説明

ワイヤレスデバイスによる診断監視

【課題】無線およびネットワーク状態を監視する。
【解決手段】診断監視モジュール220は、ワイヤレスデバイスにおいて診断インターフェースを介してモデム210から診断メッセージを受信する。モジュールは、無線ネットワークのステータスを示すネットワークステータス情報を取得するために診断メッセージを処理(たとえば、パース)する。モジュール220は、無線ネットワークとの通信を制御するために使用するネットワークステータス情報をアプリケーションに与える。モジュール220はまた、ワイヤレスデバイスの無線接続またはデータセッションまたはこれら両方のパフォーマンスを示す診断情報を取得するために診断メッセージを処理する。モジュール220は、ネットワーク監視、デバッグなどのために診断情報をネットワークサーバに送信する。報告するパラメータセットは、辞書によりコード化して送信する。

【発明の詳細な説明】
【優先権の主張】
【0001】
本出願は、参照により本明細書に組み込まれる、2007年11月19日に出願された、「MODE SWITCHING USER DEVICE」と題する米国仮出願第60/989,050号の優先権を主張する。
【技術分野】
【0002】
本開示は、一般に通信に関し、より詳細には、ワイヤレスデバイスのワイヤレス通信をサポートするための技法に関する。
【背景技術】
【0003】
ワイヤレス通信ネットワークは、ボイス、ビデオ、パケットデータ、メッセージング、ブロードキャストなどの様々な通信サービスを提供するために広く展開されている。これらのワイヤレスネットワークは、利用可能なネットワークリソースを共有することによって複数のユーザをサポートすることが可能な多元接続ネットワークとすることができる。そのような多元接続ネットワークの例には、符号分割多元接続(CDMA)ネットワーク、時分割多元接続(TDMA)ネットワーク、周波数分割多元接続(FDMA)ネットワーク、直交FDMA(OFDMA)ネットワーク、およびシングルキャリアFDMA(SC−FDMA)ネットワークがある。ワイヤレスネットワークは、無線ネットワーク、無線アクセスネットワーク、アクセスネットワークなどと呼ばれることもある。
【0004】
ワイヤレスデバイスは、所与の瞬間において、0、1つまたは複数の無線ネットワークのカバレージ内に存在することができる。ワイヤレスデバイスは、すべての利用可能な無線ネットワークの中の最も好適な無線ネットワークにアクセスすることができ、この無線ネットワークとの無線接続を確立することができる。ワイヤレスデバイスはまた、指定されたネットワークエンティティとのデータセッションを確立することができる。その後、ワイヤレスデバイスは、データセッションのための無線接続を介してデータを交換することができる。無線状態および/またはネットワーク状態は、データセッション中に変化することがあり、ワイヤレスデバイスのパフォーマンスに影響を及ぼすことがある。ワイヤレスデバイスのための良好なサービスを取得するために、無線およびネットワーク状態を効率的に監視することが望ましい。
【発明の概要】
【0005】
ワイヤレスデバイスのパフォーマンスを改善するために無線状態およびネットワーク状態を監視するための技法について本明細書で説明する。1つの設計では、ワイヤレスデバイスは、診断監視モジュールと、モデムと、アプリケーションとを含む。診断監視モジュールは、診断インターフェースを介してモデムと通信して、ワイヤレスデバイスの無線およびネットワーク状態、データパフォーマンスなどを示す診断メッセージを受信する。診断監視モジュールは、関連情報をアプリケーションに与え、アプリケーションは、情報を使用して、サービスのアクティブ化、ネットワーク選択などについての決定を行う。
【0006】
1つの設計では、診断監視モジュールは、診断インターフェースを介してモデムから診断メッセージを受信する。モジュールは、無線ネットワークのステータスを示すネットワークステータス情報を取得するために診断メッセージを処理する。モジュールは、診断メッセージをパース(parse)して、無線ネットワークの関係するパラメータを取得し、これらのパラメータに基づいてネットワークステータス情報を判断する。モジュールは、無線ネットワークとの通信を制御するために、アプリケーションが使用するネットワークステータス情報を第2のインターフェース(たとえば、API)を介してアプリケーションに与える。
【0007】
別の設計では、診断監視モジュールは、ワイヤレスデバイスの無線接続またはデータセッションまたは両方のパフォーマンスを示す診断情報を取得するために診断メッセージを処理する。モジュールは、診断メッセージをパースし、当該パラメータを抽出し、残りのパラメータを廃棄し、抽出されたパラメータをバッファに記憶する。モジュールは、バッファに記憶されたパラメータのセットを含む報告を生成し、報告をネットワークサーバに送信する。報告は、ネットワーク監視、デバッグなどのためにネットワークサーバによって使用される診断情報を含む。
【0008】
さらに別の設計では、ページングメッセージを、ワイヤレスデバイスの動作モードに応じて異なる方法でワイヤレスデバイスに送信する。ワイヤレスデバイスは、非アクティブモードで動作しているとき、ワイヤレスデバイスの第1の識別子(たとえば、モバイルディレクトリ番号(MDN:Mobile Directory Number))に基づいて送信される第1のページングメッセージを受信する。ワイヤレスデバイスは、アクティブモードで動作しているとき、ワイヤレスデバイスの第2の識別子(たとえば、インターネットプロトコル(IP)アドレス)に基づいて送信される第2のページングメッセージを受信する。IPアドレスは、MDNとワイヤレスデバイスにおけるアプリケーションのソケットとに関連する。第2のページングメッセージをアプリケーションのソケットに送信する。
【0009】
本開示の様々な態様および特徴について以下でさらに詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】2つの無線ネットワークをもつ展開を示す図。
【図2】ワイヤレスデバイスのブロック図。
【図3】診断監視モジュールのブロック図。
【図4】ワイヤレスデバイスの動作状態およびモードを示す図。
【図5】アプリケーションに情報を与えるためのプロセスを示す図。
【図6】診断情報を報告するためのプロセスを示す図。
【図7】診断情報を送信するためのプロセスを示す図。
【図8】ワイヤレスデバイスにおいてページングメッセージを受信するためのプロセスを示す図。
【図9】ページングメッセージをワイヤレスデバイスに送信するためのプロセスを示す図。
【図10】ワイヤレスデバイス、無線ネットワーク、およびネットワークサーバのブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で説明する技法は、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC−FDMAおよび他のネットワークなど、様々なワイヤレス通信ネットワークに使用できる。「ネットワーク」および「システム」という用語は、しばしば互換的に使用される。CDMAネットワークは、cdma2000、Universal Terrestrial Radio Access(UTRA)などの無線技術を実装することができる。cdma2000は、IS−2000、IS−95およびIS−856規格をカバーする。IS−2000リリース0およびAは、一般に、CDMA2000 1X、1xRTT、1Xなどと呼ばれる。IS−856は、一般に、高速パケットデータ(HRPD)、CDMA2000 1xEV−DO、1xEV−DO、EVDOなどと呼ばれる。UTRAは、Wideband CDMA(WCDMA)およびCDMAの他の変形態を含む。TDMAネットワークは、Global System for Mobile Communications(GSM)(登録商標)などの無線技術を実装することができる。OFDMAネットワークは、Ultra Mobile Broadband(UMB)、Evolved UTRA(E−UTRA)、IEEE802.11(Wi−Fi)、IEEE802.16(WiMAX)、IEEE802.20、Flash−OFDM(登録商標)などの無線技術を実装することができる。UTRAおよびE−UTRAはUniversal Mobile Telecommunication System (UMTS)の一部である。3GPP Long Term Evolution(LTE)は、ダウンリンク上ではOFDMAを利用し、アップリンク上ではSC−FDMAを利用するE−UTRAを使用する近々発表されるリリースである。UTRA、E−UTRA、UMTS、LTEおよびGSMは、「3rd Generation Partnership Project」(3GPP)という名称の組織からの文書に記載されている。cdma2000およびUMBは、「3rd Generation Partnership Project 2」(3GPP2)という名称の組織からの文書に記載されている。明快のために、本技法のいくつかの態様を1xRTTおよびEVDOに関して以下で説明する。
【0012】
図1に、異なる無線技術を利用する2つの無線ネットワークである1xRTTネットワーク120とEVDOネットワーク130とをもつ展開100を示す。1xRTTネットワーク120は、基地局のカバレージ内に位置するワイヤレスデバイスの無線通信をサポートするこれらの基地局を含む。同様に、EVDOネットワーク130は、基地局のカバレージ内に位置するワイヤレスデバイスの無線通信をサポートするこれらの基地局を含む。簡単のために、図1では、1xRTTネットワーク120についてただ1つの基地局122を示し、EVDOネットワーク130についてただ1つの基地局132を示す。基地局122および132は、異なるサイトに配置するか、または同じサイトに共設することができる。一般に、基地局(BS)(1xRTT用語)は、ワイヤレスデバイスと通信する固定局であり、アクセスポイント(AP)(EVDO用語)、ノードB(3GPP用語)、進化型ノードB(同じく3GPP用語)、送受信基地局(BTS)などと呼ばれることもある。基地局は特定の地理的エリアに通信カバレージを与えることができる。ネットワーク容量を改善するために、基地局の全体的なカバレージエリアは複数(たとえば、3つ)のより小さいエリアに区分できる。3GPP2では、「セクタ」という用語は、基地局の最小カバレージエリア、および/またはこのカバレージエリアにサービスする基地局サブシステムの最小カバレージエリアを指すことができる。基地局は、以下の説明において「BS」とも呼ばれる。
【0013】
ワイヤレスデバイス110は、固定でも移動でもよく、移動局(MS)(1xRTT用語)、アクセス端末(AT)(EVDO用語)、ユーザ機器(UE)(3GPP用語)、加入者ユニット、局などと呼ばれることもある。ワイヤレスデバイス110は、セルラー電話、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレスモデム、ラップトップコンピュータ、ワイヤレスローカルループ(WLL)局、ユーザデバイスなどとすることができる。ワイヤレスデバイス110は、順方向リンクおよび/または逆方向リンク上で基地局と通信することができる。順方向リンク(またはダウンリンク)は、基地局からワイヤレスデバイスへの通信リンクを指し、逆方向リンク(またはアップリンク)は、ワイヤレスデバイスから基地局への通信リンクを指す。ワイヤレスデバイス110は、以下の説明において「デバイス」、「MS」および「AT」とも呼ばれる。
【0014】
1xRTTネットワーク120では、基地局コントローラ(BSC)124は、基地局のセットに結合し、これらの基地局の調整および制御を行うことができる。BSC124は、ワイヤレスデバイスへのトラフィックチャネルの割当ての処理、ワイヤレスデバイスのハンドオフの制御などを行うことができる。移動交換センター(MSC)126は、BSC124に結合し、ワイヤレスデバイスの回線交換通信をサポートすることができる。MSC126は、回線交換呼のルーティングを行い、MSCワイヤレスデバイスによってサービスされるエリア内に位置するワイヤレスデバイスのモビリティ管理を実行することができる。
【0015】
EVDOネットワーク130では、BSC/パケット制御機能(PCF)134は、基地局のセットに結合し、これらの基地局とパケットデータサービスノード(PDSN)140との間のパケットデータの交換を制御することができる。PDSN140は、無線ネットワーク120および130と通信するワイヤレスデバイスのパケット交換通信をサポートすることができる。PDSN140は、ワイヤレスデバイスのデータセッションの確立、維持および終了を処理することができる。PDSN140は、ネットワーク事業者が所有および運営するプライベートネットワーク150に結合することができる。
【0016】
診断監視サーバ160は、プライベートネットワーク150に結合し、無線およびネットワーク状態の監視をサポートすることができる。サーバ160は、ワイヤレスデバイスによって観測された無線およびネットワーク状態について説明する報告を受信することができる。サーバ160は、ネットワーク監視およびデバッグをサポートすることができ、要求されたときに無線ネットワークのステータスを与えることができる。Radiusサーバ162は、ユーザのための認証、許可およびアカウンティング(AAA)機能をサポートすることができる。Radiusサーバ162はまた、MDNとIPアドレスのバインディングのデータベースを記憶することができ、以下で説明するように、データベースは、アクティブデータセッションをもつワイヤレスデバイスをページングするために使用できる。ページングサーバ164は、1xRTTネットワーク120およびEVDOネットワーク130を介してワイヤレスデバイスのページングをサポートすることができる。他の機能をサポートする他のサーバもプライベートネットワーク150に結合できる。サーバは他の名前で呼ばれることもある。プライベートネットワーク150は、インターネットおよび/または他のデータネットワークを含むことがある公衆ネットワーク152に結合できる。
【0017】
カスタマコンテンツサーバ170は、ワイヤレスデバイスが加入し、取得することができる1つまたは複数のサービスをサポートすることができる。たとえば、サーバ170は、マルチメディアサービス、たとえば、ワイヤレスデバイスへのオーディオ、ビデオ、および/または他のメディアコンテンツのダウンロードを提供することができる。1つのそのようなマルチメディアのサービスは、上述の米国仮出願第60/989,050号に記載されている書籍コンテンツのダウンロードである。
【0018】
ワイヤレスデバイス110は、PDSN140とのデータセッションを確立することができ、データセッション中にデータを送信し、受信することができる。データセッションは、ポイントツーポイントプロトコル(PPP)セッション、データ接続などと呼ばれることもある。データセッションは、任意の時間期間の間、有効であることができ、ワイヤレスデバイス110またはPDSN140のいずれかによってクローズできる。
【0019】
ワイヤレスデバイス110は、データセッション中の所与の瞬間において送信または受信すべきデータを有することもあり、または有しないこともある。ワイヤレスデバイス110は、送信または受信すべきデータがあるときはいつでも、無線ネットワークとの無線接続を確立することができる。無線接続は、データ呼(data call)、データサービスなどと呼ばれることもある。ワイヤレスデバイス110には、無線接続のためのトラフィックチャネルを割り当てることができ、ワイヤレスデバイス110は、割当てトラフィックチャネルを介してデータを送信および/または受信することができる。無線接続およびトラフィックチャネルは、送信または受信すべきデータがある間、有効であることができ、無線リソースを節約するために、データアクティビティがないときは解放できる。
【0020】
1つの設計では、ワイヤレスデバイス110は、表1に示す無線接続状態の1つで動作することができる。
【表1】

