説明

三方弁

【課題】弁体と弁座の当接位置間際においても比例的な流量制御を正確に行うことができ、全流量も最大流量を確保することができる三方弁を提供する。
【解決手段】本三方弁1は、第1、第2、第3のポート11,12,13を開設するケーシング2内の流路14に第1の弁座31と第2の弁座32とが対向して設けられ、第1の弁座31と第2の弁座32とに対してモータに連結する1本のシャフト4に取り付けられた第1の弁体51と第2の弁体52とがそれぞれ配置されている。第1、第2の各弁体51,52は、それが当接又は離間する第1、第2の各弁座31,32を形成する開口に向かって外径が縮径した形状に形成されるとともに、第1、第2の各弁座31,32との当接位置及びその付近の基部53と、基部53より先端側に突設された頭部54とを有し、且つ基部53の傾斜角θ1が頭部54の傾斜角θ2よりもゆるやかに形成された外周面を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水、湯等の流体に対する混合弁又は分流弁として利用される三方弁に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の三方弁として、第1、第2、第3のポートを開設するケーシング内の流路に第1の弁座と第2の弁座とが対向して設けられ、第1の弁座と第2の弁座とに対してモータに連結する1本のシャフトに取り付けられた第1の弁体と第2の弁体とがそれぞれ配置されたものがある(特許文献1、特許文献2、特許文献3)。そして、この三方弁を例えば給湯器に組み込む湯水混合弁として利用する場合は、シャフトを移動させて第1、第2の各弁体の開度を制御して、第1のポートから流入される高温湯と第2のポートから流入される冷水の流量を調節し湯水の混合比を制御して第3のポートから流出される湯の出湯温度を調節するようにして用いられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−3190号公報
【特許文献2】特開2006−266403号公報
【特許文献3】特開2010−38336号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の三方弁は、弁体と弁座との当接位置間際では流量特性において直線性が得られず、全流量も落ち込むというものであった(図3中の点線で示す流量を参照)。これは、弁体と弁座との当接位置間際では弁体と弁座との間の開口面積が狭く流体の流速が速くなる傾向にあるため、弁体の開き始めや閉じる直前に流体が下流側へ急激に引き込まれて流量(例えば、図3中の点線で示す第1ポートの流量)が増大するからである。しかも、第1の弁座と第2の弁座とが対向した流路構造を持つため、一方側の弁体側から流体が勢いよく流れ込むと、その水流による動圧を受けて他方側の弁体側からの流体の流入が抑制されるため、開口面積がほぼ最大となった他方側の弁体側では流量(例えば、図3中の点線で示す第2ポートの流量)が減少し、その結果、全流量(図3中の点線で示す第3ポートの流量)が減少するというものである。このことから、弁体と弁座の当接位置間際では比例的な流量制御を正確に行うことができず、しかも、全流量の最大流量を確保することができなかった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、弁体と弁座の当接位置間際においても、比例的な流量制御を正確に行うことができ、全流量も最大流量を確保することができる三方弁を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る三方弁は、
第1、第2、第3のポートを開設するケーシング内の流路に第1の弁座と第2の弁座とが対向して設けられ、第1の弁座と第2の弁座とに対してモータに連結する1本のシャフトに取り付けられた第1の弁体と第2の弁体とがそれぞれ配置された三方弁において、
第1、第2の各弁体は、それが当接又は離間する第1、第2の各弁座を形成する開口に向かって外径が縮径した形状に形成されるとともに、第1、第2の各弁座との当接位置及びその付近の基部と、基部より先端側に突設された頭部とを有し、且つ基部の傾斜角が頭部の傾斜角よりもゆるやかに形成された外周面を備える。
【0007】
