説明

レゾルシン誘導体およびその殺虫剤としての使用

本発明は、 式I:
【化1】


のレゾルシン誘導体またはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩またはN-オキシド[式中、R1はフェニルまたは酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環であり、フェニルまたはへテロ芳香族環はフェニルおよび酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる、飽和、部分的に不飽和または芳香族の、5〜6員のヘテロ環から選択される環と環縮合していてもよく、前記フェニルまたは5〜6員のヘテロ芳香族環またはそれぞれの縮合環系は無置換であってもまたは1〜6個の、任意に置換された、基R3のいずれかの組合せにより置換されていてもよく;R3はハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ハロシクロアルキル、ハロシクロアルケニル、アルコキシ、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、ハロアルコキシ、ハロアルケニルオキシ、ハロアルキニルオキシ、アルキルチオ、アルケニルチオ、アルキニルチオ、ハロアルキルチオ、ハロアルケニルチオ、ハロアルキニルチオ、アルキルアミノ、アルケニルアミノ、アルキニルアミノ、ジアルキルアミノ、ジアルケニルアミノ、ジアルキニルアミノ、アルキル-アルケニルアミノ、アルキル-アルキニルアミノ、アルケニル-アルキニルアミノ、トリアルキルシリル、またはフェニルまたは酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜7員の飽和または部分的に不飽和のヘテロ環または酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環(当該フェニルと当該へテロ芳香族環は酸素または硫黄原子を介して結合していてもよい)であり;または-C(=G)Ra、-C(=G)ORa、-C(=G)NRa2、-C(=G)[N=SRa2]、-C(=NORa)Ra、-C(=NORa)NRa2、-C(=NNRa2)Ra、-OC(=G)-OC(=G)ORa、N=SRa2、-NRaC(=G)Ra、-N[C(=G)Ra]2、-NRaC(=G)ORa、-C(=G)NRa-NRa2、-C(=G)NRa-NRa[C(=G)Ra]、-NRa-C(=G)NRa2、-NRa-NRaC(=G)Ra、-NRa-N
[C(=G)Ra]2、-N[(C=G)Ra]-NRa2、-NRa-NRa[(C=G)GRa]、-NRa[(C=G)NRa2]、-NRa[C=NRa]Ra、-NRa(C=NRa)NRa2、-O-NRa2、-O-NRa(C=G)Ra、-SO2NRa2、-NRaSO2Ra、-S(=O)Ra、-S(=O)2Ra、-SO2ORa、または-OSO2Raであり;Gは酸素 または 硫黄であり;そしてRaは本明細書に定義した通りであり;R2は水素、ハロゲン、シアノ、アルキル、ハロアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、アルキニル、ハロアルキニル、アルコキシ、またはハロアルコキシであり;xは2、3、4、5、6、または7であり;ただし、R2が水素でありかつxが3または4であるとき、R1は5-クロロ-2,2,-ジメチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-7-イルでない]、またはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩またはN-オキシド;化合物 Iを調製するための方法および中間体、昆虫類、コナダニ類、または 線虫類を駆除するための化合物Iの使用;および化合物Iを用いて寄生虫による侵襲または感染に対して動物を処理、管理、予防または保護する方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、式I:
【化1】

【0002】
[式中、R1はフェニルまたは酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環であり、フェニルまたはへテロ芳香族環はフェニルおよび酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる、飽和、部分的に不飽和または芳香族の、5〜6員のヘテロ環から選択される環と環縮合していてもよく、前記フェニルまたは5〜6員のヘテロ芳香族環またはそれぞれの縮合環系は無置換であってもまたは1〜6個の基R3のいずれかの組合せにより置換されていてもよく;
R3はハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C6-シクロアルケニル、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C3〜C6-ハロシクロアルキル、C3〜C6-ハロシクロアルケニル、C1〜C6-アルコキシ、C2〜C6-アルケニルオキシ、C3〜C6-アルキニルオキシ、C1〜C6-ハロアルコキシ、C2〜C6-ハロアルケニルオキシ、C3〜C6-ハロアルキニルオキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C2〜C6-アルケニルチオ、C3〜C6-アルキニルチオ、C1〜C6-ハロアルキルチオ、C2〜C6-ハロアルケニルチオ、C3〜C6-ハロアルキニルチオ、C1〜C6-アルキルアミノ、C2〜C6-アルケニルアミノ、C2〜C6-アルキニルアミノ、ジ(C1〜C6-アルキル)アミノ、ジ(C2〜C6-アルケニル)アミノ、ジ(C2〜C6-アルキニル)アミノ、C1〜C6-アルキル-C2〜C6-アルケニルアミノ、C1〜C6-アルキル-C2〜C6-アルキニルアミノ、C1〜C6-アルケニル-C2〜C6-アルキニルアミノ、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、または
フェニルまたは酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜7員の飽和または部分的に不飽和のヘテロ環または酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環(当該フェニルと当該へテロ芳香族環は酸素または硫黄原子を介して結合していてもよい)であり、
前記基R3は無置換であるか、またはこれらの基の水素原子は全てまたは部分的に、Ra、または
-C(=G)Ra、-C(=G)ORa、-C(=G)NRa2、-C(=G)[N=SRa2]、-C(=NORa)Ra、-C(=NORa)NRa2、-C(=NNRa2)Ra、-OC(=G)-OC(=G)ORa、N=SRa2、-NRaC(=G)Ra、-N[C(=G)Ra]2、-NRaC(=G)ORa、-C(=G)NRa-NRa2、-C(=G)NRa-NRa[C(=G)Ra]、-NRa-C(=G)NRa2、-NRa-NRaC(=G)Ra、-NRa-N[C(=G)Ra]2、-N[(C=G)Ra]-NRa2、-NRa-NRa[(C=G)GRa]、-NRa[(C=G)NRa2]、-NRa[C=NRa]Ra、-NRa(C=NRa)NRa2、-O-NRa2、-O-NRa(C=G)Ra、-SO2NRa2、-NRaSO2Ra、-S(=O)Ra、-S(=O)2Ra、-SO2ORa、または-OSO2Raからなる群より選択される基の任意の組合わせにより置換されていてもよく;
Gは酸素または硫黄であり;
Raはそれぞれ独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C3〜C6-シクロアルケニル、C3〜C8-ハロシクロアルケニル、ORi、SRi、S(=O)Ri、S(=O)2Ri、NRiRj、-S(=O)2NRiR、C(=O)Ri、C(=O)ORi、C(=O)NRiRj、C(=NORi)Rj、-NRiC(=G)Rj、-N[C(=G)Ri]2、-NRiC(=G)ORj、-C(=G)NRi-NRj2、-SO2NRiRj、-NRiSO2Rj、SiRiyRj3-y(yは0〜3である)、または
フェニルまたは酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環であり、フェニルのまたはヘテロ芳香族環の炭素原子は1〜5個のハロゲンにより置換されていてもよく;
Ri、Rjはそれぞれ独立して水素、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C3〜C6-シクロアルケニル、C3〜C6-ハロシクロアルケニル、C1〜C6-アルコキシ、C2〜C6-アルケニルオキシ、C2〜C6-アルキニルオキシ、C1〜C6-ハロアルコキシ、C2〜C6-ハロアルケニルオキシであり;
R2は水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C1〜C6-アルコキシ、またはC1〜C6-ハロアルコキシであり;
xは2、3、4、5、6、または7であり;
ただし、R2が水素でありかつxが3または4であるとき、R1は5-クロロ-2,2,-ジメチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-7-イルでない]
のレゾルシン誘導体またはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩またはN-オキシドに関する。
【0003】
加えて、本発明は、化合物I、化合物Iを含む殺虫性組成物を調製する方法および式Iの化合物または組成物の殺虫上有効な量を昆虫類、コナダニ類もしくは線虫類または餌、生息地もしくは繁殖地と接触させることにより昆虫類、コナダニ類または線虫類を抑制する方法に関する。
【0004】
さらに、本発明はまた、植物の葉にまたは昆虫類またはコナダニ類が成長する土壌または水に式Iの組成物または化合物の殺虫上有効な量を施用することにより、栽培植物を昆虫類またはコナダニ類による攻撃または侵襲から保護する方法にも関する。
【0005】
本発明はまた、寄生虫による侵襲または感染に対して動物を治療し、管理し、予防しまたは保護する方法であって、式Iの組成物または化合物の寄生虫に対して有効な量を、動物に経口的に、局所にまたは非経口的に投与または施用するステップを含んでなる前記方法も提供する。
【背景技術】
【0006】
市販の殺虫剤、ダニ駆除薬および殺線虫類剤が今日では入手しうるに関わらず、生育するおよび収穫される両方の作物に対する昆虫類および線虫類により生じる被害はなお後を絶たない。それ故に、新しくかつより効果的な殺虫剤、殺ダニ剤および殺線虫類剤を開発するニーズは存続している。
【発明の開示】
【0007】
従って、本発明の目的は、昆虫類、コナダニ類または線虫類を抑制しかつ栽培植物を昆虫類、クモ形綱の動物または線虫類による攻撃または侵襲から保護するための新しい殺虫性組成物、新しい化合物および新しい方法を提供することにある。
【0008】
本発明者らは、これらの目的が式Iの組成物および化合物により達成されることを見出した。さらに、本発明者らは式Iの化合物を調製する方法を見出した。
【0009】
殺虫活性を示すレゾルシン誘導体は様々な文書:WO 03/042147、WO 04/098283、WO 04/098284、WO 04/099105、WO 04/052816、WO 04/113273、WO 04/020455、WO 04/002943、およびWO 05/019147に記載されている。これらの文書はレゾルシン環の4-位置に置換基を保持するレゾルシン誘導体を開示している。本発明のレゾルシン誘導体はレゾルシン環の4-位置が無置換である。
【0010】
本出願の優先権主張日の後に出願されたWO 06/047438において、レゾルシン環の4-位置が無置換でありうるレゾルシン誘導体が開示されている。かかる化合物として2例(化合物1および3)だけが与えられているものの、それらは両方とも本発明の主題ではない。WO 06/047438は4-置換されたレゾルシン誘導体が好ましいと明白に教示している。
【0011】
殺虫活性を示すキノン誘導体がEP-A 785923、JP 401128929、US 5,922,880、WO 96/04228、WO 96/11909、および WO 04/099197に記載されている。キノン類では2個の酸素原子が1,4-位置でフェニル環と結合しているが、レゾルシン誘導体では酸素原子はフェニル環の1,3-位置にある。
【0012】
一般に、式(I)のレゾルシン誘導体は化合物(II)の化合物(III)との反応:
【化2】

【0013】
により得ることができ、化合物(II)、(III)および(I)の変数は化合物Iに対して先に定義した意味を有する。
【0014】
一般に、前記反応は、当技術分野で公知の文献(例えば、Organikum, VEB Berlin 1988, page 198 ff; JP 5718646; J. Am. Chem. Soc. 1956, 78, p.6101、またはこれらの参考文献に引用された参考文献)に記載された求核置換の条件下で行われる。
【0015】
反応は好ましくは、塩基性条件下で行われる。好適な塩基は例えば、アルカリ水酸化物、アルカリ水素炭酸塩、アルカリ炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩など;またはさもなくば、水素化ナトリウムなどの水素化アルカリ;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたはルチジンなどのアミン類;またはリチウムヘキサメチルジシラジドまたはリチウムジイソプロピルアミンなどのリチウムアミドである。
【0016】
反応に用いることができる塩基の量は、通常、化合物(II)1モルに対して0.9〜5モルである。
【0017】
化合物(III)の好適な脱離基Xは、ハロゲン、好ましくはクロロ、ブロモまたはヨード、アルキルカルボン酸、安息香酸、アルキルスルホン酸、ハロアルキルスルホン酸またはアリールスルホン酸、最も好ましくはクロロである。
【0018】
反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン溶媒、またはこれらの溶媒の混合物中で、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃の温度範囲で行うのが有利である。
【0019】
もし化合物(III)が市販されてなければ、当業者が容易に入手しうる文献の手順に従って取得することができる。
【0020】
化合物(II)は化合物(VI)とアルコール(V)との反応、および次いで保護基PGの切断:
【化3】

