説明

レジストマスクおよびパターン形成体の製造方法

【課題】本発明は、真空紫外光を用いて高精細なパターニングが可能なパターン形成体の効率的な製造方法およびそれに用いられるレジストマスクを提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、基板と、上記基板上に形成され、真空紫外光を透過する透過部と、上記透過部上に形成され、上記透過部よりも真空紫外光の透過率が低いレジストパターンとを有し、上記透過部は、上記透過部の大きさが上記レジストパターンの大きさ以上となるように形成されていることを特徴とするレジストマスクを提供することにより、上記目的を達成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、真空紫外光を用いたパターン形成体の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、基板上に図案、画像、文字、回路等の種々のパターンを形成するパターン形成方法としては、様々な方法が提案されている。パターン形成方法の代表的なものとしては、例えば、平版印刷、特にオフセット印刷、またヒートモード記録材料を用いて作製した平版印刷原版を利用する平版印刷等の印刷法が挙げられる。このような印刷法は簡易的にパターン形成体を製造できるという利点を有することから広く用いられてきた。
【0003】
一方、近年では、印刷法に代わる方法としてフォトリソグラフィー法が主流となってきている。フォトリソグラフィー法とは、例えば、基板上に塗布したフォトレジストにパターン露光および現像を行い、さらにレジストパターンをマスクとしてエッチングを行ったり、フォトレジストに機能性を有する物質を用いたりして、フォトレジストの露光によって目的とするパターンを直接形成する方法である。このようなフォトリソグラフィー法は、従来の印刷法に比べて高精細なパターニングが可能であるということから、例えば、半導体素子、配線基板、有機EL素子、カラーフィルタ、マイクロレンズ等の製造方法に用いられている。
【0004】
しかしながら、フォトリソグラフィー法においては、フォトレジストを用いるとともに、露光後に現像液によって現像を行ったり、さらにエッチングを行ったりする必要があるため、廃液を処理する必要が生じる等の問題がある。そのため、フォトリソグラフィー法は必ずしも生産性の高いものではなかった。また、フォトレジストとして機能性の物質を用いた場合には、現像の際に使用されるアルカリ液等によって劣化する等の問題もあり、材料選択の幅が狭いということも指摘されていた。
【0005】
このような状況において、真空紫外光を用いるパターン形成体の製造方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。特許文献1には、石英または蛍石の基板表面にCrの遮光パターンが形成されたフォトマスクを用い、基板上に有機分子膜を形成し、有機分子膜にフォトマスクを介してパターン状に真空紫外光を照射して、真空紫外光が照射された部位の有機分子膜を分解除去する方法が開示されている。このような真空紫外光を用いる方法は、フォトリソグラフィー法の欠点であった現像液の使用等を必要としないドライプロセスであるため、高生産性でパターン形成体を製造することができる点において有用である。
【0006】
特許文献1に開示されているような真空紫外光によるパターン形成では、有機分子が真空紫外光の作用により分解除去されることにより、パターンが形成される。すなわち、真空紫外光が照射されると、有機分子の分子結合が切断されたり、また酸素が励起されて酸素ラジカルが発生し、この酸素ラジカルとの反応により有機成分が酸化され、この有機成分の分解物が揮発除去されたりすることで、パターンが形成される。
このようなことから、真空紫外光を用いるパターン形成体の製造方法においては、パターン形成用基板表面に、真空紫外光と作用する酸素を存在させておくことが必要となる。
【0007】
特許文献1に記載されているようなCrの遮光パターンは一般的に非常に薄い膜である。そのため、フォトマスクとパターン形成用基板とが接触している場合には、真空紫外光と作用する酸素が不足してしまい、結果として真空紫外光によるパターン形成の感度が低下してしまう。
そこで、特許文献1では、フォトマスクの遮光パターンと有機分子膜との間にギャップを設けるプロキシミティ露光を採用している。
【0008】
しかしながら、フォトマスクとパターン形成用基板とが近接している場合にも、真空紫外光を連続照射すると真空紫外光と作用する酸素が不足してしまうおそれがある。また、ディスプレイ等の大型化に伴いフォトマスクも大型化が進んでいるが、大型のフォトマスクでは、フォトマスクの遮光パターンと有機分子膜との間のギャップを制御することが困難である。
そこで、特許文献2には、真空紫外光と作用する酸素の量を多くするために、フォトマスクとパターニング用基板との間隙を0.1μm〜200μmの範囲内とすることが提案されている。さらに、特許文献2には、フォトマスクとパターニング用基板との間隙を保つために、フォトマスクにスペーサ部を形成することが提案されている。
【0009】
また、真空紫外光によるパターン形成方法においては、フォトマスクとしてレジストマスクを用いることが提案されている(例えば特許文献3、特許文献4参照)。レジストマスクにおいては、レジストパターンが真空紫外光を透過しないことを利用してパターンを形成する。特許文献3,4によれば、レジストマスクは、従来のCrの遮光パターンを有するフォトマスクと比べて少ない工程数で製造可能であることから、フォトマスクの寸法精度を高めることができるとされている。
さらに、特許文献4には、レジストマスクの耐光性や耐久性を向上させるために、レジストパターンの上面および側面を酸素遮断性を有する有機保護膜で覆うことが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2001−324816号公報
【特許文献2】特開2007−79368号公報
【特許文献3】特開平5−289307号公報
【特許文献4】特開2005−202180号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
真空紫外光は拡散光であるため、特許文献1,2に記載されているように、フォトマスクの遮光パターンとパターニング用基板との間に空間があると、パターニング用基板においてフォトマスクの遮光パターンに対応する領域にも光が回り込み、得られるパターンがぼやけて精度が落ちるという問題がある。
【0012】
これに対し、フォトマスクの遮光パターンとパターニング用基板とが接触している場合には、光の回り込みが少なく、得られるパターンの境界を明瞭にすることができる。一方で、フォトマスクの遮光パターンとパターニング用基板とを接触させると、上述のように真空紫外光と作用する酸素が不足し、パターン形成が困難になるか、パターン形成に時間がかかるという問題がある。
【0013】
特許文献3,4に記載されているようなレジストマスクを用いた場合には、レジストパターンはCrの遮光パターンと比較して厚膜であることから、レジストマスクのレジストパターンとパターニング用基板とを接触させても、真空紫外光と作用する酸素を確保することは可能である。しかしながら、レジストパターンは真空紫外光を透過しないため、パターニング用基板に照射される真空紫外光の量が不十分となるおそれがある。特に、レジストパターン間の間隔が狭い場合には、レジストパターンが真空紫外光を透過しないために、レジストパターン間に位置するパターニング用基板表面に照射される真空紫外光の量が不足し、パターン形成が困難になるか、パターン形成に長時間を要することが懸念される。
