説明

レーンジング実行方法及び装置

【課題】M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジングを実行する方法及び装置を提供する。
【解決手段】M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジング実行方法において、M2M機器がアイドルモードに進入し、前記アイドルモードのM2M機器が基地局から専用レーンジングチャネル割当を指示するページングメッセージを受信し、前記ページングメッセージは、専用レーンジングチャネル情報と専用チャネル割当タイマを含み、及び前記M2M機器が前記基地局に前記専用レーンジングチャネル情報によってレーンジングコードを送信することを含み、前記専用レーンジングチャネル情報は、前記専用チャネル割当タイマにより指示される時間区間中に有効であることを特徴とする方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信に関し、より詳しくは、M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジングを実行する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
M2M(Machine To Machine)通信(または、MTC(Machine Type Communication)という)は、人間の相互作用(human interaction)が必要でない一つ以上のエンティティ(entity)を含むデータ通信の一形態である。即ち、M2M通信とは、人間が使用する端末でない機械装置が既存無線通信ネットワークを用いて通信することを意味する。M2M通信に使われる機械装置をM2M機器(M2M device)といい、M2M機器は、自動販売機、ダムの水位を測定する機械など多様である。
【0003】
M2M機器の特性は一般的な端末と異なるため、M2M通信に最適化されたサービスは人と人(human to human)の通信に最適化されたサービスと異なる。M2M通信は、現在のモバイルネットワーク通信サービスに比べて、互いに異なるマーケットシナリオ(market scenario)、データ通信、低コストと努力、潜在的に相当多くの数のM2M機器、広いサービス領域、及びM2M機器当たり低いトラフィックなどにより特徴付けられることができる。
【0004】
レーンジング(Ranging)は、アップリンク同期化の開始や維持に使われる手順である。レーンジングは、初期レーンジング(initial ranging)と周期的レーンジング(periodic ranging)の2つがある。ダウンリンク同期化後に、移動局は、基地局と初期レーンジングを実行する。レーンジング過程が成功的に完了すると、移動局は、基地局とアップリンク同期化される。周期的レーンジングは、移動局の正しいアップリンク送信パラメータを維持する過程である。
【0005】
レーンジングは、一般的に移動局間に衝突が発生するコンテンションベースのレーンジング(contention based ranging)である。例えば、2つの移動局が同じレーンジングチャネルを介して同じレーンジングコードを送信すると仮定する。基地局は、全てのレーンジングコードを受信することができない、或いはただ一つのレーンジングコードのみを受信することができる。これは少なくとも一つの移動局がランダムバックオフ(random backoff)後に他のレーンジングコードを再送信することを意味する。衝突は、移動局がレーンジングを同時に実行する時に発生することができる。
【0006】
コンテンションベースのレーンジングで衝突確率を減らすために、専用レーンジングチャネル(dedicated ranging channel)の割当が提案されている。
【0007】
然しながら、専用レーンジングチャネルを用いてレーンジングを実行するためにM2M通信の特徴を考慮する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、M2M(Machine To Machine)通信のためのレーンジングを実行する方法及び装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一態様で、M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジング実行方法が提供される。前記方法は、M2M機器がアイドルモードに進入し、前記アイドルモードのM2M機器が基地局から専用レーンジングチャネル割当を指示するページングメッセージを受信し、前記ページングメッセージは、専用レーンジングチャネル情報と専用チャネル割当タイマを含み、及び前記M2M機器が前記基地局に前記専用レーンジングチャネル情報によってレーンジングコードを送信することを含む。前記専用レーンジングチャネル情報は、前記専用チャネル割当タイマにより指示される時間区間中に有効である。
【0010】
