説明

一定流れ調整器機構

【課題】可変の流体圧力が作用したとき、流体の一定の流れを維持する。
【解決手段】可変流体圧力が加えられるときに、流体の一定の流れを維持する一定流れ調整器機構であって、流体が入ってくる入口管506と、ハウジング500と、入口管に面し弾性力を受けた可動仕切り502とを備える。断面積が可変な流体通路510は、入口管と可動仕切りとの間に形成される。ハウジング及び可動仕切りは、内部コンパートメントの内側に入口管の流体圧力にほぼ等しい流体圧力を確立するため、入口管と流体が連通する内部コンパートメント504を形成する。可動仕切りのサイズは、使用において、流体通路断面積を減じるため入口管内の流体圧力が増加したとき、仕切りが弾性力に抗して入口管側へ移動するように、及びその逆にも動作し、それによって、一定の流体流れを維持するように、入口管のサイズよりも非常に大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には、可変の流体圧力が作用したとき、流体の一定の流れ、好ましくは気体又は気体混合物の流れを維持するための一定流れ調整器機構に関する。流体の流れは、ml/sで測定可能である。特に、創造性のある一定の流れ調整器機構は、少なくともある動作範囲内で、作用する流体圧力にかかわらず実質的に一定の流体流れを維持するように構成される。
【背景技術】
【0002】
以前に知られている流体流れ調整器機構は、ばね、ダイアフラム、バルブ、及び弁座のように、いくつかの異なった相互に作用する部分を有する比較的複雑な機構である。これらの機構は、高精度での製造を要する多くの部品が必要でありかつ高い組立コストのため、製造するのが比較的高価である。以前に知られている機構の他の問題は、信頼度及び耐久性に関する。
【0003】
米国特許3463182は、変形可能なダイアフラム42におけるオリフィス50を通して流体が流れる一定の圧力流れ調整器を開示する。増加圧力下で流体が入口管22に作用したとき、ダイアフラムと入口管の肩24との間でオリフィス51を形成するように、ダイアフラムは変形する。その後、流体は、開口30を通り逃れるため、入口管22、オリフィス51及びオリフィス50を通過可能である。しかしながら、この調整器は、一定の流体圧力を生成するために設計されており、一定の流体流れを生成するために用いることができない。
【0004】
【特許文献1】米国特許3463182
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされ、簡易で信頼でき正確な一定流れ調整器機構を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、一定流れ調整器機構により流体の流れを一定に維持するための簡単な機構に基づく。基本概念は、入ってくる流体用の入口管又は開口と流体が連通する、膨張可能な内部コンパートメントを使用することである。内部コンパートメントは、入口管に面し弾性力を受けている可動の仕切りにより設定される。可動仕切りのサイズは、流体から可動仕切りへの圧力が外側よりも内側で大きく仕切りを入口管側へ移動するように、入口管のサイズよりも著しく大きい。
【0007】
上述したサイズ差により、入口管及び内部コンパートメントの圧力が増加したとき、弾性力に逆らって仕切りが入口管側へ移動して内部コンパートメントは膨張する。その結果、増加した圧力のため仕切りが移動するとき、機構を通過する流体に関する仕切りと入口管との間の通過領域は、減少される。このように、たとえ流体圧力が上昇しても、機構を通過する流体流れは、実質的に一定に維持される。入口管にて流体に作用する圧力が減少したとき、その結果内部コンパートメントにて減じた流体圧力のため、仕切りが弾性力により元に戻るように移動したとき、内部コンパートメントは縮み、それにより、機構を通過する流体の流れを一定に維持するように通過領域が増加する。
【0008】
弾性力は、可動仕切りにおいて、又はその少なくとも一部において、ゴム又は他のポリマーのような弾力のある材料を用いることにより得ることができる。好ましくは、仕切りに作用する弾性力の特性は、通過領域が流体圧力の変化に最適に応答して変化するように選択される。弾性を有する仕切りの最適の弾力特性は、適切な材料、及び/又は、弾性部分の厚さの選択により得られることができる。仕切りの移動が流入流体の圧力の変化の二乗に比例するように弾性力の特性が選択された場合、満足な結果を得ることができる。例えば、流入流体の圧力が4倍に増したならば、仕切りと入口管との間の流体通路は、半分のサイズになるであろう。
