説明

レーザ脱毛装置

【課題】装置の不慮の誤用を防止するために設計された安全機能を備え、光線の通り道において各毛包の乳頭にダメージを与えるのに十分なエネルギー及び維持時間のレーザ発生パルスを利用したレーザ脱毛装置を提供する。
【解決手段】ベースユニット12及び手で持てるサイズのレーザ棒14を有する。レーザ18は、光線の進路にある各々の毛包の乳頭にダメージを与えるために、十分なエネルギーと期間のパルス光を生成する。装置10は、装置の過失による不正使用を防ぐために、一つ以上の安全機能を含む。特に、装置は、不快なレーザの潜在的な進路を見ることができる高強度LED24を取り入れ、これにより反射的な瞬きを促進させる。その上、装置は、皮膚から離れたレーザの使用を防止するための皮膚接触/接近センサー26、及び/又はレーザの不慮の作動を防止するための一以上のロック手段を取り入れることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザ脱毛装置に関し、特に、専用ではないが家庭での使用を目的とする装置に関する。
【背景技術】
【0002】
過去において、美容のための脱毛は、引き抜き,電気分解およびレーザ処理を含む多数の方法で成し遂げられていた。レーザ処理プロセスでは、毛包の乳頭によってエネルギーのいくらかが吸収されるように、適当な波長(一般的に約600nm〜900nm)の光が皮膚に向けられる、そして、それは毛包の死滅およびその後の脱毛を導くエネルギーの堆積によってダメージを受ける。
【0003】
これら装置の複雑さと使用時の固有の安全配慮のため、伝統的にレーザ脱毛処理は、自宅ではなくむしろ専門クリニックやサロンで行われていた。
【0004】
レーザ脱毛装置が国内市場において安全に使用可能なように、安全機能を備えたレーザ脱毛装置の要求がある。
【0005】
従って、広い側面においては、本発明は、装置の不慮の誤用を防止するために設計された安全機能を備え、光線の通り道において各毛包の乳頭にダメージを与えるのに十分なエネルギー及び維持時間のレーザ発生パルスを利用したレーザ脱毛装置に関する。
【0006】
従って、本発明が提供するレーザ脱毛装置は、脱毛のためのレーザ放射線に毛包を曝さらすために使用者の皮膚に向けられ及び/又は適応されるレーザ脱毛装置であって、前記装置は、脱毛に適した波長の放射線を放つことが可能な脱毛レーザを収容する本体と、予め設定した期間が経過すると装置の作動を中断するためのタイマーを含む制御手段と、使用者の皮膚に接触又は接近したことの少なくとも一つを検知するためのセンサーと、予め設定した期間が満了した上で、装置が皮膚から離れて再び当てられた後にだけレーザの再通電を許すように更に操作できる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
この特徴は、熱傷となる皮膚の過度の露光を防止すると共に、使用において対象とした領域からレーザを離すことを使用者に強制し、これにより領域が冷えるのに十分な時間を与え、その上、同じ領域に装置が再配置されないようにする。予め設定した期間は、幾つかの要因に依存するが、通常は4秒というオーダーにすることができる。
【0008】
センサーは、好ましくは皮膚に接触したことを検出する2つの導電性接触エレメントと電気回路を備えているかもしれない。電機回路は、例えば電気抵抗を検出することができる。好ましくは、2つの接触エレメントの離間距離は、目に直接照射するのを防止するために、開いた目のサイズと略同じか、又は小さい。この距離は、好ましくは一のエレメントの中央から他のエレメントの中央までが約0.5〜1.5cmの範囲である。
【0009】
装置の皮膚との距離又は接近を検出する機能を有する他のセンサーを使用することが可能である。従って、光線又は電磁放射線によって皮膚からの装置の距離を検出し、その出力が作動を禁止する制御手段によって使用される。
【0010】
本発明の他の側面においては、脱毛のためのレーザ放射線に毛包を曝さらすために使用者の皮膚に向けられ及び/又は適用されるレーザ脱毛装置が提供され、前記装置は、脱毛に適した波長の放射線を放つことが可能な脱毛レーザを収容する本体を備え、概して前記脱毛レーザと同じ方向に、目に損傷を与えない放射線の高強度光線を放つように更なる発光素子を配置し、それによって使用者が目の方へ装置の照準を定めるのを防止することを特徴とする。
