説明

ロボットシステム及びロボット装置並びにワーク取り出し方法

【課題】より精度良くワークをストッカから取り出してハンドリングすることができるようにした、ロボットシステム及びロボット装置並びにワークハンドリング方法を提供する。
【解決手段】複数のワークを収納したストッカ内のワークを保持する保持部を有するロボットと、制御装置と、形状センサと、ロボットによるワークの保持状態を検査する検査装置と、ワークを仮置きする仮置台と、を有し、検査装置によりワークの保持状態が合格であると判定されると、次工程へワークをハンドリングさせ、検査装置によりワークの保持状態が不合格であると判定されると、仮置台に保持したワークを載置して仮置台を形状センサで検出してワークの形状を検出して、再度、保持部によりワークを保持して次工程へワークをハンドリングさせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワークストッカにランダムに積載されたワークを取り出すロボットシステム及びロボット装置並びにワーク取り出し方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ストッカ内にランダムに収納された(いわゆる、バラ積みされた)ボルト等の同一形状のワークをストッカから取り出してハンドリングさせるビンピッキング技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる技術では、ストッカ内の3次元的な位置及び姿勢の情報(3次元情報)をワークの保持に先立って検出している。また、ハンドリング装置により保持されるべきワークの部位が予め設定されており、得られた3次元情報に基づいて保持されるべきワークを検出してハンドリング動作を行なうようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−128201
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
かかるビンピッキングでは、ワークがストッカ内にランダムに載置されているため、ストッカ内でワーク同士が複雑に重なり合い、ワークの保持される部位が埋没する等して、適切な状態で保持できるワークが存在しないというケースが考えられる。
しかしながら、従来の技術では、実際には適切に保持できるワークが存在しない場合であっても最も保持するのに適したワークに対して保持動作を行なうため、ワークの保持失敗や複数のワークを一度に保持してしまう等、ハンドリング動作の誤動作をしてしまう場合があった。
また、ワークを保持できた場合でも、不十分な保持姿勢で保持した場合には、ロボットの保持部とワークとにすべり等が生じ、ワークの正確な位置(即ち、ワークがどのような姿勢で保持されているか)を把握することができなくなる。その結果、保持したワークを次工程へ正確に位置決めすることができなくなり、ワークハンドリング作業の精度が低下することとなる。
【0005】
本発明はかかる従来技術の課題に鑑みなされたものであって、より精度良くワークをストッカから取り出してハンドリングすることができるようにした、ロボットシステム及びロボット装置並びにワークハンドリング方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明は次のように構成した。
本願発明にかかるロボットシステムは、複数のワークを収納したストッカ内のワークを保持する保持部を有するロボットと、ワークの形状を検出する形状センサと、ロボットによるワークの保持状態を検査する検査装置と、ワークを仮置きする仮置台と、ロボット及び形状センサの動作を制御する制御装置と、を有し、制御装置は、ストッカ内のいずれかのワークを保持した後、検査装置によりワークの保持状態が合格であると判定されると、次工程へワークをハンドリングさせ、検査装置によりワークの保持状態が不合格であると判定されると、仮置台に保持したワークを載置して仮置台を形状センサで検出してワークの形状を検出して、再度、保持部によりワークを保持して次工程へワークをハンドリングさせることを特徴としている。
【0007】
また、制御装置は、ワークの形状を記憶するワーク形状記憶部と、形状センサによるストッカ内の形状情報の検出結果に基づいてストッカ内のワークを検出する対象ワーク検出部と、ロボットによるワークの保持動作態様とその実行条件とを記憶する保持情報記憶部と、ロボットを動作させて対象ワーク検出部により検出されたワークを保持してストッカから取り出すロボット動作制御部と、を有していることが好ましい。
また、保持情報記憶部には、最適な保持動作態様の他に、別の保持動作態様とその実行条件とが記憶されており、制御装置は、保持情報記憶部に記憶された複数の保持動作態様のうち、実行条件を満たすいずれかの保持動作態様を選択する動作態様選択部を有し、ロボット動作制御部は、動作態様選択部により選択された保持動作態様に基づいて、ワークを保持してストッカから取り出すことが好ましい。
【0008】
また、ロボット動作制御部は、動作態様選択部により選択された保持動作態様が最適な保持動作態様以外であるとき、ワークをストッカから取り出して仮置台へ載置し、仮置台を形状センサで検出してワークの形状を検出し、最適な保持動作態様でワークを保持して次工程へワークをハンドリングさせることが好ましい。
【0009】
