説明

ロードロック室の大気開放方法、ロードロック装置及び半導体製造装置

【課題】ロードロック室内部に異物を巻上げずに短時間で大気開放を行うことができるロードロック室の大気開放方法、ロードロック装置及び半導体製造装置を提供する。
【解決手段】半導体基板24を真空雰囲気下で格納するロードロック室20に気体を供給して大気開放を行うロードロック室20の大気開放方法において、複数の貫通孔51が設けられ、ロードロック室20の上方に配設されたシャワー供給手段50を用いて、ロードロック室20の上方から前記気体をシャワー状に供給し、ロードロック室20を排気する排気管40の排気量を、排気管40に取付けられたバルブ60を用いて徐々に低減し、0にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロードロック室の大気開放方法、ロードロック装置及び半導体製造装置に係り、特に半導体基板を真空雰囲気下で格納するロードロック室に気体を供給して大気開放を行うロードロック室の大気開放方法、ロードロック装置及び半導体製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造装置は、一般的に、半導体基板を減圧下又は真空で処理する複数の処理室を有している。半導体基板は、予め決められた製造工程に従い、それらの複数の処理室に連続して導入され、所定の処理が行われる。
【0003】
また、処理室は、製造工程に従った所定の処理の開始前及び終了後において、通常、真空に保持される。従って、半導体基板を処理室に搬入又は搬出する場合、真空と大気圧との間で圧力を推移させるロードロック室が必要となる。
【0004】
ここで、ロードロック室を用いた半導体基板の処理室への一般的な搬送工程は以下のようになる。
【0005】
半導体基板が大気から導入されたロードロック室が排気され真空になる。続いて、ロードロック室に隣接する移動モジュールに設置されたロボットアームによって、半導体基板は、ロードロック室から移動モジュールを経由し処理室へ搬送される。その後、プロセスチャンバ内において、半導体基板に対して処理操作(例えば、エッチング、酸化、化学気相蒸着等)が実施される。
【0006】
処理後の半導体基板は、処理室への搬送時と同様に、ロボットアームによって処理室から移動モジュールを経由しロードロック室へ戻される。ロードロック室は、前述したロードロック室から処理室への基板搬送以降、ずっと真空に保持されている。半導体基板がロードロック室に戻った後、窒素(N)等のパージガスを供給し、ロードロック室の圧力を大気圧に戻す(以下大気開放)。ロードロック室の圧力が大気圧に達した後、処理済みの半導体基板を基板カセットに移し、次の処理工程に供える。
【0007】
以上の工程で用いられるロードロック室は、真空から大気開放を行うため、ロードロック室に窒素等のパージガスを供給するノズルを有している。このノズルは、従来、ロードロック室の一辺に有った。図14に、従来のノズルが、ロードロック室の上方の一辺に有る例を示す。ロードロック室180は、基板ホルダ181、インナーゲート182、アウターゲート183、供給管184、排気管185、ノズル186、排気バルブ187を備えており、基板ホルダ181に半導体基板188を載置している。
【0008】
このようなノズル186を具備したロードロック室180において大気開放を行う際、供給管184を通して供給したパージガスをノズル186から放出すると、ロードロック室180にノズル186の周辺に偏ったガスの流れが生じ、ロードロック室180の内壁の一部だけにパージガスが強く当たることになり、異物を巻上げる可能性があった。
【0009】
一方、一般的に真空容器全体に均一にガスを導入する方法として、通常のノズルではなく、シャワーノズルを用いる方法がある。
【0010】
具体的には、特許文献1には、ドライ現像装置において、現像処理用ガスを供給するノズルの直下に、現像処理用ガスを分散して導入するための拡散板を配置し、現像処理用ガスをシャワー状に供給する例が開示されている。
【0011】
また、特許文献2には、ロードロック室を真空排気する際に、被処理物である基板上の空間に浮遊する水蒸気が、同じく基板上の空間に浮遊する異物を核として凝縮し、落下することを防ぐため、基板より上方に拡散器を準備し、窒素等の不活性ガスを拡散器を通じてシャワー状に供給し、基板の周辺から水蒸気等の不純物ガスを追出す例が開示されている。
【特許文献1】特開平10−55073号公報
【特許文献2】特表2005−527099号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、上記のような拡散板又は拡散器を用いる場合でも、異物の巻上げを防ぎながら短時間でロードロック装置の大気開放を行うためには、以下のような問題があった。
【0013】
特許文献1に開示される方法によると、パージガスを均一に供給することは可能であるが、短時間で大気開放を行うために大量のパージガスを供給する場合に、供給開始時にロードロック室底面に気流が強く当たり、異物の巻上げを防止することができないという問題があった。
【0014】
また、特許文献2に開示される方法は、パージガスは被処理物の周辺から水蒸気等の不純物ガスを追出すことはできるものの、短時間で大気開放を行うために大量のパージガスを供給する場合に、供給開始時にロードロック室底面に気流が強く当たり、異物の巻上げを防止することができないという問題があった。
【0015】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、ロードロック室にパージガスを導入して大気開放する場合に、ロードロック室内部に異物を巻上げずに短時間で大気開放を行うことができるロードロック室の大気開放方法、ロードロック装置及び半導体製造装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
