説明

ロボット

【課題】 アームに接続される長尺部材が、基台の固定部に対する基台の可動部の回転に起因する摩擦によって損傷および破損してしまうという不具合を防ぐことができるロボットを提供する。
【解決手段】 塗装ロボット1は、基台4に旋回自在に設けられるアーム3の先端部8に塗装ガン9が装着され、この塗装ガン9を予め定める位置および姿勢に配置して、ワーク2の塗装作業をする。前記基台4は、予め定める設置位置に設置されて固定される固定部5と、アーム3の基端部7に固定され、固定部5に対して回転軸線Lまわりに回転駆動される可動部6とを有する。アーム3に接続される長尺部材17は、固定部5の固定側案内部21によって形成される固定側内部空間22および可動部6の可動側案内部24によって形成される可動側内部空間25を、回転軸線Lに沿って緩やかに挿通する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業用ロボットに関し、特に塗装ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術は、特許文献1に記載されている。従来の技術のロボットは、基台の固定部である固定ベースと、基台の可動部であるロボット旋回胴とを含む。ロボット旋回胴は、固定ベースに対して回転軸線まわりに回転駆動される。固定ベースおよび旋回胴には、固定ベースからロボット旋回胴にわたって前記回転軸線に沿って貫通孔が形成される。この貫通孔には、アームに接続される長尺部材であるケーブル類が挿通される。固定ベースは、前記回転軸線から離れた側部に、開口が形成される。ケーブル類は、固定ベースの前記開口から退出する。
【0003】
【特許文献1】特開平7−108485号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来の技術では、固定ベースの、前記回転軸線から離れた側部に、開口が形成され、この開口からケーブル類が退出される。したがって、ケーブル類は曲げて設置しなければならないので、ロボットの旋回動作に伴って、回転軸線まわりに捩られるとともに、回転軸線まわりに大きく変位してしまう。それ故、ケーブル類には曲げと捩りの力がかかるとともに、ケーブル類と固定ベースとが接触しやすく、摩擦が生じて損傷、破損してしまう。従来の技術ではケーブル類に余計な力がかかるとともに、回転に起因する摩擦によってケーブル類が損傷、破損してしまうという問題がある。
【0005】
したがって本発明の目的は、アームに接続される長尺部材に余計な力がかからないように、前記長尺部材を配置することができ、かつ、前記長尺部材が、基台の固定部に対する基台の可動部の回転に起因する摩擦によって損傷および破損してしまうという不具合を防ぐことができるロボットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、基台に旋回自在に設けられるアームの先端部に所定のエンドエフェクタが装着され、このエンドエフェクタを予め定める位置および姿勢に配置して、所定の作業を行うロボットであって、
基台は、予め定める設置位置に設置されて固定される固定部と、アームの基端部が固定され、固定部に対して回転軸線まわりに回転駆動される可動部とを有し、
固定部は、アームまたはエンドエフェクタに接続される可撓性を有する長尺部材が前記回転軸線に沿って緩やかに挿通する固定側内部空間を形成し、前記長尺部材の挿通方向の上流側に臨んで開放される固定側案内部を有し、
可動部は、前記長尺部材が前記回転軸線に沿って緩やかに挿通する可動側内部空間を形成し、前記長尺部材の挿通方向の下流側に臨んで開放される可動側案内部を有し、可動側内部空間が固定側内部空間に連通することを特徴とするロボットである。
【0007】
また本発明は、固定部は、略水平な設置面を有する設置台に設置されて固定されることを特徴とする。
【0008】
また本発明は、可動部は、固定部に固定される回転駆動手段によって、固定部に対して回転軸線まわりに回転駆動されることを特徴とする。
【0009】
また本発明は、基台は、固定側内部空間を挿通して可動部に固定され、前記長尺部材が前記回転軸線に沿って緩やかに挿通する補助内部空間を形成し、この補助内部空間が可動側内部空間に連通する筒状の補助案内部をさらに有することを特徴とする。
【0010】
また本発明は、基台は、固定側案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部に設けられ、補助案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部よりも、内方に突出して、前記長尺部材に当接する当接部材をさらに有することを特徴とする。
【0011】
また本発明は、当接部材は、固定側案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部に沿って、環状に形成されることを特徴とする。
【0012】
また本発明は、アームの先端部には、所定のエンドエフェクタとして塗装ガンが装着され、長尺部材として、塗装ガンに塗料を供給するための塗装ガン用ホースを含み、所定の作業として、ワークの塗装作業を行う塗装ロボットであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、アームに接続される長尺部材は、固定側内部空間および可動側内部空間を、回転軸線に沿って大略的に一直線状に緩やかに挿通する。したがって、固定部に対する可動部の回転に伴う、固定側内部空間および可動側内部空間での前記長尺部材の回転軸線まわりの変位を、抑えることができる。それ故、前記長尺部材と固定側案内部との間の摩擦、および前記長尺部材と可動側案内部との間の摩擦を、抑えることができる。これによって、前記各摩擦による前記長尺部材の損傷および破損を防ぐことができる。