【0021】
1つの設計では、ワイヤレスデバイス110は、表2に示すセッション状態の1つで動作することができる。
【表2】

【0022】
図2に、ワイヤレスデバイス110の設計のブロック図を示す。送信経路において、モデム210は、ワイヤレスデバイス110によって送信すべきデータおよびシグナリングを処理(たとえば、符号化、変調、拡散、スクランブル)して、出力サンプルを取得することができる。送信機212は、出力サンプルを調整(たとえば、アナログに変換、フィルタ処理、増幅、周波数アップコンバート)して、1つまたは複数の基地局に送信できる逆方向リンク信号を生成することができる。受信経路において、基地局からの順方向リンク信号を受信し、受信機214に与えることができる。受信機214は、受信信号を調整(たとえば、フィルタ処理、増幅、周波数ダウンコンバート、およびデジタル化)して、入力サンプルを取得することができる。モデム210は、入力サンプルを処理(たとえば、デスクランブル、逆拡散、復調、復号)して、ワイヤレスデバイス110に送信された復号データおよびシグナリングを取得することができる。モデム210は、現在ワイヤレスデバイス110にサービスする無線ネットワークによって使用される無線技術(たとえば、1xRTTまたはEVDO)に従って処理を実行することができる。1つの設計では、モデム210は、Qualcomm社の移動局モデム(MSM:Mobile Station Modem)を用いて実装できる。
【0023】
アプリケーション230は、マルチメディアアプリケーション、電子メールアプリケーション、ウェブブラウザアプリケーション、ロケーションサービスアプリケーションなどの様々なアプリケーションを含むことができる。アプリケーションは、ユーザによって要求されたサービスを提供するために、ネットワークエンティティと通信することができる。たとえば、マルチメディアアプリケーションは、カスタマコンテンツサーバ170と通信して、メディア(たとえば、書籍コンテンツ)をユーザに対して表示するためにワイヤレスデバイス110にダウンロードすることができる。アプリケーション230は、一般にモデムに使用されるATインターフェースを介してATコマンドを交換することによってモデム210と通信することができる。
【0024】
アプリケーションは、ユーザによって要求されたサービスを提供するために、無線ネットワークを用いてデータ呼を確立することを望むことがある。アプリケーションは、データ呼を確立するために、モデム210を用いてATコマンドを交換することができる。ATコマンドは、ダイヤリング、切断、データ呼のパラメータの変更などの動作をサポートすることができる。ATコマンドは、ネットワーク状態に関して限定された情報、たとえば、どの無線ネットワークが利用可能であるかをアプリケーションに与えることができる。アプリケーションは、正常なデータ呼が確立されるまで、異なる無線ネットワークとのデータ呼を確立しようと試みることができる。その後、アプリケーションは、確立したデータ呼を介してネットワークエンティティ(たとえば、カスタマコンテンツサーバ170)と通信することができる。データ呼が確立されると、ATコマンドは利用可能でなくなる。エスケープシーケンスを実行して、データ呼を中断し、ATコマンドの交換を可能にすることができる。しかしながら、この割込みは、ユーザに提供されているサービスを妨害することがある。いずれの場合も、アプリケーションは、ネットワーク状態およびデバイスパフォーマンスに対して限定された可視性を有することができる。
【0025】
一態様では、診断監視モジュール220は、診断インターフェースを介してモデム210と通信して、ワイヤレスデバイス110の無線およびネットワーク状態、データパフォーマンスなどを示す診断メッセージを受信する。診断監視モジュール220はまた、アプリケーション230と通信して、アプリケーションから要求を受信し、関連情報をアプリケーションに与える。アプリケーションは、情報を使用して、サービスのアクティブ化およびネットワーク選択についての決定、選択された無線ネットワークとの通信の制御などを行う。診断監視モジュール220は、以下で説明するように、様々な機能を実行し、様々なタイプの情報を与えることができる。
【0026】
診断監視モジュール220はモデム210から様々なパラメータを収集することができる。これらのパラメータは、ユーザ経験およびネットワークパフォーマンスを包含するサービス品質(QoS)メトリクスを表すことができる。QoSメトリクスは、QoS問題が存在するかどうか、およびQoS問題が無線接続に関係する(すなわち、無線ネットワーク問題)かまたはデータ接続に関係する(すなわち、データ接続性問題)か、を判断するために使用できる。モジュール220は、パラメータを処理して、アプリケーション230、診断監視サーバ160、カスタマコンテンツサーバ170、および/または他のエンティティに有用である様々なタイプの情報を取得することができる。1つの設計では、モジュール220は、表3に記載するタイプの情報を収集し、与えることができる。
【表3】

【0027】
ネットワークステータス情報は、受信信号強度、検出された無線ネットワークなどを含むことができる。デバイスステータス情報は、ワイヤレスデバイス110の識別子、ワイヤレスデバイス110用に構成された項目に関する情報などを含むことができる。データ接続性情報は、データ接続ステータス、データパフォーマンスメトリクスなどを含むことができる。診断情報は、ワイヤレスデバイス110の無線接続および/またはデータセッションに関係する情報を含むことができる。これらの様々なタイプの情報について、以下でさらに詳細に説明する。
【0028】
図3に、図2の診断監視モジュール220の設計のブロック図を示す。診断監視モジュール220は、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)310を介してアプリケーション210と通信することができる。制御モジュール320は、診断監視モジュール220内の様々なモジュールの動作を制御することができる。制御モジュール320は、アプリケーション230からAPI310を介して要求を受信し、要求を処理し、情報をアプリケーションに与えることができる。
【0029】
制御モジュール320は、モデム210に構成(configuration)メッセージを送信して、定期的におよび/またはイベントによってトリガされたときに、いくつかのパラメータを報告するようにモデム210を構成することができる。制御モジュール320はまた、モデム210にコマンド要求メッセージを送信して、特定のパラメータを要求することができる。本明細書で使用する「パラメータ」という用語は、静的または動的な任意の1つの情報を総称的に指す。モデム210は、表4に記載されているコマンド応答メッセージ、ログメッセージ、イベントメッセージ、およびデバッグメッセージなどの診断メッセージを与えることができる。
【表4】

