説明

ローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法

【課題】 本発明では、ディスク装着手順の煩雑さを解消するローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 本発明のローディング装置11は、スロット方式によりディスク22をローディングするローディング装置であって、挿排機構30と、退避機構35と、制御部40とを備えている。挿排機構30は、スロット21に挿入されるディスクを装着位置まで移動させる。退避機構35は、装着位置に装着されているディスクを装着位置から退避位置へと移動させる。制御部40は、新たなディスクが挿入されると、装着位置にあるディスクを退避位置へと移動するために退避機構35を駆動させ、退避位置への移動が完了すると、新たなディスクを装着位置まで移動するために挿排機構30を駆動させる

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法、特にスロット方式によりディスクをローディングするローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法に関する。
【背景技術】
【0002】
CDやDVDといった光ディスクをドライブに装着する際のローディング方式として、トレイローディング方式と、スロットローディング方式とが知られている。
トレイローディング方式(以下、トレイ方式という)とは、ドライブが備えるトレイの上に光ディスクを載せ、ドライブにローディングさせる方式である。より詳しくは、光ディスクを載せるトレイは、ドライブ本体に格納位置と引出位置との間でスライド自在に取り付けられている。光ディスクは、ドライブ本体から引出位置に引き出されたトレイに載置され、このトレイがドライブ本体内の格納位置にスライドする。こうして、光ディスクは、ドライブ内のデータ再生・記録位置に装着される。
【0003】
一方、スロットローディング方式(以下、スロット方式という)とは、トレイ方式のような光ディスク装着用のトレイを用いずに、光ディスクをドライブにローディングさせる方式である。例えば、光ディスクがドライブ本体に設けられた挿入口に直接挿入されると、光ディスクは、ディスクローラ等によって引き込まれ、ドライブ内のデータ再生・記録位置に装着される。
【0004】
これら従来の方式においては、ディスク装着手順が煩雑である。また、スロット方式では、光ディスクの誤挿入という問題もある。
まず、ディスク装着手順が煩雑である点について説明を加える。
従来のトレイ方式で光ディスクを装着する際の手順を説明する。トレイ方式では、1.トレイを引き出す、2.光ディスクが載置されていれば取り出す、3.所望の光ディスクを載置する、4.トレイを挿入する、という手順で光ディスクが装着される。
【0005】
従来のスロット方式で光ディスクを装着する際の手順を説明する。スロット方式では、1.光ディスクが装着されているか確認する、2.(装着されていれば)光ディスクを取り出す、3.所望の光ディスクを挿入する、という手順で光ディスクが装着される。
このような従来の方式では、ユーザは、ドライブ内に既にディスクがローディングされているか否かを確認した上で、新たなディスクをローディングする必要があり、光ディスク装着時の手順が煩雑である。
【0006】
次に、ディスクの誤挿入という問題について説明を加える。
スロット方式では、光ディスク挿入用の挿入口が、排出用の排出口を兼用するものもあるが、それぞれ別々に設けられているものもある。
挿入口が排出口を兼用する場合には、光ディスクが既に装着されているにもかかわらず、ユーザが誤って光ディスクを挿入する、あるいは、挿入口と排出口とが別々に設けられている場合には、ユーザが誤って排出口に光ディスクを挿入する、などといったことがあり、これらはドライブの誤動作や光ディスクの損傷などの結果を招く。
【0007】
この光ディスクの誤挿入を防ぐため、機械的手段を用いて、光ディスクの挿入時には、排出口を閉鎖し、光ディスクの排出時には、挿入口を閉鎖するディスク装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2000−123560号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明では、ディスク装着手順の煩雑さを解消するローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法を提供することを課題とする。また、付随的な課題として、ディスクの誤挿入を防ぐローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1に記載のローディング装置は、ディスクをローディングするローディング装置であって、挿排機構と、退避機構と、制御部とを備えている。挿排機構は、挿排口に挿入されるディスクを装着位置まで移動させる。退避機構は、装着位置に装着されているディスクを装着位置から退避位置へと移動させる。制御部は、新たな第2のディスクが挿入されると、装着位置にある第1のディスクを退避位置へと移動するために退避機構を駆動させ、退避位置への移動が完了すると、第2のディスクを装着位置まで移動するために挿排機構を駆動させる
ここで、挿排口とは、1つの開口部によりディスクの挿排を行うもののみならず、挿入用と排出用との開口部をそれぞれ用いてディスクの挿排を行うものも含む。
【0010】
本発明のローディング装置では、退避機構を有するため、ディスクが既に装着されていてもユーザがそれを意識すること無く新しいディスクを挿入することが可能となる。このため、ディスク装着までの手順の煩雑さを解消することが可能となる。さらに、付随的な効果として、ディスクが既に装着されている状態でディスクを挿入しても、既に装着されているディスクが退避するため、従来技術で問題となっているディスクの誤挿入によるディスクの損傷などの問題も回避することが可能となる。
【0011】
請求項2に記載のローディング装置は、請求項1に記載のローディング装置であって、退避位置は、装着位置に対して、装着されたディスクの回転軸方向に位置する。
本発明のローディング装置では、退避位置は、装着位置に対して、回転軸方向に位置している。このため、ディスクの径方向に対して装置を小型化することが可能となる。
【0012】
請求項3に記載のローディング装置は、請求項1に記載のローディング装置であって、退避位置は、装着位置に対して、装着されたディスク半径方向に位置する。
ここで、ディスクの半径方向とは、ディスクの回転軸に直交する方向であり、ディスクの面に平行な方向である。