【0021】
によって調製することができ、化合物(VI)および(V)の変数は化合物Iに対して先に定義した意味を有する。
【0022】
一般に、化合物(VI)とアルコール(V)との化合物(IV)への反応は、化合物(II)のアルキル化に対して先に記載した求核置換の条件下で行われる。当業者は、適当な条件をR.C. Larock 「包括的有機転化反応(Comprehensive Organic transformations)」, VCH Verlag, 1989, p. 445 ffに見出すことができる。
【0023】
反応は好ましくは、塩基性条件下で行われる。好適な塩基は例えば、アルカリ水酸化物、アルカリ水素炭酸塩、アルカリ炭酸塩、アルカリ土類金属水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩など;トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどのアミン類;またはリチウムヘキサメチルジシルアジドまたはリチウムジイソプロピルアミンなどのリチウムアミドである。
【0024】
反応物(VI)および(V)の化学量論は0.8〜1.5である。反応に用いることができる塩基の量は化合物(VI)1モルに対して通常0.8〜5モルである。
【0025】
化合物(VI)の好適な脱離基X'は、ハロゲン、好ましくはクロロ、ブロモまたはヨード、アルキルスルホン酸、ハロアルキルスルホン酸またはアリールスルホン酸、最も好ましくはクロロである。
【0026】
反応は、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン溶媒、またはこれらの溶媒の混合物中で、0℃〜100℃、好ましくは20℃〜80℃の温度範囲で行うのが有利である。
【0027】
保護基PGは、適当な文献に記載される、塩基性条件下で安定ないずれの保護基、例えば、メチル、ベンジル、ベンジルオキシカルボニル、メトキシメチルなどであってよい。保護基PGを切断する条件は、保護基の型に応じて変わり、水素分解的な、酸触媒によるまたは遷移金属触媒による方法を含む。これらの方法は当技術分野で、例えば、「保護基(Protecting groups)」, Kocienski Thieme Verlag 1994に、または「有機合成の保護基(Protective groups in organic synthesis)」, Greene Wuts, Wiley, 1999に記載されている。
【0028】
もしアルコール(V)が市販されてなければ、当技術分野で記載された、例えば、Joule, Mills, 「ヘテロ環化学(Heterocyclic Chemistry)」, Chapman+Hill 2000;Katritzky, Rees 「包括へテロ環化学(Comprehensive Heterocyclic Chemistry)」, Vol. 1-8, Pergamon Press 1984;「ヘテロ環化合物の化学(The Chemistry of Heterocyclic Compounds)」. Wiley, Vol. 14 (1974)、Vol. 29 (1974)、34 (1979)、37 (1981)、41 (1982)、49 (1991)またはHouben Weyl, 「合成の科学(The Science of Synthesis)」, Vol 9-22, Thieme 2005;またはそれらに引用される参考文献に記載の方法によって調製することができる。
【0029】
式(VI)の化合物は、化合物(VIII)と化合物(VII)との反応:
【化4】

【0030】
によって調製することができ、これらの化合物の変数は化合物Iに対して先に定義した意味を有しかつPGは先に定義した保護基である。
【0031】
反応は、化合物(II)のアルキル化について先に記載した求核置換の条件下で行われる。
【0032】
化合物(VII)の好適な脱離基X'およびX''はそれぞれ独立してハロゲン、好ましくはクロロ、ブロモまたはヨード、アルキルカルボン酸、安息香酸、アルキルスルホン酸、ハロアルキル酸またはアリールスルホン酸である。好ましくは、X'はクロロまたはブロモそしてX''はクロロまたはブロモである。
【0033】
もし式(VIII)のレゾルシン誘導体および化合物(VII)が市販されてなければ、当技術分野で公知の文献に従って、例えば、市販されているジメチルエーテルのメトキシ基の切断により、取得することができる。
【0034】
本発明のさらなる実施形態によれば、化合物(IV)は、第1ステップにおいて塩基の存在のもとで化合物(VI)を化合物R'COOHと反応させて化合物(IX)を得て;それを第2ステップにおいて塩基の存在のもとで化合物(V)と反応させて化合物(X)を得て;それを第3ステップにおいて化合物(XI)と反応させて化合物(IV)を得ることができ、
【化5】

【0035】
これらの化合物の変数は先に定義した意味を有する。
【0036】
第1ステップにおいて、化合物(VI)は、例えば、エステル化合物(IX)への反応と次いでこのエステルの塩基による鹸化によりアルコール化合物(X)に変換される。エステル(IX)は化合物(VI)を芳香族または脂肪族の酸R'COOH、例えば安息香酸、酢酸のカルボン酸などのカルボン酸塩を用いて処理することにより形成され、これらは非プロトン性溶媒中でin situで形成される。その塩はアルカリまたはアルカリ土類金属水酸化物、アルカリ水素炭酸塩、アルカリ炭酸塩、またはトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどのアミン塩基、ブチルリチウムなどのアルキルリチウム塩基、またはリチウムジイソプロピルアミンなどのリチウムアミドによって形成される。酸塩の量は化合物(VI)に対して0.9〜3モル当量を用いる。
【0037】
好適な溶媒はTHF、塩化メチレン、トルエン、アセトン、ジメチルホルムアミド、N-メチルピロリドンなどのような非プロトン性溶媒である。反応は0〜100℃、好ましくは20〜80℃の温度範囲で行われる。
【0038】
この中間体エステル(IX)の塩基性鹸化は当業者に公知の標準手順、例えば、Kocienski, 「保護基(Protecting groups)」, Thieme 1994, p. 22 ffに記載の方法によって行われる。
【0039】
先に記載した化合物(VI)のアルコール(V)との化合物(IV)への反応で記載した求核置換条件のもとで、アルコール化合物(X)を化合物R1Cl(XI)と反応させて化合物(IV)を形成させる。
【0040】
保護基PGは前記の通りである。
【0041】
もし化合物(XI)が市販されてなければ、当技術分野で公知の記載されている方法、例えば、Joule, Mills, 「ヘテロ環化学(Heterocyclic Chemistry)」, Chapman+Hill 2000;Katritzky, Rees 「包括へテロ環化学(Comprehensive Heterocyclic Chemistry)」, Vol. 1-8, Pergamon Press 1984;「ヘテロ環化合物の化学(The Chemistry of Heterocyclic Compounds)」. Wiley, Vol. 14 (1974)、Vol. 29 (1974)、34 (1979)、37 (1981)、41 (1982)、49 (1991)またはHouben Weyl, 「合成の科学(The Science of Synthesis)」, Vol 9-22, Thieme 2005;またはそれらに引用される参考文献に従って調製することができる。
【0042】
式(IV)、(VI)、(IX)および(X)の中間体は新規である。これらも本発明の主題に包含される。
【0043】
反応が終わると、式(I)の化合物を通常の方法、例えば、反応混合物を水に加え、有機溶媒を用いて抽出し、抽出物を濃縮するなどの方法を用いて単離することができる。単離した化合物(I)は、必要であれば、クロマトグラフィ、再結晶などの技法により精製することができる。
【0044】
もし個々の化合物Iが以上に記載した経路によって得ることができなければ、それらは他の化合物Iの誘導体化によりまたは記載した合成経路の慣用的な修飾により調製することができる。
【0045】
式Iの化合物を調製する場合、異性体混合物(立体異性体、エナンチオマー)として得ることがありうる。もし所望であれば、これらを、この目的に対する慣用の方法、例えば、光学活性吸着剤を用いる結晶化またはクロマトグラフィにより分割して純粋な異性体を得ることができる。
【0046】
化合物Iの農学上許容される塩は、慣用の方法で、例えば、目的のアニオンの酸との反応により形成させることができる。
【0047】
本明細書においておよびその請求の範囲において、いくつもの用語に対する言及が行われうるが、これらは次の意味を有すると定義されるものである。
【0048】
本明細書で使用される「塩」は、化合物Iのマレイン酸、ジマレイン酸、フマル酸、ジフマル酸、メタンスルフェン酸、メタンスルホン酸、およびコハク酸とのアダクツを含む。さらに、「塩」は、双性イオンを含む、アミン類、金属、アルカリ土類金属塩基または四級アンモニウム塩基と形成するものであってもよい。塩形成物として好適な金属およびアルカリ土類金属水酸化物には、バリウム、アルミニウム、ニッケル、銅、マンガン、コバルト、亜鉛、鉄、銀、リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの塩が含まれる。さらなる塩形成物には、塩化物、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、水素化物、および水酸化物が含まれる。望ましい塩には、化合物Iとマレイン酸、ジマレイン酸、フマル酸、ジフマル酸、およびメタンスルホン酸とのアダクツが含まれる。
【0049】
「ハロゲン」はフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味すると解釈しうる。
【0050】
本明細書で使用される用語「アルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖の飽和炭化水素基、例えばメチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル、ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、1,1-ジメチルエチル、ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピルおよび1-エチル-2-メチルプロピルを意味する。
【0051】
本明細書で使用される用語「ハロアルキル」は、1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(先に記載の通り)であって、これらの基のいくつかまたは全ての水素原子が前記ハロゲン原子により置換されていてもよい前記アルキル基、例えば、クロロメチル、ブロモメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、1-クロロエチル、1-ブロモエチル、1-フルオロエチル、2-フルオロエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチルおよびペンタフルオロエチルなどのC1〜C2-ハロアルキルを意味する。
【0052】
同様に、「アルコキシ」および「アルキルチオ」は、それぞれ、アルキル基のいずれかの結合において酸素または硫黄結合を介して結合した1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(先に記載の通り)を意味する。例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、イソプロピルチオ、およびn-ブチルチオが挙げられる。
【0053】
同様に、「アルキルスルフィニル」および「アルキルスルホニル」は、それぞれ、アルキル基のいずれかの結合において-S(=O)-または-S(=O)2-結合を介して結合した1〜6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖アルキル基(先に記載の通り)を意味する。例としては、メチルスルフィニルおよびメチルスルホニルが挙げられる。
【0054】
同様に、「アルキルアミノ」は、1〜6個の炭素原子を有する1または2個の直鎖または分枝鎖アルキル基(これらの基は同じであっても異なってもよい)を保持する窒素原子を意味する。例としては、メチルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルエチルアミノ、イソプロピルアミノ、またはメチルイソプロピルアミノが挙げられる。
【0055】
本明細書で使用される用語「アルケニル」は、2〜10個の炭素原子およびいずれかの位置に二重結合を有する分枝鎖または非分枝鎖の不飽和炭化水素基、例えば、C2〜C6-アルケニルエテニル、例えば、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチル-エテニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3-ブテニル、1-メチル-1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、1-メチル-2-プロペニル、2-メチル-2-プロペニル、1-ペンテニル、2-ペンテニル、3-ペンテニル、4-ペンテニル、1-メチル-1-ブテニル、2-メチル-1-ブテニル、3-メチル-1-ブテニル、1-メチル-2-ブテニル、2-メチル-2-ブテニル、3-メチル-2-ブテニル、1-メチル-3-ブテニル、2-メチル-3-ブテニル、3-メチル-3-ブテニル、1,1-ジメチル-2-プロペニル、1,2-ジメチル-1-プロペニル、1,2-ジメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-プロペニル、1-エチル-2-プロペニル、1-ヘキセニル、2-ヘキセニル、3-ヘキセニル、4-ヘキセニル、5-ヘキセニル、1-メチル-1-ペンテニル、2-メチル-1-ペンテニル、3-メチル-1-ペンテニル、4-メチル-1-ペンテニル、1-メチル-2-ペンテニル、2-メチル-2-ペンテニル、3-メチル-2-ペンテニル、4-メチル-2-ペンテニル、1-メチル-3-ペンテニル、2-メチル-3-ペンテニル、3-メチル-3-ペンテニル、4-メチル-3-ペンテニル、1-メチル-4-ペンテニル、2-メチル-4-ペンテニル、3-メチル-4-ペンテニル、4-メチル-4-ペンテニル、1,1-ジメチル-2-ブテニル、1,1-ジメチル-3-ブテニル、1,2-ジメチル-1-ブテニル、1,2-ジメチル-2-ブテニル、1,2-ジメチル-3-ブテニル、1,3-ジメチル-1-ブテニル、1,3-ジメチル-2-ブテニル、1,3-ジメチル-3-ブテニル、2,2-ジメチル-3-ブテニル、2,3-ジメチル-1-ブテニル、2,3-ジメチル-2-ブテニル、2,3-ジメチル-3-ブテニル、3,3-ジメチル-1-ブテニル、3,3-ジメチル-2-ブテニル、1-エチル-1-ブテニル、1-エチル-2-ブテニル、1-エチル-3-ブテニル、2-エチル-1-ブテニル、2-エチル-2-ブテニル、2-エチル-3-ブテニル、1,1,2-トリメチル-2-プロペニル、1-エチル-1-メチル-2-プロペニル、1-エチル-2-メチル-1-プロペニルおよび1-エチル-2-メチル-2-プロペニルなどを意図する。
【0056】
本明細書で使用される用語「アルキニル」は、2〜10個の炭素原子を有しかつ少なくとも1つの三重結合を含有する分枝鎖または非分枝鎖の不飽和炭化水素基、例えば、
エチニル、プロピニル、1-ブチニル、2-ブチニルなどを意味する。
【0057】
酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する5または6員のヘテロ芳香族環は、1個の窒素原子と酸素、窒素および硫黄から独立して選択される0〜2個のさらなるヘテロ原子を含有する5員のヘテロ芳香族環、例えば、ピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チオジアゾール;または酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロ芳香族環、例えばフランまたはチオフェン;または1個の窒素原子と酸素、窒素および硫黄から、好ましくは窒素から独立して選択される0〜2個のさらなるヘテロ原子を含有する6員のヘテロ芳香族環、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジンまたはトリアジンであってもよい。
【0058】
酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる
5〜6員の飽和、部分的に不飽和または芳香族ヘテロ環は、例えばピリジン、ピリミジン、(1,2,4)-オキサジアゾール、(1,3,4)-オキサジアゾール、ピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、ピラジン、ピリダジン、オキサゾリン、チアゾリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チアゾリジンである。好ましくは、この環系はピリジン、ピリミジン、(1,2,4)-オキサジアゾール、(1,3,4)-オキサジアゾール、ピロール、フラン、チオフェン、オキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、イソキサゾール、1,2,4-トリアゾール、テトラゾール、ピラジン、ピリダジン、オキサゾリン、チアゾリン、テトラヒドロピラン、モルホリン、ピペリジン、ピペラジン、ピロリン、ピロリジン、オキサゾリジン、チアゾリジンから選択される。最も好ましくは、この環系はジオキソラン、フラン、オキサゾール、またはチアゾールである。
【0059】
酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる、5〜7員の飽和または部分的に不飽和のヘテロ環は、例えば1個の窒素原子と酸素および窒素から独立して選択される0または1個のさらなるヘテロ原子を含有する5または7員のヘテロ芳香族環、例えば、モルホリン、ピペラジン、ピペリジンまたはピロリジンである。
【0060】
酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる、5または6員の飽和または部分的に不飽和のヘテロ芳香族環は、1個の窒素原子および酸素、窒素および硫黄から、好ましくは酸素および窒素から独立して選択される0〜2個のさらなるヘテロ原子を含有する5員のヘテロ芳香族環、例えばピロール、ピラゾール、イミダゾール、トリアゾール、オキサゾール、イソキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、イソチアゾール、チオジアゾール;または酸素および硫黄から選択される1個のヘテロ原子を含有する5員のヘテロ芳香族環、例えば、フランまたはチオフェン;または1個の窒素原子および酸素、窒素および硫黄から、好ましくは酸素および窒素から独立して選択される0〜2個のさらなるヘテロ原子を含有する6員のヘテロ芳香族環、例えば、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジンまたはトリアジンであってもよい。
【0061】
シクロアルキルは、単環の3〜6、8または10員の飽和炭素原子環、例えばC3〜C8-シクロアルキル、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、またはシクロオクチルである。
【0062】
式Iの化合物の意図する使用について、それら自身でのまたは組み合わせての使用におけるそれぞれの場合に、置換基が次の意味であることが特に好ましい:
xが2、3、4、5、6または7、好ましくは3、4、5または6である、式Iの化合物。
【0063】
R1がフェニルまたは1〜3個の窒素原子または1〜2個の窒素原子と1個の酸素もしくは1個の硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環であり、フェニルまたはヘテロ芳香族環はフェニルおよび酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員の飽和、部分的に不飽和または芳香族ヘテロ環から選択される環と環縮合していてもよい、式Iの化合物。
【0064】
R1がフェニルまたは1〜3個の窒素原子または1〜2個の窒素原子と1個の酸素もしくは1個の硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環であり、フェニルまたはヘテロ芳香族環はフェニルおよび酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員の部分的に不飽和または芳香族ヘテロ環から選択される環と環縮合していてもよい、式Iの化合物。
【0065】
R1がフェニルまたは1〜3個の窒素原子または1〜2個の窒素原子と1個の酸素もしくは1個の硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環であり、フェニルまたはヘテロ芳香族環はフェニルおよび酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員の飽和、部分的に不飽和または芳香族ヘテロ環から選択される環と環縮合していてもよい、式Iの化合物。
【0066】
R1がフェニルまたは1〜3個の窒素原子または1〜2個の窒素原子と1個の酸素もしくは1個の硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有する、5〜6員のヘテロ芳香族環である、式Iの化合物。
【0067】
R1が1〜4個の基、好ましくは1または3個の基R3の任意の組合わせにより置換された、式Iの化合物。
【0068】
R1がフェニルまたはピリジル、ピリミジル、ピリダジニル、トリアジニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、オキシジアゾリル、チアジアゾリル、およびトリアジニル、とりわけピリジルから選択される5〜6員のヘテロ芳香族環である、式Iの化合物。
【0069】
R1がフェニル、ピリジル、または、酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される1〜3個のヘテロ原子、好ましくは1〜2個のヘテロ原子を含有しうる5員の飽和、部分的に不飽和または芳香族のヘテロ環と環縮合したフェニルである、式Iの化合物。
【0070】
R1がフェニル、ピリジル、またはオキサゾール、チアゾール、ジオキソラン、テトラヒドロフランまたはフラニルと環縮合したフェニルである、式Iの化合物。
【0071】
R1がフェニル、ピリジル、またはオキサゾール、チアゾール、ジオキソランまたはフラニルと環縮合したフェニルである、式Iの化合物。
【0072】
R1が1〜3個の窒素原子または1〜2個の窒素原子と1個の酸素もしくは1個の硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しかつフェニルと環縮合していてもよい5〜6員のヘテロ芳香族環である、式Iの化合物。
【0073】
R1がフェニルである式Iの化合物が好ましい。
【0074】
R1がフェニルまたは2-ピリジルである式Iの化合物が好ましい。
【0075】
また、R1が1、2、3、または4重に、好ましくは1または3重に、最も好ましくは1重に、置換されたピリジル、好ましくは2-ピリジルである式Iの化合物も好ましい。そして好ましくは、置換基R3はハロゲン、C1〜C6-アルキルおよびC1〜C6-ハロアルキルから、より好ましくはハロゲン、C1〜C4-アルキルおよびC1〜C4-ハロアルキルから、さらにより好ましくはフッ素、塩素、メチルおよびトリフルオロメチルから、最も好ましくは塩素およびトリフルオロメチルから選択される。
【0076】
R2がハロゲン、好ましくは、塩素またはフッ素、メチル、またはトリフルオロメチルである、式Iの化合物。
【0077】
R2がハロゲン、好ましくは塩素またはフッ素である、式Iの化合物。
【0078】
R3がハロゲン、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C6-シクロアルキル、C1〜C6-アルコキシ、C2〜C6-アルケニルオキシ、C3〜C6-アルキニルオキシ、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C1〜C6-ハロアルコキシ、C2〜C6-ハロアルケニルオキシ、C3〜C6-ハロアルキニルオキシ、またはフェニルまたは酸素、硫黄または窒素から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜7員の飽和または部分的に不飽和のヘテロ環、または酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族の環系であり、前記フェニルおよび前記ヘテロ芳香族環は酸素または硫黄原子を介して結合していてもよく、前記の基R3が無置換であっても、またはこれらの基の水素原子が全てまたは部分的に、Ra、または
-C(=G)Ra、-C(=G)ORa、-C(=G)NRa2、-C(=NORa)Ra、-C(=NORa)NRa2、-NRaC(=G)Ra、-NRaC(=G)ORa、-NRa-C(=G)NRa2、-NRa[(C=G)NRa2]、-NRaSO2Ra、-S(=O)Ra、-S(=O)2Ra、-SO2ORa、または-OSO2Raからなる群より選択される基の任意の組合わせにより全てまたは部分的に置換されていてもよい、式Iの化合物。
【0079】
R3がハロゲン、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C1〜C6-アルコキシ、C2〜C6-アルケニルオキシ、C3〜C6-アルキニルオキシ、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-ハロアルケニル、C1〜C6-ハロアルコキシ、またはC2〜C6-ハロアルケニルオキシである、式Iの化合物。
【0080】
R3がハロゲン、好ましくは塩素またはフッ素、シアノ、C1〜C4-アルキル、またはC1〜C4-ハロアルキル、最も好ましくは塩素またはトリフルオロメチルである、式Iの化合物。
【0081】
R1が表Aの環系Qから選択される式Iのレゾルシン誘導体化合物がとりわけ好ましい。
【0082】



