説明

一軸アクチュエータ

【課題】案内レールの両側面とスライダおよびねじ軸の上側がカバーで覆われている一軸アクチュエータのねじ軸と案内レールの両方に、長期に渡って潤滑剤を供給する。
【解決手段】スライダ3の移動時に、スライダ3の移動方向端部に設けたグリースニップル83が案内レール1に設けたニップル挿入口52aに嵌まることで、スライダ3の上面に固定された給脂ブロック8の給脂路81と、案内レール1の上面に固定されたエンドブロック5の給脂路52bが連通するように構成する。連通された両給脂路81,52bを介して、グリースニップル53に結合された給脂用配管からスライダ3の内部に潤滑剤が供給される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ねじ式送り装置と直動案内装置が一体化された一軸アクチュエータ(断面凹状の案内レールと、前記案内レールの幅方向中心部に配設されたねじ軸と、前記ねじ軸に螺合されたナット部を含むスライダと、複数の転動体とを備え、前記ねじ軸の回転により前記スライダが前記案内レールに沿って移動可能とされた装置)に関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ式送り装置と直動案内装置が一体化された一軸アクチュエータは、相対する内側面に軸方向に延びる転動体転動面を有する断面凹状の案内レールと、前記案内レールの幅方向中心部に配設され外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、前記ねじ軸に螺合されたナット部を含むスライダと、複数の転動体とを備えている。
前記スライダには、前記案内レールの転動体転動面に相対した転動体転動面が両側面に形成されるとともに、前記転動体の戻し通路と、この戻し通路と前記転動体転動面を連結する方向転換路が形成されている。前記相対する両転動体転動面からなる転動通路と、前記戻し通路と、前記方向転換路とで構成される循環経路内に、前記転動体が介装されている。
【0003】
前記ねじ軸を回転することで、その回転力が前記ナット部に伝達されて、前記転動体が前記転動通路を負荷状態で転動しながら前記循環経路内を循環することにより、前記スライダが前記案内レールに沿って移動可能とされている。
このような一軸アクチュエータは、前記案内レールの両側面と前記スライダおよびねじ軸の上面をカバーで覆って使用される場合がある。
【0004】
図9〜11に示す従来例の一軸アクチュエータは、ボールねじ(ねじ式送り装置)とリニアガイド(直動案内装置)を一体化したものであり、案内レール10とねじ軸20とスライダ30と軸端部材40を有する。軸端部材40は、案内レール1の軸方向両端開口部を塞ぎ、ねじ軸2の両端を回転自在に支持する。この軸端部材40に、側面カバー60と上面カバー70の両端がねじ止めにより固定されている。スライダ30の上部には、上面カバー70を配置するための凹部301が形成されている。
【0005】
この例では、スライダ30のエンドキャップ302に、エンドキャップ302内に潤滑剤を供給するためのグリースニップル303が固定されている。そして、エンドキャップ302内に供給された潤滑剤により、ボールねじ機構とリニアガイド機構の両方を潤滑している。しかし、このグリースニップル303を使用してグリースを自動給脂する場合、グリースニップル303に結合された給脂用配管の配置空間を確保することが、構造上困難な場合がある。
【0006】
一軸アクチュエータの潤滑に関して、特許文献1には、エンドキャップに、ゴムまたは合成樹脂に潤滑剤を含有させた潤滑剤供給装置を取り付け、これをねじ軸の外周面と案内レールの転動体転動面に接触させることにより、潤滑剤供給装置から長期に渡って、ねじ軸と案内レールの両方に潤滑剤を供給することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−317839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この発明の課題は、案内レールの両側面と前記スライダおよびねじ軸の上面をカバーで覆って使用される一軸アクチュエータであって、特許文献1に記載された方法とは異なる方法で、ねじ軸と案内レールの両方に、長期に渡って潤滑剤が供給されるものを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、この発明は、下記の構成(1) 〜(7)
を有する一軸アクチュエータを提供する。
