説明

レゾルバ、及びこれを備えたレゾルバ付き軸受

【課題】 よりコンパクト化を図ることができるレゾルバ、及びこれを備えたレゾルバ付き軸受を提供する。
【解決手段】 本発明のレゾルバ付き軸受は、シャフトの回転を検出するレゾルバセンサ部3を備えている。このレゾルバセンサ部3は、ロータの周囲に配置された環状のステータ11と、ステータ11に外嵌されてロータ及びステータ11を覆うケース5と、を備えている、ステータ11は、内周側にティースが形成された環状のステータコア12と、インシュレータ13,14と、インシュレータ13,14を介してティース12aに巻回されたコイルと、を備えている。第一インシュレータ13には、シャフトSの回転の検出結果を出力するためのハーネス16と、コイル15から延びるリード線15aとを、ハーネス16がシャフトSの軸方向に延びた状態で接続する接続部20が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転軸の回転を検出するレゾルバ、及びこれを備えたレゾルバ付き軸受に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ハイブリッドカー等に用いられるモータジェネレータには、ロータ位置検出用の回転センサとして、その信頼性や耐環境性の観点から非接触センサであるレゾルバセンサが用いられている。
このレゾルバセンサは、ロータシャフトを支持するための軸受と一体に設けられており、軸受とユニット化されたレゾルバ付き軸受として、モータジェネレータに組み込まれている。
【0003】
レゾルバセンサは、一般に、回転軸に固定されたロータと、ロータの周囲に配置されたステータとによって構成されている。ステータは、磁性材料よりなるステータコアと、ステータコアに設けられたティースに絶縁材であるインシュレータを介して巻回されたコイルとを備えている。インシュレータは、環状のステータコアをその両端面から挟む一対の部材により構成されている。このため、ステータは、比較的複雑な構造となっているとともに、軸方向に複数の環状の部材を積層する構造となっており、このような構造上、コイルによる出力を取り出すためのハーネスが径方向外側に延びるように接続される場合が多い(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−120873号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ハイブリッドカーは、近年、大型車に限らず、小型車にも展開されつつあり、モータジェネレータにおいてもコンパクト化が進められ、上記レゾルバにおいてもコンパクト化の要請が高まっている。
【0006】
しかし、従来のレゾルバは、上述のように、ハーネスがレゾルバの径方向外側に延びるように接続される場合が多く、ハーネスの取り回しのための空間をレゾルバの径方向外側に確保する必要があり、結果的に、限られたスペースに配置することができず、軸受とユニット化されたレゾルバ付き軸受や、モータジェネレータのコンパクト化を阻害する要因となるおそれがあった。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、よりコンパクト化を図ることができるレゾルバ、及びこれを備えたレゾルバ付き軸受を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、回転軸の回転を検出するレゾルバであって、回転軸に一体回転可能に固定されるロータと、前記ロータの周囲に配置された環状のステータと、前記ステータに外嵌されて前記ロータ及びステータを覆うハウジングと、を備え、前記ステータは、内周側にティースが形成された環状のステータコアと、環状に形成され前記ティースの表面を覆うインシュレータと、前記インシュレータを介して前記ティースに巻回されたコイルと、を備え、前記インシュレータには、前記回転軸の回転の検出結果を出力するためのハーネスと、前記コイルから延びるリード線とを、前記ハーネスが前記回転軸の軸方向に延びた状態で接続する接続手段が設けられていることを特徴としている。
【0009】
