介して接続された構成となっている。
【0014】
商品管理サーバ10は、スーパーマーケットや百貨店等の小売業者が運営するWebサイトを開設したサーバコンピュータであり、チラシ画像等のリンク付画像を記憶した画像記憶部、商品情報を記憶した商品情報記憶部を有している。また、商品管理サーバ10は、商品情報を特定した閲覧端末20からの商品情報要求に従って商品情報を掲載した画面を作成し、閲覧端末20に返信する機能を有している。このような商品管理サーバ10は、CPU、メモリ、外部記憶装置、表示装置、入力機器等を有する汎用のサーバコンピュータに所定のCGIプログラム、Webサーバーソフトウエアを組み込むことにより実現され、基本的には公知のものである。ただし、本実施形態では、後述するようにリンク統合処理装置としても機能するため、この機能を実現するための専用のプログラムを組み込んでいる。
【0015】
閲覧端末20は、一般の利用者が商品管理サーバ10で開設されているWebサイトにアクセスして、リンク付画像を閲覧するための端末装置であり、CPU、メモリ、外部記憶装置、表示装置、入力機器等を有する汎用のコンピュータにブラウザ、画像ビューアを組み込むことにより実現される。画像ビューアは、ブラウザのプラグインソフトウェアであり、ブラウザにおいて画像を表示させる際に、起動する。このような画像ビューアとしては、Flash Player(米アドビシステムズ社)等を用いることができる。閲覧端末20内の画像ビューアは、汎用の画像ビューアに専用のプログラムが追加されたものとなっている。画像ビューアに専用のプログラムが組み込まれることにより、閲覧端末20は、表示倍率に応じて異なるリンクエリアを表示する処理を実行する。
【0016】
商品管理サーバ10は、閲覧端末20に送信するためのリンク付画像および統合リンクファイルを記憶している。リンク付画像は、閲覧端末20において画像ビューアによりビットマップ形式に展開可能な画像データである。本実施形態では、リンク付画像として、いわゆる折込広告におけるチラシと同一内容のチラシ画像を用いている。また、統合リンクファイルは、リンク付画像上におけるリンクエリアの設定位置およびリンク先URLを示したものである。本実施形態では、リンクファイルにおいて、チラシ画像であるリンク付画像上における商品の掲載位置にリンクエリアを設定し、そのリンクエリアにその商品の情報の所在を示すURLを設定している。
【0017】
次に、統合リンクファイルについて説明する。統合リンクファイルは、リンクファイルと設定ファイルにより作成される。リンクファイル、設定ファイル、統合リンクファイルの構造を図2に示す。図2(a)に示すように、リンクファイルには、複数のリンクについてリンクIDごとに記録されている。各リンクIDで特定されるリンクの詳細は、そのエリア座標とリンク先URLにより定められている。
【0018】
図2(b)に示すように、設定ファイルには、「統合する距離」が1つだけ記録されており、その後、「統合する倍率」が1つ以上記録されている。図2(c)に示すように、統合リンクファイルには、1つ以上の「統合する倍率」が記録され、各「統合する倍率」ごとに複数のリンクが記録されている。
【0019】
実際のリンクファイル、設定ファイル、統合リンクファイルを図3に示す。図3(a)はリンクファイルを示す図である。実際のリンクファイルでは、図3(a)に示すように、3行単位で1つのリンクを定義している。1行目から3行目までの3行では、リンクID=L1のリンクについて定義しており、1行目でリンクID、2行目でエリア座標、3行目でリンク先URLをそれぞれ定義している。エリア座標は、始点のxy座標と終点のxy座標で特定される矩形状のリンクエリアとして定義される。
【0020】
図3(b)は設定ファイルを示す図である。実際の設定ファイルでは、統合する距離は、“Pitch”として記録されている。図3(b)の例では、<Pitch=12>であるので、統合する距離は、12画素に設定されていることを示している。なお、この統合する距離を示す画素数は、標準の表示倍率(100%)のときのものであり、表示倍率が変更された場合は、その倍率に応じて変化した画素数となる。2行目以下は、1行単位が「統合する倍率」が記録されている。「統合する倍率」は、倍率IDと具体的な倍率の数値により定義されている。図3(b)の例では、倍率ID=R1〜R3の3つの「統合する倍率」が定義されており、それぞれ75%、50%、25%となっている。「統合する倍率」については、倍率IDと倍率の数値を設定することにより、任意に定義することが可能である。
【0021】
図3(c)は統合リンクファイルを示す図である。統合リンクファイルには、先頭に、倍率ID=R0、倍率100%の場合のリンク群が定義されている。これは、リンクファイルに記録されたリンク群そのものである。そして、以降、設定ファイルに記録されている倍率IDに対応するリンク群が記録される。各倍率IDに対応するリンク群の詳細については後述する。
【0022】
(統合リンクファイルの作成処理)
次に、統合リンクファイルの作成処理について図4のフローチャートを用いて説明する。上述のように、統合リンクファイルは、リンクファイルと設定ファイルから作成される。まず、設定ファイルを読み込む(S1)。続いて、リンクファイルを読み込む(S2)。S1の設定ファイル読込み、S2のリンクファイル読込みはどちらを先に行っても良い。設定ファイルとリンクファイルの両方を読み込んだら、統合リンクファイルの作成を開始する(S3)。すなわち、空のテキストファイルを統合リンクファイルとして生成する。次に、S2で読み込んだリンクファイル内の情報を、統合リンクファイルの先頭に記録する(S4)。この際、先頭には、「統合する倍率」として倍率ID=0、倍率100%を示す<倍率ID=R0 倍率=100%>というタグを記録する。
【0023】
次に、設定ファイルを参照し、未処理の「統合する倍率」の有無を判断する(S5)。未処理の「統合する倍率」が存在する場合には、設定ファイルからその「統合する倍率」を読み込む(S6)。続いて、S1で読み込んだリンクファイルに記録されたリンク群を用いて、リンク統合処理を行う(S7)。このリンク統合処理の詳細については後述する。
【0024】
次に、リンク統合処理を行うことにより得られた新たなリンク情報を統合リンクファイルに追記する(S8)。そして、S5に戻って、未処理の「統合する倍率」の有無を判断し、未処理の「統合する倍率」が存在する場合には、統合する倍率を読み込んだ後(S6)、リンク統合処理を行う(S7)。未処理の「統合する倍率」がなくなった場合には、統合リンクファイルの作成処理を終了する。
【0025】
