説明

ロールぺーパーの積段装置

【課題】個々のロールぺーパーを隙間無く、安定して積み重ねることのできる積段装置を提供すること。
【解決手段】無端体を鉛直面内に張架するべく配置された複数のロータと、前記無端体に所定間隔で立設されるとともに、前記ロータ部においてロータの円弧中心角に従って拡開する挿入ロッドと、前記無端体を回転駆動する駆動機構とから構成され、前記挿入ロッドに装着されたロールぺーパーを積段するロールぺーパーの積段装置であって、前記ロータの内の一対は、水平に配置されており前記無端体に連結された挿入ロッドの内、水平を向いた挿入ロッドに順次複数のロールぺーパーを装着する装着部と、積段されたロールぺーパー群を挿入ロッドから外して袋詰めする袋詰め部とを備え、前記ロータの内の頂部に配置されロータにおいて、前記無端体に連結された挿入ロッドを順次鉛直方向に向けて、挿通された複数のロールぺーパーを自重で積段する積段部を備えたので、個々のロールぺーパーを隙間無く、安定して積み重ねることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、小分けして巻き取った後、個々に切断されたトイレットぺーパーロールを所定個数づつ袋詰めする際に、コンパクトで且つ綺麗に袋詰め出来るようにそれぞれのトイレットぺーパーロール等を隙間無く積段するロールぺーパーの積段装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、トレイットぺーパーやぺーパータオルは、太径の親ロールに巻かれたウェブ状材料を幅や長さを切断して、小径のロールに巻取り装置で巻き取るとともに、個々の使用寸法に切断し、所定個数づつ袋詰めされて販売されている。
袋詰めの個数は、例えば、8個、12個、16個、18個、24個等消費者のニーズに合わせて販売される。
従来、袋詰めする際に、所定の個数並べてから袋詰め装置にセットして作業を行っていた。
また、一般的な袋詰め装置としては、例えば、特許文献1に示すような多数枚積層された袋の一枚を取上げて、これの開口部を拡げ、物品を送給する開口保持機へ自動的に装着する装置が知られていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5−330518号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の所定の個数並べてから袋詰め装置にセットして作業するものにあっては、作業が繁雑である上に、作業性が悪いものであった。また、特許文献1に示すものにあっては、装置が複雑であるとともに、ロールぺーパー等の袋詰めには適していないと云う問題点が存在した。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記目的を達成するために、本願発明は無端体を鉛直面内に張架するべく配置された複数のロータと、前記無端体に所定間隔で立設されるとともに、前記ロータ部においてロータの円弧中心角に従って拡開する挿入ロッドと、前記無端体を回転駆動する駆動機構とから構成され、前記挿入ロッドに装着されたロールぺーパーを積段するロールぺーパーの積段装置であって、前記ロータの内の一対は、水平に配置されており前記無端体に連結された挿入ロッドの内、水平を向いた挿入ロッドに順次複数のロールぺーパーを装着する装着部と、積段されたロールぺーパー群を挿入ロッドから外して袋詰めする袋詰め部とを備え、前記ロータの内の頂部に配置されロータにおいて、前記無端体に連結された挿入ロッドを順次鉛直方向に向けて、挿通された複数のロールぺーパーを自重で積段する積段部を備えたことを特徴としている。
【0006】
また、本願発明において、前記ロータは、少なくとも三個存在し、前記水平に配置された一対のロータの内の一方を挿着部とし、他方のロータ近傍を袋詰め部としたことを特徴とするものである。
【0007】
また、本願発明において、前記袋詰め部において、隣接する複数の挿入ロッドから積段されたロールぺーパー群を外して袋詰めすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明は前記した構成からなるので、以下に説明するような効果を奏することができる。
【0009】
