説明

レジスト処理方法及びレジスト付き基体の製造方法

【課題】化学増幅型レジスト層の未露光部について高い残膜率を維持し、露光部ついては現像後の未露光部に対して高いパターンコントラストと高い解像度の提供。
【解決手段】所定の露光前ベーク温度条件で露光前ベークを行い、且つ、所定の露光後ベーク温度条件で露光後ベークを行った後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光前ベーク温度条件及び露光後ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、露光前ベーク温度軸及び露光後ベーク温度軸を有するグラフにて前記残膜率が95%以上の領域における温度条件で、前記試験用レジスト層と同組成且つ基体上に形成されたレジスト層に対して露光前ベーク及び露光後ベークを行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レジスト処理方法及びレジスト付き基体の製造方法に関し、特に、レジストにベークを施す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ハードディスク等で用いられる磁気ディスクにおいては、磁気ヘッド幅を極小化し、情報が記録されるデータトラック間を狭めて高密度化を図るという手法が用いられてきた。
【0003】
その一方で、この磁気ディスクは高密度化がますます進み、隣接トラック間の磁気的影響が無視できなくなっている。そのため、従来手法だと高密度化に限界がきている。
【0004】
最近、磁気ディスクのデータトラックを磁気的に分離して形成するパターンドメディアという、新しいタイプのメディアが提案されている。
【0005】
このパターンドメディアとは、記録に不要な部分の磁性材料を除去(溝加工)して信号品質を改善しようとするものである。
【0006】
このパターンドメディアを量産する技術として、マスターモールド、又はマスターモールドを元型モールドとして一回又は複数回転写して複製したコピーモールド(ワーキングレプリカともいう)が有するパターンを被転写材に転写することによりパターンドメディアを作製するというインプリント技術(又は、ナノインプリント技術という)が知られている。
【0007】
以降、インプリントに用いられているかいないかに関わらず、マスターモールド、コピーモールドをまとめて単にモールドともいう。
【0008】
このマスターモールドの製造方法としては、例えば特許文献1には、Si基板上にポジ型化学増幅レジストを塗布してレジスト層を形成し、このレジスト層の上に電子線描画を行い、露光後ベーク(PEB:Post Exposure Bake)を行い、その後で現像を行う技術が記載されている。
【0009】
また、特許文献2には、SiO基板上に化学増幅型レジストを塗布した後、露光前ベーク(PB:Pre exposure Bake)を110℃で90秒行い、このレジスト層の上に電子線描画を行った後、さらに露光後ベーク(PEB)を110℃で90秒行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−117588号公報
【特許文献2】特開2009−173625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
ここで挙げた化学増幅型レジストとは、アルカリ現像液に対する保護基を側鎖に有する高分子鎖よりなり、化学増幅型レジストの内部に光酸発生剤(PAG:Photo Acid Generator)を有するものである。
【0012】
この化学増幅型レジストに対して電子線描画を行うことにより、内部に存在する光酸発生剤から酸(H)が放出される。
このプロトンにより、レジストを構成する高分子鎖の側鎖が切断される。そして、レジストを構成する高分子鎖はアルカリ現像液に対する保護基を失う。
その結果、化学増幅型レジストにおける電子線描画部は、アルカリ現像液に対して溶解することになる。
【0013】
このように、化学増幅型レジストは非常に使い勝手が良いレジストではあるが、微細パターンを露光・現像した際の解像度については、他のレジストに比べて劣る面もある。
また、レジストの残膜率という面においても、化学増幅型レジストは他のレジストに比べて劣る面もある。
【0014】
なお、ここで言う残膜率とは、ある露光量にて露光したレジスト層を現像した後、レジスト層の残膜量を測定し、その値を元の層厚で除して100倍した値である。以降の記載においても同様である。
【0015】
その一方で、描画の際のレジストの感度という面では、他のレジストに比べて優れている。そのため、少ない露光量でパターニングが可能となり、スループットの向上という面では化学増幅型レジストを用いることが望まれる。
【0016】
本発明の目的は、上述の事情を考慮してなされたものであり、化学増幅型レジスト層における未露光部については高残膜率を維持でき、又は、露光部については現像後において未露光部に対して高いパターンコントラストを有し、その結果高い解像度を有することができるレジスト処理方法及びレジスト付き基体の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の第1の態様は、
