説明

三環式化合物およびそれらのグルココルチコイド受容体調節剤としての使用

本発明は、グルココルチコイド受容体の調節剤である式I:(I)の化合物またはその塩を対象とする。本発明の化合物および塩は、グルココルチコイド受容体活性により媒介される状態の治療に有用である。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、グルココルチコイド受容体調節剤である化合物を包含する。本発明は、組成物ならびに化合物および組成物を使用する方法も包含する。
【背景技術】
【0002】
グルココルチコイド受容体調節剤は、強力な抗炎症性、抗増殖性および免疫調節性活性を有するため、様々な状態を治療するのに使用されるグルココルチコイド受容体リガンドである。J.Miner他、Expert.Opin.Investig.Drugs(2005)14(12):1527〜1545。
【0003】
グルココルチコイド受容体調節剤の例は、デキサメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、RU−486、ならびにWO2000/66522およびWO2004/005229に記載されているようなものを包含する。
【0004】
グルココルチコイド受容体調節剤による治療は、骨喪失および骨粗鬆症などの副作用を伴うことが多い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
効果的で強力であり、副作用が軽減されているグルココルチコイド受容体調節剤を識別することは、医療ニーズを満たす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施形態において、本発明は、式Iの化合物
【0007】
【化1】

(式中、Rは−Hまたは−P(O)(OH)である)またはその塩に関する。
【0008】
別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物および担体を含む組成物に関する。別の実施形態において、本発明は、グルココルチコイド受容体を式Iの化合物と接触させる方法に関する。追加実施形態は、対象に式Iの化合物を投与することにより、グルココルチコイド受容体活性により媒介される対象における状態を治療する方法を包含する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施形態のこの詳細な説明は、当業者が、特定の使用の要件に最も適しているような多くの形態で本発明を適応および応用することができるように、本発明、原理、および実用的応用例を当業者に知らせることだけが意図されている。したがって、これらの発明は、本明細書に記載されている実施形態に限定されるものではなく、改変することができる。
【0010】
A.定義
以下の定義された用語については、異なる定義が、特許請求の範囲または本明細書の他の場所に与えられていない限り、これらの定義を当てはめるものとする。
【0011】
「担体」という用語は、化合物以外の成分について記載する。担体は、薬学的に許容できる材料またはビヒクルであってよい。例は、液体もしくは固体充填剤、希釈剤、賦形剤、溶媒またはカプセル化材料を包含する。
【0012】
「グルココルチコイド受容体を接触させること」という語句は、in vivo、ex vivo、またはin vitroの接触をグルココルチコイド受容体と行うことを意味し、グルココルチコイド受容体を有する対象への本発明の化合物または塩の投与、ならびに、例えば、グルココルチコイド受容体を含有する、細胞の、未精製の、または精製された調製物を含有するサンプル中に本発明の化合物または塩を導入することを包含する。例えば、接触させることは、結合などの、化合物と受容体との相互作用を包含する。
【0013】
「炎症関連状態」という語句は、関節炎、線維筋痛、強直性脊椎炎、乾癬、全身性エリテマトーデス、痛風、未分化型脊椎関節症、若年発症脊椎関節炎、クローン病、潰瘍性大腸炎、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患および前述の状態に伴う疼痛を包含する。関節炎の具体例は、関節リウマチ、骨関節炎、反応性関節炎、感染性関節炎、乾癬性関節炎、多発性関節炎、若年性関節炎、若年性関節リウマチ、若年性反応性関節炎、および若年性乾癬性関節炎を包含する。
【0014】
「調節」または「調節剤」という用語は、拮抗薬、作動薬、部分拮抗薬、および部分作動薬を包含する。
【0015】
「対象」という用語は、マウス、ラット、他のげっ歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマ、霊長類、またはヒトなどの哺乳類を包含する任意の動物を指す。
【0016】
「治療すること」という用語(ならびに、対応する「治療する」および「治療」という用語)は、対象を緩和的に、回復的に、および予防的に(preventative)(「予防的に(prophylactic)」)治療することを包含する。「緩和的に治療すること」という用語は、状態を治癒させることなく対象において状態の影響または強度を緩和または軽減する治療を指す。「予防的に(preventative)治療すること」という用語(および、対応する「予防的に(prophylactic)治療すること」という用語)は、対象において状態の発生を予防する治療を指す。「回復的に治療すること」(「治癒的に」)という用語は、対象において状態の進行を食い止め、状態の病的症状を軽減し、または状態を完全に除去する治療を指す。治療することは、研究者、医師、獣医師、または臨床家などの個人により求められている組織、系または対象の生物学的または医学的(medicinal)応答を誘発する、治療に有効な量の化合物、塩または組成物で行うことができる。
【0017】
B.化合物
本発明は、部分的に、式Iの三環式化合物を含む。これらの化合物は、グルココルチコイド受容体調節剤として有用である。
【0018】
本発明は、式Iの化合物
【0019】
【化2】

(式中、Rは−Hまたは−P(O)(OH)である)またはその塩を包含する。
【0020】
本発明は、式IIの化合物
【0021】
【化3】

(式中、Rは−Hまたは−P(O)(OH)である)またはその塩を包含する。
【0022】
本発明は、Rが−Hである式IもしくはIIの化合物、またはそれらの塩を包含する。
【0023】
本発明は、Rが−P(O)(OH)である式IもしくはIIの化合物、またはそれらの塩を包含する。
【0024】
本発明は、(4βS,7R,8αR)−4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−N−(2−メチルピリジン−3−イル)−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドまたはその塩、および(2R,4αS,10αR)−4α−ベンジル−7−((2−メチルピリジン−3−イル)カルバモイル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4,4α,9,10,10α−オクタヒドロフェナントレン−2−イルジハイドロジェンホスフェートまたはその塩を包含する。
【0025】
本発明の化合物の塩は、それらの酸付加塩および塩基塩(二塩を包含する)を包含する。一実施形態において、本発明は、式Iの化合物の塩酸塩を包含する。別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物のカルシウム塩を包含する。別の実施形態において、本発明は、式Iの化合物のナトリウム塩を包含する。
【0026】
適当な酸付加塩は、非毒性塩を形成する酸から形成される。例は、酢酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩およびトリフルオロ酢酸塩を包含する。
【0027】
適当な塩基塩は、非毒性塩を形成する塩基から形成される。例は、アルミニウム、アルギニン、ベンザチン、カルシウム、コリン、ジエチルアミン、ジオールアミン、グリシン、リシン、マグネシウム、メグルミン、オラミン、カリウム、ナトリウム、トロメタミンおよび亜鉛塩を包含する。
【0028】
適当な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties、Selection、and Use」(Wiley−VCH、Weinheim、Germany、2002)を参照されたい。
【0029】
塩は、本発明の化合物および望ましい酸または塩基のどちらか適切な方の溶液を混ぜ合わせることにより容易に調製することができる。塩は、溶液から析出させて濾過により集めるか、または溶媒の蒸発により回収することができる。塩におけるイオン化の程度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化までと様々であってよい。
【0030】
本発明の化合物は、プロドラッグとして投与することができる。すなわち、それら自体が薬理学的活性をほとんど、またはまったく有していないことがある特定の誘導体は、体内または体表に投与された場合に、例えば加水分解切断により、望ましい活性を有する本発明の化合物に変換されることがある。そのような誘導体は、「プロドラッグ」と呼ばれる。プロドラッグの使用に関するそれ以上の情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems、第14巻、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987(E B Roche編、American Pharmaceutical Association)中に見いだすことができる。
【0031】
プロドラッグは、例えば、本発明の化合物中に存在する適切な官能基を、例えば、H Bundgaardによる「Design of Prodrugs」(Elsevier、1985)に記載されているような「プロモイエティ(pro−moieties)」として当業者に知られている特定の部分で置き換えることにより製造することができる。
【0032】
そのようなプロドラッグの一部の例は、
(i)化合物がアルコール官能基(−OH)を含有する場合はそのエーテル、例えば、水素の(C〜C)アルカノイルオキシメチルによる置き換え、および
(ii)化合物が二級アミノ官能基を含有する場合はそのアミド、例えば、水素の(C〜C10)アルカノイルによる置き換えを包含する。
【0033】
最後に、本発明の特定の化合物は、それら自体で本発明の他の化合物のプロドラッグとしての役割を果たすことがある。例えば、式IまたはIIの特定の化合物は、式IまたはIIにより包含される他の化合物のプロドラッグとして見なすことができるであろう。
【0034】
2種以上のタイプの異性を有する化合物または塩、およびそれらの1種または複数の混合物を包含する化合物または塩の立体異性体、幾何(シス/トランスすなわちZ/E)異性体および互変異性形態などのすべての異性体は、本発明の範囲に包含される。例えば、以下は、式Iの化合物および互変異性体を描いている。
【0035】
【化4】

