ワイヤーボンディング用に目標アイポイントを教示する方法およびそれに関連した半導体処理操作
【解決手段】 ワイヤーボンディング操作のために目標アイポイントを教示する方法が提供される。この方法には、(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域から選択する工程と、(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程とが含まれる。この教示工程には、前記形状間の相対位置を定義する工程が含まれる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーボンディングシステムに関し、より具体的には、ワイヤーボンディングシステムで使用するための改善された目標アイポイント教示するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,119,436号および第6,869,869号は、ワイヤーボンディングシステムおよびそれに伴う視覚システムに関するものであり、参照により双方の全体を本明細書に組み込むものとする。
【0003】
半導体装置の処理およびパッケージングでは、視覚システムを使った教示操作が利用されることが多い。例えば、半導体装置のバッチ(リードフレームに取り付けた半導体ダイなどの装置)に対しワイヤーボンディング操作が行われる前には、一般にサンプル装置の(1つまたは複数の)目標アイポイントを「教示」することが望ましい。サンプル装置への「教示」により、そのサンプル装置に関する特定の物理データが(ワイヤーボンディング機のメモリなどに)格納される。この物理データは前記装置バッチを処理する間の基準として使用され、これにより、例えば(ワイヤーボンディングなどで)処理する半導体装置のバッチをそれぞれ確実かつ適切に位置決め(ポジショニング)または位置合わせ(アラインメント)できるようになる。
【0004】
このように、ワイヤーボンディング操作の文脈において、ワイヤーボンディング機は、視覚システム(パターン認識システム(Pattern Recognition System:PRS)など)を使って、それ以前に教示されたパターン(目標アイポイントや基準など)を見つけ、ボンディング位置に半導体装置が提示された後、ワイヤーがボンディングされる前(前記半導体装置と、それを支持するリードフレームとの間でワイヤーがボンディングされる前など)に、その半導体装置の位置合わせに前記パターンを役立てる。従来、目標アイポイントはサンプル装置に基づくもので、当該サンプル装置上のエリアに、教示ウィンドウで作業者が照準を定める態様でワイヤーボンディング機に教示されてきた。視覚システムは、標的目標アイポイントを走査(スキャン)する上で、従来の特定技術(アルゴリズムなど)と併用されている。
【0005】
従来の教示技術の1つは、正規化グレースケール相関システム(normalized grayscale correlation system:NGCS)を使ったサンプル装置(当該サンプル装置の選択部分など)の走査(スキャニング)に関係している。このような技術により、各位置での視覚システムの検出結果に基づき、グレースケール値が割り当てられる。例えば、半導体装置のボンドパッドを走査する場合は、走査が行われた位置にグレースケール値が割り当てられる。望ましい領域が走査された後、グレースケール値(対応する走査位置に関連付けられた)のライブラリが格納される。このタイプの実際の半導体装置をワイヤーボンディングする場合、視覚システムは、各走査位置でグレースケール値を検出し、教示工程中、これらのグレースケール値を前記ライブラリに格納された値と比較する。
【0006】
別の従来の教示技術は、サンプル装置(当該サンプル装置の選択部分など)の走査と、走査領域内に画成された個々のエッジ(縁部)の検出(エッジベースのパターンマッチング)とに関係している。このような技術により、各位置での視覚システムの検出結果に基づき、値が割り当てられる。例えば、半導体装置のボンドパッドを走査する場合は、走査した位置にエッジ値が割り当てられる。望ましい領域が走査された後、エッジ値(対応する走査位置に関連付けられた)のライブラリが格納される。このタイプの実際の半導体装置をワイヤーボンディングする場合、視覚システムは、各走査位置でエッジ値を検出し、教示工程中、これらのエッジ値を前記ライブラリに格納された値と比較する。
【0007】
これら従来の方法のどちらかを使用し、教示されたサンプル装置と、ワイヤーボンディングすべき実際の装置との比較の関数である加重スコアが、前記ワイヤーボンディングすべき各装置に与えられる。前記スコアが特定の閾値を超えると、前記装置は許容範囲内と見なされて処理(ワイヤーボンディングなど)されるが、当該スコアが前記閾値より低いと、通常、自動操作は続行されない。例えば、スコアの低いことが作業者に通知される。さらに、許容範囲内のスコアを取得するよう、後続する位置または目標アイポイントについて試行が行われる。さらに、代替アルゴリズムまたは回復シーケンスが試行される場合もある。
【0008】
残念なことに、これらの従来技術には、各々いくつかの問題が伴う。現実的には、同じバッチ内(または異なるバッチ間)の異なる半導体装置は、同じ装置であり同じ電気機能特性を有すると見なされる場合でも、異なる視覚特性を呈する可能性がある。例えば、表面の色または質感は装置により異なることがある。このような変動は、同じ装置を異なる供給業者が製造する場合、使用される製造工程間のわずかな差異によって生じる場合もある。このような変動の結果、装置の外観は、コントラストおよび反射率(反射率の非線形変動など)の点で互いに著しく異なってしまうことが多い。このように、従来のパターンマッチング技術から得られる加重スコアは、このような(サンプルで教示された装置と比べた場合、ワイヤーボンディングすべき装置の反射率の違いなどから生じる)変動により、低くなるおそれがある。そのため、一般にスコアは偽の該当結果を除外するため使われるが、従来のパターンマッチング技術(NGCSシステムやエッジベースのパターンマッチングシステムなど)では、後続処理について装置が許容範囲内であっても前記閾値より低いスコアになってしまう傾向がある。半導体装置間のこのような変動(装置間の表面変動など)により生じる別の問題は、作業者の補助が必要になる平均時間間隔(mean time between assists:MTBA)が不要に短くなり、自動ワイヤーボンディング機器の生産性が低下してしまうことである。
【0009】
このため、半導体装置処理用に目標アイポイントを教示する改善された方法と、前記目標アイポイントを使って半導体装置を処理する改善された方法とを提供することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の例示的な一実施形態によれば、ワイヤーボンディング操作のために目標アイポイントを教示する方法が提供される。この方法には、(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域から選択する工程と、(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程とが含まれる。例えば、このような所定のデータは、事前データ(CADデータ、過去のデータなど)、または前記教示工程の直前に決定されたデータであってもよい。この教示工程には、前記形状間の相対位置を定義する工程が含まれる。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によると、ワイヤーボンディング機を操作する方法が提供される。この方法には、(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域から選択する工程と、(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、前記ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程とが含まれる。前記教示工程には、前記形状間の相対位置を定義する工程が含まれる。前記方法には、(3)ワイヤーボンディングされるよう構成された第1の半導体装置を前記ワイヤーボンディング機の所定の位置にインデキシングする工程と、(4)前記ワイヤーボンディング機の視覚システムを使って前記第1の半導体装置の選択部分を走査する工程であって、前記選択部分は前記教示された目標アイポイントに対応するものである、前記走査する工程とが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の例示的な一実施形態によれば、ワイヤーボンディング機器内での半導体装置の位置決めおよび/または位置合わせに使用される、幾何学的特徴に基づいたパターンを生成する方法が提供される。この方法では、半導体ダイ表面のパターンの不変の特徴を使って目標アイポイントを生成する技術を定義する。このようなアプローチの場合、特定の変動(表面反射率の変動など)を有した半導体装置上のパターンを見つける際の堅牢性が向上する。さらに、生成された目標アイポイントは、(CADデータなどの事前データなどを使って)合成された特徴を使って構成でき、または実際の部品画像から抽出できる。従来のPRSシステム(グレースケールパターンマッチングや幾何学的パターンマッチングなど)と異なり、本開示で提案する方法は、画像内の不変の特徴を効果的に捉える。前記不変の特徴(およびそれら不変の特徴間の関係)を使って作成されたモデル(ワイヤーボンディング機のメモリなどに格納される)は、自動ワイヤーボンディングの本番環境における装置変動を取り扱う上で、従来の技術より堅牢である。
【0013】
本明細書に開示する種々の例示的な方法を使って生成される目標アイポイントは、例えば目標アイポイント教示工程中に学習されたパッド情報(または他の幾何学的情報または形状情報)を使って、PRSにおける主要な目標アイポイントまたはバックアップ目標アイポイントとして使用することができる。それにより生成される目標アイポイント(および半導体ダイの領域)は、(1)パッドの良好な幾何学的情報を有した半導体装置上の領域(パッドの縦の列およびパッドの横の列を含む領域など)を選択することによりPRSに自動的に選択され、または(2)望ましいパッド情報を伴うこの領域の選択中の作業者の介入により少なくとも部分的に選択される。
【0014】
PRSが自動的に目標アイポイントを生成する例では、形状(矩形、八角形、円形など任意タイプのボンドパッド形状など)およびそれら形状の相対位置を、オフラインプログラミングツールなどにより装置データ(CADデータなど)から得ることができる。あるいは、サンプル装置の観察後、そのような形状(およびそれら形状の相対位置)を視覚システムで自動的に抽出することもできる。半導体ダイのデジタル記述(所定の装置データ)の完全性が十分であれば、アルゴリズムを使って目標アイポイントに含める適切な形状/特徴を選択したのち、同じアルゴリズムにより、選択した形状/特徴を(当該形状/特徴の相対位置を使って)結合することができる。このような方法を使うと、ワイヤーボンダー自体に学習アクティビティをほとんど、またはまったく利用しない「非視覚教示」工程(オフラインプログラミング方法)がもたらされる。言うまでもなく、このようなオフラインプログラムを使って教示された目標アイポイントは、ワイヤーボンディング機上のサンプル装置により確認することが望ましい。このような非視覚教示システムでは、ワイヤーボンディング機の光学系の要件を軽減することが可能になる。これは、ワイヤーボンディング機では、教示操作を実施する上で(場合により可変レベルの倍率も備えた)複雑な視覚システムを使用することが多いが、既存のデータを使って非視覚態様で教示操作を行うと、視覚システムの複雑度(およびコスト)を低減できるためである。例えば、従来どおり2つの倍率レベル(「高倍率系」および「低倍率系」など2つの光学系)を使用するワイヤーボンディング機では、高倍率系の方を省略することが可能である。これは、隣接しあうボンドパッド間の小さな(サブピクセル(1画素より小さい)サイズの)間隙といった教示エリアの細部を、高倍率系を使って表示することが多いためである。「非視覚」教示工程を使用する本発明の特定の例示的実施形態によれば、そのような細部表示は(高倍率系にかかるコストなどのため)必要とされない。
【0015】
目標アイポイントの生成に作業者が介入する例では、作業者は、正確なモーションシステムおよび較正済みPRSの補助を利用できる。例えば、前記モーションシステムおよびPRSシステムは、作業者の提供したパラメータに基づいて教示工程を実施できる(ボンドパッド教示工程など)。このような方法は、例えば(1)半導体装置について十分な記述が利用できない場合、および/または(2)十分定義された幾何学的構造を伴わない特徴が目標アイポイントに含まれる場合に利用できる。このような教示工程には、例えば望ましい各形状/各特徴に順次移動し、その望ましい形状/特徴の画像から望ましいデータを取得する工程が伴う。それらの形状/特徴がすべて教示されたら、確立された基準フレーム内で、教示された形状/特徴の組み合わせと、各々の位置とを使って目標アイポイントを確立することができる。
【0016】
目標アイポイントの生成方法にかかわらず、教示工程後は、ボンドパッドサイズ、ボンドパッド位置、形状、極性、および他の特性などの形状情報が、PRSシステム内で利用可能になる。さらに、個々の形状情報(個々のボンドパッド形状情報など)のほか、それら形状間(ボンドパッド間)の幾何学的関係も、モーションシステムから得られ、および/またはPRSシステムを使って計算される。
【0017】
上記で提案したように、教示領域(目標アイポイントなど)では、実際の形状/パッドに関する情報(画像ベースのパッドモデル)を、合成された形状/パッドで代用することができる。より具体的には、そのような合成された形状/パッドは、当該半導体装置について利用可能なデータ(CADデータなどの事前データなど)を使って提供される。そのような合成された形状/パッドは、多数の形状/パッドについて一般化された特性をすべて含むため、(また通常であれば目標アイポイントの教示に使用されるおそれのあるサンプル装置の特定の欠陥を伴わないため)、平均的な形状/パッドをより良好に表現することができる。さらに、適切なマスキング技術を使用すると、半導体装置について選択した領域について、装置ごとに変化する傾向がある特定のエリアを排除することができる。さらに、半導体装置の特定の領域(ダイのパッド周辺エリアなど)に、当該装置の他のエリアより大きい加重を与える技術を使用すると、目標アイポイントをより堅牢にすることができる。
【0018】
本発明に従って生成された目標アイポイントに含まれる形状としては、例えばボンドパッド形状、パターンを形成するボンドパッドのグループ、従来の目標アイポイント形状(十字形(バツ印)、円形、四角形など)、定義された形状の閉経路(閉曲線)、および/またはダイ上の明確な任意の表面特徴などがある。さらに、これらの(または他の)うち2若しくはそれ以上の例示的な形状を組み合わせて、生成された目標アイポイントに含めてもよい。
【0019】
目標アイポイントを確立するため使用されるアルゴリズムには、例えば次のような異なる戦略をいくつか含めることができる。(1)形状/特徴の所定の最小数(最低限の数)をアルゴリズムに含め、この所定数の形状/特徴が教示された時点で、教示された形状/特徴の基準フレームに対する位置および/または教示された形状/特徴間の相対位置を計算する工程など当該工程の別の部分へ、当該アルゴリズムを移動させる。(2)教示工程中、必要に応じて特定の形状/特徴を定義し、そのような特徴の位置決めに失敗すると、結果的に目標アイポイントの定義も失敗するようにする。(3)それぞれの重要度または予測可能度に基づいて特定の形状/特徴に加重が与えられるよう、加重システムを使用する。このような加重システムは、処理すべき半導体装置のスコアを定義するため使用される。(4)目標アイポイントに含めるよう選択された望ましい形状/特徴がすべて視覚システム(撮像カメラなど)の単一視野に収まる場合は、単一の探索操作を使って、目標アイポイントを位置付けることができる。(5)望ましい特徴が視野に収まらない場合は、個々の特徴(目標アイポイントの個々のボンドパッドなど)を位置付けたのち、位置付けられた個々の特徴のデータを組み合わせて、完全な教示パターン(個々の特徴の相対位置などを含む)を取得することができる。および/または(6)教示段階中、信頼性を改善するため、複数の(および可能性として冗長な)教示アルゴリズムを適用する。これらの戦略等は、本発明の範囲内で任意に組み合わせて使用してよい。
【0020】
図1は、半導体装置100の一部の上面図である(図示した部分は、半導体ダイの左下部分を上方から見たものである)。半導体装置100には、この装置の外周に沿って配置されたボンドパッドがいくつか含まれる。そのようなボンドパッドとしては、例えばボンドパッド100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100h、100i、100j、100k、100l、および100mなどがある。半導体装置100には、回路領域102および回路領域104も含まれる。当業者に公知のとおり、半導体装置(半導体ダイなど)上の回路領域には、配線パターンや導電トレースなどを含めることができる。
【0021】
半導体装置100をワイヤーボンディング機で処理するには(装置100のボンドパッドと、装置100が取り付けられたリードフレーム上のリードでありうる第2のボンディング位置との間でワイヤーループを接合するには)、ワイヤーボンディング機に教示済みの(1つまたは複数の)目標アイポイントを使ってワイヤーボンディング機上で半導体装置100を位置合わせすることが望ましい。このような位置合わせに対する必要性は、言うまでもなく、例えばスタッドバンプ形成、ダイツーダイ(ダイからダイへの)ワイヤーボンディング、ワイヤーバンプ/ループの検査などを含む他の各種半導体処理技術にも存在する。