【0017】
第1の発明に係るロードロック室(20)の大気開放方法は、
半導体基板(24)を真空雰囲気下で格納するロードロック室(20)に気体を供給して大気開放を行うロードロック室(20)の大気開放方法において、
前記ロードロック室(20)の上方に配設され、複数の貫通孔(51)が設けられたシャワー供給手段(50)を用いて、前記ロードロック室(20)の上方から前記気体をシャワー状に供給し、
前記ロードロック室(20)を排気する排気量を徐々に低減し、0にすることを特徴とする。
【0018】
前記シャワー供給手段(50)は、気体をロードロック室(20)に上方からシャワー状に供給するための複数の貫通孔(51)を有する部材と定義し、シャワーノズル、シャワーヘッドを含む。
【0019】
第2の発明は、第1の発明に係るロードロック室(20)の大気開放方法において、前記ロードロック室(20)を排気する排気量を0にした後、前記ロードロック室(20)に供給する気体を大気に切替えることを特徴とする。
【0020】
第3の発明は、第1又は第2の発明に係るロードロック室(20)の大気開放方法において、前記ロードロック室(20)の下方に配設され、複数の貫通孔(71)が設けられた排気床部材(70)を介して排気を行うことを特徴とする。
【0021】
前記排気床部材(70)とは、排気の気流を調整するためにロードロック室(20)の床に近接して配設された複数の貫通孔(71)を有する部材と定義する。
【0022】
第4の発明に係るロードロック装置(10)は、
ロードロック室(20)と、
前記ロードロック室(20)と連通され、前記ロードロック室(20)に気体を供給する供給管(30)と、
前記ロードロック室(20)と連通され、前記ロードロック室(20)を排気する排気管(40)と、
前記ロードロック室(20)の上方の前記供給管(30)側に配設され、前記気体をシャワー状に供給する複数の貫通孔(51)が設けられたシャワー供給手段(50)と、
前記気体を前記ロードロック室(20)に供給しながら前記ロードロック室(20)の排気を徐々に低減するための前記排気管(40)に取付けられたバルブ(60)と、を有することを特徴とする。
【0023】
第5の発明は、第4の発明に係るロードロック装置(10)において、前記シャワー供給手段(50)は、前記ロードロック室(20)の内部空間の一部を区画するように設けられた多孔板(50)であることを特徴とする。
【0024】
第6の発明は、第4の発明に係るロードロック装置(10)において、前記シャワー供給手段(50)は、先端が閉じられた配管(53)であり、前記配管(53)に複数の貫通孔(51)が設けられることを特徴とする。
【0025】
第7の発明は、第4〜6の発明の何れか一つに係るロードロック装置(10)において、前記ロードロック室(20)は、
上方が前記供給管(30)と連通され、
下方が前記排気管(40)と連通され、
上方から下方に向かうに従い径が漸減する形状部分を有することを特徴とする。
【0026】
第8の発明は、第4〜7の発明の何れか一つに係るロードロック装置(10)において、前記供給管(30)は、前記ロードロック室(20)へ供給する気体を大気と切替える切替手段(31)が設けられることを特徴とする。
【0027】
第9の発明は、第4〜8の発明の何れか一つに係るロードロック装置(10)において、前記ロードロック室(20)は、前記ロードロック室(20)の下方の前記排気管(40)側に配設され、複数の貫通孔(71)が設けられた排気床部材(70)を有することを特徴とする。
【0028】
第10の発明に係る半導体製造装置(100)は、
半導体基板の処理を行う処理室(150)と、
前記処理室(150)に隣接して設けられた第4〜9の発明の何れか一つに係るロードロック装置(130)と、
前記ロードロック装置(130)の前記ロードロック室(140)内に設けられ、前記処理室(150)に対して前記半導体基板を搬入又は搬出する搬送機構(170)と、を有することを特徴とする。
【0029】
なお、上記の括弧内の参照符号は、理解を容易にするために付したものであり、一例に過ぎず、図示の態様に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、ロードロック室内部に異物を巻上げることなく、短時間でロードロック室の大気開放工程を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
次に、本発明を実施するための最良の形態について図面と共に説明する。
【0032】
〔第1の実施例〕
図1乃至図3を参照し、本発明の第1の実施例に係るロードロック装置を説明する。
【0033】
図1は、本実施例に係るロードロック装置の構成を模式的に示す断面図である。
【0034】
図1に示すように、ロードロック装置10は、ロードロック室20と、供給管30と、排気管40と、多孔板(シャワー供給手段)50と、排気バルブ60と、を有する。
【0035】
ロードロック室20は、基板ホルダ21、インナーゲート22、アウターゲート23を有する。基板ホルダ21は、ロードロック室20の中心に配置され、半導体基板24を保持する。インナーゲート22、アウターゲート23は、ロードロック室20側面に配設される。インナーゲート22は、隣接する処理室又は大気からロードロック室20に半導体基板24を搬入する際の搬入口である。また、アウターゲート23は、ロードロック室20から隣接する処理室又は大気へ半導体基板24を搬出する際の搬出口である。
【0036】
供給管30は、ロードロック室20の天井面25において、ロードロック室20と連通される。供給管30は、ロードロック室20にパージガスを供給するためのものであり、内部にガスを供給する管状構造を有する。パージガスであるが、例えば、窒素(N)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスが用いられる。
