説明

ワイヤレスメッシュネットワーク通信を強化する機器および方法

【課題】ワイヤレスメッシュネットワークを介して送信される通信を強化する方法および機器を提供する。
【解決手段】ワイヤレスメッシュネットワーク220が、複数の無線データノード265を含む。ワイヤレスメッシュネットワークは、複数の無線データノードの少なくとも2つに結合された少なくとも1つの交流(AC)導管(290/300)も含む。少なくとも1つのAC導管は、複数の無線データノードの少なくとも2つの間でデータを送信するように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に記載する実施形態は、概して、ワイヤレス通信に関し、より詳細には、ワイヤレスメッシュネットワークを介して送信される通信を強化する方法および機器に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの公知の通信ネットワークは、ワイヤレスメッシュネットワーク(WMN)として構成される。このようなWMNは、メッシュトポロジで編成された複数の無線データノードを含む。無線データノードは、配線/ケーブルを含むネットワークを介した、ほぼ連続したデータ送信と比較して、無線周波数(RF)スペクトルを使って、短いバーストでデータを転送する送信機および受信機として動作する。少なくともいくつかの公知のWMNは、監視システム内で実装され、無線データノードを経由した収集および/またはさらなる送信のために監視センサ装置からゲートウェイ装置にセンサ情報を送信するのに使われる。通常、このような公知の監視システムおよびWMNにおいて、監視センサ装置とゲートウェイ装置との間の部分において使われる唯一の配線は、センサ装置と無線データノードとの間である。多くの公知の無線データノードは、所望されるビーム重複量に依存して、50メートル(m)(164フィート(ft))未満の送信および受信範囲を達成しやすくする、ビーム範囲が約25m(82ft)の全方向アンテナをもつ。
【0003】
このような公知の監視システムおよびWMNの少なくともいくつかは、隣接ノードおよび/またはゲートウェイ装置の間、たとえば、厚い壁または他の構造物の間の無線連結経路が比較的短く、信号減衰が比較的大量である部分を含む施設で使われる。また、一部の監視システムは、施設の領域内の複数の監視センサ装置をグループ化することができ、そうすることによって、データ収集グループを定義する。こうしたデータ収集グループの少なくともいくつかは、施設の遠隔エリア内に位置決めされて遠隔グループを定義することができ、このような遠隔グループは、主グループに動作可能に結合される必要がある。50m(164ft)の範囲の無線データノードを使って、遠隔グループを主グループに動作可能に結合することは、湾曲した通信経路を定義する、長い距離に渡る多数の物理的障害物により、難しい場合がある。このような長く湾曲した経路により、無線データノードの数が増える可能性があり、そうすることによって、WMNおよび監視システムの設置コストが増し、動作および保守が複雑になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願公開第2009/0174569号明細書
【発明の概要】
【0005】
一態様では、ワイヤレスメッシュネットワークが提供される。ワイヤレスメッシュネットワークは、複数の無線データノードを含む。ワイヤレスメッシュネットワークは、複数の無線データノードの少なくとも2つに結合された少なくとも1つの交流(AC)導管も含む。少なくとも1つのAC導管は、複数の無線データノードの少なくとも2つの間でデータを送信するように構成される。
【0006】
別の態様では、ネットワークを構築する方法が提供される。この方法は、交流(AC)電力システムを、少なくとも2つの無線データノードに結合することを含む。この方法は、少なくとも2つの無線データノードと、AC電力システムとを、その間でデータを送信するように構成することも含む。
【0007】
さらに別の態様では、監視システムが提供される。監視システムは、少なくとも1つのセンサ測定装置を含む。このシステムは、少なくとも1つのセンサ測定装置に結合された少なくとも1つのコンピューティング装置も含む。このシステムは、複数の無線データノードをさらに含む。複数の無線データノードの少なくとも1つが、少なくとも1つのコンピューティング装置に結合される。このシステムは、複数の無線データノードの少なくとも2つに結合された少なくとも1つの交流(AC)導管も含む。少なくとも1つのAC導管は、複数の無線データノードの少なくとも2つの間でデータを送信するように構成される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】マシンの動作を監視し、かつ/または制御するのに使うことができる例示的なコンピューティング装置を示すブロック図である。
