説明

レンズアレイ、そのレンズアレイの製造方法および感光性ガラスプレート

レンズアレイ、そのレンズアレイの製造方法がここに記載されている。レンズアレイは、比較的少量の感光性物質(例えば、銀、金またはそれらの組合せ)を含有する感光性ガラスプレートから、この感光性ガラスプレートに露光工程、加熱処理工程および必要に応じてのイオン交換工程を施したときに、レンズであるガラス領域を含み、各レンズの周りに位置する不透明乳白領域も含むガラス複合プレートになるように製造される。このレンズアレイは、同様の露光、熱処理およびイオン交換工程が施された従来の感光性ガラスプレートから製造された従来のレンズアレイに見られる黄色のレンズよりも大きいサグ高さを示す無色透明レンズを有する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の説明】
【0001】
本出願は、ハレス(Hares)等の、レンズアレイおよびそのレンズアレイの製造方法と題する、2002年10月4日に出願された米国仮特許出願第60/416076号の利益を主張するものである。
【技術分野】
【0002】
本発明は、概して、フォトニクス分野に関し、特に、レンズアレイおよびそのレンズアレイを、比較的少量の感光性物質(例えば、銀、金またはそれらの組合せ)を有する感光性ガラスプレートから製造する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
今日、レンズアレイを感光性ガラスプレートから製造できるとがよく知られている。実際に、本発明の譲受人であるコーニング社の科学者達は、FOTOFORM(登録商標)として知られる感光性ガラスプレートおよびレンズアレイを形成するのに使用できるSMILE(登録商標)プロセスとして知られているプロセスを開発し、その特許権を取った。「SMILE」プロセスが、ここに引用する特許文献1、2および3に詳細に論じられている。一方で、「FOTOFORM」ガラスが、ここに引用する特許文献4、5、6、7、8、9および10に詳細に論じられている。「SMILE」プロセスが施された「FOTOFORM」ガラスから製造された従来のレンズアレイの例が、図1Aおよび1Bに関して以下に記載されている。
【0004】
図1A〜1Bを参照すると、「SMILE」プロセスが施された「FOTOFORM」ガラスから製造された16×20のレンズアレイ100の正面図と断面側面図がそれぞれ示されている。基本的に、「SMILE」プロセスは、従来のレンズアレイ100を製造するために、「FOTOFORM」ガラスに、紫外線露光工程、熱処理工程および所望であれば、イオン交換工程を施す。特に、従来のレンズアレイ100は、「FOTOFORM」ガラスの選択された部分を、好ましくは240〜400nm(最も好ましくは300〜350nm)の間の波長を持つ紫外線に約3分間に亘り露光し、次いで、露光された「FOTOFORM」ガラスを600℃で40分間に亘り熱処理することにより製造することができる。このように製造された従来のレンズアレイ100は、5〜15μmのサグ高さ(sag height)を持つレンズ110を有する(図1B参照)。従来のレンズアレイ100にイオン交換処理を施しても差し支えなく、その場合、レンズアレイ100は、500℃のKNO3塩浴中に64時間に亘り浸漬される。イオン交換処理により、レンズ110が望ましくない黄色を呈するだけでなく、レンズ110のサグ高さが約38〜61μmまで増加する(表1参照)。サグは、曲率半径および、したがって、以下の方程式により形成されたレンズ110の焦点距離と光の集結するパワーを制御するパラメータである:
c=rL2/2δ (1)
ここで、Rcは曲率半径であり、δはサグであり、rLはレンズの半径である。
【0005】
レンズ110の色およびサグの大きさはレンズの性能に直接影響を与えるので、今日、科学者達は、レンズアレイの製造に用いられる感光性ガラスプレート(「FOTFORM」ガラス)の組成を改善しようと絶えず試みている。
【特許文献1】米国特許第4572611号明細書
【特許文献2】米国特許第4518222号明細書
【特許文献3】米国特許第5062877号明細書
【特許文献4】米国特許第2326012号明細書
【特許文献5】米国特許第2422472号明細書
【特許文献6】米国特許第2515936号明細書
【特許文献7】米国特許第2515938号明細書
【特許文献8】米国特許第2515275号明細書
【特許文献9】米国特許第2515942号明細書
