説明

ワイパー装置

【課題】小型化することのできるワイパー装置を提供する。
【解決手段】複数のワイパー15a、15bが、拭取範囲が部分的に重なるように配置される。モータ回転が伝達機構を介して伝達されて、複数のワイパー15a、15bが回動する。複数のワイパー15a、15bによる重複拭取範囲の拭取りに時間差が設けられている。伝達機構は、2つの欠歯ギア35、37を備え、2本のワイパー15a、15bに間欠動作を行わせる。2本のワイパー15a、15bの動作時期がずらされており、重複拭取範囲が異なるタイミングで拭き取られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパー装置に関し、特に、屋外監視カメラなどに適した小型なワイパー装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、屋外監視カメラなどの視界を確保するためにワイパー装置が利用されている。典型的には、屋外監視カメラがハウジング(ケース)内に収納されており、ハウジングに撮影のための透明の窓が設けられている。ワイパー装置は、雨降りなどのときに窓の水滴を振り払って視界を良好にする役目を持つ。
【0003】
従来のワイパー装置は、1本のワイパーが回動して扇型の拭取範囲を拭き取るように構成されている(例えば、特許文献1、2、3)。
【0004】
また、別のワイパー装置は、ワイパーが直線的に移動して四角形の拭取範囲を拭き取るように構成されている(例えば、特許文献4、5)。
【特許文献1】特開平6−303471号公報(図1)
【特許文献2】特開2002−258393号公報(図3)
【特許文献3】特開2002−354304号公報(図2)
【特許文献4】実開平6−66173号公報(図1)
【特許文献5】実開平7−11060号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のワイパー装置においては、1本のワイパーが扇形の拭取範囲を拭き取るので、必要以上に拭取範囲が広くなり、そのためにワイパー装置が大型になるという問題がある。例えば、カメラケース用のワイパー装置において、撮影に必要な範囲を含むように扇形の拭取範囲を設定すると、必要範囲の外の無駄な拭取範囲が広くなる。そのため、ワイパー装置が大型化し、カメラケースも大型化してしまう。
【0006】
前述したように、ワイパーが直線移動するワイパー装置も提案されており、この種のワイパー装置では、拭取範囲の無駄は低減する。しかし、直線移動機構が大型で、ワイパーユニットがケースの外側に配置され、ワイパー装置やケースが大型化するという問題がある。
【0007】
ここでは、主として屋外監視カメラ用のワイパー装置について説明したが、その他の種類の機器のワイパー装置にも同様の問題が生じうる。
【0008】
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、その目的は、小型化が可能なワイパー装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のワイパー装置は、拭取範囲が部分的に重なるように配置された複数のワイパーと、前記複数のワイパーを回動させるための駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記複数のワイパーに伝達する伝達機構とを備え、前記複数のワイパーによる重複拭取範囲の拭取りに時間差が設けられている。上記駆動源は典型的にはモータである。
【0010】
この構成により、複数のワイパーが、部分的に拭取範囲が重なるように配置され、重複拭取範囲で衝突しないように回動する。複数のワイパーが拭取範囲を分担するので、必要範囲の周囲の余分な拭取範囲を削減でき、ワイパー装置を小型化できる。例えば、ワイパー装置が監視カメラに設けられる場合、撮影に必要な範囲が複数のワイパーの小さな扇形拭取範囲でカバーされる。したがって、必要範囲の回りの余分な拭取範囲を狭くでき、ワイパー装置を小型化できる。
【0011】
本発明のワイパー装置において、前記複数のワイパーは、前記重複拭取範囲で拭き取り範囲が重なるように配置された第1ワイパーおよび第2ワイパーを含み、前記伝達機構は、前記第1ワイパーに前記駆動源の駆動力を伝達するように設けられ、歯欠部分を有し、前記歯欠部分で非噛合状態になる第1欠歯ギアと、前記第2ワイパーに前記駆動源の駆動力を伝達するように設けられ、歯欠部分を有し、前記歯欠部分で非噛合状態になる第2欠歯ギアと、前記非噛合状態にある前記第1欠歯ギアの噛合状態を復活させる第1噛合復活機構と、前記非噛合状態にある前記第2欠歯ギアの噛合状態を復活させる第2噛合復活機構と、を備えている。
【0012】
この構成により、第1ワイパーおよび第2ワイパーへの伝達機構に欠歯機構が設けられ、したがって、第1ワイパーおよび第2ワイパーの回動期間を駆動源の駆動期間の一部に制限して間欠動作を行わせることができ、第1ワイパーおよび第2ワイパーの回動期間をずらすことができる。これにより、両ワイパーが重複拭取範囲を拭き取る時期に時間差を設けて、重複拭取範囲で衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0013】
また、本発明のワイパー装置において、前記第1欠歯ギアは、前記駆動源が所定の往路方向に回動する途中で前記歯欠部分で非噛合状態になり、前記第2欠歯ギアは、前記駆動源が前記往路方向と反対の復路方向に回動する途中で前記歯欠部分で非噛合状態になり、第1噛合復活機構は、前記駆動源が前記復路方向に回動する途中で前記非噛合状態にある前記第1欠歯ギアの噛合状態を復活させ、第2噛合復活機構は、前記駆動源が前記往路方向に回動する途中で、前記非噛合状態にある前記第2欠歯ギアの噛合状態を復活させる。
【0014】
この構成により、第1ワイパーの回動期間は、駆動源の復路期間の途中から復路終端(往路開始端)を過ぎて往路期間の途中までの期間になる。第2ワイパーの回動期間は、駆動源の往路期間の途中から往路終端(復路開始端)を過ぎて復路期間の途中までの期間になる。こうして、両ワイパーの回動期間をずらすことができ、重複拭取範囲で衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0015】
また、本発明のワイパー装置において、前記第1噛合復活機構は、前記第2欠歯ギアが前記非噛合状態になるときに前記第1欠歯ギアの前記噛合状態を復活させるように設けられ、前記第2噛合復活機構は、前記第1欠歯ギアが前記非噛合状態になるときに前記第2欠歯ギアの前記噛合状態を復活させるように設けられている。
【0016】
この構成により、両ワイパーの回動期間をずらすことができ、重複拭取範囲で衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0017】
また、本発明のワイパー装置において、前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーはハウジングの窓部に設けられ、前記ハウジングに収納された機器が前記窓部を利用するのに要求される範囲以上の開口を持つ中空ギアを備え、前記中空ギアが前記第1欠歯ギアおよび前記第2欠歯ギアと噛み合い、前記駆動源の駆動力を前記第1欠歯ギアおよび前記第2欠歯ギアに伝達する。
【0018】
この構成により、中空ギアに第1欠歯ギアおよび第2欠歯ギアを噛み合わせるので、第1欠歯ギアおよび第2欠歯ギアに駆動力を伝達する構成のスペースを小さくでき、これにより伝達機構を小型化でき、ワイパー装置を小型化できる。そして、ワイパー装置をハウジング内に納めることにより、ハウジングを小型化できる。
【0019】
また、本発明のワイパー装置では、前記ハウジングに収納された機器がカメラであり、前記中空ギアが、前記窓部を通した撮影に要求される大きさ以上の開口を有する。この構成により、カメラの撮影範囲を損ねることなくワイパー装置を小型化でき、カメラケースを小型化できる。
【0020】
また、本発明のワイパー装置において、前記第1噛合復活機構は、前記第1欠歯ギアに設けられた第1被蹴飛部と、前記中空ギアに設けられ、前記第1欠歯ギアの噛合復活時期に前記第1被蹴飛部に当たって前記第1欠歯ギアを回動させる第1蹴飛部とを有し、前記第2噛合復活機構は、前記第2欠歯ギアに設けられた第2被蹴飛部と、前記中空ギアに設けられ、前記第2欠歯ギアの噛合復活時期に前記第2被蹴飛部に当たって前記第2欠歯ギアを回動させる第2蹴飛部とを有する。
【0021】
この構成により、第1欠歯ギア、第2欠歯ギアおよび中空ギアに、第1噛合復活機構と第2噛合復活機構が簡単な構成で設けられ、これら機構を小型化して、ワイパー装置を小型化できる。
【0022】
また、本発明のワイパー装置は、前記駆動源の往復駆動範囲の往路終端および復路終端に対応した回動位置に前記中空ギアが達したことを検出する回動終端検出手段を備えている。
【0023】
この構成により、検出結果に応じて駆動源を往復動作させることができる。回動終端検出手段を中空ギアに設けたので、小さなスペースで検出機能が得られる。例えば、ワイパー装置が四角形のカメラハウジングに備えられる場合に、検出手段をカメラハウジングと中空リングの間のコーナー部分に納めることができ、スペースを節約でき、カメラハウジングを小型化できる。
【0024】
また、本発明のワイパー装置において、前記回動終端検出手段は、揺動可能に設けられたスイッチレバーと、前記スイッチレバーの両側の揺動方向にそれぞれ設けられた第1終端スイッチおよび第2終端スイッチと、前記中空ギアに設けられた第1押圧部および第2押圧部を含み、前記第1押圧部および前記第2押圧部は、それぞれ、前記駆動源が前記往路終端および前記復路終端に達したときに前記スイッチレバーを前記第1終端スイッチおよび前記第2終端スイッチに押圧する。この構成により、中空ギアの回動角度に基づいて往路終端および復路終端を適切に検出できる。
