説明

レンズ装置および撮像装置

【課題】部品点数を増やしたり、大型化したりすることなく、沈胴状態における光量調整部品の位置ずれを抑制すること。
【解決手段】沈胴状態においては、ピン保持用穴401にピン120を嵌め込んで、ピン120を介してマグネットおよびロータ軸の動作を規制するように構成した。これによって、沈胴状態におけるピン120あるいはマグネットおよびロータ軸の回動を規制するために部品点数を増やしたり、レンズ装置100を大型化したりすることなく、沈胴状態における光量調整部品の位置ずれを抑制することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電源をONにした状態でレンズ装置を撮像装置本体から繰り出した撮影状態となり、電源をOFFにした状態でレンズ装置を撮像装置本体に格納した沈胴状態となる沈胴式の撮像装置および当該撮像装置に用いるレンズ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、たとえばデジタルスチルカメラ、デジタルムーブカメラ、フィルムカメラなどの撮影機器など、光学レンズを含んだレンズユニットもしくはレンズユニットに組み込まれる露出制御装置(通称:レンズシャッター)を備えた撮影機器においては、カメラ本体の電源をOFFにした場合に、レンズユニットがカメラボディ内部へ収納される機構を備えた撮影機器、いわゆる、沈胴式カメラがあった。このような露出制御装置は、たとえば絞り制御のみのもの、絞り制御と遮光制御とをもたせたもの、遮光制御のみのもの、など各種存在する。
【0003】
このような沈胴式カメラの利点は、電源をOFFにした状態における良好な携帯性にある。良好な携帯性を実現するために、沈胴されたレンズユニットにおいては、たとえば光学系を構成するレンズ玉、シャッタ装置、フレアカッター、レンズ駆動枠、保持枠などのようなレンズユニットを構成する各部品を高密度に収納しなければならない。
【0004】
このような沈胴式カメラにおいては、たとえばシャッタ装置に着目した場合、シャッタ羽根、絞り羽根、NDフィルタなどシャッタ装置に設けられた露出を制御するための部品の作動面(光軸と直角方向で撮像素子と平行な面)に、レンズユニットを構成する他の構成部品が入り込む構成が必然となり、このような構成が、沈胴時において問題となる項目になりうることがあった。
【0005】
シャッタ装置においては、たとえばロータマグネット・鉄心(ヨーク)・コイルによって光量調整部品を駆動することが多い。このようなシャッタ装置においては、無通電時におけるロータマグネットの保持力のみを利用して、沈胴時における光量調整部品を特定の角度位置に保持するようにしている。
【0006】
また、従来、たとえば沈胴式カメラのレンズ鏡胴において、シャッタ羽根とフィルタ羽根が、各々の回転子の出力ピンによって往復回転させられるようになっており、沈胴時には、第1レンズ群を取り付けた第1レンズ枠の操作ピンが、連結部材の被押動部を押して、コイルばねの付勢力に抗してリング部材を時計方向へ回転させ、リング部材の突起部を、出力ピンの作動軌跡内に臨ませるようにした技術があった(たとえば、下記特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−264356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上述した従来の技術においては、沈胴状態における沈胴式カメラに対して強い衝撃が加わった場合に、無通電時のロータマグネットの保持力だけでは光量調整部品を保持しておくことができず、沈胴時における光量調整部品が特定の角度から動いてしまうという問題があった。沈胴式カメラにおいては、各種の部品が高密度に実装されているため、部品同士が干渉してしまうことが危惧される。
【0009】
また、上述した特許文献1に記載された従来の技術では、沈胴時の羽根破損対策として、コイル・バネ・レバー・軸などの新規部品を追加して、沈胴時の各鏡枠部品の動きを利用して、メカ的な羽根の係止を実現させているため、部品点数が増え、沈胴式カメラの重量が増加したり、構造が複雑化したりするという問題があった。
【0010】
また、上述した特許文献1に記載された従来の技術では、コイルばねの付勢力に抗してリング部材を時計方向へ回転させているため、コイルばねのばね特性の経時変化によってリング部材を時計方向へ回転させる付勢力が低下することが危惧される。このため、上述した特許文献1に記載された従来の技術では、羽根の破損を長期間にわたって確実に防止できるという保証が得られないという問題があった。
【0011】
この発明は、上述した従来技術による問題点を解消するため、部品点数を増やしたり、大型化したりすることなく、沈胴状態における光量調整部品の位置ずれを抑制することができるレンズ装置および撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明にかかるレンズ装置は、撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態との間で前記光学要素の移動をおこなうレンズ装置であって、前記レンズ装置に設けられ、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置を通過する光量を調整する光量調整部品と、前記光量調整部品に連結されたピンが設けられたマグネットと、前記マグネットに対して空隙を介して配置された磁性体と、励磁用のコイルと、を備え、前記コイルへの通電により当該マグネットを作動させることによって前記光量調整部品を動作させるアクチュエーターと、光軸方向において、前記撮影状態では前記ピンの位置とは異なる位置に位置づけられ、前記沈胴状態では前記ピンの位置と重複する位置に位置づけられる部材に設けられ、前記沈胴状態において前記マグネットの作動にともなう前記ピンの作動を規制するように前記ピンに係合する被係合部と、を備えたことを特徴とする。
【0013】
また、この発明にかかるレンズ装置は、上記の発明において、前記ピンは光軸に沿って設けられており、前記被係合部は、前記沈胴状態時に前記撮影状態よりも光軸方向における前記アクチュエーターとの相対距離が近傍となる近傍部材の前記ピンと対向する面に設けられていることを特徴とする。
【0014】
また、この発明にかかるレンズ装置は、撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態との間で前記光学要素の移動をおこなうレンズ装置であって、前記レンズ装置に設けられ、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置を通過する光量を調整する光量調整部品と、前記光量調整部品に連結されたピンが設けられたマグネットと、前記マグネットに対して空隙を介して配置された磁性体と、励磁用のコイルと、を備え、前記コイルへの通電により当該マグネットを作動させることによって前記光量調整部品を動作させるアクチュエーターと、前記撮影状態において前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材に当接する第1の当接部と、前記沈胴状態において前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材に当接する前記第1の当接部とは異なる第2の当接部と、を備え、前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材は、前記撮影状態において前記磁性体により前記第1の当接部の方向に付勢力を作用させる磁気的吸引力が発生されて前記第1の当接部にて位置決めされ、前記沈胴状態において前記付勢力に抗して前記第2の当接部の方向に付勢され前記第2の当接部に当接されることにより作動を規制されることを特徴とする。
【0015】
また、この発明にかかるレンズ装置は、上記の発明において、前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材と前記第2の当接部とが当接することによる静止摩擦係数は、前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材と前記第1の当接部とが当接することによる静止摩擦係数よりも大きいことを特徴とする。
【0016】
また、この発明にかかるレンズ装置は、上記の発明において、前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材が、前記沈胴状態において、前記撮影状態よりも光軸方向における前記アクチュエーターとの相対距離が近傍となる近傍部材と当接することにより、前記付勢力に抗して前記第2の当接部に当接することを特徴とする。
【0017】
また、この発明にかかるレンズ装置は、撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態の間で前記光学要素の移動をおこなうレンズ装置であって、前記レンズ装置に設けられ、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置を通過する光量を調整する光量調整部品と、前記光量調整部品に連結されたピンが設けられたマグネットと、前記マグネットに対して空隙を介して配置された磁性体と、励磁用のコイルと、を備え、前記コイルへの通電により当該マグネットを作動させることによって前記光量調整部品を動作させるアクチュエーターと、前記撮影状態と前記沈胴状態との間における状態変化に際して、光軸を中心として回動することによって前記マグネットを作動可能に保持する保持部材に対する角度位置が変化する可動部材に設けられ、前記光軸を中心とする半径方向に突出する突起と、レンズ装置本体を構成する固定部材に設けられて、前記突起が挿入され、光軸方向における前記可動部材の移動にともない前記突起を回動するカム溝と、を備えたことを特徴とする。
【0018】
また、この発明にかかるレンズ装置は、上記の発明において、前記可動部材に設けられて、前記沈胴状態において、前記マグネットの作動にともなう前記ピンの回動を規制するように前記ピンに係合する被係合部を備えたことを特徴とする。
【0019】
また、この発明にかかる撮像装置は、上記のレンズ装置と、前記レンズ装置に具備された撮影光学系を通過した光を入射する撮像素子を備えたことを特徴とする。
【0020】
上記の発明によれば、沈胴状態におけるマグネットの動作を規制することができる。
【発明の効果】
【0021】
この発明にかかるレンズ装置および撮像装置によれば、部品点数を増やしたり、大型化したりすることなく、沈胴状態における光量調整部品の位置ずれを抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置を示す説明図(その1)である。