【0022】
上記のとおり、同じ装置と見なされる場合であっても、装置ごとに特性が異なるのが半導体装置の現実である。例えば、図2は、別の半導体装置200の一部の上面図である。半導体装置200は、図1に例示した装置100と異なる製造業者から提供されたものであるが、ワイヤーボンディング機の観点から図1の半導体装置100と同じ装置と見なされる。半導体装置100のボンドパッドと同様、半導体装置200には、ボンドパッド200a、200b、200c、200d、200e、200f、200g、200h、200i、200j、200k、200l、および200mなど、いくつかのボンドパッドが含まれる。さらに、半導体装置100の回路領域102および104と同様、半導体装置200には、回路領域202および204が含まれる。視覚システムから見ると、半導体装置100の回路領域102および104の各々は、共通の物理的外観を有した単一の構成要素または領域と見えるが、2装置(装置100および200)間の表面の変動により、半導体装置200の回路領域202および204は、多数の個別部分を含むものと見えてしまう。例えば図2に示したように、回路領域202は、部分202a、202b、および202c(など)を含むと見なされる。同様に、回路領域204は、部分204a、204b、および204c(など)を含むと見なされる。
【0023】
そのため、半導体装置100および半導体装置200は動作上同じものであっても、いくつかの潜在的理由の1つにより(表面の色や微細凹凸など)、視覚システムから著しく異なるものと見られてしまう。ここで、ワイヤーボンディング操作用の目標アイポイントが、回路領域102または104を含む半導体装置100の一部を使って教示されるものと仮定する。半導体装置100から教示されたその目標アイポイントを使って半導体装置200を処理(ワイヤーボンディングなど)する際には、いくつかの潜在的問題が生じるおそれがある(半導体装置200が後続処理について許容範囲内であっても、そのスコアが閾値より低くなる、半導体装置200などの装置のMTBAが不要に短くなるなど)。
【0024】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、目標アイポイントは、表面の色/微細凹凸などの違いにかかわらず、装置ごとに変化しないという仮定の下、選択される。例えば、半導体装置の一領域に含まれる形状のグループを、目標アイポイントとして選択することができる。その目標アイポイントを、サンプル半導体装置を使ってワイヤーボンディング機に教示する場合は、前記形状間の相対位置が定義される。
【0025】
例えば、図3は、本発明の例示的な一実施形態に係るそのような目標アイポイント選択を例示したものである。図3は、ボンドパッド300a、300b、300c、300d、300e、300f、300g、300h、300i、300j、300k、300l、および300mなど、いくつかのボンドパッドを含む半導体装置300を例示したものである。さらに、それぞれ半導体装置100/200の回路領域102/104および202/204と同様、半導体装置300には、回路領域302および304が含まれる。(装置100および200の比較からも明らかなように)回路領域302および304は装置ごとに変化するおそれがあるため、これらの領域は、選択される目標アイポイント310から除外される。目標アイポイント310には、ボンドパッドグループ306(ボンドパッド300h、300i、300j、300k、300l、および300mを含むボンドパッドの列)と、ボンドパッドグループ308(ボンドパッド300a、300b、300c、300d、300e、300f、300gを含むボンドパッドの行)とが含まれる。目標アイポイント310の特定の特徴(各前記ボンドパッドの輪郭形状、前記ボンドパッドの相互間隔など)は、傾向として装置間で変化しないため、教示工程がより堅牢になる(また、それ以降の、ワイヤーボンディングすべき実際の装置に対する走査もより堅牢になる)。
【0026】
この目標アイポイントは上記で目標アイポイント310と呼ばれているが(図3の点線内の領域)、言うまでもなく、目標アイポイント310は、領域310内のボンドパッド形状およびその各特定のボンドパッドの位置など、領域内の特定の形状/特徴だけを含むことは特筆に値する。これは、本明細書で例示および説明する本発明の種々の例示的な一実施形態に当てはまることである。
【0027】
さらに、例示的な目標アイポイント310は、前記グループ306および308のボンドパッドのボンドパッド形状を含み(回路領域302および304の形状を除外している)が、回路領域302および304の一方または双方の輪郭形状を当該目標アイポイントに含んでもよい。このような目標アイポイントでは、回路領域の輪郭形状だけが目標アイポイントに含まれるため、装置ごとの各前記回路領域内部の潜在的な違い(図1の回路領域102および図2の回路領域202の違い)は、教示工程(およびそれに後続する探索工程)に影響しない。
【0028】
一部の応用では、ワイヤーボンディング機の視覚システムから認識可能な「プローブ痕」を、半導体装置ボンドパッドに含めることができる。そのようなプローブ痕は、傾向として不均一である。例えば、半導体ウエハーの一般的な試験態様により、一部のプローブ痕は1方向(水平方向など)に延在し、他のプローブ痕は別方向(縦方向など)に延在することがある。ボンドパッド上のプローブ痕のこれら変動は、従来の目標アイポイント教示システムで問題を生じるおそれもある(探索スコアが低くなる問題やMTBAの問題など)。
【0029】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、ボンドパッドの内部領域は、(プローブ痕などの)特定の変動に伴う問題が実質的に制限されるよう、目標アイポイントで無視/除外される。例えばそのような領域は、(1)スコアリング工程中、走査されるが考慮されない、(2)スコアリング工程中、走査されるが比較的小さい加重が与えられる、および/または(3)まったく走査されない。このため、用語「除外される」および/または「マスクされる」(またはこれらと同様な用語)は、装置の特定のエリア(ボンドパッド内部などの斜線領域または他の斜線領域)についていう場合、必ずしもそれらのエリアが走査工程(教示中の走査工程、ワイヤーボンディングすべき実際の装置の処理中の走査工程など)から除外されることを意味するわけではないことは明らかである。
【0030】
これを受け、図4では、目標アイポイント310aから除外される特定の選択された(例えば所定のリアルタイムで動的に決定された)領域とともに半導体装置300を例示している(目標アイポイントから前記ボンドパッドの内部を除外しないなど、目標アイポイント310aと特定の違いを有する目標アイポイント310とは対照的である)。これら選択された領域は、図4において斜線で表している(すなわち、斜線領域は目標アイポイント教示工程から「マスクされ」、その場合、例えば(1)アルゴリズムは、これらの領域を走査しないよう構成され、および/または(2)前記アルゴリズムは、「マスクされた」領域内のエッジ/特徴の有無が全体的なスコア計算に影響しないよう構成される)。図4に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド300aの内部300a1が、目標アイポイント310aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド300bの内部300b1、ボンドパッド300cの内部300c1、ボンドパッド300dの内部300d1、ボンドパッド300eの内部300e1、ボンドパッド300fの内部300f1、ボンドパッド300gの内部300g1、ボンドパッド300hの内部300h1、ボンドパッド300iの内部300i1、ボンドパッド300jの内部300j1、ボンドパッド300kの内部300k1、ボンドパッド300lの内部300l1、およびボンドパッド300mの内部300m1についても適用される。
【0031】
(1)目標アイポイント310aのボンドパッド(目標アイポイント310aに含まれるボンドパッドの形状およびその各々の位置など)を教示し、(2)その後、目標アイポイント310aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外の領域も目標アイポイント310aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド列306を取り囲む非斜線領域306aと、ボンドパッド行308を取り囲む非斜線領域308aとが提供される。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドの精確な輪郭位置(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度(ゆうど)が高まる。
【0032】
図5は、本発明の例示的な一実施形態に従って、目標アイポイントに含めるよう選択された領域510を含む半導体装置500の一部の上面図である。半導体装置500には、いくつかのボンドパッドが含まれる。図5に例示したように、第1のボンドパッドグループ(ボンドパッド500a、500b、500c、500d、500e、500f、500g、500h、500i、500j、500k、500l、500m、500n、500o、500p、500q、500r、500s、500t、500u、および500vを含む)は、半導体装置500の外周に沿って設けられ、第2のボンドパッドグループ(ボンドパッド502a、502b、502c、502d、502e、502f、502g、502h、502i、502j、502k、502l、502m、502n、502o、502p、502q、502r、502s、502t、502u、502v、502w、502x、502y、502z、および502aaを含む)は、前記第1のグループの内側に設けられている。半導体装置500には、基準504も含まれる。
【0033】
図6は、半導体装置500の目標アイポイントに含めるため選択された、半導体装置500の領域510を詳細に示した図である。領域510には、ボンドパッド500a、500b、500c、500d、500e、500f、500k、500l、500m、500o、502g、502h、502i、502j、502k、502l、502m、502n、502o、502p、502qと、基準504とが含まれる。ボンドパッド502nおよび502oには、このボンドパッドの走査を行う視覚システムに認識される可能性のある何らかのタイプの異常(傷、反射率の変化、認識可能な欠陥など)が含まれていることに注意すべきである。ワイヤーボンディング機に目標アイポイントを教示するためのサンプル装置として半導体装置500(ボンドパッド502nおよび502oの異常を含む)が使用された場合、半導体装置500から教示された目標アイポイントを使って実際の半導体装置を処理(ワイヤーボンディングなど)する時点で、いくつかの潜在的問題が生じるおそれがある(後続処理について装置が許容範囲内であっても処理すべき半導体装置用のスコアが閾値より低くなる、半導体装置500などの装置のMTBAが不要に短くなるなど)。
【0034】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、半導体装置について知られているデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、目標アイポイントの定義を支援することができる。例えば、サンプル装置を使って目標アイポイントを教示する場合にそのようなデータを使用すると、通常であればサンプル半導体装置の特定の欠陥を含むおそれのある目標アイポイントも定義可能になる。より具体的には、既知のデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、図7に示すように目標アイポイントを定義することができる。図7に示すように、半導体装置500の領域510には、ボンドパッド502nおよび502oの異常が含まれていないことに注意すべきである。図7に例示した領域510の形状を含む目標アイポイント(既知のデータを使って、サンプル装置500に基づく教示をワイヤーボンディング機に実際に行う前に定義される)から開始すると、この目標アイポイント510は、初期、特定の欠陥を伴わずに定義される。その後、この定義された目標アイポイント510が実際にワイヤーボンディング機に教示される際には(図6などに示した、パッド502nおよび502oに異常を伴うサンプル装置500を使って)、サンプル装置に関する一般情報(目標アイポイント510に含まれる前記ボンドパッドの形状および相対位置と、前記基準と)だけがワイヤーボンディング機への教示中に確認されるため、特定の欠陥を教示工程中に除外することができる。このように、(1)半導体装置に関する既知のデータと同時に(2)ワイヤーボンディング機に教示されるサンプル装置を利用することで、改善された目標アイポイントがもたらされる。
【0035】
図8は、半導体装置500用にさらに改善された目標アイポイント510aを例示したものである。より具体的には、半導体装置500の一部の選択された領域が、目標アイポイント510aから除外されている。図8では、選択されたこれらの領域を斜線で表している(斜線領域は、目標アイポイント教示工程から「マスク」することができる)。図8に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド500aの内部500a1が、目標アイポイント510aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド500bの内部500b1、ボンドパッド500cの内部500c1、さらにボンドパッド500d、500e、500f、500k、500l、500m、500n、500o、502g、502h、502i、502j、502k、502l、502m、502n、502o、502p、および502qの各内部にも適用される。同様に、基準504の内部504a1も目標アイポイント510aから除外される。他の斜線領域は、例えば装置間で一貫性がない微細凹凸/反射率を有するおそれがある領域を表している。これにより、ワイヤーボンディングすべき装置のスコアは、このような斜線エリアに影響されないですむ。
【0036】
さらに、(1)目標アイポイント510aの特徴の形状/その各々の位置(目標アイポイント510aに含まれる前記ボンドパッドの形状およびその各々の位置と、前記基準となど)を教示し、(2)その後、目標アイポイント510aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外(および基準形状外)の領域も目標アイポイント510aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド500aを取り囲む非斜線領域500a2と、ボンドパッド500bを取り囲む非斜線領域500b2とが提供される。このような非斜線領域は、ボンドパッド500c、500d、500e、500f、500k、500l、500m、500n、500o、502h、502i、502j、502k、502l、502m、502n、502o、502p、および502qの各々についても提供される(図8に例示)。同様に、基準504を取り囲む非斜線領域504a2も提供される。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドおよび前記基準の精確な輪郭(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度が高まる。
【0037】
図9は、本発明の例示的な一実施形態に従って、目標アイポイントに含めるよう選択された領域610を含む半導体装置600の一部の上面図である。半導体装置600には、いくつかのボンドパッドが含まれる。図9に例示したように、第1のボンドパッドグループ(ボンドパッド600a、600b、600c、600d、600e、600f、600g、600h、600i、600j、600k、600l、および600mを含む)は、半導体装置600の第1の行に設けられ、第2のボンドパッドグループ(ボンドパッド602a、602b、602c、602d、602e、602f、602g、602h、602i、602j、602k、602l、602m、602n、602o、および602pを含む)は、第2の行に設けられている。
【0038】
図10は、半導体装置600の目標アイポイントに含めるため選択された、半導体装置600の領域610を詳細に示した図である。領域610には、ボンドパッド600a、600b、600c、600d、600e、602a、602b、602c、602d、および602eが含まれる。ボンドパッド602cおよび602dには、このボンドパッドの走査を行う視覚システムに認識される可能性のある何らかのタイプの異常(傷、反射率の変化、認識可能な欠陥など)が含まれていることに注意すべきである。ワイヤーボンディング機に目標アイポイントを教示するため半導体装置600(ボンドパッド602cおよび602dの異常を含む)が使用された場合、半導体装置600から教示された目標アイポイントを使って実際の半導体装置を処理(ワイヤーボンディングなど)する時点で、いくつかの潜在的問題が生じるおそれがある(後続処理について装置が許容範囲内であっても処理すべき半導体装置用のスコアが閾値より低くなる、半導体装置600などの装置のMTBAが不要に短くなるなど)。
