説明

ロック機構を備えた組立部品

【課題】ロック機構の省スペース化を図ると共に、ロック機構の損傷を抑えて安定的な固定力を得ることの出来る、新規な構造のロック機構を備えた組立部品を提供すること。
【解決手段】ケース本体12の外面24に設けられた係止突部26と係合する一対の係合突片34a,34bを、カバー部材14の周壁32の突出端縁部36から、該周壁32の厚さ方向外方に張り出すことなく該周壁32の周方向で相互に離隔して突設すると共に、該周壁32において該一対の係合突片34a,34bの間に、該周壁32の該突出端縁部36に開口する切欠部46を形成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケース本体と、ケース本体の開口部を覆うカバー部材とからなる組立部品に関し、特に、ケース本体とカバー部材を相互に固定するロック機構を備えた組立部品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、自動車のワイヤハーネスを挿通して保護するハーネスプロテクタや、リレーが接続されるリレーボックス等のように、ケース本体とカバー部材がロック機構で相互に固定されるロック機構を備えた組立部品が様々な分野で用いられている。例えばハーネスプロテクタは、特開平5−252634号公報(特許文献1)に記載されているように、ケース本体と、カバー部材を有し、ケース本体にワイヤハーネスを収容した状態で、ケース本体の開口部にカバー部材が被されてロック機構で相互に固定されることにより、ケース本体とカバー部材との間にワイヤハーネスを収容して保護するようになっている。
【0003】
ところで、このようなロック機構は、特許文献1にも記載されているように、ケース本体において、ケース本体の外壁との間に挿通孔を形成する枠体形状の挿通係合枠が外壁から外側に突出して形成されている。それ故、ケース本体の大型化を招くという問題があった。
【0004】
そこで、特開2000−134759号公報(特許文献2)には、ケース本体の側壁内に挿通孔を設けると共に、カバー部材においてケース本体の開口部を覆蓋する蓋板から突設した係合突片を該挿通孔に挿し込んで固定する組立部品が開示されている。このようにすれば、ロック機構のケース本体外部への突出を抑えることが出来て、省スペース化を図ることが出来る。
【0005】
しかし、特許文献2に記載の組立部品においては、カバー部材の係合突片が、ケース本体の開口部を覆う蓋板から直接に突出されている。それ故、係合突片の突出基端部となる蓋板との連結部分に応力が集中して、係合突片の変形や損傷を招き易く、安定的な固定力が得られないおそれがあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平5−252634号公報
【特許文献2】特開2000−134759号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、上述の事情を背景に為されたものであって、その解決課題は、ロック機構の省スペース化を図ると共に、ロック機構の損傷を抑えて安定的な固定力を得ることの出来る、新規な構造のロック機構を備えた組立部品を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第一の態様は、開口部を有するケース本体と、該ケース本体の前記開口部を覆うカバー部材を含んで構成されており、前記カバー部材に設けられた係合突片の前記ケース本体に設けられた係止突部への係合により前記ケース本体と前記カバー部材が相互に固定されるロック機構を備えた組立部品において、前記ケース本体の側壁には、外面に突出して前記係止突部が設けられている一方、前記カバー部材が、前記開口部を覆う蓋板と該蓋板の端縁部から突出する周壁を有しており、該周壁の突出端縁部において、前記周壁の厚さ方向外方に張り出すことなく該周壁の突出方向に延び出す一対の前記係合突片が、該周壁の周方向で相互に離隔して設けられていると共に、前記一対の係合突片の突出先端部に前記一対の係合突片の対向方向の内側に突出する係止爪が形成されている一方、前記カバー部材の前記周壁には、前記一対の係合突片の間に亘って、前記突出端縁部に開口する切欠部が形成されており、前記カバー部材の前記周壁が前記ケース本体の前記側壁の前記外面に重ね合わされて、前記一対の係合突片の間に前記係止突部を収容して前記係止爪が前記係止突部に係止されることを、特徴とする。
【0009】