【0083】
[表中、置換は環系の置換パターンを意味しかつ#は結合部位を示し;環系Q.1〜Q.65およびQ.72〜Q.87の置換基は好ましくはそれぞれ独立してフッ素、塩素、臭素、シアノ、メチル、メトキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、トリフルオロメチルチオ、S(=O)2CH3およびS(=O)2CF3から選択され;環系Q.209〜Q.212の置換基Rqは好ましくはそれぞれ独立して水素、メチル、エチル、イソプロピルおよびアリルから選択され;環系Q.209〜Q.212の置換基Rpは好ましくはそれぞれ独立して水素、フッ素、塩素、臭素、メトキシ、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシから選択される]。
【0084】
QがQ.2〜Q.11からなる群より選択される式Iの化合物が好ましい。好ましい置換基R3は上記の通りであり、好ましくはハロゲン群、好ましくは塩素もしくはフッ素、シアノ、C1〜C4-アルキル、またはC1〜C4-ハロアルキル、最も好ましくは塩素またはトリフルオロメチルから選択される。
【0085】
これらの使用については、下表に編集した化合物Iが特に好ましい。さらに、表の置換基の項に記載の基はそれら自身で、独立して記載された組み合わせで、目的の置換基の特に好ましい実施形態である。
【0086】
表1
R2が塩素であり、xが2でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0087】
表2
R2がフッ素であり、xが2でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0088】
表3
R2が臭素であり、xが2でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0089】
表4
R2がシアノであり、xが2でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0090】
表5
R2がメチルであり、xが2でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0091】
表6
R2がトリフルオロメチルであり、xが2でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0092】
表7
R2がメトキシであり、xが2でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0093】
表8
R2が塩素であり、xが3でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0094】
表9
R2がフッ素であり、xが3でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0095】
表 10
R2が臭素であり、xが3でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0096】
表 11
R2がシアノであり、xが3でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0097】
表12
R2がメチルであり、xが3でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0098】
表13
R2がトリフルオロメチルであり、xが3でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0099】
表14
R2がメトキシであり、xが3でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0100】
表15
R2が塩素であり、xが4でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0101】
表16
R2がフッ素であり、xが4でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0102】
表17
R2が臭素であり、xが4でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0103】
表18
R2がシアノであり、xが4でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0104】
表19
R2がメチルであり、xが4でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0105】
表20
R2がトリフルオロメチルであり、xが4でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0106】
表21
R2がメトキシであり、xが4でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0107】
表22
R2が塩素であり、xが5でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0108】
表23
R2がフッ素であり、xが5でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0109】
表24
R2が臭素であり、xが5でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0110】
表25
R2がシアノであり、xが5でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0111】
表26
R2がメチルであり、xが5でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0112】
表27
R2がトリフルオロメチルであり、xが5でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0113】
表28
R2がメトキシであり、xが5でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0114】
表29
R2が塩素であり、xが6でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0115】
表30
R2がフッ素であり、xが6でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0116】
表31
R2が臭素であり、xが6でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0117】
表32
R2がシアノであり、xが6でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0118】
表33
R2がメチルであり、xが6でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0119】
表34
R2がトリフルオロメチルであり、xが6でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0120】
表35
R2がメトキシであり、xが6でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0121】
表36
R2が塩素であり、xが7でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0122】
表37
R2がフッ素であり、xが7でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0123】
表38
R2が臭素であり、xが7でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0124】
表39
R2がシアノであり、xが7でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0125】
表40
R2がメチルであり、xが7でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0126】
表41
R2がトリフルオロメチルであり、xが7でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0127】
表42
R2がメトキシであり、xが7でありかつそれぞれの場合のR1とR3の組合わせが表Bの列に対応する、式Iの化合物。
【0128】























