説明

一軸偏心ねじポンプ

【課題】インナーロータの回転に連動してアウターロータが回転するタイプの一軸偏心ねじポンプにおいて、アウターロータの位置ずれ、及びこれによる摩耗を防止することを目的とする。
【解決手段】一軸偏心ねじポンプ10は、アウターロータ70の先端部に面する第一空間38、基端部に面する第二空間40、第一空間38と連通した第三空間42を有する。アウターロータ70には、第一空間38に面する第一領域73a、第二空間40に面する第二領域73b、第三空間42に面する第三領域73cが設けられている。また、フランジ部72には、環状溝からなる第四空間78が、貫通孔76と連通し先端側面72aにおいて開口するように形成されている。第一空間38、第二空間40、第三空間42、及び第四空間78に流動物が導入された状態において、アウターロータ70に軸方向に作用する圧力が均衡し相殺される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、雄ねじ型のロータ(インナーロータ)の回転に連動して雌ねじ型のロータ(アウターロータ)が回転することにより、流動物を移送可能な一軸偏心ねじポンプに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、下記特許文献1〜3に開示されているように、雄ねじ型のロータ(インナーロータ)の回転に連動して雌ねじ型のロータ(アウターロータ)が回転するタイプの一軸偏心ねじポンプが、食料原料、化学原料、及び下水汚泥等の高粘度流体(流動物)の圧送用として提供されている。特許文献1の一軸偏心ねじポンプにおいては、アウターロータ及び軸受部分を洗浄可能とすべく、自己潤滑軸受とアウターロータとが摺動する部分の両端を密封するようにシール部材を設けている。また、吸入側及び吐出側に注入口及び排出口を設け、連通路を介して両者を相互に連通させている。
【0003】
特許文献2の一軸偏心ねじポンプにおいては、高圧側から低圧側への液漏れによる圧送性能の低下を防止すべく、ラビリンス状のシール部材等を設けることにより、自己潤滑軸受とアウターロータとの吐出側の摺動部端を密封した構造が採用されている。また、特許文献3の一軸偏心ねじポンプにおいては、軸受の潤滑性能を維持しつつ、高圧側から低圧側への液漏れによる圧送性能の低下を抑制すべく、自己潤滑軸受とアウターロータとの間に軸方向に沿って連通路を設けると共に、連通路に分断部を設けることにより、吸入側と吐出側とが直接連通状態とならないようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−293529号公報
【特許文献2】特開2010−209731号公報
【特許文献3】特開2010−209732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、一般的に一軸偏心ねじポンプにおいては、吐出圧が吸い込み圧よりも高圧になる傾向にある。そのため、インナーロータだけでなくアウターロータについても回転可能とされた一軸偏心ねじポンプにおいては、吐出圧と吸い込み圧との差圧の影響でアウターロータが軸方向に位置ずれする可能性がある。かかるアウターロータの位置ずれを解消すべく、上述した従来技術の一軸偏心ねじポンプにおいては、アウターロータの軸方向略中央部に径方向外側に張り出した大径部を設けると共に、ケーシングに大径部を嵌め込み可能な拡径部を設けた構造を採用している。しかしながら、かかる構造とした場合には、装置構成が複雑となるため、製造及びメンテナンスがしにくいという問題がある。
【0006】
また、従来技術のような構造を採用した場合であっても、吐出圧あるいは吸い込み圧の影響によりアウターロータが軸方向に位置ずれし、拡径部と大径部とが密接した状態になる可能性がある。このようにしてアウターロータが位置ずれした状態において運転を行うと、大径部が拡径部に押しつけられた状態でアウターロータが回転することになり、大きな動力損失及び発熱の問題が生じ、大径部あるいは拡径部が摩耗等する可能性がある。
【0007】
そこで、本発明は、インナーロータの回転に連動してアウターロータが回転するタイプの一軸偏心ねじポンプにおいて、大きな動力損失が生じず、アウターロータが軸方向に位置ずれすることを防止し、かつ軸方向へのズレによるアウターロータ等の摩耗が生じることを確実に防止することを目的とした。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決すべく提供される本発明の一軸偏心ねじポンプは、駆動軸を介して回転動力を出力可能な駆動機と、前記駆動軸に連結された雄ねじ状の軸体によって構成されたインナーロータと、内周面が雌ねじ型に形成された筒体であり、一端をなす基端側から他端をなす先端側に向けて前記インナーロータを挿入可能な貫通孔を有するアウターロータと、前記アウターロータを回転可能なように収容可能な収容空間を有するケーシングとを有しており、前記アウターロータが、径方向外側に張り出したフランジ部を有するものであり、前記ケーシングが、前記アウターロータに対して前記先端側に設けられた第一開口と、前記アウターロータに対して前記基端側に設けられた第二開口と、前記フランジ部を収容可能なフランジ収容部とを有するものであり、前記アウターロータが前記インナーロータの回転に連動して前記ケーシングの内部において回転することにより、前記第一開口及び前記第二開口のいずれか一方側から流動物を吸い込み、前記第一開口及び前記第二開口の他方側から吐出させることが可能なものである。