【0014】
また前記長尺部材は、固定側内部空間および可動側内部空間を、回転軸線に沿って大略的に一直線状に緩やかに挿通することができ、しかも固定側案内部は、長尺部材の挿通方向の上流側に臨んで開放されるとともに、可動側案内部は、長尺部材の挿通方向の下流側に臨んで開放される。したがって、固定部および可動部の近傍での前記長尺部材の曲げを可及的に抑えることができる。これによって、長尺部材に余計な力がかかることを防ぐことができる。
【0015】
前記長尺部材が複数、設けられる場合、各長尺部材は、曲がった状態で捩られると、互いに干渉し合いやすく、干渉した場合は無理な力がかかってしまい、摩耗が進行してしまう。この点を考慮して、前述のように、長尺部材の曲げを可及的に抑えることによって、固定部に対する可動部の回転に伴う、各長尺部材間の干渉を小さくして、各長尺部材間の摩擦を抑える。これによって、前記摩擦による各長尺部材の損傷および破損を防ぐことができる。
【0016】
また、前記長尺部材は、固定側内部空間および可動側内部空間に、無理な曲げのない状態で配置することができる。これによって、前記長尺部材の配置作業に関する作業性を向上させることができる。
【0017】
また本発明によれば、固定部は、略水平な設置面を有する設置台に設置されて固定されるので、ロボットの設置作業の際に、作業者は、ロボットを設置台にあずけることができる。換言すると、ロボットが設置台によって下方から支持された状態、したがってロボットが安定した状態で、作業者は、ロボットの基台の固定部を、設置台に取付けることができる。
【0018】
したがって作業者は、固定部を、設置台の設置面上の予め定める設置位置に容易に位置合わせすることができる。このようにして、ロボットの設置作業に関する作業性を向上させることができる。また、作業者が固定部を設置台に取付けているときに、ロボットが落下してしまうという危険が防がれる。このようにして、ロボットの設置作業時における安全性を向上させることができる。
【0019】
また本発明によれば、可動部を回転駆動させるための回転駆動手段は、固定部に固定される。このように前記回転駆動手段が固定部に設けられるので、前記回転駆動手段が可動部に設けられる場合に比べて、可動部の重量を小さくすることができる。これによって可動部を回転駆動させるときに、前記回転駆動手段にかかる負荷を小さくすることができる。それ故、可動部を回転駆動させるための回転駆動手段として、出力の小さな回転駆動手段を用いることができる。したがって前記回転駆動手段の小形化および軽量化を図るとともに、前記回転駆動手段に要するコストを低減することができる。
【0020】
また前記回転駆動手段が、外部空間に開放された状態で、固定部に固定されることによって、回転駆動手段の交換および回転駆動手段への配線などに対する作業性を向上させることができる。
【0021】
また本発明によれば、固定側内部空間を挿通する筒状の補助案内部が設けられる。補助案内部は、可動側内部空間に連通する補助内部空間を形成する。前記長尺部材は、可動側内部空間および補助内部空間を、前記回転軸線に沿って緩やかに挿通する。
【0022】
補助案内部は、可動部に固定されるので、補助案内部は、可動部の可動側案内部とともに回転軸線まわりに回転する。したがって、固定部に対する可動部の回転に伴う、前記長尺部材と固定側案内部との間の摩擦を、抑えることができる。これによって、前記摩擦による前記長尺部材の損傷および破損を防ぐことができる。
【0023】
また本発明によれば、固定側案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部には、当接部材が設けられる。この当接部材は、補助案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部よりも、内方に突出して、前記長尺部材に当接する。したがって、前記長尺部材と補助案内部の前記開口部との接触を防ぐことができる。それ故、固定部に対する可動部の回転に伴う、前記長尺部材と補助案内部の前記開口部との間の摩擦を防ぐことができる。これによって前記摩擦による前記長尺部材の損傷および破損を防ぐことができる。
【0024】
また本発明によれば、当接部材は、固定側案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部に沿って、環状に形成される。したがって、前記長尺部材と補助案内部の前記開口部との接触を確実に防ぐことができる。
【0025】
また本発明によれば、前述のロボットは、アームの先端部には塗装ガンが装着され、塗装ガンには塗装ガン用ホースによって塗料が供給される。このロボットは、ワークを塗装する塗装ロボットとして用いられる。ワークの塗装にあたっては、アームの先端部がワークに沿って移動される必要がある。前述のロボットは、アームに接続される長尺部材が、固定側内部空間および可動側内部空間を、回転軸線に沿って緩やかに挿通するので、アームの先端部をワークに沿って移動させてワークを塗装するときに、前述のように、摩擦による前記長尺部材の損傷および破損を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