さらに、レジストパターンの線幅が微細である場合には、厚膜のレジストパターンを形成するのは非常に難しく、レジストパターンを薄くせざるを得ないので、真空紫外光と作用する酸素を確保することが困難となり、上記の場合と同様にパターン形成が困難になるか、パターン形成に時間がかかるおそれがある。
【0014】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、真空紫外光を用いて高精細なパターニングが可能なパターン形成体の効率的な製造方法およびそれに用いられるレジストマスクを提供することを主目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、基板と、上記基板上に形成され、真空紫外光を透過する透過部と、上記透過部上に形成され、上記透過部よりも真空紫外光の透過率が低いレジストパターンとを有し、上記透過部は、上記透過部の大きさが上記レジストパターンの大きさ以上となるように形成されていることを特徴とするレジストマスクを提供する。
【0016】
本発明によれば、レジストパターンは真空紫外光の透過率が低いため、真空紫外光を減衰させることができるので、本発明のレジストマスクのレジストパターンとパターン形成用基板のパターン形成面とを接触させて真空紫外光を照射した際には、拡散光である真空紫外光の回り込みを抑制し、高精細なパターンを得ることが可能である。
また本発明によれば、透過部は真空紫外光を透過するため、本発明のレジストマスクのレジストパターンとパターン形成用基板のパターン形成面とを接触させて真空紫外光を照射した際には、透過部を介してもパターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光が照射されるので、真空紫外光の量を多くすることができ、レジストパターン間の空間に存在する酸素に真空紫外光が十分に作用し、酸素ラジカルの発生効率を高くすることができる。その結果、パターン形成時間を短縮することが可能となる。
さらに本発明によれば、透過部およびレジストパターンが積層されているので、透過部がパターン状に形成されている場合には、レジストパターン間の空間を確保しつつ、透過部およびレジストパターンの厚みを適宜調整することで線幅の狭いレジストパターンも形成可能である。
【0017】
また本発明は、パターン形成用基板を用い、上述のレジストマスクのレジストパターンが上記パターン形成用基板のパターン形成面に接触するように、上記レジストマスクを配置するレジストマスク配置工程と、真空紫外光の拡散光源を用い、反応性ガスの存在下で、上記レジストマスクを介して上記パターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光を照射する真空紫外光照射工程とを有することを特徴とするパターン形成体の製造方法を提供する。
【0018】
本発明によれば、上述のレジストマスクを用いるので、パターン形成用基板のパターン形成面に対して、高精細なパターン状に効率良く真空紫外光照射処理を行うことが可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明においては、真空紫外光を用いて高精細なパターニングが可能なパターン形成体を効率的に製造可能であるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明のレジストマスクの一例を示す概略断面図である。
【図2】本発明のレジストマスクの他の例を示す概略断面図である。
【図3】本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。
【図4】本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。
【図5】本発明のレジストマスクの他の例を示す概略断面図である。
【図6】本発明のレジストマスクの他の例を示す概略断面図である。
【図7】本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。
【図8】本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。
【図9】本発明のパターン形成体の製造方法により製造されるパターン形成体を用いた機能層の形成方法の一例を示す工程図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明のレジストマスクおよびパターン形成体の製造方法について詳細に説明する。
【0022】
A.レジストマスク
まず、本発明のレジストマスクについて説明する。
本発明のレジストマスクは、基板と、上記基板上に形成され、真空紫外光を透過する透過部と、上記透過部上に形成され、上記透過部よりも真空紫外光の透過率が低いレジストパターンとを有し、上記透過部は、上記透過部の大きさが上記レジストパターンの大きさ以上となるように形成されていることを特徴とするものである。
【0023】
本発明のレジストマスクについて図面を参照しながら説明する。
図1は本発明のレジストマスクの一例を示す概略断面図である。図1に例示するレジストマスク1は、基板2と、基板2上にパターン状に形成され、真空紫外光を透過する透過部3と、透過部3上に形成され、透過部3よりも真空紫外光の透過率が低いレジストパターン4とを有している。このレジストマスク1において、透過部3はレジストパターン4と同一のパターン形状で形成されている。
【0024】
図2は本発明のレジストマスクの他の例を示す概略断面図である。図2に例示するレジストマスク1は、基板2と、基板2の全面に形成され、真空紫外光を透過する透過部3と、透過部3上に形成され、透過部3よりも真空紫外光の透過率が低いレジストパターン4とを有している。このレジストマスク1において、透過部3はレジストパターン4よりも大きく形成されている。
【0025】
なお、本願明細書において、「透過部は、透過部の大きさがレジストパターンの大きさ以上となるように形成されている」とは、平面視上、透過部内にレジストパターンが配置されていることをいう。平面視において、透過部の面積は、透過部上に形成されたレジストパターンの面積以上であり、例えば、図2に例示するように透過部3の面積が透過部3上に形成されたレジストパターン4の面積よりも大きい場合、および、図1に例示するように透過部3の面積が透過部3上に形成されたレジストパターン4の面積と同一である場合が含まれる。
【0026】
図3(a)〜(d)は本発明のレジストマスクを用いたパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図3(a)に例示するように、パターン形成用基板10を準備する。図3(a)に例示するパターン形成用基板10は、真空紫外光の照射によって所定の特性が変化する単一層からなる特性変化基板である。次いで、図3(b)に例示するように、レジストマスク1のレジストパターン4がパターン形成用基板10のパターン形成面Pに接触するように、レジストマスク1を配置する。このレジストマスク1は図1に例示したものである。次に、図3(c)に示すように、真空紫外光の拡散光源21を用い、反応性ガスの存在下で、レジストマスク1を介してパターン形成用基板10のパターン形成面Pに真空紫外光Lを照射する。これにより、図3(d)に示すように、パターン形成用基板10のパターン形成面Pがパターン状に真空紫外光照射処理され、真空紫外光Lの照射によって所定の特性が変化した特性変化部13がパターン状に形成されたパターン形成体20が得られる。
【0027】
図4(a)〜(d)は本発明のレジストマスクを用いたパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。図4(a)〜(d)に示すパターン形成体の製造方法は、図2に例示するレジストマスク1を用いている以外は、図3(a)〜(d)に示すパターン形成体の製造方法と同様である。
【0028】