【0037】
排気管40は、ロードロック室20の底面26において、ロードロック室20と連通される。排気管40は、ロードロック室20を排気するためのものであり、内部にガスを排気する管状構造を有する。
【0038】
多孔板50は、ロードロック室20の天井面25に平行で、且つロードロック室20の天井面25の全面を覆うように配設される。多孔板50は、ロードロック室20を大気開放するためのパージガスをロードロック室20の上方からシャワー状に供給するための部材である。図2は、図1に示すロードロック装置10において、多孔板50を、図1に示すAの方向から見た平面図である。多孔板50は、ロードロック室20の天井面25の全面を覆う部材であるため、ロードロック室20の天井面25の形状と同一であり、本実施例では、矩形形状を有する。多孔板50には、貫通孔51が複数形成される。貫通孔51は、多孔板50をロードロック室20の上方から下方に貫通する微細な孔であり、多孔板50の全面に亘って等間隔で均等に形成される。貫通孔51は、パージガスを供給する通路である。
【0039】
多孔板50と、ロードロック室20の天井面25と、ロードロック室20の側面27は、矩形状の空間52を形成する。空間52は、パージガスを均一に分散させる領域である。
【0040】
多孔板50は、半導体基板24を格納するロードロック室20の上方からパージガスを供給する。従って、多孔板50は、半導体基板24の上方に配設される。多孔板50から半導体基板24までの距離Dは任意に設定が可能であるが、例えばD=5〜30mm程度に設定することができる。
【0041】
排気バルブ60は、メインバルブ61と、圧力制御バルブ62と、を有する。メインバルブ61、圧力制御バルブ62は、ともに排気管40に取り付けられる。メインバルブ61、圧力制御バルブ62は、ロードロック室20に近い方から、圧力制御バルブ62、メインバルブ61の順に、排気管40に直列になるように取付けられる。メインバルブ61は、バルブの開度を全開又は全閉の2つの状態で制御するバルブである。圧力制御バルブ62は、バルブの開度を開状態から閉状態まで多段階又は連続的に制御するバルブである。本実施例では、圧力制御バルブ62の開度は連続的に制御が可能である。
【0042】
次に、ロードロック室20の大気開放の作用について説明する。
【0043】
供給管30からパージガスが供給されると、パージガスは供給管30を通じて、多孔板50、ロードロック室20の天井面25及び側面27で構成される空間52に供給される。空間52においてパージガスは均一に分散され、多孔板50に形成された複数の貫通孔51を通してロードロック室20の上方から下方に向かって供給される。貫通孔51が多孔板50にほぼ等間隔に配置されるため、ロードロック室20の一部の領域においてパージガスの流れが強くなることはない。
【0044】
ここで、メインバルブ61、圧力制御バルブ62を有する排気バルブ60を閉じた状態でパージガスを供給開始する場合、多孔板50から供給されるパージガスの流量は多孔板50全面に亘り均一にはなるものの、パージガスの供給開始時に乱流を伴った不安定な気流が発生し、ロードロック室20の底面26に堆積した異物の巻上げが発生する。
【0045】
一方、メインバルブ61、圧力制御バルブ62を有する排気バルブ60を開いた状態でパージガスを供給開始する場合、多孔板50から供給されるパージガスはロードロック室20から排気管40へ排気されるため、パージガスの供給開始から層流を伴った安定な気流が確保され、ロードロック室20の底面26に堆積した異物の巻上げは発生しない。安定な気流が確保された後に、圧力制御バルブ62を徐々に閉じ、その後、予め設定した圧力に達したときにメインバルブ61を閉じることにより、異物を巻上げずに大気開放される。
【0046】
以上のように、多孔板50からのパージガス供給と排気バルブ60による排気量調整を組合せることにより、異物を巻上げない大気開放が可能になる。
【0047】
次に、図3を参照して、本実施例に係るロードロック装置10における、ロードロック室20の大気開放方法の手順について説明する。
【0048】
図3は、ロードロック室20に搬送した半導体基板24を大気開放する方法の手順を説明するための図である。
【0049】
始めに、インナーゲート22を開き、半導体基板24をロードロック室20に搬入し、インナーゲート22を閉じる(ステップ11)。この際、排気管40のメインバルブ61、圧力制御バルブ62は開かれた状態であり、ロードロック室20は真空に保持されている。
【0050】
次に、多孔板50を用いてロードロック室20の上方からパージガスをシャワー状に供給する(ステップ12)。この際、ロードロック室20の底面26にてロードロック室20に連通される排気管40のメインバルブ61、圧力制御バルブ62は開かれた状態にあるため、ロードロック室20を排気しながらパージガスを供給することになる。ロードロック室20が排気されているため、パージガスはロードロック室20の上方から下方に向かって安定した層流を発生する。
【0051】
次に、ロードロック室20を排気する排気量を徐々に低減し、0にする(ステップ13)。パージガスを供給した状態で、排気管40に取付けられたメインバルブ61、圧力制御バルブ62のうち、まず、圧力制御バルブ62を徐々に閉める。予め設定した圧力に達するまで圧力制御バルブ62を閉めた後、メインバルブ61を閉める。ロードロック室20の圧力は、圧力制御バルブ62を徐々に閉める際に徐々に増加し、メインバルブ61を閉める際に急激に増加するが、メインバルブ61を閉める設定圧力の調整により、ロードロック室20の圧力を急激に変動させないことが可能である。
【0052】
最後に、アウターゲート23を開き、半導体基板24をロードロック室20から搬出し、アウターゲート23を閉じる(ステップ14)。
【0053】
