説明

レーザ加工装置およびレーザ加工方法

【課題】ドロスの付着がなく、ドロスの除去のための後工程が不要である、生産性に優れたレーザ加工装置およびレーザ加工方法を得ること。
【解決手段】アルミニウム製被加工物にレーザビームを照射するとともにアシストガスを前記アルミニウム製被加工物に供給することにより前記アルミニウム製被加工物の切断加工を行うレーザ加工装置であって、前記レーザビームを出力するレーザビーム出力手段と、前記レーザビームを前記アルミニウム製被加工物に導いて照射する照射手段と、前記アシストガスとして酸素の混合比率が0.1体積%〜0.5体積%である窒素と酸素との混合ガスを前記アルミニウム製被加工物に供給するアシストガス供給手段と、自装置における切断加工の制御を行う制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザ加工装置およびレーザ加工方法に関し、特に、効率良くアルミニウムをレーザ加工するレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的にレーザ加工においては、加工する材料の種類によってそれぞれ適したアシストガスの種類、圧力が存在する。すなわち、軟鋼材の加工では酸化反応を利用するために、酸素をアシストガスとして使用し、ステンレス、アルミニウムの加工では切断面の酸化による変色を防ぐために、窒素をアシストガスとして使用する。チタンの加工ではドロス(切断面下部へ付着する溶融物残り)の付着を防ぐために、アルゴンをアシストガスとして使用することが好ましい。
【0003】
【特許文献1】特開2001−239385号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、アルミニウムのレーザ加工においては、従来からアシストガスにエア(空気)または窒素が主に用いられている。アシストガスとしてエアを用いた場合、切断面が白濁し、少量のドロスが付着するという問題がある。一方、アシストガスとして窒素を用いた場合、光沢のある切断面が得られるが、多量のドロスが付着するという問題がある。いずれの場合も、レーザ加工後にドロス除去のための後工程が必要であり、レーザ加工の効率の低下の原因となっている。
【0005】
また、従来のレーザ加工装置においては、ステンレス鋼、被覆鋼、アルミニウム又はアルミニウム合金の切断において、切断面の酸化を制限しつつ切断能力や切断粗さを改善するために、酸素と窒素の混合ガスをアシストガスとして用いたものがある(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1には、アシストガスの酸素含量が、0体積%を超え8体積%未満、好ましくは、150ppmから5体積%であることが開示されている。
【0006】
ここで、上記の特許文献1の技術は、アシストガスとして窒素100%を用いた場合での切断に比べて切断速度を増加させ、また、アシストガスとして酸素100%を用いた場合での切断に比べて面粗さを減少させることを目的としたものであり、この目的を達成するためには上述した範囲の酸素割合で効果を得ることができる。
【0007】
しかしながら、上記の特許文献1に示された酸素割合では、アルミニウムのレーザ加工における切断時のドロスの付着をなくすという問題に関しては効果を得ることはできない。すなわち、アルミニウムのレーザ加工における切断時のドロスの付着という問題は解消できない。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ドロスの付着がなく、ドロスの除去のための後工程が不要な、生産性に優れたレーザ加工装置およびレーザ加工方法を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるレーザ加工装置は、アルミニウム製被加工物にレーザビームを照射するとともにアシストガスをアルミニウム製被加工物に供給することによりアルミニウム製被加工物の切断加工を行うレーザ加工装置であって、レーザビームを出力するレーザビーム出力手段と、レーザビームをアルミニウム製被加工物に導いて照射する照射手段と、アシストガスとして酸素の混合比率が0.1体積%〜0.5体積%である窒素と酸素との混合ガスをアルミニウム製被加工物に供給するアシストガス供給手段と、自装置における切断加工の制御を行う制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、アシストガスとして、酸素濃度を0.1体積%〜0.5体積%とした窒素と酸素との混合ガスを使用することで、アルミニウム製被加工物のレーザ加工時におけるドロスの付着のないレーザ加工を実現することができる。これにより、この発明によれば、従来のレーザ加工においてレーザ加工後に実施していた、付着したドロスの除去工程を省くことが可能であり、効率良くアルミニウム製被加工物のレーザ加工を行うことができる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明にかかるレーザ加工方法およびレーザ加工装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本発明は以下の記述に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