また、ワークは、表裏非対象な形状のものであり次工程は、ワークを表向きに受け入れる表向きワーク受け部と、ワークを裏向きに受け入れる裏向きワーク受け部と、を有し、検査装置は、ワークの保持状態の検査に加えて、保持部によりワークが表裏いずれの向きに保持されているかを検出し、ロボット動作制御部は、ワークの表裏の検出結果に基づいて、表向きワーク受け部または裏向きワーク受け部のいずれかにワークを受け渡すことが好ましい。
また、形状センサはロボットに取り付けられ、ストッカを撮像するカメラと、ストッカ内の距離情報を検出する距離センサとを有していることが好ましい。
【0010】
また、保持情報記憶部には、ストッカ内のワークを撹乱するためのワーク撹乱動作が予め記憶され、動作態様選択部は、保持情報記憶部に記憶された保持動作態様の実行条件をいずれも満たさない場合には、ワーク撹乱動作を選択し、ロボット動作制御部は、動作態様選択部により選択された撹乱動作情報に基づいて、ストッカ内のワークを撹乱させることも好ましい。
また、保持情報記憶部には、複数種類のワーク撹乱動作が予め記憶され、動作態様選択部は、複数種類のワーク撹乱動作のうち、予め設定されたワーク条件に適合したワーク撹乱動作を選択することが好ましい。
【0011】
本願発明にかかるロボット装置は、複数のワークを収納したストッカ内のワークを保持する保持部を有するロボットと、制御装置と、を有し、制御装置は、形状センサにより検出されたストッカ内のワークの形状情報に基づいてストッカ内のいずれかのワークを保持した後、ワークの保持状態を検査する検査装置の近傍に保持部を移送し、ワークの保持状態が合格であると判定されると、次工程へワークをハンドリングさせ、検査装置によりワークの保持状態が不合格であると判定されると、保持したワークを仮置台に載置し、形状センサにより検出された仮置台上のワークの形状情報に基づいて再度、保持部によりワークを保持して次工程へワークをハンドリングさせることを特徴としている。
【0012】
本願発明にかかるワークハンドリング方法は、複数のワークを収納したストッカのワークをロボットによってハンドリングする方法であって、ストッカ内の形状情報を形状センサによって検出した検出結果に基づいてストッカからワークを保持するステップと、ロボットによるワークの保持状態を検査装置により検査するステップと、検査装置によりワークの保持状態が合格であると判定された場合に実行され、次工程へワークをハンドリングするステップと、検査装置によりワークの保持状態が不合格であると判定された場合に実行され、仮置台に保持したワークを載置して仮置台を形状センサで検出してワークの形状を検出して、再度、保持部によりワークを保持して次工程へワークをハンドリングするステップと、からなることを特徴としている。
【0013】
また、ストッカからワークを保持する際の保持動作態様を複数の保持動作の中から選択するステップを有し、選択された保持動作態様が予め設定された最適な保持動作態様以外である場合には、ワークをストッカから取り出して仮置台へ載置し、仮置台を形状センサで検出してワークの形状を検出し、最適な保持動作態様でワークを保持して次工程へワークをハンドリングすることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本願発明によれば、ストッカ内のワークを保持した後でワークの保持状態を検査して検査に合格したものは次工程にハンドリングし、ワークの保持状態が不合格であったものは、一旦仮置台にワークを載置し、他のワーク等の外乱のない条件下で再度ワークの形状を検出することで、より適切な保持状態でワークを保持して次工程にハンドリングすることができる。
これにより、ハンドリング途中でワークが脱落する等の不都合を防止することができるとともに、不十分な保持状態で次工程にハンドリングすることによる次工程でのワークの位置決め精度の低下も抑制することができ、ハンドリング作業の精度を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の一実施形態にかかるロボットコントローラの機能構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの全体構成を模式的に示す図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムにおけるワークの形状を説明するための模式的な斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの仮置台及び検出装置付近の構成を説明するための模式的な斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかるセンサユニットの下面図である。
【図6】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの動作を説明するための模式的な斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの動作を説明するための模式的な斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの動作を説明するための模式的な斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの動作を説明するための模式的な斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの動作を説明するための模式的な斜視図である。
【図11】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの動作を説明するための模式的な斜視図である。