【0039】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、半導体装置について知られているデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、目標アイポイントの定義を支援することができる。例えば、サンプル装置を使って目標アイポイントを教示する場合にそのようなデータを使用すると、サンプル半導体装置の特定の欠陥を含むおそれのある目標アイポイントも補正が可能になる。より具体的には、既知のデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、図11に示すように目標アイポイントを定義することができる。図11に示すように、半導体装置600の領域610には、ボンドパッド602cおよび602dの異常が含まれていないことに注意すべきである。図11に例示した目標アイポイント610(既知のデータを使って、サンプル装置600に基づく教示をワイヤーボンディング機に実際に行う前に定義される)から開始すると、この目標アイポイント610は、初期、特定の欠陥を伴わずに定義される。その後、この定義された目標アイポイント610が実際にワイヤーボンディング機に教示される際には(図10などに示した、パッド602cおよび602dに異常を伴うサンプル装置600を使って)、サンプル装置に関する一般情報(目標アイポイント610に含まれる前記ボンドパッドの形状および相対位置)だけがワイヤーボンディング機への教示中に確認されるため、特定の欠陥を教示工程中に除外することができる。このように、(1)半導体装置に関する既知のデータと同時に(2)ワイヤーボンディング機に教示されるサンプル装置を利用することで、改善された目標アイポイントがもたらされる。
【0040】
図12は、半導体装置600用にさらに改善された目標アイポイント610aを例示したものである。より具体的には、半導体装置600の一部の選択された領域が、目標アイポイント610aから除外されている。図12では、選択されたこれらの領域を斜線で表している(斜線領域は、目標アイポイント教示工程から「マスク」することができる)。図12に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド600aの内部600a1が、目標アイポイント610aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド600bの内部600b1、ボンドパッド600cの内部600c1、さらにボンドパッド600d、600e、602a、602b、602c、602d、および602eの各内部にも適用される。
【0041】
さらに、(1)目標アイポイント610aの特徴の形状/その各々の位置(目標アイポイント610aに含まれる前記ボンドパッドの形状およびその各々の位置)を教示し、(2)その後、目標アイポイント610aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外の領域も目標アイポイント610aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド600aを取り囲む非斜線領域600a2と、ボンドパッド600bを取り囲む非斜線領域600b2とが提供される。このような非斜線領域は、ボンドパッド600c、600d、600e、602a、602b、602c、602d、および602eの各々についても提供される(図12に例示)。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドの精確な輪郭(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度が高まる。
【0042】
図13は、本発明の例示的な一実施形態に従って、目標アイポイントに含めるよう選択された領域710を含む半導体装置700の一部の上面図である。半導体装置700には、いくつかのボンドパッドが含まれる。図13に例示したように、第1のボンドパッドグループ(ボンドパッド700a、700b、700c、700d、700e、700f、700g、700h、700i、700j、700k、700l、700m、700n、700o、700p、700q、700r、700s、700t、700u、および700vを含む)は、半導体装置700の外周に沿って設けられ、第2のボンドパッドグループ(ボンドパッド702a、702b、702c、702d、702e、702f、702g、702h、702i、702j、702k、702l、702m、702n、702o、702p、702q、702r、702s、702t、702u、702v、702w、702x、702y、702z、および702aaを含む)は、前記第1のグループの内側に設けられている。
【0043】
図14は、半導体装置700の目標アイポイントに含めるため選択された、半導体装置700の領域710を詳細に示した図である。領域710には、ボンドパッド700a、700b、700c、700d、700l、700m、700n、700o、702a、702b、702c、702m、702n、および702oが含まれる。ボンドパッド702nおよび702oには、このボンドパッドの走査を行う視覚システムに認識される可能性のある何らかのタイプの異常(傷、反射率の変化、認識可能な欠陥など)が含まれていることに注意すべきである。ワイヤーボンディング機に目標アイポイントを教示するため半導体装置700(ボンドパッド702nおよび702oの異常を含む)が使用された場合、半導体装置700から教示された目標アイポイントを使って実際の半導体装置を処理(ワイヤーボンディングなど)する時点で、いくつかの潜在的問題が生じるおそれがある(後続処理について装置が許容範囲内であっても処理すべき半導体装置用のスコアが閾値より低くなる、半導体装置700などの装置のMTBAが不要に短くなるなど)。
【0044】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、半導体装置について知られているデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、目標アイポイントの定義を支援することができる。例えば、サンプル装置を使って目標アイポイントを教示する場合にそのようなデータを使用すると、サンプル半導体装置の特定の欠陥を含むおそれのある目標アイポイントも補正が可能になる。より具体的には、既知のデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、図15に示すように目標アイポイントを定義することができる。図15に示すように、半導体装置700の領域710には、ボンドパッド702nおよび702oの異常が含まれていないことに注意すべきである。図15に例示した目標アイポイント710(既知のデータを使って、サンプル装置700に基づく教示をワイヤーボンディング機に実際に行う前に定義される)から開始すると、この目標アイポイント710は、初期、特定の欠陥を伴わずに定義される。その後、この定義された目標アイポイント710が実際にワイヤーボンディング機に教示される際には(図13などに示した、パッド702nおよび702oに異常を伴うサンプル装置700を使って)、サンプル装置に関する一般情報(目標アイポイント710に含まれる前記ボンドパッドの形状および相対位置)だけがワイヤーボンディング機への教示中に確認されるため、特定の欠陥を教示工程中に除外することができる。このように、(1)半導体装置に関する既知のデータと同時に(2)ワイヤーボンディング機に教示されるサンプル装置を利用することで、改善された目標アイポイントがもたらされる。
【0045】
図16は、半導体装置700用にさらに改善された目標アイポイント710aを例示したものである。より具体的には、半導体装置700の一部の選択された領域が、目標アイポイント710aから除外されている。図16では、選択されたこれらの領域を斜線で表している(斜線領域は、目標アイポイント教示工程から「マスク」することができる)。図16に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド700aの内部700a1が、目標アイポイント710aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド700bの内部700b1、ボンドパッド700cの内部700c1、さらにボンドパッド700d、700l、700m、700n、700o、702a、702b、702c、702m、702n、および702oの各内部にも適用される。
【0046】
さらに、(1)目標アイポイント710aの特徴の形状/その各々の位置(目標アイポイント710aに含まれる前記ボンドパッドの形状およびその各々の位置)を教示し、(2)その後、目標アイポイント710aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外の領域も目標アイポイント710aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド700aを取り囲む非斜線領域700a2と、ボンドパッド700bを取り囲む非斜線領域700b2とが提供される。このような非斜線領域は、ボンドパッド700c、700d、700l、700m、700n、700o、702a、702b、702c、702m、702n、および702oの各々についても提供される(図16に例示)。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドの精確な輪郭(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度が高まる。
【0047】
図17は、本発明の例示的な一実施形態に従って、目標アイポイントに含めるよう選択された領域810を含む半導体装置800の一部の上面図である。半導体装置800には、いくつかのボンドパッドが含まれる。図17に例示したように、この半導体装置には、ボンドパッド800a、800b、800c、800d、800e、800f、800g、800h、800i、800j、および800kが含まれる。半導体装置800には、回路素子804も含まれる。
【0048】
図17に概略示したように、半導体装置800の領域810には、ボンドパッド800a、800b、800c、800d、800h、800i、および800jと、回路素子804とが含まれる。このように、半導体装置の一部のうち、ボンドパッドおよび基準以外(配線パターンや導電トレースパターン等であってよい回路素子804など)の形状(およびその各々の位置)も、目標アイポイントの一部として使用するため企図できることが明らかである。
【0049】
図18は、半導体装置800用にさらに改善された目標アイポイント810aを例示したものである。より具体的には、半導体装置800の一部の選択された領域が、目標アイポイント810aから除外されている。図18では、選択されたこれらの領域を斜線で表している(斜線領域は、目標アイポイント教示工程から「マスク」することができる)。図18に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド800aの内部800a1が、目標アイポイント810aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド800bの内部800b1、ボンドパッド800cの内部800c1、さらにボンドパッド800d、800h、800i、および800jの各内部と、回路素子804aの内部804a1とにも適用される。
【0050】
さらに、(1)目標アイポイント810aの特徴の形状/その各々の位置(目標アイポイント810aに含まれる前記ボンドパッドの形状およびその各々の位置と、回路素子804となど)を教示し、(2)その後、目標アイポイント810aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外および回路素子804外の領域も目標アイポイント810aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド800aを取り囲む非斜線領域800a2と、ボンドパッド800bを取り囲む非斜線領域800b2とが提供される。このような非斜線領域は、ボンドパッド800c、800d、800h、800i、および800jの各々と、回路素子804とについても提供される(図18に例示)。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドの精確な輪郭(および回路素子804の輪郭)(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度が高まる。
【0051】
図19は、半導体装置900の上面図である。図19に示すように、2つの異なる目標アイポイント(目標アイポイント910aおよび目標アイポイント910b)が定義されている。これにより、本明細書に開示する本発明の教示が、その種々の例示的実施形態を通じ、複数の目標アイポイントを利用するワイヤーボンディング操作に適用可能であることが明らかである。
【0052】
本明細書に提供する種々の図では、半導体ダイを単独で例示しているが、ワイヤーボンディングなどの処理工程中、当該半導体ダイは、通常、リードフレームまたは基板などの支持構造に(接着剤等を使ったダイボンディングなどで)ボンディングされた状態であることは言うまでもない。図20は、リードフレーム1050に接合された半導体装置1000(半導体ダイ1000など)の一部の上面図である。
【0053】
半導体装置1000には、ボンドパッド1000a、1000b、1000c、1000d、1000e、1000f、1000g、1000h、1000i、1000j、および1000kが含まれる。目標アイポイント1010は、ボンドパッド1000a、1000b、1000c、1000d、1000h、1000i、および1000jを含むよう選択されている。リードフレーム1050は、リード1050a、1050b、1050c、1050d、および1050eを含む複数の「リード(リード線)」を含んでいる。半導体装置の処理(ワイヤーボンディングなど)中、すでにワイヤーボンディング済みの装置がワイヤーボンディング機上に置かれることがある。例えば、これは過失による場合もあり、あるいは、前記装置の一部はワイヤーボンディング済みでも、当該装置の別の一部をワイヤーボンディングしなければならない場合もある。ワイヤーボンディング機上の装置がワイヤーボンディング済みであるかどうかは、わかっていることが非常に望ましい。例えば、これがわからないと、ワイヤーボンディング済みの装置に、さらに意図せずワイヤーボンディングが行われてしまい、その装置が破壊され、または価値のないものになってしまうおそれがある。
【0054】
本発明の例示的な一実施形態によれば、装置がワイヤーボンディング済みであるか決定する方法が提供される。図20に示したように、いくつかのワイヤーループ1002a、1002b、1002c、1002h、および1002iが例示されている。より具体的には、ワイヤーループ1002a(ボンドパッド1000aに接合されたボールボンド1002a1を含む)は、ボンドパッド1000aとリード1050aとの間に電気的相互接続をもたらし、ワイヤーループ1002b(ボンドパッド1000bに接合されたボールボンド1002b1を含む)は、ボンドパッド1000bとリード1050bとの間に電気的相互接続をもたらし、ワイヤーループ1002c(ボンドパッド1000cに接合されたボールボンド1002c1を含む)は、ボンドパッド1000cとリード1050cとの間に電気的相互接続をもたらし、ワイヤーループ1002h(ボンドパッド1000hに接合されたボールボンド1002h1を含む)は、ボンドパッド1000hとリード1050dとの間に電気的相互接続をもたらし、ワイヤーループ1002i(ボンドパッド1000iに接合されたボールボンド1002i1を含む)は、ボンドパッド1000iとリード1050eとの間に電気的相互接続をもたらす。形状およびそれら形状の相対位置(ボンドパッド形状およびボンドパッド形状の相対位置)の教示に関して上述したものなどのパターン認識方法および/またはパターン認識システムを使うと、ワイヤーループの一部の形状を認識することができる。より具体的には、半導体ダイのボンドパッドを探索してそこにワイヤーがボンディングされているか決定するよう、アルゴリズムを構成することができる。図20に例示した例では、ボンドパッド上のボールボンドの形状(円形や楕円形など)を探索してそこにワイヤーがボンディングされているか調べるよう、アルゴリズムを構成することができる。
【0055】
本発明のこの態様では、さらに別の特徴も提供される。例えば、目標アイポイント(図20に例示した目標アイポイント1010など)は、まずワイヤーボンディング工程中にワイヤーボンディングされるボンドパッドを含むよう選択することができる。図20において、ボンドパッド1000aが、ワイヤーボンディングされる第1のボンドパッドであるとすると、目標アイポイント1010は、このボンドパッドを含むよう選択される。これにより、パターン認識を使って(ボンドパッド上にボールボンドの形状がないか探すことにより)ボンドパッドにワイヤーがボンディングされているか調べる工程において、選択した目標アイポイントが、ワイヤーボンディングされる前記第1のパッドを含んでいるため、ボンディングされたワイヤー(ワイヤーループ1002aなど)を見つける尤度は高まる。
【0056】
さらに、半導体装置のパッドにワイヤーがボンディングされているか決定する方法は、目標アイポイントを教示する工程に統合することができる。例えば、第1の工程では、本発明に係る目標アイポイントを教示する教示工程を実施できる。第2の工程では、第2の目標アイポイント(ボンディングされたワイヤーを確認するための目標アイポイント)を教示する異なる教示工程を実施できる。次に、ワイヤーボンディングすべき装置が機上にある場合、前記第1の教示工程で教示された目標アイポイントを使って当該装置の位置および/または位置合わせを確認することができる。次いで前記装置の位置および/または位置合わせが確認された時点で、ボンディングされたワイヤーの有無を調べるため第2の走査を完了することができる。このような実施形態において、前記第1の目標アイポイントでは、ボンドパッドの内部をマスクでき(図4、8、12、16、および18のように)、前記第2の目標アイポイントでは、(前記ボンドパッドの内部にボールボンド形状がないか走査できるよう)前記ボンドパッドの内部をマスクしない。
