説明

ワイパ装置、及びワイパ制御方法

【課題】ドライバが駆動を必要とするワイパのみ駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置を提供する。
【解決手段】自動的にワイパを駆動するワイパ装置であって、ドライバの顔を撮像する顔撮像部と、顔撮像部が撮像した顔画像からドライバの視認方向を検出する視認方向検出部と、降雨であることを検出する降雨検出部と、降雨検出部が降雨であることを検出したとき、視認方向検出部が検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動するワイパ駆動制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイパ装置、及びワイパ制御方法に関し、より特定的には、ドライバが駆動を必要とするワイパのみ駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動的にワイパを駆動するワイパ装置として、雨滴センサが降雨を検出したときに、フロントワイパ、及びリヤワイパの双方を自動的に駆動する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平4−189650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術では、降雨時、ドライバが例えば車両前方を視認しているとき、フロントワイパのみ駆動すればよいにも関わらず、リヤワイパも自動的に駆動されるため、不必要にリヤワイパを駆動してしまい、電力を無駄に消費してしまう。
【0004】
同様に、降雨時、ドライバが例えば車両後方を視認しているとき、リヤワイパのみ駆動すればよいにも関わらず、フロントワイパも自動的に駆動されるため、不必要にフロントワイパを駆動してしまい、電力を無駄に消費してしまう。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされた。すなわち、ドライバが駆動を必要とするワイパのみ駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の局面は、自動的にワイパを駆動するワイパ装置に向けられている。本発明は、ドライバの顔を撮像する顔撮像部と、顔撮像部が撮像した顔画像からドライバの視認方向を検出する視認方向検出部と、降雨であることを検出する降雨検出部と、降雨検出部が降雨であることを検出したとき、視認方向検出部が検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動するワイパ駆動制御部とを備える。
【0007】
これにより、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置を提供することができる。
【0008】
また、視認方向検出部は、顔撮像部が撮像した顔画像から顔の向きが車両後部方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することが好ましい。
【0009】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置を提供することができる。
【0010】
また、視認方向検出部は、顔撮像部が撮像した顔画像から顔の向きがバックミラーの方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することが好ましい。
【0011】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置を提供することができる。
【0012】
また、視認方向検出部は、顔撮像部が撮像した顔画像から顔の向きがバックガイドモニタの方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することが好ましい。
【0013】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置を提供することができる。
【0014】
また、シフトポジションを検出するシフトポジション検出部を更に備え、ワイパ駆動制御部は、シフトポジション検出部が検出したシフトポジションに対応する車両の進行方向と視認方向検出部が検出したドライバの視認方向とが一致したときに、当該一致した方向のワイパのみ自動的に駆動することが好ましい。
【0015】
これにより、車両の進行方向とドライバの視認方向とが一致する方向のワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置を提供することができる。
【0016】
また、ウォッシャ液を噴出するウォッシャ噴出部を更に備え、ウォッシャ噴出部は、ワイパ駆動制御部が駆動するワイパに同期してウォッシャ液を噴出することが好ましい。
【0017】
これにより、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするワイパに同期してウォッシャ液を噴出することで、ドライバの視界をより良好にすることができるワイパ装置を提供することができる。
【0018】
また、降雨検出部は、車両前方のワイパが駆動しているときに、降雨であることを検出し、ワイパ駆動制御部は、視認方向検出部が検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動することが好ましい。
【0019】
これにより、フロントワイパが駆動していることから降雨であると検出でき、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置を提供することができる。
【0020】
本発明の第2の局面は、自動的にワイパを駆動するワイパ制御方法に向けられている。本発明は、ドライバの顔を撮像する顔撮像ステップと、顔撮像ステップで撮像した顔画像からドライバの視認方向を検出する視認方向検出ステップと、降雨であることを検出する降雨検出ステップと、降雨検出ステップで降雨であることを検出したとき、視認方向検出ステップで検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動するワイパ駆動制御ステップとを備える。
【0021】
これにより、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ制御方法を提供することができる。
