説明

レーザ加工方法

【課題】 レーザ照射位置にずれを生じさせる可能性のある全ての要因を含めてのずれ量を求めることで、精度のよいレーザ加工を実現することを課題とする。
【解決手段】 加工物20の非加工領域20bにレーザ加工機16からレーザ光を照射してレーザ加工跡を形成する。非加工領域20bに設けられている位置決めマークの座標位置とレーザ加工跡の座標位置との差を求め、求めた差に基づいて加工物20上のレーザ照射位置を補正して加工物20をレーザ加工機16でレーザ加工する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加工物にレーザ光を照射して加工するレーザ加工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ加工装置において、例えば加工物を切断加工する際には、切断線に沿ってレーザ光の照射位置を移動しながら切断を行なう。加工物上でレーザ光の照射位置を移動するには、照射位置が固定されたレーザ光に対して加工物を移動する方式と、位置が固定された加工物に対してレーザ光を移動する方式とがある。
【0003】
レーザ光に対して加工物を移動する方法では、移動可能なステージ上に加工物を載せ、ステージをXY方向に移動することにより、加工物上でレーザ照射位置を移動する。この方式では、質量の大きなステージを移動しなければならないため、ステージを精度よく移動するためには移動速度を遅くしなければならず、レーザ加工時間が長くなる。
【0004】
一方、位置が固定された加工物に対してレーザ光を移動する方式では、ガルバノミラーを用いてレーザ光を偏向することで、容易にレーザ光の照射位置を高速で移動することができる。したがって、ガルバノミラーを用いたレーザ加工装置を用いることで、レーザ加工を短時間で行なうことができる。ただし、この方式では、レーザ加工中にガルバノミラーや光学系を含むレーザ加工装置の温度が上昇して各部が熱変形し、その影響でレーザ照射位置精度が悪化するというおそれがある。
【0005】
具体的には、例えば、ガルバノミラーを用いてレーザ光の照射位置を制御する場合、ガルバノミラー本体や固定治具などの温度変化による熱膨張/熱収縮によりガルバノミラーの位置が変化し、レーザの照射位置精度に影響を及ぼすおそれがある。これを防止するために、ガルバノミラーの周辺に温度センサを設けてガルバノミラーの温度を検出し、温度変化によるレーザ照射位置の変化を補正することでレーザ照射位置精度を維持することが行なわれている。また、ガルバノミラーから熱源を遠ざけてガルバノミラーの温度上昇を抑制し、なるべくレーザ照射位置が変化しないようにしている。
【0006】
そこで、ガイド用レーザ光を用いてレーザ照射位置のずれを検出し、ずれの補正量を求めてガルバノミラーの駆動部にフィードすることで、レーザ照射装置においてレーザ照射位置を補正することが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開昭58−224088号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1に開示された補正機構は、レーザ照射装置の筐体内部において補正するものであり、加工物を載置するステージやステージに対してレーザ照射装置を支持するフレームなどを含むレーザ加工装置全体の熱変形が考慮されていない。しかし、レーザ加工装置全体を考慮したレーザ照射位置補正機構を設計/製作しようとすると、高価な光電変換装置や温度センサを複数個設ける必要があり、製造コストからみて実用的ではない。また、レーザ光を制御するミラーやレンズの歪を補正するための補正機構が必要であり、この補正機構を設けることもレーザ加工装置のコストアップの要因となっている。そこで、簡単な構成で安価なレーザ照射位置補正機構の開発が要望されている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一実施形態によれば、加工物の非加工領域にレーザ加工機からレーザ光を照射してレーザ加工跡を形成し、前記非加工領域に設けられている位置決めマークの座標位置と前記レーザ加工跡の座標位置との差を求め、求めた差に基づいて加工物上のレーザ照射位置を補正して前記加工物を前記レーザ加工機でレーザ加工するレーザ加工方法が提供される。
