説明

一次元走査により情報担体を走査する方法及びシステム

データ集合を記憶するデータレイヤ(101)を有する情報担体を読み取るシステムについて開示している。プローブアレイ生成手段(104)は、データレイヤ(101)に適用される光スポットのアレイ(102)を生成する。結果的に得られる出力光ビームは、データレイヤ(101)に記憶されているデータのバイナリ値を表す。マクロセル走査は、プローブアレイを規定するマトリクスの軸に対して非平行な経路(A,B)に沿ってデータレイヤ(101)に対して光スポットのアレイ(102)を移動させることにより一次元にもたらされる。一次元走査は低い複雑性のシステムをもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報担体を走査する方法及びシステムに関する。
【0002】
本発明は、光データ記憶及び顕微鏡の分野におけるアプリケーションを有する。
【背景技術】
【0003】
光記憶装置の解決方法を使用することは、今日、例えば、DVD(Digital Versatile Disc)の規格に基づく記憶システムにおけるコンテンツ配信について広く行き渡っている。光記憶装置は、情報担体が複製するのに容易且つ安価である点で、ハードディスク及び固体記憶装置に対してかなり有利である。
【0004】
しかしながら、駆動における大量の可動部分のために、光記憶装置の解決方法を用いる既知のアプリケーションは、動作中に前記可動部分の必要な安定性を考慮して、読み取り/書き込み動作を実行するときに、衝撃に対してロバストでない。その結果、光記憶装置の解決方法は、衝撃の影響下に置かれるアプリケーション、例えば、可搬型装置において、容易に及び効率的に使用されることはできない。
【0005】
新しい光記憶の解決方法が、それ故、開発されてきている。それらの解決方法は、安価で取り外し可能な情報担体が用いられるという光記憶装置の有利点と、情報担体が衝撃に対してロバストであり、その読み取りが限定された数の可動子を必要とするという固体記憶装置の有利点とを組み合わせることができる。
【0006】
図1は、そのような光記憶装置の解決方法を示すシステムの三次元ビューである。
【0007】
このシステムは情報担体101を有する。情報担体101は、サイズSを有し、マトリクス状であるように備えられている隣接するエレメンタリデータ領域において符号化される。データは、異なる透過レベル、例えば、2状態データを符号化する透過性又は非透過性である材料を用いる2つのレベル、又は、一般に、N個の透過性レベル(例えば、Nはlog(N)状態データを符号化する2の整数べきであるN)をとるように意図された材料を用いることにより、各々のエレメンタリデータ領域において符号化される。
【0008】
このシステムはまた、前記エレメンタリデータ領域に適用されるように意図された光スポット102の領域を生成する光学装置104(例えば、周期的な開口アレイ又は光ファイバアレイ)を有する。
【0009】
各々の光スポットは、エレメンタリデータ領域に適用されるように意図されている。前記エレメンタリデータ領域の透過性状態に従って、光スポットは、前記エレメンタリデータ領域におけるデータ記憶を回復するために、受信光信号を変換するように意図された画素を有するCMOS又はCCD検出器103に送信される(少しも送信されない、一部が、又は、全部が送信される)。
【0010】
情報担体を読み取るように、光スポット102のアレイによる情報担体101の走査が、情報担体に対して平行な面(x,y)内において行われる。走査装置(図示せず)は、情報担体の表面全てを走査する2つの方向x及びyにおいて並進運動を与える。
【0011】
有利であることに、検出器の一の画素はエレメンタリデータの集合を検出するように意図されていて、前記エレメンタリデータの集合は、所謂、マクロセルデータ状に配列され、このマクロセルデータにおける各々のエレメンタリデータ領域は、前記の光スポット102の領域の単一の光スポットにより連続的に読み取られる。このような情報担体101においてデータを読み取る方法は、以下において、マクロセル走査と呼ばれ、それについては下で説明する。
【0012】
図2は、情報担体101及び検出器103の一部の断面図及び詳細図である。
【0013】
