説明

ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体

【課題】簡素な構造でシール性能を向上させるとともに、シール性能を向上させた状態を安定して維持するロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体を提供する。
【解決手段】樹脂材料で形成されたシール本体20には、ケースの内周面又は回転軸部の外周面に摺接するシール面23a、区画壁部又はベーンに保持されるように取り付けられる取付面23b、23c、回転軸部の軸方向と平行な方向における端部側の端面23d、23e、が設けられる。シール本体20には、シール面23a及び端面23d、23eに対して閉鎖され、取付面23b、23cに対して開口するように凹み形成された凹み領域24が設けられる。凹み領域24は、シール面23aと端面23d、23eとが連続する角部からシール面23a及び端面23d、23eに沿って連続して延びるように設けられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースの内側でベーンが設けられた回転軸部が回転するロータリーベーンアクチュエータにおいて圧力室を封止するためのシール構造体として設置される、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
ケースの内側でベーンが設けられた回転軸部が回転するロータリーベーンアクチュエータにおいて圧力室を封止するために設置される、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体として、特許文献1又は特許文献2に開示されたシール構造体が知られている。
【0003】
特許文献1では、図4において、ケースとしての外筒(2)の周方向において圧力室を区画する区画壁部である固定翼(5)に設置され、回転軸部である主軸(1)の外周面に摺接するシール構造体が開示されている。このシール構造体は、固定翼(5)がボルトによって外筒(2)から押し出されることによって、主軸(1)の外周面に対してシール本体を密着させるように構成されている。これにより、気密性或いは液密性を高くし、シール性能を向上させるように構成されている。
【0004】
また、特許文献1では、図9において、固定翼(5)、或いはベーンとしての回転翼(4)に設置され、シール本体を構成するバンド(7c)の四隅に斜行する切り込みが設けられたシール構造体が開示されている。このシール構造体は、斜行する切り込みがシール本体の四隅に設けられることで、シール本体が摺接する相手側の摺接面に対するシール本体の密着性を向上させることが意図されている。
【0005】
また、特許文献2では、ベーンに設置され、シール本体において相手側の摺接面に対して摺接するシール面と反対側の背面に圧油が作用するシール構造体が、開示されている。このシール構造体は、シール面と反対側の背面において圧油が作用することで、シール面の相手側の摺接面に対する密着性を向上させ、シール性能を向上させるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−182712号公報
【特許文献2】特開2008−37187号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1の図4に開示されたシール構造体は、シール性能を向上させるために、区画壁部をボルトによってケースから押し出すことで回転軸部の外周面にシール本体を密着させる複雑な機構が必要となる。このため、簡素な構造でシール性能を向上させることができる構成が求められる。また、ボルトによって区画壁部を押し出すことでシール本体を相手側の摺接面に密着させる方法によると、シール本体に対して荷重を分散させて作用させることが難しい。このため、とくに、シール本体における角部及びその近傍の部分において、相手側の摺接面に対する密着性の確保が難しく、シール性能の向上が難しいという問題がある。
【0008】
また、特許文献1の図9に開示されたシール構造体は、シール本体の四隅に斜行する切り込みが設けられるという簡素な構造として構成されるが、シール本体において切り込まれた部分が不安定に変形する虞があり、更に、この切り込まれた部分の破損を招いてしまう虞がある。このため、安定して高い気密性或いは液密性を確保することが難しく、シール性能を向上させた状態を安定して維持することが難しい。
【0009】
また、特許文献2に開示されたシール構造体は、シール性能を向上させるために、シール本体におけるシール面と反対側の背面に圧油を作用させる複雑な機構が必要となる。このため、簡素な構造でシール性能を向上させることができる構成が求められる。
【0010】