他の態様で、M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジングを実行するM2M機器が提供される。前記M2M機器は、無線信号を送受信するRF(radio frequency)部、及び前記RF部と連結されるプロセッサを含み、前記プロセッサは、アイドルモードに進入し、前記アイドルモードで基地局から専用レーンジングチャネル割当を指示するページングメッセージを受信し、前記ページングメッセージは、専用レーンジングチャネル情報と専用チャネル割当タイマを含み、及び前記基地局に前記専用レーンジングチャネル情報によってレーンジングコードを送信するように前記RF部に指示する。前記専用レーンジングチャネル情報は、前記専用チャネル割当タイマにより指示される時間区間中に有効である。
【0011】
例えば、本願発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジング実行方法において、
M2M機器がアイドルモードに進入し、
前記アイドルモードのM2M機器が基地局から専用レーンジングチャネル割当を指示するページングメッセージを受信し、前記ページングメッセージは、専用レーンジングチャネル情報と専用チャネル割当タイマを含み、及び
前記M2M機器が前記基地局に前記専用レーンジングチャネル情報によってレーンジングコードを送信することを含み、
前記専用レーンジングチャネル情報は、前記専用チャネル割当タイマにより指示される時間区間中に有効であることを特徴とする方法。
(項目2)
前記M2M機器が基地局からシステム設定記述(system configuration descriptor)メッセージを受信することをさらに含み、前記システム設定記述メッセージは、基本専用レーンジングチャネル情報を含み、前記専用レーンジングチャネル情報は、前記基本専用レーンジングチャネル情報に追加的に割り当てられることを特徴とする上記項目に記載の方法。
(項目3)
前記専用レーンジングチャネル情報は、レーンジング機会(ranging opportunity)とM2M周期を含み、前記レーンジング機会は、前記レーンジングコードが送信されることができる少なくとも一つのサブフレームを指示し、前記M2M周期は、前記M2M機器に専用レーンジングを実行する周期を指示することを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
前記専用レーンジングチャネル情報は、前記基本専用レーンジングチャネル情報と異なることを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
前記専用レーンジングチャネル情報が前記基本専用レーンジングチャネル情報と異なる時、前記専用チャネル割当タイマは、前記ページングメッセージに含まれることを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記システム設定記述メッセージは、前記基地局により周期的にブロードキャストされることを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
前記ページングメッセージは、前記M2M機器が属するM2Mグループを識別するM2Mグループ識別子をさらに含むことを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジングを実行するM2M機器において、
無線信号を送受信するRF(radio frequency)部;及び、
前記RF部と連結されるプロセッサ;を含み、
前記プロセッサは、
アイドルモードに進入し、
前記アイドルモードで基地局から専用レーンジングチャネル割当を指示するページングメッセージを受信し、前記ページングメッセージは、専用レーンジングチャネル情報と専用チャネル割当タイマを含み、及び
前記基地局に前記専用レーンジングチャネル情報によってレーンジングコードを送信するように前記RF部に指示し、
前記専用レーンジングチャネル情報は、前記専用チャネル割当タイマにより指示される時間区間中に有効であることを特徴とするM2M機器。
(項目9)
前記プロセッサは、基地局からシステム設定記述(system configuration descriptor)メッセージを受信し、前記システム設定記述メッセージは、基本専用レーンジングチャネル情報を含み、前記専用レーンジングチャネル情報は、前記基本専用レーンジングチャネル情報に追加的に割り当てられることを特徴とする上記項目に記載のM2M機器。
(項目10)
前記専用レーンジングチャネル情報は、レーンジング機会(ranging opportunity)とM2M周期を含み、前記レーンジング機会は、前記レーンジングコードが送信されることができる少なくとも一つのサブフレームを指示し、前記M2M周期は、前記M2M機器に専用レーンジングを実行する周期を指示することを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載のM2M機器。
(項目11)
前記専用レーンジングチャネル情報は、前記基本専用レーンジングチャネル情報と異なることを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載のM2M機器。