【0036】
対イオンが光学活性である、例えば、D−乳酸塩もしくはL−リシンであるか、またはラセミである、例えば、DL−酒石酸塩もしくはDL−アルギニンである酸付加塩または塩基塩も包含される。
【0037】
異性体は、当業者によく知られている従来技法により分離することができる。
【0038】
本発明は、1個または複数の原子が、同じ原子番号であるが、自然に通常見いだされる原子質量または質量数と異なる原子質量または質量数を有する原子により置き換えられている本発明の同位体標識化合物を包含する。
【0039】
本発明の同位体標識化合物は、一般的に、以前に用いられた非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用い、当業者に知られている従来技法により、または添付の実施例および調製に記載されているものに類似したプロセスにより調製することができる。
【0040】
以下で言及される状態を治療するために、本発明の化合物を投与することができる。本発明の化合物の塩も使用することができるであろう。
【0041】
C.組成物
本発明の化合物または塩は、組成物の一部になることができるであろう。組成物は、1種または複数の本発明の化合物または塩を包含することもできる。組成物は、エナンチオマー過剰の1種または複数の本発明の化合物を包含することもできる。他の薬学的に活性な物質を組成物中に包含させることができる。
【0042】
一実施形態は、式Iの化合物またはその塩を含む組成物である。別の実施形態は、式Iの化合物またはその塩および担体を含む組成物である。
【0043】
例えば、担体は、賦形剤であってよい。賦形剤の選択は、特定の投与方法、溶解性および安定性に対する賦形剤の影響、ならびに剤形の性質などの要素により大きく左右されるであろう。
【0044】
組成物は、固体、液体、または両方であってよく、単位投与量組成物、例えば、活性化合物0.05重量%〜95重量%を含有することができる錠剤として、化合物と一緒に製剤化することができる。本発明の化合物または塩は、目標設定可能な薬物担体としての適当なポリマーと結合させることができる。
【0045】
D.方法
本発明は、グルココルチコイド受容体を本発明の化合物または塩と接触させる方法を包含する。
【0046】
本発明は、対象においてグルココルチコイド受容体活性により媒介される状態を治療する方法であって、対象に本発明の化合物または塩を投与することを含む方法も包含する。
【0047】
グルココルチコイド受容体活性により媒介される状態は、
a)原発性または二次性副腎皮質不全、先天性副腎過形成、非化膿性甲状腺炎、および癌に伴う高カルシウム血症などの内分泌障害、
b)乾癬性関節炎、若年性関節リウマチを包含する関節リウマチ、強直性脊椎炎、急性および亜急性滑液包炎、急性非特異的腱滑膜炎、急性痛風性関節炎、外傷後骨関節炎、骨関節炎の腱滑膜炎、および上顆炎などのリウマチ性障害、
c)全身性エリテマトーデスなどのコラーゲン疾患、および急性リウマチ性心臓炎、
d)天疱瘡、疱疹状水疱性皮膚炎、重症多形性紅斑(スティーヴンス−ジョンソン症候群)、剥脱性皮膚炎、菌状息肉症、乾癬、および脂漏性皮膚炎などの皮膚科学的状態、
e)季節性または通年性アレルギー、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、接触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、血清病、および薬物過敏性反応などのアレルギー性状態、
f)アレルギー性角膜辺縁性潰瘍、眼部帯状疱疹、前区炎症、びまん性後部ブドウ膜炎および脈絡膜炎、慢性ブドウ膜炎、交感性眼炎、アレルギー性結膜炎、角膜炎、脈絡網膜炎、視神経炎、虹彩炎および虹彩毛様体炎などの眼科の疾患および状態、
g)症候性サルコイドーシス、レフラー症候群、ベリリウム中毒症、劇症または播種性肺結核症、および嚥下性肺炎などの呼吸器疾患、
h)特発性血小板減少性紫斑病、二次性血小板減少症、後天性(自己免疫性)溶血性貧血、赤芽球減少症(RBC貧血)、および先天性(赤血球系)再生不良性貧血などの血液学的障害、
i)白血病およびリンパ腫などの新生物疾患、
j)特発性タイプの尿毒症を伴わないネフローゼ症候群またはエリテマトーデスに起因するネフローゼ症候群において利尿またはタンパク尿症の放出を誘発することなどの浮腫性状態、
k)潰瘍性大腸炎、限局性腸炎、炎症性腸疾患、クローン病、胃炎、過敏性腸症候群などの胃腸疾患、
l)結核性髄膜炎および施毛虫症などの諸状態、ならびに
m)アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、脊髄損傷、精神病性大うつ病、および末梢神経障害などの神経学的状態を包含する。
【0048】
グルココルチコイド受容体活性により媒介される状態は、移植拒絶(例えば、腎臓、肝臓、心臓、肺、膵臓(例えば、島細胞)、骨髄、角膜、小腸、皮膚同種異系移植片、皮膚同種移植片(熱傷治療で用いられるような)、心臓弁異種移植片、血清病、および移植片対宿主疾患)、関節リウマチなどの自己免疫性疾患、乾癬性関節炎、多発性硬化症、I型およびII型糖尿病、若年性糖尿病、肥満症、喘息、炎症性腸疾患(クローン病および潰瘍性大腸炎など)、壊疽性膿皮症、ループス(全身性エリテマトーデス)、重症筋無力症、乾癬、皮膚炎、皮膚筋炎;湿疹、脂漏症、肺炎症、眼ブドウ膜炎、肝炎、グレイヴス病、橋本甲状腺炎、自己免疫性甲状腺炎、ベーチェットまたはシェールゲン(Sjorgen’s)症候群(ドライアイ/マウス)、悪性または免疫性溶血性貧血、アテローム性動脈硬化症、アジソン病(副腎腺の自己免疫性疾患)、特発性副腎不全、自己免疫性多腺性疾患(自己免疫性多腺性症候群としても知られている)、糸球体腎炎、強皮症、モルフェア、扁平苔癬、白斑症(皮膚の脱色素)、円形脱毛症、自己免疫性脱毛症、自己免疫性下垂体機能低下症、ギラン−バレー症候群、および肺胞炎;接触過敏症、遅延型過敏症、接触性皮膚炎(ツタウルシに起因するものを包含する)、蕁麻疹、皮膚アレルギー、呼吸器アレルギー(花粉症、アレルギー性鼻炎)およびグルテン過敏性腸症(セリアック病)を包含するT細胞媒介性過敏性疾患;骨関節炎、急性膵炎、慢性膵炎、急性呼吸窮迫症候群、セザリー症候群などの炎症性疾患ならびに再狭窄、狭窄および関節硬化症などの炎症性および/または増殖性成分を有する血管疾患も包含する。
【0049】
グルココルチコイド受容体活性により媒介される状態は、
a)あらゆるタイプ、病因、または病原の喘息、特に、アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、アトピー性気管支IgE−媒介性喘息、気管支喘息、本態性喘息、真正喘息、病態生理学的かく乱により引き起こされる内因性喘息、環境要因により引き起こされる外因性喘息、知られていないかまたは明らかでない原因の本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、気腫性喘息、運動誘発性喘息、アレルゲン誘発性喘息、冷気誘発性喘息、職業喘息、細菌、真菌、原虫、またはウイルス感染症により引き起こされる感染型喘息、非アレルギー性喘息、初発性喘息、喘鳴乳児症候群および細気管支炎からなる群から選択されるメンバーである喘息、
b)慢性または急性気管支収縮、慢性気管支炎、小気道閉塞、および気腫、
c)あらゆるタイプ、病因または病原の閉塞性または炎症性の気道疾患、特に、慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を包含するCOPD、COPDを伴うかまたは伴わない肺気腫または呼吸困難、不可逆的進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法の結果として生じる気道過敏性の悪化および肺高血圧症を伴う気道疾患からなる群から選択されるメンバーである閉塞性または炎症性の気道疾患、
d)あらゆるタイプ、病因または病原の気管支炎、特に、急性気管支炎、急性喉頭気管気管支炎、アラキン酸気管支炎、カタル性気管支炎、クループ性気管支炎、乾性気管支炎、感染性喘息性気管支炎、湿咳性気管支炎、ブドウ球菌性または連鎖球菌性の気管支炎および肺胞性気管支炎からなる群から選択されるメンバーである気管支炎、
急性肺傷害、ならびに
e)あらゆるタイプ、病因または病原の気管支拡張症、特に、円柱状気管支拡張症、嚢状気管支拡張症、紡錘状気管支拡張症、毛細管性気管支拡張症、嚢胞状気管支拡張症、乾性気管支拡張症および濾胞性気管支拡張症からなる群から選択されるメンバーである気管支拡張症も包含する。
【0050】
別の実施形態は、あらゆるタイプ、病因もしくは病原の閉塞性もしくは炎症性の気道疾患、特に、慢性好酸球性肺炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、慢性気管支炎を包含するCOPD、COPDを伴うかもしくは伴わない肺気腫もしくは呼吸困難、不可逆的進行性気道閉塞を特徴とするCOPD、成人呼吸窮迫症候群(ARDS)、他の薬物療法の結果として生じる気道過敏性の悪化および肺高血圧症を伴う気道疾患からなる群から選択されるメンバーである閉塞性もしくは炎症性の気道疾患、またはあらゆるタイプ、病因、もしくは病原の喘息、特に、アトピー性喘息、非アトピー性喘息、アレルギー性喘息、アトピー性気管支IgE−媒介性喘息、気管支喘息、本態性喘息、真正喘息、病態生理学的かく乱により引き起こされる内因性喘息、環境要因により引き起こされる外因性喘息、知られていないかもしくは明らかでない原因の本態性喘息、非アトピー性喘息、気管支炎性喘息、気腫性喘息、運動誘発性喘息、アレルゲン誘発性喘息、冷気誘発性喘息、職業喘息、細菌、真菌、原虫、もしくはウイルス感染症により引き起こされる感染型喘息、非アレルギー性喘息、初発性喘息、喘鳴乳児症候群および細気管支炎からなる群から選択されるメンバーである喘息を治療するのに使用するための本発明の化合物もしくは塩の使用を包含する。
【0051】
本発明は、対象において炎症関連状態を治療する方法であって、対象に本発明の化合物または塩を投与することを含む方法を包含する。
【0052】
本発明は、対象において喘息、皮膚炎、炎症性腸疾患、アルツハイマー病、精神病性大うつ病、神経障害、移植拒絶、多発性硬化症、慢性ブドウ膜炎、または慢性閉塞性肺疾患などの状態を治療する方法であって、対象に本発明の化合物または塩を投与することを含む方法を包含する。
【0053】
本発明は、対象において関節リウマチを治療する方法であって、対象に本発明の化合物または塩を投与することを含む方法を包含する。
【0054】
関節リウマチは、最終的に腫脹し、痛むようになり、軟骨、骨、および関節靱帯の分解を受ける炎症関節を生じる慢性の自己免疫性および炎症性の疾患と考えられている。関節リウマチの結果は、関節の変形、不安定性、および硬直ならびに関節内の瘢痕化である。関節は、極めて変わりやすい速度で悪化する。遺伝性素因を包含する多くの要素が、疾患のパターンに影響を及ぼすことがある。関節リウマチの人々は、穏やかな経過、疾患を伴わずに長い寛解期間を伴う時々のフレアアップ、または遅いもしくは速いことがある着実に進行する疾患を有することがある。関節リウマチは、突然に始まり、多くの関節が同時に炎症を起こすことがある。関節リウマチは、微妙に始まり、異なる関節に徐々に影響を及ぼすことがより多い。通常、炎症は、対称的であり、身体の両側の関節に影響を及ぼす。典型的には、手指、つま先、手、足、手首、肘、および足首の小関節が先ず炎症を起こし、膝および股関節(hips)と続く。
【0055】
関節リウマチに伴う疼痛は、典型的には、体性侵害受容性関節痛である。腫脹した手首は、神経を圧迫し、手根管症候群に起因するしびれまたは刺痛をもたらすことがある。嚢胞は、罹患した膝の後ろに広がることがあり、破裂して下肢において疼痛および腫脹を引き起こすことがある。
【0056】
本発明は、対象において皮膚炎を治療する方法であって、対象に本発明の化合物または塩を投与することを含む方法を包含する。
【0057】
本発明は、対象において慢性閉塞性肺疾患を治療する方法であって、対象に本発明の化合物または塩を投与することを含む方法を包含する。
【0058】
本発明は、対象において喘息を治療する方法であって、対象に本発明の化合物または塩を投与することを含む方法を包含する。
【0059】
本発明は、対象においてアルツハイマー病を治療する方法であって、対象に本発明の化合物または塩を投与することを含む方法を包含する。
【0060】
本発明は、グルココルチコイド受容体調節に伴う副作用を軽減する方法であって、対象に式Iの化合物を投与することを含む方法を包含する。
【0061】
本発明は、プレドニゾロン治療に伴う副作用を軽減する方法であって、対象に式Iの化合物を投与することを含む方法を包含する。
【0062】
本発明は、対象に本発明の1種または複数の化合物または塩を投与することにより、対象またはそのような状態を有することに影響を受けやすい対象において前述の状態、疾患、および障害を治療する方法をさらに含む。
【0063】
一実施形態において、前述の治療は、予防的治療である。
【0064】
別の実施形態において、前述の治療は、緩和的治療である。
【0065】
別の実施形態において、前述の治療は、回復的治療である。
【0066】
E.用量および投与
提案されている適応症の治療にとって最も適切な剤形および投与経路を選択するために、本発明の化合物または塩を、溶解性および溶液安定性(pH全域で)、ならびに透過性などのそれらの生物薬剤学的特性について評価することができる。
【0067】
本発明の化合物または塩についての投与量は、経口投与については0.1mg〜100mgの範囲であり、投与量は、吸入投与については2mg以下である。投与量は、1回量または分割量で投与され、本明細書に示される典型的範囲から外れることがある。
【0068】
用量は、約60〜70kgの体重を有する平均的なヒト対象に基づいている。投与および投与レジメンは、対象および投与に影響を及ぼすことがある様々な条件(年齢、性別、体重など)に左右される。医師は、乳児および高齢者などの、体重がこの範囲から外れている対象についての投与量を容易に決定することができるはずである。
【0069】
経口投与
本発明の化合物およびそれらの塩は、経口的に投与することができる。経口投与は、化合物または塩が胃腸管に入るように嚥下すること、および/または、化合物または塩が口から直接血流に入る口腔投与、舌投与もしくは舌下投与を含むことがある。
【0070】
経口投与に適している製剤は、錠剤;多粒子剤およびナノ粒子剤、液剤、または散剤を含有する硬カプセル剤または軟カプセル剤;ロゼンジ剤(液体入りを包含する);咀嚼剤(chews);ゲル剤;速分散性剤形;フィルム剤:膣坐剤;噴霧剤;および口腔/粘膜付着性パッチなどの固体、半固体および液体システムを包含する。さらに、本発明の化合物または塩は、噴霧乾燥分散液として投与することができる。
【0071】
液体製剤は、懸濁剤、液剤、シロップ剤およびエリキシル剤を包含する。そのような製剤は、軟カプセル剤または硬カプセル剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製の)における充填剤として用いることができ、典型的には、担体、例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適当な油、ならびに1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。液体製剤は、例えばサシェから、固体の再構成により調製することもできる。
【0072】
本発明の化合物およびそれらの塩は、LiangおよびChenによるExpert Opinion in Therapeutic Patents、11(6)、981〜986(2001)に記載されているものなどの速溶解性、速崩壊性剤形においても使用することができる。
【0073】
錠剤剤形の場合、投与量に応じて、薬物は、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的には、剤形の5重量%〜60重量%を占めることができる。薬物の他に、錠剤は、一般的に、崩壊剤を含有する。崩壊剤の例は、デンプングリコール酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化デンプンおよびアルギン酸ナトリウムを包含する。一般的に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは、5重量%〜20重量%を占めるものとする。
【0074】
一般的に、錠剤製剤に凝集性を付与するために結合剤が使用される。適当な結合剤は、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロースならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースを包含する。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水など)、マンニトール、キシリトール、ブドウ糖、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプンおよび第二リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含有することもある。
【0075】
また、錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムおよびポリソルベート80などの界面活性剤、ならびに二酸化ケイ素およびタルクなどの流動促進剤を含んでいてもよい。存在する場合、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%〜5重量%を占め、流動促進剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%を占めることがある。
