説明

不連続な金属粒子から作られる層を有する色効果顔料、その製造のための方法およびその使用

本発明は、板様の色効果顔料に関する。この色効果顔料は、a)金属性反射コア;b)誘電性材料から作製されるスペーサ層;ならびにc)半透明吸収層であって、全体として、1nm〜100nmの平均直径を有する本質的に不連続な金属粒子および必要に応じて少なくとも1つの他の保護層を備える、半透明吸収層の構造を有する。本発明の半透明の吸収層は、金属から生成される反射材コアの表面からスペーサ層による所定の距離にある、金属粒子またはクラスターから成り、このことが、光の照射の際に、クラスター間、および反射材コアの表面とクラスターとの間の電気力学的相互作用をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着色された効果顔料、その製造のためのプロセス、およびその使用にも関する。
【背景技術】
【0002】
効果顔料を製造するためのいくつかのプロセスは、従来技術から公知である。これらのプロセスは、ウェットケミカルプロセスまたはCVDプロセスもしくはPVDプロセスのいずれかによる、天然のマイクロメートルサイズの小板もしくは人工的に製造されたマイクロメートルサイズの小板に付加される様々な薄膜を伴う。あるいは、様々な薄膜は、フォイル様の基板に付加され得、その後、基板から引き離され、次いで、効果顔料に特有のサイズまで細かく砕かれる。
【0003】
色効果を引き起こす一連の干渉形成層が透明な基板に付加される効果顔料は、真珠のような光沢の顔料すなわち真珠光沢の顔料として一般的に公知である。透明な基板は、一般に、天然雲母もしくは合成の雲母または合成的に製造された金属酸化物からなる。干渉形成層は金属酸化物を含む。
【0004】
特許文献1(Engelhard Corp.)は、真珠光沢の顔料を記載し、この文献において、費用をかけて入手されたTiO基板は、クロム酸化物および鉄酸化物の干渉層で被覆される。
【0005】
特許文献2および特許文献3(両方ともMerckに対する)は、透明なコアおよび交互に現れる高屈折と低屈折の金属酸化物層から形成される層の連続物を有する小板形状の真珠のような光沢の顔料を記載する。
【0006】
特許文献4(Merck)は、着色された真珠のような光沢の顔料を開示し、この文献において、透明な小板形状の基板は、誘電性材料の少なくとも3つの層およびその上に吸収性の有機または無機の顔料粒子によって被覆される。
【0007】
特許文献5は、光沢のある顔料を記載し、この文献において、複数の層から形成される層の連続物は、基板として用いられる、特に、雲母、タルク、カオリンなどの透明な小板形状のシート状シリケート(Schichtsilikate)に付加された。
【0008】
特許文献6は、半透明の雲母フレーク上に金属酸化物粒子のコーティングを含む雲母フレーク顔料を開示する。
【0009】
これらのすべての真珠光沢の顔料は、それらの層構造に起因して、より高いかまたはより低い強度の干渉色効果を有するが、常に貧弱な覆いをも有し、金属的光沢が全くない。
【0010】
相対的に透明な真珠光沢の顔料と比べて、異なる金属効果顔料もあり、それらの顔料の色は、金属の反射特性かまたは表面上の他の着色物質のいずれかによる。
【0011】
例えば、特許文献7(Showa Aluminum KK)は、着色金属塩でコーティングされた金属顔料表面を開示する。特許文献8(ECKART)は、着色された顔料を含む金属酸化物層によってカプセル化されたアルミニウム顔料を記載する。これらの顔料は、金属効果顔料と着色された顔料との混合中と比較して減少し、強い色彩および金属光沢を有する。これらの顔料は、どんな色フロップ(Farbflop)も表さない。
【0012】
ミラーと、誘電層と、吸収層との組み合わせを含む顔料を製造することによってこの不利な点を克服する試みがなされてきた。そのような顔料の色は、しばしば見る角度に依存する。
【0013】
特許文献9(DuPont)は、金属の外観を有する、PVDにより製造される、アルミニウムとSiOとの交互の層の連続物を記載する。これらの顔料の色は、SiO層の厚さを変化させることによって変化させられ得る。不利な点は、この製品が、少量でかつ極端に高価で不便な方法でのみ入手可能であることである。
【0014】
特許文献10(DuPont)は、金属的に光沢のある顔料を製造するためのプロセスを開示し、この文献において、第1の工程において、ガラス基板または雲母基板は、液体相において金属ニッケル層によってコーティングされ、次いで第2工程において、ニッケル酸化物またはチタン酸化物の干渉層が付加される。しかしながら、それによって得られる干渉色は、相対的に弱い。
【0015】
特許文献11(BASF AG)は、着色された光沢のある顔料を記載し、この文献において、金属効果顔料から形成されるコアは、ウェットケミカルまたは気相反応により、無色の低屈折率の誘電層、およびその上にCVDによって付加される、着色されたまたは着色剤添加の金属酸化物から構成される高屈折の選択的吸収層を付加した。
【0016】
特許文献12(BASF AG)は、光沢のある顔料を記載し、この文献において、小板形状の基板(金属顔料)は、酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたはアルミニウム酸化水和物の第1の層、および金属および/または非選択的に吸収性の、すなわち黒色の金属酸化物の第2の層によってコーティングされる。(本質的に)中断しない金属フィルムは、常にこれらの顔料に付加される。
【0017】
特許文献13(BASF AG)は、さらなる光沢ある顔料を開示し、この文献において、透明な材料または選択的に吸収する材料のさらなる層が付加され得る。しかしながら、すべての操作は、相対的に費用がかかり、制御するのが不便で難しい気相プロセスにおいて実行される。
【0018】
