説明

不飽和mTOR阻害剤

式(I)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、mTORの阻害剤であり、癌治療において有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の背景
本発明は、哺乳類ラパマイシン標的(mTOR)キナーゼ(FRAP、RAFT、RAPT、SEPとしても知られる。)の阻害剤である二環式化合物に関する。特に、本発明は、癌治療に有用なmTOR阻害剤である縮合二環式化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
国際特許公開第WO2001 019828号は、プロテインキナーゼ阻害剤として複素芳香族アミンの調製を記載する。国際特許公開第WO2005/047289号は、癌治療に有用なピロロピリミジン化合物を記載する。
【0003】
高レベルの調節不全のmTOR活性は、結節性硬化症、PTEN関連過誤腫症候群およびポイツジェガース症候群を含む、様々なヒト癌およびいくつかの過誤腫症候群に関連していることが示されている。ラパマイシンアナログは、mTORキナーゼ阻害剤として、癌について臨床開発中であるが、CCI−779を有する臨床転帰は、乳癌および腎臓癌の患者にまさに控えめである。これは、恐らくラパマイシンがraptor−mTOR複合体(mTORC1)を介して部分的にmTOR機能を阻害するためである。また、乳癌患者の2/3および腎臓癌患者の1/2は、ラパマイシン療法に抵抗性があることが分かっている。細胞生存の調節に重要なAKT(S473)のリン酸化におよびアクチン細胞骨格構築のラパマイシン非依存性の方法における調節に重要な役割を果たすPKCαの調節に関与するrictor−mTOR複合体(mTORC2)の最近の発見により、mTORのこれら活性の阻害は、恐らく、より広範な抗腫瘍活性およびより良好な有効性のために重要である。従って、mTORC1およびmTORC2を阻害するmTORキナーゼの直接阻害剤である新規化合物を開発することが好ましい。
【0004】
いくつかの研究において、ラパマイシン、すなわちマクロライド抗生物質は、特に、体外および生体内のmTORキナーゼ活性を阻害することが示されている。ラパマイシンによるmTOR機能を阻害する正確なメカニズムはあまり理解されていないが、ラパマイシンは、まず、FKBP12(FK506結合タンパク質)に結合し、その後、mTORのFRB領域に結合し、かくして、立体配座の、基質の結合を阻害する変化を生じさせることにより、mTOR活性を阻害することが知られている。ラパマイシンは、シグナル変換および癌におけるmTORの役割を示すための前臨床試験において、特異的mTOR阻害剤として広範に使用されている。しかし、ラパマイシンは、スクリーニング計画で有意な抗腫瘍活性を観察したにも拘わらず、安定性および溶解性の問題のため、癌療法として開発されなかった。しかしながら、優れた溶解性および安定性の特性を有するラパマイシンアナログの合成は、CCI−779、RAD001およびAP23573を使用して臨床試験を実施することに繋がっている。最先端のラパマイシンアナログ、CCI−779は、II相の乳癌、腎臓癌およびマントル細胞リンパ腫臨床試験において、適度な抗腫瘍活性を示している。
【0005】
Tor遺伝子は、初めは、薬物ラパマイシンの標的として、酵母中にて特定された。酵母TORの構造的および機能的に保存された哺乳類の対応物、mTORは、後に発見された。mTORは、ホスホイノシチドキナーゼ関連キナーゼ(PIKK)群の一員であるが、むしろ、リン酸化ホスホイノシチド、すなわちセリンまたはトレオニン残基上のリン酸化タンパク質である。遺伝学的研究により、mTORは、ショウジョウバエ、線虫および哺乳類において細胞増殖および発生にとって極めて重要であり、mTORをコード化する遺伝子破壊は、すべての種において、死をもたらすことが示された。いくつかの研究が、mTORは、細胞増殖、拡散および代謝を制御する中心的役割を有することを示している。mTORは、翻訳、転写、mRNA代謝回転、タンパク質安定性、アクチン細胞骨格構築および自食作用を含む、広範囲の細胞機能を調節する。哺乳類細胞において、2つのmTOR複合体がある。mTOR複合体I(mTORC1)は、raptor−mTOR複合体であり、ラパマイシンに対して感受性のある方法にて主に細胞増殖を調節し、一方、mTOR複合体II(mTORC2)は、rictor−mTOR複合体であり、ラパマイシンに対して感受性のない方法にて細胞骨格形成を調節する。
【0006】
哺乳類細胞において最も特徴付けられたmTORの機能は、翻訳調節である。リボソームのS6キナーゼ(S6K)および真核生物イニシエーション因子4E結合タンパク質1(4E−BP1)(mTORの最も広範囲に研究された基質)は、タンパク質翻訳の重要な調節因子である。S6Kは、哺乳類細胞において、主要なリボソームタンパク質キナーゼである。S6KによるS6タンパク質のリン酸化は、ピリミジンモチーフ索を含むmRNA(これらのmRNAは、多くの場合、リボソームタンパク質および他の翻訳調節因子をコードしている。)の翻訳を選択的に増加させる、従って、S6Kは、細胞の全体的な翻訳能力を高める。4E−BP1、他のよく特徴付けられたmTOR標的は、真核生物mRNAの5’末端キャップを認識する真核生物イニシエーション因子4E(eIF4E)に結合しこれを阻害することにより翻訳阻害因子としての機能を果たす。mTORによる4E−BP1のリン酸化は、eIF4Eからの4E−BP1の解離をもたらし、それによって、eIF4E依存性翻訳開始における4E−BP1の阻害を軽減する。eIF4E過剰発現は、細胞増殖を高め、サイクリンD1、c−MycおよびVEGFを含む主要な増殖促進タンパク質のサブセットの翻訳を増加させることにより、細胞を形質転換する。従って、4E−BP1およびS6Kの双方のmTOR依存性調節は、mTORが細胞増殖を正に調節する1つのメカニズムであろう。mTORは、細胞増殖の調節に関与する最も重要な細胞外および細胞内のシグナルのうちの2つである、増殖因子および栄養素を統合する。インシュリンまたはIGF1などの増殖因子およびアミノ酸またはグルコースなどの栄養素は、S6Kおよび4E−BP1のリン酸化の増加からも明らかにされたように、mTOR機能を高める。ラパマイシンまたはドミナントネガティブmTORは、これらの効果を阻害し、mTORが増殖因子および栄養素からのシグナルの調節を統合していることを示している。
【0007】
mTORの上流および下流であるシグナル経路は、多くの場合、乳癌、肺癌、腎臓癌、前立腺癌、血液癌、肝臓癌、卵巣癌、甲状腺癌、消化管癌およびリンパ腫を含む様々な癌において、脱制御されている。過剰発現した受容体チロシンキナーゼおよび構成的に活性化した変異受容体を含む腫瘍遺伝子は、PI3K媒介のシグナル経路を活性化する。ヒト癌におけるPI3K−mTOR経路の追加の変化は、PI3Kのp110触媒サブユニットの増幅、PTENホスファターゼ機能の喪失、AKT2の増幅、TSC1またはTSC2における然変異およびeIF4EまたはS6K1の過剰発現または増幅を含む。TSC1およびTSC2のヘテロ接合性の変異または消失は、ほとんどの場合、結節硬化(TSC)症候群を引き起こす。TSCは、TSCを有する患者は明細胞組織学の悪性腎腫瘍の危険性を有するが、まれにしか悪性腫瘍を伴わない。TSCの不活性化が悪性腫瘍自体につながることはないが、この経路の脱制御は、発達中の悪性腫瘍における血管形成のために不可欠であると考えられる。TSC2は、mTOR依存性および非依存性方法を通してVEGF生成を調節する。
【0008】
細胞生存の調節およびアクチン細胞骨格構築の調節に重要な役割を果たすPKCαの調節において重要なAKT(S473で)リン酸化におけるmTOR(mTORC2による)のラパマイシン非依存性機能の最近の発見により、ラパマイシンによるmTOR機能の阻害は、部分的であると考えられる。従って、mTORC1およびmTORC2の双方の機能を完全に阻害する直接的mTORキナーゼ阻害剤の発見は、より広範な抗腫瘍活性およびより良好な有効性のために必要である。乳癌、肺癌、腎臓癌、前立腺癌、血液癌、肝臓癌、卵巣癌、甲状腺癌、消化管癌およびリンパ腫を含む、様々な癌の治療ならびに関節リウマチ、過誤腫症候群、移植片拒絶反応、IBD、多発性硬化症および免疫抑制疾患などの他の症例に使用することができる直接的mTORキナーゼ阻害剤の発見をここに記載する。
【0009】
TarcevaTM、NSCLCの治療のためのEGFRキナーゼ阻害剤、の最近の成功およびCML治療のためのGleevecTMの使用による以前の成功は、癌の効果的な治療のために選択的なキナーゼ阻害剤を開発することが可能であることを示している。キナーゼ阻害剤を含むいくつかの抗癌剤があるが、改良された抗癌剤のためのさらなる継続した必要性があり、よりよい選択性、効力を有しまたは低減された毒性もしくは副作用を有する新規化合物を開発することが好ましいであろう。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従って、癌患者を治療するためにmTOR阻害を示す化合物を開発することが好ましい。さらに、このような化合物は、例えば、PI3K、Src、KDRなど、他のキナーゼに活性があり、乳癌、非小細胞肺癌(NSCLC)、腎細胞癌、マントル細胞リンパ腫、子宮内膜癌、または他の過誤腫症候群における効果を増す。
【課題を解決するための手段】
【0011】
発明の要旨
式(I)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩は、mTORの阻害剤であり、癌治療において有用である。
【化2】