本願発明では、無端体を鉛直面内に張架するべく配置された複数のロータと、前記無端体に所定間隔で立設されるとともに、前記ロータ部においてロータの円弧中心角に従って拡開する挿入ロッドと、前記無端体を回転駆動する駆動機構とから構成され、前記挿入ロッドに装着されたロールぺーパーを積段するロールぺーパーの積段装置であって、前記ロータの内の一対は、水平に配置されており前記無端体に連結された挿入ロッドの内、水平を向いた挿入ロッドに順次複数のロールぺーパーを装着する装着部と、積段されたロールぺーパー群を挿入ロッドから外して袋詰めする袋詰め部とを備え、前記ロータの内の頂部に配置されロータにおいて、前記無端体に連結された挿入ロッドを順次鉛直方向に向けて、挿通された複数のロールぺーパーを自重で積段する積段部を備えたので、ずれの無い安定した積段が可能となり、綺麗に揃えて袋詰めすることができる。
【0010】
また、本願発明において、前記ロータは、少なくとも三個存在し、前記水平に配置された一対のロータの内の一方を挿着部とし、他方のロータ近傍を袋詰め部としたので、積段装置の領有面積の削減を図り、設置スペースを有効利用することができる。
【0011】
また、本願発明において、前記袋詰め部において、隣接する複数の挿入ロッドから積段されたロールぺーパー群を外して袋詰めするので、ロールぺーパーの包装形態に応じて、8個、12個、16個、18個、24個に自由に包装するロールぺーパーの数を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本発明の一実施例に係る積段装置の側面図である。
【図2】図2は、同積段装置の頂部を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、挿入ロッドに装着されたロールぺーパーを自重で積段し、綺麗に揃えて袋詰めすることのできるロールぺーパーの積段装置を実現した。
【実施例】
【0014】
以下、一実施の形態を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る積段装置の側面図、図2は本発明の積段装置の頂部を示す説明図である。ここで、ロールぺーパーの積段装置10は、無端体11を鉛直面内に張架するべく配置された複数のロータ12、13、14と、無端体11に所定間隔で立設されるとともに、前記ロータ部においてロータの円弧中心角θに従って拡開する挿入ロッド15と、無端体11を回転駆動する駆動機構16とから構成され、前記挿入ロッド15に装着されたロールぺーパー17を積段するロールぺーパー17の積段装置であって、一対のロータ12、14は、水平に配置されており前記無端体11に連結された挿入ロッド15の内、水平を向いた挿入ロッド15aに順次複数のロールぺーパー17を装着する装着部Sと、積段されたロールぺーパー群を挿入ロッド15から外して袋詰めする袋詰め部Fとを備え、前記ロータの内の頂部に配置されロータ13において、前記無端体11に連結された挿入ロッド15を順次鉛直方向に向けて、挿通された複数のロールぺーパー17を自重で積段する積段部Tを備えている。
【0015】
無端体11は、チェーンやベルト等の可撓性を有する巻き掛け伝導機構から成り、一側に所定間隔で立設された挿入ロッド15をロータ部においてロータの円弧中心角θに従って拡開することができる。また、チェーンを使用する場合、ロータは、チェーンと噛合するための歯車となっている。
【0016】
挿入ロッド15は、先端が丸、或いは先細りのテーパ状に形成されており、ロールぺーパーの芯穴17aを潰す事無く挿入できるような構造となっている。また、挿入ロッド15の基部には装着されたロールぺーパー17の底面が直接無端体11と接触するのを防止する為の基板18が設置されている。
無端体11は、本実施の形態では複数のロータ12、13、14によって、鉛直面内に張架されている。一対のロータ12、14は、水平に配置されており、ロータ12の挿入ロッド15が水平になる部位が装着部Sとなり、図外の搬送装置で送られて来るロールぺーパー17を順次、挿入ロッド15に装着する。図に示す例では、3個のロールぺーパー17を1本の挿入ロッド15に装着する。この間、無端体11の駆動は、タイマーによって停止している。また、無端体11は、2本或いはそれ以上の数が並列して設置されており、図2に示す場合では、2本の無端体11が並設されている。したがって、本実施の形態においては、12個のロールぺーパーを袋詰めすることができる。
【0017】
また、ロータ13とロータ14の間は、無端体11が鉛直に張り渡されており、この間に積段されたロールぺーパー群を挿入ロッド15から外して袋詰めする袋詰め部Fが配置されている。袋詰め部Fでは、ベルトコンベア19によって搬送された一端の開放されたチューブ状フィルムから成る袋体20内に所定個数のロールぺーパーが挿入ロッド15から外されて袋詰めされる。この袋詰め部Fにおいても、無端体11の駆動は、所定時間停止している。袋体20内に袋詰めされた後、図外のシール装置によって、袋体20の開口部をシールする。
