説明

三角スケール

【課題】個別スケール体としても各種態様で用い得る三角スケールの提供。
【解決手段】三本の個別スケール体Aaを備えてなる三角スケールAであって、個別スケール体Aaが、外周面に長方形状の三つの面を備える仮想の三角スケールYにおける各面Y’の幅側のほぼ中央を通る面Y’の長手にわたる線分Yaと仮想の三角スケールYの中心を通る線分Ybとの間にわたって備えられる各分離面Ye、Yeで仮想の三角スケールYを分離した形状の角棒状に構成してあり、かつ、仮想の三角スケールYの稜Ycを稜32とするように稜32を挟む一対の長方形状の表示面30aと、仮想の三角スケールYにおける各分離面Yeである長方形状の接合面30bと、表示面30aの長手に備えられる所定の縮尺目盛34とを備えており、隣り合わされる個別スケール体Aaが、互いの表示面30aを連続させるように接合面30bで接し合わされて離脱可能に接続し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、縮尺図面の作成や、縮尺図面の読み取り等に用いられる三角スケールの改良、就中、三角スケールとしての活用と同時に、携行に至便かつ用いやすい簡易縮尺スケールに随意に分割変更して用いることのできる三角スケールの提案に関する。
【背景技術】
【0002】
三角スケールは、各種の縮尺図面の作成時や、縮尺図面を読み取る際に必要とされるものであって、各種の用途に応じて、各種の縮尺目盛を備えたものが用意されている。
【0003】
多くの場合、百分の一、二百分の一、三百分の一、四百分の一、五百分の一、六百分の一等の縮尺目盛を各面に備えたものが汎用されている。
【0004】
かかる三角スケールは、それぞれの縮尺比率の目盛を備える三角スケールを、当該縮尺図面の作成や、縮尺図面の読み取りの手段としても用いるものであって、この三角スケールによって、実寸法の割り出しをして、縮尺図面の作成や縮尺図面の読み込みをなすようにしてあり、建築物の設計モジュールを基準にして縮尺目盛を設けるようにすることもできる。
【0005】
かかる三角スケールは、「サンスケ」と称される30cm長のものや、「コサンスケ」と称される15cm長の、断面形状をほぼ三角形としてものが一般的に用いられている。
【0006】
かかる三角スケールでは、当該三角スケールを構成する各面に備えられている各縮尺目盛を用いるために、縮尺比率の異なる図面の作成や読み取り等に都合良く用い得る各種の三角スケールを別段に用意する必要があった。
【0007】
また、一般に、三角スケールは縮尺図面の作成や、縮尺図面の読み取りに用いる点で、当該三角スケールとは別段に筆記手段を用意する必要があった。
【0008】
かかる点から、一本の三角スケールを用いて複数種の縮尺図面の作成や読み取りに用い得るようにした三角スケールとして、断面菱形の棒状に形成され、その4面の各面に異なるスケールを夫々表示して構成した3組のスケール体と、前記3組のスケール体が正三角の頂点上に夫々位置するよう、前記スケール体を保持する保持体とを備え、前記保持体は前記スケール体をその長手方向でスライド可能でかつスケール体の表示面を反転可能に保持する嵌合部を備えるようにした三角スケールが開示されている(例えば、特許文献1)。
【0009】
また、筆記具とスケールを一つに結合して一体構造のまま、スケールをペンホルダーのように使用することも、また別々に使用することができるように使用並びに取扱い上至便にするために、断面多角形状の中空棒状体をスケール本体にして、その側辺部に目盛を設け、中空孔に筆記具を抜き差し可能に嵌挿して、スケール本体と筆記具とを一体に結合した筆記具付きスケールが開示されている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】平成6年実用新案出願公開第65802号
【特許文献2】平成5年実用新案出願公開第63890号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、特許文献1に示される三角スケールにあっては、各スケール体を保持体によって、その長手方向でスライド可能でかつスケール体の表示面を反転可能に保持する必要があり、構成される三角スケールにおける保持体の占める割合が大きく、三角スケールとしての使用面及び製作コスト面に難があった。
【0011】
特に、各種の縮尺図面の作成の際や、各種縮尺図面に基づいた設計打ち合わせ、現地確認等で、当該設計図面から実寸法での仕上がり状態を確認させる際等において、当該三角スケールは大き過ぎて、細かい部分の縮尺見取りや、納まり具合の詳細な確認等に難があった。
【0012】
また、特許文献2に示される筆記具付きスケールでは、スケールに沿って測定線等を書き込むために別段に筆記具かスケールを必要とする不具合と共に、汎用されている三角スケールとして用い難い不具合があった。