図1は、本発明の実施の一形態の塗装ロボット1の構成を示す正面図である。本実施の形態の塗装ロボット1は、自動車ボディなどのワーク2を塗装するために用いられる。詳しくは、塗装ロボット1は、搬送されているワーク2に対して、所定の位置に塗料を吹き付けるために用いられる。塗装ロボット1は、アーム3および基台4を含んで構成される。
【0027】
基台4は、固定部5および可動部6を有する。固定部5は、予め定める設置位置に設置されて固定される。可動部6は、固定部5に対して回転軸線Lまわりに回転駆動される。可動部6は、固定部5に関して、回転軸線Lの方向の一方側に設けられる。
【0028】
アーム3は、基端部7および先端部8を有する。基端部7には、基台4の可動部6が固定される。基端部7は、可動部6とともに、回転軸線Lまわりに回転駆動される。基端部7は、前記可動部6に関して、回転軸線Lの方向の一方側に設けられる。先端部8には、塗料を霧状に噴出する塗装ガン9が、所定のエンドエフェクタとして装着される。
【0029】
アーム3は、第1および第2アーム体11,12とを有する。第1アーム体11は、長尺の部分であり、一端部11aおよび他端部11bを有する。第2アーム体12は、長尺の部分であり、一端部12aおよび他端部12bを有する。前記基端部7には、第1アーム体11の一端部11aが連結される。第1アーム体11の他端部11bには、第2アーム体12の一端部12aが連結される。
【0030】
第1アーム体11は、前記基端部7に対して、第1旋回軸線L1まわりに旋回自在に連結される。第1旋回軸線L1は、回転軸線Lに垂直な仮想一平面内の軸線である。第1アーム体11は、前記基端部7に固定される第1モータによって、旋回駆動される。第1モータは、たとえばサーボモータによって実現される。
【0031】
第2アーム体12は、第1アーム体11に対して、第2旋回軸線L2まわりに旋回自在に連結される。第2旋回軸線L2は、第1旋回軸線L1に平行な軸線である。第2アーム体12は、第1アーム体11に固定される第2モータによって、旋回駆動される。第2モータは、たとえばサーボモータによって実現される。
【0032】
アーム3は、第2アーム体12に対して、塗装ガン9からの塗料の噴出方向を変えるための噴出方向変更機構13をさらに有する。この噴出方向変更機構13の一部がアーム3の先端部8となる。
【0033】
このような塗装ロボット1は、所定のエンドエフェクタとしての塗装ガン9を予め定める位置および姿勢に配置して、所定の作業、本実施の形態ではワーク2の塗装作業を行うことができる。
【0034】
アーム3および塗装ガン9には、複数の長尺部材17が接続されている。長尺部材17は、アーム3の動きに合せて撓むことができるように、可撓性を有する。長尺部材17は、塗装ガン9および第2アーム体12に設けられる機器に、制御部18からの電力および制御信号を与えるためのケーブルを含む。前記第2アーム体12に設けられる機器としては、塗装ガン9から噴出される塗料を切換えるための色換バルブ、電空レギュレータ、電磁弁および光ファイバ信号受信機など、塗装に必要な機器が含まれる。また長尺部材17は、塗装ガン9に、エア供給源19からのエアであって、塗装ガン9を駆動するためのエアを与えるためのエアホースと、塗装ガン9に、塗料供給源20からの塗料を与えるための塗料ホースとを含む。
【0035】
長尺部材17は、シンナー用のホースを含んでいてもよい。また長尺部材17は、塗装ガン9に静電気を与えるためのケーブルを含んでいてもよい。また第2アーム体12にポンプ用モータが設けられる場合、長尺部材17は、前記ポンプ用モータに、電力および制御信号を与えるためのケーブルを含んでいてもよい。
【0036】
基台4の固定部5は、固定側案内部21を有する。固定側案内部21は、長尺部材17が回転軸線Lに沿って緩やかに挿通する固定側内部空間22を形成する。固定側案内部21は、前記長尺部材17の挿通方向Bの上流側に臨んで開放される。挿通方向Bは、固定側内部空間22から可動側内部空間25に向かう方向である。
【0037】
基台4の可動部6は、可動側案内部24を有する。可動側案内部24は、長尺部材17が回転軸線Lに沿って緩やかに挿通する可動側内部空間25を形成する。可動側案内部24は、前記長尺部材17の挿通方向Bの下流側に臨んで開放される。
【0038】
長尺部材17は、固定側内部空間22および可動側内部空間25を、回転軸線Lに沿って緩やかに挿通する。長尺部材17は、固定側案内部21の前記開口23から退出して、制御部18、エア供給源19および塗料供給源20に導かれる。長尺部材17は、可動側案内部24の前記開口26から退出して、第2アーム体12に導かれ、第2アーム体12に設けられる機器を介して塗装ガン9に導かれる。長尺部材17の、可動側案内部24の前記開口26から退出した部分は、その一部27が、長尺部材17を支持案内するダクトホース28に収納されて、保護されている。ダクトホース28に代えて、ケーブルベアが用いられてもよい。
【0039】
図2は、塗装ブースに設けられた塗装ロボット1の外観を示す斜視図である。工場内には、壁31によって、塗装ブースが確保される。塗装ブースでは、空気を上から下へ、図2の矢符A1方向に流している。塗装ブースには、ワーク2を搬送する搬送装置32と、搬送装置32によって搬送されているワーク2を塗装する塗装ロボット1とが設けられる。壁31の外側には、制御部18、エア供給源19および塗料供給源20が設けられる。
【0040】