パターン形成用基板のパターン形成面へのパターン形成は、真空紫外光の照射、および、パターン形成用基板とレジストマスクとの間に存在する酸素によって生じるものである。
図3(c)および図4(c)に例示するように、レジストマスク1を介してパターン形成用基板10のパターン形成面Pに真空紫外光Lを照射する際、真空紫外光Lは拡散光であるため任意の角度でパターン形成用基板10のパターン形成面Pに照射される。本発明のレジストマスクにおいては、レジストパターン4は透過部3よりも真空紫外光Lの透過率が低いため、レジストパターン4によって真空紫外光Lを減衰させることができる。特に、レジストパターン4が実質的に真空紫外光Lを透過しない場合には、レジストパターン4によって真空紫外光Lを遮ることができる。そのため、レジストマスク1のレジストパターン4とパターン形成用基板10のパターン形成面Pとが接触している領域では、レジストパターン4によって真空紫外光Lが減衰され、真空紫外光Lの回り込みを抑制し、また酸素も存在しないので、特性変化部13等のパターンを高精細に形成することが可能となる。
また、本発明のレジストマスクにおいては、透過部3は真空紫外光Lを透過することから、透過部3を介してもパターン形成面Pに真空紫外光Lを照射することができ、レジストパターン4間に位置するパターン形成面Pに真空紫外光Lを多く照射させることができる。したがって、本発明のレジストマスクを用いることにより、レジストパターン4間の空隙に存在する酸素に真空紫外光Lを十分に作用させて、酸素ラジカルの発生効率を高くすることができ、効率良く真空紫外光照射処理を行い、パターン形成時間を短縮することが可能となる。レジストマスク1のレジストパターン4間の間隔が狭い場合であっても、透過部3を介してレジストパターン4間に位置するパターン形成面Pに真空紫外光Lが照射されるので、パターン形成時間を比較的短くすることができる。
【0029】
また、図1に例示するようにレジストマスク1において透過部3が基板2上にパターン状に形成されている場合には、図3(c)に例示するようにレジストパターン4間の空間を広くすることができ、レジストパターン4間に存在する酸素量を多くすることができる。したがって、本発明のレジストマスクを用いることにより、パターン形成時間をより一層短縮することが可能となる。
一般に、レジストマスクのレジストパターンとパターン形成用基板のパターン形成面とを接触させた場合、レジストパターン間の空間を広くするにはレジストパターンを厚くするのが効果的であるが、レジストパターンの線幅が小さい場合にはレジストパターンを厚く形成することが非常に困難となる。本発明のレジストマスクにおいては、透過部3およびレジストパターン4が積層されているため、透過部3およびレジストパターン4の総厚みが厚くとも、透過部3およびレジストパターン4のそれぞれの厚みは薄くすることができるので、透過部3およびレジストパターン4の厚みを適宜調整することにより、レジストパターン4の線幅が非常に小さい場合であっても形成可能となる。したがって、本発明のレジストマスクを用いることにより、パターン間の間隔が狭いパターンも高精細に形成することが可能である。
【0030】
以下、本発明のレジストマスクにおける各構成について説明する。
【0031】
1.透過部
本発明における透過部は、基板上に形成され、真空紫外光を透過するものであり、透過部の大きさが後述のレジストパターンの大きさ以上となるように形成されている。
【0032】
透過部は、透過部の大きさがレジストパターンの大きさ以上となるように形成されていればよく、図1に例示するように透過部3が基板2上にパターン状に形成されていてもよく、図2に例示するように透過部3が基板2の全面に形成されていてもよい。
透過部が基板上にパターン状に形成されている場合には、上述したように、本発明のレジストマスクを介してパターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光を照射した際に、レジストパターン間の空間が広くなるので、レジストパターン間に存在する酸素量を多くすることができ、パターン形成時間をより一層短縮することが可能となる。また、レジストパターン間に存在する酸素量を多くすることができるので、より均一に真空紫外光照射処理を行うことが可能となる。
また、透過部が基板上にパターン状に形成されている場合、透過部によって厚みをかせぐことができるので、レジストパターン間の空間を確保しつつ、レジストパターンの線幅を小さくすることが可能である。
【0033】
透過部の真空紫外光の透過率としては、30%以上であることが好ましく、中でも50%以上、特に90%以上であることが好ましい。透過部の真空紫外光が上記範囲であれば、本発明のレジストマスクを介してパターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光を照射した際に、パターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光を多く照射させることができ、効率良く真空紫外光照射処理し、パターン形成時間の短縮化を図ることができるからである。
なお、真空紫外光の透過率は、例えば、日本分光株式会社製の真空紫外分光光度計V-1000を用い、石英基板上に透過部を構成する材料を塗布して測定用基板を作製し、この測定用基板を測定することで算出することができる。
【0034】
透過部を構成する材料としては、真空紫外光を透過するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、感光性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。中でも、透過部を構成する材料は、上記の真空紫外光の透過率を満たすものであることが好ましく、具体的には、フッ素樹脂、ポリビニルアルコール等を挙げることができる。
【0035】
また、透過部が基板上にパターン状に形成されている場合、図1に例示するように透過部3が基板2と別々に形成されていてもよく、図5に例示するように透過部3が基板2と一体として形成されていてもよい。なお、「一体として」とは、透過部および基板が単一の部材として形成されていることをいう。透過部が基板と一体として形成されている場合、透過部を構成する材料は、基板を構成する材料となる。
【0036】
透過部が基板上にパターン状に形成されている場合、透過部のパターン形状としては、透過部が透過部の大きさがレジストパターンの大きさ以上となるように形成されていれば特に限定されるものではない。本発明のレジストマスクを用いてパターンを形成する場合、得られるパターンの形状は、レジストパターンの形状によって定まるため、透過部のパターン形状は特に限定されないのである。透過部のパターン形状は、透過部が透過部の大きさがレジストパターンの大きさ以上となるように形成されていればよく、図1および図5に例示するように透過部3のパターン形状がレジストパターン4の形状と同一であってもよく、図6に例示するように透過部3のパターン形状がレジストパターン4の形状と異なっていてもよい。透過部のパターン形成およびレジストパターンの形状が同一である場合には、透過部およびレジストパターンを同時に形成することができ、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0037】
透過部が基板上にパターン状に形成されている場合、透過部の幅としては、透過部が透過部の大きさがレジストパターンの大きさ以上となるように形成されていれば特に限定されるものではない。上記の場合と同様に、本発明のレジストマスクを用いてパターンを形成する場合、得られるパターンの幅は、レジストパターンの幅によって定まるため、透過部の幅は特に限定されないのである。透過部の幅は、透過部が透過部の大きさがレジストパターンの大きさ以上となるように形成されていればよく、図1および図5に例示するように透過部3の幅がレジストパターン4の幅と同一であってもよく、図6に例示するように透過部3の幅がレジストパターン4の幅よりも大きくてもよい。透過部およびレジストパターンの幅が同一である場合には、透過部およびレジストパターンを同時に形成することができ、製造工程の簡略化を図ることができる。また、透過部の幅がレジストパターンの幅よりも大きい場合には、透過部およびレジストパターンを別々に形成する際に、透過部上にレジストパターンを安定的に形成することができる。