(1) 相対する内側面に軸方向に延びる転動体転動面を有する断面凹状の案内レールと、前記案内レールの幅方向中心部に配設され外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、前記ねじ軸に螺合されたナット部を含むスライダと、複数の転動体とを備える。
(2) 前記スライダには、前記案内レールの転動体転動面に相対した転動体転動面が両側面に形成されるとともに、前記転動体の戻し通路と、この戻し通路と前記転動体転動面を連結する方向転換路が形成されている。
(3) 前記相対する両転動体転動面からなる転動通路と、前記戻し通路と、前記方向転換路とで構成される循環経路内に、前記転動体が介装されている。
(4) 前記ねじ軸を回転することで、その回転力が前記ナット部に伝達されて、前記転動体が前記転動通路を負荷状態で転動しながら前記循環経路内を循環することにより、前記スライダが前記案内レールに沿って移動可能とされている。
(5) 前記案内レールの両側面と前記スライダおよびねじ軸の上側がカバーで覆われている。
(6) 前記スライダは、その移動方向端部に、内部に潤滑剤を供給する給脂路の開口端である凸状または凹状の第1給脂口を有する。
(7) 前記案内レールは、前記第1給脂口が嵌まる凹状または凸状の第2給脂口と、給脂用配管を結合する結合口と、前記第2給脂口と前記結合口とを連通する給脂路を有し、前記結合口は前記カバー外に露出している。
【0010】
この発明の一軸アクチュエータは、前記カバーから露出している前記結合口に給脂用配管を結合して使用される。そして、前記スライダの移動に伴って、前記スライダの移動方向端部に設けた第1給脂口が前記案内レールに設けた第2給脂口に嵌まり、スライダの給脂路と案内レールの給脂路が連通し、連通された両給脂路を介して給脂用配管からスライダ内部に潤滑剤が供給される。
【0011】
このように、この発明の一軸アクチュエータは、特許文献1に記載された方法とは異なる方法で、ねじ軸と案内レールの両方に、長期に渡って潤滑剤が供給される。また、給脂用配管がカバー内に配置されていないため、カバー内に給脂用配管が配置されているものと比較して、給脂配管を含む自動給脂装置のメンテナンスが容易にできる。また、カバー内に給脂用配管の配置空間を確保する必要がない。
【0012】
この発明の一軸アクチュエータとしては、下記の構成(8) をさらに有するものが挙げられる。
(8) 前記第1給脂口は、前記スライダの上面に固定された給脂ブロックに形成され、前記案内レールの軸方向両端開口部を塞ぎ、前記ねじ軸の両端を回転自在に支持する軸端部材を有し、前記第2給脂口と、前記結合口と、これらを連通する給脂路は、前記軸端部材に固定されたエンドブロックに形成されている。
【発明の効果】
【0013】
この発明の一軸アクチュエータによれば、特許文献1に記載された方法とは異なる方法で、ねじ軸と案内レールの両方に長期に渡って潤滑剤が供給され、カバー内に給脂用配管が配置されているものと比較して、給脂配管を含む自動給脂装置のメンテナンスが容易にできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態の一軸アクチュエータの構成を説明するための斜視図である。
【図2】第1実施形態の一軸アクチュエータを示す平面図である。
【図3】第1実施形態の一軸アクチュエータを示す側面図である。
【図4】第1実施形態の一軸アクチュエータを示す正面図である。
【図5】図2のA−A断面図である。
【図6】図2のB−B断面図である。
【図7】第1実施形態の一軸アクチュエータの使用状態(図2とは異なる状態)を示す側面図である。
【図8】第2実施形態の一軸アクチュエータを示す平面図である。
【図9】一軸アクチュエータの従来例を示す平面図である。
【図10】図9の一軸アクチュエータの側面図である。
【図11】図9のA−A断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態について説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態の一軸アクチュエータは、ボールねじ(ねじ式送り装置)とリニアガイド(直動案内装置)が一体化されたものであり、図1〜6に示すように、案内レール1と、ねじ軸2と、スライダ3と、軸端部材4と、エンドブロック5と、側面カバー6と、上面カバー7と、給脂ブロック8と、スペーサープレート9と、スペーサー11と、モータ取り付けブラケット12を有する。
【0016】