【0009】
一定の流れ調整器機構を出る流体の適した出口開口は設けることができるが、本発明はこの点で制限されていない。さらに、入口管と内部コンパートメントとの間の流体の連通は、入口管から入ってくる流体の近くにおける高圧領域に位置する、仕切りにおける開口により、又は、入口管と内部コンパートメントとの間の独立した流体接続導管により得ることができる。
【0010】
入ってくる媒体の圧力が低いとき、内部コンパートメントは容積を有する必要がないが、膨張可能であり、よって、入ってくる媒体の圧力が増したとき、容積を増加可能であることに注目すべきである。
【0011】
本発明の一つの態様に係る一定の流れ調整器機構は、請求項1にクレームされる。本発明の別の態様による流体の流れを一定に維持する方法は、請求項13でクレームされる。本発明の好ましい実施形態は、従属項にて規定されている。
【0012】
創造性のある一定の流れ調整器機構は、単に、ハウジングと、可動の仕切りを有する膨張可能な内部コンパートメントとにより作製可能であるので、製造が簡単である。さらに、機構を構成する部品は、必ずしも高価ではない。その結果、すべて安い機構となる。それにもかかわらず、本発明による機構は、信頼性があり、小数のかつ通常の部品の使用により高い耐久性を有する。
【0013】
好ましい実施形態では、可動な仕切りの少なくとも一部は、ダイアフラムを備える。例えば、ダイアフラムは、平ら又はドーム型とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の好ましい実施形態について、添付の図に示した例示により以下に説明する。
【0015】
上述したように、膨張可能な内部コンパートメントが使用可能である。内部コンパートメントは、入口圧力が増加したとき、当該機構を通過する流体流れに関する通過領域を減じるように膨張する。一方、入口圧力が減少したとき、内部コンパートメントは縮み、よって通過領域が拡がり、よれにより一定の流体流れが維持される。
【0016】
図1には、第1の実施形態に係る一定の流れ調整器機構が示されている。該機構は、互いに対向して配置された第1壁3及び第2壁4を有するチャンバー2を構成するハウジング1を備える。第1の実施形態において、側壁5は、第1及び第2の壁3,4とともに接合されている。しかしながら、側壁は、必ずしも必要ではない。例えば図4に示す第3の実施形態では、第1及び第2の壁3,4は、チャンバー2とともにハウジング1を構成するために、ともに接合されている。
【0017】
流入する流体流れ、即ち、一定に維持されるべき流れは、第1壁3に、例えば接続片とともに設けられる入口管又は開口6を通して入る。出て行く流体流れは、接続片とともに設けることができる少なくとも一つの出口開口7を通して機構から出る。この実施形態では、出口開口7は、側壁5に配置される。しかし、また、出口開口7は、図2又は図4にそれぞれ示される第2及び第3の実施形態のように、第1壁3に配置することもできる。又、以下に述べるように、内部コンパートメント9の外側で利用可能なスペースに依存して第2壁に出口開口を有することも考えられる。
【0018】
図1に示される第1の実施形態によれば、内部コンパートメント9は、第2壁4とともに内部コンパートメントを構成するチャンバー2の内部に可動の仕切り8を配置することにより形成される。仕切り8は、ゴム又は他のポリマーのような弾性材料で作られている。内部コンパートメントは、好ましくは可動仕切り8に、入口管と内部コンパートメントとの間の流体の連通のために、可動仕切り8の中央部の好ましいいずれかの場所に開口10を設けている。入口管6もまた、第1壁3の中央部のいずれかの場所に配置され、よって可動仕切り8における開口10にほぼ対向する。しかしながら、開口10が入口管6にて流入する流体の高圧力領域付近に位置する限り、入口管6及び開口10は、一直線に配列される必要はない。入ってくる媒体の圧力が低いときに、内部コンパートメント9はいかなる容積も有する必要がないことも可能であるが、膨張可能であり、よって入ってくる媒体の圧力が増加したときには、ある容積を示すことができる。
【0019】
上述したように、最初に、機構の部分の入口壁3及び内部コンパートメント9は、接続する必要はない。それらは、例えば互いに隣接し相対的に固定された位置に配置することができる。
