説明

リング間継手、シールドセグメント、シールド工法、およびシールドトンネル

【課題】 シールドマシンによるセグメントの連結性を向上させたリング間継手、シールドセグメント、シールド工法、およびシールドトンネルを提供する。
【解決手段】 シールドセグメントに用いられるスライドロック型のリング間継手であって、連結突起収容部72と締結部材64とを備える雌金具22と、拡張部48を備えた連結突起50を備える雄金具16とを備え、締結部材64は、セグメントの周方向に延び拡張部48の径よりも狭幅のスロット68と、スロット68の両側に形成され連結突起50の拡張部48を収容する複数の開口74、76とを備え、締結部材64の拡張部48と当接する面は、複数の開口74、76からスロット68に沿って締結部材64の厚さを厚くするテーパを備える、リング間継手を提供する。本発明は、当該リング間継手を備えるシールドセグメント、シールド工法、およびシールドトンネルにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のセグメントをトンネル軸に沿って連結するトンネルの施工に関し、より詳細には、シールドマシンによるセグメントの連結性を向上させたリング間継手、シールドセグメント、シールド工法、およびシールドトンネルに関する。
【背景技術】
【0002】
シールド工法は、シールドマシンにより掘削された後部に順次コンクリート製のセグメントを連結してゆくことによりトンネル軸に沿ってトンネルを施工する方法であり、安全性、施工性などの点から近年多く用いられる工法である。また、近年では、シールドセグメントの連結は、ロボットアームなどを備えたエレクターなどの装置を使用して自動的に行なわれており、ボルトの締結、増し締めなどの作業手順の多いセグメントから、ボルト締結などの作業を要せずに堅固に連結できる施工性の良いワンパスセグメントが提案されている。
【0003】
例えば、特開2001−24696号公報(特許文献1)では、雌金具と雄金具とを使用するセグメント継手が開示されており、特許文献1では、セグメントの一方に配設された雌金具に対して、連結すべき他のセグメントに可動に配設され、かつ締結位置へと移動されるにつれて締結力を増加させる雄金具を連結する、スライドロック型のセグメント継手が開示されている。特許文献1に記載のセグメントに使用されるスライドロック型の継手は、雄金具のボルトを収容し、一方向からのみの押圧力により締結が完了する。一方、リング間継手には、従来では、挿入型継手が使用されることが多く、従来のシールドセグメントの連結は、エレクターによる位置決めの後、シールドジャッキの押圧力を受けて、リング方向およびセグメント方向の締結が行われていた。
【0004】
上述したように、従来のセグメントは、エレクターによる位置決め工程の後に、シールドジャッキを使用してリング間継手を嵌合させる工程を使用することで、トンネル軸に沿ってセグメントから構成されるリングを連結させて行く。このとき、従来のワンパスセグメントは、増し締めなどの煩雑な作業を排除して、ワンパスでの施工を可能とするものの、シールドマシン内ではエレクターおよびシールドジャッキによってセグメントの連結が行われ、異なる施工マシンを2段階使用した後でなければ、セグメントのトンネル軸方向の延長ができないという、施工上の問題点があった。
【特許文献1】特開2001−24696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、セグメント間の連結と、リング間の連結を1工程で可能とすることにより施工性を改善したリング間継手、シールドセグメント、シールド工法、およびシールドトンネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、本発明によれば、
シールドセグメントに用いられるスライドロック型のリング間継手であって、
連結突起収容部と締結部材とを備える雌金具と、
拡張部を備えた連結突起を備える雄金具とを備え、
前記締結部材は、セグメントの周方向に延び前記拡張部の径よりも狭幅のスロットと前記スロットの両側に形成され前記連結突起の前記拡張部を収容する複数の開口とを備え、前記締結部材の前記拡張部と当接する面は、前記開口から前記スロットに沿って前記締結部材の厚さを厚くするテーパを備える、リング間継手が提供できる。
