説明

ログファイル共通管理システムおよびログファイル共通管理方法およびそのためのプログラム

【課題】処理結果の判定を実施しログ情報の一元管理とともに、その対応を自動化することが可能なログファイル共通管理技術の提供。
【解決手段】業務処理プログラムの処理結果であるログファイルを共通管理するログファイル共通管理システムにおいて、業務処理を行う業務プログラムから共通フォーマット化されたログファイルを作成する共通ログファイル作成モジュール102と、該共通ログファイル作成モジュール102により作成されたログファイルを読み込み一元管理するために処理結果ログテーブル106に格納するログ収集プログラム104と、処理結果ログテーブル106に格納されたログファイルの内容を元に障害が発生したかどうかを判定し、障害が発生している場合にはリカバリー処理を自動実施し、障害が発生していない場合には予め設定されているあて先に障害内容をメール送信するログ解析・次処理判定プログラム107を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンピュータを利用する業務システムの運用において、処理結果であるログファイルを共通管理するログファイル共通管理技術に係り、特に、業務処理結果の確認、業務的障害の判定、その判定に伴う次処理の自動化や対策の自動化などを可能にするためのログファイル共通管理技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、コンピュータシステムを用いたデータ処理において、プログラムの実行に伴う処理結果・エラー情報をログファイルに記録しておき、該ログファイルから処理結果・エラー情報を取り出して処理結果の確認や処理状態の解析に利用するのが一般的であった。
【0003】
しかし、ログファイルには様々な情報が書き込まれるため、目的に沿った情報を迅速に取り出すことは難しい。そこで、ログファイル中の多数の中から目的とする処理結果やエラー情報を迅速に取り出す従来技術として、例えば、特開2002−328817号公報「ログファイル作成制御システム」(特許文献1)に開示されたコンピュータシステムのログファイルの管理技術が提案されている。
【0004】
特許文献1には、ログファイルから目的に沿う情報を迅速に取り出すことを可能にするために、システム全体の動作履歴をログファイルとして出力する通常ログファイル作成プログラムおよびプログラム単位毎や日付毎にプログラム特有の情報やエラー情報をログファイルとして出力する専用ログファイル作成プログラムを業務プログラム作成時に埋め込んでおき、システム実行時に、プログラム内の動作毎に当該プログラムを呼び出し、目的毎にログ情報を別々のファイル(通常ログファイルと専用ログファイル)に出力してログファイルを管理するようにしたものが開示されている。これにより、所望の情報を迅速に参照でき、また各プログラムの日付単位の動作履歴を確認することを可能にしている。
【0005】
【特許文献1】特開2002-328817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般にコンピュータシステムの業務処理結果を確認する場合、ログファイルに各種情報を記録し、その情報を取り出し確認・分析することにより行われる。しかしながら、上述したように、ログファイルには様々な情報が書き込まれるため、目的に合致した情報を迅速に取り出すことが難しくなっている。
【0007】
このため、特許文献1に開示されたようなログファイルの管理方法が提案された。ここでは、目的にあった情報を迅速に取り出すために、保管すべき情報がシステム全体の動作履歴なのかプログラム単位毎や日付毎にプログラム特有の情報やエラー情報なのかによって通常ログファイルと専用ログファイルに分けて出力するようにして、ログファイル分析の作業時間を短縮するようにしている。しかしながら、特許文献1に開示されたログファイルの管理方法は、次のような問題がある。
【0008】
a)業務プログラムにログファイル出力プログラムを埋め込む時に2種類のプログラム(通常ログファイル作成プログラムおよび専用ログファイル作成プログラム)を埋め込むため、埋め込み時に判断が必要になる。
b)出力されたログファイルは、2種類に分けられるため、確認の内容によっては両方のファイルを参照しなければならない。このため、ある程度の経験・知識が必要になる。
c)ログファイルの内容の解析(エラーや異常の原因究明等)は、経験者が知識や経験に基づいて行われるため、制約が発生し、その後の対応までに時間がかかってしまう。
【0009】
そこで、本発明の目的は、上述した問題を解決するために、コンピュータシステムの業務的な観点からの処理結果の判定を実施しログ情報の一元管理とともに、その対応を自動化することが可能なログファイル共通管理システムおよびログファイル共通管理方法およびそのためのプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係わるログファイル共通管理システムは、上記目的を達成するために、業務プログラムから共通化されたログファイルを作成する手段と、作成されたログファイルを一元管理する手段と、作成されたログファイルの内容に基づき、障害発生かどうかの判定を実施し、障害内容の連絡とリカバリー処理の自動実施を行う手段を有することを特徴としている。
