ロボット
【課題】 安定して歩行することができる走行可能なロボットを提供する。
【解決手段】 ロボット10は、上腿20と、上腿20に膝関節21を介して接続された下腿22と、下腿22に足首関節23を介して接続された足平24を有する脚リンクを一対備え、その一対の脚リンクで歩行する人型のものである。そして、膝関節21近傍に設けられ、ロボット10が膝を折り曲げたときに接地する膝車輪25と、膝車輪25を駆動する装置を備えている。
このロボット10の脚リンクは、慣性モーメントが小さい。このため、安定して歩行することができる。
【解決手段】 ロボット10は、上腿20と、上腿20に膝関節21を介して接続された下腿22と、下腿22に足首関節23を介して接続された足平24を有する脚リンクを一対備え、その一対の脚リンクで歩行する人型のものである。そして、膝関節21近傍に設けられ、ロボット10が膝を折り曲げたときに接地する膝車輪25と、膝車輪25を駆動する装置を備えている。
このロボット10の脚リンクは、慣性モーメントが小さい。このため、安定して歩行することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットに関するものである。詳しくは、2足歩行する人型のロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一対の脚リンクで歩行する人型のロボットが知られている。脚リンクは、上腿と、上腿に膝関節を介して接続された下腿と、下腿に足首関節を介して接続された足平を有している。
特許文献1には、人型のロボットを高速で移動させる技術が記載されている。このロボットは、膝関節に設けられた従動転動体と、足平に設けられた駆動転動体を備えている。従動転動体と駆動転動体は、膝関節が折り曲げられたときに接地する。駆動転動体は、足平に配された走行駆動部に駆動されて回転する。従動転動体は、自由に回転することができる。駆動転動体が回転すると、ロボットは走行する。従動転動体は、ロボットの走行にともなって回転する。ロボットは、走行することによって高速で移動できる。
【0003】
【特許文献1】特開平5−285864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のロボットは、駆動転動体と走行駆動部が足平に設けられている。従って、脚リンクの先端部分が重くなる。脚リンクの先端部分が重くなると、脚リンクの慣性モーメントが大きくなる。ロボットが歩行するときには、脚リンクは加減速を繰り返す。このため、脚リンクの慣性モーメントが大きいと、ロボットの歩行安定性が低下してしまう。
本発明は、その問題を解決するためになされたものであり、安定して歩行することができる走行可能なロボットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のロボットは、上腿と、上腿に膝関節を介して接続された下腿と、下腿に足首関節を介して接続された足平を有する脚リンクを一対備え、その一対の脚リンクで歩行する人型のものである。そして、膝関節近傍に設けられ、ロボットが膝を折り曲げたときに接地する膝車輪と、膝車輪を駆動する装置を備えている。
このロボットは、駆動装置によって駆動される膝車輪が膝関節近傍に設けられている。このため、脚リンクの慣性モーメントが小さくなり、ロボットは安定して歩行することができる。
【0006】
上記のロボットにおいて、駆動装置は、膝車輪の駆動と膝関節の駆動に兼用されることが好ましい。
このように構成すると、膝車輪用の駆動装置と、膝関節用の駆動装置を別々に設ける必要がない。
【0007】
上記のロボットにおいて、足平に設けられ、膝車輪とともに接地する自由回転可能な足平車輪を備えることが好ましい。
このロボットのように、膝車輪とともに接地する自由回転可能な足平車輪を備えていると、走行安定性が向上する。
【0008】
上記のロボットにおいて、足平車輪のキャスター角度が可変であることが好ましい。
足平車輪のキャスター角度が可変であると、走行時の直進安定性を調整することができる。
【0009】
上記のロボットにおいて、膝車輪が接地した状態で、人間が立つことが可能な部位が下腿に設けられていることが好ましい。
このロボットは、人間が立って搭乗することができる。
【0010】
上記のロボットにおいて、膝車輪が接地した状態で、人間が座ることが可能な部位が胴体に設けられていることが好ましい。
このロボットは、人間が座って搭乗することができる。
【0011】
上記のロボットにおいて、胴体に人間が把持する取っ手が設けられていることが好ましい。
取っ手を人間が把持すると、ロボットに搭乗している人間の姿勢が安定する。
【0012】
上記のロボットにおいて、胴体にロボット操縦用の装置が設けられていることが好ましい。
操縦装置が設けられていると、人間がロボットを操縦することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
後述する実施例の主要な特徴を記載する。
(1)ロボットは2足歩行する人型であり、左脚、右脚、胴体、左腕、右腕、頭を備えている。左脚と右脚は、それぞれ上腿、膝関節、下腿、足首関節、足平を有している。