本発明に従う構造とされたロック機構を備えた組立部品によれば、カバー部材の周壁において、一対の係合突片の間に、周壁の突出端縁部に開口する切欠部が形成されている。これにより、一対の係合突片がケース本体の係止突部と係合する際に、一対の係合突片が周壁で連結されている場合に比して、一対の係合突片を互いの対向方向と反対方向に撓み易くすることが出来る。また、撓み変形時に係合突片の基端部に加わる応力を、周壁の周方向および突出方向に所定範囲に亘って広がる切欠部の周縁部分に分散させて、係合突片の耐久性を向上することが出来る。
【0010】
すなわち、切欠部を設けることにより、周壁の突出端縁部から延び出す一対の係合突片の肉厚を大きくすることなく、ロック機構の耐久性を向上することが出来る。従って、係合突片を周壁の厚さ方向外方に張り出すことなく形成して、ロック機構、延いては組立部品全体の小型化を達成しつつ、ロック機構のロック安定性、耐久性の向上を図ることが出来る。
【0011】
なお、本発明は、例えば自動車のワイヤハーネスを挿通して保護するハーネスプロテクタや、自動車に搭載されて、ヒューズやリレー、コネクタ等の電気部品が接続されるジャンクションボックスやリレーボックス等の電気接続箱、その他自動車に限定されず、各分野において用いられる各種の組立部品に広く適用可能である。
【0012】
本発明の第二の態様は、前記第一の態様に記載のものにおいて、前記カバー部材には、前記一対の係合突片との間で前記ケース本体の前記側壁を挟む支持リブが形成されているものである。
【0013】
本態様によれば、ケース本体の側壁が、カバー部材の支持リブによって内側から支持される。これにより、ケース本体の係止突部に対して他部材が接触すること等によってケース本体の内側に押し込まれる荷重が加えられた場合でも、支持リブで側壁をケース本体の内側から支持することにより、係止突部が係合爪に対してケース本体の内側に変位して係止爪と係止突部との係合状態が解除されるおそれを低減することが出来て、係止爪と係止突部との係合状態を安定的に維持することが出来る。
【0014】
本発明の第三の態様は、前記第一又は第二の態様に記載のものにおいて、前記切欠部が前記蓋板に亘って形成されているものである。
【0015】
本態様によれば、一対の係合突片間の切欠部の周縁部分をより大きく形成することが出来る。これにより、係合突片の撓み変形時の応力をより広い範囲に分散させることが出来る。また、蓋板と周壁との連結角部を基端部として、係合突片の剛性の向上を図ることが出来、耐久性の更なる向上を図ることが出来る。
【発明の効果】
【0016】
本発明においては、ケース本体の外面に設けられた係止突部と係合する一対の係合突片を、カバー部材の周壁の突出端縁部から、周壁の厚さ方向外方に張り出すことなく周壁の周方向で相互に離隔して突設すると共に、カバー部材の周壁においてそれら一対の係合突片の間に、周壁の突出端縁部に開口する切欠部を形成した。これにより、ケース本体の係止突部と係合する際の一対の係合突片の撓み変形時の応力を、切欠部の周縁部分に分散させることが出来る。従って、係合突片を厚肉にすることなくロック機構の損傷のおそれを軽減することが出来て、耐久性を確保しつつ、周壁の厚さ方向外方に張り出すこと無く係合突片を形成することが出来る。その結果、ロック機構の省スペース化を図ることが出来て、組立部品全体の小型化を図りつつ、ロック機構の固定力の安定性および耐久性の向上を図ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態としての組立部品の分解斜視図。
【図2】図1に示したケース本体の要部の側面図。
【図3】図1に示したカバー部材の要部の側面図。
【図4】図3に示した要部の平面図。
【図5】図3におけるV−V断面図。
【図6】ロック機構の組付状態の側面図。
【図7】図6におけるVII−VII断面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0019】
先ず、図1に、本発明の一実施形態としてのロック機構を備えた組立部品としてのハーネスプロテクタ10を示す。ハーネスプロテクタ10は、ケース本体12にカバー部材14が、複数箇所に設けられたロック機構16で固定されるようになっている。そして、ケース本体12内に図示しないワイヤハーネスが挿通状態で収容されると共に、カバー部材14がケース本体12に組み付けられることによって、ケース本体12とカバー部材14内にワイヤハーネスを収容して保護するようになっている。なお、ロック機構16は、ハーネスプロテクタ10の長手方向の複数箇所で、ハーネスプロテクタ10の長手方向に直交する幅方向の両側に対を成して設けられている。
【0020】
ケース本体12は合成樹脂から形成されている。ケース本体12は、長手矩形の板形状を有する底壁18の幅方向両端縁部から、一対の側壁20,20が底壁18に沿って垂直に立設された断面略コの字形状をもって延出されている。これにより、ケース本体12は長手方向の両端部が開放されていると共に、側壁20,20の底壁18からの突出方向に開放された開口部22を有している。