【0011】
高強度光線は、光線を調べることが不快であるという意味で損傷を負わず、光線によって引き起こされる永久的な損傷がない。
【0012】
好ましくは、高強度光線は、装置に電力が供給されると直ぐに、又は脱毛レーザが作動される前に放たれる。殆どの場合、脱毛レーザは、制動機又は同様のものを使用して要求があり次第、放射されるであろう。レーザは、概してパルスレーザ放射線の光線を生成する。発光素子は、好ましくは波長が約500〜600nm、理想的には555nmの光のような、目が特に敏感に反応する波長の光を放つ。発光素子(24)は、要求される周波数の光を提供するように設計されたLEDを備えるかもしれない。
【0013】
他の側面において、脱毛のためのレーザ放射線に毛包を曝さらすために使用者の皮膚に向けられ及び/又は適用されるレーザ脱毛装置であって、前記装置は、脱毛に適した波長の放射線を放つことが可能な脱毛レーザを収容する本体を備え、使用者の皮膚からの脱毛レーザの光線の反射を弱めるために装置の終端にフィルターエレメントを配置したことを特徴とするレーザ脱毛装置が提供される。
【0014】
好ましくは、フィルターエレメントは、発射したレーザ光線を取り囲む装置の終端から延びるチューブ状のエレメントである。チューブ状のエレメントは、好都合としては円筒形状である。
【0015】
さらに他の側面において、脱毛のためのレーザ放射線に毛包を曝さらすために使用者の皮膚に向けられ及び/又は適用されるレーザ脱毛装置であって、前記装置は、脱毛に適した波長の放射線を放つことが可能な脱毛レーザを収容する本体、装置が皮膚に接触及び/又は接近していることを検知するセンサー、及び、装置が皮膚に接触していない又は近くにないときに前記脱毛レーザの作動を禁止するために、前記センサーの出力に反応する制御手段を備えたことを特徴とするレーザ脱毛装置が提供される。
【0016】
他の側面において、本発明は、脱毛のためのレーザ放射線に毛包を曝さらすために使用者の皮膚に向けられ及び/又は適用されるレーザ脱毛装置であって、前記装置は、脱毛に適した波長の放射線を放つことが可能な脱毛レーザを収容する本体、予め設定した期間が経過すると装置の作動を中断するためのタイマーを含む制御手段を備えたことを特徴とするレーザ脱毛装置を提供する。
【0017】
他の側面において、本発明は、脱毛のためのレーザ放射線に毛包を曝さらすために使用者の皮膚に向けられ及び/又は適用されるレーザ脱毛装置であって、前記装置は、脱毛に適した波長の放射線を放つことが可能な脱毛レーザを収容する本体、前記脱毛レーザを作動させるための制御手段を備え、前記制御手段は未許可の使用を防ぐためのロックを含むことを特徴とするレーザ脱毛装置を提供する。
【0018】
前記ロックは種々の形態とすることができ、例えば、正しいコードが入力されない限り作動が禁止される識別コードを入力する使用者のためのキーパッド(30);鍵を持っている使用者のみが装置を起動させることができるように、スイッチ(32,132)を操作する鍵;を含むことができる。さらには、制御手段は、一連の二以上の行動が実行されない限り、レーザの作動を禁止することができる。例えば、制御手段は、装置が皮膚に安全に接近したことを接触又は接近センサーが検知し、及び使用者が作動スイッチを押すまでレーザの作動を禁止する。制御手段は、これらの行動が正しい順序で実行されることを要求することができる。
【0019】
上述の側面における種々の機能は、動作のために要求される制御機能の少なくとも大部分を含むアプリケータタイプの装置に取り付けられる部品によって実行されるかもしれないことを理解すべきである。あるいは、装置は、大部分の制御回路を含むベースユニットと、レーザユニットを含み、フレキシブルなリンクによってベースユニットに接続した棒とで構成することができる。
【0020】
上述した発明はさらに、上述または後述する特徴を有するいずれの発明の組合せにも及ぶ。
【0021】
本発明は、種々の方法によって実行され、その2つの実施形態が添付図面に関連して一例として記述される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は、本発明の第1実施形態に従うレーザ脱毛装置の概略図である。
