説明

一連使用に適した化粧料

【課題】化粧料において、一連使用しても香りの強さおよび嗜好に優れた化粧料を提供する。
【解決手段】
シトラール等のI−(a)、メントール等のI−(b)なる群より選ばれる少なくとも1種のI成分と、
サンタロール等のIIなる群より選ばれる少なくとも1種のII成分を含むことを特徴とする第1剤および第2剤からなり、
II成分の配合量が第1剤より第2剤の方が少ないことを特徴とする第1剤の後に第2剤を一連使用する化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一連使用に適した化粧料、特に香り成分の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、一連使用して効果を発揮する、シャンプーとコンディショナー、化粧水と乳液というような化粧料がシリーズとして広く販売使用されている。
一方、従来消費者の心を豊かにするために化粧料に賦香がされてきた。しかし、一連使用する化粧料の場合、それ自体は完成された香りでも、1回吸引した後2回目以降に使用する化粧料は身体が順応してしまい、香りを感じなくなり、嗜好が悪くなるといった問題がある。一連使用する化粧料に常に嗜好性の高い賦香をすることができたならば、消費者のシリーズとしての購買意欲を増すことができると考えられる。
例えば、アリルカプロエート等と、ガラクソリド等を組み合わせて用いる方法が提案されている(特許文献1)。しかし、繰り返し使用による嗜好性の向上は認められるが、単一商品を連用した場合に限られている。一連使用する複数の化粧料についての賦香については、全く検討されていないのが現状である。
【特許文献1】特開2007−254497号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決すべき課題は一連使用における香りの強さおよび嗜好性に優れた化粧料および調香方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述の課題に鑑み、本発明者らが鋭意研究を行った結果、特定の成分を第1剤と第2剤に一定の比率で配合することで、香りの強さおよび嗜好に優れた化粧料を製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の主題は、
前記シトラール等のI−(a)およびメントール等のI−(b)なる群より選ばれる少なくとも1種のI成分と、
前記サンタロール等のIIなる群より選ばれる少なくとも1種のII成分を含むことを特徴とする第1剤および第2剤からなり、
II成分の配合量が第1剤より第2剤の方が少ないことを特徴とする、第1剤の後に第2剤を一連使用する化粧料である。
前記第1剤、第2剤に配合するI成分の配合量をI1、I2、II成分の配合量をII1、II2とするとき、II1/I1:II2/I2=1:0.2〜0.8であることが好適である。
前記I1/II1:I2/II2=1:1.2〜4.5であることが好適である。
前記第2剤のI−(b)成分を増加させることが好適である。
前記第1剤のI成分とII成分の配合質量比が1:1〜4.5であることが好適である。
前記第1剤のI成分およびII成分の配合量が、化粧料全体において0.005〜15%であることが好適である。
前記第1剤と第2剤の使用間隔が10分以内であることが好適である。
前記I−(a)成分がシトラス系、アルデヒド系、グリーン系、フルーティ系、I−(b)成分がミンティ系、ハーバル系、スパイシー系、フローラル系、アロマティック系であり、II成分が、ウッディ系、アーシー系、モッシー系、レザー系、アニマリック系、バルサミック系、ハニー系、アンバー系、ムスキー系であることが好適である。
【0005】
本発明の第2の主題は、前記化粧料からなる毛髪用化粧料である。
前記毛髪用化粧料において、第1剤がシャンプー、第2剤がコンディショナーであることが好適である。
【0006】
本発明の第3の主題は、前記化粧料のII成分の配合量が第1剤より第2剤の方が少ないことを特徴とする調香方法である。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる一連使用に適した化粧料は、特定の成分を第1剤と第2剤に一定の比率で配合することで、従来の化粧料では同じ成分を入れても、2回目に使用する化粧料(第2剤)を使用する際は身体が順応してしまい、香りを感じなくなるといった理由から達成できなかった嗜好性の高い一連使用に適した化粧料を製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の好適な実施形態について説明する。
I成分
本発明にかかる一連使用に適した化粧料は、下記I−(a)、I−(b)なる群より選ばれる少なくとも1種のI成分を含む第1剤および第2剤からなる。
I−(a)成分には、シトラール、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル、リモネン、ジヒドロミルセノール、ライムオキサイド、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、10−ウンデカナール、ドデカナール、2−メチル−ウンデカナール、トリデカナール、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、リファローム、ヒドラトロピックアルデヒド、イソ-シクロシトラール、スチラリルアセテート、α−メチル−1,3−ベンゾジオキソオル−5−プロピオンアルデヒド、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、α,α−ジメチル−p−エチルフェニルプロパナール、カントキサール、ネロールオキサイド、アリルアミルグリコレート、メチルオクチンカーボネート、2,6−ノナジエナール、ウンデカベルトール、アセトアルデヒドエチルフェニルエチルアセタール、ステモン、マグノール、ビゴローズ、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、エチルアセトセテート、フラクトン、エチル(3a.α.,4.α.,7.α.,7a.α.)−オクタヒドロ−4,7−メタノ−3aH−インデン−3a−カルボキシレート、メチルフェニルグリシド酸エチル、2−メチル−2−ペンテノ酸、γ−ウンデカラクトン、γ−デカラクトン、γ−ノナラクトン、ラズベリーケトン、2−(p−メンタ−1−エン−10−ニル)シクロペンタノン、2,2,5−トリメチル−5−ペンチルシクロペンタノン、アリルヘキサノエート、アリル3−シクロヘキシルプロピオネート、イソ−アミルアセテート、ベンズアルデヒド、α−ダマスコン、β−ダマスコンおよびダマセノンが挙げられる。
この中でも、シトラール、リモネン、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、10−ウンデカナール、ドデカナール、2−メチル−ウンデカナール、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニルアセテート、ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、スチラリルアセテート、α−メチル−1,3−ベンゾジオキソオル−5−プロピオンアルデヒド、α,α−ジメチル−p−エチルフェニルプロパナール、アリルアミルグリコレート、メチルオクチンカーボネート、ウンデカベルトール、エチルアセトセテート、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ウンデカラクトン、γ−デカラクトン、γ−ノナラクトン、ラズベリーケトン、アリル3−シクロヘキシルプロピオネート、イソ−アミルアセテート、ベンズアルデヒド、α−ダマスコン、β−ダマスコンおよびダマセノンを特に好適に使用することができる。
【0009】
