説明

レトルト製品の殺菌方法及び殺菌装置

【課題】装置の設置スペースが少なくて済むと共に、周囲に及ぼす振動を低減することができる、レトルト製品の殺菌方法及び殺菌装置を提供する。
【解決手段】レトルト1内の長手方向に並べた複数の可動台7のそれぞれに、レトルト製品4を多数並べて収容したトレイ5を複数段積み重ねて保持し、これらの可動台7をそれぞれ独立した駆動源によって、前記長手方向と直交する水平方向に摺動させることで、各トレイ5に収容されたレトルト製品4を、これらの可動台7と同方向に摺動させながら殺菌処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固形物を含んだり、粘度の高い流動状の食品等を耐熱性の包装袋で包装したレトルト製品の殺菌方法に関し、また、前記殺菌方法を実施するための殺菌装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アルミニウム箔と耐熱性樹脂フィルムとの積層材からなる包装袋内に、流動状食品等の内容物を密封したレトルト製品の殺菌処理は、レトルト内で蒸気や熱水シャワーにより包装袋を加熱して行っているが、包装袋のサイズが大きいものや厚みのあるもの、あるいは、内容物の粘度が高かったり、固形物が混入しているレトルト製品では、レトルト内での加熱時に、熱伝達が悪く包装袋の内部で温度ムラを生じ、十分な殺菌効果が得られない部分や、高温になり過ぎて内容物に焦げが発生したり、所定の殺菌価を得るのに長時間を要し、内容物の熱劣化により食味を悪くしていた。
【0003】
そこで、本出願人らは、このような問題を解消するために、レトルト食品を殺菌するにあたり、該レトルト食品に対して、前後方向や左右方向に摺動させつつ殺菌や、その後の冷却の処理を行う殺菌方法と装置を提案している。(特許文献1参照)
【特許文献1】特公昭58−2666号公報
【0004】
この殺菌方法を実施する殺菌装置は、図3に示すように、レトルト本体A1の内部に設けたレール等の支持台A2上に車輪A3を介して可動台A4が支持されており、この可動台A4上に、レトルト食品A5を多数並べて収容したトレイA6が多段に積み重ねられて支持されている。
【0005】
前記可動台A4は、モーターA7によって駆動されるクランク機構A8の駆動軸A9と、レトルト本体A1に設けたシール機構A10を介して連結されていて、前記モータA7が回転駆動されると、これに連動してクランク機構A8の駆動軸A9がレトルト本体A1の長手方向に往復動し、さらに、前記駆動軸A9に連結された可動台A4がレトルト食品A5を収容して多段に積み重ねられたトレイA6と共に、レトルト本体A1内でその長手方向前後に摺動運動を行うようになっている。
【0006】
そして、前述したように、レトルト食品を摺動しながら殺菌やその後の冷却処理を行うことによって、大袋や粘度の高い製品並びに固形物が入ったレトルト食品等においても短時間で優れた殺菌効果が得られる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述した特許文献1に記載されている殺菌装置は、レトルト本体内に収容されるレトルト食品全体を単一の可動台上に載せて摺動させるように構成されていたため、可動台と、この上に多数のレトルト食品を収容してトレイが多段に積み重ねられたトレイ台車との合計重量が大きくなり、これを摺動駆動する際の慣性力に対応するためには、クランク機構やモータに、負荷容量の大きなものを用いねばならず、またトレイ台車の固定を強固にする必要があった。
【0008】
そのため、レトルト本体に付属するクランク機構やモータ等の駆動装置部分が大型化して殺菌装置全体では広い設置スペースが必要となり、また、レトルト本体内では可動台と共に、多数のレトルト食品とこれらを収容する多段に積まれたトレイが一斉に同方向に摺動運動を行うため、摺動時、停止時の慣性が強く各トレイ台車の固定が難しく、装置の稼働時に振動を発生する問題があった。また、前記提案されている殺菌装置のトレイ摺動機構は、その駆動装置をレトルト本体の後部壁の外側長手方向に設けてあるので、両端開きのレトルト装置には適用できず、レトルト装置の配置に制限を受けるという問題もあった。
【0009】