【0057】
別の代替実施形態では、目標アイポイントを1つ教示でき、ワイヤーボンディングすべき実際の装置に1回の走査を行うことができる。そのような実施形態では、前記目標アイポイントに含まれるボンドパッドの内部の少なくとも一部をマスクしてはならず、それにより、当該ボンドパッドの内部を走査してボールボンド形状を調べることが可能になる。
【0058】
上記ではボンドパッドがワイヤーボンディング済みであるか決定する方法を、ワイヤーループ(ボンドパッドとリードフレームのリードとの間に延在するワイヤーループなど)に関連して説明し(図20の例に示し)てきたが、確認対象であるワイヤーボンドは、(スタッドバンプなどの)導電バンプを含む種々の形態を有してよいことは言うまでもない。
【0059】
図21〜22は、本発明の特定の例示的実施形態に係るフローチャートである。当業者であれば理解されるように、これらのフローチャートでは、これに含まれる特定の工程を省略してもよく、特定の追加工程を加えてもよく、またこれら工程の順序を例示した順序から変更してもよい。
【0060】
より具体的には、図21は、本発明の例示的な一実施形態に従ってワイヤーボンディング操作用に目標アイポイントを教示する方法を例示したフローチャートである。工程2100では、目標アイポイントとして使用するため、半導体装置の領域から形状のグループが選択される。例えば、この形状のグループには、ボンドパッド形状、基準形状、回路形状などを含めることができる。工程2102では、(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントが教示される。この教示工程には、各前記形状同士の相対位置を定義する工程が含まれる。そのような位置は、各前記形状のグループを取り囲むエリアを含むよう定義することができる。前記目標アイポイントは、前記形状のグループを含みつつ、前記領域内の所定のエリアをマスクする(工程2104)ことにより前記所定の領域が当該目標アイポイントから除外されるよう、定義することができる。例えば、そのようなマスキングには、アルゴリズムを使って前記領域内の前記所定のエリアの位置を前記目標アイポイントから除外する工程を含めることができる。そのようなマスキングには、(1)選択したボンドパッドの内部と(2)前記領域の前記ボンドパッド間の部分とのうちの少なくとも一方をマスクする工程を含めることができる。任意選択の工程2106では、前記ワイヤーボンディング機に第2の目標アイポイントが教示される。この第2の目標アイポイントは、前記半導体装置のボンドパッド上のワイヤーループの一部の形状に対応したものである。例えば、前記ワイヤーループの一部の形状は、そのワイヤーループのボールボンドの形状に対応する可能性がある。
【0061】
図22は、ワイヤーボンディング機を操作する方法を例示したフローチャートである。例示した方法の工程2200、2202、2204、および2206は、図21に例示したフローチャートの工程2100、2102、2104、および2106に対応したものである。工程2208では、ワイヤーボンディングされるよう構成された第1の半導体装置が、前記ワイヤーボンディング機の所定の位置(ボンディング位置など)へとインデキシングされる。工程2210では、当該ワイヤーボンディング機の視覚システムを使って前記第1の半導体装置の選択部分が走査される。ここで、前記選択部分は、教示された前記目標アイポイント(工程2202で教示された目標アイポイント)に対応する。工程2212では、前記教示された目標アイポイントを、前記第1の半導体装置の前記選択部分と比較することにより、前記第1の半導体装置にパーセンテージスコアが割り当てられる。工程2212の後、ワイヤーボンディング操作前に前記第1の半導体装置の位置を調整すべきであることが決定される可能性がある。工程2214では、前記教示された目標アイポイントを、前記第1の半導体装置の前記選択部分と比較した結果に基づき、前記第1の半導体装置の位置が少なくとも部分的に調整される。工程2216では、前記第1の半導体のボンドパッドと、別のボンディング位置との間でワイヤーループが作成される(ワイヤーボンディングされる)。これにより、ワイヤーボンディング機の改善された操作が提供される。
【0062】
当業者であれば理解されるように、上記の第1の半導体装置(工程2208、2210等に関して説明したものなど)は、必ずしも前記教示工程後にインデキシングされる第1の装置であるとは限らない。用語「第1の」は、例えば工程2102において、説明している装置をサンプル装置と単に区別するため使用される。許容範囲内のスコアおよび許容範囲外のスコアを決定するため、複数の装置のインデキシングまたは走査などを実施してよいことは言うまでもない。
【0063】
上記では、主に(1)サンプル装置の位置で目標アイポイントを定義/教示する工程、次に(2)それに対応し、ワイヤーボンディングすべき装置の位置を走査して、ワイヤーボンディングすべき当該装置が許容範囲内であることを確認する工程について本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。特定の応用では、装置が(ボンディング位置などで)動いてしまうということ、またはボンディング位置での装置の向きが不明であるということが起こるおそれがある。そのような状況では、ワイヤーボンディングすべき装置を走査することにより、目標アイポイント(本発明の例示的な実施形態のいずれかに従って定義/教示された)を見つけることができる。例えば、所定の形状/サイズおよび所定の相対位置を有した5つのボンドパッドが目標アイポイントに含まれる場合(これら所定の値は教示工程による)、ワイヤーボンディングすべき半導体装置の位置は、当該装置を走査し、教示された目標アイポイントに対応した特徴を見つけることにより決定できる。言うまでもなく、そのような目標アイポイントの教示は、(1)(事前データを使って)自動的に目標アイポイントを生成する、(2)作業者の介入により目標アイポイントを生成する、および/または(3)(単一の視野やグループ化された複数の視野などを使って)目標アイポイントを含む装置の領域を走査するなど、本明細書で説明した例示的な方法のいずれかにより達成される。
【0064】
以上、装置に対しワイヤーボンディング(またはスタッドバンプ形成や装置検査など他の処理)を施す前に半導体装置(半導体ダイなど)を適切に位置決めおよび/または位置合わせするため利用される目標アイポイントについて主に本発明を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。本明細書に提供された教示は、他の各種用途向けの目標アイポイント教示にも適用可能である。例えば、半導体ダイのワイヤーボンディング前に、リードフレームまたは他の基板に教示を行うことは一般的である。さらに、一部の応用では、半導体ダイをリードフレームにダイボンディングする前に、当該半導体ダイまたは当該リードフレームに対し教示が行われる。このように、本明細書で説明した方法(図21〜22に例示した方法の一部)は、ダイボンディング操作に関連して行われる位置合わせにも適用できる。したがって、本発明の種々の例示的な実施形態は、以上に述べた用途等に関する目標アイポイント認識にも適用可能である。
【0065】
本発明は、本明細書において具体的な実施形態を参照して例示および説明しているが、示した詳細事項に限定されることを意図したものではない。むしろ、本発明の範囲を逸脱しない請求項の均等物の範囲内で、細部において種々の変更(修正)形態が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより最もよく理解される。一般的な慣行に従い、図面の種々の特徴は縮尺どおりでないことに留意されたい。むしろ種々の特徴の寸法は、任意に拡大されているか、明瞭性のため縮小されている。図面に含まれる図は以下のとおりである。
【図1】図1は、本発明の例示的な一実施形態に係る半導体装置の一部の上面図である。
【図2】図2は、本発明の例示的な一実施形態に係る別の半導体装置の一部の上面図である。
【図3】図3は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図4】図4は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図3の前記半導体装置の前記一部の上面図である。
【図5】図5は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図6】図6は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントとして選択された、図5の前記半導体装置の一部の上面図である。
【図7】図7は、本発明の例示的な一実施形態に係る図5の前記半導体装置の前記目標アイポイントの補正済みバージョンである。
【図8】図8は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図7の前記半導体装置の前記一部の上面図である。
【図9】図9は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図10】図10は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントとして選択された、図9の前記半導体装置の一部の上面図である。
【図11】図11は、本発明の例示的な一実施形態に係る図9の前記半導体装置の前記目標アイポイントの補正済みバージョンである。
【図12】図12は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図11の前記半導体装置の前記一部の上面図である。
【図13】図13は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図14】図14は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントとして選択された、図13の前記半導体装置の一部の上面図である。
【図15】図15は、本発明の例示的な一実施形態に係る図13の前記半導体装置の前記目標アイポイントの補正済みバージョンである。
【図16】図16は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図15の前記半導体装置の前記一部の上面図である。
【図17】図17は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図18】図18は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図17の前記半導体装置の前記目標アイポイント部分の上面図である。
【図19】図19は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを2つ含んだ半導体装置の上面図である。
【図20】図20は、本発明の例示的な一実施形態に係る、リードフレームにボンディングされた半導体装置の一部の上面図である。
【図21】図21は、本発明の例示的な一実施形態に従ってワイヤーボンディング操作のために目標アイポイントを教示する方法を例示したフローチャートである。
【図22】図22は、本発明の例示的な一実施形態に従ってワイヤーボンディング機を操作する方法を例示したフローチャートである。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワイヤーボンディングシステムに関し、より具体的には、ワイヤーボンディングシステムで使用するための改善された目標アイポイント教示するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第5,119,436号および第6,869,869号は、ワイヤーボンディングシステムおよびそれに伴う視覚システムに関するものであり、参照により双方の全体を本明細書に組み込むものとする。
【0003】
半導体装置の処理およびパッケージングでは、視覚システムを使った教示操作が利用されることが多い。例えば、半導体装置のバッチ(リードフレームに取り付けた半導体ダイなどの装置)に対しワイヤーボンディング操作が行われる前には、一般にサンプル装置の(1つまたは複数の)目標アイポイントを「教示」することが望ましい。サンプル装置への「教示」により、そのサンプル装置に関する特定の物理データが(ワイヤーボンディング機のメモリなどに)格納される。この物理データは前記装置バッチを処理する間の基準として使用され、これにより、例えば(ワイヤーボンディングなどで)処理する半導体装置のバッチをそれぞれ確実かつ適切に位置決め(ポジショニング)または位置合わせ(アラインメント)できるようになる。
【0004】
このように、ワイヤーボンディング操作の文脈において、ワイヤーボンディング機は、視覚システム(パターン認識システム(Pattern Recognition System:PRS)など)を使って、それ以前に教示されたパターン(目標アイポイントや基準など)を見つけ、ボンディング位置に半導体装置が提示された後、ワイヤーがボンディングされる前(前記半導体装置と、それを支持するリードフレームとの間でワイヤーがボンディングされる前など)に、その半導体装置の位置合わせに前記パターンを役立てる。従来、目標アイポイントはサンプル装置に基づくもので、当該サンプル装置上のエリアに、教示ウィンドウで作業者が照準を定める態様でワイヤーボンディング機に教示されてきた。視覚システムは、標的目標アイポイントを走査(スキャン)する上で、従来の特定技術(アルゴリズムなど)と併用されている。
【0005】
従来の教示技術の1つは、正規化グレースケール相関システム(normalized grayscale correlation system:NGCS)を使ったサンプル装置(当該サンプル装置の選択部分など)の走査(スキャニング)に関係している。このような技術により、各位置での視覚システムの検出結果に基づき、グレースケール値が割り当てられる。例えば、半導体装置のボンドパッドを走査する場合は、走査が行われた位置にグレースケール値が割り当てられる。望ましい領域が走査された後、グレースケール値(対応する走査位置に関連付けられた)のライブラリが格納される。このタイプの実際の半導体装置をワイヤーボンディングする場合、視覚システムは、各走査位置でグレースケール値を検出し、教示工程中、これらのグレースケール値を前記ライブラリに格納された値と比較する。
【0006】
別の従来の教示技術は、サンプル装置(当該サンプル装置の選択部分など)の走査と、走査領域内に画成された個々のエッジ(縁部)の検出(エッジベースのパターンマッチング)とに関係している。このような技術により、各位置での視覚システムの検出結果に基づき、値が割り当てられる。例えば、半導体装置のボンドパッドを走査する場合は、走査した位置にエッジ値が割り当てられる。望ましい領域が走査された後、エッジ値(対応する走査位置に関連付けられた)のライブラリが格納される。このタイプの実際の半導体装置をワイヤーボンディングする場合、視覚システムは、各走査位置でエッジ値を検出し、教示工程中、これらのエッジ値を前記ライブラリに格納された値と比較する。
【0007】
これら従来の方法のどちらかを使用し、教示されたサンプル装置と、ワイヤーボンディングすべき実際の装置との比較の関数である加重スコアが、前記ワイヤーボンディングすべき各装置に与えられる。前記スコアが特定の閾値を超えると、前記装置は許容範囲内と見なされて処理(ワイヤーボンディングなど)されるが、当該スコアが前記閾値より低いと、通常、自動操作は続行されない。例えば、スコアの低いことが作業者に通知される。さらに、許容範囲内のスコアを取得するよう、後続する位置または目標アイポイントについて試行が行われる。さらに、代替アルゴリズムまたは回復シーケンスが試行される場合もある。
【0008】
残念なことに、これらの従来技術には、各々いくつかの問題が伴う。現実的には、同じバッチ内(または異なるバッチ間)の異なる半導体装置は、同じ装置であり同じ電気機能特性を有すると見なされる場合でも、異なる視覚特性を呈する可能性がある。例えば、表面の色または質感は装置により異なることがある。このような変動は、同じ装置を異なる供給業者が製造する場合、使用される製造工程間のわずかな差異によって生じる場合もある。このような変動の結果、装置の外観は、コントラストおよび反射率(反射率の非線形変動など)の点で互いに著しく異なってしまうことが多い。このように、従来のパターンマッチング技術から得られる加重スコアは、このような(サンプルで教示された装置と比べた場合、ワイヤーボンディングすべき装置の反射率の違いなどから生じる)変動により、低くなるおそれがある。そのため、一般にスコアは偽の該当結果を除外するため使われるが、従来のパターンマッチング技術(NGCSシステムやエッジベースのパターンマッチングシステムなど)では、後続処理について装置が許容範囲内であっても前記閾値より低いスコアになってしまう傾向がある。半導体装置間のこのような変動(装置間の表面変動など)により生じる別の問題は、作業者の補助が必要になる平均時間間隔(mean time between assists:MTBA)が不要に短くなり、自動ワイヤーボンディング機器の生産性が低下してしまうことである。
【0009】