【0007】
本発明の請求項2の発明によれば、前記拡張部は、前記テーパに適合する角度のテーパを有するノッチを備えるリング間継手を提供することができる。
【0008】
本発明の請求項3の発明によれば、前記拡張部と当接する面は、前記拡張部を収容する凹部を備えるリング間継手を提供することができる。
【0009】
本発明の請求項4の発明によれば、上記いずれかに記載のリング間継手と、セグメント間をトンネル軸を中心とした周方向に連結するための挿入型継手とを備えるセシールドセグメントが提供される。
【0010】
本発明の請求項5の発明によれば、上記いずれかに記載のリング間継手とセグメント間を連結するための挿入型継手とを備えたシールドセグメントを用いるシールド工法であって、
トンネル軸方向に隣接するセグメントに隣接して請求項1〜3のいずれか1項に記載のシールドセグメントのリング間継手を前記トンネル軸方向に隣接するセグメントのリング間継手に隣接して位置決めする工程と、
トンネル周方向に隣接するセグメントと前記シールドセグメントとの間の距離を短縮する方向に押圧力を加える工程と
を含む、シールド工法が提供できる。
【0011】
本発明の請求項6の発明によれば、前記シールドセグメントを配置する工程は、前記シールドセグメントの複数のスライドロック型継手がトンネル軸方向に隣接し、かつ互いに周方向に隣接する複数のセグメントのスライドロック型継手と係合するように位置決めする工程を含むシールド工法が提供できる。
【0012】
本発明の請求項7の発明によれば、前記押圧力を加える工程は、前記締結部材のテーパ面に前記拡張部に形成されたテーパ面を当接させるか、または前記締結部材に形成された凹部に拡張部を嵌合させる工程を含むシールド工法が提供できる。
【0013】
本発明の請求項8の発明によれば、上記記載のシールドセグメントをトンネル周方向およびトンネル軸方向に複数連結して構築されたシールドトンネルが提供できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エレクターによる位置決め工程という1工程だけでシールドセグメントおよびリングの締結を可能とするので、セグメント締結の工程を簡略化することを可能とし、カッターチェンバー直後の安全性を向上できると共に、エレクターの作業性を改善して施工効率向上に伴う工期短縮を可能とするリング間継手、シールドセグメント、シールド工法、およびシールドトンネルを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を図面に示した実施の形態をもって説明するが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されるものではない。
【0016】
図1は、本発明のリング間継手を備えるシールドセグメントを用いたシールドトンネル10を示した斜視図である。本発明のシールドトンネル10は、プレキャストコンクリートなどとして予め形成されたセグメント12が、トンネル周方向に連結されてリング14が構築され、構築されたリング14がトンネル軸Ta方向に連結されてトンネルが延長されてゆく。セグメント12には、スライドロック型継手の雄金具16および挿入型継手の雄金具18が埋設されていて、セグメント間の締結を可能としている。本発明の図1に示した実施の形態では、雄金具16は、スライドロック型の金具とされており、雄金具18は、挿入型継手とされている。リング14を締結する隣接セグメント20には、雄金具16および雄金具18にそれぞれ対応するスライドロック型継手の雌金具22および挿入型継手の雌金具24が配設されている。
【0017】
スライドロック型継手の雌金具22は、本発明では、対応する雄金具16の拡張部を有する連結突起を左右両方向から収容し、対応する雄金具16の拡張部が内側に挿入されるにつれて、締結力を増加させる構造とされている。また、挿入型継手の雌金具24は、対応する雄金具18を収容して、対応する雄金具が備える棒部材に形成されたノッチと、雌金具24に配置され、棒部材のノッチに係合するロック部材とにより締結力を生じさせる。なお、図1では、各金具の配置を説明する目的から、セグメント12には、雄金具16、雄金具18が配置され、セグメント20には、雌金具22、24を配置した実施の形態を示すものの、本発明では、互いに嵌合する位置に対となる金具が配置され、かつ雌スライドロック型継手と挿入型継手とがセグメントの同一の端面に配置されない限り、セグメントに対していかなるようにでも配置することができる。