【0012】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるレーザ加工装置の全体構成を模式的に示す概略構成図である。実施の形態1にかかるレーザ加工装置は、レーザを発振するレーザ発振部1と、加工ヘッド2と、ミラーやレンズ等からなりレーザの進路を変更する光学部4と、加工時に用いるアシストガスを供給するアシストガス供給部8と、加工ヘッドに供給するアシストガスの種類や圧力を調整するアシストガス調整部9と、装置全体の制御を行う制御部11と、加工対象物7を固定する加工テーブル12と、各種情報を入力するための入力部13と、を備えて構成されている。また、加工ヘッド2には、内部に設けられた加工レンズ5と、該加工ヘッド2の先端部に取り付けられた加工ノズル6とを備える。
【0013】
このように構成された本実施の形態にかかるレーザ加工装置においては、レーザ発振部1より出力されたレーザビーム3が、ミラーやレンズ等からなる光学部4により加工ヘッド2に導かれる。加工ヘッド2に導かれたレーザビーム3は、加工ヘッド2内の加工レンズ5を透過し、加工ヘッド2の先端部に取り付けられた加工ノズル6に導かれ、該加工ノズル6から加工テーブル12上の加工対象物7へと照射される。このとき、レーザビーム3は加工レンズ5により加工対象物7上に集光される。また、加工ヘッド2と加工テーブル12とは、図示していない駆動機構により相対的に移動し、所望の形状の加工を実施する。
【0014】
一方、アシストガス供給部8から供給され、アシストガス調整部9を通過したアシストガス10が、加工ヘッド2の内部へと導かれる。そして、加工ヘッド2の内部へと導かれたアシストガスは、加工ノズル6からレーザビーム3と共に、加工対象物7へと照射される。これらの動作は制御部11によって制御される。
【0015】
アシストガス供給部8は、使用するガスそのものを供給する手段であり、酸素や窒素等のガスボンベ、液体酸素と気化装置を組み合わせたもの、空気を圧縮して供給するコンプレッサ、空気から窒素のみを分離して供給する窒素分離装置等が用いられる。本実施の形態においては、アシストガス供給部8として各種のアシストガスを貯留したガスボンベを使用している。
【0016】
アシストガス調整部9は、加工対象物7の材質や板厚に応じて、アシストガス供給部8から供給され加工ヘッド2に供給するアシストガス10の種類を切り替え、圧力を調整する。レーザビーム3と、アシストガス調整部9において適切に選択、調整されたアシストガス10と、が加工対象物7へ一緒に照射されることで、初めて加工対象物7の切断、穴空け等のレーザ加工が良好な状態で精度良く実施できる。
【0017】
図2は、本実施の形態にかかるレーザ加工装置におけるアシストガスの供給方法を説明するために、アシストガス調整部9の構成を主として示した概略構成図である。アシストガス供給部8には、酸素ガスの貯留・供給源である酸素ガス源15A、窒素ガスの貯留・供給源である窒素ガス源15B、アルゴンガスの貯留・供給源であるアルゴンガス源15C、および窒素と酸素とがあらかじめ「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された混合ガス、すなわち、混合ガスの酸素濃度が「0.1体積%〜0.5体積%」とされた窒素と酸素との混合ガスの貯留・供給源である混合ガス源15Dを備える。本実施の形態においては、これらのガス源の一例としてガスボンベが設けられている。
【0018】
アシストガスは、各ガス源15A〜15Dから送出され、配管16A〜16D(以下、配管16A〜16Dを総称して配管16と呼ぶ場合がある)を介してアシストガス調整部9に送られる。各配管16A〜16Dはそれぞれ、ガス種類選択電磁弁17A〜17Dに接続されている。そして、この各ガス種類選択電磁弁17A〜17Dにはそれぞれ、配管19A〜19Dの一端が接続され、該配管19A〜19Dの他端は一つに纏められて、配管20の一端に接続されている。
【0019】
また、配管19A〜19Dの途中にはそれぞれ、ガスを一方向にしか流さないチェック弁18A〜18Dが設けられている。チェック弁18の作用は以下の通りである。ガス種類選択電磁弁17にはガス圧力に対する耐性に方向性があり、配管16側からの圧力には耐性があるが、配管19側からの圧力には弱い。このため、配管19側の圧力が高くなった場合には、配管19から配管16へアシストガスが逆流する場合がある。
【0020】
