説明

不燃剤、その製造方法および不燃化方法

硫酸アンモニウム、ホウ酸、リン酸水素二アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを有効成分として含む、木材、織布や不織布のような繊維、水性や油性の塗料、紙材、プラスチックなどのあらゆる材料に、不燃性を付与する不燃剤、特に低コストで、かつ木材や合板に含浸・乾燥してもその表面に粉吹き現象が起こらない不燃剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、硫酸アンモニウムを主成分とする不燃剤、その製造方法および不燃化方法に関する。さらに詳しくは、本発明は、水性製剤として木材、繊維、水性塗料および紙材に、粉末製剤としてプラスチックならびに水性および油性塗料に好適に用いられる不燃剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、木材、織布や不織布のような繊維、水性や油性の塗料、紙材、プラスチックなどのあらゆる材料に、難燃性、耐久性などの機能を付与する製剤の研究がなされ、種々の製剤が実用化されている。
【0003】
硫酸アンモニウムは、肥料、各種工業用薬品、防火剤、メッキ浴添加剤、食品添加物などの用途、ホウ酸は、ガラス、医薬品、防火剤、防腐剤、殺虫剤(防蟻剤)、顔料、化粧品などの用途、リン酸水素二アンモニウムは、防火剤、医薬品、食品添加剤、難燃剤、金属処理剤などの用途、重炭酸ナトリウムは、医薬品、膨らし粉、粉末石けん、消火剤、浴用剤などの用途が知られている。しかしながら、上記の防火剤は、材料を燃え難くする難燃剤であり、難燃剤よりも高度な性能を材料に付与する不燃剤ではない。また、上記の消火剤は、消火器に充填するものであり、材料に不燃性を付与するものではない。
【0004】
他方、建材としての木材が見直され、その需要が増大している。日本の建築基準法では高層建築や地下建築の建材は不燃性が要求され、ホウ酸とホウ砂を有効成分とする不燃剤を木材に含浸・乾燥させた不燃木材が開発されている。しかしながら、この不燃木材は、不燃剤が木材表面に析出する粉吹き現象があり、不燃性を低下させたり、使用場面によっては外観を損ねるという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、木材、織布や不織布のような繊維、水性や油性の塗料、紙材、プラスチックなどのあらゆる材料に、不燃性を付与する不燃剤、特に低コストで、かつ木材や合板に含浸・乾燥してもその表面に粉吹き現象が起こらない不燃剤を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、単独では難燃効果しか得られない特定の化合物を組み合わせることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
かくして、本発明によれば、硫酸アンモニウム、ホウ酸、リン酸水素二アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを有効成分として含むことを特徴とする不燃剤が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、硫酸アンモニウム、ホウ酸およびリン酸水素二アンモニウムを加温下で水に溶解し、次いで重炭酸ナトリウム水溶液を添加して、水性の不燃剤を得ることを特徴とする不燃剤の製造方法が提供される。
さらに、本発明によれば、硫酸アンモニウム、ホウ酸およびリン酸水素二アンモニウムを加温下で水に溶解し、次いで重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、得られる水性の不燃剤から水分を除去して、粉末の不燃剤を得ることを特徴とする不燃剤の製造方法が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、
上記の水性の不燃剤を木材または繊維に含浸させ、乾燥することにより、木材または繊維に不燃性を付与することを特徴とする木材または繊維の不燃化方法、
上記の水性の不燃剤を水性塗料に添加することにより、水性塗料の塗布膜に不燃性を付与することを特徴とする水性塗料の不燃化方法、
