説明

下水道管渠内の水位計測システム

【課題】都市部に布設されている下水道管渠内に、予測されない気象の急変による集中豪雨で大量の降雨水が流れ込むことにより、下水道管渠内で保守、点検作業に従事する作業者に及ぼす災害を未然に防止する下水道管渠内の水位計測システムを提供する。
【解決手段】マンホール2の下水道管渠5内の水位を計測する水位計測装置4が発信する水位計測データを受信する水位予測サーバ7が、水位データを基に気象予報、降雨情報、過去のその地域における降雨量と下水道管渠5内水位上昇データを参照して、管渠内水位上昇量を予測して、レベルの判定を行い、その判定結果を地上責任者の所持する現場情報端末10に送信、該現場情報端末10は、危険の場合に警報を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、地下に埋設されている下水道管渠内の作業を安全に実施するための下水道管渠内作業安全支援システムに関するものであり、特に下水道管渠内全般にわたる水位上昇情報を取得、分析することにより、安全対策を構築して作業の安全を支援システムに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に埋設された上下水道用配管路等に用いられているバルブ類の情報管理を行うバルブ情報装置に関し、バルブ類の固有情報およびバルブ類を通過する流体情報を検出するバルブ情報管理装置が特許文献1に開示されている。
一方、都市部に広く布設されている下水道管渠自体および管渠内に設けられている各種機器の管理、保守点検は、従来より作業員が管渠内に直接立ち入ることによってなされている。ところが昨今、管渠内作業中において、集中豪雨により急激な雨水が下水道管渠に浸入し、管渠内作業員が流されるという災害が発生している。
このような事故災害をきっかけとして、下水道管渠内の水位上昇を予測可能な管渠内水位計測システムを構築する要請が各地で高まってきている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−135227号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような下水道管渠内作業の安全支援システム構築の要請に対して、前記特許文献1に示された技術を応用しようとしても、この技術は管路内1箇所の観測点におけるバルブおよびバルブ内流体情報を検出するものであり、管渠内に散在して作業する作業員のすべての位置における管渠内水位の上昇を検出することは出来なく、上記した要請に対処することは困難であるという問題点がある。
【0005】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたものであって、水位上昇を予測することで下水道管渠に立ち入る作業員の安全を確保可能とする下水道管渠内の水位計測システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明に係る下水道管渠内の水位計測システムには、所定の地域に布設された下水道管渠内の複数のマンホールに配置され、該下水道管渠内の水位を計測する水位計測装置と、地上の所定位置に配置された現場情報端末および水位予測サーバとが設けられており、水位計測装置が計測する水位データを受信する水位予測サーバは、水位データを基に、気象予報や降雨情報および所定の地域における過去の降雨量とその時点における該下水道管渠内の水位上昇データとを参照して、該下水道管渠内の所定の時刻における水位上昇量の予測を行うとともに、この水位上昇量のレベルに応じた判定を実行し、その判定結果を現場情報端末に送信するものであり、該現場情報端末は判定結果に基づいて警報を発するものである。
【0007】