【0009】
本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、前記アウターロータと前記ケーシングとの間に、前記アウターロータの先端側に設けられた先端面に面し、前記第一開口と連通した第一空間と、前記アウターロータの基端側に設けられた基端面に面し、前記第二開口と連通した第二空間と、前記第二空間とは別に設けられ、前記基端面に面し、前記第一空間と連通した第三空間と、前記アウターロータにおいて前記フランジ部の前記先端側に設けられ、前記第二空間と連通した第四空間とが形成されている。本発明の一軸偏心ねじポンプは、前記第一空間、前記第二空間、前記第三空間、及び前記第四空間の内部に流動物が導入された状態において、前記アウターロータに対して前記先端面側から前記基端面側に向けて作用する圧力Bと、前記基端面側から前記先端面側に向けて作用する圧力Fとを均衡させることが可能であることを特徴としている。
【0010】
本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、流動物の圧送に伴い、第一空間内、第二空間、第三空間、及び第四空間に流動物が導入された状態において、アウターロータに対して先端面側から基端面側に向けて作用する圧力Bと、基端面側から先端面側に向けて作用する圧力Fとが均衡した状態になる。すなわち、本発明の一軸偏心ねじポンプは、アウターロータの軸方向に作用する圧力バランスをとることによりアウターロータの位置ずれを解消しようとするものであり、この点において従来技術のものと技術的思想が相違している。従って、本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、流動物の圧送時にアウターロータに対して軸方向に作用する圧力B及び圧力Fが相殺された状態になり、アウターロータの軸方向への位置ずれが発生しない。
【0011】
本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、流動物の圧送時にアウターロータが軸方向に位置ずれしないため、ケーシングに対して押しつけられた状態で回転することを防止できる。これにより、アウターロータの摩耗を防止し、メンテナンス等の手間を最小限に抑制できる。
【0012】
上述した本発明の一軸偏心ねじポンプは、前記フランジ部の先端側フランジ面と、前記ケーシングのフランジ収容部との間に形成された第一の隙間に、前記第三空間及び前記第四空間が連通しており、前記第二空間及び前記第三空間と、前記アウターロータの基端面との間に形成された第二の隙間に、前記第二空間及び前記第三空間が連通している。前記第一空間及び第二空間内に導入された流動物の影響により、前記アウターロータに対して前記先端面側から前記基端面側に向けて作用する圧力をb1と規定し、前記第二空間内に導入された流動物の影響により、前記アウターロータに対して前記基端面側から前記先端面側に向けて作用する圧力をf1と規定し、前記連通路を経て第三空間内に導入された流動物の影響により、前記アウターロータに対して前記基端面側から前記先端面側に向けて作用する圧力をf2と規定し、前記第四空間に導入された流動物の影響により、前記アウターロータに対して前記先端面側から前記基端面側に向けて作用する圧力をb2と規定し、前記第一の隙間において前記第三空間側から導入された流動物、及び前記第四空間側から導入された流動物の影響によって前記フランジ部に対して前記先端面側から前記基端面側に向けて作用する圧力をb3と規定し、前記第二空間から導入された流動物、及び第三空間側から導入された流動物の影響によって前記第二の隙間から前記フランジ部に対して前記基端面側から前記先端面側に向けて作用する圧力をf3と規定した場合に、前記圧力b1,b2,b3の総和と、前記圧力f1,f2,f3の総和とを均衡させることが可能な構成とすることが望ましい。
【0013】
本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、第三空間及び第四空間に流入した流動物、並びに第一の隙間、第二の隙間に導入される僅かな流動物の影響によりアウターロータに対して軸方向に作用する圧力b1,b2,b3の総和に係る圧力と、これらとは軸方向反対側に向けて作用する圧力f1,f2,f3の総和とが相殺される。従って、本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、流動物の圧送時にアウターロータに対して軸方向に作用する圧力の影響によりアウターロータが軸方向に位置ずれすることを防止できる。また、本発明によれば、アウターロータが軸方向に向けて作用する強い力によってケーシングに対して押しつけられた状態で回転することを防止し、アウターロータの摩耗及びメンテナンスの手間を最小限に抑制できる。
【0014】
上述した本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、前記フランジ部が、前記基端側に設けられていることが望ましい。