【0011】
さらに詳しくは、本発明に係るシステムは、業務処理プログラムの処理結果であるログファイルを共通管理するログファイル共通管理システムにおいて、業務処理を行う業務プログラムから共通フォーマット化されたログファイルを作成する共通ログファイル作成手段(共通ログファイル作成モジュール102)と、該共通ログファイル作成手段により作成されたログファイルを読み込み一元管理するために処理結果ログテーブルに格納するログ収集手段(ログ収集プログラム104)と、該ログ収集手段により収集され前記処理結果ログテーブルに格納されたログファイルの内容を元に障害が発生したかどうかを判定し、障害が発生している場合にはリカバリー処理を自動実施し、障害が発生していない場合には予め設定されているあて先に障害内容をメール送信するログ解析・次処理判定手段(ログ解析・次処理判定プログラム107)を有する。また、前記ログファイルに設定されているコードを判定するためのメッセージテーブル(105)と、異常値のしきい値や異常発生時のリカバリー対応の対処コードを登録する結果確認コントロールテーブル(108)と、対処コードに対応した、対処方法を登録する対処パターンテーブル(109)と、対処の方法に応じてメールを送信するための送信メール情報テーブル(110)を備え、前記ログ収集手段およびログ解析・次処理判定手段はこれらのテーブルを参照して処理を実行することを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る方法は、業務処理プログラムの処理結果であるログファイルを共通管理するログファイル共通管理方法おいて、業務処理を行う業務プログラムから共通フォーマット化されたログファイルを作成する共通ログファイル作成手順(共通ログファイル作成モジュール102)と、該共通ログファイル作成手順により作成されたログファイルを読み込んで収集し一元管理するために処理結果ログテーブルに格納するログ収集手順(ログ収集プログラム104)と、該ログ収集手順により収集され処理結果ログテーブルに格納されたログファイルの内容を元に障害が発生したかどうかを判定し、障害が発生している場合にはリカバリー処理を自動実施し、障害が発生していない場合には予め設定されているあて先に障害内容をメール送信するログ解析・次処理判定手順(ログ解析・次処理判定プログラム107)を有する。
【0013】
また、本発明に係るプログラムは、コンピュータを、上記ログファイル共通管理手段における共通ログファイル作成手段と、ログ収集手段と、ログ解析・次処理判定手段として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
本発明を適用すると、コンピュータにおける業務システムの運用において共通ログファイルが作成されることにより、ログファイルの一元管理が実施されるため、結果確認の標準化が図られ、運用工数低減も実施できる。
【0015】
また、業務的な障害判定の自動化により障害発生時の迅速な対応を図ることができ、その結果としてシステムを運用するユーザへ高いレベルでの運用サービスを提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
図1は、本発明に係るログファイル共通管理システムの全体を示す構成図である。
本発明に係るログファイル共通管理システム100は、同図に示すように、コンピュータシステムAに実装されている業務プログラム(業務を行なうためのプログラム)101から、共通ログファイルを作成して出力するための共通ログファイル作成モジュール102と、出力された共通ログファイル(図では単にログファイルと記載)103を収集し、一元管理するためデータベースに登録するためのログ収集プログラム104と、ログファイル(共通ログファイル)103に設定されているコードを判定するためのメッセージテーブル105と、共通ログファイルが登録された処理結果ログテーブル106と、処理結果ログテーブル106の内容を確認・判定し、異常がある場合のリカバリー処理の指示を実施するログ解析・次処理判定プログラム107と、ログ解析・次処理判定プログラム107にて処理結果の判定を実施するため、異常値のしきい値や異常発生時のリカバリー対応の対処コードを登録する結果確認コントロールテーブル108と、対処コードに対応した、対処方法を登録する対処パターンテーブル109と、対処の方法に応じてメールを送信するための送信メール情報テーブル110、メール送信指示が発せられた場合にメール送信を実施する、メール送信部111、次処理を起動するための次処理指示ファイル作成部112とから構成される。