(項目12)
前記専用レーンジングチャネル情報が前記基本専用レーンジングチャネル情報と異なる時、前記専用チャネル割当タイマは、前記ページングメッセージに含まれることを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載のM2M機器。
(項目13)
前記システム設定記述メッセージは、前記基地局により周期的にブロードキャストされることを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載のM2M機器。
(項目14)
前記ページングメッセージは、前記M2M機器が属するM2Mグループを識別するM2Mグループ識別子をさらに含むことを特徴とする上記項目のいずれか一項に記載のM2M機器。
【0012】
(摘要)
M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジングを実行する方法及び装置を提供する。M2M機器が基地局から専用レーンジングチャネル割当を指示するページングメッセージを受信する。前記専用レーンジングチャネル割当は、専用チャネル割当タイマにより指示される時間区間中に有効である。
【発明の効果】
【0013】
コンテンションベースのレーンジングで専用レーンジングチャネルを用い、衝突確率を減少させ、レーンジングによるバッテリ消耗を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】M2M(Machine To Machine)通信の一例を示す。
【図2】IEEE802.16mシステムのフレーム構造の一例を示す。
【図3】IEEE802.16mでの動作遷移ダイアグラムを示す。
【図4】IEEE802.16mで初期レーンジング過程を示す流れ図である。
【図5】本発明の一実施例に係るレーンジング実行方法を示す流れ図である。
【図6】本発明の実施例が具現される無線通信システムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
図1は、M2M(Machine To Machine)通信の一例を示す。
【0016】
M2M通信は、MTC(Machine Type Communication)とも呼び、人間相互作用(human interaction)のない基地局15を介するM2M機器11、12間の情報交換または基地局を介するM2M機器11とM2Mサーバ18との間の情報交換を意味する。
【0017】
M2Mサーバ18は、M2M機器11と通信するエンティティ(entity)である。M2Mサーバは、M2Mアプリケーションを実行し、M2M機器11にM2M特定サービスを提供する。
【0018】
M2M機器11は、M2M通信を提供する無線機器であり、固定されたり移動性を有することができる。M2M機器は、MTC機器とも呼ぶ。
【0019】
M2M通信を介して提供されるサービスは、既存の人が介入する通信でのサービスとは差別性を有し、追跡(Tracking)、計量(Metering)、支払(Payment)、医療分野サービス、リモートコントロールなど、多様な分野のサービスが存在する。
【0020】
M2M特性(feature)の個別サービス要求事項の代表的な例は、次の通りである。
【0021】
1)時間制御(time controlled)特性:これはM2M機器が予め定義された特定区間でのみデータを送信したり受信することを意味する。従って、予め定義された特定区間外での不必要なシグナリングを防止することができる。
【0022】
2)時間寛容(time tolerant)特性:これはM2M機器がデータ伝達を遅延させることができることを意味する。ネットワークオペレータは、ネットワークの負荷が予め決定された負荷閾値(threshold)より大きい場合、M2M機器のネットワークへの接続または他のMTC装置へのデータ送信などを制限し、特定領域でMTC装置が伝達することができるデータの量を動的に制限することができる。
【0023】
3)オフライン指示(offline indication)特性:これはM2M機器とネットワークとの間にシグナリングがこれ以上可能でない場合、適切な時期にM2M機器に通報を要求することを意味する。
【0024】
4)PAM(Priority Alarm Message)特性:これはM2M機器が窃盗、バンダリズム(vandalism)または直ちに注意を要する非常事態が発生した場合、優先的にネットワークに警報することを意味する。
【0025】
一つのセル(または基地局)に数百〜数千のM2M機器の配置が考慮されている。従って、既存の端末識別子のみではM2M機器の識別が難しくて、次のような識別子が考慮されている。
【0026】
STID(Station identifier):基地局の領域(domain)でM2M機器を識別する識別子である。基地局は、複数のM2M機器に同じSTIDを割り当てることができる。
【0027】