第2の発明に係る下水道管渠内の水位計測システムには、所定の地域に布設された下水道管渠の複数のマンホールのそれぞれに配置され、該下水道管渠内の水位を計測する水位計測装置と、該下水道管渠内に設けられ所定の基準位置からのそれぞれの距離を地点情報とし、このそれぞれの地点情報を記録した複数のRFIDタグと、該下水道管渠内の移動する移動端末と、地上の所定位置に配置された現場情報端末および水位予測サーバとが設けられており、水位計測装置が計測する水位データを受信する水位予測サーバは、水位データを基に、気象予報や降雨情報および所定の地域における過去の降雨量とその時点における該下水道管渠内の水位上昇データとを参照して、該下水道管渠内の所定の時刻における水位上昇量の予測を行うとともに、この水位上昇量のレベルに応じた判定を実行し、その判定結果を現場情報端末に送信し、移動端末がRFIDタグ近傍にあると、該移動端末はRFIDタグの地点情報を読み取ることによって該移動端末の所定の基準位置からの位置情報が現場情報端末に送信され、該現場情報端末には複数のマンホールの内、避難可能なマンホール位置が示された管路図上に、移動端末の位置情報が表示され、該現場情報端末は判定結果に基づいて警報を発するとともに、移動端末の位置情報が表示された管路図を移動端末に送信することにより、該移動端末にも管路図が表示されるものである。
【発明の効果】
【0008】
第1の発明によれば、上記のような下水道管渠内の水位計測システムを採用して下水道管内の作業を行うと、作業者が下水道管渠内で保守、点検等の作業中に予測されてない気象急変や、予想外の集中豪雨によって大量の降雨水が下水道管渠内に流れ込み、下水道管渠内作業者に災害が及ぼす恐れがある場合であっても、事前に作業の中止や下水道管渠内から地上への避難の判断を下すことが可能となり、より秀れた下水道管渠内作業の安全支援システムが提供可能となる。
第2の発明によれば、上記下水道管渠内作業者に災害が及ぼす恐れがある場合に、上記第1の発明の効果に加え、地上の現場情報端末から、例えば下水道管渠内作業者が所持する移動端末に対して、避難可能なマンホール位置を表示する管路図に作業者の現在位置を示した情報を送信できるので、作業環境の急変による下水道管渠内の異常増水に対しても、作業者の災害を未然に防ぐ、安全な作業支援システムが提供することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施の形態1の下水道管渠内の水位計測システムを示す図である。
【図2】実施の形態1のマンホール位置を示す管路図である。
【図3】実施の形態1の現場情報端末の構成を示すブロック図である。
【図4】実施の形態1の水位計測装置の構成を示すブロック図である。
【図5】実施の形態1の水位予測サーバの構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態2の下水道管渠内の水位計測システムを示す図である。
【図7】実施の形態2のマンホール位置を示すブロック図である。
【図8】実施の形態2のRFIDタグの構成を示すブロック図である。
【図9】実施の形態2の現場情報端末の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2の移動端末の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1を図1〜図5に基づいて説明する。
図1は、実施の形態1による下水道管渠内の水位計測システム100を利用した際の下水道管渠内作業における地上責任者(以降、責任者と略す)の駐在する位置、下水道管渠5内の作業者(以下、作業者と略す)の位置および管渠内情報取得構成要素の概要を示す図である。
図2にて後述するように、複数のマンホールの内管渠内、水位の計測を行うマンホール2aには図1で示すように水位計測装置4が設置されている。この水位計測装置4が発信する水位情報はネットワーク6を介し、水位予測サーバ7および責任者の所有する現場情報端末10に伝送される。図2に示すように、責任者が駐在するマンホール2、下水道管渠5内の水位計測を行うための水位計測装置4が設置されているマンホール2a、水位計測を行わないマンホール2b等の位置関係を下水道管渠路5上に示した管路図50が、前記責任者の所有する現場情報端末10に表示可能である。なお、水位計測装置4は通常、責任者が駐在するマンホール2より下水道の流れに対して上流側のマンホール2aに設置される。
【0011】
図3は、現場情報端末10の内部構成を示すブロック図であり、表示部11、操作部12、制御回路13、ネットワークインタフェース14、記憶装置15、出力部16を備えた構成となっている。制御回路13は現場情報端末10の全体制御を行い、後に詳述する水位計測を行うマンホール2aに設置されている水位計測装置4の識別情報をもとに、水位予測サーバ7からネットワーク6を介して送信される水位予測判断結果を受信し、記憶装置15に記憶している図2で示した管路図50上の水位計測マンホール2aに、前記水位予測判断結果を記憶指令の機能を有している。表示部11は前記記憶装置15の記憶する管路図50上に前記水位予測判断結果を表示機能および水位予測判断結果が危険域に至った場合出力部16から警報音を鳴動する機能を有している。操作部12はボタンキーであり、責任者が管渠内情報取得し、管渠5内を監視の開始操作の手段である。