【0021】
図2に示すように、側壁20の外面24には、係止突部26が突設されている。係止突部26は、外面24からケース本体12の外方に略一定の断面形状をもって突出されている。係止突部26の断面形状は特に限定されるものではなく、正方形や長方形等の矩形状や円形状、その他の多角形状や任意の形状が採用可能である。本実施形態における係止突部26は、上方(図2中、上方)に先細となる略正三角形断面をもって外面24から突出されている。これにより、係止突部26には、正三角形の底辺に当たる下面によって、所定の幅寸法:Wlに亘ってケース本体12の長手方向(図2中、左右方向)に延びる係止面28が形成されていると共に、正三角形の斜辺に当たる両側面によって、上方から下方(図2中、上方から下方)に向けて傾斜して延びる案内面29,29が形成されている。なお、後述する図7に示すように、係止突部26の外面24からの突出寸法:Hlは、後述する係合突片34a,34bの厚さ寸法:Tc(後述する図5参照)と略等しくされている。
【0022】
一方、図1に示したように、カバー部材14は、合成樹脂から形成されている。カバー部材14は、長手矩形の板形状を有する蓋板30の幅方向両端縁部から、一対の周壁32,32が蓋板30に沿って垂直に立設された断面略コの字形状をもって、ケース本体12と略等しい長さだけ延出されている。
【0023】
カバー部材14において、ケース本体12の係止突部26と対応する位置には、図3〜図5に示す一対の係合突片34a,34bが形成されている。係合突片34a,34bは、周壁32における蓋板30からの突出端縁部36から、周壁32の蓋板30からの突出方向と同方向(図3中、下方)に直線状に突出されている。これら係合突片34a,34bは、周壁32が下方(図3中、下方)に部分的に延長されることによって周壁32に一体形成されており、周壁32の厚さ寸法と等しい厚さ寸法:Tcをもって、周壁32の厚さ方向の外方(図5における右方)に張り出すことなく周壁32から突出されている。
【0024】
係合突片34a,34bは、周壁32の周方向(図3中、左右方向)で相互に離隔して対向位置されている。そして、係合突片34a,34bにおける周壁32からの突出先端部38a,38bには、係止爪40a,40bがそれぞれ形成されている。係止爪40a,40bは、それぞれ、突出先端部38a,38bから係合突片34a,34bの対向方向(図3中、左右方向)の内側に突出して形成されている。係止爪40a,40bにおいて係合突片34a,34bの突出方向(図3中、下方)の後端縁部(図3中、上端縁部)は、係合突片34a,34bの突出方向に略直交して広がる係止面42,42とされている。また、係止爪40a,40bのそれぞれにおける他方との対向面44,44は、係合突片34a,34bの突出方向前方(図3中、下方)に行くに連れて互いの離隔距離が次第に大きくなる傾斜面とされている。
【0025】
これら係止爪40a,40bが周壁32の周方向(図3中、左右方向)で離隔して対向されていることにより、係合突片34a,34bは、係止爪40a,40bの上端縁部(図3中、上端縁部)において最も接近されており、該係止爪40a,40bの上端縁部における離隔距離:D1が、前記ケース本体12における係止突部26の係止面28の幅寸法:Wl(図2参照)よりも小さくされている。一方、係止爪40a,40bの非形成部分における係合突片34a,34bの離隔距離:D2が、係止面28の幅寸法:Wlよりも大きくされている。
【0026】
また、周壁32における係合突片34a,34bの間には、切欠部46が形成されている。切欠部46は、周壁32が係合突片34a,34bの間に亘って突出端縁部36に開口して形成されている。更に、本実施形態における切欠部46は、カバー部材14の蓋板30に亘って形成されており、図4に示すように、平面視において、蓋板30の端縁部に開口する矩形状を有している。これにより、切欠部46は、三つの内面48a,48b,48cを含んで周縁部分が形成されている。更に、切欠部46の角部となる内面48aと内面48bとの接続部分、および内面48bと内面48cとの接続部分にはそれぞれ湾曲面50,50が形成されて角が落とされており、切欠部46の角部に局所的に応力が集中するおそれが軽減されている。
【0027】