【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
発明の詳細な説明
本発明の化合物は式(I)により示されまたはその薬学的に許容される塩によりで示される。
【化3】

[式中
およびXは、それぞれ独立して、NまたはC−(Eaaであり、
は、N、C−(EaaまたはN−(Eaaであり、
、X、XおよびXは、それぞれ独立して、NまたはCであり、
、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは独立して、NまたはN−(Eaaであり、
は、C0−10アルキル、シクロC3−10アルキル、アミノメチルシクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロビシクロC5−10アルキルであり、それらはいずれも、1つまたはそれ以上の独立したG11置換基により置換されており、
は、−A−(K)であり、
Aは、ビニルまたはアセチレニルであり、
Kは、独立して、水素、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール(1つまたはそれ以上のR31基により場合によりに置換されている。)、ヘタリール(1つまたはそれ以上のR31基により場合により置換されている。)、C0−6アルキル、−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−NR311S(O)0−2321、−C0−8アルキル−NR311S(O)0−2NR321331、−C0−8アルキル−NR311CO321、−C0−8アルキル−CON(R311)S(O)0−2321、−C0−8アルキル−S(O)0−2NR311321、−C0−8アルキル−NR311COR321、−C0−8アルキル−NR311CONR321331、−C0−8アルキル−CONR311321、−C0−8アルキル−CO311、−C0−8アルキル−COR311、−C0−8アルキルS(O)0−2311、−C0−8アルキル−O−C1−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8−アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−NR311321、−C2−8アルケニル、−C2−8アルキニル、NO、CN、CF、OCF、OCHFであり、
31、R32、R33、R311、R321、R331、R312、R322、R332、R341、R313、R323、R333およびR342は、各々の場合、独立して、
0−8アルキル(このC0−8アルキルは、アリール、シクリル、ヘテロシクリル、ヘタリール、ハロ、−CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−CO(C0−8アルキル)、−OC0−8アルキル、−Oアリール、−Oヘタリール、−Oヘテロシクリル、−S(O)0−2アリール、−S(O)0−2ヘタリール、−S(O)0−2ヘテロシクリル、−S(O)0−20−8アルキル、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C1−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C3−8シクロアルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C1−8アルキル)、−S(O)1−2N(C0−8アルキル)C0−8アルキル)、−NR11S(O)1−2(C0−8アルキル)、−CON(C3−8シクロアルキル)(C3−8シクロアルキル)、−CON(C0−8アルキル)(C3−8シクロアルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CON(C3−8シクロアルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CON(C3−8シクロアルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C3−8シクロアルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CO(C3−8シクロアルキル)、S(O)1−2N(C0−8アルキル)(C3−8シクロアルキル)、−NR11S(O)1−2(C3−8シクロアルキル)、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、CN、CF、OH、または場合により置換されているアリール置換基の1〜6個により独立しで場合により置換されており、上記のアリール、ヘテロシクリル、ヘタリール、アルキルまたはシクロアルキル基のそれぞれは、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール、ヘタリール、C0−6アルキル、C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−S(O)0−2−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−S(O)0−2−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CO−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C1−8アルキル−CO−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキルS(O)0−2−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−O−C1−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−S−C08アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘタリール、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、NO、CN、CF、OCF、OCHFにより独立して場合により置換され得る。)、
−C0−8アルキル−C3−8シクロアルキル、
−C0−8アルキル−O−C0−8アルキル、
−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、
−C0−8アルキル−S(O)0−2−C0−8アルキル、または
ヘテロシクリル(このヘテロシクリルは、C0−8アルキル、シクリルまたは置換されているシクリル置換基の独立した1〜4個により場合により置換されている。)、
であり、
は、各々の場合において、独立して、ハロ、−CF、−OCF、−OR、−NR3132、−C(=O)R31、−CO31、−CONR3132、−NO、−CN、−S(O)0−231、−S(O)0−2NR3132、−NR31C(=O)R32、−NR31C(=O)OR32、−NR31C(=O)NR3233、−NR31S(O)0−232、−C(=S)OR31、−C(=O)SR31、−NR31C(=NR32)NR3331、−NR31C(=NR32)OR33、−NR31C(=NR31)SR31、−OC(=C)OR31、−OC(=O)NR3132、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31、−SC(=O)NR3132、C0−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、−C1−10アルコキシC1−10アルキル、−C1−10アルコキシC2−10アルケニル、−C1−10アルコキシC2−10アルキニル、−C1−10アルキルチオC1−10アルキル、−C1−10アルキルチオC2−10アルケニル、−C1−10アルキルチオC2−10アルキニル、シクロC3−8アルキル、シクロC3−8アルケニル、−シクロC3−8アルキルC1−10アルキル、−シクロC3−8アルケニルC1−10アルキル、−シクロC3−8アルキルC2−10アルケニル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルケニル、−シクロC3−8アルキルC2−10アルキニル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルキニル、−ヘテロシクリル−C0−10アルキル、−ヘテロシクリル−C2−10アルケニルまたは−ヘテロシクリル−C2−10アルキニルであり、これらはいずれも、ハロ、オキソ、−CF、−OCF、−OR31、−NR3132、−C(=O)R31、−CO31、−C(=O)NR3132、−NO、−CN、−S(=O)0−231、−SONR31、−NR31C(=O)R32、−NR31C(=O)OR31、−NR31C(=O)NR3233、−NR31S(O)0−231、−C(=S)OR31、−C(=O)SR31、−NR31C(=NR32)NR3331、−NR31C(=NR32)OR33、−NR31C(=NR32)SR33、−OC(=O)OR31、−OC(=O)NR3132、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31、または−SC(=O)NR3132置換基の独立した1つまたはそれ以上により置換されており、または
は、各々の場合において、独立して、アリール−C0−10アルキル、アリール−C2−10アルケニル、アリール−C2−10アルキニル、ヘタリール−C0−10アルキル、ヘタリール−C2−10アルケニルまたはヘタリール−C2−10アルキニルであり、結合点は、記載の左または右のいずれかであり、これらはいずれも、ハロ、−CF、−OCF、−OR31、−NR3132、−C(O)R31、−CO31、−C(=O)NR3132、−NO、−CN、−S(O)0−231、−S(O)0−2NR3132、−NR31C(=O)R32、−NR31C(=O)OR32、−NR31C(=O)NR3233、−NR31S(O)0−232、−C(=S)OR31、−C(=O)SR31、−NR31C(=NR32)NR3331、−NR31C(=NR32)OR33、−NR31C(=NR32)SR33、−OC(=O)OR31、−OC(=O)NR3132、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31または−SC(=O)NR3132置換基の1つまたはそれ以上により独立して場合により置換されており、
−NR3132、−NR311321、−NR312322、−NR332341、−NR313323および−NR323333の場合において、R31およびR32、R311およびR321、R312およびR322、R331およびR341、R313およびR323ならびにR323およびR333のそれぞれは、結合している窒素原子と場合により一緒になって、3〜10員の飽和環または不飽和環を形成し、該環は、各々の場合において、独立して、1つ以上の独立して、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール、ヘタリール、C0−6アルキル、−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)S(O)0−20−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)S(O)0−2N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CON((C0−8アルキル))S(O)0−2(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−S(O)0−2N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキルS(O)0−2(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−Oアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、NO、CN、CF、OCFまたはOCHF置換基の1つまたはそれ以上により独立して場合により置換されており、該環は、各々の場合において、独立して、窒素以外の1つまたはそれ以上のヘテロ原子を場合により含み、
mは、0、1、2または3であり、
aaは、0または1であり、ならびに
前記化合物は、
3−シクロブチル−1−[(4−フェノキシフェニル)エチニル]イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン、
3−シクロブチル−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン、
N−{3−[(8−アミノ−3−シクロブチルイミダゾ[1,5−α]ピラジン−1−イル)エチニル]フェニル}−4−クロロベンズアミド、または
3−シクロブチル−1−(ピリジン−4−イルエチニル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
ではないことを条件とする。]
【0013】
本発明の態様によれば、これらの化合物は、XおよびXがCHであり、XおよびXがNであり、X、XおよびXがCであり、他の可変因子が式Iについて上に記載された通りである式Iにより示されまたはその薬学的に許容される塩により示される。
【0014】
本発明の上記態様の実施形態において、これらの化合物は、XおよびXがCHであり、XおよびXがNであり、X、XおよびXがCであり、Qが−A(K)であり、他の可変因子が式Iについて上に記載された通りである式Iにより示されまたはその薬学的に許容される塩により示される。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、これらの化合物は、XがCHであり、X、XおよびXがNであり、X、XおよびXがCであり、他の可変因子が式Iについて上に記載された通りである式Iにより示されまたはその薬学的に許容される塩により示される。
【0016】
本発明の第2の態様の実施形態において、これらの化合物は、XがCHであり、X、XおよびXがNであり、X、XおよびXがCであり、Qが−A(K)であり、他の可変因子が式Iについて上に記載された通りである式Iにより示されまたはその薬学的に許容される塩により示される。
【0017】
本発明の化合物は、
【表2】