【0076】
また、錠剤は、一般的に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリルフマル酸ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの滑沢剤を含有する。滑沢剤は、一般的に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは、0.5重量%〜3重量%を占める。
【0077】
他の可能な成分は、抗酸化剤、着色剤、矯味剤、保存剤および味覚マスキング剤を包含する。
【0078】
例示的錠剤は、薬物約80%まで、結合剤約10重量%〜約90重量%、希釈剤約0重量%〜約85重量%、崩壊剤約2重量%〜約10重量%、および滑沢剤約0.25重量%〜約10重量%を含有する。
【0079】
経口投与のための固体製剤は、即時放出および/または放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を包含する。
【0080】
本発明の目的に適している放出調節製剤については、米国特許第6,106,864号に記載されている。高エネルギー分散剤ならびに浸透および被覆粒子剤などの他の適当な放出技術の詳細は、Verma他によるPharmaceutical Technology On−line、25(2)、1〜14(2001)中に見いだすことができる。
【0081】
経口投与のために投与量範囲は、0.1mg〜80mg、15mg〜80mg、0.1mg〜25mgも包含する。
【0082】
非経口投与
本発明の化合物または塩は、血流中、筋肉中、または内臓中に直接投与することもできる。実施例2は、血流中に投与することができるであろう。非経口投与に適している手段は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑膜内および皮下を包含する。非経口投与に適している装置は、針(極微針を包含する)注射器、無針注射器および注入技法を包含する。
【0083】
非経口製剤は、典型的には、塩、炭水化物および緩衝剤(3〜9のpHが好ましい)などの賦形剤を含有することがある水溶液であるが、一部の応用例については、非経口製剤を、滅菌非水溶液として、または滅菌した発熱物質を含まない水などの適当なビヒクルと併せて使用される乾燥形態として製剤化することがより適当である。
【0084】
無菌条件下、例えば、凍結乾燥による非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準的製薬技法を用いて容易に行うことができる。
【0085】
非経口液剤の調製において使用される本発明の化合物およびそれらの塩の溶解性は、溶解性促進剤の組み入れなどの適切な製剤技法の使用により高めることができる。
【0086】
非経口投与のための製剤は、即時放出および/または放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を包含する。すなわち、本発明の化合物は、懸濁液または活性化合物の放出調節を提供する埋込型デポー剤として投与するための固体、半固体、もしくはチキソトロピックな液体として製剤化することができる。そのような製剤の例は、薬物をコーティングしたステントならびに薬物をローディングしたdl−乳酸/グリコール酸共重合体(poly(dl−lactic−coglycolic)acid)(PGLA)ミクロスフェアを含む半固体剤および懸濁剤を包含する。
【0087】
局所投与
本発明の化合物または塩は、皮膚または粘膜へ局所的に、皮膚に(皮内に)、または経皮的に投与することもできる。実施例1は、皮膚に投与することができるであろう。この目的にとって典型的な製剤は、ゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏剤、散布剤、包帯剤、フォーム剤、フィルム剤、皮膚用パッチ剤、ウエハー剤、インプラント剤、スポンジ剤、ファイバー剤、絆創膏剤およびマイクロエマルジョン剤を包含する。リポソーム剤も使用することができる。典型的な担体は、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコールおよびプロピレングリコールを包含する。透過促進剤を組み入れることができる。例えば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、88(10)、955〜958(1999年10月)を参照されたい。
【0088】
局所投与の他の手段は、エレクトロポレーション、イオントフォレーシス、フォノフォレーシス、ソノフォレーシスおよび極微針または無針(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)注射による送達を包含する。
【0089】
局所投与のための製剤は、即時放出および/または放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を包含する。
【0090】
吸入/鼻腔内投与
また、本発明の化合物または塩は、鼻腔内に、または吸入により、典型的には、乾燥粉末インヘイラーから乾燥粉末(単独で、例えば、ラクトースとの乾燥ブレンドにおける混合物として、または、例えば、ホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合された混合成分粒子として)の形態で、1,1,1,2−テトラフルオロエタンもしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適当な噴射剤を使用するかもしくは使用しないで加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、細かい霧を発生するための電気流体力学を用いるアトマイザー)、もしくはネブライザーからエアゾールスプレーとして、または点鼻薬として投与することもできる。鼻腔内使用の場合、粉末は、生体接着剤、例えば、キトサンまたはシクロデキストリンを含むことがある。
【0091】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、例えば、エタノール、水性エタノール、または活性物質の分散、可溶化、または延長放出のための適当な代替試剤、溶媒としての1種または複数の噴射剤およびソルビタントリオレエート、オレイン酸、またはオリゴ乳酸などの任意選択の界面活性剤を含む本発明の1種または複数の化合物の溶液または懸濁液を含有する。
【0092】
乾燥粉末または懸濁液製剤における使用より前に、薬物製品は、吸入による送達に適しているサイズ(典型的には、5ミクロン未満)まで微粉化される。これは、スパイラルジェットミリング、流動床ジェットミリング、ナノ粒子を形成するための超臨界流体プロセシング、高圧均質化、または噴霧乾燥などの任意の適切な粉砕方法により行うことができる。
【0093】
インヘイラーまたはインサフレーターにおいて使用するためのカプセル剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製)、ブリスター剤およびカートリッジ剤は、本発明の化合物、ラクトースまたはデンプンなどの適当な粉末基剤およびL−ロイシン、マンニトール、またはステアリン酸マグネシウムなどの動作調整剤の粉末ミックスを含有するように製剤化することができる。ラクトースは、無水であるかまたは一水和物の形態であってよく、後者であることが好ましい。
【0094】
他の適当な賦形剤は、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロースおよびトレハロースを包含する。
【0095】
電気流体力学を用いるアトマイザーにおいて使用するのに適している溶液製剤は、本発明の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノールおよび塩化ナトリウムを含むことができる。プロピレングリコールの代わりに使用することができる代替溶媒は、グリセロールおよびポリエチレングリコールを包含する。
【0096】
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、即時放出および/または、例えば、PGLAを用いる放出調節であるように製剤化することができる。放出調節製剤は、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的放出およびプログラム放出を包含する。
【0097】
乾燥粉末インヘイラーおよびエアゾール剤の場合、用量単位は、一定量を送達するバルブにより決定される。本発明による単位は、典型的には、1回量で、またはより一般的には1日を通して分割量として投与することができる一定量すなわち「パフ」を投与するように配置される。
【0098】
吸入投与のための投与量範囲は、2mg以下または1mg以下である。
【0099】
組合せ
本発明の化合物または塩は、薬物などの1種または複数の他の治療薬と組み合わせて投与することができる。本発明の化合物またはその塩は、1種または複数の他の治療薬と同じまたは異なる時間に投与することができる。
【0100】
例えば、「組み合わせて」は、対象への本発明の化合物または塩と治療薬の組合せの同時投与であって、そのような構成成分が、前記対象に対して実質的に同じ時間に前記構成成分を放出する単一の剤形に一緒に製剤化されている場合の同時投与;治療を必要としている対象への本発明の化合物または塩と治療薬の組合せの実質的に同時の投与であって、そのような構成成分が、前記対象により実質的に同じ時間に摂取される別々の剤形に互いに別々に製剤化されており、前記構成成分が、前記対象に対して実質的に同じ時間に放出される場合の実質的に同時の投与;対象への本発明の化合物または塩と治療薬の組合せの順次投与であって、そのような構成成分が、各投与間の有意な時間間隔で前記対象により連続した時間に摂取される別々の剤形に互いに別々に製剤化されており、前記構成成分が、前記対象に対して実質的に異なる時間に放出される場合の順次投与;および対象への本発明の化合物または塩と治療薬のそのような組合せの順次投与であって、そのような構成成分が、制御された方法で前記構成成分を放出する単一の剤形に一緒に製剤化されており、前記構成成分が、前記対象により同じかつ/または異なる時間に同時に、連続して、かつ/または重ねて投与され、各部分が、同じ経路か異なる経路のどちらかにより投与されることがある順次投与を包含する。
【0101】
例えば、本発明の化合物または塩は、他の抗炎症薬に加えて、部分的にまたは完全に、組み合わせて使用することができる。適当な抗炎症薬は、シクロスポリン、ゾレドロン酸、エファリズマブ、アレファセプト、エトドラク、ロルノキシカム、OM−89、バルデコキシブ、トシリズマブ、アバタセプト、メロキシカム、エタネルセプト、ナムブメトン(nambumetone)、リメキソロン、153Sm−EDTMP、プロソルバ(prosorba)、サリチル酸イミダゾール、オプレルベキン、ヒアルロン酸、ナプロキセン、ピロキシカム、ジアセレイン、ルメリコキシブ(lumericoxib)、タクロリムス、アセクロフェナク、アクタリット、テノキシカム、ロシグリタゾン、デフラザコート、アダリムマブ、レフルノミド、リセドロネートナトリウム、ミソプロストールおよびジクロフェナク、SK−1306X、インフリキシマブ、アナキンラ、セレコキシブ、ジクロフェナク、エトリコキシブおよびフェルビナク、リューマコン(reumacon)、ゴリムマブ、デノスマブ、オファツムマブ、10rT1抗体、ペルビプロフェン、リコフェロン、テムシロリムス、エクリズマブ、イグラチモド、およびプレドニゾンを包含する。他の適当な抗炎症薬は、CP−481715、ABN−912、MLN−3897、HuMax−IL−15、RA−1、パクリタキセル、Org−37663、Org39141、AED−9056、AMG−108、フォントリズマブ(fontolizumab)、ペグスネルセプト、プラルナカサン、アピリモド(apilimod)、GW−274150、AT−001、681323(GSK)K−832、R−1503、オクレリズマブ、DE−096、Cpn10、THC+CBD(GW Pharma)、856553(GSK)、ReN−1869、免疫グロブリン、mm−093、アメルバント、SCIO−469、ABT−874、LenkoVAX、LY−2127399、TRU−015、KC−706、ジピリダモール、アモキサピネット(amoxapinet)およびジピリダモール、TAK−715、PG760564、VX−702、プレドニゾロンおよびジピリダモール、PMX−53、ベリムマブ、プリナベレル(prinaberel)、CF−101、tgAAV−TNFR:Fc、R−788、プレドニゾロンおよびSSRI、デキサメタゾン、CP−690550ならびにPMI−001を包含する。
【0102】
当業者は、ある特異疾患の治療に本発明の化合物またはそれらの塩を使用する場合、本発明の化合物を、その疾患のために使用される様々な既存の治療薬と組み合わせることができることも理解しているであろう。
【0103】
例えば、本発明の化合物または塩は、以下の標的:シクロオキシゲナーゼ2(プロスタグランジンエンドペルオキシドシンターゼ2);TNF−R(腫瘍壊死因子受容体1型);シクロオキシゲナーゼ(Cox1および2;非特異的);Mapキナーゼp38(非特異的);IL1受容体(IおよびII型、非特異的);アラキドン酸5−リポキシゲナーゼ;グルココルチコイド受容体(GR);NF−kB;腫瘍壊死因子(TNF−α);CCR1ケモカイン受容体;ロイコトリエンB4受容体(非特異的);PDE4(ホスホジエステラーゼ4;非特異的);IL6受容体;インテグリン(非特異的);ADAM−17(TNF−α変換酵素);ICE(カスパーゼ1/インターロイキン−1βコンバターゼ);プロスタグランジン合成酵素(非特異的);サブスタンスP受容体(SPR/NK−1受容体);プロスタノイド受容体(非特異的);血管細胞接着タンパク質1(VCAM1);MMP−13(コラゲナーゼ3);VEGF受容体(非特異的);C5Aアナフィラトキシン走化性受容体(C5AR);マクロファージ遊走阻止因子(MIF);プリンヌクレオシドホスホリラーゼ(PNP);β1インターフェロン;MMP−3(ストロメライシン1);CCR2ケモカイン受容体;MMP−2(ゼラチナーゼA);腫瘍壊死因子受容体5(CD40);CD44抗原(帰還機能およびインドの血液型システム);CCR5ケモカイン受容体;プロスタグランジンEシンターゼ;ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体γ(PPAR−γ);CXCR4ケモカイン受容体;カテプシンS;癌原遺伝子LCKチロシンキナーゼ;CXCR3ケモカイン受容体;PDGF受容体;FKBP(12FK−506);IgスーパーファミリーCTLA−4;タンパク質キナーゼC(PKC、非特異的);インテグリンα−V/β−5;カテプシンK;26Sプロテアソーム;鉱質コルチコイド受容体(MR);IkBキナーゼβサブユニット(IKK BETA);血小板活性化因子受容体(PAF−R);ファルネシルピロリン酸FPPシンテターゼ;CXCR1ケモカイン受容体;マクロファージコロニー刺激因子I受容体(CSF−1R);IL18受容体1;アデノシンA3受容体;顆粒球−マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF);SYKチロシンキナーゼ;CRF受容体(非特異的);α/βチューブリンヘテロ二量体;チロシンキナーゼ(非特異的);アミロイドβ;マクロファージコロニー刺激因子(MCSF);腫瘍壊死因子リガンドスーパーファミリーメンバー11(核因子κbリガンドの受容体活性化因子);ホスホリパーゼ(非特異的);エストロゲン受容体(α/β;非特異的);MMP−9(ゼラチナーゼB);一酸化窒素シンターゼ(非特異的);誘導型一酸化窒素シンターゼ(非特異的);p53細胞性腫瘍抗原;インスリン様成長因子1(ソマトメジンC);ニコチン性アセチルコリン受容体複合体;μ型オピオイド受容体(MOR−1);IL11;ERBB/EGF受容体チロシンキナーゼ(非特異的);ヒスタミンH2受容体;ジペプチジルペプチダーゼIV(DPP