また、I−(b)成分には、メントン、メントール、カルボン、ターピニルアセテート、リナリルアセテート、メンタニルアセテート、ジメトール、ユーカリプトール、カンファー、ボルネオール、イソ−ボルニルアセテート、α−ピネン、β−ピネン、メチルサリシレート、シトロネラール、アネトール、アニスアルコール、エストラゴール、ツジョン、チモール、p−メチルアセトフェノン、オイゲノール、アセチルイソオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、シンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、シトロネロール、ロジノール、ネロール、テトラヒドロゲラニオール、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、シトロネリルフォーメート、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルイソブチレート、フェニルエチルフェニルアセテート、ローズオキサイド、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、アミルシンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート、インドール、メチルジャスモネート、シスジャスモン、ジヒドロジャスモネート、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ベンジルフェニルアセテート、ヒドロキシシトロネラール、p−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルバアルデヒド、シクラメンアルデヒド、マイオール、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロミュグオール、メチルアンスラニレート、ジメチルアンスラニレート、オーランチオール、メチルβ−ナフチルケトン、p−クレシルメチルエーテル、メチルベンゾエート、メチルシクロペンチリデンアセテート、ターピネオール、ジメチルベンジルカルビノール、アニスアルデヒド、フェニルプロピルアルコール、p−クレゾール、p−クレシルアセテート、α−イオノンおよびβ−イオノンが挙げられる。
この中でも、メントール、ターピニルアセテート、リナリルアセテート、ボルネオール、イソ−ボルニルアセテート、α−ピネン、β−ピネン、アネトール、ツジョン、チモール、オイゲノール、メチルオイゲノール、シンナミックアルデヒド、フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、シトロネロール、ロジノール、ネロール、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ローズオキサイド、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、アミルシンナミッヒドロキシシトロネラール、p−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルバアルデヒド、シクラメンアルデヒド、リナロール、クアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート、インドール、ジメチルベンジルカービニルアセテート、メチルアンスラニレート、メチルβ−ナフチルケトン、p−クレシルメチルエーテル、ターピネオール、p−クレゾール、α−イオノンおよびβ−イオノンを特に好適に使用することができる。
【0010】
II成分
加えて、本発明にかかる一連使用に適した化粧料は、下記IIなる群より選ばれる少なくとも1種のII成分を含むものである。
II成分には、p−アミルシクロヘキサノン、サンタロール、セドリルアセテート、セドロール、ベチベリルアセテート、アセチルセドレン、1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)エタノン、γ−メチルイオノン、イソブチルキノリン、イソプロピルキノリン、スカトール、p−クレシルフェニルアセテート、インドレン、インドフロール、クマリン、ヘリオトロピン、バニリン、エチルバニリン、シンナミルアセテート、シンナミックアルコール、メチルシンナメート、マルトール、エチルマルトール、アニシルアセトン、アミルサリシレート、ヘキシルサリシレート、エチルフェニルアセテート、フェニルアセチックアシッド、メチルフェニルアセテート、1,5,5,9−テトラメチル−13−オキサトリシクロ(8.3.0.0(4,9))トリデカン、アンブレイン、アンブリノール、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン、ペンタリド、アンブレットリド、エチレンブラシレート、ムスコンおよびムスクケトンが挙げられる。
この中でも、サンタロール、セドリルアセテート、セドロール、ベチベリルアセテート、アセチルセドレン、1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)エタノン、γ−メチルイオノン、イソブチルキノリン、イソプロピルキノリン、クマリン、ヘリオトロピン、バニリン、エチルバニリン、シンナミックアルコール、マルトール、エチルマルトール、ヘキシルサリシレート、エチルフェニルアセテート、1,5,5,9−テトラメチル−13−オキサトリシクロ(8.3.0.0(4,9))トリデカン、アンブリノール、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン、ペンタリド、アンブレットリド、エチレンブラシレート、ムスコンおよびムスクケトンを特に好適に使用することができる。
【0011】
本発明にかかるII成分の配合量が第1剤より第2剤の方が少ないことが好適である。II成分の配合量が第1剤と第2剤が同じであると第2剤を吸引した際の香りの強さが落ち、嗜好性にも劣る傾向にあり、II成分の配合量が第1剤より第2剤の方が多いと、第2剤を吸引した際の香りの強さは変わらないが、嗜好性に劣る傾向にある。
【0012】
本発明にかかる第1剤、第2剤に配合するI成分の質量をI1、I2、II成分の配合量をII1、II2とするとき、II1/I1:II2/I2=1:0.2〜0.8であることが好適である。第1剤と第2剤のII成分の配合質量比がI成分と相対的に1:0.2より小さいと、第2剤の香りの持続性に劣る傾向にある。第1剤と第2剤のII成分の配合質量比が、I成分と相対的に1:0.8より大きいと、第2剤を吸引した際の香りの強さが落ち、嗜好性にも劣る傾向にある。
【0013】
本発明にかかるI1/II1:I2/II2=1:1.2〜4.5であることが好適である。第1剤と第2剤のI成分の配合質量比がII成分と相対的に1:1.2より小さいと、第2剤を吸引した際の香りの強さが落ち、嗜好性にも劣る傾向にある。第1剤と第2剤のI成分の配合質量比がII成分と相対的に1:4.5より大きいと、第2剤の香りの持続性に劣る傾向にある。
本発明にかかる上記I1/II1:I2/II2=1:1.2〜4.5である化粧料において、特に第2剤のI−(b)成分を増加させることが好適である。
【0014】
本発明にかかる第1剤のI成分とII成分の配合質量比は1:1〜4.5であることが好適である。I成分とII成分の配合質量比が1:1より小さいと、香りの持続性に劣る傾向にある。また、I成分とII成分の配合質量比が1:4.5より大きいと、最初に吸引した際の嗜好性に劣る傾向にある。
【0015】
本発明にかかる第1剤のI−(a)、I−(b)、II成分の配合量が、化粧料全体において0.005〜15%であることが好適である。0.005%未満であると、本発明の効果が十分ではない場合がある。また、15%を越える量を含有させても構わないが、本発明の効果の向上がそれ程見られず、化粧料中の他の成分が減少してしまうため、好ましくない。
【0016】
本発明にかかる一連使用に適した化粧料というのは、第1剤の後に第2剤を一連使用するものであれば特に制限されず、第1剤と第2剤には、それぞれ、化粧水と乳液、化粧下地とファンデーション、リップクリームと口紅等が挙げられる。ここで、本発明にかかる一連使用に適した化粧料は、第1剤と第2剤の使用間隔が10分以内であることが好適である。第1剤と第2剤の使用間隔が10分を越えると、本発明の効果が十分ではない場合がある。