(2)膝関節は、膝車輪、駆動部、駆動切替部を備えている。駆動切替部は、駆動部が膝車輪を駆動する場合と、駆動部が膝関節を駆動する場合とを切替える。足平の爪先には、自由回転可能な足平車輪が装着されている。足平車輪は、ロボットが歩行するときには、接地しない位置に配されている。
(3)ロボットは、左脚と右脚の膝関節を折り曲げることによって、膝車輪と足平車輪の計4輪を地面に接地させる。駆動部が膝車輪を回転駆動すると、ロボットは走行する。ロボットの走行にともなって、足平車輪も回転する。
【実施例】
【0014】
本発明のロボットに係る一実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、ロボット10は2足歩行する人型であり、左脚12、右脚14、胴体15、左腕16、右腕17、頭18を備えている。なお、以下においては、x、y、z軸からなる座標系を設定して説明を進める。x軸(ロール軸)は、ロボット10の前後方向に延びている。y軸(ピッチ軸)は、ロボット10の左右方向に延びている。z軸(ヨー軸)は、ロボット10の上下方向に延びている。左脚12は、左上腿20、左膝関節21、左下腿22、左足首関節23、左足平24を有している。左上腿20は、左股関節27を介して胴体15と接続されている。左股関節27は、駆動機構(図示省略)に駆動されて、x、y、z軸回りの関節角を変化させる。図3に良く示すように、左下腿22は、左膝関節21を介して左上腿20と接続されている。左膝関節21は、y軸回りの関節角を変化させる。左膝関節21は、回転軸がy軸方向に延びる左膝車輪25を有している(左膝関節21については、後述にて詳細に説明する)。
図1、図2に示すように、左足平24は、左足首関節23を介して左下腿22と接続されている。左足首関節23は、駆動機構(図示省略)に駆動されて、x、y軸回りの関節角を変化させる。左足平24の爪先30には、回転軸がy軸方向に延びるとともに自由回転可能な左足平車輪26が装着されている。左足平車輪26は、ロボット10が歩行するときには、接地しない位置に配されている。
右脚14は、右上腿31、右膝関節32、右下腿33、右足首関節34、右足平35を備えている。右上腿31は、右股関節38を介して胴体15と接続されている。右膝関節32は、右膝車輪40を有している。右足平35の爪先には、右足平車輪37が装着されている。右脚14は、左脚12と同構成、かつ対称な形状を有している。従って、以下においては、左脚12と右脚14の説明は、左脚12で代表して行うこととし、必要がない限り左右の区別は省略する。例えば、「左膝関節21」を「膝関節21」と記載する。
【0015】
図4に示すように、膝関節21は、ベアリング41、42、43、膝車輪25、駆動部44、駆動切替部45を備えている。下腿22は、ベアリング41、42によって、上腿20に回転可能に取り付けられている。膝車輪25は、ベアリング43によって、上腿20に回転可能に取り付けられている。駆動部44は、電動のモータ59と、減速機46を有している。モータ59は、コントローラ(図示省略)に制御されて回転する。モータ59のシャフト47は、減速機46と連結されている。減速機46は、複数のギアを内蔵しており、モータ59の回転数を減速して、シャフト48から出力する。
駆動切替部45は、ソレノイド49、ロック部材50、スライド部材51、下腿22に形成されたアーム部52を有している。ソレノイド49は、コントローラに制御されてプランジャ53を伸縮させる。ロック部材50は、ソレノイド49のプランジャ53とスライド部材51との間に介装されている。ロック部材50には、掛止部54が形成されている。ロック部材50は、上腿20に形成された案内部(図示省略)に案内されて、y軸方向にのみスライドすることができる。
【0016】
スライド部材51は、減速機46のシャフト48に沿って、図4に示されている位置と、図9に示されている位置との間をスライドすることができる。まず、スライド部材51が図4に示す位置に配されている場合について説明する。図5に示すように、スライド部材51は略円筒状に形成されている。スライド部材51の外周部には、y軸方向に延びるスプライン55が形成されている。アーム部52には、スライド部材51のスプライン55に対応した形状のスプライン56が形成されている。従って、スライド部材51とアーム部52は、スプライン55とスプライン56が嵌合することによって、相対回転不能な状態とされている。
図5に示すように、アーム部52には、凹部60が形成されている。なお、図5に示す位置にアーム部材52が配された場合には、図4の断面では、正しくは凹部60が図示されないが、説明の便宜上、それを図示している。
減速機46のシャフト48は、スライド部材51を貫通している。シャフト48には、y軸方向に延びるキー57が形成されている。スライド部材51の内周部には、シャフト48のキー57に対応した形状のキー溝58が形成されている。すなわち、シャフト48とスライド部材51は、キー57とキー溝58によって嵌合しており、シャフト48が回転すると、スライド部材51も回転する。スライド部材51は、シャフト48の軸方向にスライドすることができる。
このように構成されているので、モータ59が正転と逆転を繰り返すと、膝関節21は揺動回転する。股関節27、38と、膝関節21、34と、足首関節23、34がコントローラによって統合的に制御されて揺動回転することで、ロボット10は歩行する。