MGID(M2M Group Identifier):MGIDは、M2Mグループ領域(group zone)内でM2M機器のグループにより共有されるマルチキャストサービスフロー(multicast service flow)を唯一に(uniquely)識別するために使われる12ビット識別子である。M2Mグループ領域(group zone)は、一つまたはその以上の基地局を含む論理的な領域である。M2Mグループ領域は、M2Mグループ領域インデックスにより識別される。MGIDは、DSA(dynamic service addition)過程で割り当てられる。ネットワークから出たりサービスフローが削除されない限り、M2M機器はアイドルモードでもMGIDを維持する。
【0028】
以下、2010年11月24日に掲示されたIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)P802.16m/D10“Part 16:Air Interface for Broadband Wireless Access Systems:Advanced Air Interface”の16.2.18節を参照し、IEEE802.16mベースのシステムでのアイドルモード動作に対して記述する。ただし、本発明が適用される無線通信システムがIEEE802.16mベースのシステムに制限されるものではなく、3GPP(3rd Generation Partnership Project)LTE(long term evolution)等、多様な無線通信システムに適用されることができる。
【0029】
図2は、IEEE802.16mシステムのフレーム構造の一例を示す。
【0030】
スーパーフレーム(SF;Superframe)は、スーパーフレームヘッダ(SFH;Superframe Header)と4個のフレーム(frame)F0、F1、F2、F3を含む。スーパーフレーム内の各フレームの長さは同じである。スーパーフレームの大きさは20msであり、各フレームの大きさは5msである。
【0031】
フレームは、複数のサブフレーム(subframe)SF0、SF1、SF2、SF3、SF4、SF5、SF6、SF7を含む。サブフレームは、アップリンク送信またはダウンリンク送信のために使われることができる。サブフレームは、時間領域(time domain)で複数のOFDM(orthogonal frequency division multiplexing)シンボルを含む。OFDMシンボルは、一つのシンボル区間(symbol period)を表現するためのものであり、その名称に多重接続方式の制限があるのではない。
【0032】
サブフレームは、6個のOFDMシンボルを含む。これは例示に過ぎず、サブフレームは、5、7または9個のOFDMシンボルを含むことができ、これに制限されるものではない。
【0033】
サブフレームに含まれるOFDMAシンボルの数によってサブフレームのタイプ(type)が定義されることができる。例えば、タイプ−1サブフレームは6OFDMAシンボル、タイプ−2サブフレームは7OFDMAシンボル、タイプ−3サブフレームは5OFDMAシンボル、タイプ−4サブフレームは9OFDMAシンボルを含むと定義されることができる。
【0034】
フレームにはTDD(Time Division Duplex)方式またはFDD(Frequency Division Duplex)方式が適用されることができる。TDDフレーム内のサブフレームは、アップリンクサブフレームとダウンリンクサブフレームに区分されることができる。
【0035】
スーパーフレームの大きさ、スーパーフレームに含まれるフレームの数、フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム内のOFDMシンボルの個数は変更されることができ、これに制限されるものではない。
【0036】
SFHは、必須システムパラメータ(essential system parameter)及びシステム設定情報(system configuration information)を運ぶことができる。SFHは、スーパーフレーム内の1番目のサブフレームの最後の5個のOFDMシンボルで送信されることができる。
【0037】
PRU(physical resource unit)は、基本的なリソース割当単位であり、同じサブフレームの連続的なOFDMシンボルで18個の副搬送波を含む。
【0038】
IEEE802.16mシステムで、A−MAP(advanced−MAP)は、サービス制御情報を運ぶ。非ユーザ特定(non−user specific)A−MAPは、特定ユーザや特定ユーザグループに限定されない情報を運ぶ。HARQ(Hybrid Automatic Repeat Request)フィードバックA−MAPは、アップリンクデータ送信に対するHARQ ACK/NACK情報を運ぶ。パワー制御A−MAPは、移動局(mobile station;MS)にパワー制御命令を運ぶ。
【0039】
割当(assignment)A−MAPは、リソース割当情報を運ぶ。割当A−MAPは、DL(downlink)基本割当(Basic Assignment)A−MAP、UL(uplink)基本割当A−MAP、CDMA(code division multiple access)割当(Allocation)A−MAPなどのような複数のタイプを含む。