基体上に形成されたレジスト層に対し、前記レジスト層形成後かつパターン露光前に露光前ベークを行い、パターン露光後かつ現像処理前に露光後ベークを行うレジスト処理方法において、
所定の露光前ベーク温度条件で露光前ベークが行われ、且つ、所定の露光後ベーク温度条件で露光後ベークが行われた後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光前ベーク温度条件及び露光後ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、
露光前ベーク温度軸及び露光後ベーク温度軸を有するグラフにて前記残膜率が95%以上の領域における温度条件で、前記試験用レジスト層と同組成且つ基体上に形成されたレジスト層に対して露光前ベーク及び露光後ベークを行う工程と、
を有することを特徴とするレジスト処理方法である。
なお、残膜率とは、未露光部を現像処理したときの残膜率のことをいう。
本発明の第2の態様は、
基体上に形成されたレジスト層に対し、前記レジスト層形成後かつパターン露光前に露光前ベークを行い、パターン露光後かつ現像処理前に露光後ベークを行うレジスト処理方法において、
露光前ベークが行われた後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光前ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、
露光後ベークが行われた後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光後ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、
露光前ベーク温度軸及び露光後ベーク温度軸を有するグラフにて前記残膜率が95%以上の領域における温度条件で、前記試験用レジスト層と同組成且つ基体上に形成されたレジスト層に対して露光前ベーク及び露光後ベークを行う工程と、
を有することを特徴とするレジスト処理方法である。
なお、残膜率とは、未露光部を現像処理したときの残膜率のことをいう。
本発明の第3の態様は、
第2の態様に記載の発明において、
前記残膜率良好領域を得るための試験用レジスト層に対して行われる露光後ベークは、
露光前ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程において95%以上の残膜率が得られる露光前ベーク温度条件と同じ温度条件で行うことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、
第1ないし第3のいずれかの態様に記載の発明において、
前記残膜率良好領域の中の最大の残膜率における温度条件にて露光前ベーク及び露光後ベークを行うことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、
基体上に形成されたレジスト層に対し、前記レジスト層形成後かつパターン露光前に露光前ベークを行い、パターン露光後かつ現像処理前に露光後ベークを行うレジスト付き基体の製造方法において、
露光前ベーク及び露光後ベークが行われた後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光前ベーク温度条件及び露光前ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、
露光前ベーク温度軸及び露光後ベーク温度軸を有するグラフにて前記残膜率が95%以上の領域における温度条件で、前記試験用レジスト層と同組成且つ基体上に形成されたレジスト層に対して露光前ベーク及び露光後ベークを行う工程と、
を有することを特徴とするレジスト付き基体の製造方法である。
なお、前記残膜率とは、未露光部を現像処理したときの残膜率のことをいう。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、化学増幅型レジスト層における未露光部については高残膜率を維持でき、又は、露光部については現像後において未露光部に対して高いパターンコントラストを有し、その結果高い解像度を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係るモールドの製造工程を説明するための断面概略図である。
【図2】別の実施形態に係るモールドの製造工程を説明するための断面概略図である。
【図3】本実施形態における、露光前ベーク及び露光後ベークの温度条件毎の残膜率(図3(a))そしてγ値(図3(b))を示したグラフである。
【図4】本実施例及び比較例における、縦軸を残膜率、横軸を必要露光量としたレジスト感度曲線を記載した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明者らは、塗布から現像に至るまでのレジストの感度の面から、化学増幅型レジストを用いながらも高解像度を実現する手段について種々検討した。
【0021】
その検討の際、本発明者らは、レジスト塗布後の露光前ベーク(PB)及び露光後ベーク(PEB)の条件が解像度に影響を与えているのではないかと推察した。
【0022】
従来、PB及びPEBの条件には大きく分けて温度と時間とがある。これらの条件の内、本発明者らは、温度条件について着目した。
