説明

レーザ装置およびそれを備える極端紫外光生成システム

【課題】安定したパルスレーザ光のバーストパルスを生成する。
【解決手段】レーザ装置は、所定繰返し周波数のパルスレーザ光を出力するマスタオシレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの光シャッタと、前記光シャッタを開閉動作させるコントローラと、を備えてもよい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、レーザ装置およびそれを備える極端紫外(EUV)光生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体プロセスのさらなる集積化に伴って、半導体プロセスの光リソグラフィにおける転写パターンの微細化が急速に進展している。次世代においては、70nm〜45nmの微細加工、さらには32nm以下の微細加工が要求されるようになる。このため、たとえば32nm以下の微細加工の要求に応えるべく、波長13nm程度のEUV光を生成するための装置と縮小投影反射光学系とを組み合わせた露光装置の開発が期待されている。
【0003】
極端紫外光生成装置としては、ターゲット物質にレーザ光を照射することによって生成されるプラズマが用いられるLPP(Laser Produced Plasma)式装置と、放電によって生成されるプラズマが用いられるDPP(Discharge Produced Plasma)式装置と、軌道放射光が用いられるSR(Synchrotron Radiation)式装置との3種類が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−224052号公報
【概要】
【0005】
本開示の一態様によるレーザ装置は、所定繰返し周波数のパルスレーザ光を出力するよう構成されたマスタオシレータと、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの光シャッタと、前記光シャッタを開閉動作させるよう構成されたコントローラと、を備えてもよい。
【0006】
本開示の他の態様による極端紫外光生成システムは、所定繰返し周波数のパルスレーザ光を出力するよう構成されたマスタオシレータ、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの光シャッタ、および前記光シャッタを開閉動作させるよう構成されたコントローラを含むレーザ装置と、チャンバと、前記チャンバに取り付けられ、前記チャンバ内の所定の領域にターゲット物質を供給するためのターゲット供給装置と、前記レーザ装置から出力されたパルスレーザ光を前記チャンバ内の前記所定の領域に集光するための集光光学素子と、を備えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本開示のいくつかの実施形態を、単なる例として、添付の図面を参照して以下に説明する。なお、本明細書に記載の偏光子は光フィルタの一例である。
【図1】図1は、例示的なEUV光生成システムの構成を概略的に示す。
【図2】図2は、図1に示されるEUV光生成システムにおける動作を示す。
【図3】図3は、本開示の実施の形態1によるレーザ装置の構成を概略的に示す。
【図4】図4は、図3に示されるマスタオシレータから出力されるパルスレーザ光の一例を示す。
【図5】図5は、図3に示される光シャッタの動作の一例を示す。
【図6】図6は、図3に示されるレーザ装置から出力される増幅後のパルスレーザ光の一例を示す。
【図7】図7は、本開示の実施の形態2による複数の半導体レーザを用いてマスタオシレータを構成した場合のレーザ装置の構成を概略的に示す。
【図8】図8は、図7に示されるマスタオシレータから出力されるパルスレーザ光の一例を示す。
【図9】図9は、図7に示されるマスタオシレータの出力側に設けられた光シャッタの動作を示す。
【図10】図10は、図7に示される個々のパルスレーザ光と光シャッタの動作との関係を示す。
【図11】図11は、図7に示される各増幅器(再生増幅器を含む)の出力側に設けられた光シャッタの動作を示す。
【図12】図12は、図7に示されるレーザ装置から出力される増幅後のパルスレーザ光の一例を示す。
【図13】図13は、本開示の実施の形態3による2つの偏光子とポッケルスセルとを組み合わせて構成された光シャッタの一例を示す。
【図14】図14は、実施の形態3における1つのパルスレーザ光と光シャッタの動作との関係を示す。
【図15】図15は、実施の形態3による2つの偏光子とファラデーローテータとを組み合わせて構成された光シャッタの一例を示す。
【図16】図16は、実施の形態3による光音響素子を用いて構成された光シャッタの一例を示す。
【図17】図17は、本開示の実施の形態4によるEUV光生成システムの構成を概略的に示す。
【図18】図18は、本開示の実施の形態5によるEUV光生成システムの構成を概略的に示す。
【図19】図19は、実施の形態5における各種信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図20】図20は、実施の形態5による同期制御動作の一例を示すフローチャートである(その1)。
【図21】図21は、実施の形態5による同期制御動作の一例を示すフローチャートである(その2)。
【図22】図22は、実施の形態5による同期制御動作の一例を示すフローチャートである(その3)。
【図23】図23は、図21のステップS108に示される光シャッタゲート開始時刻決定ルーチンの一例を示す。
【図24】図24は、図21のステップS116に示されるドロップレット出力周期(RDL)修正ルーチンの一例を示す。
【図25】図25は、本開示の実施の形態6によるレーザ装置の構成を概略的に示す。
【図26】図26は、図25に示されるレーザ装置おけるパルスレーザ光および各光シャッタの開閉状態のタイミングチャートの一例を示す。
【図27】図27は、実施の形態6の構成例1によるタイミングセンサの構成を概略的に示す。
【図28】図28は、実施の形態6の構成例2によるタイミングセンサの構成を概略的に示す。
【図29】図29は、実施の形態6の構成例3によるタイミングセンサの構成を概略的に示す。
【図30】図30は、実施の形態6の構成例4によるタイミングセンサの構成を概略的に示す。
【図31】図31は、実施の形態6による光遅延回路の構成を概略的に示す。
【図32】図32は、実施の形態6による光遅延回路の他の構成を概略的に示す。
【図33】図33は、本開示の実施の形態7によるEUV光生成システムの構成を概略的に示す。
【図34】図34は、実施の形態7における各種信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図35】図35は、実施の形態7によるEUV光生成動作の一例を示すフローチャートである。
【図36】図36は、図35示すワンショット制御サブルーチンの一例を示すフローチャートである。
【図37】図37は、実施の形態7の変形例における各種信号の一例を示すタイミングチャートである。
【図38】図38は、実施の形態7の変形例によるEUV光生成動作の一例を示すフローチャートである。
【図39】図39は、変形例1による光シャッタの構成を概略的に示す。
【図40】図40は、変形例2による光シャッタの構成を概略的に示す。
【図41】図41は、変形例3による光シャッタの構成を概略的に示す。
【図42】図42は、変形例4による光シャッタの構成を概略的に示す。
【図43】図43は、本開示のかかる再生増幅器の構成の一例を示す。
【実施の形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に説明される実施の形態は、本開示のいくつかの例を示すものであって、本開示の内容を限定するものではない。また、各実施の形態で説明される構成および動作の全てが本開示の構成および動作として必須であるとは限らない。なお、同一の構成要素には同一の参照符号を付して、重複する説明を省略する。
【0009】
以下、本開示の一実施の形態によるレーザ装置およびそれを備える極端紫外光生成システムを、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明では、下記目次の流れに沿って説明する。
【0010】
目次
1.概要
2.用語の説明
3.EUV光生成システムの全体説明
3.1 構成
3.2 動作
3.3 バースト運転
4.レーザ装置の光シャッタ制御システム(実施の形態1)
4.1 構成
4.2 動作
4.3 作用
5.半導体レーザをマスタオシレータとするレーザ装置(実施の形態2)
5.1 構成
5.2 動作
5.3 作用
6.光シャッタ(実施の形態3)
6.1 ポッケルスセルと偏光子との組合せ
6.2 ファラデーローテータと偏光子との組合せ
6.3 光音響素子
7.レーザ装置を備える極端紫外光生成システム(実施の形態4)
7.1 構成
7.2 動作
7.3 作用
8.パルスレーザ光とドロップレットとの同期(実施の形態5)
8.1 構成
8.2 タイミングチャート
8.3 フローチャート
8.4 作用
9.タイミングセンサを用いたパルスレーザ光とドロップレットとの同期(実施の形態6)
9.1 構成
9.2 タイミングチャート
9.3 作用
9.4 タイミングセンサの構成例
9.4.1 構成例1
9.4.2 構成例2
9.4.3 構成例3
9.4.4 構成例4
9.5 光遅延回路
10.ドロップレットを基準としたパルスレーザ光とドロップレットとの同期(実施の形態7)
10.1 構成
10.2 動作
10.2.1 タイミングチャート
10.2.2 フローチャート
10.2.3 作用
10.3 動作の変形例
10.3.1 タイミングチャート
10.3.2 フローチャート
10.3.3 作用
11.光シャッタのバリエーション(変形例)
11.1 変形例1
11.2 変形例2
11.3 変形例3
11.4 変形例4
12.補足説明
12.1 再生増幅器
【0011】
1.概要
露光装置用のLPP式EUV光生成システムでは、パルス状のEUV光のバースト生成が要求される場合がある。これに伴って、マスタオシレータと少なくとも1つの増幅器とを含むレーザ装置にも、パルスレーザ光のバースト生成が要求される場合がある。そこで、レーザ装置によるパルスレーザ光のバースト生成にあたって、以下の課題が発見された。
【0012】
パルスレーザ光のバースト生成のために、マスタオシレータをバースト発振させる場合、マスタオシレータの発振が熱的に不安定となり、安定したパルスレーザ光のバースト生成が困難になる場合があった。その結果、不安定なパルスレーザ光のバーストパルス光が増幅器によって増幅されるので、増幅器から出力されるパルスレーザ光のバーストパルス光も不安定となる場合があった。
【0013】
以下の実施の形態では、マスタオシレータから出力されるパルスレーザ光の光路上に、光路を開閉するための光シャッタが配置されてもよく、パルスレーザ光のバースト生成は、光シャッタの開閉によって行われてもよい。
【0014】
2.用語の説明
つぎに、本開示において使用される用語について、以下のように定義する。「バースト運転」には、EUV光生成装置またはシステムの「バースト運転」と、EUV光生成装置とともに用いられるレーザ装置の「バースト運転」とがあってもよい。EUV光生成装置またはシステムの「バースト運転」は、第1の所定の期間と第2の所定の期間とを一定時間繰り返す運転であってよい。第1の所定の期間では所定の繰返し周波数でEUV光が出力され、第2の所定の期間ではEUV光は出力を停止されてもよい。レーザ装置の「バースト運転」は、第3の所定の期間と第4の所定の期間とを一定時間繰り返す運転であってよい。第3の所定の期間では所定の繰返し周波数でレーザ光が出力され、第4の所定の期間ではレーザ光は出力を停止されてもよい。本開示では、第1の所定の期間は「EUV光バースト出力期間」と称され、第2の所定の期間は「EUV光バースト休止期間」と称される。また、第3の所定の期間は「レーザ光バースト出力期間」と称され、第4の所定の期間は「レーザ光バースト休止期間」と称される。通常、EUV光バースト出力期間は、レーザ光バースト出力期間と実質的に同程度の時間長であってよい。また、EUV光バースト休止期間は、レーザ光バースト休止期間と実質的に同程度の時間長であってよい。ただし、EUV光バースト出力期間の開始タイミングおよび終了タイミングは、それぞれレーザ光バースト出力期間の開始タイミングおよび終了タイミングよりも遅延してもよい。同様に、EUV光バースト休止期間の開始タイミングおよび終了タイミングは、それぞれレーザ光バースト休止期間の開始タイミングおよび終了タイミングよりも遅延してもよい。
【0015】
「ドロップレット」とは、溶融したターゲット物質の液滴であってもよい。その形状は、表面張力によって略球形となり得る。「プラズマ生成領域」とは、プラズマが生成される空間として予め設定された3次元空間であってもよい。レーザ光の光軸または光路における「上流」とは、レーザ光の起源となるマスタオシレータに近い側を指す。一方、光軸または光路における「下流」とは、プラズマ生成領域に近い側を指す。
【0016】
本開示では、レーザ光の進行方向がZ方向と定義される。また、このZ方向と垂直な一方向がX方向と定義され、X方向およびZ方向と垂直な方向がY方向と定義される。レーザ光の進行方向がZ方向であるが、説明において、X方向とY方向は言及するレーザ光の位置によって変化する場合がある。例えば、レーザ光の進行方向(Z方向)がX−Z平面内で変化した場合、進行方向変化後のX方向は進行方向の変化に応じて向きを変えるが、Y方向は変化しない。一方、レーザ光の進行方向(Z方向)がY−Z平面内で変化した場合、進行方向変化後のY方向は進行方向の変化に応じて向きを変えるが、X方向は変化しない。なお、理解のために各図では、図示されている光学素子のうち、最上流に位置する光学素子に入射するレーザ光と、最下流に位置する光学素子から出射するレーザ光とのそれぞれに対して、座標系が適宜図示される。また、その他の光学素子に対して入射するレーザ光の座標系は、必要に応じて適宜図示される。
【0017】
反射型の光学素子に関し、光学素子に入射するレーザ光の光軸と該光学素子によって反射したレーザ光の光軸との双方を含む面を入射面とすると、「S偏光」とは、入射面に対して垂直な方向の偏光状態であるとする。一方、「P偏光」とは、入射面に対して平行な方向の偏光状態であるとする。
【0018】
3.EUV光生成システムの全体説明
3.1 構成
図1は、例示的なEUV光生成システムの構成を概略的に示す。LPP式EUV光生成装置は、少なくとも1つのレーザ装置3と共に用いられてもよい。LPP式EUV光生成装置およびレーザ装置3を含むシステムを、以下、EUV光生成システム1000と称する。図1に示し、かつ以下に詳細に説明するように、EUV光生成システム1000は、密閉されたチャンバ2、ターゲット供給装置(例えばドロップレット生成器26)などを含んでもよい。ターゲット供給装置は、例えばチャンバ2の壁に取り付けられてもよい。ターゲット供給装置は、ターゲットの材料となるスズ、テルビウム、ガドリニウム、リチウム、キセノン、またはそれらのいずれかの組合せ等を収容してもよい。ただし、ターゲットの材料はこれらに限定されない。
【0019】