検出器103は、PX1−PX2−PX3等と表される画素を有し、それらの画素の番号は、理解を容易にするように限定されている。特に、画素PX1は情報担体のマクロセルデータMC1に記憶されているデータを検出するように意図され、画素PX2はマクロセルデータMC2に記憶されているデータを検出するように意図され、そして画素PX3はマクロセルデータMC3に記憶されているデータを検出するように意図されている。各々のマクロセルデータはエレメンタリデータの集合を有する。例えば、マクロセルデータMC1は、MC1a−MC1b−MC1c−MC1dと表されるエレメンタリデータを有する。
【0014】
図3は、情報担体101のマクロセル走査を例示として示している。簡単化のために、2つの状態のみを考慮し、同様にN状態符号化について説明することができる。情報担体に記憶されているデータは、黒色領域(即ち、非透過性)か又は白色領域(即ち、透過性)のどちらかにより示される2つの状態を有する。例えば、黒色領域は“0”バイナリ状態に対応し、白色領域は“1”バイナリ状態に対応する。
【0015】
検出器103の画素が、情報担体101により生成された出力光ビームにより照明されるとき、画素は白色領域で表される。その場合、画素は、第1状態を有する電気出力信号(図示せず)を供給する。それとは対照的に、検出器103の画素が、情報担体から何れの出力光ビームも受け取らないとき、画素はクロスハッチング領域で表される。その場合、画素は、第2状態を有する電気出力信号(図示せず)を供給する。
【0016】
この実施例においては、各々のマクロセルデータは4つのエレメンタリデータ領域を有し、単一の光スポットが各々のデータの集合に同時に適用される。光スポット102のアレイによる情報担体101の走査は、エレメンタリデータ領域のピッチに等しい増分横方向移動により、例えば、左側から右側に実行される。
【0017】
位置Aにおいては、光スポットの全ては、検出器の画素全てが第2状態にあるように、非透過性領域に適用される。
【0018】
位置Bにおいては、右への光スポットの移動の後、対応する画素が第1状態にあるように、左側の光スポットが透過性領域に適用される一方、2つの他の光スポットが、検出器の2つの対応する画素が第2状態にあるように、非透過性領域に適用される。
【0019】
位置Cにおいては、右への光スポットの移動の後、対応する画素が第2状態にあるように、左側の光スポットが非透過性領域に適用される一方、2つの他の光スポットが、検出器の2つの対応する画素が第1状態にあるように、透過性領域に適用される。
【0020】
位置Dにおいては、右への光スポットの移動の後、対応する画素が第2状態にあるように、中央の光スポットが非透過性領域に適用される一方、2つの他の光スポットが、検出器の2つの対応する画素が第1状態にあるように、透過性領域に適用される。
【0021】
検出器の画素の反対側のマクロセルを有するエントリデータは、単一の光スポットにより連続的に読み取られる。検出器の画素に対向するマクロセルデータのエレメンタリデータ領域全てに光スポットの各々が適用されるとき、情報担体101の走査は完全である。
【0022】
図4は、図1に示すような情報担体101の平面図である。この情報担体は、複数の四角形の隣接するマクロセル(MC1,MC2,MC3,...)を有し、各々のマクロセルはエレメンタリデータ領域(EDA1,EDA2,...)の集合を有する。この実施例においては、各々のマクロセルは16個のエレメンタリデータ領域を有し、単一の円形の光スポット(黒色の円で表されている)により読み取られるように意図されている。
【0023】
データ回復は、光スポットのアレイの走査と同時に、超並列方式で行われる。光スポットのアレイの各々の位置については、“データページ”と呼ばれるデータの集合が同時に読み取られる。データページは、それ故、所定の瞬間に光スポットを適用されるデータにより構成され、前記データはマクロセル全てにおいて同じ位置に位置している。
【0024】
従って、上記のシステムにおいては、光プローブアレイが、光カードを読み取るために用いられ、光カードの密度(データ容量)を増加させるように、マクロセル走査システムが提案されている。このシステムにおいては、そのプローブアレイは、CMOSセンサの画素に亘って二次元的に走査される。代替として、その媒体は、CMOSセンサ及びプローブアレイに対して二次元的に走査される。両方の場合、二次元走査装置が、2つの方向において必要な相対移動を実行するように用いられる。
【0025】
しかしながら、そのような二次元走査装置は比較的複雑である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明の目的は、光スポットアレイによる情報担体の走査が実行され、走査装置の複雑性が低減された、情報担体を走査するシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0027】