【0023】
この温度条件に関しては、そもそもレジスト材料の種類により最適ベーク温度が決定する。そしてこの最適ベーク温度は、高温のベークによるレジスト材料の変性、低温のベークによる光酸発生効果の低減等の問題や生産性の観点から、レジスト原料製造会社が推奨
する最適ベーク温度に固定されているのが現状であった。
【0024】
これに対し、本発明者らは、化学増幅型レジストを用いながらもインプリント技術の実用に堪えうる解像度を実現すべく、PB及びPEBの温度について鋭意研究した。
【0025】
その結果、本発明者らは、PBの温度及びPEBの温度を変動させることにより、レジストの品質はある程度維持しつつ、従来考えられていた温度条件でベークを行った場合よりも更に残膜率を向上させることができるという知見を得た。
さらに、PBの温度とPEBの温度との間で、残膜率について相関関係を有するという知見を得た。
【0026】
その結果、PB温度軸とPEB温度軸を有するグラフにて残膜率が良好な領域にて、製品作製のためのレジスト処理を行うことにより、高い残膜率を有しかつ高い解像度が得られることを見出した。
【0027】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施形態を説明する。
本発明の実施の形態においては、次の順序で説明を行う。
1.モールド製造のための準備工程の説明
1)試験用レジスト層の準備
2)試験用レジスト層に対する露光前ベーク(PB)
3)試験用レジスト層に対する露光後ベーク(PEB)
4)残膜率良好領域を示すグラフの作成
2.モールド製造工程の説明
1)基板の準備
2)レジストの塗布
3)残膜率良好領域内の温度条件における露光前ベーク(PB)、パターン描画、残膜率良好領域内の温度条件における露光後ベーク(PEB)
4)リンス処理・乾燥
5)基板へのエッチング
6)モールドの完成
3.実施の形態の効果に関する説明
【0028】
1.モールド製造のための準備
本実施形態においては、モールドを製造する前に、レジスト塗布後の露光前ベーク(PB)及び露光後ベーク(PEB)における適切な条件を求めるために、試験用レジスト層に対して現像処理を行う。
【0029】
なお、本実施形態においては、露光前ベーク(PB)とは、レジスト層形成後かつパターン露光前に行われるベーク処理である。
また、露光後ベーク(PEB)とは、パターン露光後かつ現像処理前に行われるベーク処理である。
【0030】
1)試験用レジスト層の準備
試験用レジスト層としては、適当な試験用基体の上に設けたものであれば良い。ただ、この試験の結果を本実施形態におけるモールドの製造に用いることから、可能な限りモールドの製造条件と試験用レジスト層に対する試験の条件とを同条件にするのが好ましい。
【0031】
なお、ここでいう「基体」とは、本明細書にて示すような基板、基板上にレジスト層が設けられたもの、その基板の上にハードマスク層が設けられたもの、そしてその上にレジ
スト層が設けられたものを含む。
まとめると、基板を含む物質であって、レジスト層が設けられるべき対象となる物質そのものを指すものとする。レジスト層を設け、ベーク処理を行うことができる物質であれば、本発明における基体として使用することができる。
【0032】
一方、試験用基体の形状についてであるが、露光前及び露光後ベークにおける残膜率を得ることができるのならばどのような形状であっても良い。
本実施形態においては、円盤形状の石英からなる試験用基板を用いて説明する。以降、この石英基板を試験用基板ともいう。
【0033】
この試験用基板に対して必要に応じ適宜洗浄・ベーク処理を行った後、本実施形態においては、図1(b)に示すように、化学増幅型レジストを試験用基板に対して塗布する。
【0034】
塗布方法としては、本実施形態においては所定の回転数にて回転させつつ試験用基板上方からレジストを塗布するスピンコート法を用いる。こうして試験用基板上に化学増幅型試験用レジスト層を形成する。
【0035】
以降、化学増幅型試験用レジスト層のことを、単に試験用レジスト層ともいう。なお、試験用レジスト層を設ける前に、試験用基板上に密着層を設け、その上に試験用レジスト層を設けても良い。
【0036】
なお、この化学増幅型レジストとしては、公知のもので良く、エネルギビームを照射したときに反応性を有するものであれば良い。具体的には、現像処理を行う必要のあるレジストであれば良い。本実施形態においては電子線描画に対応したポジ型レジストの場合について述べる。
【0037】
2)試験用レジスト層に対する露光前ベーク(PB)
上述のように化学増幅型試験用レジスト層を試験用基板上に形成した後、本実施形態においては、試験用レジスト層に対して、所定のパターン描画のための露光前に、露光前ベーク(PB)を行う。
【0038】
このPBにより、試験用レジスト層に残存している溶媒を除去し、レジスト層を緻密とすることができる。これによって、レジスト層の残膜率を向上させることができる。
【0039】
なお、このPBの方法としては、公知の手法を適宜選択できるが、本実施形態においてはホットプレート又はオーブンを用いてベークを行う。
【0040】
3)試験用レジスト層に対する露光後ベーク(PEB)