【0025】
また、本発明のワイパー装置において、前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーは、ハウジングの窓部における互いに反対の両端部に設けられている。この構成により、2つのワイパーで広い拭取範囲をカバーでき、ワイパー装置を小型化できる。
【0026】
また、本発明のワイパー装置において、前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーは、非作動状態で前記窓部の両側に位置し、上下方向を向くように配置されている。この構成により、ワイパーへの積雪や埃の堆積量を低減できる。
【0027】
また、本発明のワイパー装置は、前記非作動状態で前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーを覆うサンシールドを備えている。この構成により、太陽光によるワイパーのゴム等の劣化を低減できる。
【0028】
また、本発明のワイパー装置において、前記複数のワイパーは、前記重複拭取範囲で拭き取り範囲が重なるように配置された第1ワイパーおよび第2ワイパーを含み、前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーの回動支点位置と設置角度が、前記重複拭取範囲への前記第1ワイパーと前記第2ワイパーの到達時間に時間差を生じるように設定されている。
【0029】
この構成により、両ワイパーが重複拭取範囲を拭き取る時期に時間差を設けて、重複拭取範囲で衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0030】
また、本発明のワイパー装置において、前記伝達機構は、前記第1ワイパーと前記第2ワイパーを反対方向に回動するように構成され、前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーは、往路開始端および復路開始端において前記第1ワイパーと前記第2ワイパーとで前記重複拭取範囲までの回動角が異なるように配置されている。この構成により、両ワイパーが重複拭取範囲を拭き取る時期に時間差を設けて、重複拭取範囲で衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0031】
また、本発明のワイパー装置は、前記複数のワイパーの少なくとも一つのワイパーが非作動位置に達したときに前記ワイパーの拭取部を浮上させるワイパー浮上機構を備えている。この構成により、非作動時にワイパーが浮上するので、ワイパーのゴム等のへたりと劣化を低減できる。
【0032】
また、本発明のワイパー装置において、前記ワイパー浮上機構は、前記非作動位置に設けられた傾斜面と、前記少なくとも一つのワイパーに設けられ、前記拭取部に隣接し、前記拭取部よりも短い浮上脚部を含み、前記少なくとも一つのワイパーが前記拭取範囲から前記非作動位置に到達するときに前記浮上脚部が前記傾斜面に接して前記拭取部を浮上させるように前記傾斜面および前記浮上脚部が設けられている。この構成により、傾斜面と浮上脚部といった簡単な構成でもって、ワイパーを浮上させて、ワイパーのゴム等のへたりと劣化を低減できる。
【0033】
また、本発明のワイパー装置では、前記拭取部の先端と前記浮上脚部の先端を結ぶ線が拭取面に対して成す角度よりも前記傾斜面の前記拭取面に対する傾斜角が大きく設定されている。この構成により、傾斜面と浮上脚部といった簡単な構成でもって、ワイパーを浮上させて、ワイパーのゴム等のへたりと劣化を低減できる。
【0034】
また、本発明のワイパー装置では、前記複数のワイパー、前記駆動源および伝達機構が、機器を収容するハウジングに取り付けられる窓ユニットに備えられている。この構成により、ワイパー機構が窓ユニットに設けられ、窓ユニットがハウジングに設けられる。窓、駆動源、ワイパー、動作メカニズムがユニット化されて、ユニットとしての性能保証が可能となり、この点でも有利である。
【0035】
また、本発明の別の態様はカメラ装置であり、カメラと、前記カメラを収納するハウジングと、前記ハウジングに設けられワイパー機構が設けられた窓ユニットを備え、前記窓ユニットは、拭取範囲が重なるように配置された複数のワイパーと、前記複数のワイパーを回動させるための駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記複数のワイパーに伝達する伝達機構とを備え、前記複数のワイパーによる重複拭取範囲の拭取りに時間差が設けられている。
【0036】
この構成によっても、上述の本発明の利点が得られ、ワイパー装置を小型化でき、これによりハウジングを小型化して、カメラ装置も小型化できる。また、ワイパー機構が窓ユニットに設けられ、窓ユニットがハウジングに設けられる。窓、駆動源、ワイパー、動作メカニズムがユニット化されて、ユニットとしての性能保証が可能となり、この点でも有利である。
【発明の効果】
【0037】
本発明は、複数のワイパーを部分的に拭取範囲が重なるように配置し、それらワイパーを重複拭取範囲で衝突しないように回動することにより、小型化が可能であるという効果を有するワイパー装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明の実施の形態のワイパー装置について、図面を用いて説明する。
【0039】
本発明の第1の実施の形態に係るワイパー装置を図1〜図7に示す。図1〜図5は、ワイパー装置の構成を示しており、図6、図7は、ワイパー装置を備えたカメラ装置の全体構成を示している。
【0040】
まず、図6を参照すると、カメラ装置1は、水平方向に回動可能なベース部2と、ベース部2の両側にそれぞれ取り付けられたカメラユニット3および照明ユニット4で構成されている。本実施の形態の例では、カメラ装置1が屋外型監視カメラ装置である。
【0041】
図7に示すように、カメラユニット3は、ハウジング(ケース)5と、ハウジング5に収納されたカメラ7とを備える。ハウジング5の前面には、窓ユニット9が取り付けられており、窓ユニット9の窓を通してカメラ7が被写体を撮影する。本実施の形態のワイパー装置は、窓ユニット9に備えられていて、ワイパー装置と窓部がユニット化されている。
【0042】
また、照明ユニット4においてもハウジング(ケース)に照明(図示されず)が収容されており、ハウジングの前面に窓ユニットが備えられている。この窓ユニットにも本実施の形態のワイパー装置が備えられてよい。この例からも理解されるように、本実施の形態のワイパー装置の適用対象はカメラに限定されない。
【0043】
次に、図1〜図5を参照し、窓ユニット9の構成を、内蔵されるワイパー装置と共に説明する。図1および図2は、それぞれ、斜め前方および斜め後方から見た分解斜視図であり、図3は三方向から見た図であり、図4は、斜め前方および斜め後方から見た斜視図であり、図5は、図3の側面図の線AAで窓ユニット9を切断した断面図である。以下の説明では、窓の前面側を前方と呼び、ハウジング側を後方と呼ぶ。また、上下左右は一般には前方から見たときの方向であり、また、回転方向(時計方向および半時計方向)も前方から見たときの方向である。
【0044】
図1等に示すように、窓ユニット9は、箱形のベース(本体)11を備えている。ベース11はOリング11a、11bを介してハウジングに取り付けらて、カメラを収容するハウジングの一部を構成する。既に説明したように、カメラは、ハウジングに収容される機器の一例であり、カメラ以外にも本実施の形態のワイパー装置が適用されてもよい。ベース11の前側には、四角形で透明の窓部材13が嵌められている。窓部材13は例えばガラスであり、ベース11は窓部材13のフレームとして機能する。
【0045】
窓部材13の手前には、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bが備えられている。第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bは同様の構成を有している。以下、2つのワイパーを総称するときは、単に、ワイパー15という。2つのワイパー15は、非作動状態では、図示のように、窓部材13を挟んで互いに反対の両端部に設けられている。より詳細には、第1ワイパー15aと第2ワイパー15bは、窓に対して左右の両側に位置しており、第1ワイパー15aが右側に、第2ワイパー15bが左側に配置されている。そして、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bは上下方向(略鉛直方向)を向いて設けられており、第1ワイパー15aの先端が上方を向いており、第2ワイパー15bの先端が下方を向いている。
【0046】
本実施の形態では、各ワイパー15の回動範囲が約90度であり、ワイパー拭取範囲は中心角が約90度の扇形である。2つの扇形の中心は、それぞれ、窓部の右上隅と左下隅である。そして、2つの扇型範囲が円弧縁部で部分的に重複している。このような2つの扇形により、全体として略四角形の拭取範囲が形成される。そして、この拭取範囲が、カメラ前方の撮影に必要な範囲以上のサイズに設定されている。
【0047】
2本のワイパー15の前側には、さらに、サンシールド17が備えられている。サンシールド17は、日よけ部材であり、非作動状態の2本のワイパー15を前方から覆っている。サンシールド17は、ベース11に取り付けられている。
【0048】
次に、ベース11の後側の構成について説明する。ベース11の後側には、ワイパー駆動機構が備えられている。ワイパー駆動機構は、駆動源としてのモータと、モータの回転を2本のワイパー15に伝達する伝達機構で構成されている。上述したように、本実施の形態では、2本のワイパー15の拭取範囲が部分的に重複している。しかし、伝達機構が、2本のワイパー15による重複拭取範囲の拭取時期に時間差を設けるよう構成されており、これにより、2本のワイパー15が衝突することなくそれぞれの拭取範囲を拭き取る。