上記のように構成されたレゾルバによれば、前記接続手段によって、ハーネスが回転軸の軸方向に延びた状態で、当該ハーネスと、リード線とを接続することができるので、ハーネスの取り回しのための空間をレゾルバの径方向外側に確保する必要がない。これにより限られたスペースに配置することが可能となり、結果的にコンパクト化を図ることができる。
【0010】
上記レゾルバにおいて、前記接続手段は、前記ハーネスの先端から延長して設けられ、前記リード線に接続された棒状のターミナルと、前記インシュレータの外周面に一体に形成され、前記ターミナルを前記軸方向と平行に保持したターミナルハウジングとにより構成されていることが好ましい。
この場合、ターミナルハウジングが、ハーネスの先端から延長して設けられたターミナルを軸方向と平行に保持するので、より確実にハーネスが軸方向に延びた状態でハーネスと、リード線とを接続することができる。
【0011】
また、前記ターミナルハウジングは、前記インシュレータに設けられているステータコアの内周面に内嵌された固定部との間で、ステータコア及びハウジングを挟持するものであってもよく、この場合、当該レゾルバを組み立てる際に、インシュレータを配置すれば、インシュレータ、ステータコア、及びハウジングをより確実に固定することができ、この結果、例えば、コイルを巻き回す等といったその後の組み立て工程を容易にすることができる。
【0012】
また、前記ターミナルハウジングには、前記ターミナルが挿入されることで前記ターミナルを前記軸方向と平行に保持する保持孔が前記軸方向に沿って形成され、前記ターミナルは、前記保持孔に挿入保持されたときに前記ターミナルハウジングに係合して前記保持孔から抜けるのを防止する係合突起を備えているものであってもよい。
この場合、ターミナルをターミナルハウジングの保持孔に挿入することで容易に接続手段を構成することができる。また、係合突起によってターミナルをターミナルハウジングの保持孔に確実に保持することができる。さらに、保持孔を汎用のターミナルが挿入可能な形状に形成すれば、専用のターミナルを用意することなく接続手段を構成でき、コストダウンを図ることもできる。
【0013】
また、本発明は、回転軸に一体回転可能に固定される内輪、及び、前記内輪の外周側に同心に配置された外輪を備えた軸受部と、前記回転軸の回転を検出するレゾルバと、前記外輪に外嵌固定され、前記レゾルバと前記軸受部とを一体に固定するハウジングと、を備えたレゾルバ付き軸受において、前記レゾルバが、回転軸に一体回転可能に固定されるロータと、前記ハウジングの内周側に固定されるとともに、前記ロータの周囲に配置された環状のステータと、を備え、前記ステータは、内周側にティースが形成された環状のステータコアと、環状に形成され前記ティースの表面を覆うインシュレータと、前記インシュレータを介して前記ティースに巻回されたコイルと、を備え、前記インシュレータには、前記回転軸の回転の検出結果を出力するためのハーネスと、前記コイルから延びるリード線とを、前記ハーネスが前記回転軸の軸方向に延びた状態で接続する接続手段が設けられていることを特徴としている。
【0014】
上記のように構成されたレゾルバ付き軸受によれば、上述のように、レゾルバを限られたスペースに配置することが可能となるので、よりコンパクト化を図ることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明のレゾルバ、及びレゾルバ付き軸受によれば、よりコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態であるレゾルバ付き軸受の断面図である。
【図2】レゾルバセンサ部を図1中の矢印の方向からみたときの図である。
【図3】ステータの斜視図である。
【図4】図2中、IV−IV線の部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明の好ましい実施形態について添付図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態であるレゾルバ付き軸受の断面図である。このレゾルバ付き軸受1は、ハイブリッドカー等に搭載されるモータジェネレータのシャフトSの支持及び同シャフトSの回転位置検出に用いられるものである。
【0018】
図1に示すように、レゾルバ付き軸受1は、モータジェネレータのモータハウジングHに固定され、回転軸であるシャフトSをモータハウジングHに対して回転自在に支持する。
