説明

ワクチン及び抗感染症療法のための免疫調節性化合物の免疫学的使用

対象において免疫原に対する免疫応答を増強する方法が開示される。また、対象におけるアレルゲンに対する感受性を減少させる方法が開示される。本方法は、免疫応答の増強又は感受性の減少を生じる特定の投薬計画での免疫調節性化合物の投与を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1. 発明の分野)
本発明は、種々の免疫学的適用、特にワクチンアジュバント、詳細には抗癌ワクチンアジュバントにおいて、免疫調節性の化合物又はIMiDs(登録商標)として公知の特定の非ペプチド低分子の使用に関連する。また、本発明は、癌若しくは感染症を治療し、又は予防するためのワクチンと組み合わせたIMiDs(登録商標)の使用に関する。また、本発明は、アレルギー反応の減少又は脱感作などの免疫調節性化合物のその他の種々の使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
(2. 背景)
(2.1 ワクチン)
ワクチンは、伝統的に、生弱毒病原体、不活性化された生物全体又は不活性化された毒素からなっていた。多くの場合に、これらのアプローチは、抗体を媒介した反応に基づいた免疫保護を誘導するのに成功していた。しかし、特定の病原体、例えばHIV、HCV、TB及びマラリアは、細胞性免疫(CMI)の誘導を必要とする。非生ワクチンは、一般的に、CMIを生じるのには有効ではないことが立証された。加えて、生ワクチンは、CMIを誘導し得るが、いくつかの生弱毒ワクチンは、免疫抑制された対象において疾病を引き起こし得る。これらの問題の結果として、組換えタンパク質サブユニット、合成ペプチド、タンパク質多糖体抱合体及びプラスミドDNAなどの、ワクチン開発に対するいくつかの新たなアプローチが出現した。これらの新たなアプローチは、重要な安全性の利点を提供し得るが、一般的な問題は、ワクチン単独では十分な免疫原性がないことが多いということである。従って、これらの免疫原性を増強するためのワクチン製剤に使用することができる強力かつ安全なアジュバントの開発のための継続的な需要がある。ワクチン開発における当該技術分野の詳細な総説については、例えばEdelmanの論文, Molecular Biotech. 21:129-148 (2002);O'Haganらの論文、 Biomolecular Engineering, 18:69-85(2001);Singhらの論文Pharm Res. 19(6):715-28(2000)を参照されたい。
【0003】
伝統的に、ワクチン製剤の免疫原性は、アジュバントを含む製剤でそれを注射することによって改善されてきた。免疫アジュバントは、Ramon(1924, Ann. Inst. Pasteur, 38:1)により「抗原単独よりも強い免疫応答を生じる特異的抗原と組み合わせた使用される物質として」最初に記述された。生物学的及び合成の両方の多種多様な物質が、アジュバントとして使用されてきた。しかし、長年にわたる多数の候補の広範な評価にもかかわらず、米国食品医薬品局によって現在承認されている唯一のアジュバントは、アルミニウムに基づいた鉱物(一般的に、ミョウバンと呼ばれる)にすぎない。ミョウバンは、論争余地のある安全性の登録を有し(例えば、Malakoff, Science, 2000, 288:1323を参照されたい)、比較研究により、タンパク質サブユニットに対する抗体誘導については弱いアジュバントであり、かつCMIについてはあまり効果が無いアジュバントであることが示されている。更にミョウバンアジュバントは、IgE抗体反応を誘導することができ、何人かの対象におけるアレルギー反応と関連していた(例えば、Guptaらの論文、1998, Drug Deliv. Rev. 32:155-72;Relyveldらの論文、1998, Vaccine 16:1016-23を参照されたい)。多くの実験的アジュバントが、ミョウバンの開発以来、臨床試験に進んでおり、いくつかは、高い能力が証明されているが、ヒトにおける治療的使用のためにはあまりに有毒であることが判明している。従って、安全かつ強力なアジュバントに対して継続的な需要が存在している。
【0004】
癌ワクチンは、多くの注意を引く対象であった。最近、癌ワクチンが高い腫瘍量/負荷の状況では成功する可能性があまり高くないという新しいコンセンサスがあるようである(例えば、Nature Medicine Commentary, 10(12):1278(2004)及びCancer Iminunol. Immunother., 53(10):844-54(2004)を参照されたい)。これは、とりわけIL-10、TGF-β及びPGE-2の分泌による効果的な腫瘍媒介型免疫抑制に起因する。
【0005】
一方、最近の証拠は、腫瘍切除又は除去の直後に、末梢血における腫瘍細胞の漏出があることを示唆する。従って、関連した免疫抑制を伴わない、低腫瘍量の状況における腫瘍抗原の存在は、免疫反応の再抗原刺激を可能にさせるであろう。従って、おそらくTh1型細胞免疫反応を介する、長期の抗腫瘍免疫を促進する薬剤に対する需要が存在している。
【0006】
(2.2 調節性T細胞(Treg細胞))
Treg細胞は、CD4及びCD25を発現する特殊化されたT細胞の集団をいう。Treg細胞は、これらの主な機能がその他の細胞の機能の抑制であるという点で、例外的である。この点に関して、Treg細胞は、「サプレッサー細胞」とも呼ばれる。Treg細胞の更に顕著な特徴は、これらが転写因子Foxp3を発現することであることが報告されていた。
【0007】
これらの効果の多様性のため、Treg細胞は、多くの関心の対象であった。Treg細胞は、感染、自己免疫、移植、癌及びアレルギーの結果に影響し得ることが報告されていた。Treg細胞により利用される抑制の様式は、サイトカインIL-10及びTGF-βから、阻害分子CTLA-4を介する細胞-細胞接触の範囲にまで及ぶことが示唆されている。
【0008】
最近、樹状細胞(DC)は、Treg細胞の活性化及び増殖を誘導し得ることが報告されているが、DCは、一部には、これらの抗原提示細胞(APC)としての高い能力に起因して、免疫応答の強力な活性化因子として認識されている。Yamazakiらの論文、J. Exp. Med., 198:235 (2003)を参照されたい。
【0009】
一般に、Treg細胞は、宿主の免疫を抑制し、従って免疫原(例えば、ワクチン)が宿主における効果的な免疫応答を引き起こすのを妨げている。一方、Treg細胞の非存在は、免疫応答の暴動を引き起こして、たいてい炎症又は自己免疫を生じ得る。従って、免疫原から得られる免疫を最大にするために、Treg細胞のレベル又は機能性に関してバランスをとることが必要である。
【0010】
(2.3 ガンマデルタ(γδ)T細胞)
γδT細胞受容体を有するヒトT細胞は、特徴的な組織分布をもつ独特のリンパ球集団を示し、組織化されたリンパ組織、並びに皮膚及び腸関連リンパ系組織に存在している。γδT細胞は、非MHC制限様式で、リガンドの原型であるイソペンテニルピロリン酸(IPP)を含む小さなリン酸化された非ペプチド性代謝産物によって活性化される。いくつかのδT細胞リガンドは、ファルネシルピロリン酸合成経路からの微生物中間体であり、遍在的で、かつ細胞生存のために必須である。この独特の抗原特異性は、個々の微生物に由来する抗原に関係なく、センチネル細胞の活性化のために最も適していることが示唆された(De Liber, Immunology Today, 18: 22-26 (1997))。γδT細胞が、コレステロール生合成を導く必須経路であるメラボニック酸(melavonate)経路の中間体を認識することが示されたため(Gober et alの論文, J Exp Med, 197:163-168 (2003))、最近のデータは、これらの細胞が、例えば自発的B細胞リンパ腫の、腫瘍の監視の役割を担うことを示唆する(Streetらの論文、 J Exp Med, 199:879-884(2004))。これらのγδT細胞腫瘍リガンドは、アミノビスホスホネート(窒素含有ビスホスホネート薬物には、パミドロン酸及びゾロドロネートを含み、骨髄腫治療に使用される)での処理によって増強することができ、これらの薬物での前処理により、腫瘍細胞を、γδT細胞を媒介した死滅に対して感作させることができるであろうことを示唆する。また、γδT細胞は、樹状細胞成熟を増強することにより、抗腫瘍免疫を増大することができるであろう(Ismailiらの論文、 Clin Immunol, 103:296-302 (2002))。
【0011】
癌以外の状況において、γδT細胞は、ウイルス感染、例えば西ナイルウイルスからの防御の役割を果たす(Wangらの論文、J Immunol, 171:2524-2531(2003))。また、上皮内γδT細胞は、腸管炎症において保護的役割を果たす(Chenらの論文、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 99:14338-14343 (2002);およびInagaki-Oharaらの論文、J Immunol, 173:1390-1398 (2004))。更に、γδTCRを有する樹状表皮細胞は、傷の修復の役割を果たす(Jamesonらの論文、 Science, 296:747-749 (2002))。
【0012】
(2.4免疫調節性の化合物)
TNF-αの異常な産生と関連した疾患を治療するために安全かつ効率的に使用することができる化合物を提供する目的で、多数の研究が行われてきた。例えば、Marriott, J.B.らの論文、Expert Opin. Biol. Ther. 1(4):1-8 (2001);G. W. Mullerらの論文、Journal of Medicinal Chemistiy, 39(17):3238-3240 (1996);およびG.W. Mullerらの論文、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters, 8:2669-2674 (1998)を参照されたい。いくつかの研究は、LPS刺激されたPBMCによるTNF-α産生を強力に阻害する能力に関して選択した一群の化合物に焦点をおいた。L.G. Corralらの論文、Ann. Rheum. Dis., 58(suppl I):1107-1113(1999)。IMiDs(登録商標)(Celgene 社)又は免疫調整薬と呼ばれるこれらの化合物は、TNF-αの強力な阻害だけでなく、LPS誘導された単球のIL1-β及びIL-12の産生の顕著な阻害を示す。また、LPS誘導されたIL-6は、免疫調節性化合物によって、部分的ではあるが阻害される。これらの化合物は、LPS誘導されたIL-10の強力な刺激因子である。同上。IMiDs(登録商標)の特定の例には、G.W. Mullerらによる米国特許第6,281,230号及び第6,316,471号の両方に記述及び特許請求されている置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールを含むが、これらに限定されない。
【発明の開示】
【0013】
(3. 発明の要旨)
本発明は、IMiDs(登録商標)の免疫学的使用及びその他の使用に関する。特に、本発明は、IMiDs(登録商標)が使用されないときに得られる反応と比較して、免疫原由来の増強された免疫応答をもたらす特定の投薬計画における免疫原(例えば、ワクチン)の組み合わせにおけるIMiDs(登録商標)の使用を包含する。
また、本発明は、Treg細胞を本発明の免疫調節性化合物と接触させることを含む、Treg細胞の増殖又は免疫抑制活性を低減又は阻害する方法を包含する。
【0014】
また、本発明は、免疫原による免疫応答の増強を誘発する方法を包含する。また、本発明は、アレルゲンによるアレルギー反応の減少を誘発する方法を包含する。本方法は、免疫原又はアレルゲンに対する対象の曝露の前に、該対象に対して本発明の免疫調節性化合物を投与することを含む。IMiDs(登録商標)は、免疫原又はアレルゲンに対する対象の曝露の間に、及び/又は後に加えて投与することができることに留意すべきである。
また、免疫調節性化合物を使用する医薬組成物、投薬計画及び併用療法も本発明に包含される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(5. 発明の詳細な説明)
本明細書に記載した実験によって確定したように、本発明は、部分的には、免疫原(例えば、ワクチン)の導入前における本発明の免疫調節性化合物を用いた前処理が、宿主における免疫応答の増強を生じるという本発明者らの発見に基づいている。特定の理論によって限定されないが、本発明は、抗原提示細胞としての樹状細胞の機能を増強し、並びに/又はTreg細胞の増殖及び/若しくは機能を抑制して宿主における免疫応答の増強を生じさせるために、好ましくは免疫原の導入の前に、宿主に対して免疫調節性化合物を投与することを包含する。加えて、特定の理論によって限定されないが、本発明の免疫調節性化合物は、生得的なγδ T細胞の抗腫瘍活性を増大させる。更にまた、特定の理論によって限定されないが、本発明の免疫調節性化合物は、効率的な長期の抗腫瘍活性に必要な良好なTh1型細胞免疫反応を促進し、これにより腫瘍再発を遅延させ、又は妨げることも考えられる。
従って、本発明は、調節性T細胞の増殖及び/又は免疫抑制活性を低減若しくは阻害する方法であって、調節性T細胞を、増殖及び/又は免疫抑制活性の減少若しくは阻害のために十分な時間、本発明の免疫調節性化合物と接触させることを含む、前記方法を包含する。
【0016】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「増殖を低減又は阻害する」という用語は、調節性T細胞に関して使用される場合、その幾つかを本明細書に記述した当該技術分野において公知の方法によって測定したように、本発明の免疫調節性化合物で処理した細胞培養又は宿主における調節性T細胞の数が、本発明の免疫調節性化合物での処理を伴わない細胞培養又は宿主における調節性T細胞の数未満であることを意味する。典型的方法には、マーカー染色及び例えばFACS解析を使用する染色の解析を含む。好ましくは、増殖の減少は、免疫調節性化合物で処理した培養又は宿主におけるT細胞の数がこのような処理を伴わない培養又は宿主におけるものよりも約10%、20%、30%、50%、70%又は90%以下であることを意味する。
【0017】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「免疫抑制活性を低減又は阻害する」という用語は、調節性T細胞に関連して使用される場合、調節性T細胞の免疫抑制活性が、本発明の免疫調節性化合物で処理するか、又は接触させたときに、このような処理又は接触のないものよりも低いことを意味する。免疫抑制活性は、本明細書に記述したものを含む当該技術分野において公知の方法を使用して決定することができる。典型的には、調節性T細胞の免疫抑制活性は、例えばTCRシグナルに応答する抗CD3刺激したCD25-細胞の増殖をモニターすることによって評価することができる。好ましくは、免疫抑制性活性の減少は、本発明の免疫調節性化合物で処理した調節性T細胞の活性がこのような処理のないものの活性よりも約10%、20%、30%、50%、70%又は90%以下であることを意味する。
【0018】
また、本発明は、対象(例えば、ヒト)における免疫原由来の免疫応答の増強を誘発する方法であって、対象に対する免疫原の投与の前に、対象に本発明の免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法を包含する。
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「免疫原」という用語は、体に導入されたときに、免疫応答を引き起こす(免疫を生じさせる)任意の物質又は生物体を意味する。一部の実施態様において、免疫原は、ワクチンの形態で治療的状況において使用することができる。
【0019】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「免疫応答の増強」という用語は、免疫原が免疫調節性化合物と組み合わせて本発明の方法に従って投与されるときに、免疫原単独の同一量を投与した対象と比較して、このような投与を受ける対象において、当該技術分野において公知の、又は本明細書に記述した任意の標準的方法を使用して測定される抗体形成の増加があることを意味する。本明細書に使用される「組み合わせた投与」という用語は、2つ以上の治療薬に関して使用され、このような薬剤が同じ又は異なる経路を使用して同時に、同時的に、又は連続して投与されることを意味する。好ましくは、免疫応答の増強は、抗体形成における約10%、20%、30%、50%、70%又は100%以上の増大を意味する。
【0020】
具体的実施態様において、免疫調節性化合物は、対象に対して、免疫原の投与の約30日、20日、15日、12日、10日、7日、5日、3日、1日、12時間又は5時間前に投与される。その他の実施態様において、免疫調節性化合物は、免疫原の投与の約30日〜約5時間、約20日〜約5時間、約15日〜約12時間、約12日〜約5時間、約10日〜約12時間、約7日〜約12時間、約5日〜約12時間、約5日〜約1日、約3日〜約12時間又は約3日〜約1日前に投与される。
【0021】
その他の実施態様において、本発明の方法は、免疫原の投与後の本発明の免疫調節性化合物の第2の投与を更に含む。特定の理論によって限定されないが、免疫原の投与後の免疫調節性化合物の投与により、宿主細胞の抗原提示を改善すること、T細胞(例えば、αβ及びγδ TCR陽性)の活性を増強すること、並びに細胞障害性エフェクター反応及び長期記憶(例えば、Th1型)免疫応答を生じることによって免疫原から得られる免疫応答を増強することができると考えられる。これらの実施態様において、少なくとも2つの本発明の免疫調節性化合物--1つはプレ免疫原及び1つはポスト免疫原の投与がある。
【0022】
具体的実施態様において、本発明の免疫調節性化合物は、対象に対して、免疫原の投与の約30日、20日、15日、12日、10日、7日、5日、3日、1日、12時間又は5時間後に投与される。その他の実施態様において、本発明の免疫調節性化合物は、免疫原の投与の約5時間〜約30日、約5時間〜約20日、約12時間〜約15日、約5時間〜約12日、約12時間〜約10日、約12時間〜約7日、約12時間〜約5日、約1日〜約5日、約12時間〜約3日又は約1日〜約3日後に投与される。
【0023】
別の態様において、本発明は、対象におけるアレルギー反応の減少を誘発する方法であって、アレルゲンに対する対象の曝露の前に、対象に本発明の免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法を包含する。本明細書に使用される「アレルゲンに対する対象の曝露」という用語は、予見できるアレルゲン(例えば、採食又は天然に存在するアレルゲンに対する曝露)に対する対象の曝露、並びにアレルゲンをある期間にわたって投薬スキームに従って対象に投与するアレルギーワクチン接種を包含する。特定の理論によって限定されないが、免疫調節性化合物は、優先してTh1免疫応答を誘導するだけでなく、Th2分化も阻害、及び/又は逆転させ、Th1細胞によって媒介されるアレルゲンに対するよりも軽度の非急性免疫応答を生じると考えられる。
【0024】
具体的実施態様において、免疫調節性化合物は、対象に対して、アレルゲンに対する対象の曝露の約30日、20日、15日、12日、、10日、7日、5日、3日、1日、12時間、5時間、2時間又は30分前に投与される。その他の実施態様において、免疫調節性化合物は、アレルゲンに対する対象の曝露の約30日〜約30分、約20日〜約1時間、約15日〜約1時間、約12日〜約30分、約10日〜約2時間、約7日〜約2時間、約5日〜約2時間、約5日〜約1時間、約1日〜約30分又は約1日〜約2時間前に投与される。
【0025】
その他の実施態様において、本発明の方法は、アレルゲンに対する対象の曝露後の本発明の免疫調節性化合物の第2の投与を更に含む。特定の理論によって限定されないが、アレルゲンに対する対象の曝露後に免疫調節性化合物を投与することにより、長期記憶(例えば、Th1型)免疫応答を生じることができると考えられる。これらの実施態様において、少なくとも2つの本発明--1つはプレ免疫原及び1つはポスト免疫原の投与がある。
【0026】
具体的実施態様において、本発明の免疫調節性化合物は、対象に対して、アレルゲンに対する対象の曝露の約30日、20日、15日、12日、10日、7日、5日、3日、1日、12時間又は5時間後に投与される。その他の実施態様において、本発明の免疫調節性化合物は、アレルゲンに対する対象の曝露の約5時間〜約30日、約5時間〜約20日、約12時間〜約15日、約5時間〜約12日、約12時間〜約10日、約12時間〜約7日まで、約12時間〜約5日、約1日〜約5日、約12時間〜約3日又は約1日〜約3日後に投与される。
【0027】
(5.1 免疫原及びワクチン)
種々の免疫原を本発明の方法に関連して使用してもよい。免疫原は、通常、免疫原性組成物(例えば、ワクチン)の形態で対象に投与されるが、動物に、特にヒトにおける使用が受け入れられる任意の形態で投与してもよい。
【0028】
(5.1.1 免疫原)
免疫原性組成物に使用してもよい免疫原には、動物、植物、細菌、原生動物、寄生虫、ウイルス又はその組み合わせ由来の抗原を含む。免疫原は、ポリペプチド、ペプチド、タンパク質、糖タンパク質、脂質、核酸(例えば、RNA及びDNA)及び多糖体を含むが、これらに限定されない、適切な条件下で対象における免疫応答を生じる任意の物質であってもよい。
免疫原性組成物には、一つ以上の免疫原を含んでいてもよい。組成物に使用される免疫原の量は、免疫原の化学的性質及び能力に応じて変更してもよい。
免疫原は、ウイルスに由来する任意のウイルスペプチド、タンパク質、ポリペプチド又はその断片であってもよい。
【0029】
本発明の方法に使用される免疫原は、以下などの病原ウイルスの抗原であってもよいが、限定されない:アデノウイルス科(例えば、マストアデノウイルス及びアビアデノウイルス)、ヘルペスウイルス科(例えば、単純ヘルペスウイルス1、単純ヘルペスウイルス2、単純ヘルペスウイルス5及び単純ヘルペスウイルス6)、レビウイルス科(例えば、レビウイルス、腸内細菌相MS2、アロレウイルス(allolevirus))、ポックスウイルス科(例えば、脊椎動物ポックスウイルス亜科、パラポックスウイルス、アビポックスウイルス、カプリポックスウイルス、レポリポックスウイルス、スイポックスウイルス、モルスカポックスウイルス(molluscipoxvirus)及びエントモポックスウイルス(entomopoxvirinae))、パポバウイルス科(例えば、ポリオーマウイルス及び乳頭腫ウイルス)、パラミクソウイルス科(例えば、パラミクソウイルス、パラインフルエンザウイルス1、モビリウイルス(mobillivirus)(例えば、麻疹ウイルス)、ルブラウイルス(rubulavirus)(例えば、ムンプスウイルス)、ニューモノウイルス科(例えば、ニューモウイルス、ヒト呼吸器合胞体ウイルス)及びメタニューモウイルス(例えば、トリニューモウイルス及びヒトメタニューモウイルス)、ピコルナウイルス科(例えば、エンテロウイルス、ライノウイルス、ヘパトウイルス(例えば、ヒトA型肝炎ウイルス)、カルディオウイルス及びアプトウイルス(apthovirus)、レオウイルス科(例えば、オルトレオウイルス、オルビウイルス、ロタウイルス、シポウイルス(cypovirus)、フィジーウイルス、フィトレオウイルス及びオリザウイルス)、レトロウイルス科(例えば、哺乳動物B型レトロウイルス、哺乳動物C型レトロウイルス、トリC型レトロウイルス、D型レトロウイルス群、BLV-HTLVレトロウイルス、レンチウイルス(例えば、ヒト免疫不全症ウイルス1及びヒト免疫不全症ウイルス2)、スプマウイルス)、フラビウイルス科(例えば、C型肝炎ウイルス)、ヘパドナウイルス科(例えば、B型肝炎ウイルス)、トガウイルス科(例えば、アルファウイルス、例えばシンドビスウイルス)及びルビウイルス(例えば、風疹ウイルス)、ラブドウイルス科(例えば、ベシクロウィルス、狂犬病ウイルス、エフェメロウイルス、サイトラブドウイルス及びヌクレオラブドウイルス)、アレナウイルス科(例えば、アレナウイルス、リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス、イッピーウイルス(Ippy virus)及びラッサ熱ウイルス)並びにコロナウイルス科(例えば、コロナウイルス及びトロウイルス)。
【0030】