上記構成より、例えば、第1の弁体側において、第1の弁体の外周面における基部の傾斜角が頭部の傾斜角よりもゆるやかに形成されているので、第1の弁体と第1の弁座の当接位置間際では、第1の弁体と第1の弁座との間の開口面積が少しずつ変化するようになる。これにより、第1の弁体と第1の弁座の当接位置間際において第1の弁体側での流体が下流側へ急激に引き込まれることが抑制されて第1のポート側での流量の増加が防止され、第1の弁体と第1の弁座との間の開口面積に比例した流量制御を行うことができる。しかも、第1の弁体と第1の弁座の当接位置間際での第1のポート側の流量の急激な増加が防止されることから、第2の弁体側では第1の弁体側での流量の急激な増加に伴う動圧による第2のポート側での流量の減少が防止され、第2のポート側でも第2の弁体と第2の弁座との間の開口面積に比例した流量制御を行うことができる。さらには、開口面積がほぼ最大となった第2のポート側での流量の減少が防止されることから、第1の弁体と第1の弁座の当接位置間際における全流量(第3のポート側での流量)の落ち込みを防止することができる。なお、第1の弁体側の開口面積を絞ると第2の弁体側の開口面積が大きくなり、第2の弁体側の開口面積を絞ると第1の弁体側の開口面積が大きくなる関係となるので、第2の弁体と第2の弁座の当接位置間際でも上記同様の作用となる。
また、第1、第2の各弁体と第1、第2の各弁座の当接位置間際における流体の動圧が極端に大きくなることが防止されるので、それに伴った振動、騒音の発生を防止することもできる。
【0008】
上記第1、第2の各弁体の外周面は、基部と頭部との傾斜角が異なる多段テーパ形状に形成され、基部には外周面がテーパ形状の弁パッキンが設けられていることが望ましい。
これにより、弁体の基部に弁パッキンを設けることで弁体が弁座に当接した閉状態でのシール性能が高度に確保され、流体の切替えを確実に行える。また、弁体の外周面をテーパ形状とすることで弁体の加工が容易となり、弁パッキンが別体の場合は弁パッキンの組付けも容易に行え、且つコスト増を抑制することができる。
【0009】
上記第1、第2の弁体間には、クリアランスが設けられ、且つ相互に離間させる方向に付勢するバネが介装され、
上記シャフトのストロークは、第1、第2の各弁体が第1、第2の各弁座に当接した後も移動を可能とするように構成され、且つシャフトにはそれが挿通されるケーシングの側壁を跨いで第1、第2のストッパが設けられ、第1のストッパがケーシングの側壁外面に当接する前進限位置と第2のストッパがケーシングの側壁内面に当接する後退限位置との間で弁体が弁座に当接した後の移動距離が上記クリアランスの範囲内となるように最大移動可能に構成されていることが望ましい。
これにより、第1、第2の各弁体が第1、第2の各弁座に当接した後もクリアランスの範囲内でシャフトが移動することにより、弁座に当接されている弁体は、バネの付勢力に規制されて押し付けられる。従って、弁体が弁座に対して必要以上に押圧されて損傷することがなく、長期にわたってシール性能を高度に確保することができる。
【発明の効果】
【0010】
以上のように、本発明に係る三方弁によれば、第1、第2の各弁体と第1、第2の各弁座の当接位置間際においても、シャフトの正確なストローク制御によって比例的な流量制御を正確に行うことができ、しかも、全流量の落ち込みを防止して最大流量を確保することができる。その結果、全領域で全流量を一定に保つことができ、全領域で第1、第2の各弁体の開口面積に比例して正確な流量制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】実施形態による混合弁(三方弁)の概略構成を示す断面図である。
【図2】弁体の外周面部分を示す拡大断面図である。
【図3】第1、第2の弁体を取り付けたシャフトのストローク量に対して第1、第2、第3の各ポートでの流体流量の変化量の関係を示す流量特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
なお、以下では、三方弁の一実施形態として混合弁とする場合を説明する。