【0129】



【0130】
式Iの化合物は次の害虫を効率的に駆除するためにとりわけ好適である:
鱗翅目の昆虫類(鱗翅類):例えばAgrotis ypsilon(タマナヤガ)、Agrotis segetum(カブラヤガ)、Alabama argillacea、Anticarsia gemmatalis、Argyresthia conjugella(リンゴヒメシンクイ)、Autographa gamma(ガンマキンウワバ)、Bupalus piniarius、Cacoecia murinana、Capua reticulana、Cheimatobia brumata、Choristoneura fumiferana(トウヒシントメハマキ)、Choristoneura occidentalis、Cirphis unipuncta(アワヨトウ)、Cydia pomonella(コドリンガ)、Dendrolimus pini、Diaphania nitidalis、Diatraea grandiosella、Earias insulana(ミスジアオリンガ)、Elasmopalpus lignosellus、Eupoecilia ambiguella(ブドウホソハマキ)、Evetria bouliana、Feltia subterranea、Galleria mellonella(ハチノスツヅリガ)、Grapholitha funebrana、Grapholitha molesta(ナシヒメシンクイ)、Heliothis armigera(オオタバコガ)、Heliothis virescens(害虫オオタバコガ)、Heliothis zea、Hellula undalis(ハイマダラノメイガ)、Hibernia defoliaria、Hyphantria cunea(アメリカシロヒトリ)、Hyponomeuta malinellus、Keiferia lycopersicella、Lambdina fiscellaria、Laphygma exigua(シロイチモンジヨトウ)、Leucoptera coffeella、Leucoptera scitella、Lithocolletis blancardella、Lobesia botrana(ホソバヒメハマキ)、Loxostege sticticalis、Lymantria dispar(マイマイガ)、Lymantri
a monacha(ノンネマイマイ)、Lyonetia clerkella(モモハモグリガ)、Malacosoma neustria(オビカレハ)、Mamestra brassicae(ヨトウガ)、Orgyia pseudotsugata、Ostrinia nubilalis(ヨーロッパアワノメイガ)、Panolis flammea(マツキリガ)、Pectinophora gossypiella(ワタアカミムシ)、Peridroma saucia(ニセタマナヤガ)、Phalera bucephala、Phthorimaea operculella(ジャガイモキバガ)、Phyllocnistis citrella(ミカンハモグリガ)、Pieris brassicae(オオモンシロチョウ)、Plathypena scabra、Plutella xylostella(コナガ)、Pseudoplusia includens、Rhyacionia frustrana、Scrobipalpula absoluta、Sitotroga cerealella(バクガ)、Sparganothis pilleriana(テングハマキ)、Spodoptera frugiperda、Spodoptera littoralis、Spodoptera litura(ハスモンヨトウ)、Thaumatopoea pityocampa、Tortrix viridana、Trichoplusia ni(イラクサギンウワバ)、およびゼZeiraphera canadensis;
甲虫類(鞘翅目):例えば、Agrilus sinuatus(アカバナガタマムシ)、Agriotes lineatus、Agriotes obscurus、Amphimallus solstitialis、Anisandrus dispar、Anthonomus grandis(ワタミハナゾウムシ)、Anthonomus pomorum(ナシハナゾウムシ)、Aphthona euphoridae、Athous haemorrhoidalis、Atomaria linearis、Blastophagus piniperda、Blitophaga undata、Bruchus rufimanus(ソラマメゾウムシ)、Bruchus pisorum(エンドウゾウムシ)、Bruchus lentis、Byctiscus betulae(ドロハマキチョッキリ)、Cassida nebulosa(カメノコハムシ)、Cerotoma trifurcata、Cetonia aurata、Ceuthorrhynchus assimilis、Ceuthorrhynchus napi、Chaetocnema tibialis、Conoderus vespertinus、Crioceris asparagi、Ctenicera ssp.、Diabrotica longicornis、Diabrotica semipunctata、Diabrotica 12-punctata、Diabrotica speciosa、Diabrotica virgifera、Epilachna varivestis(インゲンテントウ)、Epitrix hirtipennis、Eutinobothrus brasiliensis、Hylobius abietis(マツアナアキゾウムシ)、Hypera brunneipennis、Hypera postica(アルファルファタコゾウムシ)、Ips typographus(ヤツバキクイムシ)、Lema bilineata、Lema melanopus、Leptinotarsa decemlineata(コロラドハムシ)、Limonius californicus、Lissorhoptrus oryzophilus(イネミズゾウムシ)、Melanotus commun
is、Meligethes aeneus、Melolontha hippocastani、Melolontha melolontha(ヨーロッパコフキコガネ)、Oulema oryzae(イネクビボソハムシ)、Ortiorrhynchus sulcatus、Otiorrhynchus ovatus、Phaedon cochleariae、Phyllobius pyri、Phyllotreta chrysocephala、Phyllophaga sp.、Phyllopertha horticola、Phyllotreta nemorum、Phyllotreta striolata(キスジノミハムシ)、Popillia japonica(マメコガネ)、Sitona lineatus、およびSitophilus granaria;
ハエ類、カ類(双翅目):例えば Aedes aegypti(ネッタイシマカ)、Aedes albopictus、Aedes vexans(ヤブカ)、Anastrepha ludens、Anopheles maculipennis、Anopheles crucians、Anopheles albimanus、Anopheles gambiae、Anopheles freeborni、Anopheles leucosphyrus、Anopheles minimus、Anopheles quadrimaculatus、Calliphora vicina、Ceratitis capitata(チチュウカイミバエ)、Chrysomya bezziana(ラセンウジバエ)、Chrysomya hominivorax、Chrysomya macellaria、Chrysops discalis、Chrysops silacea、Chrysops atlanticus、Cochliomyia hominivorax、Contarinia sorghicola(ソルガムタマバエ)、Cordylobia anthropophaga、Culicoides furens、Culex pipiens(アカイエカ)、Culex nigripalpus、Culex quinquefasciatus、Culex tarsalis、Culiseta inornata、Culiseta melanura、Dacus cucurbitae(ウリミバエ)、Dacus oleae(オリーブミバエ)、Dasineura brassicae、Delia antique、Delia coarctata、Delia platura、Delia radicum、Dermatobia hominis、Fannia canicularis(ヒメイエバエ)、Geomyza Tripunctata、Gasterophilus intestinalis(ウマバエ)、Glossina morsitans(ツェツェバエ)、Glossina palpalis、Glossina fuscipes、Glossina tachinoides、Haematobia irritans(ノサシバエ)、Haplodiplosis equestris、Hippelates spp.、Hylemyia platura、Hypoderma lineata、Leptoconops torrens、Liriomyza sativae(トマトハモグリバエ)、Liriomyza trifolii(マメハモグリバエ)、Lucilia caprina(ヒツジキンバエ)、Lucilia cuprina、Lucilia sericata(ヒロズキンバエ)、Lycoria pectoralis、Mansonia titillanus、Mayetiola destructor(ヘシアンバエ)、Musca domestica(イエバエ)、Muscina stabulans(オオイエバエ)、Oestrus ovis(ヒツジバエ)、Opomyza florum、Oscinella frit、Pegomya hysocyami、Phorbia antiqua、Phorbia brassicae、Phorbia coarctata、Phlebotomus argentipes、Psorophora columbiae、Psila rosae、Psorophora discolor、Prosimulium mixtum、Rhagoletis cerasi、Rhagoletis pomonella、Sarcophaga haemorrhoidalis、Sarcophaga sp.、Simulium vittatum、Stomoxys calcitrans、Tabanus bovinus、Tabanus atratus、Tabanus lineola、Tabanus similis、Tipula oleracea、およびTipula paludosa;
アザミウマ(総翅目)、例えば、Dichromothrips corbetti、Dichromothrips ssp 、Frankliniella fusca、Frankliniella occidentalis(ミカンキイロアザミウマ)、Frankliniella tritici、Scirtothrips citri、Thrips oryzae、Thrips palmi および Thrips tabaci(ネギアザミウマ);
シロアリ(等翅目)、例えば、Calotermes flavicollis、Leucotermes flavipes、Heterotermes aureus、Reticulitermes flavipes、Reticulitermes virginicus、Reticulitermes lucifugus、Termes natalensis、およびCoptotermes formosanus;
ゴキブリ類(網翅目-ゴキブリ目)(Blattaria Blattaria - Blattodea)、例えば、Blattella germanica、Blattella asahinae、Periplaneta americana、Periplaneta japonica、Periplaneta brunnea、Periplaneta fuligginosa、Periplaneta australasiae、およびBlatta orientalis;
いわゆるムシ類(true bugs)(半翅目):例えばAcrosternum hilare、Blissus leucopterus、Cyrtopeltis notatus、Dysdercus cingulatus(アカホシカメムシ)、Dysdercus intermedius、Eurygaster integriceps、Euschistus impictiventris、Leptoglossus phyllopus、Lygus lineolaris、Lygus pratensis(ミドリメクラカメムシ)、Nezara viridula(ミナミアオカメムシ)、Piesma quadrata、Solubea insularis、Thyanta perditor、Acyrthosiphon onobrychis、Adelges laricis(カラマツカサアブラムシ)、Aphidula nasturtii、Aphis fabae(マメクロアブラムシ)、Aphis forbesi(イチゴネアブラムシ)、Aphis pomi(ナシアブラムシ)、Aphis gossypii(ワタアブラムシ)、Aphis grossulariae(ハエアブラムシ)、Aphis schneideri、Aphis spiraecola(ユキヤナギアブラムシ)、Aphis sambuci、Acyrthosiphon pisum(エンドウヒゲナガアブラムシ)、Aulacorthum solani(ジャガイモヒゲナガアブラムシ)、Bemisia argentifolii、Brachycaudus cardui、Brachycaudus helichrysi(ムギワラギクオマルアブラムシ)、Brachycaudus persicae(モモアブラムシ)、Brachycaudus prunicola(ウメアブラムシ)、Brevicoryne brassicae(ダイコンアブラムシ)、Capitophorus horni(ホップアブラムシ)、Cerosipha gossypii、Chaetosiphon fragaefolii、Cryptomyzus ribis、Dreyfusia nordmannianae、Dreyfusia piceae、Dysaphis radicola、Dysaulacorthum pseudosolani、Dysaphis plantaginea、Dysaphis pyri、Empoasca fabae(ジャガイモヒメヨコバイ)、Hyalopterus pruni(モモコナフキアブラムシ)、Hyperomyzus lactucae(チシャミドリアブラムシ)、Macrosiphum avenae(ムギヒゲナガアブラムシ)、Macrosiphum euphorbiae(チュウリップヒゲナガアブラムシ)、Macrosiphon rosae、Megoura viciae、Melanaphis pyrarius(ススキアブラムシ)、Metopolophium dirhodum(ムギウスイロアブラムシ)、Myzodes persicae、Myzus ascalonicus、Myzus cerasi、Myzus varians(カワリコブアブラムシ)、Nasonovia ribis-nigri(レタスアブラムシ)、Nilaparvata lugens(トビイロウンカ)、Pemphigus bursarius(レタス根アブラムシ)、Perkinsiella saccharicida(クロツノウンカ)、Phorodon humuli(ホップイボアブラムシ)、Psylla mali(ワタキジラミ)、Psylla piri(ナシキジラミ)、Rhopalomyzus ascalonicus、Rhopalosiphum maidis(トウモロコシアブラムシ)、Rhopalosiphum padi(ムギクビレアブラムシ)、Rhopalosiphum insertum(リンゴクビレアブラムシ)、Sappaphis mala(ハナマルアブラムシ)、Sappaphis mali(リンゴマルアブラムシ)、Schizaphis graminum(ムギミドリアブラムシ)、Schizoneura lanuginosa、Sitobion avenae(オートムギアブラムシ)、Trialeurodes vaporariorum(オンシツコナジラミ)、Toxoptera aurantii(ダイダイクロアブラムシ)、Viteus vitifolii(ブドウネアブラムシ)、Cimex lectularius(トコジラミ)、Cimex hemipterus(ネッタイトコジラミ)、Reduvius senilis(ケジロサシガメ)、Triatoma spp.(種サシガメ)、およびArilus critatus;
アリ類、ミツバチ類、スズメバチ類、ハバチ類(膜翅目):例えば、Athalia rosae(カブラハバチ)、Atta cephalotes、Atta capiguara、Atta cephalotes、Atta laevigata、Atta robusta、Atta sexdens(チャイロハキリアリ)、Atta texana(ハキリアリ)、Crematogaster spp.(クレマトガスター種のアリ;シロアゲアリの一種)、Hoplocampa minuta、Hoplocampa testudinea、Monomorium pharaonis(イエヒメアリ)、Solenopsis geminata(アカカミアリ)、Solenopsis invicta(アカミカミアリ)、Solenopsis richteri(カミアリの一種)、Solenopsis xyloni(カミアリの一種)、Pogonomyrmex barbatus(アカシュウカクアリ)、Pogonomyrmex californicus(シュウカクアリの一種)、Pheidole megacephala、Dasymutilla occidentalis(アリモドキバチの一種)、Bombus spp.(ボンバス種のアリ、オオマルハナバチの一種)、Vespula squamosa(スズメバチの一種)、Paravespula vulgaris(スズメバチの一種)、Paravespula pennsylvanica(スズメバチの一種)、Paravespula germanica(スズメバチの一種)、Dolichovespula maculata(カオシロムラスズメバチの一種)、Vespa crabro(モンスズメバチ)、Polistes rubiginosa(バラアシナガバチ)、Camponotus floridanus、およびLinepitheum humile(アルゼンチンアリ);
コオロギ類、バッタ類、イナゴ類(直翅目):例えば Acheta domestica(ヨーロッパイエコオロギ)、Gryllotalpa gryllotalpa、Locusta migratoria(トノサマバッタ)、Melanoplus bivittatus、Melanoplus femurrubrum、Melanoplus mexicanus、Melanoplus sanguinipes、Melanoplus spretus、Nomadacris septemfasciata(アカトビバッタ)、Schistocerca americana(アメリカイナゴ)、Schistocerca gregaria、Dociostaurus maroccanus、Tachycines asynamorus、Oedaleus senegalensis、Zonozerus variegatus、Hieroglyphus daganensis、Kraussaria angulifera、Calliptamus italicus、Chortoicetes terminifera、および Locustana pardalina;
クモ形綱クモ亜綱、例えばArgasidae(ヒメダニ)科、Ixodidae(マダニ)科およびSarcoptidae(ヒゼンダニ)科のクモ形類:例えば、Amblyomma americanum、Amblyomma variegatum(マダニ)、Ambryomma maculatum、Argas persicus、Boophilus annulatus、Boophilus decoloratus、Boophilus microplus(オウシマダニ)、Dermacentor silvarum、Dermacentor andersoni、Dermacentor variabilis、Hyalomma truncatum、Ixodes ricinus、Ixodes rubicundus、Ixodes scapularis、Ixodes holocyclus、Ixodes pacificus、Ornithodorus moubata、Ornithodorus hermsi、Ornithodorus turicata、Ornithonyssus bacoti、Otobius megnini、Dermanyssus gallinae(ワクモ)、Psoroptes ovis(ヒツジキュウセンヒゼンダニ)、Rhipicephalus sanguineus、Rhipicephalus appendiculatus、Rhipicephalus evertsi、Sarcoptes scabiei(ヒゼンダニ)、およびEriophyidae spp.(フシダニ種のダニ)、例えば、Aculus schlechtendali(リンゴサビダニ)、Phyllocoptrata oleivora(オレンジサビダニ)およびEriophyes sheldoni(アオケシサビダニ);Tarsonemidae spp.(ホコリダニ種のダニ)、例えば、Phytonemus pallidus(シクラメンホコリダニ)およびPolyphagotarsonemus latus(チャノホコリダニ);Tenuipalpidae spp.(ヒメハダニ種のダニ)、例えば、Brevipalpus phoenicis(ミナミヒメハダニ);Tetranychidae spp.(ハダニ種のダニ)、例えば、Tetranychus cinnabarinus(ニセナミハダニ)、Tetranychus kanzawai(カンザワハダニ)、Tetranychus pacificus(オウトウハダニ)、Tetranychus telarius(ダイズハダニ);ならびにTetranychus urticae(ナミハダニ)、Panonychus ulmi(リンゴハダニ)、Panonychus citri(ミカンハダニ)、およびOligonychus pratensis(ドテシバハダニ)、Araneida、例えば、Latrodectus mactans、およびLoxosceles reclusa;
ノミ類(隠翅目):例えば、Ctenocephalidea felis(ネコノミ)、Ctenocephalides canis(イヌノミ)、Xenopsylla cheopsis(ケオプスネズミノミ)、Pulex irritans(ヒトノミ)、Tunga penetrans(スナノミ)、およびNosopsyllus fasciatus(ヨーロッパネズミノミ);