【0012】
図4は、水位計測装置4の内部構成を示すブロック図である。センサ情報取得部41、制御回路42、ネットワークインタフェース43、メモリ44を備えた構成である。制御回路42はCPUにより実現され、センサ情報取得部41が図示しない、例えば超音波式センサの水位センサで取得した当該マンホールの水位データを経過時間とともにメモリ44に書き込み指令する機能を備えている。メモリ44は書き込み可能なRAMで構成され、センサ情報取得部41から送信される水位データを経過時間とともに記憶する。書き込みは一定時間毎にセンサ情報取得部41から送信される情報を書き込む。ネットワークインタフェース43は取得要求のある送信元である現場情報端末10や、水位予測サーバ7等にメモリ44にある水位データを無線LAN、FOMAなど設置場所で最適なネットワーク6を介して送受信する。
【0013】
図5は、水位予測サーバ7の内部構成を示したブロック図である。制御回路71、データ解析部72、ネットワークインタフェース73、記憶装置74を備えた構成である。制御回路71は、CPUにより実現され水位予測サーバ7の全体制御を行う。ネットワークインタフェース73は外部システムとのデータの送受信を行うものであり、水位計測装置4から送信される水位データや、気象庁の発信する気象データ、自治体が保有する降雨レーダ装置の発信する降雨情報等を受信する。制御回路71は、ネットワークインタフェース73が受信した水位データ、先に述べた気象データ、降雨情報とを経過時間とともに記憶装置74に書き込み指令する機能を有する。データ解析部72は記憶装置74に記憶された水位データを基に、気象庁の発信する気象予想データ、自治体が保持する降雨レーダ装置の発信する降雨情報および記憶装置74が記憶する下水道管渠路5周辺地域における過去の雨水量と管渠内における水位上昇のデータ等を組み合わせて解析し、現在の作業場所のマンホール位置における水位上昇予測判断を、安全域、注意域、危険域の3段階にわたって行う。この得られた水位予測判断結果は、ネットワークインタフェース73、ネットワーク76経由で現場情報端末10に送信される。
【0014】
次に、この下水道管渠内の水位計測システム100を利用して、下水道管渠内作業の実施時の動作を説明する。作業開始前に図2に例示するように、管渠路の合流点近傍や、図示省略した管渠路の急傾斜地点等に近接するマンホール2aに図1で示す水位計測装置4を設置する。自治体や作業担当会社等に設置されている水位予測サーバ7はネットワーク6を経由して水位計測装置4に対して所定の時間間隔で計測の水位データを送信する旨の要求を行う。この信号を受信した水位計測装置4はメモリ44に記憶している水位データをネットワーク6を介して水位予測サーバ7に返信する。水位予測サーバ7は送信された水位データを基に、前述したように気象庁の集中豪雨を予想する気象予想データや自治体等が保持する降雨レーダ装置の発信する降雨情報等を参照し、かつ概当する下水道管渠路5周辺地域における過去の雨水量と管渠内マンホール位置における水位上昇のデータ等を総合的に解析し、当該作業時間内における現在の作業周辺管渠の水位上昇予測判断を行う。この判断結果はネットワーク6を経由して、責任者が所有する現場情報端末10に送信される。現場情報端末10の表示部11には、図2の管路図50上にマンホール2aに水位予測判断結果が表示され、その表示は作業者が作業を継続することに対しのレベル、例えば安全、注意、危険を緑色、オレンジ色、赤色で表示する。そして注意および危険の場合、それぞれに特有の異常音、例えば短く断続する低音、長く継続する高音等の警報音を出力部16が出力する。このことにより責任者は、管渠5内の作業の安全性を確認し、管渠5内の作業者の適切な情報を発信することができ、集中豪雨等による急激に下水道管渠内に流れ込む雨水に安全に対応可能とする下水道管渠内作業安全支援システムが提供できる。尚、前記出力部16が出力する警報音に代替して、出力部16に赤色点滅ランプを設けて、点滅させてもよい。また水位計測装置をマンホールに設ける例を示したが、管渠壁の高所に設けてもよい。
【0015】
実施の形態2.