【0013】
かかる点から、既存の三角スケールと同様に用い得ると同時に、必要に応じて、必要とされる縮尺目盛を備える個別スケール体のみを分離して、縮尺図面上の微細な間隔や立ち上がり等を容易かつ確実に実寸法に照らしあわせ得る三角スケールが要請されていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
かかる課題を解決するために、この発明は、三本の個別スケール体を備えてなる三角スケールであって、
前記個別スケール体が、外周面に長方形状の三つの面を備える仮想の三角スケールにおける前記各面の幅側のほぼ中央を通る当該面の長手にわたる線分と当該仮想の三角スケールの中心を通る線分との間にわたって備えられる各分離面で当該仮想の三角スケールを分離した形状の角棒状に構成してあり、
この個別スケール体が、前記仮想の三角スケールの稜を稜とするように当該稜を挟む一対の長方形状の表示面と、前記仮想の三角スケールにおける各分離面である長方形状の接合面と、前記表示面の長手に備えられる所定の縮尺目盛とを備えており、
隣り合わされる個別スケール体が、互いの表示面を連続させるように前記接合面で接し合わされて、適宜の接続手段で離脱可能に接続し得るようにしてあることを特徴とする三角スケールとしてある。
【0015】
このような構成からなる三角スケールは、所謂、三角スケールとして効果的に用い得るとともに、必要に応じて、縮尺図面の作成や読み取りに必要とされる縮尺比率の目盛を備えている一本の個別スケール体として、又は、必要に応じて二本の個別スケール体の接続体とすることで、作成や読み取りの要請されている図面を簡易にかつ確実に作成でき、また、簡易に、かつ、確実に実寸法を読み取ることができる。
【0016】
また、かかる個別スケール体は、細く、軽量であることから、指先による自在な操作に適し、当該個別スケール体を全方向に向けて自在に位置づけ得ることから、縮尺図面をもとにして、容易に、全方向に向けた実寸法の確認をなすことができる。
【0017】
また、かかる個別スケール体は、細身に構成されていることから、胸ポケットに差し込んだり、ノートに挟み込んで携行することが容易にでき、随時、随所で引き出し用いることができる。
【0018】
前記構成に係る三角スケールであって、前記個別スケール体の側端部に筆記手段が突設してあることを特徴とする三角スケールでは、前記特長に併せて、個別スケール体をスケール手段と同時に筆記手段として用いることができ、縮尺図面の作成や縮尺図面の読み込み操作時に、実寸法を確認しながら測定線や目盛等の書き込みを自在に行うことができる。
【0019】
前記構成に係る三角スケールであって、長さ以外を、前記個別スケール体の接続されてなる前記三角スケールと同形、同寸とした短寸法の部分スケール体を、前記筆記手段を受け入れ得るように、前記個別スケール体の接続されてなる三角スケールにおける筆記手段の突設端面に離脱可能に接続し得るようにしてあることを特徴とする三角スケールにあっては、前記特長に併せて、前記個別スケール体の備える筆記手段を効果的に覆い隠し、当該個別スケール体の接続により構成される三角スケール部分と部分スケール体とが一体となって、使い勝手の良好な三角スケールを構成することができる。また、この三角スケールを構成する部分スケール体が短寸法で、全方向に向けて自在に目盛の向きを設定することができ、図面の細部等における実寸法の割り出しや各種の納まり具合の確認を効果的に行うことができる。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係る三角スケールは、いわゆる、三角スケールとして用い得ると共に、必要に応じて細身の個別スケール体に分離して多様に用いることのできる三角スケールとすることで、各種の態様に即応して縮尺図面の作成や、縮尺図面の読み取り等を容易かつ確実になし得る効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、この発明を実施するための最良の形態に係る三角スケールについて説明する。
【0022】
図1〜図10は、この発明を実施するための最良の形態に係る三角スケールAを示すものであって、図1は、当該三角スケールAを構成する個別スケール体Aaが、仮想の三角スケールYを所定の位置で分離した形状からなることを当該仮想の三角スケールYと、当該仮想の三角スケールYの一部を分離した状態に構成されている個別スケール体Aaとを斜め上方から見て、図2は、当該仮想の三角スケールYを側方から見て、図3では、部分スケール体A”を接続した状態の三角スケールAを斜め上方から見て、図4は、この部分スケール体A”と個別スケール体Aa、Aa、Aaの接続されてなる三角スケールA’とを分離した状態の三角スケールAを斜め上方から見て、更に、図5は、部分スケール体A”を分離し、しかも、三角スケールA’を構成する個別スケール体Aaの一本を他の2本から分離した状態を斜め上方から見て示している。また、図6及び図7は、当該個別スケール体Aa相互を接続して構成される三角スケールAにおける接続手段10の備えられている位置で、断面して側方から見て示している。更に、図8では、この分離した個別スケール体Aaを縮尺スケールとして用いている状態を、図9では、当該個別スケール体Aaを筆記手段として用いている状態を、更に、図10では、一対の個別スケール体Aa、Aaを連結してスケールとして用いている状態を斜め上方から見て示している。