またはその薬学的に許容される塩を含む。
【0018】
本発明は、式Iに記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な担体を含む組成物を含む。
【0019】
本発明は、式Iに記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および抗腫瘍剤、抗癌剤、抗血管形成剤または化学療法剤を含む組成物を含む。
【0020】
本発明は、式Iに記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の治療有効量を投与する段階を含む過剰増殖性疾患の治療方法を含む。
【0021】
本発明は、式Iに記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の治療有効量を投与する段階を含む過剰増殖性疾患の治療方法を含み、該過剰増殖性疾患は、乳癌、肺癌、非小細胞肺癌、腎臓癌、腎細胞癌、前立腺癌、血液の癌、肝臓癌、卵巣癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、消化管癌、リンパ腫、腎細胞癌、マントル細胞リンパ腫または子宮内膜癌である。
【0022】
本発明は、式Iに記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の治療有効量を投与する段階を含む関節リウマチ、過誤腫症候群、移植片拒絶反応、IBD、多発性硬化症、または免疫抑制疾患の治療方法を含む。
【0023】
上記の状況のすべてにおいて、禁じられたまたは不安定な原子価である、N−S、N−ハロゲン結合は除外される。
【0024】
ここで用いられるとき、用語C−(EaaおよびN−(Eaaは、E置換基のaaの数により置換された環炭素原子または環窒素原子のそれぞれを示すと理解される。
【0025】
ここで用いられるとき、「アルキル」は、加えて、例えばアルコキシ、アルカニル、アルケニル、アルキニルなどの接頭辞「アルク」を有する他の基は、特に規定がない限り、直鎖または分鎖またはその組み合わせである炭素鎖を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチルなどを含む。「アルケニル」、「アルキニル」および他の同類用語は、少なくとも1つの不飽和炭素炭素結合を有する炭素鎖を含む。
【0026】
ここで用いられるとき、例えば「C0−4アルキル」は、直鎖または分鎖構成において、0〜4の炭素、つまり0、1、2、3または4個の炭素を有するアルキルを意味するために使用される。炭素がないアルキルは、このアルキルが末端基である場合、水素である。炭素がないアルキルは、このアルキルが架橋(連結)基である場合、直接結合である。
【0027】
用語「シクロアルキル」、「炭素環」、「サイクリック」または「シクリル」は、3〜10員の単環式または多環式の、芳香族、ヘテロ原子を含まない部分的に芳香族性または非芳香族性炭素環を意味し、縮合系および架橋系ならびに単環式、二環式および三環式の飽和炭素環を含む。このような縮合環系は、部分的にまたは完全不に飽和である1つの環(ベンゼン環など)を含んで、縮合環系(ベンゼン縮合された炭素環など)を形成することができる。シクロアルキルは、スピロ縮合環系などの縮合環系を含む。シクロアルキルおよび炭素環の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、およびデカヒドロナフタレン、アダマンタン、インダニル、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンなどのC3−8シクロアルキルを含む。
【0028】
用語「ハロゲン」は、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素原子を含む。
【0029】
特に記載がない限り、用語「カルバモイル」は、−C(O)−NH−または−NH−C(O)−である。
【0030】
用語「アリール」は、化学者によく知られている。好ましいアリール基は、フェニルおよびナフチルである。
【0031】
用語「ヘタリール」は、化学者によく知られている。該用語は、酸素および硫黄が相互にとなりあっていない酸素、硫黄および窒素から選択される1〜4のヘテロ原子を含む5または6員のヘテロアリール環を含む。このようなアリール環の例は、フリル、チエニル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニルおよびトリアジニルである。用語「ヘタリール」は、部分的にまたは完全に不飽和である縮合炭素環系(ベンゼン縮合されたヘタリールを形成するベンゼン環など)を有するヘタリール環を含む。例えば、ベンズイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラン、キノリン、イソキノリン、キノキサリンなどである。
【0032】
特に規定がない限り、用語「複素環」、「ヘテロ環」、「ヘテロ環式」および「ヘテロシクリル」は、同意義であり、N、OおよびS(およびN酸化物およびS酸化物)から独立して選択される1つ以上の原子も含む、そのような誘導体が適切なおよび安定した価数を示す限り、環として定義される。該用語は、酸素、硫黄および窒素から選択される1つまたは2つのヘテロ原子を含む、4〜8員の飽和環を含む。複素環の例は、アゼチジン、オキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、オキセパン、オキセカン、チエタン、チアゾリジン、オキサゾリジン、オキサゼチジン、ピラゾリジン、イソオキサゾリジン、イソチアゾリジン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピラン、チエパン、チオカン、アゼチジン、ピロリジン、ピペリジン、アゼパン、アゾカン、[1,3]ジオキサン、オキサゾリジン、ピペラジン、ホモピペラジン、モルホリン、チオモルホリンなどを含む。複素環の他の例は、硫黄含有環の酸化型を含む。従って、テトラヒドロチオフェン−1−酸化物、テトラヒドロチオフェン−1,1−二酸化物、チオモルホリン−1−酸化物、チオモルホリン−1,1−二酸化物、テトラヒドロチオピラン−1−酸化物、テトラヒドロチオピラン−1,1−二酸化物、チアゾリジン−1−酸化物およびチアゾリジン−1,1−二酸化物も、複素環であると見なされる。用語「ヘテロ環式」は、ヘテロへテロ縮合系を含む縮合環系も含み、および部分的にまたは完全に不飽和である炭素環(ベンゼン縮合されたヘテロ環を形成するベンゼン環など)を含むことができる。例えば、3,4,−ジヒドロ−1,4−ベンゾダイオキシン、テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、イソインドリンなどである。
【0033】
ここにおいて述べられた化合物は、1つ以上の不斉中心を含み得、従って、ジアステレオマーおよび光学異性体を生じ得る。本発明は、ラセミ混合物、実質的に純粋な分解光学異性体、すべての可能な幾何異性体およびその薬学的に許容される塩ならびにすべてのこのような可能なジアステレオマーを含む。式Iは、ある位置において明確な原子の空間的配置を示すことなく示されている。本発明は、式Iおよびその薬学的に許容される塩のすべての立体異性体を含む。さらにまた、単離した特定の立体異性体ならびに立体異性体の混合物も含む。このような化合物を調製するために使用される合成手順の過程中または当業者に既知のラセミ化またはエピ化された手順を使用中、このような手順の生成物は、立体異性体の混合物であり得る。
【0034】
また本発明は、薬学的に許容可能な担体と組み合わせられている式Iの化合物からなる薬剤組成物を含む。
【0035】
好ましくは、該組成物は、薬学的に許容可能な担体および上述の式Iの化合物(またはその薬学的に許容可能な塩)の治療上効果のある量からなる。
【0036】
さらに、この好ましい実施形態内にて、本発明は、薬学的に許容可能な担体および非毒性の治療効果のある量(またはその薬学的に許容可能な塩)の上述の式Iの化合物を有する、mTorの阻害による、疾病の治療のための薬学的組成物を含む。
【0037】
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、薬学的に許容可能な非毒性塩基または酸から調製される塩を意味する。本発明の化合物が酸性である場合、その対応する塩は、無機塩基および有機塩基を含む、薬学的に許容可能な非毒性塩基から適宜に調製することができる。このような無機塩基から生じる塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、第二銅および第一銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などの塩を含む。特に好ましくは、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウム塩である。薬学的に許容可能な有機非毒性塩基から生じる塩は、第1級、第2級および第3級アミンを含み、加えて環状アミンおよび置換アミン(自然発生のおよび合成の置換アミンなど)を含む。塩を形成することができる他の薬学的に許容可能な有機非毒性塩基は、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N’,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどのイオン交換樹脂を含む。