本発明に従って、情報担体を走査するシステムであって:
− 前記情報担体への適用のために規則的な行列パターンで配列された光スポットアレイを生成する光学装置を有するプローブアレイ生成手段;及び
− 前記の光スポットの行列に対して非平行である経路に沿って、前記情報担体及び前記光スポットアレイの相対的動きをもたらす走査手段;
を有するシステムを提供する。
【0028】
また、本発明に従って、情報担体を走査する方法であって:
− 光スポットの規則的な行列パターンを有するプローブアレイを生成し、それぞれの出力光ビームを生成するように前記情報担体に前記プローブアレイを適用する段階;
− 前記出力光ビームを受け入れる段階;及び
− 前記の光スポットの行列に対して非平行である単一の経路に沿って相対的な動きをもたらすことにより、前記プローブアレイにより前記情報担体を走査する段階;
を有する方法。
【0029】
本発明は、データ集合が記憶されているデータレイヤを有する情報担体を受け入れる手段と、上記の、情報担体を読み取るシステムと、情報担体から読み取られるデータ集合を表す出力を生成する手段と、有する情報担体読み取り装置に及ぶ。
【0030】
それ故、本発明の目的は、従来技術のシステムにより知られている二次元走査に代えて、光スポットアレイにより情報担体の一次元走査を用いることにより達成され、前記一次元走査は、プローブアレイ(即ち、光スポットアレイ)に対して非平行な方向に走査することにより達成される。これは、たとえ、一次元スキャナのストロークが二次元スキャナのストロークに比べて大きい必要があるとしても、一次元スキャナは二次元スキャナに比べて複雑性が低いために、かなり有利である。
【0031】
一実施形態においては、情報担体は、水平方向軸及び鉛直方向軸を有するセルにおいて組織されたデータを有し、光スポットの行列は、前記水平方向軸及び鉛直方向軸と実質的に平行であり、前記プローブアレイ及び前記データレイヤの相対的動きの経路は、前記水平方向軸及び鉛直方向軸に対してある角度にある。代替としての例示としての実施形態においては、光スポットの行列は、水平方向軸及び鉛直方向軸のそれぞれに対してある角度にあり、前記プローブアレイの相対的動きの経路は、前記水平方向軸及び鉛直方向軸に対して他の角度にあるか又は、より好適には、水平方向軸又は鉛直方向軸に対して実質的に平行である。行は、第1角度だけ水平方向軸に対して傾けられることが可能であり、列は、第1角度と同じである又はそれと異なることが可能である第2角度だけ、垂直方向軸に対して傾けられることが可能である。それ故、それらの行列は、互いに対して実質的に90°である、又は、互いに対して異なる角度にある。行は、列と同じ又は異なる数のプローブ(光スポット)を有することが可能であり、本発明は、それらの点について必ずしも限定されるように意図されていないことが更に理解できる。
【0032】
プローブアレイの領域は、有利であることに、データレイヤの領域より大きく、それ故、全体のデータレイヤは、プローブアレイにより一次元に走査されることが可能である。
【0033】
プローブアレイ及び情報担体の相対的動きは、情報担体に対するプローブアレイの動き及びプローブアレイに対する情報担体の動きによりもたらされることが可能であることが理解できるであろう。
【0034】
本発明の上記の及び他の特徴は、以下に詳述する実施形態を参照することにより明らかになり、理解することができる。
【0035】
本発明の実施形態について、以下、添付図を参照して、例示として詳述する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明については、図4に示すような情報担体におけるデータページに回復されるべきデータが記憶されているという前提で説明している。情報担体はマトリクス状に配列されたデータを有するため、マクロセルはまた、マトリクス状に配列されたエレメンタリデータを有する。
【0037】
図5を参照するに、光スポット102を有する矩形状のプローブアレイを例示として示している。このプローブアレイは、矢印Aで示している方向に情報担体(図示せず)のデータレイヤにおいて走査されることが可能である。そのような走査は、情報担体に対する光スポット102の動きにより、又は光スポットに対する情報担体の動きにより達成されることが可能である。
【0038】