作成された統合リンクファイルは、リンク付画像と対応付けて商品管理サーバ10内の画像記憶部に保存される。なお、統合リンクファイルの作成処理は、閲覧端末20に専用のプログラムを組み込んだ状態で、リンクファイルと設定ファイルを閲覧端末20にダウンロードし、閲覧端末20のメモリ上で実行するようにすることもできる。
【0026】
(2.処理動作)
次に、本発明に係るリンク付画像閲覧システムの処理動作について説明する。まず、利用者が閲覧端末20においてブラウザを起動し、商品管理サーバ10にアクセスする。そして、閲覧端末20から店舗が指定されると、商品管理サーバ10は、指定された店舗のリンク付画像と統合リンクファイルを順次、閲覧端末20に送信する。
【0027】
閲覧端末20は、商品管理サーバ10からリンク付画像と統合リンクファイルを受信すると、画像ビューアを起動する。そして、閲覧端末20は、画像ビューアの機能によりリンク付画像の表示処理を開始する。図5は、本発明に係る閲覧端末20の処理動作を示すフローチャートである。まず、閲覧端末20は、受信したリンク付画像の読込みを行う(S11)。続いて、リンク付画像と連続して受信した統合リンクファイルの読込みを行う(S12)。次に、閲覧端末20は、画像ビューアにおいて設定されている表示倍率を取得する(S13)。そして、取得した表示倍率に応じてリンク貼付処理を行う(S14)。
【0028】
具体的には、まず、S14において取得した表示倍率と、統合リンクファイル内の各倍率IDに対応する統合する倍率を比較する。そして、表示倍率より大きく、表示倍率に最も近い統合する倍率に対応する倍率IDを特定する。表示倍率より大きい統合する倍率が存在しない場合には、統合する倍率“100%”に対応する倍率IDを取得する。例えば、図3(c)の統合リンクファイルを参照する場合、取得した表示倍率が120%であれば、統合する倍率“100%”の倍率ID=R0が取得され、取得した表示倍率が70%であれば、統合する倍率“75%”の倍率ID=R1が取得される。
【0029】
そして、その特定された倍率IDに対応するエリア座標とリンク先URLを取得し、リンク付画像上でリンクエリアを特定するとともに、当該リンクエリアにリンク先URLの対応付けを行ったHTMLデータを生成する。続いて、閲覧端末20は、生成されたHTMLデータを表示装置に表示させる(S15)。この際、特定されたリンクエリアを示すシンボルをリンク付画像上に表示させる。リンクエリアを示すシンボルとしては、様々な形態のものを採用できるが、本実施形態では、リンクエリアの外延を示す矩形としている。また、表示されるリンクエリアの座標値は、統合リンクファイルのエリア座標に表示倍率を乗じたものになる。表示倍率100%の場合、リンクエリアを示す矩形は、リンクファイル内でエリア座標として設定された始点座標と終点座標をそのまま頂点とする矩形となる。この結果、閲覧端末20の表示装置には、リンク付画像にリンクエリアが重ねられたものが表示される。
【0030】
リンクの貼り付け、リンク付画像の表示後は、閲覧端末20は、表示倍率の変更指示の待ち状態となる。そして、表示倍率の変更指示があった場合、閲覧端末20は、変更された表示倍率を取得する(S13)。そして、リンク貼付処理(S14)、表示処理(S15)を実行する。
【0031】
(2.1.リンク統合処理例1)
次に、S7におけるリンク統合処理の詳細について説明する。まず、例1として、リンクファイルに記録された「統合する距離」が“12”の場合について説明する。図6(a)はリンク付画像とリンクエリアの対応関係を示す図である。リンク付画像とリンクエリアの対応関係は、図3(a)に示したリンクファイル内のエリア座標により定義されている。ここでは、リンク付画像上の所定位置の画素を基準点(0,0)とし、図面右方向、下方向に向かって増加するように座標が設定されている。通常、図6(a)に示すように、各商品ごとにリンクエリアが定義される。図6(a)においては、リンクID=L1〜L16の16個のリンクエリアが定義されている。
【0032】
統合されるリンクエリアは、取得された「統合する倍率」によって異なる。ここでは、まず、「統合する倍率」が75%の場合について説明する。商品管理サーバ10は、「統合する倍率」の取得後、リンクファイル内の各リンクIDについて、そのエリア座標を取得した後、各リンクエリアの中心座標を算出し、図6(b)に示すようなリンクエリアリストを得る。図6(b)に示すように、リンクエリアリストは、リンクエリアに関する情報をリンクID順にリスト化したものである。このリンクエリアリストは、メモリ内のワークエリアに格納される。続いて、商品管理サーバ10は、リンクエリアリストのうち、先頭のリンクエリア、すなわちリンクIDの値が最も若いものを対象リンクエリアに設定する。したがって、図6(b)の例では、リンクエリアL1が対象リンクエリアとして設定されることになる。
【0033】
続いて、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL1との距離を算出する。距離の算出の際、取得した表示倍率を乗じる処理を行う。従って、取得した統合する倍率が75%の場合、0.75を乗じた値となる。この結果、図7(b)に示すように、各リンクエリアについて、リンクエリアL1との距離が記録されたリンクエリアリストが得られる。図7の例では、平方根については、四捨五入して小数点以下2桁として距離を算出している。
【0034】
次に、商品管理サーバ10は、リンクファイルに記録された「統合する距離(Pitch)」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。図7(b)の例では、統合する距離“12”より小さいのは、L2、L5、L6の3つであるので、この3つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。図7(a)は、図6(a)のうち、リンクエリアだけを抽出したものである。図7(a)中、網掛けが施されたL1、L2、L5、L6が統合されることになる。
【0035】
統合対象リンクエリアが決定したら、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。この統合リンクエリアには、新たなリンクIDを付与する。この結果、図8(a)、(b)に示すようにリンクID“L17”の統合リンクエリアが得られる。そして、リンクエリアリストの統合リンクエリアL17には、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0036】
1つの統合リンクエリアが得られたら、商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いものを対象リンクエリアに設定する。したがって、図8(b)の例では、リンクID“L3”のリンクエリアL3が対象リンクエリアとして設定されることになる。