【0040】
CDMA割当A−MAPは、帯域幅要求によるULリソース割当またはレーンジング要求によるULリソース割当を含む。
【0041】
全てのA−MAPは、A−MAP領域(region)という物理的リソース領域を共有する。A−MAP領域は、各ダウンリンクサブフレーム毎に存在する。
【0042】
A−MAPは、IEEE802.16mベースのシステムで基地局と移動局との間の通信のための制御情報の一例である。無線通信システムでよって、A−MAPは、制御情報、制御チャネル、リソース割当情報など、多様に呼ばれる。
【0043】
図3は、IEEE802.16mでの動作遷移ダイアグラムを示す。
【0044】
初期状態(initialization state)で、移動局(mobile station;MS)は、同期化及びシステム設定を受信してセル選択を実行する。
【0045】
接続状態(access state)で、移動局は、ネットワーク進入(network entry)を実行する。ネットワーク進入は、基地局とのレーンジング(ranging)、基本力量交渉(basic capability negotiation)、及び認証(authentication)を含む手順である。
【0046】
連結状態(connected state)で、移動局は、スリープモード(sleep mode)、活性モード(active mode)、及びスキャニングモード(scanning mode)のうち一つで動作する。連結状態中、移動局は、接続状態中に確立された連結を維持する。活性モードの移動局は、常にスケジューリングされたデータを送信または受信することができる。スリープモードで、無線フレームは、スリープウィンドウとリスニングウィンドウ(listening window)に分けられる。スリープモードの移動局は、リスニングウィンドウ中、基地局からデータを受信することができる。スキャニングモードの移動局は、基地局により指示された測定を実行する。
【0047】
アイドル状態で、移動局は、アイドルモードで動作する。アイドルモードで、ページングリスニング区間(paging listening interval)とページング不可区間(paging unavailable interval)を含む。基地局は、ページング不可区間でページングメッセージなど、どのようなダウンリンクトラフィックを送信しない。ページング不可区間中、移動局は、電源をオンし、周辺基地局をスキャンし、選好する基地局を選択し、レーンジングを実行し、基地局のDL(downlink)トラフィックの有用性を保障しない他の活動を実行することができる。移動局は、ページングサイクルとページングオフセットに基づいてページングリスニング区間の開始を得ることができる。一つのページングサイクルは、ページングリスニング区間とページング不可区間を含む。ページングオフセットは、ページングサイクル内でページングリスニング区間が開始されるスーパーフレームの決定に使用する。
【0048】
レーンジングは、UL(uplink)同期化の開始や維持に使われる過程である。レーンジングは、正しいタイミングオフセット、周波数オフセット、及びパワーオフセットを獲得して移動局の送信が基地局と整列されるようにし、移動局が適当な受信範囲内で受信するようにする。初期レーンジングと周期的レーンジング、2つのレーンジングがある。DL同期化後に、移動局は、基地局と初期レーンジングを実行するように試みる。もし、レーンジング過程が成功的に完了すると、移動局と基地局との間にUL同期化が成立する。周期的レーンジングは、正しい移動局の送信パラメータを維持する過程である。
【0049】
図4は、IEEE802.16mで初期レーンジング過程を示す流れ図である。
【0050】
ステップS410で、DL同期化とUL送信パラメータを獲得した後、移動局は、一つのレーンジングコードと一つのレーンジングチャネルを選択し、選択されたレーンジングチャネルで基地局に選択されたレーンジングコードを送信する。移動局は、ランダムバックオフ(random backoff)を用いて全ての可用なレーンジングチャネルからレーンジングチャネルを選択することができる。
【0051】
ステップS420で、基地局は、レーンジングコードに対する応答としてRNG−ACK(ranging acknowledgement)メッセージを送信する。
【0052】
ステップS430で、RNG−ACKで‘成功’状態通知を受信すると、移動局は、UL BW割当(例えば、CDMA割当A−MAP)を受信する。もし、UL BW割当のためのCDMA割当A−MAPを受信することができないと、移動局は、初期レーンジング過程を再開始することができる。
【0053】
ステップS440で、UL BW割当を受信すると、移動局は、RNG−REQ(ranging request)メッセージを送信する。
【0054】
ステップS450で、基地局は、RNG−RQメッセージに対する応答としてRNG−RSP(ranging response)メッセージを送信する。
【0055】