【0015】
かかる構成によれば、アウターロータ及びケーシングの構造をシンプルなものとすることが可能であり、製造コスト等を最小限に抑制することができる。また、フランジ部をアウターロータの基端側に設けることにより、メンテナンス等のためにアウターロータを着脱する作業が容易となる。
【0016】
また、本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、前記アウターロータの外周面と、前記収容空間の内周面との間に隙間が形成されており、前記隙間を流動物が通過可能であることが好ましい。
【0017】
かかる構成によれば、ケーシングにおける収容空間の内周面と、アウターロータの外周面との隙間に流動物が介在した状態になり、いわゆる流体軸受によって支持されているのと同様にアウターロータをスムーズに回転させることが可能となる。
【0018】
本発明の一軸偏心ねじポンプは、前記収容空間内に収容されたアウターロータを回転可能に支持する軸受が、前記ケーシングと一体あるいは別体として設けられたものとすることも可能である。
【0019】
かかる構成によれば、軸受によりアウターロータをスムーズに回転させることが可能であり、動力損失を最小限に抑制できる。
【0020】
本発明の一軸偏心ねじポンプにおいては、前記第一領域、前記第二領域、前記第三領域、及び前記第四領域が、それぞれ軸対称形状あるいは環状であることが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、第一領域、第二領域、第三領域、及び第四領域に対して周方向に略均一に圧力を作用させることが可能であり、流動物から作用する圧力によりアウターロータの位置ずれが生じることをより一層確実に防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、インナーロータの回転に連動してアウターロータが回転するタイプの一軸偏心ねじポンプにおいて、アウターロータが軸方向に位置ずれすること、及びこれによるアウターロータ等の摩耗が生じることを確実に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る一軸偏心ねじポンプを示す断面図である。
【図2】図1の一軸偏心ねじポンプにおいて採用されているケーシングを示す分解斜視図である。
【図3】図2に示すケーシングの本体部を示す斜視図であり、(a)は先端側から見た状態を示し、(b)は基端側から見た状態を示す。
【図4】図2に示すケーシングのエンドスタッドを示す斜視図であり、(a)は先端側から見た状態を示し、(b)は基端側から見た状態を示す。
【図5】図1の一軸偏心ねじポンプにおいて採用されているアウターロータを示す斜視図である。
【図6】図1における第三空間近傍を拡大した拡大図である。
【図7】図2に示す一軸偏心ねじポンプの変形例を示す断面図である。
【図8】図2に示す一軸偏心ねじポンプの変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
続いて、本発明の一実施形態である一軸偏心ねじポンプ10について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の説明においては、特に断りのない限り、動力源である駆動機50に近い側を基端側、基端側に対して反対側を先端側として説明する。本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10は、いわゆる回転容積型のポンプであり、図1に示すように、駆動機50、インナーロータ60、及びアウターロータ70等をケーシング20の内部に収容した構成とされている。
【0025】
図2に示すように、ケーシング20は、本体部22と、エンドスタッド24と、中間部26と、駆動機収容部28とに大別され、これらを一体的に連結した構造とされている。図1に示すように、ケーシング20は、エンドスタッド24から中間部26に至る領域において内部空間30を有する。また、ケーシング20は、エンドスタッド24に第一開口32を有し、中間部26の外周部分に第二開口34を有する。
【0026】
ケーシング20の内部空間30は、アウターロータ収容空間36、第一空間38、及び第二空間40に大別される。アウターロータ収容空間36は、アウターロータ70が収容される空間であり、ケーシング20の長手方向(軸方向)に延びるように形成されている。第一空間38は、アウターロータ収容空間36に対して第一開口32側に隣接した位置に設けられた空間である。第一空間38は、第一開口32と連通しており、アウターロータ70の一端(先端)をなす先端面70aに面している。
【0027】
第二空間40は、アウターロータ収容空間36に対して第二開口34側に隣接した位置に設けられた空間である。第二空間40は、第二開口34と連通しており、アウターロータ70の基端をなす基端面70bに面している。また、第二空間40内には、駆動機収容部28側から駆動機50の駆動軸52が突出し、アウターロータ収容空間36側からインナーロータ60が突出している。駆動軸52及びインナーロータ60は、第二空間40内において直接接続され、一体化されている。