【0037】
続いて、リンクエリアL1の場合と同様に、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL3との距離を算出する。この結果、図8(b)に示すように、各リンクエリアについて、リンクエリアL3との距離が記録されたリンクエリア情報が得られる。既に統合されたリンクエリアL1、L2、L5、L6、統合リンクエリアL17については、距離の算出は行わない。
【0038】
次に、商品管理サーバ10は、リンクファイルに記録された「統合する距離」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。図8(b)の例では、統合する距離“13”より小さいのは、L4、L7、L8の3つであるので、この3つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0039】
同様にして、商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアに対して統合処理を行っていき、全てのリンクエリアが統合済みとなった場合に、リンクエリアの統合を終了する。この結果、図9に示すような統合リンクエリアが得られることになる。図9(a)(b)に示すように、リンクエリアL1〜L16に対して統合処理を行った結果、統合リンクエリアL17〜L20が得られる。
【0040】
得られた統合リンクエリアL17〜L20を特定する矩形の始点と終点はエリア座標タグとして、リンクIDタグと対応付けて統合リンクファイルに追記される(図4のS8)。リンク先URLについても統合されたものが、リンクIDタグと対応付けて統合リンクファイルに追記される(図4のS8)。リンク先URLの統合については後述する。
【0041】
次に、S6で読み込んだ統合する倍率が50%の場合について説明する。商品管理サーバ10は、統合する倍率の取得後、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いものを対象リンクエリアに設定する。したがって、図9(b)の例では、リンクID“L17”のリンクエリアL17が対象リンクエリアとして設定されることになる。
【0042】
続いて、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL17との距離を算出する。距離の算出の際、取得した表示倍率を乗じる処理を行う。従って、取得した統合する倍率が50%の場合、0.5を乗じた値となる。この結果、図9(b)に示すように、各リンクエリアについて、リンクエリアL17との距離が記録されたリンクエリアリストが得られる。既に統合されたリンクエリアL1〜L16については、距離の算出は行わない。
【0043】
次に、商品管理サーバ10は、設定ファイルに記録された「統合する距離」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。図9(b)の例では、統合する距離“12”より小さいのは、L18、L19、L20の3つであるので、この3つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0044】
統合対象リンクエリアが決定したら、商品管理サーバ10は、上述のように、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を統合リンクエリアとして設定する。この結果、図10(a)、(b)に示すようにリンクID“21”の統合リンクエリアが得られる。そして、統合リンクエリアL21には、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアL17〜L20には、統合済みであることを示す情報が記録される。これにより、統合済みでないリンクエリアが存在しなくなるため、商品管理サーバ10は、リンクエリアの統合を終了する。
【0045】
(2.3.リンク統合処理例2)
次に、例2として、リンクファイルに記録された「統合する距離」が“8”の場合について説明する。まず、リンク統合処理について説明する。図11は、統合する距離が8、表示倍率が75%の場合のリンクエリアの統合の様子を示す図である。図11(a)は図7(a)と同一であり、リンクファイルを読み込んで生成されるリンクエリアを示している。この場合、上記の例と同様に、リンクエリアリストを作成した後、リンクIDの値が最も若いL1を対象リンクエリアに設定する。
【0046】
続いて、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL1との距離を、統合する倍率75%に対応する0.75を乗じることにより算出する。そして、商品管理サーバ10は、設定ファイルに記録された「統合する距離(Pitch)」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。ここで、統合する距離“8”より小さいのは、L2、L5の2つであるので、この2つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0047】
次に、閲覧端末20は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。しかし、L2、L5の2つを内包する最小の長方形には、統合対象リンクエリアでないL6も含まれてしまう。この場合、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形に含まれ、L6を内包しない最大の長方形を設定する。ここで、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形に含まれ、L6を内包しない最大の長方形としては、L2を内包し、L5を内包しないものと、L5を内包し、L2を内包しないものが存在する。このように最大面積の長方形(正方形含む)が複数存在する場合、優先順位は正方形・横長の長方形・縦長の長方形の順とする。
【0048】
図11の例では、正方形はないので、L2を含む横長の長方形を統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(b)に示すような統合リンクエリアL17が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。この際、リンクエリアL5は、統合リンクエリアL17に含まれないが、リンクエリアL17に対応付けられるリンク先URLには、リンクエリアL5に対応付けられていたリンク先URLに含まれていた商品番号を含む。すなわち、リンクエリアL17をクリックすると、リンクエリアL1、L2、L5に対応付けられていた商品の情報にアクセスすることが可能となる。