特許文献14(Merck)は、着色された小板形状の顔料を記載し、この文献において、基板−金属の顔料−は、まず、シリカおよび/またはアルミナの保護層によってコーティングされ、次いで、高屈折金属酸化物(例えば、TiO)の干渉によって、その上に高密度の半透明の金属膜によってコーティングされる。ここにおけるすべてのコーティングの工程は、別々に実行される。
【0019】
特許文献15(Engelhard Corp.)は、貴金属色効果材料を記載し、この文献において、小板形状の基板は、反射貴金属層、SiOまたはMgFの透明層によって、また選択的光吸収層によってもカプセル化される。ここでも、すべての層は、均一で均質の膜状の構造を有することが明確に言及される。
【0020】
特許文献16(Flex Products,Inc.)は、光沢のある顔料を製造するためのプロセスを記載し、この文献において、種々の層は、剥離剤付きまたは無しの可撓性フィルム上にPVD蒸着される。該プロセスは、半透明な金属層−透明な誘電性スペーサ層−金属反射材層−透明な誘電性スペーサ層−半透明な金属層の層の連続物を与え得る。この層の連続物は、後の操作においてキャリアフィルムから切り離され、例えば、超音波によって所望の粒子サイズに細かく砕かれ得る。
【0021】
特許文献17(Flex Products,Inc.)は、光学的に可変のフォイルまたは顔料を記載し、この文献において、金属の反射材層は、それに、選択的に吸収する層およびその上の誘電性スペーサ層および半透明な吸収層を付加される。
【0022】
特許文献18(SICPA Holding S.A.)は、層の対称な連続物を有し、光学的に可変のPVD製造の顔料を開示する。該層の連続物は、耐腐食性アルミニウム合金と、誘電性層(SiOまたはMgF)と、半透明な部分的反射材層とから構成される全反射金属層のコアを含む。
【0023】
上記の先行技術は、色効果を得るために、中断されない非常に高密度の層を常に用いる。
【0024】
これに比べて、特許文献19(DuPont)によれば、銀の不連続な金属粒子が、雲母またはガラスからなる透明な小板形状の基板の上に堆積され、必要に応じて金属酸化物の含水層によって安定化される。この種類の顔料の不利な点は、それらの顔料が黄色っぽい相対的に弱い色調を提供するのみであることである。
【0025】
特許文献20は、(貴金属)コロイドによってキャリア材料にコーティングするプロセスを記載する。埋め込まれた金属粒子を含む層は、基板に直接付加された。提唱された顔料の色は、金属粒子の光吸収によって決定される。
【0026】
特許文献21(November AG)は、プロセスを開示し、その場合、透明な重合体の膜に、蒸発プロセスおよびスパッタリングプロセスによって、まず鏡面層と、その上の誘電性スペーサ層と、その上の、金属の不連続な粒子から構成される吸収層とが付加した。これにより、ファブリ−ペロ効果のように角度依存性である特に強度の色効果を得ることが可能になる。層の連続物はさらに、金属粒子に起因して、特質のある機械読み取り可能な吸収スペクトルを有し、従って、偽防止マーキングを生成するのに有用である。しかしながら、効果顔料がこの方法で得られるということを示すものはない。さらにここにおける色効果は、スパッタリングによって、すなわち、顔料に関するこの種のより大きな領域にとって完全に非経済的であるプロセスによって得られる。
【0027】
特許文献22は、5nm〜10000nmの粒子直径を有する球状の金属酸化粒子を開示する。様々なマトリックスへの付着を改善するために、金属酸化物粒子は、表面における粒子の隆起を有する。
【特許文献1】米国特許第6,485,556号明細書
【特許文献2】米国特許第6,596,070号明細書
【特許文献3】米国特許第6,689,205号明細書
【特許文献4】米国特許第6,884,289号明細書
【特許文献5】独国特許出願公開第10120179号明細書
【特許文献6】独国特許出願公開第1467468号明細書
【特許文献7】米国特許第4,158,074号明細書
【特許文献8】米国特許第5,931,996号明細書
【特許文献9】米国特許第3,438,796号明細書
【特許文献10】米国特許第3,536,520号明細書
【特許文献11】米国特許第5,607,504号明細書
【特許文献12】米国特許第5,624,486号明細書
【特許文献13】米国特許第5,733,364号明細書
【特許文献14】米国特許第6,783,584号明細書
【特許文献15】欧州特許第1,235,882号明細書
【特許文献16】米国特許第5,135,812号明細書
【特許文献17】米国特許第6,686,042号明細書
【特許文献18】米国特許第6,521,036号明細書
【特許文献19】米国特許第3,440,075号明細書
【特許文献20】米国特許出願公開第2004/0244649号明細書
【特許文献21】独国特許出願公開第10208036号明細書
【特許文献22】独国特許出願公開第10041038号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0028】
先行技術の不利な点を除去することが本発明の目的である。より詳細には、強度の着色を有し、仕上げに依存して、観察者の角度および色フロップのそれぞれに対する色のより顕著であるかまたは顕著ではない依存性を有する効果顔料が提供されるべきである。本発明に従う効果顔料の金属の光沢は、純粋な金属顔料と同等である。さらに本発明の効果顔料は、非常に高い絶対強度を有するスペクトル的に正確に定義された吸収帯域を有する。効果顔料の吸収特性は、理想的には機械により捕獲可能である。効果顔料の安価な製造のためのプロセスを提供することは本発明のさらなる目的である。
【課題を解決するための手段】
【0029】
この目的は、請求項1、27、35および36の特徴によって達成される。本発明の有利な実施形態は、請求項2〜26および28〜34の特徴から生じる。
【0030】
本発明に従って、
a)小板形状の金属の反射材コアと、
b)該反射材コアに付加された誘電性材料のスペーサ層と、