したがって、たとえばガス種類選択電磁弁17Dを開放し、その他のガス種類選択電磁弁17A〜17Cを閉じた場合には、配管19Dに窒素と酸素との混合ガスが流れる。このとき、配管19D内の圧力が配管19A内の圧力よりも高い場合には、窒素と酸素との混合ガスが配管19Aから配管16Aに流れ込むおそれがある。よって、これを防ぐためにチェック弁18を設け、ガス種類選択電磁弁17の配管19側に圧力がかからないような構造としている。
【0021】
また、配管20の他端には比例制御弁21が接続され、該比例制御弁21の他端は配管22に接続しており、配管22の他端には吐出部として加工ヘッド2が接続されている。さらに、この加工ヘッド2の先端には噴射口としてノズル6が設けられている。また、加工ヘッド2には圧力センサ23が設けられている。
【0022】
アシストガスの切換えは、制御部11のガス種類制御部25により、ガス種類選択電磁弁17A〜17Dのいずれか所望のガスの電磁弁を開放し、他の電磁弁を閉じることで行う。また、アシストガスの圧力は、制御部11の圧力制御部26により、圧力センサ23の圧力値に基づき比例制御弁21の開度をフィードバック制御することで調整する。
【0023】
以上のように構成された本実施の形態にかかるレーザ加工装置においては、本発明の特徴であるアルミニウムのレーザ加工では、アシストガスとして「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスを用いることを特徴とする。これにより、アルミニウムのレーザ加工において、加工後の加工対象物7にドロスが付着することが無く、また酸化による切断面の白濁も生じない。
【0024】
したがって、本実施の形態にかかるレーザ加工装置においては、従来のレーザ加工装置によるアルミニウムのレーザ加工において必須であった、ドロスを取り除く工程や酸化防止処理工程などの後工程が不要であり、生産性および品質に優れたアルミニウムのレーザ加工が可能なレーザ加工装置が実現されている。
【0025】
また、上述した本実施の形態にかかるレーザ加工装置においては、アシストガスとして上記の混合ガスを用いている。これにより、アルミニウムのレーザ加工後の切断面は白濁した面ではなく光沢のある面が得られ、切断面の酸化の影響も防止することができる。
【0026】
また、上述した本実施の形態にかかるレーザ加工装置においては、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素の混合ガスの貯留・供給源として、あらかじめ前述の混合ガスを封入したガスボンベを用いている。これにより、上述した混合ガスをアシストガスとして用いたレーザ加工装置を、非常に簡易な構成によって実現することができる。
【0027】
つぎに、上述した本実施の形態にかかるレーザ加工装置によりレーザ加工を行う場合の動作について説明する。ここでは、本発明の特徴であるアルミニウムのレーザ加工を行う場合について説明する。
【0028】
まず、加工テーブル12上に加工対象物7を固定し、図示していない駆動機構により所定の位置にセットする。つぎに、入力部13を用いて所定の加工指示を入力する。加工指示としては、入力部13を用いて直接入力しても良く、また、たとえば制御部11内の記憶手段にあらかじめ組み込まれた所定の加工プログラムを選択する形態とすることも可能である。
【0029】
加工指示が入力または選択されると、該加工指示に従って加工が開始され、制御部11の制御によりレーザ発振部1がレーザビーム3を出力する。レーザ発振部1が出力したレーザビーム3は、光学部4により加工ヘッド2に導かれる。そして、加工ヘッド2に導かれたレーザビーム3は、加工ヘッド2内の加工レンズ5を透過し、集光されて加工ヘッド2の先端部に取り付けられた加工ノズル6に導かれ、該加工ノズル6から加工テーブル12上の加工対象物7へと照射される。
【0030】
また、レーザビーム3の出力とともに、アシストガスの供給が開始され、アシストガスとして窒素と酸素との混合ガスがアシストガス供給部8の混合ガス源15Dから送出される。混合ガス源15Dから送出されたアシストガスは、配管16Dを通ってアシストガス調整部9の内部に送られる。ここで、本実施の形態にかかるレーザ加工装置においては、アルミニウムのレーザ加工を行う場合には、アシストガスとして「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスを用いる。
【0031】
したがって、制御部11は加工指示に基づいてガス種類選択電磁弁17Dを開放し、その他のガス種類選択電磁弁17A〜17Cを閉じた状態にする。これにより、配管16Dを通ってアシストガス調整部9の内部に送られたアシストガスは、ガス種類電磁弁17Dを通過し、チェック弁18、配管19D、配管20を経て比例制御弁21に送られる。このとき、配管19D内のアシストガスは、チェック弁18A〜18Cの機能により配管16A〜16Cへ流れ込むことはない。
【0032】
そして、比例制御弁21に送られたアシストガスは、比例制御弁21の開度により圧力を調整されて配管22を通して加工ヘッド2に送られる。ここで、加工ヘッド2内では、圧力センサ23によりアシストガスの圧力が測定され、制御部11の圧力制御部26に圧力データが送信される。圧力制御部26は、アシストガスの圧力が所望の圧力になるように、圧力センサ23で測定した圧力データに基づいて比例制御弁21の開度をフィードバック調整する。