カバー部材14の蓋板30において、係合突片34a,34bの内方(図5中、左方)には、支持リブ52が一体形成されている。支持リブ52は、切欠部46の内面48bから同一平面上で連続して、蓋板30から係合突片34a,34bと同方向に突出された略平板形状を有している。支持リブ52は、係合突片34a,34bに対して、所定の隙間寸法:Dsを隔ててカバー部材14の内方に位置されており、該隙間寸法:Dsが、ケース本体12の側壁20の厚さ寸法:Tb(後述する図7参照)よりも僅かに大きくされている。なお、支持リブ52の蓋板30からの突出寸法(図5中、上下方向寸法)は、カバー部材14のケース本体12への組付状態で、支持リブ52が係止突起26の背後に重なるように、少なくとも係合突片34a,34bの係止面42,42に至る大きさに設定される。また、支持リブ52の幅寸法(図3中、左右方向寸法)は、支持リブ52が係止突部26の全体と重なるように、係合突片34a,34bの対向距離:D2と略等しい大きさに設定されている。
【0028】
このようなカバー部材14が、ケース本体12の開口部22に重ね合わされることにより、カバー部材14の蓋板30でケース本体12の開口部22が覆蓋される。また、カバー部材14の周壁32,32は、ケース本体12の側壁20,20の外面24,24に重ね合わされる。図6および図7に、カバー部材14のケース本体12への組付状態におけるロック機構16を示す。カバー部材14がケース本体12に重ね合わせられるに際して、カバー部材14の係合突片34a,34bがケース本体12の側壁20の外面24に重ね合わされて、係止突部26に接近される。そして、係合突片34a,34bが突出先端部38a,38b側から係止突部26に接触することによって、係合突片34a,34bが弾性で相互に離隔する方向(係合突片34aは図6中の左方向、係合突片34bは図6中の右方向)に撓み変形される。係止突部26の案内面29,29と、係合突片34a,34bにおける係止爪40a,40bの対向面44,44が傾斜面とされていることから、これら案内面29,29と対向面44,44との接触による案内作用によって、係合突片34a,34bを押し広げる方向の撓み変形が容易に行えるようにされている。
【0029】
そして、係止爪40a,40bが係止突部26を乗り越えた時点で、係合突片34a,34bが復元力で相互に接近して元の形状に復帰する。これにより、係止突部26が係合突片34aと係合突片34bの間に収容されると共に、係止爪40a,40bが係止突部26の下方(図6中、下方)に位置されて、係止爪40a,40bの係止面42,42と係止突部26の係止面28が、カバー部材14のケース本体12への重ね合わせ方向(図6中、上下方向)で対向位置される。その結果、カバー部材14がケース本体12から脱離しようとした場合(図6中、上方に動かされた場合)には、係止爪40a,40bが係止突部26で係止されることによって、カバー部材14がケース本体12に固定されるようになっている。このように、本実施形態においては、係合突片34a,34bと係止突部26を含んで、ロック機構16が構成されている。
【0030】
さらに、図7に示したように、本実施形態においては、支持リブ52を含んでロック機構16が構成されている。そして、カバー部材14のケース本体12への組付状態において、ケース本体12の側壁20が、係合突片34a,34bと支持リブ52の間に挟まれる。これにより、支持リブ52が、係止突部26の裏側(図7中、左側)の全体に重なるように配設される。
【0031】
本実施形態に従う構造とされたハーネスプロテクタ10においては、カバー部材14の周壁32において、係合突片34aと係合突片34bの間に切欠部46を形成した。これにより、切欠部46が形成されておらず、係合突片34aと係合突片34bの間が周壁32で連結されている場合に比して、係止突部26との係合に際して係合突片34a,34bを容易に撓み変形させることが出来る。
【0032】
さらに、切欠部46を形成したことによって、係合突片34aと係合突片34bが、切欠部46の内面48a,48b,48cを介して連結されている。これにより、撓み変形時に係合突片34a,34bの周壁32からの突出基端部に加わる応力を、周壁32の周方向(図6における左右方向)および突出方向(図6における下方)に広がる内面48a,48b,48cに分散させることが出来て、係合突片34a,34bの耐久性を向上することが出来る。その結果、係合突片34a,34bの厚さ寸法:Tcを大きくすることなく、係合突片34a,34bの耐久性を向上することが出来る。これにより、係合突片34a,34bを周壁32の外方に突出することなく形成することが出来て、ロック機構16の省スペース化を図ることが出来る。また、ロック機構16のケース本体12の外方への突出量が抑えられることから、ケース本体12とカバー部材14内に形成されるハーネスプロテクタ10の有効スペースをより大きく確保することも出来る。