次に、PBにおける残膜率を求めるための試験用レジスト層とは別に、所定の温度にてPBが行われた後、パターン露光がなされた試験用レジスト層に対して露光後ベーク(PEB)を行う。
【0041】
具体的には、複数用意した試験用レジスト層の各々に対し、所定の温度でPBを行う。そしてPBが行われた後、各試験用レジスト層に対しパターン露光を行いさらに種々の温度条件でPEBを行う。そして、各試験用レジスト層に対し現像処理を行い、残膜率を得る。
【0042】
上述のようにすると、所定の温度のPB条件であって、種々の温度のPEB条件に応じた残膜率が得られる。そして次に、別のPB温度における残膜率を得るために、新たな各試験用レジスト層を別個に用意する。そして、別のPB温度としつつ、上述のように種々
のPEB温度に応じた残膜率を得る。
【0043】
なお、このPEBにより、試験用レジスト層に含まれる光酸発生剤から発生した酸を拡散させることができる。
【0044】
また、このPEBの方法としては、PBと同様、公知の手法を適宜選択できる。本実施形態においてはPBと同様にホットプレート又はオーブンを用いてベークを行う。
【0045】
4)残膜率良好領域を示すグラフの作成
その後、各試験用レジスト層の残膜率の結果をグラフにまとめる。このグラフは、X軸をPB温度軸、Y軸をPEB温度軸としたグラフである。
【0046】
このグラフ上に各試験用レジスト層に対し行われたPBの温度条件及びPEBの温度条件に対応する位置にプロットを行い、そして各プロットに残膜率の結果を記載する。
【0047】
本実施形態においては、所定のレジストを用いたときの残膜率が95%以上の値を示すプロットを合格とし、95%未満の値を示すプロットは不合格とする。
【0048】
こうすることにより、図3(a)に示すように、X軸をPB温度軸、Y軸をPEB温度軸としたグラフに、残膜率に関して合格の領域が形成される。そして、この合格のプロットにより形成される領域を、残膜率良好領域とする。後述するが、この残膜率良好領域の温度条件にて、正式なレジスト処理及びモールド製造工程内のPB及びPEBを行う。
【0049】
以上、本実施形態における、製品作製前に行われるPB及びPEBの条件設定について述べた。以降、こうして設定された条件にて製品となるモールドの製造工程について、図1を用いて説明する。
【0050】
2.モールド製造工程の説明
1)基板の準備
まず、本実施形態においてはインプリントモールドとなるマスターモールド20製造のための基板1を用意する(図1(a))。
この基板1は、マスターモールド20として用いることができるのならば構わない。そして、先に述べた試験用レジスト層が設けられる基板に用いられるもので良い。
本実施形態においては、円盤形状の石英基板1を用いて説明する。以降、この石英基板1を単に基板1ともいう。
【0051】
2)レジストの塗布
この基板1に対して必要に応じ適宜洗浄・ベーク処理を行った後、本実施形態においては、図1(b)に示すように、化学増幅型レジストを基板1に対して塗布し、レジスト層4を基板1上に形成する。この化学増幅型レジストの塗布方法については、試験用レジスト層と同様で良い。特に、化学増幅型レジストの種類については、試験用レジスト層とモールド製造用レジスト層(いわゆる本番処理用レジスト層)とを同組成とする。
【0052】
なお、試験用基板にて説明したのと同じく、基板1に直接レジスト層4を形成するのではなく、基板1上にハードマスク層が形成された基体に対してレジスト層4を形成しても良い。このハードマスク層としては窒化クロム層が挙げられる。
【0053】
また、この時のレジスト層4の厚さは、基板1へのエッチングが完了するまで残存する程度の厚さであることが好ましい。エッチングする際、基板1のみならずレジスト層4も少なからず除去されていくためである。
【0054】
3)残膜率良好領域内の温度条件における露光前ベーク(PB)、パターン描画、残膜率良好領域内の温度条件における露光後ベーク(PEB)
化学増幅型レジスト層4を基板1上に形成した後、本実施形態においては、上述の通り、残膜率良好領域のPB温度条件及びPEB温度条件において、レジスト層4付き基板1に対して、PB、そして所定のパターンのパターン露光及びPEBを行い、その後、現像処理を行う。
【0055】
なお、前記残膜率良好領域の中でも、最大の残膜率における温度条件にて、基板1上に形成されたレジスト層4に対して、露光前ベーク及び露光後ベークを行うのが好ましい。また、残膜率良好領域の温度条件でPBやPEBを行えば良く、両者を同一温度で行っても良い。
【0056】
なお、具体的なベーク処理、パターン露光及び現像処理の形態については上述の通りである。
【0057】
4)リンス処理・乾燥
レジストパターンを有する基板1に対し、必要に応じてリンス処理を行った後、乾燥処理を行う。
【0058】
5)基板へのエッチング
続いて、ドライエッチング装置を用い、フッ素系ガスを用いたエッチングを石英基板1に対して行う。この際、前記レジスト層をマスクとして基板1をエッチング加工し、図1(d)に示すように、微細パターンに対応した溝を基板1に施す。
【0059】
こうして図1(d)に示すように、微細パターンに対応する溝加工が石英基板1に施され、微細パターンを有するレジスト層4が石英基板1の溝以外の部分上に形成される。このレジスト層4に対して硫酸過水などの酸溶液を用い、残存したレジスト層4を除去する。