本発明の方法に使用される免疫原には、以下を含むが、限定されない感染症薬であってもよい:インフルエンザウイルス血球凝集素(Genbankアクセッション番号J02132;Air, 1981, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 78: 7639-7643; Newtonらの論文、1983, Virology 128: 495-501)、ヒト呼吸器合胞体ウイルスG糖タンパク質(Genbankアクセッション番号Z33429;Garciaらの論文、1994, J. Virol.; Collinsらの論文、1984, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81: 7683)、デングウイルスのコアタンパク質、基質タンパク質又は任意のその他のタンパク質(Genbankアクセッション番号M19197;Hahnらの論文、1988、Virology 162:167-180)、麻疹ウイルス赤血球凝集素(Genbankアクセッション番号M81899;Rotaらの論文、1992, Virology 188: 135-142)、単純ヘルペスウイルス2型糖タンパク質gB(Genbankアクセッション番号M14923;Bzikらの論文、1986, Virology 155:322-333)、ポリオウイルスI VP1(Eminiらの論文、1983, Nature 304:699)、HIV Iのエンベロープ糖タンパク質(Putneyらの論文、1986, Science 234: 1392-1395)、B型肝炎表面抗原(Itohらの論文、1986, Nature 308: 19; Neurathらの論文、1986, Vaccine 4: 34)、ジフテリア毒素(Audibertらの論文、1981, Nature 289: 543)、連鎖球菌24Mエピトープ(Beacheyの論文、1985, Adv. Exp. Med. Biol. 185:193)、淋菌ピリン(RothbardおよびSchoolnikの論文、1985, Adv. Exp. Med. Biol. 185:247)、仮性狂犬病ウイルスg50(gpD)、仮性狂犬病ウイルスII(gpB)、仮性狂犬病ウイルスgIII(gpC)、仮性狂犬病ウイルス糖タンパク質H、仮性狂犬病ウイルス糖タンパク質E、伝播性胃腸炎糖タンパク質195、伝播性胃腸炎基質タンパク質、ブタロタウイルス糖タンパク質38、ブタパルボウイルスカプシドタンパク質、セルプリナ・ヒドジセンテリエ(Serpulina hydodysenteriae)感染防御抗原、ウシウイルス性下痢糖タンパク質55、ニューカッスル病ウィルス赤血球凝集素-ノイラミニダーゼ、ブタインフルエンザ赤血球凝集素、ブタインフルエンザノイラミニダーゼ、口蹄疫ウィルス、ブタコレラウィルス、ブタインフルエンザウイルス、アフリカ豚コレラウィルス、マイコプラズマ・ヒオニューモニエ(Mycoplasma hyopneumoniae)、ウシ伝染性鼻気管炎ウィルス(例えば、ウシ伝染性鼻気管炎ウィルス糖タンパク質E又は糖タンパク質G)又は伝染性喉頭気管炎ウイルス(例えば、伝染性喉頭気管炎ウイルス糖タンパク質G又は糖タンパク質I)、ラクロッセウイルス(La Crosse virus)の糖タンパク質)(Gonzales-Scaranoらの論文、1982, Virology 120: 42)、新生子ウシ下痢ウイルス(MatsunoおよびInouyeの論文、1983, Infection and Immunity 39: 155)、ベネズエラウマ脳脊髄炎ウィルス(MathewsおよびRoehrigの論文、1982, J Immunol. 129: 2763)、プンタトーロウイルス(punta toro virus)(Dalrympleらの論文、1981, in Replication of Negative Strand Viruses, Bishop 及び Compans (編) , Elsevier, NY, p. 167)、マウス白血病ウイルス(Steevesらの論文、1974, J Virol. 14:187)、マウス乳癌ウイルス(MasseyおよびSchochetmanの論文、1981, Virology 115: 20)、B型肝炎ウイルスコアタンパク質及び/若しくはB型肝炎ウイルス表面抗原又はその断片若しくは誘導体(例えば、1980年6月4日に公開された英国特許出願公開第GB2034323A;GanemおよびVarmusの論文、1987, Ann. Rev. Biochem. 56:651-693; Tiollaisらの論文、1985, Nature 317:489-495を参照されたい)、ウマインフルエンザウィルス又はウマヘルペスウイルスの抗原(例えば、ウマインフルエンザウィルスA型/アラスカ 91ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウィルスA型/マイアミ63ノイラミニダーゼ、ウマインフルエンザウィルスA型/ケンタッキー 81ノイラミニダーゼ、ウマヘルペスウイルス1型糖タンパク質B及びウマヘルペスウイルス1型糖タンパク質D、ウシRSウイルス又はウシパラインフルエンザウイルスの抗原(例えば、ウシRSウイルス付着タンパク質(BRSV G)、ウシRSウイルス融合タンパク質(BRSV F)、ウシRSウィルスヌクレオカプシドタンパク質(BRSV N)、ウシパラインフルエンザウイルス3型融合タンパク質及びウシパラインフルエンザウイルス3型赤血球凝集素ノイラミニダーゼ)、ウシウイルス性下痢ウイルス糖タンパク質48又は糖タンパク質53)。
【0031】
また、本発明の方法に使用される免疫原は、癌抗原又は腫瘍抗原であってもよい。以下を含むが、限定されない当業者に公知の任意の癌又は腫瘍抗原を本発明の免疫原性組成物に従って使用してもよい:KS 1/4汎癌腫抗原((PerezおよびWalkerの論文、1990, J Immunol. 142: 3662-3667; Bumalの論文、1988, Hybridoma 7(4): 407-415)、卵巣悪性腫瘍抗原(CA125)(Yuらの論文、1991, Cancer Res. 5 1(2): 468-475)、前立腺酸リン酸(prostatic acid phosphate)(Tailorらの論文、1990, Nuci. Acids Res. 18(16): 4928)、前立腺特異的抗原(HenttuおよびVihkoの論文、1989, Biochem. Biophys. Res. Comm. 160(2): 903-910; Israeliらの論文、1993, Cancer Res. 53: 227-230)、黒色腫関連抗原p97(Estinらの論文、1989, J. Natl. Cancer Instit. 81(6): 445-446)、黒色腫抗原gp75(Vijayasardahlらの論文、1990, .J Exp. Med. 171(4): 1375-1380)、高分子量黒色腫抗原(HMW-MAA)(Nataliらの論文、1987, Cancer 59: 55-63; Mittelmanらの論文、 1990, J Clin. Invest. 86: 2136-2144)、前立腺特異的膜抗原、癌胎児抗原(CEA)(Foonらの論文、1994, Proc. Am. Soc. Clin. Oncol. 13: 294)、多形性上皮性ムチン抗原、ヒト乳脂肪球抗原、結腸直腸腫瘍関連抗原:CEA、TAG-72(Yokataらの論文、1992, Cancer Res. 52: 3402-3408)、C017-1A(Ragnhammarらの論文、1993, Int. J. Cancer 53: 751-758);GICA 19-9(Herlynらの論文、1982, J Clin. Immunol. 2: 135)、CTA-1及びLEAなど、バーキットリンパ腫抗原-38.13、CD19(Ghetieらの論文、1994, Blood 83: 1329-1336)、ヒトB-リンパ腫抗原-CD2O(Reffらの論文、1994, Blood 83: 435-445)、CD33(Sgourosの論文、1993, J. Nucl. Med. 34: 422-430)、ガングリオシドGD2(Salehらの論文、1993, J. Immunol., 151, 3390-3398)、ガングリオシドGD3(Shitaraらの論文、1993, Cancer Immunol. linmunother. 36: 373-380)、ガングリオシドGM2(Livingstonらの論文、1994, J Clin. Oncol. 12: 1036-1044)、ガングリオシドGM3(Hoonらの論文、1993, Cancer Res. 53: 5244-5250)などの黒色腫特異的抗原、T抗原DNA型腫瘍ウイルス及びRNA型腫瘍ウイルスのエンベロープ抗原を含むウイルスで誘導される腫瘍抗原などの細胞表面抗原の腫瘍特異的移植型(TSTA)、結腸のCEAなどの腫瘍胎児性抗原-α-フェトプロテイン、膀胱腫瘍腫瘍胎児性抗原(Hellstromらの論文、1985, Cancer. Res. 45: 2210-2188)、ヒト肺癌腫抗原L6、L20などの分化抗原(Hellstromらの論文、1986, Cancer Res. 46: 3917-3923)、線維肉腫の抗原、ヒト白血病T細胞抗原-Gp37(Bhattacharya-Chatterjeeらの論文、1988, J. of Immunospecifically. 141: 1398-1403)、ネオ糖タンパク質、スフィンゴ脂質、EGFR(上皮成長因子受容体)などの乳癌抗原、HER2抗原(p185HER2)、多形性上皮ムチン(PEM)(Hilkensらの論文、1992, Trends in Bio. Chem. Sci. 17: 359)、悪性ヒトリンパ球抗原-APO-1(Bernhardらの論文、1989, Science 245: 301-304)、胎児赤血球、一次内胚葉において見いだされるI抗原などの分化抗原(Feizi, 1985, Nature 314: 53-57)、成体赤血球、移植前胚において見いだされるI抗原、胃腺癌において見いだされるI(Ma)、乳房上皮において見いだされるM18、M39、骨髄性細胞において見いだされるSSEA-1、VEP8、VEP9、Myl、VIM-D5、結直腸癌において見いだされるD156-22、TRA-1-85(血液型H)、結腸腺癌において見いだされるC14、肺腺癌において見いだされるF3、胃癌において見いだされるAH6、Yハプテン、胎生癌細胞において見いだされるLeY、TL5(血液型A)、A431細胞において見いだされるEGF受容体、膵癌において見いだされるE1シリーズ(血液型B)、胎生癌細胞において見いだされるFC10.2、胃腺癌抗原、腺癌において見いだされるCO-514(血液型Lea)、腺癌において見いだされるNS-10、CO-43(血液型Leb)、A431細胞のEGF受容体において見いだされるG49、結腸腺癌において見いだされるMH2(血液型ALeb/LeY)、大腸癌において見いだされる19.9、胃癌ムチン、骨髄性細胞において見いだされるT5A7、黒色腫において見いだされるR24、胎生癌細胞において見いだされる4.2、GD3、D1.1、OFA-1、GM2、OFA-2、GD2及びMl:22:25:8、並びに4〜8細胞期胚において見いだされるSSEA-3及びSSEA-4。一つの実施態様において、抗原は、皮膚 T細胞リンパ腫からのT細胞受容体に由来するペプチドである(Edelson, 1998, The Cancer Journal 4: 6を参照されたい)。
【0032】
好ましい実施態様において、本発明の方法に使用される免疫原性組成物は、癌ワクチンである。癌ワクチンの例には、以下を含むが、限定されない:プロベンジ(Provenge)、ニューベンジ(Neuvenge)、イムノベクス(Immunovex)、テロメラーゼワクチン、ウビデム(Uvidem)、コリデム(Collidem)、DCVax-前立腺及びDCVax-脳などの、しかし限定されない抗原修飾された樹状細胞(DC)ワクチン;テラトープ(Theratope)、L-BLP25、オンコファージ(HSPPC-96)、GTOPO-99、IGN-101、ファブルド(Favld)、パンバック(Panvac)-VF、プロストバック(Prostvac)-VF、アビシン(Avicine)、EP-2101、MyVax、バイオバクシド(Biovaxid)、ミツモマブ(Mitumomab)(IMC-BEC2)、IMG-GP75、HER-2 DNA/タンパク質AutoVac、Zyc 300及びHER-2タンパク質AutoVacなどの、しかし限定されないペプチドワクチン;カンワクシン(Canvaxin)、Ony-P、メラシン(Melacine)、GVAX、GVAX及びMDX-010並びにオンコバクス(Oncovax)などの、しかし限定されない腫瘍細胞全体ワクチン;並びにALVAC-CEA/B&1、アロベクチン(Allovectin)-7、ALVAC、ロバキシン(Lovaxiin)C、AdhTAP(OS-1)TroVax及びMVA-MUC1-1L2(TG4O1O)などの、しかし限定されないウイルスベクターワクチン。これらのワクチンの特徴を表1〜4に要約してある。
【0033】
免疫原には、免疫応答が望まれるウイルスを含んでいてもよい。特定の場合において、本発明の方法に使用される免疫原性組成物は、組換えウイルス又はキメラウイルスを含む。その他の場合において、免疫原性組成物は、弱毒ウイルスを含む。組換ウイルス、キメラウイルス及び弱毒ウイルスの産生は、当業者に公知の標準的方法を使用して行ってもよい。また、本発明は、本発明に従って製剤化される生組換えウイルスのワクチン又は不活性化された組換えウイルスのワクチンを包含する。生ワクチンは、宿主における増殖を生じて、自然感染において生じるのと同種及び同程度に刺激を延長させ、従って実質的に持続性免疫を与えるので、好ましい。このような生組換えウイルスワクチン製剤の産生は、細胞培養における、又はニワトリ胚の尿膜におけるウイルス増殖、続く精製を含む従来法を使用して達成してもよい。
【0034】
組換えウイルスは、それが投与される対象に対して非病原性であってもよい。この点に関して、ワクチン目的のための遺伝子操作されたウイルスの使用には、これらの株における弱毒特性が存在する必要があるだろう。トランスフェクションのために使用される鋳型への適切な突然変異(例えば、欠失)の導入により、新規ウイルスに弱毒特性を提供してもよい。例えば、温度感受性又は低温適応と関連した特異的ミスセンス突然変異を、欠失突然変異内に作製することができる。これらの突然変異は、冷却と関連した点突然変異又は温度感受性突然変異よりも安定であるはずであり、復帰頻度が極めて低いはずである。
【0035】
或いは、「自殺」特性を持つキメラウイルスを免疫原性組成物に使用するために構築してもよい。このようなウイルスは、宿主内で一回又は少数回のみの複製を行うであろう。ワクチンとして使用したときに、組換えウイルスは、限られた複製サイクルを行い、十分なレベルの免疫応答を誘導するであろうが、これがヒト宿主において更に進んで疾患を生じさせることはないであろう。
【0036】
或いは、不活性化された(死滅した)ウイルスを本発明に従って製剤化してもよい。弱毒ワクチン製剤は、キメラウイルスを「死滅させる」ための従来の技術を使用して調製してもよい。弱毒ワクチンは、これらの感染力が破壊されているという点で、「死滅」している。理想的には、ウイルスの感染力は、その免疫原性に影響を及ぼすことなく破壊される。弱毒ワクチンを調製するためには、キメラウイルスを細胞培養において、又はニワトリ胚の尿膜において培養して、ゾーン超遠心分離によって精製し、ホルムアルデヒド又はβ-プロピオラクトンによって不活性化してプールしてもよい。
【0037】
その他のウイルス又は非ウイルス病原体に由来する抗原を含む完全に外来性エピトープも、免疫原性組成物に使用するためのウイルス内で操作することができる。例えば、HIVなどの非関連ウイルス抗原(gp160、gp120、gp41)、寄生虫抗原(例えば、マラリア)、細菌若しくは真菌の抗原又は腫瘍抗原を弱毒化された株内で操作することができる。典型的には、このような方法には、発育卵に接種すること、尿膜腔液を収集すること、例えばゾーン遠心分離、超遠心分離、限外濾過及び種々の組み合わせのクロマトグラフィーを使用して全ウイルスを濃縮し、精製し、及び分離することを含む。
【0038】
実質的に、任意の異種遺伝子配列を、免疫原性組成物に使用するためのキメラウイルス内に構築してもよい。好ましくは、異種遺伝子配列は、生体応答調節剤として作用する部分及びペプチドである。好ましくは、任意の種々の病原体に対する保護免疫応答を誘導するエピトープ若しくは中和抗体に結合する抗原をキメラウイルスによって、又はその一部として発現してもよい。例えば、キメラウイルス内に構築することができる異種遺伝子配列には、インフルエンザ及びパラインフルエンザ赤血球凝集素ノイラミニダーゼ、並びにヒトPIV3のHN及びF遺伝子などの融合糖タンパク質を含むが、限定されない。加えて、キメラウイルス内で操作することができる異種遺伝子配列には、免疫調節活性をもつタンパク質をコードするものを含む。免疫調節性タンパク質の例には、サイトカイン、インターフェロン1型、ガンマインターフェロン、コロニー刺激因子、インターロイキン1、-2、-4、-5、-6、-12及びこれらの薬剤のアンタゴニストを含むが、限定されない。
【0039】
その他の異種配列は、腫瘍抗原に由来してもよく、生じるキメラウイルスを使用して、腫瘍細胞に対して免疫応答を生じさせて、インビボにて腫瘍退縮を引き起こす。本発明に従って、組換えウイルスを操作して、T細胞によって認識されるヒト腫瘍抗原(RobbinsおよびKawakami, 1996, Curr. Opin. Immunol. 8:628-636、その全体が引用により本明細書に組み込まれる);gp100、MART-1/MelanA、TRP-1(gp75)及びチロシナーゼを含むメラニン形成細胞系統タンパク質;MAGE-1、MAGE-3、BAGE、GAGE-1、GAGE-1、N-アセチルグルコサミン転移酵素-V及びp15などの腫瘍特異的な広く共有される抗原;β-カテニン、MUM-1及びCDK4などの腫瘍特異的な変異抗原;乳房癌、卵巣癌、子宮頸癌及び膵癌、HER-2/neu、ヒト乳頭腫ウイルス-E6、-E7、MUC-1に関する非黒色腫抗原、を含むが、これらに限定されない腫瘍関連抗原(TAA)を発現するように操作してもよい。
【0040】
(5.1.2 ワクチン及び標的疾患)
多種多様なワクチンを本発明の方法と関連して使用してもよい。本発明と関連して使用することができるワクチンの非限定的一覧を図1に提供してある。本発明の方法のための標的疾患には、癌、その他の感染性又は炎症性の疾患を含む。
本発明の方法は、新生物、腫瘍、転移又は細胞増殖が抑制されていないことによって特徴づけられる任意の疾患又は障害を含むが、限定されない癌の治療に使用することができる。癌の具体例には、以下に関連した癌を含むが、限定されない:黒色腫などの皮膚の癌;リンパ節;乳房;頚部;子宮;胃腸管;肺;卵巣;前立腺;結腸;直腸;口;脳;頭頸部;咽喉;精巣;腎臓;膵臓;骨;脾臓;肝臓;膀胱;喉頭;鼻孔;及びAIDS。本発明の方法は、多発性骨髄腫及び急性及び慢性白血病、例えばリンパ芽球性、骨髄性、リンパ性、骨髄球性の白血病、並びに5qマイナス症候群又はその他の細胞発生異常と関連した骨髄異形成症候群を含むが、限定されない骨髄異形成症候群などの血液並びに骨髄の癌を治療するために特に有用である。本発明の方法は、原発性又は転移性腫瘍を治療し、予防し、又は管理するために使用することができる。
【0041】
その他の特異的癌には、以下を含むが、限定されない:進行型悪性腫瘍、アミロイド症、神経芽細胞腫、髄膜腫、血管外皮細胞腫、多発性脳転移、グリア芽細胞腫多形、グリア芽細胞腫、脳幹神経膠腫、予後不良悪性脳腫瘍、悪性神経膠腫、再発性悪性神経膠腫、未分化星細胞腫、未分化乏突起細胞腫、神経内分泌腫瘍、直腸腺癌、デュークスC & D結直腸癌、切除不能の結腸直腸癌腫、転移性肝臓癌、カポジ肉腫、核型急性骨髄芽球性白血病、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、皮膚のT細胞リンパ腫、皮膚B細胞リンパ腫、散在性大B細胞リンパ腫、軽度濾胞性リンパ腫、転移性黒色腫(眼黒色腫を含むが、限定されない局在化された黒色腫)、悪性中皮腫、悪性胸水中皮腫症候群、腹膜癌腫、乳頭漿液癌腫、婦人肉腫、軟部組織肉腫、強皮症、皮膚血管炎、ランゲルハンス細胞組織球増殖症、平滑筋肉腫、進行性骨化性線維異形成症、ホルモン不応性前立腺癌、切除されたリスクの大きい軟部組織肉腫、切除不能肝臓癌、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、くすぶり型骨髄腫、低悪性型骨髄腫、卵管癌、アンドロゲン非依存的前立腺癌、非転移性アンドロゲン依存的IV期前立腺癌、ホルモン非感受性前立腺癌、化学療法非感受性前立腺癌、乳頭甲状腺癌、濾胞性甲状腺癌、延髄甲状腺癌及び平滑筋腫。具体的実施態様において、癌は、転移性である。別の実施態様において、癌は、化学療法又は放射線に対して不応性又は耐性である。
【0042】
感染症は、ウイルス、細菌、真菌原生動物、蠕虫及び寄生虫などの、しかし限定されない感染因子によって生じる。
ヒトにおいて見いだされたウイルスの例には、以下を含むが、限定されない:レトロウイルス科(例えば、HIV-1などのヒト免疫不全症ウイルス(HTLV-III、LAV又はHTLV-III/LAV又はHIV-IIIとも呼ばれ;及びHIV-LPなどのその他の隔離集団);ピコルナウイルス科(例えば、ポリオウイルス、A型肝炎ウイルス;エンテロウイルス、ヒトコクサッキーウイルス、ライノウイルス、エコーウイルス);カルシウイルス科(例えば、胃腸炎を生じさせる株);トガウイルス科(例えば、ウマ脳炎ウイルス、風疹ウイルス);フラビウイルス科(例えば、デング熱ウイルス、脳炎ウイルス、黄熱ウイルス);コロナウイルス科(例えば、コロナウイルス);ラブドウイルス科(例えば、小胞性口内炎ウイルス、狂犬病ウイルス);フィロウイルス科(例えば、エボラウイルス);パラミクソウイルス科(例えば、パラインフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、麻疹ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス);オルソミクソウイルス科(例えば、インフルエンザウィルス);ブンガウイルス科(例えば、ハンターンウイルス、ブンガウイルス、フレボウイルス及びナイロウイルス);アレナウイルス科(例えば、出血熱ウイルス);レオウイルス科(例えば、レオウイルス、オルビウイルス及びロタウイルス);ビルナウイルス科;ヘパドナウイルス科(B型肝炎ウイルス);パルボウイルス科(パルボウイルス);パポバウイルス科(パピローマウイルス、ポリオーマウィルス);アデノウイルス科(大部分のアデノウイルス);ヘルペスウイルス科(単純ヘルペスウイルス(HSV)1及び2、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルス(CMY)、ヘルペスウイルス);ポックスウイルス科(痘瘡ウイルス、ワクシニアウイルス、ポックスウイルス);並びにイリドウイルス科(例えば、アフリカ豚コレラウィルス);並びに分類不能ウイルス(例えば、海綿状脳症の病原因子、デルタ型肝炎因子(B型肝炎ウイルスの欠陥サテライトであると考えられる)、非A型、非B型肝炎(クラス1=内部伝染;クラス2=非経口的伝達、例えばC型肝炎);ノーウォークウイルス及び関連ウイルス、並びにアストロウイルス。
【0043】
動物及びヒトで感染症を生じるレトロウイルスは、単純レトロウイルス及び複雑レトロウイルスを含む。単純レトロウイルスには、B型レトロウイルス、C型レトロウイルス及びD型レトロウイルスのサブグループを含む。B型レトロウイルスの例は、マウス乳癌ウイルス(MMTV)である。C型レトロウイルスは、サブグループC型群A(ラウス肉腫ウイルス(RSV)、トリ白血病ウイルス(ALV)及びトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)を含む)及びC型群B(マウス白血病ウイルス(MLV)、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、マウス肉腫ウイルス(MSV)、テナガザル白血病ウイルス(GALV)、脾臓壊死ウイルス(SNV)細網内皮症ウイルス(RV)及びサル肉腫ウィルス(SSV)を含む)を含む。D型レトロウイルスは、メーソン-ファイザーモンキーウイルス(MPMV)及びサルレトロウイルス1型(SRV-1)を含む。複雑レトロウイルスには、レンチウイルス、T細胞白血病ウイルス及びフォーミーウイルスのサブグループを含む。レンチウイルスには、HIV-1を含むが、またHIV-2、STY、ビスナウィルス、ネコ免疫不全ウイルス(FIV)及びウマ伝染性貧血ウィルス(EIAV)も含む。T細胞白血病ウイルスには、HTLV-1、HTLV-II、サルT細胞白血病ウイルス(STLV)及びウシ白血病ウイルス(BLV)を含む。フォーミーウイルスには、ヒトフォーミーウィルス(HFV)、サルフォーミーウイルス(SFV)及びウシフォーミーウィルス(BFV)を含む。