【図2】ネットワークの一部分を介して通信するように結合されたマシンコントローラおよび施設コントローラを含む、例示的なマシン監視システムを示すブロック図である。
【図3】図2に示す監視システムとともに使われ得る複数の例示的な無線データノードを示す概略図である。
【図4】図3に示す無線データノードおよび図2に示す監視システムに統合された例示的な交流(AC)電力システムを示す概略図である。
【図5】図4に示すネットワークを構築する例示的な方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、マシン(図1には示さず)の動作を監視し、かつ/または制御するのに使うことができる例示的なコンピューティング装置105のブロック図である。コンピューティング装置105は、メモリ装置110と、命令を実行する、メモリ装置110に動作可能に結合されたプロセッサ115とを含む。一部の実施形態では、実行可能命令がメモリ装置110に格納される。コンピューティング装置105は、プロセッサ115をプログラムすることによって、本明細書に記載する1つまたは複数の動作を実施するように構成可能である。たとえば、プロセッサ115は、動作を1つまたは複数の実行可能命令としてエンコードし、実行可能命令をメモリ装置110内で提供することによってプログラムされ得る。プロセッサ115は、1つまたは複数の処理ユニットを(たとえば、マルチコア構成で)含み得る。
【0010】
例示的な実施形態において、メモリ装置110は、実行可能命令および/または他のデータなどの情報の格納および取出しを可能にする1つまたは複数の装置である。メモリ装置110は、限定ではなく、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、スタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)、固体状態ディスク、ハードディスク、読出し専用メモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能なプログラム可能ROM(EEPROM)、および/または不揮発性RAM(NVRAM)メモリなど、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体を含み得る。上記メモリタイプは例示に過ぎず、したがって、コンピュータプログラムの格納に使用可能なメモリのタイプに関して限定するものではない。
【0011】
さらに、本明細書で使用する「ソフトウェア」および「ファームウェア」という用語は、入換え可能であり、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、クライアントおよびサーバによる実行のために、メモリに格納されたどのコンピュータプログラムも含む。
【0012】
メモリ装置110は、限定はしないが、振動示度、界磁電圧および電流示度、界磁基準設定値、固定子電圧および電流示度、回転子速度示度、保守作業、ならびに/または他のどのタイプのデータも含む動作測定値を格納するように構成され得る。一部の実施形態では、プロセッサ115は、データの古さに基づいて、メモリ装置110からデータを削除し、または「一掃」する。たとえば、プロセッサ115は、後続の時間および/またはイベントに関連づけられた、予め記録され格納されたデータを上書きすることができる。追加的または代替的には、プロセッサ115は、所定の時間間隔を超えるデータを削除してよい。
【0013】
一部の実施形態では、コンピューティング装置105は、プロセッサ115に結合された提示インタフェース120を含む。提示インタフェース120は、ユーザインタフェースおよび/またはアラームなどの情報を、ユーザ125に提示する。たとえば、提示インタフェース120は、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、有機LED(OLED)ディスプレイ、および/または「電子インク」ディスプレイなどの表示装置(図示せず)に結合され得るディスプレイアダプタ(図示せず)を含み得る。一部の実施形態では、提示インタフェース120は、1つまたは複数の表示装置を含む。追加的または代替的には、提示インタフェース120は、音声出力装置(図示せず)(たとえば、音声アダプタおよび/もしくはスピーカ)ならびに/またはプリンタ(図示せず)を含み得る。一部の実施形態では、提示インタフェース120は、ヒューマンマシンインタフェース(HMI)(図示せず)を使うなどして、同期マシン(図1には示さず)に関連づけられたアラームを提示する。
【0014】