【0023】
この図示例に係る典型的な三角スケールAは、三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaを備えてなる三角スケールAであって、前記個別スケール体Aaが、外周面に長方形状の三つの面Y’、Y’、Y’を備える仮想の三角スケールYにおける前記各面Y’の幅側のほぼ中央を通る当該面Y’の長手にわたる線分Yaと当該仮想の三角スケールYの中心を通る線分Ybとの間にわたって備えられる各分離面Ye、Yeで当該仮想の三角スケールYを分離した形状の角棒状に構成してあり、
この個別スケール体Aaが、前記仮想の三角スケールYの稜Ycを稜32とするように当該稜32を挟む一対の長方形状の表示面30aと、前記仮想の三角スケールYにおける各分離面Yeである長方形状の接合面30bと、前記表示面30aの長手に備えられる所定の縮尺目盛34とを備えており、隣り合わされる個別スケール体Aaが、互いの表示面30aを連続させるように前記接合面30bで接し合わされて、適宜の接続手段10で離脱可能に接続し得るように構成してある。
【0024】
かかる三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaを、隣り合わされている各個別スケール体Aaの互いの表示面30aを連続させるように前記接合面30bで接し合わせて接続手段10で接続することで、いわゆる、三角スケールAが構成される。
【0025】
ここで構成される三角スケールAは、断面形状が三角形をなし、周面に長方形状の三つの面30,30,30を備え、かつ、両端に三角形の端面31、31を備える三角スケールAとして用いることができる。
【0026】
かかる三角スケールAは、いわゆる、三角スケールと称されるものであれば、断面形状が正三角形のものであっても、各面30の幅側の中央で当該面30の長手にわたって備えられる溝状凹部に向けて凹む傾斜面を備えるものなど、いかなる形状、寸法のものであってもよい。
【0027】
また、当該三角スケールAに施される縮尺目盛34は、目的とする縮尺設計図の作成や、読み取りに適切な目盛が施されていれば、各種の縮尺目盛や当該対象とされる設計モジュール等の縮尺目盛等、いかなる縮尺目盛であってもよい。かかる三角スケールAに施される縮尺目盛は、例えば、百分の一、二百分の一、三百分の一、四百分の一、五百分の一、六百分の一等の適宜の縮尺比率からなるもの等が用いられることが多い。
【0028】
また、三本の個別スケール体Aaを接続する接続手段10は、当該三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaを接続して三角スケールAを構成し、かつ、必要に応じて離脱可能に接続し得るものであれば、いかなる形態の接続手段であってもよく、一種の接続手段からなるものであっても、複数種の接続手段からなるものであっても、また、一カ所に備えられる接続手段であっても、複数箇所に備えられる接続手段で構成してあってもよい。
【0029】
このような構成からなる三角スケールAは、所謂、三角スケールとして効果的に用い得るとともに、必要に応じて、縮尺図面の作成や読み取りに必要とされる縮尺比率の目盛を備えている三種類の個別スケール体Aaの任意の一本の個別スケール体Aaとして、又は、必要に応じて二本の個別スケール体Aa、Aaの接続体とすることで、作成や読み取りの要請されている図面を簡易にかつ確実に作成でき、また、簡易に、かつ、確実に実寸法を読み取ることができる。
【0030】
また、かかる個別スケール体Aaは、細く、軽量であることから、当該個別スケール体Aaを全方向に向けて自在に位置づけ得ることから、縮尺図面をもとにして、容易に、全方向に向けた実寸法の確認をなすことができる。
【0031】
また、かかる個別スケール体Aaは、細身に構成されていることから、胸ポケットに差し込んだり、ノートに挟み込んで携行することが容易にでき、随時、随所で引き出し用いることができる。
【0032】