【0038】
本発明の化合物が塩基である場合、その対応する塩は、無機酸および有機酸を含む、薬学的に許容可能な非毒性酸から適宜に調製することができる。このような酸は、例えば、酢酸、ベンゼルスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、コハク酸、スルホン酸、酒石酸、pトルエンスルホン酸などを含む。特に、クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、スルホン酸および酒石酸が好ましい。
【0039】
本発明の薬剤組成物は、活性成分として式Iで示される化合物(またはその薬学的に許容可能な塩)、薬学的に許容可能な担体および場合により他の治療的成分またはアジュバントを含む。この組成物は、経口、直腸、局所および非経口(皮下、筋肉内および静脈内を含む。)投与に適した組成物を含み、いずれの所与のケースにおける最適経路は、特定のホストおよび活性成分が投与される状態の性質および重症度により異なる。この薬剤組成物は、単位剤形にて便宜に提供され、および薬学の分野にてよく知られている方法のいずれかにより調製され得る。
【0040】
実際には、本発明の式Iで示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、従来の薬学的な配合技術により、薬学的に許容可能な担体との密な混合物において活性成分として混合することができる。担体は、例えば、経口または非経口(静脈を含む)投与に望ましい調製形態に応じて、広範な形態をとり得る。従って、本発明の薬剤組成物は、活性成分の既定量をそれぞれ含むカプセル、カシェ剤または錠剤など経口投与に適した個々の単位として提供することができる。さらに、該組成物は、粉末、顆粒、溶液、水性液体中の懸濁液、非水性液体、水中油型乳剤または油中水乳剤として提供することができる。上記の一般的な剤形に加えて、式Iで示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、放出制御手段および/または送達装置で投与され得る。該組成物は、調剤学のいかなる方法でも調製し得る。一般に、このような方法は、活性成分を、1つ以上の必要な成分を構成する担体と一緒にする工程を含む。一般に、該組成物は、均一かつ密接に活性成分を液体担体と混合させることにより調製される。生成物を、その後、好ましい形式に適宜に成形することができる。
【0041】
従って、本発明の薬剤組成物は、薬学的に許容可能な担体および式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含み得る。式Iの化合物またはその薬学的に許容可能な塩はまた、1つまたはそれ以上の他の治療効果のある化合物と組み合わされて薬剤組成物中に含まれ得る。
【0042】
使用される薬学的担体は、例えば、固体、液体または気体であることができる。固体担体の例は、乳糖、白土、蔗糖、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アカシア、ステアリン酸マグネシウムおよびスレアリン酸を含む。液体担体の例は、シュガー・シロップ、ピーナッツ油、オリーブ油および水である。気体担体の例は、二酸化炭素および窒素を含む。
【0043】
経口剤形のための組成物を調製する場合、通常の薬学的媒体のいかなる物も使用し得る。例えば、水、グリコール、油、アルコール、香料添加剤、防腐剤、着色剤などは、懸濁液、エリキシル剤および溶液など経口液体製剤を形成するために使用してもよく、一方、デンプン、糖類、微結晶性セルロース、賦形剤、造粒剤、湿潤剤、結合剤、崩壊剤などは、粉末、カプセルおよび錠剤など経口固形製剤を形成するために使用してもよい。投与の容易さのため、錠剤およびカプセルは、好ましい経口用量単位であり、そのために固体の薬学的担体を使用する。錠剤は、標準の水性または非水性技術により被覆され得る。
【0044】
本発明の組成物を含む錠剤は、1つ以上の副成分を場合により用いて、圧縮または成形により調製し得る。圧縮錠は、適した機械において、結合剤、潤滑剤、不活性希釈剤、界面活性または分散剤と場合により混合された、粉末または顆粒などの流動性のよい形状における活性成分を圧縮することにより調製され得る。成形錠剤は、適切な機械において、不活性希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することにより調製され得る。それぞれの錠剤は、好ましくは活性成分の約0.05mgから約5gを含み、それぞれのカシェ剤またはカプセルは、好ましくは活性成分の約0.05mgから約5gを含む。
【0045】
例えば、ヒトへの経口投与が意図された剤形は、担体物質の適切かつ便宜的な量と混合された活性剤の約0.5mgから約5gを含み、この担体の量は、組成物全体の約5から約95%までの範囲にて変わり得る。単位剤形は、活性成分の、一般に約1mgから約2g、典型的には25mg、50mg、100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、800mgまたは1000mgを含む。
【0046】
非経口投与に適する本発明の薬剤組成物は、活性化合物の水中溶液または懸濁液として調製され得る。適した界面活性剤には、例えばヒドロキシプロピルセルロースが含まれ得る。また、分散液は、グリセロール中に、液体ポリエチレングリコール中におよび油中の混合物中に調製され得る。さらに、微生物の有害な増殖を防ぐために防腐剤を含むことができる。
【0047】
注射用に適した本発明の薬剤組成物は、無菌の水溶液または分散液を含む。さらに、該組成物は、このような無菌の注射剤または分散液の即時調製のための無菌粉末の形態であり得る。すべての場合において、最終的な注射剤型は、無菌でなければならず、容易な注入のために効果的に流動性でなければならない。この薬剤組成物は、製造および貯蔵の条件下で安定であらねばならず、従って、好ましくは、細菌および真菌などの微生物の夾雑する作用から保護されるべきである。該担体は、例えば水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)、植物油およびこれらの適した混合物を含む、溶媒または分散媒体であり得る。
【0048】
本発明の薬剤組成物は、例えば、エアロゾル、クリーム、軟膏、ローション、粉剤など局所使用に適した形であり得る。さらに、該組成物は、経皮的装置での使用に適した形であり得る。これらの剤形は、従来の処理方法を通して、本発明の式Iで示される化合物またはその薬学的に許容可能な塩を使用して調製され得る。一例として、クリームまたは軟膏は、親水性材料および水を該化合物の約5重量%から約10重量%と混合して調製され、望ましい粘度を有するクリームまたは軟膏が調製される。
【0049】
本発明の薬剤組成物は、担体が固体である、直腸投与に適した形であり得る。混合物が単位用量の坐薬に形成されることが好ましい。適した担体は、ココアバターおよびこの分野にて一般に使用される他の材料を含む。坐薬は、最初に組成物を軟化または溶解した担体と混合し、続いて型中で冷却および成形することにより便宜に形成され得る。
【0050】
前述の担体成分に加えて、上記製剤処方は、適切ならば、賦形剤、緩衝液、香料添加剤、結合剤、界面活性剤、濃厚剤、潤滑剤、保存料(酸化防止剤を含む)などの、1つ以上の追加の担体成分を含み得る。さらに、意図した受容者の血液により製剤が等張となるように、他のアジュバントを含むことができる。式Iに記載の化合物を含む組成物はまたはその薬学的に許容可能な塩はまた、粉末または液体濃縮型で調製してもよい。
【0051】
本発明の化合物および組成物は、乳癌、肺癌、腎臓、前立腺、血液、肝臓、卵巣、甲状腺、消化管およびリンパ腫の癌の治療に有用である。該化合物および組成物は、非小細胞肺癌(NSCLC)、腎細胞癌、マントル細胞リンパ腫および子宮内膜癌を含む癌に対して有用である。さらに、該化合物および組成物は、関節リウマチ、過誤腫症候群、移植片拒絶反応、過敏性腸症候群(IBD)、多発性硬化症および免疫抑制疾患などの他の適応症を治療するために有用である。
【0052】
一般に、1日あたり約0.01mg/体重kgから約150mg/体重kgの、または1人の患者あたり1日あたり約0.5mgから約7gのおよその用量レベルが上述の症状の治療において有用である。例えば、乳癌、肺癌、腎臓、前立腺、血液、肝臓、卵巣、甲状腺、消化管およびリンパ腫の癌は、体重1キログラムあたり1日あたり約0.01mgから50mgの、または1人の患者あたり1日あたり約0.5mgから約3.5gの化合物の投与により効果的に治療され得る。
【0053】
