説明

レバー嵌合式コネクタ、及び、レバー嵌合式コネクタを備えたコネクタユニット

【課題】本発明は、自動車に搭載された相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがあるコネクタと前記相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがないコネクタとを、目視にて判別できるコネクタを提供することを目的とする。
【解決手段】コネクタは、端子金具が収容される本体部と、前記本体部から突出した一対の凸部と、を有するハウジングと、前記一対の凸部それぞれが通される孔部が設けられ、前記本体部を互いの間に挟む一対のプレート部を有し、前記凸部を中心として回転自在なレバーと、を備えている。前記レバーには、ラベルを貼り付けるためのラベル貼付部が設けられ、前記ラベル貼付部には、一対のプレート部同士を連結する板部が設けられ、前記板部には、前記孔部側に開口し、各プレート部が延在する方向に沿って延びたスリットが設けられ、前記ラベルは前記スリットを覆うように貼り付けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レバーが回転されることで相手方のコネクタに近付けて嵌合されるレバー嵌合式コネクタ、及び、レバー嵌合式コネクタを備えたコネクタユニットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
上述した従来のレバー嵌合式コネクタとしてのコネクタは、図8、図9に示すように、電気自動車に搭載されて、バッテリから負荷への電源供給を行うための電源回路に組み込まれた相手方のコネクタ102に嵌合されるものであり、端子金具(図示しない)が収容されるハウジング104と、前記ハウジング104を互いの間に挟む一対のプレート部151と、これら一対のプレート部151同士を連結するプレート連結部159と、を有し、前記ハウジング104に回転自在に取り付けられるレバー105と、を備えている。また、レバー105は、相手方のコネクタ102に嵌合される前の非嵌合位置から、回転することで、コネクタ101、102が互いに近付けられて嵌合される嵌合位置に位置付けられる。また、これらコネクタ101、102が搭載される電気自動車は、バッテリである電源の容量が通常のガソリンエンジン車等に比べて大容量であるため、前記ハウジングの表面には、危険を促す警告ラベル109が貼られている。
【0003】
上述した従来のコネクタが搭載される電気自動車は、電気系統をメンテナンスするような場合には、レバー105を嵌合位置から非嵌合位置に位置付けるように回転させて、相手方のコネクタ102からコネクタ101を取り外し、相手方のコネクタ102から取り外されたコネクタ101の、レバー105を一対のプレート部151を互いに離れる方向に引き離すように拡げることでハウジング104から取り外することで前記コネクタ101は分解される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来のコネクタ101には、以下に示す問題点があった、即ち、従来のコネクタ101は、作業者に危険を促すための警告ラベル109が、前記ハウジング104の表面に貼り付けられているので、例えば、電気自動車の電気系統の不具合発生時において、自動車メーカ以外の別の作業者によって、従来のコネクタ101が、相手方のコネクタ102から取り外されて、相手方のコネクタ102から取り外された従来のコネクタ101が、ハウジング104からレバー105が取り外されたことがある(即ち、分解されたことがある)もの(コネクタ101)なのか、分解されたことないコネクタ101なのかがわからず、前記自動車メーカによる前記不具合の原因の究明が困難となる問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、自動車に搭載された相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがあるコネクタと、前記相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがないコネクタとを、目視にて判別できるコネクタを