具体的に、透過部の幅は、レジストパターンの幅以上であればよく、レジストパターンの幅に応じて適宜選択される。
【0038】
また、透過部が基板上にパターン状に形成されている場合、透過部間の間隔としては、透過部の幅と同様に、特に限定されるものではないが、レジストパターン間の空間を広くするには透過部間の間隔は比較的大きいことが好ましい。
【0039】
透過部の厚みとしては、本発明のレジストマスクを用いて形成されるパターンの線幅等に応じて適宜選択されるものであるが、中でも、比較的厚いことが好ましい。透過部は真空紫外光を透過し、真空紫外光は拡散光であるので、透過部の厚みが比較的厚ければ、本発明のレジストマスクを介してパターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光を照射した際に、透過部を介してレジストパターン間に位置するパターン形成面に真空紫外光を多く照射することができ、パターン形成面に効率良く真空紫外光照射処理を行うことができる。また、透過部が基板上にパターン状に形成されている場合には、透過部の厚みが比較的厚いことにより、レジストパターン間の空間を広くすることができる。その結果、レジストパターン間に存在する酸素の量を十分なものとすることができ、酸素ラジカルの発生効率を高いものとすることができ、パターン形成面にさらに効率良く真空紫外光照射処理を施すことができる。さらに、透過部が基板上にパターン状に形成されている場合、上述したように、透過部によって厚みをかせぐことができ、レジストパターン間の空間を確保しつつ、レジストパターンの線幅を小さくすることができるので、透過部の厚みは比較的厚い方が好ましいのである。
具体的に、透過部の厚みは、0.05μm〜200μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.1μm〜100μmの範囲内、特に1μm〜50μmの範囲内であることが好ましい。透過部の厚みが上記範囲内であれば、上述したように、パターン形成用基板のパターン形成面に効率良く真空紫外光照射処理を施すことができるからである。一方、透過部の厚みが上記範囲よりも薄いと、透過部が真空紫外光を透過することによる上述の効果が十分に得られない場合がある。また、透過部の厚みが上記範囲よりも厚いと、透過部が基板上にパターン状に形成されている場合には、透過部の形成が困難となる場合がある。
【0040】
透過部の形成方法および透過部をパターン状に形成する方法としては、透過部の材料や構成に応じて適宜選択される。例えば、樹脂を用いて透過部を形成する場合、透過部をパターン状に形成する方法としては、フォトリソ法、印刷法、レーザーアブレーション法等の一般的な方法を用いることができる。また例えば、透過部が基板と一体として形成されている場合、エンボス、エッチング、切削等の一般的な方法により基板表面に凹凸を形成することで、透過部を形成することができる。
【0041】
2.レジストパターン
本発明におけるレジストパターンは、上記透過部上に形成され、上記透過部よりも真空紫外光の透過率が低いものである。
【0042】
レジストパターンの真空紫外光の透過率としては、上記透過部の真空紫外光の透過率よりも低ければよいが、中でも、レジストパターンは実質的に真空紫外光を透過しないものであることが好ましい。具体的に、レジストパターンの真空紫外光の透過率は、30%以下であることが好ましく、中でも10%以下、特に1%以下であることが好ましい。
なお、真空紫外光の透過率の測定方法は、上記「1.透過部」の項に記載した方法と同様である。
【0043】
レジストパターンを構成する材料としては、真空紫外光の透過率が透過部よりも低いレジストパターンを形成可能なものであればよいが、中でも、実質的に真空紫外光を透過しないものであることが好ましい。レジストパターンには、例えば、感光性樹脂、光硬化性樹脂、熱硬化性樹脂等を用いることができる。中でも、レジストパターンを高精細に形成可能であることから、感光性樹脂が好ましい。レジストパターンを構成する材料は、具体的に、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコール、ゼラチン、カゼイン、セルロース等の樹脂を1種または2種以上混合したものや、感光性樹脂、さらにはO/Wエマルジョン型の樹脂組成物、例えば、反応性シリコーンをエマルジョン化したもの等を挙げることができる。
【0044】
レジストパターンの厚みとしては、レジストパターンによって真空紫外光を減衰することができる厚みであれば特に限定されるものではなく、本発明のレジストマスクを用いて形成されるパターンの線幅等に応じて適宜選択されるものであるが、中でも、レジストパターンによって真空紫外光を遮蔽することができる厚みであることが好ましい。具体的に、レジストパターンの厚みは、0.1μm〜500μmの範囲内であることが好ましく、中でも0.5μm〜250μmの範囲内、特に1μm〜100μmの範囲内であることが好ましい。レジストパターンの厚みが上記範囲内であれば、レジストパターンによって真空紫外光を減衰させることができ、本発明のレジストマスクを用いることにより目的とするパターンを高精細に形成することができる。一方、レジストパターンの厚みが上記範囲よりも薄いと、真空紫外光を減衰させることが困難となる場合がある。また、レジストパターンの厚みが上記範囲よりも厚いと、レジストパターンの形成が困難となる場合がある。
【0045】
レジストパターンの形状としては、本発明のレジストマスクを用いて形成されるパターンの形状に合わせて適宜選択される。
また、レジストパターンの幅およびレジストパターン間の間隔も、本発明のレジストマスクを用いて形成されるパターンの形状に合わせて適宜選択される。
【0046】
レジストパターンの形成方法としては、フォトリソ法、印刷法、レーザーアブレーション法等の一般的な方法を用いることができる。レジストパターンの材料が感光性樹脂ではない場合には、レジストパターンを高精細に形成可能であることから、レーザーアブレーション法を用いることが好ましい。
【0047】
3.基板
本発明に用いられる基板は、透過部およびレジストパターンを支持するものである。
【0048】
基板は、真空紫外光に対して透過性を有するものであり、上記の透過部およびレジストパターンを形成することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、一般的なレジストマスクに使用される基板を用いることができる。このような基板としては、例えば、石英ガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、合成石英板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは薄板ガラス等の可撓性を有する透明なフレキシブル材等を挙げることができる。
【0049】
また、透過部との密着性を向上させるために、基板は表面処理が施されたものであることが好ましい。表面処理としては、基板および透過部の密着性を高めることができれば特に限定されるものではなく、例えば、プラズマ処理、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、希薄ガス中でのレーザー処理、UVオゾン処理、真空紫外光処理等の物理的処理、あるいは、シラン系やチタン系のカップリング剤等を使用した化学的処理を挙げることができる。