そこで、本発明は、前述したような、従来技術における問題点を解消し、装置の設置スペースが少なくて済むと共に、トレイ台車の摺動が1車単位とすることで慣性が小さくトレイの固定方法が安易となり、また周囲に及ぼす振動を低減することができ、且つ両端開きのレトルト装置にも適用でき、食品製造ラインでのレトルト装置の配置の自由度を高めることができるレトルト製品の殺菌方法及び殺菌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的のため、本発明に係るレトルト製品の殺菌方法は、レトルト内の長手方向に並べた複数の可動台のそれぞれに、レトルト製品を多数並べて収容したトレイを複数段積み重ねて保持し、これらの可動台をそれぞれ独立した駆動源によって、前記長手方向と直交する水平方向に摺動させることにより、これらのトレイに収容されたレトルト製品を可動台と同方向に摺動させながら殺菌処理を行うようにしたものである。
本発明の殺菌方法においては、摺動の周期と位相の少なくとも一方を、レトルト内の長手方向に並べた可動台間で異ならせることが望ましい。
【0011】
また、本発明に係るレトルト製品の殺菌装置は、レトルト内の長手方向に並べて配置され、それぞれ前記長手方向と直交する水平方向に個別に移動可能に設けられていると共に、レトルト製品を多数並べて収容するトレイを複数段積み重ねて保持する複数の可動台と、前記それぞれの可動台を個別に前記水平方向に摺動させる複数の駆動源とを備えたものである。
【0012】
本発明の殺菌装置においては、各駆動源は、摺動の周期と位相の少なくとも一方を、レトルト内の長手方向に並べた可動台間で異ならせて駆動するものであることが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
請求項1記載の発明に係るレトルト殺菌方法によれば、複数の可動台をそれぞれ独立した駆動源によって個別に摺動させるようにしたため、トレイ台車の慣性が小さくなり各駆動源に小型で低出力のものを用いることができ、稼働時に発生する振動を低減することができる。また、駆動源をレトルト本体の横方向に設けるので、両端に蓋体がある両開きのレトルト装置にも適用でき、レトルト製品を収納したトレイを多段に積載したトレイ台車と可動台を一方の側から収納し、殺菌終了後は他方の側に排出する一方向搬送を行うことができ、殺菌装置の配置の自由度が高い。
【0014】
また、請求項2記載の発明に係るレトルト製品の殺菌方法によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、さらに、摺動の周期や位相をレトルト内の長手方向に並べた可動台間で異ならせることで、可動台の摺動に起因して発生する振動をより効果的に低減することができる。
【0015】
また、請求項3記載の発明に係るレトルト製品の殺菌装置によれば、レトルト内に収容して処理する多数のレトルト製品を複数の可動台に分けて搭載し、これらの可動台をそれぞれ独立した駆動源によって個別に摺動させるようにしたため、各可動台の摺動時に作用する慣性力が小さくなり、その結果、可動台や駆動源を支持する部材の軽量化を図ることができると共に、各駆動源に小型で低出力のものを用いることができる。
その結果、殺菌装置全体の設置スペースが少なくて済むと共に、稼働時の振動の発生を少なくすることができる。
【0016】
また、請求項4記載の発明に係るレトルト製品の殺菌装置によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、さらに、摺動の周期と位相の少なくとも一方を、レトルト内の長手方向に並べた可動台間で異ならせていることで、可動台の摺動に起因して発生する振動をより効果的に低減することができる。
【0017】
可動台の長手方向の摺動と併用して2次元方向の摺動を行うことで、復路内の内容物の拡販効果が大きくなり、高粘度製品や業務用大袋製品の殺菌時間短縮にさらに効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
図1は、本発明のレトルト製品の殺菌方法を実施するために用いられる、殺菌装置の概略構造を示す平面図、図2は、図1のA−A線位置における横断面図であって、これらの図に示すように、殺菌装置1は、床面上に支持脚部2で保持されたレトルト3を有している。
【0019】