提供することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の本発明は、端子金具が収容される本体部と、前記本体部から突出した一対の凸部と、を有するハウジングと、前記一対の凸部それぞれが通される孔部が設けられ、前記本体部を互いの間に挟む一対のプレート部と、これら一対のプレート部同士を連結するプレート連結部と、を有し、前記凸部を中心として回転自在に設けられ、回転することで相手方のコネクタに近付けられて嵌合されるレバーと、を備えたレバー嵌合式コネクタにおいて、前記レバーには、ラベルを貼り付けるためのラベル貼付部が設けられ、前記ラベル貼付部には、前記一対のプレート部同士を連結する板部が設けられ、前記板部には、前記孔部側に開口し、前記プレート連結部に向かって延びたスリットが設けられ、前記ラベルは前記スリットを覆うように貼り付けられていることを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の本発明において、前記スリットは、前記孔部に向かうにしたがって、各プレート部に近付くように幅広となるように形成されていることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の本発明は、請求項1または請求項2に記載の本発明において、ハウジングと、前記ハウジングに回転自在に設けられたレバーと、を備えたレバー嵌合式コネクタと、前記レバーが前記ハウジングに対して回転することで前記ハウジングに近付けられて嵌合される相手方のコネクタと、を備えたコネクタユニットにおいて、前記レバー嵌合式コネクタとして、請求項1または請求項2に記載のレバー嵌合式コネクタを備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に記載の本発明によれば、端子金具が収容される本体部と、前記本体部から突出した一対の凸部と、を有するハウジングと、前記一対の凸部それぞれが通される孔部が設けられ、前記本体部を互いの間に挟む一対のプレート部と、これら一対のプレート部同士を連結するプレート連結部と、を有し、前記凸部を中心として回転自在に設けられ、回転することで相手方のコネクタに近付けられて嵌合されるレバーと、を備えたレバー嵌合式コネクタにおいて、前記レバーには、ラベルを貼り付けるためのラベル貼付部が設けられ、前記ラベル貼付部には、前記一対のプレート部同士を連結する板部が設けられ、前記板部には、前記孔部側に開口し、前記プレート連結部に向かって延びたスリットが設けられ、前記ラベルは前記スリットを覆うように貼り付けられているので、例えば、自動車メーカ以外の別の作業者によって、コネクタが、相手方のコネクタから取り外されて、相手方のコネクタから取り外されたコネクタのハウジングからレバーが取り外されると(即ち、コネクタが分解されると)、前記ラベルが破られることとなり、よって、ラベルが破られることで、前記相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがあるコネクタであることが前記自動車メーカの作業者によって目視にて判別されることとなり、よって、自動車に搭載された相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがあるコネクタと前記相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがないコネクタとを、目視にて判別できるコネクタを提供することができる。
【0010】
請求項2に記載の本発明によれば、前記スリットは、前記孔部に向かうにしたがって、各プレート部に近付くように幅広となるように形成されているので、前記板部は、前記孔部に近付くにしたがって、前記一対のプレート部が互いに離れる方向に撓み易くなるように形成されていることとなり、よって、前記ラベルは、前記板部は、前記孔部に近付くにしたがって破られ易くなり、ハウジングからレバーが取り外された(即ち、コネクタが分解された)際に、ラベルを確実に破ることができる。
【0011】