c)該スペーサ層に付加され、1nm〜100nmの平均直径を有する本質的に不連続な金属粒子を備えている、半透明吸収層と
を備えている、効果顔料が提供される。
【0031】
本発明は、半透明の吸収層を提供し、該半透明の吸収層は、金属から生成される反射材コアの表面(鏡として動作する)からスペーサ層による所定の距離にある、金属粒子またはクラスターから成り、このことが、光の照射の際に、クラスター間、および反射材コアの表面とクラスターとの間の電気力学的相互作用をもたらす。金属粒子により形成される吸収層に対して表面によって反射される電磁場が入射電磁波と同じ位相であるとき、共鳴が発生する。吸収係数は、個々の層の吸収係数の総計を超え、この場合、金属粒子の吸収は本質的に増幅される。ファブリ−ペロ効果も、吸収層と表面との間の複数の反射による干渉効果が特定の波長範囲の減衰または増幅を引き起こすということにおいて、増幅に寄与し、この場合角度依存の色効果が作られる。そのようなシステムは、高強度の特徴的な角度依存吸収ピークによって特徴づけられる。
【0032】
半透明吸収層を形成する金属粒子は、不連続な金属クラスターである。これらの金属粒子は、特に、中断されない層を形成しない。これらの金属粒子の各々は、共鳴し得る個々の実体を構成し得る。
【0033】
1つの実施形態に従って、上記層の連続物が、300nm〜800nmの波長範囲において、45°の観察者角度で、少なくとも60%、好ましくは80%、そしてより好ましくは90%の極大値の吸収を有することが有利であることが示された。これは、輝く金属光沢のある着色を、この効果顔料の一部に提供する。
【0034】
例えばスペーサ層から開始する、上記層の連続物は、有利には、コーティング操作によって、反射材コアの表面に直接付加される。このようなコーティング操作において、反射材コアが後にコーティング中で付加される場合に、コーティングされるべき物品上で平坦に横方向に並び、そして高い金属光沢を生じる目的で、これらの反射材コアが、非常に平坦な小板を形成することが有利である。
【0035】
有利には、少なくとも1つの保護層が、吸収剤層上に付加される。保護層は、不連続な金属粒子の脱着および/または腐食を防止する。
【0036】
好ましい実施形態において、金属反射材コアは、15nm〜1000nmの平均層厚さを有する。この金属反射材コアは、1μm〜500μm、そして好ましくは、5μm〜100μmの平均直径を有する。本明細書中で言及される平均直径とは、適切な器具(例えば、Cilas 1064)によりレーザー回折(フラウンホーファー回折)によって代表的に測定される場合の、サイズ分布曲線の累積ふるい下分布のd50値である。特に好ましい実施形態において、金属反射材コアは、小板形状の金属顔料である。この小板形状の金属顔料は、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、チタン、クロム、銀、金、ニッケル、コバルト、またはこれらの合金から構成され得る。アルミニウム顔料が、特に有用である。なぜなら、アルミニウム顔料は、ニスに含まれて物品に塗布された後に、さらなるコーティングなしでさえも、強い金属光沢を示すからである。平坦な鏡面への塗布は、金属の印象をさらに増強し得る。有用な金属反射材コアとしてはさらに、金属反射材層をさらに付加された、非金属の小板形状の基板が挙げられる。これらの例は、金属処理された小板形状の金属酸化物、またはシート状シリケートであり、小板形状のSiOまたは小板形状のAlが、特に好ましい。この種の顔料は、例えば、欧州特許出願公開第1 438 359号明細書に開示されており、これは、本明細書中に参考として援用される。
【0037】
小板形状の金属反射材コアは、10〜7000、好ましくは、50〜1000、そしてより好ましくは、70〜200の形状係数(すなわち、平均長手軸方向寸法対平均厚さの比)を有する。
【0038】
スペーサ層に関して、スペーサ層は、20nm〜1000nm、そして好ましくは、80nm〜600nmの厚さを有し、これによって、得られる薄膜構築物の吸収が、肉眼で容易に見える範囲において極大であることが有利であることが示された。スペーサ層は、無機材料から製造されても有機材料から製造されてもよい。無機材料は、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属窒化物、金属オキシ窒化物、金属フッ化物、金属炭化物、混合酸化物、混合窒化物、または混合オキシ窒化物を含み得、特に、酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、酸化スズ、窒化スズ、酸化チタン、窒化チタン、またはフッ化マグネシウムを含み得る。有用な有機材料としては、特に、以下のポリマーが挙げられる:ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)、ポリメタクリレート(PMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリレート(PA)またはニトロセルロース(NC)。
【0039】
誘電層の特定の材料もまた、顔料の色フロップの程度を決定する。光学的に高密度な材料(例えば、酸化チタン)の選択は、生じる色フロップを弱くする。光学的により透明な材料(例えば、酸化ケイ素)の選択は、生じる色フロップを強める。従って、色フロップの程度は、材料の適切な選択によって、所望のように変更され得る。
【0040】
反射材コアを囲む誘電性スペーサ層は、その厚さが変動し得る。この場合、得られる効果顔料は、様々な色に見える。ゾル−ゲルプロセスでのコーティングにより、容易に制御可能かつ誘導可能な操作で、1マイクロメートルまでの厚さを有する透明なスペーサ層を製造することが可能になる。これにより、このようなスペーサ層の単純な製造が可能になる。
【0041】
さらなる好ましい実施形態において、誘電性スペーサ層は、金属粒子がこのスペーサ層によりよく結合し得るように、化学コーティングおよび/または表面修飾により、活性化される。このような活性化コーティングは、好ましくは、有機官能性シランを用いてなされる。エポキシシラン、メルカプトシラン、イソシアナトシランまたはアミノシランが、好ましくは使用される。