【0049】
図1、図2および図5を参照すると、ベース11の後ろには板状のサブベース21がねじ23で取り付けられており、ベース11とサブベース21の間に、伝達機構としての歯車機構25が設けられている。
【0050】
歯車機構25は、概略的には、中央に配置された中空ギア31と、中空ギア31の周囲に配置されたモータギア33、第1欠歯ギア35および第2欠歯ギア37と、第1欠歯ギア35および第2欠歯ギア37にそれぞれ噛み合う第1ワイパーギア39および第2ワイパーギア41で構成されている。モータギア33はモータ43の回転軸に固定されており、第1ワイパーギア39および第2ワイパーギア41は各々第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bに固定されている。モータ43の回転は、モータギア33から入力されて、歯車機構25を介して第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bに伝達される。
【0051】
中空ギア31は円環状のリングギアであり、ベース11の略中央であってカメラレンズの前方に配置されている。中空ギア31は、内蔵カメラによる窓部を通しての撮影の邪魔にならないようにカメラレンズより大きい径の開口を有している。
【0052】
より詳細には、ベース11およびサブベース21は、カメラレンズの前方空間を確保するために、レンズを取り囲む円形の穴を中央に有している。ベース11の円形開口の縁部には、後方に向けて円筒状のカラーが設けられている。このカラーに中空ギア31が回動自在に嵌っている。図示のように、中空ギア31は、動作時に他の歯との噛み合いが必要な範囲に歯を有している。その他の部分では、図示のように歯が省略されてよく、中空ギア31は円筒でよく、その外径は略歯先円直径でよい。
【0053】
モータギア33は、中空ギア31の左側に配置され、中空ギア31と噛み合っている。モータ43はサブベース21の後側に取り付けられており、モータ回転軸がサブベース21を貫通しており、モータ回転軸にモータギア33が固定されている。モータギア33は、歯車機構25の駆動ギアに相当する。
【0054】
第1欠歯ギア35は、中空ギア31の右上に配置されており、中空ギア31と噛み合っている。第1欠歯ギア35は、ベース11から後方に突き出したボスに嵌っている。第1欠歯ギア35の右側に第1ワイパーギア39が配置されている。第1ワイパーギア39は、第1ワイパー15aの回動支点に位置しており、第1ワイパー15aの支点軸に固定されている。ワイパー支点軸は、ベース11を貫通してベース11の後側に突き出しており、この部分に第1ワイパーギア39がピンで固定されている。
【0055】
第2欠歯ギア37および第2ワイパーギア41は、配置の相違を除いて、第1欠歯ギア35および第1ワイパーギア39と概ね同様の構成を有している。第2欠歯ギア37は、中空ギア31の左下に配置されており、中空ギア31と噛み合っている。第2欠歯ギア37は、ベース11から後方に突き出したボスに嵌っている。第2欠歯ギア37の左側に第2ワイパーギア41が配置されている。第2ワイパーギア41は、第2ワイパー15bの回動支点に位置しており、第2ワイパー15bの支点軸に固定されている。ワイパー支点軸は、ベース11を貫通してベース11の後側に突き出しており、この部分に第2ワイパーギア41がピンで固定されている。
【0056】
次に、第1欠歯ギア35および第2欠歯ギア37の欠歯機構について説明する。欠歯機構は、以下に説明するように、中空ギア31からワイパー15への回動伝達を一部の期間に抑制する機能を持つ。ここでは、両歯車を代表して第1欠歯ギア35について、図8および図9を参照して説明する。
【0057】
図8に示されるように、第1欠歯ギア35は、部分的に歯欠部分51aを有している。より詳細には、第1欠歯ギア35の歯数の設定値は16本である。しかし、2本の歯が欠けているので、実際の歯は14本である。
【0058】
歯欠部分51aが設けられているので、中空ギア31が第1欠歯ギア35を回転させる過程で、非噛合状態が生じる。これにより、中空ギア31が空転し、中空ギア31の回転が第1欠歯ギア35に伝わらなくなる。この非噛合状態にある第1欠歯ギア35の噛合状態を復活させるために、第1噛合復活機構が設けられている。
【0059】
第1噛合復活機構は、中空ギア31に設けられた第1蹴飛部53aと、第1欠歯ギア35に設けられた第1被蹴飛部55aとで構成される。第1被蹴飛部55aは、歯欠部分の1本の欠けた歯の位置に設けられている。この位置は、後述する非噛合状態の発生の起点になる歯位置である。
【0060】
第1蹴飛部53aおよび第1被蹴飛部55aは、軸方向から見た図では、他の歯と同様の形状を有している。しかし、図9の断面図に示されるように、第1蹴飛部53aおよび第1被蹴飛部55aは、他の歯と異なり、中空ギア31および第1欠歯ギア35の平面部にそれぞれ設けられた突起である。第1蹴飛部53aは第1被蹴飛部55aに向かって延び、第1被蹴飛部55aは第1蹴飛部53aに向かって延びている。したがって、中空ギア31が回転すると、第1蹴飛部53aは、他の歯とは当たらないが、第1被蹴飛部55aとだけ当たることになる。
【0061】
図9では、図を見やすくするために、第1蹴飛部53aおよび第1被蹴飛部55aが離れて示されている。しかし、実際には、第1蹴飛部53aと第1被蹴飛部55aは、中空ギア31が回転したときに接触する位置にある。
【0062】
図8を参照して、歯欠け機構の機能を説明する。まず、図8の上部の状態では、中空ギア31と第1欠歯ギア35が噛合状態にある。歯欠部分51aがまだ噛合地点Pの手前にある。図8の右部に示すように、中空ギア31が時計方向に回動すると、第1欠歯ギア35が反時計方向に回動し、歯欠部分51が噛合地点Pに達し、非噛合状態が発生する。
【0063】
ここで、第1被蹴飛部55aは、歯欠部分51の欠けた歯の位置にある。より詳細には、図示のように歯欠部分51aが噛合地点Pに向かって回動したときに、欠けた歯の中で先頭の歯があるはずであった位置に、第1被蹴飛部55aがある。第1被蹴飛部55aの位置に実際の歯がないために、非噛合状態が発生する。すなわち、第1被蹴飛部55aの位置が、非噛合状態の起点になる。第1蹴飛部53aは、第1被蹴飛部55aよりも歯1本分だけ先に噛合地点Pに到達する位置に設けられており、第1被蹴飛部55aと接触せずに噛合地点Pを通過してしまう。
【0064】
このようにして、非噛合状態が発生する。非噛合状態が発生すると、中空ギア31は回転を続けるが、第1欠歯ギア35は止まっている。非噛合状態では中空ギア31の円筒部が第1欠歯ギア35の歯欠部分と対向してよく、円筒部では中空ギア31が略歯先径を有してよい。
【0065】
次に、非噛合状態からの噛合状態の復活動作を説明する。本実施の形態では、後述するように、モータ43が往復回動する。中空ギア31は、図8の下部の位置まで回転すると反転し、反時計方向に回転する。これにより、図8の左部に示すように、第1蹴飛部53aが噛合地点Pまで戻ってきて、第1被蹴飛部55aに当たる。この接触を、本実施の形態では蹴飛しと呼んでいる。第1被蹴飛部55aが第1蹴飛部53aに蹴飛ばされると、第1欠歯ギア35が時計方向に回転し、第1欠歯ギア35の歯が中空ギア31に再び噛み合い、噛合状態が復活する。
【0066】
このようにして、噛合状態と非噛合状態が繰り返される。第1欠歯ギア35は、中空ギア31が時計方向(往路方向に相当)に回動する途中で噛合状態から非噛合状態に移行し、反時計方向(復路方向に相当)に回動する途中で非噛合状態から噛合状態へ復活する。非噛合状態の期間には、第1欠歯ギア35が回転せず、第1ワイパー15aも回動しない。こうして、第1ワイパー15aの間欠動作が実現される。本実施の形態において、間欠動作とは、一部の期間にワイパー15が回動しないことをいう。
【0067】
以上に、第1欠歯ギア35の欠歯機構について詳細に説明した。第2欠歯ギア37の欠歯機構も原理的には同様である。詳細な説明は省略するが、図5に示すように、第2欠歯ギア37にも歯欠部分51bが設けられている。そして、中空ギア31に第2蹴飛部53bが設けられており、また、第2欠歯ギア37に第2被蹴飛部55bが設けられており、これら構成により間欠動作が実現される。
【0068】
ただし、第1欠歯ギア35と第2欠歯ギア37では、欠歯機構が線対象であり、蹴飛部および被蹴飛部の位置関係が異なり、これにより、噛合状態と非噛合状態の期間が逆である。そして、第2欠歯ギア37は、中空ギア31が時計方向(往路方向)に回動する途中で非噛合状態から噛合状態へ復活し、反時計方向(復路方向)に回動する途中で噛合状態から非噛合状態へ移行する。
【0069】
したがって、本実施の形態では、第1欠歯ギア35が噛合状態から非噛合状態になるときに第2欠歯ギア37の噛合状態が復活する。そして、第1欠歯ギア35の噛合状態が復活するときに第2欠歯ギア37が噛合状態から非噛合状態になる。このようにして、2つの欠歯機構は、全く逆の位相で動作するように構成されている。上記の噛合状態と非噛合状態の2回の切換は、モータ回動範囲の中央で発生するように構成されている。
【0070】
歯車機構25に関するその他の事項として、歯数設定について説明する。本実施の形態では、モータギア33、第1欠歯ギア35および第2欠歯ギア37の歯数設定値は、16本である。また、第1ワイパーギア39および第2ワイパーギア41の歯数設定値は8本である。ただし、第1欠歯ギア35および第2欠歯ギア37の実際の歯数は14本である(2本欠けているため)。また、第1ワイパーギア39および第2ワイパーギア41も本実施の形態では欠歯歯車である。ただし、第1ワイパーギア39および第2ワイパーギア41では、間欠機構のために歯が欠けているのではなく、回動範囲が限られているので不要な歯が削除されている。