【0049】
1つの統合リンクエリアが得られたら、閲覧端末20は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いものを対象リンクエリアに設定する。したがって、図11(b)の例では、リンクID“L3”のリンクエリアL3が対象リンクエリアとして設定されることになる。
【0050】
続いて、リンクエリアL1の場合と同様に、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL3との距離を算出する。既に統合されたリンクエリアL1、L2、L5、統合リンクエリアL17については、距離の算出は行わない。
【0051】
次に、商品管理サーバ10は、リンクファイルに記録された「統合する距離」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定する。図11(b)の例では、統合する距離“8”より小さいのは、L4、L7の2つであるので、この2つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0052】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。この場合も、L4、L7の2つを内包する最小の長方形には、統合対象リンクエリアでないL8が含まれてしまうので、対象リンクエリアL3と統合対象リンクエリアL4、L7を内包する最小の長方形に含まれ、L8を内包しない最大の長方形として横長の長方形を設定する。この結果、図11(c)に示すようなL3、L4を内包する統合リンクエリアL18が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。この際、リンクエリアL7は、統合リンクエリアL18に含まれないが、リンクエリアL18に対応付けられるリンク先URLには、リンクエリアL7に対応付けられていたリンク先URLに含まれていた商品番号を含む。すなわち、リンクエリアL18をクリックすると、リンクエリアL3、L4、L7に対応付けられていた商品の情報にアクセスすることが可能となる。
【0053】
次に、商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL6を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL6との距離を算出し、統合する距離“8”より小さい、L10を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0054】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(d)に示すようなL10を内包する統合リンクエリアL19が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0055】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL8を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL8との距離を算出し、統合する距離“8”より小さい、L12を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0056】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(e)に示すようなL12を内包する統合リンクエリアL20が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0057】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL9を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL9との距離を算出し、統合する距離“8”より小さい、L13を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0058】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(f)に示すようなL13を内包する統合リンクエリアL21が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0059】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL11を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL11との距離を算出し、統合する距離“8”より小さい、L15を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0060】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図11(g)に示すようなL15を内包する統合リンクエリアL22が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0061】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL14を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL14との距離を算出する。この場合、統合する距離“8”より小さい、リンクエリアが存在しないため、L14については統合を行わない。しかし、重複処理を防ぐため、リンクエリアL14には、処理済みであることを示す情報が記録される。
【0062】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL16を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL16との距離を算出する。しかし、この時点では、既に他のリンクエリアは、「統合リンクエリア」「統合済み」「処理済み」のいずれかの情報が記録されたものしかないため、距離の算出を行えない。したがって、統合可能なリンクエリアが存在しないため、リンクエリアL16には、処理済みであることを示す情報を記録する。全てのリンクエリアが、「統合リンクエリア」「統合済み」「処理済み」の状態となったら、統合処理を終了し、「統合リンクエリア」「処理済み」の情報を削除する。「統合済み」の情報は記録されたままとなる。