このため、半導体装置処理用に目標アイポイントを教示する改善された方法と、前記目標アイポイントを使って半導体装置を処理する改善された方法とを提供することが望ましい。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の例示的な一実施形態によれば、ワイヤーボンディング操作のために目標アイポイントを教示する方法が提供される。この方法には、(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域から選択する工程と、(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程とが含まれる。例えば、このような所定のデータは、事前データ(CADデータ、過去のデータなど)、または前記教示工程の直前に決定されたデータであってもよい。この教示工程には、前記形状間の相対位置を定義する工程が含まれる。
【0011】
本発明の別の例示的実施形態によると、ワイヤーボンディング機を操作する方法が提供される。この方法には、(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域から選択する工程と、(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、前記ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程とが含まれる。前記教示工程には、前記形状間の相対位置を定義する工程が含まれる。前記方法には、(3)ワイヤーボンディングされるよう構成された第1の半導体装置を前記ワイヤーボンディング機の所定の位置にインデキシングする工程と、(4)前記ワイヤーボンディング機の視覚システムを使って前記第1の半導体装置の選択部分を走査する工程であって、前記選択部分は前記教示された目標アイポイントに対応するものである、前記走査する工程とが含まれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の例示的な一実施形態によれば、ワイヤーボンディング機器内での半導体装置の位置決めおよび/または位置合わせに使用される、幾何学的特徴に基づいたパターンを生成する方法が提供される。この方法では、半導体ダイ表面のパターンの不変の特徴を使って目標アイポイントを生成する技術を定義する。このようなアプローチの場合、特定の変動(表面反射率の変動など)を有した半導体装置上のパターンを見つける際の堅牢性が向上する。さらに、生成された目標アイポイントは、(CADデータなどの事前データなどを使って)合成された特徴を使って構成でき、または実際の部品画像から抽出できる。従来のPRSシステム(グレースケールパターンマッチングや幾何学的パターンマッチングなど)と異なり、本開示で提案する方法は、画像内の不変の特徴を効果的に捉える。前記不変の特徴(およびそれら不変の特徴間の関係)を使って作成されたモデル(ワイヤーボンディング機のメモリなどに格納される)は、自動ワイヤーボンディングの本番環境における装置変動を取り扱う上で、従来の技術より堅牢である。
【0013】
本明細書に開示する種々の例示的な方法を使って生成される目標アイポイントは、例えば目標アイポイント教示工程中に学習されたパッド情報(または他の幾何学的情報または形状情報)を使って、PRSにおける主要な目標アイポイントまたはバックアップ目標アイポイントとして使用することができる。それにより生成される目標アイポイント(および半導体ダイの領域)は、(1)パッドの良好な幾何学的情報を有した半導体装置上の領域(パッドの縦の列およびパッドの横の列を含む領域など)を選択することによりPRSに自動的に選択され、または(2)望ましいパッド情報を伴うこの領域の選択中の作業者の介入により少なくとも部分的に選択される。
【0014】
PRSが自動的に目標アイポイントを生成する例では、形状(矩形、八角形、円形など任意タイプのボンドパッド形状など)およびそれら形状の相対位置を、オフラインプログラミングツールなどにより装置データ(CADデータなど)から得ることができる。あるいは、サンプル装置の観察後、そのような形状(およびそれら形状の相対位置)を視覚システムで自動的に抽出することもできる。半導体ダイのデジタル記述(所定の装置データ)の完全性が十分であれば、アルゴリズムを使って目標アイポイントに含める適切な形状/特徴を選択したのち、同じアルゴリズムにより、選択した形状/特徴を(当該形状/特徴の相対位置を使って)結合することができる。このような方法を使うと、ワイヤーボンダー自体に学習アクティビティをほとんど、またはまったく利用しない「非視覚教示」工程(オフラインプログラミング方法)がもたらされる。言うまでもなく、このようなオフラインプログラムを使って教示された目標アイポイントは、ワイヤーボンディング機上のサンプル装置により確認することが望ましい。このような非視覚教示システムでは、ワイヤーボンディング機の光学系の要件を軽減することが可能になる。これは、ワイヤーボンディング機では、教示操作を実施する上で(場合により可変レベルの倍率も備えた)複雑な視覚システムを使用することが多いが、既存のデータを使って非視覚態様で教示操作を行うと、視覚システムの複雑度(およびコスト)を低減できるためである。例えば、従来どおり2つの倍率レベル(「高倍率系」および「低倍率系」など2つの光学系)を使用するワイヤーボンディング機では、高倍率系の方を省略することが可能である。これは、隣接しあうボンドパッド間の小さな(サブピクセル(1画素より小さい)サイズの)間隙といった教示エリアの細部を、高倍率系を使って表示することが多いためである。「非視覚」教示工程を使用する本発明の特定の例示的実施形態によれば、そのような細部表示は(高倍率系にかかるコストなどのため)必要とされない。
【0015】
目標アイポイントの生成に作業者が介入する例では、作業者は、正確なモーションシステムおよび較正済みPRSの補助を利用できる。例えば、前記モーションシステムおよびPRSシステムは、作業者の提供したパラメータに基づいて教示工程を実施できる(ボンドパッド教示工程など)。このような方法は、例えば(1)半導体装置について十分な記述が利用できない場合、および/または(2)十分定義された幾何学的構造を伴わない特徴が目標アイポイントに含まれる場合に利用できる。このような教示工程には、例えば望ましい各形状/各特徴に順次移動し、その望ましい形状/特徴の画像から望ましいデータを取得する工程が伴う。それらの形状/特徴がすべて教示されたら、確立された基準フレーム内で、教示された形状/特徴の組み合わせと、各々の位置とを使って目標アイポイントを確立することができる。
【0016】
目標アイポイントの生成方法にかかわらず、教示工程後は、ボンドパッドサイズ、ボンドパッド位置、形状、極性、および他の特性などの形状情報が、PRSシステム内で利用可能になる。さらに、個々の形状情報(個々のボンドパッド形状情報など)のほか、それら形状間(ボンドパッド間)の幾何学的関係も、モーションシステムから得られ、および/またはPRSシステムを使って計算される。
【0017】
上記で提案したように、教示領域(目標アイポイントなど)では、実際の形状/パッドに関する情報(画像ベースのパッドモデル)を、合成された形状/パッドで代用することができる。より具体的には、そのような合成された形状/パッドは、当該半導体装置について利用可能なデータ(CADデータなどの事前データなど)を使って提供される。そのような合成された形状/パッドは、多数の形状/パッドについて一般化された特性をすべて含むため、(また通常であれば目標アイポイントの教示に使用されるおそれのあるサンプル装置の特定の欠陥を伴わないため)、平均的な形状/パッドをより良好に表現することができる。さらに、適切なマスキング技術を使用すると、半導体装置について選択した領域について、装置ごとに変化する傾向がある特定のエリアを排除することができる。さらに、半導体装置の特定の領域(ダイのパッド周辺エリアなど)に、当該装置の他のエリアより大きい加重を与える技術を使用すると、目標アイポイントをより堅牢にすることができる。
【0018】
本発明に従って生成された目標アイポイントに含まれる形状としては、例えばボンドパッド形状、パターンを形成するボンドパッドのグループ、従来の目標アイポイント形状(十字形(バツ印)、円形、四角形など)、定義された形状の閉経路(閉曲線)、および/またはダイ上の明確な任意の表面特徴などがある。さらに、これらの(または他の)うち2若しくはそれ以上の例示的な形状を組み合わせて、生成された目標アイポイントに含めてもよい。
【0019】
目標アイポイントを確立するため使用されるアルゴリズムには、例えば次のような異なる戦略をいくつか含めることができる。(1)形状/特徴の所定の最小数(最低限の数)をアルゴリズムに含め、この所定数の形状/特徴が教示された時点で、教示された形状/特徴の基準フレームに対する位置および/または教示された形状/特徴間の相対位置を計算する工程など当該工程の別の部分へ、当該アルゴリズムを移動させる。(2)教示工程中、必要に応じて特定の形状/特徴を定義し、そのような特徴の位置決めに失敗すると、結果的に目標アイポイントの定義も失敗するようにする。(3)それぞれの重要度または予測可能度に基づいて特定の形状/特徴に加重が与えられるよう、加重システムを使用する。このような加重システムは、処理すべき半導体装置のスコアを定義するため使用される。(4)目標アイポイントに含めるよう選択された望ましい形状/特徴がすべて視覚システム(撮像カメラなど)の単一視野に収まる場合は、単一の探索操作を使って、目標アイポイントを位置付けることができる。(5)望ましい特徴が視野に収まらない場合は、個々の特徴(目標アイポイントの個々のボンドパッドなど)を位置付けたのち、位置付けられた個々の特徴のデータを組み合わせて、完全な教示パターン(個々の特徴の相対位置などを含む)を取得することができる。および/または(6)教示段階中、信頼性を改善するため、複数の(および可能性として冗長な)教示アルゴリズムを適用する。これらの戦略等は、本発明の範囲内で任意に組み合わせて使用してよい。
【0020】
図1は、半導体装置100の一部の上面図である(図示した部分は、半導体ダイの左下部分を上方から見たものである)。半導体装置100には、この装置の外周に沿って配置されたボンドパッドがいくつか含まれる。そのようなボンドパッドとしては、例えばボンドパッド100a、100b、100c、100d、100e、100f、100g、100h、100i、100j、100k、100l、および100mなどがある。半導体装置100には、回路領域102および回路領域104も含まれる。当業者に公知のとおり、半導体装置(半導体ダイなど)上の回路領域には、配線パターンや導電トレースなどを含めることができる。
【0021】
半導体装置100をワイヤーボンディング機で処理するには(装置100のボンドパッドと、装置100が取り付けられたリードフレーム上のリードでありうる第2のボンディング位置との間でワイヤーループを接合するには)、ワイヤーボンディング機に教示済みの(1つまたは複数の)目標アイポイントを使ってワイヤーボンディング機上で半導体装置100を位置合わせすることが望ましい。このような位置合わせに対する必要性は、言うまでもなく、例えばスタッドバンプ形成、ダイツーダイ(ダイからダイへの)ワイヤーボンディング、ワイヤーバンプ/ループの検査などを含む他の各種半導体処理技術にも存在する。
【0022】
上記のとおり、同じ装置と見なされる場合であっても、装置ごとに特性が異なるのが半導体装置の現実である。例えば、図2は、別の半導体装置200の一部の上面図である。半導体装置200は、図1に例示した装置100と異なる製造業者から提供されたものであるが、ワイヤーボンディング機の観点から図1の半導体装置100と同じ装置と見なされる。半導体装置100のボンドパッドと同様、半導体装置200には、ボンドパッド200a、200b、200c、200d、200e、200f、200g、200h、200i、200j、200k、200l、および200mなど、いくつかのボンドパッドが含まれる。さらに、半導体装置100の回路領域102および104と同様、半導体装置200には、回路領域202および204が含まれる。視覚システムから見ると、半導体装置100の回路領域102および104の各々は、共通の物理的外観を有した単一の構成要素または領域と見えるが、2装置(装置100および200)間の表面の変動により、半導体装置200の回路領域202および204は、多数の個別部分を含むものと見えてしまう。例えば図2に示したように、回路領域202は、部分202a、202b、および202c(など)を含むと見なされる。同様に、回路領域204は、部分204a、204b、および204c(など)を含むと見なされる。
【0023】
そのため、半導体装置100および半導体装置200は動作上同じものであっても、いくつかの潜在的理由の1つにより(表面の色や微細凹凸など)、視覚システムから著しく異なるものと見られてしまう。ここで、ワイヤーボンディング操作用の目標アイポイントが、回路領域102または104を含む半導体装置100の一部を使って教示されるものと仮定する。半導体装置100から教示されたその目標アイポイントを使って半導体装置200を処理(ワイヤーボンディングなど)する際には、いくつかの潜在的問題が生じるおそれがある(半導体装置200が後続処理について許容範囲内であっても、そのスコアが閾値より低くなる、半導体装置200などの装置のMTBAが不要に短くなるなど)。
【0024】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、目標アイポイントは、表面の色/微細凹凸などの違いにかかわらず、装置ごとに変化しないという仮定の下、選択される。例えば、半導体装置の一領域に含まれる形状のグループを、目標アイポイントとして選択することができる。その目標アイポイントを、サンプル半導体装置を使ってワイヤーボンディング機に教示する場合は、前記形状間の相対位置が定義される。
【0025】
例えば、図3は、本発明の例示的な一実施形態に係るそのような目標アイポイント選択を例示したものである。図3は、ボンドパッド300a、300b、300c、300d、300e、300f、300g、300h、300i、300j、300k、300l、および300mなど、いくつかのボンドパッドを含む半導体装置300を例示したものである。さらに、それぞれ半導体装置100/200の回路領域102/104および202/204と同様、半導体装置300には、回路領域302および304が含まれる。(装置100および200の比較からも明らかなように)回路領域302および304は装置ごとに変化するおそれがあるため、これらの領域は、選択される目標アイポイント310から除外される。目標アイポイント310には、ボンドパッドグループ306(ボンドパッド300h、300i、300j、300k、300l、および300mを含むボンドパッドの列)と、ボンドパッドグループ308(ボンドパッド300a、300b、300c、300d、300e、300f、300gを含むボンドパッドの行)とが含まれる。目標アイポイント310の特定の特徴(各前記ボンドパッドの輪郭形状、前記ボンドパッドの相互間隔など)は、傾向として装置間で変化しないため、教示工程がより堅牢になる(また、それ以降の、ワイヤーボンディングすべき実際の装置に対する走査もより堅牢になる)。
【0026】
この目標アイポイントは上記で目標アイポイント310と呼ばれているが(図3の点線内の領域)、言うまでもなく、目標アイポイント310は、領域310内のボンドパッド形状およびその各特定のボンドパッドの位置など、領域内の特定の形状/特徴だけを含むことは特筆に値する。これは、本明細書で例示および説明する本発明の種々の例示的な一実施形態に当てはまることである。
【0027】
さらに、例示的な目標アイポイント310は、前記グループ306および308のボンドパッドのボンドパッド形状を含み(回路領域302および304の形状を除外している)が、回路領域302および304の一方または双方の輪郭形状を当該目標アイポイントに含んでもよい。このような目標アイポイントでは、回路領域の輪郭形状だけが目標アイポイントに含まれるため、装置ごとの各前記回路領域内部の潜在的な違い(図1の回路領域102および図2の回路領域202の違い)は、教示工程(およびそれに後続する探索工程)に影響しない。
【0028】
一部の応用では、ワイヤーボンディング機の視覚システムから認識可能な「プローブ痕」を、半導体装置ボンドパッドに含めることができる。そのようなプローブ痕は、傾向として不均一である。例えば、半導体ウエハーの一般的な試験態様により、一部のプローブ痕は1方向(水平方向など)に延在し、他のプローブ痕は別方向(縦方向など)に延在することがある。ボンドパッド上のプローブ痕のこれら変動は、従来の目標アイポイント教示システムで問題を生じるおそれもある(探索スコアが低くなる問題やMTBAの問題など)。
【0029】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、ボンドパッドの内部領域は、(プローブ痕などの)特定の変動に伴う問題が実質的に制限されるよう、目標アイポイントで無視/除外される。例えばそのような領域は、(1)スコアリング工程中、走査されるが考慮されない、(2)スコアリング工程中、走査されるが比較的小さい加重が与えられる、および/または(3)まったく走査されない。このため、用語「除外される」および/または「マスクされる」(またはこれらと同様な用語)は、装置の特定のエリア(ボンドパッド内部などの斜線領域または他の斜線領域)についていう場合、必ずしもそれらのエリアが走査工程(教示中の走査工程、ワイヤーボンディングすべき実際の装置の処理中の走査工程など)から除外されることを意味するわけではないことは明らかである。
【0030】