【0060】
6)モールドの完成
以上の工程を経た後、必要があれば基板1の洗浄等を行う。このようにして、図1(e)に示すようなマスターモールド20を完成させる。
【0061】
3.実施の形態の効果に関する説明
以上のような本実施形態においては、以下の効果を得ることができる。
即ち、PB及びPEBにおいて、基板1とレジスト層4との間の高い残膜率を得ることができる適切な温度条件を得ることができる。
その結果、本番となるモールド製造工程において、化学増幅型レジスト層における未露光部については高残膜率を維持でき、高解像度を得ることができる。
【0062】
(実施の形態2)
実施の形態1では残膜率良好領域を求めたが、図3(b)に示すように、残膜率の代わりにγ値良好領域を求めても良い。
【0063】
γ値とは、レジスト感度曲線(縦軸:残膜率、横軸:露光量)の直線部の勾配から算出される溶解コントラストである。具体的には、レジスト感度曲線において、残膜率50%と0%のそれぞれのポイントを結ぶ直線と横軸との交差角のtanθから算出される値であって、数値が大きいほど画像コントラストが高いことを示す。
【0064】
そして、X軸をPB温度軸、Y軸をPEB温度軸としたグラフにおいて、このγ値が所定の値以上の領域(即ちγ値良好領域)を得る。そして、実際のモールド製造工程を、このγ値良好領域におけるPB温度及びPEB温度条件にて行っても良い。
【0065】
なお、実施の形態1においては残膜率良好領域にて用いる残膜率の基準を95%に設けたが、実際のモールド製造に支障がなければ、95%よりも低く基準値を設定しても良い。同様に、γ値良好領域の基準値も、所定の値よりも低く基準値を設定しても良い。
【0066】
また、残膜率良好領域とγ値良好領域とが重複する領域における温度条件で、PB及びPEBを行うのが好ましい。こうすることにより、更に高い解像度を得て精緻なパターンを得ることができる。
【0067】
(実施の形態3)
実施の形態1ではPEBにおける残膜率を求める際に、既に所定の温度でPBを行った試験用レジスト層を用いた。つまり、PBの結果に関わらず、PEBについて各時間及び温度条件で試験用レジスト層を作製していた。
【0068】
一方、本実施形態では、PBを行い且つPEBを行う前の状態の試験用レジスト層に対して現像を行い、PB温度条件毎の残膜率を求める。
【0069】
なお、PB温度条件毎の残膜率を得るために行われる現像処理は、パターン露光前の試験用レジスト層に対して行われるのが好ましい。ここでの残膜率は、パターン露光前であっても得ることができるためである。つまり、パターン露光を行わずともPB温度条件毎の残膜率を得ることができるため、工程の簡素化が図れる。
【0070】
さらに、PBを行っていない試験用レジスト層に対してPEBを行う。そして、PEB温度条件毎の残膜率を求める。
具体的には、残膜率良好領域を得るための試験用レジスト層に対して行われる露光後ベークを、露光前ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程において95%以上の残膜率が得られる露光前ベーク温度条件と同じ温度条件で行う。
【0071】
PB温度条件毎の残膜率を得た後ならば、この残膜率が95%以上の温度条件という限られた範囲内のみで、PEB温度条件毎の残膜率を求めれば事足りるようになる。
【0072】
先にも述べたように、γ値や残膜率を求めるためのレジスト感度曲線を得るためには、所定の時間及び温度条件で作成した試験用レジスト層を複数設ける必要がある。つまり、温度条件毎に試験用レジスト層を作製する必要がある上、さらに温度条件を同じとしながらも、露光量に応じた数の試験用レジスト層を作製する必要がある。そのため、残膜率良好領域及び/又はγ値良好領域を得るためには、相当量の試験用レジスト層を作製しなければならない。
【0073】
しかしながら、このように限られた範囲内の温度条件のみでPEBについての試験を行うことにより、作製すべき試験用レジスト層の数を大幅に減らすことができる。
その結果、残膜率やγ値を得る手間が省け、ひいてはコストの削減、工程全体としての効率化を図ることができる。
【0074】
(実施の形態4)
先に述べた実施の形態1においては、基板1の上に直接レジスト層4を設けた場合について主に述べたが、本実施形態においては、基板1上にハードマスク層を設け、その上にレジスト層4を設けた場合について説明する。なお、以下の説明において特筆しない部分
については、実施の形態1と同様である。
説明手順としては、以下の通りである。
1.基板上へのハードマスク層の形成
2.ハードマスク層へのレジスト層の形成
3.パターン描画・現像
4.第1のエッチング(酸化防止層や導電層へのパターン形成)
5.第2のエッチング(石英基板へのパターン形成)
6.残存ハードマスク層除去
【0075】
1.基板上へのハードマスク層の形成
まず、図2(a)の石英基板1をスパッタリング装置に導入する。そして本実施形態においては、タンタル(Ta)とハフニウム(Hf)の合金からなるターゲットをアルゴンガスでスパッタリングし、タンタル−ハフニウム合金からなる導電層2を成膜し、基板1上に形成される溝に対応する微細パターンを有するハードマスク層の内の下層(導電層2)とする(図2(b))。
【0076】
