説明

レーザ光照射装置

【課題】レーザ光照射装置において、レーザ光端部を遮蔽した際に、レーザ光の広がりやにじみによって処理が均一になされないのを防止する。
【解決手段】レーザ光を出力するレーザ光発振器1と、レーザ光発振器から出力されるレーザ光を導いて帯状のレーザ光に整形する光学系2と、半導体薄膜が形成された基板100を載置する水平方向に移動可能なステージ4と、ステージが配置され、前記光学系を通してレーザ光が導入される処理室3を有し、該処理室内に、前記レーザ光の長軸長さよりも短い透過部111を有し、前記レーザ光の長軸側端部を遮蔽して前記透過部を透過するレーザ光6を半導体薄膜に照射可能とする長軸端部遮断透過体10を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、基板上に成膜された半導体薄膜に帯状のレーザ光を照射して、例えば基板上に形成されたアモルファス膜を結晶化させるなどの改質を行うレーザ光照射装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体薄膜にレーザ光を照射して結晶化などの改質を行うこの種の装置では、図6に示すように、処理室3内に、レーザ光が照射される基板100を載置するステージ4が設置されており、ステージ4は、ステージ走行機構5によってX−Y方向への移動が可能になっている。処理室3外には、処理室3内にレーザ光を出力するレーザ光発振器1とレーザ光を導く光学系2とが配置されており、光学系2から処理室3に至る間には、レーザ光スリット30が配置されている。
上記レーザ光照射装置の動作を説明すると、レーザ光発振器1で発生したレーザ光を、光学系2を通して帯状のレーザ光6に整形し、レーザ光スリット30を通過させる。レーザ光スリット30は、光学系2を導かれて帯状とされたレーザ光6の長軸長さよりも短いスリット孔30aを有しており、レーザ光6がこのスリット孔30aを通過することで、強度分布が不均一な長軸方向両端部が遮蔽されたレーザ光6が、処理室3内に導かれて基板100の半導体薄膜に照射される。
【0003】
しかし、上記スリット孔30aを通過する際に、スリット孔30aの端部が回折が生じ、照射面上で干渉縞が生じてしまう。この干渉縞が半導体薄膜上に生じると、改質が均等になされないという問題が発生する。
このレーザの干渉縞を照射面上に生じさせなくするために、従来、以下の方法でビームの強度分布を均一にしてレーザビームを照射することが知られている。
【0004】
(1)図7に示すように、レーザ光発振器40から出射したレーザビーム41は回折光学素子42を通過し、スリット43を通過させる。スリット43によってビームの長軸方向の強度の弱い端部を遮断した後のビームを、投影レンズ44及び集光レンズ45を通じ、照射面46に投影する。投影レンズは、スリットと照射面とが共役の関係になるように配置される。この方法によれば、スリットによる回折を防ぎ、強度が均一なレーザを照射面に照射することが可能になるとしている(特許文献1参照)。
【0005】
(2)エキシマレーザ光を光学系にてラインビームに整形し、絶縁膜上の非晶質半導体膜面を走査させながらラインビームを照射することでアニールして、溶融、結晶化するエキシマレーザアニール装置中に、図8に示すように、ビーム長可変手段としての遮蔽体51を設ける。この遮蔽体51は、ビーム光路の非結像面に挿入したもので、複数本のラインビーム50の長軸方向に対して斜めに設けたスリットを有しており結像前の複数本あるラインビーム50を異なる長さにする。これにより、長さの異なるラインビーム50を非晶質半導体膜面52で結像させ、複数のラインビームの回折による強度分布むらを解消するとしている(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2006−339630号公報
【特許文献2】特開2000−58478号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来技術のうち前記(1)は、スリットを通過させて、ビームの長軸方向の強度の弱い端部を遮断した後のビームを、投影レンズ及び集光レンズを通過した後でスリットの像を照射面に投影するため、スリット設置位置と照射面に距離があり、投影レンズ及び集光レンズの設置によってもレーザラインビームに広がり及び、にじみ現象が発生し、照射面の決められた位置に鮮明な改質ラインが照射できない問題がある。また、スリットの固定された幅に対応して投影レンズ、集光レンズの位置、焦点距離が定められるため、スリット長さを変更すると、ビームの広がり程度が変わってしまうという問題もある。