シミ、マダラシミ(Thysanura)、例えば、Lepisma saccharinaおよびThermobia domestica;
ムカデ(Chilopoda)、例えば、Scutigera coleoptrata;
ヤスデ(Diplopoda)、例えば、Narceus spp.;
ハサミムシ(Dermaptera)、例えば、Forficula auricularia;
シラミ類(シラミ目)、例えばPediculus humanus capitis(アタマシラミ)、Pediculus humanus corporis(コロモジラミ)、Pythirus pubis(ケジラミ)、Haematopinus eurysternus(ウシジラミ)、Haematopinus suis(ブタジラミ)、Linognathus vituli(ウシホソジラミ)、Bovicola bovis、Menopon gallinae、Menacanthus stramineusおよびSolenopotes capillatus;
植物寄生線虫類、例えば、ネコブ線虫類、例えば、Meloidogyne arenaria(アレナリアネコブセンチュウ)、Meloidogyne chitwoodi(コロンビアネコブセンチュウ)、Meloidogyne exigua(コーヒーネコブセンチュウ)、Meloidogyne hapla(キタネコブセンチュウ)、Meloidogyne incognita(サツマイモネコブセンチュウ)、Meloidogyne javanica(ジャワネコブセンチュウ)およびその他のネコブセンチュウ属;シスト線虫類、Globodera rostochiensis(ジャガイモシストセンチュウ)、Globodera pallida(ジャガイモシロシストセンチュウ)、Globodera tabacum(タバコシストセンチュウ)およびその他のGlobodera属;Heterodera avenae(ムギシストセンチュウ)、Heterodera glycines(ダイズシストセンチュウ)、Heterodera schachtii(テンサイシストセンチュウ)、Heterodera trifolii(クローバシストセンチュウ)、およびその他のHeterodera属;種子につく線虫類、Anguina funesta、Anguina tritici(コムギツブセンチュウ)およびその他のAnguina属;茎や葉につく線虫類、Aphelenchoides besseyi(イネシンガレセンチュウ)、Aphelenchoides fragariae(イチゴセンチュウ)、Aphelenchoides ritzemabosi(ハガレセンチュウ)およびその他のAphelenchoides属;有刺(sting)線虫類、Belonolaimus longicaudatusおよびその他のBelonolaimus属;松線虫類、Bursaphelenchus xylophilus(マツノザイセンチュウ)およびその他のBursaphelenchus属;環状線虫類、Criconema属、Criconemella属、Criconemoides属、およびMesocriconema属;茎や球根につく線虫類、Ditylenchus destructor(イモグサレセンチュウ)、Ditylenchus dipsaci(ナミクキセンチュウ)、Ditylenchus myceliophagus(キノコセンチュウ)およびその他のDitylenchus属;錐状(awl)線虫類、Dolichodorus属;らせん状線虫類、Helicotylenchus dihystera(ナミラセンセンチュウ)、Helicotylenchus multicinctusおよびその他のHelicotylenchus属;Rotylenchus robustusおよびその他のRotylenchus属;鞘状線虫類、Hemicycliophora属およびHemicriconemoides属;Hirshmanniella属;槍状線虫類、Hoplolaimus columbus、Hoplolaimus galeatusおよびその他のHoplolaimus属;ニセネコブ線虫類、Nacobbus aberransおよびその他のNacobbus属;針状線虫類、Longidorus elongatesおよびその他のLongidorus属;ピン状線虫類、Paratylenchus属;病変線虫類、Pratylenchus brachyurus、Pratylenchus coffeae(ミナミネグサレセンチュウ)、Pratylenchus curvitatus(ピンセンチュウ)、Pratylenchus goodeyi、Pratylencus neglectus、Pratylenchus penetrans(キタネグサレセンチュウ)、Pratylenchus scribneri(ネグサレセンチュウ)、Pratylenchus vulnus(クルミネグサレセンチュウ)、Pratylenchus zeae(モロコシネグサレセンチュウ)およびその他のPratylenchus属;Radinaphelenchus cocophilusおよびその他のRadinaphelenchus属;穿孔(burrowing)線虫類、Radopholus similis(バナナネモグリセンチュウ)およびその他のRadopholus属;腎臓形(reniform)線虫類;Rotylenchulus reniformis(ニセフクロセンチュウ)およびその他のRotylenchulus属;Scutellonema属;短根(stubby root)線虫類、Trichodorus primitivusおよびその他のTrichodorus属;Paratrichodorus minorおよびその他のParatrichodorus属;発育阻害(stunt)線虫類、Tylenchorhynchus claytoni(イシュクセンチュウ)、Tylenchorhynchus dubiusおよびその他のTylenchorhynchus属およびMerlinius属;柑橘線虫類、Tylenchulus semipenetrans(ミカンネセンチュウ)およびその他のTylenchulus属;dagger(ダガー)線虫類、Xiphinema americanum(アメリカオオハリセンチュウ)、Xiphinema index(ブドウオオハリセンチュウ)、Xiphinema diversicaudatumおよびその他のXiphinema属、ならびに、その他の植物寄生線虫類。
【0131】
製剤は公知の方法で、例えば、活性化合物を農芸化学品の製剤用に好適な助剤、例えば、溶媒および/または担体、もし所望であれば、乳化剤、界面活性剤および分散剤、保存剤、消泡剤、凍結防止剤、また、種子処理製剤のために場合により着色剤および結合剤とともに、伸展させることにより調製する(例えば、総括については、US 3,060,084、EP-A 707 445(液濃縮物について);Browning, 「凝集(Agglomeration)」, Chemical Engineering, Dec. 4, 1967, 147-48;Perry's Chemical Engineer's Handbook, 4th Ed., McGraw-Hill, New York, 1963, pages 8-57など;WO 91/13546、US 4,172,714、US 4,144,050、US 3,920,442、US 5,180,587、US 5,232,701、US 5,208,030、GB 2,095,558、US 3,299,566;Klingman, Weed Control as a Science, John Wiley and Sons, Inc., New York, 1961;Hanceら, Weed Control Handbook, 8th Ed., Blackwell Scientific Publications, Oxford, 1989;Mollet, H., Grubemann, A., Formulation technology, Wiley VCH Verlag GmbH, Weinheim (Germany), 2001;およびD. A. Knowles, Chemistry and Technology of Agrochemical Formulations, Kluwer Academic Publishers, Dordrecht, 1998 (ISBN 0-7515-0443-8)を参照されたい)。
【0132】
好適な溶媒の例は水、芳香族溶媒(例えばSolvessoの製品であるキシレン)、パラフィン類(例えば石油留分)、アルコール類(例えばメタノール、ブタノール、ペンタノール、ベンジルアルコール)、ケトン類(例えば、シクロヘキサノン、γ-ブチロラクトン)、ピロリドン類(NMP、NOP)、アセテート類(二酢酸グリコール)、グリコール類、脂肪酸ジメチルアミド類、脂肪酸類、および脂肪酸エステル類である。基本的には、溶媒混合物も用いることができる。
【0133】
好適な担体の例は、粉砕天然鉱物(例えば、カオリン、クレイ、タルク、チョーク)や粉砕合成鉱物(例えば高度分散シリカ、ケイ酸塩)である。
【0134】
好適な乳化剤は非イオン性および陰イオン性乳化剤(例えば、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネート、およびアリールスルホネート)である。
【0135】
分散化剤の例はリグノ亜硫酸廃液やメチルセルロースである。
【0136】
使用される好適な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸、ジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、およびアンモニウム塩;アルキルアリールスルホネート、硫酸アルキル、スルホン酸アルキル、脂肪アルコール硫酸エステル;脂肪酸;および硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル;さらにはスルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドの縮合物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合物;ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル;エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール;アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル;アルキルアリールポリエーテルアルコール;アルコールと脂肪アルコール、エチレンオキシドの縮合物;エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン亜硫酸廃液、およびメチルセルロースである。
【0137】
直接散布可能な溶液、乳液、ペースト、またはオイル分散液を調製するのに適している材料は:中〜高沸点の石油留分、例えばケロシンおよびディーゼル油、さらにはコールタール油ならびに植物または動物由来の油;脂肪族、環式および芳香族炭化水素、例えばトルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンまたはそれらの誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、イソホロン、強極性溶剤、例えばジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドン、または水である。
【0138】
凍結防止剤、例えば、グリセリン、エチレン グリコール、プロピレングリコールおよび殺細菌剤も製剤に加えることができる。
【0139】
好適な消泡剤は、例えば、ケイ素またはマグネシウムステアリン酸エステル系の消泡剤である。
【0140】
粉剤、広域散布用製剤および散粉可能な(dustable)製剤は、本活性物質と固形担体を混合するまたは同時に粉砕することによって調製することができる。
【0141】
粒剤、例えば被覆粒剤、含浸粒剤および均質粒剤は、本活性化合物を固体担体と結合させることにより調製することができる。固体担体の例は、鉱物質土類、例えば、シリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アタクレー(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、膠灰粘土、黄土、粘土、ドロマイト、ケイ藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕合成物質など、肥料、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素など、および栽培植物由来の産物、例えば、穀粉、樹皮粉、木粉および堅果殻粉、セルロース粉末、ならびにその他の固体担体である。
【0142】
一般に、製剤は0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の活性化合物を含む。この場合、活性化合物は、90%〜100重量%、好ましくは95%〜100重量%の純度(NMRスペクトルによる)で使用される。
【0143】
式Iの化合物はそのまま、それらの製剤の剤形でまたはそれらから調製された使用剤形で、例えば、直接散布可能な溶液、粉剤、懸濁液もしくは分散液、乳濁液、油分散液、ペースト、散粉可能製品、散布用物質、または粒剤の剤形で、噴霧、アトマイズ、散粉、散布または注入の方法により使うことができる。使用剤形は、全く、意図する目的に応じるものであり;いずれの場合にも、その剤形は本発明による活性化合物のできるだけ微細な分布を確実にすることを意図する。
【0144】
水性の使用剤形は、乳剤濃縮物、ペーストまたは水和性粉末(噴霧可能な粉末、油分散液)から、水を加えることにより調製することができる。乳剤、ペーストまたは油分散液を調製するためには、当該物質をそのまま、または油もしくは溶媒に溶解して、水中で湿潤剤、粘着付与剤、分散化剤または乳化剤を用いてホモジナイズしてもよい。しかし、活性物質、湿潤剤、粘着付与剤、分散化剤または乳化剤および、もし適当であれば、溶媒または油から構成される濃縮物を調製することもできるのであって、かかる濃縮物は水を用いて希釈するのに好適である。
【0145】
用時調製の活性化合物濃度は、比較的広い範囲で変えることができる。一般にそれらは、0.0001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%である。
【0146】
活性化合物はまた、超微量散布法(ULV)で首尾よく用いることもでき、95重量%を超える活性化合物または無添加の活性化合物からなる製剤を施用することができる。
【0147】
次は製剤の例である:
1 葉に施用する、水で希釈する製品
種子処理のために、かかる製品を希釈してまたは無希釈のまま種子に施用することができる。
【0148】
A) 水溶性濃縮物(SL、LS);活性化合物の10重量部を水または水溶性溶媒の90重量部を用いて溶解する。代わりの方法として、湿潤剤または他の助剤を加える。活性化合物は水を用いて希釈すると溶解し、それにより、活性化合物の10%(w/w)の製剤を得る。
【0149】
B) 分散性濃縮物(DC);活性化合物の20重量部を、分散化剤、例えばポリビニルピロリドンの10重量部を加えると共にシクロヘキサノンの75重量部に溶解する。水を用いて希釈すると分散液を得て、それにより、活性化合物濃度の20%(w/w)の製剤が得られる。
【0150】
C) 乳濁性濃縮物(EC);活性化合物の15重量部を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ヒマシ油(それぞれ5重量部)を加えると共にキシレンの75重量部に溶解する。水を用いて希釈すると乳剤を得て、それにより、活性化合物の15%(w/w)の製剤が得られる。
【0151】
D) 乳剤(EW、EO、ES);活性化合物の40重量部を、ドデシルベンゼンスルホン酸カルシウムおよびエトキシル化ヒマシ油(それぞれ5重量部)を加えると共にキシレンの35重量部に溶解する。この混合物を、乳濁化装置(例えば、Ultraturrax)を用いて水の30重量部中に加え、そして均質な乳剤を作る。水を用いて希釈すると乳剤を得て、それにより、活性化合物の25%(w/w)の製剤が得られる。
【0152】
E) 懸濁液(SC、OD、FS);攪拌式ボールミル中で、活性化合物の20重量部を、分散化剤および湿潤剤の10重量部および水または有機溶媒の70重量部を加えて粉砕し、微細な活性化合物懸濁液を得る。水を用いて希釈すると活性化合物の安定な懸濁液を得て、それにより、活性化合物20%(w/w)の製剤が得られる。
【0153】
F) 水分散性粒剤および水溶性粒剤(WG、SG);活性化合物の50重量部を、分散化剤および湿潤剤の50重量部を加えて微細に粉砕し、そして技術的装置(例えば、押出機、スプレー塔、流動床)を用いて水分散性または水溶性粒剤を作る。水を用いて希釈すると、活性化合物の安定な分散液または溶液を得て、それにより、活性化合物の50%(w/w)の製剤が得られる。
【0154】
G) 水分散性粉末および水溶性粉末(WP、SP、SS、WS);活性化合物の75重量部を、分散化剤、湿潤剤およびシリカゲルの25重量部を加えてローター-ステーターミルで粉砕する。水を用いて希釈すると、活性化合物の安定な分散液または溶液を得て、それにより、活性化合物75%(w/w)の製剤が得られる。
【0155】
2 無希釈で葉に施用する製品:種子処理のために、かかる製品を希釈してまたは無希釈で種子に施用することができる。
【0156】
H) 散粉可能な粉剤(DP、DS);活性化合物の5重量部を、微細に粉砕して、微細に粉砕したカオリン95重量部と密接に混合する。これによって活性化合物の5%(w/w)を有する散粉可能な製品が得られる。
【0157】
I) 粒剤(GR、FG、GG、MG);活性化合物の0.5重量部を、微細に粉砕して担体の99.5重量部と配合し、それにより、活性化合物0.5%(w/w)の製剤が得られる。現行の方法は押出、スプレー乾燥または流動床である。それによって無希釈で葉に施用する粒剤が得られる。
【0158】
J) ULV溶液(UL、LS);本発明による化合物の10重量部を、有機溶媒、例えばキシレンの90重量部に溶解する。これによって活性化合物の10%(w/w)の製品が得られ、これは無希釈で葉に施用される。
【0159】
様々なタイプの油、湿潤剤、アジュバント、除草剤、殺真菌剤、他の農薬または殺細菌剤を、もし適当であれば使用直前に、活性成分に添加することができる(タンク混合)。これらの薬剤は、本発明の薬剤に1:10〜10:1の重量比で加えられる。
【0160】
式Iの化合物は、接触および摂取の両方を介して有効である。
【0161】
式Iの化合物はまた、種子、植物ムカゴならびに実生の根およびシュート、好ましくは種子の土壌害虫に対する保護用に、そしてまた、遺伝子工学的方法を含む、育種によって除草剤または殺真菌剤または殺虫剤の作用に耐性のある植物種子の処理用にも好適である。
【0162】
慣用の種子処理製剤としては、例えば、流動性製剤FS、液剤LS、乾燥処理用粉剤DS、分散性粉剤WSまたはスラリー処理用の粒剤、水溶性粉剤SS、およびエマルジョンESが挙げられる。種子への施用は、播種前、いずれも種子に直接行うことができる。
【0163】
式Iの化合物またはそれを含有する製剤の種子処理施用は、植物の播種前および植物の出芽前に種子に散布または散粉することにより実施する。
【0164】
本発明はまた、式Iの化合物またはそれを含む組成物を含有する、すなわち、コーティングしたおよび/または含有する植物の繁殖産物、とりわけ、処理した種子に関する。用語「コーティングしたおよび/または含有する」は、一般に、活性成分が施用の時点に、繁殖産物の表面上のほとんどの部分に存在し、施用の方法に応じて、成分の一部が多かれ少なかれ繁殖産物中に貫入しうることを意味する。前記繁殖産物は(再)植付けされると、活性成分を吸収しうる。
【0165】
種子は本発明の化合物または組成物を、種子100kg当たり0.1g〜10kgの量だけ含む。
【0166】
本発明の組成物はまた、他の活性成分、例えば他の農薬、殺虫剤、除草剤、硝酸アンモニウム、尿素、カリ、および過リン酸塩などの肥料、植物毒性剤および植物成長調節剤、安全剤および殺線虫類剤を含有してもよい。これらのさらなる成分は逐次的にまたは上記組成物との組み合わせで使用してもよく、もし適当であれば、使用直前に加えてもよい(タンク混合)。例えば、他の活性成分を用いて処理する前または後のいずれかに、植物に本発明の組成物を散布してもよい。
【0167】
下記の本発明の化合物と併用できる殺虫剤の一覧は、可能な組み合わせを説明することを目的とし、何らかの限定を課すものではない:
A.1 有機(チオ)リン酸系:アセフェート、アザメチホス、アジンホス-メチル、クロルピリホス、クロルピリホス-メチル、クロルフェンビンホス、ダイアジノン、ジクロルボス、ジクロトホス、ジメトエート、ジスルホトン、エチオン、フェニトロチオン、フェンチオン、イソキサチオン、マラチオン、メタミドホス、メチダチオン、メチル-パラチオン、メビンホス、モノクロトホス、オキシデメトン-メチル、パラオクソン、パラチオン、フェントエート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ホレート、ホキシム、ピリミホス-メチル、プロフェノホス、プロチオホス、スルプロホス、テトラクロルビンホス、テルブホス、トリアゾホス、トリクロルホン;
A.2. カーバメート系:アラニカルブ、アルジカルブ、ベンジオカルブ、ベンフラカルブ、カルバリル、カルボフラン、カルボスルファン、フェノキシカルブ、フラチオカルブ、メチオカルブ、メソミル、オキサミル、ピリミカーブ、プロポキスル、チオジカルブ、トリアザメート;
A.3. ピレスロイド系;アレトリン、ビフェントリン、シフルトリン、シハロトリン、シフェノトリン、シペルメトリン、アルファ-シペルミトリン、ベータ-シペルミトリン、ゼータ-シペルメトリン、デルタメトリン、エスフェンバレレート、エトフェンプロックス、フェンプロパトリン、フェンバレレート、イミプロトリン、ラムダ-シハロトリン、ペルメトリン、パレトリン、ピレトリンIおよびII、レスメトリン、シラフルオフェン、タウ-フルバリネート、テフルトリン、テトラロメトリン、トラロメトリン、トランスフルトリン;
A.4. 成長調節物質:a)キチン合成阻害剤:ベンゾイルウレア系:クロルフルアズロン、シラマジン、ジフルベンズロン、フルシクロクスロン、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、ルフェヌロン、ノバルロン、テフルベンズロン、トリフルムロン;ブプロフェジン、ジオフェノラン、ヘキシチアゾックス、エトキサゾール、クロフェンタジン;b)エクダイソンアンタゴニスト:ハロフェノジド、メトキシフェノジド、テブフェノジド、アザジラキチン;c)幼若ホルモン様物質:ピリプロキシフェン、メトプレン、フェノキシカルブ;d)脂質生合成阻害剤:スピロジクロフェン、スピロメシフェン、式Γ1
【化6】