チャンバ2の壁には、少なくとも1つの貫通孔が設けられてもよい。その貫通孔は、ウィンドウ21によって塞がれていてもよい。チャンバ2の内部には、例えば回転楕円面形状の反射面を有するEUV光集光ミラー23が配置されてもよい。EUV光集光ミラー23は、第1の焦点および第2の焦点を有してもよい。EUV光集光ミラー23の表面には、例えばモリブデンとシリコンとが交互に積層された多層反射膜が形成されていてもよい。プラズマ生成領域25で生成されたプラズマから放射された放射光251のうち、EUV光252は、EUV光集光ミラー23によって反射され得る。EUV光集光ミラー23は、例えばその第1の焦点がプラズマ生成領域25に位置し、その第2の焦点が中間焦点(IF)292に位置するように、配置されてもよい。EUV光集光ミラー23の中央部には、貫通孔24が設けられてもよい。パルスレーザ光33は、貫通孔24を通過してプラズマ生成領域25に集光されてもよい。
【0020】
再び図1を参照に、EUV光生成システム1000は、EUV光生成制御システム5を含んでもよい。また、EUV光生成システム1000は、ターゲットセンサ4を含んでもよい。
【0021】
EUV光生成システム1000は、チャンバ2内部と露光装置6内部とを連通させる連通部29を含んでもよい。連通部29内部にはアパーチャを備えた壁291が設けられてもよい。壁291は、そのアパーチャの位置がEUV光集光ミラー23の第2の焦点位置(中間焦点292)と一致するように配置されてもよい。
【0022】
EUV光生成システム1000は、レーザ光進行方向制御部34、レーザ光集光ミラー22、ドロップレット27を回収するためのターゲット回収部28等も含んでもよい。ターゲットセンサ4は、撮像機能を有してもよく、ドロップレット27の存在、軌道、位置などを検出するよう構成されてもよい。
【0023】
3.2 動作
図1を参照して、EUV光生成システム1000の動作を説明する。レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31は、レーザ光進行方向制御部34を経て、パルスレーザ光32としてチャンバ2に入射してもよい。パルスレーザ光32は、ウィンドウ21を透過してチャンバ2内に入射してもよい。パルスレーザ光32は、レーザ装置3から少なくとも1つのレーザ光路に沿ってチャンバ2内に入射し、レーザ光集光ミラー22で反射されて、少なくとも1つのターゲットに照射されてもよい。
【0024】
ドロップレット生成器26は、ドロップレット27をチャンバ2内部のプラズマ生成領域25に向けて出力するよう構成されてもよい。ドロップレット27には、少なくとも1つのパルスレーザ光33が照射されてもよい。レーザ光に照射されたドロップレット27はプラズマ化し得る。そのプラズマからは、EUV光が放射され得る。なお、1つのドロップレット27に、複数のパルスレーザ光が照射されてもよい。
【0025】
EUV光生成制御システム5は、EUV光生成システム1000全体の制御を統括してもよい。EUV光生成制御システム5は、ターゲットセンサ4によって撮像されたドロップレット27のイメージ情報等を処理してもよい。EUV光生成制御システム5はまた、例えばドロップレット27を出力するタイミング、ドロップレット27の出力方向などを制御してもよい。EUV光生成制御システム5はさらに、例えばレーザ装置3の発振タイミング、パルスレーザ光31の進行方向、パルスレーザ光33の集光位置などを制御してもよい。上述の様々な制御は単なる例示に過ぎず、必要に応じて他の制御を追加してもよい。
【0026】
3.3 バースト運転
図2は、図1に示されるEUV光生成システムの動作を示す。EUV光生成システム1000を用いた露光では、所定の繰返し周波数のパルス状のEUV光252を用いてたとえば半導体ウエハが露光され得る。ただし、ウエハの移動、ウエハの交換、マスクの交換等を行う期間では、EUV光252による露光が休止され得る。その場合、図2に示されるように、EUV光生成システム1000を用いた露光では、EUV光252をバースト出力するEUV光バースト出力期間TBと、EUV光252のバースト出力を停止するEUV光バースト休止期間TRとが繰り返され得る。
【0027】
通常、EUV光生成システム1000が上記のようなEUV光バースト出力期間TBとEUV光バースト休止期間TRとを繰り返す運転をするためには、レーザ装置3がパルスレーザ光31を出力する動作も、レーザ光バースト出力期間とレーザ光バースト休止期間とを繰り返す運転をする必要がある。以下の説明において、レーザ装置3が、レーザ光バースト出力期間内に出力する複数のパルスレーザ光31をバーストパルスと呼ぶ。
【0028】
パルスレーザ光31のバースト生成では、レーザ装置3内のマスタオシレータをバースト発振させてもよい。しかし、マスタオシレータをバースト発振させると、マスタオシレータの発振が熱的に不安定となる場合がある。そのため、エネルギーの安定したパルスレーザ光31のバースト生成が困難になる場合がある。また、マスタオシレータから出力されるバーストパルスが不安定であると、この不安定なバーストパルスを増幅するための増幅器からも、不安定な増幅後のバーストパルスが出力される場合がある。そこで、マスタオシレータから出力されたバーストパルスの光路上に、この光路を開閉するための光シャッタが配置されてもよい。パルスレーザ光のバースト生成は、光シャッタの開閉によって行われてもよい。
【0029】
4.レーザ装置の光シャッタ制御システム(実施の形態1)
4.1 構成
つぎに、本開示の実施の形態1によるレーザ装置を、図面を参照に詳細に説明する。図3は、実施の形態1によるレーザ装置の構成を概略的に示す。図3に示されるように、レーザ装置3は、マスタオシレータ(MO)11と、少なくとも1つの増幅器(PA)30〜30と、少なくとも1つの光シャッタ20〜20と、コントローラ110とを備えてもよい。なお、以下の説明において、増幅器(PA)30〜30を区別しない場合、その符号を30とする。同様に、光シャッタ20〜20を区別しない場合、その符号を20とする。
【0030】
光シャッタ20は、マスタオシレータ11から出力されるバーストパルス(以下、バーストパルス中の個々のパルスをパルスレーザ光L1という)の光路上に配置されてもよい。また、少なくとも1つの光シャッタ20は、増幅器30のいずれかで増幅されたパルスレーザ光L2の光路上に配置されてもよい。図3に示される例では、増幅器30〜30それぞれの出力側に、光シャッタ20〜20がそれぞれ配置されてもよい。
【0031】
4.2 動作
つづいて、図3に示されるレーザ装置3の動作の概略を、図面を参照に詳細に説明する。図4は、図3に示されるマスタオシレータから出力されるパルスレーザ光の一例を示す。図5は、図3に示される光シャッタの動作の一例を示す。図6は、図3に示されるレーザ装置から出力される増幅後のパルスレーザ光の一例を示す。
【0032】
コントローラ110は、所定繰返し周波数のトリガ信号をマスタオシレータ11に入力してもよい。これにより、図4に示されるように、マスタオシレータ11からは、所定繰返し周波数のパルスレーザ光L1が継続的に出力され得る。
【0033】
コントローラ110には、たとえば露光装置6等から、EUV光のバースト出力要求およびバースト休止要求が入力されてもよい。本開示では、バースト出力要求が入力されてからバースト休止要求が入力されるまでの期間はレーザ光バースト出力期間Tbに相当し、バースト休止要求が入力されてから次のバースト出力要求が入力されるまでの期間はレーザ光バースト休止期間Trに相当する。
【0034】
図5に示されるように、コントローラ110は、レーザ光バースト出力期間Tb中、光シャッタ20を開に設定してもよい。一方、コントローラ110は、レーザ光バースト休止期間Tr中、光シャッタ20を閉に設定してもよい。図6に示されるように、レーザ装置3は、レーザ光バースト出力期間Tb中、パルスレーザ光31をバースト出力してもよい。また、レーザ装置3は、レーザ光バースト休止期間Tr中、パルスレーザ光31の出力を休止してもよい。なお、光シャッタを開に設定するとは、光シャッタがパルスレーザ光を通過させる状態にすることを意味してもよい。また、光シャッタを閉に設定するとは、光シャッタがパルスレーザ光を遮断する状態にすることを意味してもよい。
【0035】
4.3 作用
以上のように、マスタオシレータ11を継続的に所定の繰返し周波数で発振させてもよい。その場合、マスタオシレータ11を熱的に安定させることが可能となる。それにより、安定したエネルギーのパルスレーザ光L1が得られ得る。安定したパルスレーザ光L1を増幅することで得られたパルスレーザ光L2のエネルギーも安定し得る。その結果、安定したエネルギーのパルスレーザ光31が得られ得る。さらに、実施の形態1では、光シャッタ20を開閉することで、安定したエネルギーのパルスレーザ光L2からこれのバーストパルスが生成されてもよい。その場合、パルスレーザ光L2のバーストパルスも安定し得る。
【0036】
5.半導体レーザをマスタオシレータとするレーザ装置(実施の形態2)
5.1 構成
図3に示されるレーザ装置3において、マスタオシレータ11は、複数の半導体レーザを用いて構成されてもよい。図7は、実施の形態2による複数の半導体レーザを用いてマスタオシレータを構成した場合のレーザ装置の構成を概略的に示す。なお、図7では、半導体レーザ11〜11として、量子カスケードレーザ(QCL)が用いられてもよい。しかし、これに限定されず、分布帰還型半導体レーザ等、任意の半導体レーザが適用されてもよい。また、図7に示される構成では、1段目の増幅器30を再生増幅器30Aとしている。
【0037】
図7に示されるように、マスタオシレータ11は、複数の半導体レーザ11〜11を備えてもよい。半導体レーザ11〜11は、それぞれシングル縦モードで発振しても、マルチ縦モードで発振してもよい。ただし、各縦モードの波長は、増幅器30〜30(再生増幅器30Aを含む)の増幅媒体が持つ1つ以上の増幅波長帯域のいずれかに含まれるのが好ましい。増幅器30〜30(再生増幅器30Aを含む)の増幅媒体には、たとえばCOガスを用いてもよい。励起されたCOガスを含む増幅媒体は、モードP(18)、P(20)、P(22)、P(24)、P(26)、P(28)、P(30)等の増幅波長帯域を有し得る。
【0038】
複数の半導体レーザ11〜11から出力されたパルスレーザ光は、光路調整部12に入射してもよい。光路調整部12は、複数の半導体レーザ11〜11から出力されたパルスレーザ光の光路を実質的に一致させてもよい。これにより、マスタオシレータ11からは、光路が一致する複数のパルスレーザ光を含むパルスレーザ光L1が出力され得る。光路調整部12は、たとえばグレーティング、プリズム、ミラー等で構成されてもよい。
【0039】
複数の半導体レーザ11〜11は、それぞれ異なる波長で発振してもよいし、同じ波長で発振してもよい。また、複数の半導体レーザ11〜11は、光路調整部12からの出力タイミングがそれぞれ同じタイミングとなるように発振してもよいし、出力タイミングがそれぞれ所定時間ずれたタイミングとなるように発振してもよい。光路調整部12からの出力タイミングがそれぞれ同じタイミングとなるように複数の半導体レーザ11〜11を発振させる場合、ピーク光強度の高いパルスレーザ光L1が得られ得る。一方、光路調整部12からの出力タイミングが所定時間ずれたタイミングとなるように複数の半導体レーザ11〜11を発振させる場合、ずらす時間幅を調節することで、様々な波形のパルスレーザ光L1が得られ得る。
【0040】
以上の構成において、光シャッタ20は、増幅器30〜30(再生増幅器30Aを含む)それぞれの出力側に設けられてもよい。また、マスタオシレータ11の出力側に、光シャッタ20が設けられてもよい。
【0041】
5.2 動作
つづいて、図7に示されるレーザ装置3Aの動作を、図面を参照に詳細に説明する。図8は、図7に示されるマスタオシレータから出力されるパルスレーザ光の一例を示す。図9は、図7に示されるマスタオシレータの出力側に設けられた光シャッタの動作を示す。図10は、図7に示される個々のパルスレーザ光と光シャッタの動作との関係を示す。図11は、図7に示される増幅器(再生増幅器を含む)の出力側に設けられた光シャッタの動作の一例を示す。図12は、図7に示されるレーザ装置から出力される増幅後のパルスレーザ光の一例を示す。
【0042】
コントローラ110は、半導体レーザ11〜11それぞれに、所定繰返し周波数のトリガ信号を入力してもよい。半導体レーザ11〜11それぞれに対するトリガ信号の入力タイミングは、同じであっても、ずれていてもよい。これにより、図8に示されるように、マスタオシレータ11からは、光路調整部12で光路が一致させられた所定繰返し周波数のパルスレーザ光L1が継続的に出力され得る。
【0043】
また、コントローラ110は、マスタオシレータ11から出力されたパルスレーザ光L1のパルスごとに、マスタオシレータ11の出力側の光シャッタ20を開閉させてもよい。具体的には、図10に示されるように、コントローラ110は、1つのパルスレーザ光L1が光シャッタ20を通過する期間、光シャッタ20を開に設定し、それ以外の期間、光シャッタ20を閉に設定してもよい。本説明では、光シャッタ20が開の状態である期間を開放期間TOといい、光シャッタ20が閉の状態である期間を遮断期間TSという。このように、パルスレーザ光L1が光シャッタ20を通過しない期間、光シャッタ20を閉に設定することで、例えば下流側の増幅器30等で発生する自励発振光を低減することができる。また、パルスレーザ光33をターゲット物質に照射した際に発生する戻り光が上流側のマスタオシレータ11へ入射することを低減することもできる。
【0044】
コントローラ110は、レーザ光バースト出力期間Tb中、増幅器30それぞれの下流側に配置された光シャッタ20のいずれかを開の状態に維持するようにしてもよい。開の状態に維持されない光シャッタ20については、パルス毎に開閉されてもよい。また、コントローラ110は、レーザ光バースト休止期間Tr中、光シャッタ20の少なくとも1つを閉に設定してもよい。これにより、図12に示されるように、増幅後のパルスレーザ光L2のバースト生成が可能になる。なお、図11に示されるように、マスタオシレータ11の出力側の光シャッタ20に対する制御と同様に、コントローラ110は、上流側の増幅器30それぞれから出力された個々のパルスレーザ光L2ごとに、光シャッタ20を開閉してもよい。これにより、例えば下流側の増幅器30等で発生した自励発振光や、パルスレーザ光L2をターゲット物質に照射した際に発生する戻り光が上流側の増幅器30へ入射することが低減され得る。
【0045】
5.3 作用
以上のように、実施の形態2によれば、複数の半導体レーザ11〜11が用いられる場合でも、半導体レーザ11〜11それぞれを所定繰返し周波数で継続的に発振させてもよい。その結果、半導体レーザ11〜11を熱的に安定させることができる。さらに、実施の形態2では、再生増幅器30Aが、所定繰返し周波数で、継続的にパルスレーザ光L1を増幅し得る。それにより、増幅されたパルスレーザ光L2のバーストパルスを安定させることが可能となる。その結果、下流側の増幅器30によって増幅されたパルスレーザ光L2のバーストパルスも安定させることができる。
【0046】
さらに、実施の形態2では、光シャッタ20をパルス毎に動作させてもよい。この動作によれば、増幅器30や後述するチャンバ2(図17参照)で発生したパルスレーザ光L2の戻り光を光シャッタ20で遮断することが可能となる。その結果、マスタオシレータ11内の半導体レーザ11〜11や再生増幅器30Aが自励発振光や戻り光によって破損することを低減できる。
【0047】
6.光シャッタ(実施の形態3)
つぎに、上述した光シャッタの具体例を、実施の形態3として、図面を参照に詳細に説明する。
【0048】
6.1 ポッケルスセルと偏光子との組合せ