なお、導電層2の材料としては、導電層として用いられるものであっても良い。一例を挙げれば、Taを主成分とする化合物が挙げられる。この場合、TaHf、TaZr、TaHfZrなどのTa化合物やその合金が好適である。一方、ハフニウム(Hf)とジルコニウム(Zr)の少なくとも一方の元素又はその化合物(例えばHfZrなど)を選択することもでき、さらにこれらの材料をベース材料として、例えばB、Ge、Nb、Si、C、N等の副材料を加えた材料を選択することもできる。本実施形態においては、タンタル−ハフニウム(TaHf)合金からなる導電層2について説明する。
【0077】
次に、本実施形態においては、酸化防止の観点から前記導電層2に対して大気暴露は行わず、クロムターゲットをアルゴンと窒素の混合ガスでスパッタリングして窒化クロム層3を成膜し、微細パターンを有するハードマスク層の内の上層(導電層用酸化防止層3)とする(図2(b))。
【0078】
なお、酸化防止層3の材料としては、成膜の際のスパッタリングにおいて酸素を用いなくて済む点からも窒化クロム(CrN)が好ましいが、それ以外でも酸化防止層として使用できる化合物であれば良い。例えばモリブデン化合物、酸化クロム(CrO)、SiC、アモルファスカーボン、Alを用いても良い。本実施形態においては、窒化クロム(CrN)からなる酸化防止層3について説明する。
なお、本実施形態における「ハードマスク層」は、単一又は複数の層からなり、基板上への溝のエッチングに用いられる層状のもののことを指すものとする。ただし、ハードマスク層における酸化防止層3は、導電層2を兼ねても良い。その場合はTaHfのような導電層は省略可能である。
このように、基板上にハードマスク層を設けたものを、本実施形態においてはマスクブランクスという。
【0079】
2.ハードマスク層へのレジスト層の形成
次に、図2(c)に示すように、前記マスクブランクスにおけるハードマスク層に対して電子線描画用のレジストを塗布する。この際、実施の形態1と同様の手法で、レジスト塗布後かつ露光前にベーク(PB)を行う。
なお、レジスト層4は複数層設けても良い。例えば、レジスト層4における下層レジストを非化学増幅型レジストとし、上層レジストを化学増幅型レジストとしても良い。
【0080】
3.パターン描画・現像
その後、電子線にて微細パターンをレジスト層4に描画する。レジスト層への微細パタ
ーン描画後、実施の形態1と同様の手法で、露光後にベーク(PEB)を行う。その後、レジスト層4を現像し、レジストにおける電子線描画した部分を除去し、図2(d)に示すような所望の微細パターンに対応するレジストパターンを形成する。
【0081】
4.第1のエッチング(酸化防止層や導電層へのパターン形成)
その後、基板1上にレジストパターンが形成された基板1を、ドライエッチング装置に導入する。そして、実質的に酸素を含まない塩素ガスによる第1のエッチングを行い、レジスト層4が除去された部分の導電層2及び酸化防止層3を除去する(図2(e))。この際、導電層2の酸化防止という観点から、還元性ガスを導入しながら第1のエッチングを行っても良い。なお、この時のエッチング終点は、反射光学式の終点検出器を用いることで判別する。
【0082】
5.第2のエッチング(石英基板へのパターン形成)
続いて、第1のエッチングで用いられたガスを真空排気した後、実施の形態1と同様の手法で、フッ素系ガスを用いた第2のエッチングを石英基板1に対して行う。その後、アルカリ溶液や酸溶液にてレジストを除去する。
【0083】
こうして図2(f)に示すように、微細パターンに対応する溝加工が石英基板1に施され、微細パターンを有するハードマスク層が石英基板1の溝以外の部分上に形成され、モールド20のための残存ハードマスク層除去前モールド10が作製される。
【0084】
6.残存ハードマスク層除去
このように作製された残存ハードマスク層除去前モールド10に対し、第1のエッチングと同様の手法で、引き続いて残存ハードマスク層除去前モールド10上に残存するハードマスク層をドライエッチングにて除去する工程が行われ、それによりモールド20が作製される(図2(g))。
【0085】
なお、いずれかのエッチングのみをウェットエッチングとし、他のエッチングにおいてはドライエッチングを行っても良いし、全てのエッチングにおいてウェットエッチング又はドライエッチングを行っても良い。また、パターンサイズがミクロンオーダーである場合など、ミクロンオーダー段階ではウェットエッチングを行い、ナノオーダー段階ではドライエッチングを行うというように、パターンサイズに応じてウェットエッチングを導入しても良い。
【0086】
(実施の形態5)
以下、上述の実施の形態の変形例について説明する。
上述の実施の形態では化学増幅型レジストを設けたが、この化学増幅型レジストの組成物の一例を挙げれば、重合性不飽和単量体、光重合開始剤、などの光酸発生剤(アンモニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩等のオニウム塩、ジアゾジスルホン系、トリフェニルスルホニウム系など)、界面活性剤(フッ素系、ノニオン系、シリコーン系など)、離型剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、老化防止剤、可塑剤、密着促進剤、熱重合開始剤、着色剤、無機粒子、エラストマー粒子、酸化防止剤、光酸増殖剤、光塩基発生剤、塩基性化合物、流動調整剤、消泡剤、分散剤、有機溶剤、水などが挙げられる。