【0063】
図12(a)〜(c)は、統合する距離が8、統合する倍率が50%の場合のリンクエリアの統合の様子を示す図である。図12(a)は図11(g)と同一である。商品管理サーバ10は、「統合済み」でないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL14を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL14との距離を、統合する倍率50%に対応する0.5を乗じることにより算出し、統合する距離“8”より小さい、L19、L21、L22を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0064】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。この場合、L19、L21、L22の3つを内包する最小の長方形を設定する。この結果、図12(b)に示すようなL19、L21、L22を内包する統合リンクエリアL23が得られる。そして、統合リンクエリアには、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアには、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0065】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL16を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL16との距離を、統合する倍率50%に対応する0.5を乗じることにより算出し、統合する距離“8”より小さい、L20を統合対象リンクエリアとして設定する。 次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアL16と統合対象リンクエリアL20を内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図12(c)に示すようなL20を内包する統合リンクエリアL24が得られる。そして、統合リンクエリアL24には、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアL16、L20には、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0066】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL17を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL17との距離を、統合する倍率50%に対応する0.5を乗じることにより算出する。この場合、統合する距離“8”より小さいリンクエリアが存在しないため、L17については統合を行わない。しかし、重複処理を防ぐため、リンクエリアL17には、処理済みであることを示す情報が記録される。
【0067】
商品管理サーバ10は、統合済みでないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL18を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL18との距離を算出する。しかし、この時点では、既に他のリンクエリアは、「統合リンクエリア」「統合済み」「処理済み」のいずれかの情報が記録されたものしかないため、距離の算出を行うことができない。したがって、統合可能なリンクエリアが存在しないため、リンクエリアL18には、処理済みであることを示す情報を記録する。これにより、全てのリンクエリアが、「統合リンクエリア」「統合済み」「処理済み」の状態となるため、統合処理を終了し、「統合リンクエリア」「処理済み」の情報を削除する。
【0068】
図12(d)(e)は、統合する距離が8、統合する倍率が25%の場合のリンクエリアの統合の様子を示す図である。図12(d)は図12(c)と同一である。商品管理サーバ10は、「統合済み」でないリンクエリアのうち、リンクIDの値が最も若いL17を対象リンクエリアに設定する。そして、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクID“L17”との距離を、統合する倍率25%に対応する0.25を乗じることにより算出し、統合する距離“8”より小さい、L18、L23、L24を統合対象リンクエリアとして設定する。
【0069】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアL17と統合対象リンクエリアL18、L23、L24を内包する最小の長方形を、統合リンクエリアとして設定する。この結果、図12(e)に示すようなL18、L23、L24を内包する統合リンクエリアL25が得られる。この場合、リンクエリアL25は正方形となる。そして、統合リンクエリアL25には、統合リンクエリアであることを示す情報が記録され、統合されたリンクエリアL18、L23、L24には、統合済みであることを示す情報が記録される。
【0070】
この結果、リンクエリアリストには、「統合済み」「統合リンクエリア」以外のリンクエリアが存在しなくなるため、統合処理を終了する。図12(e)に対応する統合終了時のリンクエリアリストを図13に示す。
【0071】
(2.4.リンク統合処理例3)
本実施形態では、リンクファイルによりリンクエリアのリンク付画像上における位置を特定する。そのため、必ずしも上記例1、例2のように、左上端から順番にリンクIDが設定されるわけではない。例3では、図14、図15に示すようにリンクエリアを中央から順に設定した場合について説明する。例3においても統合する距離は“8”、表示倍率75%であるものとする。
【0072】
例3においても、例1、例2と同様、リンクエリアリストを作成した後、リンクIDの値が最も若いL1を対象リンクエリアに設定する。続いて、商品管理サーバ10は、各リンクエリアについて、対象リンクエリアであるリンクエリアL1との距離を算出する。そして、商品管理サーバ10は、リンクファイルに記録された「統合する距離(Pitch)」と、算出した各リンクエリアの距離を比較し、統合する距離よりも小さいリンクエリアを統合対象リンクエリアに設定するが、統合する距離“8”より小さいのは、図15(a)に示すように、L3、L5、L6、L8の4つであるので、この4つのリンクエリアが統合対象リンクエリアとして設定される。
【0073】