有効成分としてポリリン酸アンモニウムをさらに含む、上記の水性の不燃剤を抄紙工程におけるパルプに添加することにより、紙材に不燃性を付与することを特徴とする紙材の不燃化方法、および
粉末製剤である、上記の不燃剤をプラスチックまたは水性もしくは油性塗料に添加することにより、プラスチックまたは水性もしくは油性塗料の塗布膜に不燃性を付与することを特徴とするプラスチックまたは水性もしくは油性塗料の不燃化方法
が提供される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、木材、織布や不織布のような繊維、水性や油性の塗料、紙材、プラスチックなどのあらゆる材料に、不燃性を付与する不燃剤を提供することができる。特に、本発明の不燃剤を水性製剤の形態で木材や合板に含浸・乾燥することにより、不燃性を付与することができ、しかも含浸・乾燥後に不燃剤が木材表面に析出する粉吹き現象がないので、長期間にわたって不燃性を維持できる。したがって、本発明の不燃剤で処理された木材や合板は、不燃建材として好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の不燃剤により不燃化した合板の総発熱量および発熱速度の経時変化を示す図である(試験番号1)。
【図2】本発明の不燃剤により不燃化した合板の総発熱量および発熱速度の経時変化を示す図である(試験番号2)。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
本発明の不燃剤は、硫酸アンモニウム、ホウ酸、リン酸水素二アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを有効成分として含むことを特徴とする。
本発明において「不燃」とは、基本的に、炎を伴った燃焼ができないこと、すなわち燃え難いという「難燃」よりも高度な性能を意味する。したがって「不燃剤」とは、この不燃性を材料に付与する製剤を意味する。材料やその用途によっては不燃に関する詳細な基準や評価方法が規格化されているものもあり、本発明の不燃は、これらの規格に準ずるものである。規格によっては「準不燃」の等級が設けられているが、この「準不燃」も本発明の「不燃」の概念に含まれる。
【0013】
例えば、建築基準法施行令第108条の2によれば、「不燃材料」とは、通常の火災時の加熱に対して、1)燃焼せず、かつ防火上有害な変形、溶融、亀裂その他の損傷を生じず、2)防火上有害な煙またはガスを発生しない性能を有する材料と規定している。
また、評価方法としては、コーンカロリーメーターによる発熱性試験が採用されている。具体的には、火災初期の熱に相当する熱量50kW/m2を規定の試験片に与え、所定時間経過後に、1)総発熱量が8MJ/m2以下であり、2)防火上有害な試験片の裏面まで貫通する亀裂および穴がなく、3)最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えないものを、加熱時間20分間、10分間および5分間のものについて、それぞれ「不燃」、「準不燃」および「難燃」と判定する。
【0014】
本発明で使用する有効成分は、市販の化合物を用いることができる。
本発明の不燃剤における有効成分の量は、用途、すなわち対象材料などにより異なるが、次に示す範囲であれば、対象材料に優れた不燃性を付与することができる。
ホウ酸は、硫酸アンモニウム1モルに対して、0.4〜1.5モル、好ましくは1〜1.2モルである。
リン酸水素二アンモニウムは、硫酸アンモニウム1モルに対して、0.2〜1モル、好ましくは0.4〜0.6モルである。
重炭酸ナトリウムは、硫酸アンモニウム1モルに対して、0.2〜0.3モルである。
したがって、本発明の不燃剤における有効成分は、硫酸アンモニウム1モルに対して、それぞれホウ酸0.4〜1.5モル、リン酸水素二アンモニウム0.2〜1モルおよび重炭酸ナトリウム0.2〜0.3モルであるのが好ましい。
【0015】
本発明の不燃剤は、上記の有効成分に加えて、ポリリン酸アンモニウムをさらに含んでいてもよい。その量は、硫酸アンモニウム1モルに対して、0.3〜1.5モル程度である。ポリリン酸アンモニウムを含む不燃剤は、紙材の不燃化に好適に用いられる。
【0016】
本発明の不燃剤は、用途、すなわち対象材料に応じて、水性製剤または粉末製剤の形態で用いることができる。