レゾルバ付き軸受1は、軸受部2と、レゾルバセンサ部3と、シャフトSに一体に形成された突出部4と、環状のケース5(ハウジング)とを備えている。
【0019】
突出部4の外周面には、軸受部2が外嵌固定された筒部4aと、レゾルバセンサ部3のロータ10が一体回転可能に固定された鍔部4bとが形成されている。
ケース5は、軸受部2に外嵌した第一筒部5aと、レゾルバセンサ部3のステータ11が内周面に固定された第二筒部5bと、第二筒部5bの端部に形成された取付フランジ5cとを備えている。
【0020】
ケース5は、取付フランジ5cをモータハウジングHの内側面h1に当接させた状態でボルトBによってモータハウジングHに固定されている。これによって、レゾルバ付き軸受1は、モータハウジングHに固定されている。また、ケース5は、レゾルバセンサ部3及び軸受部2を、モータハウジングHの内側に覆うように配置されている。
【0021】
突出部4及びケース5は、それぞれ軸受部2及びレゾルバセンサ部3の部材が固定されることで、軸受部2とレゾルバセンサ部3とを一体に固定している。
【0022】
軸受部2は、内輪2aと、内輪2aの外周側に同心に配置された外輪2bと、内外輪2a,2b間に転動自在に介在している複数の玉2cとを備えている。軸受部2は、内輪2aが突出部4の筒部4aを介してシャフトSに一体回転可能に固定されるとともに、外輪2bがケース5の第一筒部5aを介してモータハウジングH側に固定されることで、シャフトSをモータハウジングHに対して回転自在に支持している。
【0023】
レゾルバセンサ部3は、突出部4を介してシャフトSに一体回転可能に固定されたロータ10と、ケース5の内周面に固定されることでロータ10の周囲に配置された環状のステータ11とを備えている。
【0024】
なお、本実施形態では、突出部4をシャフトSに一体に形成した場合を示したが、この突出部4に代えて、シャフトSとは別体とされたスリーブを当該シャフトSに外嵌してもよい。
【0025】
図2は、レゾルバセンサ部3を図1中の矢印の方向からみたときの図であり、図3は、ステータ11の斜視図である。なお、図2,3では、ケース5を省略して記載している。
図1〜3を参照して、ステータ11は、内周側に複数のティース12aが形成されたステータコア12と、ステータコア12の軸方向両側から重ね合わせて配置された第一及び第二インシュレータ13,14と、各ティース12aに巻回されたコイル15とを備えている。
【0026】
ステータコア12は、薄板鋼板等を多数積層して形成された環状の部材である。ステータコア12に形成された複数のティース12aは、径方向内側に向けて突設されている。
ティース12aには、径方向両側から括れている括れ部12bが形成されている。
コイル15は、ティース12aに形成された括れ部12bに沿って巻線を巻回すことで設けられている。
【0027】
ティース12aとコイル15とは、両インシュレータ13,14によって絶縁されている。
両インシュレータ13,14は、絶縁性の樹脂により形成された環状の部材である。両インシュレータ13,14は、ステータコア12を軸方向両側から挟むように配置されており、コイル15を構成する巻線とステータコア12とを絶縁可能に、少なくともティース12aの括れ部12bを覆う形状に形成されている。また、両インシュレータ13,14は、互いに組み合わされることで、コイル15を構成する巻線を案内する形状に形成されている。
両インシュレータ13,14の内周面には、軸方向ステータコア12側に突出する突起13a,14a(図4)が形成されている。この突起13a,14a(固定部)は、ティース12aが形成されている部分以外の部分に周方向に沿って形成されており、ステータコア12の内周面に内嵌して両インシュレータ13,14をステータコア12に対して位置決め固定している。
【0028】
ロータ10は、鋼板等を用いて形成された環状の部材であり、上述したように、鍔部4bに一体回転可能に固定され、ステータ11の内周側に配置されている。
ロータ10の外周面は、シャフトSの軸方向からみて、略楕円形に形成されている。シャフトSが回転すると、ロータ10がシャフトSとともに回転し、これに伴ってロータ10の外周面10aと、ステータ11との間のエアギャップが変化する。レゾルバセンサ部3は、このエアギャップの変化に基づいてシャフトSの回転位置を検出することができる。