【0017】
ここで、本発明に係るログファイル共通管理システムにおける処理に利用される処理結果ログテーブル106、結果確認コントロールテーブル108、対処パターンテーブル109、送信メール情報テーブル110、メッセージテーブル105のDB構造例について、図面により説明する。
【0018】
図5は、処理結果ログテーブル106のDB構成図である。
処理結果ログテーブル106は、共通ログファイル作成モジュール(102)より出力されたログファイルを一元管理するためのテーブルであり、同図に示すように、処理の年月日を設定する「処理年月日」、処理開始時間を設定する「処理時間」、システムコードを設定する「システムID」、実行しているジョブネットのIDを設定する「ジョブネットID」、実行しているジョブのIDを設定する「ジョブID」、実行しているステップのIDを設定する「ステップID」、メッセージを出力しているプログラムのIDを設定する「プログラムID」、メッセージに対応する対処が必要な場合のパターンのIDを設定する「対処パターンID」、処理単位で追番を設定する「追番」などのキー項目と、出力するメッセージのIDを設定する「メッセージID」、メッセージの内容区分を設定する「内容区分」、メッセージの内容コードを設定する「内容コード」、メッセージ内容(可変項目)を設定する「内容」、メッセージ内容(可変項目)を設定する「内容2」、件数やリターンコードなどの数量を設定する「結果数量1」、件数やリターンコードなどの数量を設定する「結果数量2」、データの状態(次処理対応未処理、処理済など)を設定する「状態コード」、処理結果のステータスコードを設定する「処理結果ステータス」、作成日付を設定する「作成日付」、作成時間を設定する「作成時刻」、作成者のIDを設定する「作成者」などの項目が登録される。同図(2)は、具体的なデータ例である。
【0019】
図6は、結果確認コントロールテーブル108のDB構成図である。
結果確認コントロールテーブル108は、事前に、処理単位毎に、正常、警告、異常のどの状態か判定する為の情報とその状態における対処方法を登録するテーブルである。実際に出力されたログファイルより該当プログラムの状態を判定し、対処を実施するために利用される。
【0020】
結果確認コントロールテーブル108は、同図に示すように、システムコードを設定する「システムID」、実行しているジョブネットのIDを設定する「ジョブネットID」、実行しているジョブのIDを設定する「ジョブID」、実行しているステップのIDを設定する「ステップID」、メッセージを出力しているプログラムのIDを設定する「プログラムID」、メッセージに対応する対処が必要な場合のパターンのIDを設定する「対処パターンID」、処理単位で追番を設定する「追番」などのキー項目と、処理を判定する種類を設定する「処理判定コード」と、処理判定基準を設定する「基準数値」と、正常時の場合、チェックを行うか否かのフラグを設定する「チェックコード1」と、警告時の場合、チェックを行うか否かのフラグを設定する「チェックコード2」と、異常時の場合、チェックを行うか否かのフラグを設定する「チェックコード3」と、正常判定時の対処方法を設定する「チェック結果対処1」と、正常時の対処パターンコードを設定する「対処パターン1」と、警告判定時の対処方法を設定する「チェック結果対処2」と、警告時の対処パターンコードを設定する「対処パターン2」と、異常判定時の対処方法を設定する「チェック結果対処3」と、異常時の対処パターンコードを設定する「対処パターン3」と、廃止するか否かのフラグを設定する「廃止フラグ(0:デフォルト,1:廃止)」と、作成日付を設定する「作成日付」、作成時間を設定する「作成時刻」、作成者のIDを設定する「作成者」、更新日付を設定する「更新日付」と、更新時間を設定する「更新時刻」と、更新者のIDを設定する「更新者」などの項目が登録される。同図(2)は、具体的なデータ例である。
【0021】
図7は、対処パターンテーブル109のDB構成図である。実際に警告や異常が発生した場合の対処方法を処理単位に登録しておき、発生時に、この情報をもとに対処が実施される。
【0022】
対処パターンテーブル109は、同図に示すように、対処する対応パターンのIDを設定する「対処パターンID」と、対処コードを設定する「対処コード」などのキー項目と、対応する種類を設定(N:正常、W:警告、A:異常)する「対処パターン」と、対処のパターンを指定(0:処理無、1:指示ファイル作成、2:メール送信、3:指示ファイル作成とメール送信の両方の処理)する「次処理種別」と、次処理に渡す処理コードを指定する「処理引継ぎコード」と、メール送信者のIDを指定する「送信メールID」と、メール送信先メーリングリストのIDを指定する「送信先グループID」と、次処理を実施させるための指示ファイルIDを指定する「指示ファイル作成ID」と、ファイルを作成するコードを指定する「ファイル作成コード」と、データが有効か無効(廃止)かを指定(0:デフォルト、1:廃止)する「廃止フラグ」と、作成日付を設定する「作成日付」、作成時間を設定する「作成時刻」、作成者のIDを設定する「作成者」、更新日付を設定する「更新日付」と、更新時間を設定する「更新時刻」と、更新者のIDを設定する「更新者」などの項目が登録される。同図(2)は、具体的なデータ例である。