【図12】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの動作を説明するための模式的な側面図である。
【図13】本発明の一実施形態にかかるロボットシステムの動作を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の変形例にかかるロボットシステムの全体構成を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一実施形態について図を参照して説明する。
(全体構成)
図2に示すように、ロボットシステム100は、ロボット101,ストッカ102,センサユニット(形状センサ)103,ロボットコントローラ(制御装置)104及びワーク受け渡し路105,仮置台106及び遮光センサ(検出装置)107を有しており、ストッカ102内のワークWをロボット101により1つずつ把持(保持)して、ワーク受け渡し路105に移載するように構成されている。
【0017】
ストッカ102は、金属や樹脂等で形成された箱であり、内部には複数のワーク(検出対象物)Wが無作為に配置(バラ積み)されている。
本実施形態では、ストッカ102に配置バラ積みされるワークWとして、図3に示すように、一方側が幅広に形成された頭部W1と頭部W1から他方側に延びる棒状の腕部W2とが形成されたものを例として説明する。
なお、頭部W1には円形に貫通した中空穴(環状の中空穴部)W3が形成されており、ワークWは、頭部W1の形状や頭部W1から腕部W2の延びる方向が、表方向と裏方向とで非対称な形状をなしている。
即ち、図3に示すようにワークWを表向きに載置した状態(表向きワークWL)と、ワークWを裏向きに載置した状態(裏向きワークWR)とは互いに平面視での形状が鏡像の関係となっている。
【0018】
ワーク受け渡し路105は、ストッカ102の側方側に配設されており、図示省略の次工程に向けてワークWを送給するようになっている。ワーク受け渡し路105は、ワークWを表向きに載置する表向きワーク受け渡し路(表向きワーク受け部)105AとワークWを裏向きに載置する裏向きワーク受け渡し路(裏向きワーク受け部)105Bとからなっており、表向きワーク受け渡し路105Aと裏向きワーク受け渡し路105Bのいずれかの下流側にはワークWを反転させる反転機構(図示省略)が設けられ、反転されて向きが揃ったワークがさらに下流側で合流して次工程に送られるようになっている。
【0019】
仮置台106は、ストッカ102及びワーク受け渡し路105に隣接して配置されており、ワークWを十分に載置可能な平坦な部分(平坦部)が形成されている。
また、図4に示すように、仮置台106の一縁部には、遮光センサ107が配設されている。遮光センサ107は、2箇所に遮光感知部107A,107Bが設けられており、遮光感知部107A,107Bの位置はワークWの形状に基づいて予め設定されている。
各遮光感知部107A,107Bは、それぞれ、近傍に物体が存在することで光が遮られるとオン信号をロボットコントローラ104に入力し、そうでない場合はオフ信号をロボットコントローラ104に入力するようになっている。
ロボットコントローラ104の保持姿勢判定部18(図1参照)では、遮光センサ107から入力された信号に基づいて、ワークWが表向きと裏向きとのどちら向きに保持されているか、あるいは、ワークWがロボット101に不適切な姿勢で保持されているか否か(保持姿勢が合格か不合格か)を判定するようになっている。かかる保持姿勢判定部18の判定内容の詳細は後述する。
【0020】
ロボット101は、いわゆる多関節ロボットであり、図示省略の固定面に基台が固定され、基台から先端にかけて複数の回転関節を有するアーム部101Aを有している。アーム部101Aには関節を駆動する図示省略のサーボモータが内蔵されており、各関節の駆動はロボットコントローラ104により制御されるようになっている。なお、図2ではロボット101の形状を模式化して簡略的に示している。
【0021】
ロボット101のアーム部101Aの先端には、保持装置(保持部)10が取り付けられている。保持装置10は、一対の指部材10Aを有しており各指部材10Aは図示省略のアクチュエータにより互いの間隔を拡縮して開閉動作する。かかる指部材10Aの開閉動作もロボットコントローラ3により制御されるようになっている。
なお、保持装置10としては本実施例の他、指部材が揺動してワークWを掴むものやエアや電磁力による吸着装置等、ワークWを保持(保持)できるものであれば適用可能である。
【0022】
また、ロボット101のアーム部101Aには保持装置10よりもロボット101の基台側にブラケット103を介してセンサユニット(形状センサ)103が取り付けられている。
センサユニット103は、図5に示すように、カメラ1とレーザースキャナ2とを有し、ストッカ102の上方に配設されており、カメラ1及びレーザースキャナ2は下方に向けて配向されている。
レーザースキャナ2は、スリット光レーザーから発射するレーザースリット光をミラーに照射し、モーターでミラーを回転させることで広範囲の対象物にレーザースリット光を照射するようになっている。
【0023】
そして、対象物に照射したレーザースリット光の反射光をカメラ1で撮像し、モーターの回転角度や受光したカメラの撮像素子の位置、レーザー、ミラー、カメラの位置関係から三角測量の原理で対象物までの距離を検出するようになっている。
【0024】