【0017】
図4に示すように、膝車輪25は、略円板状のホイール61と、ホイール61の外周部に装着された弾性体であるタイヤ62を有している。ホイール61の中心部には、貫通孔63が設けられている。貫通孔63の内周部には、スライド部材51のスプライン55と対応した形状のスプライン64が形成されている(図4では、スプライン64の溝の図示を省略している。同様に、後述する図9でも、アーム部52に形成されたスプライン56の溝の図示を省略している)。
【0018】
図6、図7に示すように、ロボット10は、脚12、14の膝関節21、32を折り曲げることによって、膝車輪25、40と足平車輪26、37を地面65に接地させることができる。
図8は、膝車輪25が接地したときのアーム部52を示している。この状態では、アーム部52の凹部60は、図5に示す状態から時計方向に回転して、シャフト48の上方であるとともに、ロック部材50の掛止部54と対向する位置に配される。ソレノイド49が駆動され、プランジャ53が伸長すると、ロック部材50の掛止部54がアーム部52の凹部60に入り込む。掛止部54が凹部60に入り込むと、膝関節21はロックされ、y軸回りに回転できなくなる。
また、プランジャ53が伸長すると、ロック部材50がスライド部材51を押し、スライド部材51を膝車輪25側にスライドさせる。スライド部材51がスライドすると、スライド部材51のスプライン55と、アーム部52のスプライン56との嵌合が解除される。そして、図9に示すように、スライド部材51のスプライン55と膝車輪25のホイール61のスプライン64が嵌合する。上述したように、減速機46のシャフト48が回転すると、それと嵌合しているスライド部材51も回転する。よって、モータ59が回転すると、膝車輪25が回転する。
【0019】
左膝車輪25と同様に、右膝車輪40もモータに駆動されて回転する。膝車輪25、40が回転駆動されると、ロボット10は走行する。ロボット10の走行にともなって、足平車輪26、37も回転する。膝車輪25、40を駆動するモータの回転方向を変化させることにより、ロボット10を前進させたり後進させたりすることができる。
左膝車輪25と右膝車輪40の回転数を異ならせると、ロボット10を旋回させることができる。例えば、左膝車輪25よりも右膝車輪40の回転数を速くすると、ロボット10は左旋回する。この場合、図10に示すように、足首関節23、34がz軸回りに自由に回転できるようにすることが好ましい。このようにしておくと、ロボット10が旋回するときに、足平車輪26、37の車輪中心面が旋回方向に沿うように足平24、35がz軸回りに回転し、旋回をスムーズに行うことができる。
足首関節23、34を駆動して、足平車輪26、37を操舵することもできる。具体的には、足首関節23、34を駆動して足平車輪26、37の車輪中心面が旋回方向に向くように足平24、35をz軸回りに回転させる。このようにすると、ロボット10はより安定して旋回することができる。
脚12、14は、一歩毎に加減速を繰り返す。このため、脚12、14の慣性モーメントが大きいと、歩行安定性が低下してしまう。本実施例のロボット10は、膝関節21、32に駆動部が設けられている。このため、足平24、35に駆動輪を装着し、足平24、35に駆動部を設ける場合に比べて、脚12、14の慣性モーメントを小さくすることができる。よって、歩行安定性に優れている。また、脚12、14の慣性モーメントが小さいので、股関節27、38や膝関節21、32の駆動負荷を小さくすることもできる。
【0020】
図11に示すように、足首関節23、24をy軸回りに回転し、足平車輪26、37にキャスター角度αを持たせることもできる(足平車輪26,37にトレール値βを持たせる)。足平車輪26、37にキャスター角度αを持たせると、ロボット10が走行するときの直進安定性が向上する。
足首関節23、24を駆動して足平車輪26、37を操舵する場合には、足平車輪26、37がキャスター角度を持たない状態(図10の状態)で行うことが好ましい。足平車輪26、37がキャスター角度を持たない状態では、小さい操舵力で足平車輪26、37の舵角を変化させることができるからである。従って、足平車輪26、37がキャスター角度を持たない状態で操舵して旋回し、旋回が終了したら足平車輪26、37がキャスター角度を持つ状態(図11の状態)として直進安定性を確保するのが効果的である。
図12に示すように、足平車輪26、37を接地させずに、膝車輪25、40の2輪のみでロボット10を走行させることもできる。膝車輪25、40の2輪のみで走行すると、傾斜地を走行しやすくなるとともに、機動性も向上する。
図13に示すように、左腕16の左掌70に自由回転可能な左掌車輪71を設けることもできる。右腕17の右掌にも、同様に右掌車輪を設ける。このように構成すると、ロボット10は、左掌車輪71、右掌車輪、膝車輪25、40、足平車輪26、37の計6輪で走行することになるので、走行安定性がより向上する。
【0021】