【0028】
ケーシング20には、上述した内部空間30に加えて、第三空間42、第一・第三空間連通路44、及びフランジ収容部46が設けられている。第三空間42は、アウターロータ70の基端面70bに面しており、第二空間40とは別に設けられた空間である。第三空間42は、第一・第三空間連通路44を介して第一空間38と連通している。また、フランジ収容部46は、ケーシング20の本体部22内に収容されているアウターロータ70のフランジ部72を収容するためのものであり、本体部22の基端側に設けられている。
【0029】
ケーシング20の構造についてさらに詳細に説明すると、図1〜図3に示すように、本体部22には、突出部22aが設けられている。突出部22aは、本体部22の先端側において軸方向に突出するように形成されている。突出部22aの略中央部には、アウターロータ収容空間36が開口している。
【0030】
一方、図1及び図3(b)に示すように、本体部22の基端側の開口部分には、第一段部22b及び第二段部22cが形成されている。これにより、本体部22は、基端側において2段階に縮径した形状とされている。本体部22においては、基端側の開口部分から第一段部22bまでの領域が、中間部26の端部が差し込まれる中間部差込部22dとして機能する。また、第一段部22bから第二段部22cまでの領域は、後に詳述するアウターロータ70のフランジ部72を収容するための空間(フランジ収容部46)として機能する。また、本体部22においては、上述した内部空間30よりも径方向外側に外れた位置に第一・第三空間連通路44の一部をなす連通路構成部44aが形成されている。
【0031】
また、図1及び図4(b)に示すように、エンドスタッド24には、凹状の突出部差込部24bが設けられている、突出部差込部24bは、突出部22aを嵌め込むためのものであり、エンドスタッド24の一端(接続端24a)側に開口している。突出部差込部24bの内周面には、溝24cが全周に亘って設けられている。溝24cには、Oリング等のシール部材24dが嵌め込まれている。
【0032】
また、エンドスタッド24の内部には、第一空間38が形成されている。第一空間38は、突出部差込部24b側に開口しており、その開口形状及び大きさは、アウターロータ収容空間36の突出部22aに形成されたアウターロータ収容空間36の開口と略同一とされている。第一空間38は、接続端24a側からエンドスタッド24の軸方向中間部に至る部分(縮径部38a)において、開口領域がテーパー状に縮小している。また、第一空間38には、第一・第三空間連通路44の一部をなす連通路構成部44bが設けられている。連通路構成部44bは、第一空間38の縮径部38aをなす傾斜面に連通しており、エンドスタッド24の接続端24a側に開口している。
【0033】
上述した突出部差込部24bに対して突出部22aを差し込むことにより、本体部22とエンドスタッド24とが連結される。また、連通路構成部44a,44bが連通した状態になり、第一空間38と第二空間40とを繋ぐ第一・第三空間連通路44が形成される。これにより、アウターロータ70の先端側から吐出された流動物が、第一空間38、第一・第三空間連通路44、及び第三空間42に充満した状態になる。
【0034】
図1及び図2に示すように、中間部26は、一端側(先端側)が段状に形成されている。具体的には、中間部26の一端側は、第一段部26aと第二段部26bとが形成され、先端側(本体部22側)に向けて2段階に縮径した形状とされている。中間部26において、第一段部26aよりも先端側の部分は、上述した本体部22の中間部差込部22dに差し込まれる差込部26cとして機能する部分である。
【0035】
差込部26cの外径は、上述した中間部差込部22dの内径と略同一とされている。また、差込部26cの外周面には、全周に亘って周溝26dが設けられており、この周溝26dにOリング等のシール部材26eが嵌め込まれている。従って、差込部26cを中間部差込部22dに差し込むことにより封止され、本体部22と中間部26とが流動物が漏出しないように連結された状態になる。
【0036】
また、本体部22の中間部差込部22dに対し、中間部26の差込部26cを差し込むと、第二段部26bに相当する部分に環状の第三空間42が形成される。第三空間42は、本体部22に形成されている第一・第三空間連通路44と接続されている。従って、第三空間42は、第一・第三空間連通路44を介してエンドスタッド24側に形成された第一空間38と連通した状態になっている。
【0037】
駆動機50は、従来公知のモータによって構成されており、上述したケーシング20の駆動機収容部28に収容されている。駆動機50の駆動軸52は、中間部26の第二空間40内に突出しており、インナーロータ60の端部に接続されている。
【0038】
インナーロータ60は、ステンレス鋼、チタン等の金属、エンジニアリングプラスチック等の樹脂、セラミックス等で作成された軸体であり、駆動機50の作動に伴って軸心位置L1を中心として回転可能とされている。インナーロータ60は、n−1条(nは自然数)で単段あるいは多段の雌ねじ形状とされている。本実施形態の例においては、インナーロータ60は1条で多段とされている。インナーロータ60は、長手方向のいずれの位置で断面視しても、その断面形状がほぼ真円形となるように形成されている。