【図2】図2は、本発明の第2実施形態に従うレーザ脱毛装置の例示図である。
【図3】図3は、図2に示すレーザ脱毛装置を部分的に示す。
【図4】図4は、図2に示すレーザ脱毛装置を部分的に示す。
【図5】図5は、図2に示すレーザ脱毛装置を部分的に示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1を参照すると、脱毛装置10は、ベースユニット12及び、引き込み式コード16の手段によってベースユニットと連結したレーザ棒(wand)14の形をした本体を備えている。この特定の実施形態においては、安全制御回路がベースユニット12に含まれているが、他の実施形態においては、この回路のすべて又は一部がレーザ棒14に含まれていてもよい。レーザ棒は、脱毛を引き起こすために選択された波長のレーザ放射線のパルス光線を生成するレーザ18を含む。レーザ18は、主軸20に沿ってその光線を発するように配置される。レーザ18は棒14の内部に収容され、光線が半透明材料からなる円筒形のシールド22を通過して棒14の本体から放出される。レーザ18に隣接しているのは、スリーブ22の中央の下を通過して、充分に同主軸20に沿って損傷を与えない可視光の高強度光線を発するように設計したLED24である。スリーブの両側には、レーザ棒14が人の皮膚に接触していることを検知する電気制御回路に接続された2本の電極26が提供される。これは電極26が接触した皮膚表面の抵抗率を検知することによって行われる。皮膚に接触した接点26と共にレーザ棒14が皮膚に向かって押し付けられたとき、レーザ18から発射したレーザ光線はスリーブ22によって取り囲まれる点を注目しなければならない。
【0024】
棒の背にはベースユニット12の制御回路によってステータスを決める操作スイッチ28がある。
【0025】
ベースユニット上には英数字キーパッド30及び鍵操作スイッチ32が表示部34と共にある。使用において、ベースユニット12の制御回路は、所定の条件が満たされるまでレーザ18の作動を禁止する。この特定の実施形態においては、まず鍵スイッチ32の鍵36を使用してユニットを回錠し、そしてキーパッド30を通じてPINコードを入力することが必要である。これらの工程が実行されたとき、レーザ18が始動されたときのレーザ光線の発射軸を予告すると共に、使用者が自身又は他人の目に向けるのを思い止まらせるように、制御ユニットは主軸20に沿って可視光の高強度光線が発せられるようにLED24を作動させる。初期の保安工程が通過されると、棒14は脱毛しようとする皮膚領域に提供され、電極26を使用する制御回路によって検知される皮膚(non−skin表面と対向するように)に接触させる。それから、及びそれからのみ、操作スイッチ28を押すことによって主のレーザ18を作動させることができる。
【0026】
従って、図1に示される実施形態はレーザが作動可能となる前に通過されるいくつかの保安段階を要求することが評価される;第1レベルの保安チェックで使用者の認証(すなわち、正しい鍵及びコードを所有していること)を確かめ、その後、レーザが作動可能になる前に装置が実際に皮膚に接触していることを確かにすることによって、身体的な保安がなされる。
【0027】
脱毛装置の第2実施形態を図2から図5に示す。第1及び第2実施形態に共通の構成は同様の符号を有する。脱毛装置110は、上述したベースユニット12および棒14と同様の方法で動作する、ベースユニット112および手のひらサイズのレーザ棒14を有する。この実施形態においては、棒14はハウジング112上に置かれて保持されている。ベースユニットは、ベースユニット112に接続して可動させるための直流低電圧出力プラグ142を有するメインアダプタ電源140を有する。これに代えて、ベースユニット122は、メインアダプタを介して充電可能なバッテリによって可動されてもよい。
【0028】
