説明

リード線接続用スイッチ

【課題】組み立て作業の簡易化を図れるリード線接続用スイッチを提供すること。
【解決手段】本発明のリード線接続用スイッチ1は、ベース2と、ベース2に設けられた固定接点片3と、レバー4に連動し固定接点片3の固定接点部31、32上を摺動する可動接点片5と、固定接点片3と一体的に成形され、リード線6を圧入可能とされる圧接溝34を設けた圧接端子33と、を備え、リード線6は圧接溝34に圧入されると圧接端子33に導通される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンタなどのカバーの開閉を検出するために使用されるリード線接続用スイッチに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のプリンタにおいては、カバーの開閉検出用のスイッチは、通常、カバー近傍に配置されており、本体内のメイン基板と該スイッチとの間の接続は、リード線で接続されているのが一般的である。このようなスイッチの一例としては、例えば、特許文献1の図3に記載のスイッチがあり、スイッチ5とメイン基板10とがケーブル6を介して接続されている。ここでは、スイッチ5によりプリンタカバー1の開閉の検出を行っている状態が図示されているものの、スイッチ5とケーブル6との接続の態様が図示されていないが、ケーブルはスイッチ内部で半田付けされているのが一般的である。
【0003】
しかしながら、このスイッチ5はプリンタカバー1の近傍に配置されているのでスイッチのON/OFFを直接行える点では優れているものの、スイッチ5とメイン基板との間が離れているため、ケーブル6及びコネクタ7で接続する必要がある等部品点数や組み立て工数の増加、組み立て作業が煩雑になる、コスト的にも高価になるなどの欠点があった。
【0004】
そこで、この欠点を改善するものとして、特許文献1に記載のカバーオープンスイッチのようなものが提案された。このカバーオープンスイッチは、キャビネット上板2の一部を成形して可撓性を有するレバー状部12とし、プリンタカバー1の裏側に設けられた突起11で該レバー状部12を背後から押圧することにより、プリンタカバー1の開閉を検出するように改良したものである。このような構造にしたことにより、確かに、従来必要としていたケーブルやコネクタなどが不要となり、部品点数の削減、組み立て工数の削減、組み立て作業が煩雑になる、ひいてはコストカットにも繋がる。
【0005】
しかしながら、この改良されたカバーオープンスイッチは、プリンタ自体に新たにレバー状部12を設ける必要があることから、プリンタ自体の改良に繋がるという新たな問題を生ずるものであった。また、このカバーオープンスイッチにおいては、プリンタカバーにより直接スイッチを押圧するわけではなく、レバー状部12を介してスイッチを押圧することから、信頼性に関しても多少問題があり、さらに、業界的にはスイッチをプリンタカバー近傍に設けたいとする要請もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−262011号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的とするところは、プリンタカバー近傍に設置しつつも、組み立て作業の簡易化を実現可能なリード線接続用スイッチを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、被検出物が押圧子に作用することによりスイッチ動作を行うリード線接続用スイッチであって、ベースと、前記ベースに設けられた固定接点片と、前記押圧子に連動し前記固定接点片上を摺動する可動接点片と、前記固定接点片と一体的に成形され、リード線を圧入可能とされる圧接溝を設けた圧接端子と、を備え、前記リード線は圧接溝に圧入されると圧接端子に導通されることを特徴とする。
【0009】
前記リード線は被覆電線であり、前記圧接溝に圧入されると被覆が前記圧接溝により切り込まれ前記圧接端子と導通されるようにしてもよい。
【0010】
前記押圧子は前記可動接点片を取り付け可能な凹部を有するレバー状部材であり、前記可動接点片はU字形接点ばね片であってもよい。
【0011】
前記押圧子は前記ベースに回動可能に支持されているとともに、回動し過ぎ防止のための回動規制手段が設けられているようにしてもよい。
【発明の効果】
【0012】
本発明のリード線接続用スイッチは、被検出物が押圧子に作用することによりスイッチ動作を行うリード線接続用スイッチであって、ベースと、前記ベースに設けられた固定接点片と、前記押圧子に連動し前記固定接点片上を摺動する可動接点片と、前記固定接点片と一体的に成形され、リード線を圧入可能とされる圧接溝を設けた圧接端子と、を備え、前記リード線は圧接溝に圧入されると圧接端子に導通されるようにした。これにより、従来のようにリード線と接続する際に半田付け作業が不要となり組み立て作業が容易になるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ベースを示す図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は下面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図、(g)は(f)のA−A線断面図である。
【図2】固定接点片の正面図である。
【図3】レバーを示す図であり、(a)は正面図、(b)は一部断面図である。
【図4】可動接点片の正面図である。
【図5】本発明を適用したレバースイッチを示す図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は下面図、(d)左側面図、(e)は右側面図である。
【図6】レバースイッチにリード線を接続する状態を説明するための説明図である。
【図7】レバースイッチの動作状態を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本実施形態においては、本発明であるリード線接続用スイッチをプリンタのプリンタカバーの開閉を検出するレバースイッチとして説明するがこれに限定されるものではない。