実施の形態2を図6〜図10に基づいて説明する。
図6は、実施の形態2による下水道管渠内の水位計測システム100を利用した際における責任者の駐在する位置、下水道管渠5内の作業者の位置、および管渠内情報取得の構成要素の概要を示す図であり、前述した実施の形態1の図1に下水道管渠5内の所定の個所にRFIDタグ8を設置するとともに、作業者が移動端末9を所有し、この移動端末9と責任者の所有する現場情報端末10とLANケーブル30などの有線で接続されている点を追加した以外は、図1と同様であるので説明を省略する。なお、上記有線のLANケーブル30は異常発生時の命綱の役目も果たすものである。
図7は、複数個所のマンホールの内所定の複数のマンホール2c−1、2c−2は、管渠内の水位上昇時に作業者が避難可能なマンホールを、マンホール2d−1〜2d−3は避難不可能なマンホールを示す管路図50aであり、この管路図50aは前記責任者の現場情報端末10および作業者の移動端末9に表示される。
【0016】
図6に関して詳述する。
下水道管渠5の壁面には、所定の基準位置である責任者が駐在するマンホール2の地点からそれぞれの距離が記録されたすなわち、それぞれの位置情報が記録された複数のRFIDタグ8が前記の距離毎に地点情報として配置されている。作業者が所持する移動端末9は、RFIDタグ8の近傍を通過するとそのRFIDタグ8の持つ地点情報が取得され下水道管渠内作業者の位置情報となる。責任者が所持する現場作業端末10は、管渠5内の作業者が所持する移動端末9とLANケーブル30などの有線で接続される。表示部10aには移動端末9が送信する位置情報から、後述する図7の作業者の位置WPを管路図50a上に表示することが可能である。また作業者の移動端末9にも同様の表示を行うことができるので、作業者自身も管渠5内における自己の位置を確認することができる。
図7は、責任者が駐在するマンホール2、異常発生時に作業者が避難可能なマンホール2、2c−1、2c−2、避難不可能なマンホール2d−1〜2d−3および作業者の位置WPの位置関係を下水道管渠路5上に示された管路図50aであり、前記の如くこの管路図50aが端末に表示される。
【0017】
図8は、RFIDタグ8の内部構成を示すブロック図である。RFIDタグ8は送受信アンテナ81、送受信回路82、制御回路83、メモリ84を備えている。制御回路83はRFIDタグ8の全体制御を行う。メモリ84は基準点である責任者の駐在するマンホール2の地点から当該RFIDが配置される距離が記録されている。送受信回路82は送受信アンテナ81が受信した情報要求信号に応じて、上記マンホール2の地点からの距離を返送する。送受信アンテナ81は距離誘導端末9からの情報要求信号の受信を行い、移動端末9へマンホール地点からの距離、すなわち作業者とマンホール2との距離を送信する機能を備えている。
【0018】
図9は、現場情報端末10aの内部構成を示すブロック図である。この現場情報端末10aは実施の形態1で示した現場情報端末10と同じ構成であるが、表示部11aと制御回路13aと記憶装置15aに以下の機能が追加されたものである。すなわち記憶装置15aは、図7で示した管路図50aの図面データも記憶している。制御回路13aは移動端末9から取得した情報と、記憶装置15aが記憶するマンホールの位置データとから、移動端末9つまり作業者と避難可能なマンホール2、2c−1、2c−2との距離を演算する。表示部11aは記憶装置15aに記憶する管路図50aの図面データと作業者の位置WP、および避難可能なマンホール2、2c−1、2c−2の位置を表示する機能を有している。その他の構成要素は実施の形態1と同様であり説明省略する。
【0019】
図10は、移動端末9の内部構成を示すブロック図である。表示部91、操作部92、制御回路93、記憶装置94および送受信アンテナ95を備えている。記憶装置94は、図7に示す回路図50aのデータとマンホール2、2c−1、2c−2、2d−1〜2d−3の位置データを保持している。制御回路93は移動端末9の全体制御を行う。送受信アンテナ95は定期的にRFIDタグ8の読み取りを行い、そのRFIDタグから、つまり作業者の位置から責任者が駐在するマンホール2との距離を読み取って制御回路93に送信する機能を備えている。制御回路93は送受信アンテナ95が受信した前記マンホール2からの距離と、記憶装置94が保持するマンホールの位置データとから、作業者の位置を演算する。表示部93は記憶装置94が保持する管路図50aのデータとマンホールの位置データおよび管路図50aにおける作業者の位置WP、避難可能なマンホール2、2c−1、2c−2の位置を表示する機能を有している。操作部92はボタンキーであり、作業者が現場情報端末10aに対して避難指示の受信応答をする操作手段である。
【0020】
次に、この実施の形態2による下水道管渠内の水位計測システム100を利用した下水道管渠内作業実施時の動作を説明する。