【0039】
図5に示すように、アウターロータ70は、ゴムに代表される弾性体や樹脂などで作成された筒状の部材である。アウターロータ70は、略円筒形の外観形状とされており、図1及び図5に示すように基端側に径方向外側に向けて張り出したフランジ部72を有する。アウターロータ70の材質は、被搬送物である流動物の種類や性状などにあわせて適宜選択される。アウターロータ70は、上述したケーシング20の内部空間30内に挿入され、フランジ部72がフランジ収容部46内に収容された状態になっている。この状態において、アウターロータ70の外周面と、内部空間30の内周面及びフランジ収容部46の内周面との間には、流動物が微量流動可能な程度の隙間74が形成されている。
【0040】
アウターロータ70は、基端側から先端側に向けて貫通した貫通孔76を有する。アウターロータ70の内周面76aは、n条(nは自然数)で単段あるいは多段の雌ねじ形状とされている。本実施形態では、図1や図2に示すように2条で多段の形状とされている。貫通孔76には、基端側から先端側に向けてインナーロータ60が挿入されている。また、アウターロータ70は、インナーロータ60の軸心位置L1に対して径方向に外れた軸心位置L2を中心として回転可能なように収容されている。
【0041】
アウターロータ70には、貫通孔76とフランジ部72の先端側の先端側面72a(フランジ面)とを繋ぐ第四空間連通路78が設けられている。第四空間連通路78は、貫通孔76に流入する流動物の流れ方向上流側(基端側)から下流側(先端側)に向かうに連れて径方向外側に向けて延びるように傾斜しており、先端側面72aに形成された環状の溝部(以下、「第四空間48」と称す)に繋がっている。第四空間48は、アウターロータ70の根元部分において、アウターロータ70と略同心となるように形成されている。第四空間連通路78は、第四空間48内に開口している。そのため、貫通孔76内に導入された流動物を、第四空間連通路78を介して第四空間48内に導入することができ、第四空間48内の圧力を第二空間40内の圧力と同一にすることができる。また、フランジ部72の先端側面72aは、ケーシング20においてフランジ収容部46を構成する面(対向面46a)に対向している。また、フランジ部72において先端側面72aとは反対側(基端側)に形成された基端側面72bは、アウターロータ70の基端面70bに相当し、第二空間40及び第三空間42に面している。
【0042】
一軸偏心ねじポンプ10においては、駆動機50を作動させることにより、インナーロータ60が軸心位置L1を中心として回転する。また、このインナーロータ60の回転に連動して、アウターロータ70が軸心位置L2を中心として従動的に回転する。これにより、第二開口34から第二空間40内に導入された流動物が圧送され、アウターロータ70の貫通孔76、及び第一空間38を介して第一開口32から所定の吐出圧で吐出される。
【0043】
ここで、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10においては、第二開口34から第二空間40内に吸い込まれ、圧送される流動物の影響により、基端側面72bにおいて、第二空間40に面している第二領域73bに対して圧力f1が作用する。また、アウターロータ70の貫通孔76内に流入した流動物が、さらに第四空間連通路78を介して環状溝からなる第四空間48に流入し、第四空間48が流動物によって満たされることにより、フランジ部72の先端側面72aにおいて、第四空間48から、先端側から基端側に向かう方向への圧力b2が作用する。
【0044】
また、図1に示すように、一軸偏心ねじポンプ10では、アウターロータ70の先端面70aにおいて第一空間38に面している領域(第一領域73a)、及び流動物圧送用のキャビティをなす貫通孔78の内周面76aに対し、先端側から基端側に向かう方向に圧力b1(吐出圧)が作用する。一方、アウターロータ70の先端側から流出し、第一空間38に流入した流動物の一部は、第一・第三空間連通路44を介して第三空間42に流入する。これにより、図1及び図6に示すように、アウターロータ70のフランジ部72において第三空間42に面している第三領域73cには、基端側から先端側に向かう方向に圧力f2が作用する。
【0045】
一軸偏心ねじポンプ10においては、フランジ部72の先端側面72aと、ケーシング20のフランジ収容部22eとの間に形成された第一の隙間62に、第三空間42からフランジ部72の外周面とこれに相対する本体部22の内壁面の間の隙間を通じ微量流入した流体が導入され、環状溝からなる第四空間48に供給されることにより、フランジ部72に対して先端側から基端側に向けて圧力b3が作用する。また、第二空間40及び第三空間42と、アウターロータの基端側面72との間に形成された第二の隙間64に、第三空間42から第二空間40に流動物が微量流れることにより、フランジ部72に対して基端側から先端側に向けて圧力f3が作用する。
【0046】