【0044】
脊椎動物において抗原性又は免疫原性であるRNAウイルスの例には、以下を含むが、限定されない:オルトレオウイルス属(哺乳動物及びトリの両方のレトロウイルスの複数血清型)、オルビウイルス属(青舌病ウイルス、ユージェンギー(Eugenangee)ウイルス、ケメロボウイルス、アフリカ馬疫ウイルス及びコロラドマダニ熱ウイルス)、ロタウイルス属(ヒトロタウイルス、ネブラスカ仔牛下痢症ウイルス、マウスロタウイルス、シミアンロタウイルス、ウシ又はヒツジロタウィルス、トリロタウイルス)を含むレオウイルス科のメンバー;エンテロウイルス属(ポリオウイルス、コクサッキーウイルスA及びB、腸内細胞変性ヒトオーファン(enteric cytopathic human orphan:ECHO)ウイルス、A型肝炎ウイルス、シミアンエンテロウイルス、ミューリン脳脊髄炎(ME)ウイルス、ポリオウイルス(Poliovirus muris)、ウシエンテロウイルス、ブタエンテロウイルス)、カルディオウイルス属(脳心筋炎ウイルス(EMC)、メンゴウイルス)、ライノウイルス属(少なくとも113サブタイプを含むヒトライノウイルス;その他のライノウイルス)、アプトウイルス属(足口病(FMDV))を含むピコルナウイルス科;ブタウイルス、サンミゲルアシカウイルス(San Miguel sea lion virus)、ネコピコルナウイルス及びノーウォークウイルスの小胞発疹を含むカルシウイルス科;アルファウイルス属(東部ウマ脳炎ウイルス、セムリキ森林熱ウイルス、シンドビスウイルス、チクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ロス川ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス)、フラビウイルス属(蚊媒介黄熱ウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、クンジンウイルス、中央欧州マダニ媒介ウイルス、極東ダニ媒介ウイルス、キャサヌール森林ウイルス、跳躍病ウイルス、ポワッサンウイルス、オムスク出血熱ウイルス)、ルビウイルス属(風疹ウイルス)、ペスチウイルス属(粘膜病ウイルス、ブタコレラウイルス、ボーダー病ウイルス)を含むトガウイルス科;ブニヤウイルス属(ブニヤムウェラ(Bunyamwera)及び関連ウイルス、カリフォルニア脳炎群ウイルス)、フレボウイルス属(パパタチ熱シチリアウイルス、リフトバレー熱ウイルス)、ナイロウイルス属(クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、ナイロビヒツジ病ウイルス)及びウクウイルス(Uukuvirus)属(ウクニエミ(Uukuniem)及び関連ウイルス)を含むブニヤウイルス科;インフルエンザウイルス属(インフルエンザウイルスA型、多くのヒトサブタイプ)、ブタインフルエンザウイルス並びにトリ及びウマインフルエンザウィルス、インフルエンザB型(多くのヒトサブタイプ)及びインフルエンザC型(別々の属の可能性)を含むオルソミクソウイルス科;パラミクソウイルス属(パラインフルエンザウイルス1型、センダイウイルス、赤血球吸着ウイルス、パラインフルエンザウイルス2〜5型、ニューカッスル病ウイルス、おたふく風邪ウイルス)、麻疹ウイルス属(麻疹ウイルス、亜急性硬化性全脳炎ウイルス、ジステンパーウイルス、牛疫ウイルス)、肺炎ウイルス属(マウス呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ウシ呼吸器合胞体ウイルス及び肺炎ウイルス)を含むパラミクソウイルス科;森林ウイルス、シンドビスウイルス、チクングニヤウイルス、オニョンニョンウイルス、ロス川ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス)、フラビウイルス属(蚊媒介黄熱ウイルス、デングウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、西ナイルウイルス、クンジンウイルス、中央欧州マダニ媒介ウイルス、極東ダニ媒介ウイルス、キャサヌール森林ウイルス、跳躍病ウイルス、ポワッサンウイルス、オムスク出血熱ウイルス)、ルビウイルス属(風疹ウィルス)、ペスチウイルス属(粘膜病ウイルス、ブタコレラウイルス、ボーダー病ウイルス)を含むトガウイルス科;ブニヤウイルス属(ブニヤムウェラ(Bunyamwera)及び関連ウイルス、カリフォルニア脳炎群ウイルス)、フレボウイルス属(パパタチ熱シチリアウイルス、リフトバレー熱ウイルス)、ナイロウイルス属(クリミア-コンゴ出血熱ウイルス、ナイロビヒツジ病ウイルス)及びウクウイルス(Uukuvirus)属(ウクニエミ(Uukuniem)及び関連ウイルス)を含むブニヤウイルス科;インフルエンザウイルス属(インフルエンザウイルスA型、多くのヒトサブタイプ)、ブタインフルエンザウイルス並びにトリ及びウマインフルエンザウィルス、インフルエンザB型(多くのヒトサブタイプ)及びインフルエンザC型(別々の属の可能性)を含むオルソミクソウイルス科;パラミクソウイルス属(パラインフルエンザウイルス1型、センダイウイルス、赤血球吸着ウイルス、パラインフルエンザウイルス2〜5型、ニューカッスル病ウイルス、おたふく風邪ウイルス)、麻疹ウイルス属(麻疹ウイルス、亜急性硬化性全脳炎ウイルス、ジステンパーウイルス、牛疫ウイルス)、肺炎ウイルス属(マウス呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、ウシ呼吸器合胞体ウイルス及び肺炎ウイルス)を含むパラミクソウイルス科;ベシクロウイルス属(VSV)、チャンジピュラウイルス(Chandipura virus))、フランドル-ハート‐パークウィルス)、リッサウイルス属(狂犬病ウイルス)、サカナラブドウイルス及び2つの予想されるラブドウイルス(マールブルグウィルス及びエボラウイルス)を含むラブドウイルス科;リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス(LCM)、タカリベウィルス複合体及びラッサ熱ウイルスを含むアレナウイルス科;(感染性気管支炎ウイルス(IBV)、マウス肝炎ウイルス、ヒト腸内コロナウイルス及びネコ感染性腹膜炎(ネココロナウイルス)を含むコロナウイルス科。
【0045】
脊椎動物において抗原性又は免疫原性である例示的DNAウイルスには、以下を含むが、限定されない:オルソポックスウイルス属(大痘瘡、小痘瘡、サル痘ワクシニア、牛痘、バッファロー痘、ウサギ痘、奇肢症)、レポリポックスウイルス属(粘液腫、線維腫)、アビポックスウイルス属(伝染性上皮腫、その他のトリポックスウイルス)、カプリポックスウイルス属(羊痘、ヤギ痘)、スイポックスウイルス属(豚痘)、パラポックスウイルス属(接触伝染性膿疱皮膚炎ウイルス、偽牛痘、ウシ丘疹性口内炎ウイルス)を含むポックスウイルス科;イリドウイルス科(アフリカブタコレラウイルス、フロッグウイルス2及び3、サカナのリンホシスチス(Lymphocystis)ウイルス));α-ヘルペスウイルス属(単純ヘルペス1及び2型、水痘帯状疱疹、ウマ流産ウイルス、ウマヘルペスウイルス2及び3、仮性狂犬病ウイルス、ウシ伝染性角結膜炎ウイルス、ウシ伝染性鼻気管炎ウイルス、ネコ鼻腔気管炎ウイルス、伝染性喉頭気管炎ウイルス)、β-ヘルペスウイルス(ヒトサイトメガロウイルス、並びにブタ、サル及び齧歯類のサイトメガロウイルス)、γ-ヘルペスウイルス(エプスタインバーウイルス(EBV)、マレック病ウイルス、ヘルペス・サイミリ(Herpes saimiri)、ヘルペスウィルスアテレス、ヘルペスウイルスシルビラガス(Herpesvirus sylvilagus)、モルモットヘルペスウィルス、ルック(Lucke)腫瘍ウイルス)を含むヘルペスウイルス科;マストアデノウイルス属(ヒトサブグループA、B、C、D、B及び非群化;シミアンアデノウイルス(少なくとも23血清型)、イヌ伝染性肝炎、並びにウシ、ブタ、ヒツジ、カエル及び多くのその他の種のアデノウイルス)、アビアデノウイルス(トリアデノウイルス)及び培養不可アデノウイルスを含むアデノウイルス科;乳頭腫ウイルス属(ヒト乳頭腫ウイルス、ウシパピローマウィルス、ショープウサギ乳頭腫ウイルス及びその他の種の種々の病原性パピローマウィルス)、ポリオーマウイルス属(ポリオーマウイルス、サル空胞化因子(SV40)、ウサギ空胞化因子(RKV)、Kウイルス、BKウイルス、JCウイルス及びリンパ増殖性パピローマウィルスなどのその他の霊長類ポリオーマウィルスを含むパポバウイルス科;アデノ随伴ウイルス属、パルボウイルス属(ネコジステンパウイルス、ウシパルボウィルス、イヌパルボウイルス、アリューシャンミンク病ウイルスなど)を含むパルボウイルス科。最後に、DNAウイルスは、クールー及びクロイツフェルトヤコブ病ウイルス及び慢性感染性の神経障害性因子などの上記のファミリーに適合しないウイルスを含んでいてもよい。
【0046】
本発明の方法によって治療することができる細菌感染又は疾患は、そのライフサイクルに細胞内期を有する細菌(例えば、マイコバクテリア(例えば、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacteria tuberculosis)、M.ボビス(M.bovis)、M.アビウム(M.avium)、癩菌(M.leprae)又はM.アルリカム(M.africanum))、リケッチア、マイコプラズマ、クラミジア及びレジオネラを含むが、限定されない細菌によって生じる。想定される細菌感染のその他の例には、以下によって生じる感染を含むが、限定されない:グラム陽性桿菌(例えば、リステリア属(Listeria)、炭疽菌(Bacillus anthracis)などのバシラス(Bacillus)、エリシペロトリックス種)、グラム陰性桿菌(例えば、バルトネラ属(Bartonella)、ブルセラ属(Brucella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、エンテロバクター属(Enterobacter)、エシュリヒア属(Escherichia)、フランキセラ属(Francisella)、ヘモフィルス属、クレブシエラ属(Klebsiella)、モルガネラ属(Morganella)、プロテウス属(Proteus)、プロビデンシア属(Providencia)、シュードモナス属(Pseudomonas)、サルモネラ属(Salmonella)、セラチア属(Serratia)、赤痢菌属(Shigella)、ビブリオ属(Vibrio)及びエルシニア属(Yersinia)種)、スピロヘータ細菌(例えば、ライム病を生じさせるライム病菌(Borrelia burgdorferi)を含むボレリア属種)、嫌気性菌(例えば、放線菌属(Actinomyces)及びクロストリジウム属(Clostridium)種)、グラム陽性及び陰性球菌細菌、エンテロコッカス属(Enterococcus)種、連鎖球菌属(Streptococcus)種、肺炎球菌(Pneumococcus)種、ブドウ球菌属(Staphylococcus)種、ナイセリア属(Neisseria)種。感染性細菌の具体例には、以下を含むが、限定されない:ピロリ菌(Helicobacter pyloris)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borelia burgdorferi)、ボレリア・ブルグドルフェリ(Borelia burgdorferi)、レジオネラ菌(Legionella pneumophilia)、マイコバクテリウム・ツベルクローシス(Mycobacteria tuberculosis)、M.アビウム(M.avium)、M.イントラセルラレ(M.intracellulare)、M.カンサイ(M.kansaii)、M.ゴルドネ(M.gordonae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)、リステリア・モノサイトジェネス(Listeria monocytogenes)、化膿性レンサ球菌(Streptococcus pyogenes)(A群連鎖球菌)、ストレプトコッカス・アガラクティ(Streptococcus agalactiae)、(B群連鎖球菌)、緑色連鎖球菌(Streptococcus viridans)、大便連鎖球菌(Streptococcus faecalis)、ストレプトコッカス・ボビス(Streptococcus bovis)、肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、バシラス・アントラシス(Bacillus antracis)、ジフテリア菌(corynebacterium diphtheriae)、豚丹毒菌(Erysipelothrix rhusiopathiae)、ウエルチ菌(Clostridium perfringers)、破傷風菌(Clostridium tetani)、アエロゲネス菌(Enterobacter aerogenes)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、パスツレラ・ムルトシダ(Pasturella multocida)、有核紡錘菌(Fusobacterium nucleatum)、ストレプトバチルス・モニフォルミス(Streptobacillus monilformis)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidium)、トレポネーマ・ペルテヌエ(Treponema pertenue)、レプトスピラ属(Leptospira)、リケッチア属(rickettsia)及びアクチノマイセス・イスラエリ(Actinomyces israelli)。
【0047】
本発明の方法によって治療することができる真菌疾患には、コウジカビ症、クリプトコッカス症、スポロトリクム症、コクシジウム症、パラコクシジオイデス症、ヒストプラスマ症、ブラストミセス症、接合菌症及びカンジダ症を含むが、限定されない。
本発明の方法によって治療することができる寄生虫症には、アメーバ症、マラリア、リーシュマニア、コクシジウム、ジアルジア症、クリプトスポリジウム症、トキソプラズマ症及びトリパノソーマ症を含むが、限定されない。また、回虫症、鈎虫症、鞭虫症、糞線虫症、トキソカラ症、旋毛虫症、回旋糸状虫症、フィラリア及びイヌ糸状虫症などの種々の蠕虫による感染も包含する。また、住血吸虫症、肺吸虫症及び肝吸虫症などの種々の吸虫類による感染も包含される。これらの疾患を生じさせる寄生虫は、これらが細胞内又は細胞外かどうかに基づいて分類することができる。本明細書に使用される「細胞内寄生体」は、全てのライフサイクルが細胞内にある寄生虫である。ヒト細胞内寄生体の例には、リーシュマニア種、プラスモディウム種、クルーズトリパノソーマ[(Trypanosoma cruzi)トキソプラズマ原虫(Toxoplasma gondii)、バベシア種及び旋毛虫を含む。本明細書に使用される「細胞外寄生体」は、全てのライフサイクルが細胞外にある寄生虫である。ヒトに感染することができる細胞外寄生体には、大部分の蠕虫と同様に赤痢アメーバ、ランブル鞭毛虫、エンテロサイトゾーン・ビエノイシ(Enterocytozoon bieneusi)、ネグレリア属及びアカントアメーバを含む。寄生虫の更に別の分類には、主に細胞外であるが、そのライフサイクルにおける重要な時期にて、細胞内に存在しなければならないものとして定義される。このような寄生虫は、本明細書において「偏性細胞内寄生体」と称する。これらの寄生虫は、これらの生活の大部分又はこれらの生活のわずかな部分のみで細胞外環境に存在してもよいが、これらの全ては、これらのライフサイクルにおいて少なくとも1回偏性細胞内段階を有する。寄生虫のこの後者カテゴリーは、ローデシア・トリパノソーマ及びガンビアトリパノソーマ(Trypanosoma gambiense)、イソスポーラ(Isospora)種、クリプトスポリジウム(Cryptosporidium)種、アイメリア(Eimeria)種、ネオスポラ(Neospora)種、肉胞子虫属種、並びに住血吸虫類種を含む。
【0048】
(5.2 アレルゲン)
本発明は、対象におけるアレルゲンに対するアレルギー反応を低減又は阻害する方法であって、アレルゲンに対する対象の曝露の前に対象に対して本発明の免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法を包含する。任意に、アレルゲンに対する曝露の前の投与に加えて、対象をアレルゲンに曝露させた後で、及び/又は曝露の間に、免疫調節性化合物を投与してもよい。天然に存在するアレルゲンに対する対象の曝露を含むが、限定されないアレルゲンに対する曝露、摂食による曝露及びアレルギーワクチン投与を介した曝露のいずれのタイプも、本発明の方法によって包含されると考えられる。
【0049】
アレルゲン(例えば、天然に存在するか、又はアレルギーワクチンに含まれるもの)の例には、以下由来のアレルゲンを含むが、限定されない:
コナヒョウヒダニ(Dermatophagoides farinae)、ヤケヒョウヒダニ(Dermatophagoides pteronyssinus)、アシブトコナダニ(Acarus siro)、ネッタイタマニクダニ (Blomia tropicalis)、コロトグリフス・アルクアタス(Chortoglyphus arcuatas)、ユーログリファス・マイネイ(Euroglyphus maynei)、レピドグリファス デストラクター(Lepidoglyphus destructor)、ケナガコナダニ(Tyrophagus putrescentiae)及びグリファガス・ドメスティカス(Glyphagus domesticus)などの、しかし限定されないダニ;
ボンバス(Bombus)種、モンスズメバチ(Vespa crabro)、ヨーロッパミツバチ(Apis mellifera)ホオナガスズメバチ(Dolichovespula)種、アシナガバチ(Polistes)種、クロスズメバチ(Vespula)種、ドリコベスプラ・マクラータ(Dolichovespula maculata)及びドリコベスプラ・アレナリア(Dolichovespula arenaria)などの、しかし限定されない毒液;
カインポノタス・ペンシルバニカス(Cainponotus pennsylvanicus)、ヒアリ(Solenopsis invicta)、ソレノプシス・リヒテリ(Solenopsis richteri)、ワモンゴキブリ(Periplaneta americana)、ドイツゴキブリ(Biattella germanica)、東洋ゴキブリ(Blatta orientalis)テバヌス(Tebanus)種、イエバエ(Musca domestica)、カゲロウ目(Ephemeroptera)種、カ科(Culicidae)種及びガ亜目(Heterocera)種などの、しかし限定されない昆虫;
カナリア(Serinus canaria)、イエネコ(Felis catus(domesticus))、ウシ(Bos taurus)ニワトリ(Gallus gallus(domesticus))、イヌ(Canis familiaris)、マガモ(Anas platyrhynchos)、モンゴリアン・ジャービル(Meriones unguiculatus)、ヤギ(Capra hircus)ガチョウ(Anser anser domesticus)、モルモット(Cavia porcellus(covaya))、ネコウヨウジャク)、ゴールデンハムスター(Mesocrietus auratus)、イノシシ(Sus scrofa)、ウマ(Equus caballus)、ハツカネズミ(Mus musculus )、オウム科(Psittacidae)、アカエリバト(Columba fasciata)、カイウサギ(Oryctolagus cuniculus)、ドブネズミ(Rattus norvegicus)及びヒツジ(Ovis aries)などの、しかし限定されない上皮、鱗屑、毛及びフィーチャー(features);
【0050】
アスペルギルス グラーカス(Aspergillus glaucus)、アスペルギルス・フラバス(Aspergillus flavus)、アスペルギルス・フミガーツス(Aspergillus fumigatus)、偽巣性コウジ菌(Aspergillus nidulans)、クロカビ(Aspergillus niger)、アスペルギルス・テレウス(Aspergillus terreus)、アスペルギルス・ベルシコロル(Aspergillus versicolor)、ウレオバシジウム プルランス(Aureobasidium pullulans)(プルラリア プルランス(Pullularia pullulans))、ドレクレラ・ソロキニアナ(Drechslera sorokiniana)、ヘルミントスポリウム・サチバム(Helminthosporium sativum)、灰色かび病菌(Botrytis cinerea)、鵞口瘡カンジダ(Candida albicans)、ケトミウム・グロボーサム(Chaetomium globosum)、クラドスポリウム・ヘルバレム(Cladosporium herbarum)、クラドスポリウム・サファエロスペルマ(Cladosporium sphaerospermum)(Homodendrum hordei)、ドレクレラ・スピシフェラ(Drechslera spicifera)(クルブラリア・スピシフェラ(Curvularia spicifera))、エピコッカム菌(Epicoccum nigrum)(エピコカム・パーピュラセンス(Epicoccum purpurascens))、有毛表皮糸状菌(Epidermophyton floccosum)、フザリウム・モニリフォルメ(Fusarium moniliforme)、フザリウム・ソラニ(Fusarium solani)、ゲオトリクム・カンジダム(Geotrichum candidum)、グリオクラディウム・ビリデ(Gliocladium viride)、ヘルミントスポリウム・ソラニ(Helminthosporium solani)、イヌ小胞子菌(Microsporum canis)、ムコール・ヒエマリス・エフ・ヒエマリス(Mucor hiemalis f. hiemalis)、ムコール・ヒエマリス・エフ・ルシタニカス(Mucor hiemalis f. lusitanicus)、ムコール・プランベウス(Mucor plumbeus)、マイコゴン・ペルニシオサ(Mycogone perniciosa)、ニューロスポラ・インターメディア(Neurospora intermedia)、ニグロスポラ・オリゼ(Nigrospora oryzae)、パエシロマイセス・バリオチイ(Paecilomyces variotii)、ペニシリウム・ブレビ-コンパクタム(Penicillum brevi-compactum)、ペニシリウム・カマンベルティ(Penicillium camembertii)、ペニシリウム クリゾゲナム(Penicillium chrysogenum)、ペニシリウム ディジタータム(Penicillium digitatum)、リンゴ青かび病菌(Penicillium expansum)、アオカビ(Penicillium notatum)、ペニシリウム・ロックフォルティ(Penicillium roquefortii)、フォーマ・ベタエ(Phoma betae)、フォーマ・ハーブラム(Phoma herbarum)、リゾプス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾパス・ストロニファー(Rhizopus stolonifer)、ロドトルラ ・ムシラジナーサ(Rhodotorula mucilaginosa)、サッカロマイセス・セレビジエ(Saccharomyces cerevisiae)、スコプラリオプシス‐ブレビカウリス(Scopulariopsis brevicaulis)、ナミダケ(Serpula lacrymans)、ヒエ葉枯病菌(Setosphaeria rostrata)、葉枯病菌(Stemphylium botryosum)、ステムフィリウム・ソラニ(Stemphylium solani)、トリコデルマ・ハルジアナム(Trichoderma harzianum)、毛瘡白癬菌(Trichophyton mentagrophytes)、紅色白癬菌(Trichophyton rubrum)及びトリコテシウム ロゼアム(Trichothecium roseum)などの、しかし限定されない真菌;