【0007】
また、前記(2)は、ビーム長可変手段としての遮蔽体を、ビーム光路の非結像面に挿入したもので、複数本のラインビームの長軸方向に対して斜めに設けたスリットを有しており結像前の複数本あるラインビームを異なる長さにする。これにより、長さの異なるラインビームを非晶質半導体膜面で結像させるため、レーザラインビームに広がりが発生し、照射面の決められた位置に改質ラインが照射できない問題がある。
【0008】
本発明は、上記従来の技術の有する問題点を改善するものであって、ビーム結像照射面に近い位置に長軸スリットなどの長軸端部遮断透過体を設けて照射するため、レーザビーム長軸寸法の広がりがなく、ビーム端部のにじみ現象を最小限にすることを目的とするものであり、決められた位置に鮮明な表面改質ラインを施すものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
すなわち、本発明のレーザ光照射装置のうち、第1の本発明は、レーザ光を出力するレーザ光発振器と、該レーザ光発振器から出力されるレーザ光を導いて帯状のレーザ光に整形する光学系と、半導体薄膜が形成された基板を載置する水平方向に移動可能なステージと、該ステージが配置され、前記光学系を通してレーザ光が導入される処理室とを有し、該処理室内に、前記レーザ光の長軸長さよりも短い透過部を有し、前記レーザ光の長軸側端部を遮蔽して前記透過部を透過するレーザ光を前記半導体薄膜に照射可能とする長軸端部遮断透過体を有していることを特徴とする。
【0010】
第2の本発明のレーザ光照射装置は、前記第1の本発明において、前記長軸端部遮蔽透過体が、前記ステージに載置された搬送体薄膜に近接して前記透過部が位置することを特徴とする。
【0011】
第3の本発明のレーザ光照射装置は、前記第1または第2の本発明において、前記ステージは、前記透過部を透過したレーザ光の長軸方向端部が、ステージ上に載置した半導体薄膜のトランジスタまたはダイオードの形成領域以外に照射されるように移動調整されることを特徴とする。
【0012】
第4の本発明のレーザ光照射装置は、前記第1〜第3の本発明のいずれかにおいて、前記長軸端部遮蔽透過体は、前記処理室外部から前記透過部の長さを調整可能な構造を有していることを特徴とする。
【0013】
第5の本発明のレーザ光照射装置は、前記第4の本発明において、前記長軸端部遮蔽透過体が、前記透過部の長さを段階的または連続的に変更可能であることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、処理室内に導入されたレーザ光は、長軸端部遮蔽透過体で長軸方向端部が遮蔽され、透過部の長さに従った長軸長さを有するレーザ光が透過する。この透過部をレーザ光が透過する際に、回折の影響を受けるが、長軸端部遮蔽透過体は、処理室内に配置されて、半導体薄膜との距離が小さくなるため、長軸端部遮蔽透過体を透過したレーザ光の広がり、にじみは小さくなる。長軸端部遮蔽透過体の設置位置は、処理室内であれば本発明としては特に限定されるものではないが、ステージに設置された半導体薄膜に近接して位置するのが望ましく、例えば半導体薄膜がステージとともに移動するのに支障がないように、半導体薄膜との距離が0.5mm以下となるように位置させるのが望ましい。
【0015】
また、レーザ光の広がり、にじみは、長軸端部遮蔽透過体の設置位置を処理室内とすることによって防止をしており、長軸端部遮蔽透過体の透過部の長さを変更してもレーザ光の広がり、にじみの程度には影響を与えない。したがって、透過部の長さ変更を容易に行うことができる。
【0016】
また、長軸端部遮蔽透過体を透過したレーザ光の長軸方向端部での広がりは小さくなっており、このレーザ光における長軸方向端部を半導体薄膜のトランジスタまたはダイオードの形成領域以外に照射されるようにステージの移動を制御することで半導体薄膜の品質に悪影響を与えることなく、上記形成領域において均等に改質を行うことができる。