図14に示すように、ロボット10の下腿22の脹ら脛部分に、人間73が立つことができる足載台72を設けることもできる。足載台72を設けると、人間73は立った状態でロボット10に搭乗することができる。この場合、足平車輪26、37を設けなくてもよい。膝車輪25、40の2輪で走行するロボット10でも、前後のバランスを適切に制御することにより、足載台72に人間を立たせた状態で走行することができる。
また、図15に示すように、ロボット10の肩部83に取っ手82と操縦装置81を設けてもよい。取っ手82は、人間73が握るためのものである。人間73が取っ手82を握ることにより、ロボット10が走行しているときの人間73の姿勢が安定する。
操縦装置81は、人間73が走行するロボット10を操縦するためのものであり、コントローラと接続されている。操縦装置81には、例えば、ジョイスティックや、ハンドルや、ボタンや、タッチパネルを用いることができる。操縦装置81がジョイスティックの場合、操縦装置81を前方に倒すと、ロボット10は前進する。操縦装置81を後方に倒すと、ロボット10は後進する。操縦装置81を前方、かつ右方に倒すと、ロボット10は前進しながら右に曲がる。
【0022】
図16に示すように、左掌車輪70、右掌車輪、膝車輪25、40、足平車輪26、37の6輪で走行するロボット10の胴体15に、人間73が座る座面74を設けることもできる。座面74を設けると、人間73は座った状態でロボット10に搭乗することができる。胴体15に座面74を設ける場合、左掌車輪71と右掌車輪を必ずしも備えなくても良い。車輪25、40、足平車輪26、37の4輪で走行するロボット10でも、胴体を前屈みにすることによって、座面74に人間を座らせることができる。この形態の場合にも、ロボット10に取っ手と操縦装置を備えることが好ましい。取っ手と操縦装置は、例えば、胴体15の腰部に設ける。
掌車輪、膝車輪、足平車輪の代わりに、他の転動体(例えば、ローラや球体)を採用することもできる。
【0023】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ロボットの正面図。
【図2】ロボットの側面図。
【図3】膝関節の詳細側面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】4車輪走行姿勢をとったロボットの側面図。
【図7】4車輪走行姿勢をとったロボットの正面図。
【図8】アーム部の側面図。
【図9】膝関節の断面図。
【図10】足平車輪の動きを説明する図。
【図11】同上。
【図12】2輪走行姿勢をとったロボットの側面図。
【図13】6輪走行姿勢をとったロボットの側面図。
【図14】ロボットに人間が搭乗した状態の側面図。
【図15】ロボットに人間が搭乗した状態の正面図。
【図16】ロボットに人間が搭乗した状態の側面図。
【符号の説明】
【0025】
10:ロボット
12:左脚
14:右脚
15:胴体
16:左腕
17:右腕
18:頭
20:左上腿
21:左膝関節
22:左下腿
23:左足首関節
24:左足平
25:左膝車輪
26:左足平車輪
27:左股関節
30:爪先
31:右上腿
32:右膝関節
33:右下腿
34:右足首関節
35:右足平
37:右足平車輪
38:右股関節
40:右膝車輪
41、42、43:ベアリング
44:駆動部
45:駆動切替部
46:減速機
47、48:シャフト
49:ソレノイド
50:ロック部材
51:スライド部材
52:アーム部
53:プランジャ
54:掛止部
55、56:スプライン
57:キー
58:キー溝
59:モータ
60:凹部
61:ホイール
62:タイヤ
63:貫通孔
64:スプライン
65:地面
70:左掌
71:左掌車輪
72:足載台
73:人間
74:座面
81:操縦装置
82:取っ手
83:肩部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットに関するものである。詳しくは、2足歩行する人型のロボットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一対の脚リンクで歩行する人型のロボットが知られている。脚リンクは、上腿と、上腿に膝関節を介して接続された下腿と、下腿に足首関節を介して接続された足平を有している。
特許文献1には、人型のロボットを高速で移動させる技術が記載されている。このロボットは、膝関節に設けられた従動転動体と、足平に設けられた駆動転動体を備えている。従動転動体と駆動転動体は、膝関節が折り曲げられたときに接地する。駆動転動体は、足平に配された走行駆動部に駆動されて回転する。従動転動体は、自由に回転することができる。駆動転動体が回転すると、ロボットは走行する。従動転動体は、ロボットの走行にともなって回転する。ロボットは、走行することによって高速で移動できる。
【0003】
【特許文献1】特開平5−285864号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のロボットは、駆動転動体と走行駆動部が足平に設けられている。従って、脚リンクの先端部分が重くなる。脚リンクの先端部分が重くなると、脚リンクの慣性モーメントが大きくなる。ロボットが歩行するときには、脚リンクは加減速を繰り返す。このため、脚リンクの慣性モーメントが大きいと、ロボットの歩行安定性が低下してしまう。