本発明は、上記実情に鑑みることにより、簡素な構造でシール性能を向上させることができるとともに、シール性能を向上させた状態を安定して維持することができる、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するための第1発明に係るロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体は、ケースと、前記ケースの内側の圧力室を周方向において区画する複数の区画壁部と、前記ケースの内側で回転自在に設置される回転軸部と、前記回転軸部から径方向外側に向かって突出して設けられるとともに前記ケースの周方向で隣り合う前記区画壁部の間でそれぞれ揺動する複数のベーンと、を有するロータリーベーンアクチュエータにおいて、前記圧力室を封止するシール構造体として前記区画壁部又は前記ベーンに設置される、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体に関する。そして、第1発明に係るロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体は、前記ケースの内周面又は前記回転軸部の外周面に摺接するシール面、前記区画壁部又は前記ベーンに保持されるように取り付けられる取付面、及び、前記回転軸部の軸方向と平行な方向における端部側の端面、が設けられ、樹脂材料で形成されたシール本体、を備え、前記シール本体には、前記シール面及び前記端面に対しては閉鎖されるとともに、前記取付面に対して開口するように凹み形成された凹み領域が設けられ、前記凹み領域は、前記シール面と前記端面とが連続する角部から前記シール面及び前記端面の少なくともいずれかの一部に沿って、連続して延びるように、或いは分散して配置されるように、設けられていることを特徴とする。
【0012】
この構成によると、シール本体において、シール面及び端面には閉鎖されて取付面に対して開口する凹み領域が設けられ、この凹み領域が、角部からシール面及び端面の少なくともいずれかに沿って連続して或いは分散して設けられる。このため、シール本体における角部及びその近傍の部分が、作用する荷重を分散して支持するように全体的に変形することになる。そして、シール本体の角部及びその近傍の部分が、シール本体が摺接する相手側の摺接面に対して沿うように密着することになる。これにより、相手側の摺接面に対する密着性を最も確保し難い部分である角部及びその近傍の部分においても、容易に密着性を確保することができる。そして、気密性或いは液密性が向上し、シール性能が向上することになる。また、上記の構成によると、シール本体における角部及びその近傍の部分に凹み領域が設けられた簡素な構造でシール性能を向上させることができる。
【0013】
更に、上記の構成によると、シール性の向上のためにシール本体に設けられる構造が、シール面及び端面には閉鎖されて取付面に対して開口する凹み領域として構成される。このため、シール本体の角部及びその近傍の部分が、相手側の摺接面に対して密着するように変形する際、作用する荷重を分散して支持するように全体的に変形する。これにより、シール本体は、破損し難く、ロータリーベーンアクチュエータが繰り返し作動した場合であっても、繰り返し同様の形態で安定して変形することになる。よって、上記の構成によると、ロータリーベーンアクチュエータの作動の状況にかかわらず、安定して高い気密性或いは液密性が繰り返し容易に確保され、シール性能が向上した状態が安定して維持されることになる。
【0014】
従って、本発明によると、簡素な構造でシール性能を向上させることができるとともに、シール性能を向上させた状態を安定して維持することができる、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体を提供することができる。
【0015】
第2発明に係るロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体は、第1発明のロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体において、前記シール本体は、前記区画壁部又は前記ベーンに設けられた取付溝に嵌め込まれて取り付けられ、前記凹み領域は、前記ケースの周方向において前記取付面が対向する前記取付溝の内壁のうちの少なくとも一方に向かって開口するように設けられていることを特徴とする。
【0016】
この構成によると、凹み領域が、取付溝の内壁のうちの少なくとも一方に向かって開口する領域として設けられる。このため、シール本体の取付面に凹み領域を形成することにより、容易に、簡素な構造で安定して高いシール性能を発揮可能な構造を実現することができる。
【0017】
第3発明に係るロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体は、第2発明のロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体において、前記凹み領域として、前記ケースの周方向において前記取付面が対向する前記取付溝の内壁のうちの一方に向かって開口する第1凹み領域と、前記ケースの周方向において前記取付面が対向する前記取付溝の内壁のうちの他方に向かって開口する第2凹み領域と、が設けられていることを特徴とする。
【0018】
この構成によると、シール本体の取付面で開口する凹み領域が、シール本体を挟むように設けられた取付溝の内壁の両方に対して個別に開口するように設けられる。このため、シール本体の角部及びその近傍の部分が、相手側の摺接面に対して密着するように変形する際、作用する荷重を更に均等に分散して支持することができる。これにより、更に高い密着性が得られ、シール性能を更に向上させることができる。
【0019】
第4発明に係るロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体は、第1発明乃至第3発明のいずれかのロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体において、金属材料にて板状又はブロック状或いは柱状に形成され、前記シール本体の内側に嵌め込まれた金属構造部材が、更に備えられ、前記凹み領域が、前記金属構造部材の外周の一部に沿って、連続して延びるように、或いは分散して配置されるように、設けられていることを特徴とする。