【0018】
図2は、本発明に使用される挿入型継手26の実施の形態を示す。本発明に挿入型継手26は、雌金具24と雄金具18とから構成されている。雌金具24は、概ね、ホルダ金具28と、ホルダ金具28に形成された収容空間に配置されるバックアップ金具30と、バックアップ金具30と収容空間の内側壁とにより保持されたロック部材32とを備えている。収容空間に連続する開口部34は、後述する雄継手18の棒部材を収容する場合に位置決めを容易にさせるように、外側に向かって徐々に拡径した形状とされている。また、ホルダ金具28の開口部34に対向する側には、アンカー筋36が溶接またはボルト止めなどにより連結されていて、セグメント20にホルダ金具28を固定している。
【0019】
図2に示した挿入型継手26の雄金具18は、概ね棒部材38と、棒部材38を保持するベース部材40と、ベース部材40と棒部材38との間に配置され、棒部材38を可動に保持するストッパ部材42とを備えている。棒部材38には、複数の周方向に延びたノッチ44が形成されていて、セグメント20とセグメント12とが隣接する位置で、雌金具24に配設されたロック部材32の係合爪と係合し、雌金具18と雄金具との間の締結力を生じさせている。また、ベース部材40には、アンカー筋36が配設されていて、セグメント12に雄金具18を固定している。図2に示した挿入型継手26は、種々の材料、例えばステンレススチール、軟鉄、鋳鉄、または高速度鋼などの材料を使用して製造することができる。また、拡金具のセグメントへとへの埋設についてもこれまで知られたいかなる方法を使用して行うことができる。
【0020】
図3は、本発明に使用するスライドロック型継手が連結された状態を、図1のトンネル軸Ta方向に沿った断面として示した図である。図3に示されるスライドロック型継手46は、雄金具16と、雌金具22とが嵌合して締結力を生成させている。雄金具16は、拡張部48を備えた連結突起50と、連結突起50を紙面上下・左右方向に可動に保持する基部52とを備えている。連結突起50は、基部52に形成された連結突起よりも大径の開口54に挿通され、連結突起50の拡張部48に対向する側には、ネジが設けられ、保持金具56により連結突起50が可動に保持されている。基部52と保持金具56との間には、弾性部材58が配置され、さらに開口54に沿って周状突起60が形成されている。弾性部材58は、保持金具56による連結突起50の保持に柔軟性を与えている。なお、拡張部48および連結突起50は、一体として形成されたボルトを使用することができるが、本発明の目的のために特別に製造した部材とすることもできる。
【0021】
また、周状突起60は、締結時には開口54の周囲に局在化した応力を生成させ、弾性部材58の存在に拘わらず、締結完了時には、堅固に雌金具22との間で締結力を生成させている。また基部52には、アンカー筋36が連結されており、セグメントに対して雄金具16を固定している。なお、本発明では、スライドロック型継手の雄金具16は、必ずしも図3に示した構成を有することは必要とされず、少なくとも連結突起50と拡張部48とを備えた雄金具であればこれまで知られたいかなる構成のスライドロック型継手の雄金具でも使用することができ、また拡張部の形状もこれまで知られたいかなる形状とすることができる。
【0022】
図3に示した雌金具22は、概ね、締結部材64を備え、締結部材64は、紙面に対して垂直方向に延びたスロット68を備えている。スロット68は、雄金具16の連結突起50を収容して、締結部材64の裏面70を連結突起50の拡張部48と係合させ締結力を発生している。雌金具22は、締結部材64に連結された連結突起収容部72を備えており、連結突起収容部72は、雌金具22をセグメントに固定するためのアンカー筋36およびアンカー筋36を連結すると共にセグメントの製造時に拡張部48を収容する収容空間62を確保している。締結部材64と、連結突起収容部72とは、それぞれの部材を互いに溶接して形成することができるし、鋳造などにより一体として製造することもできる。また、締結部材64および連結突起収容部72の形状は、本発明の作用および効果を奏する限り、図3に示した実施例に限定されるものではないし、セグメントへとへの埋設についてもこれまで知られたいかなる方法を使用することができる。