【0017】
また、本発明にかかるI−(a)成分がシトラス系、アルデヒド系、グリーン系、フルーティ系、I−(b)成分がミンティ系、ハーバル系、スパイシー系、フローラル系、アロマティック系であり、II成分が、ウッディ系、アーシー系、モッシー系、レザー系、アニマリック系、バルサミック系、ハニー系、アンバー系、ムスキー系であることが好適である。
【0018】
このようなI−(a)成分を主成分とする物質は、天然ではレモン、レモングラス、オレンジ、ベルガモット、マンダリン、ライム、グレープフルーツ、ガルバナム、プチグレン、バイオレット、カシス、ブチュ、ダバナ、バレリアン、アップル、ピーチ、ペアーおよびベリー等が挙げられる。I−(b)成分を主成分とする物質としては、天然ではペパーミント、スペアミント、ラベンダー、ラバンジン、ローズマリー、セージ、ローレル、マジョラム、パイン、クラリセージ、サイプレス、ジュニパーベリー、シトロネラ、メリッサ、アニス、フェンネル、バジル、エストラゴン、アルモイス、セダーリーフ、カモミール、コリアンダー、ボアドローズ、タイム、キャラウェイ、アンジェリカ、キャロットシード、クローブ、ベイ、ピメントベリー、シナモン、ペッパー、ナツメグ、ジンジャー、カルダモン、カラムス、クミン、セロリシード、ロベージ、パセリシード、ローズ、ゼラニウム、パルマローザ、ジャスミン、オレンジフラワー、ネロリ、イランイラン、カナンガ、ミモザ、カッシー、ナスシサス、ジョンキル、チュベローズ、ベンゾイン、ペルーバルサム、トルーバルサム、トンカビーンズ、バニラ、オリバナム、オポポナックス、スチラックス、ヘイ、ミルー、ラブダナム、システおよびミュゲ等が挙げられる。
また、II成分を主成分とする物質としては、天然ではオリス、サンダルウッド、セダーウッド、ヒノキ、ベチバー、グアイヤックウッド、パチュリ、バーチ、オークモスおよびトゥリーモス等が挙げられる。
【0019】
本発明にかかる一連使用に適した化粧料は、毛髪用化粧料であることが好適である。また、毛髪用化粧料の中でも、特に第1剤がシャンプー、第2剤がコンディショナーであることが好適である。
【0020】
本発明にかかる調香方法は、前記化粧料のII成分の配合量が第1剤より第2剤の方が少ないことを特徴とする。
【0021】
本発明の化粧料は、上記必須成分の他、粉末成分、液体油脂、固体油脂、ロウ、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、増粘剤、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調整剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、水等、通常化粧料や医薬部外品に用いられる成分を配合することができ、常法により製造される。
【0022】
本発明に用いる粉末成分としては、例えば、タルク、カオリン、絹雲母(セリサイト)、白雲母、金雲母、合成雲母、紅雲母、黒雲母、焼成タルク、焼成セリサイト、焼成白雲母、焼成金雲母、パーミキュライト、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、マグネシウム、シリカ、ゼオライト、硫酸バリウム、焼成硫酸カルシウム(焼セッコウ)、リン酸カルシウム、弗素アパタイト、ヒドロキシアパタイト、セラミックパウダー、金属石鹸(例えば、ミリスチン酸亜鉛、パルミチン酸カルシウム、ステアリン酸アルミニウムなど)、窒化ホウ素、フォトクロミック性酸化チタン(酸化鉄を焼結した二酸化チタン、)、還元亜鉛華;有機粉末(例えば、シリコーンエラストマー粉末、シリコーン粉末、シリコーンレジン被覆シリコーンエラストマー粉末、ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、ポリ四弗化エチレン粉末、セルロース粉末等);無機白色顔料(例えば、二酸化チタン、酸化亜鉛等);無機赤色系顔料(例えば、酸化鉄(ベンガラ)、チタン酸鉄等);無機褐色系顔料(例えば、γ−酸化鉄等);無機黄色系顔料(例えば、黄酸化鉄、黄土等);無機黒色系顔料(例えば、黒酸化鉄、低次酸化チタン等);無機紫色系顔料(例えば、マンゴバイオレット、コバルトバイオレット等);無機緑色系顔料(例えば、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等);無機青色系顔料(例えば、群青、紺青等);パール顔料(例えば、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔、雲母チタン、酸化鉄被覆雲母チタン、低次酸化チタン被覆雲母チタン、フォトクロミック性を有する雲母チタン、基板として雲母の代わりタルク、ガラス、合成フッ素金雲母、シリカ、オキシ塩化ビスマスなどを使用したもの、被覆物として酸化チタン以外に、低次性酸化チタン、着色酸化チタン、酸化鉄、アルミナ、シリカ、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化コバルト、アルミなどを被覆したもの、機能性パール顔料等);金属粉末顔料(例えば、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等);ジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料(例えば、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、青色404号などの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号および青色1号等);天然色素(例えば、クロロフィル、β−カロチン等)等が挙げられる。
【0023】
液体油脂としては、例えば、アボガド油、ツバキ油、タートル油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、ナタネ油、卵黄油、ゴマ油、パーシック油、小麦胚芽油、サザンカ油、ヒマシ油、アマニ油、サフラワー油、綿実油、エノ油、大豆油、落花生油、茶実油、カヤ油、コメヌカ油、シナギリ油、日本キリ油、ホホバ油、胚芽油、トリグリセリン等が挙げられる。
固体油脂としては、例えば、カカオ脂、ヤシ油、馬脂、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、硬化牛脂、パーム核油、豚脂、牛骨脂、モクロウ核油、硬化油、牛脚脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等が挙げられる。
【0024】
ロウ類としては、例えば、ミツロウ、カンデリラロウ、綿ロウ、カルナウバロウ、ベイベリーロウ、イボタロウ、鯨ロウ、モンタンロウ、ヌカロウ、ラノリン、カポックロウ、酢酸ラノリン、液状ラノリン、サトウキビロウ、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、還元ラノリン、ジョジョバロウ、硬質ラノリン、セラックロウ、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、POEコレステロールエーテル、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル等が挙げられる。
炭化水素油としては、例えば、流動パラフィン、オゾケライト、スクワラン、プリスタン、パラフィン、セレシン、スクワレン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
なお、上記POEは、ポリオキシエチレンの略である。
【0025】
高級アルコールとしては、例えば、直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
合成エステル油としては、ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、セチル2−エチルヘキサノエート、2−エチルヘキシルパルミテート、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0026】