塗装ロボット1の設置形態は、いわゆる棚置き設置である。塗装ブースには、壁31から塗装ブースの内方に水平方向C1に延びる設置台33が設けられる。設置台33は、略水平な設置面33aを有する。略水平は、水平を含む。本実施の形態では、設置面33aと水平面との成す角度は0°である。すなわち設置面33aは水平である。塗装ロボット1の固定部5は、前記設置台33に設置されて固定される。
【0041】
基台4は、搬送装置32によって搬送されているワーク2よりも上方に配置される。空気を上から下へ流している塗装ブースで、前記ワーク2よりも上方に基台4が設けられることによって、塗装ガン9から噴出された塗料が塗装ロボット1に付着することを防ぐことができる。基台4は、必ずしも前記ワーク2よりも上方に配置される必要はなく、前記ワーク2よりも下方に配置されてもよい。
【0042】
図3は、基台4の斜視図である。図4は、図3の矢符A2方向から見た背面図である。図5は、図4の切断面線S5−S5から見た断面図である。図6は、図5の切断面線S6−S6から見た断面図である。
【0043】
固定部5は、大略的に円筒状の固定部本体41と、固定部本体41を支持する支持部42とを有する。固定部本体41は、前記固定側案内部21を有する。固定側案内部21は、固定部本体41の内周部である。固定側案内部21は、大略的に円筒状である。固定側案内部21の軸線は、固定部本体41の軸線と一致する。支持部42は、固定部本体41の外周部に設けられる。支持部42は、塗装ロボット1が設置台33に設置された設置状態において、固定部本体41の軸線および固定側案内部21の軸線が、設置面33aに対して平行となるように、設けられる。
【0044】
可動部6は、大略的に円筒状である。可動部6は、前記可動側案内部24を有する。可動側案内部24は、可動部6の内周部である。可動側案内部24は、大略的に円筒状である。可動側案内部24の軸線は、可動部6の軸線と一致する。
【0045】
可動部6は、固定部本体41と同軸に設けられる。可動部6の軸線および固定部本体41の軸線は、回転軸線Lと一致する。可動部6は、固定部本体41、したがって固定部5に対して、回転軸線Lまわりに回転自在に設けられる。
【0046】
基台4は、筒状の補助案内部44をさらに有する。補助案内部44は、固定側内部空間22を挿通する。補助案内部44は、可動部6に固定される。補助案内部44の軸線は、回転軸線Lと一致する。補助案内部44は、長尺部材17が回転軸線Lに沿って緩やかに挿通する補助内部空間45を形成する。補助内部空間45は、可動側内部空間25に連通する。アーム3および塗装ガン9に接続される長尺部材17は、固定側内部空間22に含まれる補助内部空間45と、可動側内部空間25とを、回転軸線Lに沿って緩やかに挿通する。
【0047】
基台4は、当接部材47をさらに有する。当接部材47は、固定側案内部21の、前記挿通方向Bの上流側の開口部48に設けられる。当接部材47は、固定側案内部21の前記開口部48に沿って、環状に形成される。当接部材47は、補助案内部44の、前記挿通方向Bの上流側の開口部49よりも、内方に突出する。すなわち、当接部材47は、補助案内部44の前記開口部49よりも回転軸線Lに近づく方向に突出する。当接部材47の内周部は、固定側案内部21の前記開口23を挿通する長尺部材17に当接する。
【0048】
基台4には、可動部6を回転駆動させるための回転駆動手段である第3モータ51が設けられる。第3モータ51は、固定部本体41、したがって固定部5に固定される。第3モータ51は、固定部本体41に関して、回転軸線Lの方向の他方側に設けられる。第3モータ51は、固定側案内部21の前記開口23を塞がないように、配置される。
【0049】
第3モータ51の回転動力は、減速ユニット52を介して、可動部6に伝達される。減速ユニット52には、回転軸線Lと同軸の貫通孔が形成される。減速ユニット52は、RV(Rotor Vector)減速機、および波動歯車装置、いわゆるハーモニックドライブ(登録商標)などによって実現される。
【0050】
図7は、塗装ロボット1の代表的な作業エリア71を説明するための図である。図8は、塗装ロボット1の代表的な作業エリア71を示す斜視図である。図9は、第1の比較用の塗装ロボット72の代表的な作業エリア73を説明するための図である。図10は、第1の比較用の塗装ロボット72の代表的な作業エリア73を示す斜視図である。図11は、第2の比較用の塗装ロボット101の代表的な作業エリア102を説明するための図である。図12は、第2の比較用の塗装ロボット101の代表的な作業エリア102を示す斜視図である。
【0051】
塗装ロボット1は、水平な設置面33aを有する設置台33に設置されて固定される。塗装ロボット1は、予め定める基準状態において、第1アーム体11が設置面33aに平行に延び、かつ第2アーム体12が設置面33aに垂直に延びる。換言すると、塗装ロボット1は、基準状態において、第1アーム体11が基端部7から水平に延び、かつ第2アーム体12が第1アーム体11の他端部11bから鉛直下方に延びる。
【0052】
可動部6は、基準状態における回転軸線Lまわりの基準位置から、固定部5に対して回転軸線Lまわりの両方向に回転駆動される。可動部6は、回転軸線Lまわりの両方向に、前記基準位置から、所定の回転角度、たとえば90°以下の範囲内で、回転可能である。
【0053】