【0023】
図4は、本発明に使用する雌金具の締結部材64の正面図である。図4に示すように、締結部材64は、中央部に形成されたスロット68と、スロットの両端に連続し、かつ連結突起50の拡張部48を雌金具22の基部(図示せず)に向かって通過させる開口部74、76を備えている。本発明では、開口部74、76をスリットの両端に形成することにより、雌金具に対して両方向から連結突起収容部72へと拡張部48を挿入することができ、一方向だけからの締結力しか許容しなかった従来のスライドロック型の継手に対し、締結力発生方向を最大限に広げることができる。このため、本発明のリング間継手は、締結力が加えられる方向を問わずに締結を可能とし、エレクターの作業方向を拡大し、エレクターによる連結効率を向上させる。
【0024】
図5は、本発明で用いる締結部材64を図4の切断線A−Aに沿って断面とし、連結突起50の拡張部48を係合させる工程の一部を示した図である。図5に示すように、本発明で用いる締結部材64は、雌金具22の中央方向に沿って厚くなる方向のテーパが設けられており、締結部材64の中央部付近で最も厚くされている。締結部材64の略中央部には、両側から延びたテーパ面が連続して突条66を形成している。本発明のスライドロック型継手の締結工では、雄金具の連結突起50が開口部76に挿入された後、矢線の方向へとエレクター(図示せず)により移動されることで、拡張部48が締結部材64の裏面70に係合して締結力を発生させる。
【0025】
図6は、本発明のシールドセグメントが備える継手の他の形態を示した図である。図6に示した実施の形態では、連結突起50の拡張部48には、締結部材64に形成されたテーパ面に適合するテーパ面を備えるノッチ78が形成されていて、図5に示した実施の形態に比較して締結部材64のテーパ面との当接面を拡大させている。図6に示した実施の形態では、締結工は、連結突起50の拡張部48を、拡張部48が矢線Bの方向に沿って挿入する。拡張部48のノッチ78は、締結部材64の適切な位置において、締結部材64のテーパ面と当接して締結力を発生させる。図6に示した実施の形態では、当接面が拡大するため、例えば、施工後地震などにより変位が加えられた場合にでも、紙面横方向に作用するずれ応力に対して、より堅固にセグメント間を締結することができる。
【0026】
図7は、本発明のシールドセグメントが備える継手のさらに他の形態を示した図である。図7に示した実施の形態では、締結部材64の中央部に形成された突条66の両側に連結突起50の拡張部48を収容することができる程度の凹部80が形成されている。図7に示した実施の形態では、スライドロック型継手の締結工は、連結突起50が矢線Bに沿って挿入されるに従い、締結部材64の中央部へと進み、連結突起50の拡張部48が凹部80に到達する。凹部80は、拡張部48を収容して面接触を与えて安定な締結力を発生させる。図7で示した実施の形態では、図6で説明した実施の形態と同様に、拡張部48は、凹部80により確実に位置決めされ、地震などによる紙面横方向へのずれ応力に対してより堅固にセグメント間の連結を可能としている。
【0027】
図8は、本発明のシールド工法の実施の形態を示した図である。図8(a)は、トンネル軸Ta方向に見た場合の配置であり、図8(b)がトンネル軸Taを横断する方向から見た場合の配置を示す。図8(a)に示すように、リングを形成する互いに隣接するセグメント12とセグメント20とは、挿入型継手26により連結され、エレクターによるトンネル軸方向を中心とした押圧力だけで連結できる。本発明の締結工程は、図8(b)に示すように、まず、セグメント12の雄金具の連結突起50を、セグメント82およびセグメント84の雌金具22の開口部76に位置決めする。
【0028】