【0050】
B.パターン形成体の製造方法
次に、本発明のパターン形成体の製造方法について説明する。
本発明のパターン形成体の製造方法は、パターン形成用基板を用い、上述のレジストマスクのレジストパターンが上記パターン形成用基板のパターン形成面に接触するように、上記レジストマスクを配置するレジストマスク配置工程と、真空紫外光の拡散光源を用い、反応性ガスの存在下で、上記レジストマスクを介して上記パターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光を照射する真空紫外光照射工程とを有することを特徴としている。
【0051】
本発明のパターン形成体の製造方法について図面を参照しながら説明する。
図3(a)〜(d)は本発明のパターン形成体の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図3(a)に示すように、パターン形成用基板10を準備する。図3(a)に例示するパターン形成用基板10は、真空紫外光の照射によって所定の特性が変化する単一層からなる特性変化基板である。次いで、図3(b)に示すように、レジストマスク1のレジストパターン4がパターン形成用基板10のパターン形成面Pに接触するように、レジストマスク1を配置する、レジストマスク配置工程を行う。図3(b)に示すレジストマスク1は、上述の図1に例示したものと同様である。次に、図3(c)に示すように、真空紫外光の拡散光源21を用い、反応性ガスの存在下で、レジストマスク1を介してパターン形成用基板10のパターン形成面Pに真空紫外光Lを照射する、真空紫外光照射工程を行う。これにより、図3(d)に示すように、パターン形成用基板10のパターン形成面Pがパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体20が得られる。図3(d)に例示するパターン形成体20では、真空紫外光の照射によって所定の特性が変化した特性変化部13がパターン状に形成されている。
【0052】
図7(a)〜(d)は本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。まず、図7(a)に示すように、パターン形成用基板10を準備する。図7(a)に例示するパターン形成用基板10は、支持基板11上に真空紫外光の照射によって所定の特性が変化する特性変化層12が形成された特性変化型積層体である。次いで、図7(b)に示すように、レジストマスク1のレジストパターン4がパターン形成用基板10のパターン形成面Pに接触するように、レジストマスク1を配置する、レジストマスク配置工程を行う。図7(b)に例示するレジストマスク1は、図3(c)に示すレジストマスク1と同様である。次に、図7(c)に示すように、真空紫外光の拡散光源21を用い、反応性ガスの存在下で、レジストマスク1を介してパターン形成用基板10のパターン形成面Pに真空紫外光Lを照射する、真空紫外光照射工程を行う。これにより、図7(d)に示すように、パターン形成用基板10のパターン形成面Pがパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体20が得られる。図7(d)に例示するパターン形成体20では、真空紫外光の照射によって所定の特性が変化した特性変化部13がパターン状に形成されている。
【0053】
図8(a)〜(d)は本発明のパターン形成体の製造方法の他の例を示す工程図である。まず、図8(a)に示すように、パターン形成用基板10を準備する。図8(a)に例示するパターン形成用基板10は、支持基板11上に真空紫外光の照射によって分解除去される分解除去層14が形成された分解除去型積層体である。次いで、図8(b)に示すように、レジストマスク1のレジストパターン4がパターン形成用基板10のパターン形成面Pに接触するように、レジストマスク1を配置する、レジストマスク配置工程を行う。図8(b)に例示するレジストマスク1は、図3(c)に示すレジストマスク1と同様である。次に、図8(c)に示すように、真空紫外光の拡散光源21を用い、反応性ガスの存在下で、レジストマスク1を介してパターン形成用基板10のパターン形成面Pに真空紫外光Lを照射する、真空紫外光照射工程を行う。これにより、図8(d)に示すように、パターン形成用基板10のパターン形成面Pがパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体20が得られる。図8(d)に例示するパターン形成体20では、真空紫外光の照射によって分解除去された分解除去部15がパターン状に形成されている。
【0054】
本発明によれば、上述のレジストマスクを用いるので、真空紫外光を用いて、高精細なパターン状に正確に真空紫外光照射処理が施されたパターン形成体を効率的に製造することが可能である。
【0055】
本発明のパターン形成体の製造方法は、レジストマスク配置工程と、真空紫外光照射工程とを有していればよく、必要に応じて他の工程を有してもよい。
なお、レジストマスクについては、上記「A.レジストマスク」の項に詳しく記載したので、ここでの説明は省略する。以下、本発明のパターン形成体の製造方法におけるパターン形成用基板および各工程について説明する。
【0056】
1.パターン形成用基板
本発明に用いられるパターン形成用基板は、後述する真空紫外光照射工程において、パターン形成面に真空紫外光がパターン状に照射されることによって、パターン形成面がパターン状に真空紫外光照射処理されたパターン形成体を構成することができるものである。
ここで、「パターン形成面」とは、パターン形成用基板の面のうち、レジストマスクが配置され、真空紫外光照射処理される表面を指すものとする。
【0057】
パターン形成用基板としては、一般的に、真空紫外光照射によってパターン形成面に所望の真空紫外光照射処理が施されるものが用いられる。パターン形成用基板は、図3(a)および図4(a)に例示するように、真空紫外光照射処理によって所望の特性変化が生じる特性変化材料からなる単一層の構成を有する特性変化基板であってもよく、また図7(a)に例示するように、任意の支持基板11上に真空紫外光照射処理によって所望の特性が変化する特性変化層12が積層された構成を有する特性変化型積層体であってもよい。また、パターン形成用基板は、図8(a)に例示するように、任意の支持基板11上に真空紫外光照射処理によって酸化分解される分解除去材料からなる分解除去層14が積層された構成を有する分解除去型積層体であってもよい。
【0058】
ここで、「分解除去層」と「特性変化層」とは、前者が真空紫外光照射によって完全に除去されてしまうものであるのに対し、後者は真空紫外光照射によって表面の特性が変化するが、特性変化層自体は残存する点において異なるものである。
【0059】
本発明においては、特性変化基板、特性変化型積層体および分解除去型積層体のいずれであってもパターン形成用基板として好適に用いることができる。
以下、特性変化基板、特性変化型積層体および分解除去型積層体に分けて説明する。
【0060】
(1)特性変化基板
本発明に用いられる特性変化基板は、真空紫外光照射処理によって所望の特性変化が生じる特性変化材料からなる単一層の構成を有するものである。
【0061】
特性変化基板を構成する特性変化材料としては、所望の自己支持性を発現することができ、かつ、本発明により製造されるパターン形成体の用途等に応じて所望の特性変化が生じる材料であれば特に限定されるものではない。このような特性変化材料の真空紫外光照射によって変化が生じる特性としては、濡れ性、特定の物質との接着性、表面粗さ、化学結合性等を例示することができる。中でも、特性変化材料として、真空紫外光の作用により表面の濡れ性が変化するものを用いることが好ましい。このような特性変化材料を用いることにより、例えば、本発明により製造されるパターン形成体を、パターン形成面にパターン状に機能性部形成用塗工液を塗布するのに好適なものにすることができるからである。真空紫外光の作用により特性変化基板表面の濡れ性が変化する場合、例えば図3(d)および図4(d)において、特性変化部13は濡れ性変化部であり親水性領域となり、また特性変化部13以外の部分は疎水性領域となる。