第1アーム体11は、基準状態における第1旋回軸線L1まわりの基準位置から、基端部7に対して第1旋回軸線L1まわりの両方向に旋回駆動される。第1アーム体11は、第1旋回軸線L1まわりの両方向のうち、図7において第1アーム体11の他端部11bが下方に変位する方向に、前記基準位置から、所定の第1旋回角度、たとえば110°以下の範囲内で、旋回可能である。第1アーム体11は、第1旋回軸線L1まわりの両方向のうち、図7において第1アーム体11の他端部11bが上方に変位する方向に、前記基準位置から、所定の第2旋回角度、たとえば60°以下の範囲内で、旋回可能である。
【0054】
第2アーム体12は、基準状態における第2旋回軸線L2まわりの基準位置から、第1アーム体11に対して第2旋回軸線L2まわりの両方向に旋回駆動される。第2アーム体12は、第2旋回軸線L2まわりの両方向のうち、図7において第2アーム体12の他端部12bが右方に変位する方向に、前記基準位置から、所定の第3旋回角度、たとえば65°以下の範囲内で、旋回可能である。第2アーム体12は、第2旋回軸線L2まわりの両方向のうち、図7において第2アーム体12の他端部12bが左方に変位する方向に、前記基準位置から、所定の第4旋回角度、たとえば90°以下の範囲内で、旋回可能である。
【0055】
塗装ロボット1が基準状態にあるときに、可動部6を回転駆動させることなく、第1および第2アーム体11,12を旋回駆動させることによって、アーム3の先端部8は、図7において仮想線で囲まれる領域75内の任意の位置に移動される。前記仮想線で囲まれる領域75のうち、図7において塗装ロボット1の下方で回転軸線Lの方向に延びる矩形の領域(図7の斜線部分)76内で、アーム3の先端部8が移動されるとき、塗装ロボット1はワーク2を塗装することができる。
【0056】
可動部6が設置面に平行な回転軸線Lまわりに回転駆動されるということも考慮すると、塗装ロボット1がワーク2を塗装することができる代表的な作業エリア71は、図8に示すような半円筒状の領域となる。すなわち、塗装ロボット1の代表的な作業エリア71は、回転軸線L上に中心を有しかつ半径が異なる2つの半円弧によって挟まれる領域を、回転軸線Lの方向に延ばした領域となる。
【0057】
第1の比較用の塗装ロボット72は、本実施の形態の塗装ロボット1に類似するので、同様の部分には、同一の符号を付して、説明を省略する。第1の比較用の塗装ロボット72は、可動部6が固定部5に対して、設置面33aに垂直な回転軸線Laまわりに回転駆動されるという点で、本実施の形態の塗装ロボット1と異なる。
【0058】
第1の比較用の塗装ロボット72が基準状態にあるときに、可動部6を回転駆動させることなく、第1および第2アーム体11,12を旋回駆動させることによって、アーム3の先端部8は、図9において仮想線で囲まれる領域78内の任意の位置に移動される。前記仮想線で囲まれる領域78のうち、図9に斜線で示す矩形の領域79内で、アーム3の先端部8が移動されるとき、第1の比較用の塗装ロボット72はワーク2を塗装することができる。
【0059】
可動部6が設置面に垂直な回転軸線Laまわりに回転駆動されるということも考慮すると、第1の比較用の塗装ロボット72がワーク2を塗装することができる代表的な作業エリア73は、図10に示すような領域となる。すなわち、第1の比較用の塗装ロボット72の代表的な作業エリア73は、回転軸線Laを軸線とする半円柱状の第1領域81と、回転軸線Laを軸線としかつ第1領域81よりも半径の大きな半円柱状の第2領域82とから成る領域である。
【0060】
第1の比較用の塗装ロボット72では、第1および第2アーム体11,12の旋回によって、アーム3の先端部8の高さを調整することができる。これに対して、本実施の形態の塗装ロボット1では、第1および第2アーム体11,12の旋回だけでなく、可動部6の回転によっても、アーム3の先端部8の高さを調整することができる。したがって本実施の形態の塗装ロボット1では、アーム3の先端部8の移動可能な範囲を、鉛直方向C2に関して大きくすることができる。これによって、本実施の形態の塗装ロボット1では、代表的な作業エリア71を、鉛直方向C2に関して大きくすることができる。
【0061】
第2の比較用の塗装ロボット101は、第1の比較用の塗装ロボット72に類似するので、同様の部分には、同一の符号を付して、説明を省略する。第2の比較用の塗装ロボット101は、基準状態において、第1アーム体11が基端部7から鉛直上方に延び、かつ第2アーム体12が第1アーム体11の他端部11bから水平に延びるという点で、第1の比較用の塗装ロボット72と異なる。
【0062】
第2の比較用の塗装ロボット101が基準状態にあるときに、可動部6を回転駆動させることなく、第1および第2アーム体11,12を旋回駆動させることによって、アーム3の先端部8は、図11において仮想線で囲まれる領域103内の任意の位置に移動される。前記仮想線で囲まれる領域103のうち、図11に斜線で示す矩形の領域104内で、アーム3の先端部8が移動されるとき、第2の比較用の塗装ロボット101はワーク2を塗装することができる。
【0063】
可動部6が設置面に垂直な回転軸線Lbまわりに回転駆動されるということも考慮すると、第2の比較用の塗装ロボット101がワーク2を塗装することができる代表的な作業エリア102は、図12に示すような領域となる。すなわち、第2の比較用の塗装ロボット101の代表的な作業エリア102は、回転軸線Lb上に中心を有しかつ半径が異なる2つの半円弧によって挟まれる領域を、回転軸線Lbの方向に延ばした領域となる。
【0064】