IV、CD26);トポイソメラーゼII;CCR7ケモカイン受容体;細菌性ジヒドロ葉酸レダクターゼ(非特異的);β−チューブリン;DNAポリメラーゼ(ヒト、任意のサブユニット組成);CCR4ケモカイン受容体;CCR3ケモカイン受容体;K+(カリウム)チャンネル(非特異的);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ14(MAPK14/P38−α);L型カルシウムチャンネル(非特異的);CCR6ケモカイン受容体;PDE3((ホスホジエステラーゼ3;非特異的);システインプロテアーゼ(非特異的);ナトリウム依存性ノルアドレナリン輸送体(NAT);MAP2キナーゼ(MEKs;非特異的);RAFキナーゼ(非特異的);低酸素誘導因子1α;NMDA受容体;エストロゲン受容体β(ER−β);ヒトDNA;コレシストキニンB型受容体(CCKB);B1ブラジキニン受容体(BK1);P2Xプリン受容体7(P2X7);アデノシンA2A受容体;カンナビノイド受容体2(CB2);σオピオイド受容体;カンナビノイド受容体1(CB1);CXCR2ケモカイン受容体;補体因子I(C3B/C4B不活性化因子);タンパク質キナーゼB(RAC−キナーゼ)(非特異的);γセクレターゼ複合体;CRTH2(GPR44);p53関連遺伝子(MDM2ユビキチン−タンパク質リガーゼE3);VIP受容体(非特異的);IL1受容体、I型;IL6(インターフェロン、β2);MMP(非特異的);インスリン;MMP−2/3/9;カルシトニン/カルシトニン関連ポリペプチド、α;リポキシゲナーゼ(非特異的);血管内皮成長因子(VEGF);トロンビン;アンドロゲン受容体;Mapキナーゼ(非特異的);性ホルモン結合グロブリン;ケモカインCCL2(MCP1/MCAF);ホスホリパーゼA2;エリスロポエチン(EPO);プラスミノーゲン;胃プロトンポンプ(H+K+ATPアーゼ);カスパーゼ(非特異的);FGF受容体(非特異的);ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体α(PPAR−α);MIP1a受容体(非特異的);S100カルシウム結合タンパク質(非特異的);PGE受容体(非特異的);ペプチジルアルギニンデイミナーゼ、IV型;PDGF(a/b)複合体;β−ラクタマーゼおよびPBPs(細胞壁生合成);オピオイド受容体(非特異的);アンジオテンシン変換酵素1(ACE1);ウロキナーゼ型プラスミノーゲン活性化因子(UPA);ホスホジエステラーゼ(非特異的PDE);プロゲステロン受容体(PR);5HT(セロトニン)受容体(非特異的);腫瘍壊死因子(リガンド)スーパーファミリー、メンバー5(CD40リガンド);チミジル酸シンターゼ;インテグリンα4−パキシリン相互作用;インテグリンα−4(VLA−4/CD49D);ERK1;グルコースリン酸イソメラーゼ(自己分泌型運動因子);ドーパミン受容体(非特異的);ケモカインCXCL12(SDF−1);ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質;インテグリンα−5/β−1;シグナル伝達性転写因子3(急性期反応因子);プラスミノーゲン活性化因子阻害薬−1(PAI−1);ビタミンD3受容体(VDR/1,25−ジヒドロキシビタミンD3受容体);アロマターゼ複合体(P450aromおよびNADPH−チトクロームP450レダクターゼ);タンパク質チロシンホスファターゼ(非特異的);3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリル補酵素A(HMG−CoA)レダクターゼ;インテグリンβ−1(フィブロネクチン受容体βサブユニット);インテグリンβ−1/α−11;Pセレクチン(GMP140/顆粒膜タンパク質−140);5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP);H+/K+ATPアーゼ(非特異的);Na+(ナトリウム)チャンネル(非特異的);甲状腺ペルオキシダーゼ;脳電位開口型ナトリウムチャンネルα−1;β−2アドレナリン作動性受容体;BCL1(サイクリンD1);甲状腺ホルモン受容体(非特異的);血管内皮成長因子受容体2(VEGFR−2/FLK1);α−V/β−6インテグリン;インテグリンα−V(ビトロネクチン受容体αサブユニット/CD51);SRCキナーゼ;プレイオトロフィン(ヘパリン結合性成長因子8、神経突起成長促進因子1);オステオポンチン(分泌型リンタンパク質1);トール様受容体4(TLR4);バニロイド受容体(非特異的);Pi3キナーゼ(非特異的);ポリ(ADP−リボース)ポリメラーゼ(PARP);PPAR受容体(非特異的);βアドレナリン作動性受容体(非特異的);一過性受容体電位カチオンチャンネル、サブファミリーV、メンバー1(TRPV1);トポイソメラーゼI;ヒスタミンH1受容体;キニノーゲン;IKKキナーゼ(非特異的);HIV TATタンパク質;トール様受容体2;溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー4(SLC22A4);RXR受容体(非特異的);レニン(アンジオテンシノゲナーゼ(Angiotensinogenase));ゴナドトロピン放出ホルモン受容体(GNRH−R);ペニシリン結合タンパク質(細胞壁ペプチダーゼ);カルモジュリン;マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ1(MAPK1/ERK2);カルシウムチャンネル(非特異的);アグリカナーゼ(非特異的);JNKキナーゼ(非特異的);トランスサイレチン(TTR);CX3CR1受容体;凝固第III因子(トロンボプラスチン、組織因子);ナトリウム依存性セロトニン輸送体(5HTT);コロニー刺激因子1(マクロファージ);組織トランスグルタミナーゼ(トランスグルタミナーゼ2/TGM2);高度グリコシル化最終産物(Advanced glycosylation end product)特異的受容体;モノアミンオキシダーゼ(AおよびB;非特異的);ヒスタミン受容体(非特異的);ナトリウム依存性ドーパミン輸送体(DAT);トロンボポエチン(骨髄増殖性白血病ウイルス癌遺伝子リガンド、巨核球成長発達(growth and development)因子);シグナル伝達リンパ球活性化分子;中性エンドペプチダーゼ(NEP/ネプリライシン);エンドセリン−1受容体(ETA);チロシナーゼ;マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ8(MAPK8/JNK1);IAP(アポトーシスの阻害薬)非特異的;ホスホイノシチド3−キナーゼ;プロスタグランジンF2−α受容体(プロスタノイドFP受容体);ヒト成長ホルモン;バソプレッシン受容体(非特異的);肥満/幹細胞成長因子受容体(C−KIT);CDK(非特異的);D4/5HT1a(ドーパミンD4受容体、セロトニン受容体1a);アンジオポエチン1受容体(TIE−2)(TEK);エストロゲン受容体α(ER−α);上皮成長因子受容体;局所接着キナーゼ(非特異的);末梢ベンゾジアゼピン受容体(HPBS);オキシトシナーゼ;細胞質型ホスホリパーゼA2;エンドペプチダーゼ(非特異的);FGFR1 FGF受容体1;ニューロキニンNK1/NK2受容体;プロリル4−ヒドロキシラーゼ複合体;インテグリンα−5(フィブロネクチン受容体αサブユニット/VLA−5/CD49E);ムスカリン性アセチルコリン受容体(非特異的);チロシン−タンパク質キナーゼJAK3(JANUS KINASE3);odc1−オルニチンデカルボキシラーゼ;5HT3受容体;アドレノメデュリン;ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ相同体(血管拡張性失調症突然変異遺伝子/ATM);エリスロポエチン受容体;結合組織成長因子;RAC−αセリン/スレオニンキナーゼ(タンパク質キナーゼB);トール様受容体9;神経一酸化窒素シンターゼ(NOS1);κ型オピオイド受容体(KOR−1);心臓Na+チャンネル複合体;ERBB−2受容体タンパク質チロシンキナーゼ(チロシンキナーゼ型細胞表面受容体HER2);トロンビン受容体(PAR−1);PDE4B(cAMP特異的ホスホジエステラーゼ4B/HSPDE4B);血小板由来成長因子βポリペプチド;FKBP−ラパマイシン関連タンパク質(FRAP、mTOR);トロンボモジュリン;HIVプロテアーゼ(レトロペプシン(retropepsin));PDE4D(cAMP特異的ホスホジエステラーゼ4D/HSPDE4D);アデノシンキナーゼ;ヒストンデアセチラーゼ(非特異的);プロスタグランジンE2受容体EP4サブタイプ(プロスタノイドEP4受容体);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ3(MAP2K3);MMP−12(メタロエラスターゼ);OX40受容体;非特異的ヒトユビキチンリガーゼ;スルホニル尿素受容体(SUR1(膵臓)およびSUR2(心臓/平滑筋));凝固第X因子(スチュアート因子);MAPキナーゼ活性化タンパク質キナーゼ2(MAPKAPK−2);IgE重鎖定常領域;ドーパミンD2+5HT2A受容体;5−ヒドロキシトリプタミン4受容体(5HT4);1型アンジオテンシンII受容体(AT
1);チトクロームP450 3A4;T細胞サイクロフィリン(サイクロフィリンA);ニューロメディンK受容体(NKR/NK−3受容体);ロイコトリエンB4受容体;ブルトンチロシンキナーゼ(BTK);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ6(MAP2K6);エンドグリン;M1/D2/5HT2;ナトリウム依存性ノルアドレナリン輸送体+ドーパミンD4受容体;マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ4(MAP2K4);熱ショックタンパク質Hsp90A/B;ヒスチジンデカルボキシラーゼ;溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー5(SLC22A5);CSKチロシンキナーゼ;プロリルエンドペプチダーゼ;システイニルロイコトリエン受容体(CYSLT1);核内受容体NURR1(前初期応答タンパク質NOT);トール様受容体3;プロテイナーゼ活性化受容体2(PAR−2);プロスタサイクリン受容体(プロスタノイドIP受容体);セリン(またはシステイン)プロテイナーゼ阻害薬、クレードF(α−2抗プラスミン、色素上皮由来因子)、メンバー1;下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ポリペプチドi型受容体(PACAP−R−1);腫瘍壊死因子(リガンド)スーパーファミリー、メンバー10;C−MAF(ショートフォーム);アセチルコリンエステラーゼ(ACHE);α1アドレナリン作動性受容体(非特異的);GABA A受容体Bz結合;リゾスフィンゴ脂質受容体EDG−1;粘膜アドレシン細胞接着分子−1(MAdCam);α−1Lアドレナリン作動性受容体;肝細胞成長因子受容体(MET癌原遺伝子チロシンキナーゼ);ムスカリン性アセチルコリン受容体M3;MEK1;インスリン受容体;GABA受容体(A+B;非特異的);ホスファチジルイノシトール3−キナーゼ触媒サブユニットγ(PI3キナーゼγ);骨形態形成タンパク質2(BMP2);SKYチロシンタンパク質キナーゼ受容体(TYRO3)(RSE);ジスコイジンドメイン受容体ファミリー、メンバー2(DDR2);KV電位開口型カリウムチャンネル(非特異的);スフィンゴシンキナーゼ(非特異的);高親和性神経成長因子受容体(TRK−A);カルボニックアンヒドラーゼ(すべて);トロンボポエチン受容体;血管内皮成長因子C;アンジオテンシノーゲン;ATP−結合カセット、サブファミリーB(MDR/TAP)、メンバー1(ABCB1)(多剤耐性P−糖タンパク質(MDR1);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼ7(MAP2K7);ムスカリン性アセチルコリン受容体M1;HIV逆転写酵素;PDE5A(cGMP−結合性、cGMP−特異的ホスホジエステラーゼ5A/HSPDE5A);αアドレナリン作動性受容体(非特異的);リポタンパク質関連凝固阻害薬;カルボキシペプチダーゼB2(TAFI);コリンエステラーゼ(非特異的);B2ブラジキニン受容体(BK2);アルドースレダクターゼ;凝固第XI因子(血漿トロンボプラスチン前駆物質);セリン/スレオニンタンパク質キナーゼP78;メチオニンアミノペプチダーゼ2;可溶性グアニル酸シクラーゼ(非特異的);リボソームタンパク質S6キナーゼ;代謝型グルタミン酸受容体1;非受容体型チロシン−タンパク質キナーゼTYK2;代謝型グルタミン酸受容体(非特異的);血管内皮成長因子受容体3(VEGFR−3/FLT4);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ13(MAPK13/P38δ);線維芽細胞活性化タンパク質(セプラーゼ);コルチコトロピン放出因子受容体1(CRF−1);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ11(MAPK11/P38β);補体成分5;FLサイトカイン受容体(FLT3);AMPA受容体(グルタミン酸受容体1〜4);神経成長因子受容体;アシル−CoA A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ1(ACAT1);縮小様(Frizzled−like)受容体平滑化(smoothened)相同体(SMO);Gタンパク質共役受容体BONZO(STRL33、CXCR6);IKCaタンパク質;TGF−β受容体II型(TGFR−2);HIV−vifタンパク質;5−ヒドロキシトリプタミン2B受容体(5HT2B);脂肪酸結合タンパク質(非特異的);トール様受容体7(TLR7);グレリン;CD36抗原(I型コラーゲン受容体、トロンボスポンジン受容体);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ3(MAP3K3/MEKK3);FMLP関連受容体I(FMLP−RI);スフィンゴシンキナーゼSPHK1;ヒスチジル−tRNAシンテターゼ;マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ9(MAPK9/JNK2);P2X受容体(非特異的);カゼインキナーゼI(非特異的);スルホトランスフェラーゼ(非特異的);核内受容体ROR−α−1;カテコールO−メチルトランスフェラーゼ(COMT);モノアミンオキシダーゼA(MAOA);γ−グルタミルヒドロラーゼ;タンパク質キナーゼCα型(PKC−α);マイトジェン活性化タンパク質キナーゼ12(MAPK12/ERK6/P38γ);α2δカルシウムチャンネル;組織因子/第VIIa因子複合体;鉤虫好中球阻害因子;IKrカリウムチャンネル;ヒスタミンH4受容体(JAR3)(PFI−13);5−ヒドロキシトリプタミン2A受容体(5HT2A);コレシストキニンA型受容体(CCKA);11−βヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ1;成長ホルモン放出ホルモン;ニコチン性アセチルコリン受容体タンパク質α−7;5HT2受容体(非特異的);ナトリウム/水素交換体アイソフォーム1(NHE1);サブスタンスK受容体(SKR/NK−2受容体);5−ヒドロキシトリプタミン1D受容体(5HT1D);5HT1B/1D受容体;スクラーゼ−イソマルターゼ;β−3アドレナリン作動性受容体;カルシトニン遺伝子関連ペプチド(GGRP)1型受容体;サイクリン依存性キナーゼ4(CDK4);α−1Aアドレナリン作動性受容体;P2Y12血小板ADP受容体;マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ5(MAP3K5)(MEKK5);Gタンパク質シグナル伝達の調節因子2;インターロイキン−1受容体関連キナーゼ(IRAK);無機ピロホスファターゼ(ppアーゼ);ITK/TSKチロシンキナーゼ;RARγ;AXLチロシンタンパク質キナーゼ(UFO、GAS6受容体);アクチビン受容体様キナーゼ1(ALK−1);Runt関連転写因子2;AMPデアミナーゼ(非特異的);CCR8ケモカイン受容体;CCR11ケモカイン受容体;ノシセプチン受容体;インスリン様成長因子I受容体;P2Y受容体(非特異的);タンパク質キナーゼCθ型(NPKC−θ);DNA−メチルトランスフェラーゼ非特異的;ホスホリラーゼキナーゼ(非特異的);C3Aアナフィラトキシン走化性受容体(C3AR);スフィンゴシンキナーゼ2(SPHK2);カゼインキナーゼII非特異的;ホスホグリセリン酸キナーゼ1;UDP−Gal:βGlcNAcβ1,4−ガラクトシルトランスフェラーゼ2(B4GALT2);サピエンス溶質キャリアファミリー7(陽イオン性アミノ酸輸送体、y+システム)、メンバー5(SLC7A5);MMP−17(MT−MMP4);カゼインキナーゼIIα鎖(CKII);成長停止特異的6(GAS6);MAPキナーゼ活性化タンパク質キナーゼ3(MAPKAPK−3);マイトジェンおよびストレス活性化タンパク質キナーゼ−1(MSK1);プロスタグランジンD2シンターゼ(21kD、脳);膵臓K+チャンネル(非特異的);TGF−β受容体I型(TGFR−1/アクチビン受容体様キナーゼ5/ALK−5);サイクリン依存性キナーゼ2(CDK2);ACAT(ACAT酵素1および2;非特異的);δ型オピオイド受容体(DOR−1);5−ヒドロキシトリプタミン6受容体(5HT6);5−ヒドロキシトリプタミン1A受容体(5HT1A);5HT1受容体(非特異的);成長ホルモン受容体;PDE7(ホスホジエステラーゼ7;非特異的);IgE受容体(R1およびR2;非特異的);サイクリン依存性キナーゼ1(CDK1);ファルネシル−タンパク質トランスフェラーゼ複合体;プロスタグランジンD2受容体(プロスタノイドDP受容体);補体C1S成分;ヒストンデアセチラーゼ5;ディッコフ(dickkopf)相同体1前駆体;P2Xプリン受容体4(P2X4);レクチン様酸化LDL受容体(LOX−1);エポキシドヒドロラーゼ2(トランス−スチレンオキシドヒドロラーゼ)(可溶性エポキシドヒドロラーゼ)(sEH);ジヒドロジピコリン酸シンターゼ(dhdps)(DapA);CaMキナーゼII複合体;LXRα/β(非特異的LXR);カスパーゼの第二ミトコンドリア由来活性化因子;インテグリン結合キナーゼ(ILK);局所接着キナーゼ2(FADK2);アデノシンA2B受容体;WEE1様タンパク質キナーゼ;チェックポイントキナーゼ(CHK2);細菌SecAタンパク質;ニコチン性アセチルコリン受容体タンパク質β−2;マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ1(MAP3K1/MEKK1);タンパク質キナーゼCζ型(NPKC−ζ);PDK1(3−ホスホイノシチド依存性タンパク質キナーゼ−1);5−ヒドロキシトリプタミン5A受容体(5HT5A);ステロイド5−α−レダクターゼ;マイトジェン活性化タンパク質キナーゼキナーゼキナーゼ8(MAP3K8/COT);タンパク質チロシンホスファターゼ1B;P2Yプリン受容体1(P2Y1);α−1Dアドレナリン作動性受容体;カゼインキナーゼIε(CKI−ε);5−ヒドロキシトリプタミン7受容体(5HT7);凝固第VII因子(エプタコグアルファ);ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ(PDHK;非特異的);PDE7A(cAMP特異的ホスホジエステラーゼ7A/HSPDE7A);グルカゴン様ペプチド1受容体(GLP−1R);インフルエンザrnaポリメラーゼサブユニットp3(pb2エンドヌクレアーゼ);ウイルスプロテアーゼ(非特異的);トポイソメラーゼIV;副甲状腺ホルモン受容体(PTH2受容体);タンパク質キナーゼCβ−I型(PKC−β−1);ドーパミンβヒドロキシラーゼ;ガラクトシルトランスフェラーゼ関連タンパク質キナーゼP58/GTA;シナプス前タンパク質SAP97;滑膜アポトーシス阻害薬1、シノビオリン(SYVN1)(HRD1)(HRD−1);スクアレンエポキシダーゼ(ERG1);タンパク質キナーゼCε型(NPKC−ε);コルチコトロピン放出因子受容体2(CRF2);中間コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャンネル(IK1);ヌクレオシド二リン酸キナーゼA(NDKA)(NM23−H1);インターロイキン−1受容体関連キナーゼ4(IRAK−4);グリコーゲンシンターゼキナーゼ−3α(GSK−3α);溶質キャリアファミリー22(有機カチオン輸送体)、メンバー2(SLC22A2);ピルビン酸デヒドロゲナーゼキナーゼ1(PDK1);PAK−αキナーゼ(PAK−1);ヒト14−3−3タンパク質;イソロイシル−tRNAシンテターゼ;プレニルシステインカルボキシルメチルトランスフェラーゼ(PCCMT);CKLF1;ならびにNAALADアーゼIIのうちの1種または複数を調節する薬剤と組み合わせることができる。