【0020】
使用において、可動仕切り8は、入口管から離れる方向に基本的に作用する弾性力を受けている。一方、内部コンパートメント内の流体圧力は、入口管側への方向、つまり反対方向であり弾性力に抗する方向に仕切り8を移動するように作用する。好ましくは、第1の実施形態に示されるように、弾性力は、仕切り内に弾性材料を用いることにより得られる。入ってくる流体流れの圧力によって、内部コンパートメント9は、多かれ少なかれ「膨張」し、つまり可変の内部容積を有し、それにより、可動仕切りは、入ってくる流体圧力が変化したとき、第1壁3側へ、又は第1壁3から離れるように、それぞれ移動するであろう。
【0021】
好ましくは、仕切りにおける弾性材料の弾力の特性は、上記通過領域が可変流体圧力の変化に応答して最適に変化するように、例えば仕切りの移動変化が圧力変化の二乗に比例するように、選択される。それによって、入口管に入ってくる流体の圧力に上記弾性力を加えた力と、内部コンパートメント内の流体圧力からの反対方向への力との間のバランスが達成される。
【0022】
入口管6付近の可動仕切り8及び第1壁3と、開口10との間で、流体通路11は、可動仕切り8と第1壁3との間の距離に依存する断面積を有して存在する。可動仕切り8が第1壁3側へ又は第1壁3から離れて移動するとき、流体通路11の断面積は、それぞれ減少又は増加する。即ち、可動仕切り8と第1壁3との間の通路11は、減じられたり、広げられたりする。このように、通路11を通る流体流れ、及び一若しくは複数の出口開口7から排出される流れは、実質的に一定を維持するように、流体圧力の変化は、上記流体通路のサイズの変化により補償される。流体流れは、ml/sで測ることができる。
【0023】
好ましくは、一若しくは複数の出口開口7の断面積は、通路11にて全ての圧力降下が生じるように出口の流れを妨害しないため、流体通路11の断面積よりも実質的に大きい。
【0024】
入口管又は開口6、一若しくは複数の出口開口7、開口10、弾性力の特性により決定されるような内部コンパートメント9の「膨張可能性」、及び可動仕切り8と入口管6との間の距離のある測定値を選択することにより、所望範囲、又は入ってくる流体の圧力の間隔にて、当該機構を通して一定の流体流れを提供するように動作する機構を設計することが可能になる。当業者は、それらの測定値に関するテストを行うことにより、所望の圧力間隔において一定の流体流れを提供する一定流れ調整器機構を得ることができる。
【0025】
内部コンパートメント9は、例えば図2に示す実施形態を参照し、第2壁4、側壁5、及び可動仕切り8により形成することもできる。
【0026】
好ましくは、可動仕切り8の少なくとも一部は、弾性力を提供する弾性ダイアフラム12で作製可能である。図1に示される第1の実施形態において、可動仕切り8は、ドーム型のダイアフラム12であり、図4に示される第3の実施形態において、可動仕切り8は、実質的に平らなダイアフラム12である。図2に示される第2の実施形態において、可動仕切り8は、開口10が形成されプラスチック又は金属のような硬質材料の板13と、ゴムのリングのような部分的なダイアフラム12とを備える。可動仕切り8は、流体漏れのない方法にてハウジング1内にはめられるべきである。板13及び、またハウジング1は、好ましくは円形状であるが、勿論、他の形状を採ることができる。
【0027】
上述したように、流体流れ調節は、入口圧力からの力にダイアフラム(ダイアフラムが少なくとも部分的に使用された場合)の弾性からの力を加えた力と、内部コンパートメントの内側の流体圧力からの、反対方向における力との間のバランスの達成に基づいている。
【0028】
図5では、創造性のある一定の流れ調整器機構の第4の実施形態が図示され、これは、本発明の基本的なメカニズムをより詳細に以下に説明するために用いられる。
【0029】
ハウジング500、及び弾性のダイアフラム502として作製された可動仕切りは、入ってくる流体用の入口管506と固定された関係にて配置される内部コンパートメント504を形成し、ダイアフラム502は、入口管506に面する。ダイアフラム502のサイズは、入口管506のサイズよりも著しく大きい。後者は、静的圧力と動的圧力との合計である流体圧力が入口管506に作用したとき、高圧力領域を構成する。ダイアフラム502は、入口管506の近くに、入ってくる流体と内部コンパートメント504との間の流体の連通を提供する開口508を有している。それにより、入口管506内の「A」での相対的に高い静的流体圧力が、開口508により、内部コンパートメント504内の「B」にも基本的に存在する。