【0029】
ステータコア12のモータハウジングHの内側方向に向く面に重ねられた第一インシュレータ13には、シャフトSの回転位置の検出結果を出力するためのハーネス16と、コイル15から延びるリード線とを接続する接続部20(接続手段)が設けられている。
ハーネス16は、複数の素線17(図3では6本)により構成されている。ハーネス16の一端部は、接続部20に繋がっている。ハーネス16の他端部には、レゾルバセンサ部3による出力が与えられる機器等に接続するためのソケット16aが設けられている。
【0030】
図4は、図2中、IV−IV線の部分断面図である。
図2〜4を参照して、接続部20は、各素線17それぞれの一端部側の先端に接続されたターミナル21と、第一インシュレータ13の外周面に一体形成されたターミナルハウジング22とにより構成されている。
【0031】
ターミナル21は、素線17(ハーネス16)の先端から延長して設けられた棒状の部材であり、加締めることで素線17に圧着接続された本体部21aと、本体部21aの先端側に設けられターミナルハウジング22から突出した端子部21bとを備えている。
【0032】
ターミナルハウジング22は、第一インシュレータ13から径方向に突設された突設部23と、突設部23の外周端部から第二筒部5bの外周面に接しつつ、モータハウジングHの外側方向に向かって軸方向に延びるように形成されたハウジング本体24とを有している。ターミナルハウジング22は、ハウジング本体24と突起13bとの間で、ステータコア12とケース5の第二筒部5bとを挟持するように形成されている。
【0033】
ハウジング本体24には、各素線17に設けられた各ターミナル21それぞれが挿入、保持されている保持孔24aが、複数形成されている。
複数の保持孔24aは、第二筒部5bの外周面に対する接線方向に略平行に並べてハウジング本体24に形成されている。各保持孔24aは、モータハウジングHの外側方向側の端面に開口する第一開口部24bから軸方向に沿ってハウジング本体24内に形成されている。
【0034】
各保持孔24aには、第一開口部24bからターミナル21が挿入されている。
また、保持孔24aの底部には、モータハウジングHの内側方向側に貫通した第二開口部24cが設けられている。第二開口部24cには、保持孔24a内のターミナル21の端子部21bが挿通されており、端子部21bは、ターミナルハウジング22の外部に露出している。また、第二開口部24cは、本体部21aを通過できない程度の内径に形成されている。よって、ターミナルハウジング22は、端子部21bのみをターミナルハウジング22の外側に露出させつつ、ターミナル21の本体部21aを保持孔24a内に保持している。
【0035】
また、ターミナルハウジング22の径方向外側面には、保持孔24aに貫通する貫通孔25が、各保持孔24aそれぞれに対応して設けられている。貫通孔25には、ターミナル21の本体部21aに設けられた突起部26が係合している。
【0036】
突起部26は、端子部21b側から、素線17側に向かって延びる長方形の板状に形成され、端子部21b側を基端部として、素線側の端部を外側方向に僅かに折り曲げることで、本体部21aの外面から突設されている。
突起部26は、ターミナル21が第一開口部24bから保持孔24aに挿入される際には、保持孔24aの内周面によって弾性的に本体部21aの外面と面一となるように退避し、貫通孔25に到達することで、本体部21aの外面から突出し、貫通孔25に係合する。これによって、ターミナル21が、保持孔24aから、モータハウジングHの外側方向に抜けるのを防止している。
なお、本体部21a、突起部26、及び貫通孔25は、ターミナル21の端子部21bがターミナルハウジング22から露出した状態で、本体部21aが保持孔24a内で保持される寸法に設定されている。
【0037】
このように、ターミナル21は、ターミナルハウジング22にシャフトSの軸方向に沿って形成された保持孔24aに挿入されているとともに、保持孔24aに挿入されたときにターミナルハウジング22の貫通孔25に係合して保持孔24aから抜けるのを防止する突起部26(係合突起)を備えており、突起部26を係合させた状態で保持孔24aに挿入されることで、ターミナルハウジング22に保持されるので、ターミナル21をターミナルハウジング22の保持孔24aに挿入することで容易に接続部20を構成することができる。また、突起部26によってターミナル21をターミナルハウジング22の保持孔24aに確実に保持することができる。