センサユニット103の筐体103Aの内部には記憶装置及び演算装置を有するセンサコントローラ(制御装置)3が内蔵されており、カメラ1及びレーザースキャナ2はセンサコントローラ3により動作制御される。また、カメラ1及びレーザースキャナ2によって検出されたストッカ102の上方からの画像(画素配置データ)及び画像上の距離情報は、センサコントローラ3に入力される。
【0025】
(制御系の構成)
また、ロボットコントローラ104は、記憶装置,電子演算器及び入力装置,表示装置(いずれも図示省略)を有するコンピュータにより構成されており、ロボット101及び保持装置10と相互通信可能に接続されている。また、ロボットコントローラ104とセンサコントローラ3とも相互通信可能に接続されている。
図1に示すように、センサコントローラ3は、機能構成としてワーク形状記憶部13,保持情報記憶部14,対象ワーク検出部15及び動作態様選択部17を有している。
ロボットコントローラ104は、機能構成としてロボット動作制御部16及び保持姿勢判定部18を有している。
【0026】
ワーク形状記憶部13には、予め別途計測等により得たワークWの3次元形状データが記憶されている。ワーク形状記憶部13には、ワークWの種類に応じて種々の3次元形状データが記憶されている。
保持情報記憶部14には、複数種類のワークの保持動作態様とそれぞれの保持動作態様に関連付けられた実行条件が記憶されている。また、複数種類の保持動作態様には優先順位が付けられている。後述のように、動作態様選択部17では保持動作態様の実行条件が満たされると、より優先順位が高い保持動作態様を選択するようになっている。
【0027】
なお、保持動作態様とは、保持対象とするワークWのどの位置をどの方法で保持するのかを規定するもので、本実施形態では保持情報記憶部14にはロボット101及び保持装置10の動作データとして記憶されている。
また、保持情報記憶部14には、ストッカ内のワークを撹乱するためのワーク撹乱動作も複数種類記憶されており、それぞれのワーク撹乱動作に関連付けられた実行条件が記憶されている。
なお、本実施形態ではワーク撹乱動作についても保持動作態様と同様にロボット101及び保持装置10の動作データとして記憶されている。
【0028】
以下、保持動作態様及びワーク撹乱動作についてより詳細に説明する。
本実施形態では、最も優先順位が高い保持動作態様(最適な保持動作態様であり、以下正常保持動作態様ともいう)として、図4に示すように、ワークWの前記中空穴W3に保持装置10の指部材10Aを閉じた状態で挿入させた後、指部材10Aを開いて(拡大させて)ワークWを保持する動作が設定されている。
円形状の中空穴W3を複数の指部材10Aで内側から当接しあうことで、ワークWをより安定して保持することができる。
【0029】
正常保持動作態様の実行条件は、例えば以下の条件を全て満たすこととして設定されている。もちろん詳細な実行条件は適宜変更して設定可能である。
・ワークWの中空穴W3が検出されること
・中空穴W3へ指部材10Aを進入させる際に、指部材10Aを含む保持装置10及びロボット101が対象となるワーク以外のものと干渉しないこと
【0030】
2番目に優先順位が高い保持動作態様は、図6に示すように、ワークWの頭部W1を保持装置10で保持する動作であり、ワークWの頭部W1の保持可能箇所が保持装置10及びロボット101と干渉しない姿勢にあることを実行条件として設定されている。ワークWの重心に比較的近い頭部W1を保持することで安定してワークWを保持することを意図するものである。
3番目に優先順位が高い保持動作態様は、図7に示すように、ワークWの腕部W2を保持装置10で保持する動作であり、ワークWの腕部W2の保持可能箇所が保持装置10及びロボット101と干渉しない姿勢にあることを実行条件として設定されている。
【0031】
1番目に優先順位が高いワーク撹乱動作は、図8,図9に示すようにワークWをストッカ102の内壁102Aから遠ざかる方向に掻き出す動作であり、ワークWと周辺の障害物(ここでは内壁102)との間に指部材10Aを閉じた状態で指部材10Aを当接可能なスペースSが存在することを実行条件としている。
この撹乱動作では、ストッカ102の内壁102Aとロボット101及び把持装置10とが干渉しないようにストッカ102の中央側から斜めに指部材10AをワークW側に進入させて、ワークWを掻き出すように動作が設定されている。
【0032】
2番目に優先順位が高いワーク撹乱動作は、図10に示すようにワークWが内壁102Aに立てかかっている(あるいはストッカ102の内壁102AとワークWとの距離が所定の距離よりも小さい)ことを実行条件としており、図11に示すように、ワークWをストッカ102の中央側に倒す動作を行なう。
このワークWを倒す動作についてより詳細に説明すると、図12に示すように、内壁102Aに立てかかっているワークWの重心よりも下の部分に指部材10Aを図中矢印Pで示す方向から衝突させることで、ワークWが図中破線で示すように、内壁102Aからの反力等によりストッカ102の中央側に倒れることとなる。
【0033】
対象ワーク検出部15は、ワーク形状記憶部13に記憶されたワークWの3次元形状情報とカメラ1及びレーザースキャナ2からの検出結果とに基づいて、センサユニット103によって検出された範囲において、ストッカ102内部で、ワークWであると判定されるものの位置及び姿勢を検出するようになっている。
【0034】
動作態様選択部17は対象ワーク検出部15により検出されたストッカ102の内部の検出結果と、保持情報記憶部14に記憶されている複数種類の実行条件とを照合して、実行条件を満たすワークWを対象ワークWと設定し、当該実行条件に関連付けられた保持動作態様あるいはワーク撹乱動作(以下、これらを包含するときは「動作態様」という)を選択するようになっている。