【0017】
水性製剤における全有効成分の含有量は、15〜40重量%、好ましくは20〜30重量%、例えば20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30重量%である。水性製剤の全有効成分の含有量が上記の範囲であれば、室温・氷点下でも結晶析出が起こらず、安定である。一方、全有効成分の含有量が15重量%未満のように希薄であれば、対象材料に添加する際に多量の製剤が必要になり、その運搬が困難になり、経済的に好ましくない。
【0018】
本発明の不燃剤は、その他必要に応じて、本発明の効果を阻害しない範囲で、当該分野で公知の添加剤を併用してもよい。例えば、珪酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸カリウム、フッ素系界面活性剤、塩化マグネシウムなどが挙げられる。
【0019】
本発明の不燃剤は、上記の有効成分を水に溶解することにより調製することができ、例えば、次のようにして調製できる。
まず、50〜95℃程度好ましくは60〜80℃程度に加温した水に、所定量の硫酸アンモニウム、ホウ酸およびリン酸水素二アンモニウムをこの順に添加して固形分を完全に溶解させる。次いで、所定量の重炭酸ナトリウムを含む水溶液を予め調製しておき、これを発泡に注意しながら前記の水溶液に加えて混合することにより、本発明の不燃剤の水性製剤を得る。なお、重炭酸ナトリウム水溶液を加えた後、水で希釈するか、または加熱により濃縮して、水性製剤の濃度を調節してもよい。
また、水に所定量の硫酸アンモニウムを加え、上記の温度に加温した後に他の成分を添加してもよい。
【0020】
したがって、本発明によれば、硫酸アンモニウム、ホウ酸およびリン酸水素二アンモニウムを加温下で水に溶解し、次いで重炭酸ナトリウム水溶液を添加して、水性の不燃剤(水性製剤)を得ることを特徴とする不燃剤の製造方法が提供される。
【0021】
また、上記の水性製剤から水分を除去することにより、粉末の不燃剤(粉末製剤)を得ることができる。水性製剤から水分を除去する方法としては、有機溶剤を用いた晶析、濾過、乾燥などの公知の方法が挙げられる。
得られた粉末製剤は、用途に応じて、公知の方法により微粉砕してもよい。
また、使用時に粉末製剤を所定の濃度で水に溶解して用いることもできる。
【0022】
本発明の不燃剤は、水性製剤の形態で、木材、繊維または水性塗料に用いることができる。
【0023】
木材については、圧力注入(例えば、10気圧程度)などの公知の方法により、木材に水性製剤を含浸させ、乾燥することにより、木材に不燃性を付与することができる。
木材に対する本発明の不燃剤の添加量は、木材の種類や寸法、要求される不燃性の程度などにより適宜設定すればよく、例えば木材1m3当たりの全有効成分で100〜450kg程度である。
添加対象となる木材としては、例えば、杉、松、ヒノキ、ラワン、ヤシおよびこれらの合板が挙げられる。
【0024】
繊維については、浸漬、圧力注入(例えば、50気圧程度)などの公知の方法により、繊維に水性製剤を含浸させ、乾燥することにより、繊維に不燃性を付与することができる。
添加対象となる繊維としては、例えば、絹、綿、麻などの天然繊維、ポリアミド系、ポリオレフィン系、ポリアクリロニトリル系などの合成繊維の織布または不織布が挙げられる。本発明において、添加対象となる繊維は、これらの織布または不織布の繊維であってよい。
【0025】
水性塗料については、水性塗料に添加することにより、その塗布膜に不燃性を付与することができる。水性塗料に対する本発明の不燃剤の添加量は、塗料の構成成分などにより適宜設定すればよい。
【0026】
紙材については、例えば抄紙工程におけるパルプ(白水)に水性製剤を添加することにより、紙材に不燃性を付与することができる。この場合、有効成分としてポリリン酸アンモニウムさらに含む水性製剤が好ましい。紙材に対する本発明の不燃剤の添加量は、紙材の種類や要求される不燃性の程度などにより適宜設定すればよい。
添加対象となる紙材としては、例えば、印刷用紙、筆記用紙、図画用紙、包装用紙、ダンボールのような板紙などが挙げられる。
【0027】
本発明の不燃剤は、粉末製剤の形態で、プラスチックまたは水性もしくは油性塗料に用いることができる。