図13は、実施の形態3による2つの偏光子とポッケルスセルとを組み合わせて構成された光シャッタの一例を示す。ポッケルスセルは、通常、数nsの応答性を有しているため、高速スイッチングが要求されるレーザ装置の光シャッタに適していると考えられる。
【0049】
図13において、偏光子121は、たとえば入射した光のうち、Y方向の偏光成分を透過させ、X方向の偏光成分を遮断してもよい。一方、偏光子122は、たとえば入射した光のうち、X方向の偏光成分を透過させ、Y方向の偏光成分を遮断してもよい。このように、偏光子121と偏光子122とでは、透過させる光の偏光成分が異なっていてもよい。本例では、偏光子121を透過した光の偏光方向と偏光子122を透過した光の偏光方向とが90°異なっていてもよい。
【0050】
ポッケルスセル123には、コントローラ110からの制御のもと、高圧電源124から高電圧パルスが印加されてもよい。ポッケルスセル123は、たとえば高電圧パルスが印加されている期間、入射した光の偏光方向を変更してもよい。本例では、入射光の偏光方向を90°変更する電圧値の高電圧パルスが、高圧電源124からポッケルスセル123に印加されてもよい。
【0051】
以上のような構成の光シャッタ20に入射したパルスレーザ光L1は、まず、偏光子121に入射してもよい。偏光子121は、入射したパルスレーザ光L1のうち、Y方向の直線偏光成分(以下、Y直線偏光パルスレーザ光という)を透過させてもよい。偏光子121を透過したY直線偏光パルスレーザ光は、ポッケルスセル123に入射してもよい。
【0052】
ポッケルスセル123に高電圧パルスが印加されていない場合、ポッケルスセル123に入射したY直線偏光パルスレーザ光は、Y方向の直線偏光のまま、ポッケルスセル123から出力され得る。出力されたY直線偏光パルスレーザ光は、偏光子122に入射してもよい。偏光子122は、入射したY直線偏光パルスレーザ光を反射または吸収し得る。その結果、パルスレーザ光L1が、光シャッタ20によって遮断され得る。
【0053】
一方、ポッケルスセル123に高電圧パルスが印加されている場合、ポッケルスセル123に入射したY直線偏光パルスレーザ光の偏光方向は、90°変更され得る。その結果、ポッケルスセル123からは、X方向の直線偏光のパルスレーザ光(以下、X直線偏光パルスレーザ光という)が出力され得る。このX直線偏光パルスレーザ光は、偏光子122に入射してもよい。偏光子122は、入射したX直線偏光パルスレーザ光を透過させ得る。その結果、パルスレーザ光L1が、光シャッタ20から出力され得る。光シャッタ20から出力されたパルスレーザ光L1は、下流側の増幅器30に入射する前に、図示しない偏光子によって、Y直線偏光パルスレーザ光に変更されてもよい。
【0054】
ここで、図10を参照に説明したように、パルスレーザ光L1およびL2の通過タイミングに合わせてポッケルスセル123に高電圧パルスが印加される場合、光シャッタ20は、下流側の増幅器30からの自励発振光や戻り光を低減することができる。その場合でも、図11を参照に説明したように、レーザ光バースト休止期間Tr中、ポッケルスセル123への高電圧パルスの印加を停止することで、パルスレーザ光L2のバースト生成ができる。すなわち、光シャッタ20は、自励発振光や戻り光の抑制およびバースト生成の2つの機能を果たしてもよい。
【0055】
図14に示されるように、光シャッタ20のポッケルスセル123には、パルスレーザ光L1およびL2の時間ジッタを吸収できる程度の時間幅を持つ高電圧パルスが印加されるのが好ましい。たとえばパルスレーザ光L1およびL2の時間長(パルス時間幅)を20nsとする場合、高電圧パルスの時間長は、40ns程度であってもよい。ただし、高電圧パルスの時間長を長くしすぎると、戻り光を遮断できない場合が生じ得る。そのため、高電圧パルスの時間長は、適度に設定されることが好ましい。
【0056】
なお、本例は、偏光子121を透過したレーザ光の偏光方向と偏光子122を透過したレーザ光の偏光方向とを90°変えた構成である。そのため、ポッケルスセル123に高電圧パルスが印加されている期間、光シャッタ20がパルスレーザ光L1およびL2を透過させ得る。しかし、この例に限定されるものではない。たとえば偏光子121を透過したレーザ光の偏光方向と偏光子122を透過したレーザ光の偏光方向とが同じ方向であってもよい。その場合、ポッケルスセル123に高電圧パルスが印加されていない期間、光シャッタ20がパルスレーザ光L1およびL2を透過させ得る。
【0057】
6.2 ファラデーローテータと偏光子との組合せ
図15は、実施の形態3による2つの偏光子とファラデーローテータとを組み合わせて構成された光シャッタの一例を示す。
【0058】
図15に示されるように、光シャッタ20Aは、図13に示される光シャッタ20におけるポッケルスセル123および高圧電源124が、それぞれファラデーローテータ123Aおよび磁場生成源124Aに置き換えられてもよい。その他の構成は、光シャッタ20と同様であってもよい。
【0059】
ファラデーローテータ123Aには、コントローラ110からの制御のもと、磁場生成源124Aから電圧が印加されてもよい。ファラデーローテータ123Aは、たとえば電圧が印加されている期間、入射した光の偏光方向を回転させ得る。本例では、入射光の偏光方向を90°回転させる強度の磁場を生成する電圧が、磁場生成源124Aからファラデーローテータ123Aに印加されてもよい。
【0060】
このように、ポッケルスセル123に代えて、ファラデーローテータ123Aを用いることでも、図13に示される光シャッタ20と同様に、自励発振光や戻り光の抑制およびバースト生成の2つの機能を果たすことが可能な光シャッタ20Aを実現できる。
【0061】
6.3 光音響素子
図16は、実施の形態3による光音響素子を用いて構成された光シャッタの一例を示す。
【0062】
光音響素子123Bには、コントローラ110からの制御のもと、RF生成器124Bから高周波(RF)信号が入力されてもよい。光音響素子123Bは、たとえばRF信号が入力されている期間、入射した光の出力方向を変更し得る。本例では、RF信号が光音響素子123Bに入力されている状態でのパルスレーザ光L1およびL2の出力方向に、下流側の増幅器30が配置されてもよい。また、RF信号が光音響素子123Bに入力しされている状態でのパルスレーザ光L2の出力方向が、レーザ装置3からのパルスレーザ光L2の出力方向とされてもよい。
【0063】
このように、光音響素子123Bを用いることでも、図13に示される光シャッタ20と同様に、自励発振光や戻り光の抑制およびバースト生成の2つの機能を果たすことが可能な光シャッタ20Bを実現できる。なお、RF信号が光音響素子123Bに入力されていない状態でのパルスレーザ光L1およびL2の出力方向には、パルスレーザ光L1およびL2を吸収するためのビームダンプ125等が配置されてもよい。ビームダンプ125と増幅器30との配置は、入れ換えられてもよい。これらの配置が入れ換えられた場合、RF信号が光音響素子123Bに入力されていない期間、光シャッタ20Bはパルスレーザ光L1およびL2を透過させ得る。
【0064】
7.レーザ装置を備える極端紫外光生成システム(実施の形態4)
7.1 構成
つぎに、上述したレーザ装置を備えるEUV光生成システムの一例を、図面を参照に詳細に説明する。図17は、実施の形態4によるEUV光生成システムの構成を概略的に示す。
【0065】
図17に示されるように、EUV光生成システム1000Bは、レーザ装置3Bと、チャンバ2と、EUV光生成制御システム5とを備えてもよい。レーザ装置3Bとしては、たとえば図7に示されるレーザ装置3Aが用いられてもよい。ただし、説明の簡略化のため、図17では、光シャッタ20および20のみが、それぞれマスタオシレータ11および再生増幅器30Aの出力側に配置され得る。また、レーザ装置3Bでは、増幅器30がプリアンプであってもよく、増幅器30がメインアンプであってもよい。
【0066】
レーザ装置3Bは、レーザ装置3Aの構成に加え、高反射ミラーM1およびM2と、リレー光学系R1およびR2とを備えてもよい。高反射ミラーM1およびM2は、増幅器30から出力された増幅後のパルスレーザ光L2を増幅器30へ導くための光学系として機能してもよい。レーザ装置3Bから出力されたパルスレーザ光31の光路上には、レーザ光進行方向制御部34が設けられてもよい。レーザ光進行方向制御部34は、高反射ミラーM3を含んでもよい。高反射ミラーM3で反射されるパルスレーザ光31の出力方向は、不図示のアクチュエータによって変更可能であってもよい。リレー光学系R1は、パルスレーザ光L2が増幅器30の増幅領域の略全体を通過するように、パルスレーザ光L2のビーム径を拡大してもよい。リレー光学系R2は、増幅器30から出力されたパルスレーザ光L2を平行光化してもよい。
【0067】
レーザ装置3Bでは、上述したコントローラ110が、レーザコントローラ111と、タイミングコントローラ112とを含んでもよい。レーザコントローラ111は、レーザ装置3B全体の動作を制御してもよい。タイミングコントローラ112は、マスタオシレータ11の発振タイミングや、再生増幅器30Aの動作や、光シャッタ20および20の動作等を制御してもよい。
【0068】
レーザ光進行方向制御部34を経由したパルスレーザ光32は、レーザ光集光ミラー22で反射されることで、チャンバ2内の所定の領域(プラズマ生成領域25)にパルスレーザ光33として集光されてもよい。チャンバ2には、チャンバ2内の気密性を保持しつつ、パルスレーザ光33を内部に入射させるためのウィンドウ21が設けられてもよい。ウィンドウ21は、たとえばダイヤモンド製であってもよい。
【0069】
また、チャンバ2は、ドロップレット生成器26と、EUV光集光ミラー23とを備えてもよい。ドロップレット生成器26は、EUV光生成の材料であるターゲット物質をプラズマ生成領域25に供給してもよい。本例では、溶融した錫(Sn)が、たとえばドロップレット27の形態で、プラズマ生成領域25に供給され得る。ドロップレット27の軌道延長線上には、EUV光の生成に寄与しなかったターゲット物質等を回収するためのターゲット回収部28が設けられてもよい。
【0070】
レーザ装置3Bは、プラズマ生成領域25にドロップレット27が到着するタイミングに合わせて、パルスレーザ光33をプラズマ生成領域25に集光させるよう構成されてもよい。プラズマ生成領域25で、ドロップレット27にパルスレーザ光33が照射されると、ターゲット物質がプラズマ化し得る。このプラズマからは、EUV光252を含む放射光251が放射され得る。EUV光集光ミラー23は、放射光251のうち、EUV光252を選択的に反射してもよい。反射されたEUV光252は、一旦、連通部29内の中間焦点292に集光された後、露光装置6に入射してもよい。露光装置6では、入射したEUV光252が半導体露光等に用いられてもよい。
【0071】
7.2 動作
つづいて、図17に示されるEUV光生成システム1000Bの動作について説明する。EUV光生成システム1000Bの動作は、EUV光生成制御システム5によって統括されてもよい。EUV光生成制御システム5には、たとえば露光装置6における露光装置コントローラ61からバースト出力要求が入力されてもよい。EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求を受けると、レーザコントローラ111にバースト出力要求を入力してもよい。レーザコントローラ111は、バースト出力要求が入力されると、タイミングコントローラ112を動作させることで、マスタオシレータ11に所定繰返し周波数のトリガ信号を入力してもよい。また、レーザコントローラ111は、タイミングコントローラ112を動作させることで、再生増幅器30A、光シャッタ20および20をそれぞれ動作させてもよい。光シャッタ20および20の動作は、たとえば図9および図11に示される動作としてもよい。また、再生増幅器30Aの動作は、マスタオシレータ11から出力されたパルスレーザ光L1を増幅して出力する動作としてもよい。これらのような動作により、チャンバ2へは、レーザ装置3Bから所定繰返し周波数のパルスレーザ光31のバーストパルスが出力され得る。その結果、EUV光生成システム1000Bからは、所定繰返し周波数のEUV光252のバーストパルスが、露光装置6へ出力され得る。
【0072】
7.3 作用
以上のように、光シャッタ20をパルス毎に開閉することで、自励発振光やパルス毎の戻り光からマスタオシレータ11を保護してもよい。また、マスタオシレータ11および再生増幅器30Aを所定繰返し周波数で継続的に運転させることが可能であるため、マスタオシレータ11および再生増幅器30Aにおける熱負荷の変動が低減され得る。その結果、再生増幅器30Aから出力されるパルスレーザ光L2の安定性が改善され得る。
【0073】
また、EUV光生成制御システム5には、たとえば露光装置6における露光装置コントローラ61からバースト休止要求が入力され得る。EUV光生成制御システム5は、バースト休止要求を受けると、レーザコントローラ111にバースト休止要求を入力してもよい。レーザコントローラ111は、バースト休止要求が入力されてから次のバースト出力要求が入力されるまでのレーザ光バースト休止期間Tr中、光シャッタ20を閉に設定し得る。それにより、パルスレーザ光33がチャンバ内2へ入射することが回避され得る。その結果、EUV光252の生成が停止され得る。
【0074】
8.パルスレーザ光とドロップレットとの同期(実施の形態5)
つぎに、パルスレーザ光とドロップレットとの同期について、実施の形態5として、図面を参照して詳細に説明する。
【0075】
8.1 構成
図18は、実施の形態5によるEUV光生成システムの構成を概略的に示す。図1に示される構成のうち、実施の形態5の説明と直接関係しない構成は、説明の簡略化のため、図18および以下の説明から省略されている。また、本説明では、図3に示したレーザ装置3を引用するが、これに限るものではない。
【0076】
図18に示されるように、レーザ装置3のコントローラ110は、EUV光生成制御システム5の制御の下、マスタオシレータ11にトリガ信号を出力してもよい。また、コントローラ110は、EUV光生成制御システム5の制御の下、光シャッタ20〜20それぞれにこれらを開閉するためのシャッタ開閉信号(開閉パルス信号)を出力してもよい。このように、レーザ装置3では、パルスレーザ光31のレーザ光バースト出力期間Tbおよびレーザ光バースト休止期間TrがEUV光生成制御システム5によって制御されてもよい。
【0077】
また、図18において、ドロップレット生成器26には、ドロップレットコントローラ260が接続されてもよい。ドロップレットコントローラ260は、EUV光生成制御システム5の制御の下、ドロップレット生成器26にドロップレット27を出力させるためのドロップレット出力信号を出力してもよい。実施の形態5では、オンデマンドでドロップレット27がドロップレット生成器26から出力されてもよい。その際、ドロップレット27の出力タイミングは、EUV光生成制御システム5によって制御されてもよい。ただし、これに限らず、ドロップレット生成器26は、所定周期でドロップレット27を出力する、いわゆるコンティニュアスジェット型のドロップレット生成器であってもよい。
【0078】
ターゲットセンサ4は、ドロップレット27の存在、軌道、位置等を計測してもよい。この計測結果からは、ドロップレット27がプラズマ生成領域25を通過するタイミング(プラズマ生成領域通過タイミング)が算出または検出されてもよい。プラズマ生成領域通過タイミングは、ターゲットセンサ4によって検出されても、EUV光生成制御システム5によって検出されてもよい。ターゲットセンサ4がプラズマ生成領域通過タイミングを検出する場合、ターゲットセンサ4は、検出したプラズマ生成領域通過タイミングを、EUV光生成制御システム5に出力してもよい。