【0030】
表4の様々なタイプのメッセージは、それらがどのように送信されるか、および場合によっては、メッセージ中で何が送信されるかによって特徴づけられる。診断監視モジュール220からのコマンド要求メッセージおよびモデム210からのコマンド応答メッセージは、トリガ/応答方式で動作することができる。コマンド要求メッセージは特定のパラメータを要求することができ、コマンド応答メッセージは要求されたパラメータを与えることができる。コマンド要求メッセージはまた、特定のアクションを実行するようにモデム210に指示することができ、コマンド応答メッセージは、アクションの完了を確認することができる。たとえば、コマンド要求メッセージは、通常動作用のアクティブ化パラメータをモデム210に供給するための項目書込みを呼び出すことができる。
【0031】
ログメッセージは、定期的に送信され、指定されたパラメータを与えることができる。ログメッセージの報告は、ログマスクと呼ばれることがある構成メッセージによって構成できる。様々なログメッセージを定義し、ログマスクの構成に基づいて有効化することができる。各ログメッセージは、ログマスクの特定のビットに関連付けられ、ログマスク中の関連するビットを所定の値(たとえば、「1」)に設定することによって有効化できる。各ログメッセージは、そのログメッセージに適用可能な報告スケジュールに基づいて、パラメータの特定のセットを与えることができる。モデム210は、定期的方式でログメッセージを診断監視モジュール220に与えることができる。
【0032】
イベントメッセージは、イベントによってトリガされたときに送信され、構成メッセージによって有効化できる。各イベントメッセージは、特定のイベントによってトリガされたときに、タイマの満了、しきい値を超えるパラメータ値など、パラメータの特定のセットを与えることができる。モデム210は、イベントが発生したとき、非同期方式でイベントメッセージを与えることができる。
【0033】
デバッグメッセージは、通常動作中に、モデム210内の様々なモジュールからファイル中にストリームされる。デバッグメッセージは、トラブルシューティングの支援としてデバッグログを収集/生成するために使用できる。
【0034】
一般に、モデム210は、任意のメッセージ中で所与のパラメータを与えることができる。あるパラメータは、あるタイプのメッセージによってより適切に与えられる。たとえば、コマンド要求メッセージは、静的または半静的パラメータを取り出すために使用できる。ログメッセージは、動的に変化することがあるパラメータを与えるために使用できる。イベントメッセージは、ワイヤレスデバイス110、無線接続、データセッションなどの動作に変化があるとき、関係する可能性があるパラメータを与えるために使用できる。所与のパラメータを、様々なタイプのメッセージ、たとえば、ログメッセージならびにイベントメッセージ中で与えることもできる。様々なタイプのメッセージについて、以下でさらに詳細に説明する。
【0035】
入力プロセッサおよびバッファ330は、モデム210からコマンド応答メッセージと、ログメッセージと、イベントメッセージと、デバッグメッセージとを受信することができる。プロセッサ330は、受信メッセージを処理して、当該のパラメータを収集することができ、収集したパラメータを入力バッファに記憶することができる。プロセッサ330は、収集したパラメータを要求されたときに制御モジュール320および/または他のモジュールに与えることができる。出力プロセッサおよびバッファ340は、制御モジュール320から報告を受信することができ、それらの報告を送信する準備ができるまでバッファすることができる。プロセッサ340は、図1の診断監視サーバ160および/または他のネットワークエンティティへの送信のために報告をモデム210に与えることができる。
【0036】
初期化モジュール350は、入力プロセッサ330からパラメータを受信することができ、パラメータを処理して、ネットワークステータス情報を判断することができる。モジュール350は、システム判断と無線ネットワークのネットワークアクセス状況とを監視することができる。モジュール350は、アプリケーション230から特定の情報の要求を受信することができ、要求された情報を与えることができる。たとえば、アプリケーションはGetBars APIを呼び出すことができる。それに応答して、モジュール350は、ワイヤレスデバイス110のアクティブセット(ASET)中のセクタのパイロット測定値を取得し、パイロット測定値を無線ネットワークの受信信号強度を示すバー値(たとえば、0〜5バー)に変換し、バー値をアプリケーションに与えることができる。別の例として、アプリケーションはGetRBI APIを呼び出すことができる。それに応答して、モジュール350は、ワイヤレスデバイス110が好適な無線ネットワークと通信しているか、好適でない無線ネットワークと通信しているかを判断することができ、無線ネットワークの好適ローミングリスト(PRL)中で定義されたローミングビットインジケータ(RBI)を与えることができる。アプリケーションはまた、他のタイプの情報、たとえば、システム時間、ローカル時間オフセットなどを要求することができる。モジュール350は、要求された情報を取得し、その情報をアプリケーションに与えることができる。アプリケーションは、モジュール350からのバー値、RBI、および/または他の情報を使用して、サービスをアクティブ化し、データ呼を開始すべきか否かの判断、データ呼を開始すべき無線ネットワークの選択などを行うことができる。
【0037】
QoS監視モジュール360は、モデム210からログメッセージとイベントメッセージとを受信することができ、これらのメッセージを処理して、データ呼のステータスおよび/またはパフォーマンスを判断することができる。1つの設計では、モジュール360は、アクティブウィンドウ中にアクティブ化され、アクティブウィンドウの外では不能にされる。モジュール360は、アクティブウィンドウの開始であるデータ呼の発信を検出することができる。モジュール360はまた、アクティブウィンドウの終了であるデータ呼の解放を検出することができる。モジュールは、アクティブウィンドウ中に、たとえば、バックグラウンドタスクとして無線パフォーマンスとデータパフォーマンスとを監視することができる。別の設計では、モジュール360は、たとえば、制御モジュール320によってアクティブ化されるときはいつでも動作することができる。
【0038】
モジュール360は、モデム210から受信したログメッセージとイベントメッセージとを(たとえば、リアルタイムで)パースして、無線接続、データセッションなどの様々なパラメータを取得することができる。モジュール360は、様々なパラメータをグループ化し、それらを入力バッファに記憶することができる。モジュール360は、破棄された呼、PPP障害、呼終了、無線接続の確立の失敗、データ接続の確立の失敗、無線周波数(RF)ロックまたはチャネル割当ての獲得の失敗、同期チャネルまたはページングチャネルの損失などを含むトリガ状態を検出することができる。トリガ状態は、一般にワイヤレスデバイス110の異常状態を示す。トリガ状態が検出されたときはいつでも、モジュール360は、現在の無線およびネットワーク状態のスナップショットを取得するために、入力バッファに記憶された、トリガ状態に関連するパラメータを収集することができる。モジュール360は、トリガ状態に関係するパラメータを含む報告を生成することができ、診断監視サーバ160および/または他のネットワークエンティティへの送信のために報告をプロセッサ340に転送することができる。
【0039】
一般に、診断監視モジュール220は様々なトリガ状態による報告を送信することができ、報告は様々なタイプの障害および異常状態をカバーすることができる。報告は、トラブルシューティング、ネットワーク監視など、様々な目的のために使用できる。たとえば、アプリケーションは、トリガ状態によって捕捉される障害に遭遇することがあり、トリガ状態について報告が送信される。ユーザは、障害を報告するために、ネットワーク事業者に発呼することができ、ネットワーク事業者は、障害の原因を診断するために、報告からの情報を有することができる。ネットワーク事業者はまた、無線ネットワークのパフォーマンスを監視するため、エラーまたは過負荷状態を検出するためなどに報告を使用することができる。ネットワーク事業者は、次いで、適切な修正処置をとることができる。
【0040】
対話型診断モジュール370は、ワイヤレスデバイス110のデータ呼およびデータセッションのデバッグと診断をサポートすることができる。モジュール370は、ユーザ、ネットワーク事業者、コンテンツプロバイダなどによって呼び出すことができる。呼び出されると、モジュール370はワイヤレスデバイス110上にデバッグ/診断画面を提示することができる。デバッグ/診断画面は、無線接続の無線パラメータを与えることができる。モジュール370は、入力バッファに記憶されたパラメータの中から無線パラメータを取得することができ、モデム210から新しいログメッセージおよびイベントメッセージが受信されると、画面上のこれらの無線パラメータを更新することができる。ユーザは、様々な無線パラメータを閲覧するために、画面をナビゲートすることができる。ユーザはまた、(たとえば、「S」ボタンを押すことによって)画面上の無線パラメータを捕捉することができ、診断監視サーバ160にエクスポートするために無線パラメータをファイルに保存することができる。モジュール370はまた、無線パラメータをネットワークステータス、ネットワークアクセス障害などを判断するために使用することができる。
【0041】
モジュール370はまた、データセッションのパラメータを収集することができ、デバッグなどの支援としてデータ接続性情報を与えることができる。データ接続性情報は、ワイヤレスデバイス110がオンラインであるか休止状態であるか、データ接続障害があるかどうかなどを指示することができる。データ接続性情報は、モバイルIP(MIP)認証ステータス、データ接続ステータスなどを与えることができる。データ接続ステータスは、データ接続問題を特定することができ、データ接続問題の局所的な識別のためのタイムスタンプおよびエラーコードを与えることができる。
【0042】
モジュール370はまた、ワイヤレスデバイス110の動作に影響を及ぼす様々なイベントの情報を捕捉することができる。モジュール370は、MIPイベント、たとえば、登録応答(RRP:registration reply)コードおよびタイムスタンプの情報を捕捉することができる。モジュール370は、ページングイベントの情報、たとえば、着信ページのタイムスタンプ、ページを送信する基地局のロケーション(たとえば、緯度および経度)、地理的位置のローカル時間オフセットなどを捕捉することができる。モジュール370は、認証イベント、たとえば、Radiusサーバ162によるサービスの拒否の障害状態、登録応答コード(RRC:Registration Reply Code)、失敗した認証のタイムスタンプなどの情報を捕捉することができる。モジュール370は、アプリケーションがデータ呼を確立するのを阻止するイベントの情報を捕捉することができる。情報は、(i)サービスなしまたは範囲外状態、あるいは(ii)無許可の無線ネットワーク上でのローミング状態のために、アプリケーションがアクセスを拒否されるかどうかを指示することができる。情報は、ワイヤレスデバイス110に供給されたPRL、システム識別情報(SID)、ネットワーク識別情報(NID)、基地局識別情報(BaseID)、基地局の緯度および経度、カラーコード、セクタIDなどのパラメータを備えることができる。モジュール370はまた、たとえば、誤った移動局ID(MSID)、ネットワーク拒否などによる、ワイヤレスデバイス110によるアクセスの拒否に関する情報を捕捉することができる。一般に、モジュール370は、デバッグ/診断画面上にイベントの捕捉された情報を提示し、および/または捕捉情報を診断監視サーバ160に送信することができる。
【0043】
ワイヤレスデバイス110は、データ呼の確立中に1xRTTネットワーク120またはEVDOネットワーク130を用いて認証を実行することができる。診断監視モジュール220は認証プロセスのステータスを追跡することができる。モデムアクセス資格証明(たとえば、ESNおよびMSID)が、指定されたネットワークエンティティ(たとえば、ホームロケーションレジストリ(HLR:Home Location Registry)またはホーム認証、許可およびアカウンティング(H−AAA))に対する認証を通過した場合、ステータスは「OK」となる。ワイヤレスデバイス110が、たとえば、モデムアクセス資格証明の不一致により、認証に失敗した場合、ステータスは「FAIL(失敗)」となる。モジュール220は、認証プロセスに関する情報を記憶することができ、データ接続性問題のデバッグを可能にする情報を与えることができる。
【0044】
ワイヤレスデバイス110は、MIPをデータセッションのために利用することができ、MIPの登録を実行することができる。診断監視モジュール220はMIP登録プロセスのステータスを追跡することができる。モジュール220は、MIP登録プロセスに関する情報を記憶することができ、データ接続性問題のデバッグを可能にする情報を与えることができる。
【0045】
診断監視モジュール220は、関連情報を取り出すためにアプリケーション230によって呼び出すことができるAPIのセットをサポートすることができる。一般に、APIの任意のセットをサポートすることができ、各APIは任意の情報を与えることができる。1つの設計では、サポートされるAPIは、表5に示すAPIのすべてまたはサブセットを含むことができる。
【表5】