【0033】
所望の圧力に調整されて加工ヘッド2に送られたアシストガスは、加工ノズル6からレーザビーム3と共に、加工対象物7へと照射される。以上により、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素の混合ガスが所望の圧力で、加工ノズル6から加工対象物7に向けてアシストガスとして照射される。
【0034】
そして、アシストガスとレーザビーム3とが加工対象物7へと照射された状態で、加工ヘッド2と加工テーブル12とが図示していない駆動機構により相対的に移動させて、加工対象物7に対して所望の形状の加工を実施する。以上の一連の動作は制御部11によって制御される。
【0035】
以上のように構成されたレーザ加工装置によるレーザ加工方法においては、アシストガスとして「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素の混合ガスを用いるため、アルミニウムのレーザ加工において加工後の加工対象物7にドロスを付着させること無く、切断面の白濁を生じさせずに加工を行うことができる。
【0036】
したがって、本実施の形態にかかるレーザ加工装置によるレーザ加工方法においては、従来のレーザ加工方法によるアルミニウムのレーザ加工において必須であった、ドロスを取り除く工程や酸化防止処理工程などの後工程が不要であり、生産性および品質に優れたアルミニウムのレーザ加工が可能である。
【0037】
また、上述した本実施の形態にかかるレーザ加工方法においては、アシストガスとして上記の混合ガスを用いるため、レーザ加工後のアルミニウムの切断面として白濁した面ではなく光沢のある切断面を得ることができ、切断面の酸化の影響も防止した加工を行うことができる。
【0038】
また、上述した本実施の形態にかかるレーザ加工方法においては、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素の混合ガスの貯留・供給源として、あらかじめ前述の混合ガスを封入したガスボンベを用いる。これにより、上述した混合ガスをアシストガスとして用いたレーザ加工を、非常に容易によって実現することができる。
【0039】
図3−1〜図3〜8は、従来のレーザ加工装置(加工方法)および本実施の形態にかかるレーザ加工装置(加工方法)によるアルミニウムのレーザ切断加工において、窒素純度を変化させた窒素と酸素との混合ガスをアシストガスとして用いて切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真である。なお、図3−1および図3−5〜図3−8が、従来のレーザ加工装置(加工方法)、図3−2〜図3−4が、本実施の形態にかかるレーザ加工装置(加工方法)に対応している。
【0040】
図3−1、図3−5〜図3−8より、従来の加工方法である液体窒素(窒素割合99.9%以上)をアシストガスとして用いた加工方法では加工後のアルミニウムにドロスが付着していること(図3−1)、また、窒素の割合が99.3%以下、すなわち酸素濃度が0.7%以上の混合ガスをアシストガスとして用いた場合(図3−5〜図3−8)でも加工後のアルミニウムにドロスが付着していることがわかる。すなわち、特許文献1で開示されたアシストガスの条件である、窒素に対する酸素の割合が「0体積%を超え、8体積%未満、好ましくは、150ppm〜5体積%」の条件では、ドロスが付着する場合がほとんどであり、ドロスの付着を防止する効果は得られないと言える。
【0041】
一方、図3−2〜図3−4より、本実施の形態にかかるレーザ加工装置(加工方法)によるアルミニウムのレーザ切断加工、すなわち窒素純度99.9体積%(酸素濃度0.1体積%)、窒素純度99.7体積%(酸素濃度0.3体積%)、窒素純度99.5(酸素濃度0.5体積%)の混合ガスをアシストガスとして用いた場合には、加工後のアルミニウムにドロスが付着していないことがわかる。これにより、加工後のアルミニウムへのドロスの付着を防止することができるという本発明の効果が得られていると言える。
【0042】
また、切断加工後のアルミニウムへのドロスの付着状況の差異を明確にするために、アシストガスに用いた混合ガスに於ける窒素と酸素の混合比率と、厚み6mmのアルミニウム板を切断加工した後のアルミニウムに付着したドロスの最大高さと、の関係を図4に示す。図4より明らかなように、アシストガスにおける酸素濃度が0.1体積%〜0.5体積%である場合のみ、切断後のアルミニウムにドロスが付着していない。また、図3−2〜図3−4に示した加工後のサンプルを観察した結果、酸素濃度が0.1体積%〜0.5体積%であるアシストガスを用いた場合には、白濁した切断面ではなく光沢のある切断面が得られ、酸化の影響も防止できていることが確認された。
【0043】
実施の形態2.