以上、本実施例に係るロードロック装置10によれば、ロードロック室20を排気しながら多孔板50を用いてロードロック室20の上方からパージガスをシャワー状に供給し、その後、ロードロック室20を排気する排気量を徐々に低減し、0にし、大気開放する方法を行うことができるため、ロードロック室20の圧力を急激に変動させずにパージガスを高速に供給することができ、ロードロック室20を短時間で異物の巻上げなしに大気開放することができる。
【0054】
なお、本実施例においては、多孔板50の周囲を囲繞し、ロードロック室20の天井面25と当接する側板を設け、ロードロック室の側面27の代わりに側板を用いて、多孔板50と、ロードロック室20の天井面25とで、矩形状の空間52を形成するように構成することも可能である。
【0055】
〔第1の実施例の第1の変形例〕
次に、図4及び図5を参照し、第1の実施例の第1の変形例について説明する。
【0056】
図4は、本変形例に係るロードロック装置10aの構成を模式的に示す断面図である。ただし、以下の文中では、先に説明した部分には同一の符号を付し、説明を省略する場合がある(以下の変形例及び実施例についても同様)。
【0057】
本変形例に係るロードロック装置10aは、シャワー供給手段が配管53で構成される点で、第1の実施例に係るロードロック装置10と相違する。
【0058】
図4を参照するに、第1の実施例において、シャワー供給手段が多孔板50をもって構成されるのと相違し、本変形例に係るロードロック装置10aは、シャワー供給手段が、先端の閉じられた配管53をもって構成され、配管53に複数の貫通孔51が設けられることが特徴である。
【0059】
なお、以下の説明では、特に説明しない部分は第1の実施例に示したロードロック装置10と同様の構造を有するものとする。
【0060】
図5は、図4に示すロードロック装置10aにおいて、シャワー供給手段を構成する配管53を、図4に示すAの方向から見た平面図である。配管53は、幹管54と、枝管55をもって構成される。配管53は幹管54としてロードロック室20に導入された後、途中で複数の枝管55に分枝する。各々の枝管55は、先端が閉じられている。複数の枝管55は平行に配列しており、櫛葉形状を有する。
【0061】
枝管55には、第1の実施例に係るロードロック装置10と同様に、貫通孔51が複数形成される。貫通孔51は、配管53の内側からロードロック室20下方に向けて貫通する微細な孔であり、ほぼ等間隔に配置される。貫通孔51は、パージガスを供給するためのものである。
【0062】
本変形例においては、配管53は、ロードロック室20に導入された後、二本に分岐し、対称性をもって配置された二組の櫛歯形状の配管53の組合せをもって構成される。この配置方法によれば、一方の配管53の根元付近の貫通孔51は、他方の配管53の末端付近の貫通孔51と近接するため、パージガスの供給量の分布を第1の実施例と比較して更に均一にすることが可能である。
【0063】
以上、本変形例に係るロードロック装置10aによれば、シャワー供給手段が、複数の貫通孔51が設けられ、先端の閉じられた配管53をもって構成されるため、各貫通孔51からのパージガスの供給量の分布をより均一にすることができ、より短時間で異物の巻上げのない大気開放を行うことが可能になる。
【0064】
なお、本変形例では、二組の櫛歯形状の配管53をもってシャワー供給手段が構成されるが、各貫通孔51からのパージガスの供給量の分布を均一化することができるのであれば、任意の形状に配管を配置することが可能である。
【0065】
〔第1の実施例の第2の変形例〕
図6は、第1の実施例の第2の変形例に係るロードロック装置10bの構成を模式的に示す断面図である。
【0066】
本変形例に係るロードロック装置10bは、ロードロック室20の一部がすり鉢状になる点で、第1の実施例に係るロードロック装置10と相違する。
【0067】
図6を参照するに、第1の実施例において、ロードロック室20の断面形状が矩形であるのと相違し、本変形例に係るロードロック装置10bは、ロードロック室20の断面形状が、上方から下方に向けてすり鉢状となる形状部分を有することが特徴である。
【0068】
なお、以下の説明では、特に説明しない部分は第1の実施例に示したロードロック装置10と同様の構造を有するものとする。
【0069】
ロードロック室20は、第1の実施例に係るロードロック装置10におけるロードロック室20と同様に、ロードロック室20の上方において、供給管30と連通され、ロードロック室20の下方において、排気管40と連通される。
【0070】
ロードロック室20の底面26は、第1の実施例においては天井面25と平行であるが、本変形例においては、ロードロック室20の側面27の下端28からロードロック室20の排気管40との連通箇所29に向けて、一定の勾配をもって低くなるため、すり鉢状の形状を有している。
【0071】
ここで、メインバルブ61、圧力制御バルブ62を有する排気バルブ60が開かれ、多孔板50を通してパージガスがシャワー状に供給される場合、ロードロック室20の底面26がすり鉢状の形状を有しているため、基板ホルダ21を回り込んだパージガスがロードロック室20の底面26に垂直に吹付けられることがなく、ロードロック室20の底面26において乱流が発生しにくくなる。その結果、ロードロック室20の底面26での異物の巻上げが発生しにくくなる。
【0072】
以上、本変形例に係るロードロック装置10bによれば、ロードロック室20の断面形状が、上方から下方に向けてすり鉢状の形状部分を有することにより、ロードロック室20の底面26での異物の巻上げがより発生しにくくなる。
【0073】
なお、本変形例では、ロードロック室20の底面26に一定の勾配を設けてすり鉢状の形状としているが、基板ホルダ21を回り込んだパージガスがロードロック室20の底面26に垂直に吹付けられることを防ぐ形状であるならば、任意の形状とすることができる。
