説明

一体型光起電力デバイスを有するディスプレイ

ディスプレイ(101)の前面および/または裏面として組み込まれた光起電力(PV)電池を有するディスプレイが開示される。周辺光(102)は、ディスプレイ(101)内の、完全に透過性のフィーチャまたは部分的透過性のフィーチャによってディスプレイ(101)の背後に位置するPV電池(120)に到達することができる。ディスプレイで発生された光(163)も、ディスプレイの背後のPV電池(120)に到達することができる。ディスプレイ(101)の前に位置する透過性PV材料(110)が、周辺光(102)ならびにディスプレイで発生された光(104)の両方を集めることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にアクティブに画像を表示するためのディスプレイデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
アクティブディスプレイは、完全に、または部分的に、反射性、透過性、もしくは放射性のピクセルで作製され得る。したがって、ディスプレイは、入射する周辺光を完全に、もしくは部分的に反射することによって動作するピクセル、発光性であるピクセル、または光がディスプレイの内部から発生して透過性ピクセルに投射される透過性ピクセルを用いて画像を発生してよい。反射性のディスプレイ技術は、液晶、MEMS(干渉型変調器など)、電気泳動(eインクまたはeペーパーなど)、および反射された周辺光を用いて画像を発生する他のディスプレイ技術を含んでよいが、これらには限定されない。放射性ディスプレイは、液晶もしくは薄膜トランジスタ液晶などのアクティブな透過性ピクセルを照光するためのバックライトを有するディスプレイ、または真空蛍光ランプ、発光ダイオード、有機発光ダイオードなどのアクティブなピクセル自体が光を発生もしくは放射するディスプレイ、または表面電界ディスプレイなどを含む。
【0003】
ディスプレイは、干渉型変調器などのMEMSデバイスを含むことができる。本明細書で用いられる用語、干渉型変調器または干渉型光変調器は、光学的干渉の原理を用いて、光を選択的に吸収および/または反射するデバイスを指す。特定の実施形態では、干渉型変調器は1対の導電性プレートを備えてよく、その一方または両方が、全体的または部分的に透明および/または反射性であり得て、適切な電気信号を印加したとき相対的な動作をすることができる。特定の実施形態では、一方のプレートが、基板上に堆積された静止層を備えてよく、もう一方のプレートが、空隙によって静止層から分離された金属膜を備えてよい。本明細書でより詳細に説明されるように、一方のプレートの、もう一方のプレートに対する位置によって、干渉型変調器上に入射する光の光学的干渉が変化され得る。そのようなデバイスには広範囲の用途があり、既存の製品の改善およびまだ開発されていない新製品の創出にそれらの特徴が利用され得るように、これらのタイプのデバイスの特性を利用および/または変更することができれば、当技術分野において有益であろう。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態では、ディスプレイデバイスは、前面へ画像を表示し、前面の反対側に裏面を有する。ディスプレイデバイスは、ディスプレイおよび光電池を備える。ディスプレイは、画像領域内にアクティブなピクセルのアレイを含む。光電池は、画像領域においてディスプレイの前面および裏面のうちの1つの上に形成された光起電力材料を含む。光電池は、光を受け取ることができるように配向される。
【0005】
別の実施形態では、ディスプレイデバイスを製造する方法が提供される。ディスプレイデバイスは、前面へ画像を表示するように構成され、前面の反対側に裏面を有する。この方法は、画像領域内にアクティブなピクセルのアレイを備えるディスプレイを設けるステップを含む。この方法は、画像領域においてディスプレイの前面および裏面のうちの1つの上に光起電力材料を配置するステップも含む。
【0006】
さらに別の実施形態では、ディスプレイを作動させる方法が提供される。この方法は、画像領域においてディスプレイ素子の前面および裏面のうちの1つで光起電力材料に光を受け取るステップを含む。この方法は、光を電気に変換するステップも含む。
【0007】
代替実施形態では、ディスプレイデバイスは、前面へ画像を表示し、前面の反対側に裏面を有する。このディスプレイデバイスは、画素化された画像を表示するための手段および光を電気に変換するための手段を含む。変換手段は、表示手段の前面および裏面のうちの1つの上に配置される。
【0008】
本明細書に開示される例示的実施形態は、添付の概略図に示され、これらは説明の目的だけのものである。以下の図は、必ずしも原寸に比例しない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】干渉型変調器ディスプレイの一実施形態の一部分を示す等角図であり、第1の干渉型変調器の可動反射層が緩和位置にあり、第2の干渉型変調器の可動反射層が作動位置にある。
【図2】3×3の干渉型変調器ディスプレイを組み込んだ電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。
【図3】図1の干渉型変調器の1つの例示的実施形態に関する可動ミラー位置対印加電圧の図である。
【図4】干渉型変調器ディスプレイを駆動するのに用いることができる1組の行と列との電圧の図である。
【図5A】図2の3×3の干渉型変調器ディスプレイに表示データのフレームを書き込むのに使用され得る行と列との信号に関する1つの例示的タイミング図である。
【図5B】図2の3×3の干渉型変調器ディスプレイに表示データのフレームを書き込むのに使用され得る行と列との信号に関する1つの例示的タイミング図である。
【図6A】複数の干渉型変調器を備えるビジュアルディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図6B】複数の干渉型変調器を備えるビジュアルディスプレイデバイスの実施形態を示すシステムブロック図である。
【図7A】図1のデバイスの断面図である。
【図7B】干渉型変調器の代替実施形態の断面図である。
【図7C】干渉型変調器の別の代替実施形態の断面図である。
【図7D】干渉型変調器のさらに別の代替実施形態の断面図である。
【図7E】干渉型変調器のさらなる代替実施形態の断面図である。
【図8】pn接合を備える光電池の概略図である。
【図9A】堆積された薄膜光起電力活性材料を備える光電池を概略的に示すブロック図である。
【図9B】インターフェロメトリー(interferometrically)で機能強化された光起電力スタックを備える光電池を概略的に示すブロック図である。
【図10】光電池に一体化された一般的ディスプレイの概略図である。
【図11】光電池に一体化されたディスプレイピクセルのアレイを概略的に示す、1つの干渉型変調器ピクセルを有する簡単なディスプレイの図である。
【図12】表示領域内にアクティブなピクセルのアレイを有するディスプレイの図である。
【図13】ディスプレイの前に光電池が形成された、図11のディスプレイに似たディスプレイの図である。
【図14】図13のディスプレイに類似の、光起電力を組み込んだディスプレイの詳細図である。
【図15】ディスプレイが光源も含む、図14のディスプレイと似たディスプレイの図である。
【図16】ディスプレイの背後または裏面に光電池が形成された、図12のディスプレイに似たディスプレイの詳細図である。
【図17】ディスプレイの背後に形成された光電池を備えた、アレイ内の複数の干渉型変調器ピクセルの詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で特定の実施形態および実施例が論じられているが、この斬新な内容は、具体的に開示された実施形態を越えて、他の代替実施形態および/または発明の用途ならびにその明白な変更形態および等価物へ広がることが理解される。本明細書で開示される本発明の範囲は、特定の開示された実施形態によって限定されるべきでないことが意図されている。したがって、例えば、本明細書で開示されるあらゆる方法またはプロセスにおいて、方法/プロセスを構成する行動または動作は、任意の適当な順序で実行されてよく、いかなる特定の開示された順序にも限定する必要がない。実施形態の様々な態様および利点が、必要に応じて説明されている。そのような態様または利点は、任意の特定の実施形態において、必ずしもすべてが実現されるものではないことを理解されたい。したがって、例えば、本明細書で教示される1つの利点または利点の群を、本明細書で教示または提案された他の態様または利点を必ずしも実現することなく実現または最適化するやり方で、様々な実施形態が実行され得ることを理解されたい。以下の詳細な説明は、本発明の特定の具体的実施形態を対象とするものである。しかし、本発明は、多数の様々なやり方で具現することができる。本明細書で説明される実施形態は、広範囲のディスプレイデバイスで実施されてよい。
【0011】
本明細書では図が参照され、すべての図にわたって、同じ部品は同じ数字で示される。本発明の実施形態は、動いている画像(例えばビデオ)でも静止している画像(例えば静止画)でも、テキストでも画像でも、画像を表示するように構成された任意のデバイスにおいて実施されてよい。より詳細には、本発明の実施形態は、移動電話、ワイヤレスデバイス、携帯情報端末(PDAs)、携帯用コンピュータまたは持ち運び可能なコンピュータ、GPSの受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、置時計、計算機、テレビモニタ、フラットパネルディスプレイ、コンピュータモニタ、自動ディスプレイ(例えば走行距離計ディスプレイなど)、コックピットの制御および/またはディスプレイ、カメラの視界のディスプレイ(例えば自動車のリヤビューカメラのディスプレイ)、電子写真、電子掲示板または電子標識、プロジェクタ、建築物、包装、および美術的構造(例えば宝石類上の画像表示)など、しかしこれらに限定されない様々な電子デバイスにおいて、あるいはその様々な電子デバイスに関連して、実施され得るように企図されている。PV電池は、放射性、透過性、および反射性または部分的反射性(半透過性(transflective))のディスプレイなどのアクティブディスプレイと一体化されてよい。PV電池は、間隙、空間、穴、スペーサ、柱、支柱、レール、あるいは空気、二酸化ケイ素または他の材料などの透明または半透明の材料から形成された他の支持構造物などのディスプレイの不活性領域の光を集めてよい。同様に、ディスプレイ内のアクティブな構造体、素子、またはピクセルは、それらが主として反射性に設計されていても、ある程度透過性であり得る。PV電池は、ディスプレイの前または背後に形成されてよく、いくつかの実施形態では、ブランケットPV材料がアレイにわたって広がる。ある種の反射性または半透過性のディスプレイ技術は、干渉型変調器と呼ばれるMEMSベースのディスプレイ技術である。
【0012】