【0046】
診断監視モジュール220はまた、MDN、IMSI、アクティブMIPユーザプロファイルのパラメータなどを設定するAPIをサポートすることができる。モジュール220は、異なるおよび/または追加のAPIをサポートすることもできる。
【0047】
上述のように、モデム210は、様々なパラメータを含む様々なタイプのメッセージを送信することができる。一般に、各メッセージタイプに対してメッセージのセットがサポートされ、各メッセージは1つまたは複数のパラメータを搬送することができる。明快のために、コマンド応答メッセージ、ログメッセージ、およびイベントメッセージの例示的なセットを以下に与える。
【0048】
1つの設計では、モデム210は、診断監視モジュール220から受信したコマンド要求メッセージに対するコマンド応答メッセージを戻すことができる。コマンド要求メッセージと対応するコマンド応答メッセージとの間に1対1の対応がある。1つの設計では、サポートされるコマンド応答メッセージは、表6に示すメッセージのすべてまたはサブセットを含むことができる。
【表6】

【0049】
1つの設計では、モデム210は、様々なパラメータを含むログメッセージを定期的に送信することができる。各ログメッセージは、そのログメッセージに適用可能なパラメータのセットを与えることができる。たとえば、エアリンク概要(airlink summary)のログメッセージは、測定されたパイロットエネルギー、パイロット擬似乱数(PN)などを与えることができる。1つの設計では、サポートされるログメッセージは、表7に示すメッセージのすべてまたはサブセットを含むことができる。
【表7】

【0050】
診断監視モジュール220は、ログメッセージを構成するために、構成メッセージをモデム210に送信することができる。構成メッセージは、どのログメッセージを有効化するか、各ログメッセージをモデム210によって送信すべき状態、各ログメッセージの周波数、各ログメッセージに対してどのパラメータを送信すべきかなどを指定することができる。モデム210は、診断監視モジュール220によって構成されたログメッセージを送信することができる。
【0051】
1つの設計では、モデム210は、イベントによってトリガされたときに、様々なパラメータを含むイベントメッセージを送信することができる。各イベントメッセージは、そのイベントメッセージに適用可能なパラメータのセットを与えることができる。1つの設計では、サポートされるイベントメッセージは、表8に示すメッセージのすべてまたはサブセットを含むことができる。
【表8】

【0052】

【0053】
異なるタイマ値を異なるイベントメッセージに使用することができ、表8ではTxxとして示し、「xx」はタイマインデックスである。各タイマ値は、任意の適切な値とすることができ、規格によって指定されることもある。
【0054】
診断監視モジュール220は、イベントメッセージを構成するために、構成メッセージをモデム210に送信することができる。構成メッセージは、どのイベントメッセージを有効化するか、各イベントメッセージをモデム210によって送信すべき状態、各イベントメッセージに対してどのパラメータを送信すべきかなどを指定することができる。モデム210は、診断監視モジュール220によって構成されたイベントメッセージを送信することができる。
【0055】
診断監視モジュール220は、いくつかのトリガ状態が生じたとき、たとえば、いくつかのイベントメッセージがモデム210から受信されたときはいつでも報告を生成することができる。表8の最後の列に、各イベントメッセージに対して生成できる(1つまたは複数の)報告を記載する。表9に、報告A〜Eの各々において送信できるパラメータのセットを記載し、各パラメータのソースを与える。RX0はワイヤレスデバイス110における一次受信機を示し、RX1はダイバーシチ受信機を示す。
【表9】

【0056】
他の報告も、トリガ状態に応答して生成できる。たとえば、1xRTTスループット報告は、1xRTTネットワーク120を用いたデータ呼のパラメータを含むことができ、EVDOスループット報告は、EVDOネットワーク130を用いたデータ呼のパラメータを含むことができ、EVDO接続試行報告は、EVDOネットワーク130における接続試行のパラメータを含むことができ、EVDO接続終了報告は、EVDOネットワーク130における接続終了のパラメータを含むことができ、EVDO接続ステータス報告は、接続統計のパラメータを含むことができ、デバイスパラメータ報告は、ワイヤレスデバイス110のパラメータを含むことができる。
【0057】
診断監視モジュール220は、障害イベントまたは異常状態が検出されたときはいつでも報告を生成することができる。モジュール220はまた、たとえば、ネットワークパフォーマンスまたはデバイスパフォーマンスの報告を定期的に生成することができる。
【0058】
診断監視モジュール220は、生成された報告を診断監視サーバ160または何らかの他のネットワークエンティティに送信することができる。報告は、それらが生成されたときに送信でき、または、たとえば、無線接続またはデータセッションが確立されない場合、後で送信できる。診断監視サーバ160は、ネットワーク監視、デバッグなどに報告を使用することができる。
【0059】
1つの設計では、軽量(lightweight)報告プロトコルを使用して、ワイヤレスデバイス110から診断監視サーバ160または何らかの他のネットワークエンティティに報告を送信することができる。ワイヤレスデバイス110によって報告すべきイベントおよびパラメータのために辞書を動的に定義することができる。各イベントには、異なるイベントコードを割り当てることができる。各パラメータにも、異なるフィールドコードを割り当てることができる。したがって、報告は、関連するフィールドコードによって与えられるパラメータの値を含むことができる。軽量報告プロトコルを使用すると、報告のために送信すべきデータ量を低減することができる。
【0060】
1つの設計では、ワイヤレスデバイス110は、報告セッションを開始するために、セッション開始メッセージを診断監視サーバ160に送信する。セッション開始メッセージは、ワイヤレスデバイス110と診断監視サーバ160との間のハンドシェークとして役立つことができ、また、ワイヤレスデバイス110による報告を制御または抑圧するためにサーバ160によって使用できる。サーバ160は、報告セッションを容認または拒否し、セッション応答メッセージをワイヤレスデバイス110に戻す。報告セッションが容認された場合、ワイヤレスデバイス110は、辞書を使用してワイヤレスデバイス110によって生成できる1つまたは複数の報告のデータブロックを送信する。報告セッションが拒否された場合、ワイヤレスデバイス110は、(i)たとえば、自動的にまたはサーバ160によって指示された場合、送信のための待ち行列に入れられた報告を廃棄するか、または(ii)後で報告を送信することを試みる。報告を廃棄して、同じ地理的エリアにおける異なるワイヤレスデバイスによる同じネットワークエラーの二重報告の送信を回避することができる。
【0061】
1つの設計では、セッション開始メッセージは、表10に示すフィールドを含むことができる。以下の説明では、「0xV...V」は16進値のV...Vを示し、各Vは0とFとの間の16進値である。
【表10】

【0062】
1つの設計では、セッション応答メッセージは、表11に示すフィールドを含むことができる。
【表11】

【0063】
1つの設計では、データブロックは、報告セッションで送信でき、1つの辞書と、1つまたは複数のレコードからなるセットとを含むことができる。辞書は、レコード中に含まれるパラメータのフィールドコードの定義を含むことができる。辞書は一連のフィールドコード定義によって与えられる。各フィールドコード定義は、形式{イベントコード}.{フィールドコード}={フィールドコード説明}を有することができる。たとえば、フィールドコード定義は、99.1=RX0 AGCとすることができ、「99」はイベントコードであり、「1」はフィールドコードであり、「RX0 AGC」はフィールドのパラメータである。
【0064】
各レコードは、関連するイベントのフィールドのセットを含むことができる。各レコードは、表12に与えるフォーマットを有することができる。イベントタイプフィールドは、形式{フィールドコード}={フィールド値}の1つまたは複数のフィールドコード/値のペアを含むことができる。フィールドコードは、辞書で与えられるフィールドコード定義に基づいて解釈できる。たとえば、イベントタイプフィールドは1=58を含むことができ、「1」はRX0 AGCを指すことができ、「58」はAGC値58を指すことができる。1つの設計では、データブロックは、表12に示すフィールドを備えることができる。
【表12】

【0065】
表12に示す設計では、辞書は、報告セッションに対して動的に定義でき、データブロック中で搬送できる。辞書は、データブロック中で報告されるイベントおよびパラメータに適合させることができる。別の設計では、辞書は、予め定義され、ワイヤレスデバイス110ならびに診断監視サーバ160によって先験的に知られており、データブロック中で搬送される必要はない。さらに別の設計では、辞書のセットを予め定義し、辞書のセットにユニークな辞書IDを割り当てることができる。その場合、データブロックは、そのデータブロックに使用すべき特定の辞書の辞書IDを搬送することができる。辞書を他の方法で定義し、搬送することもできる。
【0066】
診断監視サーバ160は、セッション停止メッセージを送信することによって報告セッションを終了することができる。セッション停止メッセージは、報告セッションが正常にクローズされたか、または失敗したか、たとえば、理由は何であれ報告セッションがクローズされる前にデータ接続が破棄されたかどうかを示すことができる。1つの設計では、セッション停止メッセージは、表13に示すフィールドを備えることができる。
【表13】