【0022】
また、視認方向検出ステップでは、顔撮像ステップで撮像した顔画像から顔の向きが車両後部方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することが好ましい。
【0023】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ制御方法を提供することができる。
【0024】
また、視認方向検出ステップでは、顔撮像ステップで撮像した顔画像から顔の向きがバックミラーの方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することが好ましい。
【0025】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ制御方法を提供することができる。
【0026】
また、視認方向検出ステップでは、顔撮像ステップで撮像した顔画像から顔の向きがバックガイドモニタの方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することが好ましい。
【0027】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ制御方法を提供することができる。
【0028】
また、シフトポジションを検出するシフトポジション検出ステップを更に備え、ワイパ駆動制御ステップでは、シフトポジション検出ステップで検出したシフトポジションに対応する車両の進行方向と視認方向検出ステップで検出したドライバの視認方向とが一致したときに、当該一致した方向のワイパのみ自動的に駆動することが好ましい。
【0029】
これにより、車両の進行方向とドライバの視認方向と一致する方向のワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ制御方法を提供することができる。
【0030】
また、ウォッシャ液を噴出するウォッシャ噴出ステップを更に備え、ウォッシャ噴出ステップでは、ワイパ駆動制御ステップで駆動するワイパに同期してウォッシャ液を噴出することが好ましい。
【0031】
これにより、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするワイパに同期してウォッシャ液を噴出することで、ドライバの視界をより良好にすることができるワイパ制御方法を提供することができる。
【0032】
また、降雨検出ステップでは、車両前方のワイパが駆動しているときに、降雨であることを検出し、ワイパ駆動制御ステップでは、視認方向検出ステップで検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動することが好ましい。
【0033】
これにより、フロントワイパが駆動していることから降雨であると検出でき、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ制御方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0034】
以上説明したように、本発明の各局面によれば、ドライバが駆動を必要とするワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置について図面に従って詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置100の全体構成を示すブロック図である。図1において、ワイパ装置100は、顔撮像部110、視認方向検出部120、降雨検出部130、ワイパ駆動部140、及びワイパ駆動制御部150を備える。
【0037】
顔撮像部110は、図2に示すように、車両のハンドル奥に設置される、ドライバモニタカメラである。このドライバモニタカメラは、近赤外線CCDカメラであり、カメラ内部に近赤外線LEDを内蔵し、昼夜を問わずドライバの顔画像を撮像できる。
【0038】
視認方向検出部120は、顔撮像部110が撮像した顔画像から顔幅、目の位置、口の位置に基づき、ドライバの顔の向きを検出することによって、ドライバの視認方向を検出する。
【0039】
降雨検出部130は、降雨状態であることを検出する、例えば雨滴センサである。雨滴センサは赤外線をフロントガラスに向けて照射して、フロントガラスにて反射された赤外線の受光量を検出する。雨滴センサにて検出した赤外線の受光量によって雨滴量を算出し、算出した雨滴量が閾値を越えると降雨状態であることを検出する。
【0040】
ワイパ駆動部140は、車両のワイパを駆動する。ワイパ駆動制御部150は、降雨検出部130が降雨であることを検出したとき、視認方向検出部120が検出した視認方向のワイパのみ自動的に駆動する、ワイパECUである。
【0041】
以下、本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置100の動作について図3のフロー図に従って説明する。
【0042】
まず、ワイパ駆動制御部150は、降雨検出部130が降雨を検出したか否かを判定する(ステップS301)。
【0043】
ステップS301において、降雨を検出しなかったと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は待機する。一方、降雨を検出したと判定された場合、顔撮像部110は、ドライバの顔画像を撮像する(ステップS302)。
【0044】
次に、ワイパ駆動制御部150は、ドライバの顔の向きが車両後部方向であり、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを視認方向検出部120が検出したか否かを判定する(ステップS303)。
【0045】
ステップS303において、ドライバの顔の向きが車両後部方向であり、ドライバの視認方向が車両後部方向であることが検出されたと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、リヤワイパのみ自動的に駆動する(ステップS303→S306)。
【0046】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0047】