1日あたり約0.01mg/体重kgから約150mg/体重kgの、または1人の患者あたり1日あたり約0.5mgから約7gのおよその用量レベルが、非小細胞肺癌(NSCLC)、腎細胞癌、マントル細胞リンパ腫および子宮内膜癌の治療において有用である。これらは、体重の1キログラムあたり1日あたり約0.01mgから50mgの、または1人の患者あたり1日あたり約0.5mgから約3.5gの投与により治療され得る。
【0054】
1日あたり約0.01mg/体重kgから約150mg/体重kgの、または1人の患者あたり1日あたり約0.5mgから約7gのおよその用量レベルが、関節リウマチ、過誤腫症候群、移植片拒絶反応、過敏性腸症候群(IBD)、多発性硬化症および免疫抑制疾患の治療において有用である。これらは、体重1キログラムあたり1日あたり約0.01mgから50mgの、または1人の患者あたり1日あたり約0.5mgから約3.5gの化合物の投与により治療され得る。
【0055】
しかしながら、いずれの特定の患者についても、特定の用量レベルは、年齢、体重、総体的な健康、性別、患者の食生活、投与時間、投与経路、排出率、薬の併用および治療を受ける特定の疾患の重症度を含む様々な要因に依存していることが理解されるべきである。
【0056】
mTOR活性の阻害についての生化学アッセイ
化合物の、mTORキナーゼ活性を阻害するた能力は、基質として組み換え4E−BP1を使用する、インビトロ免疫沈降(IP)キナーゼアッセイにおいて測定された。このアッセイは、mTORの既知の生理学的基質、4E−BP1のリン酸化反応を阻害する化合物の能力を測定する。HeLa細胞からのmTOR免疫捕捉剤複合体を、キナーゼアッセイ緩衝液中にて様々な濃度の化合物およびHis−タグ4E−BP1と共に温置し、次いでATPを添加して室温で反応を開始する。この反応を30分後停止し、リン酸化されたHis−tタグ4E−BP1をニッケルキレートプレート上に4℃にて一晩捕捉する。その後、4E−BP1のホスホトレオニンの含有量をホスフォ4E−BP1(T37/46)一次抗体およびHRPが連結された対応する抗ウサギIgG(二次抗体を)使用して測定する。該二次抗体は、共有結合されたレポーター酵素(例えば西洋わさびペルオキシダーゼ、HRP)を有し、リン酸化4E−BP1への一次抗体の結合の量(この結合の量は一次抗体に結合する二次抗体の結合の量と同じである。)が定量的に測定され得るようにされている。二次抗体の量は、適切なHRP基質と温置することにより測定され得る。
【0057】
使用した貯蔵試薬は以下の通りである。
細胞溶解緩衝液
120mMNaCl、1mMEDTA、10mMピロリン酸ナトリウム、10mMβ−グリセロリン酸塩、50mMフッ化ナトリウム、1.5mMバナジン酸ナトリウムおよび0.3%CHAPSを含む40mMHEPES、pH7.5。
Complete mini EDTAフリープロテアーゼインヒビター(Roche社製、カタログ番号11 836 170 001)
HeLa細胞ペレット(Paragon Bioservices)
免疫沈降用のタンパク質G被覆プレート(Pierce社製、カタログ番号15131)
mTOR(aka FRAP)N−19抗体(Santa Cruz Biotechnology社製、カタログ番号sc−1549)
IP洗浄緩衝液
5、150mMNaClを含む50mM HEPES、pH7。
キナーゼ緩衝液
10mMMgCl、4mMMnCl、10mMb−メルカプトエタノールおよび200uMバナジン酸ナトリウム20mMを含むHEPES、pH7.5。アッセイごとに新しくする。
組み換え4E−BP1(aka PHAS I)(Calbiochem社製、カタログ番号516675)
4E−BP1ストック(1mg/mL)をキナーゼアッセイ緩衝液中に120倍に希釈し、30uL中0.25ug/ウェルを得る。
ATP溶液
キナーゼ緩衝液中に330uMATPストックを調製する。
Ni−キレートプレート(Pierce社製、カタログ番号15242)
抗体希釈用緩衝液
5%スキムミルク含有のTBST
ホスフォ4E−BP1(T37/46)抗体
抗体希釈用緩衝液中の、1:1000のホスフォ4E−BP1(T37/46)抗体(Cell Signaling Technology社製、カタログ番号9459)の希釈。
HRPが連結されたロバ抗ウサギIgG
抗体希釈用緩衝液中の、1:10,000のHRPが連結された抗ウサギIgG(GE Healthcare社製、カタログ番号NA934)の希釈
HRP基質
化学発光試薬(Pierce社製、カタログ番号37074)
【0058】
アッセイプロトコル
HeLa細胞溶解物を、25gの細胞ペレットを60mLの細胞溶解緩衝液中にて均質化することによりバルクに調製し、その後、12,000rpmにて30分間遠心分離にかけた。透明な上清を未使用の管に移し、等分化し、急速冷凍し、使用するまで−80℃で保存した。
【0059】
タンパク質Gが被覆された96ウェルプレートを溶解緩衝液で1回洗浄し、50μLの希釈されたmTOR抗体をそれぞれのウェルに添加し、室温にて30〜60分間温置した。その後、50μLの溶解緩衝液中50μgのHeLa細胞溶解物をそれぞれのウェルに添加し、寒冷室にて4℃、2〜3時間振とう器上において温置した。溶解物を除去し、プレートを100μLの完全溶解緩衝液で3回洗浄した。プレートを100μLの高塩濃度の洗浄緩衝液緩衝液で2回さらに洗浄した。希釈された4E−BP1(基質)を30μLにてそれぞれのウェルに添加した。化合物を5μLにて様々な濃度でそれぞれのウェルに添加した。薬物濃度は、30μMから0.1μMまで変化させた。最終DMSO濃度は1%であった。陽性対照ウェルにはDMSOのみを添加した。陰性対照ウェルには、ATP溶液は添加されなく、その代わりに、15μLのキナーゼ緩衝液を添加した。反応を、陰性対照ウェルを除く残りのウェルに100μMの最終濃度になるように、15μLのATPを添加することにより開始した。反応を30分間、室温にて行った。その後、45μLの反応混合物をNi−キレートプレートに移し、4℃で一晩温置した。プレートを抗体希釈用緩衝液で1回洗浄し、50μLの希釈されたホスフォ4E−BP1抗体をそれぞれのウェルに添加し、室温で1時間温置した。その後、プレートをTBSTで4回洗浄し、50μLの希釈された抗ウサギ二次抗体をそれぞれのプレートに添加し、室温で1時間温置した。プレートを100μLのTBSTで4回洗浄した。それぞれのウェルに、50μLのPierce Femto化学発光試薬を添加し、化学発光を、ビクター装置を使用して測定した。
【0060】
化合物の存在下にて得られたアッセイシグナルを陽性および陰性対照のアッセイシグナルと比較することにより、ホスフォ4E−BP1のリン酸化反応の阻害程度を化合物濃度の範囲にわたって測定すること可能になる。これらの阻害値を、シグモイド用量反応阻害曲線に適合させ、IC50値(すなわち、4E−BP1のリン酸化反応を50%阻害する化合物の濃度)を決定した。
【0061】
本発明の実施例は、10.00μM未満のIC50値を有する上記のアッセイにおいて決定する場合、免疫獲得したヒトmTORにより4E−BP1のリン酸化反応を阻害した。
【0062】
実験
以下のスキームは、本発明の化合物が如何に合成されるかの例を提供するものであり、いかなる意味においても本発明を限定するためのものではない。さらに、以下の略語を使用する。Meはメチル、Etはエチル、iPrまたはiPrはイソプロピル、n−Buはn−ブチル、t−Buはtert−ブチル、Acはアセチル、Phはフェニル、4Cl−Phまたは(4Cl)Phは4−クロロフェニル、4Me−Phまたは(4Me)Phは4−メチルフェニル、(p−CH3O)Phはp−メトキシフェニル、(p−NO2)Phはp−ニトロフェニル、4Br−Phまたは(4Br)Phは4−ブロモフェニル、2−CF3−Phまたは(2CF3)Phは2−トリフルオロメチルフェニル、DMAPは4−(ジメチルアミノ)ピリジン、DCCは1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、EDCは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、HOAtは1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール、TMPはテトラメチルピペリジン、n−BuLiはn−ブチルリチウム、CDIは1,1’−カルボニルジイミダゾール、DEADはジエチルアゾジカルボン酸塩、PS−PPh3はポリスチレントリフェニルホスフィン、DIEAはジイソプロピルエチルアミン、DIADはジイソプロピルアゾジカルボン酸塩、DBADはジ−tert−ブチルアゾジカルボン酸塩、HPFCは高性能フラッシュクロマトグラフィー、rtまたはRTは室温、minは分、hは時間、Bnはベンジル、およびLAHは水素化アルミニウムリチウムである。
【0063】
従って、以下は、mTORを阻害する実施例化合物の生成において中間体として有用な化合物である。
【0064】
本発明の式Iの化合物および本発明の化合物の合成に使用される中間体を、以下の方法に従い調製した。式I−AAの化合物を調製する場合、下記のスキーム1に示すように、方法Aを使用した。
【0065】
【化4】