これを受け、図4では、目標アイポイント310aから除外される特定の選択された(例えば所定のリアルタイムで動的に決定された)領域とともに半導体装置300を例示している(目標アイポイントから前記ボンドパッドの内部を除外しないなど、目標アイポイント310aと特定の違いを有する目標アイポイント310とは対照的である)。これら選択された領域は、図4において斜線で表している(すなわち、斜線領域は目標アイポイント教示工程から「マスクされ」、その場合、例えば(1)アルゴリズムは、これらの領域を走査しないよう構成され、および/または(2)前記アルゴリズムは、「マスクされた」領域内のエッジ/特徴の有無が全体的なスコア計算に影響しないよう構成される)。図4に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド300aの内部300a1が、目標アイポイント310aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド300bの内部300b1、ボンドパッド300cの内部300c1、ボンドパッド300dの内部300d1、ボンドパッド300eの内部300e1、ボンドパッド300fの内部300f1、ボンドパッド300gの内部300g1、ボンドパッド300hの内部300h1、ボンドパッド300iの内部300i1、ボンドパッド300jの内部300j1、ボンドパッド300kの内部300k1、ボンドパッド300lの内部300l1、およびボンドパッド300mの内部300m1についても適用される。
【0031】
(1)目標アイポイント310aのボンドパッド(目標アイポイント310aに含まれるボンドパッドの形状およびその各々の位置など)を教示し、(2)その後、目標アイポイント310aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外の領域も目標アイポイント310aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド列306を取り囲む非斜線領域306aと、ボンドパッド行308を取り囲む非斜線領域308aとが提供される。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドの精確な輪郭位置(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度(ゆうど)が高まる。
【0032】
図5は、本発明の例示的な一実施形態に従って、目標アイポイントに含めるよう選択された領域510を含む半導体装置500の一部の上面図である。半導体装置500には、いくつかのボンドパッドが含まれる。図5に例示したように、第1のボンドパッドグループ(ボンドパッド500a、500b、500c、500d、500e、500f、500g、500h、500i、500j、500k、500l、500m、500n、500o、500p、500q、500r、500s、500t、500u、および500vを含む)は、半導体装置500の外周に沿って設けられ、第2のボンドパッドグループ(ボンドパッド502a、502b、502c、502d、502e、502f、502g、502h、502i、502j、502k、502l、502m、502n、502o、502p、502q、502r、502s、502t、502u、502v、502w、502x、502y、502z、および502aaを含む)は、前記第1のグループの内側に設けられている。半導体装置500には、基準504も含まれる。
【0033】
図6は、半導体装置500の目標アイポイントに含めるため選択された、半導体装置500の領域510を詳細に示した図である。領域510には、ボンドパッド500a、500b、500c、500d、500e、500f、500k、500l、500m、500o、502g、502h、502i、502j、502k、502l、502m、502n、502o、502p、502qと、基準504とが含まれる。ボンドパッド502nおよび502oには、このボンドパッドの走査を行う視覚システムに認識される可能性のある何らかのタイプの異常(傷、反射率の変化、認識可能な欠陥など)が含まれていることに注意すべきである。ワイヤーボンディング機に目標アイポイントを教示するためのサンプル装置として半導体装置500(ボンドパッド502nおよび502oの異常を含む)が使用された場合、半導体装置500から教示された目標アイポイントを使って実際の半導体装置を処理(ワイヤーボンディングなど)する時点で、いくつかの潜在的問題が生じるおそれがある(後続処理について装置が許容範囲内であっても処理すべき半導体装置用のスコアが閾値より低くなる、半導体装置500などの装置のMTBAが不要に短くなるなど)。
【0034】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、半導体装置について知られているデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、目標アイポイントの定義を支援することができる。例えば、サンプル装置を使って目標アイポイントを教示する場合にそのようなデータを使用すると、通常であればサンプル半導体装置の特定の欠陥を含むおそれのある目標アイポイントも定義可能になる。より具体的には、既知のデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、図7に示すように目標アイポイントを定義することができる。図7に示すように、半導体装置500の領域510には、ボンドパッド502nおよび502oの異常が含まれていないことに注意すべきである。図7に例示した領域510の形状を含む目標アイポイント(既知のデータを使って、サンプル装置500に基づく教示をワイヤーボンディング機に実際に行う前に定義される)から開始すると、この目標アイポイント510は、初期、特定の欠陥を伴わずに定義される。その後、この定義された目標アイポイント510が実際にワイヤーボンディング機に教示される際には(図6などに示した、パッド502nおよび502oに異常を伴うサンプル装置500を使って)、サンプル装置に関する一般情報(目標アイポイント510に含まれる前記ボンドパッドの形状および相対位置と、前記基準と)だけがワイヤーボンディング機への教示中に確認されるため、特定の欠陥を教示工程中に除外することができる。このように、(1)半導体装置に関する既知のデータと同時に(2)ワイヤーボンディング機に教示されるサンプル装置を利用することで、改善された目標アイポイントがもたらされる。
【0035】
図8は、半導体装置500用にさらに改善された目標アイポイント510aを例示したものである。より具体的には、半導体装置500の一部の選択された領域が、目標アイポイント510aから除外されている。図8では、選択されたこれらの領域を斜線で表している(斜線領域は、目標アイポイント教示工程から「マスク」することができる)。図8に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド500aの内部500a1が、目標アイポイント510aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド500bの内部500b1、ボンドパッド500cの内部500c1、さらにボンドパッド500d、500e、500f、500k、500l、500m、500n、500o、502g、502h、502i、502j、502k、502l、502m、502n、502o、502p、および502qの各内部にも適用される。同様に、基準504の内部504a1も目標アイポイント510aから除外される。他の斜線領域は、例えば装置間で一貫性がない微細凹凸/反射率を有するおそれがある領域を表している。これにより、ワイヤーボンディングすべき装置のスコアは、このような斜線エリアに影響されないですむ。
【0036】
さらに、(1)目標アイポイント510aの特徴の形状/その各々の位置(目標アイポイント510aに含まれる前記ボンドパッドの形状およびその各々の位置と、前記基準となど)を教示し、(2)その後、目標アイポイント510aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外(および基準形状外)の領域も目標アイポイント510aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド500aを取り囲む非斜線領域500a2と、ボンドパッド500bを取り囲む非斜線領域500b2とが提供される。このような非斜線領域は、ボンドパッド500c、500d、500e、500f、500k、500l、500m、500n、500o、502h、502i、502j、502k、502l、502m、502n、502o、502p、および502qの各々についても提供される(図8に例示)。同様に、基準504を取り囲む非斜線領域504a2も提供される。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドおよび前記基準の精確な輪郭(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度が高まる。
【0037】
図9は、本発明の例示的な一実施形態に従って、目標アイポイントに含めるよう選択された領域610を含む半導体装置600の一部の上面図である。半導体装置600には、いくつかのボンドパッドが含まれる。図9に例示したように、第1のボンドパッドグループ(ボンドパッド600a、600b、600c、600d、600e、600f、600g、600h、600i、600j、600k、600l、および600mを含む)は、半導体装置600の第1の行に設けられ、第2のボンドパッドグループ(ボンドパッド602a、602b、602c、602d、602e、602f、602g、602h、602i、602j、602k、602l、602m、602n、602o、および602pを含む)は、第2の行に設けられている。
【0038】
図10は、半導体装置600の目標アイポイントに含めるため選択された、半導体装置600の領域610を詳細に示した図である。領域610には、ボンドパッド600a、600b、600c、600d、600e、602a、602b、602c、602d、および602eが含まれる。ボンドパッド602cおよび602dには、このボンドパッドの走査を行う視覚システムに認識される可能性のある何らかのタイプの異常(傷、反射率の変化、認識可能な欠陥など)が含まれていることに注意すべきである。ワイヤーボンディング機に目標アイポイントを教示するため半導体装置600(ボンドパッド602cおよび602dの異常を含む)が使用された場合、半導体装置600から教示された目標アイポイントを使って実際の半導体装置を処理(ワイヤーボンディングなど)する時点で、いくつかの潜在的問題が生じるおそれがある(後続処理について装置が許容範囲内であっても処理すべき半導体装置用のスコアが閾値より低くなる、半導体装置600などの装置のMTBAが不要に短くなるなど)。
【0039】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、半導体装置について知られているデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、目標アイポイントの定義を支援することができる。例えば、サンプル装置を使って目標アイポイントを教示する場合にそのようなデータを使用すると、サンプル半導体装置の特定の欠陥を含むおそれのある目標アイポイントも補正が可能になる。より具体的には、既知のデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、図11に示すように目標アイポイントを定義することができる。図11に示すように、半導体装置600の領域610には、ボンドパッド602cおよび602dの異常が含まれていないことに注意すべきである。図11に例示した目標アイポイント610(既知のデータを使って、サンプル装置600に基づく教示をワイヤーボンディング機に実際に行う前に定義される)から開始すると、この目標アイポイント610は、初期、特定の欠陥を伴わずに定義される。その後、この定義された目標アイポイント610が実際にワイヤーボンディング機に教示される際には(図10などに示した、パッド602cおよび602dに異常を伴うサンプル装置600を使って)、サンプル装置に関する一般情報(目標アイポイント610に含まれる前記ボンドパッドの形状および相対位置)だけがワイヤーボンディング機への教示中に確認されるため、特定の欠陥を教示工程中に除外することができる。このように、(1)半導体装置に関する既知のデータと同時に(2)ワイヤーボンディング機に教示されるサンプル装置を利用することで、改善された目標アイポイントがもたらされる。
【0040】
図12は、半導体装置600用にさらに改善された目標アイポイント610aを例示したものである。より具体的には、半導体装置600の一部の選択された領域が、目標アイポイント610aから除外されている。図12では、選択されたこれらの領域を斜線で表している(斜線領域は、目標アイポイント教示工程から「マスク」することができる)。図12に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド600aの内部600a1が、目標アイポイント610aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド600bの内部600b1、ボンドパッド600cの内部600c1、さらにボンドパッド600d、600e、602a、602b、602c、602d、および602eの各内部にも適用される。
【0041】
さらに、(1)目標アイポイント610aの特徴の形状/その各々の位置(目標アイポイント610aに含まれる前記ボンドパッドの形状およびその各々の位置)を教示し、(2)その後、目標アイポイント610aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外の領域も目標アイポイント610aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド600aを取り囲む非斜線領域600a2と、ボンドパッド600bを取り囲む非斜線領域600b2とが提供される。このような非斜線領域は、ボンドパッド600c、600d、600e、602a、602b、602c、602d、および602eの各々についても提供される(図12に例示)。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドの精確な輪郭(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度が高まる。
【0042】
図13は、本発明の例示的な一実施形態に従って、目標アイポイントに含めるよう選択された領域710を含む半導体装置700の一部の上面図である。半導体装置700には、いくつかのボンドパッドが含まれる。図13に例示したように、第1のボンドパッドグループ(ボンドパッド700a、700b、700c、700d、700e、700f、700g、700h、700i、700j、700k、700l、700m、700n、700o、700p、700q、700r、700s、700t、700u、および700vを含む)は、半導体装置700の外周に沿って設けられ、第2のボンドパッドグループ(ボンドパッド702a、702b、702c、702d、702e、702f、702g、702h、702i、702j、702k、702l、702m、702n、702o、702p、702q、702r、702s、702t、702u、702v、702w、702x、702y、702z、および702aaを含む)は、前記第1のグループの内側に設けられている。
【0043】
図14は、半導体装置700の目標アイポイントに含めるため選択された、半導体装置700の領域710を詳細に示した図である。領域710には、ボンドパッド700a、700b、700c、700d、700l、700m、700n、700o、702a、702b、702c、702m、702n、および702oが含まれる。ボンドパッド702nおよび702oには、このボンドパッドの走査を行う視覚システムに認識される可能性のある何らかのタイプの異常(傷、反射率の変化、認識可能な欠陥など)が含まれていることに注意すべきである。ワイヤーボンディング機に目標アイポイントを教示するため半導体装置700(ボンドパッド702nおよび702oの異常を含む)が使用された場合、半導体装置700から教示された目標アイポイントを使って実際の半導体装置を処理(ワイヤーボンディングなど)する時点で、いくつかの潜在的問題が生じるおそれがある(後続処理について装置が許容範囲内であっても処理すべき半導体装置用のスコアが閾値より低くなる、半導体装置700などの装置のMTBAが不要に短くなるなど)。
【0044】
本発明の特定の例示的実施形態によれば、半導体装置について知られているデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、目標アイポイントの定義を支援することができる。例えば、サンプル装置を使って目標アイポイントを教示する場合にそのようなデータを使用すると、サンプル半導体装置の特定の欠陥を含むおそれのある目標アイポイントも補正が可能になる。より具体的には、既知のデータ(CADデータ、図面、図面のコンピュータスキャン、事前データなど)を使って、図15に示すように目標アイポイントを定義することができる。図15に示すように、半導体装置700の領域710には、ボンドパッド702nおよび702oの異常が含まれていないことに注意すべきである。図15に例示した目標アイポイント710(既知のデータを使って、サンプル装置700に基づく教示をワイヤーボンディング機に実際に行う前に定義される)から開始すると、この目標アイポイント710は、初期、特定の欠陥を伴わずに定義される。その後、この定義された目標アイポイント710が実際にワイヤーボンディング機に教示される際には(図13などに示した、パッド702nおよび702oに異常を伴うサンプル装置700を使って)、サンプル装置に関する一般情報(目標アイポイント710に含まれる前記ボンドパッドの形状および相対位置)だけがワイヤーボンディング機への教示中に確認されるため、特定の欠陥を教示工程中に除外することができる。このように、(1)半導体装置に関する既知のデータと同時に(2)ワイヤーボンディング機に教示されるサンプル装置を利用することで、改善された目標アイポイントがもたらされる。