操作において、ベースユニットは、鍵スイッチ132に鍵136を差し込むことによってスイッチ−オンにされることができる。追加的な安全策として、レーザ棒14を作動させるためには、キーパッド130の予め決めた一連のボタンが押さなければならないようにすることができる。ベースユニットは、出力レベル表示器134,可動/保留ボタン136,出力アップ/ダウンボタン138,及び棒作動予告ライト139を有する。棒14は、少なくとも上述のものと同じ安全機能を有する。
【0029】
図3,4及び5は、異なる方向から見た棒14の頭部を示している。図3には、棒を可動させるために使用者の皮膚に接触、又は接近させる電極26が示される。レーザが点火可能となれば、非干渉性のレーザ光の進路は、軸20に沿って進行する。高強度の可視光であるが損傷を与えない光であって、範囲が拡がった光の光線21は、概して同じ軸20に沿って進行する。範囲が拡がった光線21はレーザ光線よりも低い強度であり、光線21の進路にあるいずれの目に対しても反射的に目を閉じることを促進させるために、ベースユニット112が起動される前か又はレーザが可動される直前に照射される。
【0030】
図4は、異なる方向から見た棒14の頭部を示している。この実施形態には、軸20に沿う低強度の狭い光線を照射する低強度平行光線LED25が示される。この光の目的は、脱毛しようとする毛に使用者を案内するように、レーザの狙いを定めることにある。この光はレーザが作動される前にスイッチ−オンにして保持することができる。さらに高強度LED24は、瞬きを促進させるための高強度光光線21を照射し、この光はレーザが点火される直前に照射される。
【0031】
図5は、LED25からの低強度光を用いて、使用中の棒が狙いを定めたところを示す。この位置において、電極50は、体毛50に隣接する使用者の皮膚に接触されている。ベースユニットが可動すると、レーザ可動光がプレス(press)されるように、照準を定めるLED25に電力を供給し、高強度LED24の発光を引き起こし、それから、毛50の毛包の乳頭にダメージを与えるには十分な継続時間ではあるが皮膚を焦がすには十分でない所定時間だけレーザが光を生成する。ベースユニット112の制御は、使用者の皮膚が充分に冷却されるまでの間、再度のレーザの点火を防止する。
【0032】
上述および例示された実施形態の修正,選択,変形,追加および簡略化は、熟練した受取人にとって直ぐに明らかである。特に、上述のすべての安全機能が一緒に使われる必要はなく、また説明した特徴は組み合わせることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脱毛のためのレーザ放射線に毛包を曝さらすために使用者の皮膚に向けられ及び/又は適応されるレーザ脱毛装置(10,110)であって、前記装置は、脱毛に適した波長の放射線を放つことが可能な脱毛レーザを収容する本体(14)と、予め設定した期間が経過すると装置の作動を中断するためのタイマーを含む制御手段と、使用者の皮膚に接触又は接近したことの少なくとも一つを検知するためのセンサーと、予め設定した期間が満了した上で、装置が皮膚から離れて再び当てられた後にだけレーザの再通電を許すように更に操作できる制御手段と、を備えたことを特徴とするレーザ脱毛装置。
【請求項2】
請求項1に記載したレーザ脱毛装置(10,110)において、装置の本体(14)は、作動のために必要な大部分の制御機能を有するアプリケータ棒に取り付けた部品を含む。
【請求項3】
請求項1に記載したレーザ脱毛装置(10,110)において、装置は、大部分の制御回路を含むベースユニット(12,112)と、レーザユニットを含み、フレキシブルなリンク(16)によってベースユニットに接続した棒(14)とで構成されている。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−279711(P2010−279711A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−162819(P2010−162819)
【出願日】平成22年7月20日(2010.7.20)
【分割の表示】特願2008−531773(P2008−531773)の分割
【原出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(508085556)ザ デザック グループ リミテッド (3)
【Fターム(参考)】