【0020】
この構成によると、シール本体の内側に板状又はブロック状或いは柱状の金属構造部材が嵌め込まれるため、シール構造体としての全体的な剛性を向上させることができる。更に、凹み領域が、金属構造部材の外周に沿って設けられるため、作用する荷重を金属構造部材の外周に沿って分散して支持することができる。これにより、更に高い密着性が得られ、シール性能を更に向上させることができる。
【0021】
第5発明に係るロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体は、第4発明のロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体において、前記金属構造部材の外周と前記シール本体の内周との間に設置され、当該金属構造部材と当該シール本体とに密着する弾性部材が、更に備えられていることを特徴とする。
【0022】
この構成によると、金属構造部材とシール本体との間に弾性部材が設置されるため、弾性部材が変形することで、作用する荷重を更に分散して支持することができる。これにより、更に高い密着性が得られ、シール性能を更に向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、簡素な構造でシール性能を向上させることができるとともに、シール性能を向上させた状態を安定して維持することができる、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態に係るシール構造体が設置されたロータリーベーンアクチュエータにおける軸方向と平行な方向における断面を示す断面図である。
【図2】図1に示すロータリーベーンアクチュエータにおける軸方向と垂直な方向における断面を示す断面図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るシール構造体を示す正面図であって、部分的な切り欠き状態で示す図である。
【図4】図3に示すシール構造体の側面図であって、部分的な切り欠き状態で示す図である。
【図5】変形例に係るシール構造体を示す正面図であって、部分的な切り欠き状態で示す図である。
【図6】変形例に係るシール構造体を示す側面図であって、部分的な切り欠き状態で示す図である。
【図7】変形例に係るシール構造体を示す側面図であって、部分的な切り欠き状態で示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しつつ説明する。尚、本発明は、ケースの内側でベーンが設けられた回転軸部が回転するロータリーベーンアクチュエータにおいて圧力室を封止するためのシール構造体として設置される、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体に関して広く適用することができるものである。
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態に係るロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体1(以下、単に「シール構造体1」とも称する)が設置されたロータリーベーンアクチュエータ10における軸方向と平行な断面を示す断面図である。また、図2は、ロータリーベーンアクチュエータ10における軸方向と垂直な断面を示す断面図である。尚、図2は、図1のA−A線矢視方向から見た断面を図示しており、図1は、図2のB−B線矢視方向から見た断面を図示している。
【0027】
まず、本実施形態のシール構造体1が適用されるロータリーベーンアクチュエータ10(以下、単に「アクチュエータ10」とも称する)について説明する。図1及び図2に示すように、アクチュエータ10は、ケース11、複数の区画壁部12、回転軸部13、複数のベーン14、蓋部15、底部16、等を備えて構成されている。
【0028】
ケース11は、回転軸部13及びベーン14を内側に収納する構造部材として設けられている。そして、アクチュエータ10では、ケース11は、円筒状の部材として設けられている。また、ケース11の内周には、複数の区画壁部12が一体に設けられている。ケース11における円筒軸方向の一端側の端部は、蓋部15によって閉鎖されている。また、ケース11における円筒軸方向における他端側の端部は、底部16によって閉鎖されている。蓋部15及び底部16は、ケース11に対して固定されている。
【0029】
区画壁部12は、アクチュエータ10では、3つ設けられている。各区画壁部12は、ケース11の内周において内側に向かって半径方向に突出するように設けられている。そして、3つの区画壁部12は、ケース11の内周の周方向に沿って等角度間隔で、即ち、本実施形態では、120°間隔で設けられている。各区画壁部12は、例えば、アクチュエータ10の軸方向と垂直な断面が略台形状に形成されている。また、各区画壁部12においてケース11の径方向内側に向かって突出する先端側の端部には、後述する回転軸部13の外周に対して摺接する(即ち、接触した状態で摺動する)摺接面が設けられている。この摺接面におけるケース11の軸方向に垂直な断面は、円弧状に形成されている。尚、区画壁部12は、本実施形態では、ケース11に対して一体に設けられているが、ケース11とは別体に設けられた区画壁部12がケース11に対して固定される構成が実施されてもよい。
【0030】