図1に示す混合弁1は、第1、第2、第3のポート11,12,13を開設するとともに内部に流路14を形成するケーシング2と、流路14内に配設する第1、第2の弁体51,52とを備える。ケーシング2は、第1、第2、第3のポート11,12,13を側面に設けた筒状の外ケース21と、外ケース21内にパッキン7を介して挿入されたインナー部材22とにより構成される。インナー部材22は、外ケース21の挿入口23から外ケース21内に配設され、この挿入口23には取付部材24が取り付けられる。
【0013】
ケーシング2内には、直線的な流路14の両端に第1流路15と第2流路16とが形成され、流路14の中間に第3流路17が形成されている。第1流路15と第2流路16は、ケーシング2の一方の側面に開設する第1のポート11と第2のポート12にそれぞれ連通され、第3流路17は、ケーシング2の他方の側面に開設する第3のポート13に連通されている。流路14には、第1流路15側に第1の弁座31が設けられるとともに、インナー部材22の端面により第1の弁座31に対向して第2流路16側に第2の弁座32が設けられている。また、流路14内には、図示しないモータを連結したシャフト4が軸方向に挿入され、このシャフト4の先端側に第1、第2の弁体51,52が取り付けられて流路14内に配設されている。従って、シャフト4を軸方向に移動させることにより、第1、第2の弁体51,52が同時に流路14内の軸方向に移動し、第1の弁体51は、第1の弁座31に当接又は離間され、第2の弁体52は、第2の弁座32に当接又は離間される。なお、本混合弁1では、シャフト4を移動させて第1、第2の各弁体51,52の開度を制御することにより、第1のポート11から流入される高温湯と第2のポート12から流入される冷水の流量を調節し湯水の混合比を制御して第3のポート13から流出される湯の出湯温度を調節するようにして用いられる。
【0014】
シャフト4は、インナー部材22の軸受部25にOリング8でシールして軸支されている。なお、軸受部25の流路14を臨む口部には、蓋部材26が取り付けられる。シャフト4の基端部には、図示しないモータの駆動力が伝えられる駆動部材43が取り付けられている。駆動部材43は、インナー部材22の突設した筒部27内に配設され、この駆動部材43の外周面には、雄ネジ部44が設けられて筒部27の内面に設けた雌ネジ部28に螺合されている。従って、モータの駆動により駆動部材43が回動されると、雄ネジ部44と雌ネジ部28の噛み合いによりシャフト4が軸方向に移動される。
【0015】
第1、第2の弁体51,52は、シャフト4に外装したOリング9がシャフト挿通孔56の収容部57に密着されてシャフト4の外周面との間がシールされている。シャフト挿通孔56には、Oリング9の収容部57と、それより大径に形成されて押え部材59を嵌め込んだバネ受け部58とが設けられている。そして、第1の弁体51のバネ受け部58にバネ6の一端を収容するとともに、第2の弁体52のバネ受け部58にバネ6の他端を収容して、第1、第2の弁体51,52間にバネ6が介装されている。また、第1、第2の弁体51,52は、シャフト4に取り付けたEリング及び座金からなる第1、第2の固定具41,42により位置決め状態に支持されている。第2の弁体52は、頭部54に延長部54aが延設されている。なお、第2の固定具42は、Eリングを廃止してシャフト4に設けた段差と座金によって形成してもよい。
【0016】
従って、第1、第2の弁体51,52は、バネ6の付勢力により相互に離間する方向に付勢された状態で各固定具41,42間に配置される。また、第1、第2の弁体51,52間には、クリアランスSが設けられているので、第1、第2の各弁体51,52が第1、第2の各弁座31,32に当接した位置からさらにクリアランスSの範囲内でシャフト4を移動させることで、バネ6の付勢力により第1、第2の各弁体51,52が第1、第2の各弁座31,32に押圧されてシール荷重が一定の力に規制される。従って、第1、第2の弁体51,52が第1、第2の弁座31,32に対して必要以上に押圧され、弁体51,52が損傷する不具合が防止でき、長期にわたってシール性能を高度に確保することができる。
【0017】