【0042】
さらなる実施形態において、金属粒子は、スペーサ層に直接結合されても間接的に結合されてもよい。提唱される実施形態は、スペーサ層への金属粒子の吸着結合、またはマトリックスへの金属粒子の組み込みを可能にする。好ましくは、これらの金属粒子は、スペーサ層に共有結合し得るかまたは化学吸着により結合し得る。
【0043】
金属粒子が、1nm〜100nm以下、好ましくは、2nm〜50nm、そしてより好ましくは、3nm〜35nmの金属粒子の平均サイズを有する不連続な島を形成することが、有利であることが示された。これらの金属粒子は、好ましくは、金属伝導性の材料からなる。より具体的には、これらの金属粒子は、金、銀、銅、パラジウム、白金、ニッケル、チタン、クロム、亜鉛、スズ、インジウム、コバルト、またはこれらの合金からなる。
【0044】
半透明な吸収層は、ナノ粒子の形態の金属粒子から本質的になる。ナノ粒子の形態とは、300nm未満のサイズの金属粒子を意味すると理解されるべきである。半透明な吸収層において使用される金属の総量に基づいて、90重量%より多く、好ましくは、95重量%より多く、そしてより好ましくは、99重量%より多くの金属粒子が、ナノ粒子形態で存在する。従って、先行技術から公知であるような金属の連続層は、形成されない。
【0045】
金属粒子は、スペーサ層を備える効果顔料の表面の大部分を覆う。特定の被覆度において、これらの金属粒子は、有利には、一緒になって島を形成する。表面被覆率は、全表面積の20%〜100%、好ましくは、30%〜100%、そしてより好ましくは、50%〜100%である。このことは、適切な数(約10個)の効果顔料の走査型電子顕微鏡写真によって、確認され得る。参照点とは、本明細書中で、スペーサ層を備える効果顔料の全表面積であり、ただし、金属粒子の島内の個々の非占有位置は、計数に含まれない。
【0046】
好ましい実施形態において、不連続な金属粒子は、誘電性マトリックスによって囲まれ、そして/または全体が半透明な吸収層に包埋される。これにより、これらの金属粒子の機械的に安定な結合を確実にする。
【0047】
スペーサ層を囲む、全体が半透明な吸収層の層の厚さは、不連続な金属粒子の平均直径の5倍以下であり、そして好ましくは、2倍以下である。この比較的狭い厚さの範囲内で、金属粒子と金属反射材コアとの上記電磁相互作用は、特に有利な効果を得る。
【0048】
特に好ましい実施形態において、不連続な金属粒子の平均直径は、10nm〜25nmであり、そして全体が半透明な吸収層の層の厚さは、20nm〜40nmである。
【0049】
金属粒子は、各々が、保護層でコーティングされ得、その結果、これらの金属粒子は、環境効果に対して安定化されるか、または金属粒子の安定化を引き起こし、そして/もしくはスペーサ層への金属粒子の付着を可能にする分子によって囲まれる。
【0050】
有利には、吸収層全体が、高密度な保護層で覆われる。これにより、環境効果(例えば、水または酸素に起因する腐食)に対するこの効果顔料の安定化を提供する。
【0051】
金属粒子自体の上でありかつ吸収層上の保護層は、機械的損傷および化学影響に対する保護を提供する。しかし、これらの保護層はまた、特性色スペクトルを規定された様式で変更し得、これによって、層状構築物の複雑さを増加させるので、所望の色が一達成されるべきである場合、考慮に入れることが必要になる。保護層は、電磁放射線に対して透明な、以下の材料のうちの1つから製造され得る:有機合成樹脂、金属酸化物、金属窒化物、金属オキシ窒化物、金属炭化物、金属フッ化物、特に、酸化ケイ素、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化スズ、窒化スズ、酸化アルミニウムまたは窒化アルミニウム。これらの材料は、本質的に化学的に不活性であり、そして水分に非感受性である。
【0052】
コーティングされるべき反射材コアは、コーティングの前には異なる色を有し得る。この場合、層の連続物によりもたらされる光学効果は、この反射材コアの、理想的な鏡からの逸脱によって、予測不可能に影響を受け得る。本発明によれば、電磁波を反射させる反射材コア表面が、可視スペクトルの少なくとも一部にわたって、50%より高い反射率を示すのが、有利な実施形態であることが示された。吸収層は、可視スペクトルの少なくとも一部にわたって、50%未満の反射率を有することが、さらに有利である。
【0053】
効果顔料は、有利には、全ての層が一緒になって、90%未満の程度まで入射光を吸収し、これによって、すぐ下で着色する反射材コアが依然として容易に見えるように構成されることが有利であり得る。
【0054】
本発明は、本発明の効果顔料を製造するためのプロセスをさらに提供する。このプロセスは、以下の工程を包含する:
aa)小板形状の金属反射材コアを、誘電性材料から製造されたスペーサ層でコーティングする工程;および
bb)全体が半透明な吸収層をこのスペーサ層に付加する工程であって、この吸収層が、1nm〜100nmの平均直径を有する本質的に不連続な金属粒子を含む、工程。
【0055】
有利な実施形態において、少なくとも1つの保護層が、吸収層に付加される。
【0056】
さらなる実施形態は、層の連続物の層(特に、スペーサ層および保護層)が、少なくとも部分的に、溶液からウェットケミカルにより堆積されることを提供する。特に好ましい実施形態において、工程aa)および/または保護層の付加は、ウェットケミカルのゾル−ゲルプロセスによって行われる。
【0057】
具体的には、PVDプロセスおよび/またはCVDプロセスなどが、さらに企図される。層の連続物の層を、少なくとも部分的に薄膜技術によって製造することもまた、可能である。このことに関して、最初に引用された、Flex Products、Merck,BASFおよびDuPontの会社の出願が参照される。
【0058】