最初に、図1〜図7Eは、干渉型変調器ディスプレイの背景にあるいくつかの基本原理を示す。図8〜図9は、PV電池およびデバイスの背景にあるいくつかの基本原理を示す。図10〜図17は、ディスプレイが光電池と一体化された実施形態を示す。
【0013】
干渉計MEMS表示素子を備える1つの干渉型変調器ディスプレイの実施形態が、図1に示されている。これらのデバイスでは、ピクセルは明状態または暗状態のいずれかにある。ディスプレイ素子は、明状態(「緩和状態」または「開状態」)では、入射する可視光の大部分をユーザへ反射する。ディスプレイ素子は、暗状態(「作動状態」または「閉状態」)のとき、入射する可視光のほとんどをユーザへ反射しない。実施形態次第で、「オン状態」の光反射率特性と「オフ状態」の光反射率特性とが逆転されてよい。MEMSピクセルは、選択された色で主に反射するように構成され得て、白黒表示に加えてカラー表示が可能になる。
【0014】
図1は、ビジュアルディスプレイの一連のピクセルの中の2つの隣接ピクセルを示す等角図であり、各ピクセルがMEMS干渉型変調器を備える。いくつかの実施形態では、干渉型変調器ディスプレイは、これらの干渉型変調器の行/列のアレイを備える。各干渉型変調器は、互いから制御可能な可変距離に配置された1対の反射層を含み、少なくとも1つの可変寸法を有する共振する光学ギャップを形成する。一実施形態では、反射層のうちの1つが、2つの位置の間で移動されてよい。本明細書で緩和位置と称される第1の位置では、可動反射層は、固定された部分的反射層から比較的大きな距離に配置される。本明細書で作動位置と称される第2の位置では、可動反射層は、部分的反射層のより近くに隣接して配置される。2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置次第で、建設的または相殺的に干渉し、各ピクセルに全面的な反射状態または非反射状態をもたらす。
【0015】
図1のピクセルアレイの示された部分は、2つの隣接した干渉型変調器12aおよび12bを含む。左側の干渉型変調器12aでは、可動反射層14aが、部分的反射層を含む光学積層体16aから所定距離の緩和位置に示されている。右側の干渉型変調器12bでは、可動反射層14bが、光学積層体16bに隣接した作動位置に示されている。
【0016】
光学積層体16aおよび16b(まとめて光学積層体16と称される)は、本明細書で参照されたように、インジウムスズ酸化物(ITO)などの電極層、クロムなどの部分的反射層、および透明誘電体を含むことができるいくつかの融合層を一般に備える。したがって、光学積層体16は、導電性であり、部分的透過性であり、部分的に反射性であって、例えば、透明基板20上に上記の層の1つまたは複数を堆積することにより製作され得る。部分的反射層は、様々な金属、半導体、および誘電体など、部分的に反射性の様々な材料から形成することができる。部分的反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成することができ、層のそれぞれは、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、光学積層体16の層は平行な細長片にパターニングされ、以下でさらに説明されるように、ディスプレイデバイス内の行電極を形成してよい。支柱18および支柱18の間に堆積された介在する犠牲材料の上部に堆積されて列を形成する一連の平行な細長片の1つまたは複数の堆積された金属層(16a、16bの行電極に直交する)として、可動反射層14a、14b(「ミラー」または「反射器」としても知られている)が形成されてよい。犠牲材料がエッチングで除去されるとき、可動反射層14a、14bは、画定された間隙19によって、光学積層体16a、16bから分離される。アルミニウムなどの高導電性かつ反射性の材料が反射層14に用いられてよく、これらの細長片がディスプレイデバイスの列電極を形成してよい。図1が原寸に比例していない可能性があることに留意されたい。いくつかの実施形態では、支柱18間の間隔は10〜100μm程度でよく、一方、間隙19は1000オングストローム未満程度でよい。部分的反射層も、光吸収器と称されてよい。したがって、いくつかの実施形態では、アクティブな干渉型変調器は、可変の光キャビティまたは間隙によって分離された吸収器および反射器を備えると言える。
【0018】
図1のピクセル12aによって示されるように、印加電圧がないとき、可動反射層14aと光学積層体16aとの間に間隙19が残り、可動反射層14aは、機械的に緩和状態にある。しかし、選択された行と列とに電位(電圧)差が印加されたとき、対応するピクセルの行電極と列電極の交点に形成されたコンデンサが充電されて、静電力が電極を互いに引き寄せる。電圧が十分に高いと、可動反射層14は、変形して光学積層体16に押しつけられる。図1の右側の作動されたピクセル12bによって示されるように、光学積層体16内の誘電体層(この図には示されていない)が、短絡を防止し、層14と16との間の分離距離を制御することができる。印加電位差の極性にかかわらず、その挙動は同一である。
【0019】
図2から図5は、ディスプレイ用途で干渉型変調器のアレイを用いる1つの例示的プロセスおよびシステムを示す。
【0020】
図2は、干渉型変調器を組み込むことができる電子デバイスの一実施形態を示すシステムブロック図である。電子デバイスは、ARM(登録商標)、Pentium(登録商標)、8051、MIPS(登録商標)、Power PC(登録商標)、またはALPHA(登録商標)、あるいはデジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、またはプログラマブルゲートアレイなどの任意の専用マイクロプロセッサなど、任意の汎用シングルチップマイクロプロセッサまたは汎用マルチチップマイクロプロセッサでよいプロセッサ21を含む。当技術分野では普通のことであるが、プロセッサ21は、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成されてよい。プロセッサは、オペレーティングシステムの実行に加えて、ウェブブラウザ、電話のアプリケーション、電子メールプログラム、または任意の他のソフトウェアアプリケーションを含む1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成されてよい。
【0021】
一実施形態では、プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するようにも構成される。一実施形態では、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイまたはパネル30へ信号を供給する行駆動回路24および列駆動回路26を含む。図1に示されたアレイの断面は、図2ではライン1−1で示されている。図2は、明瞭さのために干渉型変調器の3×3のアレイを示すが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数の干渉型変調器を含んでよく、また、行と列とで異なる干渉型変調器の数(例えば1行当たり300ピクセル×1列当たり190ピクセル)を有してよいことに留意されたい。
【0022】
図3は、図1の干渉型変調器の1つの例示的実施形態に関する可動ミラー位置対印加電圧の図である。MEMS干渉型変調器の場合、行/列作動プロトコルは、図3に示されたそれらのデバイスのヒステリシス特性を利用してよい。例えば、干渉型変調器は、可動層を緩和状態から作動状態へ変形させるのに10ボルトの電位差を必要とすることがある。しかし、電圧が10ボルトから低下したとき、可動層は、その電圧が10ボルト未満に低下するのでその状態を維持する。図3の例示的実施形態では、電圧が2ボルト未満に低下するまでは、可動層が完全に緩和することはない。したがって、図3に示された実施例では、約3〜7Vの電圧の範囲が存在してそこに印加電圧のウィンドウが存在し、この範囲内では、デバイスは、緩和状態または作動状態のどちらかに安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定ウィンドウ」と称される。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイの場合、行ストローブの間、ストローブされた行の作動するべきピクセルが約10ボルトの電圧差を受け、緩和されるべきピクセルがゼロボルトに近い電圧差を受けるように、行/列の作動プロトコルを設計することができる。ストローブの後、ピクセルは、行ストローブによってそれらが置かれた状態がどちらであっても、その状態にとどまるように、約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差を受ける。書き込まれた後に、各ピクセルは、この実施例では3〜7ボルトの「安定ウィンドウ」内の電位差を経験する。この特徴によって、既存の作動状態または緩和状態において同一印加電圧の条件下で、図1に示されたピクセルの設計が安定したものになる。干渉型変調器の各ピクセルは、作動状態でも緩和状態でも、基本的に固定反射層および可動反射層によって形成されたコンデンサであるので、この安定状態は、ヒステリシスウィンドウ内の電圧で、ほぼ電力損失なしで維持することができる。基本的に、印加される電位が固定されていると、ピクセルに電流が流れ込むことがない。
【0023】
以下でさらに説明されるように、一般的な用途では、第1行の作動されたピクセルの所望の組の通りに列電極の組にわたって1組のデータ信号(それぞれが特定の電圧レベルを有する)を送ることにより、画像のフレームが作成され得る。次いで、このデータ信号の組に対応するピクセルを作動させる第1行の電極に、行パルスが印加される。次いで、このデータ信号の組は、第2行の作動されたピクセルの所望の組に対応するように変化される。次いで、第2行の電極にパルスが印加され、データ信号に従って第2行の適切なピクセルを作動させる。第1行のピクセルは第2行のパルスに影響されず、第1行のパルスの間に設定された状態のままである。これは、フレームを生成するために、逐次的なやり方で、すべての行に関して繰り返されてよい。一般に、1秒当たりいくつかの所望のフレーム数で、絶えずこのプロセスを繰り返すことにより、フレームが、新規の画像データでリフレッシュおよび/または更新される。画像フレームを生成するのに、ピクセルアレイの行および列の電極を駆動するための多種多様なプロトコルが用いられてよい。
【0024】
図4および図5は、図2の3×3のアレイ上に表示フレームを作成するための1つの可能な作動プロトコルを示す。図4は、図3のヒステリシス曲線を示すピクセルに用いられ得る列と行との電圧レベルの可能な組を示す。図4の実施形態では、ピクセルの作動は、適切な列を−Vbiasに設定し、適切な行を+ΔVに設定することを含み、これらの電圧は、それぞれ−5ボルトおよび+5ボルトに相当してよい。ピクセルの緩和は、適切な列を+Vbiasに設定し、適切な行を同一の+ΔVに設定して、そのピクセルにわたってゼロボルト電位差を生成することより達成される。行電圧がゼロボルトに維持されるそれらの行では、ピクセルは、列が+Vbiasであろうと−Vbiasであろうと、元の状態に関係なく安定している。また、図4に示されるように、前述のものと逆極性の電圧を用いることができ、例えば、ピクセルの作動は、適切な列を+Vbiasに設定し、適切な行を−ΔVに設定することを含むことができる。この実施形態では、ピクセルの解放は、適切な列を−Vbiasに設定し、適切な行を同一の−ΔVに設定して、そのピクセルにわたってゼロボルト電位差を生成することより達成される。