また、区画壁部12は、ケース11の内側の圧力室(19a、19b)を周方向において区画するように設けられている。そして、本実施形態では、一対の圧力室(19a、19b)が、ケース11の内側で周方向に沿って、3つ(即ち、3対)設けられている。ケース11の周方向で隣り合う一対の圧力室(19a、19b)同士は、ケース11の周方向において、各区画壁部12によって区画されている。そして、ケース11の周方向において隣り合う区画壁部12によって区画された各一対の圧力室(19a、19b)は、更に、後述するベーン14によって、ケース11の周方向において、圧力室19aと圧力室19bとに区画されている。
【0031】
回転軸部13は、円柱軸状の部分を有し、ケース11の内側の径方向中央で回転自在に設置されている。そして、回転軸部13は、円柱軸方向における一方の端部が蓋部15の中央の貫通孔に対して摺動自在に貫通して設置されている。回転軸部13における一方の端部は、蓋部15に対して、或いは、蓋部15に固定された支持部材に対して、回転自在に支持されている。また、回転軸部13は、円柱軸方向における他方の端部が底部16の中央の貫通孔に対して摺動自在に貫通して設置されている。回転軸部13における他方の端部は、底部16に対して、或いは、底部16に固定された支持部材に対して、回転自在に支持されている。
【0032】
また、回転軸部13は、後述するように、圧力室(19a、19b)に圧力流体が給排され、圧力室(19a、19b)を区画するベーン14が、ケース11の周方向に揺動することで、ベーン14とともに回転方向に揺動する。これにより、回転軸部13は、回転トルクを出力するように構成されている。尚、回転軸部13から出力される回転トルクは、回転軸部13の一方又は他方の端部に連結された駆動対象に対して出力される。駆動対象としては、種々の機器が挙げられる。例えば、航空機の翼において揺動自在に設けられた舵面等の動翼が、アクチュエータ10によって駆動されてもよい。
【0033】
ベーン14は、アクチュエータ10では、3つ設けられている。各ベーン14は、回転軸部13から半径方向の外側に向かって突出して設けられている。そして、3つのベーン14は、回転軸部13の周方向に沿って等角度間隔で、即ち、本実施形態では、120°間隔で設けられている。各ベーン14は、例えば、アクチュエータ10の軸方向と垂直な断面が略台形状に形成されている。また、各ベーン14において回転軸部13の径方向外側に向かって突出する先端側の端部には、ケース11の内周に対して摺接する(即ち、接触した状態で摺動する)摺接面が設けられている。この摺接面における回転軸部13の軸方向に垂直な断面は、円弧状に形成されている。尚、各ベーン14は、本実施形態では、回転軸部13に対して一体に設けられているが、回転軸部13とは別体に設けられたベーン14が回転軸部13に対して固定される構成が実施されてもよい。
【0034】
また、各ベーン14は、ケース11の周方向で隣り合う区画壁部12の間でそれぞれ揺動するように構成されている。各ベーン14は、前述のように、ケース11の周方向において隣り合う区画壁部12によって区画された一対の圧力室(19a、19b)における圧力室19aと圧力室19bとを、ケース11の周方向において、区画している。
【0035】
各圧力室(19a、19b)は、ケース11の内周、回転軸部13の外周、区画壁部12、ベーン14、蓋部15、及び底部16によって、区画されている。そして、各圧力室(19a、19b)には、図示が省略されているが、圧力流体の供給通路と排出通路とが連通するように設けられている。そして、各供給通路は、図示が省略されたコントローラからの指令によって、切替弁(図示省略)が切り替えられることによって、圧力流体の供給源に連通し、又は、この供給源に対して遮断される。また、各排出通路は、上記のコントローラからの指令によって、切替弁(図示省略)が切り替えられることによって、低圧側である圧力流体の排出系統に連通し、又は、この排出系統に対して遮断される。
【0036】
3対設けられた圧力室(19a、19b)における各圧力室19aに圧力流体が供給されるとともに各圧力室19bから圧力流体が排出されることで、各ベーン14が、図2において時計周り方向に揺動し、同方向に回転軸部13が回転する。一方、3対設けられた圧力室(19a、19b)における各圧力室19bに圧力流体が供給されるとともに各圧力室19aから圧力流体が排出されることで、各ベーン14が、図2において反時計周り方向に揺動し、同方向に回転軸部13が回転する。尚、圧力流体としては、圧縮空気、圧油、等、種々の流体が挙げられる。
【0037】
次に、上述したアクチュエータ10に適用される本実施形態のシール構造体1について説明する。シール構造体1は、アクチュエータ10において圧力室(19a、19b)を封止するシール構造体として設けられ、本実施形態では、各区画壁部12及び各ベーン14にそれぞれ設置されている。また、本実施形態では、各区画壁部12に設置されるシール構造体1と各ベーン14に設置されるシール構造体1とは、同様に構成されている。
【0038】
各区画壁部12に設置されるシール構造体1は、各区画壁部12においてアクチュエータ10の軸方向と平行に延びるように設置される。そして、このシール構造体1は、各区画壁部12における回転軸部13に対して摺接する摺接面に沿って設置され、回転軸部13の外周に対して摺接するように設置される。
【0039】
一方、各ベーン14に設置されるシール構造体1は、各ベーン14においてアクチュエータ10の軸方向と平行に延びるように設置される。そして、このシール構造体1は、各ベーン14におけるケース11に対して摺接する摺接面に沿って設置され、ケース11の内周に対して摺接するように設置される。