このようにして、シャフト4のストロークは、第1、第2の各弁体51,52が第1、第2の各弁座31,32に当接した後も移動を可能とするように構成され、また、シャフト4には、それが挿通されるインナー部材22の側壁を跨いで駆動部材43(第1のストッパ)と第2の固定具42(第2のストッパ)が設けられている。そして、シャフト4は、駆動部材43の端面43aがインナー部材22の側壁外面25aに当接される前進限位置と、第2の固定具42がインナー部材22の側壁内面の蓋部材26に当接される後退限位置との間で弁体51,52が弁座31,32に当接した後の移動距離がクリアランスSの範囲内となるように最大移動可能に構成される。これにより、弁体51,52の弁座31,32へのシール荷重がバネ6の付勢力に設定される。
【0018】
第1、第2の弁体51,52は、それが当接又は離間する第1、第2の各弁座31,32によって形成される開口に向かって外径が縮径したテーパ形状に形成され、第1、第2の各弁座31,32との当接位置及びその付近の基部53と、基部53より先端側に突設された頭部54とが設けられている。第1、第2の各弁体51,52の基部53には、外周面がテーパ形状の弁パッキン55が設けられており、第1、第2の各弁座31,32との当接時のシール性能が確保されている。
【0019】
そして、図2に示すように、第1、第2の弁体51,52は、ともに基部53の傾斜角θ1が頭部54の傾斜角θ2よりもゆるやかに形成された多段テーパ形状となった外周面を備える。例えば、基部53の傾斜角θ1は、20度に設定され、頭部54の傾斜角θ2は、40度に設定される。なお、基部53と頭部54との境界部分は、R状に面取りされており、弁パッキン55の組付け性をよくしている。
【0020】
以上の第1、第2の弁体51,52の構成より、例えば、第1の弁体51側において、第1の弁体51の外周面における基部53の傾斜角θ1が頭部54の傾斜角θ2よりもゆるやかに形成されているので、第1の弁体51と第1の弁座31の当接位置間際では、第1の弁体51と第1の弁座31との間の開口面積が少しずつ変化するようになる。これにより、第1の弁体51と第1の弁座31の当接位置間際において、第1の弁体51側での流体が下流側へ急激に引き込まれることが抑制される。
【0021】
図3の流量特性図を参照して、単一のテーパ形状の外周面を備えた弁体では、点線で示されるように、弁体と弁座との当接位置間際では第1のポートからの流量が増加しているが、本実施形態の多段テーパ形状の外周面を備えた弁体51,52では、実線で示されるように、第1の弁体51と第1の弁座31の当接位置間際においても第1のポート11からの流量の増加が防止され、第1の弁体51と第1の弁座31との間の開口面積に比例した流量制御を行うことができる。
【0022】
また、単一テーパ形状の弁体では、図3の流量特性図の点線で示されるように、開口面積がほぼ最大となった第2の弁体側においては第1の弁体側での流量の急激な増加に伴う動圧を受けて第2のポートからの流量が減少している。これに対して、本実施形態の多段テーパ形状の弁体51,52では、図3の流量特性図の実線で示されるように、開口面積がほぼ最大となった第2の弁体52側においては、第1の弁体51と第1の弁座31の当接位置間際での第1のポート11の流量の急激な増加が防止されることから、第1の弁体51側から大きな動圧を受けることがなく第2のポート12からの流量の減少が防止され、第2のポート12側でも第2の弁体52と第2の弁座32との間の開口面積に比例した流量制御を行うことができる。
【0023】
さらには、単一テーパ形状の弁体では、図3の流量特性図の点線で示されるように、開口面積がほぼ最大となった第2のポート側での流量の減少に伴って全流量(第3のポートの流量)の落ち込みが見られるが、本実施形態の多段テーパ形状の弁体51,52では、図3の流量特性図の実線で示されるように、開口面積がほぼ最大となった第2のポート12側での流量の減少が防止されることから、第1の弁体51と第1の弁座31の当接位置間際で全流量(第3のポート13の流量)が落ち込むこともなく最大流量が確保される。
【0024】
なお、第1の弁体51側の開口面積を絞ると第2の弁体52側の開口面積が大きくなり、第2の弁体52側の開口面積を絞ると第1の弁体51側の開口面積が大きくなる関係にあるので、第2の弁体52と第2の弁座32の当接位置間際でも、上記第1の弁体51側と同様に、比例的な流量制御を行うことができ、全流量の落ち込みも防止することができる。
【0025】