レトルト3は、円筒状のレトルト本体3Aと、その長手方向前後の端面に取り付けられている蓋体3B、3Cから構成されている。本実施形態においては、殺菌装置1は、図示していないコンベヤによって構成されている工場内の搬送ラインの途中に、レトルト3の長手方向を該搬送ラインの搬送方向に向けて組み込まれている。
【0020】
詳細には図示していないが、前後の蓋体3B、3Cは、それぞれが開閉自在になっていて、前記搬送ラインで前工程から搬送されてきた、まだ殺菌処理されていないレトルト製品を、搬送方向手前側の蓋体3Bを開くことによって、レトルト3内に搬入できるようになっている。
【0021】
また、反対側の蓋体3Cを開くことによって、殺菌装置1で殺菌処理が完了したレトルト製品を、前記搬送ラインの下流側に搬出し、該搬送ラインによって次工程へ搬送するようになっている。
従って、殺菌装置1のレトルト3への未処理のレトルト製品の搬入と、レトルト3からの処理済みのレトルト製品の搬出は、蓋体3Bと蓋体3Cを開放して同時に行うことが可能で、レトルト3内に未処理のレトルト製品の搬入が全て完了すると、これらの蓋体3B、3Cを閉じて、殺菌装置1によるレトルト製品の殺菌処理を行うようになっている。
【0022】
図2に示すように、前記搬送ラインのコンベヤにより、レトルト3内に搬入されるレトルト製品4は、複数段積み重ねられた矩形状のトレイ5のそれぞれに多数並べて収容されていて、これらの積み重ねられたトレイ5どうしは、積み重ねが崩れないように図示しない固定具によって着脱自在に連結されている。
【0023】
また、それぞれのトレイ5に収容されるレトルト製品4は、耐熱性を有する合成樹脂やアルミ箔を積層した包装袋内に内容物が封入されたものであって、これらのレトルト製品4は、トレイ5に設けられている多数の仕切りの間に一つずつ入れられて、トレイ5が振動しても収容位置がずれたり、トレイ5の外に脱落したりないようになっている。
【0024】
レトルト3内部においては、これらの複数段に積み上げられているトレイ5の最下段のものは、その左右両側の側縁部近傍の下面を、レトルト本体3A内の下部に設けられた左右2列のトレイ受けローラ6上に支持されている。
【0025】
なお、図1には、トレイ受けローラ6の図示が省略されているが、これらのトレイ受けローラ6は、レトルト本体3Aの長手方向に沿って配置されている左右一対の可動台7上に、それぞれ所定の間隔で多数回転自在に支持されており、これらのトレイ受けローラ6の回動によって、複数段に積み重ねられたトレイ5をレトルト本体3A内でその長手方向に移動できるようになっている。
【0026】
図1に示すように、可動台7は、レトルト本体3Aの長手方向に沿って直列に4つ配置されていると共に、この列が左右両側に並行して設けられていて、左右でそれぞれが対向位置になるように、同一構造のものが合計8つ設けられている。
【0027】
また、これらの可動台7の長さは、トレイ5のレトルト本体3Aの長手方向に向いた一辺の長さより若干長く設計されており、また、隣接する可動台7間には、それぞれの可動台7が後述する摺動運動を行うために必要な隙間が設けられている。
【0028】
これらの8つの可動台7はそれぞれ、レトルト本体3Aの長手方向と直交する水平方向に、2本ずつ並べて設けられた可動台受けローラ8上に支持されている。これらの可動台受けローラ8は、レトルト本体3Aの内周面下部の左右両側に取り付けられているローラ受け枠9に、両端を回転自在に軸受支持されており、それぞれの可動台7は、これらの可動台受けローラ8が自由に回転できることによって、レトルト本体3A内で、その長手方向と直交する水平方向に自在に移動できるようになっている。
【0029】
また、それぞれの可動台7には、図2に示すように、レトルト3の内部と外部とを遮断するシール機構10を通して、レトルト本体3Aの周壁を貫通する連結ロッド11の一方の端部が連結されている。該連結ロッド11の他方の端部は、レトルト3の外周面から突設された支持腕12に取り付けられた駆動源としての、エアシリンダ機構13に設けられた駆動ロッド13Aと連結されている。
【0030】
図1に示すように、エアシリンダ機構13は、可動台7と同じ数、すなわち、本実施形態においては、合計8基設けられていて、それぞれが図示していない駆動制御機構によって駆動制御されるようになっている。
【0031】