【0040】
図3は、区画壁部12又はベーン14に設置されるシール構造体1を示す正面図である。図4は、シール構造体1の側面図であり、図3のC線矢視方向から見た図である。図3及び図4は、シール構造体1について、部分的な切り欠き状態で図示している。尚、図3におけるシール構造体1の正面の方向は、シール構造体1がアクチュエータ10に設置された状態において、アクチュエータ10の周方向に対する接線方向に対応している。また、図3及び図4にて両端矢印Dで示すシール構造体1の長手方向は、シール構造体1がアクチュエータ10に設置された状態において、アクチュエータ10の軸方向と平行な方向に対応している。
【0041】
シール構造体1は、シール本体20、金属構造部材21、エラストマ22、を備えて構成されている。尚、図1のアクチュエータ10の断面図では、シール構造体1の内部構造の図示が省略されている。
【0042】
シール本体20は、樹脂材料で形成され、例えば、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂を素材として形成され、或いは、ゴムを素材として形成されている。そして、区画壁部12に設置されるシール構造体1におけるシール本体20は、区画壁部12の取付溝12aに嵌め込まれて取り付けられる。一方、ベーン14に設置されるシール構造体1におけるシール本体20は、ベーン14の取付溝14aに嵌め込まれて取り付けられる。
【0043】
また、シール本体20は、直線状に延びる胴部20aと、胴部20aの両端のそれぞれに一体に設けられた屈曲部(20b、20c)とを備えて構成されている。胴部20aは、内側に長孔状の貫通孔20dが設けられた中空の柱状に形成されている。そして、胴部20aは、その長手方向がアクチュエータ10において軸方向と平行に配置され、前述のように、取付溝12a或いは取付溝14aに嵌め込まれる。
【0044】
屈曲部20b及び屈曲部20cは、シール本体20において、胴部20aに対して略直角に屈曲して延びる部分として設けられる。また、胴部20aの両端部のそれぞれにて突出して延びるように設けられる屈曲部20b及び屈曲部20cは、同方向に向かって互いに平行に胴部20aから突出するように設けられている。屈曲部20b及び屈曲部20cは、取付溝12a又は取付溝14aに嵌め込まれるとともに、アクチュエータ10において、ケース11及び回転軸部13の径方向に沿って延びるように設置される。そして、屈曲部20bは、蓋部15に対して摺接可能に設置され、屈曲部20cは、底部16に対して摺接可能に設置される。
【0045】
尚、回転軸部13と蓋部15との間には、両者の間において周方向に環状に延びるように設置され、両者の間を封止する、リングシール17が設置されている(図1を参照)。そして、区画壁部12に設置されたシール構造体1のシール本体20は、胴部20aの端部にてリングシール17の外周の縁部に対して摺接可能に設置されている。一方、ベーン14に設置されたシール構造体1のシール本体20は、屈曲部20bの端部にてリングシール17の外周の縁部に対して摺接可能に設置されている。
【0046】
また、回転軸部13と底部16との間には、両者の間において周方向に環状に延びるように設置され、両者の間を封止する、リングシール18が設置されている(図1を参照)。そして、区画壁部12に設置されたシール構造体1のシール本体20は、胴部20aの端部にてリングシール18の外周の縁部に対して摺接可能に設置されている。一方、ベーン14に設置されたシール構造体1のシール本体20は、屈曲部20cの端部にてリングシール18の外周の縁部に対して摺接可能に設置されている。
【0047】
また、シール本体20には、シール面23a、取付面(23b、23c)、端面(23d、23e)が設けられている。シール面23aは、胴部20aの側面として設けられている。そして、区画壁部12に設置されたシール構造体1のシール本体20におけるシール面23aは、回転軸部13の外周面に摺接する面として構成されている。ベーン14に設置されたシール構造体1のシール本体20におけるシール面23aは、ケース11の内周面に摺接する面として構成されている。
【0048】
取付面(23b、23c)は、胴部20a及び屈曲部(20b、20c)において、シール面23aの両側方で互いに平行に延びる面として設けられている。そして、区画壁部12に設置されたシール構造体1のシール本体20における取付面(23b、23c)は、区画壁部12の取付溝12aに保持されるように取り付けられる面として構成されている。ベーン14に設置されたシール構造体1のシール本体20における取付面(23b、23c)は、ベーン14の取付溝14aに保持されるように取り付けられる面として構成されている。
【0049】
端面(23d、23e)は、胴部20a及び屈曲部(20b、20c)において、胴部20aの両端側で互いに平行に延びる面として設けられている。これにより、端面(23d、23e)は、シール本体20において、回転軸部13の軸方向と平行な方向における端部側の面として構成されている。そして、端面23dは蓋部15に対して摺接し、端面23eは底部16に対して摺接するように設置される。
【0050】
また、シール本体20には、シール面23a及び端面(23d、23e)に対しては閉鎖されるとともに、取付面(23b、23c)に対して開口するように凹み形成された凹み領域24(24a、24b、24c、24d)が設けられている。各凹み領域24(24a、24b、24c、24d)は、取付面(23b、23c)に対して開口する穴状又は溝状の空間領域を構成している。そして、凹み領域24は、シール本体20において複数設けられており、本実施形態では、胴部20aの両端部のそれぞれにおいて、両取付面(23b、23c)のそれぞれに開口するように、4つ設けられている。