不連続な金属粒子は、有利には、溶液ベースのヘテロ凝固プロセスで付加される。ヘテロ凝固プロセスとは、粒子の特徴的な寸法に区別可能な差異が存在しながら、1種の様々な粒子が別の様々な粒子に結合するプロセスである。より具体的には、1種の様々な粒子(金属粒子、球状)は、本質的に金属であり、そして2nm〜100nmの直径を有し、一方で、他の粒子は、誘電性層でコーティングされた小板形状の反射材コアであり、そして2μm〜20μmの直径を有する。誘電コーティングされた反射剤コアおよび金属ナノ粒子が、ヘテロ凝固の前に、表面官能基化に供され、その結果、これらの表面官能化が、理想的には、互いに共有結合相互作用して、吸収層上へのナノ粒子の固着を可能にし得るか、またはこの表面に物理吸着もしくは化学吸着により結合することが、有利であることが示された。一例として、アミノ官能基化されたナノ粒子と、グリシジル官能基化またはイソシアナト官能基化されたコーティングされた反射材コアとの反応がいえる。当業者には、多数のこのような適切なプロセスが公知である。このようなプロセスは、すでに規定されて容易に特徴付け可能なナノ金属粒子が使用され得、従って、プロセスの一貫性が高いという利点を有する。第一工程において充分な被覆が達成されない場合、このようなヘテロ凝固工程のための付加が、1回より多く、特に好ましくは、2回繰り返されることが有利であり得る。被覆の程度は、既存の分析方法を使用して決定され得る。
【0059】
しかし、さらなる実施形態において、不連続な金属粒子およびナノ粒子をウェットケミカルによりインサイチュで、適切な金属塩の還元により沈殿させ、これによって、これらの粒子を反射材コア上に直接堆積させることもまた、可能である。しかし、この形態でナノ粒子を沈殿させるためには、均一な色効果が得られ得るように、反応パラメータ(温度、濃度、基板の比表面積など)に正確に従うために、非常に注意を払わなければならない。
【0060】
効果顔料のさらなる実施形態については、前述のことが参照される。
【0061】
本発明の着色された効果顔料は、通常、粉末形態またはペーストとして与えられる。しかし、本発明の着色された効果顔料はまた、有利な形態(例えば、乾燥製品および顔料調製物)での提供で用途を見出し得る。ペレット、小ソーセージ(Wuerstchen)、錠剤、ブリケット、または顆粒が、例として本明細書中で言及され得る。
【0062】
本発明の着色された効果顔料は、塗料、ニス、粉末コーティング、印刷用インク、プラスチック、化粧用処方物、セラミック材料、紙、ガラス、またはセキュリティー用途において、さらに用途を見出す。
【0063】
好ましい実施形態において、効果顔料は、ニスに組み込まれ得る。この場合、このニスは、次に、構築物の材料の表面に塗布され得る。これにより、このように構築された金属光沢を有する着色された顔料を、コーティングされるべき物品に付加することが可能になる。
【0064】
通常の例は、日用品(例えば、自動車およびその本体部品など)を処理するためのコーティングである。コーティングされる顔料は、所定の厚さでコーティング中で付加される。このようなコーティングは、永続的に可視である。これは、非常に安定である。このコーティング層は、有利には、周知の有機ポリマーおよび/または無機ポリマー(例えば、飽和または不飽和のポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリカーボネート、アミノ樹脂、アミド樹脂、フェノール性樹脂、ケトン樹脂、アルデヒド樹脂、イソシアネート樹脂、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリスチレン、シリコーン樹脂など)からなり得る。
【0065】
本発明の顔料を使用して印刷用インクに色を付けることにより、マーキングが機械読み取り可能であるので、セキュリティー用途(例えば、切符、高価な商品または他の文書のための偽造防止ラベル)のための使用もまた可能である。
【0066】
また有利なのは、特に、化粧用処方物(例えば、口紅、マニキュア、ペン、化粧品、シャンプー、ばらの粉末および圧縮した粉末、またはアイシャドウ)におけるこれらの顔料の使用である。これは、眼の領域において、特に、既存の規制が、既存の顔料を用いて金属光沢および強い着色を達成することを可能にすることに起因する。
【0067】
本発明の例は、ここで、図面を参照しながらより具体的に明らかにされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
図1および図2において、参照符号2は、電磁波を反射する表面(すなわち、鏡面層)を表す。この層は、例えば、アルミニウムの薄膜からなり得る。しかし、鏡面層2はまた、キャリア1に付加される金属層であり得る。キャリア1は、コーティングされるべき顔料を含み得る。鏡面層2は、金属光沢を有する顔料または反射材コア(例えば、アルミニウム顔料)の場合には、省略され得る。
【0069】
効果顔料の機能は、以下のとおりである:
周囲の光または光源(例えば、白熱電球、レーザー、蛍光管またはキセノンランプ)からの光が、図1、図2、および図3に示される効果顔料のうちの1つに入射すると、この光は、鏡面層2において反射される。この反射された光は、金属粒子から作製された吸収層または金属粒子層4と相互作用するので、この入射光の一部が吸収される。反射された光は、複数のパラメータ(例えば、層状構築物の光学定数)に依存する特性スペクトルを有する。この効果顔料は、着色された外観を有する。この着色は、コーティングされる顔料の金属光沢の特性に影響を与えない。これは、非常に小さい層の厚さおよび均質な付加に起因する。このように得られる色の印象は、角度依存性であり得、そして裸眼によってのみでなく、反射率モードでの光度計(好ましくは、分光光度計)によってもまた、同定可能であり得る。このような光度計は、例えば、2つの異なる角度から、これらの表面の着色を捕捉し得る。このことは、2つの光源(これらは、適切にオンに切り替えられる)を使用して検出器を適切に傾斜させることにより1つの検出器によってか、または2つの異なる角度から照射されたサンプルを2つの対応する角度から測定する2つの光度計によってかのいずれかで、達成される。