【特許文献10】米国特許第2515943号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
したがって、比較的大きなサグ高さを示す無色透明レンズを有するレンズアレイを製造するのに使用できる感光性ガラスプレートの新たな組成が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この必要性と他の必要性は、本発明のレンズアレイおよび方法により満たされる。
【0008】
本発明は、比較的少量の感光性物質(例えば、銀、金またはそれらの組合せ)を含有する感光性ガラスプレートから、その感光性ガラスプレートに露光工程、熱処理工程、および必要に応じてのイオン交換工程を施したときに、レンズであるガラス領域を含み、各レンズの周りに位置する不透明乳白領域も含むガラス複合プレートになるように製造されるレンズアレイを含む、本発明のレンズアレイは、同様の露光、熱処理およびイオン交換工程が施された従来の感光性ガラスプレートから製造された従来のレンズアレイにおける黄色のレンズと比較して、より大きいサグ高さを持つ無色透明レンズを有する。本発明はまた、そのレンズアレイを製造する方法を含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照して、より完全に理解されるであろう。
【0010】
図2〜3を参照すると、本発明によるレンズアレイ300およびレンズアレイ300を製造する好ましい方法200が開示されている。本発明をより分かり易く説明するために、レンズアレイ300を製造するのに使用できる感光性ガラスの異なる組成について詳しく論じる前に、レンズアレイ300およびレンズアレイ300を製造する好ましい方法200について詳しく論じる。
【0011】
図2および図3A〜3Fを参照すると、レンズアレイ300を製造する好ましい方法200の流れ図および好ましい方法200における異なる工程でのレンズアレイ300の様々な断面側面図と正面図がそれぞれ示されている。始めの工程202で、フォトマスク302を感光性ガラスプレート304と接触して配置する(図3A参照)。好ましい実施の形態において、感光性ガラスプレート304は、所定の量の感光性物質(例えば、銀、金またはそれらの組合せ)を含有する、光核形成可能(photonucleable)かつ結晶化可能なケイ酸リチウムガラスプレートである。この好ましい感光性ガラスプレート304は、レンズアレイ300内でレンズが望ましい区域において微量の乳白形成を防ぐために、熱処理工程206の前の全ての段階で、周囲の紫外線露光(例えば、日光、フィルタ処理されていない人工光)から保護する必要がある。好ましい感光性ガラスプレート304の例示としてのケイ酸塩ガラス組成を、以下の表2および3A〜3Bを参照してより詳しく説明する。
【0012】
フォトマスク302と感光性ガラスプレート304との接触は、フォトマスク302上の特徴構造の間隔が比較的大きい、例えば、約10μm以上である場合、空気界面303であって差し支えない。空気界面303の代わりは、フォトマスク302と感光性ガラスプレート304との間に配置できる屈折率整合流体(例えば、グリセリン)である。例えば、フォトマスク302と感光性ガラスプレート304との間にグリセリンの膜が配置されるグリセリン真空技法として知られている技法を使用することができる。次いで、真空引きにより、フォトマスク302を感光性ガラスプレート304上に引きつけ、過剰のグリセリンを絞り出して、フォトマスク302と感光性ガラスプレート304との間の界面に連続した均一なグリセリン膜を生じるように感光性ガラスプレート304を真空取付具上に取り付ける。
【0013】
工程202前に、感光性ガラスプレート304を研削し、研磨して、レンズアレイ300として使用するのに適切な大きさの基板を製造する。感光性ガラスプレート304の典型的な寸法は、4インチ×4インチ×0.160インチ(約10cm×10cm×0.4cm)である。この幅と長さは用途により大きく異なって差し支えないが、厚さは約0.075インチ(約0.19cm)以上または約0.25インチ(約0.063cm)以下であることが好ましい。
【0014】