【0013】
本発明のローディング装置では、退避位置は、装着位置に対して、径方向に位置している。このため、ディスクの軸方向に対して装置を薄型化することが可能となる。
請求項4に記載のローディング装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のローディング装置であって、制御部は、第2のディスクの装着位置への移動が完了すると、退避位置にある第1のディスクを挿排口まで移動するために挿排機構を駆動させる。
【0014】
本発明のローディング装置では、ユーザは、ディスクを入れ替える際に、既に装着されているディスクを取り出すという手順を必要とせず、よりスムーズにディスクの入替を行うことが可能となる。さらに、付随的には、ディスクの再生や記録に至るまでの時間を短縮することも可能となる。
【0015】
請求項5に記載のローディング装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のローディング装置であって、制御部は、装着位置に移動された第2のディスクを用いた処理が完了すると、第2のディスクを挿排口まで移動するために挿排機構を駆動させ、退避位置にある第1のディスクを装着位置に移動するために退避機構を駆動させる。
【0016】
本発明のローディング装置では、ユーザは、既に装着しているディスクを抜き取らずに、新たなディスクの内容の確認をすることができる。さらに、新たなディスクの内容の確認後、再度退避位置にあるディスクを装着し、引き続き処理をすることが可能となる。
請求項6に記載のローディング装置は、請求項1〜3のいずれかに記載のローディング装置であって、退避位置には複数のディスクが退避可能である。制御部は、さらに新たな第3のディスクが挿入されると、第1のディスクを退避位置に退避した状態で、装着位置にある第2のディスクを退避位置へと移動するために退避機構を駆動させ、退避位置への移動が完了すると、第3のディスクを装着位置まで移動するために挿排機構を駆動させる。
【0017】
本発明のローディング装置では、ユーザは、ディスクを挿入する際に、既に装着されているディスクを取り出すという手順を必要とせず、よりスムーズにディスクの挿入を行うことが可能となる。
請求項7に記載のローディング装置は、請求項1〜6のいずれかに記載のローディング装置であって、挿排口周辺に設けられディスクの挿入を検知する挿入検知センサと、ディスクが退避位置に移動したことを検知する退避検知センサとをさらに備える。
【0018】
本発明のローディング装置では、挿入検知センサと退避検知センサとを備えるため、例えば、挿入された新たなディスクのために装着位置にあるディスクが退避できない、などといったことを防ぐことが可能となる。
請求項8に記載のローディング装置は、請求項7に記載のローディング装置であって、挿入検知センサの装着位置側に設けられ、装着位置にあるディスクが退避位置に移動する前に新たなディスクが挿入されることを防止する挿入防止機構をさらに備える。
【0019】
本発明のローディング装置では、挿入防止機構を備え、ユーザにより無理にディスクが挿入されることが防止可能となる。
請求項9に記載のローディング装置は、ディスクをローディングするローディング装置であって、挿排機構と、装着機構と、制御部とを備えている。挿排機構は、挿排口に挿入されるディスクを退避位置まで移動させるとともに、装着位置に装着されているディスクを装着位置から挿排口へと移動させる。装着機構は、退避位置にあるディスクを退避位置から装着位置へと移動させる。制御部は、新たな第2のディスクが挿入されると、第2のディスクを退避位置へと移動させるために挿排機構を駆動させ、退避位置への移動が完了すると、装着位置にある第1のディスクを挿排口まで移動するために挿排機構を駆動させ、退避位置にある第2のディスクを装着位置へと移動させるために装着機構を駆動させる。
【0020】
ここで、挿排口とは、1つの開口部によりディスクの挿排を行うもののみならず、挿入用と排出用との開口部をそれぞれ用いてディスクの挿排を行うものも含む。
本発明のローディング装置では、挿排機構を有するため、ディスクが既に装着されていてもユーザがそれを意識すること無く新しいディスクを挿入することが可能となる。このため、ディスク装着までの手順の煩雑さを解消することが可能となる。さらに、付随的な効果として、ディスクが既に装着されている状態でディスクを挿入しても、挿入されたディスクが退避するため、従来技術で問題となっているディスクの誤挿入によるディスクの損傷などの問題も回避することが可能となる。
【0021】
請求項10に記載のディスクドライブは、請求項1〜9のいずれかに記載のローディング装置と、装着位置にあるディスクを回転駆動するディスク駆動機構と、駆動されたディスクについて情報の再生または記録を行う光ピックアップ機構とを備えている。
本発明のディスクドライブにより、請求項1〜7のいずれかに記載のローディング装置と同様の効果を得ることが可能である。
【0022】
請求項11に記載のローディング方法は、ディスクをローディングするローディング方法であって、退避ステップと、装着ステップとを備えている。退避ステップは、第2のディスクが挿排口に挿入されると、装着位置にある第1のディスクを退避位置へと移動する。装着ステップは、退避ステップが完了すると、第2のディスクを装着位置まで移動する。
【0023】
本発明のローディング方法では、退避ステップを有するため、ディスクが既に装着されていてもユーザがそれを意識すること無く新しいディスクを挿入することが可能となる。このため、ディスク装着までの手順の煩雑さを解消することが可能となる。さらに、付随的な効果として、ディスクが既に装着されている状態でディスクを挿入しても、既に装着されているディスクが退避するため、従来技術で問題となっているディスクの誤挿入によるディスクの損傷などの問題も回避することが可能となる。
【0024】
請求項12に記載のローディング方法は、請求項11に記載のローディング方法であって、装着ステップが完了すると、退避位置にある第1のディスクを挿排口まで移動する排出ステップをさらに備える。
本発明のローディング方法では、ユーザは、ディスクを入れ替える際に、既に装着されているディスクを取り出すという手順を必要とせず、よりスムーズにディスクの入替を行うことが可能となる。さらに、付随的には、ディスクの再生や記録に至るまでの時間を短縮することも可能となる。
【0025】
請求項13に記載のローディング方法は、請求項11に記載のローディング方法であって、排出ステップと、再装着ステップとをさらに備える。排出ステップは、装着位置に移動された第2のディスクを用いた処理が完了すると、第2のディスクを挿排口まで移動する。再装着ステップは、退避位置にある第1のディスクを装着位置まで移動する。