【0017】
また長軸端部遮蔽透過体を、前記処理室外部から前記透過部の長さを調整可能な構造を有しているものとすれば、処理室内の雰囲気を崩すことなく透過部長さの調整が可能になる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明のレーザ光照射装置によれば、レーザ光を出力するレーザ光発振器と、該レーザ光発振器から出力されるレーザ光を導いて帯状のレーザ光に整形する光学系と、半導体薄膜が形成された基板を載置する水平方向に移動可能なステージと、該ステージが配置され、前記光学系を通してレーザ光が導入される処理室とを有し、該処理室内に、前記レーザ光の長軸長さよりも短い透過部を有し、前記レーザ光の長軸側端部を遮蔽して前記透過部を透過するレーザ光を前記半導体薄膜に照射可能とする長軸端部遮断透過体を有しているので、レーザビーム長軸寸法の広がりが殆どなく、ビーム端部のにじみ現象を最小限にして、半導体薄膜の決められた位置に鮮明な表面改質を施すことが可能になる。
したがって、トランジスタやダイオードを製作する以外の狭い部分に、レーザ照射1回目と2回目の重ねラインを位置合わせすることを可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態を図1〜図4に基づいて説明する。なお、上記で説明した従来装置と同様の構成について同一の符号を付して説明をする。
レーザ光照射装置であるレーザアニール処理装置は、処理室3内に、ステージ走行機構5によってX−Y方向への移動が可能になったステージ4が設置されており、処理室3の上部にはレーザ光導入窓3aが設けられている。
また、処理室3の外部には、レーザ光発振器1と、該レーザ光発振器1から出力されるレーザ光を導いて帯状に整形する光学系2とを有している。光学系2は、ホモジナイザやレンズ、ミラーなどによって構成され、本発明としては、その具体的構成が特に限定されるものではない。光学系2によって導かれるレーザ光6は、上記レーザ光導入窓3aに照射されるように設定されている。
【0020】
レーザ光導入窓3aとステージ4との間には、パイプ状とした長軸端部遮断透過体10が回転可能に配置されており、その下面はステージ4に載置される基板100の半導体薄膜(図示しない)に近接し、かつステージ4が移動する際に支障とならない箇所に位置している。
長軸端部遮断透過体10は、パイプ形状の透過体本体11を有しており、該透過体本体11の一端は処理室3の側壁に固定された固定支持バー12が内挿されて該固定支持バー12によって回転可能に支持されている。また、透過体本体11の他端側は、処理室3の対向する側壁に回転可能に軸止されているとともに、該側壁に回転可能に取り付けられ、側壁外部から操作が可能な回転フランジ14に固定されている。これにより回転フランジ14を処理室3外部から回転操作することで、透過体本体11を所望の回転位置に回転させることができる。なお、固定支持バー12および回転フランジ14と処理室3の側壁とは気密にシールされており、処理室3の気密性は確保されている。
上記のように、長軸端部遮断透過体10をパイプ形状にすることで剛性が確保されるとともに、処理室両側壁で支えると、両端支持になり更に高剛性の長軸端部遮断透過体10となる。また、長軸端部遮断透過体10は、処理室3外部より回転位置を容易に設定することができ、大気中はもちろん、真空式プロセス室であっても真空雰囲気を崩すことなく操作が可能である。
【0021】
透過体本体11は、図2に詳細に示すように、上面側に導入窓3aから導入されたレーザ光が全長で通過可能な長さを有し、かつ透過体本体11を所定量回転させた際にもレーザ光が全幅で通過可能な幅で切り欠き110を有している。また透過体本体11の下面側には、異なる長さで形成された切り欠きが周方向で位置を変えて複数形成されている。この形態では、該複数の切り欠きが周方向に連続しており、該複数の切り欠きによって本発明の透過部111が構成されている。なお、該複数の切り欠きは、周方向で連続することなく間隔をおいて形成されているものであってもよい。
【0022】
透過体本体11は、前記した回転フランジ14で回転させることで、所望の長さを有する切り欠きを透過部111として下方側に位置させることができる。