【0074】
〔第1の実施例の第3の変形例〕
図7は、第1の実施例の第3の変形例に係るロードロック装置10cの構成を模式的に示す断面図である。
【0075】
本変形例に係るロードロック装置10cは、ロードロック室20の一部が半球状になる点で、第1の実施例の第2の変形例に係るロードロック装置10bと相違する。
【0076】
図7を参照するに、第1の実施例の第2の変形例において、ロードロック室20の断面形状が、上方から下方に向けてすり鉢状となる形状部分を有するのと相違し、本変形例に係るロードロック装置10cは、ロードロック室20の断面形状が、上方から下方に向けて径が漸減する半球状となる形状部分を有することが特徴である。
【0077】
なお、以下の説明では、特に説明しない部分は第1の実施例の第2の変形例に示したロードロック装置10bと同様の構造を有するものとする。
【0078】
ロードロック室20の底面26は、第1の実施例の第2の変形例においては、すり鉢状の形状を有しているが、本変形例においては、ロードロック室20の側面27の下端28からロードロック20室の排気管40との連通箇所29に向けて、連続的に変化する勾配をもって低くなるため、半球状の形状部分を有している。
【0079】
ここで、多孔板50を通してパージガスがシャワー状に供給される場合、ロードロック室20の底面26が半球状の形状を有しているため、基板ホルダ21を回り込んだパージガスがロードロック室20の底面26にほぼ平行に近い浅い角度で吹付けられることにより、ロードロック室20の底面26においてより乱流が発生しにくくなる。その結果、ロードロック室20の底面26における異物の巻上げがより発生しにくくなる。
【0080】
以上、本変形例に係るロードロック装置10cによれば、ロードロック室20の断面形状が、上方から下方に向けて半球状の形状部分を有することにより、ロードロック室20の底面26での異物の巻上げがより発生しにくくなる。
【0081】
なお、本変形例では、ロードロック室20の底面26に連続的に変化する勾配を設けて半球状の形状としているが、基板ホルダ21を回り込んだパージガスがロードロック室20の底面26にほぼ平行に近い浅い角度で吹付けられる形状であるならば、任意の形状とすることができる。
【0082】
〔第1の実施例の第4の変形例〕
図8は、第1の実施例の第4の変形例に係るロードロック装置10dの構成を模式的に示す断面図である。
【0083】
本変形例に係るロードロック装置10dは、ロードロック室20の下方に多孔板(排気床部材)70を有する点で、第1の実施例に係るロードロック装置10と相違する。
【0084】
図8を参照するに、第1の実施例において、ロードロック室20の下方において、直接排気管40と連通しているのと相違し、本変形例に係るロードロック装置10dは、ロードロック室20の下方の排気管40側に、複数の貫通孔71が設けられた多孔板70を有することが特徴である。
【0085】
なお、以下の説明では、特に説明しない部分は第1の実施例に示したロードロック装置10と同様の構造を有するものとする。
【0086】
多孔板70は、ロードロック室20の下方、即ち、基板ホルダ21より下方にあり、ロードロック室20の底面26よりも上方に配設される。多孔板70は、ロードロック室20の底面26に平行で、且つロードロック室20の底面26の全面を覆う部材である。多孔板70には、貫通孔71が複数形成される。貫通孔71は、ロードロック室20を排気するための微細な孔であり、多孔板70の全面に亘りほぼ等間隔に形成される。
【0087】
ここで、シャワー供給手段である多孔板50を通してロードロック室20にパージガスがシャワー状に供給され、メインバルブ61、圧力制御バルブ62を有する排気バルブ60が開かれた排気管40から排気される場合、多孔板70に設けられた複数の貫通孔71の各々において、排気が行われる。
【0088】
即ち、複数の貫通孔71の各々において、上方から下方に向かう気流が発生する。従って、ロードロック室20の下方の一部の領域だけで気流が強くなることがなく、乱流が発生しにくくなる。従って、ロードロック室20の底面26における異物の巻上げがより発生しにくくなる。
【0089】
以上、本変形例に係るロードロック装置10bによれば、ロードロック室20の下方に多孔板70を有することにより、ロードロック室20の底面26での異物の巻上げの発生がより少ない大気開放を行うことが可能となる。
【0090】
なお、本変形例では、ロードロック室20の底面26の全面を覆うように多孔板70を設けているが、複数の貫通孔71が設けられ、排気管40への排気の気流をロードロック室20の底面26の全面に亘り均一にすることが可能であるならば、多孔板70の構造について任意の変形が可能である。
【0091】
〔第1の実施例の第5の変形例〕
次に、図9及び図10を参照し、第1の実施例の第5の変形例について説明する。
【0092】
図9は、第1の実施例の第5の変形例に係るロードロック装置10eの構成を模式的に示す断面図である。
【0093】
本変形例に係るロードロック装置10eは、供給管30から供給するパージガスを大気と切替えることができる点で、第1の実施例に係るロードロック装置10と相違する。
【0094】
図9を参照するに、第1の実施例において、供給管30からロードロック室20に供給できるガスはパージガスだけであるのと相違し、本変形例に係るロードロック装置10eは、供給管30にパージガスに代わりに大気を供給できることが特徴である。
【0095】
なお、以下の説明では、特に説明しない部分は第1の実施例に示したロードロック装置10と同様の構造を有するものとする。
【0096】