【図2】この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置を示す説明図(その2)である。
【図3】この発明にかかる実施の形態1のレンズシャッタユニットの構成を示す説明図である。
【図4】この発明の実施の形態1にかかるレンズ枠を示す説明図である。
【図5】この発明の実施の形態1にかかるレンズシャッタユニットの各部の位置関係を示す説明図である。
【図6】この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置を示す説明図(その1)である。
【図7】この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置を示す説明図(その2)である。
【図8】この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置が備えたレンズシャッタユニットが備えたアクチュエーターAssyにおける、ロータマグネットのロータ軸および当該ロータ軸の周辺の構成を示す説明図(その1)である。
【図9】この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置が備えたレンズシャッタユニットが備えたアクチュエーターAssyにおける、ロータマグネットのロータ軸および当該ロータ軸の周辺の構成を示す説明図(その2)である。
【図10】この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置が備えたレンズシャッタユニットが備えたアクチュエーターAssyにおける、ロータマグネットのロータ軸および当該ロータ軸の周辺の構成を示す説明図(その3)である。
【図11】この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置を示す説明図(その1)である。
【図12】この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置を示す説明図(その2)である。
【図13】この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置を示す説明図(その3)である。
【図14】この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置が備えたレンズシャッタユニットの構成を示す説明図(その1)である。
【図15】この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置が備えたレンズシャッタユニットの構成を示す説明図(その2)である。
【図16】この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置が備えたレンズシャッタユニットの構成を示す説明図(その3)である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかるレンズ装置および撮像装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0024】
(実施の形態1)
まず、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置について説明する。図1および図2は、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置を示す説明図である。図1および図2においては、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置を光軸を通り光軸に平行な平面で切断した断面を、さらに光軸を通り当該平面に直交する平面で切断した断面を示している。
【0025】
図1においては、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置の沈胴時の状態(以下「沈胴状態」という)を示している。図2においては、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置の撮影時の状態(以下「撮影状態」という)を示している。
【0026】
図1および図2において、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置100は、固定枠101を備えている。固定枠101は、撮像装置本体などに固定される。撮像装置本体は、レンズ装置100を通過した光を受光して電気信号に変換する、図示を省略する撮像素子を備えている。撮像素子は、具体的には、たとえばCCDイメージセンサ(Charge Coupled Device Image Sensor)やCMOSイメージセンサ(Complementary Metal Oxide Semiconductor Image Sensor)などの固体撮像素子によって実現することができる。
【0027】
この実施の形態1において、レンズ装置100は、撮像素子に入射させる外光を導く撮影光学系を構成する複数の光学要素を備えている。複数の光学要素は、たとえばレンズ装置100において光路を形成する各種鏡筒や当該鏡筒内に設けられたレンズなどの各種の光学部品などによって実現することができる。
【0028】
この実施の形態1のレンズ装置100が適用される撮像装置は、電源をONにした状態でレンズ装置100を撮像装置本体から繰り出した撮影状態とし、電源をOFFにした状態で前記レンズ装置100を撮像装置本体に格納した沈胴状態とする沈胴式の撮像装置とすることができる。なお、撮影状態および沈胴状態において、電源ON/OFFについては特定されるものではなく、前記に限るものではない。
【0029】
固定枠101には、当該固定枠101の被写体側に、外枠102が設けられている。外枠102は、光軸を中心とする略円筒形状をなす。外枠102の内周側には、駆動枠103が設けられている。駆動枠103は、沈胴状態において、外周面を外枠102の内周面に対向させるようにして設けられている。また、駆動枠103は、光軸を中心として外枠102に対して相対的に回動可能に設けられている。さらに、駆動枠103は、外枠102に対して、光軸方向に沿って相対的に移動可能に設けられている。
【0030】
駆動枠103は、光軸を中心とした外枠102に対する相対的な回動にともなって、光軸方向に沿って移動する。これにより、駆動枠103は、固定枠101から離反するように移動し、外枠102から対物側に突出した状態とされる。駆動枠103の内周面には、螺旋状の溝が設けられている。
【0031】
駆動枠103の内周側には、レンズ枠104が設けられている。レンズ枠104は、光軸を中心とする略円筒形状をなし、内周側にはネームリング104aおよびレンズ105が設けられている。また、レンズ枠104は、沈胴状態において、外周面を駆動枠103の内周面に対向させるようにして設けられている。
【0032】
さらに、レンズ枠104は、駆動枠103の内周面に設けられた螺旋状の溝に係合する図示を省略する係合部を備えている。レンズ枠104は、図示を省略する係合部を駆動枠103の内周面に設けられた螺旋状の溝に沿って移動させることによって、駆動枠103に対して、光軸方向に沿って相対的に移動可能に設けられている。
【0033】
レンズ枠104は、光軸を中心とした駆動枠103に対する相対的な回動にともなって、光軸方向に沿って移動する。これにより、レンズ枠104は、固定枠101から離反するように移動し、駆動枠103から対物側に突出した状態とされる。また、レンズ枠104が光軸方向に沿って移動することにより、レンズ枠104に設けられたレンズ105が、固定枠101から離反して、被写体側に移動する。
【0034】
レンズ枠104の内周側には駆動枠106が設けられている。駆動枠106は、光軸を中心とする略円筒形状をなし、内周側にはレンズ枠107が設けられている。レンズ枠107は、レンズ108を保持している。駆動枠106は、沈胴状態において、外周面をレンズ枠104の内周面に対向させるようにして設けられている。
【0035】
駆動枠106は、レンズ枠104に連結されており、レンズ枠104が光軸方向に沿って駆動枠103から対物側に突出するように移動した場合に、レンズ枠104に引っ張られるようにして、駆動枠103から対物側に突出するように、光軸方向に沿って移動する。
【0036】
レンズ枠107は、駆動枠106の移動にともなって、光軸方向に沿って移動する。レンズ枠107は、駆動枠106に対して、沈胴状態よりも撮影状態の方が固定枠101側に位置するように移動するとともに、駆動枠106の駆動枠103から対物側に突出する方向への移動にともなって固定枠101から対物側に突出する方向へ移動する。これにより、レンズ枠107は、沈胴状態よりも撮影状態の方が、固定枠101から対物側に突出した状態となる。
【0037】
駆動枠106の内周側には、駆動枠109が設けられている。駆動枠109は、光軸を中心とする略円筒形状をなし、内周側にはレンズ枠110およびレンズシャッタユニット111が設けられている。レンズ枠110は、レンズ112を保持している。レンズシャッタユニット111は、遮光羽根や絞り羽根などの光量調整部品や、光量調整部品を動作させるアクチュエーターなどを備えている。レンズシャッタユニット111については後述する(図3を参照)。
【0038】
光量調整部品としては、シャッタ羽根などの遮光羽根や絞り羽根に加えて、NDフィルタ、NDフィルタおよび絞り羽根、フレアカッターなどによって実現することができる。フレアカッターは、一般的に、ズームレンズのTele側で、解像度を低下させるフレア成分をカットする役割を有している。
【0039】
駆動枠106の内周面には螺旋状の溝が設けられており、駆動枠109は駆動枠106の内周面に設けられた螺旋状の溝に係合する図示を省略する係合部を備えている。駆動枠109は、光軸を中心として駆動枠106に対して相対的に回動することによって、当該駆動枠106に対して光軸方向に沿って相対的に移動可能に設けられている。駆動枠109は、駆動枠106の移動にともなって、光軸方向に沿って固定枠101から対物側に突出する方向へ移動する。
【0040】
レンズ枠110およびレンズシャッタユニット111は、駆動枠109の固定枠101から対物側に突出する方向への移動にともなって、固定枠101から対物側に突出する方向へ移動する。この移動に際して、レンズ枠110の移動量は、レンズシャッタユニット111の移動量よりも大きい。これにより、駆動枠109の固定枠101から対物側に突出する方向への移動に際して、レンズ枠110およびレンズシャッタユニット111は、光軸方向における互いの距離が離間するように移動する。
【0041】
レンズ装置100は、レンズ枠113を備えている。レンズ枠113は、レンズ114を保持しており、光軸方向に沿って移動可能に設けられている。沈胴状態におけるレンズ枠113は、光軸方向においてレンズシャッタユニット111と重なる位置に設けられている。撮影状態におけるレンズ枠113は、沈胴状態における位置よりも被写体側に突出するように移動する。