案内レール1は、長さ方向に垂直な断面が凹状で、相対する内側面に軸方向に延びる転動体転動面1aを有する。ねじ軸2は、案内レール1の幅方向中心部に配設され、外周面に螺旋状のねじ溝を有する。スライダ3は、ねじ軸2に多数のボールを介して螺合されたナット部31を有する。
スライダ3には、案内レール1のボール転動溝(転動体転動面)1aに相対したボール転動溝(転動体転動面)が両側面に形成されるとともに、ボール(転動体)の戻し通路と、この戻し通路とボール転動溝を連結する方向転換路が形成されている。ボール転動溝と戻し通路はスライダ3の本体部32に、方向転換路はエンドキャップ33に形成されている。そして、案内レール1とスライダ3の相対する両ボール転動溝(転動体転動面)からなる転動通路と、スライダ3の戻し通路および方向転換路とで構成される循環経路内に、多数のボールが介装されている。
【0017】
軸端部材4は、案内レール1の軸方向両端開口部を塞ぎ、ねじ軸2の両端を回転自在に支持するものである。一方の軸端部材4に、モータ取り付けブラケット12が固定されている。軸端部材4の上面の二カ所に雌ねじ41が、両側面の一カ所に雌ねじ42が形成されてる。
エンドブロック5は、軸端部材4の上側に配置される取り付け部51と、これに垂直で軸端部材4の内面に配置される本体部52とからなる。軸端部材4の幅は案内レール1の幅と同じであるが、エンドブロック5の幅は、軸端部材4および案内レール1の幅より大きい。
【0018】
エンドブロック5の取り付け部51は、上下方向に貫通するボルト穴51aと、上面に開口する雌ねじ51bと、側面に開口する雌ねじ51cを有する。ボルト穴51aは、軸端部材4の雌ねじ41と合う位置に形成されている。エンドブロック5の本体部52の幅方向一端部(軸端部材4から外れる部分)に、ニップル挿入口(凹状の第2給脂口)52aとこれに続く給脂路52bが形成されている。給脂路52bは、ニップル挿入口52aから軸方向に沿って少し延びた先で、直角に幅方向外側に曲がり、本体部52の一端面に形成されている開口端52cに至る。この開口端52cに、グリースニップル(給脂用配管を結合する結合口)53が固定される。
【0019】
側面カバー6は、上下の止めねじを通す貫通穴61a,61bと、グリースニップル53を通す貫通穴62を有する。貫通穴61aは、エンドブロック5の雌ねじ51cと合う位置に形成されている。貫通穴61bは、軸端部材4の雌ねじ42と合う位置に形成されている。
上面カバー7は、案内レール1と同じ幅を有し、止めねじを通す貫通穴71が、エンドブロック5の雌ねじ51bと合う位置に形成されている。
【0020】
給脂ブロック8およびスペーサープレート9は、スライダ3の本体32およびエンドキャップ33の上にそれぞれ固定される部材であって、エンドブロック5と同じ幅を有するため、スライダ3に固定された状態で幅方向両端部が案内レール1からはみ出した状態となる。
スペーサープレート9には、スライダ3の内部に潤滑剤を供給する給脂路81と、上面カバー7を配置する凹部の底面91に、スライダ本体32の雌ねじ32aと合うボルト穴91aが形成されている。
【0021】
給脂路81は、スペーサープレート9の幅方向一端部であって、エンドブロック5のニップル挿入口52aと対向する位置に設けた開口81aと、スライダ本体32の開口32bに合わせた下面の開口81bを連通する。給脂路81は、スペーサープレート9の端面の開口81aから、二つのボルト穴82の間に位置する開口81bに向けて、ボルト穴91aと干渉しないように形成されている。
【0022】
スペーサープレート9の端面の開口81aに、グリースニップル(凸状の第1給脂口)83が固定されている。このグリースニップル83は、スライダ3の移動の際に、その移動端でエンドブロック5のニップル挿入口52aに嵌まる。この実施形態によれば、スペーサープレート9に直接グリスニップル83を固定するため、給脂ブロックが不要となりコストダウンが達成される。
【0023】
この実施形態の一軸アクチュエータは、以下のようにして組み立てる。
案内レール1とねじ軸2とスライダ3と軸端部材4を備えた状態の一軸アクチュエータに対して、モータ取り付けブラケット12を一方の軸端部材4に固定する。スライダ3の上面に、給脂ブロック8とスペーサープレート9をボルトで固定する。各軸端部材4にエンドブロック5をボルトで固定する。
【0024】
次に、軸端部材4の幅方向両端の雌ねじ42の位置にスペーサー11を配置し、側面カバー6の貫通穴61bから挿入した止めねじを、スペーサー11を通してから雌ねじ42に螺合することで、側面カバー6の下部を軸端部材4に固定する。また、側面カバー6の貫通穴61aから挿入した止めねじをエンドブロック5の雌ねじ51cに螺合させることで、側面カバー6の上部をエンドブロック5に固定する。次に、貫通穴62からグリースニップル53を挿入して、エンドブロック5の給脂路52bの開口端52cに固定する。