本発明は、その問題を解決するためになされたものであり、安定して歩行することができる走行可能なロボットを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のロボットは、上腿と、上腿に膝関節を介して接続された下腿と、下腿に足首関節を介して接続された足平を有する脚リンクを一対備え、その一対の脚リンクで歩行する人型のものである。そして、膝関節近傍に設けられ、ロボットが膝を折り曲げたときに接地する膝車輪と、膝車輪を駆動する装置を備えている。
このロボットは、駆動装置によって駆動される膝車輪が膝関節近傍に設けられている。このため、脚リンクの慣性モーメントが小さくなり、ロボットは安定して歩行することができる。
【0006】
上記のロボットにおいて、駆動装置は、膝車輪の駆動と膝関節の駆動に兼用されることが好ましい。
このように構成すると、膝車輪用の駆動装置と、膝関節用の駆動装置を別々に設ける必要がない。
【0007】
上記のロボットにおいて、足平に設けられ、膝車輪とともに接地する自由回転可能な足平車輪を備えることが好ましい。
このロボットのように、膝車輪とともに接地する自由回転可能な足平車輪を備えていると、走行安定性が向上する。
【0008】
上記のロボットにおいて、足平車輪のキャスター角度が可変であることが好ましい。
足平車輪のキャスター角度が可変であると、走行時の直進安定性を調整することができる。
【0009】
上記のロボットにおいて、膝車輪が接地した状態で、人間が立つことが可能な部位が下腿に設けられていることが好ましい。
このロボットは、人間が立って搭乗することができる。
【0010】
上記のロボットにおいて、膝車輪が接地した状態で、人間が座ることが可能な部位が胴体に設けられていることが好ましい。
このロボットは、人間が座って搭乗することができる。
【0011】
上記のロボットにおいて、胴体に人間が把持する取っ手が設けられていることが好ましい。
取っ手を人間が把持すると、ロボットに搭乗している人間の姿勢が安定する。
【0012】
上記のロボットにおいて、胴体にロボット操縦用の装置が設けられていることが好ましい。
操縦装置が設けられていると、人間がロボットを操縦することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
後述する実施例の主要な特徴を記載する。
(1)ロボットは2足歩行する人型であり、左脚、右脚、胴体、左腕、右腕、頭を備えている。左脚と右脚は、それぞれ上腿、膝関節、下腿、足首関節、足平を有している。
(2)膝関節は、膝車輪、駆動部、駆動切替部を備えている。駆動切替部は、駆動部が膝車輪を駆動する場合と、駆動部が膝関節を駆動する場合とを切替える。足平の爪先には、自由回転可能な足平車輪が装着されている。足平車輪は、ロボットが歩行するときには、接地しない位置に配されている。
(3)ロボットは、左脚と右脚の膝関節を折り曲げることによって、膝車輪と足平車輪の計4輪を地面に接地させる。駆動部が膝車輪を回転駆動すると、ロボットは走行する。ロボットの走行にともなって、足平車輪も回転する。
【実施例】
【0014】
本発明のロボットに係る一実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1、図2に示すように、ロボット10は2足歩行する人型であり、左脚12、右脚14、胴体15、左腕16、右腕17、頭18を備えている。なお、以下においては、x、y、z軸からなる座標系を設定して説明を進める。x軸(ロール軸)は、ロボット10の前後方向に延びている。y軸(ピッチ軸)は、ロボット10の左右方向に延びている。z軸(ヨー軸)は、ロボット10の上下方向に延びている。左脚12は、左上腿20、左膝関節21、左下腿22、左足首関節23、左足平24を有している。左上腿20は、左股関節27を介して胴体15と接続されている。左股関節27は、駆動機構(図示省略)に駆動されて、x、y、z軸回りの関節角を変化させる。図3に良く示すように、左下腿22は、左膝関節21を介して左上腿20と接続されている。左膝関節21は、y軸回りの関節角を変化させる。左膝関節21は、回転軸がy軸方向に延びる左膝車輪25を有している(左膝関節21については、後述にて詳細に説明する)。
図1、図2に示すように、左足平24は、左足首関節23を介して左下腿22と接続されている。左足首関節23は、駆動機構(図示省略)に駆動されて、x、y軸回りの関節角を変化させる。左足平24の爪先30には、回転軸がy軸方向に延びるとともに自由回転可能な左足平車輪26が装着されている。左足平車輪26は、ロボット10が歩行するときには、接地しない位置に配されている。
右脚14は、右上腿31、右膝関節32、右下腿33、右足首関節34、右足平35を備えている。右上腿31は、右股関節38を介して胴体15と接続されている。右膝関節32は、右膝車輪40を有している。右足平35の爪先には、右足平車輪37が装着されている。右脚14は、左脚12と同構成、かつ対称な形状を有している。従って、以下においては、左脚12と右脚14の説明は、左脚12で代表して行うこととし、必要がない限り左右の区別は省略する。例えば、「左膝関節21」を「膝関節21」と記載する。
【0015】