第2の比較用の塗装ロボット101では、作業エリア102を鉛直方向C2に関して大きくすることができるけれども、作業エリア102の上側で塗装を行う場合、第1アーム体11の他端部11bが、設置面から高くなってしまい、塗装ブースの天井を高くする必要がある。これに対して、本実施の形態の塗装ロボット1では、基準状態にある塗装ロボット1の可動部6を90度、回転させ、第1および第2アーム体11,12を略水平な仮想一平面内で動作させることによって、作業エリア71の上側で塗装を行うことができる。したがって塗装ブースの天井を低くすることができる。
【0065】
図13は、塗装ロボット1の設置状態を示す正面図である。図14は、第3の比較用の塗装ロボット91の設置状態を示す正面図である。第3の比較用の塗装ロボット91は、本実施の形態の塗装ロボット1に類似するので、同様の部分には、同一の符号を付して、説明を省略する。第3の比較用の塗装ロボット91は、支持部92が、固定部本体41に関して、回転軸線Lの方向の他方側に設けられているという点で、本実施の形態の塗装ロボット1と異なる。
【0066】
第3の比較用の塗装ロボット91の設置形態は、いわゆる壁掛け設置である。第3の比較用の塗装ロボット91は、鉛直な設置面93aを有する設置台93に設置されて固定される。前記設置台93は、壁から塗装ブースの内方に水平方向C1に延びる。これに対して、本実施の形態の塗装ロボット1の設置形態は、前述のように、棚置き設置である。
【0067】
壁掛け設置の場合、第3の比較用の塗装ロボット91の設置作業の際に、作業者は、第3の比較用の塗装ロボット91を設置台93にあずけることができない。これに対して、本実施の形態のように棚置き設置の場合、塗装ロボット1の設置作業の際に、作業者は、塗装ロボット1を設置台33にあずけることができる。換言すると、塗装ロボット1が設置台33によって下方から支持された状態、したがって塗装ロボット1が安定した状態で、作業者は、塗装ロボット1の基台4の固定部5を、設置台33に取付けることができる。
【0068】
したがって作業者は、固定部5を、設置台33の設置面33a上の予め定める設置位置に容易に位置合わせすることができる。このようにして、塗装ロボット1の設置作業に関する作業性を向上させることができる。また、作業者が固定部5を設置台33に取付けているときに、塗装ロボット1が落下してしまうという危険が防がれる。このようにして、塗装ロボット1の設置作業時における安全性を向上させることができる。
【0069】
本実施の形態では、設置面33aと水平面との成す角度は0°であるけれども、前記角度は、0°に限る必要はなく、設置面33aと水平面との成す角度は、0〜30°に選ばれればよい。0〜30°の範囲では、作業者は、塗装ロボット1が安定した状態で、塗装ロボット1の固定部5を設置台33に取付けることができる。30°を超えると、作業者は、塗装ロボット1が不安定な状態で、塗装ロボット1の固定部5を設置台33に取付けなければならない。
【0070】
壁掛け設置の場合、設置台93は、基台4に関して、回転軸線Lの方向の他方側に配置される。それ故、壁掛け設置の場合は、回転軸線Lの方向に関して、基台4および設置台93の分だけスペースが必要である。これに対して、棚置き設置の場合、設置台33は、回転軸線Lの方向に関して、基台4と同じ位置に配置される。それ故、棚置き設置の場合は、回転軸線Lの方向に関して、基台4の分だけスペースが必要である。したがって棚置き設置の場合は、壁掛け設置の場合に比べて、回転軸線Lの方向に関して、設置台93の分だけ、スペースを省略することができる。
【0071】
以上のような本実施の形態によれば、アーム3に接続される長尺部材17は、固定側内部空間22および可動側内部空間25を、回転軸線Lに沿って大略的に一直線状に緩やかに挿通する。したがって、固定部5に対する可動部6の回転に伴う、固定側内部空間22および可動側内部空間25での長尺部材17の回転軸線Lまわりの変位を、抑えることができる。それ故、長尺部材17と固定側案内部21との間の摩擦、および長尺部材17と可動側案内部24との間の摩擦を、抑えることができる。これによって、前記各摩擦による長尺部材17の損傷および破損を防ぐことができる。
【0072】
また本実施の形態によれば、長尺部材17は、固定側内部空間22および可動側内部空間25を、回転軸線Lに沿って緩やかに挿通することができ、しかも固定側案内部21は、長尺部材17の挿通方向Bの上流側に臨んで開放されるとともに、可動側案内部24は、長尺部材17の挿通方向Bの下流側に臨んで開放される。したがって、固定部5および可動部6の近傍での長尺部材17の曲げを可及的に抑えることができる。これによって、長尺部材17に余計な力がかかることを防ぐことができる。
【0073】
本実施の形態のように、長尺部材17が複数、設けられる場合、各長尺部材17は、曲がった状態で捩られると、互いに干渉し合い易く、干渉した場合は無理な力がかかってしまい、磨耗が進行してしまう。この点を考慮して、前述のように、長尺部材17の曲げを可及的に抑えることによって、固定部5に対する可動部6の回転に伴う、長尺部材17間の干渉を小さくして、長尺部材17間の摩擦を抑える。これによって、前記摩擦による長尺部材17の損傷および破損を防ぐことができる。
【0074】
また、固定部5および可動部6の近傍での長尺部材17の曲げを可及的に抑えることができるので、長尺部材17は、固定側内部空間22および可動側内部空間25に、無理なく配置することができる。これによって、長尺部材17の配置作業に関する作業性を向上させることができる。長尺部材17が破損したときには、作業者は、長尺部材17を容易に取り替えることができる。
【0075】
さらに、固定部5および可動部6の近傍での長尺部材17の曲げを可及的に抑えることができるので、外観もよくすることができる。