【0025】
図5Bは、図2の3×3のアレイに対して印加される一連の行と列との信号を示すタイミング図であり、これによって、図5Aに示されたディスプレイ機構がもたらされることになり、ここで、作動するピクセルは非反射性である。図5Aに示されたフレームを書き込む前に、ピクセルは任意の状態にあり得て、この実施例では、すべての行が最初は0ボルトであり、すべての列が+5ボルトである。これらの印加電圧で、すべてのピクセルは、それらの現在の作動状態または緩和状態で安定している。
【0026】
図5Aのフレームでは、ピクセル(1,1)、(1,2)、(2,2)、(3,2)および(3,3)が作動される。これを達成するために、行1の「ライン時間」中、列1および列2が−5ボルトに設定され、列3は+5ボルトに設定される。すべてのピクセルが3〜7ボルトの安定ウィンドウにとどまるので、いかなるピクセルの状態も、これによって変化することはない。次いで、行1は、0ボルトから5ボルトまで上昇してからゼロへ戻るパルスでストローブされる。これによって、ピクセル(1,1)および(1,2)が作動し、ピクセル(1,3)が緩和する。アレイ内のその他のピクセルは影響を受けない。所望の通りに行2を設定するために、列2が−5ボルトに設定され、列1および列3が+5ボルトに設定される。次いで、行2に印加された同一のストローブによって、ピクセル(2,2)が作動し、ピクセル(2,1)および(2,3)が緩和する。再び、アレイのその他のピクセルは影響を受けない。行3は、列2および列3を−5ボルトに設定し、列1を+5ボルトに設定することにより、同様に設定される。行3のストローブによって、行3のピクセルは、図5Aに示されるように設定される。フレームに書き込んだ後、行電位はゼロであり、列電位は+5ボルトまたは−5ボルトにとどまり得て、そのとき図5Aの機構ではディスプレイは安定している。何十または何百もの行と列とのアレイに対して、同一の手順を用いることができる。行と列との作動を実行するのに用いられる電圧のタイミング、シーケンス、およびレベルは、上記で概説された一般的な原理の範囲内で広範にわたって変化させることができ、上記の実施例は単なる例示であり、いかなる作動電圧の方法も、本明細書で説明されたシステムおよび方法とともに用いることができる。
【0027】
図6Aおよび図6Bは、ディスプレイデバイス40の実施形態を示すシステムブロック図である。ディスプレイデバイス40は、例えば携帯電話または移動式電話であり得る。しかし、ディスプレイデバイス40の同一の諸構成要素またはそのわずかな変形形態が、テレビおよび携帯用メディアプレーヤなど様々なタイプのディスプレイデバイスの実例ともなる。
【0028】
ディスプレイデバイス40は、容器41、ディスプレイ30、アンテナ43、スピーカ45、入力デバイス48、およびマイクロホン46を含む。容器41は、射出成形および真空成形を含む、様々な製造プロセスのうち任意のものから一般に形成される。さらに、容器41は、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、あるいはそれらの組合せを含むがこれらに限定されない様々な材料のうちの任意のものから作製されてよい。一実施形態では、容器41は、様々な色の、あるいは様々なロゴ、画像、または記号を含む、他の取外し可能な部分と交換することができる取外し可能な部分(図示せず)を含む。
【0029】
例示的ディスプレイデバイス40のディスプレイ30は、本明細書で説明されるように、双安定ディスプレイを含む様々なディスプレイの任意のものでよい。他の実施形態では、ディスプレイ30は、前述のようなプラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなどのフラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の電子管デバイスなどの非フラットパネルディスプレイを含む。しかし、本実施形態を説明する目的のために、本明細書で説明されたように、ディスプレイ30は干渉型変調器ディスプレイを含む。
【0030】
例示的ディスプレイデバイス40の一実施形態の諸構成要素が、図6Bに概略的に示されている。示された例示的ディスプレイデバイス40は容器41を含み、容器41の中に、少なくとも部分的に密封された追加の構成要素を含むことができる。例えば、一実施形態では、例示的ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェイス27を含む。トランシーバ47は、プロセッサ21に接続され、プロセッサ21は、調整用ハードウェア52に接続される。調整用ハードウェア52は、信号を調整する(例えば信号をフィルタリングする)ように構成されてよい。調整用ハードウェア52は、スピーカ45およびマイクロホン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は、ディスプレイアレイ30に結合される。電源50は、特定の例示的ディスプレイデバイス40の設計によって必要とされるすべての構成要素に電力を供給する。
【0031】
ネットワークインターフェイス27は、アンテナ43およびトランシーバ47を含み、その結果、例示的ディスプレイデバイス40は、1つまたは複数のデバイスとネットワークで通信することができる。一実施形態では、ネットワークインターフェイス27は、プロセッサ21の要件を緩和するために、いくつかの処理能力を有してもよい。アンテナ43は、信号を送受信するための任意のアンテナである。一実施形態では、アンテナは、IEEE 802.11の(a)、(b)、または(g)を含むIEEE 802.11規格に従ってRF信号を送受信する。別の実施形態では、アンテナは、BLUETOOTH規格に従ってRF信号を送受信する。携帯電話の場合には、アンテナは、無線携帯電話ネットワーク内で通信するのに用いられるCDMA、GSM、AMPS、W−CDMA、または他の既知の信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信した諸信号を前処理し、その結果、それらの信号は、プロセッサ21によって受け取られてさらに操作される。トランシーバ47は、プロセッサ21から受け取った諸信号も処理し、その結果、それらの信号は、例示的ディスプレイデバイス40からアンテナ43を介して送信され得る。
【0032】
代替実施形態では、トランシーバ47を受信機で置換することができる。さらに別の代替実施形態では、ネットワークインターフェイス27を画像ソースで置換することができ、画像ソースは、プロセッサ21へ送られる画像データを保存または生成することができる。例えば、画像ソースは、画像データを含むデジタルビデオディスク(DVD)またはハードディスクドライブ、あるいは画像データを生成するソフトウェアモジュールであり得る。
【0033】
プロセッサ21は、一般に例示的ディスプレイデバイス40の全体の動作を制御する。プロセッサ21は、ネットワークインターフェイス27または画像ソースからの圧縮画像データなどのデータを受け取り、このデータを、未加工の画像データ、または未加工の画像データへ容易に加工されるフォーマットに加工する。次いで、プロセッサ21は、ドライバコントローラ29または記憶用のフレームバッファ28へ処理データを送る。未加工データは、一般に、画像内の各位置で画像特性を特定する情報を指す。例えば、そのような画像特性は、色、彩度、およびグレイスケールレベルを含むことができる。
【0034】
一実施形態では、プロセッサ21は、例示的ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理演算ユニットを含む。調整用ハードウェア52は、スピーカ45に信号を伝送し、マイクロホン46から信号を受け取るための増幅器およびフィルタを一般に含む。調整用ハードウェア52は、例示的ディスプレイデバイス40内の個別部品でよく、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれてもよい。
【0035】
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された未加工の画像データを、プロセッサ21から直接受け取り、あるいはフレームバッファ28から受け取って、アレイドライバ22へ高速伝送するために、未加工の画像データを適切に再フォーマットする。具体的には、ドライバコントローラ29は、未加工の画像データを、ディスプレイアレイ30にわたる走査に適当な時間順を有するように、ラスタ状のフォーマットを有するデータの流れへ再フォーマットする。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22へ送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、スタンドアローンの集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連づけられることが多いが、そのようなコントローラは多くのやり方で実施されてよい。それらはハードウェアとしてプロセッサ21に組み込まれてよく、ソフトウェアとしてプロセッサ21に組み込まれてよく、あるいは、アレイドライバ22とともにハードウェアに完全に一体化されてよい。
【0036】
一般に、アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受け取って、ビデオデータを、ディスプレイのピクセルのxyマトリクスから来る何百もの(時には何千もの)リードに対して毎秒多数回印加される波形の並行した組へ再フォーマットする。
【0037】
一実施形態では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明されたディスプレイのタイプのあらゆるものに適している。例えば、一実施形態では、ドライバコントローラ29は、従来型の表示コントローラまたは双安定の表示コントローラ(例えば干渉型変調器コントローラ)である。別の実施形態では、アレイドライバ22は、従来型の駆動回路または双安定の表示駆動回路(例えば干渉型変調器ディスプレイ)である。一実施形態では、ドライバコントローラ29は、アレイドライバ22と一体化される。そのような実施形態は、セル式電話、腕時計、および他の小面積ディスプレイなどの高度に集積されたシステムでは一般的である。さらに別の実施形態では、ディスプレイアレイ30は、一般的なディスプレイアレイまたは双安定のディスプレイアレイ(例えば干渉型変調器のアレイを含むディスプレイ)である。
【0038】