作業者は作業を開始するに当たり、下水道管渠5壁に責任者の駐在する所定位置であるマンホール2の地点からの距離がそれぞれに記録された複数のRFIDタグ8を、その距離毎に設置する。作業者は責任者が所持する現場情報端末10に有線30で接続された移動端末9を装備して管渠内作業を行う。移動端末9はRFIDタグ8の近傍を作業者が通過することにより、RFIDタグ8が持つ位置情報を読み取り、責任者が所持する現場情報端末10に作業者の位置情報を送信する。なお、作業者が通過するとしたが、移動端末9がRFIDタグ8の近傍にあれば位置情報を読み取れる。現場情報端末10は表示部11aに管路図50aのデータを表示し、移動端末9から送信された位置情報から作業者の位置を非難可能なマンホール2、2c−1、2c−2および避難不可能なマンホール2d−1〜2d−3の位置とを合わせて表示する。また移動端末9でも表示部11a上に同様の表示をする。
以上のような表示が現場情報端末10および移動端末9になされるので、実施の形態1で述べたような集中豪雨による雨水の急激な管渠内に浸入するとする管渠内水位予測判断結果で、注意域や危険域の情報を現場情報端末10で責任者が受信すると、その現場情報端末10より作業者の所持する移動端末9に対して避難指示を行い、避難指示を受けた作業者は移動端末9の操作部92のボタンキーを押すことにより、現場情報端末10の表示部11aに表示され、責任者は作業員が避難指示を受信したことを確認できる。一方、作業者は、移動端末9に表示された位置情報から、避難可能なマンホールに避難することができ、下水道管渠内の作業の安全が確保できるという効果がある。
【産業上の利用可能性】
【0021】
この発明は、下水道管渠内の保守点検作業時の安全支援を行うシステムに利用可能である。
【符号の説明】
【0022】
2 地上責任者駐在マンホール、2c−1,2c−2 避難可能なマンホール、
4 水位計測装置、5 下水道管渠、6 ネットワーク、7 水位予測サーバ、
8 RFIDタグ、9 移動端末、10,10a 現場情報端末、
30 LANケーブル、50,50a 管路図、
100 下水道管渠内の水位計測システム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下水道管渠内の水位計測システムであって、該下水道管渠内の水位計測システムには、所定の地域に布設された下水道管渠内の複数のマンホールに配置され、該下水道管渠内の水位を計測する水位計測装置と、地上の所定位置に配置された現場情報端末および水位予測サーバとが設けられており、前記水位計測装置が計測する水位データを受信する前記水位予測サーバは、前記水位データを基に、気象予報や降雨情報および前記所定の地域における過去の降雨量とその時点における該下水道管渠内の水位上昇データとを参照して、該下水道管渠内の所定の時刻における水位上昇量の予測を行うとともに、この水位上昇量のレベルに応じた判定を実行し、その判定結果を前記現場情報端末に送信するものであり、該現場情報端末は前記判定結果に基づいて警報を発することを特徴とする下水道管渠内の水位計測システム。
【請求項2】
下水道管渠内の水位計測システムであって、該下水道管渠内の水位計測システムには、所定の地域に布設された下水道管渠の複数のマンホールのそれぞれに配置され、該下水道管渠内の水位を計測する水位計測装置と、該下水道管渠内に設けられ所定の基準位置からのそれぞれの距離を地点情報とし、このそれぞれの地点情報を記録した複数のRFIDタグと、該下水道管渠内の移動する移動端末と、地上の所定位置に配置された現場情報端末および水位予測サーバとが設けられており、
前記水位計測装置が計測する水位データを受信する前記水位予測サーバは、前記水位データを基に、気象予報や降雨情報および前記所定の地域における過去の降雨量とその時点における該下水道管渠内の水位上昇データとを参照して、該下水道管渠内の所定の時刻における水位上昇量の予測を行うとともに、この水位上昇量のレベルに応じた判定を実行し、その判定結果を前記現場情報端末に送信し、
前記移動端末が前記RFIDタグ近傍にあると、該移動端末は前記RFIDタグの地点情報を読み取ることによって該移動端末の前記所定の基準位置からの位置情報が前記現場情報端末に送信され、該現場情報端末には前記複数のマンホールの内、避難可能なマンホール位置が示された管路図上に、前記移動端末の位置情報が表示され、該現場情報端末は前記判定結果に基づいて警報を発するとともに、前記移動端末の位置情報が表示された管路図を前記移動端末に送信することにより、該移動端末にも前記管路図が表示されることを特徴とする下水道管渠内の水位計測システム。
【請求項3】
前記水位計測装置は、管渠路の合流点近傍や、急傾斜地点近傍のマンホールに設置されていることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の下水道管渠内の水位計測システム。
【請求項4】
前記現場情報端末が発する警報は、音声またはランプ点滅であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の下水道管渠内の水位計測システム。
【請求項5】
前記現場情報端末と移動端末とは、有線のケーブルで接続されていることを特徴とする請求項2に記載の下水道管渠内の水位計測システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−242361(P2010−242361A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−91672(P2009−91672)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】