図示しているように、走査方向Aは、プローブアレイを規定するマトリクスに対して非平行である。図1の構成における各々のプローブ又は光スポットの大きさは、プローブアレイのピッチpの1/3であり、図1の構成における走査方向Aは、そのアレイが3つのピッチ(3p)に亘って走査されるときに移動されるアレイがそのアレイのオリジナルの位置と重なるように、最適に選択される。そのアレイが、3*3−1=8ステップに亘って、光スポット102の直径と等しいステップにおいて走査されるとき、図6に示している状態であって、参照番号102aで表している光スポットはプローブアレイの最初の位置を示し、102b,...,102iで表している光スポットは、各々の走査ステップについてプローブアレイのそれぞれの位置を示している。このことから、3*3−1=8ステップに亘るアレイの走査はカードにおけるデータ全てを読み取ることをもたらすことは明らかである。
【0039】
図6から、本発明の一次元走査処理を用いるデータカードにおけるデータの全てを読み取るように、プローブアレイは、読み取られるべきデータのアレイより多い必要がある(図6に示すプローブアレイの上部の2つの行は完全には満たされていないことに留意されたい)。多重化係数Mがプローブサイズdに対するアレイピッチpの比として定義されるとき、M−1個の行は走査処理中には完全には満たされず、M2−1個のステップは、データレイヤの全部の表面を満たすように要求され、従来技術の二次元走査処理を用いて、両方の方向においてM−1個のステップが必要である。それ故、本発明のシステムで用いる一次元走査装置のストロークは、
(M−1)/(M−1)=M+1
であり、二次元走査装置のストロークより大きい。
【0040】
本発明で用いられる一次元走査原理はまた、より大きいデータ密度のアプリケーションに関して用いられることが可能であり、それ故、少なくとも50GBの容量及び360Mbit/sec以上のデータレートを有する単一のレイヤのディスクのリアルタイムでロバストな読み取りの実行可能性を示すことを目的とする、所謂、二次元光記憶(TwoDOS)方法で用いられることが可能である。光情報担体におけるトラック間の間隔は、達成可能な記憶容量を限定する一方、一次元光記憶システムにおけるデータのシリアル特性は達成可能なデータスループットを限定する。その結果、平行読み取りを実現するマルチスポットの光経路を有する読み取りチャネルと結び付けて、革新的な二次元チャネル符号化及び先端的な信号処理に基づくTwoDOSの概念が開発されてきた。
【0041】
図7を参照するに、より大きいデータ密度のアプリケーションで用いるために適切である本発明の第2の例示としての実施形態においては、プローブアレイは、一般に中央のz軸の周りを有効に回転し、それ故、光スポット102の行列は、有効にx軸及びy軸のそれぞれのある角度にあり、矢印Bで示す走査方向はy軸に対して平行である。データ領域105をまた、図示し、本発明の主な有利点であって、それにより、一次元スキャナが二次元スキャナに代えて用いられることができることに加えて、プローブ102の数は、図1及び2のアレイにおける数に比べて増加されているため、この場合における必要な走査ストロークはM−1よりかなり小さいことが理解できる。2つの隣接するデータビット間のクロストークの影響は、TwoDOS方法を用いて(一次元記憶の場合においてノイズであるとみなされるシンボル間干渉は、2Dの場合における信号の一部であるとみなされ、それ故、それぞれのビットパターン再構成において用いられるため)、そして読み取られるデータページがバッファメモリに記憶され、ディジタル処理ドメインにおいて専用のデータ回復アルゴリズムを用いて実質的に回復されることが可能であるシステムにより
、低減されることができる。この場合、図7の走査システムの付加有利点は、クロストークの削除のために必要なバッファメモリの容量が減少され、それにより、コストパフォーマンスの高いシステムを規定するように寄与する。
【0042】
図7に示す実施形態におけるx軸及びy軸に対する光スポットの行及び列の角度は、ライン上の光スポットのピッチが可変であるように、可変であることが可能であることが理解できるであろう。
【0043】
全ての場合に、プローブアレイは、“タルボット(Talbot)効果”と称せられる既知の回折現象を用いて生成され、それにより、コヒーレントな入力光ビームが、開口アレイのような周期的な回折構造(即ち、光エミッタを構成する)を有するオブジェクトに適用されるとき、回折された光は、予測可能な距離(z0)、即ち、その回折構造によるタルボット距離に位置している面におけるエミッタの同一の画像に再結合する。