さらに、保持孔24aを汎用のターミナルが挿入可能な形状に形成すれば、専用のターミナルを用意することなく接続部20を構成でき、コストダウンを図ることもできる。
【0038】
突設部23には、コイル15から延びるリード線15aを各端子部21bに振り分けるための突起23aが形成されている。この突起23aは、各ターミナル21の端子部21bに対応して設けられており、各端子部21bに絡げて接続される各コイル15からのリード線15aを端子部21bに絡げる前で整えている。
端子部21bに絡げられたリード線15aは、半田等によって接続される。
【0039】
以上のように、本実施形態の接続部20は、ハーネス16の先端から延長して設けられた各ターミナル21を、シャフトSの軸方向に沿ってターミナルハウジング22に形成された保持孔24aに挿入保持することで、ハーネス16がシャフトSの軸方向に延びた状態でハーネス16とリード線15aとを接続する。
【0040】
上記のように構成された本実施形態のレゾルバ付き軸受1は、シャフトSの回転を検出するレゾルバセンサ部3を備えている。このレゾルバセンサ部3は、シャフトSに一体回転可能に固定されたロータ10と、ロータ10の周囲に配置された環状のステータ11と、ステータ11に外嵌されてロータ10及びステータ11を覆うケース5(ハウジング)と、を備えている、ステータ11は、内周側にティース12aが形成された環状のステータコア12と、環状に形成されティース12aの表面を覆うインシュレータ13,14と、インシュレータ13,14を介してティース12aに巻回されたコイル15と、を備えている。第一インシュレータ13には、シャフトSの回転の検出結果を出力するためのハーネス16と、コイル15から延びるリード線15aとを、ハーネス16が軸方向に延びた状態で接続する接続部20が設けられている。
【0041】
上記のように構成されたレゾルバセンサ部3及びレゾルバ付き軸受1によれば、接続部20によって、ハーネス16がシャフトSの軸方向に延びた状態で、当該ハーネス16と、コイル15のリード線15aと接続することができるので、ハーネス16の取り回しのための空間をレゾルバセンサ部3の径方向外側に確保する必要がない。これによりレゾルバセンサ部3を限られたスペースに配置することが可能となり、結果的にコンパクト化を図ることができる。
【0042】
また、本実施形態では、接続部20は、ハーネス16の先端から延長して設けられ、リード線15aに接続された棒状のターミナル21と、第一インシュレータ13の外周面に一体に形成されるとともに、ターミナル21を軸方向と平行に保持したターミナルハウジング22とにより構成されている。
この結果、ターミナルハウジング22が、ハーネス16の先端から延長して設けられたターミナル21を軸方向と平行に保持するので、より確実にハーネスを軸方向に延びるように配置された状態で接続することができる。
【0043】
また、本実施形態に係るレゾルバ付き軸受1のステータ11は、ステータコア12の軸方向一方側の端面に第二インシュレータ14を配置した後、そのステータコア12をケース5の内周面側に内嵌固定し、その後、ステータコア12の他方側の端面に第一インシュレータ13を配置して、各ティース12aにコイル15を巻回すことで組み立てられる。
【0044】
ここで、ターミナルハウジング22は、上述したように、第一インシュレータ13に設けられているステータコア12の内周面に内嵌された突起13a(固定部)との間で、ステータコア12及びケース5(ハウジング)を挟持するように形成されているので、当該レゾルバ付き軸受1のステータ11を組み立てる上で、第一インシュレータ13を配置する際に、ターミナルハウジング22と突起13aとの間で、ステータコア12とケース5の第二筒部5bとを挟持しつつ第一インシュレータ13を配置することができ、第一インシュレータ13を配置すれば、両インシュレータ13,14、ステータコア12、及びケース5をより確実に固定することができる。この結果、例えば、コイル15を巻回す等といったその後の組み立て工程を容易にすることができる。