一方、ステップS303において、ドライバの顔の向きが車両後部方向でないことが検出されたと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ドライバの顔の向きがバックミラーの方向であり、ドライバの視認方向が車両の後部方向であることを視認方向検出部120が検出したか否かを判定する(ステップS303→S304)。
【0048】
ステップS304において、ドライバの顔の向きがバックミラーの方向であり、ドライバが視認方向が車両後部方向であることが検出されたと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、リヤワイパのみ自動的に駆動する(ステップS304→S306)。
【0049】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0050】
一方、ステップS304において、ドライバの顔の向きがバックミラーの方向でないことが検出された判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ドライバの顔の向きがバックガイドモニタの方向であり、ドライバの視認方向が車両の後部方向であることを視認方向検出部120が検出したか否かを判定する(ステップS304→S305)。
【0051】
ステップS305において、ドライバの顔の向きがバックガイドモニタの方向であり、ドライバが視認方向が車両後部方向であることが検出されたと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、リヤワイパのみ自動的に駆動する(ステップS305→S306)。
【0052】
これにより、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出して、駆動を必要とするリヤワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0053】
一方、ステップS305において、ドライバの顔の向きがバックガイドモニタの方向でなく、ドライバの視認方向が車両前部方向であることが検出された判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、フロントワイパのみ自動的に駆動する(ステップS305→S307)。
【0054】
これにより、ドライバの視認方向が車両前部方向であることを検出して、駆動を必要とするフロントワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0055】
以上説明したように、本発明によれば、ドライバが駆動を必要とするワイパのみ駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0056】
(第2の実施形態)
以下、本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置について図面に従って詳細に説明する。なお、第1の実施の形態と同一の構成については、説明を省略する。
【0057】
図4は、本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置100の全体構成を示すブロック図である。図4において、ワイパ装置100は、顔撮像部110、視認方向検出部120、降雨検出部130、ワイパ駆動部140、ワイパ駆動制御部150、及びシフトポジション検出部160を備える。シフトポジション検出部160は、シフトポジションを検出し、車両の進行方向を検出する。
【0058】
以下、本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置100の動作について図5のフロー図に従って説明する。
【0059】
まず、ワイパ駆動制御部150は、降雨検出部130が降雨を検出したか否かを判定する(ステップS501)。
【0060】
ステップS501において、降雨を検出しなかったと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は待機する。一方、降雨を検出したと判定された場合、顔撮像部110は、ドライバの顔画像を撮像する(ステップS502)。
【0061】
次に、視認方向検出部120は、ドライバの顔の向きを検出することによって、ドライバの視認方向を検出する(ステップS503)。
【0062】
次に、シフトポジション検出部160は、シフトポジションを検出し、車両の進行方向を検出する(ステップS504)。
【0063】
次に、ワイパ駆動制御部150は、視認方向検出部120が検出したドライバの視認方向とシフトポジション検出部160が検出した車両の進行方向が一致しているか否か判定する(ステップS505)。
【0064】
ステップS505において、一致していると判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、一致している方向のワイパのみ自動的に駆動する(ステップS505→S506)。一方、ステップS505において、一致していないと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は処理を終了する。
【0065】
以上説明したように、本発明によれば、車両の進行方向とドライバの視認方向とが一致する方向のワイパのみ自動的に駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0066】
(第3の実施形態)
以下、本発明の第3の実施の形態に係るワイパ装置について図面に従って詳細に説明する。なお、第1、第2の実施の形態と同一の構成については、説明を省略する。
【0067】
図6は、本発明の第3の実施の形態に係るワイパ装置100の全体構成を示すブロック図である。図6において、ワイパ装置100は、顔撮像部110、視認方向検出部120、降雨検出部130、ワイパ駆動部140、ワイパ駆動制御部150、及びウォッシャ噴出部170を備える。ウォッシャ噴出部170は、ワイパ駆動制御部150が駆動するワイパに同期してウォッシャ液を噴出する。
【0068】
以下、本発明の第3の実施の形態に係るワイパ装置100の動作について図7のフロー図に従って説明する。
【0069】
まず、ワイパ駆動制御部150は、降雨検出部130が降雨を検出したか否かを判定する(ステップS701)。
【0070】