【0051】
オオムギ裸黒穂病菌(Ustilago nuda)、バミューダグラス黒穂病菌(Ustilago cynodontis)、トウモロコシ裸黒穂病菌(Ustilago maydis)、ソルガム裸黒穂病菌(Sporisorium cruentum)、エンバク裸黒穂病菌(Ustilago avenae)及びコムギ裸黒穂病(Ustilago tritici)などの、しかし限定されない黒穂病菌;
バヒアグラス(Paspalum notatum)、ギョウギシバ(Cynodon dactylon)、コイチゴツナギ(Poa compressa)、コスズメノチャヒキ(Bromus inermis)、クサヨシ(Phalaris arundinacea)、トウモロコシ(Zea mays)、シバムギ(Elytrigia repens(Agropyron repens))、ソルガム・ヘルペンス(Sorghum haelpense)、ナガハグサ(Poa pratensis)ヒロハウシノケグサ(Festuca pratensis(elatior))、マカラスムギ(Avena sativa)、オーチャードグラス(Dactylis glomerata)、コヌカグサ(Agrostis gigantea(alba))、ライムギ(Secale cereale)、レイムス(エリムス)コンデンサタス(Leymus (Elymus) condensatus)、イタリアンライグラス(Lolium perenne ssp. multflorum)、ドクムギ(Lolium perenne)、ハルガヤ(Anthoxanthum odoratum)、フロイン・プラテンス(Phleuin pratense)、シラゲガヤ(Holcus lanatus)、コムギ(Triticum aestivum)及びカモシグサ(Elymus(Agropyron)smithii)などの、しかし限定されない草;
【0052】
アトリプレックス・ポリカルパ(Atriplex polycarpa)、ハマベノキ(Baccharis halimifolia)、バッカリス・サロストイデス(Baccharis sarothroides)、ヒメノクレア・サルソラ(Hymenoclea salsola)、ホソアオゲイトウ(Amaranthus hybridus)、オナモミ(Xanthium strumarium(commune))、ナガバギシギシ(Rumex crispus)、ユウパシウム・カピリフォリウム(Eupathium capillfolium)、アキノキリンソウ(Solidago)種、ヒユモドキ(Amaranthus tuberculatus)(アクニダ・タマリシナ(Acnida tamariscina))、アレンロルフェ・オシデンタリス(Allenrolfea occidentalis)、グッドキングヘンリー(Chenopodium botrys)、ハハキギ(Kochia scoparia)、アカザ(Chenopodium album)、アカザヨモギ(Iva xanthifolia)、イバ・アングスチフォリア(Iva angustifolia)、アリタソウ(Chenopodium ambrosioides)、オウシュウヨモギ(Artemisia vulgaris)、シルバーキングワームウッド(Artemisia ludoviciana)、セイヨウイラクサ (Urtica dioica)、ハリビユ(Amaranthus spinosus)、ヘラオオバコ(Plantago lanceolata)、イバ・アキシラリス(Iva axillaris)、ビッグソルトブッシュ(Atriplex lentformis)、ホワイトバーセージ(Ambrosia dumosa)、アンブロシア・アカンチカルパ(Ambrosia acanthicarpa)、クワモドキ(Ambrosia trifida)、ブタクサ(Ambrosia artemisifolia)、アンブロシア・コンフェリチフロラ(Ambrosia confertiflora)、アンブロシア・ビデンタータ(Ambrosia bidentata)、ブタクサモドキ(Ambrosia psilostachya)、ノハラヒジキ(Salsola kali(pestifer))、アルテミシア・カリフォルニカ(Artemisia californica)、冷蒿(Artemisia frigida)、セイジブラシ(Artemisia tridentata)、アトリプレックス・ライチ(Atriplex wrightii)、アトリプレックス・コンフェルチフォリア(Atriplex confertifolia)及びクソニンジン(Artemisia annua)などの、しかし限定されない雑草;
【0053】
アカシア(Acacia)種、ヨーロッパハンノキ(Alnus glutinosa)、レッドアルダー(Alnus rubra)アルヌス・インカナ ssp. ルゴーサ(Alnus incana ssp. rugosa)、アルヌス・ロムビフォリア(Alnus rhombifolia)、ビロードアオダモ(Fraxinus velutina)、ソウマシオジ(Fraxinus pennsylvanica)、ツクシトネリコ(Fraxinus latfolia)、アメリカトネリコ(Fraxinus americana)、アメリカヤマナラシ(Populus tremuloides)、シロコヤマモモ(Myrica cerfera)、アメリカブナ(Fagus grandifolia(americana))、トクサバモクマオウ(Casuarina equisetifolia)、スウィートビーチ(Betula lenta)、ヨーロッパシラカンバ(Betula pendula)、リバーバーチ(Betula nigra)、ベチュラ・オクデンタリス(Betula occudentalis)、(fontinalis)、ハイイロカンバ(Betula populifolia)、トネリコバノカエデ(Acer negundo)、スギ(Cryptomeria japonica)、ユニペラス・アシェイ(Juniperus ashei(sabinoides))、エンピツビャクシン(Juniperus virginiana)、ギョウリュウ(Tamarix gallica)、ポピュラス・バルサムフェラssp.トリコカルパ(Populus balsamfera ssp. trichocarpa)、ナミキドロ(Populus deltoides)、フレモントコットンウッド(Populus fremontii)、ポュラス・ビスリゼニ(Populus wislizeni)、アメリカクロヤマナラシ(Populus monilifera)(sargentii)、アリゾナイトスギ(Cupressus arizonica)、ヌマスギ(Taxodium distichum)、イタリアサイプレス(Cupressus sempervirens)、アメリカニレ(Ulmus americana)、ウルムス・クラシフォリア(Ulmus crassifolia)、ノニレ(Ulmus pumila)、ユーカリノキ(Eucalyptus globulus)、アメリカエノキ(Celtis occidentalis)、アメリカハシバミ(Corylus americana)、セイヨウハシバミ(Corylus avellana)、ヒコリー(Carya ovata)、シェルバークヒッコリー(Carya laciniosa)、カリヤアルバ(Carya alba)、ハイマツヒノキ(Juniperus monosperma)、ユニペラス・プリンコチ(Juniperus princhotii)、コロラドビャクシン(Juniperus scopulorum)、ウェスタンジュニパー(Juniperus occidentalis)、ニセアカシア(Robinia pseudoacacia)、マンゴー(Mangifera indica)、ヒロハカエデ(Acer macrophyllum)、アメリカハナノキ(Acer rubrum)、サトウカエデ(Acer saccharum)ニアウリ(Melaleuca quinquenervia(leucadendron))、プロソピス・グランドゥロサ(Prosopis glandulosa(juliflora))、カジノキ(Broussonetia papyrifera)、アカミグワ(Morus rubra)、クワ(Morus alba)、ケルクス・ガンベリ (Quercus gambelii)、ブラックオーク(Quercus velutina)、バーオーク(Quercus macrocarpa)、ケルクス・ケルロギ (Quercus kelloggii)、ケルクス・アグリフォリア (Quercus agrfolia)、カリフォルニアホワイトオーク(Quercus lobata)、セイヨウヒイラギガシ(Quercus ilex)、シダレコナラ(Quercus stellata)、アカガシワ(Quercus rubra)、ケルクス・デュモサ(Quercus dumosa)、ライブオーク(Quercus virginiana)、ケルクス・ニグラ(Quercus nigra)、オレゴンホワイトオーク(Quercus garryana)、アメリカンホワイトオーク(Quercus alba)、オリーブ(Olea europaea)ロシアンオリーブ (Elaeagnus angustifolia)オレンジ(Citrus sinensis)ジョオウヤシ(Arecastrum romanzoffianum(Cocos plumosa))、ペカン(Carya illinoensis)、コショウボク(Schinus molle)、サンショウモドキ(Schinus terebinthifolius)、タエダマツ(Pinus taeda)、ストローブマツ(Pinus strobus)、ダイオウマツ(Pinus palustris)、ポンデローサマツ(Pinus ponderosa)、スラッシュマツ(Pinus elliottii)、バージニアマツ(Pinus virginiana)、ウエスタンホワイトパイン(Pinus monticola)、エキナタマツ(Pinus echinata)、セイヨウハコヤナギ(Populus nigra)、ウラジロハコヤナギ(Populus alba)、セイヨウイボタ (Ligustrum vulgare)、モミジバフウ(Liquidambar styraciflua)、アメリカスズカケノキ(Platanus occidentalis)、スズカケノキ(Platanus orientalis)、カリフォルニアスズカケノキ(Platanus racemosa)、モミジバスズカケノキ(Platanus acerifolia)、ブラックウォルナット(Juglans nigra)、ホワイトウォルナット(Juglans californica)、テウチグルミ(Juglans regia)、サリキス・ラシオレプシス(Salix lasiolepsis)、クロヤナギ(Salix nigra)及びサリキス・ディスカラー(Salix discolor)などの、しかし限定されない樹木;
【0054】
フランスギク(Chrysanthemum leucanthemum)、セイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)及びヒマワリ(Helianthus annuus)などの、しかし限定されない花;
ムラサキウマゴヤシ(Medicago sativa)、トウゴマ(Ricinus communis)、ムラサキツメクサ(Trifolium pratense)、アブラナ属(Brassica)種及びスイスチャード(Beta vulgaris)などの、しかし限定されない農場植物;
アーモンド(Prunus dulcis)、リンゴ(Malus pumila)、アプリコット(Prunus armeniaca)、バナナ(Musa paradisiaca(sapientum))、オオムギ(Hordeum vulgare)、アオイマメ(Phaseolus lunatus)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、インゲン(Phaseolus sp.)、インゲン(Phaseolus sp.)、インゲンマメ(Phaseolus vulgaris)、クロミキイチゴ(Rubus allegheniensis)、ブルーベリー(Vaccinium sp.)、ブロッコリー (Brassica oleracea var. botrytis)、ソバ(Fagopyrum esculentum)、キャベツ(Brassica oleracea var. capitata)、カカオ(Theobroma cacao)、メロン(Cucumis melo)、ニンジン(Daucus carota)、ブロッコリー (Brassica oleracea var. botrytis)、セロリ(Apium graveolens var. dulce)、サクラ(Prunus sp.)、セイロンニッケイ(Cinnamomum verum)、アラビアコーヒーノキ(Coffea arabic)、トウモロコシ(Zea mays)、オオミツルコケモモ(Vaccinium macrocarpon)、キュウリ(Cucumis sativus)、ニンニク(Allium sativum)、ショウガ(Zingiber officinale)ブドウ(Vitis sp.)、グレープフルーツ(Citrus paradisi)、ホップ(Humulus lupulus)レモン(Citrus limon)、レタス(Lactuca sativa)、ハラタケ(Agaricus campestris)、カンザキハナナ(Brassica sp.)、ニクズク(Myristica fragrans)、マカラスムギ(Avena sativa)、オリーブ(Olea europaea)、タマネギ(Allium cepa var. cepa)、オレンジ(Citrus sinensis)ササゲ(Vigna unguiculata)、アラスカエンドウ(Pisum sativum)、モモ(Prunus persica)セイヨウナシ(Pyrus communis)、コショウ(Piper nigrum)、ハラペーニョ(Capsicum annuum var. annuum)、パインアップル(Ananas comosus)、サツマイモ(Ipomoea batatas)、ジャガイモ(Solanum tuberosum)、イチゴ(Rubus idaeus var. idaeus)、イネ(Oryza sativa)、ライムギ(Secale cereale)、ゴマ(Sesamum orientale(indicum))、ダイズ(Glycine max)、ホウレンソウ(Spinacia oleracea)、ズッキーニ(Cucurbita pepo var. melopepo)、チリイチゴ(Fragaria chiloensis)、トマト(Lycopersicon esculentum(lycopersicum))、カブ(Brassica rapa var. rapa)、バニラ(Vanilla planifolia)、スイカ(Citrullus lanatus var. lanatus)及びコムギ(Triticum aestivum)などの、しかし限定されない植物食物;
【0055】
アラバマスポッテッドバス(Micropterus sp.)、アメリカナマズ(Ictalurus punctatus)、ホンビノスガイ(Mercenaria mercenaria)、タイセイヨウマダラ(Gadus morhua)、アオガニ(Callinectes sapidus)、プラチクチス種(Platichthys sp.)、ハリバット(Hippoglossus sp.)、ロブスター(Homarus americanus)、タイセイヨウサバ(Scomber scombrus)、アメリカガキ(Crassostrea virginica)、タイセイヨウアカウオ(Sebastes marinus)、タイセイヨウサケ (Salmo salar)、ニシン目(Clupeiformes)、ペクテン・マゲラニカス(Pecten magellanicus)、エビ属(Penaeus sp.)、イワナ属(Salvelinus sp.)及びマグロ属(Thunnus sp.)などの、しかし限定されない魚及び甲殻類;
ウシ(Bos taurus)ヒツジ(Ovis aries)及びイノシシ(Sus scrofa)などの、しかし限定されない動物性食品;
ニワトリ(Galius gailus)製品及びシチメンチョウ(シチメンチョウ(Meleagris gallopavo))製品などの、しかし限定されない家禽製品;
ウシカゼイン及びウシ乳などの、しかし限定されない日常的製品;
【0056】
ブラジルナッツ(Bertholletia excelsa)、カシューナッツ(Anacardium occidentale)、ココヤシ(Cocos nucifera)、アメリカハシバミ(Corylus americana)、ピーナッツ(Arachis hypogaea)、ペカン(Carya illinoensis)、ブラックウォルナット(Juglans nigra)及びテウチグルミ(Juglans regia)などの、しかし限定されない堅果;
ワタ(Gossypium hirsutum)、フラックス(Linum usitatissimum)、セネガルアカシア(Acacia senegal)、カラヤガム(Sterculia urens)、トラガント(Astragalus gummifer)Ceibapentandra)、ニオイアイリス(Iris germanica var. florentina)、シルバーレース(Chrysanthemum cinerariifolium)、カイコ(Bombyx mori)及びタバコ(Nicotiana tabacum)などの、しかし限定されない種々のアレルゲン;
オオムギ粒子ダスト、トウモロコシ粒子ダスト、ハウスダスト、マットレスダスト、カラスムギ粒子ダスト、コムギ粒子ダスト及びカバーダストなどの、しかし限定されないダスト。
【0057】
(5.3 免疫調節性化合物)
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「本発明の免疫調節性化合物」及び「IMiDs(登録商標)(Celgene 社)」という用語は、LPSで誘導される単球TNF-α、IL-1β、IL-12、IL-6、MIP-1α、MCP-1、GM-CDF、G-CSF及びCOX-2産生を阻害する特定の小有機分子を包含する。具体的免疫調節性化合物は、後述する。
TNF-αは、急性炎症の間にマクロファージ及び単球によって産生される炎症性サイトカインである。TNF-αは、多様な範囲の細胞内でシグナリングイベントの原因となる。特定の理論によって限定されないが、本発明の免疫調節性化合物によって及ぼされる生物学的効果の1つは、骨髄性細胞TNF-α産生の減少である。本発明の免疫調節性化合物は、TNF-αmRNAの分解を増強し得る。
【0058】
更に、理論によって限定されないが、本発明に使用される免疫調節性化合物は、また、T細胞の強力な共刺激因子であり、用量依存的様式で細胞増殖を劇的に増大させるであろう。また、本発明の免疫調節性化合物は、CD4+ T細胞サブセットに対してよりも、CD8+ T細胞サブセットに対して優れた共刺激の効果を有するであろう。加えて、化合物は、好ましくは骨髄細胞応答に対して抗炎症性を有するが、更に効率的にT細胞を共刺激して、より大量のIL-2、IFN-γを産生させ、T細胞増殖及びCD8+ T細胞細胞毒性活性を増強する。更に、特定の理論によって限定されないが、本発明に使用される免疫調節性化合物は、サイトカイン活性化を介して間接的に、及びナチュラルキラー(「NK」)細胞及びナチュラルキラーT(「NKT」)細胞に対して直接的にの両方で作用することができ、NK細胞がIFN-γなどの、しかし限定されない有益なサイトカインを産生する能力を増大させ、及びNK及びNKT細胞細胞毒性活性を増強する能力を増大させる。
【0059】
免疫調節性化合物の具体例には、米国特許第5,929、117号に開示されたものなどの置換されたスチレンのシアノ及びカルボキシ誘導体;米国特許第5,874,448号及び第5,955,476号に記述されたものなどの1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3イル) イソインドリン及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン;米国特許第5,798,368号に記述されたものなどの四置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリン;米国特許第5,635,517号、第6,281,230号、第6,316,471号、第6,403,613号、第6,476,052号及び第6,555,554号に開示されたものを含むが限定されない1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリン(例えば、サリドマイドの4-メチル誘導体)、置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル) フタルイミド及び置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-l-オキソイソインドール; 米国特許第6,380,239号に記述されたインドリン環の4-又は5-位において置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリン(例えば、4-(4-アミノ-1,3-ジオキソイソインドリン-2-イル)-4-カルバモイル酪酸;米国特許第6,458,810号に記述された、2位が2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3ジオン(例えば、2-(2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシ-5-フルオロピペリジン-5-イル)-4-アミノイソインドリン-1-オン);米国特許第5,698,579号及び第5,877,200号に開示された非ポリペプチド環状アミド種;並びに2003年3月6日に公開された米国特許出願公開第2003/0045552号、2003年5月22日に公開に記述された米国特許出願公開第2003/0096841号及び国際出願番号PCT/USO1/50401(国際公開番号WO02/059106)のものなどのイソインドール-イミド化合物を含む。本明細書において確認した各々の特許及び特許出願の全体は、引用により本明細書に組み込まれる。免疫調節性化合物には、サリドマイドを含まない。
【0060】
本発明の種々の免疫調節性化合物は、一つ以上のキラル中心を含み、エナンチオマーのラセミ混合物又はジアステレオマーの混合物として存在することができる。本発明は、このような化合物の立体的に純粋な形態の使用、並びにこれらの形態の混合物の使用を包含する。例えば、同量又は異なる量の本発明の特定の免疫調節性化合物のエナンチオマーを含む混合物を本発明の方法及び組成物に使用してもよい。これらの異性体は、非対称的に合成しても、又はキラルカラム又はキラル分離薬などの標準的技術を使用して分割してもよい。例えば、Jachues、J.らの論文、エナンチオマー、ラセミ体及び分割(Enantiomers、Racemates and Resolutions (Wiley-Interscience、ニューヨーク、1981);Wilen、S. H.らの論文、四面体(Tetrahedron)33:2725(1977);Eliel、E. L., 炭素化合物の立体化学(Stereochemistry of Carbon Compounds)(マグローヒル、NY、1962);及びWilen、S. H., 分割薬及び光学分割の表(Tables of Resolving Agents and Optical Resolutions)、268ページ、(Eliel, Ed.、ノートルダム大学出版、ノートルダム、IN、1972)を参照されたい。
【0061】
本発明の好ましい免疫調節性化合物は、米国特許第5,635,517号(引用により本明細書に組み込まれる)に記載されたようなベンゾ環がアミノで置換された1-オキソ-及び1,3ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンを含むが、限定されない。これらの化合物は、構造Iを有する:
【化1】