工程204で、フォトマスク302および感光性ガラスプレート304の選択された領域を紫外線305に露光させる(図3B)。好ましい実施の形態において、フォトマスクは、感光性ガラスプレート304上の露光パターンを制御するのに使用される、石英上にクロムが付着した(クロム・オン・石英)フォトマスク302である。クロム・オン・石英フォトマスク302は、石英基板302aおよびクロム層302bを含む。フォトマスク302のクロム層302b中のクロムは、感光性ガラスプレート304内の所望の乳白領域306(斜線部分として示されている)に対応するクロム層の区域には含まれていない。特に、各乳白領域306はガラス相とメタケイ酸リチウムのナノ結晶相との複合体であり、ナノ結晶相は複合体の約20体積%を占める。他方で、フォトマスク302のクロム層302b内のクロムは、感光性ガラスプレート304内の所望のガラス領域308(透明領域として示されている)に対応するクロム層の領域内に存在する。
【0015】
露光工程204は、感光性ガラスプレート304内の乳白領域(光を透過させない将来の乳白領域306)に核を形成させるのに十分なエネルギーを持ち、感光性ガラスプレート304を通して露光が明確に画成されるように十分に平行な紫外線または短波放射線を発生できるどのような方法により行っても差し支えない。例えば、平行1000ワットHg/Xeアーク源を用いて、感光性ガラスプレート304を露光することができる。この実例において、出力ビームは、5インチ×5インチ(約12.5cm×12.5cm)のフォトマスク302に十分過ぎるほどの約10インチ(約25cm)の直径である。紫外線の強度は、3〜4分間の露光時間で、5〜10mW/cm2の範囲にある。Hg/Xe源以外に、例えば、エキシマレーザ(309〜350nm)、波長可変YAG(300〜400nm)を含む他の紫外線源を用いても差し支えない。露光工程204後、フォトマスク302を、露光された感光性ガラスプレート304から分離し、必要であれば、露光された感光性ガラスプレート304を石鹸と水で洗浄して、熱処理工程206の前にグリセリンを除去する。
【0016】
工程206で、露光された感光性ガラスプレート304を加熱して、その中に乳白領域306(斜線領域として示されている)およびガラス領域308(透明領域として示されている)を形成する(図3C参照)。好ましい実施の形態において、加熱工程206は、露光された感光性ガラスプレート304が蓋されたステンレス鋼製箱内に配置される炉内で行われ、炉の雰囲気は、流動乾燥窒素を有してなる。特に、露光された感光性ガラスプレート304は、露光された感光性ガラスプレート304の露光された面が上向きで、形成体または平らなプレート上に配置されている。この形成体は、熱処理工程206中に、露光された感光性ガラスプレート304が融着せず、熱処理工程206中に変形しないどのようなガラス、セラミックまたはガラスセラミック材料であっても差し支えない。粉末Al23(例えば)を、離型剤として作用するように形成体上に広げても差し支えない。典型的な熱処理スケジュールは以下のとおりである:
・ 480℃まで460℃/時で加熱
・ 615℃まで150℃/時で加熱
・ 60分間に亘り615℃で保持
・ 炉の冷める速度で冷却
加熱工程206中、乳白領域306は、感光性ガラスプレート304内のガラス領域308よりも著しく収縮する(図3C参照)。工程202、204および206が完了した後、加熱された感光性ガラスプレート304を、基本的にガラス複合プレート304である熱形成されたレンズアレイ300に転換させる(図3C)。
【0017】
好ましい実施の形態において、レンズアレイ300は、感光性ガラスプレート304を、好ましくは240〜400nm(最も好ましくは300〜350nm)の間の波長を持つ紫外線に露光し、その後、露光された感光性ガラスプレート304を615℃で1時間に亘り熱処理して、乳白領域306およびガラス領域308を形成することにより製造できる。
【0018】
乳白領域306は、結晶質粒子を有し、それゆえ、ガラス領域308よりも大きい密度を有する。乳白領域306中の結晶質粒子の成長を可能にする核形成の機構は、感光性ガラスプレート304中のセリウムIII(Ce3+)が紫外線を吸収し、セリウムIV(Ce4+)に転化し、これにより、電子が放出される時に始まる。この電子は、感光性ガラスプレート304中の金属イオン、例えば、銀イオン(Ag1+)により吸収され、これらのイオンを金属(例えば、Ag0)に転化させる。
【0019】
このように製造された熱形成レンズアレイ300は、従来のレンズアレイ100内のレンズ110により示されるサグ高さよりも大きいサグ高さを示すガラス領域308として示されたレンズ310を有する。(図1Bを図3Cと比較する)。本発明のレンズアレイ300により示される大きなサグ高さの結果として、これらのレンズ310は、より小さなモードフィールド径およびより短い距離のビームウェストを示す。それゆえ、ガラスの単位面積当たりより多い数のレンズ310が得られる、より小さなレンズアレイ300を製造でき、これは転じて、コストの節約と言い換えられる。