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POE−ラウリル硫酸トリエタノールアミン、POE−ラウリル硫酸ナトリウム等);N−アシルサルコシン酸(例えば、ラウロイルサルコシンナトリウム等);高級脂肪酸アミドスルホン酸塩(例えば、N−ミリストイル−N−メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリッドナトリウム、ラウリルメチルタウリッドナトリウム等);リン酸エステル塩(POE−オレイルエーテルリン酸ナトリウム、POE−ステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POE−アルキルエーテルカルボン酸;POE−アルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
【0027】
カチオン界面活性剤としては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩(例えば、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム等);アルキルピリジニウム塩(例えば、塩化セチルピリジニウム等);塩化ジステアリルジメチルアンモニウムジアルキルジメチルアンモニウム塩;塩化ポリ(N,N’−ジメチル−3,5−メチレンピペリジニウム);アルキル四級アンモニウム塩;アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩;アルキルイソキノリニウム塩;ジアルキルモリホニウム塩;POE−アルキルアミン;アルキルアミン塩;ポリアミン脂肪酸誘導体;アミルアルコール脂肪酸誘導体;塩化ベンザルコニウム;塩化ベンゼトニウム等が挙げられる。
【0028】
両性界面活性剤としては、例えば、イミダゾリン系両性界面活性剤(例えば、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等);ベタイン系界面活性剤(例えば、2−ヘプタデシル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)等が挙げられる。
【0029】
親油性非イオン界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレエート、ソルビタントリオレエート、ペンタ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ−2−エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン等);グリセリンポリグリセリン脂肪酸類(例えば、モノ綿実油脂肪酸グリセリン、モノエルカ酸グリセリン、セスキオレイン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリン、α,α'−オレイン酸ピログルタミン酸グリセリン、モノステアリン酸グリセリンリンゴ酸等);プロピレングリコール脂肪酸エステル類(例えば、モノステアリン酸プロピレングリコール等);硬化ヒマシ油誘導体;グリセリンアルキルエーテル等が挙げられる。
【0030】
親水性非イオン界面活性剤としては、例えば、POE−ソルビタン脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンモノステアレート、POE−ソルビタンモノオレエート、POE−ソルビタンテトラオレエート等);POE−ソルビット脂肪酸エステル類(例えば、POE−ソルビットモノラウレート、POE−ソルビットモノオレエート、POE−ソルビットペンタオレエート、POE−ソルビットモノステアレート等);POE−グリセリン脂肪酸エステル類(例えば、POE−グリセリンモノステアレート、POE−グリセリンモノイソステアレート、POE−グリセリントリイソステアレート等のPOE−モノオレエート等);POE−脂肪酸エステル類(例えば、POE−ジステアレート、POE−モノジオレエート、ジステアリン酸エチレングリコール等);POE−アルキルエーテル類(例えば、POE−ラウリルエーテル、POE−オレイルエーテル、POE−ステアリルエーテル、POE−ベヘニルエーテル、POE−2−オクチルドデシルエーテル、POE−コレスタノールエーテル等);プルロニック型類(例えば、プルロニック等);POE・POP−アルキルエーテル類(例えば、POE・POP−セチルエーテル、POE・POP−2−デシルテトラデシルエーテル、POE・POP−モノブチルエーテル、POE・POP−水添ラノリン、POE・POP−グリセリンエーテル等);テトラPOE・テトラPOP−エチレンジアミン縮合物類(例えば、テトロニック等);POE−ヒマシ油硬化ヒマシ油誘導体(例えば、POE−ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油、POE−硬化ヒマシ油モノイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油トリイソステアレート、POE−硬化ヒマシ油モノピログルタミン酸モノイソステアリン酸ジエステル、POE−硬化ヒマシ油マレイン酸等);POE−ミツロウ・ラノリン誘導体(例えば、POE−ソルビットミツロウ等);アルカノールアミド(例えば、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、脂肪酸イソプロパノールアミド等);POE−プロピレングリコール脂肪酸エステル;POE−アルキルアミン;POE−脂肪酸アミド;ショ糖脂肪酸エステル;アルキルエトキシジメチルアミンオキシド;トリオレイルリン酸等が挙げられる。
なお、上記POPは、ポリオキシプロピレンの略である。
【0031】
保湿剤としては、例えばエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、キシリトール、ソルビトール、マルチトール、グルコース、マルトース、蔗糖、フラクトース、マルトトリオース、スレイトール、エリスリトール、澱粉、分解糖還元アルコール等の単糖、2糖もしくはオリゴ糖およびそれらの誘導体、コンドロイチン硫酸、ヒアルロン酸、ムコイチン硫酸、カロニン酸、アテロコラーゲン、コレステリル−12−ヒドロキシステアレート、乳酸ナトリウム、dl-ピロリドンカルボン酸塩、可溶性コラーゲン、ジグリセリン(EO)PO付加物、イサヨイバラ抽出物、セイヨウノコギリソウ抽出物、メリロート抽出物、イソプレングリコール、ポリグルタミン酸ナトリウム、アルキレンオキシド誘導体{例えばPOE(14)POP(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジメチルエーテル、POE(6)POP(14)ジメチルエーテル、POE(25)POP(40)ジメチルエーテル、POE(25)POP(25)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(22)POP(40)ジメチルエーテル、POE(35)POP(40)ジメチルエーテル、POE(45)POP(34)ジメチルエーテル、POE(50)POP(40)ジメチルエーテル、POE(55)POP(30)ジメチルエーテル、POE(30)POP(34)ジメチルエーテル、POE(25)POP(30)ジメチルエーテル、POE(27)POP(14)ジメチルエーテル、POE(55)POP(28)ジメチルエーテル、POE(36)POP(41)ジメチルエーテル、POE(7)POP(12)ジメチルエーテル、POE(17)POP(4)ジメチルエーテル、POE(14)POB(7)ジメチルエーテル、POE(10)POP(10)ジエチルエーテル、POE(10)POP(10)ジプロピルエーテル、POE(10)POP(10)ジブチルエーテル}等が挙げられる。
なお、上記POBは、ポリオキシブチレンの略である。
【0032】