【0042】
撮影状態においては、レンズ枠110やレンズシャッタユニット111も被写体側に移動しており、その移動量はレンズ枠113の移動量よりも大きい。このため、撮影状態においては、レンズ114およびレンズ枠113とレンズシャッタユニット111との光軸方向における位置が、光軸方向において、レンズシャッタユニット111がレンズ枠113よりも固定枠101から対物側に突出した状態とされる。
【0043】
レンズシャッタユニット111は、ロータピン120を備えている。ロータピン120は、ロータマグネットが備えるロータ軸に設けられている(図3を参照)。この実施の形態1においては、ロータピン120によってピンを実現することができる。
【0044】
なお、この実施の形態2においては、ロータピン120によってピンを実現するようにしたが、これに限るものではない。ピンは、回転型のピンに限るものではなく、ロータマグネットに代えて、リニア(直動型)のマグネットなどに設けられたリニア(直動型)運動をおこなうピンを用いてもよい。
【0045】
ロータピン120は、光軸方向に平行な方向に沿って、被写体側に突出している。ロータピン120は、遮光羽根202や絞り羽根206などの光量調整部品に連結(係合)され、光量調整部品を開閉動作させる。ロータピン120は、被写体側に突出するものに限らず、接眼側に突出していてもよい。
【0046】
このロータピン120は、レンズ装置100が沈胴状態にある場合に、レンズ枠110に設けられたロータピン保持用穴に嵌り込む(図4を参照)。ロータピン120がレンズ枠110に設けられたロータピン保持用穴に嵌り込む状態における光量調整部品は、ノーマルオープン位置とされる。
【0047】
この実施の形態1のレンズ装置100においては、沈胴状態において、光量調整部品がノーマルオープン位置とされるノーマルオープンタイプのレンズシャッタユニット111について説明したが、これに限るものではない。ノーマルオープンタイプのレンズシャッタユニット111に代えて、沈胴状態において、光量調整部品がノーマルクローズ位置とされるノーマルクローズタイプのレンズシャッタユニットであってもよい。
【0048】
つぎに、この発明にかかる実施の形態1のレンズシャッタユニット111の構成について説明する。図3は、この発明にかかる実施の形態1のレンズシャッタユニット111の構成を示す説明図である。図3においては、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置100が沈胴状態にある場合のレンズシャッタユニット111を、被写体側から見た状態を示している。
【0049】
図3において、この発明にかかる実施の形態1のレンズシャッタユニット111は、シャッタ装置200と絞り装置201とを備える。シャッタ装置200は、光量調整部品をなす2枚の遮光羽根202と、ロータ軸203を備えたロータマグネットとを備えている。この実施の形態においては、ロータマグネットによってマグネットを実現することができる。2枚の遮光羽根202は、それぞれ、支軸204、205によって地板210に軸支されている。遮光羽根202は、それぞれ、支軸204、205を中心として、地板210に設けられた地板露出口211を開閉するように回動可能とされている。
【0050】
この実施の形態においては、地板210によって、マグネットを作動可能に保持する保持部材を実現することができる。この実施の形態においては、ロータマグネットによってマグネットを実現するようにしたが、これに限るものではない。マグネットは、回転型のロータに限るものではなく、ロータマグネットに代えて、リニア(直動型)のマグネットを用いてもよい。
【0051】
ロータ軸203は、光軸方向に平行な回転軸を中心として回転可能に設けられている。ロータ軸203を備えたロータマグネットは、図示を省略するヨーク(鉄芯)やコイルボビンなどとともにアクチュエーターアッセンブリ(以下「アクチュエーターAssy」という)を構成する。アクチュエーターAssyにおいては、コイルに通電してロータ軸203を回転させることにより、ロータ軸203を中心としてロータピン120を回動させる。2枚の遮光羽根202は、ロータピン120に連結されており、ロータピン120の回動にともなって地板露出口211を開閉するように動作する。
【0052】
絞り装置201は、光量調整部品をなす絞り羽根206と、ロータ軸203を備えたロータマグネットとを備えている。絞り羽根206は、地板露出口211よりも開口径の小さい絞り開口208を備えている。また、絞り羽根206は、支軸209によって地板210に軸支されている。絞り羽根206は、支軸209を中心として、地板露出口211に重なる位置と当該地板露出口211から退避する位置とに移動するように回動可能とされている。
【0053】
レンズ装置100において、ロータマグネットにおけるロータ軸203に設けられたロータピン120は、各光量調整部品(遮光羽根202や絞り羽根206)をダイレクト駆動させる。この実施の形態1においては、各光量調整部品をロータピン120によってダイレクト駆動する構成について説明したが、これに限るものではない。
【0054】
また、レンズ装置100において、ロータマグネットにおけるロータ軸203に設けられたロータピン120は、各光量調整部品に設けられた、各光量調整部品自身を任意角度回動させるためのリードを設けたカム溝(図示を省略する)と嵌合し、コイル通電によって、ロータマグネットが設定角度範囲で回動し、それによって各光量調整部品も光軸を中心とした地板露出口210を制御するべく、回動する機構が構成されている。
【0055】
上記構成のうち、各光量調整部品を駆動するロータマグネットに設けられたロータピン120は、被写体側へ所定の長さに設定されている。レンズ装置100においては、沈胴状態において、被写体側よりレンズシャッタユニット111側へ入り込んでくる部品のうち、もっともレンズシャッタユニット111に近い部品に、ロータピン120と嵌合する形状要素が設けられており、当該形状要素によってロータピン120の角度位置を規制している。ロータピン120の保持は、沈胴状態においてレンズシャッタユニット111付近にある部品ならその種類を問わない。
【0056】
ロータピン120は、被写体側に突出するものに限らず、接眼側に突出していてもよい。この場合、沈胴状態において撮像素子(接眼)側から入り込んでくる部品にロータピン120と嵌合する形状要素を設けることができる。
【0057】
つぎに、この発明の実施の形態1にかかるレンズ枠110について説明する。図4は、この発明の実施の形態1にかかるレンズ枠110を示す説明図である。図4において、この発明の実施の形態1にかかるレンズ枠110は、沈胴状態においてロータピン120が嵌り込むロータピン保持用穴401を備えている。
【0058】
この実施の形態1においては、ロータピン保持用穴401によって被係合部を実現することができる。また、この実施の形態1においては、レンズ枠110によって、撮影状態ではロータピン120の位置とは異なる位置に位置づけられ、沈胴状態ではロータピン120の位置と重複する位置に位置づけられる部材を実現することができる。被係合部を実現するロータピン保持用穴401は、必ずしもロータピン120が嵌り込む(嵌合する)必要はなく、沈動状態においてロータピン120が作動しないように当該ロータピン120を規制できる構成であればよい。
【0059】
レンズ枠110においては、レンズシャッタユニット111におけるロータマグネットのロータ軸203に設けられたロータピン120が嵌り込むロータピン保持用穴401と、絞り装置201におけるロータマグネットのロータ軸203に設けられたロータピン120が嵌り込むロータピン保持用穴401と、の2つのロータピン保持用穴401が設けられている。また、レンズ枠110においては、光軸を中心として所定の開口径で開口する開口402が設けられている。
【0060】
つぎに、この発明の実施の形態1にかかるレンズシャッタユニット111の各部の位置関係について説明する。図5は、この発明の実施の形態1にかかるレンズシャッタユニット111の各部の位置関係を示す説明図である。図5において、この発明の実施の形態1にかかるレンズシャッタユニット111において、光軸からロータピン120までの寸法がΔLで示されている。このΔLは、沈胴状態における光軸からロータピン120までの寸法を示している。
【0061】
沈胴状態において被写体側から固定枠101側に接近してくるレンズ枠110が嵌合する部位に、ロータピン120が嵌め込まれるロータピン保持用穴401を設けることによってΔLを確保することができる。図5においては、シャッタ装置200のロータマグネットのロータ軸203におけるロータピン120と光軸との位置関係について示しているが、絞り装置201におけるロータピン120と光軸との位置関係についても同様とすることができる。
【0062】
このように、光軸からの距離ΔLを確保した位置にロータピン保持用穴401を設けることにより、沈胴状態においてのみロータピン保持用穴401にロータピン120を嵌め込むことができ、ロータピン120の動作を規制することによってロータマグネットのロータ軸203の回動を規制することができる。
【0063】
この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置は、レンズ装置100内にレンズシャッタユニット111が組み込まれた沈胴式の撮像装置であって、当該撮像装置における沈胴状態における対策が施されていることをポイントの一つとしている。また、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置は、沈胴状態においては撮像装置の電源がOFFであって、かつ、沈胴状態においてシャッタ作動面(光量調整部品の動作面)に他の鏡枠部品が入り込む可能性があることをポイントの一つとしている。
【0064】
さらに、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置は、レンズシャッタユニット111を構成する部品のロータマグネットに設けられた各光量調整部品と嵌合するロータピン120を備え、当該ロータピン120が沈胴状態において被写体側から入り込んでくる他の鏡枠部品と嵌合することをポイントの一つとしている。そして、当該嵌合は、沈胴状態においてのみおこなわれることをポイントの一つとしている。また、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置は、ロータピン120の嵌合相手となる鏡枠部品には、ロータ軸203が回動しないよう係止すべく、形状要素にて被係合部(嵌合部)を設けたことをポイントの一つとしている。
【0065】