一部の実施形態では、コンピューティング装置105は、ユーザ入力インタフェース130を含む。例示的な実施形態において、ユーザ入力インタフェース130は、プロセッサ115に結合され、ユーザ125から入力を受け取る。ユーザ入力インタフェース130は、たとえば、キーボード、ポインティングデバイス、マウス、スタイラス、タッチ式パネル(たとえば、タッチパッドやタッチスクリーン)、ジャイロスコープ、加速度計、位置検出装置、および/または音声入力インタフェース(たとえば、マイクロホンを含む)を含み得る。タッチスクリーンなどの単一の構成要素が、提示インタフェース120およびユーザ入力インタフェース130両方の表示装置として機能することができる。
【0015】
通信インタフェース135は、プロセッサ115に結合され、センサや別のコンピューティング装置105など、他の1つまたは複数の装置に結合されて通信するように、また、このような装置に対して入力および出力動作を実施するように構成される。たとえば、通信インタフェース135は、限定はしないが、ワイヤードネットワークアダプタ、ワイヤレスネットワークアダプタ、移動遠隔通信アダプタ、シリアル通信アダプタ、および/またはパラレル通信アダプタを含み得る。通信インタフェース135は、1つまたは複数の遠隔装置からデータを受信し、かつ/またはデータを送信することができる。たとえば、あるコンピューティング装置105の通信インタフェース135が、別のコンピューティング装置105の通信インタフェース135にアラームを送信することができる。
【0016】
提示インタフェース120および/または通信インタフェース135は両方とも、本明細書に記載する方法で使用するのに適した情報を(たとえば、ユーザ125や別の装置に)提供することが可能である。したがって、提示インタフェース120および通信インタフェース135は、出力装置と呼ぶことができる。同様に、ユーザ入力インタフェース130および通信インタフェース135は、本明細書に記載する方法で使用するのに適した情報を受信することが可能であり、入力装置と呼ぶことができる。
【0017】
図2は、マシン205を監視し、かつ/または操作するのに使うことができる例示的なシステム200のブロック図である。マシン205は、限定はしないが、化学プロセス反応器、排熱回収ボイラ、蒸気タービン、ガスタービン、開閉所回路遮断器、および開閉所変圧器を含む、どの工業プロセス用のどの工業機器でもよい。例示的な実施形態において、マシン205は、比較的大きい、統合型工業施設208の一部分である。施設208は、限定はしないが、複数台のマシン205を含み得る。また、例示的な実施形態において、施設208は、限定はしないが、山岳地形および延長水路(図示せず)を含む、凹凸のある地理的地形を含む。さらに、例示的な実施形態において、システム200は、ネットワーク220を介して、結合されて互いと通信するマシンコントローラ210および施設コントローラ215を含む。
【0018】
例示的な実施形態において、ネットワーク220は、どのプロトコルも使用し、本明細書に記載するようにネットワーク220の動作を可能にするどの仕様および標準の要件も満たす無線メッシュネットワークである。ネットワーク220は、小規模な短いバースト、すなわち、毎秒約250キロビット(Kbit/秒)またはそれ未満で、また、送信帯域中の約2.4GHzの周波数で、比較的少量の情報を送信する。ネットワーク220の実施形態は、限定ではなく、インターネット、ローカルエリアネットワーク(LAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスLAN(WLAN)、および/または仮想私設ネットワーク(VPN)との動作結合を含み得る。いくつかの動作について、特定のコンピューティング装置105を参照して後で説明するが、どのコンピューティング装置105も、記載する動作の1つまたは複数を実施し得ることが企図される。たとえば、コントローラ210およびコントローラ215は、以下の動作すべてを実施することができる。
【0019】
図1、2を参照すると、マシンコントローラ210、および施設コントローラ215は、コンピューティング装置105である。例示的な実施形態において、各コンピューティング装置105は、通信インタフェース135を介してネットワーク220に結合される。代替実施形態では、コントローラ210は、コントローラ215と統合される。
【0020】
コントローラ210は、第1のオペレータ225と(たとえば、ユーザ入力インタフェース130および/または提示インタフェース120を介して)対話する。たとえば、コントローラ210は、アラームなど、マシン205についての情報をオペレータ225に提示することができる。施設コントローラ215は、第2のオペレータ230と(たとえば、ユーザ入力インタフェース130および/または提示インタフェース120を介して)対話する。たとえば、施設コントローラ215は、第2のオペレータ230にアラームおよび/または保守作業を提示することができる。本明細書で使用する「オペレータ」という用語は、限定はしないが、シフト業務スタッフ、保守技師、および施設管理者を含む、施設208の運用および保守に関連した、どの立場にあるどの人も含む。