【0045】
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではない。上記実施形態では、本発明のレゾルバ付き軸受をモータジェネレータに適用した場合を例示したが、通常の産業用モータ等の回転軸を備えた他の装置にも適用することができる。
【符号の説明】
【0046】
1 レゾルバ付き軸受 2 軸受部 2a 内輪 2b 外輪
3 レゾルバセンサ部 5 ケース(ハウジング) 10 ロータ
11 ステータ 12 ステータコア 12a ティース
13 第一インシュレータ 14 第二インシュレータ
13a 突起(固定部) 15 コイル 15a リード線
16 ハーネス 20 接続部(接続手段) 21 ターミナル
22 ターミナルハウジング 24a 保持孔 26 突起部(係合突起)
S シャフト(回転軸)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸の回転を検出するレゾルバであって、
前記回転軸に一体回転可能に固定されるロータと、
前記ロータの周囲に配置された環状のステータと、
前記ステータに外嵌されて前記ロータ及びステータを覆うハウジングと、を備え、
前記ステータは、内周側にティースが形成された環状のステータコアと、
環状に形成され前記ティースの表面を覆うインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記ティースに巻回されたコイルと、
を備え、
前記インシュレータには、前記回転軸の回転の検出結果を出力するためのハーネスと、前記コイルから延びるリード線とを、前記ハーネスが前記回転軸の軸方向に延びた状態で接続する接続手段が設けられていることを特徴とするレゾルバ。
【請求項2】
前記接続手段は、前記ハーネスの先端から延長して設けられ、前記リード線に接続された棒状のターミナルと、
前記インシュレータの外周面に一体に形成され、前記ターミナルを前記軸方向と平行に保持したターミナルハウジングとにより構成されている請求項1に記載のレゾルバ。
【請求項3】
前記ターミナルハウジングは、前記インシュレータに設けられているステータコアの内周面に内嵌された固定部との間で、ステータコア及びハウジングを挟持している請求項2に記載のレゾルバ。
【請求項4】
前記ターミナルハウジングには、前記ターミナルが挿入されることで前記ターミナルを前記軸方向と平行に保持する保持孔が前記軸方向に沿って形成され、
前記ターミナルは、前記保持孔に挿入保持されたときに前記ターミナルハウジングに係合して前記保持孔から抜けるのを防止する係合突起を備えている請求項2又は3に記載のレゾルバ。
【請求項5】
回転軸に一体回転可能に固定される内輪、及び、前記内輪の外周側に同心に配置された外輪を備えた軸受部と、
前記回転軸の回転を検出するレゾルバと、
前記外輪に外嵌固定され、前記レゾルバと前記軸受部とを一体に固定するハウジングと、を備えたレゾルバ付き軸受において、
前記レゾルバが、
回転軸に一体回転可能に固定されるロータと、
前記ハウジングの内周側に固定されるとともに、前記ロータの周囲に配置された環状のステータと、を備え、
前記ステータは、内周側にティースが形成された環状のステータコアと、
環状に形成され前記ティースの表面を覆うインシュレータと、
前記インシュレータを介して前記ティースに巻回されたコイルと、
を備え、
前記インシュレータには、前記回転軸の回転の検出結果を出力するためのハーネスと、前記コイルから延びるリード線とを、前記ハーネスが前記回転軸の軸方向に延びた状態で接続する接続手段が設けられていることを特徴とするレゾルバ付き軸受。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−177587(P2012−177587A)
【公開日】平成24年9月13日(2012.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−39922(P2011−39922)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(000001247)株式会社ジェイテクト (7,053)
【Fターム(参考)】