【0030】
内部コンパートメント504内の流体圧力は、小さい矢印にて示すように、つまり入口管506の方向にて、弾性のダイアフラム502の内側に一様に作用する。入口管506とダイアフラム502との間に、上述の実施形態1〜3における通路11に関する記述のように、ダイアフラム502の移動により変化する断面積を有する流体通路510が形成される。入ってくる流体は、流体通路510を通り逃げ、入口管506の直後、図内の「C」にて、低圧力領域が基本的に形成されるように、通路510に沿って流体圧力は低下する。それによって、入口管506付近の内部コンパートメントの中央領域(高圧力領域)に比較して相対的に低い流体圧力は、内部コンパートメント504の外側であるその周縁領域(低圧力領域)でダイアフラム502に作用する。
【0031】
入口管506に比較してダイアフラム502のより大きなサイズにより、流体圧力からのダイアフラム502への力は、外側よりも内側が大きく、ダイアフラム502を入口管506側へ移動させ、それにより流体通路510を減少させる。しかしながら、流体圧力は、ダイアフラム502に内在する弾性力によって平衡を保たれ、このことは、少なくともある作動圧力間隔内で、通路510が開いた状態に留まることができることを意味する。その結果、流体通路510は、流体圧力が変化したときに当該機構を通過する流体流れが実質的に一定を維持するように、入ってくる流体の圧力が増加したときには減少し、及びその逆にも動作する。ダイアフラム502の弾力の特性は、作動圧力範囲又は間隔内で最適な移動を提供するように、例えばダイアフラムの移動が圧力変化の二乗に比例するように、選択可能である。
【0032】
図内で符号512の点線で示すように、ハウジング500は、流体が排出可能な出口開口514を含めて、出て行く流体を集めるための適宜な形態にて形成可能である。
【0033】
図6では、創造性のある一定の流れ調整器機構の第5の実施形態が示され、これは、ダイアフラム502に開口508を有しない点で図5の第5実施形態とは異なる。その代りに、流体入口管602と内部コンパートメント604との間に、独立して流体接続導管600が配置される。内部コンパートメント604は、開口の無い弾性のダイアフラム606にて作製された可動の仕切りを有する。流体圧力は、内部コンパートメント604内で均一であるので、接続導管600は、内部コンパートメント604に、適切ないずれの位置にて接続可能である。
【0034】
よって、入口管602における流体圧力は、流体接続導管600の全体にわたる「D」に存在し、また、内部コンパートメント604内の「B」にも存在するであろう。流体圧力が変化したとき、一定の流体流れを得るために、弾性のダイアフラム606を移動させるためのメカニズムは、前の実施形態1〜4で述べたものと基本的に同じである。
【0035】
入ってくる流体圧力が変化しなければ、流体接続導管600を通って流体は流れないので(その後全く少量の流体だけ)、入口管602における全圧の静止部分のみが導管600内に存在可能である。したがって、この実施形態では、流体入口管602は、好ましくは、可動仕切りに近接した狭い部分、及び管602からさらに離れ導管600への入口が位置する広い部分を有して形成される。このように、全圧の動的部分は、より遅い流れ速度のため、図内の「A」の狭い部分にて有意であり、「A」の広い部分においてそれほど重要ではない。したがって、全圧は、基本的に全圧がすべて内部コンパートメント604に伝えられるように、「A」での静止部分によって支配されるであろう。それにより、圧力変化に対して機構をより応答させることになる。
【0036】
図7は、第6の実施形態による一定の流れ調整器機構の入口管700の正面図を示し、それは、図5及び図6の入口管506、602の端部、又は、図1〜図4に示す入口開口6のまさに内側に配置可能である。過剰な流体圧力により可動仕切りが入口管又は開口に接触して移動するならば、流体通路11又は510が完全に閉じられるという危険性を排除するため、複数の突出するノブ又はリブ702が、可動仕切りに面する入口管又は開口のまわりの端面に配置される。さらに、突出するノブ又はリブ702は、例えば、可動仕切りの材料の選択、及び/又はその弾性部分の厚みを組み合わせて、上記弾性力の特性にさらに影響を及ぼすために、任意に用いることができる。