【0021】
マシン205は、1つまたは複数の監視センサ235を含む。例示的な実施形態において、監視センサ235は、限定はしないが、振動示度、界磁電圧および電流示度、界磁基準設定値、固定子電圧および電流示度、回転子速度示度、保守作業、ならびに/または他のどのタイプのデータも含む動作測定値を収集する。監視センサ235は、繰り返し(たとえば、周期的に、連続して、および/または要求されたときに)、現時点での動作測定示度を送信する。たとえば、監視センサ235は、最小値(たとえば、4ミリアンペア(ma))と最大値(たとえば、20ma)との間の電流を生じ得る。最小値は、界磁電流が検出されないという指示を表す。最大値は、検出可能な最も高い量の界磁電流が検出されるという指示を表す。コントローラ210は、動作測定示度を受け取り、処理する。
【0022】
施設208は、限定はしないが、冗長マシン205からのデータを含む、施設208の残りに関連づけられた運用データ測定値と、限定はしないが、局地的風速、局地的風速量、および局地的外気温を含む施設環境データとを収集する、監視センサ235と同様の追加監視センサ(図示せず)を含む。このようなデータは、ネットワーク220を超えて送信され、限定はしないが、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、および携帯情報端末(PDA)(いずれも図示せず)を含む、ネットワーク220にアクセスすることが可能などの装置によってもアクセスすることができる。
【0023】
図3は、マシン監視システム200の概略図である。例示的な実施形態において、コンピューティング装置105は、マシンコントローラ210および/または施設コントローラ215の一方である。また、例示的な実施形態において、各コンピューティング装置105は、通信インタフェース135を介してネットワーク220に結合される。ネットワーク220は、ゲートウェイ装置250を含み、装置250は、限定はしないが、ルータ、モデム、およびスイッチを含む、本明細書に記載するようにネットワーク220内での通信を可能にする任意のゲートウェイ装置である。ネットワーク220は、ワイヤレスメッシュネットワーク220の第1の部分260も含む。第1の部分260は、メッシュトポロジで編成された複数の無線データノード265を含む。各無線データノード265は、全方向アンテナを含み、各無線データノード265は、より具体的には、中継装置および全方向性ワイヤレスセンサインタフェースモジュール(wSIM)の一方である。あるいは、無線データノード265は、本明細書に記載するようにマシン監視システム200の動作を可能にする任意の装置である。一部の実施形態では、一部の無線データノード265は、指向性アンテナを含む。少なくとも1つの無線データノード265は、ゲートウェイ装置250と通信するように、動作可能に結合される。また、各無線データノード265は、少なくとも1つの隣接無線データノード265と通信するように、動作可能に結合される。さらに、各無線データノード265は、約25メートル(m)(82フィート(ft))の範囲をもち、隣接し合うノード265は、互いの間に重複領域(図示せず)が定義されるように、互いの50m(164ft)以内に位置決めされる。
【0024】
図4は、監視システム200内に統合された無線データノード265および例示的な交流(AC)電力システム270の概略図である。例示的な実施形態において、AC電力システム270は、ほとんどの施設において通常見られる大型の110ボルトAC(VAC)電力システムであり、ACシステム270の一部分のみを図示してある。あるいは、AC電力システム270は、どの電圧を有してもよい。AC電力システム270は、50ヘルツ(Hz)または60Hzで動作し得る。あるいは、AC電力システム270は、どの周波数も有し得る。AC電力システム270は、単一の、統合型システムであり、すなわち、システム270は、1つのユーティリティ電力網内で、限定ではなく、電圧および周波数を含む電気パラメータの統一をとりやすくするように形成される。
【0025】
また、例示的な実施形態において、AC電力システム270は、複数の追加無線データノード、または、より具体的には、拡張中継器275を含む。各拡張中継器275は、無線データノード265との通信用の全方向アンテナ(図示せず)を含む。各拡張中継器275は、モデム280も含む。各モデム280は、別のモデム280に送信されるアナログキャリア信号を介して、無線データノード265から受信したデジタル信号を変調する。各モデム280はまた、別のモデム280から受信したアナログキャリア信号を復調し、またはフィルタ除去し、そうすることによってデジタル信号は、無線データノード265にさらに送信される。