【発明の効果】
【0010】
上述のレーザ加工方法によれば、非加工領域に実際にレーザ加工を施してそのレーザ加工跡からレーザ照射位置のずれ量が求められる。このため、レーザ照射位置にずれを生じさせる可能性のある全ての要因を含めてのずれ量を求めることができ、精度のよいレーザ加工を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施形態によるレーザ加工装置の全体構成を示す簡略図である。
【図2】図1に示すレーザ加工装置で行われるレーザ加工工程のフローチャートである。
【図3】プラスチックシートの平面図である。
【図4】2台のカメラの一方で画像検出したアライメントマークとレーザ加工跡の画像を示す図である。
【図5】2台のカメラのもう一方で画像検出したアライメントマークとレーザ加工跡の画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は一実施形態によるレーザ加工装置の全体構成を示す簡略図である。図1に示す レーザ加工装置10は、一例として、レーザ光を用いて透明なプラスチックシートをハーフカットする加工を行なう加工装置である。
【0013】
レーザ加工装置10は、ベース部12と、ベース部12に固定されたレーザ筐体固定部14と、レーザ筐体固定部14に支持されたレーザ加工機16とを有する。レーザ加工機16はガルバノミラーによりレーザ光を偏向しながら照射するガルバノ内蔵レーザ加工機である。
【0014】
ベース部12はレーザ加工装置10の本体となる部分である。ベース部12の上に、加工物であるプラスチックシート20を載置する吸着ステージ18が配置される。吸着ステージ18はベース部12内に設けられた吸引機構(図示せず)に接続されている。吸着ステージ18上のプラスチックシートを吸引機構で吸引することで、プラスチックシートを吸着ステージ18上に固定することができる。
【0015】
吸着ステージ18は、ステージ移動機構(図示せず)によりワークセット位置(図1で実線で示された位置)とレーザ加工機16からのレーザ光が照射される加工位置(図1で点線で示す位置)との間で移動可能である。吸着ステージ18の移動の制御は、ベース部12内に設けられたステージ制御装置22により行なわれる。
【0016】
吸着ステージ18の下側には2台のカメラ24が配置されている。2台のカメラ24は、例えばCCDカメラであり、透明なガラス等で形成された吸着ステージ18上に載置された透明なプラスチックシート20に設けられた位置決めマークであるアライメントマークを透明なプラスチックシート20の裏側から撮像することができる。本実施形態では、アライメントマークはプラスチックシート20の対角線上で非加工領域内の2箇所に設けられているものとし、アライメントマークの位置に合わせて2台のカメラ24が配置されている。本実施形態では、プラスチックシート20が透明であるため、プラスチックシート20の表側に設けられたアライメントマークを裏側から撮像することができる。加工物が透明ではなくアライメントマークが加工物の表側に設けられている場合は、カメラを加工物の表側に配置すればよい。
【0017】
カメラ24で撮像したアライメントマークの画像データは、ベース部12内に設けられた画像処理装置26に送られる。画像処理装置26は、アライメントマークの画像データを座標分析し、吸着ステージ18上でのプラスチックシート20の位置ずれを特定する。画像処理装置26で特定されたプラスチックシート20の位置ずれ量に関する情報を、レーザ加工機16に供給する。レーザ加工機16はプラスチックシート20の位置ずれ量に応じてレーザ光の照射位置を調整しながら、プラスチックシート20をレーザ加工する。
【0018】
レーザ加工装置10の全体の動作制御は、ベース部12内に設けられた制御部28が行なう。制御部28は、例えばパーソナルコンピュータなどのコンピュータであり、上述のステージ制御装置22及び画像処理装置26も制御部28に含まれることとしてもよい。