【0104】
さらに、本発明の化合物または塩は、SSRI、マトリクスメタロプロテイナーゼ(MMP)阻害薬、アグリカナーゼ阻害薬、誘導型一酸化窒素(iNOS)阻害薬、インスリン様成長因子(IGF)発現または活性の阻害薬、線維芽細胞成長因子(FGF)発現または活性の阻害薬、CD44発現または活性の阻害薬、インターロイキン(IL)発現または活性の阻害薬、腫瘍壊死因子α(TNF−α)発現または活性の阻害薬、腫瘍壊死因子−誘導型タンパク質6(TSG−6)発現または活性の阻害薬、ビクニン発現または活性の阻害薬、β−セクレターゼ(BACE)の阻害薬、PACE−4の阻害薬、核内受容体rev−ErbAα(NR1D1)発現または活性の阻害、内皮分化スフィンゴ脂質G−タンパク質共役受容体1(EDG−1)発現または活性の阻害、プロテイナーゼ活性化受容体(PAR)発現または活性の阻害、軟骨由来レチノイン酸感受性タンパク質(CD−RAP)発現または活性の阻害、タンパク質キナーゼCζ(PKCz)の阻害薬、レジスチン発現または活性の阻害、ディスインテグリンおよびメタロプロテイナーゼ8(ADAM8)の阻害、補体成分1sサブコンポーネント(C1s)発現または活性の阻害、ホルミルペプチド受容体様1(FPRL1)発現または活性の阻害などの1種または複数の薬剤と組み合わせて投与することができる。
【0105】
本発明の化合物または塩と組み合わせるのに有用な薬剤の追加例は、MMP−2、−3、−9、または13の阻害薬;アグリカナーゼ−1または−2の阻害薬;IGF−1または−2発現または活性の阻害薬;FGF−2、−18、または−9発現または活性の阻害薬;およびIL−1、−4または−6発現または活性の阻害薬を包含する。
【0106】
本発明の化合物または塩と組み合わせるのに有用な薬剤の他の例は、IGF−1または−2抗体;FGF受容体−2または−3拮抗薬、CD44抗体、IL−1、−4または−6抗体、TNF−α抗体;TSG−6抗体;ビクニン抗体;NR1D1拮抗薬;EDG−1拮抗薬;PAR拮抗薬、CD−RAP抗体、レジスチン抗体、C1s抗体、およびFPRL1抗体を包含する。
【0107】
本発明の化合物または塩と一緒に投与することができる化合物の追加例は、セレコキシブ、ロフェコキシブ、パレコキシブ、バルデコキシブ、デラコキシブ、エトリコキシブ、およびルミラコキシブなどのシクロオキシゲナーゼ−2(COX−2)選択的阻害薬;モルヒネ、ヒドロモルホン、オキシモルホン、フェンタニル、コデイン、ジヒドロコデイン、オキシコドン、ヒドロコドン、ブプレノルフィン、トラマドール、およびナルブフィンなどのオピオイド鎮痛薬;アスピリン、ジクロフェナク、ジフルニサル、イブプロフェン、フェノプロフェン、ナプロキセン、ネパフェナク、およびアセトアミノフェンなどの非ステロイド性抗炎症薬(NSAID);シルデナフィルなどのホスホジエステラーゼV阻害薬(PDEV);ガバペンチンおよびプレガバリンなどのα−2−δリガンド;ならびにベンゾカイン、リドカイン、ロピバカイン、メントール、カンファーおよびサリチル酸メチルなどの局所麻酔薬を包含する。
【0108】
本発明の化合物または塩と組み合わせて使用することができる他の化合物のタイプおよび化合物のクラスの例は、鎮痛薬、バルビツール系鎮静薬;ベンゾジアゼピン;鎮静作用を有するヒスタミンH拮抗薬;鎮静薬;骨格筋弛緩薬;N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体拮抗薬;α−アドレナリン作動薬;三環系抗うつ薬;カルバマゼピンなどの抗痙攣薬;タキキニン(NK)拮抗薬、特に、NK−3、NK−2またはNK−1拮抗薬;ムスカリン性拮抗薬;神経遮断薬;バニロイド受容体作動薬または拮抗薬;β−アドレナリン作動薬;コルチコステロイド;5−HT1B/1D、5−HT2A、および5−HT受容体拮抗薬などのセロトニン(5−HT)受容体作動薬または拮抗薬;コリン作動性(ニコチン性)鎮痛薬;カンナビノイド;代謝型グルタミン酸サブタイプ1受容体(mGluR1)拮抗薬;セルトラリンなどのセロトニン再取り込み阻害薬;レボキセチン、特に、(S,S)−レボキセチンなどのノルアドレナリン(ノルエピネフリン)再取り込み阻害薬;デュロキセチンなどのデュアルセロトニン−ノルアドレナリン再取り込み阻害薬;S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−L−ホモシステイン、S−[2−[(1−イミノエチル)−アミノ]エチル]−4,4−ジオキソ−L−システイン、S−[2−[(1−イミノエチル)アミノ]エチル]−2−メチル−L−システイン、(2S,5Z)−2−アミノ−2−メチル−7−[(1−イミノエチル)アミノ]−5−ヘプテン酸、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)−ブチル]チオ]−5−クロロ−3−ピリジンカルボニトリル;2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−4−クロロベンゾニトリル、(2S,4R)−2−アミノ−4−[[2−クロロ−5−(トリフルオロメチル)フェニル]チオ]−5−チアゾールブタノール、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−6−(トリフルオロメチル)−3ピリジンカルボニトリル、2−[[(1R,3S)−3−アミノ−4−ヒドロキシ−1−(5−チアゾリル)ブチル]チオ]−5−クロロベンゾニトリル、N−[4−[2−(3−クロロベンジルアミノ)エチル]フェニル]チオフェン−2−カルボキサミジン、およびグアニジノエチルジスルフィドなどの誘導型一酸化窒素シンターゼ(iNOS)阻害薬;アセチルコリンエステラーゼ阻害薬;N−[({2−[4−(2−エチル−4,6−ジメチル−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−1−イル)フェニル]エチル}アミノ)−カルボニル]−4−メチルベンゼンスルホンアミドまたは4−[(1S)−1−({[5−クロロ−2−(3−フルオロフェノキシ)ピリジン−3−イル]カルボニル}アミノ)エチル]安息香酸などのプロスタグランジンEサブタイプ4(EP4)拮抗薬;1−(3−ビフェニル−4−イルメチル−4−ヒドロキシ−クロマン−7−イル)−シクロペンタンカルボン酸などのロイコトリエンB4拮抗薬;5−リポキシゲナーゼ阻害薬;ならびにナトリウムチャンネル遮断薬を包含する。
【0109】
本発明の化合物または塩との組合せは、アセトミノフェン、ナプロキセンナトリウム、イブプロフェン、トラマドール、トラゾドンなどの鎮痛薬;シクロベンザプリン;アスピリン、セレコキシブ、バルデコキシブ、インドメタシン、および他のNSAID;三環系抗うつ薬および選択的セロトニン再取り込み阻害薬などの抗うつ薬、例えば、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、ドキセピン、フルオキセチン、セルトラリン、およびパロキセチンなどの抗うつ薬;シクロベンザプリンなどの筋弛緩薬;ゾルピデムなどの睡眠補助薬も包含する。
【0110】
本発明の化合物または塩との組合せは、アセトミノフェン、ナプロキセンナトリウム、イブプロフェン、トラマドール、アスピリン、セレコキシブ、バルデコキシブ、インドメタシン、および他のNSAIDなどの鎮痛薬;スルファサラジンまたはメトトレキセートなどの疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD);コルチコステロイド;ならびにエタネルセプトおよびインフリキシマブなどの腫瘍壊死因子(TNF)遮断薬も包含する。
【0111】
本発明の化合物または塩との組合せは、局所コルチコステロイド;カルシポトリエンなどのビタミンD類似体;アントラリン;アシトレチンおよびタザロテンなどの局所レチノイド(すなわち、ビタミンA誘導体);プロピオン酸クロベタゾール;メトトレキセート;アザチオプリン;シクロスポリン;ヒドロキシ尿素;ならびにアレファセプト、エファリズマブ、およびエタネルセプトなどの免疫調節薬を包含する。ソラレン紫外線A(ソラレンUVAまたはPUVA)療法、狭帯域紫外線B(UVB)療法、および組合せ光線療法を包含する光線療法による治療は、本発明の化合物または塩および前述の組合せと一緒に使用することができるであろう。
【0112】
本発明の化合物または塩との組合せは、アセトミノフェン、ナプロキセンナトリウム、イブプロフェン、トラマドール、アスピリン、セレコキシブ、バルデコキシブ、およびインドメタシンなどのNSAID;ならびにプレドニゾンなどのコルチコステロイドを包含する。
【0113】
本発明の化合物または塩との組合せは、アセトミノフェン、ナプロキセンナトリウム、イブプロフェン、トラマドール、アスピリン、セレコキシブ、バルデコキシブ、インドメタシン、および他のNSAIDなどの鎮痛薬;抗炎症薬;スルファサラジン、メサラミン、バルサラジド、およびオルサラジン;コルチコステロイド;プレドニゾン;ブデソニド;アザチオプリン、メルカプトプリン、インフリキシマブおよびアダリムマブなどのTNF遮断薬、メトトレキセート、ならびにシクロスポリンなどの免疫抑制薬;メトロニダゾールおよびシプロフロキサシンなどの抗生物質;ロペラミドなどの止瀉薬;緩下薬;抗コリン作動性薬;三環系抗うつ薬および選択的セロトニン再取り込み阻害薬などの抗うつ薬、例えば、アミトリプチリン、イミプラミン、ノルトリプチリン、ドキセピン、フルオキセチン、セルトラリン、およびパロキセチンなどの抗うつ薬;アロセトロン;ならびにテガセロドを包含する。
【0114】
本発明の化合物または塩は、長時間作用性β作動薬と一緒に投与することもできるであろう。
【0115】
本発明の化合物または塩と組み合わせて使用することができる他の治療薬の適当な例は、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)阻害薬または5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)拮抗薬、LTB、LTC、LTD、およびLTEの拮抗薬を包含するロイコトリエン拮抗薬(LTRA)、H1およびH3拮抗薬を包含するヒスタミン受容体拮抗薬、充血除去薬使用のためのα−およびα−アドレナリン受容体作動薬血管収縮交感神経様作用薬、ムスカリンM3受容体拮抗薬または抗コリン作動性薬、PDE阻害薬、例えば、PDE3、PDE4およびPDE5阻害薬、テオフィリン、クロモグリク酸ナトリウム、非選択的と選択的なCOX−1またはCOX−2阻害薬両方のCOX阻害薬(NSAID)、経口および吸入グルココルチコステロイド、内因性炎症性物質に対して活性なモノクローナル抗体、長時間作用性β2作動薬を包含するβ2作動薬、VLA−4拮抗薬を包含する接着分子阻害薬、キニン−B−およびB−受容体拮抗薬、免疫抑制薬、マトリクスメタロプロテアーゼ(MMP)の阻害薬、タキキニンNK、NKおよびNK受容体拮抗薬、エラスターゼ阻害薬、アデノシンA2a受容体作動薬、ウロキナーゼの阻害薬、ドーパミン受容体に作用する化合物、例えば、D2作動薬、NFκB経路の調節薬、例えば、IKK阻害薬、sykキナーゼ、またはJAKキナーゼ阻害薬などのサイトカインシグナル伝達経路の調節薬、粘液溶解薬または鎮咳薬として分類することができる薬剤、抗生物質を包含する。
【0116】
本発明によれば、本発明の化合物または塩は、
H3拮抗薬、ムスカリン性M3受容体拮抗薬、PDE4阻害薬、グルココルチコステロイド、アデノシンA2a受容体作動薬、β2作動薬、sykキナーゼなどのサイトカインシグナル伝達経路の調節薬、または、LTB、LTC、LTD、およびLTEの拮抗薬を包含するロイコトリエン拮抗薬(LTRA)と組み合わせることができる。
【0117】
本発明によれば、本発明の化合物または塩は、プレドニゾン、プレドニゾロン、フルニソリド、トリアムシノロンアセトニド、ベクロメタゾンジプロピオネート、ブデソニド、フルチカゾンプロピオネート、シクレソニド、ならびにモメタゾンフロエートおよびモメタゾンフロエート一水和物を包含する全身性副作用が軽減された吸入グルココルチコステロイドなどのグルココルチコステロイド;特に、臭化イプラトロピウムなどのイプラトロピウム塩、臭化チオトロピウムなどのチオトロピウム塩、臭化オキシトロピウムなどのオキシトロピウム塩、ペレンゼピン(perenzepine)、およびテレンゼピンを包含するムスカリン性M3受容体拮抗薬または抗コリン作動性薬、またはサルメテロール、フォルモテロール、QAB−149およびCHF−4226を包含する長時間作用性β2作動薬などのβ2作動薬と組み合わせることもできる。
【0118】
F.組成物または医薬品の調製における使用
一実施形態において、本発明は、グルココルチコイド受容体活性により媒介される状態を治療するのに使用するための本発明の化合物または塩を含む組成物または医薬品を調製するための方法を含む。
【0119】
別の実施形態において、本発明は、炎症、炎症関連状態、関節リウマチ、皮膚炎、アルツハイマー病のための組成物または医薬品の調製における本発明の1種または複数の化合物または塩の使用を含む。
【0120】
本発明は、方法の項に詳述されている1種または複数の状態を治療するための組成物または医薬品を調製するための本発明の1種または複数の化合物または塩の使用も包含する。
【0121】
G.スキーム
本発明の化合物は、以下に詳述される一般合成スキームおよび実験手順に例示されている方法を用いて調製することができる。本明細書における合成方法の反応は、有機合成の当業者が容易に選択することができる適当な溶媒中で行われ、前記適当な溶媒は、一般的に、反応が行われる温度において出発材料(反応剤)、中間体、または生成物と実質的に反応しない任意の溶媒である。所与の反応は、1種の溶媒または2種以上の溶媒の混合物中で行うことができる。特定の反応ステップに応じて、特定の反応ステップに適している溶媒を選択することができる。
【0122】
本発明の化合物の調製には、様々な化学基の保護および脱保護が関わることがある。保護および脱保護の必要性、および適切な保護基の選択は、当業者が容易に決定することができる。保護基の化学は、例えば、全体として参照により本明細書に組み込まれているT.W.GreeneおよびP.G.M.Wuts、Protective Groups in Organic Synthesis、第3版、Wiley & Sons,Inc.、New York(1999)中に見いだすことができる。
【0123】
反応は、当技術分野において知られている任意の適当な方法に従ってモニターすることができる。例えば、生成物形成は、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)赤外分光法、分光光度法(例えば、UV〜可視)、もしくは質量分析法などの分光学的手段、または高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーによりモニターすることができる。
【0124】
本明細書で使用される出発材料は、市販されているか、または通常の合成法により調製することができる。
【0125】
一般合成スキームは、例示の目的で提示されているものであり、限定することは意図されていない。
【0126】
【化5】