【0026】
本発明のローディング方法では、ユーザは、既に装着しているディスクを抜き取らずに、新たなディスクの内容の確認をすることができる。さらに、新たなディスクの内容の確認後、再度退避位置にあるディスクを装着し、引き続き処理をすることが可能となる。
請求項14に記載のローディング方法は、請求項11に記載のローディング方法であって、退避位置には複数のディスクが退避可能であり、第2の退避ステップと、第2の装着ステップとをさらに備えている。第2の退避ステップは、さらに新たな第3のディスクが挿排口に挿入されると、第1のディスクを退避位置に退避した状態で、装着位置にある第2のディスクを退避位置へと移動する。第2の装着ステップは、第2の退避ステップが完了すると、第3のディスクを装着位置まで移動する。
【0027】
本発明のローディング方法では、ユーザは、ディスクを挿入する際に、既に装着されているディスクを取り出すという手順を必要とせず、よりスムーズにディスクの挿入を行うことが可能となる。
請求項15に記載のローディング方法は、ディスクをローディングするローディング方法であって、挿入ステップと、排出ステップと、装着ステップとを備えている。挿入ステップは、第2のディスクが挿排口に挿入されると、第2のディスクを退避位置へと移動する。排出ステップは、装着位置にある第1のディスクを挿排口まで移動する。装着ステップは、退避位置にある第2のディスクを装着位置へと移動する。
【0028】
本発明のローディング方法は、挿入ステップを有するため、ディスクが既に装着されていてもユーザがそれを意識すること無く新しいディスクを挿入することが可能となる。このため、ディスク装着までの手順の煩雑さを解消することが可能となる。さらに、付随的な効果として、ディスクが既に装着されている状態でディスクを挿入しても、挿入されたディスクが退避するため、従来技術で問題となっているディスクの誤挿入によるディスクの損傷などの問題も回避することが可能となる。
【発明の効果】
【0029】
本発明では、ディスク装着手順の煩雑さを解消するローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法を提供することが可能となる。また、付随的な効果として、ディスクの誤挿入を防ぐローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
〈構成〉
(ディスクドライブの構成)
図1に、本発明のローディング装置を備えるディスクドライブの構成を示す。本発明のディスクドライブは、CDやDVDなどの光ディスクに対して情報の再生または記録を行う装置である。ディスクドライブは、コンピュータに内蔵、あるいは外部に接続されて用いられるものであってもよいし、テレビ、ビデオカメラ、DVDプレーヤ・レコーダなどに搭載されて用いられるものであってもよい。
【0031】
ディスクドライブ10は、ローディング装置11と、装着位置にあるディスク22を回転駆動するディスク駆動機構12と、駆動されたディスク22について情報の再生または記録を行う光ピックアップ機構13とから主に構成される。
ディスクドライブ10には、前面パネル20においてスロット21が設けられており、スロット21を介して、ディスクドライブ10に対するディスク22の挿入や排出が行われる。
【0032】
ローディング装置11は、ディスクドライブ10に対して挿入されたディスク22を、再生または記録を行う装着位置まで移動するなど、ディスクをローディングするための装置である。詳しい構成や動作についての説明は、後述する。
ディスク駆動機構12は、シャーシ(図示せず)に装備されたスピンドルモータ(図示せず)により回転されるターンテーブル25を備えている。ターンテーブル25の中央には、ディスク22の中心孔に着脱自在に嵌合しつつ、ディスク22の調芯を行う凸部26が形成されている。
【0033】
光ピックアップ機構13は、光ピックアップおよびその駆動機構を備え、ターンテーブル25に装着されて所定の速度で回転されるディスク22の情報記録面側を、ディスクの径方向に移動する。光ピックアップ機構13は、例えば、情報の再生を行う場合、ディスク22の情報記録面にレーザビームを照射し、検出された反射ビームを電気信号に変換するとともに、図示しないヘッドアンプでRF信号を生成する。生成されたRF信号は、光ピックアップ機構13の外部に備えられる信号処理回路(図示せず)で復調処理される。
【0034】
また、ディスクドライブ10には、操作部45が設けられており、操作部45の設定により、ディスクドライブ10の再生、停止、記録などの各種操作が行われる。また、操作部45の設定により、後述するローディングモード(入替処理・割込処理)の切り替えなどが行われる。なお、操作部45は、ハード的に構成される操作キーだけでなく、ソフト的に構成されGUIを介して操作されるものであってもよい。
【0035】
(ローディング装置の構成)
次に、ローディング装置11の詳しい構成について説明を行う。
ローディング装置11は、スロット方式によりディスク22をローディングする装置であって、スロット21に挿入されるディスク22を装着位置まで移動させる挿排機構30と、装着位置に装着されているディスク22を装着位置から退避位置へと移動させる退避機構35と、制御部40と、センサ群(挿入検知センサ41、装着検知センサ42、退避検知センサ43)と、ストッパ44とを備えている。
【0036】
挿排機構30は、挿排ローラ31と、挿排ローラ31を駆動するためのモータ32と、モータ32を駆動するための駆動部33とを備えている。挿排ローラ31は、モータ32により両回転方向に駆動され、ディスク22の挿入および排出を行う。モータ32は、駆動部33から入力される電気信号により駆動される。駆動部33は、制御部40により出力されるモータ32の制御量をモータ32を駆動するための電気信号に変換する。
【0037】
退避機構35は、昇降装置36と、昇降装置36を駆動するためのモータ37と、モータ37を駆動するための駆動部38とを備えている。昇降装置36は、モータ37により駆動され、ディスク22を装着位置から退避位置へ、あるいは退避位置から装着位置へと昇降動作させる。より具体的には、昇降装置36は、ディスク22の外周縁を保持する保持部と、モータ37により駆動され保持部を昇降動作させる軸部とから構成されている。なお、昇降装置36については、このような構成のものに限らない。なお、退避位置は、装着位置の軸方向上方に位置しており、退避位置にディスク22が保持された状態で新たなディスク22が挿排可能となる程度に、ターンテーブル25とのクリアランスが確保されている。モータ37は、駆動部38から入力される電気信号により駆動される。駆動部38は、制御部40により出力されるモータ37の制御量をモータ37を駆動するための電気信号に変換する。