図4に示すように、膝関節21は、ベアリング41、42、43、膝車輪25、駆動部44、駆動切替部45を備えている。下腿22は、ベアリング41、42によって、上腿20に回転可能に取り付けられている。膝車輪25は、ベアリング43によって、上腿20に回転可能に取り付けられている。駆動部44は、電動のモータ59と、減速機46を有している。モータ59は、コントローラ(図示省略)に制御されて回転する。モータ59のシャフト47は、減速機46と連結されている。減速機46は、複数のギアを内蔵しており、モータ59の回転数を減速して、シャフト48から出力する。
駆動切替部45は、ソレノイド49、ロック部材50、スライド部材51、下腿22に形成されたアーム部52を有している。ソレノイド49は、コントローラに制御されてプランジャ53を伸縮させる。ロック部材50は、ソレノイド49のプランジャ53とスライド部材51との間に介装されている。ロック部材50には、掛止部54が形成されている。ロック部材50は、上腿20に形成された案内部(図示省略)に案内されて、y軸方向にのみスライドすることができる。
【0016】
スライド部材51は、減速機46のシャフト48に沿って、図4に示されている位置と、図9に示されている位置との間をスライドすることができる。まず、スライド部材51が図4に示す位置に配されている場合について説明する。図5に示すように、スライド部材51は略円筒状に形成されている。スライド部材51の外周部には、y軸方向に延びるスプライン55が形成されている。アーム部52には、スライド部材51のスプライン55に対応した形状のスプライン56が形成されている。従って、スライド部材51とアーム部52は、スプライン55とスプライン56が嵌合することによって、相対回転不能な状態とされている。
図5に示すように、アーム部52には、凹部60が形成されている。なお、図5に示す位置にアーム部材52が配された場合には、図4の断面では、正しくは凹部60が図示されないが、説明の便宜上、それを図示している。
減速機46のシャフト48は、スライド部材51を貫通している。シャフト48には、y軸方向に延びるキー57が形成されている。スライド部材51の内周部には、シャフト48のキー57に対応した形状のキー溝58が形成されている。すなわち、シャフト48とスライド部材51は、キー57とキー溝58によって嵌合しており、シャフト48が回転すると、スライド部材51も回転する。スライド部材51は、シャフト48の軸方向にスライドすることができる。
このように構成されているので、モータ59が正転と逆転を繰り返すと、膝関節21は揺動回転する。股関節27、38と、膝関節21、34と、足首関節23、34がコントローラによって統合的に制御されて揺動回転することで、ロボット10は歩行する。
【0017】
図4に示すように、膝車輪25は、略円板状のホイール61と、ホイール61の外周部に装着された弾性体であるタイヤ62を有している。ホイール61の中心部には、貫通孔63が設けられている。貫通孔63の内周部には、スライド部材51のスプライン55と対応した形状のスプライン64が形成されている(図4では、スプライン64の溝の図示を省略している。同様に、後述する図9でも、アーム部52に形成されたスプライン56の溝の図示を省略している)。
【0018】
図6、図7に示すように、ロボット10は、脚12、14の膝関節21、32を折り曲げることによって、膝車輪25、40と足平車輪26、37を地面65に接地させることができる。
図8は、膝車輪25が接地したときのアーム部52を示している。この状態では、アーム部52の凹部60は、図5に示す状態から時計方向に回転して、シャフト48の上方であるとともに、ロック部材50の掛止部54と対向する位置に配される。ソレノイド49が駆動され、プランジャ53が伸長すると、ロック部材50の掛止部54がアーム部52の凹部60に入り込む。掛止部54が凹部60に入り込むと、膝関節21はロックされ、y軸回りに回転できなくなる。
また、プランジャ53が伸長すると、ロック部材50がスライド部材51を押し、スライド部材51を膝車輪25側にスライドさせる。スライド部材51がスライドすると、スライド部材51のスプライン55と、アーム部52のスプライン56との嵌合が解除される。そして、図9に示すように、スライド部材51のスプライン55と膝車輪25のホイール61のスプライン64が嵌合する。上述したように、減速機46のシャフト48が回転すると、それと嵌合しているスライド部材51も回転する。よって、モータ59が回転すると、膝車輪25が回転する。
【0019】
左膝車輪25と同様に、右膝車輪40もモータに駆動されて回転する。膝車輪25、40が回転駆動されると、ロボット10は走行する。ロボット10の走行にともなって、足平車輪26、37も回転する。膝車輪25、40を駆動するモータの回転方向を変化させることにより、ロボット10を前進させたり後進させたりすることができる。
左膝車輪25と右膝車輪40の回転数を異ならせると、ロボット10を旋回させることができる。例えば、左膝車輪25よりも右膝車輪40の回転数を速くすると、ロボット10は左旋回する。この場合、図10に示すように、足首関節23、34がz軸回りに自由に回転できるようにすることが好ましい。このようにしておくと、ロボット10が旋回するときに、足平車輪26、37の車輪中心面が旋回方向に沿うように足平24、35がz軸回りに回転し、旋回をスムーズに行うことができる。