上述した実施の形態1においては、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスの貯留・供給源として、あらかじめ前述の混合ガスを封入したガスボンベを用いる場合について説明したが、本実施の形態では、既存の酸素ガス源と窒素ガス源を用い、アシストガス調整部9の機能により、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスをアシストガスとして供給する場合について説明する。
【0044】
図5は、図2に対応した図であり、本実施の形態にかかるレーザ加工装置におけるアシストガスの供給方法を説明するために、アシストガス調整部9の構成を主として示した概略構成図である。なお、図2と同一の構成については図2と同一符号を付すことで、ここでは説明は省略する。
【0045】
本実施の形態にかかるレーザ加工装置におけるアシストガス供給部8が実施の形態1におけるアシストガス供給部8と異なる点は、窒素酸素混合ガス源15Dを有しないことである。本実施の形態の場合は、たとえば圧縮空気源15Eを配管16Dに接続した構成とした。圧縮空気源15Eは、たとえばコンプレッサである。
【0046】
また、本実施の形態にかかるレーザ加工装置におけるアシストガス調整部9が実施の形態1におけるアシストガス調整部9と異なる点は、配管19Aの途中に電空弁30を付加したこと、配管19Aと配管19Bとを連結してさらに配管19Aと配管19Bとの連結先に酸素濃度センサ31を付加したこと、である。すなわち、図5に示すように、酸素ガス用の配管19Aは、電空弁30を介して窒素ガス用の配管19Bと合流し、酸素濃度センサ31に接続されている。酸素濃度センサ31以降の配管等の構成は実施の形態1の場合(図4)と同様である。
【0047】
また、アルミニウムのレーザ加工のアシストガスとして、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスを用いることも、実施の形態1の場合と同様である。
【0048】
そして、本実施の形態にかかるレーザ加工装置における制御部11が実施の形態1における制御部11と異なる点は、酸素窒素混合比制御部32が付加されたことである。この酸素窒素混合比制御部32は、電空弁30と酸素濃度センサ31とを制御し、窒素と酸素の混合比を調整する。
【0049】
つぎに、上述した本実施の形態にかかるレーザ加工装置によりレーザ加工を行う場合の動作について説明する。ここでは、本発明の特徴であるアルミニウムのレーザ加工を行う場合について説明する。
【0050】
まず、加工テーブル12上に加工対象物7を固定し、図示していない駆動機構により所定の位置にセットする。つぎに、入力部13を用いて所定の加工指示を入力する。加工指示としては、入力部13を用いて直接入力しても良く、また、たとえば制御部11内の記憶手段にあらかじめ組み込まれた所定の加工プログラムを選択する形態とすることも可能である。
【0051】
加工指示が入力または選択されると、該加工指示に従って加工が開始され、制御部11の制御によりレーザ発振部1がレーザビーム3を出力する。レーザ発振部1が出力したレーザビーム3は、光学部4により加工ヘッド2に導かれる。そして、加工ヘッド2に導かれたレーザビーム3は、加工ヘッド2内の加工レンズ5を透過し、集光されて加工ヘッド2の先端部に取り付けられた加工ノズル6に導かれ、該加工ノズル6から加工テーブル12上の加工対象物7へと照射される。
【0052】
また、レーザビーム3の出力とともに、アシストガスの供給が開始される。アシストガスを供給するには、まず制御部11のガス種類制御部25により、ガス種類選択電磁弁17A、17Bを開放し、ガス種類選択電磁弁17C、17Dを閉じる。これより、酸素ガスと窒素ガスとが、配管19Aと配管19Bとの合流部で混合され、酸素濃度センサ31に達する。そして、酸素ガスと窒素ガスとが混合された混合ガスの酸素濃度を酸素濃度センサ31において測定し、測定データを酸素窒素混合比制御部32に送る。
【0053】
酸素窒素混合比制御部32は、該測定データを受け取ると、混合ガスの酸素濃度が「0.1体積%〜0.5体積%」となるように、すなわち、窒素と酸素とが「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合されるように、酸素ガスの流量を調整するように電空弁30に対してフィードバック制御を行う。所望の酸素濃度となった酸素ガスと窒素ガスとの混合ガス、すなわちアシストガスは、配管20を通って比例制御弁21に送られる。
【0054】
そして、比例制御弁21に送られたアシストガスは、比例制御弁21の開度により圧力を調整されて配管22を通して加工ヘッド2に送られる。ここで、加工ヘッド2内では、圧力センサ23によりアシストガスの圧力が測定され、制御部11の圧力制御部26に圧力データが送信される。圧力制御部26は、アシストガスの圧力が所望の圧力になるように、圧力センサ23で測定した圧力データに基づいて比例制御弁21の開度をフィードバック調整する。
【0055】
所望の圧力に調整されて加工ヘッド2に送られたアシストガスは、加工ノズル6からレーザビーム3と共に、加工対象物7へと照射される。以上により、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素の混合ガスが所望の圧力で、加工ノズル6から加工対象物7に向けてアシストガスとして照射される。
【0056】