【0038】
制御部40は、センサ群から検知された信号を処理し、挿排機構30、退避機構35、後述するストッパ44などを制御する。詳しい制御方法については、〈作用〉の欄で述べる。また、制御部40は、ディスク駆動機構12や光ピックアップ機構13などの制御を行う。なお、ディスク駆動機構12や光ピックアップ機構13の制御については、従来法と同様であるため、詳しい説明は行わない。また、これらの制御は、制御部40とは別に設けられたコントローラにより行われてもよい。
【0039】
挿入検知センサ41は、発光素子と受光素子とから構成されており、ディスク22が挿入され、発光素子から発光された光がディスク22に反射すると、反射光を受光素子により受光し、ディスク22の挿入を検知する。装着検知センサ42,退避検知センサ43は、ディスク22の位置を検出するセンサや、昇降装置36の保持部の位置を機械的に接点が閉じることなどにより検知するセンサなどで構成され、それぞれディスクが装着位置に有るか否か、ディスクが退避位置に有るか否かを検知する。なお、装着検知センサ42は、ディスク22がターンテーブル25に装着されたことを機械的に接点が閉じることなどにより検知するものであってもよい。
【0040】
なお、センサ群は、ここで述べたものに限定されず、同様の機能を果たすものであれば、どのような構成を有していてもよい。
ストッパ44は、挿入検知センサ41よりも装着位置側、すなわち、ディスクドライブ10の奥側に設けられており、新たに挿入されるディスク22により既に装着されているディスク22の退避位置への移動が妨げられないように、ディスク22が退避位置に移動するまでの間、新たなディスク22の挿入を防止する機構である。
【0041】
〈作用〉
以下、ディスクドライブ10の動作について、説明を加える。
ディスクドライブ10は、(1)新たなディスクが挿入されると、装着済みのディスクを退避位置に移動させる〈以下、「退避処理」という〉を有する点に主な特徴を有している。さらに、ディスクドライブ10は、(2)新たなディスクが装着位置に装着されると、退避位置のディスクを排出する〈以下、「入替処理」という〉、または(3)新たなディスクが装着位置に装着され、処理が終了すると、装着位置のディスクを排出する〈以下、「割込処理」という〉を実現する点に特徴を有している。
【0042】
以下、(1)〜(3)の各機能について説明を加える。さらに、(4)上記各機能におけるストッパ44の動作について説明を加える。
(1)退避処理について
図2および図3を用いて、退避処理について説明を行う。図2は、ディスクドライブ10の断面図であり、退避処理が実行される場合のディスクドライブ10の各部および各ディスクの動きを説明する図である。図3は、退避処理について説明するフローチャートであり、制御部40により実行されるプログラムのフローチャートでもある。以下、説明は、主に図2に基づいて行い、必要に応じて、図3の各ステップを参照する。
【0043】
図2(a)は、既に装着位置にディスク22aが装着されており、新たなディスク22bが挿入されようとしている状態(初期状態)を示している。以下、ディスク22aを第1ディスク、ディスク22bを第2ディスクと呼ぶ。
この初期状態に至る前の状態では、通常のディスクドライブと同様にして第1ディスク22aが装着位置に装着される。すなわち、第1ディスク22aがスロット21に挿入されると、挿入検知センサ41によりディスクの挿入が検知される(ステップS51)。この時、第1ディスク22aは、ストッパ44により、挿入が制限されている。挿入検知センサ41がディスクの挿入を検知すると、制御部40は、装着検知センサ42からの信号により、装着中のディスクが有るか否かを判断する(ステップS52)。装着中のディスクが無いと判断されると、制御部40は、ストッパ44を解除する(開放状態にする)(ステップS56)とともに、挿排機構30を駆動させ(ステップS57)、第1ディスク22aを装着位置まで移動する。第1ディスク22aが装着位置に達すると、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知される(ステップS58)。さらに、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知されると、制御部40は、挿排機構30の駆動を停止し(ステップS59)、ストッパ44を閉鎖状態に戻す。
【0044】
この状態で、図2(a)のように第2ディスク22bを挿入しようとする。第2ディスク22bがスロット21に挿入されると、挿入検知センサ41がディスクの挿入を検知する(ステップS51)。この時、第2ディスク22bは、ストッパ44により、挿入が制限されている。挿入検知センサ41がディスクの挿入を検知すると、制御部40は、装着検知センサ42からの信号により、装着中のディスクが有るか否かを判断する(ステップS52)。装着中のディスクが有ると判断されると、制御部40は、退避機構35を駆動し、図2(b)のように第1ディスク22aを退避位置へと移動させる(ステップS53)。制御部40は、退避検知センサ43からの信号により、第1ディスク22aの退避が完了したことを検知すると(ステップS54)、退避機構35の駆動を停止する(ステップS55)。さらに、制御部40は、ストッパ44を開放状態にする(ステップS56)とともに、挿排機構30を駆動させ(ステップS57)第2ディスク22bを装着位置まで移動する。第2ディスク22bが装着位置に達すると、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知される(ステップS58)。さらに、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知されると、制御部40は、挿排機構30の駆動を停止する(ステップS59)。
【0045】
ここで、機構的な面から補足的に説明を加える。
まず、第1ディスク22aが装着される場合、挿排機構30が駆動されると、第1ディスク22aは、ディスクドライブ10の内部に引き込まれる。第1ディスク22aは、ターンテーブル25まで移動した後、ディスクの中心孔をターンテーブル25の凸部26(図1参照)に嵌合させて、装着状態となる。装着時には、第1ディスク22aがターンテーブル25に落としこまれる構造であってもよいし、ターンテーブル25側が上昇し、ディスクを装着する構造であってもよい。