【0062】
このような真空紫外光の作用により表面の濡れ性が変化する特性変化材料としては、例えば、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリエーテルサルフォン、セルローストリアセテート等のポリマーを挙げることができる。
【0063】
特性変化基板の厚みは、本発明により製造されるパターン形成体の用途等に応じて任意に決定すればよいが、通常0.01mm〜5mmの範囲内であることが好ましく、中でも0.05mm〜1mmの範囲内であることが好ましく、特に0.1mm〜0.4mmの範囲内であることが好ましい。
【0064】
(2)特性変化型積層体
本発明に用いられる特性変化型積層体は、任意の支持基板上に真空紫外光照射処理によって所望の特性が変化する特性変化層が積層された構成を有するものである。
【0065】
特性変化型積層体を構成する特性変化層としては、真空紫外光照射により表面の特性が変化するものであれば特に限定されない。このような真空紫外光との作用によって変化する特性としては、濡れ性、特定の物質との接着性、表面粗さ、化学結合性等を例示することができる。中でも、特性変化層として、真空紫外光の作用により表面の濡れ性が変化するものを用いることが好ましい。このような特性変化層を用いることにより、本発明により製造されるパターン形成体を、パターン形成面にパターン状に機能性部形成用塗工液を塗布するのに好適なものにすることができるからである。真空紫外光の作用により特性変化層表面の濡れ性が変化する場合、例えば図7(d)において、特性変化部13は濡れ性変化部であり親水性領域となり、また特性変化部13以外の部分は疎水性領域となる。
【0066】
このような真空紫外光の作用により濡れ性が変化する特性変化層としては、例えばオルガノポリシロキサンを含有する層等を用いることができる。具体的には、特開2001−074928号公報に記載されているようなオルガノポリシロキサン等を含有する層を用いることができる。また、このようなオルガノポリシロキサンの他に、界面活性剤や添加剤等を用いることができる。このような添加剤については例えば、特開2001−074928号公報に記載されているようなものを挙げることができる。
【0067】
特性変化層の膜厚としては、特性変化層の種類や本発明により形成されるパターン形成体の用途等に応じて適宜選択されるものであるが、通常、0.01μm〜1mmの範囲内であることが好ましく、中でも0.1μm〜0.1mmの範囲内であることが好ましい。
【0068】
また、特性変化型積層体に用いられる支持基板としては、上記特性変化層を支持することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、本発明により製造されるパターン形成体の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。このような支持基板としては、例えば、有機材料からなるもの、または、無機材料からなるものを挙げることができ、より具体的には、樹脂製フィルム、ガラス、セラミック、金属からなるもの等を挙げることができる。
【0069】
(3)分解除去型積層体
本発明に用いられる分解除去型積層体は、任意の支持基板上に真空紫外光照射処理によって酸化分解される分解除去材料からなる分解除去層が積層された構成を有するものである。
【0070】
分解除去型積層体の分解除去層としては、真空紫外光照射により分解除去される層であれば特に限定されない。このような分解除去層としては、例えば、LB膜、交互吸着膜等の薄膜等を挙げることができる。
【0071】
パターン形成用基板として分解除去型積層体を用いた場合、図8(d)に例示するように、分解除去層14のある部分と、分解除去層14のない部分である分解除去部15とを有するパターン形成体20が形成される。すなわち、凹凸を形成することができる。したがって、例えば凹凸を利用して、パターン形成面に容易に機能性部形成用塗工液をパターン状に付着させることができる。
【0072】
また、パターン形成用基板として分解除去型積層体を用いた場合、図8(c)〜(d)に例示するように、本発明により製造されるパターン形成体20では、真空紫外光Lが照射された部位と、真空紫外光Lが照射されていない部位とが異なる材料から構成されるものになる。すなわち、真空紫外光によって分解除去された分解除去部15と、真空紫外光によって分解除去されていない分解除去層14とは異なる材料から構成されるものになる。したがって、分解除去部15と分解除去層14とで表面の特性を異なるものとすることができる。このような分解除去部と分解除去層とで異なる特性としては、濡れ性、特定の物質との接着性、表面粗さ、化学結合性等を例示することができる。中でも、分解除去部と分解除去層とで異なる特性は、濡れ性であることが好ましい。本発明により製造されるパターン形成体を、パターン形成面にパターン状に機能性部形成用塗工液を塗布するのに好適なものにすることができるからである。この場合、上記の凹凸だけでなく、分解除去部と分解除去層との濡れ性の相違を利用して、機能性部形成用塗工液を付着させることができる。分解除去部と分解除去層とで表面の濡れ性が異なる場合、例えば図8(d)において、分解除去部15は親水性領域となり、また分解除去層14は疎水性領域となる。
【0073】
分解除去層の厚みとしては、分解除去層を構成する材料等に応じて真空紫外光を所望量照射した際に、分解除去層を分解除去できる範囲内であれば特に限定されない。中でも、分解除去層の厚みは0.01mm〜5mmの範囲内であることが好ましく、特に0.1mm〜1mmの範囲内であることが好ましく、さらには0.2mm〜0.4mmの範囲内であることが好ましい。
【0074】
分解除去型積層体に用いられる支持基板としては、上記分解除去層を支持することが可能なものであれば特に限定されるものではなく、本発明により製造されるパターン形成体の用途等に応じて適宜選択して用いることができる。なお、分解除去型積層体に用いられる支持基板については、特性変化型積層体に用いられる支持基板と同様とすることができるので、ここでの説明は省略する。
【0075】
2.レジストマスク配置工程
本発明におけるレジストマスク配置工程は、上記パターン形成用基板を用い、上記レジストマスクのレジストパターンが上記パターン形成用基板のパターン形成面に接触するように、上記レジストマスクを配置する工程である。
【0076】
レジストマスクの配置としては、レジストマスクのレジストパターンがパターン形成用基板のパターン形成面に接触するように、レジストマスクが配置されていれば特に限定されるものではない。これにより、真空紫外光の回り込みを防ぎ、パターン形成面が高精細なパターン状に正確に真空紫外光照射処理されたパターン形成体を得ることができる。また、この場合、レジストパターンがレジストマスクとパターン形成用基板との間隙を保持するためのスペーサとして機能するので、レジストマスクおよびパターン形成用基板の配置の制御が容易となる。
【0077】
3.真空紫外光照射工程
本発明における真空紫外光照射工程は、真空紫外光の拡散光源を用い、反応性ガスの存在下で、上記レジストマスクを介して上記パターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光を照射する工程である。本工程では、上記パターン形成用基板のパターン形成面をパターン状に真空紫外光照射処理を行う。
【0078】