【0079】
8.2 タイミングチャート
つぎに、実施の形態5における各種信号について、図面を参照に詳細に説明する。図19は、実施の形態5における各種信号の一例を示すタイミングチャートである。図19(a)に示されるように、タイミングTp1〜Tp2の間、露光装置コントローラ61からEUV光生成制御システム5に、バースト出力要求が出力されてもよい。バースト出力要求は、たとえばゲートパルス状の信号であってもよい。図19(d)に示されるように、コントローラ110からマスタオシレータ11には、EUV光生成制御システム5の制御の下、所定繰返し周波数RMOのトリガ信号が継続的に出力されてもよい。すなわち、レーザ光バースト出力期間Tb中に限らずレーザ光バースト休止期間Tr中も、コントローラ110からマスタオシレータ11に所定繰返し周波数RMOのトリガ信号が出力されてもよい。その場合、マスタオシレータ11からは、図19(e)に示されるように、所定繰返し周波数RMOのパルスレーザ光(シード光)が継続的に出力され得る。なお、バースト出力要求(図19(a))に対して直前のトリガ信号(図19(d))からバースト出力要求の立ち上がり(Tp1)までには、処理遅延時間ddが存在し得る。
【0080】
図19(f)に示されるように、たとえば光シャッタ20には、トリガ信号に対して所定の遅延時間(光シャッタ遅延時間pd)遅れたタイミングで、所定繰返し周波数RMOのシャッタ開閉信号が入力されてもよい。光シャッタ遅延時間pdは、マスタオシレータ11から出力されたパルスレーザ光の通過タイミングに応じて、光シャッタ20それぞれで異なっていてもよい。図19(g)に示されるように、光シャッタ20には、後述するドロップレット出力信号(図19(b)参照)より所定の遅延時間(ゲート遅延時間gd)遅れたタイミングからバースト出力要求の時間長(Tp2−Tp1)に相当する期間、ゲート信号(ゲートパルス信号)が入力されてもよい。ゲート遅延時間gdは、マスタオシレータ11から出力されたパルスレーザ光の通過タイミングに応じて、光シャッタ20それぞれで異なっていてもよい。なお、図19では、説明の簡略化のため、光シャッタ20に対するシャッタ開閉信号およびゲート信号のタイミングを同一としている。
【0081】
光シャッタ20は、図19(h)に示されるように、シャッタ開閉信号(図19(f))とゲート信号(図19(g))との両方が入力されている期間、開状態となり得る。言い換えれば、光シャッタ20は、シャッタ開閉信号(図19(f))とゲート信号(図19(g))との論理積(AND)に基づいて、開閉され得る。したがって、図19(i)に示されるように、レーザ装置3からは、シャッタ開閉信号(図19(f))とゲート信号(図19(g))との両方がONの際に、パルスレーザ光31が出力され得る。ただし、これに限らず、光シャッタ20には、シャッタ開閉信号(図19(f))とゲート信号(図19(g))とのうち少なくとも一方が、それぞれ入力されてもよい。この場合、複数の光シャッタ20全体が動作することで、図19(h)に示されるような光シャッタ動作が達成され得る。
【0082】
一方、図19(b)に示されるように、ドロップレットコントローラ260は、EUV光生成制御システム5にバースト出力要求が入力されている間、EUV光生成制御システム5の制御の下で、少なくとも所定期間、略一定の繰返し周波数(ドロップレット出力周期RDL)のドロップレット出力信号をドロップレット生成器26に出力してもよい。ドロップレット出力信号に対して同期対象のパルスレーザ光L1のトリガ信号が、所定の遅延時間(ドロップレット遅延時間cd)遅れたタイミングで、出力されてもよい。ドロップレット生成器26は、ドロップレット出力信号に応じてドロップレット27を出力してもよい。ドロップレット27が出力されると、ターゲットセンサ4は、図19(c)に示されるようにドロップレットを検出し、ドロップレット検出信号を生成し得る。本説明では、簡略化のため、ターゲットセンサ4が、プラズマ生成領域25を通過するドロップレット27を検出するものとする。すなわち、図19(c)に示されるドロップレット検出信号が、ドロップレット27がプラズマ生成領域25を通過するタイミングを示すものとする。その場合、ドロップレット検出信号のタイミングは、レーザ装置3から出力されたパルスレーザ光31(図19(i))がパルスレーザ光33としてプラズマ生成領域25に集光されるタイミングと略一致し得る。これは、パルスレーザ光33とドロップレット27とがプラズマ生成領域25において実質的に同期していることを示し得る。この同期により、プラズマ生成領域25においてドロップレット27にパルスレーザ光33が照射され得る。その結果、図19(j)に示されるように、EUV光生成システムのチャンバ2からEUV光252が出力され得る。
【0083】
8.3 フローチャート
つぎに、パルスレーザ光とドロップレットとの同期制御動作を、図面を参照して詳細に説明する。図20〜図22は、実施の形態5による同期制御動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、各コントローラを統括的に制御するEUV光生成制御システム5の動作に着目する。
【0084】
図20に示されるように、EUV光生成制御システム5は、まず、各種パラメータを設定してもよい(ステップS101)。各種パラメータには、たとえば、処理遅延時間dd、EUV目標エネルギーEt、EUVエネルギー許容範囲ΔE、トリガ信号周期RMO、ドロップレット出力周期RDL、ドロップレット遅延時間cd、ゲート遅延時間gd、光シャッタ遅延時間pdなどが含まれてもよい。なお、これらのパラメータは初期値であってもよい。あるいは、これらのパラメータは、たとえば露光装置コントローラ61から与えられてもよいし、不図示のメモリ等から読み出されてもよい。
【0085】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、たとえば露光装置コントローラ61から露光装置の露光動作開始を通知する露光開始信号が入力されるまで待機してもよい(ステップS102;NO)。露光開始信号の入力を検出すると(ステップS102;YES)、EUV光生成制御システム5は、特定のパラメータを初期化してもよい(ステップS103)。この特定のパラメータには、たとえば不図示のタイマによるカウント値(タイマカウント値)T、ドロップレット出力信号の出力タイミング(ドロップレット出力時刻)Td、ゲート信号の立上げタイミング(ゲート信号立上げ時刻)Tgs、ゲート信号の立ち下げタイミング(ゲート信号立下げ時刻)Tgeなどが含まれてもよい。それぞれの値は、たとえば、T=0、Td=0、Tgs=0、およびTge=0に設定されてもよい。
【0086】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、コントローラ110に、マスタオシレータ11へのトリガ信号の出力を開始させてもよい(ステップS104)。この際のトリガ信号の繰返し周波数は、ステップS101で設定されたトリガ信号周期RMOであってもよい。
【0087】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、タイマをスタートさせてもよい(ステップS105)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、コントローラ110に、トリガ信号から光シャッタ遅延時間pd遅れた位相で、光シャッタ20へのシャッタ開閉信号の出力を開始させてもよい(ステップS106)。この際のシャッタ開閉信号の繰返し周波数は、トリガ信号周期と同じであってもよい。光シャッタ20の開時間は、一定時間であってもよい。また、この開時間は、パルスレーザ光の時間長(パルス幅)以上であってもよい。
【0088】
このようにEUV光生成の準備が完了すると、EUV光生成制御システム5は、露光装置コントローラ61からバースト出力要求が入力されるまで待機してもよい(ステップS107;NO)。バースト出力要求の入力を検出すると(ステップS107;YES)、EUV光生成制御システム5は、つぎに、図21に示されるように、光シャッタゲート開始時刻決定ルーチンを実行してもよい(ステップS108)。光シャッタゲート開始時刻決定ルーチンによってゲート信号(図19(g))の立上げ時刻が決定されると、EUV光生成制御システム5は、タイマカウント値Tがドロップレット出力時刻Tdに達するまで待機してもよい(ステップS109;NO)。タイマカウント値Tがドロップレット出力時刻Tdに達すると(ステップS109;YES)、EUV光生成制御システム5は、ドロップレットコントローラ260に、ドロップレット出力信号(図19(b))をドロップレット生成器26へ出力させるようにしてもよい(ステップS110)。この際、ドロップレット出力信号(図19(b))は、ドロップレット出力周期RDL(=RMO)の繰返し周波数で出力されてもよい。
【0089】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、タイマカウント値Tがゲート信号立上げ時刻Tgsに達するまで待機してもよい(ステップS111;NO)。タイマカウント値Tがゲート信号立上げ時刻Tgsに達すると(ステップS111;YES)、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号をONに立ち上げてもよい(ステップS112)。これにより、レーザ装置3からパルスレーザ光31が出力され得る。その結果、チャンバ2内のプラズマ生成領域25を通過するドロップレット27にパルスレーザ光33が照射されて、EUV光252が生成され得る。
【0090】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、不図示のエネルギーセンサで検出されたEUV光252の光量からEUV光252のエネルギーEmを取得してもよい(ステップS113)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、エネルギーEmとEUV目標エネルギーEtとの差分(|Et−Em|)がEUVエネルギー許容範囲ΔE内であるか否かを判定してもよい(ステップS114)。差分(|Et−Em|)がEUVエネルギー許容範囲ΔE内である場合(ステップS114;YES)、EUV光生成制御システム5は、ドロップレット出力周期RDLにそのままトリガ信号周期RMOを設定してもよい(ステップS115)。その後、EUV光生成制御システム5は、ステップS117へ移行してもよい。一方、差分(|Et−Em|)がEUVエネルギー許容範囲ΔE内ではない場合(ステップS114;NO)、EUV光生成制御システム5は、ドロップレット出力信号の出力タイミングを修正するためのドロップレット出力周期(RDL)修正ルーチンを実行してもよい(ステップS116)。その後、EUV光生成制御システム5は、ステップS117へ移行してもよい。
【0091】
ステップS117では、EUV光生成制御システム5は、露光装置コントローラ61からのバースト休止要求の入力を検出したか否かを判定してもよい(ステップS117)。バースト休止要求が入力されていない場合(ステップS117;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS113へ帰還して、以降の動作を繰り返してもよい。一方、バースト休止要求が入力された場合(ステップS117;YES)、EUV光生成制御システム5は、図22のステップS118へ移行して、ドロップレットコントローラ260にドロップレット出力信号の出力を停止させてもよい。
【0092】
その後、EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求の立上り時刻Tp1からバースト出力要求の立下り時刻Tp2までの時間(Tp2−Tp1)を取得してもよい(ステップS119)。つづいて、EUV光生成制御システム5は、取得した時間(Tp2−Tp1)を時刻Tgsに加算することで、ゲート信号立下げ時刻Tgeを設定してもよい(ステップS120)。
【0093】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、タイマカウント値Tがゲート信号立下げ時刻Tgeに達するまで待機してもよい(ステップS121;NO)。タイマカウント値Tがゲート信号立下げ時刻Tgeに達すると(ステップS121;YES)、EUV光生成制御システム5は、コントローラ110にゲート信号をOFFに立ち下げさせてもよい(ステップS122)。
【0094】
その後、EUV光生成制御システム5は、たとえば露光装置コントローラ61から露光の停止が通知されたか否かを判定してもよい(ステップS123)。露光の停止が通知されていた場合(ステップS123;YES)、EUV光生成制御システム5は、コントローラ110に、シャッタ開閉信号の出力を停止させてもよい(ステップS124)。また、EUV光生成制御システム5は、トリガ信号の出力を停止させてもよい(ステップS125)。その後、EUV光生成制御システム5は、処理を終了してもよい。一方、露光の停止が通知されていなかった場合(ステップS123;NO)、EUV光生成制御システム5は、図20のステップS103に帰還し、以降の動作を繰り返してもよい。
【0095】
つづいて、図21のステップS108に示される光シャッタゲート開始時刻決定ルーチンについて、図23を参照して説明する。図23に示されるように、光シャッタゲート開始時刻決定ルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、露光装置コントローラ61から入力されたバースト出力要求の立上り時刻Tp1を取得してもよい(ステップS1081)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、立上り時刻Tp1とトリガ信号の立上り時刻との時間差(処理遅延時間dd)を計測してもよい(ステップS1082)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、立上り時刻Tp1と処理遅延時間ddとトリガ信号周期RMOとドロップレット遅延時間cdとから、ドロップレット出力時刻Tdを算出してもよい(ステップS1083)。ドロップレット出力時刻Tdの算出には、以下の式(1)が用いられてもよい。
Td=Tp1−dd+RMO−cd …(1)
【0096】
その後、EUV光生成制御システム5は、ドロップレット出力時刻Tdと、ゲート遅延時間gdとから、ゲート信号立上げ時刻Tgsを算出してもよい(ステップS1084)。ゲート信号立上げ時刻Tgsの算出には、以下の式(2)が用いられてもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、図21の動作へリターンしてもよい。
Tgs=Td+gd …(2)
【0097】