この位置では、挿入型継手26の雄金具の連結突起50は、自由に雌金具の開口部76に挿入できこのため、矢線Cの方向には、押圧力はほとんど必要とされないで、挿入型継手26が挿入できる位置まで、図示しないエレクターにより位置決めすることができる。その後、矢線Dに沿ってエレクターにより押圧力が加えられ、挿入型継手26の連結と、スライドロック型継手の連結とが同時に行われる。このため、エレクターによるセグメント間の位置決めの後、シールドジャッキを起動してリング間を接合するという2工程によりシールドを構成する必要がなく、エレクターにより充分な強度のシールドを構築できることになり、シールドマシンのカッターチェンバー後方の作業性を著しく向上させることができる。さらに、リング間継手としてスライドロック型継手を使用するので、トンネル軸方向に対する締結強度をさらに向上できる。さらに、スライドロック型継手を使用したにもかかわらず、締結力を加える方向が制限を受けず、左右両方向からのスライドロック型継手の接合を行うことができ、エレクターの作業性を向上することができる。
【0029】
図9は、本発明のシールド工法を使用して構築されるシールドトンネルの実施の形態を示す。図9(a)は、シールドマシン86の正面図であり、図9(b)は、シールドマシン86の断面図である。図9(a)および図9(b)に示すように、シールドマシン86のカッターフェイス88には、複数のカッタービット90が配置されている。カッターフェイス88は、図示しない中心軸を中心として回転し、岩盤を掘削して、トンネルを延長している。図9(b)を参照して、シールドマシン86の内部を説明すると、カッターフェイス88の後方には、カッターチェンバー92と、作業空間96とが形成されている。
【0030】
作業空間96のさらに工法の適切な位置には、オペレータルームが設けられており、シールドマシン86の運転を管理している。カッターチェンバー92は、カッターフェイス88を回動させるための駆動装置などが配置されている。また、図9に示した実施の形態ではカッターチェンバー92内に掘削土を排出するスクリューコンベア94が配置されていて、後方に掘削土を搬送している。なお、本発明では、泥水を供給・排出するための泥水管および送泥管を備えた泥水シールドマシンを使用する泥水シールド工法を使用することもできる。この場合、図示しない送泥管および排泥管を用いて、掘削土が排出される。
【0031】
カッターチェンバー92の後方に形成される作業空間96には、エレクター98が配置されていて、エレクター98は、セグメント100を、ロボットアーム102を使用して運搬し、適切な位置に位置決めしている。エレクター98は、移動装置104を備えており、セグメント100を、すでにトンネルの一部を形成したセグメント106について位置決めした後、締結方向に移動させ、セグメント100の締結を完了させる。
【0032】
本発明では、エレクター98だけの操作でセグメント間およびリング間の連結が完了するのでセグメント連結効率を著しく改善することを可能とし、同時にエレクター98付近および直後でのシールド強度を締結工程直後に向上することができ、この結果、施工効率を向上させることができる。また、エレクターの作業性を改善することで、施工効率を改善することができる。
【0033】
これまで本発明を図面に示した実施の形態を用いて説明してきたが、本発明は、図面に示した実施の形態に限定されることなく、本発明に使用する継手の材料、寸法、配置および細部の形状および寸法などについては、本発明の効果を奏する範囲内で、本発明の範囲に含まれる。また、本発明のリング間継手を備えたシールドセグメントと、従来のリング間継手とを備えるシールドセグメントとを適宜、トンネル軸方向におけるトンネルの強度、施工時の地盤強度などに応じて使用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、上述したように、シールドトンネルの施工性を著しく改善し、シールドトンネルの施工期間、施工コスト、および作業空間の安全性を高めることにより、シールドトンネルの利用性をより高めることができる優れた発明である。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】本発明のリング間継手を備えるシールドセグメントを用いたシールドトンネルを示した斜視図。
【図2】本発明に使用される挿入型継手である挿入型継手の実施の形態を示した図。
【図3】本発明に使用するスライドロック型継手が連結された状態を、図1のトンネル軸Ta方向に沿った断面として示した図
【図4】本発明に使用する雌金具の締結部材の正面図。