【0028】
プラスチックについては、成形前の溶融混練時に公知の方法により添加することにより、プラスチックに不燃性を付与することができる。プラスチックに対する本発明の不燃剤の添加量は、プラスチックの種類や要求される不燃性の程度などにより適宜設定すればよい。
【0029】
添加対象となるプラスチックとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ACS樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリメチルメタクリレート、ポリフェニレンエーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリスルホン、ポリアリレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアセタール、ポリエーテルケトン類、ポリエーテルニトリル、ポリチオエーテルスルホン、ポリベンズイミダゾール、ポリカルボジイミド、液晶ポリマー、ならびにこれらのポリマーブレンドおよびポリマーアロイなどの熱可塑性樹脂;ポリウレタン、フェノール樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル、ジアリールフタレート樹脂ならびにこれらのポリマーブレンドおよびポリマーアロイなどの熱硬化性樹脂が挙げられる。
【0030】
水性もしくは油性塗料については、水性もしくは油性塗料に添加することにより、その塗布膜に不燃性を付与することができる。水性もしくは油性塗料に対する本発明の不燃剤の添加量は、塗料の構成成分などにより適宜設定すればよい。
【0031】
本発明の不燃剤は、各有効成分が有する作用、すなわち接炎に際して材料表面に被膜を形成して酸素を遮断する作用、炭化作用、吸熱による冷却作用などが相俟って、対象材料に優れた不燃性を付与するものと考えられる。
【0032】
(実施例)
本発明を以下の製剤例および試験例によりさらに詳しく説明するが、製剤例および試験例により本発明の範囲が限定されるものではない。
【0033】
(製剤例1)
水10kgに硫酸アンモニウム(式量:132.14)7.0kgを加えた。次いで、水温を60℃に加温し、水温を60℃に維持しつつ、撹拌下でホウ酸(式量:61.83)1.5kg(硫酸アンモニウム1モルに対して0.45モル)を加え、さらに水5kgにリン酸水素二アンモニウム(式量:132.06)1.5kg(硫酸アンモニウム1モルに対して0.21モル)を加えて予め調製しておいたリン酸水素二アンモニウム水溶液を加えて、全ての成分を完全に溶解させた。次いで、水温を60℃に維持しつつ、水5kgに重炭酸ナトリウム(式量:84.01)1.0kg(硫酸アンモニウム1モルに対して0.23モル)を加えて予め調製しておいた重炭酸ナトリウム水溶液を加えて、全ての成分を完全に溶解させた。この時、発泡が起こった。次いで、水10kgを加えて混合し、比重1.154、pH7.3、全有効成分量23.9%の水性製剤Aを得た。
得られた水性製剤Aを−10℃で24時間保管したところ、含有成分の結晶析出および凍結は観察されなかった。
【0034】
(製剤例2)
水15kgを60℃に加温し、これに硫酸アンモニウム6.0kgを加えた。次いで、水温を60℃に維持しつつ、撹拌下でホウ酸3.0kg(硫酸アンモニウム1モルに対して1.06モル)およびリン酸水素二アンモニウム3.0kg(硫酸アンモニウム1モルに対して0.50モル)をこの順で加えて、全ての成分を完全に溶解させた。次いで、水温を60℃に維持しつつ、水10kgに重炭酸ナトリウム1.0kg(硫酸アンモニウム1モルに対して0.27モル)を加えて予め調製しておいた重炭酸ナトリウム水溶液を加えて、全ての成分を完全に溶解させた。この時、発泡が起こった。次いで、水10kgを加えて混合し、比重1.152、pH7.10、全有効成分量27.08%の水性製剤Bを得た。
得られた水性製剤Bを−10℃で24時間保管したところ、含有成分の結晶析出および凍結は観察されなかった。
【0035】
(試験例1)
杉合板1(100mm角×厚さ12mm)および杉合板2(100mm角×厚さ15mm)各2枚を、温度20℃、圧力10気圧の条件でそれぞれ水性製剤Aに3時間含浸させた。次いで、温度35℃で170時間乾燥させて、試験片を得た。木材1m3当たりの全有効成分は250kg程度であった。