【0035】
なお、上述したように、実行条件の照合は優先順位に沿って行なわれる。即ち、最初は、対象ワーク検出部15により検出されたものの内、正常保持動作態様の実行条件を満たすワークWの有無を判定する。
正常保持動作態様の実行条件を満たすワークWが存在しない場合には、2番目,3番目の保持動作態様の実行条件を満たすワークWの有無を順次判定し、保持動作態様の実行条件を満たすワークWが存在しない場合には、1番目,2番目のワーク撹乱動作の実行条件を満たすワークWの有無を判定する。
そして、いずれの実行条件も満たさない場合には、動作態様の選択はされず、ストッカ102内にはワークが存在しないものと判定して、ビンピッキング作業を終了する。
【0036】
ロボット動作制御部16は、動作態様選択部17により選択された保持動作態様あるいはワーク撹乱動作を読み込み、ロボット101の各サーボモータ及び保持装置10のアクチュエータに動作信号を生成して、ロボット101及び保持装置10の動作を制御するようになっている。
また、ロボット動作制御部16は、センサユニット103に対して動作信号を送出するようになっている。
【0037】
保持姿勢判定部18は、上述のように遮光センサ107からの入力信号に基づいて、ワークWが表向きと裏向きとのどちら向きに保持されているか、あるいは、ワークWがロボット101に不適切な姿勢で保持されているか否か(保持姿勢が合格か不合格か)を判定するようになっている。
より具体的に説明すると、図4に示すように、遮光センサ107の2箇所に遮光感知部107A,107Bの相互位置は、裏表非対称なワークWの形状に基づいて設定されている。
ロボット制御部16は、ワークWを正常保持動作態様で保持した後、遮光センサ107の近傍の第1位置に指部材10Aを移動させる。第1位置は、ワークWが表向きに正常に保持されていれば、遮光感知部107A,107Bをいずれも遮光し、遮光感知部107A,107Bいずれもオン信号となるように設定される。
そして、保持姿勢判定部18は指部材10Aが第1位置にあるとき、遮光感知部107A,107Bがいずれもオン信号であれば、ワークWの保持姿勢が合格であり、ワークWの保持向きが表向きであると判定する。
【0038】
指部材10Aが第1位置にあるときに、遮光感知部107A,107Bのいずれかまたは両方がオン信号でないときは、ロボット制御部16は、指部材10Aを第1位置から第2位置に移動させる。第2位置は、ワークWが裏向きに正常に保持されている場合に、遮光感知部107A,107Bをいずれも遮光し、遮光感知部107A,107Bいずれもオン信号となるように設定される。
保持姿勢判定部18は、指部材10Aが第2位置にあるとき、遮光感知部107A,107Bがいずれもオン信号であれば、ワークWの保持姿勢が合格であり、ワークWの保持向きが裏向きであると判定する。
そして、保持姿勢判定部18は、指部材10Aが第1位置及び第2位置のいずれにおいても遮光感知部107A,107Bのいずれかまたは両方がオン信号でないには、ワークWの保持姿勢が正常でなくワークの保持状態が不合格であると判定するようになっている。
【0039】
本実施形態にかかるロボットシステムはこのように構成されており、以下、図13に示すフローチャートを参照してロボットシステム100の動作について説明する。
まず、ステップS10では、ロボットコントローラ104からの信号に応じて、ロボット101が動作して、センサユニット103をストッカ102の上方の所定位置に配置させた後、センサユニット103が作動してストッカ102内部の3次元形状情報が検出され、検出結果がロボットコントローラ104に入力される。
【0040】
そしてステップS20では、対象ワーク検出部15において、ストッカ102内部の3次元形状情報に基づきワークWの位置及び姿勢が検出される。ステップS30では、動作態様選択部17が上述の条件から1つの動作態様が選択される。あるいは各動作態様の実行条件をいずれも満たさない場合には動作態様の選択はなされない。
【0041】
続いてステップS40において動作態様選択部17にていずれの動作態様も選択されていない場合には、ステップS170に進み、ビンピッキング作業が終了したとしてロボットシステム100の動作が停止される。
ステップS40においていずれかの動作態様が選択されている場合には、ステップS50として選択された動作態様がワークを保持する保持動作態様であるのか、ストッカ内のワークを撹乱するワーク撹乱動作であるのかが判定される。
動作態様選択部17により選択された動作態様がワーク撹乱動作である場合(即ち、保持動作態様でない場合)には、選択されたワーク撹乱動作に応じてロボット101が動作実行された後、再びステップS10の処理が行われる。
【0042】
動作態様選択部17により選択された動作態様が保持動作態様である場合には、選択された保持動作態様に応じてロボット101が動作され、ストッカ102内のワークWが保持される。
このとき、ステップS70として、動作態様選択部17により選択された動作態様が正常保持動作態様であるか否かが判定され、正常保持動作態様である場合には、ステップS110に進む。
一方、動作態様が正常保持動作態様でない場合は、ステップS60で保持したワークWを仮置台106上に移送した後、ワークWの保持が解除されてワークWが仮置台に載置される(ステップS80)。
【0043】