供給管30は、三方バルブ31を介して、大気開放管32に接続される。即ち、ロードロック室20と連通される手前において、三方バルブ31が設けられ、三方バルブ31を介して供給管30に合流するように、大気開放管32が接続される。大気開放管32は、ロードロック室20を大気と連通して大気開放するためのものである。三方バルブ31は、供給管30にパージガスを供給するか、大気開放管32に連通して大気を供給するかを切替えるためのものである。
【0097】
第1の実施例においては、多孔板50を通してパージガスがシャワー状に供給され、徐々に圧力制御バルブ62を閉め、予め設定した圧力に達したときにメインバルブ61を閉じる。本変形例においては、メインバルブ61を閉じた後、所定の圧力に達したときに、ロードロック室20を大気開放管32と連通するように三方バルブ31を切替えることにより、大気開放が行われる。具体的には、三方バルブ31を切替えるのと同時にロードロック室20は一瞬で大気開放される。連続して供給管30からパージガスを供給して大気開放するのに比べ、より短時間で大気開放することが可能となる。三方バルブ31を切替える圧力を大気圧に近い圧力に設定することにより、圧力変動による乱流や、その結果としての異物の巻上げは発生しない。
【0098】
以上のように、供給管30のパージガスを大気と切替えることにより、異物を巻上げずにより短時間での大気開放が可能になる。
【0099】
次に、図10を参照して、本変形例に係るロードロック装置10eにおける、ロードロック室20の大気開放方法の手順について説明する。
【0100】
図10は、ロードロック室20に搬送した半導体基板24を大気開放する方法の手順を説明するための図である。
【0101】
始めに、ステップ21からステップ22までを行う。ステップ21及びステップ22は第1の実施例におけるステップ11及びステップ12と同様である。
【0102】
次に、ロードロック室20を排気する排気量を徐々に低減し、0にする(ステップ23)。第1の実施例におけるステップ13においては、大気開放するまで続行するが、本変形例に係るステップ23では、大気開放するまで続行しない。即ち、ステップ23では、パージガスを供給した状態で、まず、圧力制御バルブ62を徐々に閉める。予め設定した圧力に達するまで圧力制御バルブ62を閉めた後、メインバルブ61を閉める。その後、大気開放される前に次のステップに移る。
【0103】
次に、ロードロック室20へ供給するガスを、パージガスから大気に切替えて大気開放を行う(ステップ24)。第1の実施例には含まれないステップである。ロードロック室20を大気開放管32と連通するように三方バルブ31を切替えることにより、一瞬にしてロードロック室20を大気開放する。
【0104】
最後に、ステップ25を行う。ステップ25は、第1の実施例におけるステップ14と同一である。
【0105】
以上、本変形例に係るロードロック装置10eによれば、メインバルブ61を閉じた後、供給管30のパージガスを大気に切替えて大気開放を行うため、より短時間で大気開放することが可能となる。
【0106】
〔第2の実施例〕
次に、図11乃至図13を参照し、本発明の第2の実施例に係る半導体製造装置を説明する。
【0107】
図11は、本実施例に係る半導体製造装置100の構成を模式的に示す断面図であり、図12は、本実施例に係る半導体製造装置100の構成を模式的に示す平面図である。
【0108】
本実施例に係る半導体製造装置100は、ロードロック装置と、処理室と、ロードロック装置のロードロック室内に設けられた搬送機構と、を組合せた構成を有しており、ロードロック装置は、第1の実施例に係るロードロック装置10と同一である。従って、第1の実施例との違いである処理室と搬送機構を中心に説明する。
【0109】
図11及び図12に示すように、半導体製造装置100は、第1のロードロック装置110と、第2のロードロック装置130と、処理室150と、第1のロボットアーム(搬送機構)160と、第2のロボットアーム(搬送機構)170と、を有する。
【0110】
第1のロードロック装置110は、第1の実施例に係るロードロック装置10と同一の構成であり、第1のロードロック室120と、供給管30と、排気管40と、多孔板50と、排気バルブ60と、を有する。
【0111】
第1のロードロック室120には、第1の基板ホルダ121、第1のインナーゲート122、第1のアウターゲート123が設けられている。ただし、第1の基板ホルダ121は、第1のロボットアーム160に取付けられる。
【0112】
排気バルブ60は、第1の実施例と同様に、メインバルブ61と、圧力制御バルブ62とからなり、第1のロードロック室120に近い方から、圧力制御バルブ62、メインバルブ61の順に、排気管40に直列になるように取付けられる。
【0113】
また、第1のロードロック装置110は、半導体基板を処理室150に搬送するためのモジュールである。
【0114】
第2のロードロック装置130も、第1の実施例に係るロードロック装置10と同一の構成であるため、ロードロック装置10と同一の符号を付した部分については、説明を省略する。
【0115】
但し、第2のロードロック装置130において、ロードロック室は第2のロードロック室140、基板ホルダは第2の基板ホルダ141、インナーゲートは第2のインナーゲート142、アウターゲートは第2のアウターゲート143、とする。また、第2の基板ホルダ141は、第2のロボットアーム170に取付けられる。
【0116】
また、第2のロードロック装置130は、半導体基板を処理室150から大気に搬出するためのモジュールである。
【0117】
処理室150は、第1の実施例に係るロードロック装置10と同様の構成であり、供給管30と、排気管40と、排気バルブ60とを有する。また、ロードロック装置10における基板ホルダ21の代わりに、基板ステージ151を有する。また、第1のアウターゲート123を介して第1のロードロック室110と連通され、第2のインナーゲート142を介して第2のロードロック室130と連通される。
【0118】