【0067】
ワイヤレスデバイス110は、不適切にクローズされた報告セッションをどのように処理するかを決定することができる。報告セッションが診断監視サーバ160によって拒否された場合、ワイヤレスデバイス110は、送信のための待ち行列に入れられたすべてのデータを廃棄することができ、または、たとえば、ある時間待機した後、別の報告セッションを開始することができる。ワイヤレスデバイス110は、診断監視サーバ160に報告を送信するために必要なリソースの量に基づいて決定を行うことができる。
【0068】
報告診断情報の様々なメッセージおよびデータブロックの具体的な設計について上記で説明した。診断情報はまた、異なるおよび/または追加のフィールドを含むことができる他のメッセージを使用して報告できる。
【0069】
診断監視モジュール220は、たとえば、ユーザによって呼び出されたときにデバッグ/診断画面を与えることができる。デバッグ/診断画面は、ワイヤレスデバイス110、無線接続、データセッション、アプリケーションなどのための様々なパラメータを与えることができる。1つの設計では、デバッグ/診断画面は、表14に示すパラメータのすべてまたはサブセットを与えることができる。
【表14】

【0070】
図1を再び参照すると、ワイヤレスデバイス110は、所与の瞬間において1xRTTネットワーク120またはEVDOネットワーク130と通信することができる。ワイヤレスデバイス110は、異なる無線ネットワークに対して異なる方法で動作することができる。
【0071】
図4に、1つの設計によるワイヤレスデバイス110の動作状態およびモードの状態図400を示す。始動時に、ワイヤレスデバイス110はEVDO優先状態(EVDO-preferred State)410に移行し、診断監視モジュール220は有効化される。EVDO優先状態410では、ワイヤレスデバイス110は、どの無線ネットワークが利用可能であるかを判断するためにシステム判断を実行することができる。ワイヤレスデバイス110は、(i)1xRTTネットワーク120のみが利用可能な場合、1xRTTモード412で動作し、または(ii)EVDOネットワーク130が利用可能な場合、EVDOモード414で動作することができる。EVDOモード414にある間、EVDOネットワーク130に対してシステム損失またはサービスなしに遭遇した場合、ワイヤレスデバイス110は1xRTTモード412に移行することができる。1xRTTモード412にある間、ワイヤレスデバイス110は、EVDOネットワーク130を再獲得しようと定期的に試みることができ、EVDOネットワーク130が再獲得された場合、EVDOモード414に移行することができる。
【0072】
ワイヤレスデバイス110は、アクティブモードにある間、EVDO優先状態410で動作することができ、非アクティブモードにある間、1xRTT専用状態(1xRTT-only state)420で動作することができる。非アクティブモードは、スリープモード、アイドルモードなどと呼ばれることもある。ワイヤレスデバイス110は、スリープトリガがある場合、またはモデム210がリブートされた場合、非アクティブモードに入り、EVDO優先状態410から1xRTT専用状態420に移行することができる。スリープトリガは、ユーザアクティビティのない期間または何らかの他の状態のために発生する。非アクティブモードでは、ワイヤレスデバイス110および診断監視モジュール220の多くは、バッテリ電力を節約するために電源切断できる。1xRTT専用状態420にある間、モデム210は1xRTTネットワーク120からのページングメッセージをリッスンすることができる。ワイヤレスデバイス110は、ウェイクアップトリガが受信されると、1xRTT専用状態420からEVDO優先状態410に移行することができる。ウェイクアップトリガは、ワイヤレスデバイス110のページングメッセージの受信、データ呼の発信、または何らかの他の状態に起因する。診断監視モジュール220は、EVDO優先状態410に移行すると有効化される。
【0073】
1つの設計では、ワイヤレスデバイス110は、アクティブモードと非アクティブモードとで異なる機構によってページングされる。ワイヤレスデバイス110は、アクティブモードでは1xRTTネットワーク120またはEVDOネットワーク130を介してページングでき、非アクティブモードでは1xRTTネットワーク120を介してページングできる。
【0074】
1つの設計では、ワイヤレスデバイス110は、非アクティブモードで動作している間、1xRTTネットワーク120を介してボイスサービスオプション(たとえば、サービスオプション3(SO3:Service Option 3))に基づいてページングできる。ワイヤレスデバイス110は、1xRTTネットワーク120に登録することができ、ワイヤレスデバイス110が動き回るにつれて、そのロケーションを1xRTTネットワーク120を用いて更新することができる。ワイヤレスデバイス110には、ページングメッセージをワイヤレスデバイス110に送信することができる時間期間である特定のページングスロットを割り当てることもできる。1xRTTネットワーク120は、割当てページングスロット中に、ワイヤレスデバイス110の現在のロケーションに基づいて、ページングメッセージをワイヤレスデバイス110に送信することができる。ページングメッセージは、ワイヤレスデバイス110の電話番号であるMDNを使用してワイヤレスデバイス110に送信できる。ワイヤレスデバイス110は、複数のページ通知を保証するために十分に長い継続時間の間、リング(ring)することができる。ワイヤレスデバイス110は、SO3を使用して送信されたページングメッセージへの返答を回避することができ、代わりにこのメッセージを、たとえば、サービスオプション33(SO33: Service Option 33)コールバックを用いたパケットデータ呼を開始するためのトリガとして使用することができる。
【0075】
1xRTT専用状態420にある間、ワイヤレスデバイス110は、できるだけ多くの回路を電源切断することができ、その割当てページングスロット中に定期的にウェイクアップすることができる。ワイヤレスデバイス110は、ページングメッセージがワイヤレスデバイス110に送信されたかどうかを判断するために、各割当てページングスロット中で1xRTTネットワーク120からのページングチャネルを処理することができる。ページングメッセージが受信され、応答が必要とされる場合、ワイヤレスデバイス110はEVDO優先状態410に移行することができる。
【0076】
1つの設計では、ワイヤレスデバイス110は、アクティブモードで動作している間、そのIPアドレスに基づいてページングできる。無線ネットワークを獲得すると、ワイヤレスデバイス110は、PDSN140とのデータセッション(たとえば、PPPセッション)を確立することができる。ワイヤレスデバイス110は、データセッション確立中に、(たとえば、成功したMIP認証の後にホームエージェントから)IPアドレスを獲得することができ、データセッションの継続時間の間、このIPアドレスを使用することができる。IPアドレスは、ワイヤレスデバイス110のMDNならびにワイヤレスデバイス110におけるアプリケーションのソケットに関連する(すなわち、リンクする)ことができる。ソケットは、1つのエンティティにおけるアプリケーションと別のエンティティにおけるアプリケーションとの間の双方向通信経路の1つの端点である。ソケットは、TCPなどのトランスポート層プロトコルがソケットにマッピングされたアプリケーションを識別することができるように、ポート番号に結び付けることができる。IPアドレスとMDNとソケットとの間の関連付けは、(以下の説明の多くにおいて仮定するように)Radiusサーバ162によって、または何らかの他のネットワークエンティティによってデータベース中の結合(binding)テーブルに記憶できる。Radiusサーバ162は、フレームIP属性ならびに(i)ワイヤレスデバイス110のデータセッションが開始したこと及びIPアドレスが有効であることを示すセッション開始レコードと、(ii)データセッションがクローズされたことを示すセッション停止レコードと、を受信することができる。
【0077】
ネットワークエンティティ(たとえば、カスタマコンテンツサーバ170)は、ワイヤレスデバイス110をページングすることを望むことがあり、ワイヤレスデバイス110のMDNをリングするためにネットワークAPIインターフェースを呼び出すことができる。結合テーブル内の検索を実行して、MDNがそのMDNに割り当てられたアクティブIPアドレスを有するかどうかを判断することができる。アクティブIPアドレスが割り当てられている場合、ワイヤレスデバイス110上でTCPサーバ(またはTCPリスナ(TCP listener))が実行している特定のポートに通知パケットを送信することができる。TCPリスナが通知パケットを検出すると、アプリケーションに通知することができる。アプリケーションは、次いで、ネットワークエンティティへのモバイル開始パケットデータ呼を確立することができる。しかしながら、有効なIPアドレスがMDNに割り当てられていない場合、ボイスページ(SO3)をワイヤレスデバイス110のMDNに送信することができる。
【0078】
したがって、ソケットベースのページングメッセージは、ワイヤレスデバイス110のIPアドレスを判断し、IPアドレスにリンクされたMDNおよびソケットを判断し、MDNを使用してページングメッセージ(たとえば、通知パケット)をソケットに送信することによって、ワイヤレスデバイス110に送信できる。ワイヤレスデバイス110は、ページングメッセージを受信することができ、コンテンツマッチ(content match)のためのペイロードストリングを検出することによってページングメッセージを処理することができる。マッチがある場合、アプリケーションは当該ページを通知され、TCPリスナは、ハンドシェークを完了するために肯定応答ペイロードをページングサーバ164に送信することができる。次いで、両方のエンティティは、交換の後、それらのソケットをクローズすることができる。
【0079】
ページングサーバ164は、ワイヤレスデバイス110のページングメッセージを受信することができ、ワイヤレスデバイス110がアクティブモードで動作しているか、非アクティブモードで動作しているかを判断することができる。ページングサーバ164は、ワイヤレスデバイス110が非アクティブモードで動作している場合、SO3ベースのページングを使用してページングメッセージを送信し、またはワイヤレスデバイス110がアクティブモードで動作している場合、ソケットベースのページングを使用してページングメッセージを送信することができる。ワイヤレスデバイス110は、非アクティブモード中にそのプロトコルスタックを電源切断することができ、非アクティブモード中にソケットベースのページングメッセージを受信することはできない。
【0080】
図5に、アプリケーションに情報を与えるためのプロセス500の設計を示す。プロセス500は、ワイヤレスデバイスにおける診断監視モジュール220などのモジュールによって実行できる。モジュールは、モデムの機能をテストするためのパラメータを与えるためにモデムによって使用される第1のインターフェース、たとえば、診断インターフェースを介してモデムから診断メッセージを受信する(ブロック512)。モジュールは、無線ネットワークのステータスを示すネットワークステータス情報を取得するために診断メッセージを処理する(ブロック514)。モジュールは、無線ネットワークとの通信を制御するために、アプリケーションが使用するネットワークステータス情報を第2のインターフェース(たとえば、API)を介してアプリケーションに与える(ブロック516)。たとえば、アプリケーションは、ネットワークステータス情報を使用して、サービスをアクティブ化すべきかどうかを判断し、アクティブ化する場合にサービスのための無線ネットワークを選択する、などを行う。
【0081】
ブロック514の1つの設計では、モジュールは、診断メッセージをパース(parse)して、無線ネットワークの指定されたパラメータを取得し、これらのパラメータに基づいてネットワークステータス情報を判断する。ネットワークステータス情報は、無線ネットワークの受信信号強度を示すバー値、RBI、無線ネットワークの無線技術の指示、システム時間などを含むことができる。