【0071】
次に、図10および図11を参照し、回動範囲の両側の終端を検知するセンサ機構について説明する。このセンサ機構は、中空ギア31の回動位置を検出して、これにより、モータ43が所定の往復回動範囲の両端に達したことを検出する。このセンサ機構は、図1、および図2では図面の複雑化を避けるために省略されている。
【0072】
図10に示すように、ベース11の後面には、スイッチレバー61が揺動可能に設けられている。スイッチレバー61の両側には、第1終端スイッチ63および第2終端スイッチ65が配置されている。これら構成は、ベース11のコーナー部に配置されており、四角形のベース壁部と円形の中空ギア31の隙間を利用して備えられており、ハウジングの拡大が回避されている。
【0073】
スイッチレバー61においては、支点軸61aがベース11に固定されており、支点軸61aから幹部61bが中空ギア31に向かって延びている。幹部61bは支点軸61aを中心として左右に弾性変形し、撓むことができる。幹部61bの途中の部分から左右に枝部61c、61dが延びている。枝部61c、61dは、それぞれ、第1終端スイッチ63および第2終端スイッチ65へ向かって延び、各々のスイッチに軽く接している。
【0074】
一方、図11に示されるように、中空ギア31には、第1押圧部67および第2押圧部69が設けられている。これらは、中空ギア31の平面部に設けられた突起である。突起部材が中空ギア31にねじで固定されている。
【0075】
モータ回動範囲の往路終端に対応する位置まで中空ギア31が回動すると、第1押圧部67がスイッチレバー61の幹部61bの先端を押し、幹部61bが撓んで、枝部61cの先端が第1終端スイッチ63を押す。また、復路終端まで中空ギア31が回動すると、第2押圧部69がスイッチレバー61の先端を押し、幹部61bが反対に撓んで、枝部61dの先端が第2終端スイッチ65を押す。
【0076】
次に、図12は、本実施の形態のワイパー装置を制御する構成を示している。図示のように、モータ43は制御回路71により制御される。制御回路71は、上述の第1終端スイッチ63および第2終端スイッチ65と接続されている。これらのスイッチが押されたときに信号が制御回路71に入力される。制御回路71は、モータ43を所定の速度で回動させる。そして、第1終端スイッチ63または第2終端スイッチ65から信号が入力されると、モータ43の回動方向を反転させる。
【0077】
また、制御回路71には手動スイッチ73および雨滴センサ75が接続されている。手動スイッチ73は、ワイパーオンオフの手動操作のためのスイッチであり、ユーザにより操作される。雨滴センサ75は、雨滴を検出して、検出信号を制御回路71に入力する。制御回路71は、手動スイッチ73への操作に応じてモータ43をオンオフする。また、制御回路71は、雨滴センサ75が雨を検出するとモータ43をオンし、雨滴センサ76が雨を検出しなくなるとモータ43を停止する。雨滴センサ76は、カメラの撮影画像の画像処理によって雨滴を検出してもよい。また、本実施の形態の範囲内で、雨滴センサ75以外の雨検出機構が設けられてよい。また、本実施の形態の範囲内で、手動スイッチ73はハウジングから離れた外部に設けられてよく、遠隔地に設けられてもよい。雨検出手段も同様であり、ハウジングの外部に設けられてもよい。
【0078】
以上に本実施の形態のワイパー装置の構成を説明した。次に、図13および図14を参照して、ワイパー装置の動作を説明する。
【0079】
図13は、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bの動作過程を、歯車機構の動作過程と共に示している。歯車機構の動きのうち、第1欠歯ギア35側の欠歯機構の動きは、図8と対応している。
【0080】
ワイパー動作の概要としては、非作動時は第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bが図13上部の位置にある。ワイパー装置が作動すると、まず、第1ワイパー15aが往路動作を行い、時計方向に90度回動する(図13上部から図13右部へ)。第1ワイパー15aの往路動作が終了すると、続いて、第2ワイパー15bの往路動作が開始し、時計方向に90度回動する(図13右部から図13下部へ)。第2ワイパー15bの往路動作が終了すると、モータ回転が逆転して、第2ワイパー15bが復路動作を開始し、反時計方向に90度回動する(図13下部から図13左部へ)。さらに、第2ワイパー15bの復路動作が終了すると、続いて、第1ワイパー15aの復路動作が開始し、反時計方向に90度回動する(図13左部から図13上部)。上記のワイパー動作が、以下に説明する歯車機構の動作によって実現され、そして繰り返される。
【0081】
図13上部に示すように、ワイパー装置が作動する前、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bは非作動位置(ホームポジション)にある。このとき、第1ワイパー15aは窓の右側で下方向を向いており、第2ワイパー15bは窓の左側で上方向を向いており、両者は平行である。この状態では、第1欠歯ギア35と中空ギア31は噛合状態にあり、第2欠歯ギア37と中空ギア31は非噛合状態にある。
【0082】
手動スイッチ73がオン操作されると、操作信号が制御回路71に入力され、制御回路71がモータ43を回転させる。あるいは、雨滴センサ75が雨を検出すると、検出信号が制御回路71に入力され、制御回路71がモータ43を回転させる。これにより、ワイパー装置が作動する。
【0083】
まず、モータ43は、図13における反時計方向に回動される。これにより、モータギア33が反時計方向に回動し、中空ギア31が時計方向に回動する。このときの回動方向は本発明の往路方向に相当する。中空ギア31が時計方向に回動すると、第1欠歯ギア35が反時計方向に回動し、第1ワイパーギア39および第1ワイパー15aが時計方向に回動する。この間、第2欠歯ギア37は非噛合状態にあり、第2ワイパー15bは静止している。
【0084】
図13右部は、モータ43およびモータギア33が反時計方向(往路方向)に45度回転したときの状態である。第1欠歯ギア35も反時計方向に45度回動しており、第1ワイパーギア39と第1ワイパー15aは時計方向に90度回動している。その結果、第1ワイパー15aは、窓部の上部に移動して、水平になる。
【0085】
歯車機構が図13右部の状態になると、第1欠歯ギア35の欠歯部分51aが噛合地点Pに達し、第1欠歯ギア35が噛合状態から非噛合状態に移行する。同時に、中空ギア31の第2蹴飛部53bが第2欠歯ギア37の第2被蹴飛部55bを蹴飛ばし、第2欠歯ギア37の噛合状態が復活する。これにより、第1ワイパー15aの往路動作が終了し、第2ワイパー15bの往路動作が開始する。
【0086】
モータ43とモータギア33は、図13右部の位置からさらに回転しつづける。このとき、第1欠歯ギア35が非噛合状態にあるので、第1ワイパー15aは停止している。一方、第2欠歯ギア37が噛合状態にあるので、モータ回動が第2ワイパーギア41に伝わり、第2ワイパーギア41と第2ワイパー15bが時計回りに回動する。
【0087】
図13下部は、図13右部からモータ43がさらに45度回動したときの状態である。モータ43は、図13上部の回動開始から90度回動している。この状態では、第2欠歯ギア37は45度回動し、第2ワイパーギア41および第2ワイパー15bは90度回動している。そして、第2ワイパー15bは、図示のように、窓部の下部に移動して、水平になる。
【0088】
図13下部の状態では、モータ43が回動範囲の往路終端に達する。このとき、中空ギア31の第1押圧部67が、スイッチレバー61の先端を押し、スイッチレバー61が撓んで第1終端スイッチ63へ押圧され、検出信号が制御回路71に入力される。制御回路71は、検出信号に応答して、モータ43の回動方向を反転させる。これにより、モータ43は時計方向(復路方向)の回転を始める。第2ワイパー15bは、往路動作を終了し、復路動作を開始する。中空ギア31が反時計方向に回動し、第2ワイパー15bは今度は反時計方向に回動する。第1欠歯ギア35は引き続き非噛合状態にあり、第1ワイパー15aは静止し続ける。
【0089】
図13左部は、モータ43が反転してから45度回動したときの状態である。モータ43が45度回動する間に、第2欠歯ギア37も45度回動し、第2ワイパー15bは反時計方向に90度回動して、窓部の左側で垂直方向を向く。第2欠歯ギア37は非作動位置に戻る。
【0090】
歯車機構が図13左部の状態になると、第2欠歯ギア37の欠歯部分51bが噛合地点Pに達し、第2欠歯ギア37が噛合状態から非噛合状態に移行する。同時に、中空ギア31の第1蹴飛部53aが第1欠歯ギア35の第1被蹴飛部55aを蹴飛ばし、第1欠歯ギア35の噛合状態が復活する。これにより、第2ワイパー15bの復路動作が終了し、第1ワイパー15aの復路動作が開始する。
【0091】
モータ43とモータギア33は、図13左部の状態からさらに時計方向に回動し続ける。このとき、第1欠歯ギア35が噛合状態にあるので、モータ回動が第1ワイパーギア39に伝わり、第1ワイパーギア39と第1ワイパー15aが反時計回りに回動する。第2欠歯ギア37が非噛合状態にあるので、第2ワイパー37bは停止している。
【0092】
図13上部は、図13左部からさらにモータ43が時計方向に45度回転したときの状態である。第1欠歯ギア35が45度回動し、第1ワイパーギア39および第1ワイパー15aは90度回動する。そして、第1ワイパー15aは、図示のように、窓部の上部に移動して、水平になり、非作動位置に戻る。
【0093】