アイドルモードで、移動局は、ネットワーク再進入のためのレーンジングコードを送信することができる。レーンジングコードは、複数のコード集合から任意に選択され、これをコンテンションベースのレーンジングという。
【0056】
M2M通信で、基地局の領域に数百〜数千のM2M機器が考慮されている。M2M機器の数が相当多いため、コンテンションベースのレーンジングで衝突確率が相当増加することができる。
【0057】
低いバッテリ消耗は、M2M機器のための重要な設計要素のうち一つである。衝突による反復的レーンジングは、バッテリ効率を悪化させることができる。
【0058】
従って、コンテンションベースのレーンジングで衝突確率を減らすために、M2M機器のための専用レーンジングチャネル割当(例えば、レーンジング機会(ranging opportunity))が提案されている。M2M機器に専用レーンジングチャネルがレーンジングを実行する前に割り当てられる。M2M機器は、専用レーンジングチャネルを介してレーンジングコードを送信する。この専用レーンジングチャネル割当は衝突確率を減らすことができる。
【0059】
然しながら、現在論議されている専用レーンジングチャネル割当は、アイドルモードでの動作を考慮していない。
【0060】
本発明は、アイドルモードのM2M機器に専用レーンジングチャネルを割り当てる方法を提案する。
【0061】
また、本発明は、複数の専用レーンジングチャネルがM2M機器に割り当てられる時、M2M機器が専用レーンジングチャネルを扱う方法を提案する。
【0062】
アイドルモードでM2M機器に割り当てられることができる2つのIDがある。
【0063】
(1)FMDID(Fixed M2M Deregistration Identifier):基地局の領域でM2M機器を唯一に識別するために使われる16ビット識別子である。FMDIDは、アイドルモード進入(idle mode entry)中にM2M機器に割り当てられ、M2M機器がネットワーク再進入(network reentry)中に解除される。
【0064】
(2)DID(Deregistration identifier):ページンググループID、ページングサイクル、及びページングオフセットの集合内でアイドルモードで機器の識別に使われる18ビット識別子である。ネットワークは、アイドルモード開始中、各機器にDIDを割り当てることができる。
【0065】
FMDISは、基地局の領域でM2M機器の識別に使われ、DIDは、ページンググループまたはページング制御器の領域でM2M機器の識別に使われる。
【0066】
図5は、本発明の一実施例に係るレーンジング実行方法を示す流れ図である。
【0067】
ステップS510で、M2M機器は、基本専用レーンジングチャネル割当を基地局から受信する。前記基本専用レーンジングチャネル割当は、SCD(System Configuration Descriptor)メッセージに含まれることができる。
【0068】
SCDメッセージは、基地局が周期的にブロードキャストし、システム設定を定義する。SCDメッセージ内の設定変化カウント(Configuration Change Count)は、メッセージの内容が変わるたびに1ずつモジュロ演算により増加する。
【0069】
表1は、SCDメッセージのフォーマットの一例を示す。
【0070】
【表1】

基本専用レーンジングチャネル割当は、M2Mレーンジング指示子が0b01に設定される時、SCDメッセージ内の専用レーンジングチャネル情報(例えば、レーンジング機会及び/またはM2M周期)を含む。
【0071】
ステップS520で、M2M機器は、アイドルモードに進入する。アイドルモードへの進入は、M2M機器の要求によりまたは基地局からの命令により実行されることができる。
【0072】
例えば、M2M機器がアイドルモードに進入するために、M2M機器は、基地局にアイドルモードへの進入を要求するDREG−REG(Deregistration−Request)メッセージを送る。M2M機器は、基地局からアイドルモードの開始を指示するDREG−RSP(Deregistration−Response)メッセージを受信する。
【0073】
または、基地局は、M2M機器にアイドルモードへの進入を許容するDREG−CMD(Deregistration−Command)メッセージを送ることができる。
【0074】
ステップS530で、M2M機器は、基地局からページングメッセージを受信する。ページングメッセージは、PAG−ADV(paging advertisement)メッセージである。
【0075】
PAG−ADVメッセージは、PAG−ADVメッセージが専用レーンジングチャネル情報を有するとの専用レーンジングチャネル割当を指示することができる。
【0076】
PAG−ADVメッセージは、グループページングメッセージ及び/または個別ページングメッセージである。グループページングメッセージはMGIDを有し、個別ページングメッセージはDID及び/またはFMDIDを有することができる。
【0077】
表2は、PAG−ADVメッセージのフォーマットの一例を示す。
【0078】
【表2】