また、前記構成に係る三角スケールAであって、前記個別スケール体Aaが、軸状に構成されている個別スケール体Aaにおける軸端である端面31’aに筆記手段35を突設状に備えた三角スケールAでは、個別スケール体Aaをスケール手段と同時に筆記手段として用いることができ、縮尺図面の作成や縮尺図面の読み込み操作時に、実寸法を確認しながら測定線、測定目盛、メモ書き等の書き込みを自在に行うことができる。
【0033】
また、前記構成に係る三角スケールAであって、長さ以外を、前記個別スケール体Aaの接続されてなる前記三角スケールA’と同形、同寸とした短寸法の部分スケール体A”を、前記筆記手段35を受け入れ得るように、前記個別スケール体Aaの接続されてなる三角スケールA’における筆記手段35の突設端面に離脱可能に接続し得るようにしてある三角スケールAにあっては、前記個別スケール体Aaの備える筆記手段35を効果的に覆い隠し、当該個別スケール体Aaの接続により構成される三角スケールA’部分と部分スケール体A”とが一体となって、使い勝手の良好な三角スケールAを構成することができる。また、この三角スケールAを構成する部分スケール体A”が短寸法で、全方向に向けて自在に縮尺目盛34の向きを設定することができ、図面の細部等における実寸法の割り出しや各種の納まり具合の確認を効果的に行うことができる。
【0034】
ついで、図示例に係る三角スケールAを、さらに具体的に説明する。
【0035】
この図示例に係る三角スケールAは、三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaを備えてなる三角スケールAであって、前記個別スケール体Aaが、外周面に長方形状の三つの面Y’、Y’、Y’を備える仮想の三角スケールYにおける前記各面Y’の幅側のほぼ中央を通る当該面Y’の長手にわたる線分Yaと当該仮想の三角スケールYの中心を通る線分Ybとの間にわたって備えられる各分離面Ye、Yeで、当該仮想の三角スケールYを分離した形状の角棒状に構成してあり、
この個別スケール体Aaが、前記仮想の三角スケールYの稜Ycを稜32とするように当該稜32を挟む一対の長方形状の表示面30aと、前記仮想の三角スケールYにおける各分離面Yeである長方形状の接合面30bと、前記表示面30aの長手に備えられる所定の縮尺目盛34とを備えており、隣り合わされる個別スケール体Aaが、互いの表示面30aを連続させるように前記接合面30bで接し合わされて、適宜の接続手段10で離脱可能に接続し得るように構成してある。
【0036】
かかる三角スケールAは、前記の三本の個別スケールAa、Aa、Aaを接続手段10で一体に連結して構成してあっても、更に、他の要素、例えば、図示例におけるように部分スケール体A”等を組み付けて構成してあってもよい。
この図示例では、当該個別スケール体Aa、Aa、Aaを接続して三角スケールA’を構成し、さらに、この三角スケールA’の端面31’に、端面31”を接し合わせるように部分スケール体A”を接続手段20で接続することで筆記手段35を覆った状態の三角スケールAを構成するようにしてある。
【0037】
この図示例に係る個別スケール体Aaは、前記仮想の三角スケールYにおける稜Ycと線分Yaとの間にある面Ydを、当該仮想の三角スケールYの稜Ycを稜32とするように当該稜32を挟むように備えられる一対の長方形状の表示面30aとして備えており、また、前記仮想の三角スケールYにおける各分離面Yeを長方形状の接合面30bとして、当該接合面30bを前記表示面30aに連続するように備えた断面四辺形の角棒状に構成してあり、この個別スケール体Aaの両端面31’a、31’aが当該個別スケール体Aaの長さ方向に直交する面として構成してある。また、この個別スケール体Aaには、前記稜32に沿って当該稜32を挟む各表示面30a、30aに、該表示面30aの長手方向にわたって縮尺目盛34が設けてある。
【0038】
かかる個別スケール体Aaは、また、隣り合わされる個別スケール体Aaの表示面30a、30aを連続させるように接合面30b、30bで接し合わされ、この状態で接続手段10で離脱可能に接続し得るように構成してあり、二個の個別スケール体Aa、Aaを連結一体にして用いたり、三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaを連結一体にして用いることができる。
【0039】
この図示例では、三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaを接続手段10で連結一体にして三角スケールA’を構成してあり、この三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaを連結一体とした三角スケールA’は、断面形状が三角形をなし、連続された一対の表示面30a、30aからなる面30’を、周面に三面備え、個別スケール体Aaにおける各稜32を稜とし、当該稜に沿って縮尺目盛34を備える三角スケールA’として構成してある。