【0023】
図8は、送信メール情報テーブル110のDB構成図である。メールを発信する場合の情報を登録し、実際のメール送信時に使用される。
【0024】
送信メール情報テーブル110は、同図に示すように、送信者、受信者の区分を設定する「送信メール種別」と、送信メールパターンのIDを設定する「送信メールID」などのキー項目と、送信するメールの名称を設定する「送信メール名称」と、メールアドレス(メーリングリストアドレス)を設定する「送信メールアドレス1」と、メールアドレス(メーリングリストアドレス)を設定する「送信メールアドレス2」と、送信メールの件名を設定する「件名」と、送信メールの本文を設定する「メール本文」と、送信メールの属性を設定する「送信メール属性」と、データが有効か無効(廃止)かを指定(0:デフォルト、1:廃止)する「廃止フラグ」と、作成日付を設定する「作成日付」、作成時間を設定する「作成時刻」、作成者のIDを設定する「作成者」、更新日付を設定する「更新日付」と、更新時間を設定する「更新時刻」と、更新者のIDを設定する「更新者」などの項目が登録される。同図(2)は、具体的なデータ例である。
【0025】
図9は、メッセージテーブル105のDB構成図である。処理結果確認画面で、メッセージコードにメッセージ情報を付加することにより内容を確認しやすくすることができる。
【0026】
メッセージテーブル105は、同図に示すように、出力するメッセージのIDを設定する「メッセージID」などのキー項目と、メッセージの種類(正常、異常、警告)を設定する「メッセージ区分」、メッセージ内容を設定する「メッセージ内容」、付加する表示情報があるに設定する「ヘルプメッセージ1」と、付加する表示情報があるに設定する「ヘルプメッセージ2」と、補足説明がある場合に設定する「補足」と、データが有効か無効(廃止)かを指定(0:デフォルト、1:廃止)する「廃止フラグ」と、作成日付を設定する「作成日付」、作成時間を設定する「作成時刻」、作成者のIDを設定する「作成者」、更新日付を設定する「更新日付」と、更新時間を設定する「更新時刻」と、更新者のIDを設定する「更新者」などの項目が登録される。同図(2)は、具体的なデータ例である。
【0027】
次に、共通ログファイル作成モジュール102と、ログ収集プログラム104と、ログ解析・次処理判定プログラム107における処理動作を、フローチャートを用いて説明する。
【0028】
図2は、共通ログファイル作成モジュール102の処理動作を示した図である。本プログラムは、業務システムに実装されるための汎用モジュールであり、業務プログラム201(図1の業務プログラム101に対応)から処理結果情報を取得し、ログファイル(図1のログファイル103に対応)を出力するプログラムである。
【0029】
業務プログラム201から受け取った情報を初期処理にて整合性のチェックを行う(ステップS202)。整合性に問題があるか否か(ログ内容に異常があるか否か)を判定し(ステップS203)、整合性に問題がある場合(ステップS203:Y)、ログ異常対応処理を実施し(ステップS212)、業務プログラム201へ異常の内容を返す。
【0030】
整合性に問題が無い場合(正常の場合)は(ステップS203:N)、次に、処理コードが終了か否かの判定を実施する(ステップS204)。
【0031】
処理コードが終了で無い場合は(ステップS204:N)、次に初回処理か否かの判定を実施する(ステップS205)。処理コードが終了の場合(ステップS204:Y)、終了設定を実施し(ステップS210)、その後ログファイル103のCLOSEを実施する(ステップS211)。
【0032】
初回処理の場合(ステップS205:Y)、初回設定処理(ステップS206)と出力するログファイルOPEN処理(ステップS207)を実施する。
【0033】
初期設定処理(ステップS206)では、同一処理での共通設定項目である「処理年月日」、「処理時間」、「システムID」、「ジョブネットID」、「ジョブID」、「ステップID」、「プログラムID」の情報を取得する。また、STARTメッセージの編集を実施する。
【0034】
次に、初回設定処理(ステップS206)にて取得した情報と業務プログラム201から取得した情報よりログファイル編集を実施し(ステップS208)、編集したログファイルをログファイル103に出力する(ステップS209)。
【0035】
業務プログラム201から受け取った情報の整合性に異常がある場合には、ログ異常対応処理(ステップS212)にて異常の内容をリターン情報に設定する。
【0036】
各処理終了後、後処理を実施し(ステップS213)、プログラムを終了する。