天然の水溶性高分子としては、例えば、植物系高分子(例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸);微生物系高分子(例えば、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、ブルラン等);動物系高分子(例えば、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等) 等が挙げられる。また、これらの誘導体(POE・POP変性、アルキル変性、カチオン化、アニオン化、シリル化類)も挙げられる。
【0033】
半合成の水溶性高分子としては、例えば、デンプン系高分子(例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等);セルロース系高分子(メチルセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、セルロース末等);アルギン酸系高分子(例えば、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等)等が挙げられる。また、これらの誘導体(POE・POP変性、アルキル変性、カチオン化、アニオン化、シリル化類)も挙げられる。
【0034】
合成の水溶性高分子としては、例えば、ビニル系高分子(例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリ酢酸ビニルなど);ポリオキシエチレン系高分子(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、ポリオキシエチレンポリオキシブチレン共重合体、ポリエチレングリコール・ポリオキシエチレンアルキルエーテル・ヘキサメチレンジイソシアネート共重合体など);アクリル系高分子(例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド、アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・メタクリル酸アルキル・ポリオキシエチレンアルキルエーテル共重合体、架橋型N,N−ジメチルアクリルアミド−2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸塩共重合体、ビニルピロリドン・メタクリル酸−N,N−ジメチルアミノエチル・アクリル酸ステアリル・ジアクリル酸トリプロピレングリコール共重合体など);ポリエチレンイミン;カチオンポリマーなどが挙げられる。
【0035】
増粘剤としては、例えば、アラビアガム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、キャロブガム、クインスシード(マルメロ)、カゼイン、デキストリン、ゼラチン、ペクチン酸ナトリウム、アラギン酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、CMC、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、PVA、PVM、PVP、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー、ローカストビーンガム、グアガム、タマリントガム、ジアルキルジメチルアンモニウム硫酸セルロース、キサンタンガム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸A1Mg(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等が挙げられる。
【0036】
紫外線吸収剤としては、例えば、安息香酸系紫外線吸収剤(例えば、パラアミノ安息香酸(以下、PABAと略す)、PABAモノグリセリンエステル、N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル、N,N−ジエトキシPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル、N,N−ジメチルPABAブチルエステル、N,N−ジメチルPABAエチルエステル等);アントラニル酸系紫外線吸収剤(例えば、ホモメンチル-N-アセチルアントラニレート等);サリチル酸系紫外線吸収剤(例えば、アミルサリシレート、メンチルサリシレート、ホモメンチルサリシレート、オクチルサリシレート、フェニルサリシレート、ベンジルサリシレート、p−イソプロパノールフェニルサリシレート等);桂皮酸系紫外線吸収剤(例えば、オクチルメトキシシンナメート、エチル−4−イソプロピルシンナメート、メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシンナメート、オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート)、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル-ジパラメトキシシンナメート等);ベンゾフェノン系紫外線吸収剤(例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等);3−(4’−メチルベンジリデン)−d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー;2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール;2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール;ジベンザラジン;ジアニソイルメタン;4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン;5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン、ジモルホリノピリダジノ;2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート;2,4−ビス−{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]−フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−(1,3,5)−トリアジン等が挙げられる。
【0037】
金属イオン封鎖剤としては、例えば、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸、1−ヒドロキシエタン−1,1−ジフォスホン酸四ナトリウム塩、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、エデト酸四ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、コハク酸、エデト酸、エチレンジアミンヒドロキシエチル三酢酸三ナトリウム等が挙げられる。
【0038】
低級アルコールとしては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。
【0039】