ここで、アウターロータ70の本体部分の半径をro、フランジ部72の基端側面72bの半径をra、フランジ部72の先端側面72aにおいて環状に形成されている第四空間48の開口領域(第四領域73d)の半径をrb、第二空間40において基端側面72bに面している開口領域の半径をriと規定する。また、アウターロータ70から吐出される流動物の圧力をPo、アウターロータ70に導入される流動物の圧力をPiと規定する。このように規定した場合、上述した圧力f1,f2,f3及び圧力b1,b2,b3は、下記の(数式1)〜(数式6)により導出することができる。
【0047】
また、下記(数式3)及び(数式6)においてPx及びPyは、実験結果等に基づいて導出することも可能であるが、例えば下記(数式7)及び(数式8)等に基づいて導出することが可能である。なお、(数式7)におけるK1、及び(数式8)におけるK2は、それぞれ係数である。係数K1及びK2は、それぞれ第一合流領域62a及び第二合流領域64aにおける流動物の圧力分布、これらの領域62a,64aの構造等を加味して設定することが可能である。本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10においては、第一合流領域62aにおいて作用する圧力は、平均して圧力Po,Piの平均圧相当であると想定されるため、係数K1を略0.5に設定することが可能である。また、第二合流領域64a作用する圧力は、平均して圧力Po,Piの平均圧よりもやや低いものと想定されるため、係数K2は0.5よりも小さい正数に設定される。
【0048】
【数1】

【数2】

【数3】

【数4】

【数5】

【数6】

【数7】

【数8】

【0049】
また、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10においては、流動物の圧送時にアウターロータ70に対して基端側から先端側に向かう方向に作用する圧力f1,f2,f3と、先端側から基端側に向かう方向に作用する圧力b1,b2,b3とが略均衡が取れ、相殺されるように第一領域73a、第二領域73b、第三領域73c、及び第四領域73dの領域面積、並びに第一の隙間62及び第二の隙間64の大きさが調整されている。すなわち、下記(数式9)の関係が成立するように各部の面積等が調整されている。
【0050】
【数9】

【0051】
なお、上述した圧力f1,f2,f3及び圧力b1,b2,b3のうち、他の圧力に比べて無視できる程度に小さいものについては上記(数式9)の関係において加味しないこととしても良い。
【0052】
上述したように、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10においては、流動物の圧送に際して各部に流動物が流入した状態において、アウターロータ70に対して先端側から基端側に向けて作用する圧力B(B=b1+b2+b3)と、基端側から先端側に向けて作用する圧力F(F=f1+f2+f3)とが略均衡し、相殺された状態状態になる。また、圧力が作用する主要領域である第一領域73a、第二領域73b、第三領域73c、第四領域73d、第四空間48、第一の隙間62、及び第二の隙間64がいずれも同心かつ環状に形成されていることから、圧力f1,f2,f3及び圧力b1,b2,b3がいずれも周方向には略均一に作用する。従って、一軸偏心ねじポンプ10においては、圧力f1,b2の影響を受けない。従って、一軸偏心ねじポンプ10は、アウターロータ70の軸方向への位置ずれを防止することができる。アウターロータ70がケーシング20に対して押しつけられた状態で回転することにより摩耗することを防止し、メンテナンス等の手間を最小限に抑制することができる。なお、第一領域73a、第二領域73b、第三領域73c、第四領域73d、第四空間48、第一の隙間62、及び第二の隙間64については、必ずしも上述したように同心かつ環状とする必要はなく、軸対称形状とすることも可能であり、同様の作用効果が得られる。
【0053】
上述したように、一軸偏心ねじポンプ10においては、フランジ部72がアウターロータ70の基端側に設けられている。これにより、従来技術のもののようにフランジ部72をアウターロータ70の軸方向中間部に設ける場合に比べて装置構成をシンプルなものとし、製造コスト等を最小限に抑制することができる。なお、本実施形態の例においては、フランジ部72をアウターロータ70の基端側に設けた構成を例示したが、本発明はこれに限定される訳ではなく、フランジ部72をアウターロータ70の軸方向中間部に設けても良い。
【0054】
また、一軸偏心ねじポンプ10においては、アウターロータ70の外周面と、アウターロータ収容空間36の内周面との間に隙間74が形成されており、この隙間74を流動物が通過することが可能とされている。これにより、流体軸受によって支持されているのと同様にアウターロータ70をスムーズに回転させることが可能となる。なお、本実施形態の例においては、隙間74に流動物を介在させることにより、アウターロータ70を回転可能なように支持した構成を例示したが、別途軸受等を設けた構成としても良い。
【0055】
具体的には、図7に示すように、ケーシング20のアウターロータ収容空間36にすべり軸受90を設け、アウターロータ70を回転可能に支持した構成としても良い。かかる構成とすることにより、アウターロータ70の回転抵抗をより一層低減し、動力損失を最小限に抑制することが可能となる。なお、すべり軸受90は、ケーシング20の内周面に一体的に取り付けられても良く、ケーシング20とは別体として取り付けられても良い。