入力デバイス48によって、ユーザが例示的ディスプレイデバイス40の動作を制御することが可能になる。一実施形態では、入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、押しボタン、スイッチ、タッチスクリーン、あるいは感圧性または感熱性の膜を含む。一実施形態では、マイクロホン46は、例示的ディスプレイデバイス40用の入力デバイスである。マイクロホン46がデバイスへデータを入力するのに使用されるとき、例示的ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、ユーザによって音声命令が供給され得る。
【0039】
当技術分野で周知のように、電源50は様々なエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。例えば、一実施形態では、電源50は、ニッケルカドミウム電池またはリチウムイオン電池などの充電式電池である。別の実施形態では、電源50は、再生可能エネルギー源、コンデンサ、またはプラスチック太陽電池および太陽電池塗料を含む太陽電池である。別の実施形態では、電源50は、壁付きコンセントから電力を受け取るように構成される。
【0040】
いくつかの実装形態では、前述のように、制御プログラムの機能は、電子表示システムでいくつかの場所に配置され得るドライバコントローラ内に存在する。場合によっては、制御プログラムの機能は、アレイドライバ22内に存在する。前述の最適化は、任意数のハードウェア構成要素および/またはソフトウェア構成要素で、また様々な構成で実施され得る。
【0041】
上記で説明された原理に従って動作する干渉型変調器の構造の詳細は、変化に富むものであり得る。例えば、図7A〜図7Eは、可動反射層14およびその支持構造の5つの別々の実施形態を示す。図7Aは図1の実施形態の断面であり、細長い金属材料14が、垂直に伸びる支持体18上に堆積される。図7Bでは、各干渉型変調器の可動反射層14は、正方形または長方形であり、支持体18に隅でのみテザー32に接して取り付けられている。図7Cでは、可動反射層14は、正方形または長方形であり、柔軟金属を含み得る変形可能な層34から懸垂される。変形可能な層34は、変形可能な層34の周辺の辺りの基板20に直接的または間接的に接続する。これらの接続は、本明細書では支持体と称され、支柱、レールまたは壁の形式をとることができる。図7Dに示された実施形態では、支持体が支柱栓42を含み、その上に変形可能な層34が支えられている。図7A〜図7Cのように、可動反射層14は間隙の上に懸垂されたままであるが、変形可能な層34と光学積層体16との間の穴を充填することによって変形可能な層34が支持体を形成するわけではない。むしろ、支柱は、支柱栓42を形成するのに用いられる平坦化材料から形成される。図7Eに示された実施形態は、図7Dに示された実施形態に基づくものであるが、図7A〜図7Cに示された実施形態のうちの任意のもの、ならびに図には示されていない追加の実施形態を扱うように適合させることもできる。図7Eに示される実施形態では、バス構造44を形成するために金属または他の導電材料の追加の層が用いられている。これによって、干渉型変調器の背部に沿った信号のルーティングが可能になり、基板20上にいくつもの電極を形成する必要性が解消される。
【0042】
図7に示されたものなどの実施形態では、干渉型変調器が直視型デバイスとして機能し、画像は、透明基板20の前面(干渉型変調器が配置される面の反対側)から見られる。これらの実施形態では、反射層14が、基板20の反対側の反射層側の干渉型変調器の部分を、光学的に遮蔽し、変形可能な層34を含む。これによって、遮蔽された区域が、画像品質に悪影響を及ぼすことなく構成されて動作することが可能になる。例えば、そのような遮蔽によって、アドレス指定およびそのアドレス指定に起因する運動などの変調器の電気機械的特性から、変調器の光学的特性を分離する能力をもたらす図7Eのバス構造44が可能になる。この分離可能な変調器構成によって、変調器の電気機械的態様と光学的態様とが、互いに無関係に選択されて機能するように用いられる構造設計および材料が可能になる。さらに、図7C〜図7Eに示された実施形態は、変形可能な層34によって成し遂げられる、反射層14の光学的性質の、その機械的性質からの減結合から導出される追加の利益を有する。これによって、反射層14に用いられる構造設計および材料を光学的性質に関して最適化すること、および変形可能な層34に用いられる構造設計および材料を所望の機械的性質に関して最適化することが可能になる。
【0043】
本明細書に開示された特定の実施形態は、光起電力(PV)電池またはMEMS、LCD、LED、もしくは他のディスプレイ技術を備えるディスプレイと一体化されたデバイスを含む。そのようなディスプレイは、アクティブに画像または情報を表示し、同時に周辺光および/またはディスプレイで発生された光を、電気へ変換するために集めてよい。したがって、アクティブ(プログラマブル)な屋外ディスプレイは、未使用の日光を有利に電気へ変換してよく、あるいは、モバイルデバイス上のディスプレイは、周辺光を集めることにより、予備電源の使用を埋め合わせるのを助長してよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、透過性PV電池はディスプレイの画像領域の上に重なってよい。他の実施形態では、PVアクティブ材料は、未使用の周辺光またはディスプレイで発生された光を取り込んで電気に変換するように、ディスプレイデバイスのアクティブな画像領域またはアレイ区域内に含まれる。アクティブディスプレイの技術次第で、ディスプレイのアレイ領域の表面積の30%以上までが、実際には、画素化された画像または表示された情報に寄与しない不活性の領域または区域で構成され得る。これは、ディスプレイのアクティブな画像領域に入射する周辺光の30%以内またはそれ以上が「浪費され」、したがって、電気への有用な変換のためにPV材料によって取得されてよいことを意味する。これは、ディスプレイの背後にブランケットPV材料を配置することにより達成され得て、ディスプレイ上に入射する周辺光が、光る、あるいはディスプレイの不活性領域を通って下のブランケットPV材料上へ透過することが可能になる。実際、いくつかのディスプレイ技術では、ディスプレイの活性領域自体を構成するアクティブなピクセルは、部分的透過性でよく、そのために、いくらかの光が、アクティブなピクセルまたは要素があってもPV活性材料に到達することができる。
【0045】
図8は、一般的な光起電力(PV)電池80を示す。一般的な光電池は、光エネルギーを電気エネルギーまたは電流に変換することができる。PV電池80は、小さなカーボンフットプリントを有する、環境に対する影響が小さい再生可能なエネルギー源の一実施例である。PV電池を使用すると、エネルギー発生のコストを低減することができる。PV電池は、多くの異なるサイズおよび形状を有することができ、例えば、郵便切手より小さいものから、数インチにわたるサイズまである。アレイのモジュールは、電気的接続、取付け金具、電力調整機器、および日差しがないとき使用するために太陽エネルギーを蓄える電池を含むことができる。
【0046】
図8を参照すると、一般的なPV電池80は、2つの電極82と83との間に配置されたPV材料81を備える。いくつかの実施形態では、PV電池80は、層のスタックが形成された基板を備える。PV電池80のPV材料81は、シリコンなどの半導体材料を含んでよい。いくつかの実施形態では、活性領域は、図8に示されるように、n形半導体材料81aとp型半導体材料81bとを接触させることによって形成されたpn接合を備えてよい。そのようなpn接合は、ダイオードに似た特性を有することができ、したがってフォトダイオード構造とも称されてよい。
【0047】
PV材料81は、一般に、電流経路をもたらす2つの電極の間に挟まれる。電極82、83は、アルミニウム、銀、もしくはモリブデンまたは他のいくつかの導電材料から形成することができる。電極82、83も、透明な導電材料から形成されてよい。電極82、83は、接触抵抗を下げ、収集効率を向上するように、pn接合の前面の大部分を覆うように設計されてよい。電極82、83が不透明材料から形成される実施形態では、電極82、83は、PV材料に照明が当たるのを可能にするように、PV材料の前部の上に開口を残すように構成されてよい。いくつかの実施形態では、裏面電極82または前面電極83は、例えば酸化スズ(SnO)またはインジウムスズ酸化物(ITO)などの透明導電酸化物(TCO)である透明な導電体を含むことができる。TCOは、電気接触および導電性をもたらし、同時に、入ってくる光に対して透明である。図示のように、PV電池は、前面電極83の上に配置された反射防止(AR)コーティング84も備えるが、(以下で図10、図11および図13〜図15においてさらに論じられる前面PV電池110のように)光がPV電池80の背部を通って透過する又は入射すると予期され得る実施形態では、任意選択で、裏面電極82の上にARコーティングが配置されてよい。ARコーティング84は、PV活性材料81の前面から反射される光量を低減することができる。
【0048】
PV材料81が照射される場合、光子が、活性領域内の電子にエネルギーを伝達する。光子によって伝達されたエネルギーが半導体材料のバンドギャップより大きいと、電子は、伝導帯に入るのに十分なエネルギーを有することができる。pn接合の形成とともに内部電界が生成される。内部電界は、エネルギーを与えられた電子に対してこれらの電子を移動させるように作用し、それによって、外部回路85内に電流の流れをもたらす。結果として生じる電流の流れは、様々な電気デバイスに電力を供給するのに用いることができる。例えば、結果として生じる電流の流れは、図8に示されるように電池86またはコンデンサを充電することにより、後の利用のために蓄えられてよく、これが、ディスプレイに電力を供給することができる。
【0049】
PV材料は、結晶シリコン(c−シリコン)、アモルファスシリコン(a−シリコン)、ゲルマニウム(Ge)、Ge合金、テルル化カドミウム(CdTe)、銅インジウムジセレニド(CIS)、銅インジウムガリウムジセレニド(CIGS)、光吸収性の染料およびポリマー、光吸収性ナノ粒子を散布したポリマー、または多接合光起電力材料とフィルムとの縦続接続など、様々な光吸収性の光起電力材料の任意のものを含むことができる。PV活性材料81は、ガリウム砒素(GaAs)、窒化インジウム(InN)、窒化ガリウム(GaN)、ホウ素砒化物(BAs)のような材料を含むIII族〜V族の半導体材料を含む他の適切な材料を含んでよい。インジウム窒化ガリウムのような半導体合金も用いられてよい。他の光起電力材料およびデバイスも可能である。これらの材料を形成する方法は、当業者に既知である。例示的実施例として、CIGSのような合金は、銅、ガリウム、およびインジウムが同時堆積または同時スパッタリングされ、次いでセレン化物蒸気でアニールされてCIGS構造体を形成する真空ベースのプロセスによって形成することができる。真空ベースでない代替形態プロセスも、当業者に知られている。堆積された薄膜PV活性材料は、例えばアモルファスシリコン薄膜を備えることができ、最近好評を得ている。薄膜としてのアモルファスシリコンは、数ある技法の中でも、物理的気相成長法(PVD)、化学的気相成長法(CVD)、電気化学的気相成長法またはプラズマ促進化学気相成長法(PECVD)により、広い面積にわたって堆積することができる。当業者に知られているように、アモルファスシリコン層を備えるPV活性材料は、n型ドープおよび/またはp型ドープされたシリコンを有する1つまたは複数の接合を含んでよく、p−i−n結合をさらに備えてもよい。他の材料も用いられてよい。光子が吸収されて電気的担体(正孔および電子)にエネルギーが伝達される(1つまたは複数の)光吸収材料は、本明細書ではPV活性層またはPV電池の材料と称され、この用語は、複数のアクティブな副層を包含するように意図されている。PV活性層用の材料は、所望の性能およびPV電池の用途次第で選択することができる。