そして、ステップS90として、センサユニット103が仮置台106の上方の所定位置に移動するようにロボット101が動作され、センサユニット103により仮置台106上のワークWの3次元形状が検出され、ステップS100として、検出された3次元形状情報に基づいて、ロボット101が動作され、仮置台106上のワークWを正常保持動作態様で保持される(ステップS100)。
【0044】
なお、センサユニット103により仮置台106の3次元形状を検出する(スキャン処理)際の検出範囲は、ストッカ102のそれよりも十分に小さいことに加え、仮置台106の上にはワークWが1つのみしか載置されないので、仮置台106の3次元形状を検出してからワークWを検出するまでの演算量が少ない。このため、ストッカ102からワークWを検出する時間に比べて仮置台106からワークを検出する時間の方が少ない時間となる。
また、仮置台106には、指部材10A等と干渉する障害物がないので、正常保持動作態様を十分に実行可能となる。
【0045】
ステップS110では、図4に示すように、ロボット101が動作され、ワークWを保持した状態で、遮光センサ107の検査範囲にワークWが位置されて、遮光センサ107による検出結果がロボットコントローラ104に入力される。
ステップS120及びステップS130では、遮光センサ107による検出結果に基づいてワークWの保持姿勢が合格か不合格か、及び、ワークWが表向きであるか裏向きであるかが検査される。
【0046】
そして、ワークWの保持姿勢が合格でない(即ち、不合格である)と判定されると、ロボット101が動作されて再びワークWを仮置台に載置され(ステップS80)、ステップS90以降の処理が再び実行される。
ワークWの保持姿勢が合格である場合、ワークWの向きが表向きと判定されると、表向きワーク受け渡し路105Aの所定の位置及び姿勢でワークWが載置される(ステップS140)。また、ワークWの向きが裏向きと判定されると、裏向きワーク受け渡し路105Bの所定の位置及び姿勢でワークWが載置される(ステップS150)。
ステップS140あるいはステップS150でワークWがワーク受け渡し路105に移送されると、再びステップS10以降の処理が実行され、新たなワークWがストッカ102からハンドリングされてワーク受け渡し路105に移送される。
【0047】
このように本実施形態にかかるロボットシステムによれば、ストッカ102内のワークWを保持装置10で保持した後に遮光センサ107でワークWの保持状態を検査し、検査に合格したもののみをワーク受け渡し路105側に移送するのでワーク受け渡し路105でのワークWの位置決め精度を向上することができる。
【0048】
また、ワークWの保持状態が不合格であった場合は、一旦、ワークWを形状センサによる検出条件のよい仮置台106に載置してワーク単体分(仮置台分)のみの検出範囲を再度形状検出することで、良好なワークの形状情報を得てこれに基づいて最適な保持動作態様で精度良くワークを次工程へハンドリングさせることができる。
これにより、ハンドリング途中でワークWが脱落する等の不都合を防止することができるとともに、不十分な保持状態でワーク受け渡し路105(あるいは次工程)にハンドリングすることによる位置決め精度の低下等の不都合も抑制することができ、従来技術よりも精度良くワークWをストッカ102から取り出してハンドリングすることができる。
【0049】
また、最適な保持動作態様以外の保持動作態様が選択された場合には、保持されたワークWの滑りなどによる位置のずれ等が考えられることから、一旦仮置台106上で再度スキャン処理を行い、最適な保持動作態様でワークWを保持しなおすことで、精度良くワークWをハンドリングすることができる。
【0050】
また、仮置台106上でのスキャン処理の演算量はストッカ102に対するスキャン処理よりも十分に少ないため、ストッカ102内のワークWをかき回すなどした後に再度ストッカ102にスキャン処理をするよりも、ワークWのハンドリングを効率よく行なうことができる。
また、ワークWが表向きと裏向きとで互いに鏡像関係にあるような形状であっても、遮光センサ107の検出結果と予め記憶された判定基準となる検出結果とに基づいてワークWの保持状態の検査と同時にワークWの表向きと裏向きとを検出できるので、保持する向きが異なるワークWを効率良く、表向きワーク受け渡し路105A側と裏向きワーク受け渡し路105B側とに仕分けることができる。
【0051】
さらに、センサユニット103をロボット101に取り付けているので、センサユニット103の計測可能範囲が一箇所に固定されることなく、ロボット101の位置及び姿勢に応じて適宜の箇所において3次元形状を計測することができるという利点がある。
これにより、例えば、ストッカ102がセンサユニット103の計測可能範囲よりも大きい場合であってもセンサユニット103の位置(計測範囲)を都度ずらして複数回にわたって、検出動作を実行することでストッカ102全体の3次元形状を検出することができる。また、ロボット101を動作させることによりストッカ102内と仮置台106とを1台のセンサユニット103でスキャン処理を実行することができる。
【0052】
さらに、本実施形態では3種設定されている保持動作態様の実行条件のいずれも満たさない場合であっても、ワーク撹乱動作を実行することによりストッカ102内を撹乱させてストッカ102内のワークの位置及び姿勢を変更せしめ、次回以降のスキャン処理で保持動作態様の実行条件を満たす姿勢のワークを作り出すことができる。
【0053】
(変形例)