そして、アシストガスとレーザビーム3とが加工対象物7へと照射された状態で、加工ヘッド2と加工テーブル12とが図示していない駆動機構により相対的に移動させて、加工対象物7に対して所望の形状の加工を実施する。以上の一連の動作は制御部11によって制御される。
【0057】
なお、酸素ガスまたは窒素ガスのみをアシストガスとして使用するときは、適宜必要なガス種類選択電磁弁17を開閉し、酸素窒素混合比制御部32の動作を停止し、電空弁30を開放した状態にしておけばよい。また、電空弁30を酸素ガスの配管19Aに設ける構造としたが、窒素ガスの配管19Bに電空弁を設けても良い。
【0058】
以上のように構成された本実施の形態にかかるレーザ加工装置においては、あらかじめ「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスのガスボンベを用いずに、一般的に使用されている窒素ボンベと酸素ボンベとを用いる。この場合においても、実施の形態1の場合と同様にドロスの付着のないアルミニウムのレーザ加工を行うことができ、実施の形態1の場合と同様の本発明の効果を得ることができる。そして、この場合には、あらかじめ上記の比率で混合された窒素と酸素との混合ガスのガスボンベを使用しないため、ランニングコストの低減が可能となる。
【0059】
実施の形態3.
実施の形態2においては、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスを、電空弁30と酸素濃度センサ31のフィードバック制御によって生成する場合について説明したが、本実施の形態では、制御機構を用いずにアシストガス調整部9の機能により、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスをアシストガスとして供給する場合について説明する。
【0060】
図6は、図2に対応した図であり、本実施の形態にかかるレーザ加工装置におけるアシストガスの供給方法を説明するために、アシストガス調整部9の構成を主として示した概略構成図である。なお、図2と同一の構成については図2と同一符号を付すことで、ここでは説明は省略する。
【0061】
本実施の形態にかかるレーザ加工装置におけるアシストガス供給部8が実施の形態1におけるアシストガス供給部8と異なる点は、窒素酸素混合ガス源15Dを有しないことである。本実施の形態の場合は、たとえば圧縮空気源15Eを配管16Dに接続した構成とした。圧縮空気源15Eは、たとえばコンプレッサである。
【0062】
また、本実施の形態にかかるレーザ加工装置におけるアシストガス調整部9が実施の形態1におけるアシストガス調整部9と異なる点は、酸素ガス用の配管16Aから分岐し、レギュレータ39Aおよびオリフィス38Aを介してガス種類選択電磁弁35に至る配管40Aと、窒素ガス用の配管16Bから分岐し、レギュレータ39Bおよびオリフィス38Bを介してガス種類選択電磁弁35に至る配管40Bと、ガス種類選択電磁弁35からチェック弁36を介して配管20に接続される配管37が設けられている点である。なお、配管20以降の配管等の構成は実施の形態1の場合(図4)と同様である。
【0063】
ここで、酸素ガスが通過するオリフィス38Aと窒素ガスが通過するオリフィス38Bとの孔径は、所定のガス圧力下で、窒素と酸素の混合比が窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)となるように設定されており、またレギュレータ39A、39Bはオリフィス38A、38Bに所定のガス圧力がかかるよう調整されている。
【0064】
つぎに、上述した本実施の形態にかかるレーザ加工装置によりレーザ加工を行う場合の動作について説明する。ここでは、本発明の特徴であるアルミニウムのレーザ加工を行う場合について説明する。
【0065】
まず、加工テーブル12上に加工対象物7を固定し、図示していない駆動機構により所定の位置にセットする。つぎに、入力部13を用いて所定の加工指示を入力する。加工指示としては、入力部13を用いて直接入力しても良く、また、たとえば制御部11内の記憶手段にあらかじめ組み込まれた所定の加工プログラムを選択する形態とすることも可能である。
【0066】
加工指示が入力または選択されると、該加工指示に従って加工が開始され、制御部11の制御によりレーザ発振部1がレーザビーム3を出力する。レーザ発振部1が出力したレーザビーム3は、光学部4により加工ヘッド2に導かれる。そして、加工ヘッド2に導かれたレーザビーム3は、加工ヘッド2内の加工レンズ5を透過し、集光されて加工ヘッド2の先端部に取り付けられた加工ノズル6に導かれ、該加工ノズル6から加工テーブル12上の加工対象物7へと照射される。
【0067】
また、レーザビーム3の出力とともに、アシストガスの供給が開始される。アシストガスを供給するには、まず制御部11のガス種類制御部25により、ガス種類選択電磁弁35を開放し、ガス種類選択電磁弁17A〜17Dを閉じる。これより、酸素ガスと窒素ガスとが、配管40Aと配管40Bの合流部で混合され、ガス種類選択電磁弁35を通過し配管37に導かれる。
【0068】
ここで、酸素ガスは配管40A中でレギュレータ39Aによって所定の圧力に調整されオリフィス38Aを通過する。一方、窒素ガスは配管40B中でレギュレータ39Bによって所定の圧力に調整されてオリフィス38Bを通過する。これにより、酸素ガスと窒素ガスとが、オリフィス38A、38Bの孔径の設定に基づき、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合され、混合ガス(アシストガス)としてガス種類選択電磁弁35、チェック弁36を通過して配管37に導かれる。