ワイパー装置が図13上部の状態になると、モータ43が、復路終端に達し、すなわち往路開始端に戻る。このとき、中空ギア31の第2押圧部69が、スイッチレバー61の先端を押し、スイッチレバー61が撓んで第2終端スイッチ65へ押圧され、検出信号が制御回路71に入力される。制御回路71は、検出信号に応答して、モータ43の回動方向を反転させる。これにより、モータ43は、反時計方向の回転を始める。そして、第1ワイパー15aの復路動作が終了し、往路動作が開始する。
【0094】
上記に動作が繰り返される。そして、第1ワイパー15aと第2ワイパー15bが交互に回動を繰り返し、衝突することなく作動し続ける。
【0095】
図14は、噛合状態と非噛合状態の遷移を示している。図14に示すように、モータ43は90度の範囲で往復回動する。
【0096】
第1欠歯ギア35は、モータ43の往路の真中で噛合状態から非噛合状態に移行し、復路の真中で非噛合状態から噛合状態に移行する。したがって、第1欠歯ギア35は、モータ43の復路の真中から往路の真中まで、噛合状態にある。この間に、第1ワイパー15aが90度の復路動作と90度の往路動作を続けて行う。
【0097】
一方、第2欠歯ギア37は、往路の真中で非噛合状態から噛合状態に移行し、復路の真中で噛合状態から非噛合状態に移行する。したがって、第2欠歯ギア37は、モータ43の往路の真中から復路の真中まで、噛合状態にある。この間に、第2ワイパー15aが90度の往路動作と90度の復路動作を続けて行う。
【0098】
したがって、第1ワイパー15aと第2ワイパー15bは、全く異なる位相で回動し、片方が回動しているときに他方が停止する。
【0099】
制御回路71は、手動スイッチ73がオフ操作されるか、あるいは、雨滴センサ73が雨滴を検出しなくなると、モータ43を停止して、ワイパー動作を停止させる。このとき、制御回路71は、第2終端スイッチ65がオンしたときの位置でモータ43を停止させる。これにより、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bは非作動位置で停止する。
【0100】
以上にワイパー装置の構成と動作を説明した。次に、本実施の形態におけるワイパー15の詳細構成の好適な例を説明する。以下の構成では、ワイパー装置は、ワイパー15が非作動位置に達したときにワイパー15の拭取部を拭取対象から浮上させるワイパー浮上機構を備えている。
【0101】
図15は、ワイパー15を2方向から見た斜視図であり、図16は、ワイパー15の分解斜視図であり、図17は、非作動位置(収納位置、ホームポジション)のワイパー15をサンシールド17を通して見た斜視図である。
【0102】
図示のように、ワイパー15は、ワイパーアーム81と、ワイパーフレーム83と、ワイパーブレード85とを備える。ワイパーアーム81は棒状部材である。ワイパーフレーム83は、ワイパーアーム81の先端にピンで回動可能に結合される。そして、ワイパーフレーム83の溝に、ゴム製のブレード85が保持されている。ブレード85は、窓に接する部分であり、拭取部に相当する。
【0103】
ワイパーアーム81の基端は、ワイパージョイント87にピンで回動可能に結合されており、ワイパージョイント87はねじ89でワイパーギア(図示せず)に連結されている。ワイパーギアは、前述したようにモータ回転によって駆動されるギアである。したがって、ワイパーアーム81はワイパージョイント87を回動支点として往復回動(揺動)する。
【0104】
図示のように、コイルスプリング91の両端が、ワイパーアーム81とワイパージョイント87に取り付けられている。コイルスプリング91は、ワイパーアーム81を付勢して、アーム先端を拭取対象の窓に押圧し、ブレード85を窓に接触させる。
【0105】
また、アーム先端部には、ロックプばね93とロックプレート95が備えられている。ロックプレート95は、ブレード85の中央より少し先端側の位置にてブレード85に隣接しており、拭取り対象の窓に向かうように延びている。ロックばね93は、ワイパーアーム81の先端に取り付けられた板ばねである。ロックばね93は、ロックプレート95を窓に向かって付勢する。それと同時に、ロックばね93は、ワイパーフレーム83の先端を窓に向かって押圧し、ブレード先端の浮上りを防ぐ。
【0106】
図18は、ワイパー装置の断面図であり、図19は、図18の部分的な拡大図である。ベース11に窓部材13が嵌っている。窓部材13はガラス板であり、ベース11は窓のフレームに相当する。本実施の形態では、図示のように、窓の両縁に位置するように、ベース11の両端に傾斜面97が設けられている。傾斜面97は、窓部材13の端部から外側に向かって高くなっている。図18に示すように、ワイパー15は非作動位置が窓縁部に設定されており、したがって、上記の傾斜面97はワイパー15の非作動位置に設けられていて、拭取範囲(ガラス部分)から外に向かって登っている。
【0107】
図18および図19に示されるように、ロックプレート95は、ブレード85の非作動位置側に設けられており、ワイパー15が非作動位置に向かうときにブレード85より先に非作動位置へ達する。ロックプレート95はブレード85よりも短い。すなわち、ロックプレート95の先端が、ブレード85の先端よりも、拭取対象の窓から遠くにある。したがって、ワイパー15が拭取面(窓表面)上に位置するときは、ブレード先端の拭取部が拭取面に接触し、ロックプレート94と拭取面の間には隙間ができる。ロックプレート95は本発明の浮上脚部に相当する。
【0108】
図19は、傾斜面97の角度と、ブレード84(拭取部)の先端と、ロックプレート95(浮上脚部)の先端との位置関係を示している。図19において、ラインLは、ブレード84の先端とロックプレート95の先端を結ぶ線である。角度αは、ラインLが拭取面となす角度である。角度βは、拭取面に対する傾斜面97の傾斜角である。角度αよりも角度βが大きく設定されている。したがって、図示のように、ワイパー15が非作動位置にあるときは、ロックプレート95の先端が傾斜面97に当たり、ブレード84の先端は傾斜面97から浮き上がる。
【0109】
次に、上記の構成によるワイパー動作を説明する。ワイパー装置が動作を終了するときは、ワイパー15が非作動位置で停止するようにモータ43の回動が制御される。このとき、ワイパー15は、図18に矢印で示されるように、窓部材13の表面に沿って窓端部に進み、非作動位置に達する。
【0110】
このとき、ロックプレート95の先端が、ブレード84の先端よりも先行して進み、傾斜面97に接触し、傾斜面97を登る。ここで、図19に説明したようにロックプレート95の先端位置と傾斜面97が設定されており、ブレード先端とプレート先端を結ぶ線の角度よりも、傾斜面97の傾斜角が大きい。したがって、ワイパー15が非作動位置まで回動するとき、ロックプレート95の先端が傾斜面97との接触を保ち、傾斜面97を登っていく。ロックプレート95がワイパーフレーム83とブレード85を支える脚として機能し、ブレード85が窓表面から離れて浮き上がる。
【0111】
ワイパー15が非作動位置で停止すると、ブレード85の浮上り状態が維持される。ワイパー15が次に作動するまではこの浮上状態が維持される。次にワイパー装置のスイッチが入れられ、あるいは、雨滴が検出されると、ワイパー装置が再び作動する。このとき、ワイパー15が窓縁部の非作動位置から窓部分へ向かって進み、ロックプレート95は傾斜面97を降る。そして、ブレード85が再び窓部材13に接触し、窓表面に沿って走行していく。
【0112】
以上に本発明の第1の実施の形態に係るワイパー装置について説明した。本実施の形態によれば、複数のワイパー15が、部分的に拭取範囲が重なるように配置され、重複拭取範囲で衝突しないように回動する。複数のワイパー15が拭取範囲を分担するので、必要範囲の周囲の余分な拭取範囲を削減でき、ワイパー装置を小型化できる。
【0113】
上記の例では、2本のワイパーが小さい扇形を描き、これらが重なって拭取範囲を形成する。したがって、1本のワイパーが大きな扇形を描く場合よりも、余分な拭取範囲を狭くできる。また、2本のワイパーの拭取範囲が重複しているので、拭取範囲の隙間が無く、拭残しも生じない。こうして、必要範囲を拭き取りつつ、ワイパー装置を小型化できる。
【0114】
さらに、本実施の形態では、ワイパー装置をハウジング(ケース)の枠内に収容できるので、ハウジングのサイズも小さくできる。本実施の形態の場合は、カメラケースを小さくできる。さらに、本実施の形態では、複数のワイパー15が1つの駆動源で駆動されるので、消費電力を低減できる。
【0115】
また、本実施の形態によれば、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bへの回動伝達機構に欠歯機構が設けられている。第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bの回動期間を駆動源の駆動期間の一部に制限して間欠動作を行わせることができ、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bの回動期間をずらすことができる。これにより、両ワイパーが重複拭取範囲を拭き取る時期に時間差を設けて、重複拭取範囲で衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0116】
また、本実施の形態によれば、第1ワイパー15aの回動期間は、駆動源の復路期間の途中から復路終端(往路開始端)を過ぎて往路期間の途中までの期間である。第2ワイパー15bの回動期間は、駆動源の往路期間の途中から往路終端(復路開始端)を過ぎて復路期間の途中までの期間である。こうして、両ワイパーの回動期間をずらすことができ、重複拭取範囲で衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0117】