【0046】
また、第1ディスク22aが退避する場合、退避機構35は、装着状態の第1ディスク22aの外周縁を昇降装置36の保持部により保持して上昇させる。なお、以上の動作は第2ディスク22bの場合でも同様である。
(2)入替処理について
図4および図5を用いて、入替処理について説明を行う。図4は、ディスクドライブ10の断面図であり、入替処理が実行される場合のディスクドライブ10の各部および各ディスクの動きを説明する図である。図5は、入替処理について説明するフローチャートであり、制御部40により実行されるプログラムのフローチャートでもある。以下、説明は、主に図4に基づいて行い、必要に応じて、図5の各ステップを参照する。
【0047】
入替処理は、退避処理に引き続いて行われる処理であり、後述する割込処理と択一的に選択される処理である。退避処理に引き続いて入替処理を行うか、割込処理を行うかは、操作部45(図1参照)により選択される。以下、入替処理が選択された場合の処理について説明を行う。
【0048】
図2(b)のように第2ディスク22bが装着位置に装着されると、制御部40は、挿排機構30を駆動させ(ステップS61)、図4に示すように、退避位置にある第1ディスク22aの排出を行う。ここで、挿排機構30は、ディスク挿入時とは反対方向に駆動され、ディスクの排出を行う。制御部40は、挿入検知センサ41からの信号により、第1ディスク22aの排出が完了したことを検知すると(ステップS62)、挿排機構30の駆動を停止する(ステップS63)。さらに、制御部40は、ストッパ44を閉鎖状態に戻す(ステップS64)。
【0049】
その後、制御部40は、装着位置に装着された第2ディスク22bを用いた処理、例えば、第2ディスク22bに対して情報の再生や記録を行う。
ここで、機構的な面から補足的に説明を加える。
まず、退避状態の第1ディスク22aは、挿排機構30の動作により、ディスクドライブ10の外部に排出される。この時、挿排ローラ31と退避状態にある第1ディスク22aとの相対位置は、それぞれが摩擦係合する位置まで接近する。これにより、挿排ローラ31が排出方向に回転されると、第1ディスク22aは、挿排ローラ31に沿って排出される。なお、挿排ローラ31と退避状態にある第1ディスク22aとの相対位置は、挿排ローラ31の動作により変更されてもよいし、退避機構35の動作により変更されてもよい。
【0050】
例えば、昇降装置36の保持部は、退避状態にある第1ディスク22aを保持しつつ、挿排ローラ31側に第1ディスク22aを近づけることができる構造を有していてもよい。また、挿排ローラ31が退避位置側に動作し、第1ディスク22a側に挿排ローラ31を近づけることができる構造を有していてもよい。
【0051】
(3)割込処理について
図6および図7を用いて、割込処理について説明を行う。図6は、ディスクドライブ10の断面図であり、割込処理が実行される場合のディスクドライブ10の各部および各ディスクの動きを説明する図である。図7は、割込処理について説明するフローチャートであり、制御部40により実行されるプログラムのフローチャートでもある。以下、説明は、主に図6に基づいて行い、必要に応じて、図7の各ステップを参照する。
【0052】
割込処理は、退避処理に引き続いて行われる処理であり、入替処理と択一的に選択される処理である。以下、操作部45(図1参照)により割込処理が選択された場合の処理について説明を行う。
図2(b)のように第2ディスク22bが装着位置に装着されると、制御部40は、第2ディスク22bを用いた処理、例えば、第2ディスク22bに対して情報の再生や記録を行う。第2ディスク22bを用いた処理が終了すると(ステップS71)、制御部40は、挿排機構30を駆動させ(ステップS72)、図6に示すように、装着位置にある第2ディスク22bの排出を行う。ここで、挿排機構30は、ディスク挿入時とは反対方向に駆動され、ディスクの排出を行う。制御部40は、挿入検知センサ41からの信号により、第2ディスク22bの排出が完了したことを検知すると(ステップS73)、挿排機構30の駆動を停止する(ステップS74)。さらに、制御部40は、ストッパ44を閉鎖状態に戻す(ステップS75)。さらに、制御部40は、退避機構35を駆動させ(ステップS76)、退避位置にある第1ディスク22aを装着位置まで移動する。第1ディスク22aが装着位置に達すると、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知される(ステップS77)。さらに、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知されると、制御部40は、退避機構35の駆動を停止する(ステップS78)。
【0053】
以上の割込処理の後、制御部40は、第1ディスク22aを用いた処理、例えば、第1ディスク22aに対する情報の再生や記録を再開する。
ここで、機構的な面から補足的に説明を加える。
まず、装着状態の第2ディスク22bは、挿排機構30の動作により、ディスクドライブ10の外部に排出される。この時、挿排ローラ31と装着状態にある第2ディスク22bとの相対位置は、それぞれが摩擦係合する位置まで接近する。これにより、挿排ローラ31が排出方向に回転されると、第2ディスク22bは、挿排ローラ31に沿って排出される。なお、挿排ローラ31と装着状態にある第2ディスク22bとの相対位置は、挿排ローラ31の動作により変更されてもよいし、ターンテーブル25側の動作により変更されてもよい。
【0054】
例えば、昇降装置36の保持部は、退避位置にある第1ディスク22aを保持する第1保持部と装着位置にある第2ディスク22bを保持する第2保持部を備え、第2保持部は、挿排ローラ31側に第2ディスク22bを近づけることができる構造を有していてもよい。また、挿排ローラ31が装着位置側に動作し、第2ディスク22b側に挿排ローラ31を近づけることができる構造を有していてもよい。
【0055】
(4)ストッパ44の動作について
ストッパ44は、初期状態として閉鎖状態にある。
ディスクドライブ10にディスクが装着されていない状態(装着検知センサ42で検知可能)で、第1ディスク22aが挿入されると(挿入検知センサ41で検知可能)、ストッパ44は、開放状態となる。さらに、第1ディスク22aが装着されると(装着検知センサ42で検知可能)、ストッパ44は、閉鎖状態となる。
【0056】
第1ディスク22aが装着されている状態(装着検知センサ42で検知可能)で、第2ディスク22bが挿入されると(挿入検知センサ41で検知可能)、第1ディスク22aが退避位置に移動するまで(退避検知センサ43で検知可能)、ストッパ44は、閉鎖状態を維持する。第1ディスク22aが退避位置に移動すると(退避検知センサ43で検知可能)、ストッパ44は、開放状態となる。