以上説明したように、この実施の形態1のレンズ装置100は、撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態との間で光学要素の移動をおこなう。このレンズ装置100は、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置を通過する光量を調整する光量調整部品の一例としての遮光羽根202や絞り羽根206と、これらの光量調整部品に連結されたピンの一例としてのロータピン120が設けられたマグネットの一例としてのロータマグネットと、ロータマグネットに対して空隙を介して配置された磁性体の一例としてのヨーク(鉄芯)と、励磁用のコイル(コイルボビン)と、を備え、コイルへの通電によりロータマグネットを作動させることによって光量調整部品を動作させるアクチュエーター(アクチュエーターAssy)と、光軸方向において、撮影状態ではロータピン120の位置とは異なる位置に位置づけられ、沈胴状態ではロータピン120の位置と重複する位置に位置づけられる部材に設けられ、沈胴状態においてロータマグネットの作動にともなうロータピン120の作動を規制するようにロータピン120に係合する被係合部の一例としてのロータピン保持用穴401と、を備えたことを特徴としている。
【0066】
また、この実施の形態1のレンズ装置100は、ロータピン120は光軸に沿って設けられており、ロータピン保持用穴401は、沈胴状態時に撮影状態よりも光軸方向におけるアクチュエーターとの相対距離が近傍となる近傍部材のロータピン保持用穴401と対向する面に設けられていることを特徴としている。
【0067】
この実施の形態1のレンズ装置100および当該レンズ装置100を備えた撮像装置によれば、沈胴状態においては、ロータピン保持用穴401にロータピン120を嵌め込んで、ロータピン120を介してロータマグネットおよびロータ軸203の動作を規制することができる。これによって、沈胴状態におけるロータピン120あるいはロータマグネットおよびロータ軸203の回動を規制するために部品点数を増やしたり、レンズ装置100を大型化したりすることなく、沈胴状態における光量調整部品の位置ずれを抑制することができる。
【0068】
すなわち、この実施の形態1のレンズ装置100および当該レンズ装置100を備えた撮像装置によれば、沈胴状態における光量調整部品すなわち沈胴状態における遮光羽根202や絞り羽根206の位置ずれを抑制することにより、光量調整部品である遮光羽根202や絞り羽根206がレンズ装置100における地板露出口211内に侵入することを防止することができる。
【0069】
すなわち、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置によれば、部品点数の増加にならずコストアップにならないことに加えて、沈胴状態における高密度実装性を失うことがないという効果を奏する。また、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置によれば、ロータマグネットおよびロータ軸203の動作を規制する構成および当該構成による規制力に、経時による変化がないという効果を奏する。
【0070】
また、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置によれば、無通電時の保持をメカ的に係止したため、アクチュエーターAssyの設計の自由度が向上し、保持−トルクのバランス条件を複数段階あるいは幅広く振ることができるという効果を奏する。また、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置によれば、たとえば最短露出時間の短縮など、レンズシャッタユニット111の性能向上が、コストアップなしに達成できるという効果を奏する。さらに、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置によれば、レンズ装置100に対して、万一、衝撃が加えられた場合にも、レンズ装置100を構成する部品破損がおこらないという効果を奏する。
【0071】
以上より、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置によれば、コストアップなしに高性能化を実現した撮像装置をユーザへ提供することができる、というメリットが生じる。
【0072】
(実施の形態2)
つぎに、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置について説明する。この発明にかかる実施の形態2においては、上述した実施の形態1と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
【0073】
図6および図7は、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置を示す説明図である。図6および図7においては、この発明にかかる実施の形態1のレンズ装置を光軸を通り光軸に平行な平面で切断した断面を、さらに光軸を通り当該平面に直交する平面で切断した断面を示している。図6においては、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置の沈胴状態を示している。図7においては、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置の撮影状態を示している。
【0074】
図6および図7において、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置600は、上述した実施の形態1における固定枠101に代えて固定枠601を備え、上述した実施の形態1におけるレンズシャッタユニット111に代えてレンズシャッタユニット602を備えている。この実施の形態2においては、レンズシャッタユニット602によって露出制御装置を実現することができる。
【0075】
レンズシャッタユニット602は、ロータマグネット603を備えたロータマグネットを含むアクチュエーターAssyによって光量調整部品(遮光羽根202や絞り羽根206)を動作させる。ロータマグネットおよびロータマグネット603の位置は、沈胴状態と撮影状態とにおいて変化する。この実施の形態においては、レンズシャッタユニット602におけるロータマグネットおよびロータマグネット603の位置変化によって、沈胴状態における光量調整部品の位置を規制する。
【0076】
この実施の形態2のレンズ装置600においては、沈胴状態において、光量調整部品がノーマルオープン位置とされるノーマルオープンタイプのレンズシャッタユニット602について説明したが、これに限るものではない。ノーマルオープンタイプのレンズシャッタユニット602に代えて、沈胴状態において、光量調整部品がノーマルクローズ位置とされるノーマルクローズタイプのレンズシャッタユニットであってもよい。
【0077】
つぎに、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置600が備えたレンズシャッタユニット602が備えたアクチュエーターAssyにおける、ロータマグネットのロータマグネット603および当該ロータマグネット603の周辺の構成について説明する。図8、図9および図10は、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置600が備えたレンズシャッタユニット602が備えたアクチュエーターAssyにおける、ロータマグネットのロータマグネット603および当該ロータマグネット603の周辺の構成を示す説明図である。
【0078】
図8においては、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置600が沈胴状態にある場合の、アクチュエーターAssyにおけるロータマグネットのロータマグネット603および当該ロータマグネット603の周辺を示している。図9においては、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置600の撮影状態にある場合の、アクチュエーターAssyにおけるロータマグネットのロータマグネット603および当該ロータマグネット603の周辺を示している。図10においては、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置600が沈胴状態にある場合のレンズシャッタユニット602を、被写体側から見た状態を示している。
【0079】
図8、図9および図10において、この発明にかかる実施の形態2のレンズ装置600におけるレンズシャッタユニット602は、シャッタ装置1010と絞り装置1020とを備えている。シャッタ装置1010は、光量調整部品をなす2枚の遮光羽根202と、ロータマグネット603を備えたロータマグネットとを備えている。2枚の遮光羽根202は、それぞれ、支軸204、205によって地板210に軸支されている。遮光羽根202は、それぞれ、支軸204、205を中心として、地板210に設けられた地板露出口211を開閉するように回動可能とされている。
【0080】
絞り装置1020は、光量調整部品をなす絞り羽根206と、ロータマグネット603を備えたロータマグネットとを備えている。絞り羽根206は、地板露出口211よりも開口径の小さい絞り開口208を備えている。また、絞り羽根206は、支軸209によって地板210に軸支されている。絞り羽根206は、支軸209を中心として、地板露出口211に重なる位置と当該地板露出口211から退避する位置とに移動するように回動可能とされている。
【0081】
ロータマグネット603を備えたロータマグネットは、ヨーク(鉄芯)801、および、図示を省略するコイルボビンとともにアクチュエーターAssyを構成している。ロータマグネット603には、ロータピン802が設けられている。ロータピン802は、上述した実施の形態1におけるロータピン120と同様にしてロータマグネット603に設けられており、レンズシャッタユニット602における光量調整部品(遮光羽根202や絞り羽根206)をダイレクト駆動させる。
【0082】
ロータピン802は、各光量調整部品に設けられた、各光量調整部品自身を任意角度回動させるためのリードを設けたカム溝1001と嵌合している。アクチュエーターAssyにおけるコイルに通電することによって、ロータマグネットのロータマグネット603が設定角度範囲で回動し、それによって各光量調整部品も光軸を中心とした露出開口を制御するべく、回転する。アクチュエーターAssyおよび光量調整部品は、すべて地板210へ組み付けられており、上記の通りに露出制御する。
【0083】
ロータピン802は、ロータマグネットのロータマグネット603の回転中心となるロータ回転軸803に設けられている。ロータピン802は、光軸方向に平行な方向に沿って、被写体側に突出している。ロータピン802は、遮光羽根202や絞り羽根206などの光量調整部品に連結(係合)され、光量調整部品を開閉動作させる。ロータピン802は、被写体側に突出するものに限らず、接眼側に突出していてもよい。