【0056】
本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10においては、アウターロータ70が位置ずれすることなく回転するため、アウターロータ70とケーシング20との間に隙間74が確保される。従って、一軸偏心ねじポンプ10は、アウターロータ70をケーシング20等と摩擦を生じることなく回転させることが可能であり、ケーシング20との摩擦によるアウターロータ70の摩耗を防止し、及びアウターロータ70の交換等のメンテナンスの手間を最小限に抑制することが可能である。
【0057】
また、一軸偏心ねじポンプ10は、図8に示すようにアウターロータ70とケーシング20との間に形成される隙間74、及び第一・第三空間連通路44のいずれか一方あるいは双方に排出路92,94を接続し、排出路92,94の中途に弁96,98を設けた構成としても良い。このような構成とした場合は、弁96,98を開状態とすることにより隙間74あるいは第一・第三空間連通路44に存在する流動物や洗浄液をスムーズに排出させることが可能となる、メンテナンス特性が向上する。
【0058】
本実施形態において例示した一軸偏心ねじポンプ10は、本発明の一実施形態を例示したものに過ぎず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において適宜設計変更することが可能である。具体的には、一軸偏心ねじポンプ10においては、第二空間40内において駆動軸52及びインナーロータ60が直接接続し、一体化されているが、駆動軸52及びインナーロータ60の間にカップリングを介在させる等して、間接的に接続しても良い。
【0059】
また、上述した第一空間38は、開口領域がテーパー状に縮小するように形成された縮径部38aを有し、この縮径部38aをなす傾斜面に連通路構成部44bが連通したものであるが、縮径部38aを設けない構成としても良い。また、連通路構成部44bの連通箇所は必ずしも縮径部38aをなす傾斜面でなくても良く、縮径部38a以外の箇所において連通路構成部44bが連通していても良い。
【0060】
ケーシング20は、上述した形状及び組み立て構造に限定されるものではなく、適宜設計変更することが可能である。具体的には、ケーシング20は、本体部22、エンドスタッド、中間部26、及び駆動機収容部28の4つの部分に大別されるものであるが、構成部分の数はこれに限定されるものではない。また、各部の接続形態についても上述したものに限定される訳ではない。
【0061】
アウターロータ70において、第四空間48は貫通孔76と連通するように形成されているが、第四空間48は第二開口34と連通したものであっても良い。また、先端側面72aにおける第四空間48に繋がる第四空間連通路78の本数、位置、大きさ、形状等は適宜設計変更することが可能である。
【0062】
本実施形態において例示したアウターロータ70のフランジ部72は単純円盤状の形状を有するものであったが、本発明はこれに限定されるものではなく、外径が多段に変化するように形成された多段円盤状のものとすることが可能である。かかる構成とすることにより、第一の隙間62や第二の隙間64の個数を増加させることが可能となる。また、フランジ部72をテーパー状の断面形状を有するように形成することが可能である。かかる構成とすることにより、第一の隙間62や第二の隙間64の形状をテーパー状とすることが可能となる。
【0063】
上述した(数式1)〜(数式9)は、本実施形態の一軸偏心ねじポンプ10においてアウターロータ70に対して作用する圧力B,Fを略均衡させるために用いられる数式の一例を示したものであり、本発明の趣旨を逸脱しない限り、他の数式により置換することが可能である。また、上述したフランジ部72の断面形状を変更する等の設計変更については、アウターロータ70に対して作用する圧力B,Fを略均衡させることによりアウターロータ70の位置決めを図るという本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、適宜実施することが可能である。この際、当該設計変更を加味して(数式1)〜(数式9)の一部又は全部を異なるものと置換する等することにより、アウターロータ70に対して作用する圧力B,Fを略均衡させ、アウターロータ70の位置を安定させることが可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、インナーロータの回転に連動してアウターロータが回転することにより流動物を移送可能な一軸偏心ねじポンプに適用可能であり、特に小型化が要求される用途に好適である。
【符号の説明】
【0065】
10 一軸偏心ねじポンプ
20 ケーシング
30 内部空間
32 第一開口
34 第二開口
36 アウターロータ収容空間
38 第一空間
40 第二空間
42 第三空間
44 連通路
46 フランジ収容部
46a 対向面
50 駆動機
52 駆動軸
60 インナーロータ
70 アウターロータ
70a 先端面
70b 基端面
72 フランジ部
72a 先端側面(フランジ面)
72b 基端側面
73a 第一領域