請求項3に記載の本発明によればハウジングと、前記ハウジングに回転自在に設けられたレバーと、を備えたレバー嵌合式コネクタと、前記レバーが前記ハウジングに対して回転することで前記ハウジングに近付けられて嵌合される相手方のコネクタと、を備えたコネクタユニットにおいて、前記レバー嵌合式コネクタとして、請求項1または請求項2に記載のレバー嵌合式コネクタを備えているので、例えば、自動車メーカ以外の別の作業者によって、コネクタが、相手方のコネクタから取り外されて、相手方のコネクタから取り外されたコネクタのハウジングからレバーが取り外されると(即ち、コネクタが分解されると)、前記ラベルが破られることとなり、よって、ラベルが破られることで、前記相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがあるコネクタであることが前記自動車メーカの作業者によって目視にて判別されることとなり、よって、自動車に搭載された相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがあるコネクタと前記相手方のコネクタから取り外されて分解されたことがないコネクタとを、目視にて判別できるコネクタユニットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコネクタユニットを示す斜視図である。
【図2】図1に示されたコネクタユニットを構成するコネクタを示す斜視図である。
【図3】図1に示されたコネクタの上面図である。
【図4】図1に示されたコネクタを構成するレバーを示す斜視図である。
【図5】図3に示されたレバーを示す上面図である。
【図6】図5に示されたレバーにラベルが貼られた状態を示す上面図である。
【図7】図1に示されたコネクタを構成するレバーが、ハウジングから取り外される様子を示す上面図である。
【図8】従来のコネクタを示す斜視図である。
【図9】図8に示されたコネクタが相手方のコネクタに嵌合された状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態にかかるコネクタユニットとしての電源回路遮断装置を、図1乃至図7に基づいて説明する。この電源回路遮断装置10は、電気自動車に搭載されたバッテリから負荷への電源供給を行うための電源回路に組み込まれて、この電源回路に必要に応じて開閉する装置である。
【0014】
上記電源回路遮断装置10は、図1、図2に示すように、端子金具としてのメス端子と、前記メス端子が収容される箱状に形成されたハウジング4と、前記ハウジング4を跨ぐU字状に形成されて、前記ハウジング4に回転自在に取り付けられるレバー5と、を有するレバー嵌合式コネクタとしてのコネクタ1と、前記レバー5が回転されることで前記ハウジング4(コネクタ1)に近付けられて嵌合される相手方のコネクタ2と、を備えている。
【0015】
また、本明細書では、コネクタ1が相手方のコネクタ2に嵌合される前の、レバー5がハウジング4に対して回転される前に位置付けられた位置を、「非嵌合位置」といい、前記非嵌合位置に対して、コネクタ1が相手方のコネクタ2に嵌合された、レバー5がハウジング4に対して回転されて位置付けられた位置を「嵌合位置」といい、前記嵌合位置に位置付けられた後、レバー5がハウジング4に対してスライドされて位置付けられた位置を、「嵌合完了位置」という。
【0016】
また、コネクタ1が相手方のコネクタ2に嵌合された状態(即ち、レバー5が嵌合位置に位置付けられた状態)では、電源回路は開かれて(遮断されて)おり、コネクタ1が相手方のコネクタ2に嵌合された状態(即ち、レバー5が嵌合位置に位置付けられた状態)で、レバー5がハウジング4に対してスライドされることで、レバー5が嵌合完了位置に位置付けられると、電源回路は閉ざされる。
【0017】
また、図1などに示された矢印Z方向は、コネクタ1と相手方のコネクタ2とが互いに近付く嵌合方向を示し、矢印X方向は、ハウジング4に設けられた後述する一対の回転軸45が突出する突出方向を示し、矢印Y方向は、矢印X方向(突出方向)と矢印Z方向(嵌合方向)との双方に対して交差する交差方向、及び、レバー5が前記嵌合位置に位置付けられた後、レバー5がハウジング4に対してスライドされるスライド方向を示している。
【0018】