また、本実施の形態によれば、第1噛合復活機構は、第2欠歯ギア37が非噛合状態になるときに第1欠歯ギア35の噛合状態を復活させるように構成されている。また、第2噛合復活機構は、第1欠歯ギア35が非噛合状態になるときに第2欠歯ギア37の噛合状態を復活させるように構成されている。したがって、両ワイパーの回動期間を確実にずらすことができ、重複拭取範囲で衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0118】
また、本実施の形態によれば、中空ギア31に第1欠歯ギア35および第2欠歯ギア37が噛み合わされる。中空ギア31は、窓の必要範囲を覆わないように設けられ、かつ、大きな形状を有し、しかも大きなスペースをとらない。これにより、第1欠歯ギア35および第2欠歯ギア37に駆動力を伝達する構成のスペースを小さくできる。上記の例では、2つのワイパー15の支点が窓の対角線状の両コーナーにあり、離れている。そのために、第1欠歯ギア35と第2欠歯ギア37も離れている。それにも拘わらず、中空ギア31を用いたことにより、伝達機構のスペースを小さくできている。このようにして、本実施の形態によれば、伝達機構を小型化でき、ワイパー装置を小型化できる。そして、ワイパー装置をハウジング内に納めることにより、ハウジングを小型化できる。
【0119】
また、本実施の形態によれば、ハウジングがカメラを収納する。中空ギア31は、窓部を通した撮影に要求される大きさ以上の開口を有する。したがって、カメラの撮影範囲を損ねることなくワイパー装置を小型化でき、カメラケースを小型化できる。
【0120】
また、本実施の形態によれば、第1噛合復活機構および第2噛合復活機構が、中空ギア31、第1欠歯ギア35および第2欠歯ギア37に簡単な構成で設けられ、これら機構を小型化でき、ワイパー装置を小型化できる。
【0121】
また、本実施の形態によれば、駆動源の駆動範囲の終端が検出され、検出結果に応じて駆動源を往復動作させることができる。回動終端検出手段を中空ギア31に設けたので、小さなスペースで検出機能が得られる。上述の例では、ワイパー装置が四角形のカメラハウジングに備えられている。そして、検出手段がカメラハウジングと中空ギア31の間のコーナー部分に納められている。これにより、スペースを節約でき、カメラハウジングを小型化できる。
【0122】
また、本実施の形態によれば、揺動可能なスイッチレバー61とそれに押されるスイッチを用いて、中空ギア31の回動位置が検出され、反転位置が検出される。このような構成により、中空ギア31の回動角度に基づいて、往路終端および復路終端を適切に検出できる。
【0123】
また、本実施の形態によれば、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bが、ハウジングの窓部における互いに反対の両端部に設けられている。したがって、2本のワイパー15で広い拭取範囲をカバーでき、ワイパー装置を小型化できる。
【0124】
また、本実施の形態によれば、第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bが、非作動状態で窓部の左右両側に位置し、上下方向を向くように配置されている。この構成により、ワイパーへの積雪や埃の堆積量を低減できる。
【0125】
また、本実施の形態によれば、非作動状態で第1ワイパー15aおよび第2ワイパー15bを覆うサンシールド17が備えられている。この構成により、太陽光によるワイパーのゴム等の劣化を低減できる。
【0126】
また、本実施の形態によれば、ワイパー15の非作動位置にワイパー浮上機構が設けられ、非作動時にワイパーが浮上するので、ワイパーのゴム等のへたりと劣化を低減できる。
【0127】
また、本実施の形態によれば、傾斜面97と浮上脚部(上記の例ではロックプレート95)といった簡単な構成でもって、ワイパー15を浮上させて、ワイパー15のゴム等のへたりと劣化を低減できる。
【0128】
また、本実施の形態によれば、ワイパー機構が窓ユニットに設けられ、窓ユニットがハウジングに設けられる。窓、駆動源、ワイパー、動作メカニズムがユニット化されて、ユニットとしての性能保証が可能となり、この点でも有利である。
【0129】
上記の実施の形態においては、駆動源がモータであった。しかし、本発明の範囲内で、駆動源がモータ以外の構成でもよい。例えば、駆動源が直線運動を行うアクチュエータでもよく、この直線運動が回転運動に変換されてよい。
【0130】
また、歯車機構は装置の他の構成に合わせて適当に変形可能である。歯車が追加されてもよい。第1欠歯ギア35と第1ワイパーギア39の間に歯車が追加されたり、第2欠歯ギア37と第2ワイパーギア41の間に歯車が追加されてもよい。また、反対に歯車が減らされてもよい。例えば、第1欠歯ギア35にワイパー15が直接取り付けられて、第1ワイパーギア39が廃止されてもよい。この場合、歯車配置やモータ回動範囲なども適当に変更されることが望ましい。第2欠歯ギア37についても同様である。また、歯車以外の動力伝達機構が一部に設けられてもよい。
【0131】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態でも、複数のワイパーが、部分的に拭取範囲が重複するように配置され、そして、時間差を付けて重複拭取範囲を拭き取り、これによりワイパー装置が小型化する。ただし、本実施の形態では、伝達機構が間欠動作を行わない。その代わりに、ワイパーの配置の工夫によって、重複範囲の拭取りに時間差が設けられる。ワイパー配置としては、支点位置と設置角が適当に設定される。
【0132】
本実施の形態においても、窓の前面側を前方と呼び、ハウジング側を後方と呼ぶ。また、上下左右は前方から見たときの方向であり、また、回転方向(時計方向および半時計方向)は前方から見たときの方向である。
【0133】
図20は、ワイパー装置が備えられたカメラ装置の斜視図である。図21は、カメラ装置を2つの方向から見た図であり、図22は、図21の線BBでカメラ装置を切断した断面図である。図示のように、カメラ装置101は、ハウジング102を備え、ハウジング102にカメラ103が収容されている。ハウジング102の前側には窓ユニット105が取り付けられており、窓ユニット105にワイパー装置が備えられている。
【0134】
図23は、ワイパー装置とともに窓ユニット105を2つの方向から見た斜視図であり、図24は窓ユニット105を3方向から見た図である。また、図25はワイパー装置の分解斜視図であり、図26は、図24(c)の線CCでワイパー装置を切断した断面図である。図26では歯車が模式化されている。
【0135】
図示のように、窓ユニット105は、フレーム型のベース(本体)107を備え、ベース107に窓部材109が嵌め込まれている。窓部材109はガラス板である。窓部材109の前側に第1ワイパー111aおよび第2ワイパー111bが取り付けられている。以下の説明では、第1ワイパー111aおよび第2ワイパー111bを総称するときは、ワイパー111という。
【0136】
図24(a)の正面図は、非作動状態におけるワイパー配置を示している。図示のように、第1ワイパー111aの回動支点は、窓の右上のコーナー付近に設定されている。そして、非作動位置では、第1ワイパー111aは水平であり、ワイパー先端が左を向いている。また、第2ワイパー111bの回動支点は、窓の右下のコーナー付近に設定されている。非作動位置では、第2ワイパー111bは垂直であり、ワイパー先端が上を向いている。
【0137】
第1ワイパー111aおよび第2ワイパー111bは、後述する駆動機構によって往復回動し、揺動する。回動範囲は90度である。
【0138】
図24(a)には、必要範囲Xが2点鎖線で示されている。必要範囲Xは、カメラ103の撮影に必要な窓の範囲である。必要範囲Xは、カメラの画角に応じて決まる。必要範囲Xは長方形である。
【0139】
また、図24(a)において、第1拭取範囲Yは、第1ワイパー111aの拭取範囲であり、第2拭取範囲Zは、第2ワイパー111bの拭取範囲であり、これらの拭取範囲は略扇形であり、扇型の中心角が90度である。第1拭取範囲Yと第2拭取範囲Zが合わさって、ワイパー装置全体の拭取範囲になる。
【0140】
図示のように、第1拭取範囲Xと第2拭取範囲Yは、円弧の縁部分で部分的に重複しており、重複拭取範囲Dが形成されている。拭取範囲を重複させたので、2つの拭取範囲が隙間無く重なり、必要範囲Xが確実にカバーされる。しかも、1本のワイパーの大きな拭取範囲ではなく、2本のワイパーの小さな拭取範囲が必要範囲Xをカバーしている。これにより、必要範囲Xの外側の余分な拭取範囲が小さくなっている。
【0141】
また、図示のように、第1ワイパー111aと第2ワイパー111bでは、重複拭取範囲Dまでの距離が異なる。図24(a)の非作動位置では、第1ワイパー111aから重複拭取範囲Dまでの回動角(距離)が、第2ワイパー111bから重複拭取範囲Dまでの回動角(距離)よりも小さい。
【0142】
図24(a)の非作動位置は、モータ回動範囲の一端である。モータ回動範囲の他端では、両ワイパー111が90度回動する。このときは、両ワイパーは、各々の拭取範囲の反対側に位置する。そして、このときは、図示のように、第2ワイパー111bから重複拭取範囲Dまでの回動角(距離)が、第1ワイパー111aから重複拭取範囲Dまでの回動角(距離)よりも小さい。
【0143】
次に、図25および図26を参照し、ワイパー111の駆動機構を説明する。駆動機構は、モータ113と、モータ113の回転をワイパー111に伝達する歯車機構115で構成される。歯車機構115は本発明の伝達機構であり、ベース107とその背後の板状のサブベース117の間に設けられている。モータ113は、サブベース117の後側に取り付けられている。