【0037】
図3は、図1のログ収集プログラム104の処理動作を示した図である。
本ログ収集プログラム104は、共通ログファイル作成モジュール102から出力されたログファイル103を収集し、処理結果ログテーブル106に登録するプログラムで、ログファイル103を一元管理するためのプログラムのフローである。
【0038】
本ログ収集プログラム104は、同図に示すように、まず、プログラムの初期処理をした後(ステップS301)、ログファイル103の読込みを実施する(ステップS302)。
【0039】
次に、ログファイル103の処理が終了したか否かを判定し(ステップS303)、ログファイル103の処理が終了したら(ステップS303:Y)、後処理を行う(ステップS314)。
【0040】
ログファイル103の処理が終了で無ければ(ステップS303:N)、ログファイル103の内容を基にして、ログファイルのデータチェックを実施する(ステップS304)。詳細には、このステップS304では、処理結果ログテーブル305(図1の処理結果ログテーブル106に相当)に同一データが格納されていないかの確認、およびメッセージテーブル306(図1のメッセージテーブル105に相当)との整合性チェックを実施する。
【0041】
ステップS304のログファイルのデータチェックの結果、異常の有無の判定を行う(ステップS307)。異常がある場合(ステップS307:N)、異常終了処理を実施する(ステップS308)。異常が無い場合(ステップS307:Y)、ログファイル編集を行い(ステップS309)、編集後のログファイルを処理結果ログテーブル311(図1の106に相当)に登録する(ステップS310)。
【0042】
ステップS310のログファイルの登録処理において異常が発生していないかを判定し(ステップS312)、異常がある場合(ステップS312:N)、異常終了処理を実施する(ステップS313)。異常が無い場合(ステップS312:Y)、ステップS302に戻り、次のログファイルの読込みを実施し、ファイルが無くなるまで(すなわちステップS303:Yになるまで)同様の処理を繰り返す。
【0043】
図4は、一元管理されたログデータの内容を解析し、次処理を判定し、実施するログ解析・次処理判定プログラム(図1のログ解析・次処理判定プログラム107)の動作を示した図である。
【0044】
ログ解析・次処理判定プログラム107は、同図に示すように、まず、プログラムの初期処理を行った後(ステップS401)、関連するテーブルのOPENを実施する(ステップS403)。
【0045】
処理結果ログテーブル405(図1の処理結果ログテーブル106に相当)より対象データを検索し(ステップS404)、次処理判定を行う。次処理では、ジョブ単位に行うため、検索終了判定を行い(ステップS406)、検索終了でない場合(ステップS406:N)、次の処理単位毎にテーブルOPENを実施し、業務処理が全て終了するまで(ステップS402:Y)、処理を繰り返す。
【0046】
検索終了判定の結果、検索終了の場合(ステップS406:Y)、次に処理結果をチェックする(ステップS407)。
【0047】
処理結果のチェックでは(ステップS407)、検索した処理結果ログテーブル405(図1の処理結果ログテーブル106に相当)の情報を元に、結果確認コントロールテーブル408(図1の結果確認コントロールテーブル108に相当)と対処パターンテーブル409(図1の対処パターンテーブル109に相当)を検索し、次処理対処の情報を取得する。
【0048】
次に、検索時に異常が発生したか否かを判定し(ステップS410)、異常が発生した場合(ステップS410:N)、異常終了処理によってリカバリー処理を実施した後(ステップS411)、処理を終了する(ステップS419)。
【0049】
また、異常がなかった場合(ステップS410:Y)、次処理にメール送信が有るかどうか判定し(ステップS412)、メール送信がある場合は(ステップS412:Y)、メール送信処理を実施する(ステップS413)。この時、送信先等の情報は、送信メール情報テーブル414(図1の送信メール情報テーブル110に相当)より取得する。
【0050】
次に、メール送信以外の次処理があるか否かの判定を実施し(ステップS415)、次処理がある場合(ステップS415:Y)、次処理指示ファイル作成処理を実施する(ステップS416)。
【0051】
次に、後処理にて処理結果ログテーブル418(図1の処理結果ログテーブル106に相当)を処理済みに更新する(ステップS417)。
【0052】
以上の処理を対象の未処理データが無くなるまで繰り返し実施し、未処理データが無くなったら(ステップS402:Y)、終了処理を行って処理を終了する(ステップS419)。
【0053】