式中、X及びYの一方はC=Oであり、かつX及びYの他方はC=O又はCH2であり、かつR2は、水素又は低級アルキル、特にメチルである。具体的免疫調節性化合物には、
【化2】

1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;
【化3】

1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドリン;及び、
【化4】

1,3-ジオキソ-2-(3-メチル-2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-アミノイソインドール、並びにこれらの光学的に純粋な異性体を含むが、限定されない。化合物は、標準的な合成法(例えば、引用により本明細書に組み込まれる米国特許第5,635,517を参照されたい)を介して得ることができる。また、化合物は、セルジーン社(Celgene Corporation)、ウォーレン(Warren)、NJから入手可能である。
【0062】
本明細書に使用され、及び特に明記しない限り、「光学的に純粋な」という用語は、化合物の1つの光学異性体を含み、その化合物のその他の異性体を実質的に含まない組成物を意味する。例えば、キラル中心を有する化合物の光学的に純粋な組成物は、化合物の反対のエナンチオマーを実質的に含まない。2つのキラル中心を有する化合物の光学的に純粋な組成物は、化合物のその他のジアステレオマーを実質的に含まない。典型的な光学的に純粋な化合物は、約80重量%を超える化合物の一方のエナンチオマー及び約20重量%未満の化合物の他方のエナンチオマー、より好ましくは約90重量%を超える化合物の一方のエナンチオマー及び約10重量%未満の化合物の他方のエナンチオマー、更により好ましくは約95重量%を超える化合物の一方のエナンチオマー及び約5重量%未満の化合物の他方のエナンチオマー、より好ましくは約97重量%を超える化合物の一方のエナンチオマー及び約3重量%未満の化合物の他方のエナンチオマー、最も好ましくは約99重量%の化合物の一方のエナンチオマー及び約1重量%未満の化合物の他方のエナンチオマーを含む。
【0063】
本発明のその他の具体的免疫調節性化合物には、米国特許第第6,281,230号;第6,316,471号;第6,335,349号;及び第6,476,052号、並びに国際特許出願第PCT/US97/13375号(国際公開番号WO98/03502)(それぞれが引用により本明細書に組み込まれる)に記述したものなどの置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)フタルイミド及び置換された2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドールのクラスに属する。代表的な化合物は、以下の式のものである:
【化5】

式中:
X及びYの一方はC=Oであり、かつX及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)他方のR1、R2、R3及びR4のそれぞれは、独立してハロ、1〜4炭素原子のアルキル、若しくは1〜4炭素原子のアルコキシであるか、又は(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは-NHR5であり、かつR1、R2、R3及びR4の残りは水素であり;
R5は、水素、又は1〜8炭素原子のアルキルであり;
R6は、水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンジル又はハロであり;
ただし、X及びYがC=Oであり、及び(i)R1、R2、R3及びR4のそれぞれがフルオロであるか、又は(ii)R1、R2、R3又はR4の1つがアミノである場合、R6が水素以外であることを条件とする。
【0064】
このクラスを代表する化合物は、以下式のものである:
【化6】

及び、
【化7】

式中、R1は、水素又はメチルである。別の実施態様において、本発明は、これらの化合物のエナンチオマー的に純粋な形態(例えば、光学的に純粋な(R)又は(S)エナンチオマー)の使用を包含する。
【0065】
本発明の更に他の具体的免疫調節性化合物は、米国特許出願公開番号US2003/0096841及びUS2003/0045552並びに国際出願番号PCT/USO1/50401(国際公開番号WO02/059106)(それぞれが引用により本明細書に組み込まれる)に開示されたイソインドール-イミドのクラスに属する。代表的な化合物は、式IIのもの、並びにその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、クラスレート、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物、及び立体異性体の混合物である:
【化8】

式中:
X及びYの一方はC=Oであり、かつ他方は、CH2又はC=Oであり;
R1は、H、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(S)R3、C(O)OR4、(C1-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、C(O)NHR3、C(S)NHR3、C(O)NR3R3'、C(S)NR3R3'又は(C1-C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H、F、ベンジル、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル又は(C2-C8)アルキニルであり;
R3及びR3'は、独立して、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル)-(C2-C5)ヘテロアリール、(C0-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル−OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5、又はC(O)OR5であり;
R4は、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、(C1-C4)アルキル-OR5、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、又は(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリールであり;
R5は、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、又は(C2-C5)ヘテロアリールであり;
R6のそれぞれの存在は、独立して、H、(C1-C8)アルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C2-C5)ヘテロアリール若しくは(C0-C8)アルキル-C(O)O-R5であるか、又はR6基は、連結してヘテロシクロアルキル基を形成することができ;
nは、0又は1であり;及び、
*は、キラル炭素中心を表す。
【0066】
式IIの具体的化合物において、nが0であるときR'は、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、C(O)R3、C(O)OR4、(C1-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、C(S)NHR3、又は(C1-C8)アルキル-O(CO)R5であり;
R2は、H又は(C1-C8)アルキルであり;及び、
R3は、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C5-C8)アルキル-N(R6)2;(C0-C8)アルキル-NH-C(O)O-R5;(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5、又はC(O)OR5であり;並びにその他の変数は、同じ定義を有する。
式IIのその他の具体的化合物において、R2は、H又は(C1-C4)アルキルである。
式IIのその他の具体的化合物において、R1は、(C1-C8)アルキル又はベンジルである。
式IIのその他の具体的化合物において、R1は、H、(C1-C8)アルキル、ベンジル、CH2OCH3、CH2CH2OCH3又は
【化9】