【0019】
なお、本実施形態では、レーザ加工機16のレーザ照射部分から加工位置に向かって広がりながら延在するダクト30が設けられている。ダクト30はプラスチックシート20の加工中に発生する煙を集めて周囲に充満しないようにするために設けられる。ダクト30で集められた煙はプラスチックシート20から離れた場所に排出される。また、ダクト30を設けることで、レーザ加工時に発生する散乱光などによるカメラ24の損傷を防止することができる。
【0020】
また、ベース部12に表示装置32が取り付けられており、表示装置32にレーザ加工装置10の状態を表示したり、表示装置32を介して操作指令を入力したりすることができる。
【0021】
次に、図1に示すレーザ加工装置10によりプラスチックシート20を加工する際のレーザ加工方法について説明する。図2はレーザ加工装置10で行われるレーザ加工工程のフローチャートである。
【0022】
プラスチックシート20のレーザ加工を行なうには、まず、ステップS1において、加工物であるプラスチックシート20を作業者がレーザ加工装置10の吸着ステージ18上に載置する。このとき、吸着ステージ18はワークセット位置に移動している。プラスチックシート20が吸着ステージ18に載置されたら、吸引機構が作動してプラスチックシート20は吸着ステージ18に固定される。
【0023】
次に、ステップS2において、カメラ24によりプラスチックシート20のアライメントマークを撮像しアライメントマークを画像検出する。そして、画像処理装置26はアライメントマークを含む画像データからアライメントマークの座標位置Aを求める。
【0024】
続いて、ステップS3において、制御部28はアライメント処理を行なう。アライメント処理では、アライメントマークの座標位置Aに基づいてレーザ加工機16からレーザ光を照射する位置が求められる。そして、ステップS4において、制御部28はアライメントマークを検出したときの画像をメモリに格納して登録しておく。
【0025】
次に、ステップS5において、制御部28は移動機構を駆動して吸着ステージ18を加工位置に移動する。したがって、吸着ステージ18に固定されているプラスチックシート20も加工位置に移動する。そして、レーザ加工機16はレーザ光をプラスチックシート20のアライメントマークの中心を目標にして照射して、アライメントマーク上にレーザ加工跡を形成する。
【0026】
その後、ステップS6において、制御部28は移動機構を駆動して吸着ステージ18をワークセット位置に戻し、再びアライメントマークを画像検出する。このときのアライメントマーク上又はその近傍には、後述のようにレーザ加工跡が形成されている。
【0027】
ここで、アライメントマーク及びレーザ加工跡について、図3乃至図5を参照しながら説明する。
【0028】
図3はプラスチックシート20の平面図である。プラスチックシート20は、レーザ加工される加工領域20aと、加工領域20aの外側で加工されない非加工領域20bとを有している。非加工領域20bはプラスチックシート20の外周部分であり、レーザ加工後に除去される部分である。
【0029】
非加工領域20bにおいて、右上の隅にレーザ加工跡形成領域20cが設けられ、レーザレーザ加工跡形成領域20c内にアライメントマーク40−1が設けられている。同様に、非加工領域20bにおいて、左下の隅にもレーザ加工跡形成領域20cが設けられ、レーザ加工跡形成領域20c内にアライメントマーク40−2が設けられている。
【0030】
レーザ加工跡形成領域20cは後述のようにレーザ加工跡を形成するために設けられた領域である。レーザ加工領域20cには、レーザ加工跡を画像検出したときにレーザ加工跡の輪郭が明瞭になるように、レーザ加工で容易に黒色に変色するようなマーキング用材料を塗布しておくことが好ましい。そのようなマーキング用材料として、例えばモリブデン含有複合酸化物が適することが知られている。あるいは、レーザに反応しやすい材料として、含リン酸無機物、含ホウ酸無機物、酸化ビスマスなどを含有した塗料を用いることもできる。