【0050】
図9Aは、一般的な薄膜PV電池90Bを概略的に示すブロック図である。一般的な薄膜PV電池90Bは、光が通過することができるガラス基板91を含む。ガラス基板91上に、第1の電極層83、PV材料81(アモルファスシリコンを含むものとして示されている)および第2の電極層82が配置される。第1の電極層83は、ITOなどの透明な導電材料を含むことができる。図示のように、第1の電極層83と第2の電極層82とは、その間に薄膜PV材料81を挟む。示されたPV材料81はアモルファスシリコン層を含むが、他のPV薄膜材料も知られている。当技術分野で知られているように、PV材料として働くアモルファスシリコンは、1つまたは複数のダイオード接合を含んでよい。さらに、1つまたは複数のアモルファスシリコンPV層は、p型ドープ層81bとn型ドープ層81aとの間に真性シリコン層81cが挟まれたp−i−n接合を備えてよい。p−i−n接合は、pn接合より高い効率を有することができる。いくつかの他の実施形態では、PV電池は複数の接合を備えることができる。
【0051】
層81、82、83は、物理的気相成長法、化学的気相成長法、電気化学的気相成長法などの堆積法を用いて堆積されてよい。薄膜PV電池は、薄膜シリコン、CIS、CdTeまたはCIGSなどのアモルファスまたは多結晶の材料を含んでよい。薄膜PV電池のいくつかの利点には、とりわけデバイスのフットプリントが小さいことおよび製造プロセスのスケーラビリティがある。
【0052】
図9Bは、インターフェロメトリーで機能強化されたPVスタックまたはPV電池90Bの一実施例を示す。インターフェロメトリーで機能強化されたPV電池90Bは、PV活性材料またはPV層81を含む。PV材料81は、基板91の上に形成された薄膜光起電力材料を含んでよい。PV材料81の下に配置された光共振キャビティ93および反射器94は、PV材料81内の電界の強度をインターフェロメトリーで高めるように構成され、インターフェロメトリーで機能強化された高効率のPV電池90Bをもたらす。PV材料81を覆う電極92は、PV材料81からの電子および/または正孔の伝導を助長するいくらかの領域では不透明でよい。そうでなければ、PV材料81も、透明な導電酸化物(TCO)層、またはTCO層および不透明な電極の両方を備える電極92で覆われてよい。同様に、光共振キャビティ93は、光共振キャビティ93の一部分ならびにPV材料81から正孔および/または電子を導くための導電層の両方として働くTCO層を備えてよい。PV材料81は、アモルファスシリコン、CIGSまたは他の薄い半導体膜の光起電力材料などの薄膜光起電力材料を備えてよい。反射器94および光共振キャビティ93の光学的性質(寸法および材料特性)は、層になったPVデバイス90Bの境界面からの反射が可干渉に合計されて、光エネルギーが電気エネルギーに変換されるPV電池90BのPV材料81内に適当な波長の分布および位相の向上した電界を生成するように選択される。そのようなインターフェロメトリーで機能強化された光起電力デバイスによって、干渉型光電池の活性領域における光エネルギーの吸収が増加し、それによってデバイスの効率が向上する。この実施形態に対する変形形態では、異なる波長の光を別々に調整し、かつPV材料(複数可)における吸収を最大化するのに、複数の光共振キャビティを使用することができる。埋められた光共振キャビティおよび/または層は、透明な導電材料もしくは誘電体材料、空隙、またはそれらの組合せを備えてよい。
【0053】
ディスプレイにPV電池を一体化することにより特定の利点が得られることから、以下の実施形態は、光電池をディスプレイデバイスに組み込む、あるいは一体化する光電池を説明する。光電池は、ディスプレイ上に入射する光、ディスプレイから反射される光、またはディスプレイによって発生される光を取り込んで電気に変換するように配置されてよい。有利には、好ましい実施形態では、光電池は、主として周辺光に依存するディスプレイと一体化されてよいが、他のディスプレイ技術が用いられてもよい。
【0054】
図10は、PV一体型ディスプレイデバイス100の実施形態の一般化された概略図を示し、ディスプレイ素子101は、PV電池110、120と一体化されている。「ディスプレイ素子」は、本明細書では、アクティブな画像領域内のアクティブなディスプレイ(例えばピクセル、ピクセルのアレイまたはピクセルアレイ中のピクセル間の間隙)のフィーチャを表すのに用いられる。
【0055】
いくつかの実施形態では、図10に示されるように、ディスプレイ素子101は、2つのPV電池、ディスプレイ素子101の前の前面PV電池110、およびディスプレイ素子101の後ろの裏面PV電池120と一体化される。他の実施形態では、PV一体型ディスプレイデバイス100は、ディスプレイ素子101の前に単一のPV電池110を有してよく、あるいはディスプレイ素子101の背後に単一のPV電池120を有してよい。PV一体型ディスプレイデバイス100内のディスプレイ素子101は、透過性、反射性、半透過性、または放射性のディスプレイ技術を含む複数のディスプレイ技術のうち任意のものを備えてよい。そのような技術の実施例には、干渉型変調ディスプレイ、液晶ディスプレイ、薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ、真空蛍光ランプディスプレイ、発光ダイオードディスプレイ、有機発光ダイオードディスプレイ、電気泳動ディスプレイ、プラズマディスプレイ、または表面電界ディスプレイが含まれる。
【0056】
図10に示されるように、PV一体型ディスプレイデバイス100上に周辺光102が入射する。周辺光102が前面PV電池110内のPV材料を通過するとき、光の一部分が光起電力材料で受け取られて電気に変換され、光の別の部分106はディスプレイ素子101上に入射する。次いで、いくらかの光103がディスプレイ素子101を通過し、次いで、裏面PV電池120内のPV材料上に入射することができる。次いで、いくらかの光104も、ディスプレイ素子101によって反射または放射され、次いで前面PV電池110内のPV材料を通過し得る。そこで、光の一部分が光起電力材料で受け取られて電気に変換され、光105の別の部分は視聴者に送られる。
【0057】
ディスプレイ素子101は、穴、間隙または空隙、ならびに透明な物理的構造体などのディスプレイ素子101を通って周辺光102が透過するのを可能にするフィーチャを備えてよい。さらに、いくらかのアクティブなピクセル区域は透過性または半透過性でよい。したがって、ディスプレイ素子101の背後に配置されたPV電池120は、ディスプレイ素子101内の様々な構造体によってディスプレイ素子101を通って透過し得るいくらかの光103を取り込んでよい。そのとき、ディスプレイの背後のPV電池120の配置が、電気を発生するのに有利に利用され得る。
【0058】
同様に、様々な種類のディスプレイ素子101が、ディスプレイ素子101の前に形成されたPV電池110に一体化されてよい。そのような実施形態では、いくらかの周辺光102が、PV電池110によって取り込まれて電気を発生するのに用いられ得る。さらに、光104のうち、視聴者へ反射された、放射された、あるいはディスプレイ素子101を通って透過された、いくらかがPV電池110に吸収され、いくらかの残りの光105が視聴者に到達する。これは、ディスプレイ素子101のコントラストを低下させる可能性がある。しかし、ディスプレイ素子101の前に形成されたPV電池110は、画像品質に対するPV電池110の悪影響を低減するように、十分透過性に構成され得る。ディスプレイ素子101から反射または放射された光104に加えて、ディスプレイ素子101の前に位置するPV電池110が、周辺光102を吸収して電気に変換し、それによって電流を発生する。したがって、PV電池110がディスプレイ素子101のコントラストを低下させる可能性があるが、ディスプレイ素子101が、携帯電話または屋外のディスプレイなど、かなりの周辺光102を伴う環境内にあると予期され得る用途では、このトレードオフは、それだけの価値を有する可能性がある。したがって、いくつかの実施形態では、ディスプレイ素子101の前に配置されたPV電池110は、(特に反射性または半透過性のディスプレイの場合)十分な光106がディスプレイに当たるように、いくらかの入射光102がディスプレイに到達すること、ならびに十分な光104が、ディスプレイ素子101から透過され、放射され、あるいは反射されて視聴者に到達することの両方を可能にするように十分に透過性である。代替実施形態では、PV電池は、画像を発生するためには用いられないディスプレイ素子101内の区域の前に(例えばディスプレイの画像領域内のピクセルの間に)形成されるようにパターニングされてよい。
【0059】
図11は、PV一体型ディスプレイ100の概略図であり、説明の目的のために干渉型変調器ピクセル111を1つだけ示している。しかし、当業者なら、ディスプレイが、(例えば図7A〜図7Eに示されたもののような)何百、何千または何百万もの干渉型変調器ピクセルおよびサブピクセルを備えることができ、その原理および利点が、他の種類のディスプレイに一般化され得ることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、PV電池110および120は、電気を発生するための光を取り込むように、ディスプレイ素子101の前および/または背後に配置されてよい。PV一体型ディスプレイ100は、前面PV電池110ならびに裏面PV電池120の両方を有して示されているが、前面PV電池110のみ、または裏面PV電池120のみを備えてもよいことが理解されよう。PV電池110がディスプレイの前に配置される実施形態では、PV電池110に入射するいくらかの周辺光102a、102b、102cが電気を発生することになる。ディスプレイ素子101が見えるようにするために、PV電池110は、いくらかの光が次いでディスプレイ素子101内のピクセル111に透過するのを可能にするように、好ましくは部分的透過性である。次いで、PV電池110を通ってピクセル111へ透過された光は、視聴者へ部分的に反射され(104)(またはピクセルが暗状態のときには、反射はほとんどない)、また、ディスプレイの背後のPV電池120へ部分的に透過され得る。次いで、透過光103a、103b、103cは、さらなる電気を発生することができる。