【0040】
この図示例では、個別スケール体Aa、Aa、Aaを接続して構成される三角スケールA’の面30’と、部分スケール体A”の面30”とが、都合よく連続されて一連の長方形の面30を構成するように、三角スケールA’の端面31’に部分スケール体A”の端面31”を接続するようにして断面形状がほぼ正三角形をなす三角スケールAとされており、当該三角スケールAの中心線を巡る円周方向にある外周面に、長方形状をなす三つの面30、30、30が備えられており、この各面30の短手である幅側にある両側部の長手にわたって、この図示例では、当該面30の各長手縁に沿って、必要とされる縮尺目盛34がそれぞれ備えられた構成としてある。
【0041】
この図示例に係る三角スケールAでは、三角スケールA’と部分スケール体A”とを、一連の一個の三角スケールAをなすように、前記長手縁に、一連に連続する縮尺目盛34を設けてあるが、三角スケールA’と部分スケール体A”とに、別段の縮尺目盛34を設けるように構成してあってもよい。
【0042】
かかる三角スケールAにおける面30の幅側のほぼ中央に長手にわたる凹溝33を設け、当該三角スケールAの把持等を都合よくなしうるようにしてある。
【0043】
かかる三角スケールAをなす三角スケールA’は、前記の三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaで構成してあり、しかも、この三本の個別スケール体Aaが適宜の接続手段10、この図示例では、永久磁石体11と磁性片12とからなる第一の接続手段10と、ダボ13及びダボ孔14で構成される第二の接続手段10で、離脱可能に接続し得るように構成してある。
【0044】
かかる図示例に係る個別スケール体Aaは、前記仮想の三角スケールYにおける稜Ycと線分Yaとの間にある面Ydを、当該仮想の三角スケールYの稜Ycを稜32とするように当該稜32を挟むように備えられる一対の長方形状の表示面30aとして備えており、また、前記仮想の三角スケールYにおける各分離面Yeを長方形状の接合面30bとして、当該各表示面30aに連続するように備えた断面四辺形の角棒状に構成してあり、この個別スケール体Aaの両端面31’a、31’aが当該個別スケール体Aaの長さ方向に直交する面として構成してある。また、この個別スケール体Aaには、前記稜32に沿って当該稜32を挟む各表示面30a、30aに、該表示面30aの長手方向にわたって縮尺目盛34が設けてあって、前記端面31’aの一方にボールペン、シャープペン等の適宜の筆記手段35の芯を突き出し状態に備えている。
【0045】
なお、この図示例に係る個別スケール体Aaにおける表示面30aと接合面30bとの間には、前記半円状をなす凹溝33を二分した状態の弧状面33’があり、当該個別スケール体Aaのグリップ性を良好としている。
【0046】
この図示例では、個別スケール体Aaにおける接合面30bに、当該個別スケール体Aaを相互に接続し、また、当該三本の個別スケール体Aa、Aa、Aaを一連に接続して三角スケールA’を構成する接続手段10が設けてある。
【0047】
この図示例に係る接続手段10は、隣り合う個別スケール体Aaの表示面30aが連続するように当該各個別スケール体Aa、Aaの接合面30bを接合するように、向き合わせ組み付けられて個別スケール体Aaの互いに向き合う接合面30bの一方側に永久磁石体11を、他方側に磁性片12を、相互に向き合い、かつ、吸着し得るように設けた第一の接続手段10と、一方側にダボ13を、他方側にダボ孔14を互いに抜き差し可能に設けた第二の接続手段10とを備えており、各個別スケール体Aa、Aa、Aaを定位置にずれなく接続状態に維持し得るようにしてある。
【0048】
また、この個別スケール体Aaにおける筆記手段35の備えられていない他方軸端である端面31’a側部分に、例えば、ネックストラップ用掛け具37を設けて、当該個別スケール体Aaの携行等に活用し得るようにしてある。
【0049】
この個別スケール体Aaは、一本で用いても、二本を接続した状態で用いてもよく、表示面30aに備えられている縮尺目盛34を効果的に用いることができる。
【0050】
この図示例では、当該三角スケールA’に部分スケール体A”を分離可能に接続して三角スケールAを構成するようにしてあり、この部分スケール体A”を、前記三角スケールA’の断面形状と同一かつ同寸法で、長さのみが短い短寸状スケールとして構成してある。
【0051】
この短軸状の部分スケール体A”は、前記三角スケールA’におけると同様に、当該部分スケール体A”の軸中心を巡る向きの、いわゆる円周方向に矩形の面30”、30”、30”を備えており、この矩形面30”が前記面30’に一連に連続されて三角スケールAの一個の長方形の面30を構成し得るようにしてある。