である。
【0067】
式IIの化合物の別の実施態様において、R1は、以下のものである:
【化10】

式中、QはO又はSであり、かつR7のそれぞれの存在は、独立して、H、(C1-C8)アルキル、(C3-C7)シクロアルキル、(C2-C8)アルケニル、(C2-C8)アルキニル、ベンジル、アリール、ハロゲン、(C0-C4)アルキル-(C1-C6)ヘテロシクロアルキル、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C0-C8)アルキル-N(R6)2、(C1-C8)アルキル-OR5、(C1-C8)アルキル-C(O)OR5、(C1-C8)アルキル-O(CO)R5、若しくはC(O)OR5であるか、又はR7の隣接する存在は、一緒になって二環アルキル若しくはアリール環を形成することができる。
【0068】
式IIのその他の具体的化合物において、R1は、C(O)R3である。
式IIのその他の具体的化合物において、R3は、(C0-C4)アルキル-(C2-C5)ヘテロアリール、(C1-C8)アルキル、アリール、又は(C0-C4)アルキル-OR5である。
式IIのその他の具体的化合物において、ヘテロアリールは、ピリジル、フリル又はチエニルである。
式IIのその他の具体的化合物において、R1は、C(O)OR4である。
式IIのその他の具体的化合物において、C(O)NHC(O)のHは、(C1-C4)アルキル、アリール又はベンジルで置換することができる。
【0069】
この種における化合物のさらなる例には、以下を含むが、限定されない:2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル]-アミド;(2-(2,6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-カルバミン酸tert-ブチルエステル;4-(アミノメチル)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3ジオン;N-(2-(2、6-ジオキソ-ピペリジン-3-イル)-1,3-ジオキソ-2,3-ジヒドロ-1H-イソインドール-4-イルメチル)-アセトアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル)-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}シクロプロピル-カルボキサミド;2-クロロ-N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}アセトアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-3-ピリジルカルボキサミド;3-{1-オキソ-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-2-イル}ピペリジン-2,6-ジオン;2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-4-(ベンジルアミノ)イソインドリン-1,3ジオン;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}プロパンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-3-ピリジルカルボキサミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}ヘプタンアミド;N-{(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)メチル}-2-フリルカルボキサミド;{N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)カルバモイル}メチル アセテート;N-(2-(2、6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)ペンタンアミド;N-(2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル)-2-チエニルカルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル} (ブチルアミノ)カルボキサミド;N-{[2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イルメチル}(オクチルアミノ)カルボキサミド;及びN-{{2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-1,3-ジオキソイソインドリン-4-イル]メチル}(ベンジルアミノ)カルボキサミド。
【0070】
本発明の更に他の具体的免疫調節性化合物は、米国特許出願公開番号US2002/0045643、国際公開番号WO98/54170及び米国特許第6,395,754号(それぞれ、引用により本明細書に組み込まれる)に開示されたイソインドール-イミド種に属する。代表的化合物は、式IIIのもの、並びにその医薬として許容し得る塩、水和物、溶媒和物、クラスレート、エナンチオマー、ジアステレオマー、ラセミ化合物及び立体異性体の混合物であり:
【化11】

式中:
X及びYの一方はC=Oであり、かつ他方はCH2又はC=Oであり;
Rは、H又はCH2OCOR'であり;
(i)他方のR1、R2、R3及びR4のそれぞれは、独立して、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル若しくは1〜4炭素原子のアルコキシであるか、又は(ii)R1、R2、R3及びR4の1つはニトロ若しくは-NHR5であり、かつR1、R2、R3及びR4の残りは水素であり;
R5は、水素又は1〜8炭素原子のアルキルであり;
R6は、水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
R'は、R7-CHR10-N(R8R9)であり;
R7は、m-フェニレン若しくはp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、式中nは0〜4の値を有し;
他方の独立して組み込まれるR8及びR9のそれぞれは、水素若しくは1〜8炭素原子のアルキルであるか、又は一緒になったR8及びR9は、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン若しくは-CH2CH2X1CH2CH2-であって、式中X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、8炭素原子のアルキル又はフェニルであり;及び
*は、キラル炭素中心を表す。
【0071】
その他の代表的化合物は、以下の式のものであり:
【化12】

式中:
X及びYの一方は、C=Oであり、かつX及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)他方のR1、R2、R3及びR4のそれぞれは、独立して、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル若しくは1〜4炭素原子のアルコキシであるか、又は(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、-NHR5であり、かつR1、R2、R3及びR4の残りは、水素であり;
R5は、水素又は1〜8炭素原子のアルキルであり;
R6は、水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロであり;
R7は、m-フェニレン若しくはp-フェニレン又は-(CnH2n)-であって、式中nは、0〜4の値を有し;
他方の独立して組み込まれるR8及びR9のそれぞれは、水素若しくは1〜8炭素原子のアルキルであるか、又は一緒になったR8及びR9は、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン若しくは-CH2CH2X1CH2CH2-であって、式中X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、8炭素原子のアルキル又はフェニルである。
【0072】
その他の代表的な化合物は、以下の式のものであり:
【化13】

式中、
X及びYの一方はC=Oであり、かつX及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)他方のR1、R2、R3及びR4のそれぞれは、独立して、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル若しくは1〜4炭素原子のアルコキシであるか、又は(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、ニトロ又は保護されたアミノであり、かつR1、R2、R3及びR4の残りは、水素であり;及び、
R6は、水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロである。
【0073】
その他の代表的な化合物は、以下の式のものであり:
【化14】

式中:
X及びYの一方はC=Oであり、かつX及びYの他方はC=O又はCH2であり;
(i)他方のR1、R2、R3及びR4のそれぞれは、独立して、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル若しくは1〜4炭素原子のアルコキシであるか、又は(ii)R1、R2、R3及びR4の1つは、-NHR5であり、かつR1、R2、R3及びR4の残りは、水素であり;
R5は、水素、1〜8炭素原子のアルキル、又はCO-R7-CH(R10)NR8R9であって、式中R7、R8、R9及びR10の各々は、本明細書に定義したとおりであり;及び
R6は、水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンゾ、クロロ又はフルオロである。
【0074】
化合物の具体例は、以下の式のものであり:
【化15】

式中:
X及びYの一方はC=Oであり、かつX及びYの他方はC=O又はCH2であり;
R6は、水素、1〜8炭素原子のアルキル、ベンジル、クロロ又はフルオロであり;、
R7は、m-フェニレン若しくはp-フェニレン又は-(CnH2n)-であり、式中nは、0〜4の値を有し;
他方の独立して組み込まれるR8及びR9のそれぞれは、水素若しくは1〜8炭素原子のアルキルであるか、又は一緒になったR8及びR9は、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン若しくは-CH2CH2X1CH2CH2-であって、式中X1は、-O-、-S-又は-NH-であり;
R10は、水素、1〜8炭素原子のアルキル又はフェニルである。
【0075】
本発明のその他の具体的免疫調節性化合物には、米国特許第5,874,448号及び第5,955,476号(それぞれ、引用により本明細書に組み込まれる)に記述されたものなどの1-オキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリン及びl,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソ-3-フルオロピペリジン-3-イル)イソインドリンを含むが、限定されない。代表的化合物は、以下の式のものであり:
【化16】

式中:
Yは、酸素又はH2であり、及び、
他方のR1、R2、R3及びR4のそれぞれは、独立して、水素、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、又はアミノである。
【0076】
本発明のその他の具体的免疫調節性化合物には、米国特許第5,798,368号(それは、引用により本明細書に組み込まれる)に記述された四置換された 2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-1-オキソイソインドリンを含むが、限定されない。代表的化合物は、以下の式のものであり:
【化17】

式中、他方のR1、R2、R3及びR4のそれぞれは、独立して、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル又は1〜4炭素原子のアルコキシである。
【0077】
本発明のその他の具体的免疫調節性化合物には、米国特許第6,403,613号(それは、引用により本明細書に組み込まれる)に開示された1-オキソ及び1,3-ジオキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)イソインドリンを含むが、限定されない。代表的化合物は、以下の式のものであり:
【化18】

式中、
Yは、酸素又はH2であり、
最初のR1及びR2は、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、最初のR1及びR2の第2番目は、独立して水素、ハロ、アルキル、アルコキシ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり、及び、
R3は、水素、アルキル又はベンジルである。
【0078】
化合物の具体例は、以下の式のものであり:
【化19】

式中、
最初のR1及びR2は、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、それぞれのアルキルが1〜4炭素原子のものであるジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり;
最初のR1及びR2の第2番目は、独立して水素、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、アルキルが1〜4炭素原子のものであるアルキルアミノ、それぞれのアルキルが1〜4炭素原子のものであるジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり;及び、
R3は、水素、1〜4炭素原子のアルキル又はベンジルである。具体例には、1-オキソ-2-(2,6-ジオキソピペリジン-3-イル)-4-メチルイソインドリンを含むが、限定されない。
【0079】
その他の代表的化合物には、以下の式のものであり:
【化20】

式中:
最初のR1及びR2は、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、それぞれのアルキルが1〜4炭素原子のものであるジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり;
最初のR1及びR2の第2番目は、独立して水素、ハロ、1〜4炭素原子のアルキル、1〜4炭素原子のアルコキシ、アルキルが1〜4炭素原子のものであるアルキルアミノ、それぞれのアルキルが1〜4炭素原子のものであるジアルキルアミノ、シアノ又はカルバモイルであり;及び、
R3は、水素、1〜4炭素原子のアルキル又はベンジルである。
【0080】
本発明のその他の具体的免疫調節性化合物には、米国特許第6,380,239号及び同時係属中の2004年7月28日に出願の米国出願第10/900,270号(これらは引用により本明細書に組み込まれる)に記述されたインドリン環の4-又は5-位置が置換された1-オキソ及び1,3-ジオキソイソインドリンを含むが、限定されない。代表的化合物は、以下の式のもの並びにその塩であり:
【化21】

式中、C*で示された炭素原子は、キラリティーの中心を構成し(nがゼロでなく、かつR1がR2と同じでないとき);X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、1〜6炭素のアルキル又はNH-Zであり、かつX1及びX2の他方は、水素であり;他方のR1及びR2のそれぞれは、独立してヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、水素、1〜6炭素のアルキル、ハロ又はハロアルキルであり;Zは、水素、アリール、1〜6炭素のアルキル、ホルミル、又は1〜6炭素のアシルであり;及びnは、0、1又は2の値を有し;ただし、X1がアミノであり、かつnが1又は2である場合は、R1及びR2は、両方ともヒドロキシでないことを条件とする。
【0081】
更に代表的な化合物は、以下の式のもの並びにその塩であり:
【化22】

式中、C*で示された炭素原子は、nがゼロでなく、かつR1がR2ではないないときにキラリティーの中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、1〜6炭素のアルキル、又はNH-Zであり、かつX1及びX2の他方は、水素であり;他方のR1及びR2のそれぞれは、独立してヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、1〜6炭素のアルキル、ハロ又は水素であり;Zは、水素、アリール又は1〜6炭素のアルキル若しくはアシルであり;及びnは、0、1又は2の値を有する。
【0082】
具体例には、それぞれ以下の構造を有する2-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸及び4-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-4-カルバモイル-酪酸、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ及び立体異性体を含むが、限定されない:
【化23】


【0083】
その他の代表化合物は、以下の式のもの並びにその塩であり:
【化24】

式中、C*で示された炭素原子は、nがゼロでなく、かつR1がR2ではないないときにキラリティーの中心を構成し;X1及びX2の一方は、アミノ、ニトロ、1〜6炭素のアルキル、又はNH-Zであり、かつX1及びX2の他方は、水素であり;他方のR1及びR2のそれぞれは、独立してヒドロキシ又はNH-Zであり;R3は、1〜6炭素のアルキル、ハロ又は水素であり;Zは、水素、アリール、又は1〜6炭素のアルキル若しくはアシルであり;及びnは、0、1又は2の値を有する。
【0084】
具体例には、それぞれ以下の構造を有する4-カルバモイル-4-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、4-カルバモイル-2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-酪酸、2-{4-[(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-4-フェニルカルバモイル-酪酸及び2-{4-{(フラン-2-イル-メチル)-アミノ]-1,3-ジオキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル}-ペンタン二酸、並びにその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、プロドラッグ及び立体異性体を含むが、限定されない:
【化25】


【0085】
具体例は、以下の式のものであり:
【化26】

式中:
X1及びX2の一方はニトロ又はNH-Zであり、かつX1及びX2の他方は、水素であり;他方のR1及びR2のそれぞれは、独立してヒドロキシ又はNH-Zであり;
R3は、1〜6炭素のアルキル、ハロ又は水素であり;
Zは、水素、フェニル、1〜6炭素のアシル、又は1〜6炭素のアルキルであり;及び、
nは、O、1又は2の値を有し;及び、
-COR2 及び-(CH2)nCOR1が異なる場合、C*で示された炭素原子は、キラリティーの中心を構成する。
【0086】
その他の代表的化合物は、以下の式のものであり:
【化27】

式中:
X1及びX2の一方は、1〜6炭素のアルキルであり;
他方のそれぞれのR1及びR2は、それぞれ独立してヒドロキシ又はNH-Zであり;、
R3は、1〜6炭素のアルキル、ハロ又は水素であり;
Zは、水素、フェニル、1〜6炭素のアシル、又は1〜6炭素のアルキルであり;及び、
nは、O、1又は2の値を有し;及び、
-COR2 及び-(CH2)nCOR1が異なる場合、C*で示された炭素原子は、キラリティーの中心を構成する。
【0087】
本発明の更にその他の具体的免疫調節性化合物には、米国特許第6,458,810号(それは引用により本明細書に組み込まれる)に記述された2位が2,6-ジオキソ-3-ヒドロキシピペリジン-5-イルで置換されたイソインドリン-1-オン及びイソインドリン-1,3ジオンを含むが、限定されない。代表的化合物は、以下の式のものであり:
【化28】