また、図21のステップS116に示されるドロップレット出力周期(RDL)修正ルーチンについて、図24を参照して説明する。図24に示されるように、ドロップレット出力周期(RDL)修正ルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、ドロップレット出力信号の出力タイミングに対する補正量ΔTdRを算出してもよい(ステップS1161)。補正量ΔTdRは、図21のステップS113で検出されたEUV光のエネルギーEmと、図20のステップS101で設定されたEUVエネルギー許容範囲ΔEとを用いて算出されてもよい。つぎに、EUV光生成制御システム5は、算出された補正量ΔTdRと現在のドロップレット出力周期RDLとから、修正後のドロップレット出力周期RDLを算出してもよい(ステップS1162)。修正後のドロップレット出力周期RDLの算出には、以下の式(3)が用いられてもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、図21の動作へリターンしてもよい。
RDL=RDL+ΔTdR …(3)
【0098】
パルスレーザ光33のタイミングに対するドロップレット出力信号の出力タイミングのずれには、プラス方向とマイナス方向とがあり得る。そこで、EUV光生成制御システム5は、たとえば前回の図21のステップS114において算出されたエネルギーEmとEUV目標エネルギーEtとの差分の絶対値(|Et−Em|)が、今回の同ステップS114において算出された差分の絶対値(|Et−Em|)よりも大きくなったか否かを判定してもよい。前回のステップS114で算出された差分の絶対値(|Et−Em|)が今回のステップS114で算出された差分の絶対値(|Et−Em|)よりも大きくなった場合、EUV光生成制御システム5は、ステップS1162において補正量ΔTdRの符号を反転するように動作してもよい。
【0099】
8.4 作用
以上のような構成および動作とすることで、プラズマ生成領域25を通過するパルスレーザ光33に対して同期するように、ドロップレット27の出力タイミングを調整することが可能となる。また、パルスレーザ光33とドロップレット27とがプラズマ生成領域25において同期しているため、照射ターゲットとならないドロップレット27の出力が回避され得る。その結果、ターゲット物質(たとえばSn)の消費を低減することができる。さらに、パルスレーザ光31のバーストパルスが光シャッタ20を用いて実現されているため、マスタオシレータ11を所定の繰返し周波数で継続的に動作させることが可能となる。その結果、パルスレーザ光L1およびL2のエネルギーを安定させることが可能となる。
【0100】
なお、以上の説明では、パルスレーザ光33に対してドロップレット27を同期させたが、本開示はこれに限るものではない。たとえばドロップレット27を基準とし、プラズマ生成領域25を通過するドロップレット27に対してパルスレーザ光33が同期するように、パルスレーザ光31の出力タイミングを調整してもよい。また、バースト出力要求とバースト休止要求とは、トリガ信号に対して同期せずに、任意のタイミングで入力されてもよい。その場合、ゲート信号がONの期間、パルスレーザ光31が出力されるように構成されてもよい。
【0101】
9.タイミングセンサを用いたパルスレーザ光とドロップレットとの同期(実施の形態6)
プラズマ生成領域25を通過するパルスレーザ光33のタイミングとドロップレット27のタイミングとは、パルスレーザ光L1またはL2の光路上のある位置の通過タイミングを検出するためのタイミングセンサを用いて同期させてもよい。以下、その場合を、図面を参照して詳細に説明する。
【0102】
9.1 構成
図25は、実施の形態6によるレーザ装置の構成を概略的に示す。図25に示されるように、実施の形態6では、光シャッタ20〜20それぞれの入力側に、タイミングセンサ70〜70が設けられてもよい。タイミングセンサ70〜70は、パルスレーザ光L1またはL2の通過タイミングを検出してもよい。その他の構成は、上述した実施の形態によるレーザ装置と同じであってもよい。
【0103】
9.2 タイミングチャート
また、図26は、図25に示されるレーザ装置におけるパルスレーザ光および各光シャッタの開閉状態のタイミングチャートを示す。図26に示されるように、実施の形態6では、パルスレーザ光L1またはL2が通過するタイミングに合わせて、光シャッタ20〜20がそれぞれ開閉されてもよい。これは、たとえばタイミングセンサ70〜70で検出されたパルスレーザ光L1またはL2の通過タイミングに基づいて行われてもよい。たとえば、タイミングセンサ70〜70でパルスレーザ光L1またはL2を検出すると、パルスレーザ光L1またはL2が光シャッタ20〜20を通過する前のタイミングで光シャッタ20〜20を開状態としてもよい。その後、タイミングセンサ70〜70でパルスレーザ光L1またはL2の通過を検出すると、パルスレーザ光L1またはL2が光シャッタ20〜20を通過した後のタイミングで光シャッタ20〜20を閉状態としてもよい。その際、光シャッタ20の開時間は、パルスレーザ光L1またはL2の時間長(パルス幅)以上であるのが好ましい。
【0104】
9.3 作用
以上のような構成および動作とすることで、パルスレーザ光進行方向下流のたとえばドロップレット27などからのパルスレーザ光33の戻り光を効果的に低減することが可能となる。また、増幅器30同士が光学的に結合することで生じる自励発振を効果的に抑制することが可能となる。
【0105】
なお、実施の形態6では、光シャッタ20〜20の入力側にタイミングセンサ70〜70を設けた場合を例示したが、これに限るものではない。たとえば光シャッタ20〜20の少なくとも1つ光シャッタ20の入力側にタイミングセンサが設けられてもよい。その場合、タイミングセンサは、パルスレーザ光進行方向上流側に配置されるのが好ましい。また、入力側にタイミングセンサが設けられなかった光シャッタ20に対しては、タイミングセンサで検出されたタイミングからあらかじめ予測されるパルスレーザ光L1またはL2の通過タイミングに合わせて、開閉動作をさせるとよい。
【0106】
さらに、タイミングセンサを用いて検出または推定されたパルスレーザ光L1またはL2の通過タイミングに合わせて増幅器30が増幅動作を実行するように、増幅器30に励起電圧が印加されてもよい。
【0107】
9.4 タイミングセンサの構成例
つづいて、実施の形態6によるタイミングセンサ70〜70の構成例を、図面を参照して詳細に説明する。
【0108】
9.4.1 構成例1
図27は、実施の形態6の構成例1によるタイミングセンサの構成を概略的に示す。図27に示されるように、タイミングセンサ70Aは、ミラー71Aと、光センサ72と、を含んでもよい。ミラー71Aは、入射したパルスレーザ光L1またはL2のほとんどを反射してもよい。また、ミラー71Aは、一部を漏れ光L4として透過させてもよい。光センサ72は、ミラー71Aを透過した漏れ光L4を検出してもよい。この構成によれば、タイミングセンサ70Aは、パルスレーザ光L1またはL2が通過したタイミングを検出することができる。
【0109】
9.4.2 構成例2
図28は、実施の形態6の構成例2によるタイミングセンサの構成を概略的に示す。図28に示されるように、タイミングセンサ70Bは、光学素子71Bと、光センサ72とを含んでもよい。光学素子71Bは、レンズやウィンドウなどであってもよい。パルスレーザ光L1またはL2は、光学素子71Bに入射してもよい。光センサ72は、光学素子71Bによるパルスレーザ光L1またはL2の散乱光L5を検出してもよい。この構成によれば、タイミングセンサ70Bは、パルスレーザ光L1またはL2が通過したタイミングを検出することができる。
【0110】
9.4.3 構成例3
図29は、実施の形態6の構成例3によるタイミングセンサの構成を概略的に示す。図29に示されるように、タイミングセンサ70Cは、空間フィルタ71Cと、光センサ72とを含んでもよい。空間フィルタ71Cには、アパーチャが形成されていてもよい。パルスレーザ光L1またはL2は、空間フィルタ71Cに入射してもよい。光センサ72は、空間フィルタ71Cを通過する際のパルスレーザ光L1またはL2の反射光L6を検出してもよい。この構成によれば、タイミングセンサ70Cは、パルスレーザ光L1またはL2が通過したタイミングを検出することができる。
【0111】
9.4.4 構成例4
また、タイミングセンサを、光シャッタと光シャッタコントローラとを組み合わせて構成してもよい。光シャッタは、パルスレーザ光L1またはL2を透過および遮断してもよい。光シャッタコントローラは、光シャッタの開閉を制御してもよい。図30は、実施の形態6の構成例4によるタイミングセンサの構成を概略的に示す。なお、構成例4では、構成例1によるタイミングセンサ70A(図27参照)を引用するが、これに限るものではない。図30に示されるように、タイミングセンサ70Dは、ミラー71Aおよび光センサ72の他に、光シャッタ20と、光シャッタコントローラ73とを備えてもよい。光シャッタ20は、ミラー71Aで反射されたパルスレーザ光L1またはL2の光路上に配置されてもよい。光センサ72による漏れ光L4の検出結果は、光シャッタコントローラ73に入力されてもよい。光シャッタコントローラ73は、光センサ72による漏れ光L4の検出タイミングに基づいて、光シャッタ20を開閉してもよい。この構成によれば、タイミングセンサ70Dが、たとえばEUV光生成制御システム5またはコントローラ110の制御に依らずに、独自に光シャッタ20を駆動させるように構成することができる。
【0112】
9.5 光遅延回路
ここで、パルスレーザ光L1およびL2のパルス幅は、たとえば10〜50ns程度であってもよい。その場合、パルスレーザ光L1またはL2が存在する空間の光学的長さは、約3〜17m程度となり得る。そこで、たとえばレーザ装置3に複数の光シャッタ20が設けられる場合、2つの光シャッタ20間の光学的距離は、パルスレーザ光L1またはL2が存在する空間の光学的長さ以上であることが好ましい。2つの光シャッタ20間の光学的距離をこの光学的長さ以上とすることで、2つの光シャッタ20が同時に開状態となることが回避され得る。その結果、光路を逆進する戻り光や増幅器間の光学的結合により生じる自励発振をより低減することができる。
【0113】
図31は、実施の形態6による光遅延回路の構成を概略的に示す。図31に示されるように、光遅延回路80は、たとえばパルスレーザ光L1またはL2の光路を折り曲げて迂回させるための複数の高反射ミラー81〜84を含んでもよい。ただし、これに限定されず、如何様にも変形することができる。その際、パルスレーザ光L1またはL2の光学路長を実質的に必要十分に長くすることが可能であるのが好ましい。
【0114】
光遅延回路80は、たとえば図31に示されるように、上流の光シャッタ20−Uと、下流の光シャッタ20−Dの入力側の増幅器30との間に配置されてもよい。あるいは、たとえば図32に示されるように、パルスレーザ光進行方向上流の光シャッタ20−Uの出力側の増幅器30と、下流の光シャッタ20−Dとの間に配置されてもよい。
【0115】
10.ドロップレットを基準としたパルスレーザ光とドロップレットとの同期(実施の形態7)
プラズマ生成領域25においてパルスレーザ光33をドロップレット27に照射するタイミングは、ドロップレット27のタイミングを基準としてパルスレーザ光31を出力するタイミングを同期させてもよい。以下、その場合を、図面を参照して詳細に説明する。
【0116】
10.1 構成
図33は、実施の形態7によるEUV光生成システムの構成を概略的に示す。ただし、図1に示される構成のうち実施の形態7の説明と直接関係しない構成は、説明の簡略化のため、図33および以下の説明から省略されている。また、本説明では、図3に示したレーザ装置3を引用するが、これに限るものではない。
【0117】
図33に示されるように、実施の形態7によるEUV光生成システムは、図18に示されるEUV光生成システムと同様の構成を備えてもよい。ただし、実施の形態7によるEUV光生成システムでは、コントローラ110からマスタオシレータ11へトリガ信号が入力されるライン上に、トリガ信号を所定時間遅延させるための遅延回路40が設けられてもよい。また、コントローラ110から光シャッタ20〜20それぞれへのシャッタ開閉信号またはゲート信号の入力ライン上に、シャッタ開閉信号またはゲート信号をそれぞれ所定時間遅延させるための遅延回路40〜40が設けられてもよい。
【0118】
上記構成において、ターゲットセンサ4は、ドロップレット27がその軌道上のある位置を通過するタイミングを検出してもよい。ターゲットセンサ4は、検出した通過タイミングを示すドロップレット検出信号をEUV光生成制御システム5へ出力してもよい。EUV光生成制御システム5は、ターゲットセンサ4より入力されたドロップレット検出信号に基づいて、コントローラ110やドロップレットコントローラ260へ各種命令を出力してもよい。
【0119】
10.2 動作
つぎに、実施の形態7によるEUV光生成システムの動作を、図面を参照に詳細に説明する。
【0120】
10.2.1 タイミングチャート
図34は、実施の形態7における各種信号を示すタイミングチャートである。まず、EUV光生成制御システム5は、ドロップレットコントローラ260へドロップレット出力命令を送出してもよい。ドロップレットコントローラ260は、ドロップレット出力命令に応じ、図34(a)に示されるように、ドロップレット出力信号S1をドロップレット生成器26へ出力してもよい。ドロップレット出力信号S1は、所定繰返し周波数で継続的に出力されてもよい。これにより、ドロップレット生成器26からは、ドロップレットの形態のターゲット物質が所定繰返し周波数で継続的に出力され得る。ターゲットセンサ4は、出力されたドロップレット4が軌道上のある位置を通過するのを検出してもよい。ターゲットセンサ4は、図34(b)に示されるように、この検出結果をドロップレット検出信号S2として出力してもよい。ドロップレット検出信号S2は、EUV光生成制御システム5に入力されてもよい。
【0121】
ドロップレット検出信号S2が入力されると、EUV光生成制御システム5は、コントローラ110へ発振命令を出力してもよい。コントローラ110は、発振命令に応じ、図34(c)に示されるように、トリガ信号S3をマスタオシレータ11へ出力してもよい。トリガ信号S3は、ドロップレット検出信号S2に同期して出力されてもよい。これにより、マスタオシレータ11からは、図34(d)に示されるように、パルスレーザ光L1がドロップレット検出信号S2に同期して出力され得る。トリガ信号S3は、ドロップレット検出信号S2のタイミングT2に対して所定時間(遅延時間R3)遅れたタイミングT3で、マスタオシレータ11に入力されてもよい。遅延時間R3は、たとえば遅延回路40で調整されてもよい。遅延回路40による遅延時間R3は、コントローラ110などから設定可能であってもよい。
【0122】
また、コントローラ110は、発振命令に応じ、図34(e)に示されるように、光シャッタ20〜20それぞれへシャッタ開閉信号S4を出力してもよい。シャッタ開閉信号S4は、ドロップレット検出信号S2に同期して出力されてもよい。シャッタ開閉信号S4は、ドロップレット検出信号S2のタイミングT2に対して所定時間(遅延時間R4)遅れたタイミングT4で、光シャッタ20〜20それぞれに入力されてもよい。光シャッタ20〜20それぞれに対するシャッタ開閉信号S4の遅延時間R4は、たとえば遅延回路40〜40毎で調整されてもよい。遅延回路40〜40による遅延時間R4は、コントローラ110などから設定可能であってもよい。
【0123】