【0026】
さらに、例示的な実施形態において、各モデム280は、信号の変調および復調を監視し制御するように動作可能に結合された十分なメモリおよび処理ハードウェア(いずれも図示せず)を含み、そうすることによって、本明細書に記載するようにシステム200およびネットワーク220の動作を可能にする。モデム280は、信号送信を容易にするための1つまたは複数の動作を実施するようプロセッサに命じるための、メモリに格納された実行可能命令を含む。さらに、例示的な実施形態において、各モデム280内のメモリ装置は、限定はしないが、EPROM、EEPROM、および/またはNVRAMを含むファームウェア装置であり、実行可能命令は、ファームウェア内にある。あるいは、各モデム280は、比較的大きいコンピューティング装置の一部分でよく、その結果メモリ装置は、限定はしないが、RAM、DRAM、SRAM、固体状態ディスク、ハードディスク、およびROMを含み得る。上記メモリタイプは、例示に過ぎず、したがって、コンピュータプログラムおよびその実行可能命令の格納に使用可能なメモリのタイプに関して限定するものではない。
【0027】
また、例示的な実施形態において、AC電力システム270は、複数の標準壁面コンセント285を含み、少なくとも2つのコンセント285が、標準電力ケーブル290を介して互いと結合される。分かりやすくするために、図4では、ケーブル290を、2つの個々のチャネルとして示す。ただし、典型的な110VAC電気システムが、相互接続293によって示すように相互接続される。コンセント285は、壁295に結合され、各ケーブル290は、壁295の中で伸びる。さらに、例示的な実施形態において、各モデム280は、接続ケーブル300を介して壁面コンセント285に結合され、接続ケーブル300は、モデム280によって生成されたアナログキャリア信号ならびにAC電力を各拡張中継器275に送信する。各モデム280は、50Hzおよび60Hz干渉の大部分をフィルタ除去するのに十分なフィルタリングハードウェアおよび実行可能命令を含む。
【0028】
例示的な実施形態において、ネットワーク220の第1の部分260は、ネットワーク220の第2の部分305に動作可能に結合される。データは、双方向矢印308で示すように、第1の部分260と第2の部分305との間で送信される。代替実施形態では、第1の部分260は、第3の部分310(想像線で示す)にも動作可能に結合することができ、第2の部分305および第3の部分310が、ネットワーク220のいくつかの部分からなる集まり315を定義する。データは、双方向矢印318で示すように、第1の部分260と第3の部分310との間で送信される。
【0029】
AC電力システム270を使って部分260、305、310の間でデータを送信することにより、そうしないと高周波信号を阻止し、かつ/または減衰することになる、湾曲した通信経路を定義する障害物を含む施設208(図2に示す)の領域内でのデータ収集および転送が容易になる。このような障害物は、壁および大型のいくつかの機器、たとえば、限定ではなく、貯蔵タンクおよびサイロ、ならびにターボ機械を含み得る。また、AC電力システム270を通るデータ送信により、ユーザがネットワーク220およびシステム200を実装する際の柔軟性が増す。たとえば、第1の部分260は、施設208のある領域内で実装することができ、第2の部分305は、限定はしないが、遠い距離で隔てられた領域、異なるレベル/フロアに位置する領域、別個の部屋/区画内の領域、および別個の建物にある領域を含む、施設208の別の遠隔領域内で実装することができる。各領域は、AC電力システム270への少なくとも1つの接続、たとえば、壁面コンセント285を含む。既存のAC電力システム270を使うことによって、多数の冗長無線データノード265が必要なくなることにより、ネットワーク220およびシステム200の設置コストを下げ、運用および保守の複雑さを低下させやすくなる。また、障害物を取り除く必要が削減され、そうすることによって、実装コストがさらに下がる。
【0030】
また、例示的な実施形態において、無線データノード265および拡張中継器275は、短いデータバーストで比較的少量の情報を送受信する。ただし、AC電力システム270は、ほぼ連続したアナログ送信に、変調デジタルデータバーストを送信する。したがって、より高いデータレートのノード265およびより低いデータレートの電力システム270により、部分260、305、310の間のデータボトルネックを誘発する可能性が大幅に削減される。
【0031】