【0045】
図16は、半導体装置700用にさらに改善された目標アイポイント710aを例示したものである。より具体的には、半導体装置700の一部の選択された領域が、目標アイポイント710aから除外されている。図16では、選択されたこれらの領域を斜線で表している(斜線領域は、目標アイポイント教示工程から「マスク」することができる)。図16に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド700aの内部700a1が、目標アイポイント710aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド700bの内部700b1、ボンドパッド700cの内部700c1、さらにボンドパッド700d、700l、700m、700n、700o、702a、702b、702c、702m、702n、および702oの各内部にも適用される。
【0046】
さらに、(1)目標アイポイント710aの特徴の形状/その各々の位置(目標アイポイント710aに含まれる前記ボンドパッドの形状およびその各々の位置)を教示し、(2)その後、目標アイポイント710aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外の領域も目標アイポイント710aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド700aを取り囲む非斜線領域700a2と、ボンドパッド700bを取り囲む非斜線領域700b2とが提供される。このような非斜線領域は、ボンドパッド700c、700d、700l、700m、700n、700o、702a、702b、702c、702m、702n、および702oの各々についても提供される(図16に例示)。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドの精確な輪郭(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度が高まる。
【0047】
図17は、本発明の例示的な一実施形態に従って、目標アイポイントに含めるよう選択された領域810を含む半導体装置800の一部の上面図である。半導体装置800には、いくつかのボンドパッドが含まれる。図17に例示したように、この半導体装置には、ボンドパッド800a、800b、800c、800d、800e、800f、800g、800h、800i、800j、および800kが含まれる。半導体装置800には、回路素子804も含まれる。
【0048】
図17に概略示したように、半導体装置800の領域810には、ボンドパッド800a、800b、800c、800d、800h、800i、および800jと、回路素子804とが含まれる。このように、半導体装置の一部のうち、ボンドパッドおよび基準以外(配線パターンや導電トレースパターン等であってよい回路素子804など)の形状(およびその各々の位置)も、目標アイポイントの一部として使用するため企図できることが明らかである。
【0049】
図18は、半導体装置800用にさらに改善された目標アイポイント810aを例示したものである。より具体的には、半導体装置800の一部の選択された領域が、目標アイポイント810aから除外されている。図18では、選択されたこれらの領域を斜線で表している(斜線領域は、目標アイポイント教示工程から「マスク」することができる)。図18に示すように、各前記ボンドパッドの内部は斜線で表されており、これら内部は教示される目標アイポイントから除外される。より具体的には、ボンドパッド800aの内部800a1が、目標アイポイント810aから除外される。これと同じことが、ボンドパッド800bの内部800b1、ボンドパッド800cの内部800c1、さらにボンドパッド800d、800h、800i、および800jの各内部と、回路素子804aの内部804a1とにも適用される。
【0050】
さらに、(1)目標アイポイント810aの特徴の形状/その各々の位置(目標アイポイント810aに含まれる前記ボンドパッドの形状およびその各々の位置と、回路素子804となど)を教示し、(2)その後、目標アイポイント810aを走査する上で、誤差の範囲を小さくし形状探索用のエリアを提供するため、実際のボンドパッド外および回路素子804外の領域も目標アイポイント810aに含まれる。より具体的には、ボンドパッド800aを取り囲む非斜線領域800a2と、ボンドパッド800bを取り囲む非斜線領域800b2とが提供される。このような非斜線領域は、ボンドパッド800c、800d、800h、800i、および800jの各々と、回路素子804とについても提供される(図18に例示)。これらの周辺領域を提供することにより、目標アイポイントに含まれる各前記ボンドパッドの精確な輪郭(および回路素子804の輪郭)(およびそれら輪郭の相互位置)を教示する尤度が高まる。
【0051】
図19は、半導体装置900の上面図である。図19に示すように、2つの異なる目標アイポイント(目標アイポイント910aおよび目標アイポイント910b)が定義されている。これにより、本明細書に開示する本発明の教示が、その種々の例示的実施形態を通じ、複数の目標アイポイントを利用するワイヤーボンディング操作に適用可能であることが明らかである。
【0052】
本明細書に提供する種々の図では、半導体ダイを単独で例示しているが、ワイヤーボンディングなどの処理工程中、当該半導体ダイは、通常、リードフレームまたは基板などの支持構造に(接着剤等を使ったダイボンディングなどで)ボンディングされた状態であることは言うまでもない。図20は、リードフレーム1050に接合された半導体装置1000(半導体ダイ1000など)の一部の上面図である。
【0053】
半導体装置1000には、ボンドパッド1000a、1000b、1000c、1000d、1000e、1000f、1000g、1000h、1000i、1000j、および1000kが含まれる。目標アイポイント1010は、ボンドパッド1000a、1000b、1000c、1000d、1000h、1000i、および1000jを含むよう選択されている。リードフレーム1050は、リード1050a、1050b、1050c、1050d、および1050eを含む複数の「リード(リード線)」を含んでいる。半導体装置の処理(ワイヤーボンディングなど)中、すでにワイヤーボンディング済みの装置がワイヤーボンディング機上に置かれることがある。例えば、これは過失による場合もあり、あるいは、前記装置の一部はワイヤーボンディング済みでも、当該装置の別の一部をワイヤーボンディングしなければならない場合もある。ワイヤーボンディング機上の装置がワイヤーボンディング済みであるかどうかは、わかっていることが非常に望ましい。例えば、これがわからないと、ワイヤーボンディング済みの装置に、さらに意図せずワイヤーボンディングが行われてしまい、その装置が破壊され、または価値のないものになってしまうおそれがある。
【0054】
本発明の例示的な一実施形態によれば、装置がワイヤーボンディング済みであるか決定する方法が提供される。図20に示したように、いくつかのワイヤーループ1002a、1002b、1002c、1002h、および1002iが例示されている。より具体的には、ワイヤーループ1002a(ボンドパッド1000aに接合されたボールボンド1002a1を含む)は、ボンドパッド1000aとリード1050aとの間に電気的相互接続をもたらし、ワイヤーループ1002b(ボンドパッド1000bに接合されたボールボンド1002b1を含む)は、ボンドパッド1000bとリード1050bとの間に電気的相互接続をもたらし、ワイヤーループ1002c(ボンドパッド1000cに接合されたボールボンド1002c1を含む)は、ボンドパッド1000cとリード1050cとの間に電気的相互接続をもたらし、ワイヤーループ1002h(ボンドパッド1000hに接合されたボールボンド1002h1を含む)は、ボンドパッド1000hとリード1050dとの間に電気的相互接続をもたらし、ワイヤーループ1002i(ボンドパッド1000iに接合されたボールボンド1002i1を含む)は、ボンドパッド1000iとリード1050eとの間に電気的相互接続をもたらす。形状およびそれら形状の相対位置(ボンドパッド形状およびボンドパッド形状の相対位置)の教示に関して上述したものなどのパターン認識方法および/またはパターン認識システムを使うと、ワイヤーループの一部の形状を認識することができる。より具体的には、半導体ダイのボンドパッドを探索してそこにワイヤーがボンディングされているか決定するよう、アルゴリズムを構成することができる。図20に例示した例では、ボンドパッド上のボールボンドの形状(円形や楕円形など)を探索してそこにワイヤーがボンディングされているか調べるよう、アルゴリズムを構成することができる。
【0055】
本発明のこの態様では、さらに別の特徴も提供される。例えば、目標アイポイント(図20に例示した目標アイポイント1010など)は、まずワイヤーボンディング工程中にワイヤーボンディングされるボンドパッドを含むよう選択することができる。図20において、ボンドパッド1000aが、ワイヤーボンディングされる第1のボンドパッドであるとすると、目標アイポイント1010は、このボンドパッドを含むよう選択される。これにより、パターン認識を使って(ボンドパッド上にボールボンドの形状がないか探すことにより)ボンドパッドにワイヤーがボンディングされているか調べる工程において、選択した目標アイポイントが、ワイヤーボンディングされる前記第1のパッドを含んでいるため、ボンディングされたワイヤー(ワイヤーループ1002aなど)を見つける尤度は高まる。
【0056】
さらに、半導体装置のパッドにワイヤーがボンディングされているか決定する方法は、目標アイポイントを教示する工程に統合することができる。例えば、第1の工程では、本発明に係る目標アイポイントを教示する教示工程を実施できる。第2の工程では、第2の目標アイポイント(ボンディングされたワイヤーを確認するための目標アイポイント)を教示する異なる教示工程を実施できる。次に、ワイヤーボンディングすべき装置が機上にある場合、前記第1の教示工程で教示された目標アイポイントを使って当該装置の位置および/または位置合わせを確認することができる。次いで前記装置の位置および/または位置合わせが確認された時点で、ボンディングされたワイヤーの有無を調べるため第2の走査を完了することができる。このような実施形態において、前記第1の目標アイポイントでは、ボンドパッドの内部をマスクでき(図4、8、12、16、および18のように)、前記第2の目標アイポイントでは、(前記ボンドパッドの内部にボールボンド形状がないか走査できるよう)前記ボンドパッドの内部をマスクしない。
【0057】
別の代替実施形態では、目標アイポイントを1つ教示でき、ワイヤーボンディングすべき実際の装置に1回の走査を行うことができる。そのような実施形態では、前記目標アイポイントに含まれるボンドパッドの内部の少なくとも一部をマスクしてはならず、それにより、当該ボンドパッドの内部を走査してボールボンド形状を調べることが可能になる。
【0058】
上記ではボンドパッドがワイヤーボンディング済みであるか決定する方法を、ワイヤーループ(ボンドパッドとリードフレームのリードとの間に延在するワイヤーループなど)に関連して説明し(図20の例に示し)てきたが、確認対象であるワイヤーボンドは、(スタッドバンプなどの)導電バンプを含む種々の形態を有してよいことは言うまでもない。
【0059】
図21〜22は、本発明の特定の例示的実施形態に係るフローチャートである。当業者であれば理解されるように、これらのフローチャートでは、これに含まれる特定の工程を省略してもよく、特定の追加工程を加えてもよく、またこれら工程の順序を例示した順序から変更してもよい。
【0060】
より具体的には、図21は、本発明の例示的な一実施形態に従ってワイヤーボンディング操作用に目標アイポイントを教示する方法を例示したフローチャートである。工程2100では、目標アイポイントとして使用するため、半導体装置の領域から形状のグループが選択される。例えば、この形状のグループには、ボンドパッド形状、基準形状、回路形状などを含めることができる。工程2102では、(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントが教示される。この教示工程には、各前記形状同士の相対位置を定義する工程が含まれる。そのような位置は、各前記形状のグループを取り囲むエリアを含むよう定義することができる。前記目標アイポイントは、前記形状のグループを含みつつ、前記領域内の所定のエリアをマスクする(工程2104)ことにより前記所定の領域が当該目標アイポイントから除外されるよう、定義することができる。例えば、そのようなマスキングには、アルゴリズムを使って前記領域内の前記所定のエリアの位置を前記目標アイポイントから除外する工程を含めることができる。そのようなマスキングには、(1)選択したボンドパッドの内部と(2)前記領域の前記ボンドパッド間の部分とのうちの少なくとも一方をマスクする工程を含めることができる。任意選択の工程2106では、前記ワイヤーボンディング機に第2の目標アイポイントが教示される。この第2の目標アイポイントは、前記半導体装置のボンドパッド上のワイヤーループの一部の形状に対応したものである。例えば、前記ワイヤーループの一部の形状は、そのワイヤーループのボールボンドの形状に対応する可能性がある。
【0061】
図22は、ワイヤーボンディング機を操作する方法を例示したフローチャートである。例示した方法の工程2200、2202、2204、および2206は、図21に例示したフローチャートの工程2100、2102、2104、および2106に対応したものである。工程2208では、ワイヤーボンディングされるよう構成された第1の半導体装置が、前記ワイヤーボンディング機の所定の位置(ボンディング位置など)へとインデキシングされる。工程2210では、当該ワイヤーボンディング機の視覚システムを使って前記第1の半導体装置の選択部分が走査される。ここで、前記選択部分は、教示された前記目標アイポイント(工程2202で教示された目標アイポイント)に対応する。工程2212では、前記教示された目標アイポイントを、前記第1の半導体装置の前記選択部分と比較することにより、前記第1の半導体装置にパーセンテージスコアが割り当てられる。工程2212の後、ワイヤーボンディング操作前に前記第1の半導体装置の位置を調整すべきであることが決定される可能性がある。工程2214では、前記教示された目標アイポイントを、前記第1の半導体装置の前記選択部分と比較した結果に基づき、前記第1の半導体装置の位置が少なくとも部分的に調整される。工程2216では、前記第1の半導体のボンドパッドと、別のボンディング位置との間でワイヤーループが作成される(ワイヤーボンディングされる)。これにより、ワイヤーボンディング機の改善された操作が提供される。
【0062】
当業者であれば理解されるように、上記の第1の半導体装置(工程2208、2210等に関して説明したものなど)は、必ずしも前記教示工程後にインデキシングされる第1の装置であるとは限らない。用語「第1の」は、例えば工程2102において、説明している装置をサンプル装置と単に区別するため使用される。許容範囲内のスコアおよび許容範囲外のスコアを決定するため、複数の装置のインデキシングまたは走査などを実施してよいことは言うまでもない。
【0063】
上記では、主に(1)サンプル装置の位置で目標アイポイントを定義/教示する工程、次に(2)それに対応し、ワイヤーボンディングすべき装置の位置を走査して、ワイヤーボンディングすべき当該装置が許容範囲内であることを確認する工程について本発明を説明してきたが、本発明はこれらに限定されるものではない。特定の応用では、装置が(ボンディング位置などで)動いてしまうということ、またはボンディング位置での装置の向きが不明であるということが起こるおそれがある。そのような状況では、ワイヤーボンディングすべき装置を走査することにより、目標アイポイント(本発明の例示的な実施形態のいずれかに従って定義/教示された)を見つけることができる。例えば、所定の形状/サイズおよび所定の相対位置を有した5つのボンドパッドが目標アイポイントに含まれる場合(これら所定の値は教示工程による)、ワイヤーボンディングすべき半導体装置の位置は、当該装置を走査し、教示された目標アイポイントに対応した特徴を見つけることにより決定できる。言うまでもなく、そのような目標アイポイントの教示は、(1)(事前データを使って)自動的に目標アイポイントを生成する、(2)作業者の介入により目標アイポイントを生成する、および/または(3)(単一の視野やグループ化された複数の視野などを使って)目標アイポイントを含む装置の領域を走査するなど、本明細書で説明した例示的な方法のいずれかにより達成される。
【0064】
以上、装置に対しワイヤーボンディング(またはスタッドバンプ形成や装置検査など他の処理)を施す前に半導体装置(半導体ダイなど)を適切に位置決めおよび/または位置合わせするため利用される目標アイポイントについて主に本発明を説明してきたが、本発明はこれに限定されるものではない。本明細書に提供された教示は、他の各種用途向けの目標アイポイント教示にも適用可能である。例えば、半導体ダイのワイヤーボンディング前に、リードフレームまたは他の基板に教示を行うことは一般的である。さらに、一部の応用では、半導体ダイをリードフレームにダイボンディングする前に、当該半導体ダイまたは当該リードフレームに対し教示が行われる。このように、本明細書で説明した方法(図21〜22に例示した方法の一部)は、ダイボンディング操作に関連して行われる位置合わせにも適用できる。したがって、本発明の種々の例示的な実施形態は、以上に述べた用途等に関する目標アイポイント認識にも適用可能である。