また、図34(f)におけるS5の立上りに示されるように、EUV光生成制御システム5には、露光装置コントローラ61などの外部装置から、EUV光252のバースト出力要求が入力されてもよい。EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求をコントローラ110に入力してもよい。コントローラ110は、バースト出力要求が入力されると、図34(g)に示されるように、バースト出力要求の入力タイミングT51から遅延時間R6遅れたタイミングT61で、ゲート信号S6を立ち上げてもよい。ゲート信号S6は、光シャッタ20〜20のうち少なくとも1つまたは全部に入力されてもよい。なお、コントローラ110は、ゲート信号S6の立上りタイミングT61がシャッタ開閉信号S4の出力期間外となるように、遅延時間R6およびタイミングT61を調節してもよい。
【0124】
さらに、図34(f)におけるS5の立下りに示されるように、EUV光生成制御システム5には、露光装置コントローラ61などの外部装置から、EUV光252のバースト休止要求が入力されてもよい。EUV光生成制御システム5は、バースト休止要求をコントローラ110に入力してもよい。コントローラ110は、バースト出力要求が入力されてからバースト休止要求が入力されるまでの時間長P5、すなわちバースト出力要求の立上りタイミングT51からバースト出力要求の立下りタイミングT52を計測してもよい。コントローラ110は、時間長P5と同じ時間長P6となるタイミングT62で、ゲート信号S6を立ち下げてもよい。なお、コントローラ110は、ゲート信号S6の立下りタイミングT62がシャッタ開閉信号S4の出力期間外となるように、タイミングT62を調節してもよい。
【0125】
光シャッタ20〜20にシャッタ開閉信号S4とゲート信号S6とが入力された結果、光シャッタ20〜20全体でのシャッタ開閉動作は、図34(h)に示されるように、シャッタ開閉信号S4とゲート信号S6との論理積となり得る。それにより、レーザ装置3からは、図34(i)に示されるように、シャッタ開閉信号S4とゲート信号S6との論理積が立ち上がっている期間、パルスレーザ光31が出力され得る。その結果、EUV光生成システムからは、図34(j)に示されるように、シャッタ開閉信号S4とゲート信号S6との論理積が立ち上がっている期間に相当するように、パルス状のEUV光252が出力され得る。なお、シャッタ開閉信号S4およびゲート信号S6に代えて、シャッタ開閉信号S4とゲート信号S6との論理積として得られる信号を、光シャッタ20〜20のうち少なくとも1つまたは全部に入力してもよい。
【0126】
10.2.2 フローチャート
図35は、実施の形態7によるEUV光生成動作の一例を示すフローチャートである。なお、以下の説明では、各コントローラを統括的に制御するEUV光生成制御システム5の動作に着目する。
【0127】
図35に示されるように、EUV光生成制御システム5は、起動後、たとえば露光装置コントローラ61などの外部装置からEUV光生成要求が入力されるのを待機してもよい(ステップS201;NO)。EUV光生成要求が入力されると(ステップS201;YES)、EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求がバースト出力要求状態となるまでのアイドリング動作として、以下の動作を実行してもよい。すなわち、EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求にバースト出力要求状態となる変動があったか否かを判定してもよい(ステップS202)。アイドリング動作段階では、EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求の変動を検出していない。したがって、ステップS202の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS202;NO)、EUV光生成制御システム5は、つぎに、バースト出力/休止要求のバースト休止要求状態となる変動を検出したか否かを判定してもよい(ステップS205)。アイドリング動作段階では、EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求の変動を検出していない。したがって、ステップS205の判定結果は、“NO”となり得る。このとき、EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求がバースト休止要求状態となる変動を検出したか否かを判定してもよい。その場合(ステップS205;NO)、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号S6を立ち上げるタイミングであるゲート開タイミング(T61)に到達したか否かを判定してもよい(ステップS208)。アイドリング動作段階では、ゲート開タイミングが設定されていない。したがって、ステップS208の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS208;NO)、EUV光生成制御システム5は、1つのパルスレーザ光31を発振するワンショット制御サブルーチンを実行してもよい(ステップS212)。その後、EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求がバースト出力要求状態である時間長(バースト出力要求時間長)を計測中であるか否かを判定してもよい(ステップS213)。アイドリング動作段階では、EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求時間長の計測を開始していない。したがって、ステップS213の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS213;NO)、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号S6を立ち上げておく時間長(ゲート開時間)が経過したか否かを判定してもよい(ステップS214)。アイドリング動作段階では、ゲート開時間の設定がされていない。したがって、ステップS214の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS214;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS202へ帰還し、以降の動作を実行してもよい。以上で説明したステップS202〜S214の流れが、バースト出力要求が入力されるまでのアイドリング動作であってもよい。
【0128】
バースト出力/休止要求にバースト出力要求状態となる変動があった際は、以下の動作が実行されてもよい。例えば、バースト出力/休止要求の電圧信号がバースト休止要求状態のLOW状態から、バースト出力要求状態であるHIGH状態に変動していた場合、この状態の変動を検出して、ステップS202の判定の結果をYESとしてもよい(ステップS202;YES)。次に、EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求時間長の計測を開始してもよい(ステップS203)。バースト出力要求時間長の計測には、たとえば不図示のタイマカウンタ等が用いられてもよい。つぎに、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号S6の立上げタイミングであるゲート開タイミング(T61)を設定してもよい(ステップS204)。このゲート開タイミングは、たとえばバースト出力/休止要求の立上りタイミングT51と、遅延時間R6と、シャッタ開閉信号S4の出力期間とから算出されてもよい。遅延時間R6は、ゲート信号S6の立上りタイミングT61がシャッタ開閉信号S4の出力期間外となるのに必要な時間以上であればよい。遅延時間R6は、EUV光生成制御システム5またはコントローラ110に予め設定されていてもよい。つづいて、EUV光生成制御システム5は、ワンショット制御サブルーチンを実行してもよい(ステップS212)。その後、EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求時間長を計測中であるか否かを判定してもよい(ステップS213)。バースト出力/休止要求がバースト出力要求状態とされた後では、EUV光生成制御システム5はバースト要求時間長の計測を開始している。そのため、ステップS213の判定結果は、“YES”となり得る。その場合(ステップS213;YES)、EUV光生成制御システム5は、ステップS202へ帰還し、以降の動作を実行してもよい。以上で説明したステップS202〜S213の流れが、バースト出力/休止要求がバースト出力要求状態とされた後の動作であってもよい。
【0129】
バースト出力/休止要求がバースト出力要求状態とされてからバースト休止要求状態となるまでは、以下の動作が実行されてもよい。ここでは、バースト出力/休止要求がバースト休止要求状態となる前にゲート開タイミングに到達する場合を例示するが、バースト出力/休止要求がバースト休止要求状態となった後にゲート開タイミングに到達してもよい。以下の動作では、バースト出力/休止要求の状態は既にバースト出力要求状態である。バースト出力/休止要求の状態に変化がないため、ステップS202の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS202;NO)、EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求がバースト休止要求状態となる変動があったか否かを判定してもよい(ステップS205)。バースト休止要求状態となる変動がない場合、ステップS205の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS205;NO)、EUV光生成制御システム5は、ゲート開タイミング(T61)に到達したか否かを判定してもよい(ステップS208)。ゲート開タイミングに到達していない場合(ステップS208;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS212へ移行し、以降の動作を実行してもよい。一方、ゲート開タイミングに到達していた場合(ステップS208;YES)、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号S6の出力を開始、すなわちゲート信号S6を立ち上げてもよい(ステップS209)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、ゲート開時間の計測を開始してもよい(ステップS210)。ゲート開時間の計測には、たとえば不図示のタイマカウンタ等が用いられてもよい。つぎに、EUV光生成制御システム5は、以前に設定したゲート開タイミングをリセットしてもよい(ステップS211)。その後、EUV光生成制御システム5は、ステップS212へ移行し、以降の動作を実行してもよい。
【0130】
ステップS212以降の動作では、EUV光生成制御システム5は、まず、ワンショット制御サブルーチンを実行してもよい(ステップS212)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求時間長を計測中であるか否かを判定してもよい(ステップS213)。EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求がバースト出力要求状態となってからバースト休止要求状態になっていない場合、バースト出力要求時間長を計測中である。そのため、ステップS213の判定結果は、“YES”となり得る。その場合(ステップS213;YES)、ステップS202へ帰還し、以降の動作を実行してもよい。以上で説明したステップS202〜S213の流れが、バースト出力/休止要求がバースト出力要求状態となってからバースト休止要求状態となるまでの動作であってもよい。
【0131】
バースト休止要求が入力された際は、以下の動作が実行されてもよい。以下の動作では、バースト出力/休止要求の状態は既にバースト出力要求状態である。バースト出力/休止要求の状態に変化がないため、ステップS202の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS202;NO)、EUV光生成制御システム5は、バースト出力/休止要求がバースト休止要求状態となる変動があったか否かを判定してもよい(ステップS205)。バースト休止要求状態となる変動があった場合、例えば、バースト出力/休止要求の電圧信号がバースト出力要求状態であるHIGH状態から、バースト休止要求状態であるLOW状態に変動していた場合、この状態の変化を検出して、ステップS205の判定の結果を“YES”としてもよい(ステップS205;YES)。EUV光生成制御システム5は、つぎに、バースト出力要求時間長の計測を終了してもよい(ステップS206)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、計測されたバースト出力要求時間長をゲート開時間として設定してもよい(ステップS207)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、ゲート開タイミング(T61)に到達したか否かを判定してもよい(ステップS208)。このとき、既にゲート開タイミングに到達した後でゲート開タイミングがリセットされ、次にバースト出力/休止要求がバースト出力要求状態となるのを待つ状態となっている。したがって、ステップS208の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS208;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS212へ移行して、ワンショット制御サブルーチンを実行してもよい(ステップS212)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求時間長を計測中であるか否かを判定してもよい(ステップS213)。バースト出力/休止要求がバースト休止要求状態となった状態では、EUV光生成制御システム5は、バースト出力要求時間長の計測を終了している。したがって、ステップS213の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS213;NO)、EUV光生成制御システム5は、ゲート開時間が経過したか否かを判定してもよい(ステップS214)。ゲート開時間が経過していない場合(ステップS214;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS202へ帰還し、以降の動作を実行してもよい。一方、ゲート開時間が経過していた場合(ステップS214;YES)、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号S6の出力を停止、すなわちゲート信号S6を立ち下げてもよい(ステップS215)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、ゲート開時間の計測を終了してもよい(ステップS216)。その後、EUV光生成制御システム5は、EUV光252の生成を停止するか否かを判定してもよい(ステップS217)。EUV光252の生成を停止しない場合(ステップS217;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS202へ帰還し、アイドリング動作を実行してもよい。一方、EUV光252の生成を停止する場合(ステップS217;YES)、EUV光生成制御システム5は、この動作を終了してもよい。