ステップS701において、降雨を検出しなかったと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は待機する。一方、降雨を検出したと判定された場合、顔撮像部110は、ドライバの顔画像を撮像する(ステップS702)。
【0071】
次に、ワイパ駆動制御部150は、ドライバの顔の向きが車両後部方向であり、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを視認方向検出部120が検出したか否かを判定する(ステップS703)。
【0072】
ステップS703において、ドライバの顔の向きが車両後部方向であり、ドライバの視認方向が車両後部方向であることが検出されたと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、リヤワイパのみ自動的に駆動する(ステップS703→S706)。
【0073】
次に、ワイパ駆動制御部150は、ウォッシャ噴出部170に制御信号を送信し、ウォッシャ噴出部170は、ワイパ駆動制御部150が駆動するリヤワイパに同期してリヤウォッシャ液を噴出する(ステップS707)。
【0074】
これにより、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするリヤワイパに同期してリヤウォッシャ液を噴出することで、ドライバの視界をより良好にすることができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0075】
一方、ステップS703において、ドライバの顔の向きが車両後部方向でないことが検出されたと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ドライバの顔の向きがバックミラーの方向であり、ドライバの視認方向が車両の後部方向であることを視認方向検出部120が検出したか否かを判定する(ステップS703→S704)。
【0076】
ステップS704において、ドライバの顔の向きがバックミラーの方向であり、ドライバが視認方向が車両後部方向であることが検出されたと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、リヤワイパのみ自動的に駆動する(ステップS704→S706)。
【0077】
次に、ワイパ駆動制御部150は、ウォッシャ噴出部170に制御信号を送信し、ウォッシャ噴出部170は、ワイパ駆動制御部150が駆動するリヤワイパに同期してリヤウォッシャ液を噴出する(ステップS707)。
【0078】
これにより、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするリヤワイパに同期してリヤウォッシャ液を噴出することで、ドライバの視界をより良好にすることができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0079】
一方、ステップS704において、ドライバの顔の向きがバックミラーの方向でないことが検出された判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ドライバの顔の向きがバックガイドモニタの方向であり、ドライバの視認方向が車両の後部方向であることを視認方向検出部120が検出したか否かを判定する(ステップS704→S705)。
【0080】
ステップS705において、ドライバの顔の向きがバックガイドモニタの方向であり、ドライバが視認方向が車両後部方向であることが検出されたと判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、リヤワイパのみ自動的に駆動する(ステップS705→S706)。
【0081】
次に、ワイパ駆動制御部150は、ウォッシャ噴出部170に制御信号を送信し、ウォッシャ噴出部170は、ワイパ駆動制御部150が駆動するリヤワイパに同期してリヤウォッシャ液を噴出する(ステップS707)。
【0082】
これにより、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするリヤワイパに同期してリヤウォッシャ液を噴出することで、ドライバの視界をより良好にすることができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0083】
一方、ステップS705において、ドライバの顔の向きがバックガイドモニタの方向でなく、ドライバの視認方向が車両前部方向であることが検出された判定された場合、ワイパ駆動制御部150は、ワイパ駆動部140に制御信号を送信し、フロントワイパのみ自動的に駆動する(ステップS705→S708)。
【0084】
次に、ワイパ駆動制御部150は、ウォッシャ噴出部170に制御信号を送信し、ウォッシャ噴出部170は、ワイパ駆動制御部150が駆動するフロントワイパに同期してフロントウォッシャ液を噴出する(ステップS709)。
【0085】
これにより、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするフロントワイパに同期してフロントウォッシャ液を噴出することで、ドライバの視界をより良好にすることができるワイパ装置、及びワイパ制御方法を提供することができる。
【0086】
以上説明したように、本発明によれば、ドライバの視認方向を検出して、駆動を必要とするワイパに同期してウォッシャ液を噴出することで、ドライバの視界をより良好にすることができるワイパ制御方法を提供することができる。
【0087】
上記実施の形態で説明した構成は、単に具体例を示すものであり、本願発明の技術的範囲を制限するものではない。本願の効果を奏する範囲において、任意の構成を採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明は、ドライバが駆動を必要とするワイパのみ駆動することで、電力を無駄に使用することなく、効率的、及び効果的にワイパを駆動することができるワイパ装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の全体構成を示すブロック図
【図2】ドライバモニタカメラの設置状態を示す斜視図
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るワイパ装置の動作を示すフロー図