式中:
*で示された炭素原子は、キラリティーの中心を構成し;
Xは、-C(O)-又は-CH2-であり;
R1は、1〜8炭素原子のアルキル又は-NHR3であり;
R2は、水素、1〜8炭素原子のアルキル、又はハロゲンであり;及び、
R3は、水素、
非置換、又は1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換の1〜8炭素原子のアルキル、
3〜18炭素原子シクロアルキル、
非置換、又は1〜8炭素原子のアルキル、1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換のフェニル、
非置換、又は1〜8炭素原子のアルキル、1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換のベンジル、或いは-COR4であり、式中、
R4は、水素、
非置換、又は1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換の1〜8炭素原子のアルキル、
3〜18炭素原子のシクロアルキル、
非置換、又は1〜8炭素原子のアルキルハロ、1〜8炭素原子のアルコキシ、アミノ若しくは1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換のフェニル、又は、
非置換、又は1〜8炭素原子のアルキル、1〜8炭素原子のアルコキシ、ハロ、アミノ若しくは1〜4炭素原子のアルキルアミノで置換のベンジルである。
【0088】
記述した化合物の全ては、商業的に購入、又は本明細書に開示した特許若しくは特許刊行物に記述された方法に従って調製することができる。更に、光学的に純粋な化合物は、非対称的に合成されるが、又は公知の分割薬又はキラルカラム、並びにその他の標準的有機合成化学技術を使用して分割することができる。
【0089】
本発明に使用される化合物は、約1,000g/mol未満の分子量を有する小有機分子であってよく、かつタンパク質、ペプチド、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖又はその他の巨大分子ではない。
【0090】
示された構造とその構造に与えられた名称との間に相違がある場合、示された構造により多くの重みが与えられることに留意するべきである。加えて、構造又は構造の一部の立体化学が、例えば、太字体又は破線で示されない場合、該構造又は構造の一部は、その全ての立体異性体を包含するものと解釈されるべきである。
【0091】
(5.4 治療及び予防の方法)
本発明は、本明細書に記述した本発明の免疫調節性化合物を含む投薬計画を使用する種々の障害を治療、及び/又は予防(例えば、ワクチン接種などの予防的処置)する方法を包含する。
一つの実施態様において、本発明は、癌の治療又は予防を包含する。本発明の方法を使用して治療、又は防止することができる癌の例には、上記第5.1.2節に記述したものを含む。一部の実施態様において、本発明の方法を使用して治療、又は予防される癌は、転移性である。その他の実施態様において、本発明の方法を使用して治療、又は予防することができる具体的癌は、肉腫、癌腫、黒色腫、リンパ腫及び白血病である。
【0092】
別の実施態様において、本発明は、対象(例えば、ヒト)における抗腫瘍性免疫応答の阻害を減少させることによる癌に対するワクチン接種の方法であって、本発明の免疫調節性化合物を癌ワクチンの投与の前に対象に投与することを含む、前記方法を包含する。また、本発明は、対象における癌ワクチンに対する免疫応答を増強する方法であって、癌ワクチンの投与の前に、対象に対して本発明の免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法を包含する。本発明の方法と関連して使用することができる癌ワクチンの例には、表1〜4に収載されたものを含む。特定の実施態様において、ワクチン接種が行われる癌は、肉腫、癌腫、黒色腫、リンパ腫及び白血病である。別の特定の実施態様において、癌ワクチンは、抗原修飾された樹状細胞ワクチン、ペプチドワクチン、腫瘍細胞全体ワクチン又はウイルスベクターワクチンである。
【0093】
別の実施態様において、本発明は、また、感染症の治療又は予防を包含する。本発明の方法を使用して治療、又は予防することができる感染症の例は、上記第5.1.2節に記述してある。一部の実施態様において、本発明の方法を使用して治療、又は予防することができる感染症には、ウイルス、細菌、真菌及び寄生虫によって引き起こされるものを含む。
【0094】
別の実施態様において、本発明は、対象(例えば、ヒト)における免疫応答の阻害を減少させることによる感染症に対してワクチン接種する方法であって、感染症に対するワクチンの投与の前に、対象に対して本発明の免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法を包含する。また、本発明は、対象における感染症に対してワクチンに免疫応答を増強する方法であって、ワクチンの投与の前に、対象に対して本発明の免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法を包含する。本発明の方法に従って対象がワクチン接種を受けることができる感染症の例は、上記第5.1.1節に記述してある。具体的実施態様において、感染症は、ウイルス、細菌、真菌及び寄生虫によって引き起こされるものである。具体的実施態様において、感染症に対するワクチンは、B型肝炎ワクチンである。
【0095】
(5.5 投与の方法)
本発明によって包含される方法には、1つ以上の免疫調節性化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体若しくはプロドラッグを、免疫原又はアレルゲンに対する曝露又は投与より前に、対象(例えば、ヒト)に対して投与することを含む。
任意の投与経路を使用してよい。例えば、免疫調節性化合物は、経口的、非経口的、経皮的、直腸、舌下、粘膜又は経鼻的に投与することができる。加えて、免疫調節性化合物は、医薬組成物及び/又は単位剤形の形態で投与することができる。適切な剤形には、カプセル、錠剤(迅速に溶解する錠剤及び遅放性錠剤を含む)、粉末、シロップ、経口懸濁液及び非経口投与のための溶液を含むが、限定されない。医薬組成物は、1つ以上の医薬として許容し得る賦形剤を含んでいてもよい。例えば、Roweらの文献、医薬賦形剤のハンドブック、第4版(Handbook of Pharmaceutical Excipients, 4th Ed)(2003)(その全体が引用により本明細書に組み込まれる)を参照されたい。加えて、本発明の免疫調節性化合物は、キットに含まれてもよく、これは、免疫原又はアレルゲン、1つ以上のその他の活性成分及び投与のための装置及び説明書を含んでいてもよい。その他の成分(例えば、免疫原、アレルゲン及びその他の活性成分)が本発明の免疫調節性化合物と同じ製剤に、又は別々の製剤に含まれていてもよい。
【0096】
具体的な薬剤の量は、使用する具体的薬剤、治療、若しくは管理される疾患又は障害のタイプ、並びに本発明の免疫調節性化合物及び同時に患者に投与される任意の随意のさらなる薬剤の量に依存する。本発明の典型的な剤形には、約0.001〜約150mgの量の本発明の免疫調節性化合物又は医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体若しくはプロドラッグを含む。特に、剤形には、約0.001、0.01、0.1、1、2、5、7.5、10、12.5、15、17.5、20、25、50、100、150又は200mgの量の本発明の免疫調節性化合物又はその医薬として許容し得る塩、溶媒和物、立体異性体若しくはプロドラッグを含む。詳細な実施態様において、剤形には、約0.001、0.01、0.1、1、2、5、10、25又は50mgの量の4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンを含む。
【0097】
一部の実施態様において、本発明は、4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンのラセミ混合物、光学的に純粋な(R)異性体又は光学的に純粋な(S)異性体の投与を包含する。1つの具体的実施態様において、ラセミの4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンは、1日あたり1、2、5、10又は25/mgの量で投与される。4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンの(S)異性体は、ラセミ混合物よりも高い能力を有することが報告されているので、(S)異性体が使用されるときは、より低用量を投与することができる。例えば、(S)-4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンは、1日あたり0.01、0.1、1、2.5、5又は10/mgの量で投与することができる。4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1、3-ジオンの(R)の異性体は、ラセミ混合物と同量で投与することができる。
【0098】
具体的実施態様において、剤形には、約0.001、0.01、0.1、1、5、10、又は50mgの量の3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンを含む。典型的な剤形は、1μg〜約1000mg、約0.01〜約500mg、約0.1〜約350mg又は約1〜約200mgの量の第2の活性成分を含む。また、本発明は、3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンのラセミ混合物、(S)異性体、及び(R)異性体の使用も包含する。典型的には、ラセミの3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンは、1日あたり1、5、10、15、25又は50/mgの量で投与することができる。また、光学異性体は、ラセミ混合物と同量で投与することができる。用量は、治療され、予防され、若しくは管理される疾患又は障害のタイプ、並びに本発明の免疫調節性化合物及び患者に同時に投与される任意の随意のさらなる薬剤の量に応じて調整することができる、これらは全て当該技術分野における技術の範囲内である。
【0099】
(6. 実施例)
(6.1 調節性T細胞に対するIMiDsの効果)
単離されたTregが抗CD3 mAbで活性化されたCD4+CD25-細胞を抑制する能力のアッセイ法を行った。結果は、 Tregを、4-(アミノ)-2-(2(6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン(アクチミド(Actimid)(商標))及び3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン(レナリドマイド:lenalidomide)と共に予めインキュベートすると、これらの細胞の抑制機能を阻害することを示したが、サリドマイドでは示さなかった。これらの化合物による、調節性T細胞の機能及び産生の阻害は、細胞に対するIMiDsの細胞傷害又はアポトーシスのいずれの効果のためではないことが示されが、機能の阻害は、CTLA4+CD25highCD4+細胞におけるFOXP3発現における減少と関連していた。
【0100】
(6.1.1 Treg機能の効果)
調節性T細胞を、Dynal調節性T細胞単離キットによって単離し、様々な濃度の免疫調節性の化合物(アクチミド(Actimid)(商標)又はレナリドマイド)又はDMSOで24時間処理した。細胞を洗浄して、これも調節性T細胞単離キットによって単離したCD25-CD4+細胞と共に1:2の比率でインキュベートした。結果は、CD25-細胞と共にインキュベートしたDMSO処理したCD25+細胞から得られたcpmと比較した増殖の変化の平均として表わしてある。図2に示したように、試験したIMiDsでのCD25+CD4+細胞の前処理により、DMSO処理したCD4+CD25+細胞と比較して、CD25+CD4+細胞の存在下におけるCD25-細胞の増殖が有意に増加した。サリドマイドは、これらのアッセイ条件下で、ほとんど効果を示さなかった。結果は、試験したIMiDsが、調節性T細胞の抑制活性を低減又は阻害することを示唆する。
【0101】
(6.1.2 Foxp3発現に対する効果)
CD4+CD25+細胞を、様々な濃度のDMSO、アクチミド(Actimid)(商標)、レナリドマイド又はサリドマイドと共に24時間インキュベートし、次いでRPMI培地で2回洗浄した。細胞をCD152-PE、CD4-PERCP及びCD25-APCで染色した。細胞内Foxp3染色及びCD 152染色は、CD4+CD25+細胞を透過化処理した後に行った。結果は、CD4+CD25+集団又はCD4+CD25-集団におけるFoxp3の発現の割合として表した。図3に示したように、IMiDsで前処理した細胞は、Foxp3発現の阻害を示し、その一方で、DMSO及びサリドマイドは、ほとんど効果を示さなかった。結果は、試験したIMiDsによるTreg細胞の阻害は、該化合物がFoxp3発現を阻害する能力と関連し得ることを示している。
【0102】
(6.1.3 Treg細胞のレベルに対する効果)
PBMCを150 U/mlのIL-2で処理した。また、いくつかの培養細胞を、アクチミド(Actimid)(商標)又はレナリドマイドで処理した。細胞をCD25-FITC/CD152-PE/CD4-PerCP/NKG2D-APCで染色して、FACSCaliburを使用して解析した。図4に示したように、CD4、CD25high、CD152high発現細胞のレベルは、無処置群と比較して、IMiDで前処理した群において減少した。結果は、本発明のIMiDsが、また、調節性T細胞のレベルを減少させること、又はこのような細胞の増殖を阻害することを示唆している。
【0103】
(6.2 獲得抗体耐性に対する効果)
リツキシマブ耐性株化細胞(RRCL)を、リツキシマブ(2R)単独又はヒト補体(4RH)と共に、用量を増大するようにRaji細胞への慢性暴露によって産生した。抗体依存的細胞傷害活性(ADCC)及び補体媒介型細胞傷害性(CMC)を含む機能的アッセイ法を行って、リツキシマブに対する耐性を証明した。RRCLに対するPBMCのレナリドマイドによるプライミング効果を研究するために、健常人ドナー由来の末梢血単核細胞を、DMSO又はレナリドマイドと共に(10又は20μg/mlの終濃度にて)、IL-2(20 IU/ml)の存在下又は非存在下において、5% CO2にて37℃で5日間培養した。親Raji及びRRCL(2R及び4RH)を51Crで標識し、IMiD又は対照で刺激したPBMC(エフェクター:ターゲット比率は40:1)の存在下においてリツキシマブ又はトラスツズマブ(20μg/mlでのアイソタイプ対照)に対して曝露した。51Cr放出を測定して、溶解の割合を算出した。統計的相違は、カイ二乗検定によって解析した。
【0104】
IMiD+/-IL-2に対するPBMCのインビトロでの曝露により、RRCLにおけるリツキシマブ関連ADCCが改善した。IMiD+/-IL-2に対するPBMCの5日間の曝露により、対照刺激されたPBMCと比較したときに[平均%溶解17.6+/-5.6%]、2R細胞におけるリツキシマブ媒介型ADCCにおいて統計学的に有意な増大が生じた[IMiD平均%溶解26.9+/-1.18%][IMiD+IL-2平均%溶解38.4+/-4.14%]。同様の効果が4RH細胞でも観察された。4RH細胞に対する、IMiD/IL-2の組み合わせを曝露したPBMCに対するADCCによる溶解の平均%は、IMiD(平均%溶解26.5+/-1.83%)又は溶媒曝露したPBMC(平均%溶解17.6+/-5.69%)(P= 0.01)と比較して、38.4+/-4.1%と最高であることが判明した。これらの結果は、本発明のIMiDによる免疫系の調整(例えば、PBMCプライミング)(+/-IL-2)は、リツキシマブの抗腫瘍活性を改善し、ADCCの増強を介したRRCLにおけるリツキシマブ耐性に部分的に打ち勝つであろうことを示唆する。
【0105】
(6.3 成長停止及びアポトーシスに対する効果)
NHL腫瘍細胞に対するIMiDsの直接の効果を、IMiDs単独で、又は抗CD20抗体B 1若しくはリツキサンと組み合わせてRaji細胞に処理することによって試験した。IMiD 1単独では、Raji細胞において10μMにて増殖の40%阻害までを生じさせ、それはG1停止に相当した。B1との組み合わせでは、アクチミド(Actimid)(商標)が10μMにてわずかな相加作用を示し、その一方で、レナリドマイドの効果は、10μMまでで最小であった。リツキサンとの組み合わせでは、アクチミド(Actimid)(商標)が10μMにてわずかな相加作用を示し、レナリドマイドは、50μMにて同じ効果を示した。
【0106】
PBMC及びNHL腫瘍細胞の同時培養アッセイは、NHL細胞におけるIMiDsの抗腫瘍潜在性を更に探索するための、腫瘍-宿主免疫系相互作用のインビトロモデルとして開発された。このアッセイは、非放射性であり、フローサイトメトリーに基づく。Raji及びPBMCを使用すると、IMiDを用いるPMBCの前処理は、Raji細胞のアポトーシスを誘導する際に、PBMC活性を用量依存的に増強できることが示された。加えて、IMiDでのRaji細胞の前処理が、IMiDで前処理されたPBMCによって誘導されるアポトーシスを更に増強できることが示された。これらの結果は、本発明のIMiDsが、NHL腫瘍細胞増殖停止を直接誘導し、及びPBMCによって誘導される腫瘍細胞アポトーシスを効率的に増強することを示唆する。
【0107】
(6.4 HSC増殖に対する効果)
成長因子と組み合わせてエキソビボで造血幹細胞(HSC)の増殖を増強するIMiDsの能力を試験した。本発明のIMiDsは、無血清系においてCD34+細胞の増殖を劇的に増強して、培養14日後に100倍の増殖にまで達したことが示された。加えて、本発明のIMiDsは、より未成熟な表現型であるCD34+CD38-細胞の優先的な増殖を可能にした。
IMiDsは、試験した全ての供与源:骨髄、臍帯血及び末梢血(安定状態又はG-CSF起動した状態)由来のHSCにおいて同様の活性を示した。また、IMiDsは、凍結した臍帯血単位から単離されたCD34+細胞を効率的に増殖させることができることが示された。
IMiDsで増殖させたCD34+細胞の全体的な遺伝子発現(アフィメトリクス)解析により、本発明のIMiDsが細胞分化、細胞接着及び細胞自己複製に関与するいくつかの遺伝子を調整することが明らかになった。また、本発明のIMiDsは、免疫応答及び抗原提示に関与する多くの遺伝子をアップレギュレートした。
【0108】
(6.5 T細胞分化に対する効果)
T細胞分化に対するIMiDsの効果を、種々の方法を使用して調査した。抗CD3刺激と組み合わせて、本発明のIMiDは、刺激後4時間にて、T-bet RNA転写の増強を介して、Th1転写因子であるT-betの発現を直接増加させることが証明された。また、Th2転写因子であるGATA-3の発現の同時的減少も観察された。IMiDによる2つの重要な転写因子の制御は、ヒトナイーブCD4 +T細胞のTh 1分化を支持する。IMiDによるT-betの増強は、抗CD3単独での処理と比較して、T-betのチロシンリン酸化の増加、IL-12Rβ2の発現の増加及びIFN-γ産生の増加を生じた。
【0109】
また、T-bet及びGATA-3に対するIMiDの同様の効果が、Th2分極条件下においてインビトロで分化したヒトTh2細胞でも観察された。再刺激したTh2細胞に対するIL-4及びIFN-γの細胞内サイトカイン染色では、IMiDが、プレート結合した抗CD 3抗体の存在下において、IL-4産生細胞の数を減少させ、かつIFN-γ産生細胞数を増加させたことを示した。分極したTh2細胞に対するIMiDの効果には、Th2細胞分化の反転及びIL-4陽性細胞におけるIFN-γ発現の強制を含み、これは外来性IL-12の添加によって非常に増強される。これらの結果は、本発明のIMiDsが、T-betを増強することによってTh1免疫応答を優先して誘導するだけでなく、GATA-3発現を減少させることによってTh2系統の傾倒も阻害することを示唆する。
【0110】
(6.6 T細胞活性化に対する効果)
Gab1、Gab2及びGab3を含むGabタンパク質は、RTKシグナル伝達に関与するリン酸化チロシンで調節される足場分子の増大しつつあるファミリーを含む。B細胞におけるGab 1のリン酸化は、PI3-キナーゼ活性及び細胞増殖と関連する。Gab1は、B細胞において発現される一方、Gab2のみがT細胞において発現される。Gab2は、TCR活性化においてZAP-70によってチロシンリン酸化されるが、これは、Shp-2依存的メカニズムを介してTCRシグナリングのネガティブ制御因子として機能する。T細胞におけるGab2の過剰発現は、IL-2産生の阻害を生じる(Yamasakiらの論文、J. Biol. Chem.(2001))。抗CD3/CD28刺激したJurkat T細胞におけるGab2リン酸化及び活性化に対するレナリドマイドの効果を調べた。レナリドマイドは、T細胞の共刺激及びIL-2産生の増強と相関した様式で、Gab2リン酸化を用量依存的に阻害した(約1μMにておよそ50%の阻害である)。従って、この結果は、レナリドマイドの作用メカニズムが、抗CD3/CD28刺激したT細胞におけるGab2のリン酸化の阻害と一致していることを示す。
【0111】
(6.7 γδT細胞に対する効果)
(6.7.1 材料及び方法)
IL-2及びIPP±IMiDsで刺激したPBMC標品の表現型のタイピング:毎週、PBMC標品を得て、IL-2及びIPP(それぞれ、150単位/ml及び10μM)で処理した。γδTCR及びNKG2Dの発現は、3週の期間にわたってFACSによって測定した。
γδT細胞の生成:PBMC標品は、毎週、IL-2(150単位/ml)及びIPP(25μM)で処理した。培養を分けて、新鮮なIL-2及びIPPを毎週補充し、%γδTCR陽性細胞をFACSによって測定した。3〜4週後に、CD4+及びCD8+ダイナルビーズを使用してネガティブ磁気分離によって精製して、IL-2中で維持した。
【0112】
精製したγδT細胞及びPBMC標品中の新鮮なγδT細胞におけるサイトカイン産生の測定:精製したγδT細胞を、24穴プレートにおいてIPP±IMiD(10μg/ml)又はMM株化細胞RPMI-8226(±IMiDs(登録商標)(10μg/ml))で刺激して、8〜72時間インキュベートした。無細胞上清を収集し、ELISAによりアッセイするまで-70℃に貯蔵した。IFN-γ、TNF-α及びIL-2は、ELISA(BD pharmingen社)によって測定した。新鮮なδγ標品については、PBMCを抗CD3(1.25μg/ml)が結合したプレートで48時間刺激し、TNF-α、IFN-γ、IL-2及びIL-4の発現をγδTCRで染色した細胞の細胞内FACSによって測定した。
【0113】
γδ細胞におけるアポトーシスの測定:γδT細胞を25μM IPPの単一用量で処理し、4週間150 U/mlのIL-2で毎週、及び3日間処理した。次いで、細胞を未処置のままか、又はアクチミド(Actimid)(商標)、IPP、若しくはアクチミド(Actimid)(商標)及びIPPで処理した。アポトーシスは、種々の時点でのアネキシンV PE及び7-AADによる細胞の染色及びFACSCaliburを使用した解析によって評価した。
【0114】
細胞傷害性アッセイ:γδT細胞を25μM IPPの単一用量で処理し、3週間150 U/mlのIL-2で毎週、及び1日間処理した。RPMI-8226標的細胞を50μM パミドロン酸と一晩インキュベートし、次いで3 MBq 51Crで処理した。標的細胞及びエフェクター細胞を種々の比率にてインキュベートし、クロムの放出を4時間後にアッセイした。アクチミド(Actimid)(商標)の効果を決定するために、化合物は、アッセイ前22日のプレインキュベート、及びクロム放出工程において含めたか、又はクロム放出アッセイの間に含めた。
【0115】
(6.7.2 γδT細胞及びNKG2Dの発現に対する効果)
PBMCを25μM IPPの単一用量で処理し、次いで150 U/mlのIL-2を毎週処理した。加えて、いくつかの培養を10μM アクチミド(Actimid)(商標)又はレナリドマイドで処理した。IL-2処理細胞は、CD25 FITC/CD4 PE/CD3 PerCP/NKG2D APCで染色し、IL-2及びIPP処理細胞は、γδTCR FITC/αβTCR PE/CD3 PerCP/NKG2D APCで染色し、FACSCaliburを使用して解析した。
図5に示したように、本発明の免疫調節性化合物で処理した細胞は、より高いγδT細胞及びNKG2D発現を示した。本結果は、本発明の免疫調節性化合物が、IL-2及びIPPで活性化されたPMBCにおいてγδT細胞及びNKG2Dの発現を増強することを示す。
【0116】
(6.7.3 γδT細胞のアポトーシスの効果)
γδT細胞を25μM IPPの単一用量で処理し、31日間150 U/mlのIL-2で毎週処理した。次いで、細胞は、未処置のままか、又はアクチミド(Actimid)(商標)、IPP、若しくはアクチミド(Actimid)(商標)及びIPPの組み合わせで処理した。アポトーシスは、種々の時点でのアネキシンV PE及び7-AADによる細胞の染色及びFACSCaliburを使用した解析によって評価した。アネキシンV PE陰性/7-AAD陰性細胞は、「生存」を示し、アネキシンV PE陽性/7-AAD陰性は、「初期アポトーシス」を示し、アネキシンV PE陽性/7-AAD陽性は、「アポトーシス後期」を示し、及びアネキシンV PE陰性/7-AAD陽性は、「死滅した」ことを示した。
図6に示したように、アクチミド(Actimid)(商標)は、IPPの有無にかかわらず、γδT細胞におけるアポトーシスに対して保護を示した。この結果は、本発明の免疫調節性化合物が、γδT細胞のアポトーシスに対して保護することを示唆する。
【0117】
(6.7.4 γδT細胞によるサイトカイン産生に対する効果)
IFN-γ、TNF-α及びIL-4に対するアクチミド(Actimid)(商標)の効果を、新たに調製したγδT細胞及びIPPで刺激したγδT株化細胞において調べた。図7Aに示したように、アクチミド(Actimid)(商標)は、新たに調製したPMBC集団内に由来のTCRγδ細胞において、IFN-γ及びTNF-αの両方の産生を増強した。加えて、図7Bに示したように、アクチミド(Actimid)(商標)は、IPPで刺激したγδT細胞において、IFN-γの産生を増強したが、IL-4を増強しなかった。本結果は、本発明の免疫調節性化合物が、IFN-γ及びTNF-αの産生を刺激するが、IL-4の産生を刺激しないことを示す。
【0118】
(6.7.5 γδT細胞対腫瘍の比率変化に応答するIFN-γ産生に対する効果)
パミドロン酸で前処理したか(図8B)、又はしていない(図8A)腫瘍細胞を、図8に示すように、種々のγδT細胞に対する腫瘍(RPMI-8226 MM)比率でインキュベートした。細胞のいくつかは、アクチミド(Actimid)(商標)によって更に処理した。細胞内IFN-γ産生は、フローサイトメトリーによって測定した。
図8A及び8Bに示したように、アクチミド(Actimid)(商標)は、γδT細胞によるIFN-γ産生を増大させた。IFN-γ産生は、γδT細胞に対する腫瘍比率の増加と共に増加した。本結果は、本発明の免疫調節性化合物が、γδT細胞によるIFN-γの産生を増強させ、その効果はγδT細胞に対する腫瘍比率の増加に応答して増加することを示す。
【0119】
(6.7.6 γδT細胞の細胞傷害性に対する効果)
γδT細胞を25μM IPPの単一用量で処理し、22日間150 U/mlのIL-2で毎週処理した。RPMI-8226標的細胞を50μMパミドロン酸と共に一晩インキュベートし、次いで、3 MBq 51Crで処理した。標的細胞及びエフェクター細胞を新鮮なアクチミド(Actimid)(商標)と共に様々な比率でインキュベートし、クロムの放出を4時間後にアッセイした。また、いくつかのウェルに、アクチミド(Actimid)(商標)を、IL-2及びIPPでの22日の前処理の間(図9A)、又はちょうど4時間のクロム放出アッセイの間(図9B)に添加した。
【0120】
図9に示したように、処理前又はクロム放出アッセイのいずれの間のアクチミド(Actimid)(商標)の添加も、RPMI-8226 MM株化細胞に対するγδT細胞の細胞傷害性を増強したが、前処理の期間におけるアクチミド(Actimid)(商標)の添加でより優れた効果が観察された。本結果は、本発明の免疫調節性化合物が、腫瘍細胞に対するγδT細胞の細胞傷害性を増強し、その効果が本発明の化合物で腫瘍細胞を前処理することによって改善されるであろうことを示唆している。
【0121】
(6.8 不変のNKT細胞に対する効果)
健常者ドナー及び多発性骨髄腫(MM)由来の高度に精製された初代培養の不変NKT(iNKT)株化細胞の確立を試験して、iNKT細胞に対するIMiD 2の効果を更に探索した。末梢血又は骨髄単核細胞に由来するiNKT細胞を抗TCRVα24mAb又は抗6B11mAbで濃縮して、α-GalCer負荷した樹状細胞による数回の刺激によってさらに増殖させた。表現型解析により、増殖させたiNKT株化細胞において95%の純度を確認した。健常者ドナーとMM患者との間のiNKT細胞において、有意な表現型の相違は観察されなかった。
iNKT細胞の大多数はCD161及びCD28を発現したが、CD56の発現は非常に低レベルであった。抗CD3又はα-GalCer負荷した樹状細胞刺激の後に、iNKT細胞は、3H-TdR取り込みアッセイによって測定される強力な増殖活性、及びELISAによって測定されるIFN-γの産生を示した。
【0122】
次に、iNKT細胞に対する、T細胞共刺激及びNK細胞活性を増強することが公知であるIMiD 2の効果を評価した。本試験から、IMiD 2は、増殖させたiNKT細胞の抗CD3媒介型増殖を1.4倍増強すること、及び未処理のiNKT細胞と比較して、IMiD 2で処理したiNKT細胞においてCD25発現及び蛍光強度の増強(MFI 68.6対28.5)が観察された。加えて、α-GalCer負荷した樹状細胞単独で刺激した対照群と比較して、IMiD 2プラスα-GalCer負荷した樹状細胞処理では、IL-2の産生も増強した。これらの結果は、MMにおける前臨床の実現可能性及びiNKT細胞の養子移植の有効性を臨床的に評価するための正当性を提供する。加えて、本結果は、本発明のIMiDsの能力が、iNKT細胞の免疫反応性を増大させることを証明し、骨髄腫におけるiNKT細胞媒介型免疫療法を増強する際のこれらの使用を示唆する。
【0123】
(6.9 B型肝炎ワクチンでの使用)
2中心の、ランダム化した二重盲検プラセボ対照試験をデザインする。単一用量のB型肝炎ワクチンを対象に投与する。IMiD又は偽薬をワクチンの7日前に、及び7日後に64人の患者に投与する。免疫解析のための血液試料の収集は、IMiD投与の開始の前に、ワクチン接種時に、及びワクチン接種後7、14及び28日後に行う。安全性の評価は、研究薬物の最終日の14日目に行う。
【0124】
対象は、B型肝炎ワクチン接種の通常の経過を完了するために、ワクチンの2回目及び3回目の投与を選択してもよい。さらなるワクチン接種を選択することは、この研究の要求でない。2回目(28日)及び3回目(6月)のワクチン接種を受けることを選択する患者は、2回目及び3回目の前、及び3回目のワクチン接種の1月後に彼らの血液試料を収集してもよいだろう。28日目の採血は、2回目のワクチン投与の前の採血として役に立つ。2回目及び3回目の投与後1月目の採血は、ワクチンの2回目及び3回目の投与を受けることを望んでいる対象には要求されない。
【0125】
B型肝炎表面抗原(HbSAg)に対する抗体価の変化によって測定される、血漿細胞障害をもつ対象におけるB型肝炎ワクチンへの反応に対するIMiDの効果は、上記手順に従って決定することができる。加えて、a)ワクチン接種の後のHbSAgに対するT細胞反応の進行を評価するために;b)特にCD3、CD4、CD8T細胞、及びNK並びにNKT細胞に関して、IMiD投与の後の末梢血液細胞における表現型変化を同定するために;及びc)マイクロアレイプロトコルを使用してIMiDの治療の前後での免疫細胞の遺伝子発現プロフィールにおける変化を決定するために、血清及び血液細胞を収集することができる。
【0126】
(6.10 レナリドマイド治療を受けている患者由来のTreg細胞表現型及び機能解析)
レナリドマイド治療のために選択される任意の悪性腫瘍をもつ患者に、この研究への参加を求める。レナリドマイド治療のために選択された患者のための投薬サイクルは、毎日25 mgのレナリドマイドを用いる3週の投薬、続いて投薬なしを1週、続いて更に3週の投薬、この繰り返しである。最初のレナリドマイド(25 mg/用量)の投与前の1時間〜24時間の時点、及び投薬の21日及び49日後に、40 mlの血液の試料をヘパリンチューブに、及び5 mlを血清チューブに回収する。
ヘパリンチューブの血液は、ヒストパキュー(histopaque)上に重ね、600 gにて25分間回転させバフィーコートを分離する。末梢血単核細胞及び悪性血液細胞を含むバフィーコートを単離する。単離した細胞を以下の手順に供する。
【0127】
(6.10.1 FACscalibur装置を使用した表現型解析)
それぞれの患者から新たに単離されたPBMCの優性表現型を解析して、調節性T細胞表現型のものである患者の細胞(CD4+CD25+陽性細胞、FOXP3及びCTLA-4についても陽性に染色される)の割合を測定する。
(6.10.2 患者PBMCからのCD4+CD25+細胞の単離)
CD4+CD25+細胞及びCD4+CD25-細胞は、標準的磁気ビーズキット(Invitrogen社)を使用して、患者のPBMCから単離する。抗CD3刺激によるCD4+CD25-細胞増殖を阻害するCD4+CD25+細胞のインビトロでの能力を評価する。
(6.10.3 血清の解析)
明細書に記述した方法、並びに当該技術分野において周知のものを使用して、TGF-β、IL-10、IL-4、IL-6、IFN-γ及びTNF-αの濃度について血清を解析する。
【0128】
本明細書で引用した参照文献の全ては、これらの全体が引用として本明細書に組み込まれる。本発明は、詳細な実施態様に関して記述したが、当業者には、添付の特許請求の範囲によって詳述されるような本発明の精神と範囲から逸脱することなく、その種々の変更及び改変を行ってもよいことが明らかであろう。
上記の本発明の実施態様は、単に例証のみであることを意図し、当業者であれば、ルーチン試験のみを使用して、具体的化合物、材料及び手順の多数の均等物を認識するであろうし、又は確認することができるであろう。全てのこのような均等物は、本発明の範囲内であるとみなされ、添付の特許請求の範囲に包含される。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の方法と関連して使用され得るワクチンの非限定的一覧である。
【図2A】調節性T細胞の機能に対する4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンの効果を図示する。
【図2B】調節性T細胞の機能に対する3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの効果を図示する。
【図2C】調節性T細胞の機能に対するサリドマイドの効果を図示する。
【0130】
【図3】本発明の免疫調節性化合物及びTregマーカーFoxp3の発現におけるサリドマイドの効果を図示する(図3A-DMSO対照;図3B-1μM 4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;図3C-0.01μM 4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン;図3D-1μM 3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン;図3E-0.01μM 3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオン;図3F-1μMサリドマイド;及び図3G-0.01μMサリドマイド)。
【0131】
【図4】調節性T細胞の数に対する4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン及び3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの効果を図示する。
【図5A】IL-2及びIPPで活性化したPMBCにおけるγδT細胞の発現に対する3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの効果を図示する。
【図5B】IL-2及びIPPで活性化したPMBCにおけるγδ T細胞の発現に対する4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンの効果を図示する。
【図5C】IL-2及びIPPで活性化したPMBCにおけるNKG2Dの発現に対する3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンの効果を図示する。
【図5D】IL-2及びIPPで活性化したPMBCにおけるNKG2Dの発現に対する4-(アミノ)の-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオン効果を図示する。
【0132】
【図6】処理の4日目(図6A)、5日目(図6B)、6日目(図6C)及び7日目(図6D)のδγT細胞におけるアポトーシスに対する4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンの効果を図示する。
【図7A−7B】新たに調製したγδT細胞における、αCD3単独で処理した細胞(図7A)と、αCD3及び4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンで処理した細胞(図7B)におけるIFN-γ産生の比較を図示する。
【図7C−7D】新たに調製したγδT細胞における、αCD3単独で処理した細胞(図7C)と、αCD3及び4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンで処理した細胞(図7D)におけるTNF-α産生の比較を図示する。
【図7E−7F】新たに調製したγδT細胞における、IPP単独で処理した細胞(図7E)と、mIPP及び4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンで処理した細胞(図7F)におけるIFN-γ産生の比較を図示する。
【図7G−7H】新たに調製したγδT細胞における、IPP単独で処理した細胞(図7G)と、IPP及び4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンで処理した細胞(図7H)におけるTNF-α産生の比較を図示する。
【0133】
【図8A】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴わず、(腫瘍:γδT = 0.5:1の比)で、RPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8B】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴わないが4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンでの処理を伴う、(腫瘍:γδT = 0.5:1の比)でのRPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8C】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴わず、(腫瘍:γδT = 1:1の比)で、RPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8D】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴わないが4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンでの処理を伴う、(腫瘍:γδT = 1:1の比)でのRPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【0134】
【図8E】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴わず、(腫瘍:γδT = 2:1の比)で、RPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8F】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴わないが4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンでの処理を伴う、(腫瘍:γδT = 2:1の比)でのRPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8G】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴い、(腫瘍:γδT = 0.5:1の比)で、RPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8H】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴い、かつ4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンでの処理を伴う、(腫瘍:γδT = 0.5:1の比)でのRPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【0135】
【図8I】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴い、(腫瘍:γδT = 1:1の比)で、RPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8J】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴い、かつ4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンでの処理を伴う、(腫瘍:γδT = 1:1の比)でのRPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8K】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴い、(腫瘍:γδT = 2:1の比)で、RPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【図8L】パミドロン酸とのプレインキュベーションを伴い、かつ4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンでの処理を伴う、(腫瘍:γδT = 1:1の比)でのRPMI細胞との共培養に応答したIFN-γ産生を図示する。
【0136】
【図9A】化合物を腫瘍細胞と共にプレインキュベートしたときのMM株化細胞に対する細胞傷害性γδT細胞に対する本発明の免疫調節性化合物の効果を図示する。
【図9B】化合物を腫瘍細胞と共にプレインキュベートしないが、クロム放出アッセイのみの間に添加する場合の、MM株化細胞に対する細胞傷害性γδT細胞に対する本発明の免疫調節性化合物の効果を図示する。
【図1−1】