【0025】
また、上面カバー7の長さ方向中心部をスペーサープレート9の凹部に入れ、上面カバー7の貫通穴71から挿入した止めねじをエンドブロック5の雌ねじ51bに螺合することで、上面カバー7の長さ方向両端部をエンドブロック5に固定する。
これにより、案内レール1の両側面が側面カバー6で覆われ、スライダ3およびねじ軸2の上側が上面カバー7で覆われる。また、スライダ3は、その移動方向端部に、内部に潤滑剤を供給する給脂路81の開口端であるグリースニップル(凸状の第1給脂口)83を有する状態となる。さらに、案内レール1は、グリースニップル83が嵌まるニップル挿入口(凹状の第2給脂口)52aと、グリースニップル53と、給脂路52bを有し、グリースニップル(給脂用配管を結合する結合口)53が側面カバー6外に露出した状態となる。
【0026】
そして、この実施形態の一軸アクチュエータは、側面カバー6から突出しているグリースニップル53に給脂用配管を結合し、モータ取り付けブラケット12を介してねじ軸2にモータを取り付け、モータを稼動することにより使用される。
これにより、ねじ軸2が回転し、その回転力が、ねじ軸2とナット部31の相対する螺旋溝間に配置されたボールを介してスライダ3のナット部31に伝達されて、スライダ3と案内レール1の相対する転動溝からなる転動通路を、ボールが負荷状態で転動しながら循環経路内を循環することにより、スライダ3が案内レール1に沿って移動する。
【0027】
このスライダ3の移動に伴って、図7に示すように、スライダ3の移動方向端部に設けたグリースニップル83が案内レール1に設けたニップル挿入口52aに嵌まることで、スペーサープレート9内に形成された給脂路81と、案内レール1の上面に固定されたエンドブロック5の給脂路52bが連通し、連通された両給脂路81,52bを介して、グリースニップル53に結合された給脂用配管からスライダ3の内部に潤滑剤が供給される。スライダ3の内部に供給された潤滑剤は、ナット部31からボールねじ機構に入り、エンドキャップ33の方向転換路からリニアガイド機構に入る。
【0028】
したがって、この実施形態の一軸アクチュエータは、特許文献1に記載された方法とは異なる方法で、ねじ軸2と案内レール1の両方に、長期に渡って潤滑剤が供給される。また、給脂用配管がカバー6,7内に配置されないため、カバー6,7内に給脂用配管が配置されているものと比較して、給脂配管を含む自動給脂装置のメンテナンスが容易にできる。また、カバー6,7内に給脂用配管の配置空間を確保する必要がない。さらに、スペーサープレート9に直接グリスニップル83を固定するため、給脂ブロックが不要となりコストダウンが達成される。
【0029】
[第2実施形態]
第2実施形態の一軸アクチュエータは、第1実施形態のエンドブロック5およびスペーサープレート9に代えて、図8に示すように、エンドブロック5Aおよびスペーサープレート9Aを有する。これ以外の点は第1実施形態の一軸アクチュエータと同じである。エンドブロック5Aは、本体部52の幅方向両端部(軸端部材4から外れる部分)に、ニップル挿入口52aとこれに続く給脂路52bが2経路形成され、その開口端52cに側面カバー6の外側から挿入されたグリースニップル53が固定されている。
【0030】
スペーサープレート9Aは、スライダ3の内部に潤滑剤を供給する給脂路81Aと、上下方向に貫通するボルト穴82を有する。給脂路81Aは、スペーサープレート9Aの幅方向両端面であって、エンドブロック5Aの各ニップル挿入口52aと対向する各位置に設けた各開口811a,812aと、スライダ取付面3aの開口32bに合わせた下面の開口81bを連通する。給脂路81Aは、各開口811a,812aから幅方向中央部に至るまでの部分811,812と、これらの部分が合流して下面の開口81bに至る部分813とからなり、二つのボルト穴82と干渉しない。
【0031】
これにより、第2実施形態の一軸アクチュエータでは、スライダ3が、その移動方向両端部に、それぞれ2個のグリースニップル83を有し、各グリースニップル83が嵌まるニップル挿入口52aが案内レール1の両端に形成されている。
そのため、スライダ3の移動に伴って給脂ブロック8Aがエンドブロック5Aに接触する際の衝撃が、第1実施形態のように、グリースニップル83とニップル挿入口52aが幅方向一端部にのみ形成されている場合の半分程度に抑えられる。また、スペーサープレート9とエンドブロック5Aの1回の接触による給脂量を2倍にすることができる。