【0020】
レンズ310のサグ高さにおける改善は、レンズアレイ300を製造するのに用いられる(表2および3A〜3B参照)、本発明者等により開発された、改善されたケイ酸塩ガラス組成/感光性ガラスプレート304の直接的な結果である。
【0021】
再度、図2および3D〜3Fを参照すると、工程208(随意的)で、熱形成レンズアレイ300にイオン交換プロセスを施して、向上したレンズアレイ300を形成しても差し支えない(図3D参照)。基本的に、長期間のイオン交換工程208は、レンズアレイ300内のレンズ310のサグ高さをさらに増大させるために用いられる。好ましい実施の形態において、長期間のイオン交換工程208は、熱形成レンズアレイ300を500℃のKNO3溶融塩浴中に64時間に亘り浸漬することにより完了できる。イオン交換工程208が施されたレンズアレイ300は、熱成形レンズアレイ300内のレンズのサグ高さよりもさらに大きいサグ高さを持つレンズ310を示す(図3Cを図3Dと比較する)。
【0022】
再度、従来技術では、工程202、204、206および長期間のイオン交換工程208の後、黄色を呈するレンズ110を有する従来のレンズアレイ100しか製造できなかったことに留意すべきである。レンズ110の黄色は、レンズ110の透過率に悪影響を及ぼす望ましくない性質である。本発明者等は、多量の感光性物質(例えば、銀)により、従来のレンズアレイ100内のレンズ110は、レンズアレイ100に長期間のイオン交換工程を施した時に黄色に変色すると考えている。特に、本発明者等は、レンズ110は、イオン交換工程における長期間の熱によって、レンズ110(露光されていないガラス領域)内の銀が還元されると考えている。
【0023】
それゆえ、本発明により工程202、204、206および208を完了した後、同様に製造した従来のレンズアレイ100内の黄色のレンズ110よりもサグ高さの大きい、M×Nアレイの無色透明のレンズ310(例えば、両凸レンズ、平凸レンズ、両等凸レンズ)を有するレンズアレイ300を製造することができる。これは、レンズアレイ300を製造するのに用いられる感光性ガラスプレート304は、従来のレンズアレイ100を製造するのに用いられる感光性ガラスプレートとは異なるケイ酸塩ガラス組成を有するからである。以下、新規と以前の感光性ガラスプレートの差を、表1、2および3A〜3Bを参照して、詳細に説明する。
【0024】
上述したように、従来のレンズアレイ100は、「FOTOFORM」ガラスとして知られている感光性ガラスプレートから製造される。表1は、測定されたサグ高さと様々な物理的性質に加えて、「FOTOFORM」ガラスの重量部で表した組成を示している:
【表1】

【0025】
「FOTOFORM」ガラスが、感光性物質として、比較的多量の銀および比較的少量の金を使用しているのが、表1から分かる。本発明の発明者等は、実験を行って、レンズアレイ300を、比較的少量の感光性物質(例えば、銀、金またはそれらの組合せ)を使用した感光性ガラスプレート304から製造すれば、無色透明レンズ310を有し、増加したサグ高さを示すレンズアレイ300を製造できると判断した。それゆえ、本発明者等は、上述した工程202、204、206および208または類似の工程を施すことができ、それでもまだ、増加したサグ高さを有する無色透明レンズ310を示すレンズアレイ300を形成する感光性ガラスプレート304の異なるケイ酸塩ガラス組成を開発した(表2および3A〜3B)。
【0026】
表2には、本発明の感光性ガラスプレート304の形成に使用するための本発明のガラス組成が報告されており、様々な成分が重量%で列記されている:
【表2】

【0027】
表3A〜3Bには、レンズアレイ300を製造するのに使用できる感光性ガラスプレート304に関する上述した本発明の範囲内の例示してのケイ酸塩ガラス組成を有が列記されている。表3A〜3Bには、測定されたサグ高さおよび様々な物理的性質以外に、ケイ酸塩ガラスの各組成が重量部で示されている。
【表3A】

【表3B】

表3A〜3Bに列記されたケイ酸塩ガラス組成は、増加したサグ高さを持つ無色透明レンズ310を有する多数のレンズアレイ300を製造するのに用いられてきた。レンズ310のサグ高さは、表3A〜3Bに示されたソーダ含有量の関数であるように見えるが、増加したサグ高さは、500℃でのガラスプレートの減少した粘度のせいであると考えられる。