【0087】
なお、レジスト層4は複数層設けても良い。例えば、レジスト層4における下層レジストを非化学増幅型レジストとし、上層レジストを化学増幅型レジストとしても良い。
【0088】
また、上述の実施の形態におけるパターン露光は、公知のパターン露光であれば良い。一例を挙げるとすれば、電子線描画機を用いて、前記マスクブランクスの試験用レジスト
層に微細パターンを描画することが挙げられる。
【0089】
この微細パターンはミクロンオーダーであっても良いが、近年の電子機器の性能という観点からはナノオーダーであっても良いし、モールドなどにより作製される最終製品の性能を考えると、その方が好ましい。
【0090】
また、上述の実施の形態における現像処理についても、公知のやり方であれば良い。一例を挙げるとすれば、微細パターン描画後、図1(c)に示すように、試験用レジスト層を現像し、試験用レジスト層における電子線描画した部分を除去し、所定のパターンに対応するレジストパターンを形成する。
【0091】
なお、現像剤としては公知のもの(液現像やドライ現像)を用いても構わない。一例を挙げるとするならば、希釈テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液を用いた現像液が挙げられる。
【0092】
なお、上述の実施の形態における化学増幅型レジストの処理方法及びレジスト付き基板、並びに本実施形態におけるレジスト付きマスクブランクスは、インプリントモールド作製用以外にも以下の用途に好適に適用でき、例えば、半導体装置用フォトマスク、半導体製造、マイクロ電気機械システム(MEMS)、センサ素子、光ディスク、回折格子や偏光素子等の光学部品、ナノデバイス、有機トランジスタ、カラーフィルター、マイクロレンズアレイ、免疫分析チップ、DNA分離チップ、マイクロリアクター、ナノバイオデバイス、光導波路、光学フィルター、フォトニック結晶等の作製にも幅広く適用できる。
【0093】
以上、本発明に係る実施の形態を挙げたが、上記の開示内容は、本発明の例示的な実施形態を示すものである。本発明の範囲は、上記の例示的な実施形態に限定されるものではない。本明細書中に明示的に記載されている又は示唆されているか否かに拘わらず、当業者であれば、本明細書の開示内容に基づいて本発明の実施形態に種々の改変を加えて実施し得る。
【実施例】
【0094】
次に実施例を示し、本発明について具体的に説明する。もちろんこの発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
【0095】
<実施例>
本実施例においては、まず、残膜率良好領域を求めるために、基板1として円盤状シリコンウエハ(外径150mm、厚み0.7mm)を用いた(図1(a))。この基板1に対して、ホットプレートにて200℃で10分間ベークを行い、基板1上の脱水処理を行った。その後、基板1を冷却プレート上に載置して、基板1を冷却した。
【0096】
次に、基板1をレジストコータにセットした。そして、光酸発生剤含有のCyclic
low molecular resistをプロピレングリコールモノメチルエーテルで希釈(Cyclic low molecular resist:プロピレングリコールモノメチルエーテル=1:9)し、レジスト液を予め用意した。このレジスト液を基板1上に3ml程滴下し、3000rpmで60秒間基板1を回転させた。
【0097】
レジスト液の塗布後、この基板1に対して、ホットプレートにて100℃〜140℃かつ90秒間の条件でベーク(PB:露光前ベーク)を行い、レジスト液における不要な溶媒を除去した。
【0098】
そして、100keVの電子線描画機を用い、電子線描画部と電子線未描画部との幅比
を1対1としたライン・アンド・スペース・パターンを描画した。そして、電子線描画部の寸法が8〜30nmの範囲で3nmごとにライン幅を変化させて描画した。
【0099】
描画後、この基板1に対して、ホットプレートにて80℃〜120℃で90秒間ベーク(PEB:露光後ベーク)を行い、光酸発生剤をレジスト層中に拡散させた。
【0100】
そしてそれぞれの試験用レジスト層に対して現像を行った。
なお、現像条件としては、この基板1のレジスト層を、2.38%のTMAHにて60秒間現像した。現像後、基板1を回転させ続け、基板1の乾燥処理を行った。
【0101】
なお、レジスト感度曲線の求め方としては、電子線描画機を用いて、露光量を0から0.2μC/cmずつ変えながら露光を行い、さらに上述のようにPEBを行った。その後、2.38%TMAH水溶液を用いて現像を行い、縦軸を残膜率及び横軸を露光量としたレジスト感度曲線を得た。
【0102】
さらにこのレジスト感度曲線からγ値及び残膜率を求め、縦軸をPEB温度条件、横軸をPB温度条件とした図3(a)(b)のグラフを得た。そして、図3のグラフにおける残膜率良好領域の温度条件にて、モールド製造工程におけるPB及びPEBを行った。
なお、モールド製造工程は、試験用レジスト層の作製方法と同様である。
【0103】