【0066】
方法A:
【化5】

[Q、KおよびRは、式Iの化合物について前に定義される通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0067】
式I−AA’の化合物の典型的な調製において、典型的なSonogashirai結合手順を通して、式I−AAAの化合物を、適切な溶媒中、適切な置換アセチレン誘導体と反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよび塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はDMFであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で行った。好ましく、反応を0℃から約50℃で行った。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、好ましくは約大気圧で実行されたが、必要に応じて、より高い圧力またはより低い圧力が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要により、より高い量またはより低い量が使用された。あるいは、式I−AA’’の化合物は、典型的なHeck結合手順を通して、適切な溶媒中、適切な置換ビニル誘導体との反応により、式I−AAAの化合物から調製された。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなどのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよび塩素化溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はDMFであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行することができる。好ましくは反応を20℃から約100℃で実行した。
【0068】
スキーム1の式I−AAAの化合物は、下記のスキーム2に示すように調製された。
【0069】
【化6】

[Rは、式Iの化合物に対して前に定義される通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0070】
式I−AAAの化合物の典型的な調製において、式II−Zの化合物を適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はイソプロパノールならびにTHFとイソプロパノールの混合物であった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。反応を80℃から約120℃で好ましく実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、厚肉ガラス反応槽またはステンレス製のパールボンブ(Parr bomb)など(これらに限定されなかった。)の密閉反応槽中で好ましく行われた。反応物質(アンモニア)、の超過量を好ましく使用した。
【0071】
スキーム2の式II−Zの化合物は、下記のスキーム3に示すように調製された。
【0072】
【化7】

[Rは、式Iの化合物に対して前に定義される通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0073】
式II−Zの化合物の典型的な調製において、中間体III−ZをII−Z’の化合物に変換した。式III−Zの中間体を、適切な反応温度で適切な溶媒中、POClと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテル、アセトニトリルおよび塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用した。好ましい溶媒は、塩化メチレンおよびアセトニトリルを含んだ。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。反応を20℃から約95℃で好ましく実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されたが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。式III−ZからII−Z’の化合物への変換において、Br、I、Cl、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドまたはN−ヨードスクシンイミドなど(これらに限定されなかった。)、ハロゲン化された適切な薬剤を使用した。好ましいハロゲン化された薬剤は、N−ヨードスクシンイミドであった。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はDMFであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。反応を40℃から約75℃で好ましく実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されたが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。
【0074】
スキーム3の式III−Zの化合物は、下記のスキーム4に示すように調製された。
【0075】
【化8】

[Rは、式Iの化合物に対して前に定義される通りであり、AはOH、アルコキシまたはクロロまたはイミダゾールなどの離脱基である。]
【0076】
式III−Zの化合物の典型的な調製において、式IV−Zの化合物および式Vの化合物を適切なアミド結合条件下で反応させた。適切な条件は、式IV−ZおよびVの化合物(A=OHの場合)をDMAP、HOBt、HOAtなどと組み合わせたDCCまたはEDCなどの結合試薬と反応させることを含むが、これに限定されない。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたはハロゲン化された溶媒(塩化メチレンなど)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒は、塩化メチレンであった。上記の工程を約0℃から約80℃の温度で実行した。好ましくは、反応を約22℃で実施した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されたが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。さらに、式IV−Zの化合物が1塩または2塩である場合、適切な塩基を必要とし、ジイソプロピルエチルアミンまたはトリエチルアミン(これらに限定されなかった。)を含んだ。あるいは、式IV−ZおよびVの化合物(A=F、Cl、Br、Iの場合)をDMAPなど組み合わせたトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基と反応させた。本工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたはハロゲン化された溶媒(塩化メチレンなど)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒は、塩化メチレンであった。上記の工程を約−20℃から約40℃の温度で実行した。反応を0℃から25℃の間で好ましく実施した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、式IV−ZおよびVの化合物(A=F、Cl、Br、Iの場合)および塩基の等モル量およびDMAPの準化学量論的な量が好ましく使用されたが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。さらに、アミン(式IV−Zの化合物)のアミド(式III−Zの化合物)への変換の他の適切な反応条件は、Larock,R.C.Comprehensive Organic Transformations,2nd ed.;Wiley and Sons:New York,1999,pp 1941−1949に記載されている。
【0077】
スキーム4の式IV−Zの化合物は、下記のスキーム5に示すように調製された。
【0078】
【化9】

[Aは、フタルイミドまたはNである。]
【0079】
式IV−Zの化合物の典型的な調製において、式VI−Zの化合物を適切な溶媒中、適切な反応条件下で反応させる。Aがフタルイミドである場合、適切な条件は、式VI−Zの化合物の適切な溶媒中のヒドラジンでの処理を含む。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたはハロゲン化された溶媒(塩化メチレンなど)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用してよいが、好ましい溶媒は、エタノールであった。上記の工程を約0℃から約80℃の温度で実行した。好ましくは、反応を約22℃で実施した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用された、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。
【0080】
スキーム5の式VI−Zの化合物は、下記のスキーム6に示すように調製された。
【0081】
【化10】