式A−8の1(R)−ベンジル−5−ブロモ−9(S)−ヒドロ−10(R)−ヒドロキシ−10(R)−メチル−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−13−オンは、WO00/66522に一般的に開示されているスキームAに記載されているプロトコルを用いて調製した。Phは、フェニルを示す。Bnは、ベンジルを示す。化合物A−1は、購入することができる(例えば、VOUS and Riverside;CAS No.4133−35−1)。化合物A−2は、Org.Syn.1971、51、109〜112に記載されているように調製することができる。
【0127】
【化6】

(4βS,7R,8αR)−4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−N−(2−メチルピリジン−3−イル)−7−(トリフルオロメチル)−4b,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドは、スキームBに記載されているように調製した。
【0128】
【化7】

C−3の(2R,4αS,10αR)−4α−ベンジル−7−((2−メチルピリジン−3−イル)カルバモイル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4,4α,9,10,10α−オクタヒドロフェナントレン−2−イルジハイドロジェンホスフェートは、スキームCに記載されているように調製した。Bnは、ベンジルを示す。
【0129】
【化8】

C−3の(2R,4αS,10αR)−4α−ベンジル−7−((2−メチルピリジン−3−イル)カルバモイル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4,4α,9,10,10α−オクタヒドロフェナントレン−2−イルジハイドロジェンホスフェートは、スキームDに記載されているように調製した。Bnは、ベンジルを示す。Phは、フェニルを示す。
【0130】
【化9】

C−3の(2R,4αS,10αR)−4α−ベンジル−7−((2−メチルピリジン−3−イル)カルバモイル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4,4α,9,10,10α−オクタヒドロフェナントレン−2−イルジハイドロジェンホスフェートは、スキームEに記載されているように調製した。Bnは、ベンジルを示す。Phは、フェニルを示す。
【0131】
H.調製および実施例
出発材料A−8は、下式
【0132】
【化10】

により示されるような1(R)−ベンジル−5−ブロモ−9(S)−ヒドロ−10(R)−ヒドロキシ−10(R)−メチル−トリシクロ[7.3.1.02,7]トリデカ−2,4,6−トリエン−13−オンである。
【0133】
調製1:(S)−4α−ベンジル−7−ブロモ−2−エトキシ−3,4,4α,9−テトラヒドロフェナントレン
【0134】
【化11】

出発材料A−8(450g;1.17モル)を、周囲温度にてエタノール(4.5L)に溶かした。エタノール中21%ナトリウムエトキシド(44mL;0.12モル)を加え、混合物を3時間にわたって加熱して還流した。出発材料A−8が消費されたらすぐに、反応混合物を−25℃まで冷却した。塩化アセチル(250mL;3.51モル)を、温度を−25℃近くに維持しながら混合物にゆっくりと加えた。添加が完了した後に、混合物を0℃まで温め、中間体エノンが消費されるまでそのまま放置した。混合物は、この時点でスラリーであった。エタノール中21%ナトリウムエトキシド(1.31L;3.51モル)を、温度を−5℃〜5℃に維持しながら混合物に加えた。混合物が塩基性でない場合には、より多くのナトリウムエトキシドを加えた。混合物の温度を25℃まで上げ、次いで、水(5.9L)で希釈した。混合物を濾過し、固体を水で洗浄した(3×)。表題化合物(440g;85面積%)は、ベージュ色の固体として得られた。H NMR(DMSO)δ ppm:1.27(t,3H)、1.65(dt,1H)、2.06(d,1H)、2.21(dd,1H)、2.49(m,1H)、2.65(m,2H)、2.89(m,2H)、3.85(q,2H)、5.45(m,2H)、6.44(d,2H)、6.98(t,2H)、7.06(m,2H)、7.25(d,1H)、7.33(dd,1H)。
【0135】
調製2:(S)−4α−ベンジル−7−ブロモ−2,2−(1,2−エチレンジオキシ)−1,2,3,4,4α,9−ヘキサヒドロフェナントレン
【0136】
【化12】

(S)−4α−ベンジル−7−ブロモ−2−エトキシ−3,4,4α,9−テトラヒドロフェナントレン(1270g;3.2モル;85面積%、調製1に記載されているように調製することができる)をトルエン(6.45L)に溶かした。エチレングリコール(898mL;16.1モル)およびp−トルエンスルホン酸(6.1g;0.03モル)を加え、反応物を加熱して還流した。溶媒(1L)を混合物から蒸留し、新しいトルエン(1L)で置き換えた。この蒸留プロセスをさらに2回繰り返した。新しいトルエンを加えるたびにより多くのp−トルエンスルホン酸(6.1g)を加えた。反応中に、基質が生成物に変換されるにつれて2種の中間体(LCにより検出される)が形成された。反応の終点は、2種の中間体と生成物の間の平衡点であった。終点に達したらすぐに、混合物を周囲温度まで冷却した。混合物を0.5M NaOH(2L)で洗浄した。相は速やかに分離し、両相は、少量のラグ層で黒ずんでいた。混合物を水(2L)で洗浄した。相は極めてゆっくりと分離した。混合物を共沸蒸留により乾燥した。メタノール(4L)を混合物に加え、溶媒(4L)を混合物から蒸留した。メタノール添加および溶媒蒸留をさらに2回繰り返した。メタノールを混合物に加えると、沈殿が数分後に起こった。より多くのメタノール(4L)を混合物に加え、次いで、還流した。30分後に、混合物を0℃まで冷却した。混合物を濾過し、固体を、冷却したメタノール(2×2L)で洗浄した。固体を、65℃にて真空オーブン中で乾燥した。表題化合物(882g;98面積%)は、ベージュ色の固体として得られた。H NMR(DMSO)δ ppm:1.71(m,2H)、2.06(m,2H)、2.31(dd,1H)、2.39(m,1H)、2.68(d,1H)、2.77(m,1H)、2.86(dd,1H)、3.36(d,1H)、3.86(m,4H)、5.45(m,1H)、6.50(m,2H)、7.00(m,4H)、7.37(dd,1H)、7.44(d,1H)。
【0137】
調製3:(S)−メチル4β−ベンジル−7,7−(1,2−エチレンジオキシ)−4β,5,6,7,8,10−ヘキサヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート
【0138】
【化13】

(S)−4α−ベンジル−7−ブロモ−2,2−(1,2−エチレンジオキシ)−1,2,3,4,4α,9−ヘキサヒドロフェナントレン(719g;1.75モル、調製2に記載されているように調製することができる)をテトラヒドロフラン(7.19L)に溶かし、−70℃まで冷却した。ヘキサン中1.6M n−ブチルリチウム(2270mL;2.27モル)を、温度が−60℃未満に維持されるような速度で加えた。混合物を、添加の後でさらに15分放置した。二酸化炭素(108g;2.45モル)を、温度を−60℃未満に維持しながら加えた。混合物を、添加の後でさらに15分放置した。混合物を周囲温度まで温めた。溶媒(7L)を、大気圧にて混合物から蒸留した。DMF(7L)を混合物に加えた。混合物を周囲温度まで冷却した。ヨウ化メチル(152mL;2.45モル)を加え、混合物を、反応が完了するまで(約1時間)放置した。混合物を70℃まで加熱し、溶媒を、70mmHgまで圧力を徐々に減少させることにより蒸留した。蒸留が停止したらすぐに、混合物を室温まで冷却した。水(6.5L)を混合物にゆっくりと加え、生成物を沈殿させた。混合物を濾過し、固体を水で洗浄した(3×)。固体をフィルター上で乾燥した。粗生成物(736g;74面積%)は、ベージュ色の固体として得られた。生成物をクロマトグラフィーにより精製した。生成物463gがクロマトグラフィーから回収された。この材料をn−ヘプタン(6130mL)から分離した。表題化合物394gが回収された。別に表題化合物70gが、クロマトグラフィーにより母液から回収された。H NMR(DMSO)δ ppm:1.74(m,2H)、2.10(m,2H)、2.33(dd,1H)、2.45(m,1H)、2.72(d,1H)、2.79(m,1H)、2.94(dd,1H)、3.40(d,1H)、3.87(m,7H)、5.49(m,1H)、6.47(m,2H)、6.93(m,2H)、7.01(m,1H)、7.42(d,1H)、7.64(d,1H)、7.79(dd,1H)。
【0139】
調製4:(4βS,8αR)−メチル4β−ベンジル−7,7−(1,2−エチレンジオキシ)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート
【0140】
【化14】

(S)−メチル4β−ベンジル−7,7−(1,2−エチレンジオキシ)−4β,5,6,7,8,10−ヘキサヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート(201g;0.515モル、調製3に記載されているように調製することができる)およびエチレングリコール50mlを、オートクレーブ中でトルエン(2.0L)に溶かした。これに、5%Pd/C(乾燥触媒)10グラムを加えた。次いで、オートクレーブを密閉し、窒素(3サイクル)と、続いて、水素(3サイクル)でパージした。反応を、80psigの圧力および50℃の温度で18時間にわたって実行した。完了および選択性(典型的選択性は、95対5、トランス対シスである)についてのHPLC分析。懸濁液をCelite(登録商標)に通して濾過し、触媒を除去し、トルエン溶液を真空下で約200mlまで50℃にて濃縮した。50℃のままで1−ブタノール1Lを加え、溶液を、澄明になるまで60℃まで加熱した。冷却することにより、得られた固体表題化合物を真空濾過により単離した(196グラム;97%;トランス対シス95.75対4.24)。H NMR(300MHz,CDCl)δ ppm:7.79(bs,1H,Ar−H)、7.47(d,J=9Hz,1H,Ar−H)、7.13〜7.05(cm,3H,Ar−H)、6.56〜6.53(cm,2H,Ar−H)、6.43(d,J=9Hz,1H,Ar−H)、4.04〜3.93(cm,4H,2−CH)、3.89(s,3H,CH)、3.08〜3.03(cm,3H,CH,CH−H)、2.63(d,J=15Hz,CH−H)、2.22〜1.72(cm,8H,4−CH)、1.57(cm,1H,CH−H)。;13CNMR(CDCl,δ):167.7、149.2、137.7、136.4、131.1、130.5、127.8、127.7、127.4、126.3、125.5、108.9、64.6、64.5、52.1、40.5、39.8、38.3、35.8、31.6、30.3、27.9、24.6。
【0141】
調製5:(4βS,8αR)−メチル4β−ベンジル−7−オキソ−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート
【0142】
【化15】

(4βS,8αR)−メチル4β−ベンジル−7,7−(1,2−エチレンジオキシ)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート(150g;382mmol、調製4に記載されているように調製することができる)をジクロロメタン(630ml)に溶かした。水(270ml)と、続いて、トリフルオロ酢酸(73ml、1150mmol)を、内温を30℃未満に維持しながら、30分かけて滴下ロートを介して攪拌しながら加えた。添加が完了した後に、反応物を2時間にわたって40℃にて加熱した。インプロセスチェックは、約9%(面積パーセント)の出発材料を伴う不完全な反応を示した。層を分離し、新たな水(270ml)およびトリフルオロ酢酸(31ml)を加えた。反応混合物を1時間にわたって40℃にて加熱した。このプロセスを、出発材料が消費されるまで続けた。有機相を5%水性重炭酸ナトリウム(300ml)、水(300ml)で洗浄し、MgSOで乾燥し、乾固状態まで濃縮すると、表題化合物126.4g(収率95%に相当する)が得られた。H NMR(DMSO)δ ppm:7.70(s,1H)、7.37(d,J=8.4Hz,1H)、7.11(m,3H)、6.6(d,J=5.70Hz,2H)、6.45(d,J=8.4Hz,1H)、3.80(s,3H)、3.80(m,2H)、3.04〜1.48(m,11H)。
【0143】
調製6:(4βS,7R,8αR)−メチル4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート
【0144】
【化16】

ジクロロメタンに溶かした(4βS,8αR)−メチル4β−ベンジル−7−オキソ−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート(118g;0.339モル、調製5に記載されているように調製することができる)を−50℃まで冷却した。溶液は混濁した。THF中1.0Mフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(3.4ml、0.003mol)を、感知できるほどの温度変化なしに加えた。トリフルオロトリメチルシラン(79ml、0.51mol)を、20分かけて加えると、明るいオレンジ色から淡い赤色に色が変化した。反応混合物を約2時間にわたって−50℃にて放置し、次いで、0℃まで温めた。フッ化テトラブチルアンモニウム(340ml、0.34モル)を、45分かけて反応混合物に、0℃にて極めてゆっくりと加えた。発熱が、ガス発生と共に観察された。反応混合物を10分攪拌すると、HPLC分析は、完全な脱シリル化を示した。水(1L)を、激しく攪拌しながら反応混合物に加え、室温まで温めた。有機層を水(1L)で洗浄した。有機層を濃縮してクロマトグラフにかけ、追加の不純な生成物32gと共に、表題化合物72g、51%を製造した。H NMR(DMSO)δ ppm:7.70(s,1H)、7.37(d,J=8.1Hz,1H)、7.09(m,3H)、6.5(dd,J=1.2,6.6Hz,2H)、6.38(d,J=8.4Hz,1H)、3.80(s,3H)、3.80(m,2H)、3.09〜1.21(m,13H)。
【0145】
調製7:(4βS,7R,8αR)−メチル4β−ベンジル−7−(ビス(ベンジルオキシ)ホスホリルオキシ)−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート
【0146】
【化17】

(4βS,7R,8αR)−メチル4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート(5.0g;11.9mmol、調製6に記載されているように調製することができる)および5−メチルテトラゾール(3.6g;43.0mmol)を、周囲温度にてジクロロメタン(50mL)中で混ぜ合わせた。ジベンジルホスホルアミダイト(8.3mL;25.1mmol)を加え、混合物を、反応が完了するまで(1時間)攪拌した。混合物を0℃まで冷却し、30%過酸化水素(10mL)を加えた。反応物を、酸化が完了するまで(30分)攪拌した。水相を有機相から分離した。有機相を10%メタ重亜硫酸ナトリウム(50mL)で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中15%酢酸エチルでシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。精製した表題化合物(8.41g;収率94%)は、酢酸エチル6重量%を含有する無色の油として得られた。H NMR(DMSO):δ 1.31(t,1H)、1.63〜1.92(m,3H)、2.05〜2.35(m,3H)、2.63(d,1H)、2.75〜3.16(m,4H)、3.80(s,3H)、5.13(m,4H)、6.43(d,1H)、6.49(m,2H)、7.04〜7.17(m,3H)、7.33〜7.42(m,12H)、7.71(d,1H)。
【0147】
調製8:ジベンジル(2R,4αS,10αR)−4α−ベンジル−7−((2−メチルピリジン−3−イル)カルバモイル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4,4α,9,10,10α−オクタヒドロフェナントレン−2−イルホスフェート
【0148】
【化18】

(4βS,7R,8αR)−メチル4β−ベンジル−7−(ビス(ベンジルオキシ)ホスホリルオキシ)−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート(7.9g;11.6mmol、調製7に記載されているように調製することができる)および3−アミノ−2−ピコリン(1.3g;12.2mmol)をテトラヒドロフラン(80mL)中で混ぜ合わせ、0℃まで冷却した。テトラヒドロフラン中のリチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1M溶液(24mL;24.4mmol)を、温度を10℃未満に維持しながら加えた。混合物を30分にわたって攪拌した。水(50mL)を反応混合物に加えた。混合物を酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を水で洗浄した。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。粗生成物を、ヘキサン中70%酢酸エチルでシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した。精製した表題化合物(6.79g;収率68%)は、酢酸エチル6重量%を含有する黄色のガムとして得られた。H NMR(DMSO):δ 1.33(t,1H)、1.66〜1.93(m,3H)、2.08〜2.34(m,3H)、2.41(s,3H)、2.68(d,1H)、2.76〜3.19(m,4H)、5.14(m,4H)、6.47(d,1H)、6.56(m,2H)、7.07〜7.19(m,3H)、7.20〜7.53(m,12H)、7.71(d,1H)、7.76(s,1H)、8.32(d,1H)、9.93(s,1H)。
【実施例】
【0149】
(実施例1)
(4βS,7R,8αR)−4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−N−(2−メチルピリジン−3−イル)−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミド
【0150】
【化19】