【0037】
図8では、創造性のある一定の流れ調整器機構の第7の実施形態が示され、該第7実施形態は、弾性エレメントによりハウジング802に接続される、剛体の可動仕切り800を用いることにより、前の実施形態1〜6とは相違する。上記弾性エレメントは、仕切り800に作用する上述の弾性力を提供可能で、ここでは弾性ベローズ804等にて示されている。内部コンパートメント806は、仕切り800、ハウジング802、及びベローズ804によって形成される。内部コンパートメント806は、例えば、この図に示されるように仕切り800における開口808、又は図7に示されるように流体接続導管600により、入ってくる流体圧力と流体が連通している。流体圧力が変化したときに一定の流体流れを得るための可動仕切り800に関するメカニズムは、基本的に前の実施形態1〜5にて述べたものと同じである。ベローズ804の弾性特性は、上述したように、作動圧力範囲又は間隔内で仕切り800の最適な移動を提供するように、選択可能であることが注目されるべきである。
【0038】
図9では、創造性のある一定の流れ調整器機構の第8の実施形態が示され、剛体の可動仕切り902と、示されるように入口管906又は他の支持固定点(不図示)に取り付け可能な固定された支持板904との間に配置された弾性を有するベローズ900又はそのような物を使用することにより、図8に示す第7実施形態とは相違する。内部コンパートメント908は、仕切り902とハウジング910との間に形成される。弾性ベローズ900及び弾性ダイアフラム912がともに上述した仕切り800に作用する弾性力を提供するように、弾性のダイアフラム912も使用可能である。内部コンパートメント908は、例えば仕切り902における開口914によって、入ってくる流体圧力と流体が連通した状態にある。適切な流体出口開口916は、支持板904に配置可能である。流体圧力が変化したとき、一定の流体流れを得るために仕切り902を移動させるメカニズムは、基本的に前の実施形態1〜7に関して記載されたものと同じである。
【0039】
図8及び図9にそれぞれ示されるベローズ804及びベローズ900は、上述の弾性力が得られる限り、適切ないずれの方法にて形成可能である。図9に示されるように、弾性ベローズ及び弾性ダイアフラムが組み合わされて使用されるとき、作動圧力範囲又は間隔内で一定の流体流れを生成するため仕切りの最適な移動を提供するように、それらの弾性特性は、選択可能であることに留意されるべきである。
【0040】
本発明は、特定の例示的な実施形態を参照して記載されているが、記述は、一般的に単に発明概念を示すように意図したもので、本発明の範囲を制限するものとして受け取られるべきではない。「ハウジング」、「入口管」、及び「仕切り」のような、本発明を記述し規定するために用いられる用語は、広く解釈することができるということにまた留意すべきである。
【0041】
当業者は、添付の請求範囲にて規定される本発明から逸脱することなく、実施形態に示され記載された特徴の様々な適切な変更及び組み合わせを行うことができることを理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る一定の流れ調整器機構の断面図を示す。
【図2】図2は、本発明の第2の実施形態に係る一定の流れ調整器機構の断面図を示す。
【図3】図3は、本発明の第1の実施形態の正面図を示す。
【図4】図4は、本発明の第3の実施形態に係る一定の流れ調整器機構の断面図を示す。
【図5】図5は、本発明の第4の実施形態に係る一定の流れ調整器機構の断面図を示す。
【図6】図6は、本発明の第5の実施形態に係る一定の流れ調整器機構の断面図を示す。
【図7】図7は、本発明の第6の実施形態に係る一定の流れ調整器機構の入口管の正面図を示す。
【図8】図8は、本発明の第7の実施形態に係る一定の流れ調整器機構の断面図を示す。
【図9】図9は、本発明の第8の実施形態に係る一定の流れ調整器機構の断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
可変の流体圧力が作用するときに流体の一定流れを維持するための一定流れ調整器機構であって、
入ってくる流体用の入口管と、
ハウジングと、
上記入口管に面する可動な仕切りであって、使用では上記入口管と当該仕切りとの間に可変断面積の流体通路を形成するように弾性力を受けている仕切りと、
を備え、