専用チャネル割当タイマは、PAG−AVDメッセージ内の専用レーンジングチャネル割当の有効性を定義するときに使われることができる。割り当てられた専用レーンジングチャネルは、専用チャネル割当タイマ中に有効である。
【0079】
アイドルモードのM2M機器に2個の専用レーンジングチャネルが割り当てられることができる。専用チャネル割当タイマが動作中、PAG−ADVメッセージ内の専用レーンジングチャネル割当は有効であり、基本専用レーンジングチャネル割当は有効でない。専用チャネル割当タイマが満了すると、基本専用レーンジングチャネル割当が有効である。
【0080】
もし、PAG−ADVメッセージを介して割り当てられた専用レーンジングチャネル割当がSCDメッセージを介して割り当てられた基本専用レーンジングチャネル割当と異なると、専用チャネル割当タイマがPAG−ADVメッセージ内に含まれることができる。
【0081】
ステップS540で、M2M機器は、一つのレーンジングコードを選択し、専用チャネル割当タイマ中、専用レーンジングチャネル割当によって選択されたレーンジングコードを送信する。
【0082】
基地局は、SCDメッセージまたはページングメッセージを介して複数の専用レーンジングチャネルをM2M機器に割り当てることができる。M2M機器は、専用チャネル割当タイマに基づいて複数の専用レーンジングチャネルのうち一つを選択することができる。
【0083】
コンテンションベースのレーンジングで専用レーンジングチャネルを用い、衝突確率を減少させ、レーンジングによるバッテリ消耗を減らすことができる。
【0084】
前記表で、フィールド名、大きさ、及びフィールド値は、例示に過ぎない。当業者であれば、異なる用語及び異なる値に容易に変更することができる。表の全てのフィールドが必須なものではなく、特定フィールドが省略されたり、さらに追加されることができる。
【0085】
図6は、本発明の実施例が具現される無線通信システムを示すブロック図である。
【0086】
MTC機器50は、プロセッサ(processor)51、メモリ(memory)52及、びRF部(RF(radio frequency)unit)53を含む。メモリ52は、プロセッサ51と連結され、プロセッサ51を駆動するための多様な情報を格納する。RF部53は、プロセッサ51と連結され、無線信号を送信及び/または受信する。プロセッサ51は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。前述した図5の実施例で、M2M機器の動作は、プロセッサ51により具現されることができる。プロセッサ51は、専用レーンジングチャネル割当を受信し、専用レーンジングチャネル割当を用いてレーンジングを実行することができる。
【0087】
基地局60は、プロセッサ61、メモリ62、及びRF部63を含む。メモリ62は、プロセッサ61と連結され、プロセッサ61を駆動するための多様な情報を格納する。RF部63は、プロセッサ61と連結され、無線信号を送信及び/または受信する。プロセッサ61は、提案された機能、過程及び/または方法を具現する。前述した図5の実施例で、基地局の動作は、プロセッサ61により具現されることができる。プロセッサ61は、専用レーンジングチャネルを割り当てるためにSCDメッセージ及びページングメッセージを送ることができる。
【0088】
プロセッサは、ASIC(application−specific integrated circuit)、他のチップセット、論理回路及び/またはデータ処理装置を含むことができる。メモリは、ROM(read−only memory)、RAM(random access memory)、フラッシュメモリ、メモリカード、格納媒体及び/または他の格納装置を含むことができる。RF部は、無線信号を処理するためのベースバンド回路を含むことができる。実施例がソフトウェアで具現される時、前述した技法は、前述した機能を遂行するモジュール(過程、機能など)で具現されることができる。モジュールは、メモリに格納され、プロセッサにより実行されることができる。メモリは、プロセッサの内部または外部にあり、よく知られた多様な手段でプロセッサと連結されることができる。
【0089】
前述した例示的なシステムで、方法は一連のステップまたはブロックで順序図に基づいて説明されているが、本発明はステップの順序に限定されるものではなく、あるステップは前述と異なるステップと異なる順序にまたは同時に発生することができる。また、当業者であれば、順序図に示すステップが排他的でなく、異なるステップが含まれたり、順序図の一つまたはその以上のステップが本発明の範囲に影響を及ぼさずに削除可能であることを理解することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジング実行方法において、
M2M機器がアイドルモードに進入し、
前記アイドルモードのM2M機器が基地局から専用レーンジングチャネル割当を指示するページングメッセージを受信し、前記ページングメッセージは、専用レーンジングチャネル情報と専用チャネル割当タイマを含み、及び