【0132】
図36は、図35のステップS212に示されるワンショット制御サブルーチンの一例を示すフローチャートである。図36に示されるように、ワンショット制御サブルーチンでは、EUV光生成制御システム5は、まず、ターゲットセンサ4よりドロップレット検出信号S2が入力されるまで待機してもよい(ステップS221;NO)。ドロップレット検出信号S2を受信すると(ステップS221;YES)、EUV光生成制御システム5は、コントローラ110に、光シャッタ20〜20それぞれへのシャッタ開閉信号S4の出力を開始させてもよい(ステップS222)。すなわち、シャッタ開閉信号S4が立ち上げられてもよい。シャッタ開閉信号S4は、光シャッタ20〜20ごとに設けられた遅延回路40〜40を経ることで、光シャッタ20〜20それぞれに応じた所定時間遅延されてもよい。また、EUV光生成制御システム5は、コントローラ110に、マスタオシレータ11へのトリガ信号S3の送出を実行させてもよい(ステップS223)。トリガ信号S3は、遅延回路40を経ることで、所定時間遅延されてもよい。
【0133】
つぎに、EUV光生成制御システム5は、個々のパルスに対してシャッタ開閉信号S4が立ち上がっている時間(所定時間)が経過するまで待機してもよい(ステップS224;NO)。この所定時間は、予め設定されてもよいし、外部装置から入力されてもよい。EUV光生成制御システム5は、所定時間が経過すると(ステップS224;YES)、コントローラ110に、シャッタ開閉信号S4の出力を停止させてもよい(ステップS225)。すなわち、シャッタ開閉信号S4が立ち下げられてもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、図35に示される動作へリターンしてもよい。
【0134】
10.2.3 作用
以上の動作によれば、ドロップレット27のタイミングを基準としてマスタオシレータ11を発振させ得る。また、ドロップレット27のタイミングを基準として光シャッタ20が開閉され得る。これにより、プラズマ生成領域25でのパルスレーザ光33とドロップレット27との同期を、より正確に確立し得る。その他の作用は、上述の実施の形態と同様であってもよい。
【0135】
10.3 動作の変形例
実施の形態7によるEUV光生成動作は、以下のようにも変形することができる。
【0136】
10.3.1 タイミングチャート
図37は、実施の形態7の変形例における各種信号を示すタイミングチャートである。図37と図34とを比較すると分かるように、本例では、バースト出力/休止要求の代わりに、バーストパルス数要求データがEUV光生成制御システム5に入力されてもよい。バーストパルス数要求データは、1回のバースト出力に要求されるバーストパルスの数を指定してもよい。バーストパルス数要求データは、バスラインなどのデータ線を介して、EUV光生成制御システム5に入力されてもよい。すなわち、EUV光生成制御システム5は、露光装置コントローラ61などの外部装置とバスラインを介して接続されていてもよい。
【0137】
10.3.2 フローチャート
図38は、実施の形態7の変形例によるEUV光生成動作を示すフローチャートである。以下の説明では、各コントローラを統括的に制御するEUV光生成制御システム5の動作に着目する。
【0138】
図38に示されるように、EUV光生成制御システム5は、起動後、たとえば露光装置コントローラ61などの外部装置からEUV光生成要求が入力されるのを待機してもよい(ステップ301;NO)。EUV光生成要求が入力されると(ステップS301;YES)、EUV光生成制御システム5は、つぎに、バーストパルス数要求データを受信するまでのアイドリング動作として、以下の動作を実行してもよい。すなわち、EUV光生成制御システム5は、バーストパルス数要求データを受信したか否かを判定してもよい(ステップS302)。この段階では、EUV光生成制御システム5は、バーストパルス数要求データを受信していない。したがって、ステップS302の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS302;NO)、EUV光生成制御システム5は、つぎに、ゲート信号S6を立ち上げるタイミングであるゲート開タイミング(T61)に到達したか否かを判定してもよい(ステップS305)。この段階では、ゲート開タイミングが設定されていない。したがって、ステップS305の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS305;NO)、EUV光生成制御システム5は、1つのパルスレーザ光31を出力するワンショット制御サブルーチンを実行してもよい(ステップS309)。ワンショット制御サブルーチンは、図36に示される動作と同様であってもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、バーストパルス数要求データで要求された要求パルス数に到達したか否かを判定してもよい(ステップS310)。この段階では、パルス数の計測を開始していない。したがって、ステップS310の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS310;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS302へ帰還し、以降の動作を実行してもよい。以上で説明したステップS302〜S310の流れが、バーストパルス数要求データが受信されるまでのアイドリング動作であってもよい。
【0139】
バーストパルス数要求データが受信された際は、以下の動作が実行されてもよい。すなわち、バーストパルス数要求データを受信し、かつ要求パルス数が未設定であった場合(ステップS302;YES)、EUV光生成制御システム5は、ゲート開タイミング(T61)を設定してもよい(ステップS303)。ゲート開タイミングは、たとえばバーストパルス数要求データの入力タイミング(たとえば図34のタイミングT51に相当)と、遅延時間R6と、シャッタ開閉信号S4の出力期間とから算出されてもよい。つぎに、EUV光生成制御システム5は、バーストパルス数要求データで指定された要求パルス数を不図示のカウンタ等に設定してもよい(ステップS304)。その後、EUV光生成制御システム5は、ワンショット制御サブルーチンを実行してもよい(ステップS309)。次に、EUV光生成制御システム5は、要求パルス数に到達したか否かを判定してもよい(ステップS310)。この段階では、パルス数の計測を開始していない。したがって、ステップS310の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS310;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS302へ帰還し、以降の動作を実行してもよい。以上で説明したステップS302〜S310の流れが、バーストパルス数要求データが受信された際の動作であってもよい。
【0140】
バーストパルス数要求データが受信され、要求パルス数が設定された後では、以下の動作が実行されてもよい。以下の動作では、要求パルス数が設定済みである。したがって、ステップS302の判定結果は、“NO”となり得る。その場合(ステップS302;NO)、EUV光生成制御システム5は、ゲート開タイミング(T61)に到達したか否かを判定してもよい(ステップS305)。ゲート開タイミングに到達していない場合(ステップS305;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS309へ移行し、以降の動作を実行してもよい。一方、ゲート開タイミングに到達していた場合(ステップS305;YES)、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号S6の出力を開始、すなわちゲート信号S6を立ち上げてもよい(ステップS306)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号S6を立ち上げてからのパルス数の計測を開始してもよい(ステップS307)。パルス数の計測には、たとえば不図示のタイマカウンタ等が用いられてもよい。また、パルス数のカウントは、トリガ信号S3やシャッタ開閉信号S4の検出回数がカウントされてもよい。または、実際に出力されたレーザ光31を不図示のレーザセンサで検出した信号の検出回数がカウントされてもよい。または、出力されたEUV光を不図示のEUVセンサで検出した信号の検出回数がカウントされてもよい。つぎに、EUV光生成制御システム5は、以前に設定されたゲート開タイミングをリセットしてもよい(ステップS308)。その後、EUV光生成制御システム5は、ステップS309へ移行し、以降の動作を実行してもよい。
【0141】
ステップS309以降の動作では、EUV光生成制御システム5は、まず、ワンショット制御サブルーチンを実行してもよい(ステップS309)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、要求パルス数に到達したか否かを判定してもよい(ステップS310)。要求パルス数に到達していない場合(ステップS310;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS302へ帰還し、以降の動作を実行してもよい。一方、要求パルス数に到達していた場合(ステップS310;YES)、EUV光生成制御システム5は、ゲート信号S6の出力を停止、すなわちゲート信号S6を立ち下げてもよい(ステップS311)。つぎに、EUV光生成制御システム5は、パルス数の計測を終了してもよい(ステップS312)。この際、パルス数の計測に使用したカウンタをリセットしてもよい。その後、EUV光生成制御システム5は、EUV光252の生成を停止するか否かを判定してもよい(ステップS313)。EUV光252の生成を停止しない場合(ステップS313;NO)、EUV光生成制御システム5は、ステップS302へ帰還し、アイドリング動作を実行してもよい。一方、EUV光252の生成を停止する場合(ステップS313;YES)、EUV光生成制御システム5は、この動作を終了してもよい。
【0142】
10.3.3 作用
以上の動作によれば、ゲート信号S6を立ち上げておく時間(ゲート開時間)の計測が不要となるため、より動作が簡略化され得る。その結果、より高速な動作が可能となり得る。その他の作用は、上述の実施の形態と同様であってもよい。
【0143】
11.光シャッタのバリエーション(変形例)
つぎに、上述した実施の形態による光シャッタのその他の変形例について、以下に例を挙げる。
【0144】
11.1 変形例1
図39は、変形例1による光シャッタの構成を概略的に示す。光シャッタ20−1では、たとえば透過型の偏光子121および122の代わりに、反射型の偏光子(以下、単にミラーという)121aおよび122aが用いられてもよい。ミラー121aおよび122aには、それぞれATFRミラー等の偏光子が用いられてもよい。ATFRミラーは、たとえばS偏光の光を約99%の高い反射率で反射してもよい。ATFRミラーは、さらに、P偏光の光の多くを吸収し、1%以下の低い反射率で反射してもよい。このような構成によっても、図13に示される光シャッタ20と同様の機能を実現することが可能である。すなわち、ミラー121aおよび122aは、入射したパルスレーザ光L1およびL2のうち、S偏光成分を高反射し得る。ミラー121aに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面とミラー122aに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面とは、90度の角度をなしていてもよい。その場合、ミラー121aにより選択的に反射されたS偏光のパルスレーザ光L1およびL2は、ポッケルスセル123に高圧電源124から高電圧パルスが印加されていない場合、ミラー122aによって吸収され得る。一方、ポッケルスセル123に高圧電源124から高電圧パルスが印加されている場合、ミラー121aにより選択的に反射されたS偏光のパルスレーザ光L1およびL2は、ミラー122aによって高反射され得る。
【0145】
11.2 変形例2
図40は、変形例2による光シャッタの構成を概略的に示す。図40に示されるように、光シャッタ20−2では、ポッケルスセル123の入力側に、4つのミラー121a〜121dが配置されてもよい。また、光シャッタ20−2では、ポッケルスセル123の出力側に、4つのミラー122a〜122dが配置されてもよい。ミラー121a〜121dおよび122a〜122dは、それぞれATFRミラー等の偏光子で構成されてもよい。各ミラー121a〜121dに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面は、同一平面内に含まれていてもよい。各ミラー122a〜122dに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面は、実質的に同一平面内に含まれてもよい。ただし、ミラー121a〜121dに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面とミラー122a〜122dに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面とは、90度の角度をなしていてもよい。このように、ポッケルスセル123の入出力側それぞれに、同一の偏光成分の光のみを反射し、他の偏光成分の光を吸収するミラーが複数枚設けられた場合、他の偏光成分の光の総吸収率を高め、特定の偏光成分の光の純度を高くすることが可能となる。
【0146】
11.3 変形例3
図41は、変形例3による光シャッタの構成を概略的に示す。図41に示されるように、光シャッタ20−3は、2つのポッケルスセル123aおよび123bを備えてもよい。各ポッケルスセル123aおよび123bは、ポッケルスセル123と同様であってもよい。ポッケルスセル123aは、たとえばポッケルスセル123bよりも上流側に配置されてもよい。上流のポッケルスセル123aの入力側には、ミラー121aおよび121bが配置されてもよい。ポッケルスセル123aとポッケルスセル123bとの間には、2つの高反射ミラー126aおよび126fと、ミラー126b〜126eとが配置されてもよい。下流のポッケルスセル123bの出力側には、ミラー122aおよび122bが配置されてもよい。ミラー121a、121b、126b〜126e、122aおよび122bは、それぞれATFRミラー等の偏光子で構成されてもよい。ミラー121aおよび121bと、ミラー122aおよび122bとに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面は、実質的に同一平面内に含まれていてもよい。2つのポッケルスセル123aおよび123bの間に位置する各ミラー126b〜126eに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面は、実質的に同一平面内に含まれていてもよい。ただし、ミラー121a〜121bおよび122a〜122bに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面と、ミラー126b〜126eに対するパルスレーザ光L1およびL2の入射面とは、90度の角度をなしていてもよい。このように、複数のポッケルスセセル123aおよび123bが用いられる場合、不要な偏光成分の光の総吸収率を高め、所望の特定偏光成分の光の純度を高くすることが可能となる。