足首関節23、34を駆動して、足平車輪26、37を操舵することもできる。具体的には、足首関節23、34を駆動して足平車輪26、37の車輪中心面が旋回方向に向くように足平24、35をz軸回りに回転させる。このようにすると、ロボット10はより安定して旋回することができる。
脚12、14は、一歩毎に加減速を繰り返す。このため、脚12、14の慣性モーメントが大きいと、歩行安定性が低下してしまう。本実施例のロボット10は、膝関節21、32に駆動部が設けられている。このため、足平24、35に駆動輪を装着し、足平24、35に駆動部を設ける場合に比べて、脚12、14の慣性モーメントを小さくすることができる。よって、歩行安定性に優れている。また、脚12、14の慣性モーメントが小さいので、股関節27、38や膝関節21、32の駆動負荷を小さくすることもできる。
【0020】
図11に示すように、足首関節23、24をy軸回りに回転し、足平車輪26、37にキャスター角度αを持たせることもできる(足平車輪26,37にトレール値βを持たせる)。足平車輪26、37にキャスター角度αを持たせると、ロボット10が走行するときの直進安定性が向上する。
足首関節23、24を駆動して足平車輪26、37を操舵する場合には、足平車輪26、37がキャスター角度を持たない状態(図10の状態)で行うことが好ましい。足平車輪26、37がキャスター角度を持たない状態では、小さい操舵力で足平車輪26、37の舵角を変化させることができるからである。従って、足平車輪26、37がキャスター角度を持たない状態で操舵して旋回し、旋回が終了したら足平車輪26、37がキャスター角度を持つ状態(図11の状態)として直進安定性を確保するのが効果的である。
図12に示すように、足平車輪26、37を接地させずに、膝車輪25、40の2輪のみでロボット10を走行させることもできる。膝車輪25、40の2輪のみで走行すると、傾斜地を走行しやすくなるとともに、機動性も向上する。
図13に示すように、左腕16の左掌70に自由回転可能な左掌車輪71を設けることもできる。右腕17の右掌にも、同様に右掌車輪を設ける。このように構成すると、ロボット10は、左掌車輪71、右掌車輪、膝車輪25、40、足平車輪26、37の計6輪で走行することになるので、走行安定性がより向上する。
【0021】
図14に示すように、ロボット10の下腿22の脹ら脛部分に、人間73が立つことができる足載台72を設けることもできる。足載台72を設けると、人間73は立った状態でロボット10に搭乗することができる。この場合、足平車輪26、37を設けなくてもよい。膝車輪25、40の2輪で走行するロボット10でも、前後のバランスを適切に制御することにより、足載台72に人間を立たせた状態で走行することができる。
また、図15に示すように、ロボット10の肩部83に取っ手82と操縦装置81を設けてもよい。取っ手82は、人間73が握るためのものである。人間73が取っ手82を握ることにより、ロボット10が走行しているときの人間73の姿勢が安定する。
操縦装置81は、人間73が走行するロボット10を操縦するためのものであり、コントローラと接続されている。操縦装置81には、例えば、ジョイスティックや、ハンドルや、ボタンや、タッチパネルを用いることができる。操縦装置81がジョイスティックの場合、操縦装置81を前方に倒すと、ロボット10は前進する。操縦装置81を後方に倒すと、ロボット10は後進する。操縦装置81を前方、かつ右方に倒すと、ロボット10は前進しながら右に曲がる。
【0022】
図16に示すように、左掌車輪70、右掌車輪、膝車輪25、40、足平車輪26、37の6輪で走行するロボット10の胴体15に、人間73が座る座面74を設けることもできる。座面74を設けると、人間73は座った状態でロボット10に搭乗することができる。胴体15に座面74を設ける場合、左掌車輪71と右掌車輪を必ずしも備えなくても良い。車輪25、40、足平車輪26、37の4輪で走行するロボット10でも、胴体を前屈みにすることによって、座面74に人間を座らせることができる。この形態の場合にも、ロボット10に取っ手と操縦装置を備えることが好ましい。取っ手と操縦装置は、例えば、胴体15の腰部に設ける。
掌車輪、膝車輪、足平車輪の代わりに、他の転動体(例えば、ローラや球体)を採用することもできる。
【0023】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】ロボットの正面図。
【図2】ロボットの側面図。
【図3】膝関節の詳細側面図。
【図4】図3のIV−IV線断面図。
【図5】図4のV−V線断面図。
【図6】4車輪走行姿勢をとったロボットの側面図。
【図7】4車輪走行姿勢をとったロボットの正面図。
【図8】アーム部の側面図。
【図9】膝関節の断面図。
【図10】足平車輪の動きを説明する図。
【図11】同上。
【図12】2輪走行姿勢をとったロボットの側面図。
【図13】6輪走行姿勢をとったロボットの側面図。
【図14】ロボットに人間が搭乗した状態の側面図。
【図15】ロボットに人間が搭乗した状態の正面図。
【図16】ロボットに人間が搭乗した状態の側面図。