【0084】
ロータ回転軸803は、地板210に設けられた軸に組み付けられている。ロータ回転軸803は、ロータマグネット603における接眼側の面から、光軸方向に平行な方向に沿って接眼側に突出している。ロータマグネットおよびロータマグネット603は、撮像素子側からの落下防止のため、ロータカバー804によってカバーされ、アッセンブリされている。
【0085】
ロータマグネット603におけるロータ回転軸803は、レンズ装置600が沈胴状態にある場合に、固定枠601に設けられた固定枠凸部805に当接する。固定枠凸部805は、光軸方向に平行な方向に沿って、固定枠601から被写体側に突出している。固定枠凸部805とロータマグネット603におけるロータ回転軸803とが当接している状態では、ロータマグネット603における接眼側の端面と固定枠601における被写体側の面との間でロータ回転軸803が支え棒として機能し、ロータマグネット603における接眼側の端面とロータカバー804における被写体側の面とが離間している。
【0086】
また、固定枠凸部805とロータ回転軸803とが当接している状態では、ロータマグネット603における接眼側の端面と固定枠601における被写体側の面との間において、ロータ回転軸803が、ロータマグネット603における被写体側の端面を地板210における接眼側の面に押しつけるように機能する。これによって、レンズ装置600が沈胴状態にある場合、ロータマグネット603における被写体側の端面と、地板210における接眼側の面と、が当接した状態となる。
【0087】
レンズ装置600が沈胴状態から撮影状態へ移動する際には、アクチュエーターAssyと固定枠601との光軸方向における相対距離が大きくなる。固定枠601の固定枠凸部805がアクチュエーターAssyに対する相対距離を大きくするにつれて、ヨークの磁気安定点に対して被写体側にオフセットされているロータマグネット603が、ヨーク(磁性体)により第1の当接部910の方向に付勢力を作用させる磁気的吸引力によって、固定枠凸部805の接眼側への移動に追従して移動する。これにより、ロータマグネットに固着されたロータ軸803が、固定枠凸部805と当接したまま暫時接眼側へ移動する。その後、ロータマグネット603における接眼側の端面が第1の当接部910に当接するためロータマグネット603はそれ以上の接眼側への移動が規制されるが、固定枠凸部805は引き続きアクチュエーターAssyに対して相対距離を大きくするように接眼側へ移動し続けるため、ロータマグネット603に固着されたロータ軸803と固定枠凸部805とが離間する。
【0088】
レンズ装置600が撮影状態から沈胴状態へ移動する際には、アクチュエーターAssyと固定枠601との光軸方向における相対距離が小さくなることにより、ロータマグネット603におけるロータ回転軸803と固定枠凸部805とが当接する。さらに、固定枠凸部805がロータ回転軸803を軸方向に沿って押圧することで、ロータとヨーク(磁性体)の磁気的吸引力による付勢力に抗して、第1の当接部910とロータマグネット603における接眼側の端面とが離間する。そして、ロータマグネット603における被写体側の端面が第2の当接部810に当接する。
【0089】
この実施の形態2のレンズ装置600においては、地板210における接眼側の面であって、ロータマグネット603における被写体側の端面に当接する部分(図8における符号810を参照)によって、第2の当接部を実現することができる。ロータマグネット603における被写体側の端面と地板210における接眼側の面(第2の当接部810)とは、静止摩擦係数μ1で当接している。
【0090】
レンズ装置600が撮影状態(沈胴状態以外の状態)にある場合、ロータマグネット603とヨーク801との磁気釣り合いによって、ロータマグネット603における被写体側の端面と、地板210における接眼側の面と、は離間した状態(浮いた状態)となる。また、レンズ装置600が撮影状態(沈胴状態以外の状態)にある場合、ロータマグネットとヨーク801との磁気不安定点を利用して、ロータマグネット603における接眼側の端面とロータカバー804における被写体側の面とは当接した状態とされる。
【0091】
この実施の形態2のレンズ装置600においては、ロータカバー804における被写体側の面であって、ロータマグネット603における接眼側の端面に当接する部分(図9における符号910を参照)によって、第1の当接部を実現することができる。ロータマグネット603における接眼側の端面とロータカバー804における被写体側の面(第1の当接部910)とは、静止摩擦係数μ2で当接している。
【0092】
静止摩擦係数μ1と静止摩擦係数μ2との間には、μ1>>μ2という力学関係が成立している。静止摩擦係数μ1や静止摩擦係数μ2は、たとえば沈胴状態あるいは撮影状態において、該当する部材における当接箇所にブラスト処理などを施して該当する当接箇所の表面性を荒らしたり、グリスを塗布して摺動性を向上させたりすることによって調整することができる。
【0093】
上記の力学関係μ1>>μ2は、マグネットをヨークの磁気安定点よりも被写体側にオフセットしてマグネットとヨークとの磁気不安定点を利用した構成において有効となるが、これに限らず、マグネットをヨークの磁気的安定点から接眼側にオフセットした構成でもよい。この場合、静止摩擦係数μ1と静止摩擦係数μ2との間には、μ1<<μ2という力学関係が成立するように構成する。
【0094】
沈胴時に固定枠601に当接する部材は、ロータマグネット603に限るものではない。ロータマグネット603に代えて、沈胴時のレンズシャッタユニット602の近傍に位置する任意の部材を沈胴時に固定枠601に当接する部材としてもよい。また、この実施の形態2においては、各光量調整部品をロータピン802によってダイレクト駆動する構成について説明したが、これに限るものではない。
【0095】
このように、この実施の形態2のレンズ装置600においては、形状要素によってロータマグネット603を保持することにより、沈胴状態におけるロータピン120あるいはロータマグネットおよびロータマグネット603の回動を規制するために部品点数を増加させることがないため、ロータマグネットおよびロータマグネット603の回動を規制し、定位置においてロータマグネットのロータマグネット603を保持するための構成にかかるコストアップを抑えることができる。
【0096】
また、この実施の形態2のレンズ装置600においては、形状要素によってロータマグネット603を保持することにより、部品点数を増加させることがないため、沈胴時における高密度実装性を失うことがない。これによって、沈胴時における小型化を図ることができる。
【0097】
また、この実施の形態2のレンズ装置600においては、無通電時のロータマグネットのロータマグネット603の保持を、メカ的に係止することによって実現することにより、ロータマグネットおよびロータマグネット603の保持およびロータマグネットによるトルクのバランス条件を振ることができるので、アクチュエーター設計の自由度の向上を図ることができる。
【0098】
また、この実施の形態2のレンズ装置600においては、無通電時のロータマグネットのロータマグネット603の保持を、メカ的に係止することによって実現することにより、コストアップさせることなく、最短露出時間の短縮など、レンズシャッタユニット602の性能向上を達成することができる。
【0099】
また、この実施の形態2のレンズ装置600においては、無通電時のロータマグネットのロータマグネット603の保持を、メカ的に係止することによって実現することにより、レンズ装置600に万が一衝撃が加えられた場合にも、部品破損を抑制することができる。これによって、コストアップさせることなく、高性能を実現した撮像装置をユーザに提供することができる。
【0100】
この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置は、レンズ装置600内にレンズシャッタユニット602が組み込まれた沈胴式の撮像装置であって、当該撮像装置における沈胴状態における対策が施されていることをポイントの一つとしている。また、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置は、沈胴状態においては撮像装置の電源がOFFであって、かつ、沈胴状態においてシャッタ作動面(光量調整部品の動作面)に他の鏡枠部品が入り込む可能性があることをポイントの一つとしている。
【0101】
さらに、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置は、撮影状態と沈胴状態とでロータマグネット603が当接(接触)する面が異なり、その切り替えが他の鏡枠部品によりロータマグネット603が押しつけられることによっておこなわれることをポイントの一つとしている。そのロータマグネット603の押しつけ力は、レンズシャッタユニット602に求められる仕様に応じて任意に設定可能とされている。この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置においては、部品どうしのダイレクトな押しつけ以外にも、高弾性部品を介在させて沈胴状態におけるロータマグネット603の押しつけ力を緩和させるようにしてもよい。
【0102】
また、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置は、ロータマグネット603が撮影状態と沈胴状態とで、ロータマグネット603が当接(接触)する面の表面荒さが異なっていることをポイントの一つとしている。この表面荒さは、沈胴状態において当接(接触)する面の摩擦係数が、撮影状態において当接(接触)する面の摩擦係数よりも常に大きくなることをポイントの一つとしている。
【0103】
また、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置は、撮影状態においては、ロータマグネットとヨークとの磁気不安定点を利用し、ロータマグネット603が常に、第1の当接部910あるいは第2の当接部810のいずれか一方に当接(接触)していることをポイントの一つとしている。そして、ロータマグネット603が選択的に当接(接触)する第1の当接部910あるいは第2の当接部810のうち、沈胴状態においては摩擦係数が大きい面と接触することをポイントの一つとしている。
【0104】