【0057】
さらに、第2ディスク22bが装着されると(装着検知センサ42で検知可能)、第1ディスク22aが排出(入替処理の場合)あるいは第2ディスク22bが排出(割込処理の場合)されるまで、ストッパ44は、開放状態を維持する。第1ディスク22aあるいは第2ディスク22bが排出されると(挿入検知センサ41で検知可能)、ストッパ44は、閉鎖状態となる。
【0058】
なお、割込処理の場合は、第2ディスク22bの装着後、第2ディスク22bが排出されるまでの間、ストッパ44は、閉鎖されていてもよい。
〈効果〉
(1)退避処理の効果
ディスクドライブ10では、退避処理を行うため、ディスクが既に装着されていてもユーザがそれを意識すること無くディスクを挿入することが可能となる。このため、ディスク装着までの手順の煩雑さを解消することが可能となる。さらに、付随的な効果として、ディスクが既に装着されている状態でディスクを挿入しても、既に装着されているディスクが退避するため、従来技術で問題となっているディスクの誤挿入によるディスクの損傷などの問題も回避することが可能となる。
【0059】
ディスクドライブ10では、退避位置は、装着位置に対して、軸方向に位置している。より具体的には、情報記録面と反対側に位置している。このため、ディスクの径方向に退避位置を確保するのに比して、よりディスクドライブ10の小型化を実現できる。
(2)入替処理の効果
ディスクドライブ10では、退避処理に引き続き、入替処理を行うことができる。このため、ユーザは、ディスクを入れ替える際に、既に装着されているディスクを取り出すという手順を必要とせず、よりスムーズにディスクの入替を行うことが可能となる。さらに、付随的には、ディスクの再生や記録に至るまでの時間を短縮することも可能となる。例えば、複数枚のディスクの内容を確認する場合、ディスクの出し入れを繰り返して行うことになるが、このような場合に本発明は、特に有効である。
【0060】
(3)割込処理の効果
ディスクドライブ10では、退避処理に引き続き、割込処理を行うことができる。このため、ユーザは、既に装着している第1ディスク22aを抜き取らずに、新たな第2ディスク22bの内容の確認をすることができる。さらに、第2ディスク22bの内容の確認後、再度第1ディスク22aを装着し、引き続き処理をすることが可能となる。この機能は、以下のような状況で特に有効である。すなわち、カーナビゲーションシステムを用いてDVDなどの映画ディスク(第1ディスク22a)を視聴しつつ、走行場所の地図情報を取得したい場合には、割込処理により地図情報ディスク(第2ディスク22b)を挿入する。カーナビゲーションシステムは、地図情報ディスクから走行場所周辺の地図情報を読み込み、メモリに記憶する。さらに、地図情報ディスクを用いた処理が終了後、地図情報ディスクは排出され、退避位置に移動していた映画ディスクが再度装着位置に移動され、映画の視聴が再開される。このような処理では、第1ディスク22aを抜き取ってしまう訳ではなく、ディスクドライブ10に格納された状態が維持される。このため、再度装着された時には、第1ディスク22aのID等を確認する必要が無く、スムーズに第1ディスク22aを用いた処理が再開できる。
【0061】
(4)ストッパの効果
ディスクドライブ10では、ストッパ44が設けられており、退避処理完了前にユーザがディスクを無理に挿入するということが防止できる。
〈変形例〉
(1)
上記実施形態では、スロット21は、ディスクの挿入口と排出口とを兼用するとしたが、本発明は、このような構造に限定されるものではない。すなわち、図8に示すように、ディスクドライブ10は、挿入専用のスロットISと排出専用のスロットOSとを備えるものであってよい。なお、挿入専用のスロットISと排出専用のスロットOSとの位置関係は、図8に示すものに限定されず、上下逆に配置されていてもよい。
【0062】
(2)
上記実施形態では、退避位置は、装着位置の軸方向に位置するとしたが、本発明は、このような構造に限定されるものではない。すなわち、図9に示すように、ディスクドライブ10は、装着位置の径方向に退避位置を有していてもよい。このような構造のディスクドライブ10では、図9に示すように、挿入用スロットS1と排出用スロットS2とを備える。スロットS1からディスクD1が挿入される場合、装着位置P1に装着されていたディスクD2は、退避位置P2へと移動される。ディスクD2の退避位置P2への移動後、ディスクD1は、装着位置P1へと装着される。これにより、ディスクD1を用いた処理が開始される。このようなディスクドライブ10では、軸方向に退避位置を設ける場合に比して、装置を薄型に構成することが可能となる。
【0063】
さらに、このような構造のディスクドライブ10では、退避位置P2に位置するディスクD2には、必要に応じてラベル印刷するなどの処理が行われる。その後、退避位置P2にあるディスクD2は、スロットS2から排出される。
なお、このようなディスクドライブ10においても、スロットS2を設けず、スロットS1のみを設けるものであってもよい。この場合、ディスクドライブ10は、退避処理と割込処理とのみを実現するものであってもよい。
【0064】
なお、挿入用スロットS1と排出用スロットS2との位置関係は、図9に示すものに限定されず、左右逆に配置されていてもよい。
(3)
ディスクの挿排用のスロットは、縦型のものであってもよい。例えば、図10に示すように、薄型テレビなどに設けられ、図面上下方向に開口する挿入用スロットIS2と、図面左右方向に開口する排出用スロットOS2とを有する構成や、図面左右方向に開口する挿入用スロットIS3と、図面左右方向に開口する排出用スロットOS3とを有する構成などが考えられる。この場合、図面左右方向に開口する挿入用スロットIS3は、挿入方向に向けて下り傾斜になるように構成され、図面左右方向に開口する排出用スロットOS2,OS3は、排出方向に向けて下り傾斜になるように構成されている。このため、ディスクの自重でディスクの挿排出が可能となる。
【0065】
なお、図2、図4、図6、図8に示したディスクドライブ10の使用方向は、図示したものに限定されるものではなく、スロット21の長手方向を縦方向に配置して使用することが可能である。この場合、昇降装置36は、スロットの短手方向にディスクを移動させるスライド機構として動作する。
【0066】
(4)