次に、商品管理サーバ10は、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形(正方形を含む)を、統合リンクエリアとして設定する。ここで、図14(b)に、L3、L5、L6、L8の4つを内包する最小の長方形(この例では正方形)を太枠で、統合対象リンクエリアでないリンクエリアを網掛けで示す。図14(b)に示すように、L3、L5、L6、L8の4つを内包する最小の長方形には、統合対象リンクエリアでないL2、L4、L7、L9も含まれてしまう。
【0074】
例2において説明したように、統合対象リンクエリアの全てを内包する最小の長方形に統合対象リンクエリアでないリンクエリアが含まれる場合、対象リンクエリアと統合対象リンクエリアを内包する最小の長方形に含まれ、統合対象リンクエリアでないリンクエリアを内包しない最大の長方形を設定する。しかし、図14(b)に示すように、統合対象リンクエリアの全てを内包する最小の長方形に統合対象リンクエリアでないリンクエリアが複数含まれる場合、まず、統合対象リンクエリアでないリンクエリアをリスト化する。例3の場合、図15(b)に示すような統合対象外リンクエリアリストが得られることになる。統合対象外リンクエリアリストには、統合対象外リンクエリアを、対象リンクエリアとの距離が小さい順に記録する。距離が同じである場合は、リンクIDの若い順に記録する。
【0075】
続いて、商品管理サーバ10は、統合対象外リンクエリアリスト内のリンクエリアのうち、上位に記録されているリンクエリアから順に、統合対象リンクエリアの全てを内包する最小の長方形から除外し、面積が最大となる長方形を得る処理を行う。まず、リンクエリアL2を除外する処理を行う。すると、図14(c)に太枠で示した長方形が得られる。次に、リンクエリアL4を除外する処理を行うが、図14(c)に示すように、リンクエリアL4は既に除外されているため、実質的に変更は行われない。
【0076】
続いて、商品管理サーバ10は、リンクエリアL7を除外する処理を行う。すると、図14(d)に太枠で示した長方形が得られる。さらに、商品管理サーバ10は、リンクエリアL9を除外する処理を行う。すると、図14(e)に太枠で示した長方形が得られる。この結果、全ての統合対象外リンクエリアが除外されたので、図14(e)において太枠で囲まれた部分が統合リンクエリアとなる。
【0077】
(2.5.リンク先URLの統合処理)
リンク統合処理においては、リンクエリアの統合に伴い、リンク先URLの統合も行われる。具体的には、各リンク先URLに記録されたリンク先の詳細情報を連結することにより行う。ここでは、図16(a)に示すように、リンクファイルに記録されている標準のリンク先URLがリンクID“31”は、“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=39-46-01”、リンクID“32”は、“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=34-22-01”である場合を例にとって説明する。URL中、“zzz.yyy.xxx”はサーバ名を特定する文字列であり、その後に、商品情報の表示を行う命令である“link.php?”が記述され、その後に商品を特定する“pid=・・・”が記述されている。
【0078】
図16(b)は、リンクID“31”とリンクID“32”のリンクが統合された場合のリンクID“33”のリンク先URLを示す図である。統合されたリンク先では、URL中のサーバ名を特定する“zzz.yyy.xxx”の後に、商品情報のリスト表示を行う命令である“list.php?”が記述され、その後にリンクID“31”、“32”のリンク先URLに記述されていた“pid=39-46-01” “pid=34-22-01”を“&”で結んで記述する。図16の例は、2つのリンク先URLを統合するものであるが、それ以上の数のリンク先URLを統合する場合であっても、“&”および“pid=・・・”の数が増えるだけであり、基本的には同じように統合が行われる。
【0079】
上記リンク統合処理では、リンクエリアの統合処理後に連続してリンク先URLの統合処理を行う。すなわち、閲覧端末20は、図16(a)に示したような複数の標準のリンク先URLを基に、図16(b)に示したようなリンク先URLを作成する。統合されたリンク先URLは、図4のS8において、リンクIDタグと対応付けて統合リンクファイルに追記される。
【0080】
(2.6.リンクエリアをクリックした場合の処理)
上述のようにして、閲覧端末20は、画像ビューアの機能により表示倍率に応じたリンクの貼付処理(S14)、HTML表示(S15)を行う。常に表示倍率に応じたリンクエリアの表示処理が閲覧端末20により行われることにより、利用者に対して、常に見易く、クリックし易いリンクエリアが提示されることになる。次に、このようなリンクエリアを利用者がクリックした場合について説明する。
【0081】
リンクエリアがクリックされた場合における処理は、そのリンクエリアに対応付けられているリンク先URLが、図16(a)に示したような標準のリンク先URLであるか、図16(b)に示したような統合されたリンク先URLであるかにより異なる。図16(a)に示したような標準のリンク先URLである場合、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“link.php?pid=39-46-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“link.php”というプログラムを実行し、“pid=39-46-01”で特定された商品を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成し、閲覧端末20に返信する。閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、1つの商品が掲載された画面を表示装置に表示する。なお、このように、リンクエリアをクリックした後、所定のサーバにアクセスし、サーバが“link.php”のような商品情報の表示を行うプログラムを実行して、指定された商品の情報を含むHTMLデータを返信し、閲覧端末20のブラウザにより画面に表示する技術は公知のものである。
【0082】