【0051】
凹み領域24aは、取付面23bから開口するとともに、シール面23aと端面23dとが連続する角部25aからシール面23aの一部及び端面23dの一部に沿って連続して延びるように設けられている。凹み領域24bは、取付面23bから開口するとともに、シール面23aと端面23eとが連続する角部25bからシール面23aの一部及び端面23eの一部に沿って連続して延びるように設けられている。凹み領域24cは、取付面23cから開口するとともに、角部25aからシール面23aの一部及び端面23dの一部に沿って連続して延びるように設けられている。凹み領域24dは、取付面23cから開口するとともに、角部25bからシール面23aの一部及び端面23dの一部に沿って連続して延びるように設けられている。上記により、凹み領域(24a、24b、24c、24d)は、いずれも同形状に形成されており、角部(25a、25b)及びその近傍の部分に沿って屈曲して延びる長穴状又は溝状に形成されている。
【0052】
尚、本実施形態では、凹み領域(24a、24b)は、ケース11の周方向において取付面(23b、23c)が対向する取付溝(12a、14a)の内壁のうちの一方に向かって開口する第1凹み領域を構成している。そして、凹み領域(24c、24d)は、ケース11の周方向において取付面(23b、23c)が対向する取付溝(12a、14a)の内壁のうちの他方に向かって開口する第2凹み領域を構成している。
【0053】
金属構造部材21は、鋼材等の金属材料にて板状又はブロック状或いは柱状に形成され、直線状に延びる部材として設けられている。そして、金属構造部材21は、シール本体20の内側の貫通孔20dに対して、エラストマ22を介して嵌め込まれている。尚、本実施形態では、金属構造部材21として、両端部に半円弧状断面の端面が設けられ、両端部以外の部分が角柱状に形成された部材が例示されている。尚、凹み領域24(24a、24b、24c、24d)は、シール本体20において、金属構造部材21の外周の一部である端部近傍の部分に沿って連続して延びるように設けられている。
【0054】
エラストマ22は、弾性材料であるゴム材料で形成されて、弾性変形し易い環状の部材として設けられている。そして、エラストマ22は、金属構造部材21の外周とシール本体20の貫通孔20dの内周との間に設置され、金属構造部材21とシール本体20とに密着する弾性部材として設けられている。よって、シール構造体1においては、エラストマ22の外周がシール本体20の貫通孔20cの内周に嵌め込まれ、金属構造部材21の外周がエラストマ22の内周に嵌め込まれている。
【0055】
上述したシール構造体1は、アクチュエータ10に複数設置される。そして、区画壁部12に設置されたシール構造体1は、区画壁部12、回転軸部13、蓋部15、底部16との間で、気密性或いは液密性を確保し、圧力流体を封止する。一方、ベーン14に設置されたシール構造体1は、ベーン14、ケース11、蓋部15、底部16との間で、気密性或いは液密性を確保し、圧力流体を封止する。更に、ベーン14が回転している状態であっても、凹み領域24(24a、24、24c、24d)の形状が変形し、シール本体20における角部(25a、25b、25c、25d)及びその近傍の部分が全体的に変形する。これにより、シール本体20が摺接する相手側のケース11、区画壁部12、回転軸部13、ベーン14、蓋部15、底部16の摺接面に対して、シール本体20が密着した状態が維持されることになる。
【0056】
以上説明したように、シール構造体1によると、シール本体20において、シール面23a及び端面(23d、23e)には閉鎖されて取付面(23b、23c)に対して開口する凹み領域24(24a、24b、24c、24d)設けられる。そして、この凹み領域24(24a、24b、24c、24d)が、角部(25a、25b、25c、25d)からシール面23a及び端面(23d、23e)に沿って連続して設けられる。このため、シール本体20における角部(25a、25b、25c、25d)及びその近傍の部分が、作用する荷重を分散して支持するように全体的に変形することになる。そして、シール本体20の角部(25a、25b、25c、25d)及びその近傍の部分が、シール本体20が摺接する相手側の摺接面に対して沿うように密着することになる。これにより、相手側の摺接面に対する密着性を最も確保し難い部分である角部(25a、25b、25c、25d)及びその近傍の部分においても、容易に密着性を確保することができる。そして、気密性或いは液密性が向上し、シール性能が向上することになる。また、シール構造体1によると、シール本体20における角部(25a、25b、25c、25d)及びその近傍の部分に凹み領域24(24a、24b、24c、24d)が設けられた簡素な構造でシール性能を向上させることができる。
【0057】
更に、シール構造体1によると、シール性の向上のためにシール本体20に設けられる構造が、シール面23a及び端面(23d、23e)には閉鎖されて取付面(23b、23c)に対して開口する凹み領域として構成される。このため、シール本体20の角部(25a、25b、25c、25d)及びその近傍の部分が、相手側の摺接面に対して密着するように変形する際、作用する荷重を分散して支持するように全体的に変形する。これにより、シール本体20は、破損し難く、アクチュエータ10が繰り返し作動した場合であっても、繰り返し同様の形態で安定して変形することになる。よって、シール構造体1によると、アクチュエータ10の作動の状況にかかわらず、安定して高い気密性或いは液密性が繰り返し容易に確保され、シール性能が向上した状態が安定して維持されることになる。