【0082】
モジュールはまた、ワイヤレスデバイスのステータスを示すデバイスステータス情報を取得するために診断メッセージを処理する。デバイスステータス情報は、ワイヤレスデバイスのESN、MDN、モデムバージョン、PRLバージョン、および/または他の情報を含むことができる。モジュールは、デバイスステータス情報を第2のインターフェースを介してアプリケーションに与える。
【0083】
モジュールは、ログメッセージを送信するようにモデムを構成するために少なくとも1つの構成(configuration)メッセージをモデムに送信する。(1つまたは複数の)構成メッセージは、送信すべき特定のログメッセージ、ログメッセージ中で送信すべきパラメータ、ログメッセージを送信するための条件などを定義することができる。その後、モジュールは、(1つまたは複数の)構成メッセージによって構成された、モデムによって送信されるログメッセージを受信する。モジュールは、少なくとも1つのパラメータのためのコマンド要求メッセージをモデムに送信し、少なくとも1つのパラメータをもつコマンド応答メッセージを受信する。モジュールは、ネットワークステータス情報のパラメータを要求するAPIをアプリケーションから受信し、要求されたパラメータをアプリケーションに与える。
【0084】
図6に、ワイヤレスデバイスによって診断情報を報告(report)するためのプロセス600の設計を示す。プロセス600は、診断監視モジュール220などのモジュールによって実行できる。モジュールはモデムから診断メッセージを受信する(ブロック612)。モジュールは、ワイヤレスデバイスの無線接続またはデータセッションまたは両方のパフォーマンスを示す診断情報を取得するために診断メッセージを処理する(ブロック614)。モジュールは、ネットワーク監視、デバッグなどのために診断情報をネットワークサーバに送信する(ブロック616)。
【0085】
モジュールは、モデムを、ログメッセージを送信するように構成するために少なくとも1つの構成メッセージをモデムに送信する。(1つまたは複数の)構成メッセージは、ログメッセージ中で送信すべきパラメータとログメッセージを送信するための条件とを定義することができる。モジュールは、(1つまたは複数の)構成メッセージによって構成された、モデムによって送信されるログメッセージを受信する。
【0086】
モジュールは、イベントメッセージを送信するようにモデムを構成するために少なくとも1つの構成メッセージをモデムに送信する。(1つまたは複数の)構成メッセージは、送信すべき特定のイベントメッセージ、イベントメッセージ中で送信すべきパラメータ、イベントメッセージを送信するための条件などを定義することができる。各イベントメッセージは、関連するイベントによってトリガされたときに送信でき、そのイベントメッセージに対して定義されたパラメータのセットを与えることができる。モジュールは、(1つまたは複数の)構成メッセージによって構成された、モデムによって送信されるイベントメッセージを受信する。
【0087】
ブロック614の1つの設計では、モジュールは、指定されたパラメータを取得するため、および診断メッセージ中の残りのパラメータを廃棄するために診断メッセージをパースする。モジュールは指定されたパラメータをバッファに記憶する。ブロック616の1つの設計では、モジュールは、バッファに記憶されたパラメータのセットを含む報告(report)を生成する。パラメータのセットは診断情報を形成することができる。モジュールは報告をネットワークサーバに送信する。
【0088】
図7に、ワイヤレスデバイスによって診断情報を送信するためのプロセス700の設計を示す。プロセス700は、診断監視モジュール220などのモジュールによって実行できる。モジュールはモデムから診断メッセージを受信する(ブロック712)。モジュールは、ワイヤレスデバイスの無線接続またはデータセッションまたは両方のパフォーマンスを示すセットパラメータを取得するために診断メッセージを処理する(ブロック714)。モジュールは、報告すべきパラメータのセットに基づいて辞書を定義し、セット中の各パラメータに異なるフィールドコードを割り当てる(ブロック716)。モジュールは、辞書とレコードのセットとを含むデータブロックを生成する(ブロック718)。辞書は、報告されているパラメータのセットに対するフィールドコードのセットと各フィールドコードの説明とを含むことができる。レコードのセットは、辞書中で定義されるフィールドコードに対するパラメータ値を含むことができる。モジュールは、データブロックをワイヤレスデバイスからネットワークサーバに送信する(ブロック720)。
【0089】
1つの設計では、モジュールは、ネットワークサーバとの報告セッションを開始するために開始メッセージを送信する。モジュールは、ネットワークサーバから報告セッションを容認する応答(reply)メッセージを受信する。モジュールは、報告セッション中にデータブロックを生成し、送信する。
【0090】
図8に、ワイヤレスデバイスにおいてページングメッセージを受信するためのプロセス800の設計を示す。ワイヤレスデバイスは、非アクティブモードで動作しているとき、ワイヤレスデバイスの第1の識別子に基づいて送信される第1のページングメッセージを受信する(ブロック812)。ワイヤレスデバイスは、アクティブモードで動作しているとき、ワイヤレスデバイスの第2の識別子に基づいて送信される第2のページングメッセージを受信する(ブロック814)。ワイヤレスデバイスは、アクティブモードではアクティブデータセッションを有することができ、非アクティブモードではアクティブデータセッションを有することができない。
【0091】
第1の識別子はワイヤレスデバイスのMDNを含むことができ、第1のページングメッセージは、ボイスサービスオプション(たとえば、SO−3)を使用してワイヤレスデバイスに送信できる。第2の識別子はワイヤレスデバイスのIPアドレスを含むことができ、第2のページングメッセージは、ワイヤレスデバイスにおけるアプリケーションのソケットに送信できる。ワイヤレスデバイスは、第1の無線ネットワーク、たとえば、1xRTTネットワークを介して第1のページングメッセージを受信する。ワイヤレスデバイスは、第1の無線ネットワークまたは第2の無線ネットワーク、たとえば、EVDOネットワークを介して第2のページングメッセージを受信する。
【0092】
図9に、ページングメッセージを送信するためのプロセス900の設計を示す。プロセス900は、図1および図4のページングサーバ164などのネットワークエンティティによって実行できる。ページングサーバは、ワイヤレスデバイスが非アクティブモードで動作しているか、アクティブモードで動作しているかを判断する(ブロック912)。ページングサーバは、非アクティブモードで動作している場合、ワイヤレスデバイスの第1の識別子に基づいてページングメッセージをワイヤレスデバイスに送信する(ブロック914)。ページングサーバは、アクティブモードで動作している場合、ワイヤレスデバイスの第2の識別子に基づいてページングメッセージをワイヤレスデバイスに送信する(ブロック916)。
【0093】
第1の識別子はワイヤレスデバイスのMDNを含むことができ、第1のページングメッセージは、ボイスサービスオプションを使用してワイヤレスデバイスに送信できる。第2の識別子はワイヤレスデバイスのIPアドレスを含むことができ、第2のページングメッセージは、ワイヤレスデバイスにおけるアプリケーションのソケットに送信できる。ページングサーバ、Radiusサーバ、または別のネットワークエンティティは、ワイヤレスデバイスのIPアドレスとソケットとMDNとの関連付けを記憶することができる。
【0094】
図10に、図1のワイヤレスデバイス110、無線ネットワーク120、およびネットワーク/ページングサーバ162の設計のブロック図を示す。ワイヤレスデバイス110において、モデム210は、ワイヤレスデバイスによって送信すべきデータを受信し、データを処理し、出力サンプルを生成することができる。送信機(TMTR)212は、出力サンプルを調整し、無線ネットワーク120に送信できる逆方向リンク信号を生成することができる。順方向リンク上で、ワイヤレスデバイス110は、無線ネットワーク120および/または他の無線ネットワークから順方向リンク信号を受信することができる。受信機(RCVR)214は、受信信号を調整し、入力サンプルを与えることができる。モデム210は、入力サンプルを処理し、復号データを与えることができる。モデム210は、ワイヤレスデバイス110にサービスする無線ネットワークによって利用される無線技術(たとえば、1xRTT、EVDOなど)に従って処理を実行することができる。デジタル信号プロセッサ244は、ワイヤレスデバイス110のための様々なタイプの処理を実行することができる。
【0095】
コントローラ/プロセッサ240は、ワイヤレスデバイス110において動作を指示することができる。プロセッサ240および/または244は、図3のモジュール320〜370を実装することができる。プロセッサ240および/または244はまた、図5のプロセス500、図6のプロセス600、図7のプロセス700、図8のプロセス800、および/または本明細書で説明する技法の他のプロセスを実行または指示することができる。メモリ242は、ワイヤレスデバイス110のプログラムコードおよびデータを記憶することができる。モデム210、プロセッサ240および244、ならびにメモリ242は、特定用途向け集積回路(ASIC)202上に実装できる。
【0096】
無線ネットワーク120において、送信機/受信機248は、ワイヤレスデバイス120および他のワイヤレスデバイスとの無線通信をサポートすることができる。コントローラ/プロセッサ250は、ワイヤレスデバイスとの通信のための様々な機能を実行することができる。メモリ252は、無線ネットワーク120のプログラムコードおよびデータを記憶することができる。通信(Comm)ユニット254は、他のネットワークエンティティ、たとえば、ネットワークサーバ162との通信をサポートすることができる。一般に、無線ネットワーク120は、任意の数のコントローラ、プロセッサ、メモリ、送信機、受信機、通信ユニットなどを含むことができる。
【0097】
ネットワークサーバ162において、コントローラ/プロセッサ260は、通信サービス、たとえば、ページングをサポートするための様々な機能を実行することができる。コントローラ/プロセッサ260は、図9のプロセス900および/または本明細書で説明する技法の他のプロセスを実行または指示することができる。メモリ262は、ネットワークサーバ162のプログラムコードおよびデータを記憶することができる。通信ユニット264は、他のネットワークエンティティ、たとえば、無線ネットワーク120、PDSN140などとの通信をサポートすることができる。一般に、図1のネットワークサーバ162ならびに他のサーバは、任意の数のコントローラ、プロセッサ、メモリ、通信ユニットなどとともに実装できる。
【0098】
情報および信号は様々な異なる技術および技法のいずれかを使用して表すことができることを、当業者は理解されよう。たとえば、上記の説明の全体にわたって言及することがあるデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、およびチップは、電圧、電流、電磁波、磁界または磁粒子、光場または光学粒子、あるいはそれらの任意の組合せによって表現できる。
【0099】
さらに、本明細書の開示に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実装できることを、当業者は理解されよう。ハードウェアとソフトウェアとのこの互換性を明確に示すために、様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、上記では概してそれらの機能に関して説明した。そのような機能をハードウェアとして実装するかソフトウェアとして実装するかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。当業者は、説明した機能を特定の適用例ごとに様々な方法で実装することができるが、そのような実装の決定は、本開示の範囲からの逸脱を生じると解釈すべきではない。
【0100】