上記ハウジング4は、図2に示すように、有底筒状に形成された本体部40と、前記本体部40から互いに離れる方向(矢印X方向)突出し、レバー5に形成された後述する孔部52が通される一対の凸部としての回転軸45と、各回転軸45とスライド方向(矢印Y方向)に沿って並ぶ位置に設けられたロック部(図示しない)と、を備えている。また、これら、本体部40と一対の回転軸45とロック部とは、絶縁性の樹脂からなり、周知の射出成形によって一体に形成されている。
【0019】
上記レバー5は、図3、図4、図5に示すように、前述したハウジング4に設けられた本体部40を互いの間に挟むように設けられた一対のプレート部50Aと、一対のプレート部50A同士を連結するプレート連結部50Bと、によって、U字状に形成されたレバー本体部50と、前記レバー本体部50に設けられ、ラベルとしての警告ラベル9を貼り付けるためのラベル貼付部6と、前記一対のプレート部50Aのうち一方のプレート部50Aの外方向に向かって設けられた外側筒部59と、外側筒部59の内側に取り付けられた、導電性の第1検知端子(図示しない)と、を備えている。また、これらレバー本体部50と、ラベル貼付部6と、外側筒部59とは、絶縁性の樹脂からなり、周知の射出成形によって、一体に形成されている。
【0020】
上記一対のプレート部50Aは、互いに近付く方向と離れる方向(矢印X方向)とに弾性変形自在に設けられている。また、各プレート部50Aそれぞれには、前述したハウジング4に設けられた回転軸45が通される孔部52と、前記孔部52と連通する直線状に形成されており、該孔部52からスライド方向(矢印Y方向)に沿って形成されたガイド溝53と、相手方のコネクタ2に設けられた後述するカムピン73が通されるカム溝54と、レバー5が非嵌合位置に位置付けられると、本体部40に設けられたロック部が侵入する第1のロック受け部57と、レバー5が嵌合位置に位置付けられると、本体部40に設けられたロック部が侵入する第2のロック受け部58と、が設けられている。
【0021】
上記カム溝54には、孔部52を中心とした周方向に沿うように形成された、プレート部50Aを貫通する円弧部55と、前記円弧部55に連なり、前記ガイド溝53と沿うように直線状に形成された第2ガイド溝56と、が設けられている。上記円弧部55は、プレート部50Aのプレート連結部50Bから離れた端部(外縁)に開口するように設けられており、前記外縁に開口したカム溝54(円弧部55)の開口部には、レバー5が非嵌合位置に位置付けられた状態で、相手方のコネクタ2の後述するカムピン73が侵入する。
【0022】
上記ラベル貼付部6には、図5、図6に示すように、前記一対のプレート部50A同士を連結する板部61が設けられ、前記板部61には、前記孔部52側(即ち、矢印Y方向のプレート連結部50Bから離れた側)に開口し、プレート連結部50Bに向かって延びたスリット61aが設けられている。また、スリット61aは、前記孔部52に向かうにしたがって、各プレート部50Aに近付くように幅広となるように形成されている(即ち、板部61は、前記孔部52に向かうにしたがって、各プレート部50Aに近付くように設けられている)。また、ラベル貼付部6に貼り付けられる警告ラベル9は、前記スリット61aを覆うように貼り付けられる。
【0023】
上記外側筒部59は、筒状に形成されており、内側に導電性の第1検知端子が取付けられている。また、外側筒部59は、レバー5がハウジング4に対して嵌合完了位置に位置付けられると、相手方のコネクタ2に設けられた後述する内側筒部71が挿入される。
【0024】
上記相手方のコネクタ2は、図1に示すように、メス端子に接続される、互いに間隔をあけて設けられた一対のオス端子と、前記一対のオス端子が収容される箱状に形成された第2ハウジング7と、前述したレバー5に設けられた第1検知端子に接続される一対の第2検知端子(図示しない)と、を備えている。
【0025】
上記第2ハウジング7は、前述したコネクタ1に設けられた本体部40を収容する第2本体部70と、前記第2本体部70から互いに離れる方向(矢印X方向)に突出したカムピン73と、前記第2本体部70から突出するように設けられ、前述したレバー5に設けられた外側筒部59の内側に収容される内側筒部71と、前記本体部70から突出するように設けられ、相手方のコネクタ2を自動車の車体に取り付けるために前記車体を構成する車体パネルに重ねられる孔部72aが設けられた複数(図示例では2つ)の車体取付部72と、を備えている。