【0070】
相互作用を生じるために従うべきパラメータに関して、米国特許第5,611,998号およびWO99/47702の開示が本明細書中に参考として援用される。
【0071】
図4は、本発明の吸収剤層、すなわち金属粒子層と、従来の連続的な、すなわち中断されていない金属層によって形成されている層との間の差を図示する。図4に示されるスペクトルは、均質な金属層を有するガラス製のスライドガラス、または金属コロイドでコーティングされたスライドガラスを用いて測定された。これらのスライドガラスは、1mmの厚さである。これらのスライドガラスは、各場合において、20nmの厚さの金層を付加される。
【0072】
図4に図示されるスペクトルの比較は、特に、20nmまでの範囲の厚さを有する金属粒子層が、短波長側にシフトした特性吸収ピークを有することを示す。この吸収ピークは、非常に幅広く、そして非対称である。コンピュータシミュレーションから得られ得るスペクトルは、巨視的測定の光学定数に基づくので、均質な金属層と非常に似ている。
【0073】
図5は、図1によるマーキングのスペクトルを示す。これらのスペクトルは、Perkin Elmer製のLambda 25 UV/VIS分光計によって、反射挿入物を使用して測定された。観察者の角度が増加すると強度の極大値が短波長側にシフトすることが、図5から明らかである。図5に示されるスペクトルは、均質な金属層でコーティングされたスライドガラス、または金属コロイドでコーティングされたスライドガラスを用いて測定された。これらのスライドガラスは、1mmの厚さを有する。これらのスライドガラスは、各場合に、20nmの厚さの金層を付加された。この金属粒子層は、270nmの厚さを有するMgF製のスペーサ層で覆われる。このスペーサ層は、次に、20nmの厚さの鏡面層で覆われる。これらの層は、化学カップリングまたは減圧コーティングによって、スライドガラスに付加された。各測定は、18°の観察者の角度で行われた。
【0074】
図5に図示される反射率スペクトルの比較は、金属粒子層が、クラスターから形成されない層と比較して、長波長側にシフトした特性吸収スペクトルを有することを示す。クラスターから形成された吸収層の純粋な透過スペクトルおよびクラスターから形成されていない吸収層の純粋な透過スペクトルを示す図4とは異なり、図5は、本発明による構築物に対応するモデル系の反射率を図示する。
【実施例】
【0075】
(実施例1)
(a)誘電コーティングされた反射材コアの製造
100gのアルミニウム小板またはアルミニウムフレーク金属顔料ペースト(ECKART製のMetallux 2154)を500mlの75%エタノールに分散させ、242gのテトラエトキシシランと混合し、そして沸点まで加熱する。次いで、10gの25%アンモニア溶液と160gの水との混合物を、40時間かけて計量しながら添加する。この計量しながらの添加が終了したら、この混合物を還流しながらさらに10時間攪拌し、次いで、得られた顔料を濾別し、そして減圧中で乾燥させる。50%のSiO含有量を有し、わずかに青色の色相を有する生成物を得る。
【0076】
(b)誘電コーティングされた反射材コアのシラン化
実施例1のコーティングされたアルミニウムフレーク5gを、95%エタノールで洗浄する。これに続いて、2回蒸留した水で洗浄し、そして乾燥させる。これらのアルミニウムフレークを、95mlの95%エタノール中5mlの3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシランの溶液に30分間分散させ、次いで、95%エタノールで2回洗浄する。その後、これらを80℃で30分間乾燥させる。この時点で、これらのアルミニウムフレークは、反応性エポキシ基で囲まれている。
【0077】
(c)金ナノ粒子の製造
2回蒸留した水中の四塩化金水素(III)三水和物の1mM溶液50mlを、コニカルフラスコに入れ、そして沸点まで加熱する。その後、2回蒸留した水中の50mlの38.8mMクエン酸ナトリウム溶液を添加する。この溶液をその温度で約30分間攪拌しながら維持する。黄色から青色を経て赤色への色変化が起こる。冷却後、この溶液を遠心分離し、そしてその上清をデカンテーションする。次いで、これらの金粒子を、50mMのL−システインエチルエステルの溶液50mlと混合し、そして24時間静置する。引き続いて、2回蒸留した水でその体積を元の体積にし、続いて遠心分離し、そしてデカンテーションする。これをさらに2回繰り返す。終了時に、10nm〜20nmの直径を有し、遊離−NH基で囲まれている金ナノ粒子が得られる。
【0078】
(d)アミノ修飾された金の金属粒子の、グリシジル修飾された誘電コーティングされた反射材コアへの付着
実施例2のエポキシ官能基化アルミニウムフレーク5gを、pH8の0.1M緩衝溶液中のNH官能基化金ナノ粒子の溶液中で、室温で2時間攪拌すると、エポキシ基とNH基との間に共有結合が形成される。引き続いて、着色されたアルミニウムフレークを、水で洗浄し、そして濾別する。金属粒子でのアルミニウムフレークの連続的なコーティングを確実にするために、金粒子のさらなる層が付加され得る。この目的で、グルタルアルデヒドの2mM溶液50mlを、このアルミニウムフレークに添加し、続いて3時間攪拌する。次いで、これらのアルミニウムフレークを濾別し、そして水で3回洗浄する。次いで、これらのアルミニウムフレークを再度、官能基化した金粒子の溶液に入れ、そして3時間インキュベートする。被覆が不充分である場合、最後の2工程を繰り返し得る。
【0079】
(実施例2)
(誘電修飾された反射材コアへの銀ナノ金属粒子の沈殿)