【0060】
PV電池120がディスプレイ素子101の背後に配置された実施形態では、PV電池120は、光線103a、103b、103cによって示されるように、ディスプレイ素子を通って透過される、あるいはディスプレイ素子101を通り過ぎる周辺光102a、102b、102cを取り込むことができる。反射性または半透過性のディスプレイは、入射する周辺光を、必ずしもすべて吸収するとは限らず、視聴者の方へすべて反射するとも限らない。光は、多くの異なる理由により、(アクティブな画像領域または周辺で)ディスプレイ素子101を通過し得る。ディスプレイ素子101の背後にPV電池120を配置すると、電気を発生するために未使用の光を有利に取り込むことができる。
【0061】
例えば、ピクセルの周辺またはアクティブディスプレイ領域の近くに入射する周辺光102aは、アレイの縁端部またはピクセルの間などのディスプレイ内の間隙112を単に通過する可能性がある。さらに、干渉型ディスプレイ素子101は、不透明または半透明のフィーチャに、光が通過することができる穴、空間または間隙などのフィーチャを備えてよい。そのような領域または区域は、そのようなフィーチャが、見られる画像に悪影響を及ぼすのを防止するために、ブラックマスクを用いてマスクされることが多い。例えば、ディスプレイ素子101のアクティブな画像領域内に間隙112があると、下の背板113などの高度に反射性の構造体が露出して白色に見え、したがって画像が白っぽくなる恐れがある。これらの領域をマスクする代わりに、透過光103aを電気に変換するように、PV電池120がディスプレイ素子101の背後に配置されてよく、そのようなPV電池120は、ディスプレイ素子101を通過する光および視聴者へ戻る反射を吸収することにより、同時にブラックマスクとして役立つことができる。そのようなPV電池120は、ディスプレイの後ろまたは背後にある高度に反射性の面の前にあるように配向されてもよい。例えば、示された背板113は高度に反射性であり得るが、この高度に反射性の面は、ディスプレイ素子101の背後に位置する任意の高度に反射性の面でよい。ディスプレイ素子101は、周辺光がディスプレイを通って透過するのに寄与する他のフィーチャも備えてよい。例えば、このディスプレイは、支柱18、支柱栓42、レール、または柱などの物理的構造体を備えてよい。これらの構造体は、透明材料で作製されてよく、したがって、ディスプレイ素子101の背後に位置するPV電池120へかなりの光103cを透過することができる。
【0062】
さらに、反射性または半透過性のディスプレイ内のアクティブなピクセル111は、ディスプレイの背後に配置されたPV電池120へ、いくらかの光103bを透過することができる。例えば、MEMS反射器またはミラー14は、部分的に反射性でありながら、いくらかの光103bを透過することができる。これは、ミラー14を形成する金属層の厚さまたはミラー14内に形成された穴によるものであり得る。ミラー14の背後(ミラー14の反対側)に配置されたPV電池120がなければ、そのような光は浪費されることになる。
【0063】
(光線103aのように)ピクセルのまわりもしくはピクセルの間を通る光、および(光線103cのように)支持構造物18、42を通る光の例は、画像領域またはMEMSアレイ内の不活性領域を通過する光の利用を示す。材料は、そのような不活性領域を通る透過率を最大化するように選択することができる。同様に、ミラー14の形状、材料、および/または厚さは、MEMS干渉変調器用の可動ミラーの機能を犠牲にすることなく、(光線103bのように)ピクセルの活性領域を通るものの透過率を最大化するように選択することができる。
【0064】
図12は、前側の、光が入射する面上に視聴者への画像を表示するディスプレイ素子101を示す。ディスプレイ素子101は、画像領域121および非画像領域122を備える。画像領域は、少なくとも1つのアクティブなピクセル111aを含む。一般に、画像領域121は、アクティブなピクセル111a、111b、...、111nのアレイを含む。アクティブなピクセル111a、111b、...、111nは、本明細書の他のところで開示されるように、様々なディスプレイ技術で用いられる任意の種類のピクセルでよく、また、すべてのピクセルが同一タイプである必要性はない。例えば、それぞれのアクティブなピクセルは、干渉型変調器、LCDピクセル、または電気泳動ピクセルを備えるピクセルまたはサブピクセルでよい。
【0065】
図10および図11に示されるように、PV電池110は、ディスプレイ素子101の前に形成されてよい。したがって、図13は、画像領域内のディスプレイ素子101の上または前にPV電池110を含む、PV一体型ディスプレイデバイス100の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、PV活性材料はブランケット層であり、パターニングされないままである。有利には、PV電池110は、周辺光102、ディスプレイで発生された光104、またはその両方を受け取ることができるように配向される。例えば、PV電池110は、PV活性材料と電気的に接触する、パターン化透明導電性材料またはブランケット透明導電性材料を備えてよい。そのような導電層は、PV活性材料の前および/または背後にあってよく、PV材料が光102、104を両方向で受け取るのを可能にするように透明である。PV電池110も、PV活性材料と電気的に接触するがほとんどの光がディスプレイ100および/または視聴者へ透過するのを可能にするようにパターン化されている不透明電極を使用することにより、光を受け取ることができるように配向され得る。
【0066】
図14は、図13の1つのピクセル111aの拡大図であり、ディスプレイ素子101は、前のPV電池110の下に示されている。図14に示されるように、PV一体型ディスプレイデバイス100上に周辺光102が入射する。光102の一部分がPV活性材料81中に吸収されて電気を発生し、一方、いくらかの光106がピクセル111aへ透過する。いくつかの実施形態では、ピクセル111aは、干渉型変調器などの反射性のピクセルでよい。そのような実施形態では、ピクセル111aに入射する光106は、吸収される(暗いピクセル)、あるいは図示のようにピクセル111aに入射する光106のいくらかは反射される(「明るい」ピクセル)(例えば図1に関して上記で説明されたように「開状態の」干渉型変調器対「閉状態の」干渉型変調器)。ピクセル111aが主として反射性である実施形態では、ピクセル111aから反射するいかなる光104も、次いでPV材料81に部分的に吸収されることになり、一方、いくらかの光105が、次いで視聴者へ透過される。
【0067】
ピクセル111aが主として反射性である実施形態では、反射光104、105が、ディスプレイデバイス110によって表示される画像に寄与することになる。ピクセル111aが非反射性である実施形態では、いかなる反射光104、105も、画像を劣化させてギラツキの一因となる恐れがある。いくつかの実施形態では、PV電池110の上に反射防止膜またはパッシベーション層などの他の層が形成されてよい。様々な光学的機能、電気的機能、または機械的機能を果たす他の層も、PV電池110の上に形成されてよい。
【0068】
図14に示されるように、PV活性材料81は、回路内のPV電池110または120を接続するための前面電極および裏面電極への接触を改善する働きをすることができる透明導電性材料141と142との2つの層の間に挟まれてよい。PV活性材料81は、透明な導電材料の層の1つだけと電気的に接触するように構成されてよいことが理解されよう。透明導電層141、142により、PV活性材料81およびPV電池110は、一般に、PV電池110の前面または裏面から、光を受け取ることができ、受け取るように構成され得て、あるいは受け取るように配向され得る。図14に示されるように、透明導電層141、142により、入射する周辺光102が光起電力活性材料81ならびにディスプレイ素子101に到達することが可能になる。透明導電層141、142により、ディスプレイからの反射104からのいくらかの光105が視聴者に渡ることも可能になる。放射性ディスプレイまたは透過性ディスプレイなど、ディスプレイ素子101が光を放射または発生する実施形態では、透明導電層141、142は、ディスプレイで発生された光が視聴者に到達するのを可能にすることになる。他の実施形態では、前面PV電池110は、透明導電層141、142の代わりに、あるいは透明導電層141、142と電気的に接触させて、不透明電極を備えてよい。これらの実施形態では、前面PV電池110は、前面PV電池110が光線102および104を受け取るように、前面上または裏面上に適切にサイズ設定された開口を設けるように不透明電極を適切にパターニングすることにより、PV電池100の前面および/または裏面から光を受け取るように配向される。前面PV電池110に受け取られた光の一部分が吸収され、光106、105の一部分が透過される。
【0069】
図15は、PV一体型ディスプレイデバイス100の実施形態を示し、前面PV電池110は、ディスプレイの前に配置または形成される。図15に示されるように、ディスプレイ素子101は光源151を備えてよい。光源151は、LCDピクセルなどのアクティブなピクセルの背後から光を供給するように構成されたバックライトでよい。したがって、バックライトは、アクティブなピクセルのアレイの裏面または背後に形成されてよい。あるいは、光源151がピクセル自体を備えてよい。例えば、ディスプレイは、LEDが光を発生するLEDピクセルのアレイで構成されてよい。そのような実施形態では、個々のピクセルが、光源151として働くことができる。図15に示されるように、前面PV電池110は、光源151によって放射された光104など、ディスプレイ素子101によって放射された光104を受け取ることができるように配向される。前面PV電池110は、透明導電体または前述のようなパターン化不透明電極を使用することにより、ディスプレイ素子101によって放射された光104を受け取ることが可能であり得る。図示の前面PV電池110は、ディスプレイで発生された光104および周辺光102を取り込んで電気に変換することができる。前述のように、ディスプレイで発生された光104の、視聴者への透過における前面PV電池110での吸収による損失は、多くの場合有益なトレードオフであり得る。例えば、屋外のディスプレイまたはモバイルデバイスの用途では、PV一体型ディスプレイ100が、かなりの入射する周辺光を受け取ると予期されることがある。入射する周辺光から発生される電気量は重要であるが、前面PV電池110は、ディスプレイで発生された光105が十分に視聴者に到達するように、十分透過性に構成されてよい。
【0070】