【0065】
本発明は、本明細書において具体的な実施形態を参照して例示および説明しているが、示した詳細事項に限定されることを意図したものではない。むしろ、本発明の範囲を逸脱しない請求項の均等物の範囲内で、細部において種々の変更(修正)形態が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0066】
本発明は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を読むことにより最もよく理解される。一般的な慣行に従い、図面の種々の特徴は縮尺どおりでないことに留意されたい。むしろ種々の特徴の寸法は、任意に拡大されているか、明瞭性のため縮小されている。図面に含まれる図は以下のとおりである。
【図1】図1は、本発明の例示的な一実施形態に係る半導体装置の一部の上面図である。
【図2】図2は、本発明の例示的な一実施形態に係る別の半導体装置の一部の上面図である。
【図3】図3は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図4】図4は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図3の前記半導体装置の前記一部の上面図である。
【図5】図5は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図6】図6は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントとして選択された、図5の前記半導体装置の一部の上面図である。
【図7】図7は、本発明の例示的な一実施形態に係る図5の前記半導体装置の前記目標アイポイントの補正済みバージョンである。
【図8】図8は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図7の前記半導体装置の前記一部の上面図である。
【図9】図9は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図10】図10は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントとして選択された、図9の前記半導体装置の一部の上面図である。
【図11】図11は、本発明の例示的な一実施形態に係る図9の前記半導体装置の前記目標アイポイントの補正済みバージョンである。
【図12】図12は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図11の前記半導体装置の前記一部の上面図である。
【図13】図13は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図14】図14は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントとして選択された、図13の前記半導体装置の一部の上面図である。
【図15】図15は、本発明の例示的な一実施形態に係る図13の前記半導体装置の前記目標アイポイントの補正済みバージョンである。
【図16】図16は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図15の前記半導体装置の前記一部の上面図である。
【図17】図17は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを含んだ別の半導体装置の一部の上面図である。
【図18】図18は、本発明の例示的な一実施形態に従ってマスクされた特定のエリアを伴う、図17の前記半導体装置の前記目標アイポイント部分の上面図である。
【図19】図19は、本発明の例示的な一実施形態に係る目標アイポイントを2つ含んだ半導体装置の上面図である。
【図20】図20は、本発明の例示的な一実施形態に係る、リードフレームにボンディングされた半導体装置の一部の上面図である。
【図21】図21は、本発明の例示的な一実施形態に従ってワイヤーボンディング操作のために目標アイポイントを教示する方法を例示したフローチャートである。
【図22】図22は、本発明の例示的な一実施形態に従ってワイヤーボンディング機を操作する方法を例示したフローチャートである。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワイヤーボンディング操作のために目標アイポイントを教示する方法であって、
(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域からを選択する工程と、
(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程と
を有する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、工程(1)は、複数のボンドパッド形状を含むよう前記形状のグループを選択する工程を含むものである。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、工程(1)は、複数のボンドパッド形状と、少なくとも1つの基準形状とを含むよう前記形状のグループを選択する工程を含むものである。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
(3)前記形状のグループを含むと同時に、前記領域内の所定のエリアをマスクすることにより前記所定のエリアが前記目標アイポイントから除外されるよう当該目標アイポイントを定義する工程を有するものである。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、前記マスクする工程は、(1)選択したボンドパッドの内部と(2)前記領域内の前記ボンドパッド間の部分とのうちの少なくとも1つをマスクする工程を含むものである。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、工程(2)は、前記形状のグループの間を取り囲むエリアを含むよう前記位置を定義する工程を含むものである。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
(3)前記半導体装置のボンドパッド上のワイヤーループの一部の形状に対応した第2の目標アイポイントを前記ワイヤーボンディング機に教示する工程
を有するものである。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記形状は、前記ワイヤーループのボールボンドの形状に対応するものである。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、当該方法により教示される前記目標アイポイントは、前記ワイヤーボンディング操作のバックアップ目標アイポイントとなるよう構成されるものである。
【請求項10】
ワイヤーボンディング機を操作する方法であって、
(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域から選択する工程と、
(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、前記ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程と、
(3)ワイヤーボンディングされるよう構成された第1の半導体装置を前記ワイヤーボンディング機の所定の位置にインデキシングする工程と、
(4)前記ワイヤーボンディング機の視覚システムを使って前記第1の半導体装置の選択部分を走査する工程であって、前記選択部分は前記教示された目標アイポイントに対応するものである、前記走査する工程と
を有する方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、工程(1)は、複数のボンドパッド形状を含むよう前記形状のグループを選択する工程を含むものである。
【請求項12】
請求項10記載の方法において、工程(1)は、複数のボンドパッド形状と、少なくとも1つの基準形状とを含むよう前記形状のグループを選択する工程を含むものである。
【請求項13】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(3)前記形状のグループを含むと同時に、前記領域内の所定のエリアをマスクすることにより前記所定のエリアが前記目標アイポイントから除外されるよう当該目標アイポイントを定義する工程とを有するものである。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、前記マスクする工程は、(1)選択したボンドパッドの内部と(2)前記領域内の前記ボンドパッド間の部分とのうちの少なくとも1つをマスクする工程を含むものである。
【請求項15】
請求項10記載の方法において、工程(2)は、前記形状のグループ間を取り囲むエリアを含むよう前記位置を定義する工程を含むものである。
【請求項16】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(5)前記半導体装置のボンドパッド上のワイヤーループの一部の形状に対応した第2の目標アイポイントを前記ワイヤーボンディング機に教示する工程を有するものである。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、前記形状は前記ワイヤーループのボールボンドの形状に対応するものである。
【請求項18】
請求項10記載の方法において、工程(2)により教示される前記目標アイポイントは、前記ワイヤーボンディング操作のバックアップ目標アイポイントとなるよう設定されるものである。
【請求項19】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(5)前記教示された目標アイポイントを前記第1の半導体装置の前記選択部分と比較することにより、前記第1の半導体装置にパーセンテージスコアを割り当てる工程
を有するものである。
【請求項20】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(5)前記教示された目標アイポイントを前記第1の半導体装置の前記選択部分と比較した結果に基づいて、前記第1の半導体装置の位置を少なくとも部分的に調整する工程を有するものである。
【請求項21】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(5)前記第1の半導体のボンドパッドと別のボンディング位置との間でワイヤーループを作成する工程を有するものである。
【請求項1】
ワイヤーボンディング操作のために目標アイポイントを教示する方法であって、
(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域からを選択する工程と、
(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程と
を有する方法。
【請求項2】
請求項1記載の方法において、工程(1)は、複数のボンドパッド形状を含むよう前記形状のグループを選択する工程を含むものである。
【請求項3】
請求項1記載の方法において、工程(1)は、複数のボンドパッド形状と、少なくとも1つの基準形状とを含むよう前記形状のグループを選択する工程を含むものである。
【請求項4】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
(3)前記形状のグループを含むと同時に、前記領域内の所定のエリアをマスクすることにより前記所定のエリアが前記目標アイポイントから除外されるよう当該目標アイポイントを定義する工程を有するものである。
【請求項5】
請求項4記載の方法において、前記マスクする工程は、(1)選択したボンドパッドの内部と(2)前記領域内の前記ボンドパッド間の部分とのうちの少なくとも1つをマスクする工程を含むものである。
【請求項6】
請求項1記載の方法において、工程(2)は、前記形状のグループの間を取り囲むエリアを含むよう前記位置を定義する工程を含むものである。
【請求項7】
請求項1記載の方法において、この方法は、さらに、
(3)前記半導体装置のボンドパッド上のワイヤーループの一部の形状に対応した第2の目標アイポイントを前記ワイヤーボンディング機に教示する工程
を有するものである。
【請求項8】
請求項7記載の方法において、前記形状は、前記ワイヤーループのボールボンドの形状に対応するものである。
【請求項9】
請求項1記載の方法において、当該方法により教示される前記目標アイポイントは、前記ワイヤーボンディング操作のバックアップ目標アイポイントとなるよう構成されるものである。
【請求項10】
ワイヤーボンディング機を操作する方法であって、
(1)目標アイポイントとして使用するための形状のグループを半導体装置の領域から選択する工程と、
(2)(a)サンプル半導体装置または(b)前記半導体装置に関する所定のデータのうちの少なくとも1つを使って、前記ワイヤーボンディング機に前記目標アイポイントを教示する工程であって、この工程は前記形状間の相対位置を定義する工程を含むものである、前記教示する工程と、
(3)ワイヤーボンディングされるよう構成された第1の半導体装置を前記ワイヤーボンディング機の所定の位置にインデキシングする工程と、
(4)前記ワイヤーボンディング機の視覚システムを使って前記第1の半導体装置の選択部分を走査する工程であって、前記選択部分は前記教示された目標アイポイントに対応するものである、前記走査する工程と
を有する方法。
【請求項11】
請求項10記載の方法において、工程(1)は、複数のボンドパッド形状を含むよう前記形状のグループを選択する工程を含むものである。
【請求項12】
請求項10記載の方法において、工程(1)は、複数のボンドパッド形状と、少なくとも1つの基準形状とを含むよう前記形状のグループを選択する工程を含むものである。
【請求項13】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(3)前記形状のグループを含むと同時に、前記領域内の所定のエリアをマスクすることにより前記所定のエリアが前記目標アイポイントから除外されるよう当該目標アイポイントを定義する工程とを有するものである。
【請求項14】
請求項13記載の方法において、前記マスクする工程は、(1)選択したボンドパッドの内部と(2)前記領域内の前記ボンドパッド間の部分とのうちの少なくとも1つをマスクする工程を含むものである。
【請求項15】
請求項10記載の方法において、工程(2)は、前記形状のグループ間を取り囲むエリアを含むよう前記位置を定義する工程を含むものである。
【請求項16】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(5)前記半導体装置のボンドパッド上のワイヤーループの一部の形状に対応した第2の目標アイポイントを前記ワイヤーボンディング機に教示する工程を有するものである。
【請求項17】
請求項16記載の方法において、前記形状は前記ワイヤーループのボールボンドの形状に対応するものである。
【請求項18】
請求項10記載の方法において、工程(2)により教示される前記目標アイポイントは、前記ワイヤーボンディング操作のバックアップ目標アイポイントとなるよう設定されるものである。
【請求項19】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(5)前記教示された目標アイポイントを前記第1の半導体装置の前記選択部分と比較することにより、前記第1の半導体装置にパーセンテージスコアを割り当てる工程
を有するものである。
【請求項20】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(5)前記教示された目標アイポイントを前記第1の半導体装置の前記選択部分と比較した結果に基づいて、前記第1の半導体装置の位置を少なくとも部分的に調整する工程を有するものである。
【請求項21】
請求項10記載の方法において、この方法は、さらに、
(5)前記第1の半導体のボンドパッドと別のボンディング位置との間でワイヤーループを作成する工程を有するものである。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2009−524265(P2009−524265A)
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504369(P2009−504369)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/063850
【国際公開番号】WO2008/111977
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(506395943)クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク. (11)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【国際出願番号】PCT/US2007/063850
【国際公開番号】WO2008/111977
【国際公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【出願人】(506395943)クリック アンド ソッファ インダストリーズ、インク. (11)
【Fターム(参考)】
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