【0031】
図4は2台のカメラ24の一方で画像検出したアライメントマーク40−1とレーザ加工跡42−1の画像を示す。図5は2台のカメラ24のもう一方で画像検出したアライメントマーク40−2とレーザ加工跡42−2の画像を示す。アライメントマーク40−1,40−2は十字形状のマークであるが、画像から位置決め用の基準を求めることができるような形状であれば、例えば長方形や正方形等の他の形状やそれらの組み合わせでもよい。
【0032】
本実施形態では、プラスチックシート20に設けられるアライメントマーク40−1は、図4(a)に示すように十字形状のマークである。図4(a)に示す画像は、ステップS2において撮像したアライメントマーク40−1の画像である。図4(b)に示す画像は、ステップS6において撮像したアライメントマーク40−1の画像である。図4(b)に示す画像中のアライメントマーク40−1上又はアライメントマーク40−1の近傍には、ステップS5においてレーザ光を照射して形成したレーザ加工跡42−1が形成されている。
【0033】
ここで、ステップS5においてレーザ加工する目標位置は、図4(a)の点線で示すようにレーザ加工跡42−1がアライメントマーク40−1の中心を通るように、ステップS3で登録されたアライメントマーク40−1の画像に基づいて設定される。すなわち、レーザ照射位置に誤差(ずれ)がなければ、図4(a)の点線で示す位置にレーザ加工跡が形成されるはずである。
【0034】
ところが、レーザ加工機16内の光学部品に歪みがあったり、レーザ加工機16やレーザ加工機16を支持するレーザ筐体用固定部14やベース部12などに熱変形が生じていると、レーザ光を目標位置に照射することができなくなる。すなわち、レーザ光を目標位置に照射するように設定しても、図4(b)に示すように十字形のアライメントマーク40−1の中心から偏った位置にレーザ光が照射されてレーザ加工跡42−1が形成される。このときの、図4(b)に示すアライメントマーク40−1の中心とレーザ加工跡42−1の中心との間の距離D1が、レーザ照射位置のずれ量に相当する。図4において、上下方向がプラスチックシート20の縦方向に相当する。したがって、図4(b)に示すずれ量(距離D1)はプラスチックシート20の縦方向のずれ量に相当する。
【0035】
図5(a)に示す画像は、ステップS2において撮像したアライメントマーク40−2の画像である。図5(b)に示す画像は、ステップS6において撮像したアライメントマーク40−2の画像である。図5(b)に示す画像中のアライメントマーク40−2上又はアライメントマーク40−2の近傍には、ステップS5においてレーザ光を照射して形成したレーザ加工跡42−2が形成されている。
【0036】
ここで、ステップS5においてレーザ加工する目標位置は、図5(a)の点線で示すようにレーザ加工跡42−2がアライメントマーク40−2の中心を通るように、ステップS3で登録されたアライメントマーク40−2の画像に基づいて設定される。すなわち、レーザ照射位置に誤差(ずれ)がなければ、図5(a)の点線で示す位置にレーザ加工跡が形成されるはずである。
【0037】
ところが、レーザ加工機16内の光学部品に歪みがあったり、レーザ加工機16を支持するレーザ筐体用固定部14やベース部12などに熱変形が生じていると、レーザ光を目標位置に照射することができなくなる。すなわち、レーザ光を目標位置に照射するように設定しても、図5(b)に示すように十字形のアライメントマーク40−1の中心から偏った位置にレーザ光が照射されてレーザ加工跡42−2が形成される。このときの、図5(b)に示すアライメントマーク40−2の中心とレーザ加工跡42−2の中心との間の距離D2が、レーザ照射位置のずれ量に相当する。図5において、左右方向がプラスチックシート20の横方向に相当する。したがって、図5(b)に示すずれ量(距離D2)はプラスチックシート20の横方向のずれ量に相当する。
【0038】