こうして、本実施例におけるレジスト付きモールドを作製した。また、図4に示すように、本実施例におけるレジスト付きモールドにおけるレジスト感度曲線を得た。
【0104】
<比較例>
比較例においてはPB及びPEBを110℃に固定して行った以外は、実施例と同様に試料を作製した。また、図4に示すように、比較例においても実施例と同様に、レジスト感度曲線を得た。
なお、比較例及び本実施例(残膜率95%以上の領域)以外の結果についても、図4に掲載した。
【0105】
<評価>
実施例においては、図4に示すとおり、未露光部の残膜率が良好であった。なお、図3(a)(b)を重ね合わせることにより、PBが100℃の時にはPEBを88℃〜94℃の範囲とするのが好ましいことがわかった。
【0106】
一方、比較例においては、図4に示すように、未露光部分であっても電子線描画による回折光やその他の光の影響を受けやすく、現像により相当除去されてしまうことがわかった。
【符号の説明】
【0107】
1 基板
2 導電層
3 酸化防止層
4 化学増幅型レジスト層
10 残存ハードマスク層除去前モールド
20 モールド(マスターモールド)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基体上に形成されたレジスト層に対し、前記レジスト層形成後かつパターン露光前に露光前ベークを行い、パターン露光後かつ現像処理前に露光後ベークを行うレジスト処理方法において、
所定の露光前ベーク温度条件で露光前ベークが行われ、且つ、所定の露光後ベーク温度条件で露光後ベークが行われた後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光前ベーク温度条件及び露光後ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、
露光前ベーク温度軸及び露光後ベーク温度軸を有するグラフにて前記残膜率が95%以上の領域における温度条件で、前記試験用レジスト層と同組成且つ基体上に形成されたレジスト層に対して露光前ベーク及び露光後ベークを行う工程と、
を有することを特徴とするレジスト処理方法。
なお、残膜率とは、未露光部を現像処理したときの残膜率のことをいう。
【請求項2】
基体上に形成されたレジスト層に対し、前記レジスト層形成後かつパターン露光前に露光前ベークを行い、パターン露光後かつ現像処理前に露光後ベークを行うレジスト処理方法において、
露光前ベークが行われた後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光前ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、
露光後ベークが行われた後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光後ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、
露光前ベーク温度軸及び露光後ベーク温度軸を有するグラフにて前記残膜率が95%以上の領域における温度条件で、前記試験用レジスト層と同組成且つ基体上に形成されたレジスト層に対して露光前ベーク及び露光後ベークを行う工程と、
を有することを特徴とするレジスト処理方法。
なお、残膜率とは、未露光部を現像処理したときの残膜率のことをいう。
【請求項3】
前記残膜率良好領域を得るための試験用レジスト層に対して行われる露光後ベークは、露光前ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程において95%以上の残膜率が得られる露光前ベーク温度条件と同じ温度条件で行うことを特徴とする請求項2に記載のレジスト処理方法。
【請求項4】
前記残膜率良好領域の中の最大の残膜率における温度条件にて、基体上に形成されたレジスト層に対して、露光前ベーク及び露光後ベークを行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のレジスト処理方法。
【請求項5】
基体上に形成されたレジスト層に対し、前記レジスト層形成後かつパターン露光前に露光前ベークを行い、パターン露光後かつ現像処理前に露光後ベークを行うレジスト付き基体の製造方法において、
露光前ベーク及び露光後ベークが行われた後の試験用レジスト層に対して現像処理を行い、露光前ベーク温度条件及び露光前ベーク温度条件毎の残膜率を得る工程と、
露光前ベーク温度軸及び露光後ベーク温度軸を有するグラフにて前記残膜率が95%以上の領域における温度条件で、前記試験用レジスト層と同組成且つ基体上に形成されたレジスト層に対して露光前ベーク及び露光後ベークを行う工程と、
を有することを特徴とするレジスト付き基体の製造方法。
なお、前記残膜率とは、未露光部を現像処理したときの残膜率のことをいう。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−47828(P2012−47828A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−187568(P2010−187568)
【出願日】平成22年8月24日(2010.8.24)
【出願人】(000113263)HOYA株式会社 (3,820)
【Fターム(参考)】