【0033】
特に本実施形態においては、切欠部46が、カバー部材14の蓋板30に亘って形成されている。これにより、内面48a,48b,48cを含んで構成される切欠部46の周縁部分をより大きくすることが出来て、係合突片34a,34bの撓み変形に際して、より優れた応力分散効果を得ることが出来る。更に、蓋板30と周壁32との連結角部54(図7参照)を係合突片34a,34bの基端部として、係合突片34a,34bの剛性の更なる向上を図ることが出来る。
【0034】
また、ケース本体12の側壁20が、係合突片34a,34bと支持リブ52の間で挟まれて、係止突部26の裏側に支持リブ52が配設されるようになっている。これにより、他部材が接触すること等により、係止突部26にケース本体12の外側から内側(図7中、右方から左方)に向かう荷重が加えられた場合でも、側壁20を支持リブ52に接触させて、係止突部26を支持リブ52で支持することによって、係合突片34a,34bとの係合状態をより安定的に維持することが出来る。また、係合突片34a,34bを係止突部26に係合させるに際して、係合突片34a,34bと支持リブ52で側壁20を挟むことにより、係合突片34a,34bの側壁20からの浮き上がりを抑えることも出来て、係合作業をより安定的に行うことも出来る。
【0035】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はその具体的な記載によって限定されない。例えば、切欠部は、必ずしもカバー部材の蓋板に至って形成されている必要はなく、一対の係合突片間における周壁のみに形成される等しても良い。
【0036】
また、本発明は、ハーネスプロテクタに限定して適用されるものではなく、ケース本体とカバー部材がロック機構を介して互いに固定される各分野の組立部品に広く適用可能である。例えば、自動車に搭載されるジャンクションボックスやリレーボックス等の電気接続箱において、コネクタやリレー等が接続される箱本体をケース本体、箱本体に被せられるアッパケースやロアケースをカバー部材として本発明を適用することも可能である。
【符号の説明】
【0037】
10:ハーネスプロテクタ(ロック機構を備えた組立部品)、12:ケース本体、14:カバー部材、16:ロック機構、20:側壁、22:開口部、24:外面、26:係止突部、30:蓋板、32:周壁、34a,b:係合突片、36:突出端縁部、38a,b:突出先端部(係合突片)、40a,b:係止爪、46:切欠部、48a,b,c:内面、52:支持リブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するケース本体と、該ケース本体の前記開口部を覆うカバー部材を含んで構成されており、前記カバー部材に設けられた係合突片の前記ケース本体に設けられた係止突部への係合により前記ケース本体と前記カバー部材が相互に固定されるロック機構を備えた組立部品において、
前記ケース本体の側壁には、外面に突出して前記係止突部が設けられている一方、
前記カバー部材が、前記開口部を覆う蓋板と該蓋板の端縁部から突出する周壁を有しており、該周壁の突出端縁部において、前記周壁の厚さ方向外方に張り出すことなく該周壁の突出方向に延び出す一対の前記係合突片が、該周壁の周方向で相互に離隔して設けられていると共に、前記一対の係合突片の突出先端部に前記一対の係合突片の対向方向の内側に突出する係止爪が形成されている一方、
前記カバー部材の前記周壁には、前記一対の係合突片の間に亘って、前記突出端縁部に開口する切欠部が形成されており、
前記カバー部材の前記周壁が前記ケース本体の前記側壁の前記外面に重ね合わされて、前記一対の係合突片の間に前記係止突部を収容して前記係止爪が前記係止突部に係止される
ことを特徴とするロック機構を備えた組立部品。
【請求項2】
前記カバー部材には、前記一対の係合突片との間で前記ケース本体の前記側壁を挟む支持リブが形成されている
請求項1に記載のロック機構を備えた組立部品。
【請求項3】
前記切欠部が前記蓋板に亘って形成されている請求項1又は2に記載のロック機構を備えた組立部品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−59139(P2013−59139A)
【公開日】平成25年3月28日(2013.3.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−194500(P2011−194500)
【出願日】平成23年9月7日(2011.9.7)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】