【0058】
従って、本実施形態によると、簡素な構造でシール性能を向上させることができるとともに、シール性能を向上させた状態を安定して維持することができる、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体1を提供することができる。
【0059】
また、シール構造体1によると、シール本体20の取付面(23b、23c)で開口する凹み領域24(24a、24b、24c、24d)が、シール本体20を挟むように設けられた取付溝(12a、14a)の内壁の両方に対して個別に開口するように設けられる。このため、シール本体20の角部(25a、25b、25c、25d)及びその近傍の部分が、相手側の摺接面に対して密着するように変形する際、作用する荷重を更に均等に分散して支持することができる。これにより、更に高い密着性が得られ、シール性能を更に向上させることができる。
【0060】
また、シール構造体1によると、シール本体20の内側に板状又はブロック状或いは柱状の金属構造部材21が嵌め込まれるため、シール構造体1としての全体的な剛性を向上させることができる。更に、凹み領域24(24a、24b、24c、24d)が、金属構造部材21の外周に沿って設けられるため、作用する荷重を金属構造部材21の外周に沿って分散して支持することができる。これにより、更に高い密着性が得られ、シール性能を更に向上させることができる。
【0061】
また、シール構造体1によると、金属構造部材21とシール本体20との間にエラストマ22が設置されるため、エラストマ22が変形することで、作用する荷重を更に分散して支持することができる。これにより、更に高い密着性が得られ、シール性能を更に向上させることができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のように変更して実施してもよい。
【0063】
(1)前述の実施形態では、シール本体に加え、金属構造部材及び弾性部材が備えられたシール構造体を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。金属構造部材及び弾性部材が備えられていないシール構造体、或いは、弾性部材が備えられていないシール構造体が実施されてもよい。
【0064】
(2)シール本体、金属構造部材、弾性部材の外形については、前述の実施形態で例示した形状に限らず、種々変更して実施してもよい。例えば、両端部の屈曲部が設けられていない形状のシール本体が実施されてもよい。
【0065】
(3)凹み領域の形状、数、配置については、前述の実施形態で例示した形態に限らず、種々変更して実施してもよい。前述の実施形態では、シール面と端面とが連続する角部からシール面及び端面の両方に沿って連続して延びるように設けられた凹み領域を例にとって説明したが、この通りでなくてもよい。例えば、角部からシール面及び端面のいずれか一方の一部に沿って延びるように設けられた凹み領域が形成されたシール本体が実施されてもよい。
【0066】
また、図5は、変形例に係るシール構造体2を示す正面図であって、部分的な切り欠き状態で示す図である。尚、シール構造体2の説明では、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図5において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、説明を省略する。
【0067】
図5に示すように、シール構造体2においては、シール面23a及び端面(23d、23e)に対しては閉鎖されるとともに取付面(23b、23c)に対して開口するように凹み形成された複数の凹み領域26が設けられている。そして、各凹み領域26は、角部(25a、25b、25c、25d)からシール面23a及び端面(23d、23e)の一部に沿って分散して配置されるように設けられている。また、各凹み領域26は、金属構造部材21の外周の一部に沿って、分散して配置されるように設けられている。
【0068】
上記のような凹み領域26が設けられたシール構造体2においても、前述のシール構造体1と同様の効果を奏することができる。即ち、シール構造体2によると、簡素な構造でシール性能を向上させることができるとともに、シール性能を向上させた状態を安定して維持することができる。
【0069】
また、図6は、変形例に係るシール構造体3を示す正面図であって、部分的な切り欠き状態で示す図である。図7は、変形例に係るシール構造体4を示す正面図であって、部分的な切り欠き状態で示す図である。尚、シール構造体(3、4)の説明では、前述の実施形態と同様に構成される要素については、図6、図7において同一の符号を付すことで、或いは同一の符号を引用することで、説明を省略する。
【0070】
図6に示すシール構造体3は、凹み領域(24a、24b)が設けられているが、凹み領域(24c、24d)が設けられていない点において、前述の実施形態のシール構造体1と異なっている。また、図7に示すシール構造体4は、凹み領域(24c、24d)が設けられているが、凹み領域(24a、24b)が設けられていない点において、シール構造体1とは異なっている。これらの図6、図7に示すように、取付面(23b、23c)の一方のみに凹み領域24が設けられたシール本体20を備えるシール構造体(3、4)が実施されてもよい。