【0052】
なお、この部分スケール体A”には、前記三角スケールA’の面に備えられている縮尺目盛34と同様に縮尺目盛34が設けてあり、この図示例では、前記三角スケールA’に一連に連続するように当該縮尺目盛34を設けてある。
【0053】
また、この部分スケール体A”の一方の端面31”には、前記三角スケールA’の筆記手段35をそれぞれ受け入れる孔36が設けてあり、当該筆記手段35を孔36に組み付けることで、部分スケール体A”を三角スケールA’に対して一連に連続して三角スケールAを構成するように位置づけ得るようにしてある。
【0054】
また、この部分スケール体A”は、接続手段20で、三角スケールA’に対して離脱可能に接続されており、この図示例では、個別スケール体Aaの端面31’aに磁性片22が、接続状態にある当該各個別スケール体Aaにおける各磁性片22、22、22に向き合う前記部分スケール体A”の端面31”に永久磁石体21が設けてあり、この図示例では、円環状をなす薄い板状永久磁石を当該永久磁石体21として設け、必要に応じて、当該部分スケール体A”を三角スケールA’に接続状態にし、あるいは、これから、分離して用い得るようにしてある。
【0055】
かかる部分スケール体A”を単独で縮尺図面の作成や読み取りに用いることで、縮尺図面の作成や読み取りが、より容易、かつ、確実になすことができる。
【0056】
このように構成される三角スケールでは、同一形状の個別スケール体Aa、Aa、Aaを効率よく用いて三角スケールAを構成することができる。また、個別スケール体Aa相互の組み付けが容易であり、当該個別スケール体を、例えば、図3に示されるように三本を連結して三角スケールとして用いたり、図8及び図9に示されるように単独で用いたり、図10に示されるように二本を連結させることで指で押さえ易い構成にして用いる等、各種の態様で用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】典型的な仮想の三角スケールと個別スケール体の斜視図
【図2】同仮想の三角スケールの側面図
【図3】典型的な三角スケールの斜視図
【図4】同部分スケール体を分離した状態の斜視図
【図5】同部分スケール体と共に個別スケール体を分離した状態を示す斜視図
【図6】同三角スケールの要部断面図
【図7】同三角スケールの他の部分における要部断面図
【図8】同個別スケール体を用いている一例を示す斜視図
【図9】同個別スケール体を用いている他の例を示す斜視図
【図10】同二本の個別スケール体を連結して用いている一例を示す斜視図
【符号の説明】
【0058】
A 三角スケール
Aa 個別スケール体
Y 仮想の三角スケール
Ye 分離面
10 接続手段
30 面
30a 表示面
30b 接合面
32 稜
34 縮尺目盛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
三本の個別スケール体を備えてなる三角スケールであって、
前記個別スケール体が、外周面に長方形状の三つの面を備える仮想の三角スケールにおける前記各面の幅側のほぼ中央を通る当該面の長手にわたる線分と当該仮想の三角スケールの中心を通る線分との間にわたって備えられる各分離面で当該仮想の三角スケールを分離した形状の角棒状に構成してあり、
この個別スケール体が、前記仮想の三角スケールの稜を稜とするように当該稜を挟む一対の長方形状の表示面と、前記仮想の三角スケールにおける各分離面である長方形状の接合面と、前記表示面の長手に備えられる所定の縮尺目盛とを備えており、
隣り合わされる個別スケール体が、互いの表示面を連続させるように前記接合面で接し合わされて、適宜の接続手段で離脱可能に接続し得るようにしてあることを特徴とする三角スケール。
【請求項2】
前記個別スケール体の側端部に筆記手段が突設してあることを特徴とする請求項1に記載の三角スケール。
【請求項3】
長さ以外を、前記個別スケール体の接続されてなる前記三角スケールと同形、同寸とした短寸法の部分スケール体を、前記筆記手段を受け入れ得るように、前記個別スケール体の接続されてなる三角スケールにおける筆記手段の突設端面に離脱可能に接続し得るようにしてあることを特徴とする請求項2に記載の三角スケール。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−38576(P2010−38576A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−198717(P2008−198717)
【出願日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【出願人】(000183428)住友林業株式会社 (540)
【Fターム(参考)】