【0018】
ロータ13は、複数のロータの頂部に配置されており、無端体11に連結された挿入ロッド15を順次鉛直方向に向けて、挿通された複数のロールぺーパー17を自重で積段する積段部Tを備えている。本実施の形態において、無端体11の進行方向に隣接する2本の挿入ロッド15にロールぺーパー17を装着した後、1本の挿入ロッド15は空として、次に続く2本の挿入ロッド15にロールぺーパー17を装着する。このように装着することで、袋詰め部Fにおける袋体20の挿入を容易にできる。
【0019】
以上のように構成された本発明に係るロールぺーパーの積段装置は、駆動機構16によって無端体11を装着部S、積段部T、袋詰め部Fの順に回転させ、タイマーによって装着部Sで挿入ロッド15が図外の製品切り出しコンベアの位置で停止する。ここで、挿入ロッド15に3個のロールぺーパーが装着されると、次の挿入ロッド15の位置で停止し、更に3個のロールぺーパーを装着する。次に、1本の挿入ロッド15を空のまま送り、次の進行方向に隣接する2本の挿入ロッド15に夫々ロールぺーパーを装着する。このような動作を順次繰り返す。
【0020】
次に、頂部の積段部Tにおいては、ロータ13が無端体11に連結された挿入ロッド15を順次鉛直方向に向けて、この鉛直部分で挿通された複数のロールぺーパー17を自重でそれぞれ積段する。
更に、積段されたロールぺーパー17は、無端体11が鉛直に張り渡されたロータ13とロータ14の間に位置する袋詰め部Fで袋詰めされる。袋詰め部Fでは、積段されたロールぺーパー群を挿入ロッド15から外して、ベルトコンベア19によって搬送されて来る一端の開放された袋体20内に袋詰めされる。袋詰め部Fにおいても、無端体11の駆動は、所定時間停止しており、袋体20内に袋詰めされた後、図外のシール装置によって、袋体20の開口部をシールする。
【0021】
なお、以上の実施例では、挿入ロッド15は単なる棒状の例について説明したが、挿入ロッドの外周に拡開可能の爪を設け、積段後のロールぺーパーを固定するように構成してもよい。
また、図2に示す例では、無端体11を2列並べる例について説明したが、2列或いはそれ以上並べてもよい。
【符号の説明】
【0022】
S 装着部S
T 積段部T
F 袋詰め部F
10 ロールぺーパーの積段装置
11 無端体
12〜14 ロータ
15 挿入ロッド
16 駆動機構
17 ロールぺーパー
18 基板
19 ベルトコンベア
20 袋体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端体を鉛直面内に張架するべく配置された複数のロータと、
前記無端体に所定間隔で立設されるとともに、前記ロータ部においてロータの円弧中心角に従って拡開する挿入ロッドと、
前記無端体を回転駆動する駆動機構とから構成され、前記挿入ロッドに装着されたロールぺーパーを積段するロールぺーパーの積段装置であって、
前記ロータの内の一対は、水平に配置されており前記無端体に連結された挿入ロッドの内、水平を向いた挿入ロッドに順次複数のロールぺーパーを装着する装着部と、積段されたロールぺーパー群を挿入ロッドから外して袋詰めする袋詰め部とを備え、
前記ロータの内の頂部に配置されロータにおいて、前記無端体に連結された挿入ロッドを順次鉛直方向に向けて、挿通された複数のロールぺーパーを自重で積段する積段部を備えたことを特徴とするロールぺーパーの積段装置。
【請求項2】
前記ロータは、少なくとも三個存在し、
前記水平に配置された一対のロータの内の一方を挿着部とし、他方のロータ近傍を袋詰め部としたことを特徴とする請求項1に記載のロールぺーパーの積段装置。
【請求項3】
前記袋詰め部において、隣接する複数の挿入ロッドから積段されたロールぺーパー群を外して袋詰めすることを特徴とする請求項1または2に記載のロールぺーパーの積段装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2011−251717(P2011−251717A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−125528(P2010−125528)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【出願人】(510152585)株式会社比奈鐵工所 (1)
【Fターム(参考)】