図2に戻ってレーザ加工工程の説明を続ける。ステップS6においてアライメントマークとレーザ加工跡を画像検出したら、処理はステップS7に進む。ステップS7では、画像処理装置26はレーザ加工跡の中心を画像から求め、中心の位置をレーザ走査位置として座標位置Bを求める。そして、ステップS7において、制御部28はアライメントマーク40−1及び40−2の各々に関して座標位置Aと座標位置Bの差分を求める。この差分がレーザ照射位置のずれ量を表わす距離D1,D2に相当する。
【0039】
ステップS8において、制御部28はレーザ照射位置のずれ量を表わす距離D1,D2の情報をレーザ加工機16に送信する。その後、ステップS10において、吸着ステージ18が加工位置に移動してプラスチックシート20がレーザ加工位置に配置され、プラスチックシート20のレーザ加工が行われる。このときのレーザ加工は、レーザ照射位置のずれ量を表わす距離D1,D2の情報に基づいてレーザ照射位置を補正してから行われる。したがって、レーザ照射位置に位置ずれがなく精度のよいレーザ加工を行うことができる。
【0040】
レーザ照射位置の補正は、距離D1に基づいて縦方向(Y方向)と、距離D2に基づいて横方向(X方向)の両方向について行うことができる。また、アライメントマークの中心線とレーザ加工跡の中心線との角度を検出することで、プラスチックシート20の回転方向(θ方向)ずれ量を求めて補正することもできる。
【0041】
ステップS10におけるレーザ加工が長時間続く場合は、レーザ加工の途中で上述のステップS5からステップS9までの処理を再度行なうこととしてもよい。すなわち、レーザ加工を連続して続けていると、レーザ加工を始めた時点よりもレーザ加工装置10の各部の温度が高くなるので、これに起因下レーザ照射位置のずれを補正するためにレーザ加工の途中で再度ずれ量を求めて補正するのである。
【0042】
なお、上述の実施形態では、アライメントマークを2箇所に設け、一方を縦方向のずれ量を求めるために用い、他方を横方向のずれ量を求めるために使用したが、アライメントマークを必ずしも2箇所に設ける必要はない。例えば、1つのアライメントマークに対して、レーザ加工跡を縦方向と横方向に2つ形成し、1台のカメラで撮像した画像から、縦方向のずれ量と横方向のずれ量を求めることもできる。この場合、カメラも2台設ける必要はなく、1台のカメラでだけでよい。
【0043】
以上のように、本実施形態によれば、非加工領域20bに実際にレーザ加工を施してそのレーザ加工跡からレーザ照射位置のずれ量が求められる。このため、レーザ照射位置にずれを生じさせる可能性のある全ての要因を含めてのずれ量を求めることができ、精度のよいレーザ加工を実現することができる。
【0044】
アライメントマークはプラスチックシート20の位置決め用にもともと設けられているマークであり、レーザ照射位置補正のために特別に設けるものではない。また、カメラ24もプラスチックシート20の位置決め用にレーザ加工装置10にもともと設けられている部品であり、レーザ照射位置補正のために特別に設けるものではない。したがって、本実施形態によれるレーザ加工方法は、制御部28や画像処理装置26での制御を変更するだけで、従来のレーザ加工装置の構造を変えることなく容易に実施することができる。
【0045】
以上の如く、本明細書は以下の事項を開示する。
(付記1)
加工物の非加工領域にレーザ加工機からレーザ光を照射してレーザ加工跡を形成し、
前記非加工領域に設けられている位置決めマークの座標位置と前記レーザ加工跡の座標位置との差を求め、
求めた差に基づいて加工物上のレーザ照射位置を補正して前記加工物を前記レーザ加工機でレーザ加工する
レーザ加工方法。
(付記2)
付記1記載のレーザ加工方法であって、
前記位置決めマークの座標位置と前記レーザ加工跡の座標位置との差を求める際、前記非加工領域を撮像して得られた画像から認識するレーザ加工方法。
(付記3)
付記2記載のレーザ加工方法であって、
前記加工物上で前記位置決めマークが設けられた領域に、加工用のレーザ光に反応して変色する材料を塗布しておくレーザ加工方法。
(付記4)
付記1記載のレーザ加工方法であって、