【0026】
上記内側筒部71は、スライド方向(矢印Y方向)に開口を有する筒状に形成されており、内側に、一対の第2検知端子が設けられている。
【0027】
上記一対の第2検知端子は、互いに間隔をあけて設けられている(互いに離間されている)。また、一対の第2検知端子のうち一方の第2検知端子は、バッテリに接続されて、他方の第2検知端子は負荷に接続されている。また、一対の第2検知端子は、レバー5が、前記嵌合完了位置に位置付けられると、第1検知端子がこれら一対の第2検知端子同士を接続し、これら第1検知端子と各第2検知端子とが電気的に接続されることで、電源回路が閉じられる(閉回路が形成される)。
【0028】
上述した電源回路遮断装置10を組み立てる手順について説明する。まず、予め、一対のオス端子のうち一方のオス端子を、電線を介してバッテリに接続して、他方のオス端子を電線を介して負荷に接続し、相手方のコネクタ2の車体取付部72と、車体パネルとを重ねて、車体取付部72の孔部72aにボルトを通して、車体パネルに設けられたナットと螺合させることで、相手方のコネクタ2を車体(車体パネル)に取り付けておく。
【0029】
次に、本体部40(ハウジング4)にメス端子を取り付けた後、レバー5の一対のプレート部50A同士を、これらプレート部50A同士が互いに離れるように拡げて、本体部40を互いの間に挟むように、レバー5の各孔部52に各回転軸45を通す。すると、ハウジング4に設けられたロック部が、レバー5に設けられた第1のロック受け部57に侵入する。この際、レバー5は、ハウジング4に対して回転される前に位置付けられた、非嵌合位置に位置付けられている。さらに、ラベル貼付部6のスリット61aを覆うようにラベル9を貼り付ける。こうして、コネクタ1が組み立てられる。
【0030】
続いて、レバー5がハウジング4に対して非嵌合位置に位置付けられた状態のコネクタ1を、カム溝54の前記開口部に、カムピン73を通すように、本体部40(コネクタ1)を第2本体部50(相手方のコネクタ2)に近付ける。さらに、これらコネクタ1と相手方のコネクタ2とが互いに近付けられた状態で、レバー5をハウジング4に対して回転させる。すると、カム溝54の円弧部55の内側を、該円弧部55の内縁に沿ってカムピン73が動かされる(スライドされる)。こうして、これら本体部40が第2本体部50に収容されるとともに、メス端子の内側に一対のオス端子が侵入し、一対のオス端子同士がメス端子によって接続されることとなり、レバー5が嵌合位置に位置付けられて、これらコネクタ1、2同士が嵌合される。
【0031】
また、レバー5が嵌合位置に位置付けられた状態では、一対の第2検知端子同士が互いに離間されており、よって、電源回路が開かれているので、オス端子からメス端子に電流が流れない。
【0032】
さらに、レバー5が、嵌合位置に位置付けられた状態で、レバー5をハウジング4、7に対してスライドさせる。すると、カムピン73は、第2のガイド溝56の内側を該第2のガイド溝56の内縁に沿って動かされる(スライドされる)とともに、回転軸45が、ガイド溝53の内側を該ガイド溝53の内縁に沿って動かされ(スライドされ)る。すると、ハウジング4に設けられたロック部が第2のロック受け部58に侵入するとともに、レバー5に設けられた外側筒部59に、第2ハウジング7に設けられた内側筒部71が挿入されて第1検知端子が一対の第2検知端子同士を接続する、と同時に、レバー5が嵌合完了位置に位置付けられる。こうして、レバー5が嵌合完了位置に位置付けられると、第1検知端子によって一対の第2検知端子同士が互いに電気的に接続されることとなり、そのために、電源回路が閉ざされることとなり、よって、オス端子からメス端子に電流が流れることとなる。
【0033】