真空紫外光の波長は、酸素と作用することにより酸素ラジカルを発生できれば特に限定されるものでないが、通常100nm〜260nmの範囲内であることが好ましく、中でも150nm〜200nmの範囲内であることが好ましい。波長が上記範囲よりも長いと、酸素ラジカルの発生効率が低くなり、真空紫外光照射処理の態様によっては感度が低くなってしまう場合があるからである。また、波長が上記範囲よりも短いと、安定した真空紫外光の照射が困難となる可能性があるからである。
【0079】
真空紫外光の拡散光源としては、例えば、エキシマランプ、低圧水銀ランプ、その他種々の光源を挙げることができる。
【0080】
真空紫外光の照射量としては、上記パターン形成用基板のパターン形成面に施す真空紫外光照射処理の種類に応じて、所望の程度の真空紫外光照射処理ができる範囲内であれば特に限定されない。
【0081】
真空紫外光を上記パターン形成用基板のパターン形成面に照射する方法としては、パターン形成面に均一な照射量で真空紫外光を照射できる方法であれば特に限定されない。このような照射方法としては、例えば、パターン形成面の全面を同時に照射する方法、および、光源またはパターン形成用基板の少なくとも一方を移動させながら、パターン形成用基板のパターン形成面を順次に照射する方法を挙げることができる。中でも、上記パターン形成面を順次に照射する方法が好ましい。その理由は次の通りである。
すなわち、真空紫外光は指向性のない拡散光であるため、パターン形成面の全面を同時に照射する方法では、例えば、大面積のパターン形成面に真空紫外光を照射する場合に、中央部と端部とで真空紫外光の照射量に差が生じてしまう可能性がある。これに対し、パターン形成面を順次に照射する方法によれば、たとえ大面積のパターン形成面に真空紫外光を照射する場合であっても、全面に対して均一に照射することが容易になる。
【0082】
また、パターン形成面を順次に照射する方法の中でも、パターン形成用基板を固定し、光源を移動させながら照射する方法が好ましい。このような方法によれば、大面積のパターン形成面に均一に真空紫外光を照射することが容易になるからである。
【0083】
真空紫外光の拡散光源は、1つであってもよく、複数であってもよい。また、複数個の光源を用いる場合であって、光源を移動させながら真空紫外光を照射する場合は、複数個の光源を同時に移動させてもよく、個別に移動させてもよい。
【0084】
パターン形成用基板のパターン形成面に施される真空紫外光照射処理の種類は、上記パターン形成用基板の種類によって異なるものである。例えば、パターン形成用基板として特性変化基板または特性変化型積層体を用いる場合は、真空紫外光照射処理は特性変化となる。一方、パターン形成面用基板として分解除去型積層体を用いる場合は、真空紫外光照射処理は分解除去層の分解除去になる。
【0085】
また、反応性ガスの存在下で真空紫外光を照射するが、反応性ガスとしては、例えば、酸素、含フッ素ガス等を挙げることができる。これらのいずれの反応性ガスであっても好適に用いることができるが、中でも上述した真空紫外光によるパターン形成用基板への作用機構により、反応性ガスとしては少なくとも酸素が用いられることが好ましい。酸素の存在下とするには、酸素を含む雰囲気とすればよく、例えば、大気雰囲気等とすることができる。
【0086】
5.用途
本発明のパターン形成体の製造方法により製造されるパターン形成体の用途としては、例えば、半導体素子の電極や半導体層、配線基板の配線、有機EL素子の正孔注入層や発光層等の有機層、カラーフィルタ、マイクロレンズ、バイオチップ等の形成を挙げることができる。
【0087】
6.機能性素子の製造方法
本発明のパターン形成体の製造方法により製造されたパターン形成体を用いて、機能性素子を製造することができる。
本発明における機能性素子の製造方法は、本発明のパターン形成体の製造方法により製造されたパターン形成体の、特性変化部または分解除去部上に機能性部を形成する機能性部形成工程を有する。
【0088】
図9(a)〜(b)は、本発明における機能性素子の製造方法の一例を示す工程図である。まず、図9(a)に示すように、本発明のパターン形成体の製造方法によりパターン形成体20を準備する。次に、図9(b)に示すように、パターン形成体20の特性変化部13上に機能性部16を形成する、機能能性部形成工程を行う。
【0089】
本発明のパターン形成体の製造方法により製造されたパターン形成体を用いるので、機能性部を高精細に形成することが可能である。
以下、機能性部形成工程および機能性素子について説明する。
【0090】
(1)機能性部形成工程
本発明における機能性部形成工程は、上述のパターン形成体の製造方法により製造されたパターン形成体の、特性変化部または分解除去部上に機能性部を形成する工程である。
【0091】
ここで、「機能性」とは、光学的(光選択吸収、反射性、偏光性、光選択透過性、非線形光学性、蛍光あるいはリン光等のルミネッセンス、フォトクロミック性等)、磁気的(硬磁性、軟磁性、非磁性、透磁性等)、電気・電子的(導電性、絶縁性、圧電性、焦電性、誘電性等)、化学的(吸着性、脱着性、触媒性、吸水性、イオン伝導性、酸化還元性、電気化学特性、エレクトロクロミック性等)、機械的(耐摩耗性等)、熱的(伝熱性、断熱性、赤外線放射性等)、生体機能的(生体適合性、抗血栓性等)のような各種の機能を意味するものである。
【0092】
機能性部の形成方法としては、特性変化部または分解除去部上に機能性部形成用塗工液を付着させる方法を挙げることができる。
【0093】
機能性部形成用塗工液は、少なくとも機能性材料を含有するものである。機能性材料としては、機能性素子の種類や用途等に応じて適宜選択されるものであり、例えば、半導体材料、発光材料、PEDOT/PSS等の正孔注入性材料、金属ナノコロイド等の導電性材料、着色材料、樹脂材料、タンパク質、細胞、DNA等の生体物質などを挙げることができる。
【0094】
特性変化部または分解除去部が親水性領域である場合、親水性領域上に機能性部形成用塗工液を塗布する方法としては、親水性領域上にのみ機能性部を形成することができる方法であれば特に限定されるものではなく、親水性領域表面および疎水性領域表面の純水の接触角の差に応じて適宜選択される。親水性領域表面および疎水性領域表面の純水の接触角の差が大きい場合には、パターン形成体の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する方法および親水性領域上にのみ機能性部形成用塗工液を塗布する方法のいずれも用いることができる。一方、親水性領域表面および疎水性領域表面の純水の接触角の差が小さい場合には、親水性領域上にのみ機能性部形成用塗工液を塗布する方法が用いられる。パターン形成体の全面に機能性部形成用塗工液を塗布する方法としては、例えば、スピンコート、ダイコート、ロールコート、バーコート、ディップコート、スプレーコート、ブレードコート、グラビア・オフセット印刷等が挙げられる。親水性領域上にのみ機能性部形成用塗工液を塗布する方法としては、例えば、インクジェット、ディスペンサ等の吐出法が挙げられる。
【0095】
(2)機能性素子
本発明の機能性素子の製造方法により製造される機能性素子としては、例えば、半導体素子、配線基板、有機EL素子、カラーフィルタ、マイクロレンズ、バイオチップ等を挙げることができる。
【0096】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
【実施例】
【0097】
以下に実施例を示し、本発明をさらに詳細に説明する。
[実施例1]
<パターン形成用基板の形成>
厚さ50nmの熱酸化膜が形成されたシリコンウェハー上に、ヘキサメチルジシラザンを用いて、疎水層を形成した。
【0098】
<レジストマスクの形成>
厚さ3mmの石英マスクを用意し、密着性を上げるために表面にプラズマ処理を施した。石英マスク上にフッ素樹脂をグラビア・オフセット印刷し、線幅30μm、間隔30μmのストライプパターンを形成した。その後、150℃のオーブンで30分加熱し、透過部とした。この透過部の厚みは約5μmであった。