8gの硝酸銀を500mlの2回蒸留した水に溶解し、次いで、一旦形成する褐色沈殿物が再度溶解するまで、充分な濃度のNH溶液と混合する。次いで、実施例1によって得られた誘電コーティングされた金属効果顔料20g、5gの飽和グルコース溶液、および5gの10%KOH溶液を攪拌しながら添加する。数秒以内に、この反応溶液は、青紫色になる。30分後、得られた顔料を濾別し、洗浄し、そして減圧中で乾燥させる。得られた生成物は、観察角度に依存して、緑色から青緑色を経て紫色までの顕著な色変化を示す。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】図1は、第一の効果顔料の概略断面図を示す。
【図2】図2は、第二の効果顔料の概略断面図を示す。
【図3】図3は、コーティングの補助によって、図1または図2の効果顔料を物品に付加することの概略断面図を示す。
【図4】図4は、滑らかな金属層の透過スペクトルの計算値および測定値、ならびに同じ厚さの吸収層の透過スペクトルの測定値を示す。
【図5】図5は、a)鏡面層−透明スペーサ層−半透明な滑らかな金属層からなる層の連続物、およびb)鏡面層−透明なスペーサ層−半透明な金属−不連続粒子の金属粒子層からなる層の連続物の反射率スペクトルの測定値を示す。
【図6】図6は、本発明の実施例1dの走査型電子顕微鏡写真を示す。
【図7】図7は、本発明の実施例2の走査型電子顕微鏡写真を示す。
【符号の説明】
【0081】
1 金属反射材コア
2 鏡層または鏡面
3 不活性スペーサ層
4 不連続な金属粒子
5 金属粒子を結合する層および/または保護層
6 図1または図2の効果顔料
7 顔料の付加のためのコーティング
8 日用品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)小板形状の金属の反射材コア(1)と、
b)該反射材コア(1)に付加された誘電性材料のスペーサ層(3)と、
c)該スペーサ層(3)に付加され、1nm〜100nmの平均直径を有する本質的に不連続な金属粒子を備えている、半透明吸収層(4)と
を備えている、効果顔料。
【請求項2】
少なくとも1つの保護層(5)が前記吸収層(4)に付加されることを特徴とする、請求項1に記載の効果顔料。
【請求項3】
前記金属の反射材コア(1)は、アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、チタン、クロム、銀、金、ニッケルおよびそれらの合金からなる群から生成されることを特徴とする、請求項1または2に記載の効果顔料。
【請求項4】
前記金属の反射材コア(1)は、非金属の小板形状の基板であって、その上に付加された金属の反射材層を有する基板からなることを特徴とする、請求項1に記載の効果顔料。
【請求項5】
前記金属の反射材コア(1)は、その長手寸法において、サイズ分布曲線の累積ふるい下分布に対して、1μm〜500μm、好ましくは、5μm〜100μmのd50値を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項6】
前記金属の反射材コア(1)は、40nmの平均最小層厚さを有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項7】
前記スペーサ層(3)は、20nm〜1000nm、好ましくは、80nm〜600nmの層厚さを有することを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項8】
前記スペーサ層(3)は、無機材料または有機材料から作られることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項9】
前記スペーサ層(3)は、金属酸化物、金属酸化物水和物、金属窒化物、金属オキシ窒化物、金属炭化物、金属フッ化物のうちの少なくとも1つの材料から、特に、酸化ケイ素、酸化ケイ素水和物、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化アルミニウム水和物、フッ化マグネシウム、酸化スズ、窒化スズ、酸化亜鉛または窒化亜鉛から作られることを特徴とする、請求項8に記載の効果顔料。
【請求項10】
前記スペーサ層(3)は、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリウレタン(PU)、ポリイミド(PI)、ポリスチレン(PS)またはポリメタクリレート(PMA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリアクリレート(PA)、ニトロセルロース(NC)のうちの少なくとも1つの有機ポリマーまたはその混合物から作られることを特徴とする、請求項8に記載の効果顔料。
【請求項11】
前記スペーサ層(3)の表面は、活性化されていることを特徴とする、請求項1〜10のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項12】
前記表面は、有機官能性シラン、好ましくは、エポキシシラン、メルカプトシラン、イソシアナトシラン、アミノシランまたはそれらの混合物のうちの1つの有機官能性シランを用いて、コーティングされることによって活性化されることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項13】
前記不連続な金属粒子は、金、銀、銅、パラジウム、白金、ニッケル、チタン、クロム、亜鉛、スズ、インジウム、コバルトのうちの1つの金属から、または、不可欠な成分として上記の金属のうちの1つを含む合金から作られることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項14】
前記不連続な金属粒子はコア−シェル粒子からなることを特徴とする、請求項1〜13のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項15】
前記コア−シェル粒子は、金属からなるコアと、該コアの金属以外の金属、半導体材料または誘電体からなるシェルとから構成されることを特徴とする、請求項14項に記載の効果顔料。