【図5】本発明で用いる締結部材を図4の切断線A−Aに沿って断面とし、連結突起の拡張部が係合する状態を示した図。
【図6】本発明で用いる締結部材を図4の切断線A−Aに沿って断面とし、連結突起の拡張部が係合する状態を示した図。
【図7】本発明で用いる締結部材を図4の切断線A−Aに沿って断面とし、連結突起の拡張部が係合する状態を示した図。
【図8】本発明のシールド工法の実施の形態を示した図。
【図9】本発明のシールド工法を使用して構築されるシールドトンネルの実施の形態を示した図。
【符号の説明】
【0036】
10…シールドトンネル
12…セグメント
14…リング
16…雄金具(スライドロック型継手)
18…雄金具(挿入型継手)
20…セグメント
22…雌金具(スライドロック型継手)
24…雌金具(挿入型継手)
26…挿入型継手
28…ホルダ金具
30…バックアップ金具
32…ロック部材
34…開口部
36…アンカー筋
38…棒部材
40…ベース部材
42…ストッパ部材42
44…ノッチ
46…スライドロック型継手
48…拡張部
50…連結突起
52…基部
54…開口
56…保持金具
58…弾性部材
60…周状突起
62…収容空間
64…締結部材
66…突条
68…スロット
70…裏面
72…連結突起収容部
74…開口部
76…開口部
78…ノッチ
80…凹部
82…セグメント
84…セグメント
86…シールドマシン
88…カッターフェイス
90…カッタービット
92…カッターチェンバー
94…スクリューコンベア
96…作業空間
98…エレクター
100…セグメント
102…ロボットアーム
104…移動装置
106…セグメント
108…シールドジャッキ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドセグメントに用いられるスライドロック型のリング間継手であって、
連結突起収容部と締結部材とを備える雌金具と、
拡張部を備えた連結突起を備える雄金具とを備え、
前記締結部材は、セグメントの周方向に延び前記拡張部の径よりも狭幅のスロットと前記スロットの両側に形成され前記連結突起の前記拡張部を収容する複数の開口とを備え、前記締結部材の前記拡張部と当接する面は、前記複数の開口から前記スロットに沿って前記締結部材の厚さを厚くするテーパを備える、リング間継手。
【請求項2】
前記拡張部は、前記テーパに適合する角度のテーパを有するノッチを備える請求項1に記載のリング間継手。
【請求項3】
前記拡張部と当接する面は、前記拡張部を収容する凹部を備える、請求項1に記載のリング間継手。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のリング間継手と、セグメント間をトンネル軸を中心とした周方向に連結するための挿入型継手とを備えるシールドセグメント。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか1項に記載のリング間継手とセグメント間を連結するための挿入型継手とを備えたシールドセグメントを用いるシールド工法であって、
トンネル軸方向に隣接するセグメントに隣接して請求項1〜3のいずれか1項に記載のシールドセグメントのリング間継手を前記トンネル軸方向に隣接するセグメントのリング間継手に隣接して位置決めする工程と、
トンネル周方向に隣接するセグメントと前記シールドセグメントとの間の距離を短縮する方向に押圧力を加える工程と
を含む、シールド工法。
【請求項6】
前記位置決めする工程は、前記シールドセグメントの複数のスライドロック型継手がトンネル軸方向に隣接し、かつ互いに周方向に隣接する複数のセグメントのスライドロック型継手と係合するように位置決めする工程を含む、請求項5に記載のシールド工法。
【請求項7】
前記押圧力を加える工程は、前記締結部材のテーパ面に前記拡張部に形成されたテーパ面を当接させるか、または前記締結部材に形成された凹部に拡張部を嵌合させる工程を含む、請求項5または6に記載のシールド工法。
【請求項8】
請求項4に記載のシールドセグメントをトンネル周方向およびトンネル軸方向に複数連結して構築されたシールドトンネル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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