次に、石英マスクの透過部を形成した面にプラズマ処理を施した後、化薬マイクロケム社製のネガ型レジストSU−8をスピンコートした。続いて、65℃のホットプレートで1分加熱した。次いで、透過部上に、線幅30μmのラインが重なるように、フォトマスクを用いてアライメント露光した。そのときの条件は、露光量:40mJ/cm2、ギャップ:5μmとした。その際のレジストパターンの間隔は30μmであった。その後、架橋を促進する為に65℃のホットプレートで1分加熱し、PGMEAにて現像を3分行った。続いて、150℃のオーブンで30分加熱し、レジストマスクとした。このときのレジストパターンの厚さは約2μmであった。
【0099】
<パターン形成工程>
上記の線幅30μm、間隔30μmのレジストパターンを有するレジストマスクと、疎水層が付与されたシリコン基板とを密着させ、ウシオ電機社製のエキシマランプを用いて真空紫外光を照射した。次いで、真空紫外光照射後の疎水層が付与されたシリコン基板に、Agナノコロイドインキをバーコートした。親水性領域上に形成された電極の線幅は30μmであり、間隔は30μmであった。親水性領域と疎水性領域を発現させるための露光時間は20秒であった。
【0100】
[比較例1]
<パターン形成用基板の形成>
厚さ50nmの熱酸化膜が形成されたシリコンウェハー上に、ヘキサメチルジシラザンを用いて、疎水層を形成した。
【0101】
<レジストマスクの形成>
透過部を形成しないこと以外は上記実施例と同様にレジストマスクを形成した。すなわち、まず、厚さ3mmの石英マスクを用意し、密着性を上げるために表面にプラズマ処理を施した。次に、化薬マイクロケム社製のネガ型レジストSU−8をスピンコートし、2μmの膜厚を得た。続いて、65℃のホットプレートで1分加熱した。次いで、線幅30μm、間隔30μmのレジストパターンが形成されるように、フォトマスクを用いて露光した。そのときの条件は、露光量:40mJ/cm2、ギャップ:5μmであった。その後、架橋を促進する為に65℃のホットプレートで1分加熱し、PGMEAにて現像を3分行った。続いて、150℃のオーブンで30分加熱し、レジストマスクとした。
【0102】
<パターン形成工程>
上記の線幅30μm、間隔30μmのレジストパターンを有するレジストマスクと、疎水層が付与されたシリコン基板とを密着させ、ウシオ電機社製のエキシマランプを用いて真空紫外光を照射した。次いで、真空紫外光照射後の疎水層が付与されたシリコン基板に、Agナノコロイドインキをバーコートした。親水性領域上に形成された電極の線幅は30μmであり、間隔は30μmであったが、親水性領域と疎水性領域を発現させるためには、露光時間を70秒要した。
【0103】
実施例1および比較例1の結果から、透過部を有するレジストマスクでは酸素の存在領域が多いため、より効率的に表面改質が行われ短時間での処理が可能であった。
【0104】
[実施例2]
<パターン形成用基板の形成>
厚さ50nmの熱酸化膜が形成されたシリコンウェハー上に、ヘキサメチルジシラザンを用いて、疎水層を形成した。
【0105】
<レジストマスクの形成>
厚さ3mmの石英マスクを用意し、密着性を上げるために表面にプラズマ処理を施した。石英マスク上にフッ素樹脂をスピンコートし全面にフッ素樹脂膜を形成した。その後、150℃のオーブンで30分加熱し、透過部とした。この透過部の厚みは約5μmであった。
次に、石英マスクの透過部を形成した面にプラズマ処理を施した後、化薬マイクロケム社製のネガ型レジストSU−8をスピンコートした。続いて、65℃のホットプレートで1分加熱した。次いで、透過部上に、線幅10μm、間隔10μmのレジストパターンが形成されるように、フォトマスクを用いて露光した。そのときの条件は、露光量:40mJ/cm2、ギャップ:5μmとした。その後、架橋を促進する為に65℃のホットプレートで1分加熱し、PGMEAにて現像を3分行った。続いて、150℃のオーブンで30分加熱し、レジストマスクとした。このときのレジストパターンの厚さは約2μmであった。
【0106】
<パターン形成工程>
上記の線幅10μm、間隔10μmのレジストパターンを有するレジストマスクと、疎水層が付与されたシリコン基板とを密着させ、ウシオ電機社製のエキシマランプを用いて真空紫外光を照射した。次いで、真空紫外光照射後の疎水層が付与されたシリコン基板に、Agナノコロイドインキをバーコートした。親水性領域上に形成された電極の線幅は9.2μmであり、間隔は10.8μmであった。親水性領域と疎水性領域を発現させるための露光時間は60秒であった
【0107】
[比較例2]
<パターン形成用基板の形成>
厚さ50nmの熱酸化膜が形成されたシリコンウェハー上に、ヘキサメチルジシラザンを用いて、疎水層を形成した。
【0108】
<レジストマスクの形成>
透過部を形成しないこと以外は上記実施例2と同様にレジストマスクを形成した。すなわち、まず、厚さ3mmの石英マスクを用意し、密着性を上げるために表面にプラズマ処理を施した。次に、化薬マイクロケム社製のネガ型レジストSU−8をスピンコートし、2μmの膜厚を得た。続いて、65℃のホットプレートで1分加熱した。次いで、線幅10μm、間隔10μmのレジストパターンが形成されるように、フォトマスクを用いて露光した。そのときの条件は、露光量:40mJ/cm2、ギャップ:5μmであった。その後、架橋を促進する為に65℃のホットプレートで1分加熱し、PGMEAにて現像を3分行った。続いて、150℃のオーブンで30分加熱し、レジストマスクとした。
【0109】
<パターン形成工程>
上記の線幅10μm、間隔10μmのレジストパターンを有するレジストマスクと、疎水層が付与されたシリコン基板とを密着させ、ウシオ電機社製のエキシマランプを用いて真空紫外光を照射した。次いで、真空紫外光照射後の疎水層が付与されたシリコン基板に、Agナノコロイドインキをバーコートした。親水性領域上に形成された電極の線幅は10.7μmであり、間隔は9.3μmであったが、親水性領域と疎水性領域を発現させるためには、露光時間を200秒要した。
【0110】
実施例2および比較例2の結果から、透過部を全面に有するレジストマスクにおいても真空紫外光の透過量が多く、より効率的に表面改質が行われ短時間での処理が可能であった。
【符号の説明】
【0111】
1 … レジストマスク
2 … 基板
3 … 透過部
4 … レジストパターン
10 … パターン形成用基板
11 … 支持基板
12 … 特性変化層
13 … 特性変化部
14 … 分解除去層
15 … 分解除去部
16 … 機能性部
20 … パターン形成体
21 … 拡散光源
L … 真空紫外光
P … パターン形成面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上に形成され、真空紫外光を透過する透過部と、
前記透過部上に形成され、前記透過部よりも真空紫外光の透過率が低いレジストパターンと
を有し、前記透過部は、前記透過部の大きさが前記レジストパターンの大きさ以上となるように形成されていることを特徴とするレジストマスク。
【請求項2】
パターン形成用基板を用い、請求項1に記載のレジストマスクのレジストパターンが前記パターン形成用基板のパターン形成面に接触するように、前記レジストマスクを配置するレジストマスク配置工程と、
真空紫外光の拡散光源を用い、反応性ガスの存在下で、前記レジストマスクを介して前記パターン形成用基板のパターン形成面に真空紫外光を照射する真空紫外光照射工程と
を有することを特徴とするパターン形成体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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