【0032】
このように、第2実施形態の一軸アクチュエータは、第1実施形態の一軸アクチュエータと同じ効果に加えて、スライダ移動に伴う衝撃が低減されるとともに給脂量が多いという効果も有する。
なお、上記各実施形態の一軸アクチュエータは、第1給脂口として凹状のニップル挿入口52aを有し、第2給脂口として凸状のグリースニップル83を有するが、第1給脂口と第2給脂口は互いに凹凸で嵌まり合うものであればよく、凸状の第1給脂口と凹状の第2給脂口の組み合わせであってもよい。
【0033】
また、上記各実施形態の一軸アクチュエータでは、グリースニップル53を側面カバー6から外部に突出させているが、エンドブロック5の給脂路52bを、開口端52cが上面に向くように設けて、グリースニップル53を上面カバー7から上側に突出させてもよい。
また、リニアガイド機構の転動体がボールの場合を説明したが、この発明は、リニアガイド機構の転動体がころの場合にも適用できる。また、ねじ式送り機構としてボールねじ機構を用いた場合を説明したが、この発明は、ボールを介在させない送りねじ機構の場合にも適用できる。
【符号の説明】
【0034】
1 案内レール
10 案内レール
1a ボール転動溝(転動体転動面)
2 ねじ軸
20 ねじ軸
3 スライダ
3a スライダ取付面
30 スライダ
31 スライダのナット部
32 スライダの本体部
33 スライダのエンドキャップ
33a 潤滑剤導入口
33b 雌ねじ
4 軸端部材
40 軸端部材
12 モータ取り付けブラケット
41 雌ねじ
42 雌ねじ
5 エンドブロック
5A エンドブロック
51 取り付け部
51a ボルト穴
51b 雌ねじ
51c 雌ねじ
52 本体部
52a ニップル挿入口(凹状の第2給脂口)
52b 給脂路
52c 給脂路の開口端
53 グリースニップル(給脂用配管を結合する結合口)
6 側面カバー61a,61b 貫通穴
62 貫通穴
7 上面カバー
71 貫通穴
81 給脂路
81A 給脂路
81a 開口
811a 開口
81b 開口
812a 開口
811〜813 給脂路の部分
82 ボルト穴
83 グリースニップル(凸状の第1給脂部)
9 スペーサープレート
91 スペーサプレートの凹部の底面
91a ボルト穴
11 スペーサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対する内側面に軸方向に延びる転動体転動面を有する断面凹状の案内レールと、前記案内レールの幅方向中心部に配設され外周面に螺旋状のねじ溝を有するねじ軸と、前記ねじ軸に螺合されたナット部を含むスライダと、複数の転動体とを備え、
前記スライダには、前記案内レールの転動体転動面に相対した転動体転動面が両側面に形成されるとともに、前記転動体の戻し通路と、この戻し通路と前記転動体転動面を連結する方向転換路が形成され、
前記相対する両転動体転動面からなる転動通路と、前記戻し通路と、前記方向転換路とで構成される循環経路内に、前記転動体が介装され、
前記ねじ軸を回転することで、その回転力が前記ナット部に伝達されて、前記転動体が前記転動通路を負荷状態で転動しながら前記循環経路内を循環することにより、前記スライダが前記案内レールに沿って移動可能とされた一軸アクチュエータであって、
前記案内レールの両側面と前記スライダおよびねじ軸の上側がカバーで覆われ、
前記スライダは、その移動方向端部に、内部に潤滑剤を供給する給脂路の開口端である凸状または凹状の第1給脂口を有し、
前記案内レールは、前記第1給脂口が嵌まる凹状または凸状の第2給脂口と、給脂用配管を結合する結合口と、前記第2給脂口と前記結合口とを連通する給脂路を有し、前記結合口は前記カバー外に露出していることを特徴とする一軸アクチュエータ。
【請求項2】
前記第1給脂口は、前記スライダの上面に固定された給脂ブロックに形成され、
前記案内レールの軸方向両端開口部を塞ぎ、前記ねじ軸の両端を回転自在に支持する軸端部材を有し、
前記第2給脂口と、前記結合口と、これらを連通する給脂路は、前記軸端部材に固定されたエンドブロックに形成されている請求項1記載の一軸アクチュエータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−24329(P2013−24329A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159852(P2011−159852)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】