【0168】
のテトロン酸誘導体;
A.5. ニコチン受容体アゴニスト/アンタゴニスト化合物:クロチアニジン、ジノテフラン、イミダクロプリド、チアメトキサム、ニテンピラム、アセトアミプリド、チアクロプリド;
A.6. GABAアンタゴニスト化合物:アセトプロール、エンドスルファン、エチプロール、フィプロニル、バニリプロール;
A.7. 大環状ラクトン殺虫剤:アバメクチン、エマメクチン、ミルベメクチン、レピメクチン、スピノサド;
A.8. METI Iダニ駆除薬:フェナザキン、ピリダベン、テブフェンピラド、トルフェンピラド;
A.9. METI IIおよびIII化合物:アセキノシル、フルアシプリム、ヒドラメチルノン;
A.10. 脱共役化合物:クロルフェナピル;
A.11. 酸化性リン酸化インヒビター化合物:シヘキサチン、ジアフェンチウロン、フェンブタチンオキシド、プロパルギット;
A.12. 脱皮阻止化合物:クリオマジン;
A.13. 混合機能オキシダーゼインヒビター化合物:ピペロニルブトキシド;
A.14. ナトリウムチャネル遮断剤化合物:インドキサカルブ、メタフルミゾン;
A.15. 様々な化合物:ベンクロチアズ、ビフェナゼート、カルタップ、フロニカミド、ピリダリル、ピメトロジン、硫黄、チオシクラム、N-R'-2,2-ジハロ-1-R''シクロ-プロパンカルボキサミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリ-フルオロ-p-トリル)ヒドラゾンまたはN-R'-2,2-ジ(R''')プロピオナミド-2-(2,6-ジクロロ-α,α,α-トリフルオロ-p-トリル)-ヒドラゾン[式中、R'はメチルまたはエチルであり、ハロはクロロまたはブロモであり、R''は水素またはメチルでありそしてR'''はメチルまたはエチルである]、および式Γ2
【化7】

【0169】
[式中、Riは-CH2OCH2CH3またはHでありそしてRiiはCF2CF2CF3またはCH2CH(CH3)3である]
のアミノイソチアゾール化合物、式Γ3
【化8】