【0071】
(4)前述の実施形態では、1つの区画壁部或いは1つのベーンに対して1つのシール構造体が設置される形態を例にとって説明したが、この通りでなくもよい。1つの区画壁部或いは1つのベーンに対して複数のシール構造体が設置される形態が実施されてもよい。この場合、1つの区画壁部と回転軸部の外周との間において、或いは、1つのベーンとケースの内周との間において、シール構造体による封止機構の多重化が図られることになり、更に、シール性能の向上が図られることになる。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、ケースの内側でベーンが設けられた回転軸部が回転するロータリーベーンアクチュエータにおいて圧力室を封止するためのシール構造体として設置される、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体に関して広く適用することができるものである。
【符号の説明】
【0073】
1 ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体
10 ロータリーベーンアクチュエータ
11 ケース
12 区画壁部
13 回転軸部
14 ベーン
19a、19b 圧力室
20 シール本体
24、24a、24b、24c、24d 凹み領域
25a、25b、25c、25d 角部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースと、前記ケースの内側の圧力室を周方向において区画する複数の区画壁部と、前記ケースの内側で回転自在に設置される回転軸部と、前記回転軸部から径方向外側に向かって突出して設けられるとともに前記ケースの周方向で隣り合う前記区画壁部の間でそれぞれ揺動する複数のベーンと、を有するロータリーベーンアクチュエータにおいて、前記圧力室を封止するシール構造体として前記区画壁部又は前記ベーンに設置される、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体であって、
前記ケースの内周面又は前記回転軸部の外周面に摺接するシール面、前記区画壁部又は前記ベーンに保持されるように取り付けられる取付面、及び、前記回転軸部の軸方向と平行な方向における端部側の端面、が設けられ、樹脂材料で形成されたシール本体、を備え、
前記シール本体には、前記シール面及び前記端面に対しては閉鎖されるとともに、前記取付面に対して開口するように凹み形成された凹み領域が設けられ、
前記凹み領域は、前記シール面と前記端面とが連続する角部から前記シール面及び前記端面の少なくともいずれかの一部に沿って、連続して延びるように、或いは分散して配置されるように、設けられていることを特徴とする、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体。
【請求項2】
請求項1に記載のロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体であって、
前記シール本体は、前記区画壁部又は前記ベーンに設けられた取付溝に嵌め込まれて取り付けられ、
前記凹み領域は、前記ケースの周方向において前記取付面が対向する前記取付溝の内壁のうちの少なくとも一方に向かって開口するように設けられていることを特徴とする、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体。
【請求項3】
請求項2に記載のロータリーベーンアクチュエーアクチュエータ用シール構造体であって、
前記凹み領域として、前記ケースの周方向において前記取付面が対向する前記取付溝の内壁のうちの一方に向かって開口する第1凹み領域と、前記ケースの周方向において前記取付面が対向する前記取付溝の内壁のうちの他方に向かって開口する第2凹み領域と、が設けられていることを特徴とする、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のロータリーベーンアクチュエーアクチュエータ用シール構造体であって、
金属材料にて板状又はブロック状或いは柱状に形成され、前記シール本体の内側に嵌め込まれた金属構造部材が、更に備えられ、
前記凹み領域が、前記金属構造部材の外周の一部に沿って、連続して延びるように、或いは分散して配置されるように、設けられていることを特徴とする、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体。
【請求項5】
請求項4に記載のロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体であって、
前記金属構造部材の外周と前記シール本体の内周との間に設置され、当該金属構造部材と当該シール本体とに密着する弾性部材が、更に備えられていることを特徴とする、ロータリーベーンアクチュエータ用シール構造体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−72447(P2013−72447A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−210136(P2011−210136)
【出願日】平成23年9月27日(2011.9.27)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】