以上説明したように、この実施の形態2のレンズ装置600は、撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態との間で光学要素の移動をおこなう。このレンズ装置600は、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置600を通過する光量を調整する光量調整部品の一例としての遮光羽根202や絞り羽根206と、これらの光量調整部品に連結されたピンの一例としてのロータピン802が設けられたマグネットの一例としてのロータマグネットと、ロータマグネットに対して空隙を介して配置された磁性体の一例としてのヨーク(鉄芯)と、励磁用のコイルと、を備え、コイルへの通電によりロータマグネットを作動させることによって光量調整部品を動作させるアクチュエーターと、撮影状態においてロータマグネットあるいは当該ロータマグネットと一体的に作動する部材に当接する第1の当接部910と、沈胴状態においてロータマグネットあるいは当該ロータマグネットと一体的に作動する部材に当接する第1の当接部910とは異なる第2の当接部810と、を備え、ロータマグネットあるいは当該ロータマグネットと一体的に作動する部材は、撮影状態においてヨーク(鉄芯)により第1の当接部910の方向に付勢力を作用させる磁気的吸引力が発生されて第1の当接部910にて位置決めされ、沈胴状態において付勢力に抗して第2の当接部810の方向に付勢され第2の当接部810に当接されることにより作動を規制されることを特徴としている。
【0105】
また、この実施の形態2のレンズ装置600は、ロータマグネットあるいは当該ロータマグネットと一体的に作動する部材と第2の当接部810とが当接することによる静止摩擦係数μ1は、ロータマグネットあるいは当該ロータマグネットと一体的に作動する部材と第1の当接部910とが当接することによる静止摩擦係数μ2よりも大きいことを特徴としている。
【0106】
また、この実施の形態2のレンズ装置600は、ロータマグネットあるいは当該ロータマグネットと一体的に作動する部材が、沈胴状態において、撮影状態よりも光軸方向におけるアクチュエーターとの相対距離が近傍となる近傍部材(たとえば地板210)と当接することにより、付勢力に抗して第2の当接部810に当接することを特徴としている。
【0107】
この実施の形態2のレンズ装置600および当該レンズ装置600を備えた撮像装置によれば、沈胴状態におけるロータピン802あるいはロータマグネット603の回動を規制するために部品点数を増やしたり、レンズ装置を大型化したりすることなく、撮影状態においてはロータマグネットの動作に支障をきたすことなく光量調整部品を動作させることができ、沈胴状態においてはロータマグネットおよびロータマグネット603の位置を固定することによって光量調整部品の位置ずれを抑制することができる。
【0108】
すなわち、この実施の形態2のレンズ装置600および当該レンズ装置600を備えた撮像装置によれば、沈胴状態における光量調整部品すなわち沈胴状態における遮光羽根202や絞り羽根206の位置ずれを抑制することにより、光量調整部品である遮光羽根202や絞り羽根206がレンズ装置600における地板露出口211内に侵入することを防止することができる。
【0109】
また、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置によれば、ロータマグネット603と第2の当接部810とが当接することによる摩擦によってロータマグネット603の回動を規制しているため、沈胴状態において、レンズ装置600に外力が加えられてロータマグネット603が回動した場合にも、ロータマグネットあるいはロータマグネット603に直接あるいは間接的に連結されている部品の破損を防止することができる。
【0110】
すなわち、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置によれば、部品点数の増加にならずコストアップにならないことに加えて、沈胴状態における高密度実装性を失うことがないという効果を奏する。また、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置によれば、無通電時の保持をメカ的に係止したため、アクチュエーターAssyの設計の自由度が向上し、保持−トルクのバランス条件を複数段階あるいは幅広く振ることができるという効果を奏する。
【0111】
さらに、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置によれば、たとえば最短露出時間の短縮など、レンズシャッタユニット602の性能向上が、コストアップなしに達成できるという効果を奏する。また、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置によれば、レンズ装置600に対して、万一、衝撃が加えられた場合にも、レンズ装置600を構成する部品破損がおこらないという効果を奏する。
【0112】
以上より、この実施の形態2のレンズ装置600を備えた撮像装置によれば、コストアップなしに高性能化を実現した撮像装置をユーザへ提供することができる、というメリットが生じる。
【0113】
(実施の形態3)
つぎに、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置について説明する。この発明にかかる実施の形態3においては、上述した実施の形態1あるいは実施の形態2と同一部分は同一符号で示し、説明を省略する。
【0114】
図11、図12および図13は、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置を示す説明図である。図11および図12においては、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置を光軸を通り光軸に平行な平面で切断した断面を、さらに光軸を通り当該平面に直交する平面で切断した断面を示している。図11においては、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置の沈胴状態を示している。図12および図13においては、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置の撮影状態を示している。
【0115】
図11、図12および図13において、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置1100は、固定枠1101に設けられた外筒1102を備えている。外筒1102は、光軸を中心とする略円筒形状をなす。外筒1102の内側には、ガイド軸1103が設けられている。
【0116】
ガイド軸1103は、光軸方向に平行に延出している。ガイド軸1103には、後述するカム軸となりうる凸部(図14を参照)が嵌め込まれるカム溝1103aが設けられている。ガイド軸1103における被写体側の端部は外筒1102によって支持され、ガイド軸1103における接眼側の端部は固定枠1101によって支持されている。
【0117】
ガイド軸1103には、駆動枠1104、駆動枠1105が連結されている。駆動枠1104および駆動枠1105は、ガイド軸1103に沿って往復動可能とされている。ガイド軸1103が光軸方向に平行に延出しているため、駆動枠1104および駆動枠1105は光軸方向に平行に往復動可能とされている。駆動枠1104および駆動枠1105は、それぞれ、レンズ枠1106、レンズ枠1107に連結されている。
【0118】
レンズ枠1106およびレンズ枠1107は、それぞれ、光軸を中心とする略円筒形状あるいは環形状をなしている。レンズ枠1106は、レンズ1108を保持している。レンズ枠1107は、レンズ1109およびレンズ1110を保持している。レンズ枠1106およびレンズ枠1107は、それぞれ、駆動枠1104および駆動枠1105の光軸方向に沿った往復動にともなって光軸方向に沿って往復動する。
【0119】
レンズ1108は、レンズ枠1106の光軸方向に沿った往復動にともなって光軸方向に沿って往復動する。レンズ1109およびレンズ1110は、レンズ枠1107の光軸方向に沿った往復動にともなって光軸方向に沿って往復動する。また、レンズ枠1106の光軸方向に沿った往復動に際しては、レンズシャッタユニット1111が光軸方向に沿って往復動する。
【0120】
レンズシャッタユニット1111は、遮光羽根202や絞り羽根206などの光量調整部品や、アクチュエーターAssyを備えている。この実施の形態3においては、レンズシャッタユニット1111によって露出制御装置を実現することができる。光量調整部品は、光路を横切る方向に動作可能に設けられている。光量調整部品は、それぞれ、支軸204、205を介して地板210に軸止されており、支軸204、205を中心として回動することによって光路を横切る方向に動作する。
【0121】
この実施の形態3のレンズ装置1100においては、沈胴状態において、光量調整部品がノーマルオープン位置とされるノーマルオープンタイプのレンズシャッタユニット1111について説明したが、これに限るものではない。ノーマルオープンタイプのレンズシャッタユニット1111に代えて、沈胴状態において、光量調整部品がノーマルクローズ位置とされるノーマルクローズタイプのレンズシャッタユニットであってもよい。
【0122】
レンズシャッタユニット1111において、遮光羽根202や絞り羽根206などの各光量調整部品は、それぞれ、仕切り板1301やトップカバー1302などによって仕切られた空間(部屋)内で動作する。トップカバー1302は、仕切り板1301よりも被写体側に設けられている。
【0123】
この実施の形態3においては、たとえば遮光羽根202は、地板210と仕切り板1301とによって形成される空間(羽根室)内で動作する。また、この実施の形態においては、たとえば絞り羽根206は、地板210とトップカバー1302とによって形成される空間(羽根室)内で動作する(図14および図15を参照)。
【0124】
仕切り板1301およびトップカバー1302は、光軸を中心として回動可能に設けられている。仕切り板1301およびトップカバー1302は、撮影状態と沈胴状態との間における状態変化に際して、光軸を中心として回動する。仕切り板1301およびトップカバー1302は、光軸を中心として回動することによって地板210に対する角度位置が変化する。
【0125】
仕切り板1301およびトップカバー1302は、双方が光軸を中心として回動可能に設けられているものに限らず、少なくとも一方が光軸を中心として回動可能に設けられていればよい。この実施の形態3のレンズ装置1100においては、仕切り板1301が光軸を中心として回動可能に設けられている。このため、この実施の形態3のレンズ装置1100においては、仕切り板1301およびトップカバー1302のうち、仕切り板1301によって可動部材を実現することができる。
【0126】
レンズシャッタユニット1111は、レンズ1112を保持するレンズ枠1113を備えている。レンズ1112およびレンズ枠1113は、光軸方向に沿ったレンズシャッタユニット1111の往復動にともなって、レンズシャッタユニット1111とともに光軸方向に往復動する。