【0170】
[式中、B1は水素、塩素またはシアノであり、B2は臭素原子またはCF3でありそしてRBはH、CH3またはCH(CH3)2である]
のアントラニルアミド化合物、ならびにJP 2002 284608、WO 02/89579、WO 02/90320、WO 02/90321、WO 04/06677、WO 04/20399、またはJP 2004 99597に記載のマロノニトリル化合物。
【0171】
昆虫類は、標的寄生虫/害虫、その餌、生息場所、繁殖場所、または害虫の所在地を、殺虫剤として有効な量の式Iの化合物もしくはその組成物と接触させることによって、防除することができる。
【0172】
「所在地(Locus)」は、害虫もしくは寄生虫が成育している、もしくは成育しうる生息場所、繁殖場所、植物、種子、土壌、地域、材料、または環境を意味する。
【0173】
一般に、「殺虫剤として有効な量」は、増殖に対して目に見える効果を達成するのに必要な活性成分の量を意味し、その効果には、壊死、死、遅延、予防、および除去、破壊、またはその他に標的生物の存在および活動を減少させることが含まれる。殺虫剤として有効な量は、本発明において使用されるさまざまな化合物/組成物に応じて変わりうる。組成物の殺虫剤として有効な量はまた、望ましい殺虫効果および期間、天候、標的種、所在地、適用方法などの支配的条件に応じて変わりうる。
【0174】
本発明の化合物または組成物はまた、害虫の発生が予測される場所に予防として施用してもよい。
【0175】
式Iの化合物はまた、成長する植物を式Iの化合物の殺虫上有効な量に接触させることにより、害虫による攻撃または侵襲から保護するために用いることもできる。ここで、「接触させる」には、直接接触(化合物/組成物を害虫および/または植物;典型的には植物の葉、茎または根に直接施用する)および間接接触(化合物/組成物を害虫および/または植物の所在地に施用する)の両方が含まれる。
【0176】
土壌処理または害虫生息場所もしくは巣への施用の場合、活性成分の量は、100m2当たり0.0001〜500g、好ましくは100m2当たり0.001〜20gの範囲である。
【0177】
栽培植物を処理する上での使用については、本発明の活性成分の施用量は、1ヘクタール当たり0.1g〜4000g、望ましくは25g〜600g、さらに望ましくは1ヘクタール当たり50g〜500gであってもよい。
【0178】
式Iの化合物およびそれを含む組成物はまた、温血動物(ヒトを含む)および魚類を含む動物における侵襲および感染を防除および予防するために用いることもできる。これらは、例えば、ウシ、ヒツジ、ブタ(swine)、ラクダ、シカ、ウマ、ブタ(pig)、家禽、ウサギ、ヤギ、イヌおよびネコ、スイギュウ、ロバ、ダマジカおよびトナカイ、およびまた、ミンク、チンチラおよびアライグマなどの毛皮で覆われた動物、メンドリ、ガチョウ、シチメンチョウおよびカモなどの鳥類およびマス、コイおよびウナギなどの淡水および塩水魚における侵襲および感染を防除および予防するのに好適である。
【0179】
温血動物および魚類における侵襲には、限定されるものでないが、シラミ、サシシラミ(biting lice)、マダニ、ウマバエ幼虫(nasal bot)、ヒツジシラミバエ(ked)、サシバエ(biting fly)、コケバエ(muscoid fly)、ハエ、ハエウジ症ハエの幼生(myiastitic fly larvae)、ツツガムシ、ブヨ、カおよびノミが含まれる。
【0180】
式Iの化合物およびそれを含む組成物は、外寄生および/または内寄生生物の全身および/または非全身防除に好適である。これらは発症の全てのまたはいくつかの段階に対して活性がある。
【0181】
投与は、予防としておよび治療としての両方で行うことができる。活性化合物の投与は直接にまたは好適な製剤で、経口的に、局所に/皮膚にまたは非経口的に行うことができる。
【0182】
温血動物に対する経口投与については、式Iの化合物を、動物飼料、動物飼料プレミックス、動物飼料濃縮物、丸薬、溶液、ペースト、懸濁液、浸漬物、ゲル、錠剤、ボーラスおよびカプセルとして製剤することができる。さらに、式Iの化合物を飲料水に入れて動物に投与することができる。経口投与については、選択する剤形は、動物に、式Iの化合物を1日当たり0.01mg/kg〜100mg/kg動物体重、好ましくは1日当たり0.5mg/kg〜100mg/kg動物体重だけ与えなければならない。
【0183】
あるいは、式Iの化合物を、非経口的に、例えば、腔内、筋肉内、静脈内または皮下注射により動物に投与することができる。式Iの化合物を、皮下注射用に生理学的に許容される担体中に分散または溶解してもよい。あるいは、式Iの化合物を皮下投与用のインプラント中に製剤してもよい。さらに、式Iの化合物を経皮的に動物に投与してもよい。非経口投与については、選択した投与剤形を動物に式Iの化合物を1日当たり0.01mg/kg〜100mg/kg動物体重だけ与えなければならない。
【0184】
式Iの化合物はまた、局所的に動物に、浸漬物、ダスト剤、粉剤、襟巻き、吊下げメダル、スプレー、シャンプー、スポットオン(spot-on)およびポアオン(pour-on)製剤でおよび軟膏でまたは水中油型または油中水型乳濁液の剤形で適用することもできる。局所施用については、浸漬剤およびスプレーは通常、0.5ppm〜5,000ppm、好ましくは1ppm〜3,000ppmの式Iの化合物を含有する。さらに、式Iの化合物を、動物、特にウシおよびヒツジなどの四足獣の耳タグとして製剤してもよい。
【0185】
好適な製剤は:
-溶液、例えば、経口溶液、希釈後に経口投与する濃縮物、皮膚にまたは体腔に用いる溶液、ポアオン製剤、ゲル;
-経口または皮膚投与用の乳濁液および懸濁液;半固体製剤;
-活性化合物を軟膏基剤にまたは水中油型または油中水型乳濁液基剤に含有させた製剤;
-固体製剤、例えば、粉末、プレミックスまたは濃縮物、粒剤、ペレット、錠剤、ボーラス、カプセル;エーロゾルおよび吸入剤、ならびに活性化合物を含有する形状加工物である。
【0186】
一般に、全量で10mg/kg〜300mg/kg、好ましくは20mg/kg〜200mg/kgの式Iの化合物を放出する固体製剤を施用することが好ましい。活性化合物はまた、相乗効果薬とのまたは病原性内寄生および外寄生生物に抗して作用する他の活性化合物との混合物として用いてもよい。
【0187】
一般に、式Iの化合物を寄生虫に対して有効な量で施用するとは、標的生物の存在と活性を壊死、遅延、予防および除去、絶滅、またはさもなくば減少させる効果を有する、成長に対して観察しうる効果を達成するために必要な活性成分の量を意味する。寄生虫に対して有効な量は本明細書に用いる様々な化合物/組成物によって変わりうる。組成物の寄生虫に対して有効な量はまた、所望の殺寄生虫効果および期間、標的種、施用の方式などの支配的条件によっても変わりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0188】
合成実施例
出発化合物の修飾によって、以下の合成実施例に示したプロトコルを用いて、さらなる化合物Iを得ることができた。得た化合物を、物理学的データと一緒に次の表1に掲げた。
【0189】
前記生成物を、結合した高速液体クロマトグラフィ/質量分析計(HPLC/MS)によって、CDCl3中の1H-NMR(400MHz)によって、またはそれらの融点によって特徴づけた。HPLCカラム:RP-18カラム(Chromolith Speed ROD、Merck KgaA、Germany製)。
【0190】
溶出:アセトニトリル+0.1%トリフルオロ酢酸(TFA):水=5:95〜95:5の比で40℃にて5分間。MS:四重極エレクトロスプレーイオン化、80V(ポジティブモード)。
【0191】
実施例1:2-{3-[3-クロロ-5-(3,3-ジクロロ-アリルオキシ)-フェノキシ]-プロピルオキシ}-5-トリフルオロメチル-ピリジン(化合物I.1)
ステップ1:1-(3-ブロモ-プロピルオキシ)-3-クロロ-5-メトキシベンゼン(VI.1)
ジメチルホルムアミド150ml中の1,3-ジブロモプロパン12.7g(63mmol)、K2CO3 6.53g(47.3mmol)および3-クロロ-5-メトキシフェノール5.0g(31.5mmol)を、12時間、60℃まで加熱しそして20〜25℃にて2日間攪拌した。溶媒を真空で除去し、水を加えそして生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。溶媒を除去しそしてカラムクロマトグラフィにより、ほぼ80%純度の生成物を得た。
【0192】
1H-NMR [ppm]: 6.5 (S, 2H), 6.2 (s, 1H), 4.1 (m, 2H), 3.8 (s, 3H), 3.5 (m, 2H), 2.2-2.1 (m,2H)。
【0193】
ステップ2:安息香酸-3-(3-クロロ-5-メトキシフェノキシ)-プロピルエステル(IX.1)を経由する1-(3-ブロモ-プロピルオキシ)-3-クロロ-5-メトキシベンゼン(X.1)
ジメチルホルムアミド100ml中の粗生成物(VI.1)7.09g(21mmol)、安息香酸2.9g(24.1mmol)およびK2CO34.54g(33mmol)を、50℃にて6時間、次いで20〜25℃にて2日間攪拌した。溶媒を真空で除去し、水を加え、そして生成物を酢酸エチルを用いて抽出した。溶媒を除去しそしてカラムクロマトグラフィで処理して、6.4gの安息香酸エステル化合物(IX.1)をさらに転化するのに十分純粋な中間体として得た。(1H-NMR [ppm]: 8.0 (m、2H)、7.6 (m、1H)、7.4 (m、2H)、6.5 (s、1H)、6.3 (m、1H)、4.5 (m、2H)、4.1 (m、2H)、3.7 (s、3H)、2.3 (m,2H))。
【0194】
メタノール50mlおよび水8ml中のKOH 1.5g(26mmol)を加え、その混合物を20〜25℃にて16時間攪拌した。エーテル300mlおよび水200mlを加え、そして有機層を水100mlと100mlの飽和K2CO3を用いて洗浄した。蒸発とカラムクロマトグラフィ処理によって標的化合物(X.1)2gを得た。
【0195】
1H-NMR [ppm]: 6.5 (s, 2H), 6.3 (s, 1H), 4.1 (m, 2H), 3.8 (m, 2H), 3.5 (s, 3H), 2.0 (m,2H)。
【0196】
ステップ3:2-[3-(-3-クロロ-5-メトキシフェノキシ)-プロピルオキシ]-5-トリフルオロメチルピリジン(IV.1)
DMF 50ml中の95%NaH 0.20gに、DMF 50ml中の化合物(X.1)1.5g(6.9mmol)を滴状で加えた。1時間、20〜25℃にて攪拌した後、DMF 30 ml中の2-クロロ-5-トリフルオロメチルピリジン1.253gを加えそしてその反応混合物を100℃にて6時間攪拌し、次いで20〜25℃にて16時間攪拌した。水を加え、酢酸エチルを用いて抽出した後に、粗生成物(IV.1)2.1gを得た。
【0197】
1H-NMR [ppm]: 8.4 (m, 1H), 7.8 (ps-d, 1H), 6.8 (m, 1H), 6.5 (m, 2H), 6.3 (m, 1H), 4.5 (m, 2H), 4.1 (m, 2H), 3.8 (s, 3H), 2.2 (m, 2H).
ステップ4:3-クロロ-5-[3-(5-トリフルオロメチルピリジン-2-イルオキシ)-プロピルオキシ]フェノール(II.1)
CH2Cl2 20ml中の化合物(IV.1)2.0g(5.5mmol)を0℃に冷却しそしてCH2Cl2中のBBr3 1M溶液16.5ml(16.5mmol)を用いて処理した。反応混合物を20〜25℃にて10時間攪拌し、水を加え、そしてその混合物を水で洗浄して0.54gの生成物(II.1)を得た。
【0198】
NMR (d6-DMSO) [ppm]: 8.6 (m, 1 H), 8.0 ( (m, 1 H), 7.0 (m, 1 H), 6.5-6.4 (m, 2 H), 6.3 (m, 1 H), 4.4 (m, 2 H), 4.0 (m, 2 H), 2.0 (m, 2 H)。
【0199】
ステップ5:2-{3-[3-クロロ-5-(3,3-ジクロロ-アリルオキシ)-フェノキシ]-プロピルオキシ}-5-トリフルオロメチル-ピリジン(I.1)
DMF 60ml中の化合物(II.1)0.74g(2.1mmol)に、K2CO3 0.44g(3.2mmol)および1,3,3-トリクロロプロペン0.373g(2.3mmol)を加え、そして90℃にて3時間および20〜25℃にて16時間攪拌した。溶媒を除去しそして残留する粗生成物をカラムクロマトグラフィで処理して表題化合物(I.1)0.43gを黄色の油として得た。
【0200】
1H-NMR [ppm]: 8.4 (m 1H), 7.8 (m, 1H), 6.8 (m, 1H), 6.6-6.5 (m, 2H), 6.2 (m 1H), 6.1 (t, 1H), 4.6-4.5 (m, 4H), 4.1 (mc, 2H), 2.1 (m, 4H)。
【0201】
実施例2:2-{6-[3-クロロ-5-(3,3-ジクロロ-アリルオキシ)-フェノキシ]-ヘキシルオキシ}-5-トリフルオロメチルピリジン(化合物I.2)
ステップ1〜3を前記実施例1のステップ1〜3と類似した方法で実施した。
【0202】
ステップ4:2-{6-[3-クロロ-5-ヒドロキシ-フェノキシ]-ヘキシルオキシ}-5-トリフルオロメチルピリジン (II.2)
CH2Cl2 20ml中の5-クロロ-2-[6-(3-クロロ-5-メトキシ-フェノキシヘキシルオキシ)]-5-トリフルオロメチルピリジン1.10g(2.7mmol)を0℃にて冷却しそしてCH2Cl2中のBBr3の1M溶液3.2ml(3.2mmol)を用いて処理した。反応混合物を20〜25℃にて10時間攪拌し、水を加え、そしてその混合物を水で洗浄して生成物(II.2)0.54gを得た。
【0203】
1H-NMR [ppm]: 8.4 (m, 1H), (m, 1H), 6.8 (m, 2H), 6.2 (m, 1H), 4.4 (m, 2H), 3.8 (m, 2H), 1.9-1.6 (m, 4H), 1.5 (m, 4H)。
【0204】
ステップ5:2-{6-[3-クロロ-5-(3,3-ジクロロ-アリルオキシ)-フェノキシ]-ヘキシルオキシ}-5-トリフルオロメチルピリジン(I.2)
60ml DMF中の化合物(II.2)0.53g(1.4mmol)に、K2CO3 0.29g(2.1mmol)および1,3,3-トリクロロプロペン0.242g(1.5mmol)を加え、90℃にて3時間および20〜25℃にて16時間攪拌した。溶媒を除去しそして残留する粗生成物をカラムクロマトグラフィで処理して標題化合物0.4gを黄色の油として得た。
【0205】
1H-NMR [ppm]: 8.4 (m, 1H), 7.7 (m, 1H), 6.8 (m, 1H), 6.6-6.5 (m, 2H), 6.3 (m, 1H), 6.1 (t, 1H), 4.6 (d, 2H), 4.3 (mc, 2H), 3.9 (mc, 2H), 1.9-1.7 (m, 2H), 1.6-1.5 (m, 4H)。
【表1】