【0044】
それ故、本発明は、情報担体(又は、“データカード”)を読み取るシステムを提供し、それにより、一次元スキャナがデータカードの全領域を読み取るように用いられることが可能であり、それ故、結果的にリーダは、二次元スキャナが用いられる従来技術のシステムに比べて複雑性が低くなる。
【0045】
図8に示すように、本発明に従ったシステム及び方法は、有利であることに、読み取り装置RA(例えば、家庭用再生装置等)、可搬型装置PD(例えば、形態情報端末、携帯用コンピュータ、ゲームプレーヤ等)、携帯電話MTにおいて実施されることが可能である。それらの装置の各々は、データ回復の観点から、図4に示している情報担体701を受け入れるように意図されている。
【0046】
本発明に従った走査システムは顕微鏡において用いられることが可能である。妥当な解像度を有する顕微鏡は、十分に高い開口率及び妥当な大きい視野を有する、収差のない対物レンズは高価である。走査顕微鏡は、かなり小さい視野を有する対物レンズを有する、そして測定されるべきサンプルに対して対物レンズを走査する(又は、その逆も可能である)ことにより、この高価の問題の一部を解決することができる。この単一のスポットの走査顕微鏡の不利点は、サンプル全体が走査される必要があり、その結果、扱い難い機構をもたらすことである。マルチスポットの走査顕微鏡は、サンプルが全寸法に亘って走査される必要がなく、走査範囲は2つのスポット間のピッチに限定されているため、この機構の課題を解決することができる。
【0047】
本発明に従った顕微鏡においては、サンプルは、プローブアレイ生成手段により生成されるスポットにより照明され、カメラは、照明されたサンプルのピクチャを撮影する。本発明の一次元走査システムによりサンプルにおいてスポットを走査し、複数の位置においてピクチャを撮影することにより、高解像度のデータが収集される。コンピュータは、サンプルの単一の高解像度のピクチャと測定されたデータ全てを比較することが可能である。
【0048】
焦点距離は、サンプルのピクチャの詳細を観測することにより、手動で制御されることが可能である。ディジタルカメラにおいて行われるように、焦点距離の制御は自動的に実行されることがまた、可能である。画像化システムのフォーカシングは重要でなく、プローブに対するサンプルの位置のみが重要であり、それが最適化されなければならないことに留意されたい。
【0049】
本発明に従った顕微鏡は、照明装置、プローブアレイ生成器、サンプルステージ、任意の画像化装置(例えば、レンズ、光ファイバフェースプレート、ミラー)、及びカメラ(例えば、CMOS、CCD)を有する。このシステムは図1のシステムに対応し、情報担体(101)は、画像化されるサンプルが位置付けられることが可能である顕微鏡のスライドであり、その顕微鏡のスライドはサンプルステージ上に位置付けられている。光は照明装置において生成され、プローブアレイ生成器により焦点アレイにフォーカシングされ、測定されるサンプルを(一部)透過され、その透過された光は画像化システムによりカメラに結像される。サンプルはサンプルステージに位置付けられ、そのサンプルステージは、焦点面においてサンプルを繰り返して移動し、サンプルに対して垂直に移動することが可能である。位置測定システムはそのステージにおいて実施されることが可能であり、又はその走査システムにおいて実施されることが可能である。サンプル全体を画像化するように、情報担体は、サンプルの領域全部が個々のプローブにより画像化されるように、本発明に従った走査システムにより走査される。上記のように、走査のために必要なステップ数は、2つのプローブ間のピッチ及び各々のプローブのサイズに依存する。
【0050】
上記の透過顕微鏡に代えて、反射顕微鏡がデザインされることが可能である。本発明に従った反射顕微鏡においては、サンプルを透過した光は、顕微鏡のスライドの反射面により反射され、その場合、ビームスプリッタによりカメラの方に再方向付けされる。
【0051】