このように、実施形態の混合弁1によれば、第1、第2の各弁体51,52と第1、第2の各弁座31,32の当接位置間際において、シャフト4の正確なストローク制御によって比例的な流量制御を正確に行うことができ、全流量の落ち込みも防止されて最大流量を確保することができる。その結果、第1、第2の各弁体51,52の開度制御領域の全域において、全流量を一定に保つことができ、第1、第2の各弁体51,52の開口面積に比例して正確な流量制御を行うことができる。よって、この混合弁1によれば、第1、第2の各弁体51,52の開度制御領域の全域において湯水の混合比を比例的に制御して第3のポート13から流出される湯の出湯温度を高精度に調節することができる。また、第1、第2の各弁体51,52と第1、第2の各弁座31,32の当接位置間際における流体の動圧が極端に大きくなることが防止されるので、それに伴った振動、騒音の発生を防止することもできる。
【0026】
なお、本発明は、上記実施形態に限定されず、適宜に変更を施すことが可能である。
例えば、第1、第2の各弁体51,52は、外周面を多段テーパ形状とするが、断面円弧状、球面状等の外周面形状としてもよい。
また、第1、第2の各弁体51,52の基部53には、弁パッキン55を一体成形により形成したものとしてもよい。
さらに、上記実施形態では、三方弁を混合弁1として利用する場合の構成を説明したが、第3のポート13から流体を流入し、第1のポート11と第2のポート12から所定の分流比で流体を流出させる分流弁としても利用可能である。
【符号の説明】
【0027】
1 混合弁(三方弁)
2 ケーシング
4 シャフト
6 バネ
11 第1のポート
12 第2のポート
13 第3のポート
14 流路
15 第1流路
16 第2流路
17 第3流路
21 外ケース
22 インナー部材
31 第1の弁座
32 第2の弁座
41 第1の固定具
42 第2の固定具(第2のストッパ)
43 駆動部材(第1のストッパ)
51 第1の弁体
52 第2の弁体
53 基部
54 頭部
55 弁パッキン
S クリアランス
θ1 基部53の傾斜角
θ2 頭部54の傾斜角




【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1、第2、第3のポートを開設するケーシング内の流路に第1の弁座と第2の弁座とが対向して設けられ、第1の弁座と第2の弁座とに対してモータに連結する1本のシャフトに取り付けられた第1の弁体と第2の弁体とがそれぞれ配置された三方弁において、
第1、第2の各弁体は、それが当接又は離間する第1、第2の各弁座を形成する開口に向かって外径が縮径した形状に形成されるとともに、第1、第2の各弁座との当接位置及びその付近の基部と、基部より先端側に突設された頭部とを有し、且つ基部の傾斜角が頭部の傾斜角よりもゆるやかに形成された外周面を備える三方弁。
【請求項2】
請求項1に記載の三方弁において、
上記第1、第2の各弁体の外周面は、基部と頭部との傾斜角が異なる多段テーパ形状に形成され、基部には外周面がテーパ形状の弁パッキンが設けられている三方弁。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の三方弁において、
上記第1、第2の弁体間には、クリアランスが設けられ、且つ相互に離間させる方向に付勢するバネが介装され、
上記シャフトのストロークは、第1、第2の各弁体が第1、第2の各弁座に当接した後も移動を可能とするように構成され、且つシャフトにはそれが挿通されるケーシングの側壁を跨いで第1、第2のストッパが設けられ、第1のストッパがケーシングの側壁外面に当接する前進限位置と第2のストッパがケーシングの側壁内面に当接する後退限位置との間で弁体が弁座に当接した後の移動距離が上記クリアランスの範囲内となるように最大移動可能に構成されている三方弁。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−31966(P2012−31966A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−173529(P2010−173529)
【出願日】平成22年8月2日(2010.8.2)
【出願人】(000115854)リンナイ株式会社 (1,534)
【Fターム(参考)】