前記M2M機器が前記基地局に前記専用レーンジングチャネル情報によってレーンジングコードを送信することを含み、
前記専用レーンジングチャネル情報は、前記専用チャネル割当タイマにより指示される時間区間中に有効であることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記M2M機器が基地局からシステム設定記述(system configuration descriptor)メッセージを受信することをさらに含み、前記システム設定記述メッセージは、基本専用レーンジングチャネル情報を含み、前記専用レーンジングチャネル情報は、前記基本専用レーンジングチャネル情報に追加的に割り当てられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記専用レーンジングチャネル情報は、レーンジング機会(ranging opportunity)とM2M周期を含み、前記レーンジング機会は、前記レーンジングコードが送信されることができる少なくとも一つのサブフレームを指示し、前記M2M周期は、前記M2M機器に専用レーンジングを実行する周期を指示することを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記専用レーンジングチャネル情報は、前記基本専用レーンジングチャネル情報と異なることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記専用レーンジングチャネル情報が前記基本専用レーンジングチャネル情報と異なる時、前記専用チャネル割当タイマは、前記ページングメッセージに含まれることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記システム設定記述メッセージは、前記基地局により周期的にブロードキャストされることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項7】
前記ページングメッセージは、前記M2M機器が属するM2Mグループを識別するM2Mグループ識別子をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
M2M(Machine To Machine)通信におけるレーンジングを実行するM2M機器において、
無線信号を送受信するRF(radio frequency)部;及び、
前記RF部と連結されるプロセッサ;を含み、
前記プロセッサは、
アイドルモードに進入し、
前記アイドルモードで基地局から専用レーンジングチャネル割当を指示するページングメッセージを受信し、前記ページングメッセージは、専用レーンジングチャネル情報と専用チャネル割当タイマを含み、及び
前記基地局に前記専用レーンジングチャネル情報によってレーンジングコードを送信するように前記RF部に指示し、
前記専用レーンジングチャネル情報は、前記専用チャネル割当タイマにより指示される時間区間中に有効であることを特徴とするM2M機器。
【請求項9】
前記プロセッサは、基地局からシステム設定記述(system configuration descriptor)メッセージを受信し、前記システム設定記述メッセージは、基本専用レーンジングチャネル情報を含み、前記専用レーンジングチャネル情報は、前記基本専用レーンジングチャネル情報に追加的に割り当てられることを特徴とする請求項8に記載のM2M機器。
【請求項10】
前記専用レーンジングチャネル情報は、レーンジング機会(ranging opportunity)とM2M周期を含み、前記レーンジング機会は、前記レーンジングコードが送信されることができる少なくとも一つのサブフレームを指示し、前記M2M周期は、前記M2M機器に専用レーンジングを実行する周期を指示することを特徴とする請求項9に記載のM2M機器。
【請求項11】
前記専用レーンジングチャネル情報は、前記基本専用レーンジングチャネル情報と異なることを特徴とする請求項9に記載のM2M機器。
【請求項12】
前記専用レーンジングチャネル情報が前記基本専用レーンジングチャネル情報と異なる時、前記専用チャネル割当タイマは、前記ページングメッセージに含まれることを特徴とする請求項11に記載のM2M機器。
【請求項13】
前記システム設定記述メッセージは、前記基地局により周期的にブロードキャストされることを特徴とする請求項9に記載のM2M機器。
【請求項14】
前記ページングメッセージは、前記M2M機器が属するM2Mグループを識別するM2Mグループ識別子をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載のM2M機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−55658(P2013−55658A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−191943(P2012−191943)
【出願日】平成24年8月31日(2012.8.31)
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】