【0076】
また本実施の形態によれば、支持部42が固定部本体41の外周部に設けられ、固定側案内部21の前記開口23が開放される。したがって塗装ロボット1が設置台33に設置された設置状態において、作業者は、基台4に関して、回転軸線Lの方向の他方側から、固定側案内部21の前記開口部48を目視しながら、固定側内部空間22および可動側内部空間25に長尺部材17を配置することができる。これによって、作業者は、長尺部材17を容易に配置することができる。
【0077】
また本実施の形態によれば、可動部6を回転駆動させるための第3モータ51は、固定部5に固定される。このように第3モータ51が固定部5に設けられるので、第3モータ51が可動部6に設けられる場合に比べて、可動部6の重量を小さくすることができる。これによって可動部6を回転駆動させるときに、第3モータ51にかかる負荷を小さくすることができる。それ故、可動部6を回転駆動させるための第3モータ51として、出力の小さなモータを用いることができる。したがって第3モータ51の小形化および軽量化を図るとともに、第3モータ51に要するコストを低減することができる。
【0078】
第3モータ51は、外部空間に開放された状態で、固定部に固定される。これによって、第3モータ51の交換および第3モータへの配線などに対する作業性を向上させることができる。
【0079】
また本実施の形態によれば、固定側内部空間22を挿通する筒状の補助案内部44が設けられる。補助案内部44は、可動側内部空間25に連通する補助内部空間45を形成する。長尺部材17は、可動側内部空間25および補助内部空間45を、前記回転軸線Lに沿って緩やかに挿通する。
【0080】
補助案内部44は、可動部6に固定されるので、補助案内部44は、可動部6の可動側案内部24とともに回転軸線Lまわりに回転する。したがって、固定部5に対する可動部6の回転に伴う、長尺部材17と固定側案内部21との間の摩擦を抑えることができる。これによって、前記摩擦による長尺部材17の損傷および破損を防ぐことができる。
【0081】
また本実施の形態によれば、可動側案内部24および補助案内部44は、大略的に円筒状であるので、固定部5に対する可動部6の回転に伴う、長尺部材17と可動側案内部24との間の摩擦、および長尺部材17と補助案内部44との間の摩擦を抑えることができる。これによって、前記各摩擦による長尺部材17の損傷および破損を防ぐことができる。
【0082】
また本実施の形態によれば、固定側案内部21の、前記挿通方向Bの上流側の開口部48には、当接部材47が設けられる。この当接部材47は、補助案内部44の、前記挿通方向Bの上流側の開口部49よりも、内方に突出して、長尺部材17に当接する。したがって、長尺部材17と補助案内部44の前記開口部49との接触を防ぐことができる。それ故、固定部5に対する可動部6の回転に伴う、長尺部材17と補助案内部44の前記開口部49との間の摩擦を防ぐことができる。これによって前記摩擦による長尺部材17の損傷および破損を防ぐことができる。
【0083】
また本実施の形態によれば、当接部材47は、固定側案内部21の、前記挿通方向Bの上流側の開口部48に沿って、環状に形成される。したがって、長尺部材17と補助案内部44の前記開口部49との接触を確実に防ぐことができる。たとえば、長尺部材17が撓んでも、長尺部材17と補助案内部44の前記開口部49との接触を確実に防ぐことができる。また、当接部材47は環状であるので、補助案内部44の前記開口部49に当接部材47を確実に固定することができる。さらに、当接部材47を環状とすることによって、当接部材47の部品形成を容易化することができる。
【0084】
図15は、塗装ロボット1の設置例を示す平面図である。図16は、図15の切断面線S16−S16から見た断面図である。図17は、図15の切断面線S17−S17から見た断面図である。図15〜図17には、ワーク2の搬送形態が連続の場合、すなわちワーク2の移動を止めることなく、ワーク2を連続的に搬送する場合の、塗装ロボット1の設置例を示す。
【0085】
塗装ブースは、ワーク2の搬送方向D1に延びる。塗装ブースには、複数の塗装ロボット1が設けられる。複数の塗装ロボット1は、塗装ブース内で搬送されているワーク2の両側に設けられる。前記ワーク2の両側では、各塗装ロボット1が、ワーク2の搬送方向D1に並ぶように、所定の間隔W11をあけて配置される。
【0086】
各塗装ロボット1は、それらの回転軸線Lの方向が、ワーク2の搬送方向D1、したがって塗装ブースの長さ方向と、同一となるように設けられる。これによって、回転軸線Lの方向が塗装ブースの幅方向D2と同一となる場合に比べて、塗装ブースの幅W12を、小さくすることができる。
【0087】
各塗装ロボット1は、それらの基台4が、塗装ブース内で搬送されているワーク2よりも上方に配置されるように、設けられる。各塗装ロボット1は、塗装ブース内で搬送されているワーク2の上面部および側面部に対して塗料を噴出して、ワーク2の前記各部を塗装することができる。
【0088】
前述の実施の各形態は、本発明の例示に過ぎず、本発明の範囲内において構成を変更することができる。たとえば前記図15〜図17では、ワーク2の搬送形態は連続であるけれども、ワーク2の搬送形態はタクトであってもよい。すなわち、搬送方向Dに延びる搬送経路上の1または複数の位置でワーク2の移動を一時的に止めるようにして、ワーク2を断続的に搬送するようにしてもよい。
【0089】