【0028】
表2および3A〜3Bに列記された上述のケイ酸塩ガラス組成に加えて、まだ開発されていないが、望ましいレンズアレイ300を製造するのに使用できるであろう他の感光ケイ酸塩ガラス組成もあると考えるべきである。好ましい工程202、204、206および208は様々な様式で変更することができ、感光性ガラスプレート304の異なるケイ酸塩ガラス組成を用いて、M×Nアレイの比較的透明なレンズ310を有する望ましいレンズアレイ300を製造できることを理解すべきである。
【0029】
本発明の感光性ガラスプレート304を使用した結果は、露光され熱形成された乳白領域306(乳白領域)は、「FOTOFORM」ガラスにおいて典型的な青−茶よりもむしろ概して白色であることであると理解されよう。本発明の感光性ガラスプレート304を使用した別の結果は、「FOTOFORM」ガラスを用いて製造した両凸レンズと比較した場合、優れた表面品質を有する両凸レンズを製造できることであると理解されよう。
【0030】
レンズアレイ300をファイバアレイに連結して、多重化、切換え、フィルタ処理、偏光および逆多重化を含む、様々な信号処理操作を行うのに使用できるコリメータアレイを形成できることも理解されよう。以下は、コリメータアレイを使用できるフォトニック用途のいくつかの簡単なリストである:
・ レーザ・ダイオード・アレイ
・ 光学相互接続
・ コンタクト・イメージ・センサ
・ 発光ダイオード・アレイ
・ 液晶ディスプレイ投射システム
・ レンズアレイが直接搭載された電荷結合素子
・ 2−Dおよび3−D光スイッチ。
【0031】
本発明の実施の形態のいくつかを、添付の図面に示し、先の詳細な説明に記載してきたが、本発明は、開示された実施の形態には制限されず、添付の特許請求の範囲により定義された本発明の精神から逸脱せずに、様々な再配置、改変および置換が可能であることを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】1Aおよび1Bはそれぞれ従来の16×20のレンズアレイの正面図および断面側面図
【図2】本発明によるレンズアレイを製造する好ましい方法の各工程を示す流れ図
【図3A】図2に示した方法の工程でのレンズアレイの断面側面図
【図3B】図2に示した方法の工程でのレンズアレイの断面側面図
【図3C】図2に示した方法の工程でのレンズアレイの断面側面図
【図3D】図2に示した方法の工程でのレンズアレイの断面側面図
【図3E】図2に示した方法の工程でのレンズアレイの正面図
【図3F】図2に示した方法の工程でのレンズアレイの断面側面図
【符号の説明】
【0033】
100、300 レンズアレイ
110、310 レンズ
304 感光性ガラスプレート
306 乳白領域
308 ガラス領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも以下の成分:
65〜85重量%のSiO2
8〜11重量%のLi2O、
2〜7重量%のAl23、および
0.01〜0.05重量%のCeO2
を含むケイ酸塩ガラス組成を有し、0.005〜0.015重量%のAuまたは0.0005〜0.005重量%のAgのいずれかおよび/またはそれらの組合せからなる感光性物質を含有する感光性ガラスプレートを有してなるレンズアレイであって、
前記感光性ガラスプレートに露光工程、熱処理工程および長期間のイオン交換工程を施したときに、該感光性ガラスプレートが、レンズである複数のガラス領域および該レンズの周りに位置する少なくとも一つの乳白領域を含むガラス複合プレートになることを特徴とするレンズアレイ。
【請求項2】
前記ガラス複合プレートが無色透明レンズを有することを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項3】
前記ガラス複合プレートに、増加したサグ高さを有するレンズが形成されたことを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項4】
前記感光性ガラスプレートが前記感光性物質として銀のみを含むことを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項5】
前記感光性ガラスプレートが前記感光性物質として金のみを含むことを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項6】