図3に示すように、レーザ光6が導入窓3aから処理室3内に導入されると、透過体本体11の所定の回転範囲内では全長、全幅で上記切り欠き110を通過し、透過部111に至る。この際に透過体本体11の下方側に位置する切り欠きでレーザ光6の両端部が遮蔽され、切り欠きの長さ分のレーザ光6が透過して、基板100上の半導体薄膜に照射される。この状態でステージ4をステージ走行機構5で移動させることでレーザ光6が半導体薄膜上で走査される。
【0023】
また、必要に応じて回転フランジ14を回転させ、透過体本体11の下方に位置する切り欠きの長さを変更することで、透過するレーザ光6の長軸長さを段階的に変更することができる。レーザ光6が、透過部111としての切り欠きのいずれを透過する場合にも、切り欠き端部を透過したレーザ光6は回折によって僅かな広がりを有するものの、透過部111と半導体薄膜101の隙間は僅かであり(例えば0.5mm以下)、透過部111を透過したレーザ光6が直下で薄膜半導体101に照射されるため、広がりやにじみによる影響は殆どない。特にレーザ光6の両端部が、半導体薄膜のトランジスタやダイオードの形成領域(予定形成領域を含む)にかからないように照射することで、良好なアニール処理がなされる。
【0024】
図4に示すように、半導体薄膜101に上記トランジスタやダイオードの形成領域102が並列に設けられる場合には、形成領域102、102間の隙間にレーザ光6の両端部が位置するように照射することで、確実に良質なアニール処理が可能になる。なお、103は各画素であり、上記形成領域102を避ければ、レーザ光端部が画素領域に照射されても支障はない。なお、レーザ光の両端部は、本発明によって不均一領域として小さな領域となっており、該端部を上記形成領域間にのみ位置させることが可能になる。この不均一領域は、均一領域外に位置するものであり、例えばレーザ光の最大エネルギ密度の96%以上の領域を均一領域、96%未満の領域を不均一領域に区別することができる。
【0025】
また、レーザ光端部を形成領域102、102間に位置させてレーザ光走査した後、並列にさらにレーザ光走査を行い、その際に、レーザ光端部を形成領域102、102間に位置させるとともに、図4に示すように前回走査時と同じ形成領域102、102間にレーザ光端部が位置するようにレーザ光端部を重ねて照射する(例えば50〜70μmの重なり)ことで、いずれかの形成領域102にレーザ光が2度走査されてアニールの均一性が損なわれるのを回避できる。なお、形成領域102、102間に2回のレーザ光照射が行われても支障はない。これによりレーザ光の長さを大幅に越える大基板に対しても処理の均一性を損なうことなく複数回のレーザ光走査によって照射処理を行うことができる。
【0026】
(実施形態2)
上記実施形態では、透過部の長さを段階的に変更可能とした長軸端部遮断透過体10について説明したが、透過部の長さを連続的に変更可能とした長軸端部遮断透過体20について図5に基づいて説明する。
【0027】
この形態のレーザ光照射装置でステージ4上に配置される長軸端部遮断透過体20では、処理室3の両内側壁に、内側に向けた筒形状の透過体本体21、21が向き合って軸方向にスライド可能で回転が規制された状態で取付られている。透過体本体21、21は、互いに隙間を有して位置しており、その先端部下方部には、互いの隙間によって透過部22を形成する透過部用突き出し部22a、22aを有しており、両者が接近または離反することで突き出し部22a、22a間の隙間、すなわち透過部22の長さが変わる。
【0028】
透過体本体21、21は、先端側の軸芯部に、軸方向に沿った雌ねじ部21a、21aが形成されており、該雌ねじ部21a、21aに螺合する雄ねじ部23a、23aを先端に有する位置調整バー23、23が透過体本体21、21の軸芯部に沿って配置され、その基端側が、それぞれ処理室3の対向する側壁に回転可能に軸止されている。透過体本体21の内周面と、位置調整バー23の外周面との間にはスラスト軸受け25が設けられており、透過体本体21の安定支持に寄与している。また、位置調整バー23、23の基端部は、さらに、処理室3の側壁を外側に突き出して、処理室3の側壁に回転可能に取り付けられた回転フランジ24、24に固定されている。位置調整バー23、23と処理室3の側壁は気密にシールされている。
【0029】