【符号の説明】
【0025】
10:ロボット
12:左脚
14:右脚
15:胴体
16:左腕
17:右腕
18:頭
20:左上腿
21:左膝関節
22:左下腿
23:左足首関節
24:左足平
25:左膝車輪
26:左足平車輪
27:左股関節
30:爪先
31:右上腿
32:右膝関節
33:右下腿
34:右足首関節
35:右足平
37:右足平車輪
38:右股関節
40:右膝車輪
41、42、43:ベアリング
44:駆動部
45:駆動切替部
46:減速機
47、48:シャフト
49:ソレノイド
50:ロック部材
51:スライド部材
52:アーム部
53:プランジャ
54:掛止部
55、56:スプライン
57:キー
58:キー溝
59:モータ
60:凹部
61:ホイール
62:タイヤ
63:貫通孔
64:スプライン
65:地面
70:左掌
71:左掌車輪
72:足載台
73:人間
74:座面
81:操縦装置
82:取っ手
83:肩部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上腿と、上腿に膝関節を介して接続された下腿と、下腿に足首関節を介して接続された足平を有する脚リンクを一対備え、その一対の脚リンクで歩行する人型のロボットであって、
膝関節近傍に設けられ、ロボットが膝を折り曲げたときに接地する膝車輪と、
膝車輪を駆動する装置を備えることを特徴とするロボット。
【請求項2】
駆動装置は、膝車輪の駆動と膝関節の駆動に兼用されることを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
足平に設けられ、膝車輪とともに接地する自由回転可能な足平車輪を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のロボット。
【請求項4】
足平車輪のキャスター角度が可変であることを特徴とする請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
膝車輪が接地した状態で、人間が立つことが可能な部位が下腿に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロボット。
【請求項6】
膝車輪が接地した状態で、人間が座ることが可能な部位が胴体に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のロボット。
【請求項7】
胴体に人間が把持する取っ手が設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載のロボット。
【請求項8】
胴体にロボット操縦用の装置が設けられていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のロボット。
【請求項1】
上腿と、上腿に膝関節を介して接続された下腿と、下腿に足首関節を介して接続された足平を有する脚リンクを一対備え、その一対の脚リンクで歩行する人型のロボットであって、
膝関節近傍に設けられ、ロボットが膝を折り曲げたときに接地する膝車輪と、
膝車輪を駆動する装置を備えることを特徴とするロボット。
【請求項2】
駆動装置は、膝車輪の駆動と膝関節の駆動に兼用されることを特徴とする請求項1に記載のロボット。
【請求項3】
足平に設けられ、膝車輪とともに接地する自由回転可能な足平車輪を備えることを特徴とする請求項1または2に記載のロボット。
【請求項4】
足平車輪のキャスター角度が可変であることを特徴とする請求項3に記載のロボット。
【請求項5】
膝車輪が接地した状態で、人間が立つことが可能な部位が下腿に設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のロボット。
【請求項6】
膝車輪が接地した状態で、人間が座ることが可能な部位が胴体に設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のロボット。
【請求項7】
胴体に人間が把持する取っ手が設けられていることを特徴とする請求項5または6に記載のロボット。
【請求項8】
胴体にロボット操縦用の装置が設けられていることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載のロボット。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2006−82142(P2006−82142A)
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−266487(P2004−266487)
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月30日(2006.3.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月14日(2004.9.14)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】
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