【0015】
図1はベースを示す図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は下面図、(d)は底面図、(e)は左側面図、(f)は右側面図、(g)は(f)のA−A線断面図であり、図2は固定接点片の正面図であり、図3はレバーを示す図であり、(a)は正面図、(b)は一部断面図であり、図4は可動接点片の正面図であり、図5は本発明を適用したレバースイッチを示す図であり、(a)は正面図、(b)は上面図、(c)は下面図、(d)左側面図、(e)は右側面図であり、図6はレバースイッチにリード線を接続する状態を説明するための説明図であり、図7はレバースイッチの動作状態を説明するための説明図である。
【0016】
レバースイッチ1は、ベース2、固定接点片3、レバー4及び可動接点片5からなる。
【0017】
図1に示すように、ベース2は、レバー4を装着するレバー装着部21と固定接点片3を装着する固定接点装着部22からなる。
【0018】
図2に示すように、固定接点片3は、可動接点部52A、52Bと摺動接触する固定接点部31、32と、リード線6を接続する圧接端子33からなる。
【0019】
図3に示すように、レバー4は、プリンタのプリンタカバーと当接してプリンタカバーの開閉動作に連動して操作される操作部41と、可動接点片5を装着する可動接点片装着部42からなる。さらに、可動接点片装着部42は、レバー4をレバー装着部21に回動可能に支持する支持部43と、可動接点片5を弾性的に収容する可動接点片装着凹部44と、可動接点片5の一端部51を係止する可動接点片係止部45と、レバー4が所定の位置以上に回転し過ぎないように回転を抑制する回動規制部46、47からなる。
【0020】
図4に示すように、可動接点片5は、全体がU字状の板バネ片であり、一端部51からU字部53で折り返され他端部52に至り、他端部52は、二股状に形成された可動接点部52A、52Bとなっている。
【0021】
図5に示すように、本発明のレバースイッチ1は、ベース2の固定接点装着部22に固定接点片3を装着し、レバー4の可動接点片装着凹部44に可動接点片5を弾性的に装着し、ベース2の凹部23にレバー4の支持部43を挿入してレバー4を回動可能に軸支する。この状態で圧接端子33の圧接溝34にリード線6を挿入すると、リード線6の被覆部62が切り込まれて、圧接端子33と電線61が当接し導通可能な状態になる。
【0022】
この接続状態を詳細に図示したのが図6である。図6に示すように、まず、ビニル、ポリエチレン、ゴムなどの絶縁体からなる被覆部62で被覆された状態のままのリード線6を圧接端子33上方から圧接溝34に挿入する。この圧接溝34の幅はリード線6より狭く設定されているので、リード線6は結果的に圧接溝34に圧入されることになる。圧入されたリード線6は圧接端子33により切り込まれ、電線61から被覆部62が剥がれ電線61が露出する。すると、電線61と圧接端子33が当接し導通可能な状態となる(STEP1〜STEP4)。本発明はこのように構成したことによりリード線6を接続するときに従来のように被覆部を剥がし半田付けをするという作業が不要になり、作業の効率化が図れる。
【0023】
次に、本発明の動作説明を図7を参照して説明する。
【0024】
図7に示す状態において、OFF状態では、レバー4は可動接点片5に付勢されるとともに、回動規制部46に回動を規制されて、レバー4の操作部41が右下方に傾斜した状態となっている。この状態から操作部41にプリンタカバーが作用し操作部41が右上方に持ち上げられる。すると、これに連動して可動接点部52A、52Bが固定接点部31、32上を摺動し、レバースイッチ1はON状態に移行する。
【符号の説明】
【0025】
1 レバースイッチ(リード線接続用スイッチ)
2 ベース
21 レバー装着部
22 固定接点装着部
23 凹部
3 固定接点片
31、32 固定接点部
33 圧接端子
34 圧接溝
4 レバー(押圧子)
41 操作部
42 可動接点片装着部
43 支持部
44 可動接点片装着凹部
45 可動接点片係止部
46、47 回動規制部
5 可動接点片
51 一端部
52 他端部
52A、52B 可動接点部
53 U字部
6 リード線
61 電線
62 被覆部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検出物が押圧子に作用することによりスイッチ動作を行うリード線接続用スイッチであって、
ベースと、
前記ベースに設けられた固定接点片と、
前記押圧子に連動し前記固定接点片上を摺動する可動接点片と、
前記固定接点片と一体的に成形され、リード線を圧入可能とされる圧接溝を設けた圧接端子と、を備え、
前記リード線は圧接溝に圧入されると圧接端子に導通されることを特徴とするリード線接続用スイッチ。
【請求項2】
前記リード線は被覆電線であり、前記圧接溝に圧入されると被覆が前記圧接溝により切り込まれ前記圧接端子と導通されることを特徴とする請求項1に記載のリード線接続用スイッチ。
【請求項3】
前記押圧子は前記可動接点片を取り付け可能な凹部を有するレバー状部材であり、前記可動接点片はU字形接点ばね片であることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のリード線接続用スイッチ。
【請求項4】
前記押圧子は前記ベースに回動可能に支持されているとともに、回動し過ぎ防止のための回動規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1項に記載のリード線接続用スイッチ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−16274(P2013−16274A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−146524(P2011−146524)
【出願日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【出願人】(000114145)ミック電子工業株式会社 (40)
【Fターム(参考)】