上記ハウジング及び仕切りは、上記入口管と流体が連通して上記入口管における流体圧力にほぼ等しい流体圧力が内側に確立される内部コンパートメントを形成し、
使用では上記入口管における流体圧力が増加したとき上記流体通路の断面積を減じるため上記仕切りが弾性力に逆らって上記入口管の方へ移動し、又、その逆にも動作し、それにより一定の流体流れを維持するように、上記仕切りのサイズは、上記入口管のサイズよりも著しく大きい、
一定流れ調整器機構。
【請求項2】
使用では、可変の流体圧力の変化に応答して上記流体通路の断面積が最適に変化し、それにより入口圧力に弾性力を加えた力と、上記内部コンパートメント内の流体圧力からの反対方向における力との間のバランスが達成されるように、上記仕切りに作用する上記弾性力の特性が選択される、請求項1記載の一定流れ調整器機構。
【請求項3】
可動な上記仕切りが過剰な流体圧力により上記入口管又は開口に接触して移動し上記流体通路を完全に閉じるのを防止し、及び上記弾性力の特性に任意に影響を与えるために、可動な上記仕切りに面する入口管又は開口のまわりの端面に、複数の突出したノブ又はリブが配置される、請求項1又は2記載の一定流れ調整器機構。
【請求項4】
上記可動な仕切りは、上記弾性力を内在する弾性のあるダイアフラムとして少なくとも部分的に作製される、請求項1から3のいずれかに記載の一定流れ調整器機構。
【請求項5】
上記内部コンパートメントと上記入口管との間の流体の連通は、上記可動の仕切りにおいて上記入口管の近くに位置する開口により得られる、請求項1から4のいずれかに記載の一定流れ調整器機構。
【請求項6】
上記内部コンパートメントと上記入口管との間の流体の連通は、独立した流体接続導管により得られる、請求項1から4のいずれかに記載の一定流れ調整器機構。
【請求項7】
上記入口管は、上記可動の仕切りに近い相対的に狭い部分と、上記入口管からさらに離れた広い部分とで形成され、上記独立の流体接続導管は、上記広い部分で上記入口管に接続される、請求項6記載の一定流れ調整器機構。
【請求項8】
上記可動の仕切りは、硬質の材料で作製され、上記弾性力は、上記可動の仕切りに作用する弾性ベローズにより得られる、請求項1から7のいずれかに記載の一定流れ調整器機構。
【請求項9】
上記弾性ベローズは、上記可動の仕切りと、上記ハウジング又は上記入口管に取り付けられる固定された支持板との間に配置される、請求項8記載の一定流れ調整器機構。
【請求項10】
流体を排出するため、内部コンパートメントの外側で上記ハウジングに配置される少なくとも一つの出口開口をさらに備えた、請求項1から9のいずれかに記載の一定流れ調整器機構。
【請求項11】
上記少なくとも一つの出口開口の断面積は、上記流体通路の断面積よりも非常に大きい、請求項10記載の一定流れ調整器機構。
【請求項12】
上記ハウジングは、少なくとも、第1壁と、第1壁に対向する第2壁とを備え、上記入口管は、上記第1壁に配置される、請求項1から11のいずれかに記載の一定流れ調整器機構。
【請求項13】
可変の流体圧力が作用するときに流体の一定流れを維持する方法であって、
ハウジング及び可動の仕切りは、入ってくる流体用の入口管と流体が連通する内部コンパートメントを形成し、流体圧力は、内部コンパートメントの内側に、入口管における流体圧力にほぼ等しく確立され、
上記可動の仕切りは、入口管に面し、かつ可変の断面積の流体通路が入口管と可動の仕切りとの間に形成されるように弾性力を受けており、可動の仕切りのサイズは、入口管のサイズよりも著しく大きく、
上記仕切りは、入口管における流体圧力が増加したとき上記流体通路の断面積を減じるため弾性力に逆らって上記入口管の方へ移動し、又、その逆にも動作し、それにより一定の流体流れを維持する、
方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2012−185847(P2012−185847A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−117320(P2012−117320)
【出願日】平成24年5月23日(2012.5.23)
【分割の表示】特願2007−553066(P2007−553066)の分割
【原出願日】平成18年1月24日(2006.1.24)
【出願人】(399087282)アエロクライン・アクチボラゲット (4)
【氏名又は名称原語表記】AEROCRINE AB
【Fターム(参考)】