【請求項16】
前記コア−シェル粒子の前記コアは、金、銀、銅、パラジウム、白金、ニッケル、チタン、クロム、亜鉛、スズ、インジウム、コバルトのうちの1つの金属から、または、不可欠な成分として上記の金属のうちの1つを含む合金から作られることを特徴とする、請求項15に記載の効果顔料。
【請求項17】
前記コア−シェル粒子の前記シェルは、硫化カドミウム、セレン化カドミウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、酸化亜鉛、硫化鉛うちの1つの半導体から作られることを特徴とする、請求項15または16に記載の効果顔料。
【請求項18】
前記コア−シェル粒子の前記シェルは、コアを生成するために用いられる材料の酸化物、水酸化物、酸化物水和物のうちの1つの不導体またはその混合物から、またはケイ素、アルミニウム、ジルコニウムの元素およびそれらの混合物の酸化物水和物から生成されることを特徴とする、請求項15または16に記載の効果顔料。
【請求項19】
前記コア−シェル粒子は表面修飾されることを特徴とする、請求項14〜18のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項20】
前記コア−シェル粒子は、シラン、チタネート、ジルコネート、アミン、アルコール、チオールのうちの1つの材料を用いてコーティングすることによって、表面修飾されることを特徴とする、請求項19に記載の効果顔料。
【請求項21】
前記コア−シェル粒子は、ポリマーを用いてコーティングすることによって、表面修飾されることを特徴とする、請求項19に記載の効果顔料。
【請求項22】
前記不連続な金属粒子は、2nm〜50nm、好ましくは、3nm〜35nmの平均粒子サイズを有することを特徴とする、請求項1〜21のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項23】
前記不連続な金属粒子は、誘電体マトリックスによって包まれ、かつ/または誘電体マトリックスに埋め込まれていることを特徴とする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項24】
前記吸収層(4)の層厚さは、前記不連続な金属粒子の平均直径の5倍以下であり、好ましくは2倍以下であることを特徴とする、請求項1〜23のいずれか1項に記載の効果顔料。
【請求項25】
前記不連続な金属粒子の平均直径は10nm〜25nmであり、前記吸収層の層厚さは20nm〜40nmであることを特徴とする、請求項24に記載の効果顔料。
【請求項26】
前記保護層は、有機合成樹脂または金属酸化物からなることを特徴とする、請求項1〜25のいずれか1項に記載の着色された効果顔料。
【請求項27】
請求項1に記載の効果顔料を製造するためのプロセスであって、
aa)誘電体材料から作られるスペーサ層(3)を用いて小板形状の金属の反射材コア(1)をコーティングする工程と、
bb)全体が半透明な吸収層(4)を該スペーサ層(3)に付加する工程であって、該吸収層(4)は、1nm〜100nmの平均直径を有する本質的に不連続な金属粒子を備えている、工程と
を包含する、プロセス。
【請求項28】
少なくとも1つの保護層を前記吸収層(4)に付加する工程をさらに包含する、請求項27に記載のプロセス。
【請求項29】
前記スペーサ層(3)を前記反射材コア(1)に付加する工程は、ゾル−ゲルプロセスを用いて行われることを特徴とする、請求項27または28に記載の効果顔料を製造するためのプロセス。
【請求項30】
前記スペーサ層(3)を前記反射材コア(1)に付加する工程は、CVDプロセスを用いて流動床において行われることを特徴とする、請求項27または28に記載の効果顔料を製造するためのプロセス。
【請求項31】
前記不連続な金属粒子は、溶液ベースのヘテロ凝固プロセスを用いて付加されることを特徴とする、請求項28〜30のいずれか1項に記載の効果顔料を製造するためのプロセス。
【請求項32】
前記不連続な金属粒子は、金属塩の還元によってウェットケミカルにより前記スペーサ層(3)に堆積されることを特徴とする、請求項28〜31のいずれか1項に記載の効果顔料を製造するためのプロセス。
【請求項33】
前記不連続な金属粒子は、ゾル−ゲルプロセスを用いて、またはCVDプロセスを用いる流動床において、保護層を用いてコーティングされることを特徴とする、請求項28〜31のいずれか1項に記載の効果顔料を製造するためのプロセス。
【請求項34】
着色された前記不連続な金属粒子は、操作において、またはその後に、官能基を有する分子によって安定化または修飾されることを特徴とする、請求項28〜32のいずれか1項に記載の効果顔料を製造するためのプロセス。
【請求項35】
ペレット、小ソーセージ、錠剤、ブリケットまたは顆粒などの乾いた製品および顔料調製物における、請求項1〜26のいずれか1項に記載の効果顔料の使用。
【請求項36】
塗料、ニス、粉末コーティング、印刷インク、プラスチック、化粧用処方物、セラミック材料、紙、ガラスまたは警備用途における、請求項1〜26のいずれか1項に記載の効果顔料の使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−511725(P2009−511725A)
【公表日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535962(P2008−535962)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【国際出願番号】PCT/EP2006/010043
【国際公開番号】WO2007/045452
【国際公開日】平成19年4月26日(2007.4.26)
【出願人】(508119127)アイデンティフ ゲーエムベーハー (1)
【出願人】(508119138)エッカルト ゲーエムベーハー ウント コンパニー カーゲー (1)
【Fターム(参考)】