【0127】
アクチュエーターAssyは、光量調整部品を光路を横切る方向に動作させる。これによって、レンズシャッタユニット1111は、レンズ装置1100を通過する光量を調整することができる。アクチュエーターAssyは、ロータ軸1114を備えたマグネット、図示を省略するヨーク(鉄芯)、図示を省略するコイルボビンによって構成されている。
【0128】
ロータマグネットのロータ軸1114には、ロータピン1303が設けられている。ロータピン1303は、露出制御装置における遮光羽根202や絞り羽根206などの光量調整部品をダイレクト駆動させる。この実施の形態3においては、各光量調整部品をロータピン802によってダイレクト駆動する構成について説明したが、これに限るものではない。
【0129】
ロータピン1303は、各光量調整部品に設けられた、各光量調整部品自身を任意角度に回動させるためのリードを設けたカム溝1001と嵌合することによって光量調整部品に連結(係合)され、光量調整部品を開閉動作させる。ロータピン1303は、被写体側に突出するものに限らず、接眼側に突出していてもよい。ロータピン1303は、アクチュエーターAssyが備えるコイルへの通電によって、ロータマグネットのロータ軸1114が設定角度範囲で回動した場合に、各光量調整部品が光軸を中心とした地板露出口211の開口量を調整するように回転する。
【0130】
アクチュエーターAssyおよび光量調整部品は、すべて地板210へ組み付けられており、上記の通り露出制御する。各光量調整部品は、小絞り開口208の開口径を決めるための絞り羽根206、光束を遮断するための遮光羽根202であり、それぞれ部屋を設けるため、羽根と同じ材質で形成された仕切り板を設け、部屋分けされている。
【0131】
遮光羽根202や絞り羽根206などの各光量調整部品は、撮像装置本体からの要求コマンドに応じて地板210に設けられた地板露出口211を遮光羽根202によって閉じて遮光したり、地板露出口211に絞り羽根206を重ねることによって小絞り開口208を形成したりする。
【0132】
トップカバー1302は、被写体側へ、各光量調整部品が落下しないように各羽根室を確保する。トップカバー1302は、各露出制御部材と同じ材質によって形成されているものに限らない。この実施の形態3のレンズ装置1100のように、中間配置型のレンズシャッタユニット1111の場合は、レンズシャッタユニット1111自体がいずれかの鏡枠部品(この実施の形態3においては鏡枠部品1115)にアッセンブリされているのが通常で、それらの鏡枠部品1115は、レンズ装置1100内に設けられたガイド軸1103を基準として、別途設けられた図示を省略するレンズ駆動用モータなどにより光軸前後方向へ移動可能であり、この機構により、沈胴状態から撮影状態あるいは撮影状態から沈胴状態への移行を実現している。
【0133】
つぎに、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置1100が備えたレンズシャッタユニット1111の構成について説明する。図14、図15および図16は、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置1100が備えたレンズシャッタユニット1111の構成を示す説明図である。
【0134】
図14においては、沈胴状態におけるレンズシャッタユニット1111を、被写体側から見た状態を示している。図15においては、撮影状態におけるレンズシャッタユニット1111を、被写体側から見た状態を示している。図14および図15においては、地板210の一部を切り欠き、トップカバー1302を省略した状態を示している。
【0135】
図16においては、沈胴状態におけるレンズ装置を光軸を通り光軸に平行な平面で切断した断面を、さらに光軸を通り当該平面に直交する平面で切断した断面を示している。また、図16においては、ガイド軸1103の一部を展開した状態を示している。
【0136】
図14、図15および図16において、この発明にかかる実施の形態3のレンズ装置1100が備えたレンズシャッタユニット1111においては、仕切り板1301に、当該仕切り板1301がロータ軸1114に干渉することなく、地板露出口211の中心となる光軸を基軸として回転できるように、必要に応じて小判型の逃がし形状部1401が設けられている。
【0137】
仕切り板1301に代えて、トップカバー1302が光軸を中心として回動可能に設けられているレンズ装置においては、トップカバー1302に、当該トップカバー1302が地板露出口211の中心となる光軸を基軸として回転できるように、必要に応じて小判型の逃がし形状部が設けられていてもよい。
【0138】
仕切り板1301には、光軸を中心とする円の半径方向に突出する凸部1402が設けられている。この凸部1402は、ガイド軸1103に設けられたカム溝1103aに嵌め込まれ、カム溝1103aに沿って移動可能とされており、カム軸をなす。カム溝1103aは、沈胴状態においてのみ、リードをもつ形状とされている。
【0139】
具体的には、カム溝1103aは、撮影状態において凸部1402と嵌合する部分が光軸に平行な直線形状をなし、沈胴状態において凸部1402と嵌合する部分が仕切り板1301の回転分に相当するリード分を確保するように光軸方向に対して所定の角度で傾斜している。カム溝1103aのリードは、仕切り板1301の回転分に相当する長さに設定されている。
【0140】
凸部1402は、カム溝1103aに嵌め込まれた状態で、当該カム溝1103aのリード分だけ回動する。すなわち、仕切り板1301は、凸部1402がカム溝1103aに嵌め込まれた状態で、当該カム溝1103aのリード分だけ回動する。
【0141】
この実施の形態3においては、ガイド軸1103にカム溝1103aを設けたが、これに限るものではない。凸部1402が嵌め込まれるカム溝は、ガイド軸1103以外の鏡枠部材であってもよい。凸部1402が嵌め込まれるカム溝は、設計都合などに応じて、適宜設計変更することが可能とされている。
【0142】
凸部1402に代えて、仕切り板1301とは別部材によってカム軸をなす場合は、当該カム軸とカム溝1103aとの関係を入れ替えてもよい。具体的には、たとえばレンズシャッタユニット1111側にカム溝を設け、鏡枠側にカム軸をなす部材を設けてもよい。
【0143】
仕切り板1301には、レンズ装置1100が沈胴状態に位置づけられている場合に、ロータピン1303と係合する被係合部1501が設けられている。被係合部1501は、レンズ装置1100が撮影状態に位置づけられている場合に、ロータピン1303の回動を可能とする切り欠き部1403に連続して設けられている。
【0144】
被係合部1501は、レンズ装置1100が沈胴状態に位置づけられた場合に、ロータピン1303の回動を規制する方向から当該ロータピン1303に当接するように設けられている。ロータピン1303は、凸部1402がカム溝1103aに嵌め込まれた状態で、仕切り板1301がカム溝1103aのリード分だけ回動することによって被係合部1501に係合する。仕切り板1301は、地板210との径嵌合部をインロー部として、光軸を中心として回動する。
【0145】
この発明の実施の形態3にかかるレンズシャッタユニット1111において、光軸からロータピン1303までの寸法がΔLで示されている。このΔLは、沈胴状態における光軸からロータピン1303までの寸法を示している。ロータピン1303が被係合部1501に係合することによって、光軸に対するロータピン1303の位置を、光軸からロータピン1303までの距離がΔLとなるように保持することができる。
【0146】
このような構成とすることによって、仕切り板1301が、カムリード分光軸を中心とした回動をおこない、各光量調整部品と嵌合しているロータマグネットのロータ軸1114におけるロータピン1303の角度位置を保持して、沈胴状態におけるロータマグネットおよびロータ軸1114の回転方向を規制することができる。
【0147】
そして、このような構成によって、沈胴状態のレンズ装置1100に対して衝撃が加えられた場合における、各光量調整部品のシャッタ作動面における部品の入り込み、および、レンズ装置1100を構成する部品どうしの干渉による当該部品の破損などを防止することができる。
【0148】
この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置は、レンズ装置1100内にレンズシャッタユニット1111が組み込まれた沈胴式の撮像装置であって、当該撮像装置における沈胴状態における対策が施されていることをポイントの一つとしている。また、この実施の形態1のレンズ装置100を備えた撮像装置は、沈胴状態においては撮像装置の電源がOFFであって、かつ、沈胴状態においてシャッタ作動面(光量調整部品の動作面)に他の鏡枠部品が入り込む可能性があることをポイントの一つとしている。
【0149】
さらに、この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置は、撮影状態と沈胴状態とで仕切り板1301の、光軸を中心とした角度位置が異なることをポイントの一つとしている。なお、仕切り板1301に代えて、トップカバー1302の光軸を中心とした角度位置を異ならせるようにしてもよい。
【0150】
そして、仕切り板1301(もしくはトップカバー1302)の角度位置の切り替えは、仕切り板1301(もしくはトップカバー1302)に設けられた凸部1402(カム軸部)と、レンズ群を光軸方向に駆動させる際にガイドとなるガイド軸1103に設けたカム溝1103aと、の嵌合によることをポイントの一つとしている。カム溝1103aは、上記のように、ガイド軸1103以外の部材に設けてもよい。
【0151】
この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置は、カム溝1103aのリードは、沈胴状態にのみ有効となるカム形状とされ、沈胴状態以外の状態においてはリードが0であることをポイントの一つとしている。また、この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置は、仕切り板1301(もしくはトップカバー1302)に、沈胴状態においてのみ有効となる、ロータ軸1114の回転を規制すべき形状要素を設けたことをポイントの一つとしている。
【0152】