図5は、ネットワーク220(図3、4に示す)を構築する例示的な方法400のフローチャートである。例示的な実施形態において、複数の無線データノード265(図3、4に示す)が402で提供される。AC電力システム270(図4に示す)が、404で、無線データノード265の少なくともいくつかに動作可能に結合される。406で、無線データノード265の少なくともいくつかおよびAC電力システム270は、その間でデータを送信するように構成される。
【0032】
公知のワイヤレスメッシュネットワークおよび監視システムとは対照的に、本明細書に記載する方法、システム、および機器は、監視用データの低コスト送信を可能にする。具体的には、公知のワイヤレスメッシュネットワークとは対照的に、本明細書に記載する監視方法、システム、および機器は、そうしなければ高周波信号を阻止し、かつ/または減衰することになる湾曲した通信経路を定義する障害物を含む施設に関連づけられた運用データの送信を容易にする。また、具体的には、公知のワイヤレスメッシュネットワークとは対照的に、本明細書に記載する監視方法、システム、および機器は、施設全体に拡張する既存のAC電力システムを使う。より具体的には、ワイヤレスメッシュネットワークの部分が、障害物を迂回するように電力システムの部分に結合される。また、具体的には、電力システムを、本明細書に記載するワイヤレスメッシュネットワークおよび監視システムと統合することにより、遠い距離で隔てられ、異なるレベル/フロアに位置し、別個の部屋/区画内、および/または別個の建物に配置された施設の領域の間で運用データを送信することが容易になる。既存のAC電力システムを使うことによって、多数の冗長無線データノードが必要なくなり、かつ/または障害物を取り除く必要が減ることにより、本明細書に記載するワイヤレスメッシュネットワークおよび監視システムの設置コストを下げ、運用および保守の複雑さを低下させやすくなる。
【0033】
本明細書に記載する方法、システム、および機器の例示的な技術的効果は、(a)多数の無線データノードおよび/または障害物の除去なしでは難しいであろう施設エリア内で監視データの送信および受信を可能にすること、ならびに(b)遠隔および/またはアクセスしにくい領域にある施設エリア内で監視データの送信および受信を可能にすることの少なくとも一方を含む。
【0034】
本明細書に記載した方法およびシステムは、本明細書に記載した具体的実施形態に限定されない。たとえば、各システムの構成要素および/または各方法のステップは、本明細書に記載した他の構成要素および/またはステップとは独立して個別に使用し、かつ/または実施することができる。さらに、各構成要素および/またはステップは、他のアセンブリおよび方法でも使用し、かつ/または実施することができる。
【0035】
本記載内容では、本発明を開示するために、また、どの当業者も本発明を実施すること、たとえばどの装置またはシステムも作成し利用し、どの組込み方法も実施することを可能にするために、最良の形態を含む例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者が考えつく他の例を含み得る。このような他の例は、特許請求の範囲の文言とは違わない構造要素を有する限り、または特許請求の範囲の文言との本質的な違いがない等価な構造要素を含む限り、特許請求の範囲の範囲内であることを意図している。
【0036】
一部の実施形態は、1つまたは複数の電子またはコンピューティング装置の使用を伴う。このような装置は通常、汎用中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、マイクロコントローラ、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラム可能論理回路(PLC)、および/または本明細書に記載した機能を実行することが可能な他のどの回路もしくはプロセッサなどのプロセッサもしくはコントローラも含む。本明細書に記載した方法は、限定はしないが、記憶装置および/またはメモリ装置を含むコンピュータ可読媒体に埋め込まれる実行可能命令としてエンコードすることができる。このような命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、本明細書に記載した方法の少なくとも一部分を実施させる。上記例は、例示に過ぎず、したがって、いかなる意味でも、プロセッサという用語の定義および/または意味を限定することは意図していない。
【0037】
本発明を、様々な具体的実施形態によって記載したが、本発明は、特許請求の範囲の精神および範囲内の変更により実施され得ることが当業者には了解されよう。
【符号の説明】
【0038】
105 コンピューティング装置
110 メモリ装置
115 プロセッサ
120 提示インタフェース
125 ユーザ
130 ユーザ入力インタフェース
135 通信インタフェース
200 マシン監視システム
205 マシン
208 施設
210 マシンコントローラ
215 工場コントローラ
220 ネットワーク
225 第1のオペレータ