【0144】
歯車機構115は、中空ギア121と、その両側のワイパーギア123および逆転用ギア125と、逆転用ギア125に噛み合うモータギア127とで構成されている。
【0145】
中空ギア121は、環状のリングギアであり、ベース107の略中央であって、カメラレンズの前に配置されており、カメラの撮影を妨害しないサイズの開口を有している。より詳細には、ベース107およびサブベース117にはレンズのための円形開口が設けられており、円形開口の縁部に円筒状のカラーが配置されており、カラーの外側に中空ギア121が嵌っている。
【0146】
ワイパーギア123は、窓ユニットの右上コーナー付近に配置されており、中空ギア121と噛み合っている。ワイパーギア123の中心軸上に、第1ワイパー111aの回動支点軸が固定されている。第1ワイパー111aの支点軸がベース107を貫通しており、貫通部分にワイパーギア123が固定されている。
【0147】
モータギア127は、窓ユニットの左下コーナー付近に配置されており、逆転用ギア125と噛み合っており、逆転用ギア125が中空ギア121と噛み合っている。モータギア127はモータ113の回転軸に取り付けられている。モータ113はサブベース117の後側に位置している。モータ回転軸がサブベース117を貫通して前方に延び、モータギア127に固定されている。
【0148】
また、モータ113およびモータギア127の中心軸上に第2ワイパー111bの回動支点軸が固定されている。第2ワイパー111bの支点軸がベース107を貫通しており、貫通部分にモータギア127が固定されている。モータギア127の歯数は、ワイパーギア123の歯数と同じである。
【0149】
以上に、本実施の形態におけるワイパー装置の構成を説明した。本実施の形態に適用可能なその他の構成を説明する。上記の説明では言及しなかったが、第1の実施の形態と同様に、サンシールドがワイパー111を覆うように好適に設けられてよい。
【0150】
また、モータ回動範囲の終端を検出するために、中空ギア121の回動位置が検出されてよい。第1の実施の形態と同様に、スイッチレバーと両側のスイッチがベース107に好適に設けられる。そして、中空ギア121には、スイッチレバーの両側に位置するように突起が設けられる。
【0151】
また、制御回路と、手動スイッチ、雨滴センサも好適に設けられる。制御回路は、スイッチ操作や雨滴検出信号に応じてモータを回転させて、ワイパーを作動させる。また、制御回路は、モータ回動範囲の終端の検出信号に応じてモータ回転を反転させる。そして、スイッチ操作等に応じてモータを停止するときは、終端検出信号に基づいて、ワイパーを非作動位置に停止させる。
【0152】
また、本実施の形態でも、ワイパーに浮上脚部が設けられ、ベース107に傾斜面が設けられ、これによりワイパー浮上機構が設けられてよい。
【0153】
次に、ワイパー装置の動作を説明する。本実施の形態では、ワイパー装置が作動している間は、モータ113が90度の回動範囲で往復回動する。
【0154】
ワイパー装置が作動を開始すると、モータ113が時計方向に往路を回動する。モータ113の回動が伝達され、第1ワイパー111aおよび第2ワイパー111bが同時に回動を開始し、往路動作を行う。このとき第2ワイパー111bは、モータ回動軸に直結されているので、モータ113と共に時計方向に回動する。一方、第1ワイパー111aには、モータギア127、逆転用ギア125、中空ギア121およびワイパーギア123を介して、モータ回転が伝達される。これにより、第1ワイパー111aは反時計方向に、すなわち、第2ワイパー111bと反対に回動する。第1ワイパー111aと第2ワイパー111bの歯数が同じなので、両ワイパー111a、111bの回動角は同じである。
【0155】
ここで、前述したように、本実施の形態ではワイパー配置が図24(a)の通りに設定されている。第1ワイパー111aおよび第2ワイパー111bが非作動位置にあるときは、第1ワイパー111aから重複拭取範囲Dまでの回動角(距離)が、第2ワイパー111bから重複拭取範囲Dまでの回動角(距離)よりも小さい。したがって、両ワイパー111a、111bが回動を開始すると、第1ワイパー111aが第2ワイパー111bより先に重複拭取範囲Dを拭き取る。第1ワイパー111aを追いかけるようにして第2ワイパー111bが重複拭取範囲Dを拭き取る。
【0156】
モータ113が90度回動すると、両ワイパー111a、111bも90度回動する。そして、第1ワイパー111aは縦になり、ワイパー先端が下向きになる。第2ワイパー111bは水平になり、ワイパー先端が右を向く。
【0157】
モータ113は、90度回動すると、反転し、復路を回動する。これにより、両ワイパー111の回動も反転する。したがって、第1ワイパー111aが時計方向に回動し、第2ワイパー111bが反時計方向に回動し、復路動作を行う。ここでも両ワイパー111の回動方向が逆である。
【0158】
図24(a)に示されるように、復路では、両ワイパー111a、111bと重複拭取範囲Dの位置関係が逆になる。すなわち、第2ワイパー111bから重複拭取範囲Dまでの回動角(距離)が、第1ワイパー111aから重複拭取範囲Dまでの回動角(距離)よりも小さい。したがって、第2ワイパー111bが第1ワイパー111aより先に重複拭取範囲Dを拭き取る。第2ワイパー111bを追いかけるようにして第1ワイパー111aが重複拭取範囲Dを拭き取る。
【0159】
モータ113は、90度回動すると再び反転する。こうして、ワイパー111a、111bが揺動を繰り返し続ける。重複拭取範囲Dを見ると、往路では、第1ワイパー111aを第2ワイパー111bが追いかける。復路では、第2ワイパー111bを第1ワイパー111aが追いかける。この動作が繰り返されるので、第1ワイパー111a、第2ワイパー111bは衝突することなく揺動し続ける。
【0160】
ワイパー装置が停止するときは、モータ113が回動して、第1ワイパー111aおよび第2ワイパー111bを図24(a)の非作動位置に戻す。両ワイパー111が非作動位置に戻ると、モータ113が停止して、ワイパー装置の作動が終了する。
【0161】
以上に本発明の第2の実施の形態に係るワイパー装置について説明した。本実施の形態によれば、複数のワイパー111が、部分的に拭取範囲が重なるように配置され、重複拭取範囲で衝突しないように回動する。複数のワイパー111が拭取範囲を分担するので、必要範囲の周囲の余分な拭取範囲を削減でき、ワイパー装置を小型化できる。
【0162】
さらに、本実施の形態では、ワイパー装置をハウジング(ケース)の枠内に収容できるので、ハウジングのサイズも小さくできる。さらに、本実施の形態では、複数のワイパー111が1つのモータ113で駆動されるので、消費電力を低減できる。
【0163】
また、本実施の形態では、第1ワイパー111aおよび第2ワイパー111bの回動支点位置と設置角度が、重複拭取範囲Dへの第1ワイパー111aと第2ワイパー111bの到達時間に時間差を生じるように設定されている。これにより、両ワイパー111が重複拭取範囲Dを拭き取る時期に時間差を設けて、重複拭取範囲Dで衝突することのないように両ワイパー111を回動できる。
【0164】
また、本実施の形態では、第1ワイパー111aおよび第2ワイパー111bは、往路開始端および復路開始端において第1ワイパー111aと第2ワイパー111bとで重複拭取範囲Dまでの回動角が異なるように配置されている。したがって、両ワイパー111が重複拭取範囲Dを拭き取る時期に時間差を設けて、重複拭取範囲Dで衝突することのないように両ワイパーを回動できる。
【0165】
第2の実施の形態の構成は、第1の実施の形態の構成よりも歯車機構が簡単な点で有利である。その一方、第1の実施の形態は、非作動状態の2本のワイパーが垂直なので、積雪等を低減する上では有利である。また、サンシールドを設けたり、ハウジングを小型化する場合、第1の実施の形態の方が有利であると考えられる。
【0166】
その他、本実施の形態においても、駆動源はモータに限定されず、モータ以外の構成でもよい。また、歯車機構は適当に変形可能であり、さらに、歯車以外の動力伝達機構が一部に用いられてもよい。
【0167】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明した。しかし、本発明は上述の実施の形態に限定されず、当業者が本発明の範囲内で上述の実施の形態を変形可能なことはもちろんである。
【産業上の利用可能性】
【0168】
以上のように、本発明にかかるワイパー相違は、小型化できるという効果を有し、屋外監視カメラ装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0169】
【図1】本発明の第1の実施の形態におけるワイパー装置を斜め前方から見た分解斜視図
【図2】本発明の第1の実施の形態におけるワイパー装置を斜め後方から見た分解斜視図
【図3】(a)ワイパー装置を備えた窓ユニットの正面図 (b)ワイパー装置を備えた窓ユニットの側面図 (c)ワイパー装置を備えた窓ユニットの平面図
【図4】(a)ワイパー装置を斜め前方から見た斜視図 (b)ワイパー装置を斜め後方から見た斜視図
【図5】ワイパー装置の断面図
【図6】ワイパー装置を備えたカメラ装置全体の斜視図
【図7】ワイパー装置を備えたカメラ装置全体の分解斜視図
【図8】欠歯機構の間欠動作機能を示す図
【図9】欠歯ギアと中空ギアに設けられた噛合復活機構を示す断面図
【図10】モータ回動範囲の終端を検出する機構を示す図
【図11】モータ回動範囲の終端を検出する機構を示す図
【図12】ワイパー装置を制御する構成のブロック図
【図13】ワイパー装置の動作を示す図
【図14】ワイパー装置の動作を示す図
【図15】(a)ワイパーを一の方向から見た斜視図 (b)ワイパーを別の方向から見た斜視図