得られた試験片を温度23℃、湿度50%の条件下に曝し、その質量が一定になるまで養生させた。養生後、試験片を50kWのヒーターで10分間加熱しながら、コーンカロリーメーターにより、試験片の発熱量(MJ/m2)および発熱速度(kW/m2)を測定し、総発熱量が8MJ/m2以下で、最高発熱速度が10秒以上継続して200kW/m2を超えなものを「準不燃」と評価した。
得られた結果を、用いた杉合板および水性製剤と共に表1に示す。また、各試験片の総発熱量および発熱速度の経時変化を図1および2に示す。
【0036】
【表1】

【0037】
表1、図1および2の結果から、本発明の不燃剤により処理した合板は、優れた準不燃性を有することがわかる。また、全ての合板は、その表面に粉吹き現象が観察されなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
硫酸アンモニウム、ホウ酸、リン酸水素二アンモニウムおよび重炭酸ナトリウムを有効成分として含むことを特徴とする不燃剤。
【請求項2】
有効成分が、硫酸アンモニウム1モルに対して、それぞれホウ酸0.4〜1.5モル、リン酸水素二アンモニウム0.2〜1モルおよび重炭酸ナトリウム0.2〜0.3モルである請求項1に記載の不燃剤。
【請求項3】
有効成分が、硫酸アンモニウム1モルに対して、それぞれホウ酸1〜1.2モル、リン酸水素二アンモニウム0.4〜0.6モルおよび重炭酸ナトリウム0.2〜0.3モルである請求項1に記載の不燃剤。
【請求項4】
不燃剤が水性製剤であり、その全有効成分の含有量が15〜40重量%である請求項1に記載の不燃剤。
【請求項5】
不燃剤が水性製剤であり、その全有効成分の含有量が20〜30重量%である請求項1に記載の不燃剤。
【請求項6】
木材、繊維または水性塗料に用いられる請求項1に記載の不燃剤。
【請求項7】
有効成分としてポリリン酸アンモニウムをさらに含む請求項1に記載の不燃剤。
【請求項8】
ポリリン酸アンモニウムが、硫酸アンモニウム1モルに対して0.3〜1.5モルである請求項7に記載の不燃剤。
【請求項9】
紙材に用いられる請求項7に記載の不燃剤。
【請求項10】
不燃剤が、粉末製剤である請求項1に記載の不燃剤。
【請求項11】
プラスチックまたは水性もしくは油性塗料に用いられる請求項10に記載の不燃剤。
【請求項12】
硫酸アンモニウム、ホウ酸およびリン酸水素二アンモニウムを加温下で水に溶解し、次いで重炭酸ナトリウム水溶液を添加して、水性の不燃剤を得ることを特徴とする不燃剤の製造方法。
【請求項13】
硫酸アンモニウム、ホウ酸およびリン酸水素二アンモニウムを加温下で水に溶解し、次いで重炭酸ナトリウム水溶液を添加し、得られる水性の不燃剤から水分を除去して、粉末の不燃剤を得ることを特徴とする不燃剤の製造方法。
【請求項14】
請求項1に記載の不燃剤を木材または繊維に含浸させ、乾燥することにより、木材または繊維に不燃性を付与することを特徴とする木材または繊維の不燃化方法。
【請求項15】
請求項1に記載の不燃剤を水性塗料に添加することにより、水性塗料の塗布膜に不燃性を付与することを特徴とする水性塗料の不燃化方法。
【請求項16】
請求項7に記載の不燃剤を抄紙工程におけるパルプに添加することにより、紙材に不燃性を付与することを特徴とする紙材の不燃化方法。
【請求項17】
請求項10に記載の不燃剤をプラスチックまたは水性もしくは油性塗料に添加することにより、プラスチックまたは水性もしくは油性塗料の塗布膜に不燃性を付与することを特徴とするプラスチックまたは水性もしくは油性塗料の不燃化方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【国際公開番号】WO2005/073343
【国際公開日】平成17年8月11日(2005.8.11)
【発行日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−517443(P2005−517443)
【国際出願番号】PCT/JP2005/000930
【国際出願日】平成17年1月25日(2005.1.25)
【出願人】(504036497)有限会社エー・ワイ・ケミカル (1)
【Fターム(参考)】