透明導電層141、142は、任意の透明導電材料を含んでよい。多くの透明導電材料は透明導電酸化物(TCO)である。TCO層は、光を阻止することなくPV材料への電極コンタクトを改善するために、光起電力材料、特に薄膜光起電力材料とともに使用されることが多い。機能的に、TCOは、前面電極または裏面電極の一部分を電気的に形成してよく、これらの電極は、一般にTCO材料と電気的に接触する不透明金属の電極または導電電極を備える。ディスプレイの用途では、不透明電極は、PV材料がかなりの光を取り込むことができる大きなウィンドウを形成するようにパターニングされてよい。あるいは、電極は、画像表示領域の外側の透明導電材料とすべて接触してよい。当業者に既知のように、通常のTCOは、インジウムスズ酸化物(ITO)である。ITOを形成する方法または堆積する方法は、当技術分野で周知であり、電子ビーム堆積、物理的気相成長またはスパッタ堆積の技法を含む。他のTCO材料および製造プロセスも用いられてよい。TCO層は、他の実施形態では省略することができる。
【0071】
一般に、ディスプレイ100の前に形成されるPV電池110は、前述のように薄膜光起電力材料を備えてよい。薄膜PV電池のいくつかの利点には、デバイスのフットプリントが小さいことおよび製造プロセスのスケーラビリティがある。PV電池110がディスプレイ100の前に配置される用途では、薄膜PV電池は、部分的透過性に設計されてよい。PV電池がディスプレイの前に配置される実施形態では、透過率は、表示画像が優れたままであるように十分に高いのが望ましいが、透過率が高いとPV電池の効率が低下する。依然として所望の発電を得たままでディスプレイに高画像品質を保つために、いくつかの実施形態では、透過率は、望ましくは50%と95%との間にあり、好ましくは約60%と80%との間にある。
【0072】
図16は、PV一体型ディスプレイデバイス100の別の実施形態を示し、PV電池120は、画像領域121内でディスプレイの裏面の上に形成されている(図12を参照されたい)。多くのディスプレイが、入射する周辺光103cをディスプレイ100の裏へ透過することができるアクティブなピクセルの間に空間または間隙161を有するので、PV電池120は、有利には、図16に示されるようにディスプレイ素子101の背後に配置されてよい。したがって、いくつかの実施形態では、ディスプレイ100は、アクティブなピクセル111a、111bの間に間隙161または他の構造を備えてよく、周辺光103cが、裏面PV電池120およびPV材料81に到達するのを可能にすることができる。ディスプレイ100は、少なくとも部分的に透明で周辺光103cがPV活性材料81に到達するのを可能にすることができる画像領域121内に、不活性の構造体162も備えてよい。図示の実施形態では、不活性の構造体162は、ディスプレイ素子101のピクセルアレイまたは画像領域の不活性領域内に形成された支持体である。例示的透明材料は、二酸化ケイ素(SiO)、二酸化チタン(TiO)、フッ化マグネシウム(MgF)、クロム(III)酸化膜(Cr)、窒化シリコン(Si)などの誘電体を含んでよい。しかし、任意の透明材料または部分的透明材料が、不活性の構造体162に用いられてよい。
【0073】
図16のディスプレイ素子101は、光源151も備えてよく、PV電池120は、光源151からの光163を受け取って電気に変換することができるように配向され、構成されている。裏面PV電池120は、透明導電体または前述のようなパターン化不透明電極を使用することにより、光源151によって放射された光163を受け取ることが可能であり得る。したがって、PV電池120は、ディスプレイで発生された、表示画像を発生するために視聴者の方へ向かうのでない、したがって回収されなければ浪費されることになる光163からエネルギーを回収するのを助長し得る。光源151は、バックライト、発光ピクセルまたは反射性ピクセルを照らすための前面光でよい。
【0074】
図16に示されるように、裏面PV電池120は、PV活性材料81の背後に形成された不透明電極164を備えてよい。しかし、いくつかの用途では、光は、前面および裏面の両方からディスプレイ上に入射してよい。例えば、裏面PV電池120の、照らされたディスプレイ素子101から反対側に、別のディスプレイが形成または配置されてよい。そのような実施形態では、裏面PV電池120は、2つのディスプレイの間に挟まれてよく、そのために、不透明電極164は、(図15の142のように)透明な導電材料で置換されてよい。さらに、透明導電層141の上に不透明電極165が形成されてよい。しかし、裏面PV電池120の表面の光への露出を最大化するために、ほとんどの光がディスプレイを透過してPV活性材料81に到達するのを可能にするために、PV電池は、電極165が、わずかな光または比較的少量の光しかディスプレイ素子101を透過しないと予期される領域しか覆わないように選択的にパターニングされるように構成され、あるいは配向される。
【0075】
図17は、図16のものに類似のPV一体型ディスプレイ100の実施形態を示し、ディスプレイ材料101は干渉型変調器を備える。いくつかの実施形態では、干渉型変調器は主として反射性である。しかし、主として反射性のディスプレイさえ、ディスプレイの裏へかなりの光を透過する。したがって、この光を取り込むように、ディスプレイ素子101の背後にPV電池120が配置されてよい。周辺光103cは、支柱、柱、レール(例えば、図7A〜図7Eの18、42を参照されたい)または透明もしくは半透明の材料で作られている他の構造などの不活性の構造体162、ならびに空隙または間隙を通ってPV電池120に到達することができる。干渉型変調器ピクセルのアレイを有する一実施形態では、ディスプレイ素子101は、反射層14の行または列の間に空間または間隙171も含んでよい。これらの間隙は、光103bを、下のPV電池120へ透過することも可能であり得る。
【0076】
以前に説明されたように、干渉型変調器ピクセルは、光吸収器(図1の光学積層体16内に形成される)、反射器14、および可変光キャビティまたは垂直の間隙19を備えてよい。しかし、反射器14または反射層さえ、ディスプレイ素子101の背後に配置されたPV電池120へ、いくらかの光が透過するのを可能にすることができる。例えば、反射器14は、光が通過するのを可能にする小さな穴172を備えてよい。小さな穴172は、製造プロセスにおいて有益であり得る(例えば、エッチングガスが犠牲材料に到達するのを可能にする一方でMEMSを「解放し」、また、ディスプレイによって発生された画像にほとんど影響を及ぼさない)。また、小さな穴172は、反射器14が上または下へ移動するとき、空気が通るのを可能にすることにより、反射性の膜14またはミラーが(図1に示されるように)作動状態から緩和状態へ容易に移るのを可能にするのを助長し得る。ディスプレイの背後にPV電池120を配置することは、これらの穴172ならびに前述の不活性の構造体162を、光を取り込んでそれを用いて電気を発生するのに利用する。
【0077】
さらに、干渉型変調器ピクセルは、部分的透過性に構成または設計されてよく、したがって、アクティブなピクセルは、かなりの周辺光が通過してPV電池120およびそのPV活性材料81に到達するのを可能にすることができるように設計されてよい。一般に、反射器14は、例えば、アルミニウム(Al)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、タングステン(W)、鉄(Fe)、金(Au)、銀(Ag)、およびクロム(Cr)またはMoCrなどの前述の合金などの金属層を備えてよい。反射器14は、一般に不透明になり得るほど十分に厚い(例えば300nm以上)。しかし、他の実施形態では、反射器14は「半透過性の」IMODディスプレイ用の部分的反射器である。特定の実施形態の反射器14の透過率は、反射器14の厚さ次第である。一般に、部分的反射器である金属反射器14は、20Åと300Åとの間にあり、好ましくは225Å未満である。PV一体型ディスプレイ100の様々な実施形態の反射器14において薄い半反射性の層を用いることにより、干渉型変調器は、ディスプレイピクセルのアクティブなアレイを約5%から約50%が通過して光起電力材料に到達するのを可能にするように構成されてよい。
【0078】
本明細書に開示された様々な実施形態は、様々なやり方で製造されてよい。例えば、画像領域内にアクティブなピクセルのアレイを備えるディスプレイは、PV電池およびディスプレイのうちの1つを他方の上に積層することによってPV電池に一体化されてよい。あるいは、ディスプレイの背後に配置されたPV電池については、PV電池は、用途次第で、金属または透明であり得る背板上に形成されてよい。次いで、背板がディスプレイに取り付けられてよく、ディスプレイデバイスの裏面を形成する。PV電池がディスプレイの前に配置される他の実施形態では、ガラスまたはプラスチックなどの透明なカバー板上にPV電池が形成されてよい。カバー板は、次いでディスプレイ上に取り付けられるか積層されてよく、あるいは、ディスプレイは、次いでカバー板の一方の面上または反対側の面上に形成または堆積されてよい。
【0079】
他の実施形態では、ディスプレイおよびPV電池は、当業者に既知の様々な堆積技法を用いて、同一基板の両側の面上に形成されてよい。例えば、ガラス基板は、基板の片側面上にディスプレイを形成するための基板(例えば図1および図7A〜図7Eの基板20)として使用されてよい。PV電池も基板の反対側の面上に形成されてよい。例えば、最初に片側の面上にPV電池が堆積されてよく、次いで反対側の面上にディスプレイが堆積されてよい。PV電池およびディスプレイの堆積は、様々な実施形態で達成されてよく、PV電池がディスプレイの前または背後に配置されるのを可能にすることが当業者には理解されよう。
【0080】
前述の詳細な説明は、本発明のいくつかの実施形態を開示しているが、この開示が単なる例示であって、本発明を限定するものではないことを理解されたい。開示された特定の構成および作用は、前述のものと異なるものであり得て、本明細書で説明された方法は、半導体デバイスの製造と別の状況で用いられ得ることを理解されたい。当業者なら、一実施形態に関して説明された特定の特徴が、他の実施形態にも適用可能であり得ることを理解するであろう。例えば、干渉型スタックの様々な特徴が、光電池、光起電力のデバイスまたはアレイの前面に関して論じられており、そのような特徴は、光電池、光起電力のデバイスまたはアレイの裏面の上に形成された干渉型スタックに容易に適用可能である。例えば、様々な反射器の特徴が、PVデバイスの前面の上に形成された干渉型変調器の様々な実施形態に関して論じられてきた。そのような反射器の特徴は、部分的反射器の使用を含んでPVデバイスの裏面の上に形成された干渉型変調器にも適用可能であり、あるいは、干渉型変調器のいくつかの実施形態については、裏面電極を反射器として使用するのと同時に反射器を省略するのに適用可能である。
【符号の説明】
【0081】
12a,12b 干渉型変調器
14a,14b 可動反射層
16,16a,16b 光学積層体
18 支柱
19 間隙
20 透明基板
21 プロセッサ
22 アレイドライバ
24 行駆動回路