前記感光性ガラスプレートが、表3A〜3Bに列記された組成の群から選択される組成を有することを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項7】
前記レンズのサグ高さを増加させるために、前記ガラス複合プレートを約64時間の期間に亘り500℃のKNO3溶融塩浴中に浸漬することによる前記長期間のイオン交換工程が用いられることを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項8】
前記感光性ガラスプレートのケイ酸塩ガラス組成が、以下の成分:
0〜10重量%のNa2O、
0〜8重量%のK2O、
0〜5重量%のZnO、
0〜5重量%のSb23、および
0〜5重量%のKNO3
を有することを特徴とする請求項1記載のレンズアレイ。
【請求項9】
レンズアレイを製造する方法であって、
少なくとも以下の成分:
65〜85重量%のSiO2
8〜11重量%のLi2O、
2〜7重量%のAl23、および
0.01〜0.05重量%のCeO2
を含むケイ酸塩ガラス組成を有し、0.005〜0.015重量%のAuまたは0.0005〜0.005重量%のAgのいずれかおよび/またはそれらの組合せからなる感光性物質を含有する未露光感光性ガラスプレートの上にフォトマスクを配置し、
前記フォトマスクおよび前記未露光感光性ガラスプレートの選択された領域を紫外線に露光し、
露光された感光性ガラスプレートを加熱して、その中に複数のガラス領域および少なくとも一つの乳白領域を形成し、
加熱された感光性ガラスプレートをイオン交換して、前記レンズアレイを形成する、
各工程を有してなり、
前記レンズアレイが、前記複数のガラス領域がレンズであり、前記少なくとも一つの乳白領域が前記レンズの周りに配置されているガラス複合プレートであることを特徴とする方法。
【請求項10】
前記レンズアレイが無色透明レンズを有することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項11】
前記レンズアレイに、増加したサグ高さを有するレンズがその中に形成されていることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項12】
前記感光性ガラスプレートが前記感光性物質として銀のみを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項13】
前記感光性ガラスプレートが前記感光性物質として金のみを含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項14】
前記感光性ガラスプレートが、表3A〜3Bに列記された組成の群から選択される組成を有することを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項15】
前記ガラス複合プレートを約64時間の期間に亘り500℃のKNO3溶融塩浴中に浸漬することによる前記長期間のイオン交換工程を用いて、前記レンズのサグ高さを増加させることを特徴とする請求項9記載の方法。
【請求項16】
前記感光性ガラスプレートのケイ酸塩ガラス組成が、以下の成分:
0〜10重量%のNa2O、
0〜8重量%のK2O、
0〜5重量%のZnO、
0〜5重量%のSb23、および
0〜5重量%のKNO3
を有することを特徴とする請求項9記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図3E】
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【図3F】
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【公表番号】特表2006−502439(P2006−502439A)
【公表日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−543059(P2004−543059)
【出願日】平成15年9月29日(2003.9.29)
【国際出願番号】PCT/US2003/030942
【国際公開番号】WO2004/033382
【国際公開日】平成16年4月22日(2004.4.22)
【出願人】(397068274)コーニング インコーポレイテッド (1,222)
【Fターム(参考)】