次に本実施形態の変形例について説明する。図14に示すように、本変形例では、検出装置として遮光センサの代わりにカメラ108が設けられている点のみが上述の実施形態と異なっている。
即ち、ロボット101ストッカ102内のワークWを正常保持動作態様で保持すると、この状態で、カメラ108の撮像範囲にワークWを移送し、カメラ108により保持された状態のワークWが撮像され、検出結果がロボットコントローラ104に入力される。
ロボットコントローラ104には、予め、ワークWが表向きであるときの基準画像及びワークWが表向きであるときの基準画像が記憶されており、ロボットコントローラ104はカメラ108の検出結果と各基準画像とを比較して、ワークWの保持姿勢が合格か不合格か、及び、ワークWが表向きであるか裏向きであるかを判定する。
【0054】
そして、ワークWの保持姿勢が合格でない(即ち、不合格である)と判定されると、ロボット101が動作されてワークWが仮置台106に載置される。仮置台106に載置されたワークWはカメラ108により撮像され、仮置台106上のワークWの画像が取得される。
ロボットコントローラ104では、カメラ108により撮像されたワークWの画像に基づき、正常保持動作態様を実行するための、ロボット101の各サーボモータ及び保持装置10のアクチュエータに対する動作量を演算し生成して動作信号を送信し、仮置台106上のワークWを正常保持動作態様で保持して、再びワークWの保持姿勢が合格か不合格か、及び、ワークWが表向きであるか裏向きであるかを判定する。
【0055】
即ち、仮置台106上のような平坦部上にワークWが載置されている場合、ワークWが水平に載置されているものと擬制することができるので、センサユニット103を動作させて、3次元形状情報(即ち、平面形状及びその平面形状上の各ピクセルまでの距離情報)を取得することなく、カメラ108から取得される平面(上面)形状のみからワークWの中空穴W3の位置を検出することができる。これにより、センサユニット103を動作させて3次元形状情報を取得する場合よりも仮置台106に載置されたワークWを正常保持動作態様にて動作するまでに要する時間を短縮することができる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明にかかるロボットシステムは上述の実施形態のものに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変形して適用可能である。
例えば、ワークの形状等については、上述の実施形態に限定することなく、当然ながら、適宜の形状のワークに対して本発明を適用可能である。
また、実施形態では、ストッカから取り出したワークをワーク受け渡し路に移送するものについて説明したが、これに限らず、ストッカから正常な姿勢でワークを保持して取り出し、そのままワークを保持した状態でロボットを動作させて、溶接や組み立て作業等の別加工を行なうように構成してもよい。
【0057】
また、実施形態では、1つの動作態様のみを最適な保持動作態様として設定した例を説明したが、ワークWを十分な精度で保持可能な複数の保持動作態様を本発明における最適な保持動作態様として設定してもよい。
制御装置についても実施形態のセンサコントローラとロボットコントローラのように複数別体の電子演算器を協働させて構成してもよく、あるいは、単体の電子演算器で構成してもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 カメラ
2 レーザースキャナ
3 センサコントローラ(制御装置)
10 保持装置
10A 指部材
13 ワーク形状記憶部
14 保持情報記憶部
15 対象ワーク検出部
16 ロボット動作制御部
17 動作態様選択部
100 ロボットシステム
101 ロボット(マニピュレータユニット)
102 ストッカ
102A ストッカ内壁
103 センサユニット(検査装置)
103A 筐体
104 ロボットコントローラ(制御装置)
105 ワーク受け渡し路
106 仮置台
107 遮光センサ(検査装置)
108 カメラ
W ワーク
W1 頭部
W2 腕部
W3 中空穴(中空穴部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のワークを収納したストッカ内の前記ワークを保持する保持部を有するロボットと、
前記ワークの形状を検出する形状センサと、
前記ロボットによる前記ワークの保持状態を検査する検査装置と、
前記ワークを仮置きする仮置台と、
前記ロボット及び前記形状センサの動作を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記ストッカ内のいずれかのワークを保持した後、
前記検査装置によりワークの保持状態が合格であると判定されると、次工程へ前記ワークをハンドリングさせ、
前記検査装置によりワークの保持状態が不合格であると判定されると、前記仮置台に前記保持したワークを載置して前記仮置台を前記形状センサで検出して前記ワークの形状を検出して、再度、前記保持部により前記ワークを保持して次工程へ前記ワークをハンドリングさせる
ことを特徴とする、ロボットシステム。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記ワークの形状を記憶するワーク形状記憶部と、
前記形状センサによる前記ストッカ内の形状情報の検出結果に基づいて前記ストッカ内の前記ワークを検出する対象ワーク検出部と、
前記ロボットによるワークの保持動作態様とその実行条件とを記憶する保持情報記憶部と、