26 列駆動回路
27 ネットワークインターフェイス
28 フレームバッファ
29 ドライバコントローラ
30 ディスプレイ
32 テザー
34 変形可能な層
40 ディスプレイデバイス
41 容器
42 支柱栓
43 アンテナ
44 バス構造
45 スピーカ
46 マイクロホン
47 トランシーバ
48 入力デバイス
50 電源
52 調整用ハードウェア
80 PV電池
81 PV材料
81a n形半導体材料
81b p型半導体材料
81c 真性シリコン層
82 裏面電極
83 前面電極
84 反射防止コーティング
85 外部回路
86 電池
90B 薄膜PV電池
91 ガラス基板
92 電極
93 光共振キャビティ
94 反射器
100 ディスプレイデバイス
101 ディスプレイ素子
102,102a,102b,102c 周辺光
103a,103b,103c 透過光
104,105,106 光
110 PV電池
111 干渉型変調器のピクセル
111a,111b,111c アクティブなピクセル
112 間隙
113 背板
120 PV電池
121 画像領域
122 非画像領域
141,142 透明導電層
151 光源
161 間隙
162 不活性の構造体
163 光
164,165 不透明電極
171 間隙
172 穴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面へ画像を表示し、前記前面の反対側に裏面を有するディスプレイデバイスであって、
画像領域内にアクティブなピクセルのアレイを備えるディスプレイと、
前記画像領域内において前記ディスプレイの前記前面および前記裏面のうちの1つの上に形成された光起電力材料を備える光電池であって、光を受け取ることができるように配向された光電池とを備えるディスプレイデバイス。
【請求項2】
前記光起電力材料がブランケット層である請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記光電池が、周辺光を受け取ることができるように配向された請求項1に記載のデバイス。
【請求項4】
前記ディスプレイが光源をさらに備え、前記光電池が、前記光源によって放射された光を受け取ることができるように配向される請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記画像領域において前記ディスプレイの前記前面上に形成された光起電力材料を備える前面光電池と、
前記画像領域において前記ディスプレイの前記裏面上に形成された光起電力材料を備える裏面光電池とをさらに備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項6】
前記光起電力材料が、堆積された薄膜光起電力材料を備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項7】
前記光起電力材料が、単結晶光起電力材料を備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項8】
前記光起電力材料が、前記画像領域内の前記ディスプレイの前記前面の上に形成される請求項2に記載のデバイス。
【請求項9】
前記光電池が、周辺光ならびに前記ディスプレイによって発生された光の両方を受け取って電気に変換することができる請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記光電池が、前記光起電力材料の前記前面上および前記裏面上の前記光起電力材料と電気的に接触する透明導電膜を備える請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記光起電力材料が、前記光起電力材料に入射する可視光の70%を上回る透過率を有する請求項8に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ディスプレイが、微小電気機械システム(MEMS)デバイスを備える請求項8に記載のデバイス。
【請求項13】
前記アクティブなピクセルが、光吸収器、反射器、および前記光吸収器と前記反射器との間の可変間隙をそれぞれ備える干渉型変調器を備える請求項12に記載のデバイス。
【請求項14】
前記ディスプレイが光源をさらに備え、前記光電池が、前記光源からの光を受け取って電気に変換することができるように配向される請求項8に記載のデバイス。
【請求項15】
前記光源が、アクティブなピクセルの前記アレイの背後に光源を備える請求項14に記載のデバイス。
【請求項16】
前記アクティブなピクセルが、液晶ディスプレイピクセルを備える請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記アクティブなピクセルが、発光性のアクティブなピクセルである請求項8に記載のデバイス。
【請求項18】
前記発光性のアクティブなピクセルが、発光ダイオード、有機発光ダイオード、電界放出ディスプレイ、および液晶ディスプレイから成る群から選択される請求項17に記載のデバイス。
【請求項19】
前記光起電力材料が、前記画像領域内の前記ディスプレイの前記裏面の上に形成される請求項2に記載のデバイス。
【請求項20】
前記ディスプレイが、周辺光が前記光起電力材料に到達することを可能にすることができる前記アクティブなピクセルの間に間隙を備える請求項19に記載のデバイス。
【請求項21】
前記ディスプレイが、前記アレイ領域内に不活性の構造体をさらに備え、前記不活性の構造体が、少なくとも部分的に透明であって、周辺光が前記光起電力材料に到達するのを可能にすることができる請求項19に記載のデバイス。
【請求項22】
前記ディスプレイが主として反射性である請求項19に記載のデバイス。
【請求項23】
前記アクティブなピクセルが、部分的透過性に構成され、前記部分的透過性のアクティブなピクセルが、周辺光が通過して前記光起電力材料に到達するのを可能にすることができる請求項19に記載のデバイス。
【請求項24】
前記アクティブなピクセルが、微小電気機械システム(MEMS)デバイスを備える請求項19に記載のデバイス。
【請求項25】
前記アクティブなピクセルが、干渉型変調器を備え、各干渉型変調器が、光吸収器、反射器、および前記光吸収器と前記反射器との間の可変間隙を備える請求項24に記載のデバイス。
【請求項26】
前記反射器が、前記反射器に入射する可視光の約50%までが前記光起電力材料に到達するのを可能にするように構成される請求項25に記載のデバイス。
【請求項27】
前記反射器が、225Å未満の厚さを有する金属層である請求項25に記載のデバイス。
【請求項28】
前記ディスプレイが光源をさらに備え、前記光電池が、前記光源からの光を受け取って電気に変換することができるように配向される請求項19に記載のデバイス。
【請求項29】
前記光源が、アクティブなピクセルの前記アレイの背後に光源を備える請求項28に記載のデバイス。
【請求項30】
前記アクティブなピクセルが液晶ディスプレイピクセルを備える請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記ディスプレイと通信し、画像データを処理するように構成されたプロセッサと、
前記プロセッサと通信するように構成されたメモリデバイスとをさらに備える請求項1に記載のデバイス。
【請求項32】
前記ディスプレイに少なくとも1つの信号を送るように構成された駆動回路をさらに備える請求項31に記載のデバイス。
【請求項33】
入力データを受け取って、前記プロセッサに前記入力データを伝達するように構成された入力デバイスをさらに備える請求項31に記載のデバイス。
【請求項34】
前面へ画像を表示するように構成され、前記前面の反対側に裏面を有するディスプレイデバイスを製造する方法であって、
画像領域内にアクティブなピクセルのアレイを備えるディスプレイを設けるステップと、
前記画像領域内において前記ディスプレイの前面および裏面のうちの1つの上に光起電力材料を配置するステップとを含む方法。
【請求項35】
前記光起電力材料の前記裏面上の前記光起電力材料と電気的に接触する透明導電膜を形成するステップをさらに含む請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記光起電力材料を配置するステップが、前記アレイ領域の前面または裏面の上に前記光起電力材料を積層するステップを含む請求項34に記載の方法。
【請求項37】
光学的に適当な基板上に薄膜光起電力材料を形成し、前記アレイ領域の前面または裏面の上に前記基板を積層するステップをさらに含む請求項36に記載の方法。
【請求項38】
画像領域においてディスプレイ素子の前面および裏面のうちの1つで光起電力材料に光を受け取るステップと、
前記光を電気に変換するステップとを含む、ディスプレイを作動させる方法。
【請求項39】
後に使用するために前記電気を蓄えるステップをさらに含む請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記ディスプレイおよび前記ディスプレイに関連した電気デバイスのうちの1つに電力を供給するのに前記電気を用いるステップをさらに含む請求項38に記載の方法。
【請求項41】
前記電気が、前記ディスプレイおよび前記電気デバイスの両方に電力を供給するのに用いられる請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記光起電力材料を通して前記光を通過させるステップと、
前記光の一部分を受け取って前記光起電力材料で電気に変換し、前記ディスプレイ素子上に入射する前記光の別の部分を通すステップとをさらに含む請求項38に記載の方法。
【請求項43】
前記ディスプレイ素子を通して前記光を通過させるステップと、前記光の一部分を受け取って前記光起電力材料で電気に変換するステップとをさらに含む請求項38に記載の方法。
【請求項44】
前面へ画像を表示し、前記前面の反対側に裏面を有するディスプレイデバイスであって、
画素化された画像を表示するための手段と、
前記表示するための手段の前面および裏面のうちの1つの上に配置された、光を電気に変換するための手段とを備えるディスプレイデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2011−504600(P2011−504600A)
【公表日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−530122(P2010−530122)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【国際出願番号】PCT/US2008/080222
【国際公開番号】WO2009/052324
【国際公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.GSM
【出願人】(508095337)クォルコム・メムズ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド (133)
【Fターム(参考)】