上記の実施形態は本発明を限定するのではなく、例示であり、当業者は、同時提出の特許請求の範囲により規定される本発明の範囲から逸脱することなく、多くの代替の実施形態をデザインすることができることに留意する必要がある。用語“を有する”及びその派生語は、請求項又は明細書において全体的に列挙されている以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。要素の単数表現は、その要素の複数表現を排除するものではなく、その逆もまた然りである。本発明は、複数の別個の要素を有するハードウェアにより、そして適切にプログラムされたコンピュータにより実行されることが可能である。複数の手段を列挙している装置請求項においては、それらの手段の幾つかは、同一のハードウェアにより具現化されることが可能である。特定の手段が互いに異なる独立請求項に記載されているということのみにより、それらの手段の組み合わせが有利に用いられることができないことを意味するのではない。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】情報担体を読み取るシステムの模式図である。
【図2】図1のシステムの詳細を示す模式図である。
【図3】情報担体のマクロセル走査の原理の例を示す図である。
【図4】複数の光スポットにより読み取られるように意図された情報担体を示す模式図である。
【図5】本発明の第1の例示としての実施形態に従ったシステムにおける矩形状のプローブアレイ及び走査方向を示す模式図である。
【図6】図5のプローブアレイに関する完全な走査処理を示す模式図である。
【図7】本発明の第2の例示としての実施形態に従ったシステムにおけるプローブアレイ及び走査方向を示す模式図である。
【図8】本発明に従った方法を実施する複数の装置を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報担体を走査するシステムであって:
前記情報担体への適用のために規則的な行列パターン状に配列された光スポットのアレイを生成する光学装置を有するプローブアレイ生成手段;及び
前記の光スポットの行列に対して非平行な経路に沿って前記情報担体及び前記の光スポットのアレイの相対的移動をもたらす走査手段;
を有するシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のシステムであって、前記情報担体は水平軸及び鉛直軸を有するセルに組織化されたデータを有し、前記の光スポットの行列は前記水平軸及び鉛直軸と実質的に平行であり、前記情報担体及び前記アレイの相対的移動の前記経路は前記水平軸及び鉛直軸に対してある角度にある、システム。
【請求項3】
請求項1に記載のシステムであって、前記情報担体は水平軸及び鉛直軸を有するセルに組織化されたデータを有し、前記の光スポットの行列は前記水平軸及び鉛直軸のそれぞれに対してある角度にあり、前記情報担体及び前記アレイの相対的移動の前記経路は、前記水平軸及び鉛直軸に対して他の角度にあるか又は前記水平軸及び鉛直軸に対して実質的に平行である、システム。
【請求項4】
請求項1に記載のシステムであって、前記プローブ及び前記情報担体の相対的移動は、前記情報担体に対して前記の光スポットのアレイの移動によりもたらされる、システム。
【請求項5】
請求項1に記載のシステムであって、前記プローブ及び前記情報担体の相対的移動は、前記光スポットのアレイに対して前記情報担体の移動によりもたらされる、システム。
【請求項6】
情報担体を走査する方法であって:
光スポットの規則的な行列パターンを有するプローブアレイを生成し、それぞれの出力光ビームを生成するように前記情報担体に前記プローブアレイを適用する段階;
前記出力光ビームを受け入れる段階;
前記の光スポットの行列に対して、単一の非平行な経路に沿って、相対的な移動をもたらすことにより前記プローブアレイにより前記情報担体を走査する段階;
を有する方法。
【請求項7】
データ集合が記憶されているデータレイヤを有する情報担体を受け入れる手段;
前記情報担体を読み取る請求項1に記載のシステム;及び
前記情報担体から読み取られたデータ集合を表す出力を生成する手段;
を有する情報担体読み取り装置。
【請求項8】
画像化されるべきサンプルが保存されることが可能である情報担体を受け入れる手段、及び前記情報担体を走査する請求項1に記載のシステムを有する顕微鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公表番号】特表2009−512111(P2009−512111A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535169(P2008−535169)
【出願日】平成18年10月11日(2006.10.11)
【国際出願番号】PCT/IB2006/053728
【国際公開番号】WO2007/043013
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】