多価アルコールとしては、例えば、2価のアルコール(例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等);3価のアルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等);4価アルコール(例えば、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等);5価アルコール(例えば、キシリトール等);6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等);多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等);2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールベンジルエーテル、エチレングリコールイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等);2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコールエチルエーテル、ジプロピレングリコールブチルエーテル等);2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等);グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キシルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等);糖アルコール(例えば、ソルビトール、マルチトール、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等);グリソリッド;テトラハイドロフルフリルアルコール;POE−テトラハイドロフルフリルアルコール;POP−ブチルエーテル;POP・POE-ブチルエーテル;トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテル;POP−グリセリンエーテルリン酸;POP・POE−ペンタンエリスリトールエーテル、ポリグリセリン等が挙げられる。
【0040】
単糖としては、例えば、三炭糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等);四炭糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等);五炭糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等);六炭糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等);七炭糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等);八炭糖(例えば、オクツロース等);デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等);アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等);ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0041】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、グンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α-トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオースベルバスコース類等が挙げられる。
【0042】
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、コンドロイチン硫酸、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、ヒアルロン酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、ムコイチン硫酸、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン、カロニン酸等が挙げられる。
【0043】
アミノ酸としては、例えば、酸性アミノ酸(例えば、グルタミン酸等)中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、アルギニン、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム) 、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸、トリメチルグリシン等が挙げられる。
【0044】
有機アミンとしては、例えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モルホリン、トリイソプロパノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
高分子エマルジョンとしては、例えば、アクリル樹脂エマルジョン、ポリアクリル酸エチルエマルジョン、アクリルレジン液、ポリアクリルアルキルエステルエマルジョン、ポリ酢酸ビニル樹脂エマルジョン、天然ゴムラテックス等が挙げられる。
【0045】
pH調整剤としては、例えば、乳酸−乳酸ナトリウム、クエン酸−クエン酸ナトリウム、コハク酸−コハク酸ナトリウム等の緩衝剤等が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、B1、B2、B6、C、Eおよびその誘導体、パントテン酸およびその誘導体、ビオチン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール類、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、没食子酸エステル類等が挙げられる。
酸化防止助剤としては、例えば、リン酸、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、ケファリン、ヘキサメタフォスフェイト、フィチン酸、エチレンジアミン四酢酸等が挙げられる。
【0046】
その他の配合可能成分としては、例えば、防腐剤(エチルパラベン、ブチルパラベン等);消炎剤(例えば、グリチルリチン酸誘導体、グリチルレチン酸誘導体、サリチル酸誘導体、ヒノキチオール、酸化亜鉛、アラントイン等);美白剤(例えば、胎盤抽出物、ユキノシタ抽出物、アルブチン等);各種抽出物(例えば、オウバク、オウレン、シコン、シャクヤク、センブリ、バーチ、セージ、ビワ、ニンジン、アロエ、ゼニアオイ、アイリス、ブドウ、ヨクイニン、ヘチマ、ユリ、サフラン、センキュウ、ショウキュウ、オトギリソウ、オノニス、ニンニク、トウガラシ、チンピ、トウキ、海藻等)、賦活剤(例えば、ローヤルゼリー、感光素、コレステロール誘導体等);血行促進剤(例えば、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等);抗脂漏剤(例えば、硫黄、チアントール等);抗炎症剤(例えば、トラネキサム酸、チオタウリン、ヒポタウリン等)等が挙げられる。
【0047】
さらに、エデト酸二ナトリウム、エデト酸三ナトリウム、クエン酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、グルコン酸、リンゴ酸等の金属封鎖剤、カフェイン、タンニン、ベラパミル、トラネキサム酸およびその誘導体、甘草、カリン、イチヤクソウ等の各種生薬抽出物、酢酸トコフェロール、グリチルレジン酸、グリチルリチン酸およびその誘導体又はその塩等の薬剤、ビタミンC、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸グルコシド、アルブチン、コウジ酸等の美白剤、アルギニン、リジン等のアミノ酸およびその誘導体、フルクトース、マンノース、エリスリトール、トレハロース、キシリトール等の糖類等も適宜配合することができる。
【0048】
本発明の化粧料の形態は、一連使用するものであればいずれのものでもよく、フェイシャル化粧料、メーキャップ化粧料、ボディー化粧料、芳香化粧料、毛髪化粧料等が挙げられる。本発明は毛髪化粧料において特に有用である。毛髪化粧料は、毛髪に使用する一連使用される化粧料を意味し、シャンプー等のいわゆる毛髪洗浄剤や、ヘアリンス、ヘアコンディショナー、ヘアトリートメント、ヘアパック、ヘアスプレー、スタイリング剤等のいわゆる毛髪処理剤等を広く含むものである。
【実施例】
【0049】
次に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。
一連使用と香りの強さおよび嗜好性の関係
最初に、本発明者らは一連使用と香りの強さおよび嗜好性の関係について検討を行うため、第1剤(ローズ1%)および第2剤(ローズ0.5〜10%)を用いて、各条件における香りの強さおよび嗜好性の評価を行った。試験内容および評価基準は以下の通りである。条件ごとに、第1剤のスコアの平均値および第2剤のスコアの平均値を算出した。結果を表1および図1に示す。