【図4】本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置の全体構成を示すブロック図
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るワイパ装置の動作を示すフロー図
【図6】本発明の第3の実施の形態に係るワイパ装置の全体構成を示すブロック図
【図7】本発明の第3の実施の形態に係るワイパ装置の動作を示すフロー図
【符号の説明】
【0090】
100 ワイパ装置
110 顔撮像部
120 視認方向検出部
130 降雨検出部
140 ワイパ駆動部
150 ワイパ駆動制御部
160 シフトポジション検出部
170 ウォッシャ噴出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動的にワイパを駆動するワイパ装置であって、
ドライバの顔を撮像する顔撮像部と、
前記顔撮像部が撮像した顔画像からドライバの視認方向を検出する視認方向検出部と、
降雨であることを検出する降雨検出部と、
前記降雨検出部が降雨であることを検出したとき、前記視認方向検出部が検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動するワイパ駆動制御部とを備える、ワイパ装置。
【請求項2】
前記視認方向検出部は、前記顔撮像部が撮像した顔画像から顔の向きが車両後部方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することを特徴とする、請求項1に記載のワイパ装置。
【請求項3】
前記視認方向検出部は、前記顔撮像部が撮像した顔画像から顔の向きがバックミラーの方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することを特徴とする、請求項1に記載のワイパ装置。
【請求項4】
前記視認方向検出部は、前記顔撮像部が撮像した顔画像から顔の向きがバックガイドモニタの方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することを特徴とする、請求項1に記載のワイパ装置。
【請求項5】
シフトポジションを検出するシフトポジション検出部を更に備え、
前記ワイパ駆動制御部は、前記シフトポジション検出部が検出したシフトポジションに対応する車両の進行方向と前記視認方向検出部が検出したドライバの視認方向とが一致したときに、当該一致した方向のワイパのみ自動的に駆動することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のワイパ装置。
【請求項6】
ウォッシャ液を噴出するウォッシャ噴出部を更に備え、
前記ウォッシャ噴出部は、前記ワイパ駆動制御部が駆動するワイパに同期してウォッシャ液を噴出することを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載のワイパ装置。
【請求項7】
前記降雨検出部は、車両前方のワイパが駆動しているときに、降雨であることを検出し、ワイパ駆動制御部は、前記視認方向検出部が検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動することを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のワイパ装置。
【請求項8】
自動的にワイパを駆動するワイパ制御方法であって、
ドライバの顔を撮像する顔撮像ステップと、
前記顔撮像ステップで撮像した顔画像からドライバの視認方向を検出する視認方向検出ステップと、
降雨であることを検出する降雨検出ステップと、
前記降雨検出ステップで降雨であることを検出したとき、前記視認方向検出ステップで検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動するワイパ駆動制御ステップとを備える、ワイパ制御方法。
【請求項9】
前記視認方向検出ステップでは、前記顔撮像ステップで撮像した顔画像から顔の向きが車両後部方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することを特徴とする、請求項8に記載のワイパ制御方法。
【請求項10】
前記視認方向検出ステップでは、前記顔撮像ステップで撮像した顔画像から顔の向きがバックミラーの方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することを特徴とする、請求項8に記載のワイパ制御方法。
【請求項11】
前記視認方向検出ステップでは、前記顔撮像ステップで撮像した顔画像から顔の向きがバックガイドモニタの方向であることを検出することによって、ドライバの視認方向が車両後部方向であることを検出することを特徴とする、請求項8に記載のワイパ制御方法。
【請求項12】
シフトポジションを検出するシフトポジション検出ステップを更に備え、
前記ワイパ駆動制御ステップでは、前記シフトポジション検出ステップで検出したシフトポジションに対応する車両の進行方向と前記視認方向検出ステップで検出したドライバの視認方向とが一致したときに、当該一致した方向のワイパのみ自動的に駆動することを特徴とする、請求項8〜11のいずれかに記載のワイパ制御方法。
【請求項13】
ウォッシャ液を噴出するウォッシャ噴出ステップを更に備え、
前記ウォッシャ噴出ステップでは、前記ワイパ駆動制御ステップで駆動するワイパに同期してウォッシャ液を噴出することを特徴とする、請求項8〜12のいずれかに記載のワイパ制御方法。
【請求項14】
前記降雨検出ステップでは、車両前方のワイパが駆動しているときに、降雨であることを検出し、ワイパ駆動制御ステップでは、前記視認方向検出ステップで検出した視認方向の車両前方、又は後方のワイパのみ自動的に駆動することを特徴とする、請求項8〜13のいずれかに記載のワイパ制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−64640(P2010−64640A)
【公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−233521(P2008−233521)
【出願日】平成20年9月11日(2008.9.11)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】