73b 第二領域
73c 第三領域
73d 第四領域
74 隙間
76 貫通孔
78 第四空間連通路
90 すべり軸受

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駆動軸を介して回転動力を出力可能な駆動機と、
前記駆動軸に連結された雄ねじ状の軸体によって構成されたインナーロータと、
内周面が雌ねじ型に形成された筒体であり、一端をなす基端側から他端をなす先端側に向けて前記インナーロータを挿入可能な貫通孔を有するアウターロータと、
前記アウターロータを回転可能なように収容可能な収容空間を有するケーシングとを有しており、
前記アウターロータが、
径方向外側に張り出したフランジ部を有するものであり、
前記ケーシングが、
前記アウターロータに対して前記先端側に設けられた第一開口と、
前記アウターロータに対して前記基端側に設けられた第二開口と、
前記フランジ部を収容可能なフランジ収容部とを有するものであり、
前記アウターロータが前記インナーロータの回転に連動して前記ケーシングの内部において回転することにより、前記第一開口及び前記第二開口のいずれか一方側から流動物を吸い込み、前記第一開口及び前記第二開口の他方側から吐出させることが可能なものであり、
前記アウターロータと前記ケーシングとの間には、
前記アウターロータの先端側に設けられた先端面に面し、前記第一開口と連通した第一空間と、
前記アウターロータの基端側に設けられた基端面に面し、前記第二開口と連通した第二空間と、
前記第二空間とは別に設けられ、前記基端面に面し、前記第一空間と連通した第三空間と、
前記アウターロータにおいて前記フランジ部の前記先端側に設けられ、前記貫通孔と連通した第四空間とが形成されており、
前記第一空間、前記第二空間、前記第三空間、及び前記第四空間の内部に流動物が導入された状態において、前記アウターロータに対して前記先端面側から前記基端面側に向けて作用する圧力Bと、前記基端面側から前記先端面側に向けて作用する圧力Fとを均衡させることが可能であることを特徴とする一軸偏心ねじポンプ。
【請求項2】
前記フランジ部の先端側フランジ面と、前記ケーシングのフランジ収容部との間に形成された第一の隙間に、前記第三空間及び前記第四空間が連通しており、
前記第二空間及び前記第三空間と、前記アウターロータの基端面との間に形成された第二の隙間に、前記第二空間及び前記第三空間が連通しており、
前記第一空間内に導入された流動物の影響により、前記アウターロータに対して前記先端面側から前記基端面側に向けて作用する圧力をb1と規定し、
前記第二空間内に導入された流動物の影響により、前記アウターロータに対して前記基端面側から前記先端面側に向けて作用する圧力をf1と規定し、
前記第三空間内に導入された流動物の影響により、前記アウターロータに対して前記先端面側から前記基端面側に向けて作用する圧力をf2と規定し、
前記第四空間に導入された流動物の影響により、前記アウターロータに対して前記基端面側から前記先端面側に向けて作用する圧力をb2と規定し、
前記第一の隙間において前記第三空間側から導入された流動物、及び前記第四空間側から導入された流動物の影響によって前記フランジ部に対して前記先端面側から前記基端面側に向けて作用する圧力をb3と規定し、
前記第二の隙間のうち、前記第二空間から導入された流動物、及び第三空間側から導入された流動物の影響によって前記フランジ部に対して前記基端面側から前記先端面側に向けて作用する圧力をf3と規定した場合に、
前記圧力b1,b2,b3の総和と、前記圧力f1,f2,f3の総和とを均衡させることが可能であることを特徴とする請求項1に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項3】
前記フランジ部が、前記アウターロータの基端側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項4】
前記アウターロータの外周面と、前記収容空間の内周面との間に隙間が形成されており、
前記隙間を流動物が通過可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項5】
前記収容空間内に収容されたアウターロータを回転可能に支持する軸受が、前記ケーシングと一体あるいは別体として設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の一軸偏心ねじポンプ。
【請求項6】
前記第一領域、前記第二領域、前記第三領域、及び前記第四領域が、それぞれ環状であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の一軸偏心ねじポンプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−32709(P2013−32709A)
【公開日】平成25年2月14日(2013.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−167990(P2011−167990)
【出願日】平成23年8月1日(2011.8.1)
【出願人】(000239758)兵神装備株式会社 (76)
【Fターム(参考)】