なお、共通ログファイル作成モジュール102と、ログ収集プログラム104と、ログ解析・次処理判定プログラム107によって実行される図2、図3、図4に示した処理は、CPU、メモリ、外部メモリを備えるコンピュータによって実行されるものであり、これら共通ログファイル作成モジュールとログ収集プログラムとログ解析・次処理判定プログラムは、CD−ROM、DVDなどの記録媒体やインターネットなどを介して市場に流通させることができることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】ログファイル共通管理システムの全体を示す構成図である。
【図2】業務プログラムに実装し、共通ログファイルを作成・出力する共通ログファイル作成プログラムの処理のフローチャートである。
【図3】出力されたログファイルを一元管理するためのログ収集プログラムの処理のフローチャートである。
【図4】一元管理されたログファイルの処理結果を確認し、業務的な異常の判定を行い異常がある場合、リカバリー処理の指示を実施するログ解析・次処理判定プログラムの処理のフローチャートである。
【図5】処理結果ログテーブルのDB構成図である。
【図6】結果確認コントロールテーブルのDB構成図である。
【図7】対処パターンテーブルのDB構成図である。
【図8】送信メール情報テーブルのDB構成図である。
【図9】メッセージテーブルのDB構成図である。
【符号の説明】
【0055】
101,201:共通ログファイル作成モジュールを実装する業務プログラム
102:業務プログラムに実装された共通ログファイル作成モジュールプログラム
103:共通ログファイル作成モジュールプログラムにて出力されたログファイル
104:ログファイルを一元管理するためのログ収集プログラム
105,306:共通ログファイルのコードに対応したメッセージを登録したメッセージテーブル
106,305,311,405,418:共通ログファイルを一元管理する処理結果ログテーブル
107:ログファイルの内容を判定し、異常がある場合のリカバリー処理の指示を実施するログ解析・次処理判定プログラム
108,408:処理結果の判定にて異常値判定の指標を設定し、次処理の指示を行うための内容を登録している結果確認コントロールテーブル
109,409:処理結果において異常と判断された場合の、対処のパターンを登録している対処パターンテーブル
110,414:処理結果において異常と判断された場合の結果連絡先のメール情報を登録している送信メール情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
業務処理プログラムの処理結果であるログファイルを共通管理するログファイル共通管理システムにおいて、
業務処理を行う業務プログラムから共通フォーマット化されたログファイルを作成する共通ログファイル作成手段と、
該共通ログファイル作成手段により作成されたログファイルを読み込み一元管理するために処理結果ログテーブルに格納するログ収集手段と、
該ログ収集手段により収集され前記処理結果ログテーブルに格納されたログファイルの内容を元に障害が発生したかどうかを判定し、障害が発生している場合にはリカバリー処理を自動実施し、障害が発生していない場合には予め設定されているあて先に障害内容をメール送信するログ解析・次処理判定手段
を有することを特徴とするログファイル共通管理システム。
【請求項2】
請求項1記載のログファイル共通管理システムにおいて、
前記ログファイルに設定されているコードを判定するためのメッセージテーブルと、異常値のしきい値や異常発生時のリカバリー対応の対処コードを登録する結果確認コントロールテーブルと、対処コードに対応した、対処方法を登録する対処パターンテーブルと、対処の方法に応じてメールを送信するための送信メール情報テーブルを備え、前記ログ収集手段およびログ解析・次処理判定手段はこれらのテーブルを参照して処理を実行することを特徴とするログファイル共通管理システム。
【請求項3】
業務処理プログラムの処理結果であるログファイルを共通管理するログファイル共通管理方法おいて、
業務処理を行う業務プログラムから共通フォーマット化されたログファイルを作成する共通ログファイル作成手順と、
該共通ログファイル作成手順により作成されたログファイルを読み込んで収集し一元管理するために処理結果ログテーブルに格納するログ収集手順と、
該ログ収集手順により収集され処理結果ログテーブルに格納されたログファイルの内容を元に障害が発生したかどうかを判定し、障害が発生している場合にはリカバリー処理を自動実施し、障害が発生していない場合には予め設定されているあて先に障害内容をメール送信するログ解析・次処理判定手順
を有することを特徴とするログファイル共通管理方法。
【請求項4】
コンピュータを、請求項1または2記載のログファイル共通管理手段における共通ログファイル作成手段と、ログ収集手段と、ログ解析・次処理判定手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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