(4βS,7R,8αR)−メチル4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキシレート(10g;23.9mmol、調製6に記載されているように調製することができる)および3−アミノ−2−ピコリン(2.71g;25.1mmol)をトルエン(200mL)に溶かした。テトラヒドロフラン中1Mリチウムビス(トリメチルシリル)アミド(74.1mL;74.1mmol)を、温度が35℃未満に維持されるような速度で加えた。穏やかな発熱があり、固体が添加中に沈殿した。混合物を、添加の後でさらに30分放置した。水(250mL)を混合物に加えた。穏やかな発熱があり、固体が溶けた。酢酸エチル(50mL)を混合物に加え、生成物が沈殿しないようにした。攪拌を停止して相を分離させた。水相を除去した。有機相を水(250mL)で洗浄した。溶媒(230mL)を、有機相から大気圧にて蒸留した。混合物を周囲温度まで冷却した。混合物を濾過し、固体をトルエン(2回)と、続いて、ヘプタン(2回)で洗浄した。固体を70℃にて真空オーブン中で乾燥した。本実施例の表題化合物(10g)は、ベージュ色の固体として得られた。H NMR(DMSO)δ ppm:1.32(m,1H)、1.82(m,4H)、2.10(m,4H)、2.41(s,3H)、2.68(d,1H)、3.08(m,3H)、6.00(s,1H)、6.43(d,1H)、6.59(m,2H)、7.12(m,3H)、7.25(dd,1H)、7.44(dd,1H)、7.71(dd,1H)、7.75(d,1H)、8.31(dd,1H)、9.91(s,1H)。
【0151】
(実施例2)
(2R,4αS,10αR)−4α−ベンジル−7−((2−メチルピリジン−3−イル)カルバモイル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4,4α,9,10,10α−オクタヒドロフェナントレン−2−イルジハイドロジェンホスフェート
【0152】
【化20】

ジベンジル(2R,4αS,10αR)−4α−ベンジル−7−((2−メチルピリジン−3−イル)カルバモイル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4,4α,9,10,10α−オクタヒドロフェナントレン−2−イルホスフェート(6g;7.9mmol、調製8に記載されているように調製することができる)をメタノール(120mL)に溶かした。5%炭素上パラジウム(63%水)(1.3g;0.4mmol)を混合物に加えた。混合物を、室温にて水素(50psi)で処理した。反応は、モノベンジル中間体12%を残して失速した。混合物をCelite(登録商標)のパッドに通して濾過した。新たな触媒(1.3g)を溶液に加え、水素化条件を再実行した。反応が完了したらすぐに、混合物をCelite(登録商標)のパッドに通して濾過した。溶液を、ロータリーエバポレーターを使用しないで蒸留により約60mLまで濃縮した。蒸留中に、白色の固体が沈殿した。混合物を周囲温度まで冷却した。混合物を濾過し、固体をメタノールで洗浄した。固体を70℃にて真空オーブン中で乾燥した。本実施例の表題化合物(3.36g;収率75%)は、白色の固体として得られ、98面積%のLC純度を有していた。H NMR(DMSO):δ 1.33(t,1H)、1.69〜1.98(m,3H)、2.07〜2.29(m,3H)、2.42(s,3H)、2.61〜2.80(m,2H)、2.93〜3.19(m,3H)、3.30(d,1H)、6.50(d,1H)、6.64(m,2H)、7.08〜7.20(m,3H)、7.29(dd,1H)、7.48(dd,1H)、7.75(dd,2H)、8.33(dd,1H)、9.96(s,1H)。
【0153】
I.生物学的データ
以下の説明について、比較薬は、三環式化合物である(例えば、WO2000/66522を参照)。実施例および比較薬化合物は、Pfizerにて調製した。プレドニゾロンは、臨床的に関連する比較薬として使用した(P−6004;Sigma−Aldrich、St.Louis)。
【0154】
比較薬Aは、以下の構造
【0155】
【化21】

を有する(4βS,7S,8αR)−4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−N−((2−メチルピリジン−3−イル)メチル)−7−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0156】
比較薬Bは、以下の構造
【0157】
【化22】

を有する(4βS,7R,8αR)−4β−ベンジル−N−(3,5−ジメチルピラジン−2−イル)−7−ヒドロキシ−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0158】
比較薬Cは、以下の構造
【0159】
【化23】

を有する(4βS,7S,8αR)−4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−N−(2−メチルピリジン−3−イル)−7−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0160】
比較薬Dは、以下の構造
【0161】
【化24】

を有する(4βS,7R,8αR)−4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−N−(4−メチルピリジン−3−イル)−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0162】
比較薬Eは、以下の構造
【0163】
【化25】

を有する(4βS,7R,8αS)−4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−N−(2−メチルピリジン−3−イル)−10−オキソ−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0164】
比較薬Fは、以下の構造
【0165】
【化26】

を有する(4βS,7R,8αR,10R)−4β−ベンジル−7,10−ジヒドロキシ−N−(2−メチルピリジン−3−イル)−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0166】
比較薬Gは、
【0167】
【化27】

である。
【0168】
比較薬Hは、以下の構造
【0169】
【化28】

を有する(4βS,7R,8αR)−4β−ベンジル−7−(ジフルオロメチル)−7−ヒドロキシ−N−(2−メチルピリジン−3−イル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0170】
比較薬Iは、以下の構造
【0171】
【化29】

を有する(4βS,7R,8αS)−4β−ベンジル−7−ヒドロキシ−N−(2−メチルピリジン−3−イル)−7−(トリフルオロメチル)−4β,5,6,7,8,8α−ヘキサヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0172】
比較薬Jは、以下の構造
【0173】
【化30】

を有する(4βS,7S,8αR)−4β−ベンジル−N−(2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)−7−ヒドロキシ−7−(3,3,3−トリフルオロプロピル)−4β,5,6,7,8,8α,9,10−オクタヒドロフェナントレン−2−カルボキサミドである。
【0174】
比較薬Kは、以下の構造
【0175】
【化31】

を有する(2R,4αS,10αR)−4α−ベンジル−7−((2−メチルピリジン−3−イル)カルバモイル)−2−(トリフルオロメチル)−1,2,3,4,4α,9,10,10α−オクタヒドロフェナントレン−2−イルイソブチルカーボネートである。
【0176】
実施例2の実施例1への変換
Caco−2細胞単層は、腸上皮のin vitro組織培養モデルである。これらの細胞は、ヒト結腸由来であり、2〜3週間のうちに極性化した完全に分化した腸細胞になる。分化するとすぐに、これらの細胞は、密着結合を有し、P−糖タンパク質(P−gp)を包含する能動排出輸送体などの様々な生化学的プロセスを発現する。このモデルにより、極性化したCaco−2細胞単層を通過する化合物の見掛けの透過性(Papp)を決定することが可能である。
【0177】
A→BアッセイをCaco−2細胞単層で行い、AチャンバーからBチャンバーまでの化合物Pappを決定する。このPappは、腸吸収の間に見ることができる腸上皮を通過する管腔(腸)から漿膜(血液)への化合物輸送を代表するものである。
【0178】
実施例2は、Caco−2細胞単層を有意に通過しなかったが(A→B、Papp=1.15e−6cm/sec)、アピカルコンパートメントに実施例2を加えると、アピカルコンパートメントとバソラテラルコンパートメントの両方で実施例1が有意に上昇した。
【0179】
データは、腸上皮に位置する膜結合性アルカリホスファターゼを介する実施例2の実施例1への脱リン酸化と、続く、Caco−2細胞単層を通過する実施例1の吸収が関わる機構を示している(A→B、Papp=37.5e−6cm/sec)。
【0180】
門脈にカニューレを挿入したラットに実施例2(30および200mg/kg)を経口投与すると、4時間にわたって門脈血漿サンプル中に実施例2ではなく実施例1が検出された。これらの結果は、実施例2の実施例1への腸初回通過加水分解および実施例1の選択的腸吸収の存在を示した。
【0181】
実施例2は、溶解性および固有溶解の増強を示し、暴露の増加(1.61μg・hr/mL[実施例1についての0.46μg・hr/mLに対して])およびCmaxの増加(0.59μg/mL[実施例1についての0.13μg/mLに対して])を介するラットにおける経口吸収プロファイルの改善、ならびにイヌにおけるCmax到達時間の短縮(0.8hr[実施例1についての1.5hrに対して])をもたらす。実施例2の生物学的利用能は、ラットにおいて実施例1と比べて改善された(実施例2についてF=59%;実施例1についてF=17%)。
【0182】
【表1】

【0183】
GRFP:グルココルチコイド受容体結合
グルココルチコイド受容体蛍光偏光リガンド結合(GRFP)アッセイを用い、試験化合物の完全長グルココルチコイド(GR)タンパク質との直接結合を評価する。このアッセイのための試薬は、試験キットでInvitrogenから購入する。蛍光標識GRリガンドを蛍光トレーサーとして用い、試験化合物は、GR結合用の蛍光トレーサーと競合する。試験化合物存在下での偏光値の変化は、試験化合物のGRとの結合に起因し、その変化を用いてGRに対する試験化合物のIC50および相対的結合親和性を決定する。
【0184】
IL−6 IC50および%阻害
ヒトA549肺上皮細胞(American Type Culture Collection、Rockville、MD)を、ペニシリン−ストレプトマイシン(10U/mL)および10%熱失活ウシ胎児血清を含むKaighn’s F−12K培地(すべて、Invitrogen、Grand Island、NYから)中で培養した。A549細胞を、96ウェルプレートに30,000細胞/ウェルの密度でプレートし、37℃にて5%COと共に一夜にわたってインキュベートした。細胞を、ペニシリン−ストレプトマイシン(10U/mL)を含む無血清Kaighn’s F−12K培地で成長培地を置き換えることにより血清飢餓にし、再び、37℃にて5%COと共に一夜にわたってインキュベートした。3日目に、培地を、新たな無血清培地で置き換え、細胞を、約1時間にわたって化合物と共に、または化合物なしで(ビヒクルは、0.1%最高濃度のDMSOとした)インキュベートし、次いで、37℃にて5%COと共に20時間にわたって1ng/mL組み換えヒトIL−1β(R&D Systems、Minneapolis、MN)で刺激した。細胞上清を、製造者の指示に従ってMSD(Meso Scale Discovery、Gaithersburg、MD)96ウェルSingle Spotプレートを使用してIL−6レベルを決定するために集めた。プレートをMSD Sector Imager6000で読み取った。プレドニゾロン(1μM)を最大阻害薬として使用し、100%阻害対照を規定した。ビヒクルを使用し、0%阻害対照を規定した。これらの対照に対して、各化合物濃度についてのパーセント阻害を、Excel(Microsoft、Redmond、WA)を用いて計算した。IC50値を、GraFit 5.0データ解析ソフトウェア(Erithacus Software Ltd.、Surrey、UK)を用いて求めた。
【0185】
TNFα IC50および%阻害
ヒトU937前単球細胞(American Type Culture Collection、Rockville、MD)を、グルタミン(2mM)、ペニシリン−ストレプトマイシン(10U/mL)および10%熱失活ウシ胎児血清を含むRPMI1640(すべて、Invitrogen、Grand Island、NYから)中で培養した。細胞を、一夜にわたって、ホルボール12−ミリステート13−アセテート(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)、20ng/mLで単球/マクロファージ表現型に分化させた。次いで、細胞を遠心分離し、培地を吸引し、細胞を、上記に列挙されているグルタミンおよびペニシリン−ストレプトマイシンおよびウシ胎児血清を含む等容量の新たなRPMI1640培地中に再懸濁し、37℃にて5%COと共に48時間にわたってインキュベートした。回収の後に、細胞をこすり取り、カウントし、以下に記載されるように、LPSで刺激する前に実験設計に従ってプレートした。
【0186】
U937細胞を分化させ、96ウェルプレートに200,000細胞/ウェルの密度でプレートした。細胞を、約1時間にわたって化合物と共に、または化合物なしで(ビヒクルは、1%最高濃度のDMSOとした)インキュベートし、次いで、37℃にて5%COと共に4時間にわたって100ng/mLリポ多糖(LPS)、大腸菌(E.coli)血清型0111:B4(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)で刺激した。細胞上清を、社内サンドイッチ型ELISAを使用してTNFαレベルを決定するために集めた。マウス抗ヒトTNFαモノクローナル抗体(クローン28401.111)およびビオチン化ヤギ抗ヒトTNFα(R&D Systems、Minneapolis、MN)を、それぞれ捕捉抗体および検出抗体として使用した。ストレプトアビジン−西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)(R&D Systems、Minneapolis、MN)およびK−Blue Substrate/Red Stop(Neogen、Lexington、KY)を、検出系として使用した。吸光度を、650nmにて測定した。TNFα濃度を、Magellan4.11データ解析ソフトウェア(Tecan、Durham、NC)による4パラメーターロジスティックモデルを使用してヒトTNFα組み換えタンパク質(R&D Systems、Minneapolis、MN)標準曲線から内挿した。プレドニゾロン(1μM)を最大阻害薬として使用し、100%阻害対照を規定した。ビヒクルを使用し、0%阻害対照を規定した。これらの対照に対して、化合物の各濃度についてのパーセント阻害を、Excel(Microsoft、Redmond、WA)を用いて計算した。IC50値を、LabStats Fit Curve V4.R7.MOデータ解析ソフトウェア(Pfizer Sandwich Laboratories、UKおよびTessella Support Services plc、Abingdon、UK)を用いて求めた。
【0187】
ex vivoヒト全血
この試験は、グルココルチコイド受容体(GR)リガンドである比較薬A、実施例1、およびプレドニゾロンによる、ex vivoでLPS刺激したヒト全血におけるIL−1β、IFNγ、IL−6、およびTNFα産生の阻害を比較する。
【0188】
ヒトドナーからの静脈血を、ヘパリンナトリウムを含有する管(Becton Dickinson and Company、Franklin Lakes、NY製のBD Vacutainer)に10mlアリコートとして集めた。血液を、外側のウェルを除外して、100μl/ウェルにて滅菌ポリスチレン丸底96ウェル組織培養プレート(Corning Costar)に加えた。培地(L−グルタミンを含むRPMI Medium1640、Invitrogen Corporation、Carlsbad、CA)を、190μlの総容量となるように90μlアリコートとして血液に加えた。外側のウェルを、培地200μlで満たした。血液を、化合物を調製しながら(ほぼ60分)、5%COの加湿した37℃インキュベーターに入れた。
【0189】
化合物を、ジメチルスルホキシド(DMSO、Sigma−Aldrich)中で10mMストック溶液から調製した。ストック化合物をDMSO中で3倍に段階希釈し(すなわち、化合物5μl+DMSO10μl)、続いて、ビヒクル溶液(2%DMSO、30%エタノール(AAPER Alcohol and Chemical Company)、および68%リン酸緩衝溶液(塩化マグネシウムを含まない塩化カルシウムを含まないDulbecco’s Phosphate Buffered Saline、Invitrogen Corporation、Carlsbad CA)中に各段階希釈液を167倍に希釈した。化合物またはビヒクルを、三つ組みとして10μアリコートとして血液に加えた。アッセイにおける各プレドニゾロンおよび実施例1の最終濃度は、1000nM〜0.457nMの範囲であった。比較薬A濃度は、3000nM〜1.4nMの範囲であった。アッセイにおける最終のDMSOおよびエタノール濃度は、0.1%および1.5%であった。サンプルを2回緩やかにトリチュレートして混ぜ、インキュベーターに戻した。−20℃にてRPMI中で100μg/mlのアリコートとして保存されていたLPSストック(大腸菌血清型0111:B4、Sigma−Aldrich)をRPMI中で50倍に希釈し、作業用ストック溶液を作成した。60分のインキュベーションの後に、調製したLPS作業用ストック10μlを、陰性対照として使用されるウェルを除外して、血液に加えて100ng/mlの最終濃度とした。サンプルを再び緩やかにトリチュレートし、プレートを、22時間にわたり一夜にわたってインキュベートした。インキュベーションの後に、血液を5分にわたって1500×gにて遠心分離し、血漿を取り出して−20℃にて冷凍するか、またはサイトカイン放出についてアッセイした。
【0190】
IL−1β、IFNγ、IL−6、およびTNFαタンパク質レベルを、Meso Scaleアッセイキット(Meso Scale Discovery、Gaithersburg、MD)を用いて測定した。試薬を室温にした。Meso Scaleプレートを、室温にて60分にわたって緩やかにかき混ぜながらヒト血漿/血清アッセイ希釈液30μlでブロックした。プレートを、洗浄用緩衝液(PBS、Invitrogen Corporation、0.05%Tween−20を含む、Sigma−Aldrich)で3回洗浄した。標準曲線用のキャリブレーターを、5倍段階希釈としてヒト血漿/血清アッセイ希釈液中で調製し、50000pg/ml〜3.2pg/mlの範囲の最終濃度とした。サンプルおよびキャリブレーターを20μl/ウェルにて加え、次いで、90分にわたって緩やかにかき混ぜながら室温にてインキュベートした。プレートを再び、洗浄緩衝液で3回洗浄した。検出抗体を、ヒト血漿/血清抗体希釈液中で1μg/mlまで希釈し、20μl/ウェルにてプレートに加えた。プレートを60分にわたって前のようにインキュベートし、再び洗浄した。Read Buffer T(4×)をmqHOで1:1に希釈して2倍の濃度とし、150μlを各ウェルに加えた。プレートをSECTOR Imager6000(Meso Scale Discovery)で分析し、生のシグナル値を求めた。
【0191】
IL−1β、IFNγ、IL−6、およびTNFαサンプル値がキャリブレーター標準曲線内にあることを検証した。個々の値を陽性対照および陰性対照(それぞれ、LPSを含むビヒクル処理血液およびLPSを含まないビヒクル処理血液)と比較し、%阻害を求めた。三つ組み値を各ドナーについて平均した。2人のドナーについての値を平均し(IL−1βについては1人のドナーのみを使用した)、GraFit5.0.11アプリケーション中の4−パラメーターフィット曲線を用いてグラフ化した。
【0192】
【表2】