クリックされたリンクエリアに対応付けられているリンク先が、図16(b)に示したような統合されたリンク先URLである場合、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“list.php?pid=39-46-01&pid=34-22-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“list.php”という商品の一覧表示を行うプログラムを実行し、“pid=39-46-01”“pid=34-22-01”で特定された商品の商品名を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成する。この際、各商品名にはリンクを設定し、それぞれ“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=39-46-01”、“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=34-22-01”という標準のリンク先URLを対応付ける。そして、商品管理サーバ10は、作成したHTMLの画面データを閲覧端末20に返信する。閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、複数の商品の商品名が一覧表示された画面を表示装置に表示する。
【0083】
そして、この画面上で利用者により商品名に対応したリンクがクリックされると、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“link.php?pid=39-46-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“link.php”というプログラムを実行し、“pid=39-46-01”で特定された商品を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成し、閲覧端末20に返信する。閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、1つの商品が掲載された画面を表示装置に表示する。
【0084】
ここで、本発明により統合されたリンクエリアを利用して、商品購入サイトにアクセスして商品購入を行う場合における閲覧端末20の画面の状態を図17に示す。図17においては4つの画面が示されているが、左側の2つの画面は、リンク付画像(チラシ画像)であり、右側の2つの画面は、購入画面である。いずれも上側はリンク付画像の相対的な縮小時(例えば表示倍率50%)を示しており、下側はリンク付画像の相対的な拡大時(例えば表示倍率100%)を示している。
【0085】
図17の拡大時には、リンクエリアが統合されていないため、図16(a)に示したような標準のリンク先URLが対応付けられている。したがって、このリンクエリアがクリックされると、上述のように、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“link.php?pid=39-46-01”の情報を処理要求とともに送信する。そして、商品管理サーバ10では、“link.php”というプログラムを実行し、“pid=39-46-01”で特定された商品を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成し、閲覧端末20に返信する。そして、閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、1つの商品が掲載された画面を表示装置に表示する。この結果、図17の右下に示したような商品詳細画面が表示されることになる。利用者は、この商品詳細画面において、数量を指定し、購入ボタンをクリックすることにより、商品を購入することができる。
【0086】
図17の縮小時には、リンクエリアが統合されているため、図16(b)に示したような統合されたリンク先URLが対応付けられている。したがって、このリンクエリアがクリックされると、上述のように、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“list.php?pid=39-46-01&pid=34-22-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“list.php”という商品の一覧表示を行うプログラムを実行し、“pid=39-46-01”“pid=34-22-01”で特定された商品の商品名を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成する。この際、各商品名にはリンクを設定し、それぞれ“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=39-46-01”、“http://zzz.yyy.xxx/link.php?pid=34-22-01”という標準のリンク先URLを対応付ける。さらに“pid=39-46-01”“pid=34-22-01”に対応する単位、価格を商品管理サーバ10から抽出し、数量入力欄と購入ボタンを画面データに配置する。そして、商品管理サーバ10は、作成したHTMLの画面データを閲覧端末20に返信する。そして、閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、複数の商品が掲載された画面を表示装置に表示する。この結果、図17の右上に示したような特売一覧画面が表示されることになる。利用者は、この特売一覧画面において商品を購入することもできる。利用者が、この特売一覧画面において、商品名に設定されたリンクをクリックすると、閲覧端末20は、“zzz.yyy.xxx”で特定される商品管理サーバ10にアクセスし、“link.php?pid=39-46-01”の情報を処理要求とともに送信する。すると、商品管理サーバ10では、“link.php”というプログラムを実行し、“pid=39-46-01”で特定された商品を商品情報記憶部から抽出してHTMLの画面データを作成し、閲覧端末20に返信する。そして、閲覧端末20では、ブラウザの機能により受信したHTMLの画面データを解釈し、1つの商品が掲載された画面を表示装置に表示する。この結果、図17の右下に示したような商品詳細画面が表示されることになる。利用者は、この商品詳細画面において、数量を指定し、購入ボタンをクリックすることにより、商品を購入することができる。
【0087】
以上、説明したように、本発明によれば、統合していないリンクを選択することによりチラシ画面から購入商品を選択する仕方と、統合リンクを入り口として商品リストから購入商品を選択する仕方とを、表示倍率を変更することにより切り替えられるという従来技術にない効果を奏する。これにより、パーソナルコンピュータ等の限定された画面サイズにおいて、異なる販売店チラシを比較しながら購入商品を選択することが容易にできるという顕著な効果を奏する。