[Aは、フタルイミドまたはNである。]
【0082】
式VI−Zの化合物(A=フタルイミドの場合)の典型的な調製において、式VII−Zの化合物を適切な反応物質の存在下で、適切な溶媒中、典型的なMitsunobu条件下で、フタルイミドと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテル、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CHCN)、塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl))などを含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はTHFであった。上記の工程に使用するための適切な反応物質は、トリフェニルホスフィンなどおよびアゾジカルボン酸塩(DIAD、DEAD、DBAD)を含んだが、これらに限定されなかった。好ましい反応物質は、トリフェニルホスフィンまたは樹脂結合トリフェニルホスフィン(PS−PPh)およびDIADであった。上記の工程を約−78℃から約100℃の温度で実行し得る。好ましくは、反応を約22℃で実施した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。一般に、1.0または1.1当量のトリフェニルホスフィン、DIADおよびフタルイミドを式VII−Zの化合物の1当量あたり使用した。さらに、式VII−Zの化合物を、ヒドロキシ基がそのトシレート、メシラート、トリフレートまたはハロゲン(クロロなど)などのそれぞれの離脱基に変換されおよび続いてNH(Boc)、フタルイミド、カリウムフタルイミドまたはアジ化ナトリウムなどのアミン当量と反応させて、TsO、MsO、TfO、TsCl、MsClまたはSOClと反応させた。
【0083】
スキーム6の式VII−Zの化合物は、下記のスキーム7に示すように2−クロロピラジンから調製された。
【0084】
【化11】

【0085】
式VII−Zの化合物の典型的な調製において、式VIIIの化合物を適切な溶媒中、適切な反応条件下で反応させた。適切な反応条件は、式VIIIの化合物をリチウムテトラメチルピペリジン(Li−TMP)などの塩基で処理し、続いてカルボニル当量を含む試薬で処理し、続いて適切な還元剤で処理することを含んだが、これらに限定されなかった。リチウムテトラメチルピペリジンは、−78℃でテトラメチルピペリジンをn−ブチルリチウムと反応させ、0℃まで温めることにより調製し得る。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテルを含んだが、これらに限定されなかった。ヘキサメチルホスホラミド(HMPA)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)などの極性溶媒を、必要に応じて添加してもよい。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はTHFであった。適切なカルボニル当量試薬は、DMFなどのホルムアミドまたはメチルもしくはエチルクロロフォーメートなどの適切なクロロフォーメートを含むが、これらに限定されない。適切なカルボニル当量試薬の添加後、メタノールまたはエタノール(これらに限定されない。)など、極性プロトン性溶媒で充填されている場合、反応物を、水素化ホウ素ナトリウムなどの適切な還元剤で処理する。上記の工程を約−80℃から約20℃の温度で実行してよい。好ましくは、反応を−78℃から0℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。
【0086】
ここに記載の化合物のRおよびQの双方は、場合によってさらに操作されることができる官能基を含む。官能基のそのような操作は、重要中間体または後期化合物で達成することができることを当業者は理解するであろう。このような官能基の転換は、このような転換の範囲に限定しない実験の項、ならびに以下のスキーム8〜26に例示される。さらに、スキーム8〜26に示される化学反応も、I−AAA、II−ZおよびII−Z’の化合物に適用することができる。
【0087】
式I−Aの化合物(R=Z−CONR312322である式I−AAの化合物)は、下記のスキーム8に示すように調製された。
【0088】
【化12】

[Q、R312およびR322は、式Iの化合物に関して前に定義される通りであり、Aは水素またはメチルもしくはエチルなどのアルキルである。]
【0089】
式I−Aの化合物の典型的な調製において、A=アルキルならびにR312およびR322が双方ともHに等しい場合、式II−Aの化合物(R=Z−COである式IIの化合物)と適切な溶媒中のアンモニアとの反応は、式I−Aの化合物を与えた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒は、イソプロパノールおよびイソプロパノール/THFの混合物であった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を80℃から約120℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行あれたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されたが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。さらに、式I−Aの化合物の典型的な調製において、式II−Aの化合物(A=Hの場合)をHNR312322と反応させた後、適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。A=Hである場合、典型的な結合手順は、SOClまたは塩化オキサリルにより処理した後、HR312322と反応を通じて、またはDMAP、HOBTまたはHOAtなどと共に、EDCまたはDCCによるCOHおよびHR312322の処理を通じて、COHからCOClの変換を含む。A=メチルまたはエチルなどのアルキルである場合、AlMeとHNR312322の反応済みの混合物によるエステルの処理により、COからCO(NR312322)への変換を得た。その後、アンモニアによる処理により、式I−Aの化合物を得た。
【0090】
式I−A’(R=Z−COである式I−AAの化合物)およびI−A’’(R=Z−COHである式I−AAの化合物)の化合物は、下記のスキーム9に示すように調製された。
【0091】
【化13】

[Qは、式Iの化合物に関して前に定義される通りであり、Aはメチルまたはエチルなどのアルキルである。]
【0092】
式I−A’の化合物の典型的な調製において、式II−Aの化合物を適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒は、イソプロパノールであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を100℃から約120℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行された、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。ほとんどの場合、反応は、密閉した管中で実行された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。典型的に、過剰のアンモニアが使用され、エステル部分へのアンモニアの添加が、適切な範囲に生じなかったことを確実にするために反応を監視した。さらに、式I−A’’の化合物の典型的な調製において、THF/HO/MeOH中のNaOHなどの典型的な鹸化条件下で、式I−A’の化合物を反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はTHF/HO/MeOHの混合物であった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を室温から約60℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されたが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。
【0093】
式II−B(R=Z−CHOHである式IIの化合物)およびI−B(R=Z−COHである式I−AAの化合物)の化合物は、下記のスキーム10に示すように調製された。
【0094】
【化14】

[Qは、式Iの化合物に関して前に定義される通りであり、Aは水素またはメチルもしくはエチルなどのアルキルである。]
【0095】
式I−Bの化合物の典型的な調製において、式II−Aの化合物は、THFなどの適切な溶媒中の水素化アルミニウムリチウムまたは水素化ジイソブチルアルミニウムなどの適切な還元剤で処理され、式II−Bの化合物が得された。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用した。好ましい溶媒はTHFであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を約−60℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用した。前に記載のアンモノリシスの条件(120℃で、密閉された管のイソプロパノール中のアンモニア)下で、式II−Bの化合物のその後の処理により、式I−Bの化合物が得られた。
【0096】
式II−C(R=Z−CHである式IIの化合物)、II−D(R=Z−CH(R313)(R323aaである式IIの化合物)、I−B(R=Z−CHOHである式I−AAの化合物)およびI−C(R=Z−CH(R313)(R323aaである式I−AAの化合物)の化合物は、下記のスキーム11に示すように調製された。
【0097】
【化15】

[Q、R313およびR323は、式Iの化合物に関して前に定義される通りであり、AはOTs、OMs、OTfまたはハロ(クロロ、ブロモまたはヨードなど)などの適切な離脱基であり、AはN、OまたはSである。]
【0098】
式I−Cの化合物の典型的な調製において、式II−Bの化合物のヒドロキシ基を、SOClもしくはTsO、MsOまたはTfOとの反応により、ClまたはOTs、OMsもしくはOTfなどの適切な離脱基、Aに変換し、式II−Cの化合物が得られた。式II−Cの化合物とHA(R313)(R323aaとの反応により、式II−Dの化合物が得られた。前に記載のアンモノリシスの条件下で、その後、式II−Dの化合物の反応により、式I−Cの化合物が得られた。さらに、式II−Bの化合物をスキーム10において前に記載のように式I−Bの化合物に変換した。さらに、式I−Bの化合物から式I−Cの化合物への変換は、式II−Bの化合物から式II−Cの化合物への変換および式II−Cの化合物から式II−Dの化合物へのさらなる変換(OHからA(R313)(R323aaへの純変換において)についての前に記載の条件に従い達成された。さらになお、式II−Bの化合物は、式II−Bの化合物と様々なアルキル化された薬剤との反応によりまたはMitsunobu反応を介したフェニルとの反応により、式II−Dの化合物に直接変換されることができ、式II−Dの化合物(R=CH−Z−A(R313)(R323aaであり、A=Oであり、aa=0でありおよびR313=アルキルまたはアリールである式IIの化合物)を得た。
【0099】
式I−C’(R=Z−CH−Aである式I−AAの化合物)、I−C’’(R=Z−CH−NHである式I−AAの化合物)およびI−C’’’(R=Z−CH−N(R313)(R323)である式I−AAの化合物)の化合物は、下記のスキーム12に示すように調製された。
【0100】
【化16】