【0206】
有害な害虫に対する作用の実施例:
1.ワタミハナゾウムシ(Anthonomus grandis)に対する活性
活性化合物を1:3のDMSO:水中に処方した。10〜15個の卵を、水と300ppmホルマリン中の2%寒天で満たしたマイクロタイタープレート中に置いた。卵に20μlの試験溶液をスプレーし、そのプレートを小孔をあけた箔で包んで24〜26℃および75〜85%湿度にて昼/夜サイクルのもとで3〜5日間保持した。死亡率を、寒天表面上の残留する未孵化卵または幼生および/または孵化した幼生が掘り起こしたチャネルの量と深さに基づいて評価した。試験は2回重複して行った。この試験で、化合物I.1、I.2およびI.3は2500ppmで75%を超える死亡率を示した。
【0207】
2.ニセアメリカタバコガ(Heliothis virescens)に対する活性
活性化合物を1:3のDMSO:水中に処方した。15〜25個の卵を餌で満たしたマイクロタイタープレート中に置いた。卵に10μlの試験溶液をスプレーし、そのプレートを小孔をあけた箔で包んで27〜29℃および75〜85%湿度にて蛍光灯のもと6日間保持した。死亡率を、孵化した幼生の機敏性と食餌行動の比較に基づいて評価した。この試験で、化合物I.1、I.2およびI.3は2500ppmで75%を超える死亡率を示した。
【0208】
3.南部アワヨトウ(Spodoptera eridania)、二齢幼生に対する活性
活性化合物を、昆虫類およびクモ形綱動物に対する活性を試験するために、35%アセトンと水の混合物中の10.000ppm溶液として処方し、必要あれば、それを水で希釈した。シーバライマ(Sieva lima)インゲンマメの葉を試験溶液に漬けそして乾燥させた。次いでその葉を、プラスチックの細孔を開けたジップ付きバッグ中に入れそして10匹の二齢幼生を加えた。4日目に死亡率を観察しかつ餌を減じた。この試験において、化合物I.1、I.2、I.3、I.10、I.11、I.12、I.14、I.15、I.16、I.17、およびI.18は300ppmで、無処理対照と比較して80%以上の死亡率を示した。
【0209】
4.アルゼンチンアリ(Linepithema humile)、アリバチの一種、ハーベスターアリ(Pogonomyrmex californicus)、シリアゲアリの一種、アクロバットアリ(Crematogaster spp.)、オオアリの一種、カーペンターアリ(Camponotus floridanus)、ヒアリ(Solenopsis invicta)、イエバエ(Musca domestica)、サシバエ(Stomoxys calcitrans)、ニクバエの一種、フレッシュハエ(Sarcophaga sp.)、ネッタイシマカ(Aedes aegyptii)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)、マラリアカ(Anopheles albimanus)、チャバネゴキブリ(Blattella Germanica)、ネコノミ(Ctenocephalides felis)、およびイヌマダニの一種、ブラウンドッグダニ(Rhiphicephalus sanguineus)に対する、ガラス接触を介する活性。
ガラスバイアルを、活性成分のアセトン溶液0.5mlで処理して乾燥させた。昆虫類またはマダニをそれぞれのバイアル中にいくらかの餌および湿分供給物と一緒に置いた。バイアルを22℃にて放置して、処理効果を様々な時間間隔で観察した。
【0210】
5.ネッタイシマカ(Aedes aegyptii)、ネッタイイエカ(Culex quinquefasciatus)およびマラリアカ(Anopheles albimanus)幼生に対する、水処理を介する活性
ウエルプレートを試験場として用いた。活性成分をアセトンに溶解しそして水で希釈して所要濃度を得た。ほぼ1%アセトンを含有する最終溶液をそれぞれのウエル中に置いた。水1ml中のほぼ10匹のカ幼生(四齢)をそれぞれのウエルに加えた。幼生に1滴の肝粉を毎日与えた。ディッシュを覆い、22℃に維持した。死亡率を毎日記録し、死んだ幼生と生存もしくは死んだ蛹を毎日取除いた。試験が終わると、生存する幼生を記録しかつパーセント死亡率を計算した。
【0211】
6.コナガ(plutella xylostella)に対する活性
活性化合物を50:50のアセトン:水および0.1%(vol/vol)Alkamuls EL620界面活性剤中に処方した。キャベツ葉の6cm円盤状葉片を試験溶液中に3秒間漬け、湿った濾紙を敷いたペトリ皿中で空気乾燥した。葉片に10匹の三齢幼生を接種し、25〜27℃および50-60%湿度にて3日間保持した。処理の72時間後に死亡率を求めた。この試験において、化合物I.1、I.2、I.10、I.14、およびI.15は、300ppmにおいて無処理対照と比較して75%以上の死亡率を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、R1はフェニルまたは酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環であり、フェニルまたはへテロ芳香族環は、フェニルおよび酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる、飽和、部分的に不飽和または芳香族の、5〜6員のヘテロ環から選択される環と環縮合していてもよく、前記フェニルまたは5〜6員のヘテロ芳香族環またはそれぞれの縮合環系は、無置換であってもまたは1〜6個の基R3のいずれかの組合せにより置換されていてもよく;
R3はハロゲン、シアノ、ニトロ、ヒドロキシ、メルカプト、アミノ、C1〜C6-アルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-アルキニル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C6-シクロアルケニル、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C3〜C6-ハロシクロアルキル、C3〜C6-ハロシクロアルケニル、C1〜C6-アルコキシ、C2〜C6-アルケニルオキシ、C3〜C6-アルキニルオキシ、C1〜C6-ハロアルコキシ、C2〜C6-ハロアルケニルオキシ、C3〜C6-ハロアルキニルオキシ、C1〜C6-アルキルチオ、C2〜C6-アルケニルチオ、C3〜C6-アルキニルチオ、C1〜C6-ハロアルキルチオ、C2〜C6-ハロアルケニルチオ、C3〜C6-ハロアルキニルチオ、C1〜C6-アルキルアミノ、C2〜C6-アルケニルアミノ、C2〜C6-アルキニルアミノ、ジ(C1〜C6-アルキル)アミノ、ジ(C2〜C6-アルケニル)アミノ、ジ(C2〜C6-アルキニル)アミノ、C1〜C6-アルキル-C2〜C6-アルケニルアミノ、C1〜C6-アルキル-C2〜C6-アルキニルアミノ、C1〜C6-アルケニル-C2〜C6-アルキニルアミノ、トリ(C1〜C10)アルキルシリル、または
フェニルまたは酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜7員の飽和または部分的に不飽和のヘテロ環または酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環(当該フェニルと当該へテロ芳香族環は酸素または硫黄原子を介して結合していてもよい)であり、
前記基R3は無置換であるか、またはこれらの基の水素原子は全てまたは部分的に、Ra、または
-C(=G)Ra、-C(=G)ORa、-C(=G)NRa2、-C(=G)[N=SRa2]、-C(=NORa)Ra、-C(=NORa)NRa2、-C(=NNRa2)Ra、-OC(=G)-OC(=G)ORa、N=SRa2、-NRaC(=G)Ra、-N[C(=G)Ra]2、-NRaC(=G)ORa、-C(=G)NRa-NRa2、-C(=G)NRa-NRa[C(=G)Ra]、-NRa-C(=G)NRa2、-NRa-NRaC(=G)Ra、-NRa-N[C(=G)Ra]2、-N[(C=G)Ra]-NRa2、-NRa-NRa[(C=G)GRa]、-NRa[(C=G)NRa2]、-NRa[C=NRa]Ra、-NRa(C=NRa)NRa2、-O-NRa2、-O-NRa(C=G)Ra、-SO2NRa2、-NRaSO2Ra、-S(=O)Ra、-S(=O)2Ra、-SO2ORa、または-OSO2Raからなる群より選択される基の任意の組合わせにより置換されていてもよく;
Gは酸素または硫黄であり;
Raはそれぞれ独立してハロゲン、シアノ、ニトロ、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C3〜C6-シクロアルケニル、C3〜C8-ハロシクロアルケニル、ORi、SRi、S(=O)Ri、S(=O)2Ri、NRiRj、-S(=O)2NRiR、C(=O)Ri、C(=O)ORi、C(=O)NRiRj、C(=NORi)Rj、-NRiC(=G)Rj、-N[C(=G)Ri]2、-NRiC(=G)ORj、-C(=G)NRi-NRj2、-SO2NRiRj、-NRiSO2Rj、SiRiyRj3-y(yは0〜3である)、または
フェニルまたは酸素、窒素および硫黄から選択される1〜4個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環(当該フェニルのまたはヘテロ芳香族環の炭素原子は1〜5個のハロゲンにより置換されていてもよく)であり;
Ri、Rjはそれぞれ独立して水素、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C3〜C6-シクロアルキル、C3〜C8-ハロシクロアルキル、C3〜C6-シクロアルケニル、C3〜C6-ハロシクロアルケニル、C1〜C6-アルコキシ、C2〜C6-アルケニルオキシ、C2〜C6-アルキニルオキシ、C1〜C6-ハロアルコキシ、C2〜C6-ハロアルケニルオキシであり;
R2は水素、ハロゲン、シアノ、C1〜C6-アルキル、C1〜C6-ハロアルキル、C2〜C6-アルケニル、C2〜C6-ハロアルケニル、C2〜C6-アルキニル、C2〜C6-ハロアルキニル、C1〜C6-アルコキシ、またはC1〜C6-ハロアルコキシであり;
xは2、3、4、5、6、または7であり;
ただし、R2が水素でありかつxが3または4であるとき、R1は5-クロロ-2,2,-ジメチル-2,3-ジヒドロベンゾ[b]フラン-7-イルでない]
のレゾルシン誘導体またはそのジアステレオマー、エナンチオマー、塩またはN-オキシド。
【請求項2】
R1はフェニルまたは1〜3個の窒素原子または1〜2個の窒素原子と1個の酸素もしくは1個の硫黄原子から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる5〜6員のヘテロ芳香族環であり、フェニルまたはへテロ芳香族環はフェニルおよび酸素、窒素および硫黄から選択される1〜3個のヘテロ原子を含有しうる、飽和、部分的に不飽和または芳香族の、5〜6員のヘテロ環から選択される環と環縮合していてもよい、請求項1に記載の式Iのレゾルシン誘導体。
【請求項3】
化合物(VIII)を化合物(VII)と塩基の存在のもとで反応させて化合物(VI)を形成し、
【化2】

化合物(VI)を次いで化合物(V)と塩基の存在のもとで反応させて化合物(IV)を形成し、
【化3】

その化合物(IV)から保護基PGの切断後に化合物(II)を得て、そして化合物(II)を化合物(III)と塩基の存在のもとで反応させて化合物(I)を得る
【化4】

[式中、前記化合物の変数R1、R2およびxは請求項1または2において化合物(I)に対して定義された意味を有し、PGは保護基であり、そしてX、X'およびX''は好適な脱離基である]ことを特徴とする、請求項1または2に記載の化合物(I)を調製する方法。
【請求項4】
当該変数が請求項1または2において化合物(I)に対して定義された意味を有する、式(IV)、(VI)、(IX)および(X)の中間体。
【請求項5】
請求項1または2に記載の式Iの化合物の、昆虫類、コナダニ類、または線虫類を駆除するための使用。
【請求項6】
昆虫類、コナダニ類または線虫類またはそれらの餌、生息地、繁殖地またはそれらの所在地に、請求項1または2に定義した組成物または式Iの化合物の殺虫上有効な量を接触させることにより、昆虫類、コナダニ類または線虫類を防除する方法。
【請求項7】
成長する植物を昆虫類、コナダニ類または線虫類による攻撃または侵襲から保護する方法であって、植物の葉に、またはそれらが成長する土壌または水に、請求項1または2に定義した組成物または式Iの化合物の殺虫上有効な量を施用することによる前記方法。
【請求項8】
請求項1または2に記載の化合物を5g/ha〜2000g/haの量だけ施用する、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
寄生虫による侵襲または感染に対して動物を治療し、管理し、予防しまたは保護する方法であって、請求項1または2に定義した組成物または式Iの化合物またはそれらの獣医学的に許容される塩の寄生虫に対して有効な量を、動物に経口的に、局所にまたは非経口的に投与または施用することを含んでなる前記方法。
【請求項10】
寄生虫による侵襲または感染に対して動物を治療し、管理し、予防しまたは保護するための組成物を調製する方法であって、前記組成物が請求項1または2に定義した組成物または式Iの化合物またはそれらの獣医学的に許容される塩の寄生虫に対して有効な量を含むものである前記方法。
【請求項11】
請求項1または2に定義した式Iの化合物の殺虫剤としてまたは殺寄生虫剤として活性のある量および農学的にまたは獣医学的に許容される担体を含む組成物。

【公表番号】特表2009−515855(P2009−515855A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539445(P2008−539445)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【国際出願番号】PCT/EP2006/068329
【国際公開番号】WO2007/054558
【国際公開日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】