本明細書の開示に関連して説明した様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路は、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタロジック、個別ハードウェアコンポーネント、あるいは本明細書に記載の機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実装または実行できる。汎用プロセッサはマイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成としても実装できる。
【0101】
本明細書の開示に関連して説明された方法またはアルゴリズムのステップは、ハードウェアで直接実施するか、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールで実施するか、またはその2つの組合せで実施することができる。ソフトウェアモジュールは、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で知られている任意の他の形態の記憶媒体中に常駐することができる。例示的な記憶媒体は、プロセッサが記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができるようにプロセッサに結合される。代替として、記憶媒体はプロセッサに一体化することができる。プロセッサおよび記憶媒体はASIC中に常駐することができる。ASICはユーザ端末内に常駐することができる。代替として、プロセッサおよび記憶媒体はユーザ端末中の個別構成要素として常駐することができる。
【0102】
1つまたは複数の例示的な設計では、説明した機能を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはそれらの組合せで実装することができる。ソフトウェアで実装する場合、機能は、1つまたは複数の命令またはコードとしてコンピュータ可読媒体上に記憶するか、あるいはコンピュータ可読媒体を介して送信することができる。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を可能にする任意の媒体を含む、コンピュータ記憶媒体と通信媒体の両方を含む。記憶媒体は、汎用または専用コンピュータによってアクセスできる任意の利用可能な媒体とすることができる。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD−ROM、あるいは他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージまたは他の磁気ストレージデバイス、もしくは命令またはデータ構造の形の所望のプログラムコード手段を搬送または記憶するために使用でき、汎用または専用コンピュータあるいは汎用または専用プロセッサによってアクセスできる任意の他の媒体を備えることができる。さらに、いかなる接続も正しくはコンピュータ可読媒体と呼ばれる。たとえば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL)、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術を使用して、ウェブサイト、サーバ、または他のリモートソースから送信される場合、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、DSL、または赤外線、無線、およびマイクロ波などのワイヤレス技術は、媒体の定義に含まれる。本明細書で使用するディスク(disk)およびディスク(disc)は、コンパクトディスク(disc)(CD)、レーザディスク(disc)、光ディスク(disc)、デジタル多用途ディスク(disc)(DVD)、フロッピー(登録商標)ディスク(disk)およびブルーレイディスク(disc)を含み、ディスク(disk)は、通常、データを磁気的に再生し、ディスク(disc)は、データをレーザで光学的に再生する。上記のものの組合せもコンピュータ可読媒体の範囲内に含まれるべきである。
【0103】
本開示の前述の説明は、いかなる当業者でも本開示を作成または使用することができるように提供される。本開示への様々な修正は当業者には容易に明らかであり、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の変形形態に適用できる。したがって、本開示は、本明細書で説明する例および設計に限定されるものではなく、本明細書で開示する原理および新規の特徴に合致する最も広い範囲を与えられるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤレス通信のための方法であって、
第1のインターフェースを介してモデムから診断メッセージを受信することと、
無線ネットワークのステータスを示すネットワークステータス情報を取得するために前記診断メッセージを処理することと、
前記無線ネットワークとの通信を制御するために、アプリケーションが使用する前記ネットワークステータス情報を第2のインターフェースを介して前記アプリケーションに与えることと、
を含む方法。
【請求項2】
前記診断メッセージを処理することは、
前記無線ネットワークの指定されたパラメータを取得するために前記診断メッセージをパースすることと、
前記無線ネットワークの前記指定されたパラメータに基づいて前記ネットワークステータス情報を判断することと、
を含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記ネットワークステータス情報は、前記無線ネットワークの受信信号強度を示すバー値と、ローミングビットインジケータ(RBI)と、前記無線ネットワークの無線技術の指示と、システム時間とのうちの少なくとも1つを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
ワイヤレスデバイスのステータスを示すデバイスステータス情報を取得するために前記診断メッセージを処理することと、
前記デバイスステータス情報を前記第2のインターフェースを介して前記アプリケーションに与えることと、
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記デバイスステータス情報は、前記ワイヤレスデバイスのエレクトロニクスシリアルナンバー(ESN)と、モバイルディレクトリ番号(MDN)と、モデムバージョンと、好適ローミングリスト(PRL)バージョンとのうちの少なくとも1つを含む、請求項4記載の方法。
【請求項6】
少なくとも1つのパラメータのためのコマンド要求メッセージを前記モデムに送信することをさらに含み、
前記診断メッセージを受信することは、前記少なくとも1つのパラメータをもつコマンド応答メッセージを受信することを含む、
請求項1記載の方法。
【請求項7】
ログメッセージを送信するように前記モデムを構成するために、少なくとも1つの構成メッセージを前記モデムに送信することをさらに含み、
前記診断メッセージを受信することは、前記少なくとも1つの構成メッセージによって構成された前記モデムによって送信される前記ログメッセージを受信することを含む、 請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記第1のインターフェースは、前記モデムの機能をテストするためのパラメータを与えるために前記モデムによって使用される診断インターフェースを含み、前記第2のインターフェースはアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
ネットワークステータス情報のパラメータを要求するアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を前記アプリケーションから受信することと、
前記要求されたパラメータを前記アプリケーションに与えることと、
をさらに含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
前記ネットワークステータス情報は、サービスをアクティブ化すべきかどうかを判断し、アクティブ化する場合に前記サービスのための無線ネットワークを選択するために、前記アプリケーションによって使用される、請求項1記載の方法。
【請求項11】
ワイヤレス通信のための装置であって、
第1のインターフェースを介してモデムから診断メッセージを受信し、
無線ネットワークのステータスを示すネットワークステータス情報を取得するために前記診断メッセージを処理し、
前記無線ネットワークとの通信を制御するために、アプリケーションが使用する前記ネットワークステータス情報を第2のインターフェースを介して前記アプリケーションに与えるように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える装置。
【請求項12】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記無線ネットワークの指定されたパラメータを取得するために前記診断メッセージをパースし、前記無線ネットワークの前記指定されたパラメータに基づいて前記ネットワークステータス情報を判断するように構成された、請求項11記載の装置。
【請求項13】
前記少なくとも1つのプロセッサは、ワイヤレスデバイスのステータスを示すデバイスステータス情報を取得するために前記診断メッセージを処理し、前記デバイスステータス情報を前記第2のインターフェースを介して前記アプリケーションに与えるように構成された、請求項11記載の装置。
【請求項14】
ワイヤレス通信のための装置であって、
第1のインターフェースを介してモデムから診断メッセージを受信する手段と、
無線ネットワークのステータスを示すネットワークステータス情報を取得するために前記診断メッセージを処理する手段と、
前記無線ネットワークとの通信を制御するために、アプリケーションが使用する前記ネットワークステータス情報を第2のインターフェースを介して前記アプリケーションに与える手段と、
を備える装置。
【請求項15】
前記診断メッセージを処理する手段は、
前記無線ネットワークの指定されたパラメータを取得するために前記診断メッセージをパースする手段と、
前記無線ネットワークの前記指定されたパラメータに基づいて前記ネットワークステータス情報を判断する手段と、
を備える、請求項14記載の装置。
【請求項16】
ワイヤレスデバイスのステータスを示すデバイスステータス情報を取得するために前記診断メッセージを処理する手段と、
前記デバイスステータス情報を前記第2のインターフェースを介して前記アプリケーションに与える手段と、
をさらに備える、請求項14記載の装置。
【請求項17】
少なくとも1つのコンピュータに、第1のインターフェースを介してモデムから診断メッセージを受信させるコードと、
無線ネットワークのステータスを示すネットワークステータス情報を取得するために、少なくとも1つのコンピュータに前記診断メッセージを処理させるコードと、
前記無線ネットワークとの通信を制御するために、少なくとも1つのコンピュータに、アプリケーションが使用する前記ネットワークステータス情報を第2のインターフェースを介して前記アプリケーションに与えることを行わせるコードと、
を備えるコンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品。
【請求項18】
ワイヤレス通信のための方法であって、
モデムから診断メッセージを受信することと、
ワイヤレスデバイスの無線接続またはデータセッションまたはこれら両方のパフォーマンスを示す診断情報を取得するために前記診断メッセージを処理することと、
ネットワーク監視およびデバッグのために前記診断情報をネットワークサーバに送信することと、
を含む方法。
【請求項19】
ログメッセージを送信するように前記モデムを構成するために少なくとも1つの構成メッセージを前記モデムに送信することをさらに含み、
前記少なくとも1つの構成メッセージは、送信すべき特定のログメッセージと、前記ログメッセージ中で送信すべきパラメータと、前記ログメッセージを送信するための条件とのうちの少なくとも1つを定義し、
前記診断メッセージを受信することは、前記少なくとも1つの構成メッセージによって構成された前記モデムによって送信される前記ログメッセージを受信することを含む、 請求項18記載の方法。