230 第2のオペレータ
235 監視センサ
250 ゲートウェイ装置
260 ワイヤレスメッシュネットワークの第1の部分
265 無線データノード
270 交流(AC)電力システム
275 拡張中継器
280 モデム
285 壁面コンセント
290 電力ケーブル
293 相互接続
295 壁
300 接続ケーブル
305 ワイヤレスメッシュネットワークの第2の部分
308 双方向矢印
310 ワイヤレスメッシュネットワークの第3の部分
315 部分の集まり
318 双方向矢印

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の無線データノード(265)と、
前記複数の前記無線データノード(265/275)の少なくとも2つに結合された少なくとも1つの交流(AC)導管(290/300)であって、前記複数の無線データノードの前記少なくとも2つの間でデータを送信するように構成された少なくとも1つのAC導管とを備えるワイヤレスメッシュネットワーク(220)。
【請求項2】
前記複数の無線データノード(265/275)の前記少なくとも2つが、
少なくとも1つのアンテナと、
少なくとも1つのモデム(280)とを備える拡張中継器(275)である、請求項1記載のワイヤレスメッシュネットワーク(220)。
【請求項3】
前記少なくとも1つのモデム(280)が、50ヘルツ(Hz)および60Hz干渉の大部分をフィルタ除去するためのフィルタリングハードウェアを備える、請求項2記載のワイヤレスメッシュネットワーク(220)。
【請求項4】
前記複数の無線データノード(265)が複数のワイヤレスセンサインタフェースモジュール(265)を備え、各ワイヤレスセンサインタフェースモジュール(265)が少なくとも1つのアンテナを備える、請求項1記載のワイヤレスメッシュネットワーク(220)。
【請求項5】
前記複数のワイヤレスセンサインタフェースモジュール(265)の少なくとも1つが、
コンピューティング装置(105)と、
前記少なくとも1つのAC導管(290/300)に動作可能に結合された少なくとも1つの拡張中継器(275)との少なくとも1つに動作可能に結合される、請求項4記載のワイヤレスメッシュネットワーク(220)。
【請求項6】
前記少なくとも1つのAC導管(290/300)が壁面コンセント(285)に動作可能に結合される、請求項1記載のワイヤレスメッシュネットワーク(220)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのAC導管(290/300)が、複数の壁面コンセント(285)に結合された複数の相互接続AC導管(293)を備えるAC電力システム(270)を備える、請求項1記載のワイヤレスメッシュネットワーク(220)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのAC導管(290/300)が、前記ワイヤレスメッシュネットワークの複数の部分(260/305)に動作可能に結合され、前記複数の部分の各部分が、
壁面コンセント(285)を介して前記少なくとも1つのAC導管に動作可能に結合された少なくとも1つの拡張中継器(275)と、
前記少なくとも1つの拡張中継器に動作可能に結合された少なくとも1つのワイヤレスセンサインタフェースモジュール(265)とを備える、請求項1記載のワイヤレスメッシュネットワーク(220)。
【請求項9】
少なくとも1つのセンサ測定装置(235)と、
前記少なくとも1つのセンサ測定装置に結合された少なくとも1つのコンピューティング装置(105)と、
複数の無線データノード(265/275)であって、前記複数の無線データノードの少なくとも1つが、前記少なくとも1つのコンピューティング装置に結合される複数の無線データノードと、
前記複数の前記無線データノードの少なくとも2つに結合された少なくとも1つの交流(AC)導管(290/300)であって、前記複数の無線データノードの前記少なくとも2つの間でデータを送信するように構成された少なくとも1つのAC導管とを備える監視システム(200)。
【請求項10】
前記複数の無線データノードの前記少なくとも2つ(265)が、
少なくとも1つのアンテナと、
少なくとも1つのモデム(280)とを備える拡張中継器(275)である、請求項9記載の監視システム(200)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−13078(P2013−13078A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−142832(P2012−142832)
【出願日】平成24年6月26日(2012.6.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】