また、処理室150は、半導体製造工程において半導体基板に処理を行うためのものである。従って、処理室150は、例えばエッチング処理を行うための処理室であることが可能である。その場合、供給管30からエッチングガスが供給される。
【0119】
第1のロボットアーム160は、大気圧下にある半導体基板を処理室150内の基板ステージ151に搬入するための機構であり、第2のロボットアーム170は、処理室150内の基板ステージ151にある半導体基板を大気圧下に搬出するための機構である。
【0120】
また、第1のロードロック室120及び第2のロードロック室140における大気開放の作用については、第1の実施例と同一であり、異物を巻上げずに短時間で大気開放を行うことができる。
【0121】
ただし、第1の実施例と異なり、本実施例に係る第1のロードロック室120及び第2のロードロック室140においては、第1のロボットアーム160及び第2のロボットアーム170を有している。第1のロボットアーム160及び第2のロボットアーム170は、モータによって駆動される回転機構又は摺動機構を有し、回転機構又は摺動機構は異物を発生しやすい。従って、本実施例は、第1の実施例に比べて、より巻上げる異物の量を減少させる効果が大きくなる。
【0122】
次に、図13を参照して、本実施例に係る半導体製造装置100における、半導体基板の処理の手順について説明する。
【0123】
図13は、半導体製造装置100において、半導体基板を大気から処理室150に搬入し、処理室150から大気に搬出する方法の手順を説明するための図である。
【0124】
始めに、第1のインナーゲート122を開き、半導体基板を取出して第1のロードロック室120に搬入し、第1のインナーゲート122を閉じる(ステップ31)。第1のインナーゲート122を開いた後、第1のロボットアーム160が、基板カセットに格納された半導体基板を第1の基板ホルダ121に載置して取出し、第1のロードロック室120に戻り、その後、第1のインナーゲート122を閉じる。
【0125】
次に、第1のロードロック室120を排気する排気量を徐々に増加させ、真空にする(ステップ32)。
【0126】
次に、第1のアウターゲート123を開き、半導体基板を処理室150に搬入し、第1のアウターゲート123を閉じる(ステップ33)。第1のアウターゲート123を開いた後、第1のロボットアーム160が、第1の基板ホルダ121に載置された半導体基板を、処理室150の基板ステージ151に載置し、その後、第1のアウターゲート123を閉じる。
【0127】
次に、処理終了後、第2のインナーゲート142を開き、半導体基板を第2のロードロック室140に搬入し、第2のインナーゲート142を閉じる(ステップ34)。第2のインナーゲート142を開いた後、第2のロボットアーム170が、基板ステージ151に載置されている半導体基板を第2の基板ホルダ141に載置して取出し、第2のロードロック室120に戻り、その後、第2のインナーゲート142を閉じる。この際、排気管40のメインバルブ61、圧力制御バルブ62は開かれた状態であり、第2のロードロック室140は真空に保持されている。
【0128】
次に、多孔板50を用いて第2のロードロック室140の上方からパージガスをシャワー状に供給する(ステップ35)。この際も、第2のロードロック室140に連通される排気管40のメインバルブ61、圧力制御バルブ62は開かれた状態であり、第2のロードロック室140を排気しながらパージガスを供給することになる。第2のロードロック室140が排気されているため、多孔板50を用いて供給されるパージガスは第2のロードロック室140全体に亘り均一かつ上方から下方に向かって安定した層流を発生する。
【0129】
次に、第2のロードロック室140を排気する排気量を徐々に低減し、0にする(ステップ36)。パージガスを供給した状態で、排気管40に取付けられたメインバルブ61、圧力制御バルブ62のうち、まず、圧力制御バルブ62を徐々に閉める。予め設定した圧力に達するまで圧力制御バルブ62を閉めた後、メインバルブ61を閉め、大気開放を行う。この間、圧力は、大気圧に向けて徐々に増加し、メインバルブ61を閉めた後は急激に増加するが、メインバルブ61を閉める設定圧力を調整することにより、第2のロードロック室140には急激な圧力変動が発生せず、乱流は発生しない。
【0130】
最後に、第2のアウターゲート143を開き、半導体基板を第2のロードロック室140から搬出し、第2のアウターゲート143を閉じる(ステップ37)。
【0131】
以上、本実施例に係る半導体製造装置100によれば、パージガスは、第2のロードロック室140に急激な圧力変動を発生せずに上方から下方に向かって均一で安定した気流を伴って、高速に供給することができ、ロードロック室の大気開放を短時間で異物の巻上げなしに行うことができる。
【0132】
なお、本実施例に係る半導体製造装置100を1ユニットとして、複数のユニットを、大気圧処理モジュールを介して組合せることもでき、大気開放の異物巻上げを防ぎながら大気開放を短時間で行うことができるため、複雑な処理を異物を混入させることなく連続して行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0133】
【図1】本発明の第1の実施例に係るロードロック装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】本発明の第1の実施例に係るロードロック装置の構成を説明するための図であり、シャワー供給手段を構成する多孔板を、図1に示すAの方向から見た平面図である。
【図3】本発明の第1の実施例に係るロードロック室の大気開放方法の手順を説明するための図である。
【図4】本発明の第1の実施例の第1の変形例に係るロードロック装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の第1の実施例の第1の変形例に係るロードロック装置の構成を説明するための図であり、シャワー供給手段を構成する配管を、図4に示すAの方向から見た平面図である。