前述の実施の形態では、アーム3の先端部8には、所定のエンドエフェクタとして塗装ガン9が装着されるけれども、前記先端部8に装着されるエンドエフェクタは、塗装ガン9に限定されるものではない。たとえば、アーム3の先端部8には、溶接ガンが装着されてもよい。この場合は、塗装ロボット1は、溶接のための溶接ロボットとなる。
【0090】
長尺部材17は、エンドエフェクタに応じて異なる。長尺部材17は、冷却用水などをエンドエフェクタに与えるための供給用ホースを含んでいてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本発明の実施の一形態の塗装ロボット1の構成を示す正面図である。
【図2】塗装ブースに設けられた塗装ロボット1の外観を示す斜視図である。
【図3】基台4の斜視図である。
【図4】図3の矢符A2方向から見た背面図である。
【図5】図4の切断面線S5−S5から見た断面図である。
【図6】図5の切断面線S6−S6から見た断面図である。
【図7】塗装ロボット1の代表的な作業エリア71を説明するための図である。
【図8】塗装ロボット1の代表的な作業エリア71を示す斜視図である。
【図9】第1の比較用の塗装ロボット72の代表的な作業エリア73を説明するための図である。
【図10】第1の比較用の塗装ロボット72の代表的な作業エリア73を示す斜視図である。
【図11】第2の比較用の塗装ロボット101の代表的な作業エリア102を説明するための図である。
【図12】第2の比較用の塗装ロボット101の代表的な作業エリア102を示す斜視図である。
【図13】塗装ロボット1の設置状態を示す正面図である。
【図14】第3の比較用の塗装ロボット91の設置状態を示す正面図である。
【図15】塗装ロボット1の設置例を示す平面図である。
【図16】図15の切断面線S16−S16から見た断面図である。
【図17】図15の切断面線S17−S17から見た断面図である。
【符号の説明】
【0092】
1 塗装ロボット
2 ワーク
3 アーム
4 基台
5 固定部
6 可動部
7 基端部
8 先端部
9 塗装ガン
17 長尺部材
21 固定側案内部
22 固定側内部空間
23 開口
24 可動側案内部
25 可動側内部空間
26 開口
33 設置台
33a 設置面
44 補助案内部
45 補助内部空間
47 当接部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台に旋回自在に設けられるアームの先端部に所定のエンドエフェクタが装着され、このエンドエフェクタを予め定める位置および姿勢に配置して、所定の作業を行うロボットであって、
基台は、予め定める設置位置に設置されて固定される固定部と、アームの基端部が固定され、固定部に対して回転軸線まわりに回転駆動される可動部とを有し、
固定部は、アームまたはエンドエフェクタに接続される可撓性を有する長尺部材が前記回転軸線に沿って緩やかに挿通する固定側内部空間を形成し、前記長尺部材の挿通方向の上流側に臨んで開放される固定側案内部を有し、
可動部は、前記長尺部材が前記回転軸線に沿って緩やかに挿通する可動側内部空間を形成し、前記長尺部材の挿通方向の下流側に臨んで開放される可動側案内部を有し、可動側内部空間が固定側内部空間に連通することを特徴とするロボット。
【請求項2】
固定部は、略水平な設置面を有する設置台に設置されて固定されることを特徴とする請求項1記載のロボット。
【請求項3】
可動部は、固定部に固定される回転駆動手段によって、固定部に対して回転軸線まわりに回転駆動されることを特徴とする請求項1または2記載のロボット。
【請求項4】
基台は、固定側内部空間を挿通して可動部に固定され、前記長尺部材が前記回転軸線に沿って緩やかに挿通する補助内部空間を形成し、この補助内部空間が可動側内部空間に連通する筒状の補助案内部をさらに有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のロボット。
【請求項5】
基台は、固定側案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部に設けられ、補助案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部よりも、内方に突出して、前記長尺部材に当接する当接部材をさらに有することを特徴とする請求項4記載のロボット。
【請求項6】
当接部材は、固定側案内部の、前記挿通方向の上流側の開口部に沿って、環状に形成されることを特徴とする請求項5記載のロボット。
【請求項7】
アームの先端部には、所定のエンドエフェクタとして塗装ガンが装着され、長尺部材として、塗装ガンに塗料を供給するための塗装ガン用ホースを含み、所定の作業として、ワークの塗装作業を行う塗装ロボットであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載のロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2006−95614(P2006−95614A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−281941(P2004−281941)
【出願日】平成16年9月28日(2004.9.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ケ−ブルベア
【出願人】(000000974)川崎重工業株式会社 (1,710)
【Fターム(参考)】