【0050】
あらかじめ調香された第1剤および第2剤を準備し、第1剤を15秒間吸引した後、続けて第2剤を15秒間吸引してもらった。専門パネラーは合計24名で行った。この時の第1剤、第2剤の香りの強さ・印象・嗜好について以下の評価方法で評価した。
【0051】
評価(1)香りの強さ
専門パネラーに香りの強さについて、1(匂わない)〜6(非常に強い)の6段階でスコアをつけてもらった。
○・・・第2剤の香りが第1剤と同レベルか、より強い。(スコア平均−0.25以上)。
×・・・第2剤の香りが著しく第1剤より落ちる(スコア平均−0.25未満)。
【0052】
評価(2)印象
専門パネラーに香りの印象として「明るい」、「透明な」、「まろやかな」、「甘い」、「濃い」、「むんむんする」、「すっとする」の7項目について、1(全く感じない)〜7(非常に感じる)の7段階でスコアをつけてもらった。
○・・・第2剤の印象が第1剤と同じ(スコア平均±0.5以下)。
△・・・第2剤の印象が第1剤と変化する。
×・・・第2剤の印象が第1剤より低下する(印象の特徴がなくなる)。
【0053】
評価(3)嗜好
専門パネラーに嗜好について、1(非常に嫌い)〜7(非常に好き)の7段階でスコアをつけてもらった。
○・・・第2剤の嗜好が第1剤より優れている。
△・・・第2剤の嗜好が第1剤と比較し少し落ちる(スコア平均−0.5〜0)。
×・・・第2剤の嗜好が著しく第1剤より落ちる(スコア平均−0.5未満)。
【0054】
【表1】

【0055】
上記表1および図1より、すべての条件で、第2剤を吸引した際、香りの強さが劣ってしまうことがわかった。また、嗜好については第2剤を吸引した際に上がっているものもあることから、第2剤の濃度を変えることで嗜好の低下が妨げられる可能性があることがわかった。
【0056】
各濃度における一連使用による感じ方の変化
つづいて、本発明者らは、濃度を変えることによる一連使用した際の香りの強さ、印象、嗜好性の変化について検討するため、下記表2に示す配合組成を基本処方組成(I−(a)、I−(b)、II成分をそれぞれ2、3、5μl、合計10μl)として、下記表2に示す試験例1〜4、比較例1〜5を製造した。なお、表3において、配合量の記載はμlを意味する。
【0057】
【表2】

【0058】
【表3】

【0059】
本発明者は、以上の各製造例に準じ、各第1剤および第2剤を調整し、前記評価項目(1)〜(3)について評価試験を行った。評価結果を表4に、また、第1剤と第2剤の香りの強さ、印象、嗜好性についてまとめたものを図2〜4に示す。
【0060】
【表4】

【0061】
表4および図2、図4の比較例1の結果より明らかなように、第1剤と第2剤に同じ成分を入れても、香りの強さ、印象、嗜好性に劣ることがわかった。また、比較例2の結果から明らかなように、第2剤に全成分を第1剤の2倍の量を入れた場合も、香りの強さが低下してしまい、嗜好も低下してしまうことがわかった。印象についても、図3(C)から明らかなように、第2剤に基本組成の2倍を配合しても、全体的にスコアが小さくなり、印象の特徴がなくなってしまうことが確認された。また、第2剤に全成分を第1剤の1/2倍の量を入れた比較例3でも、香りの強さおよび嗜好が低下し、印象も薄くなってしまうことがわかった。
以上のことから、単に第2剤の全成分量を増減させただけでは、一連使用した際に第2剤の香りの強さ、印象、嗜好に劣るものになってしまうことがわかった。
一方、第2剤にI−(a)成分、I−(b)成分をそれぞれ第1剤に比べて2倍配合した実施例1、実施例2では、驚くべきことに、第1剤と印象が変わらず、さらに香りの強さがあり、高い嗜好性がある第2剤を作ることができた。図3(A)は実施例1の印象のスコアを表しているが、第2剤にI−(a)成分を2倍配合しても、基本組成とほぼ同じ印象となることが確認された。
さらに、第1剤にI−(a)成分を全く入れずに、第2剤にI−(a)成分を加えた実施例3では、第1剤と印象が異なる香りになり、香りの強さには劣ってしまうが、高い嗜好性がある第2剤を作ることができた。
また、第1剤にI−(b)成分を全く入れずに、第2剤にI−(b)成分を加えた実施例4では、香りの強さにも優れ、高い嗜好性がある第2剤を作ることができた。図3(B)の左図、右図はそれぞれ第1剤、第2剤の実施例4の印象のスコアの変化を表しているが、第2剤にI−(b)成分を2倍配合すると、基本組成とは全く異なる印象となることが確認された。
しかしながら、第2剤にII成分を第1剤に比べて2倍配合した比較例4では、第1剤と印象が異なる香りになり、香りの強さはあるが、最も重要な嗜好性に若干劣るものとなった。
また、第1剤にII成分を全く入れずに、第2剤にII成分を加えた比較例5も、第1剤と印象が異なる香りになり、香りの強さはあるが、最も重要な嗜好性に非常に劣るものとなった。
以上のことから、本発明の一連使用に適した化粧料は、第2剤に配合するII成分の配合量が第1剤に配合するII成分の配合量より少ないことが好適であることが確認された。さらに、第1剤に比べて他の成分と相対的に第2剤のI−(b)成分を増加させることが特に好適であることが確認された。
【0062】
続いて、本発明にかかる一連使用に適した化粧料に配合する好適な各成分の割合を詳細に検討するために、試験例1〜4、比較例1、4、5の組成をガスクロマトグラフ質量分析計により分析した。結果を表5に示す。
【0063】
【表5−1】

【0064】
【表5−2】

【0065】
【表5−3】

【0066】
表5の結果から、各試験例および比較例の第1剤、第2剤に配合された成分の配合割合および相対的な配合質量比をまとめたものを表6に示す。
【0067】
【表6】

*配合質量比:I成分の場合、I1/II1:I2/II2
II成分の場合、II1/I1:II2/I2
(ただし、第1剤、第2剤に配合するI成分の配合量をI1、I2、II成分の配合量をII1、II2とする。)
【0068】
表6より明らかなように、本発明の優れた効果が得られた試験例1〜4において、やはり第2剤に配合するII成分の量が第1剤に配合する量より少ないことがわかる。また、第1剤と第2剤のII成分の配合質量比が、I成分と相対的に1:0.2〜0.8であることが好適であることがわかる。対照的に、第1剤と第2剤のI成分の配合質量比が、II成分と相対的に1:1.2〜4.5であることが好適であることがわかる。
【0069】
以下に本発明の一連使用に適した化粧料の処方例を挙げるが、本発明の技術範囲はこれらにより限定されるものではない。
【0070】
一連使用に適した化粧料処方例1
【表7】

【0071】
【表8】

【0072】
本発明にかかる化粧料処方例は、一連使用した際に、第2剤であっても、香りの強さがあり、印象もよく、嗜好性にも優れるものであった。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】各条件で作成した試料の第1剤と第2剤における(A)香りの強さ、(B)嗜好性の評価を行い、第1剤と第2剤の香りの強さ、嗜好性の変化についてまとめた図である。
【図2】各製造例で作成した試料の第1剤と第2剤における香りの強さの評価を行い、第1剤と第2剤の香りの強さについてまとめた図である。
【図3】表3の(A)試験例1、(B)試験例4、(C)比較例2で作成した試料の第1剤と第2剤における香りの印象の評価を行い、第1剤と第2剤の香りの印象についてまとめた図である。
【図4】各製造例で作成した試料の第1剤と第2剤における嗜好性の評価を行い、第1剤と第2剤の嗜好性についてまとめた図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