【図16】ワイパーの分解斜視図
【図17】非作動位置のワイパーをサンシールドを通して見た斜視図
【図18】ワイパー装置の断面図
【図19】ブレード先端、ロックプレート先端および傾斜面の関係を示す図
【図20】本発明の第2の実施の形態におけるワイパー装置が備えられたカメラ装置の斜視図
【図21】(a)カメラ装置の正面図 (b)カメラ装置の平面図
【図22】カメラ装置の断面図
【図23】(a)ワイパー装置とともに窓ユニットを斜め前から見た斜視図 (b)ワイパー装置とともに窓ユニットを斜め後から見た斜視図
【図24】(a)窓ユニットの正面図 (b)窓ユニットの平面図 (c)窓ユニットの側面図
【図25】ワイパー装置の分解斜視図
【図26】ワイパー装置の断面図
【符号の説明】
【0170】
1 カメラ装置
3 カメラユニット
5 ハウジング
7 カメラ
9 窓ユニット
11 ベース
13 窓部材
15 ワイパー
15a 第1ワイパー
15b 第2ワイパー
17 サンシールド
25 歯車機構
31 中空ギア
33 モータギア
35 第1欠歯ギア
37 第2欠歯ギア
39 第1ワイパーギア
41 第2ワイパーギア
43 モータ
51a、51b 歯欠部分
53a 第1蹴飛部
53b 第2蹴飛部
55a 第1被蹴飛部
55b 第2被蹴飛部
61 スイッチレバー
63 第1終端スイッチ
65 第2終端スイッチ
67 第1押圧部
69 第2押圧部
81 ワイパーアーム
85 ワイパーブレード
93 ロックばね
95 ロックプレート
97 傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
拭取範囲が部分的に重なるように配置された複数のワイパーと、前記複数のワイパーを回動させるための駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記複数のワイパーに伝達する伝達機構とを備え、前記複数のワイパーによる重複拭取範囲の拭取りに時間差が設けられていることを特徴とするワイパー装置。
【請求項2】
前記複数のワイパーは、前記重複拭取範囲で拭き取り範囲が重なるように配置された第1ワイパーおよび第2ワイパーを含み、
前記伝達機構は、
前記第1ワイパーに前記駆動源の駆動力を伝達するように設けられ、歯欠部分を有し、前記歯欠部分で非噛合状態になる第1欠歯ギアと、
前記第2ワイパーに前記駆動源の駆動力を伝達するように設けられ、歯欠部分を有し、前記歯欠部分で非噛合状態になる第2欠歯ギアと、
前記非噛合状態にある前記第1欠歯ギアの噛合状態を復活させる第1噛合復活機構と、
前記非噛合状態にある前記第2欠歯ギアの噛合状態を復活させる第2噛合復活機構と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のワイパー装置。
【請求項3】
前記第1欠歯ギアは、前記駆動源が所定の往路方向に回動する途中で前記歯欠部分で非噛合状態になり、
前記第2欠歯ギアは、前記駆動源が前記往路方向と反対の復路方向に回動する途中で前記歯欠部分で非噛合状態になり、
第1噛合復活機構は、前記駆動源が前記復路方向に回動する途中で前記非噛合状態にある前記第1欠歯ギアの噛合状態を復活させ、
第2噛合復活機構は、前記駆動源が前記往路方向に回動する途中で、前記非噛合状態にある前記第2欠歯ギアの噛合状態を復活させることを特徴とする請求項2に記載のワイパー装置。
【請求項4】
前記第1噛合復活機構は、前記第2欠歯ギアが前記非噛合状態になるときに前記第1欠歯ギアの前記噛合状態を復活させるように設けられ、前記第2噛合復活機構は、前記第1欠歯ギアが前記非噛合状態になるときに前記第2欠歯ギアの前記噛合状態を復活させるように設けられたことを特徴とする請求項3に記載のワイパー装置。
【請求項5】
前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーはハウジングの窓部に設けられ、
前記ハウジングに収納された機器が前記窓部を利用するのに要求される範囲以上の開口を持つ中空ギアを備え、前記中空ギアが前記第1欠歯ギアおよび前記第2欠歯ギアと噛み合い、前記駆動源の駆動力を前記第1欠歯ギアおよび前記第2欠歯ギアに伝達することを特徴とする請求項2ないし4のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項6】
前記ハウジングに収納された機器がカメラであり、前記中空ギアが、前記窓部を通した撮影に要求される大きさ以上の開口を有することを特徴とする請求項5に記載のワイパー装置。
【請求項7】
前記第1噛合復活機構は、
前記第1欠歯ギアに設けられた第1被蹴飛部と、
前記中空ギアに設けられ、前記第1欠歯ギアの噛合復活時期に前記第1被蹴飛部に当たって前記第1欠歯ギアを回動させる第1蹴飛部とを有し、
前記第2噛合復活機構は、
前記第2欠歯ギアに設けられた第2被蹴飛部と、
前記中空ギアに設けられ、前記第2欠歯ギアの噛合復活時期に前記第2被蹴飛部に当たって前記第2欠歯ギアを回動させる第2蹴飛部とを有することを特徴とする請求項5または6に記載のワイパー装置。
【請求項8】
前記駆動源の往復駆動範囲の往路終端および復路終端に対応した回動位置に前記中空ギアが達したことを検出する回動終端検出手段を備えたことを特徴とする請求項5ないし7のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項9】
前記回動終端検出手段は、揺動可能に設けられたスイッチレバーと、前記スイッチレバーの両側の揺動方向にそれぞれ設けられた第1終端スイッチおよび第2終端スイッチと、前記中空ギアに設けられた第1押圧部および第2押圧部を含み、前記第1押圧部および前記第2押圧部は、それぞれ、前記駆動源が前記往路終端および前記復路終端に達したときに前記スイッチレバーを前記第1終端スイッチおよび前記第2終端スイッチに押圧することを特徴とする請求項8に記載のワイパー装置。
【請求項10】
前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーは、ハウジングの窓部における互いに反対の両端部に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項11】
前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーは、非作動状態で前記窓部の両側に位置し、上下方向を向くように配置されていることを特徴とする請求項10に記載のワイパー装置。
【請求項12】
前記非作動状態で前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーを覆うサンシールドを備えたことを特徴とする請求項11に記載のワイパー装置。
【請求項13】
前記複数のワイパーは、前記重複拭取範囲で拭き取り範囲が重なるように配置された第1ワイパーおよび第2ワイパーを含み、
前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーの回動支点位置と設置角度が、前記重複拭取範囲への前記第1ワイパーと前記第2ワイパーの到達時間に時間差を生じるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のワイパー装置。
【請求項14】
前記伝達機構は、前記第1ワイパーと前記第2ワイパーを反対方向に回動するように構成され、
前記第1ワイパーおよび前記第2ワイパーは、往路開始端および復路開始端において前記第1ワイパーと前記第2ワイパーとで前記重複拭取範囲までの回動角が異なるように配置されていることを特徴とする請求項13に記載のワイパー装置。
【請求項15】
前記複数のワイパーの少なくとも一つのワイパーが非作動位置に達したときに前記ワイパーの拭取部を浮上させるワイパー浮上機構を備えたことを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のワイパー装置。
【請求項16】
前記ワイパー浮上機構は、
前記非作動位置に設けられた傾斜面と、
前記少なくとも一つのワイパーに設けられ、前記拭取部に隣接し、前記拭取部よりも短い浮上脚部を含み、
前記少なくとも一つのワイパーが前記拭取範囲から前記非作動位置に到達するときに前記浮上脚部が前記傾斜面に接して前記拭取部を浮上させるように前記傾斜面および前記浮上脚部が設けられていることを特徴とする請求項15に記載のワイパー装置。
【請求項17】
前記拭取部の先端と前記浮上脚部の先端を結ぶ線が拭取面に対して成す角度よりも前記傾斜面の前記拭取面に対する傾斜角が大きく設定されていることを特徴とする請求項16に記載のワイパー装置。
【請求項18】
前記複数のワイパー、前記駆動源および伝達機構が、機器を収容するハウジングに取り付けられる窓ユニットに備えられていることを特徴とする請求項1に記載のワイパー装置。
【請求項19】
カメラと、前記カメラを収納するハウジングと、前記ハウジングに設けられワイパー機構が設けられた窓ユニットを備え、前記窓ユニットは、拭取範囲が重なるように配置された複数のワイパーと、前記複数のワイパーを回動させるための駆動源と、前記駆動源の駆動力を前記複数のワイパーに伝達する伝達機構とを備え、前記複数のワイパーによる重複拭取範囲の拭取りに時間差が設けられていることを特徴とするカメラ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2007−145064(P2007−145064A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−338646(P2005−338646)
【出願日】平成17年11月24日(2005.11.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】