次に、レバー5が嵌合完了位置に位置付けられたコネクタ1を相手方のコネクタ2から取り外す手順について説明する。まず、レバー5が、嵌合完了位置に位置付けられた状態で、レバー5をハウジング4、7に対してスライド方向(矢印Y方向)にスライドさせる。すると、レバー5に設けられたガイド溝53に沿って回転軸45が動かされる(スライドされる)とともに、第2のガイド溝56に沿ってカムピン73が動かされ(スライドされ)て、内側筒部71を収容した外側筒部59から、内側筒部71が引き出されて、レバー5に設けられた外側筒部59と、第2ハウジング7に設けられた内側筒部71とが互いに離されることで、第1検知端子と、一対の第2検知端子同士が互いに離される。こうして、レバー5は、嵌合位置に位置付けられる。この際、一対の第2検知端子同士が互いに離間されており、よって、電源回路が開かれていることとなるので、オス端子からメス端子に電流が流れない。
【0034】
さらに、レバー5が、嵌合位置に位置付けられた状態で、レバー5を、非嵌合位置に位置付けるようにレバーを回転させる。すると、本体部40を収容した第2本体部70から、本体部40が引き出されることで、メス端子と、一対のオス端子同士が互いに離される。こうして、レバー5は、非嵌合位置に位置付けられると、同時に、コネクタ1は、相手方のコネクタ2から取り外される。
【0035】
次に、相手方のコネクタ2から取り外されたコネクタ1のハウジング4からレバー5を取り外す(コネクタ1を分解する)手順について説明する。相手方のコネクタ2から取り外されたコネクタ1は、レバー5が非嵌合位置に位置付けられた状態で、これら一対のプレート部50A同士を互いに離れる方向(矢印X方向)に拡げる(図7に示す)。すると、一対のプレート部50Aは、互いに離れる方向(矢印X方向)に弾性変形することとなり、ラベル貼付部6に貼り付けられた警告ラベル9は、スリット61aの開口側(孔部52側)から徐々に破られる。こうして、ラベル貼付部6に貼り付けられた警告ラベル9は、スリット61aの開口側からスリット61aの延在する方向(矢印Y方向)に沿って破られる。こうして、スリット61aを覆うように貼り付けられた警告ラベル9が破られた後、ハウジング4に設けられた回転軸45が、レバー5に設けられた孔部52から取り外されて、ハウジング4からレバー5が取り外される。こうして、コネクタ1は分解される。
【0036】
上述したレバー嵌合式コネクタとしてのコネクタ1、及び、前記コネクタ1を備えたコネクタユニットとしての電源回路遮断装置10によれば、端子金具としてのメス端子が収容される本体部40と、前記本体部40から突出した一対の凸部としての回転軸45と、を有するハウジング4と、前記一対の回転軸45それぞれが通される孔部52が設けられ、前記本体部40を互いの間に挟む一対のプレート部50Aと、これら一対のプレート部50A同士を連結するプレート連結部50Bと、を有し、前記回転軸45を中心として回転自在に設けられ、回転することで相手方のコネクタ2に近付けられて嵌合されるレバー5と、を備えたコネクタ1において、前記レバー5には、ラベルとしての警告ラベル9を貼り付けるためのラベル貼付部6が設けられ、前記ラベル貼付部6には、前記一対のプレート部50A同士を連結する板部61が設けられ、前記板部61には、前記孔部52側に開口し、突出方向(矢印X方向)と嵌合方向(矢印Z方向)との双方に対して交差する交差方向(矢印Y方向)に沿って形成されたスリット61aが設けられ、前記警告ラベル9は前記スリット61aを覆うように貼り付けられているので、例えば、自動車メーカ以外の別の作業者によって、コネクタ1が、相手方のコネクタ2から取り外されて、相手方のコネクタ2から取り外されたコネクタ1のハウジング4からレバー5が取り外されると(即ち、コネクタ1が分解されると)、前記警告ラベル9が破られることとなり、よって、警告ラベル9が破られることで、前記相手方のコネクタ2から取り外されて分解されたことがあるコネクタ1であることが前記自動車メーカの作業者によって目視にて判別されることとなり、よって、自動車に搭載された相手方のコネクタ2から取り外されて分解されたことがあるコネクタ1と前記相手方のコネクタ2から取り外されて分解されたことがないコネクタ1とを、目視にて判別できるコネクタ1を提供することができる。
【0037】
また、前記スリット61aは、前記孔部52に向かうにしたがって、各プレート部50Aに近付くように幅広となるように形成されているので、前記板部61は、前記孔部52に近付くにしたがって、前記一対のプレート部50Aが互いに離れる方向(矢印X方向)に撓み易くなるように形成されていることとなり、よって、前記警告ラベル9は、前記板部61は、前記孔部52に近付くにしたがって破られ易くなり、ハウジング4からレバー5が取り外された(即ち、コネクタ1が分解された)際に、警告ラベル9を確実に破ることができる。