I−(a):シトラール、3,7−ジメチル−2,6−ノナジエンニトリル、リモネン、ジヒドロミルセノール、ライムオキサイド、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、10−ウンデカナール、ドデカナール、2−メチル−ウンデカナール、トリデカナール、シス−3−ヘキセノール、シス−3−ヘキセニルアセテート、シス−3−ヘキセニルサリシレート、ジメチルシクロヘキサ−3−エン−1−カルバアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、フェニルアセトアルデヒドジメチルアセタール、リファローム、ヒドラトロピックアルデヒド、イソ−シクロシトラール、スチラリルアセテート、α−メチル−1,3−ベンゾジオキソオル−5−プロピオンアルデヒド、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、α,α−ジメチル−p−エチルフェニルプロパナール、カントキサール、ネロールオキサイド、アリルアミルグリコレート、メチルオクチンカーボネート、2,6−ノナジエナール、ウンデカベルトール、アセトアルデヒドエチルフェニルエチルアセタール、ステモン、マグノール、ビゴローズ、o−tert−ブチルシクロヘキシルアセテート、エチルアセトセテート、フラクトン、エチル(3a.α.,4.α.,7.α.,7a.α.)−オクタヒドロ−4,7−メタノ−3aH−インデン−3a−カルボキシレート、メチルフェニルグリシド酸エチル、2−メチル−2−ペンテノ酸、γ−ウンデカラクトン、γ−デカラクトン、γ−ノナラクトン、ラズベリーケトン、2−(p−メンタ−1−エン−10−ニル)シクロペンタノン、2,2,5−トリメチル−5−ペンチルシクロペンタノン、アリルヘキサノエート、アリル3−シクロヘキシルプロピオネート、イソ−アミルアセテート、ベンズアルデヒド、α−ダマスコン、β−ダマスコンおよびダマセノン、
I−(b):メントン、メントール、カルボン、ターピニルアセテート、リナリルアセテート、メンタニルアセテート、ジメトール、ユーカリプトール、カンファー、ボルネオール、イソ−ボルニルアセテート、α−ピネン、β−ピネン、メチルサリシレート、シトロネラール、アネトール、アニスアルコール、エストラゴール、ツジョン、チモール、p−メチルアセトフェノン、オイゲノール、アセチルイソオイゲノール、メチルオイゲノール、メチルイソオイゲノール、ベンジルイソオイゲノール、シンナミックアルデヒド、クミンアルデヒド、フェニルエチルアルコール、ゲラニオール、シトロネロール、ロジノール、ネロール、テトラヒドロゲラニオール、シトロネリルアセテート、ゲラニルアセテート、ゲラニルフォーメート、シトロネリルフォーメート、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルイソブチレート、フェニルエチルフェニルアセテート、ローズオキサイド、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、アミルシンナミックアルデヒド、ヘキシルシンナミックアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート、インドール、メチルジャスモネート、シスジャスモン、ジヒドロジャスモネート、ジメチルベンジルカービニルアセテート、ベンジルフェニルアセテート、ヒドロキシシトロネラール、p−t−ブチル−α−メチルヒドロシンナミックアルデヒド、4−(4−ヒドロキシ−4−メチルペンチル)シクロヘキサ−3−エン−1−カルバアルデヒド、シクラメンアルデヒド、マイオール、リナロール、エチルリナロール、テトラヒドロミュグオール、メチルアンスラニレート、ジメチルアンスラニレート、オーランチオール、メチルβ−ナフチルケトン、p−クレシルメチルエーテル、メチルベンゾエート、メチルシクロペンチリデンアセテート、ターピネオール、ジメチルベンジルカルビノール、アニスアルデヒド、フェニルプロピルアルコール、p−クレゾール、p−クレシルアセテート、α−イオノンおよびβ−イオノンなる群より選ばれる少なくとも1種のI成分と、
II:p−アミルシクロヘキサノン、サンタロール、セドリルアセテート、セドロール、ベチベリルアセテート、アセチルセドレン、1−(1,2,3,4,5,6,7,8−オクタヒドロ−2,3,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)エタノン、γ−メチルイオノン、イソブチルキノリン、イソプロピルキノリン、スカトール、p−クレシルフェニルアセテート、インドレン、インドフロール、クマリン、ヘリオトロピン、バニリン、エチルバニリン、シンナミルアセテート、シンナミックアルコール、メチルシンナメート、マルトール、エチルマルトール、アニシルアセトン、アミルサリシレート、ヘキシルサリシレート、エチルフェニルアセテート、フェニルアセチックアシッド、メチルフェニルアセテート、1,5,5,9−テトラメチル−13−オキサトリシクロ(8.3.0.0(4,9))トリデカン、アンブレイン、アンブリノール、1,3,4,6,7,8−ヘキサヒドロ−4,6,6,7,8,8−ヘキサメチルシクロペンタ−γ−2−ベンゾピラン、ペンタリド、アンブレットリド、エチレンブラシレート、ムスコンおよびムスクケトンなる群より選ばれる少なくとも1種のII成分を含むことを特徴とする第1剤および第2剤からなり、
II成分の配合量が第1剤より第2剤の方が少ないことを特徴とする第1剤の後に第2剤を一連使用する化粧料。
【請求項2】
請求項1に記載の化粧料において、第1剤、第2剤に配合するI成分の配合量をI1、I2、II成分の配合量をII1、II2とするとき、II1/I1:II2/I2=1:0.2〜0.8であることを特徴とする一連使用する化粧料。
【請求項3】
請求項1または2に記載の化粧料において、I1/II1:I2/II2=1:1.2〜4.5であることを特徴とする一連使用する化粧料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の化粧料において、第2剤のI−(b)成分を増加させたことを特徴とする一連使用する化粧料。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料において、第1剤のI成分とII成分の配合質量比が1:1〜4.5であることを特徴とする一連使用する化粧料。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の化粧料において、第1剤のI成分およびII成分の配合量が、化粧料全体において0.005〜15%であることを特徴とする一連使用する化粧料。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の化粧料において、第1剤と第2剤の使用間隔が10分以内であることを特徴とする一連使用する化粧料。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかに記載の化粧料において、I−(a)成分がシトラス系、アルデヒド系、グリーン系、フルーティ系、I−(b)成分がミンティ系、ハーバル系、スパイシー系、フローラル系、アロマティック系であり、II成分が、ウッディ系、アーシー系、モッシー系、レザー系、アニマリック系、バルサミック系、ハニー系、アンバー系、ムスキー系であることを特徴とする一連使用する化粧料。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれかに記載の化粧料からなる一連使用する毛髪用化粧料。
【請求項10】
請求項9に記載の毛髪用化粧料において、第1剤がシャンプー、第2剤がコンディショナーもしくはリンスであることを特徴とする一連使用する毛髪用化粧料。
【請求項11】
前記I−(a)、I−(b)なる群より選ばれる少なくとも1種のI成分と、
前記IIなる群より選ばれる少なくとも1種のII成分を含むことを特徴とする第1剤および第2剤からなり、
II成分の配合量が第1剤より第2剤の方が少ないことを特徴とする調香方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−43050(P2010−43050A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209957(P2008−209957)
【出願日】平成20年8月18日(2008.8.18)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】