この実施形態では、回転フランジ24、24を回転操作することで位置調整バー23、23すなわち雄ねじ部23aが回転し、雌ねじ部21aを介して透過体本体21、21がスライド移動し、透過体本体21、21の突き出し部22a、22a間に形成される透過部22の長さが変更される。透過部22の長さは、回転フランジ24、24の回転量に応じて任意に、すなわち連続的に変更することができる。
【0030】
上記長軸端部遮断透過体20を備えるレーザ光照射装置では、前記実施形態と同様に光学系2によって帯状に整形されたレーザ光6が導入窓3aを通して処理室3内に導入され、透過体本体21間の上方側隙間で両端部が遮蔽され、さらに下方側に形成される透過部22によって両端部が遮蔽されて所望のレーザ光6が基板100上の半導体薄膜に照射される。この際に、上記実施形態と同様に透過部22を透過することによるレーザ光の広がりやにじみによる影響は殆どない。また、透過部22の長さを連続的に変更する際にも上記広がりやにじみの影響に変わりはなく、容易に透過部の長さを変更することができる。
【0031】
以上説明本発明について上記実施形態に基づいて説明を行ったが、本発明は上記実施形態の内容に限定をされるものではなく、本発明を逸脱しない限りは適宜の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の一実施形態のレーザ光照射装置を示す概略図である。
【図2】同じく、長軸端部遮断透過体を示す一部拡大正面図および側面断面図である。
【図3】同じく、長軸端部遮断透過体を透過したレーザ光の照射状況を示す一部拡大正面図および側面断面図である。
【図4】同じく、レーザ光の照射状況を示す半導体薄膜の平面図である。
【図5】本発明の他の実施形態におけるレーザ光照射装置を示す概略図である。
【図6】従来のレーザ光照射装置の概略を示す図である。
【図7】従来のレーザ光強度分布の均一化を図っているレーザ光照射装置の一例を示す概略斜視図である。
【図8】同じく、他例を示す概略正面図および平面図である。
【符号の説明】
【0033】
1 レーザ光発振器
2 光学系
3 処理室
4 ステージ
5 ステージ走行機構
6 レーザ光
10 長軸端部遮断透過体
111 透過部
20 長軸端部遮断透過体
22 透過部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザ光を出力するレーザ光発振器と、該レーザ光発振器から出力されるレーザ光を導いて帯状のレーザ光に整形する光学系と、半導体薄膜が形成された基板を載置する水平方向に移動可能なステージと、該ステージが配置され、前記光学系を通してレーザ光が導入される処理室とを有し、該処理室内に、前記レーザ光の長軸長さよりも短い透過部を有し、前記レーザ光の長軸側端部を遮蔽して前記透過部を透過するレーザ光を前記半導体薄膜に照射可能とする長軸端部遮断透過体を有していることを特徴とするレーザ光照射装置。
【請求項2】
前記長軸端部遮蔽透過体は、前記ステージに載置された搬送体薄膜に近接して前記透過部が位置することを特徴とする請求項1記載のレーザ光照射装置。
【請求項3】
前記ステージは、前記透過部を透過したレーザ光の長軸方向端部が、ステージ上に載置した半導体薄膜のトランジスタまたはダイオードの形成領域以外に照射されるように移動調整されることを特徴とする請求項1または2に記載のレーザ光照射装置。
【請求項4】
前記長軸端部遮蔽透過体は、前記処理室外部から前記透過部の長さを調整可能な構造を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のレーザ光照射装置。
【請求項5】
前記長軸端部遮蔽透過体は、前記透過部の長さを段階的または連続的に変更可能であることを特徴とする請求項4記載のレーザ光照射装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−289871(P2009−289871A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−139216(P2008−139216)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000004215)株式会社日本製鋼所 (840)
【Fターム(参考)】