【0038】
また、ハウジング4と、前記ハウジング4に回転自在に設けられたレバー5と、を備えたレバー嵌合式コネクタとしてのコネクタ1と、前記レバー5が前記ハウジング4に対して回転することで前記ハウジング4に近付けられて嵌合される相手方のコネクタ2と、を備えたコネクタユニットとしての電源回路遮断装置10において、前記コネクタ1として、請求項1または請求項2に記載のレバー嵌合式コネクタとしてのコネクタ1を備えているので、例えば、自動車メーカ以外の別の作業者によって、コネクタ1が、相手方のコネクタ2から取り外されて、相手方のコネクタ2から取り外されたコネクタのハウジング4からレバー5が取り外されると(即ち、コネクタ1が分解されると)、前記ラベルが破られることとなり、よって、警告ラベル9が破られることで、前記相手方のコネクタ2から取り外されて分解されたことがあるコネクタ1であることが前記自動車メーカの作業者によって目視にて判別されることとなり、よって、自動車に搭載された相手方のコネクタ2から取り外されて分解されたことがあるコネクタ1と前記相手方のコネクタ2から取り外されて分解されたことがないコネクタ1とを、目視にて判別できる電源回路遮断装置10を提供することができる。
【0039】
なお、前述した実施形態は本発明の代表的な形態を示したに過ぎず、本発明は、実施形態に限定されるものではない。即ち、本発明の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
【符号の説明】
【0040】
10 電源回路遮断装置(コネクタユニット)
1 コネクタ(レバー嵌合式コネクタ)
2 相手方のコネクタ
40 本体部
45 (一対の)回転軸(凸部)
5 レバー
50A (一対の)プレート部
50B プレート連結部
52 孔部
6 ラベル貼付部
61 板部
61a スリット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端子金具が収容される本体部と、前記本体部から突出した一対の凸部と、を有するハウジングと、
前記一対の凸部それぞれが通される孔部が設けられ、前記本体部を互いの間に挟む一対のプレート部と、これら一対のプレート部同士を連結するプレート連結部と、を有し、前記凸部を中心として回転自在に設けられ、回転することで相手方のコネクタに近付けられて嵌合されるレバーと、を備えたレバー嵌合式コネクタにおいて、
前記レバーには、ラベルを貼り付けるためのラベル貼付部が設けられ、
前記ラベル貼付部には、前記一対のプレート部同士を連結する板部が設けられ、
前記板部には、前記孔部側に開口し、前記プレート連結部に向かって延びたスリットが設けられ、
前記ラベルは前記スリットを覆うように貼り付けられていることを特徴とするレバー嵌合式コネクタ。
【請求項2】
前記スリットは、前記孔部に向かうにしたがって、各プレート部に近付くように幅広となるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のレバー嵌合式コネクタ。
【請求項3】
ハウジングと、前記ハウジングに回転自在に設けられたレバーと、を備えたレバー嵌合式コネクタと、
前記レバーが前記ハウジングに対して回転することで前記ハウジングに近付けられて嵌合される相手方のコネクタと、を備えたコネクタユニットにおいて、
前記レバー嵌合式コネクタとして、請求項1または請求項2に記載のレバー嵌合式コネクタを備えていることを特徴とするコネクタユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−59555(P2012−59555A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201747(P2010−201747)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000006895)矢崎総業株式会社 (7,019)
【Fターム(参考)】