【図6】本発明の第1の実施例の第2の変形例に係るロードロック装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の第1の実施例の第3の変形例に係るロードロック装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図8】本発明の第1の実施例の第4の変形例に係るロードロック装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の第1の実施例の第5の変形例に係るロードロック装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図10】本発明の第1の実施例の第5の変形例に係るロードロック室の大気開放方法の手順を説明するための図である。
【図11】本発明の第2の実施例に係る半導体製造装置の構成を模式的に示す断面図である。
【図12】本発明の第2の実施例に係る半導体製造装置の構成を模式的に示す平面図である。
【図13】本発明の第2の実施例に係る、半導体基板を大気から処理室に搬入し、処理室から大気に搬出する方法の手順を説明するための図である。
【図14】従来のロードロック室の大気開放を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0134】
10、10a、10b、10c、10d、10e ロードロック装置
20 ロードロック室
21 基板ホルダ
22 インナーゲート
23 アウターゲート
24 半導体基板
25 天井面
26 底面
27 側面
30 供給管
31 三方バルブ
32 大気開放管
40 排気管
50 多孔板(シャワー供給手段)
51、71 貫通孔
52 空間
53 配管
54 幹管
55 枝管
60 排気バルブ
61 メインバルブ
62 圧力制御バルブ
70 多孔板(排気床部材)
100 半導体製造装置
110 第1のロードロック装置
120 第1のロードロック室
121 第1の基板ホルダ
122 第1のインナーゲート
123 第1のアウターゲート
130 第2のロードロック装置
140 第2のロードロック室
141 第2の基板ホルダ
142 第2のインナーゲート
143 第2のアウターゲート
150 処理室
151 基板ステージ
160 第1のロボットアーム
170 第2のロボットアーム
D 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を真空雰囲気下で格納するロードロック室に気体を供給して大気開放を行うロードロック室の大気開放方法において、
前記ロードロック室の上方に配設され、複数の貫通孔が設けられたシャワー供給手段を用いて、前記ロードロック室の上方から前記気体をシャワー状に供給し、
前記ロードロック室を排気する排気量を徐々に低減し、0にすることを特徴とするロードロック室の大気開放方法。
【請求項2】
前記ロードロック室を排気する排気量を0にした後、前記ロードロック室に供給する気体を大気に切替えることを特徴とする請求項1に記載のロードロック室の大気開放方法。
【請求項3】
前記ロードロック室の下方に配設され、複数の貫通孔が設けられた排気床部材を介して排気を行うことを特徴とする請求項1又は2に記載のロードロック室の大気開放方法。
【請求項4】
ロードロック室と、
前記ロードロック室と連通され、前記ロードロック室に気体を供給する供給管と、
前記ロードロック室と連通され、前記ロードロック室を排気する排気管と、
前記ロードロック室の上方の前記供給管側に配設され、前記気体をシャワー状に供給する複数の貫通孔が設けられたシャワー供給手段と、
前記気体を前記ロードロック室に供給しながら前記ロードロック室の排気を徐々に低減するための前記排気管に取付けられたバルブと、を有するロードロック装置。
【請求項5】
前記シャワー供給手段は、前記ロードロック室の内部空間の一部を区画するように設けられた多孔板であることを特徴とする請求項4記載のロードロック装置。
【請求項6】
前記シャワー供給手段は、先端が閉じられた配管であり、前記配管に複数の貫通孔が設けられることを特徴とする請求項4記載のロードロック装置。
【請求項7】
前記ロードロック室は、
上方が前記供給管と連通され、
下方が前記排気管と連通され、
上方から下方に向かうに従い径が漸減する形状部分を有することを特徴とする請求項4乃至6何れか一項に記載のロードロック装置。
【請求項8】
前記供給管は、前記ロードロック室へ供給する気体を大気と切替える切替手段が設けられることを特徴とする請求項4乃至7何れか一項に記載のロードロック装置。
【請求項9】
前記ロードロック室は、前記ロードロック室の下方の前記排気管側に配設され、複数の貫通孔が設けられた排気床部材を有することを特徴とする請求項4乃至8何れか一項に記載のロードロック装置。
【請求項10】
半導体基板の処理を行う処理室と、
前記処理室に隣接して設けられた請求項4乃至9何れか一項に記載のロードロック装置と、
前記ロードロック装置の前記ロードロック室内に設けられ、前記処理室に対して前記半導体基板を搬入又は搬出する搬送機構と、を有する半導体製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−158819(P2009−158819A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−337545(P2007−337545)
【出願日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【出願人】(000006220)ミツミ電機株式会社 (1,651)
【Fターム(参考)】