以上説明したように、この実施の形態3のレンズ装置1100は、撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態の間で光学要素の移動をおこなう。このレンズ装置1100は、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置1100を通過する光量を調整する光量調整部品と、光量調整部品に連結されたピンの一例としてのロータピン1303が設けられたマグネットの一例としてのロータマグネットと、ロータマグネットに対して空隙を介して配置された磁性体の一例としてのヨーク(鉄芯)と、励磁用のコイルと、を備え、コイルへの通電によりロータマグネットを作動させることによって光量調整部品を動作させるアクチュエーターと、撮影状態と沈胴状態との間における状態変化に際して、光軸を中心として回動することによって地板に対する角度位置が変化する可動部材の一例としての仕切り板1301に設けられ、光軸を中心とする半径方向に突出する突起の一例としての凸部1402と、レンズ装置本体を構成する固定部材の一例としての地板210に設けられて、凸部1402が挿入され、光軸方向における仕切り板1301の移動にともない凸部1402を回動させるカム溝1103aと、を備えたことを特徴としている。
【0153】
また、この実施の形態3のレンズ装置1100は、仕切り板1301に設けられて、沈胴状態において、ロータマグネットの作動にともなうロータピン1303の回動を規制するようにロータピン1303に係合する被係合部1501を備えたことを特徴としている。
【0154】
この実施の形態3のレンズ装置1100および当該レンズ装置1100を備えた撮像装置によれば、撮像状態から沈胴状態への移行に際しての光軸方向における仕切り板1301の移動にともない、カム溝1103aによって凸部1402を回動させることにより、ロータマグネットおよびロータ軸1114の動作を規制することができる。これによって、沈胴状態におけるロータピン1303あるいはロータマグネットおよびロータ軸1114の回動を規制するために部品点数を増やしたり、レンズ装置1100を大型化したりすることなく、沈胴状態における光量調整部品の位置ずれを抑制することができる。
【0155】
また、この実施の形態3のレンズ装置1100および当該レンズ装置1100を備えた撮像装置によれば、沈胴状態においては、ロータピン1303が被係合部1501に係合することにより、ロータマグネットおよびロータ軸1114の動作を規制することができる。これによって、沈胴状態におけるロータピン1303あるいはロータマグネットおよびロータ軸1114の回動を規制するために部品点数を増やしたり、レンズ装置1100を大型化したりすることなく、沈胴状態における光量調整部品の位置ずれを抑制することができる。
【0156】
すなわち、この実施の形態3のレンズ装置1100および当該レンズ装置1100を備えた撮像装置によれば、沈胴状態における光量調整部品すなわち沈胴状態における遮光羽根202や絞り羽根206の位置ずれを抑制することにより、光量調整部品である遮光羽根202や絞り羽根206がレンズ装置1100における地板露出口211内に侵入することを防止することができる。
【0157】
すなわち、この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置によれば、部品点数の増加にならずコストアップにならないことに加えて、沈胴状態における高密度実装性を失うことがないという効果を奏する。また、この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置によれば、無通電時の保持をメカ的に係止したため、アクチュエーターAssyの設計の自由度が向上し、保持−トルクのバランス条件を複数段階あるいは幅広く振ることができるという効果を奏する。
【0158】
さらに、この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置によれば、たとえば最短露出時間の短縮など、レンズシャッタユニット1111の性能向上が、コストアップなしに達成できるという効果を奏する。また、この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置によれば、レンズ装置1100に対して、万一、衝撃が加えられた場合にも、レンズ装置1100を構成する部品破損がおこらないという効果を奏する。
【0159】
以上より、この実施の形態3のレンズ装置1100を備えた撮像装置によれば、コストアップなしに高性能化を実現した撮像装置をユーザへ提供することができる、というメリットが生じる。
【産業上の利用可能性】
【0160】
以上のように、この発明にかかる撮像装置は、電源をONにした状態でレンズ装置を撮像装置本体から繰り出した撮影状態となり、電源をOFFにした状態でレンズ装置を撮像装置本体に格納した沈胴状態となる沈胴式の撮像装置に有用であり、特に、携帯性が要求される沈胴式の撮像装置に適している。
【符号の説明】
【0161】
100 レンズ装置
111 レンズシャッタユニット
120 ロータピン
200 シャッタ装置
201 絞り装置
202 遮光羽根
203 ロータ軸
206 絞り羽根
210 地板
600 レンズ装置
602 レンズシャッタユニット
603 ロータマグネット
802 ロータピン
810 第2の当接部
910 第1の当接部
1100 レンズ装置
1111 レンズシャッタユニット
1103a カム溝
1114 ロータ軸
1301 仕切り板
1302 トップカバー
1303 ロータピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態との間で前記光学要素の移動をおこなうレンズ装置であって、
前記レンズ装置に設けられ、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置を通過する光量を調整する光量調整部品と、前記光量調整部品に連結されたピンが設けられたマグネットと、前記マグネットに対して空隙を介して配置された磁性体と、励磁用のコイルと、を備え、前記コイルへの通電により当該マグネットを作動させることによって前記光量調整部品を動作させるアクチュエーターと、
光軸方向において、前記撮影状態では前記ピンの位置とは異なる位置に位置づけられ、前記沈胴状態では前記ピンの位置と重複する位置に位置づけられる部材に設けられ、前記沈胴状態において前記マグネットの作動にともなう前記ピンの作動を規制するように前記ピンに係合する被係合部と、
を備えたことを特徴とするレンズ装置。
【請求項2】
前記ピンは光軸に沿って設けられており、
前記被係合部は、前記沈胴状態時に前記撮影状態よりも光軸方向における前記アクチュエーターとの相対距離が近傍となる近傍部材の前記ピンと対向する面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ装置。
【請求項3】
撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態との間で前記光学要素の移動をおこなうレンズ装置であって、
前記レンズ装置に設けられ、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置を通過する光量を調整する光量調整部品と、前記光量調整部品に連結されたピンが設けられたマグネットと、前記マグネットに対して空隙を介して配置された磁性体と、励磁用のコイルと、を備え、前記コイルへの通電により当該マグネットを作動させることによって前記光量調整部品を動作させるアクチュエーターと、
前記撮影状態において前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材に当接する第1の当接部と、
前記沈胴状態において前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材に当接する前記第1の当接部とは異なる第2の当接部と、を備え、
前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材は、前記撮影状態において前記磁性体により前記第1の当接部の方向に付勢力を作用させる磁気的吸引力が発生されて前記第1の当接部にて位置決めされ、前記沈胴状態において前記付勢力に抗して前記第2の当接部の方向に付勢され前記第2の当接部に当接されることにより作動を規制されることを特徴とするレンズ装置。
【請求項4】
前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材と前記第2の当接部とが当接することによる静止摩擦係数は、前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材と前記第1の当接部とが当接することによる静止摩擦係数よりも大きいことを特徴とする請求項3に記載のレンズ装置。
【請求項5】
前記マグネットあるいは当該マグネットと一体的に作動する部材が、前記沈胴状態において、前記撮影状態よりも光軸方向における前記アクチュエーターとの相対距離が近傍となる近傍部材と当接することにより、前記付勢力に抗して前記第2の当接部に当接することを特徴とする請求項3または4に記載のレンズ装置。
【請求項6】
撮影光学系を構成する複数の光学要素を備え、沈胴状態と該沈胴状態よりも繰り出す撮影状態の間で前記光学要素の移動をおこなうレンズ装置であって、
前記レンズ装置に設けられ、光路を横切る方向に動作することで当該レンズ装置を通過する光量を調整する光量調整部品と、前記光量調整部品に連結されたピンが設けられたマグネットと、前記マグネットに対して空隙を介して配置された磁性体と、励磁用のコイルと、を備え、前記コイルへの通電により当該マグネットを作動させることによって前記光量調整部品を動作させるアクチュエーターと、
前記撮影状態と前記沈胴状態との間における状態変化に際して、光軸を中心として回動することによって前記マグネットを作動可能に保持する保持部材に対する角度位置が変化する可動部材に設けられ、前記光軸を中心とする半径方向に突出する突起と、
レンズ装置本体を構成する固定部材に設けられて、前記突起が挿入され、光軸方向における前記可動部材の移動にともない前記突起を回動するカム溝と、
を備えたことを特徴とするレンズ装置。
【請求項7】
前記可動部材に設けられて、前記沈胴状態において、前記マグネットの作動にともなう前記ピンの回動を規制するように前記ピンに係合する被係合部を備えたことを特徴とする請求項4に記載のレンズ装置。
【請求項8】
前記請求項1〜7のいずれか一つに記載のレンズ装置と、
前記レンズ装置に具備された撮影光学系を通過した光を入射する撮像素子と、
を備えたことを特徴とする撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−262142(P2010−262142A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112984(P2009−112984)
【出願日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(000133227)株式会社タムロン (355)
【Fターム(参考)】