【0088】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態では、リンクエリアを統合するか否かの基準をリンクエリアの中心同士の距離としたが、リンクエリア同士の距離を、必ずしもリンクエリアの中心で定める必要はなく、リンクエリア内における中心以外の所定の位置としても良い。例えば、リンクエリアの外延となる枠同士の最短距離をリンクエリア間の距離としても良い。しかし、様々なリンクエリアの大きさ、配置で実験した結果、リンクエリアの中心同士の距離を採用した場合が最も好ましい結果が得られた。
【0089】
また、上記実施形態では、リンクエリアに対応付けられるリンク先として商品情報の所在を特定するURLを用いたが、商品情報以外の様々な情報を設定することも可能であるし、また、コンピュータにより情報の所在が特定可能なものであれば、例えばIPアドレス等、URL以外のリンク先を設定しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0090】
本発明は、コンピュータにおける画像ビューアを用いた画像表示に関する産業、特に、リンク付画像を表示倍率を変更させて表示する必要性のある産業に利用可能である。
【符号の説明】
【0091】
10・・・商品管理サーバ
20・・・閲覧端末
30・・・通信ネットワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
リンクエリアを特定する情報とリンク先の組み合わせであるリンク情報を取得するとともに、統合する倍率を取得し、前記リンクエリア間の距離に前記取得した統合する倍率を乗じて得られる値が所定の値以下である場合に、前記リンクエリア同士を統合して新たなリンクエリアを生成するリンクエリア統合手段と、前記統合前の複数のリンクエリアに対応付けられていたリンク先を1つのリンク先として統合し、統合後のリンク先を、前記統合後のリンクエリアに対応付けるリンク先統合手段と、を有することを特徴とするリンク統合処理装置。
【請求項2】
前記リンクエリア統合手段は、前記リンクエリアの範囲に基づいて各リンクエリアの中央座標を算出し、各リンクエリアの中央座標間の距離を前記リンクエリア間の距離として算出することを特徴とする請求項1に記載のリンク統合処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のリンク統合処理装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項4】
リンク付画像を閲覧するための閲覧端末と、リンク付画像、商品情報を記憶した商品管理サーバがネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記閲覧端末は、前記商品管理サーバから前記リンク付画像とともに当該リンク画像上のリンクエリアを特定する統合リンクファイルを取得し、指定された表示倍率で前記統合リンクファイルを参照してリンクエリアを特定するエリア座標およびリンク先を取得し、取得したエリア座標で特定される前記リンク付画像上の位置にリンクエリアを示すシンボルを配置して表示するリンク付画像表示手段を有し、
前記商品管理サーバは、各商品の情報を記憶した商品情報記憶手段と、前記表示端末から受信した商品情報要求が、複数の商品を特定するものである場合に、前記特定された複数の商品についての商品情報を配置した画面データを作成する商品一覧画面作成手段を有することを特徴とするリンク付画像閲覧システム。
【請求項5】
前記商品一覧画面作成手段は、購入する商品としての選択と購入数量の入力を受付けるグラフィカルユーザインターフェースを、前記画面データに組み込むものである請求項4に記載のリンク付画像閲覧システム。
【請求項1】
リンクエリアを特定する情報とリンク先の組み合わせであるリンク情報を取得するとともに、統合する倍率を取得し、前記リンクエリア間の距離に前記取得した統合する倍率を乗じて得られる値が所定の値以下である場合に、前記リンクエリア同士を統合して新たなリンクエリアを生成するリンクエリア統合手段と、前記統合前の複数のリンクエリアに対応付けられていたリンク先を1つのリンク先として統合し、統合後のリンク先を、前記統合後のリンクエリアに対応付けるリンク先統合手段と、を有することを特徴とするリンク統合処理装置。
【請求項2】
前記リンクエリア統合手段は、前記リンクエリアの範囲に基づいて各リンクエリアの中央座標を算出し、各リンクエリアの中央座標間の距離を前記リンクエリア間の距離として算出することを特徴とする請求項1に記載のリンク統合処理装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のリンク統合処理装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項4】
リンク付画像を閲覧するための閲覧端末と、リンク付画像、商品情報を記憶した商品管理サーバがネットワークを介して接続されたシステムであって、
前記閲覧端末は、前記商品管理サーバから前記リンク付画像とともに当該リンク画像上のリンクエリアを特定する統合リンクファイルを取得し、指定された表示倍率で前記統合リンクファイルを参照してリンクエリアを特定するエリア座標およびリンク先を取得し、取得したエリア座標で特定される前記リンク付画像上の位置にリンクエリアを示すシンボルを配置して表示するリンク付画像表示手段を有し、
前記商品管理サーバは、各商品の情報を記憶した商品情報記憶手段と、前記表示端末から受信した商品情報要求が、複数の商品を特定するものである場合に、前記特定された複数の商品についての商品情報を配置した画面データを作成する商品一覧画面作成手段を有することを特徴とするリンク付画像閲覧システム。
【請求項5】
前記商品一覧画面作成手段は、購入する商品としての選択と購入数量の入力を受付けるグラフィカルユーザインターフェースを、前記画面データに組み込むものである請求項4に記載のリンク付画像閲覧システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2012−3388(P2012−3388A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−136073(P2010−136073)
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年6月15日(2010.6.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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