【請求項20】
イベントメッセージを送信するように前記モデムを構成するために少なくとも1つの構成メッセージを前記モデムに送信することをさらに含み、
各イベントメッセージは、関連するイベントによってトリガされたときに送信され、 前記診断メッセージを受信することは、前記少なくとも1つの構成メッセージによって構成された前記モデムによって送信される前記イベントメッセージを受信することを含む、請求項18記載の方法。
【請求項21】
前記診断メッセージを処理することは、
指定されたパラメータを取得するために、および前記診断メッセージ中の残りのパラメータを廃棄するために、前記診断メッセージをパースすることと、
前記指定されたパラメータをバッファに記憶することと、
を含む請求項18記載の方法。
【請求項22】
前記診断情報を送信することは、
前記バッファに記憶されたパラメータのセットを含む報告を生成することと、前記パラメータのセットは前記診断情報を形成し、
前記報告を前記ネットワークサーバに送信することと、
を含む、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
ワイヤレス通信のための装置であって、
モデムから診断メッセージを受信し、ワイヤレスデバイスの無線接続またはデータセッションまたはこれら両方のパフォーマンスを示す診断情報を取得するために前記診断メッセージを処理し、ネットワーク監視およびデバッグのために前記診断情報をネットワークサーバに送信するように構成された少なくとも1つのプロセッサを備える装置。
【請求項24】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
ログメッセージを送信するように前記モデムを構成するために少なくとも1つの構成メッセージを前記モデムに送信し、前記少なくとも1つの構成メッセージによって構成された前記モデムによって送信される前記ログメッセージを受信するように構成され、
前記少なくとも1つの構成メッセージは、送信すべき特定のイベントメッセージと、前記ログメッセージ中で送信すべきパラメータと、前記ログメッセージを送信するための条件とのうちの少なくとも1つを定義する、
請求項23記載の装置。
【請求項25】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
イベントメッセージを送信するように前記モデムを構成するために少なくとも1つの構成メッセージを前記モデムに送信することと、各イベントメッセージは、関連するイベントによってトリガされたときに送信され、
前記少なくとも1つの構成メッセージによって構成された前記モデムによって送信される前記イベントメッセージを受信することと、
を行うように構成された請求項23記載の装置。
【請求項26】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
指定されたパラメータを取得するために、および前記診断メッセージ中の残りのパラメータを廃棄するために、前記診断メッセージをパースし、前記指定されたパラメータをバッファに記憶するように構成された、請求項23記載の装置。
【請求項27】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
前記バッファに記憶されたパラメータのセットを含む報告を生成することと、前記パラメータのセットは前記診断情報を形成し、
前記報告を前記ネットワークサーバに送信することと、
を行うように構成された、請求項26記載の装置。
【請求項28】
ワイヤレス通信のための方法であって、
辞書とレコードセットとを含むデータブロックを生成することと、前記辞書は、報告されているパラメータセットに対するフィールドコードセットと各フィールドコードの説明とを含み、前記レコードセットは、前記辞書中で定義されるフィールドコードに対するパラメータ値を含み、
前記データブロックをワイヤレスデバイスからネットワークサーバに送信することと、 を含む方法。
【請求項29】
前記データブロック中で報告すべき前記パラメータセットに基づいて前記辞書を定義することと、
前記セット中の各パラメータに異なるフィールドコードを割り当てることと、
をさらに含む、請求項28記載の方法。
【請求項30】
モデムから診断メッセージを受信することと、
前記セット中の前記パラメータを取得するために前記診断メッセージを処理することと、
をさらに含み、前記パラメータは、前記ワイヤレスデバイスの無線接続またはデータセッションまたはこれら両方のパフォーマンスを示す、
請求項28記載の方法。
【請求項31】
前記ネットワークサーバとの報告セッションを開始するために開始メッセージを送信することと、
前記ネットワークサーバから前記報告セッションを容認する応答メッセージを受信することと、
をさらに含み、前記データブロックは、前記報告セッション中に生成され、および送信される、請求項28記載の方法。
【請求項32】
ワイヤレス通信のための装置であって、
辞書とレコードセットとを含むデータブロックを生成し、前記辞書は、報告されているパラメータセットに対するフィールドコードセットと各フィールドコードの説明とを含み、前記レコードセットは、前記辞書中で定義されるフィールドコードに対するパラメータ値を含み、
前記データブロックをワイヤレスデバイスからネットワークサーバに送信する、
少なくとも1つのプロセッサ
を備える装置。
【請求項33】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記データブロック中で報告すべき前記パラメータセットに基づいて前記辞書を定義し、前記セット中の各パラメータに異なるフィールドコードを割り当てる、請求項32記載の装置。
【請求項34】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
モデムから診断メッセージを受信し、前記セット中の前記パラメータを取得するために前記診断メッセージを処理し、
前記パラメータは、前記ワイヤレスデバイスの無線接続またはデータセッションまたはこれら両方のパフォーマンスを示す、請求項32記載の装置。
【請求項35】
ワイヤレス通信のための方法であって、
ワイヤレスデバイスが非アクティブモードで動作しているとき、前記ワイヤレスデバイスの第1の識別子に基づいて送信される第1のページングメッセージを受信することと、 前記ワイヤレスデバイスがアクティブモードで動作しているとき、前記ワイヤレスデバイスの第2の識別子に基づいて送信される第2のページングメッセージを受信することと、
を含む方法。
【請求項36】
前記ワイヤレスデバイスは、前記アクティブモードではアクティブデータセッションを有し、前記非アクティブモードではアクティブデータセッションを有しない、請求項35記載の方法。
【請求項37】
前記第1の識別子は前記ワイヤレスデバイスのモバイルディレクトリ番号(MDN)を含み、前記第1のページングメッセージは、ボイスサービスオプションを使用して前記ワイヤレスデバイスに送信される、請求項35記載の方法。
【請求項38】
前記第2の識別子は前記ワイヤレスデバイスのインターネットプロトコル(IP)アドレスを含み、前記第2のページングメッセージは、前記ワイヤレスデバイスにおけるアプリケーションのソケットに送信される、請求項35記載の方法。
【請求項39】
前記第1のページングメッセージは第1の無線ネットワークを介して受信され、前記第2のページングメッセージは前記第1の無線ネットワークまたは第2の無線ネットワークを介して受信される、請求項35記載の方法。
【請求項40】
ワイヤレス通信のための装置であって、
ワイヤレスデバイスが非アクティブモードで動作しているとき、前記ワイヤレスデバイスの第1の識別子に基づいて送信される第1のページングメッセージを受信し、
前記ワイヤレスデバイスがアクティブモードで動作しているとき、前記ワイヤレスデバイスの第2の識別子に基づいて送信される第2のページングメッセージを受信する、
少なくとも1つのプロセッサを備える装置。
【請求項41】
前記第1の識別子は前記ワイヤレスデバイスのモバイルディレクトリ番号(MDN)を含み、前記第1のページングメッセージはボイスサービスオプションを使用して前記ワイヤレスデバイスに送信される、請求項40記載の装置。
【請求項42】
前記第2の識別子は前記ワイヤレスデバイスのインターネットプロトコル(IP)アドレスを含み、前記第2のページングメッセージは前記ワイヤレスデバイスにおけるアプリケーションのソケットに送信される、請求項40記載の装置。
【請求項43】
前記少なくとも1つのプロセッサは、
第1の無線ネットワークを介して前記第1のページングメッセージを受信し、
前記第1の無線ネットワークまたは第2の無線ネットワークを介して前記第2のページングメッセージを受信する、
請求項40記載の装置。
【請求項44】
ワイヤレス通信のための方法であって、
ワイヤレスデバイスが非アクティブモードで動作しているか、アクティブモードで動作しているかを判断することと、
前記ワイヤレスデバイスが前記非アクティブモードで動作している場合、前記ワイヤレスデバイスの第1の識別子に基づいてページングメッセージを前記ワイヤレスデバイスに送信することと、
前記ワイヤレスデバイスが前記アクティブモードで動作している場合、前記ワイヤレスデバイスの第2の識別子に基づいて前記ページングメッセージを前記ワイヤレスデバイスに送信することと、
を含む方法。
【請求項45】
前記第1の識別子は前記ワイヤレスデバイスのモバイルディレクトリ番号(MDN)を含み、前記第1のページングメッセージはボイスサービスオプションを使用して前記ワイヤレスデバイスに送信される、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記第2の識別子は前記ワイヤレスデバイスのインターネットプロトコル(IP)アドレスを含み、前記第2のページングメッセージは前記ワイヤレスデバイスにおけるアプリケーションのソケットに送信される、請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記ワイヤレスデバイスの前記IPアドレスと前記ソケットとモバイルディレクトリ番号(MDN)との関連付けを記憶すること、
をさらに備える、請求項46記載の方法。
【請求項48】
ワイヤレス通信のための装置であって、
ワイヤレスデバイスが非アクティブモードで動作しているか、アクティブモードで動作しているかを判断し、
前記ワイヤレスデバイスが前記非アクティブモードで動作している場合、前記ワイヤレスデバイスの第1の識別子に基づいてページングメッセージを前記ワイヤレスデバイスに送信し、
前記ワイヤレスデバイスが前記アクティブモードで動作している場合、前記ワイヤレスデバイスの第2の識別子に基づいて前記ページングメッセージを前記ワイヤレスデバイスに送信する
少なくとも1つのプロセッサ
を備える装置。
【請求項49】
前記第1の識別子は前記ワイヤレスデバイスのモバイルディレクトリ番号(MDN)を含み、前記第1のページングメッセージはボイスサービスオプションを使用して前記ワイヤレスデバイスに送信される、請求項48記載の装置。
【請求項50】
前記第2の識別子は前記ワイヤレスデバイスのインターネットプロトコル(IP)アドレスを含み、前記第2のページングメッセージは前記ワイヤレスデバイスにおけるアプリケーションのソケットに送信される、請求項48記載の装置。
【請求項51】
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記ワイヤレスデバイスの前記IPアドレスと前記ソケットとモバイルディレクトリ番号(MDN)との関連付けを記憶する、請求項50記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−9385(P2013−9385A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−171059(P2012−171059)
【出願日】平成24年8月1日(2012.8.1)
【分割の表示】特願2010−535041(P2010−535041)の分割
【原出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
2.EEPROM
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】