【0069】
配管37に導かれたアシストガスは、配管20を介して比例制御弁21に送られ、比例制御弁21に送られたアシストガスは、比例制御弁21の開度により圧力を調整されて配管22を通して加工ヘッド2に送られる。ここで、加工ヘッド2内では、圧力センサ23によりアシストガスの圧力が測定され、制御部11の圧力制御部26に圧力データが送信される。圧力制御部26は、アシストガスの圧力が所望の圧力になるように、圧力センサ23で測定した圧力データに基づいて比例制御弁21の開度をフィードバック調整する。
【0070】
所望の圧力に調整されて加工ヘッド2に送られたアシストガスは、加工ノズル6からレーザビーム3と共に、加工対象物7へと照射される。以上により、「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素の混合ガスが所望の圧力で、加工ノズル6から加工対象物7に向けてアシストガスとして照射される。
【0071】
そして、アシストガスとレーザビーム3とが加工対象物7へと照射された状態で、加工ヘッド2と加工テーブル12とが図示していない駆動機構により相対的に移動させて、加工対象物7に対して所望の形状の加工を実施する。以上の一連の動作は制御部11によって制御される。
【0072】
なお、酸素ガスまたは窒素ガスのみをアシストガスとして使用するときは、ガス種類選択電磁弁35を閉じ、適宜必要なガス種類選択電磁弁17を開閉すればよい。
【0073】
以上のように構成された本実施の形態にかかるレーザ加工装置においては、あらかじめ「窒素:酸素=99.5:0.5〜99.9:0.1(体積%)」の割合で混合された窒素と酸素との混合ガスのガスボンベを用いずに、一般的に使用されている窒素ボンベと酸素ボンベとを用いる。この場合においても、実施の形態1の場合と同様にドロスの付着のないアルミニウムのレーザ加工を行うことができ、実施の形態1の場合と同様の本発明の効果を得ることができる。
【0074】
そして、この場合には、あらかじめ上記の比率で混合された窒素と酸素との混合ガスのガスボンベを使用しないため、実施の形態2の場合と同様にランニングコストの低減が可能となる。また、実施の形態2にかかるレーザ加工装置と比較した場合、酸素ガスと窒素ガスの混合割合は固定となるが、混合比を制御する特別な制御部が必要ないため、装置構成が簡略化され、初期コストの削減が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
以上のように、本発明にかかるレーザ加工装置は、効率的なレーザ加工に有用であり、特に、アルミニウムのレーザ加工に適している。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるレーザ加工装置の全体構成を模式的に示す概略構成図である。
【図2】実施の形態1にかかるレーザ加工装置におけるアシストガスの供給方法を説明するためにアシストガス調整部の構成を主として示した概略構成図である。
【図3−1】従来のレーザ加工装置(加工方法)によりアルミニウムの切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真を示した図である。
【図3−2】実施の形態1にかかるレーザ加工装置(加工方法)によりアルミニウムの切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真を示した図である。
【図3−3】実施の形態1にかかるレーザ加工装置(加工方法)によりアルミニウムの切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真を示した図である。
【図3−4】実施の形態1にかかるレーザ加工装置(加工方法)によりアルミニウムの切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真を示した図である。
【図3−5】従来のレーザ加工装置(加工方法)によりアルミニウムの切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真を示した図である。
【図3−6】従来のレーザ加工装置(加工方法)によりアルミニウムの切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真を示した図である。
【図3−7】従来のレーザ加工装置(加工方法)によりアルミニウムの切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真を示した図である。
【図3−8】従来のレーザ加工装置(加工方法)によりアルミニウムの切断加工を行った場合の、加工後のアルミニウムに対するドロスの付着状況を示した切断面の写真を示した図である。
【図4】アシストガスに用いた混合ガスに於ける窒素と酸素の混合比率と、アルミニウム板を切断加工した後のアルミニウムに付着したドロスの最大高さと、の関係を示す特性図である。
【図5】実施の形態2にかかるレーザ加工装置におけるアシストガスの供給方法を説明するためにアシストガス調整部の構成を主として示した概略構成図である。
【図6】実施の形態3にかかるレーザ加工装置におけるアシストガスの供給方法を説明するためにアシストガス調整部の構成を主として示した概略構成図である。
【符号の説明】