上記実施形態では、ストッパ44を制御部40から制御し、無理なディスクの挿入を防ぐ構成とした。ここで、ストッパ44は、挿排機構30と機械的に連結し、挿排機構30の動作に連動して開閉するものであってもよい。この場合、図3、図5、図7で示したフローチャート中のストッパ44に対する処理は必要なく、ストッパ44は、挿排機構30の駆動に合わせて動作する。より具体的には、挿排機構30が駆動する場合には、開放状態となり、挿排機構30が停止する場合には、閉鎖状態となる。
【0067】
また、ストッパ44を設けず、装着検知センサ42からの信号により、前面パネル20などに装着状態を示す表示を行ってもよい。
(5)
上記実施形態では、入替処理と割込処理とが択一的に選択されると記載したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、退避位置に複数のディスクを退避させることが可能な場合には、退避処理後に再度退避処理の待ち状態となってもよい。この場合、図3のステップS59において、挿排機構30が停止した後、ストッパ44が閉鎖され、再度ステップS51の待ち状態に戻る。
【0068】
この場合、退避位置には、装着位置に装着されていたディスクが順次移動することとなり、ディスクが装着状態に有るか否かを確認することなく、順次ディスクの挿入を行うことが可能となる。
また、退避位置では、退避したディスクはストッカなどに順次格納されるものであってもよく、この場合、退避した複数のディスクを一括して取り出すことが可能である。
【0069】
(6)
上記実施形態では、入替処理と割込処理とが択一的に選択されると記載したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、退避処理のみを行う装置、退避処理と入替処理とのみを行う装置、退避処理と割込処理とのみを行う装置など、それぞれの機能を専門的に行う装置であってもよい。
【0070】
(7)
上記実施形態では、入替処理では、装着位置に装着されていたディスクを退避位置へ退避させると記載したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、新しく挿入されたディスクが退避位置へと移動され、装着位置に装着されていたディスクがその後排出されるものであってもよい。装置の構造としては、上記実施形態で用いられた構造と同様の構造を採用することが可能であるが、ストッパ44は無くてもよい。
【0071】
以下その処理について、図11と図12とを参照して説明を行う。
図11(a)は、既に装着位置にディスク22aが装着されており、新たなディスク22bが挿入されようとしている状態(初期状態)を示している。以下、ディスク22aを第1ディスク、ディスク22bを第2ディスクと呼ぶ。
【0072】
この状態で、図11(a)のように第2ディスク22bを挿入する。第2ディスク22bがスロット21に挿入されると、挿入検知センサ41がディスクの挿入を検知する(ステップS81)。挿入検知センサ41がディスクの挿入を検知すると、制御部40は、挿排機構30を駆動させ(ステップS82)、図11(b)のように、第2ディスク22bを退避位置まで移動する。制御部40は、退避検知センサ43からの信号により、第2ディスク22bの退避が完了したことを検知すると(ステップS83)、挿排機構30の駆動を停止する(ステップS84)。
【0073】
退避検知センサ43が第2ディスク22bの退避を検知すると、制御部40は、装着検知センサ42からの信号により、装着中のディスクが有るか否かを判断する(ステップS85)。装着中のディスクが無いと判断されると、制御部40は、退避機構35を駆動させ(ステップS89)、退避位置にある第2ディスク22bを装着位置まで移動する。第2ディスク22bが装着位置に達すると、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知される(ステップS90)。さらに、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知されると、制御部40は、退避機構35の駆動を停止する(ステップS91)。
【0074】
一方、図11(b)に示すように、第1ディスク22aが装着されている場合、制御部40は、装着検知センサ42からの信号により、装着中のディスクが有ると判断する。この場合、制御部40は、挿排機構30を駆動させ(ステップS86)、図11(b)のように、装着位置にある第1ディスク22aの排出を行う。ここで、挿排機構30は、ディスク挿入時とは反対方向に駆動され、ディスクの排出を行う。制御部40は、挿入検知センサ41からの信号により、第1ディスク22aの排出が完了したことを検知すると(ステップS87)、挿排機構30の駆動を停止する(ステップS88)。
【0075】
さらに、制御部40は、退避機構35を駆動させ(ステップS89)、退避位置にある第2ディスク22bを装着位置まで移動する。第2ディスク22bが装着位置に達すると、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知される(ステップS90)。さらに、装着検知センサ42によりディスクの装着が検知されると、制御部40は、退避機構35の駆動を停止する(ステップS91)。
【0076】
以上により、ディスクの入替が完了する。
なお、この機能を実現する装置の構造は、図に示したものに限定されず、挿入検知センサ41などは無くてもよい。
また、上記実施形態と同様、ストッパ44を有する構造であってもよい。この場合、図12のステップS81の後に、ストッパ44を開放する処理が行われ、ステップS89の前に、ストッパ44を閉鎖する処理が行われてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0077】
本発明にかかるローディング装置、ディスクドライブおよびローディング方法は、ディスク装着手順の煩雑さを解消することが求められる分野において、ローディング装置、ディスクドライブなどとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】ディスクドライブの構成を示す構造説明図
【図2】退避処理について説明するためのディスクドライブの断面図
【図3】退避処理について説明するためのフローチャート
【図4】入替処理について説明するためのディスクドライブの断面図
【図5】入替処理について説明するためのフローチャート
【図6】割込処理について説明するためのディスクドライブの断面図
【図7】割込処理について説明するためのフローチャート
【図8】変形例としてのディスクドライブの構造について説明する説明図
【図9】変形例としてのディスクドライブの構造について説明する説明図
【図10】変形例としてのディスクドライブの構造について説明する説明図