【図1−2】

【図1−3】

【図1−4】

【図1−5】

【図1−6】

【図1−7】

【図1−8】

【図1−9】

【図1−10】

【図1−11】

【図1−12】

【図1−13】

【図2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
調節性T細胞の免疫抑制活性を低減又は阻害する方法であって、前記調節性T細胞を、このような抑制活性の低減又は阻害のために十分な時間、免疫調節性化合物と接触させることを含む、前記方法。
【請求項2】
対象において免疫原による免疫応答の増強を誘発する方法であって、前記対象に対して免疫原を導入する前に、前記対象に免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項3】
前記免疫調節性化合物が、免疫原の導入の約10日〜約12時間前に投与される、請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記免疫調節性化合物が、免疫原の導入の約7日〜約12時間前に投与される、請求項2記載の方法。
【請求項5】
前記免疫調節性化合物が、免疫原の導入の約5日〜約1日前に投与される、請求項2記載の方法。
【請求項6】
前記免疫調節性化合物が、免疫原の導入の約3日〜約1日前に投与される、請求項2記載の方法。
【請求項7】
免疫原の導入後における免疫調節性化合物の第2の投与を更に含む、請求項2記載の方法。
【請求項8】
前記免疫調節性化合物が、免疫原の導入の約12時間〜約10日後に投与される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記免疫調節性化合物が、免疫原の導入の約12時間〜約7日後に投与される、請求項7記載の方法。
【請求項10】
前記免疫調節性化合物が、免疫原の導入の約1日〜約5日後に投与される、請求項7記載の方法。
【請求項11】
前記免疫調節性化合物が、免疫原の導入の約1日〜約3日後に投与される、請求項7記載の方法。
【請求項12】
前記免疫原がワクチンとして導入される、請求項2記載の方法。
【請求項13】
前記ワクチンが図1に収載されたワクチンである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
対象における癌ワクチンに対する免疫応答を増強する方法であって、前記対象に対する前記ワクチンの投与の前に、前記対象に免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項15】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約10日〜約12時間前に投与される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約7日〜約12時間前に投与される、請求項14記載の方法。
【請求項17】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約5日〜約1日前に投与される、請求項14記載の方法。
【請求項18】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約3日〜約1日前に投与される、請求項14記載の方法。
【請求項19】
前記ワクチンの投与後における免疫調節性化合物の第2の投与を更に含む、請求項14記載の方法。
【請求項20】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約12時間〜約10日後に投与される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約12時間〜約7日後に投与される、請求項19記載の方法。
【請求項22】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約1日〜約5日後に投与される、請求項19記載の方法。
【請求項23】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約1日〜約3日後に投与される、請求項19記載の方法。
【請求項24】
前記ワクチンが、肉腫、癌腫、黒色腫、リンパ腫及び白血病に対するワクチンである、請求項14又は19記載の方法。
【請求項25】
前記ワクチンが、抗原修飾された樹状細胞ワクチン、ペプチドワクチン、腫瘍細胞全体ワクチン又はウイルスベクターワクチンである、請求項14又は19記載の方法。
【請求項26】
請前記ワクチンが表1〜4に収載されたワクチンである、請求項25記載の方法。
【請求項27】
対象において感染症に対するワクチンへの免疫応答を増強する方法であって、前記対象に対するワクチンの投与の前に、前記対象に免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項28】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約10日〜約12時間前に投与される、請求項27記載の方法。
【請求項29】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約7日〜約12時間前に投与される、請求項27記載の方法。
【請求項30】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約5日〜約1日前に投与される、請求項27記載の方法。
【請求項31】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約3日〜約1日前に投与される、請求項27記載の方法。
【請求項32】
前記ワクチンの投与後における免疫調節性化合物の第2の投与を更に含む、請求項27記載の方法。
【請求項33】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約12時間〜約10日後に投与される、請求項32記載の方法。
【請求項34】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約1日〜約7日後に投与される、請求項32記載の方法。
【請求項35】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約1日〜約5日後に投与される、請求項32記載の方法。
【請求項36】
前記免疫調節性化合物が、前記ワクチンの投与の約1日〜約3日後に投与される、請求項32記載の方法。
【請求項37】
前記感染症が、ウイルス、細菌、真菌及び寄生虫によって引き起こされる疾患である、請求項27又は32記載の方法。
【請求項38】
前記感染症がB型肝炎である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
対象においてアレルゲンによるアレルギー反応の減少を誘発する方法であって、アレルゲンに対する前記対象の曝露の前に、前記患者に免疫調節性化合物を投与することを含む、前記方法。
【請求項40】
前記免疫調節性化合物が、アレルゲンに対する前記対象の曝露の約10日〜約12時間前に投与される、請求項39記載の方法。
【請求項41】
前記免疫調節性化合物が、アレルゲンに対する前記対象の曝露の約7日〜約12時間前に投与される、請求項39記載の方法。
【請求項42】
前記免疫調節性化合物が、アレルゲンに対する前記対象の曝露の約5日〜約1日前に投与される、請求項39記載の方法。
【請求項43】
前記免疫調節性化合物が、アレルゲンに対する前記対象の曝露の約3日〜約1日前に投与される、請求項39記載の方法。
【請求項44】
アレルゲンに対する前記対象の曝露後における免疫調節性化合物の第2の投与を更に含む、請求項39の方法。
【請求項45】
前記免疫調節性化合物が、アレルゲンに対する前記対象の曝露の約12時間〜約10日後に投与される、請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記免疫調節性化合物が、アレルゲンに対する前記対象の曝露の約12時間〜約7日後に投与される、請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記免疫調節性化合物が、アレルゲンに対する前記対象の曝露の約1日〜約5日後に投与される、請求項44記載の方法。
【請求項48】
前記免疫調節性化合物が、アレルゲンに対する前記対象の曝露の約1日〜約3日後に投与される、請求項44記載の方法。
【請求項49】
前記免疫調節性化合物が4-(アミノ)-2-(2,6-ジオキソ(3-ピペリジル))-イソインドリン-1,3-ジオンである、請求項1、2、14、27及び39のいずれか1項記載の方法。
【請求項50】
前記免疫調節性化合物がエナンチオマー的に純粋である、請求項49記載の方法。
【請求項51】
前記免疫調節性化合物が3-(4-アミノ-1-オキソ-1,3-ジヒドロ-イソインドール-2-イル)-ピペリジン-2,6-ジオンである、請求項1、2、14、26及び38のいずれか1項記載の方法。
【請求項52】
前記免疫調節性化合物がエナンチオマー的に純粋である、請求項51記載の方法。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A−B】
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【図6C−D】
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【図7】
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【図8A−F】
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【図8G−L】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−507030(P2009−507030A)
【公表日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529318(P2008−529318)
【出願日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際出願番号】PCT/US2006/034271
【国際公開番号】WO2007/028047
【国際公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【出願人】(591120033)セルジーン・コーポレーション (84)
【氏名又は名称原語表記】CELGENE CORPORATION
【Fターム(参考)】