前記加工物上に前記位置決めマークを2つ設けておき、一方の位置決めマークを用いて前記レーザ照射位置の縦方向のずれ量を求め、他方の位置決めマークを用いて前記レーザ照射位置の横方向のずれ量を求めるレーザ加工方法。
(付記5)
付記1記載のレーザ加工方法であって、
前記位置決めマークを前記加工物の外周付近に設けるレーザ加工方法。
(付記6)
付記1記載のレーザ加工方法であって、
前記加工物をレーザ加工している途中で、
前記加工物の前記非加工領域にレーザ光を照射してレーザ加工跡を形成し、
前記非加工領域に設けられている前記位置決めマークの座標位置と再び形成した前記レーザ加工跡の座標位置との差を求め、
求めた差に基づいて前記加工物上のレーザ照射位置を補正して前記レーザ加工を続ける
レーザ加工方法。
(付記7)
ベース部に対して固定部を介して固定されたレーザ加工機と、
ベース部上に設けられ、加工物が載置され固定されるステージと、
前記ステージ上の加工物に設けられた位置決めマークを撮像するカメラと、
前記レーザ加工機、前記ステージ、及び前記カメラの動作を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記加工物の非加工領域にレーザ加工機からレーザ光を照射してレーザ加工跡を形成し、前記非加工領域に設けられている位置決めマークの座標位置と前記レーザ加工跡の座標位置との差を求め、求めた差に基づいて加工物上のレーザ照射位置を補正して前記加工物を前記レーザ加工機でレーザ加工するように、前記レーザ加工機、前記ステージ、及び前記カメラの動作を制御するレーザ加工装置。
【符号の説明】
【0046】
10 レーザ加工装置
12 ベース部
14 レーザ筐体固定部
16 レーザ加工機
18 吸着ステージ
20 プラスチックシート
20a 加工領域
20b 非加工領域
20c レーザ加工跡形成領域
22 ステージ制御装置
24 カメラ
26 画像処理装置
28 制御部
30 ダクト
32 表示装置
40−1,40−2 アライメントマーク
42−1,42−2 レーザ加工跡

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加工物の非加工領域にレーザ加工機からレーザ光を照射してレーザ加工跡を形成し、
前記非加工領域に設けられている位置決めマークの座標位置と前記レーザ加工跡の座標位置との差を求め、
求めた差に基づいて加工物上のレーザ照射位置を補正して前記加工物を前記レーザ加工機でレーザ加工する
レーザ加工方法。
【請求項2】
請求項1記載のレーザ加工方法であって、
前記位置決めマークの座標位置と前記レーザ加工跡の座標位置との差を求める際、前記非加工領域を撮像して得られた画像から認識するレーザ加工方法。
【請求項3】
請求項2記載のレーザ加工方法であって、
前記加工物上で前記位置決めマークが設けられた領域に、加工用のレーザ光に反応して変色する材料を塗布しておくレーザ加工方法。
【請求項4】
請求項1記載のレーザ加工方法であって、
前記加工物上に前記位置決めマークを2つ設けておき、一方の位置決めマークを用いて前記レーザ照射位置の縦方向のずれ量を求め、他方の位置決めマークを用いて前記レーザ照射位置の横方向のずれ量を求めるレーザ加工方法。
【請求項5】
ベース部に対して固定部を介して固定されたレーザ加工機と、
ベース部上に設けられ、加工物が載置され固定されるステージと、
前記ステージ上の加工物に設けられた位置決めマークを撮像するカメラと、
前記レーザ加工機、前記ステージ、及び前記カメラの動作を制御する制御部と
を有し、
前記制御部は、前記加工物の非加工領域にレーザ加工機からレーザ光を照射してレーザ加工跡を形成し、前記非加工領域に設けられている位置決めマークの座標軸と前記レーザ加工跡の座標位置との差を求め、求めた差に基づいて加工物上のレーザ照射位置を補正して前記加工物を前記レーザ加工機でレーザ加工するように、前記レーザ加工機、前記ステージ、及び前記カメラの動作を制御するレーザ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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