【0077】
1 レーザ発振部
2 加工ヘッド
3 レーザビーム
4 光学部
5 加工レンズ
6 加工ノズル
7 加工対象物
8 アシストガス供給部
9 アシストガス調整部
10 アシストガス
11 制御部
12 加工テーブル
13 入力部
15A 酸素ガス源
15B 窒素ガス源
15C アルゴンガス源
15D 窒素酸素混合ガス源
15E 圧縮空気源
16A、16B、16C、16D 配管
17A、17B、17C、17D ガス種類選択電磁弁
18A、18B、18C、18D チェック弁
19A、19B、19C、19D 配管
20 配管
21 比例制御弁
22 配管
23 圧力センサ
25 ガス種類制御部
26 圧力制御部
30 電空弁
31 酸素濃度センサ
32 酸素窒素混合比制御部
35 ガス種類選択電磁弁
36 チェック弁
37 配管
38A、38B オリフィス
39A、39B レギュレータ
40A、40B 配管

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルミニウム製被加工物にレーザビームを照射するとともにアシストガスを前記アルミニウム製被加工物に供給することにより前記アルミニウム製被加工物の切断加工を行うレーザ加工装置であって、
前記レーザビームを出力するレーザビーム出力手段と、
前記レーザビームを前記アルミニウム製被加工物に導いて照射する照射手段と、
前記アシストガスとして酸素ガスの混合比率が0.1体積%〜0.5体積%である窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスを前記アルミニウム製被加工物に供給するアシストガス供給手段と、
自装置における切断加工の制御を行う制御手段と、
を備えることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項2】
前記アシストガス供給手段として、あらかじめ酸素ガスの混合比率が0.1体積%〜0.5体積%に混合された窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスを貯留した混合ガス貯留・供給手段を備えること
を特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項3】
前記貯留・供給手段がガスボンベであること
を特徴とする請求項2に記載のレーザ加工装置。
【請求項4】
前記アシストガス供給手段として、
窒素ガスを貯留・供給する窒素ガス貯留・供給手段と、
酸素ガスを貯留・供給する酸素ガス貯留・供給手段と、
前記窒素ガス貯留・供給手段から供給される窒素ガスと前記酸素ガス貯留・供給手段から供給される酸素ガスとを、酸素ガスの混合比率が0.1体積%〜0.5体積%になるように混合する混合手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工装置。
【請求項5】
前記混合手段により混合された混合ガスの酸素濃度を測定する酸素濃度測定手段を備え、
前記混合手段が、前記酸素濃度測定手段における測定結果に基づいて、前記混合ガスにおける酸素ガスの混合比率が0.1体積%〜0.5体積%になるように調整すること、
を特徴とする請求項4に記載のレーザ加工装置。
【請求項6】
前記窒素ガス貯留・供給手段から供給される窒素ガスの量を規制する窒素ガス規制手段と、
前記酸素ガス貯留・供給手段から供給される酸素ガスの量を規制する酸素ガス規制手段と、
を備え、
前記混合手段が、前記窒素ガス規制手段により規制されて供給される前記窒素ガスと、前記酸素ガス規制手段により規制されて供給される前記酸素ガスと、を酸素ガスの混合比率が0.1体積%〜0.5体積%になるように混合すること、
を特徴とする請求項4に記載のレーザ加工装置。
【請求項7】
アルミニウム製被加工物にレーザビームを照射するとともにアシストガスを前記アルミニウム製被加工物に供給することにより前記アルミニウム製被加工物の切断加工を行うレーザ加工方法であって、
酸素ガスの混合比率が0.1体積%〜0.5体積%である窒素ガスと酸素ガスとの混合ガスをアシストガスとして用いること、
を特徴とするレーザ加工方法。

【図1】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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【図3−1】
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【図3−2】
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【図3−3】
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【図3−4】
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【図3−5】
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【図3−6】
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【図3−7】
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【図3−8】
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