そして、エアシリンダ機構13の駆動ロッド13Aがレトルト3の長手方向と直交する水平方向に所定の周期とストロークで進退駆動が反復されると、駆動ロッド13Aの動きは連結ロッド11を介して可動台7に伝達され、可動台7が可動台受けローラ8に支えられて駆動ロッド13Aと同方向に摺動するように構成されている。
【0032】
ここで、複数段に積み重ねられたそれぞれのトレイ5群の最下段にあるトレイ5の下面を左右両側でそれぞれ支持している2つの可動台7の組どうしは、互いに同振幅且つ同位相で同期して動くように、それぞれを駆動するエアシリンダ機構13が連携して駆動制御されるようになっている。
【0033】
なお、これら2つの可動台7どうしは、連結して一体的な部材として構成してもよく、その場合には、この一体となした可動台7は、単一のエアシリンダ機構等の駆動源を用いて駆動するようにしてもよい。また、可動台を摺動させる駆動源は、エアシリンダ機構に限定するものではなく、例えば、モータのような回転駆動源を用い、クランク機構を介して可動台を摺動させるようにしてもよい。
【0034】
本実施形態の殺菌装置1においては、図示しないが、レトルト3の両外側に設けた8基のエアシリンダ機構13の左右一対ずつ4組について、駆動ロッドの往復動の周期と位相を、これらの組毎に個別に設定可能な駆動制御装置を備えている。
【0035】
次に、前述したように構成されている殺菌装置1の動作を図面に基づいて説明する。
殺菌が未処理のレトルト製品4は、複数段に積み重ねられたトレイ5に収容されて、図示しない搬送ラインのコンベヤでレトルト3の手前まで運ばれて一旦停止して待機し、ここでレトルト3の蓋体3Bが開けられ、次いで、前記搬送ラインのコンベヤから、レトルト3内のトレイ受けローラ6上に、複数段に積まれたトレイ5群が受け渡される。
【0036】
本実施形態においては、レトルト3内でトレイ受けローラ6上の複数段積みされたトレイ5を前方に移動させるために、それぞれのトレイ受けローラ6は、図示しないモータによって同期して回転駆動されるようになっている。
【0037】
なお、複数段積みされたトレイ5をレトルト3内で移動させる手段は、トレイ受けローラ6に限るものではなく、トレイ受けローラ6は単に回転自在なもので、トレイ5を支持するためだけに用い、トレイ5の移動は別途設けた送り手段を用いてもよい。
【0038】
前記送り手段としては、例えば、左右両側のトレイ受けローラ6の列の間に配置した、シリンダ装置等で駆動されるプッシャドグを用いた押送機構を用いることができ、最下段のトレイ5に前記プッシャドグを係合させて、複数段積みされたトレイ5群を前方に所定のストロークずつ押送するようにしてもよい。
【0039】
こうして、図1に示すように、トレイ5の群P1、P2、P3、P4を先頭のものP1から順にレトルト3内に搬入して、レトルト3の長手方向に左右2つずつ対向して配置された各可動台7の直上に、それぞれの群P1、P2、P3、P4が移動してきたところで、図示しない検知手段により、これらの群P1、P2、P3、P4の位置を検出することにより、トレイ受けローラ6の駆動を停止すると共に、それぞれの最下段のトレイ5は、これも図示しない位置決め機構により、前後方向(レトルト3の長手方向)に移動しないように、位置決め保持される。
【0040】
なお、前記位置決め機構としては、例えば、最下段のトレイ5の移動経路へ下方からストッパ部材を突出させて最下段のトレイ5の前後の端縁を位置決め保持し、左右方向(レトルト3の長手方向と直交する水平方向)には、トレイ5の動きを規制しない構造のものを用いることができる。
【0041】
次いで、蓋体3Bが閉じられ、その後、レトルト3内で加熱によるレトルト製品の殺菌処理が開始される。また、これと共に、レトルト3の外部に設けられている各エアシリンダ機構13が一斉に駆動されて、各可動台7が左右方向の摺動運動を開始し、その結果、複数段に積み上げられた各トレイ5の群P1、P2、P3、P4が摺動運動を行う。
【0042】
トレイ5の摺動運動にともなって、そのなかに収容されたレトルト製品4は、内容物が包装袋の内部で摺動し、その結果、攪拌効果により内容物の温度が包装袋の内部全体で均一になって、部分的に殺菌が不完全になったり、過熱して焦げ付くことが回避される。また、内容物の攪拌効果で殺菌時間を短縮できる。
【0043】