前記ロボットを動作させて前記対象ワーク検出部により検出された前記ワークを保持して前記ストッカから取り出すロボット動作制御部と、を有している
ことを特徴とする、請求項1記載のロボットシステム。
【請求項3】
前記保持情報記憶部には、最適な保持動作態様の他に、別の保持動作態様とその実行条件とが記憶されており、
前記制御装置は、
前記保持情報記憶部に記憶された複数の保持動作態様のうち、前記実行条件を満たすいずれかの保持動作態様を選択する動作態様選択部を有し、
前記ロボット動作制御部は、前記動作態様選択部により選択された保持動作態様に基づいて、前記ワークを保持して前記ストッカから取り出す
ことを特徴とする、請求項2記載のロボットシステム。
【請求項4】
前記ロボット動作制御部は、前記動作態様選択部により選択された保持動作態様が前記最適な保持動作態様以外であるとき、
前記ワークを前記ストッカから取り出して前記仮置台へ載置し、前記仮置台を前記形状センサで検出して前記ワークの形状を検出し、前記最適な保持動作態様で前記ワークを保持して次工程へ前記ワークをハンドリングさせる
ことを特徴とする、請求項3記載のロボットシステム。
【請求項5】
前記ワークは、表裏非対象な形状のものであり
前記次工程は、前記ワークを表向きに受け入れる表向きワーク受け部と、前記ワークを裏向きに受け入れる裏向きワーク受け部と、を有し、
前記検査装置は、前記ワークの保持状態の検査に加えて、前記保持部により前記ワークが表裏いずれの向きに保持されているかを検出し、
前記ロボット動作制御部は、前記ワークの表裏の検出結果に基づいて、前記表向きワーク受け部または前記裏向きワーク受け部のいずれかに前記ワークを受け渡す
ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のロボットシステム。


【請求項6】
前記形状センサは前記ロボットに取り付けられ、前記ストッカを撮像するカメラと、前記ストッカ内の距離情報を検出する距離センサとを有している
ことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のロボットシステム。
【請求項7】
前記保持情報記憶部には、前記ストッカ内のワークを撹乱するためのワーク撹乱動作が予め記憶され、
前記動作態様選択部は、前記保持情報記憶部に記憶された前記保持動作態様の前記実行条件をいずれも満たさない場合には、前記ワーク撹乱動作を選択し、
前記ロボット動作制御部は、前記動作態様選択部により選択された撹乱動作情報に基づいて、前記ストッカ内の前記ワークを撹乱させる
ことを特徴とする、請求項3又は4記載のロボット装置。
【請求項8】
前記保持情報記憶部には、複数種類のワーク撹乱動作が予め記憶され、
前記動作態様選択部は、前記複数種類のワーク撹乱動作のうち、予め設定されたワーク条件に適合した前記ワーク撹乱動作を選択する
ことを特徴とする、請求項7記載のロボットシステム。
【請求項9】
複数のワークを収納したストッカ内の前記ワークを保持する保持部を有するロボットと、
制御装置と、を有し、
前記制御装置は、
前記形状センサにより検出された前記ストッカ内の前記ワークの形状情報に基づいて前記ストッカ内のいずれかのワークを保持した後、前記ワークの保持状態を検査する検査装置の近傍に前記保持部を移送し、
前記ワークの保持状態が合格であると判定されると、次工程へ前記ワークをハンドリングさせ、
前記検査装置によりワークの保持状態が不合格であると判定されると、前記保持したワークを仮置台に載置し、形状センサにより検出された前記仮置台上の前記ワークの形状情報に基づいて再度、前記保持部により前記ワークを保持して次工程へ前記ワークをハンドリングさせる
ことを特徴とする、ロボット装置。
【請求項10】
複数のワークを収納したストッカの前記ワークをロボットによってハンドリングする方法であって、
前記ストッカ内の形状情報を形状センサによって検出した検出結果に基づいて前記ストッカから前記ワークを保持するステップと、
前記ロボットによる前記ワークの保持状態を検査装置により検査するステップと、
前記検査装置によりワークの保持状態が合格であると判定された場合に実行され、次工程へ前記ワークをハンドリングするステップと、
前記検査装置によりワークの保持状態が不合格であると判定された場合に実行され、前記仮置台に前記保持したワークを載置して前記仮置台を前記形状センサで検出して前記ワークの形状を検出して、再度、前記保持部により前記ワークを保持して次工程へ前記ワークをハンドリングするステップと、からなる
ことを特徴とする、ワークハンドリング方法。
【請求項11】
前記ストッカから前記ワークを保持する際の保持動作態様を複数の保持動作の中から選択するステップを有し、
前記選択された保持動作態様が予め設定された最適な保持動作態様以外である場合には、前記ワークを前記ストッカから取り出して前記仮置台へ載置し、前記仮置台を前記形状センサで検出して前記ワークの形状を検出し、前記最適な保持動作態様で前記ワークを保持して次工程へ前記ワークをハンドリングする
ことを特徴とする、請求項10記載のワークハンドリング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−183537(P2011−183537A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54015(P2010−54015)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000006622)株式会社安川電機 (2,482)
【Fターム(参考)】