【0193】
【表3】

【0194】
【表4】

【0195】
【表5】

【0196】
実施例1は、疾患モデルにおける強力な化合物である。
【0197】
マウスコラーゲン誘発性関節炎(mCIA)
マウスコラーゲン誘発性関節炎は、関節腫脹および骨破壊がII型コラーゲンによる免疫化の後に起きる、一般的に使用される慢性の関節リウマチの前臨床モデルである。疾患発生率および重症度の軽減は、臨床場面において、それぞれ疾患修飾ならびに徴候および症状の軽減を予測することが以前から分かっている。
【0198】
伝統的なmCIAモデルにおいて、雄性DBA/Jマウスを、完全フロイントアジュバント中のニワトリII型コラーゲン(cCII)50μgで免疫化し、次いで、不完全フロイントアジュバント中cCII50μgで21日後に追加免疫した。化合物による処置を、追加免疫の朝に開始し、56日にわたって続けた。処置の有効性を、そのどちらも週に2回測定する疾患発生率(すなわち、疾患の任意の徴候を示すマウスの数)および疾患重症度により測定した。
【0199】
治療的mCIAモデルにおいて、疾患の発生率および重症度の誘導を、LPS刺激を介して同調させた。雄性DBA/Jマウスを、0日目にウシII型コラーゲン(bCII)100ugで免疫化した。すべてのマウスは、28日目にLPS20μgの腹腔内注射を受け、疾患を、34日目まで進行させた。34日目に、すべてのマウスは、平均重症度スコアが7の疾患を有していた(発生率=100%)。化合物の投与を、34日目に治療モードで開始し、49日目まで続けた。異なる処置を、経時的に発生率の減少(すなわち、疾患の解消)および足腫脹の重症度の減少を測定することにより比較した。
【0200】
【表6】

【0201】
実施例1は、mCIA(ED80)については2未満およびmCIA(ED50)については1未満のスコアを有していた。
【0202】
TNFαおよびオステオカルシン(OS)抑制
化合物を秤量し、0.5%メチルセルロース/0.025%Tween20(Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)のビヒクル中に懸濁した。化合物懸濁液をPolytron PT−3100組織ホモジナイザーを用いて均質化し、極めて細かい懸濁液を作成し、次いで、水浴ソニケーターを用いて10分にわたって超音波処理した。各懸濁液のアリコートを、0.2ml/投与にて毎日投与するために作成した。Swiss Webster雌性マウス、10〜12週齢、28〜29グラム(Taconic、Germantown、NY)を、Institutional Animal Care and Use Committeeのガイドラインに従って、および実験動物福祉に関するNIHガイドラインに従って使用した。マウスを、試験で利用する前に3〜7日にわたってPfizer動物施設内で馴化させた。プレドニゾロンおよび化合物を、合計28日にわたって経口胃管により投与した。各処置群は、5〜10匹のマウスを含有していた。試験のための投与レジメンを確立するため、試験的な薬力学的時間経過実験を行い、単回ED80投与の後のTNFα抑制を定量化した。TNFαを抑制する化合物を1日1回投与し、24時間までにTNFαを50%超抑制しない化合物を1日2回投与した。
【0203】
体重を、各実験の初日および最終日に測定した。血液サンプルを、定常状態の薬物動態(PK)解析のために3週間の投与の後に採取した。LPS誘導性TNFαに対する化合物効果を評価するため、すべてのマウスは、28日目の最終投与から2.5時間後にLPS(腸チフス菌(Salmonella typhosa)、L−7895;Sigma−Aldrich、St.Louis)の腹腔内注射を受けた。マウスを、LPS投与から90分後に屠殺した。血清サンプルを、多重アッセイ(Linco Research,Inc.、St.Charles、MO;Luminex100、Austin、TX)を使用してオステオカルシンおよびTNFαについて定量化した。サンプルを20倍に希釈し、アッセイを、製造者の指示に従って実行した。オステオカルシン標準品は、別に購入した(Biomedical Technologies Inc.、Stoughton、MA)。マウスを、TNFα、およびオステオカルシンレベルのために血清を集める前に4時間にわたって絶食させた。各実験について、外れ値を、群の平均値からの標準偏差数を計算することにより検出した。調べられている値が、平均値から2.5を超える標準偏差である場合、計算の残りから除外した。
【0204】
次いで、パーセント阻害値を、ビヒクル群および10mg/kgプレドニゾロン対照群の平均値を用いて各マウスについて計算した。個々のマウスのパーセント阻害値を、各群についての投与量平均値を用いて4−パラメーターロジスティックモデルにフィットさせた。4つすべてのパラメーターが推定され、下部プラトーが0%に固定されず、上部プラトーが100%に固定されないことから、ED50およびED80値を、50%または80%の阻害または活性化に等しい応答について逆較正式を用いることにより計算した。
【0205】
ED50およびED80値は、特定のエンドポイントに対して、それぞれ50%または80%の効果をもたらすのに必要とされる投与量(mg/kgの単位)である。ED50およびED80値を、4−パラメーターロジスティックフィットを用いて様々なエンドポイントについて求めた。複数回テストした化合物については、ED50およびED80値を、複数の実験を合わせたデータの4−パラメーターロジスティックフィットを用いて求めた。80%の効果が得られない化合物については、ED80値を、試験した最高投与量に応じて、10mg/kg超または20mg/kg超と表す。
【0206】
喘息の室内塵ダニモデル
マウスを、3投与量の実施例1(0.1、1および10mg/kg、経口、1日2回)またはプレドニゾロン(0.1、1および10mg/kg、経口、1日2回)で処置した。動物の別の群を、それぞれのビヒクルで処置したところ、室内塵ダニ誘発性BAL炎症細胞流入への炎症細胞流入の効果は立証されなかった。
【0207】
実施例1は、用量依存的にBAL液への細胞浸潤を軽減した。フローサイトメトリーを用いるBAL液細胞タイプの評価は、好酸球、好中球、リンパ球およびT細胞の有意な減少を示した。比較して、プレドニゾロンは、類似の投与量にてBAL液細胞浸潤の同様の減少を与えた(データ省略)。
【0208】
【表7】

【0209】
分離指数(DISSOCIATION INDEX)
分離指数(DI)を測定として選択し、抗炎症効果および副作用のバイオマーカーという点からプレドニゾロンの分離と比較して化合物の分離を定量化した。分離指数を、初期臨床開発で利用することができるであろう臨床的に関連するバイオマーカーを用いて計算した。血清オステオカルシンおよびLPS誘発性血清TNFαは、それぞれ骨形成および抗炎症効果を予測するものとして臨床的に受け入れられている。
【0210】
分離指数は、以下の見解を基準とした:
1)分離は、炎症と副作用のバイオマーカー間の投与量マージンを必要とし、式:
【0211】
【数1】

例えば、
【0212】
【数2】

により定義した。
2)化合物のDIは、その臨床比較薬であるプレドニゾロンで観察されるDIと比較して考えられることがある。補正DIすなわち正規化DIは、化合物DIをプレドニゾロンDIで除したものと定義した。
【0213】
【表8】

【0214】
実施例1、比較薬I、比較薬Jは、OC/TNFα(ED50)について5を超えるDIを有していた。実施例1および比較薬Jは、OC/TNFα(ED80)について4を超えるDIを有していた。
【0215】
【表9】

【0216】
実施例1、比較薬I、比較薬Jは、OC/TNFα(ED50)について5を超える補正DIを有していた。実施例1は、OC/TNFα(ED80)について1.50を超える補正DIを有していた。
【0217】
EAUC50およびEAUC80
経時的に積分された薬物血漿濃度(AUC)として定義される薬物暴露を用い、プレドニゾロンと実施例1の薬力学的比較を行った。マウスにおけるプレドニゾロンおよび実施例1の短い半減期のために、AUC(0〜4時間)値は、AUC(0〜24時間)値の95%超を占めた。マウスにおける血液容量サンプリング限界のために、AUC(0〜4時間)値を用いて薬力学的比較を行った。
【0218】
【表10】

【0219】
【表11】

【0220】
実施例1は、分離した化合物である。実施例1は、OC/TNFα、BFR/TNFα、BFR/疾患発生率およびBFR/疾患重症度について7を超えるEAUC50およびEAUC80についてのDIおよび補正DIを有していた。
【0221】
BFRを決定するための皮質骨組織形態計測
各試験の生存中部分の間、マウスは、皮質骨組織形態計測のために1日目および26日目にカルセイン(C−0875;Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)の2回の腹腔内(i.p.)注射(20mg/kg、100ml/マウス)を受けた。カルセインは、骨塩中に合体し、骨形成速度の測定を可能にする。カルセインは、2%重炭酸ナトリウムに溶かした。組織収集中に、左脛骨を切除し、皮質組織形態計測のために清浄化した。すべての皮膚および筋肉を除去した後に、脛骨を、最低24時間にわたって暗所で70%エタノール(4℃)に入れた。
【0222】
基底横断面を、皮質骨の組織形態計測的分析のために使用した。骨を、ダイアモンドウエハーブレードを備えた低速のこぎり(Isomet、Buehler、Lake Bluff、IL)を用いて切片化した。各脛骨の末端を、脛骨−腓骨癒合部の近位で除去し、75mmの横断面を切り取った。粗くしたガラス板およびコルクを用い、切片を、透明になってすべての標識が蛍光顕微鏡下で識別可能になるまで、約25mmまで研磨した。切片を、以下の溶液、すなわち、各々1)70%エタノール、2)95%エタノール、3)100%エタノール、4)50/50エタノール/キシレン、および5)キシレン(2回)(#534056、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)を用いて最低2分にわたって脱水した。切片を、Eukitt Quick Mounting Medium(#03989、Sigma−Aldrich、St.Louis、MO)を用いてマウントした後に、カバースリップを載せた。Osteomeasure Bone Analysis Program(Osteometrics,Inc.、Decatur、Georgia)を用い、骨形成速度を、1番目および3番目の蛍光標識ならびに骨の内周囲長および外周囲長をトレースすることにより計算した。骨形成速度を、以下の式:(標識間幅/標識間隔)(標識周囲長/骨周囲長)により計算した。少なくとも5個のサンプルを、各試験における各処置群から測定した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】

(式中、Rは−Hである)
またはその塩。
【請求項2】
【化2】

またはその塩である、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
【化3】

である、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物の塩酸塩。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物またはその塩および担体を含む組成物。
【請求項6】
グルココルチコイド受容体を請求項1に記載の化合物またはその塩と接触させることを含む方法。
【請求項7】
対象においてグルココルチコイド受容体活性により媒介される状態を治療する方法であって、対象に式Iの化合物
【化4】

(式中、Rは−Hである)
またはその塩を投与することを含む方法。
【請求項8】
状態が炎症関連状態である、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
状態が、喘息、皮膚炎、炎症性腸疾患、アルツハイマー病、精神病性大うつ病、神経障害、移植拒絶、多発性硬化症、慢性ブドウ膜炎、または慢性閉塞性肺疾患である、請求項7に記載の方法。
【請求項10】
状態が関節リウマチである、請求項7に記載の方法。
【請求項11】
状態が皮膚炎である、請求項7に記載の方法。
【請求項12】
状態が喘息である、請求項7に記載の方法。
【請求項13】
状態がアルツハイマー病である、請求項7に記載の方法。
【請求項14】
状態が炎症性腸疾患である、請求項7に記載の方法。
【請求項15】
グルココルチコイド受容体調節に伴う副作用を軽減する方法であって、請求項1に記載の化合物を対象に投与することを含む方法。

【公表番号】特表2010−517991(P2010−517991A)
【公表日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−547779(P2009−547779)
【出願日】平成20年1月28日(2008.1.28)
【国際出願番号】PCT/IB2008/000249
【国際公開番号】WO2008/093236
【国際公開日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(397067152)ファイザー・プロダクツ・インク (504)
【Fターム(参考)】