なお、本実施形態においては、トレイ5の群P1、P2、P3、P4の摺動の周期や摺動の位相は、個別に変更できるようにしているため、これらを異ならせることによって、殺菌装置1全体の共振を抑えることができ、殺菌装置1の周囲へ及ぼす振動を低減することができる。
【0044】
殺菌処理が完了した後、しばらくは、継続してトレイ5の群P1、P2、P3、P4を摺動させながらレトルト製品4の冷却処理を行う。こうして、トレイ5の群P1、P2、P3、P4を摺動させつつ冷却することで、冷却に要する時間を短縮することができる。
【0045】
このようにして、冷却処理が完了したら、レトルト本体3Aの前後の端部に設けられている蓋体3Bと蓋体3Cを開いて、蓋体3C側から、レトルト3内の処理済みのレトルト製品4を収容した各トレイ5の群を、先頭のP1から順に図示しない搬送ラインのコンベヤ上に送り出して次工程へ搬送する。
【0046】
これと同時に、蓋体3B側から、前工程から搬送されてきて、搬送ラインのコンベヤ上に待機させてある、未処理のレトルト製品4が収容されている図示していない4組のトレイ群を、レトルト3内に順次搬入し、これらのトレイ群が全てレトルト3内に搬入された時点で前後の蓋体3B、3Cを密閉して、再び前述した処理を繰り返す。
【0047】
なお、本実施形態のものでは、レトルト3前後の蓋体3B、3Cを同時に開放して、処理済みのトレイ群5をレトルト3内から搬出する一方で、未処理のトレイの群を搬入することができるので、殺菌処理工程のサイクルタイムを短縮することができる。しかしながら、本発明の殺菌装置はそれに限るものでなく、蓋体が一方にしかないレトルト装置にも適用できることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明のレトルト製品の殺菌方法及び殺菌装置は、食品や医薬品等を封入したレトルト製品の殺菌処理に利用することができ、特に、固形物や高粘度の内容物が包装袋に封入されたレトルト製品で、包装袋のサイズの大きいものや厚みのあるものには、特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明のレトルト殺菌方法を実施するために用いられる、レトルト装置の概略構造を示す平面図である。
【図2】図1のA−A線位置における横断面図である。
【図3】従来提案されているレトルト装置の縦断面図である。
【符号の説明】
【0050】
1 殺菌装置 2 支持脚部
3 レトルト 3A レトルト本体
3B、3C 蓋体 4 レトルト製品
5 トレイ 6 トレイ受けローラ
7 可動台 8 可動台受けローラ
9 ローラ受け枠 10 シール機構
11 連結ロッド 12 支持腕
13 駆動源 13A 駆動ロッド

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レトルト内の長手方向に並べた複数の可動台のそれぞれに、レトルト製品を多数並べて収容したトレイを複数段積み重ねて保持し、これらの可動台をそれぞれ独立した駆動源によって、前記長手方向と直交する水平方向に摺動させることにより、これらのトレイに収容されたレトルト製品をこれらの可動台と同方向に摺動させながら殺菌処理を行うことを特徴とするレトルト製品の殺菌方法。
【請求項2】
摺動の周期と位相の少なくとも一方を、レトルト内の長手方向に並べた可動台間で異ならせたことを特徴とする請求項1記載のレトルト製品の殺菌方法。
【請求項3】
レトルト内の長手方向に並べて配置され、それぞれ前記長手方向と直交する水平方向に個別に移動可能に設けられていると共に、レトルト製品を多数並べて収容するトレイを複数段積み重ねて保持する複数の可動台と、
前記それぞれの可動台を個別に前記水平方向に摺動させる複数の駆動源とを備えたことを特徴とするレトルト製品の殺菌装置。
【請求項4】
各駆動源は、摺動の周期と位相の少なくとも一方を、レトルト内の長手方向に並べた可動台間で異ならせて駆動するものであることを特徴とする請求項3記載のレトルト製品の殺菌装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−17726(P2008−17726A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190138(P2006−190138)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】