【図11】変形例としてのディスクドライブの構造について説明する説明図
【図12】変形例としてのディスクドライブの動作について説明するフローチャート
【符号の説明】
【0079】
10 ディスクドライブ
11 ローディング装置
12 ディスク駆動機構
13 光ピックアップ機構
20 前面パネル
21 スロット
22 ディスク
22a 第1ディスク
22b 第2ディスク
25 ターンテーブル
26 凸部
30 挿排機構
31 挿排ローラ
32 モータ
33 駆動部
35 退避機構
36 昇降装置
37 モータ
38 駆動部
40 制御部
41 挿入検知センサ
42 装着検知センサ
43 退避検知センサ
44 ストッパ
45 操作部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスクをローディングするローディング装置であって、
挿排口に挿入されるディスクを装着位置まで移動させる挿排機構と、
前記装着位置に装着されているディスクを前記装着位置から退避位置へと移動させる退避機構と、
新たな第2のディスクが挿入されると、前記装着位置にある第1のディスクを前記退避位置へと移動するために前記退避機構を駆動させ、前記退避位置への移動が完了すると、前記第2のディスクを前記装着位置まで移動するために前記挿排機構を駆動させる制御部と、
を備えるローディング装置。
【請求項2】
前記退避位置は、前記装着位置に対して、装着されたディスクの回転軸方向に位置する、
請求項1に記載のローディング装置。
【請求項3】
前記退避位置は、前記装着位置に対して、装着されたディスクの半径方向に位置する、
請求項1に記載のローディング装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記第2のディスクの前記装着位置への移動が完了すると、前記退避位置にある前記第1のディスクを前記挿排口まで移動するために前記挿排機構を駆動させる、
請求項1〜3のいずれかに記載のローディング装置。
【請求項5】
前記制御部は、前記装着位置に移動された前記第2のディスクを用いた処理が完了すると、前記第2のディスクを前記挿排口まで移動するために前記挿排機構を駆動させ、前記退避位置にある前記第1のディスクを前記装着位置に移動するために前記退避機構を駆動させる、
請求項1〜3のいずれかに記載のローディング装置。
【請求項6】
前記退避位置には複数のディスクが退避可能であり、
前記制御部は、さらに新たな第3のディスクが挿入されると、前記第1のディスクを前記退避位置に退避した状態で、前記装着位置にある前記第2のディスクを前記退避位置へと移動するために前記退避機構を駆動させ、前記退避位置への移動が完了すると、前記第3のディスクを前記装着位置まで移動するために前記挿排機構を駆動させる、
請求項1〜3のいずれかに記載のローディング装置。
【請求項7】
前記挿排口周辺に設けられディスクの挿入を検知する挿入検知センサと、
ディスクが退避位置に移動したことを検知する退避検知センサと、
をさらに備える、
請求項1〜6のいずれかに記載のローディング装置。
【請求項8】
前記挿入検知センサの前記装着位置側に設けられ、前記装着位置にあるディスクが前記退避位置に移動する前に新たなディスクが挿入されることを防止する挿入防止機構、
をさらに備える、
請求項7に記載のローディング装置。
【請求項9】
ディスクをローディングするローディング装置であって、
挿排口に挿入されるディスクを退避位置まで移動させるとともに、装着位置に装着されているディスクを前記装着位置から前記挿排口へと移動させる挿排機構と、
前記退避位置にあるディスクを前記退避位置から前記装着位置へと移動させる装着機構と、
新たな第2のディスクが挿入されると、前記第2のディスクを前記退避位置へと移動させるために前記挿排機構を駆動させ、前記退避位置への移動が完了すると、前記装着位置にある第1のディスクを前記挿排口まで移動するために前記挿排機構を駆動させ、前記退避位置にある前記第2のディスクを前記装着位置へと移動させるために前記装着機構を駆動させる制御部と、
を備えるローディング装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれかに記載のローディング装置と、
装着位置にあるディスクを回転駆動するディスク駆動機構と、
駆動されたディスクについて情報の再生または記録を行う光ピックアップ機構と、
を備えるディスクドライブ。
【請求項11】
ディスクをローディングするローディング方法であって、
第2のディスクが挿排口に挿入されると、装着位置にある第1のディスクを退避位置へと移動する退避ステップと、
前記退避ステップが完了すると、前記第2のディスクを前記装着位置まで移動する装着ステップと、
を備えるローディング方法。
【請求項12】
前記装着ステップが完了すると、前記退避位置にある前記第1のディスクを前記挿排口まで移動する排出ステップ、
をさらに備える、
請求項11に記載のローディング方法。
【請求項13】
前記装着位置に移動された前記第2のディスクを用いた処理が完了すると、前記第2のディスクを前記挿排口まで移動する排出ステップと、
前記退避位置にある前記第1のディスクを前記装着位置まで移動する再装着ステップと、
をさらに備える、
請求項11に記載のローディング方法。
【請求項14】
前記退避位置には複数のディスクが退避可能であり、
さらに新たな第3のディスクが挿排口に挿入されると、前記第1のディスクを前記退避位置に退避した状態で、前記装着位置にある前記第2のディスクを前記退避位置へと移動する第2の退避ステップと、
前記第2の退避ステップが完了すると、前記第3のディスクを前記装着位置まで移動する第2の装着ステップと、
をさらに備える、
請求項11に記載のローディング方法。
【請求項15】
ディスクをローディングするローディング方法であって、
第2のディスクが挿排口に挿入されると、前記第2のディスクを退避位置へと移動する挿入ステップと、
前記装着位置にある第1のディスクを前記挿排口まで移動する排出ステップと、
前記退避位置にある前記第2のディスクを前記装着位置へと移動する装着ステップと、
を備えるローディング方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−71373(P2008−71373A)
【公開日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−379335(P2004−379335)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】