【0147】
11.4 変形例4
図42は、変形例4による光シャッタの構成を概略的に示す。図42に示されるように、光シャッタ20−4では、図39に示される光シャッタ20−1と同様の構成において、ミラー121aおよび122aに、それぞれ冷却装置221が設けられてもよい。冷却装置221から供給された冷却媒体は、流路222を通ってミラー121aおよび122aの内部流路にそれぞれ流れ込んでもよい。ミラー121aおよび122aには、それぞれ反射面の裏側に対して冷却媒体を効率的かつバランスよく流すための内部流路が設けられてもよい。ミラー121aおよび122aの反射面を効率的かつバランスよく冷却することで、ミラー面の熱変形を抑えることが可能となる。その結果、光シャッタ20−4で反射されたパルスレーザ光L1およびL2の反射方向および波面を安定させることが可能となる。なお、ポッケルスセル123にも冷却装置を接続して、ポッケルスセル123の過熱を抑制するように構成されてもよい。
【0148】
12.補足説明
12.1 再生増幅器
図43に、再生増幅器30Aの一例を示す。再生増幅器30Aは、偏光ビームスプリッタ131と、COガス増幅部132と、ポッケルスセル133および136と、λ/4板134と、共振器ミラー135および137と、を備えてもよい。
【0149】
偏光ビームスプリッタ131は、たとえば薄膜ポラライザー(Thin−Film Polarizer)を用いて構成されてもよい。偏光ビームスプリッタ131は、たとえばS偏光成分の光を反射し、P偏光成分の光を透過させ得る。したがって、偏光ビームスプリッタ131は、入射したパルスレーザ光L1のうち、S偏光成分の光を再生増幅器30A内に導入し得る。図43においては、パルスレーザ光L1の進行方向をZ方向とすると、再生増幅器30A内に導入されたパルスレーザ光L1の偏光方向は、X方向となってもよい。再生増幅器30A内に導入されたパルスレーザ光L1は、2つの共振器ミラー135および137が形成する光共振器内を進行してもよい。光共振器内のパルスレーザ光L1は、COガス増幅部132を通過する際に増幅されてもよい。また、光共振器内のパルスレーザ光L1は、電圧が印加されていないポッケルスセル133を通過した後、λ/4板134を透過し、共振器ミラー135で反射されて再びλ/4板134を透過してもよい。これにより、パルスレーザ光L1の偏光方向が、X方向からY方向へ変化し得る。
【0150】
その後、パルスレーザ光L1は、再度、電圧が印加されていないポッケルスセル133を通過してもよい。ポッケルスセル133には、この通過後のタイミングで所定の高電圧パルスが印加されてもよい。高電圧パルスが印加されたポッケルスセル133は、通過する光にλ/4の位相シフトを与え得る。そのため、ポッケルスセル133に所定の高電圧パルスが印加されている期間、偏光ビームスプリッタ131を透過するパルスレーザ光L1の偏光方向が常にY方向となり得る。すなわち、ポッケルスセル133に所定の高電圧パルスが印加されている期間、光共振器内のパルスレーザ光L1は、P偏光の状態で偏光ビームスプリッタ131を透過し得る。その結果、パルスレーザ光L1が共振器内に閉じ込められ得る。
【0151】
その後、パルスレーザ光L1を出力するタイミングで、ポッケルスセル136に所定の高電圧パルスが印加されてもよい。光共振器内を往復するパルスレーザ光L1は、偏光ビームスプリッタ131を透過後、ポッケルスセル136を通過する際にλ/4の位相シフトを受け得る。それにより、パルスレーザ光L1の偏光状態が、Y方向の直線偏光から円偏光に変換され得る。その後、パルスレーザ光L1は、共振器ミラー137で反射され、再度、ポッケルスセル136を通過してもよい。その結果、パルスレーザ光L1の偏光状態が、円偏光からX方向の直線偏光に変換され得る。X方向の直線偏光となったパルスレーザ光L1は、S偏光の状態で偏光ビームスプリッタ131に入射し得る。そのため、偏光ビームスプリッタ131は、入射したパルスレーザ光L1を反射し得る。その結果、パルスレーザ光L1が、パルスレーザ光L2として、再生増幅器30Aから出力され得る。
【0152】
以上のような動作において、ポッケルスセル133および136に高電圧パルスを印加するタイミングや印加される電圧値が目的値から外れると、共振器内を往復するパルスレーザ光L1の偏光状態が正確に制御されない場合がある。その場合、偏光ビームスプリッタ131で反射されてマスタオシレータ11へ向かうS偏光の戻り光が発生し得る。光シャッタ20は、このような戻り光を遮断するための光アイソレータとして動作してもよい。また、偏光ビームスプリッタ131が所定波長範囲からずれたP偏光成分の光の一部を戻り光として反射してしまうような波長依存性を有する場合、光シャッタ20は、そのような戻り光を遮断するための光アイソレータとして動作してもよい。すなわち、光シャッタ20は、S偏光成分の戻り光とP偏光成分の戻り光との両方に対する光アイソレータとして動作するようにしてもよい。
【0153】
上記の説明は、制限ではなく単なる例示を意図したものである。従って、添付の特許請求の範囲を逸脱することなく本開示の実施の形態に変更を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
【0154】
本明細書および添付の特許請求の範囲全体で使用される用語は、限定的でない用語と解釈されるべきである。例えば、「含む」または「含まれる」という用語は、「含まれるものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。「有する」という用語は、「有するものとして記載されたものに限定されない」と解釈されるべきである。また、本明細書および添付の特許請求の範囲に記載される修飾句「1つの」は、「少なくとも1つ」または「1もしくはそれ以上」を意味すると解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0155】
1 LPP式EUV光生成装置
2 チャンバ
3、3A、3B、3C レーザ装置
4 ターゲットセンサ
5 EUV光生成制御システム
6 露光装置
61 露光装置コントローラ
11 マスタオシレータ
11〜11 半導体レーザ
12 光路調整部
20、20A、20B、20〜20、20−1〜20−4、20−U、20−D 光シャッタ
21 ウィンドウ
22 レーザ光集光ミラー
23 EUV光集光ミラー
24 貫通孔
25 プラズマ生成領域
26 ドロップレット生成器
260 ドロップレットコントローラ
27 ドロップレット
28 ターゲット回収部
29 接続部
291 壁
292 中間焦点(IF)
30、30〜30 増幅器
30A 再生増幅器
31〜33、L1、L2 パルスレーザ光
34 レーザ光進行方向制御部
40、40〜40 遅延回路
70〜70、70A、70B、70C、70D タイミングセンサ
71A ミラー
71B 光学素子
71C 空間フィルタ
72 光センサ
73 光シャッタコントローラ
80 光遅延回路
81〜84 高反射ミラー
110 コントローラ
111 レーザコントローラ
112 タイミングコントローラ
121、122 偏光子
121a〜121d、122a〜122d、126b〜126e ミラー
123、123a、123b ポッケルスセル
123A ファラデーローテータ
123B 光音響素子
124 高圧電源
124A 磁場生成源
124B RF生成器
125 ビームダンプ
126a、126f 高反射ミラー
131 偏光ビームスプリッタ
132 COガス増幅部
133、136 ポッケルスセル
135、137 共振器ミラー
134 λ/4板
221 冷却装置
222 流路
251 放射光
252、L3 EUV光
L4 漏れ光
L5 散乱光
L6 反射光
1000、1000B EUV光生成システム
M1〜M3 高反射ミラー
R1、R2 リレー光学系
TB EUV光バースト出力期間
TR EUV光バースト休止期間
Tb レーザ光バースト出力期間
Tr レーザ光バースト休止期間
TO 開放期間
TS 遮断期間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定繰返し周波数のパルスレーザ光を出力するよう構成されたマスタオシレータと、
前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器と、
前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの光シャッタと、
前記光シャッタを開閉動作させるよう構成されたコントローラと、
を備えるレーザ装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの増幅器は複数の増幅器を含み、
前記複数の増幅器のうちの少なくとも1つは再生増幅器である、
請求項1記載のレーザ装置。
【請求項3】
前記光シャッタは、
電気光学素子と、
前記電気光学素子の光入力端側に配置される第1の光フィルタと、
前記電気光学素子の光出力端側に配置される第2の光フィルタと、
前記電気光学素子に接続され、前記電気光学素子に電圧を印加するための電源と、
を備える、請求項1記載のレーザ装置。
【請求項4】
前記電気光学素子は、ポッケルスセルである、請求項3記載のレーザ装置。
【請求項5】
前記第1および第2の光フィルタは、それぞれ少なくとも1つの偏光子を含む、請求項4記載のレーザ装置。
【請求項6】
前記光シャッタは、前記少なくとも1つの偏光子および前記電気光学素子の少なくともいずれか一方を冷却するための冷却装置を備える、請求項5記載のレーザ装置。
【請求項7】
前記光シャッタは、
磁気光学素子と
前記磁気光学素子の光入力端側に配置される第3の光フィルタと、
前記磁気光学素子の光出力端側に配置される第4の光フィルタと、
前記磁気光学素子に接続され、前記磁気光学素子内部に磁場を発生させるための磁場生成源と、
を備える、請求項1記載のレーザ装置。
【請求項8】
前記磁気光学素子は、ファラデー回転子である、請求項7記載のレーザ装置。
【請求項9】
前記第3および第4の光フィルタは、それぞれ少なくとも1つの偏光子を含む、請求項8記載のレーザ装置。
【請求項10】
前記光シャッタは、前記少なくとも1つの偏光子および前記磁気光学素子の少なくともいずれか一方を冷却するための冷却装置を備える、請求項9記載のレーザ装置。
【請求項11】
前記光シャッタは、
複数の電気光学素子と、
前記複数の電気光学素子のうちの光路上流側の電気光学素子の光入力端側に配置される、第5の光フィルタと、
前記複数の電気光学素子の間に配置される、第6の光フィルタと、
前記複数の電気光学素子のうちの光路下流側の電気光学素子の光出力端側に配置される、第7の光フィルタと、
前記複数の電気光学素子に接続され、前記複数の電気光学素子に電圧を印加するための少なくとも1つの電源と、
を備える、請求項1記載のレーザ装置。
【請求項12】
前記複数の電気光学素子は、ポッケルスセルである、請求項11記載のレーザ装置。
【請求項13】
前記第5、第6および第7の光フィルタは、それぞれ少なくとも1つの偏光子を含む、請求項12記載のレーザ装置。
【請求項14】
前記光シャッタは、前記少なくとも1つの偏光子および前記複数の電気光学素子の少なくともいずれか一方を冷却するための冷却装置を備える、請求項13記載のレーザ装置。
【請求項15】
前記光シャッタは、
光音響素子と、
前記光音響素子に接続され、前記光音響素子に信号を入力するための信号生成器と、
を備える、請求項1記載のレーザ装置。
【請求項16】
前記マスタオシレータは、前記所定繰返し周波数で連続してパルス発振することで前記パルスレーザ光を出力するよう構成され、
前記コントローラは、前記マスタオシレータの前記連続パルス発振中に前記少なくとも1つの光シャッタを開閉動作させることで、前記パルスレーザ光をバースト出力させるよう構成される、
請求項1記載のレーザ装置。
【請求項17】
前記コントローラは、外部から入力された信号を基準として、前記少なくとも1つの光シャッタを開閉動作させるよう構成される、請求項1記載のレーザ装置。
【請求項18】
外部から入力された前記信号は、前記パルスレーザ光の照射対象であるターゲット物質の検出信号である、請求項17記載のレーザ装置。
【請求項19】
所定繰返し周波数のパルスレーザ光を出力するよう構成されたマスタオシレータ、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの増幅器、前記パルスレーザ光の光路上に配置される少なくとも1つの光シャッタ、および前記光シャッタを開閉動作させるよう構成されたコントローラを含むレーザ装置と、
チャンバと、
前記チャンバに取り付けられ、前記チャンバ内の所定の領域にターゲット物質を供給するためのターゲット供給装置と、
前記レーザ装置から出力されたパルスレーザ光を前記チャンバ内の前記所定の領域に集光するための集光光学素子と、
を備える、極端紫外光生成システム。
【請求項20】
前記コントローラは、前記マスタオシレータへ前記所定繰返し周波数のトリガ信号を入力することで、該マスタオシレータを前記所定繰返し周波数で連続してパルス発振させるよう構成され、
前記ターゲット供給装置は、前記トリガ信号の出力タイミングから算出されたタイミングで前記ターゲット物質を前記チャンバ内へ供給するよう構成される、
請求項19記載の極端紫外光生成システム。
【請求項21】
前記ターゲット物質が前記チャンバ内の前記所定の位置を通過したタイミングを検出するためのターゲットセンサをさらに備える、請求項19記載の極端紫外光生成システム。
【請求項22】
前記ターゲット供給装置は、前記所定繰返し周波数で前記ターゲット物質を前記チャンバ内へ供給するよう構成され、
前記コントローラは、前記ターゲットセンサによって前記ターゲット物質が検出されたタイミングを基準として、前記マスタオシレータへ前記トリガ信号を入力するとともに、前記少なくとも1つの光シャッタを開閉動作させるよう構成される、
請求項21記載の極端紫外光生成システム。
【請求項23】
前記コントローラは、外部から入力された要求に基づいて前記マスタオシレータの発振中に前記少なくとも1つの光シャッタを開閉動作させることで、前記パルスレーザ光をバースト出力させるよう構成される、
請求項19記載の極端紫外光生成システム。
【請求項24】
前記ターゲット供給装置は、前記レーザ装置から前記パルスレーザ光がバースト出力されている期間、前記ターゲット物質を前記チャンバ内の前記所定の領域に供給するよう構成される、請求項23記載の極端紫外光生成システム。
【請求項25】
前記コントローラは、前記パルスレーザ光が前記光シャッタを通過する期間、前記光シャッタを開状態にするための開閉パルス信号と、前記パルスレーザ光がバースト出力される期間、前記光シャッタを開状態にするためのゲートパルス信号と、の論理積に基づいて、前記光シャッタを開閉動作させるよう構成される、請求項19記載の極端紫外光生成システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【公開番号】特開2013−65804(P2013−65804A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−250333(P2011−250333)
【出願日】平成23年11月16日(2011.11.16)
【出願人】(300073919)ギガフォトン株式会社 (227)
【Fターム(参考)】