[Q、R313およびR323は、式Iの化合物について前に定義される通りであり、AはフタルイミドまたはNである。]
【0101】
式I−C’、I−C’’およびI−C’’’の化合物の典型的な調製において、式II−Bの化合物から式II−Cの化合物への変換に関してスキーム11に記載の手順に従い、式I−Bの化合物のヒドロキシ基をAに変換した。スキーム11に記載の条件下で、式I−C’の化合物の反応により、式I−C’’の化合物がまた得られた。式I−C’’の化合物と、様々なアルキル化された薬剤との、還元的アミノ化条件下での様々なアルデヒド/ケトンとの、無水酢酸などの様々なアシル化剤との、塩化ベンゾイルとの、HOBTもしくはHOATを有するEDCもしくはDCCの存在下でのカルボン酸またはTsOまたはMeSOClなどのスルホニル化剤など(これらに限定されない。)との反応により、式I−C’’’の化合物が得られた。例えば、式I−C’’’の化合物の典型的な調製において、式I−C’’の化合物を適切な溶媒中の適切な塩基の存在下で、適切なアシル化剤と反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、グリムなどのエーテル、および塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)などの塩素化された溶媒を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はクロロホルムであった。上記の工程に使用するための適切な塩基は、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミンなどのトリアルキルアミンまたはPS−DIEAなどの樹脂結合トリアルキルアミンを含んだが、これらに限定されなかった。好ましい塩基はPS−DIEAであった。適切なアシル化剤が無水酢酸であった場合式I−C’’の化合物から、R313=HおよびR323=COCHである式I−C’’’の化合物の変換が達成された。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を0℃から約20℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されたが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。
【0102】
式I−D(R=(CH−Z−Hであり、ZはHに結合する窒素原子を含むヘテロシクリル環である式I−AAの化合物)およびI−E(R=(CH−Z−R31であり、ZはR31に結合する窒素原子を含むヘテロシクリル環である式I−AAの化合物)の化合物は、下記のスキーム13に示すように調製された。
【0103】
【化17】

[QおよびR31は、式Iの化合物に関して前に定義される通りであり、G99aはC(=O)AまたはCOであり、n=0〜5であり、A=アルキル、アリールまたはアラルキルである。]
【0104】
式I−Eの化合物の典型的な調製において、式II−Eの化合物をN−G99aからN−Hへ変換することができる適切な試薬で処理し、式I−Dの化合物を得た。例えば、前に記載のアンモノリシスの条件下で、式II−Eの化合物を処理し(G99aがCOBnと等しい場合)、続いて、濃縮HClおよび適切な塩基調製で処理し、式I−Dの化合物を得た。式I−Dの化合物は、還元的アミノ化、アルキル化およびアリール(ヘタリール)化およびアシル化を含むがこれらに限定されない様々な条件により処理されることができ、アミド、尿素、グアニジン、カルバメート、チオカルバメート、スルホンアミドを得、窒素付加化合物を様々に置換し、NHからNRへの最終的な変換を得る。
【0105】
式II−G(R=Z−OHである式IIの化合物)、II−H(R=Z−A(R313)(R323aaである式IIの化合物)、I−F(R=Z−OHである式I−AAの化合物)およびI−G(R=Z−A(R313)(R323aaである式I−AAの化合物)の化合物は下記のスキーム14に示すように調製された。
【0106】
【化18】

[Q、R313およびR323は、式Iの化合物に関して前に定義される通りであり、aa=0または1であり、A=N、OまたはSである。]
【0107】
式I−FおよびI−Gの化合物の典型的な調製において、以下の転換が行われた。適切な溶媒中の、不飽和Q基にカルボニル系を選択的に還元する適切な還元剤、例えば、メタノール中の水素化ホウ素ナトリウムなど、で式II−Fの化合物を還元し、式II−Gの化合物を得た。式II−Gの化合物を、前に記載のアンモノリシスの条件に処し、式I−Fの化合物を得た。さらに、式II−Fの化合物を、還元的アミノ化条件(d=0であり、A=Nであり、およびR313およびR323は式Iの化合物に関して前に記載のHA(R313)(R323aaを有するNaBHCNまたはNaBH(OAc))下で様々なアミンと反応させることができ、d=0、A=N、およびR313およびR323は、式Iの化合物に対して前に記載の式II−Hの化合物が得られる。その後、式II−Hの化合物(R=Z−A(R313)(R323aaであり、d=0であり、A=Nであり、およびR313ならびにR323は、式Iの化合物に関して前に記載の式IIの化合物)の、前に記載のアンモノリシスの条件での反応により、式I−Gの化合物が得られた。さらに、式II−HからII−GおよびI−GからI−Fの化合物は、II−BからII−DおよびI−BからI−Cへのそれぞれの転換ついてのスキーム11に記載の条件に従い合成することができる。
【0108】
式I−Lの化合物(R=Z−NR313323である式I−AAの化合物)は、下記のスキーム15に示すように調製された。
【0109】
【化19】

[Q、R312およびR322は、式Iの化合物に関して前に定義されている。]
【0110】
式II−Fの化合物(R=Z=Oである式IIの化合物)は、適切なアミン、HNR312322および適切な還元剤(限定されないがNaBH(OAc)またはNaBH(CN)など)を含む典型的な還元的アミノ化条件下で処理され、式II−Mの化合物(R=Z−NR312322である式IIの化合物)が得られた。アンモノリシスの条件下、イソプロパノール中のアンモニアで、式II−Mの化合物(R=Z−NR312322である式IIの化合物)を110℃でステンレス製のボンブで処理し、式I−Lの化合物(R=Z−NR312322である式I−AAの化合物)が得られた。
【0111】
式I−Oの化合物(R=Z−OH(G11)である式Iの化合物)は、下記のスキーム16に示すように調製された。
【0112】
【化20】

[QおよびG11は、式Iの化合物に関して前に定義されている。]
【0113】
式I−Oの化合物(R=Z−OH(G11)である式Iの化合物)の典型的な調製において、式II−Fの化合物(R=Z=Oである式IIの化合物)のケトン部分をTHFなどの適切な溶媒中のMeMgBrまたはMeLiなどの適切な求核試薬と反応させ、式II−Nの化合物(R=Z−OH(G11)である式IIの化合物)が得られた。アンモノリシスの条件下で、式II−Nの化合物(R=Z−OH(G11)である式IIの化合物)を110℃でステンレス製のボンブの、イソプロパノール中のアンモニアで処理し、式I−Oの化合物(R=Z−OH(G11)である式Iの化合物)が得られた。
【0114】
式I−Rの化合物(R=アリールまたはヘテロアリールである式I−AAの化合物)を下記のスキーム17に示すように調製した。
【0115】
【化21】

【0116】
【化22】

【0117】
式IV−Zの化合物をメチルクロロチオールフォーメートと反応させることができ、適切な溶媒中の塩基の存在下で、式III−Zの化合物(R=SMe)が得られる。この本工程のための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用したがが、好ましい溶媒は、塩化メチレンであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を0℃から50℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されたが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。式III−Zの化合物(R=SMe)から式I−PP’の化合物への変換は、スキーム3に関連した変換のために記載の手順を使用して行われた。
【0118】
式I−PP’の化合物から式I−RRの化合物への変換は、Organic Letters,(2002),4(6),979またはSynlett,(2002),(3),447に記載のいわゆる「Liebeskind−Srogl」条件を使用して、ボロン酸エステルとの反応により達成し得る。このような反応は、ヨードまたはブロモなどのハロゲン置換基の存在下でさえ、チオメチル基において選択的に実施することができる。
【0119】
式I−ABの化合物は、X=CHであり、X、XおよびX=Nであり、X、XおよびX=Cであり、Qは式Iの化合物に関して定義されており、RがC0−10アルキル、シクロC3−10アルキル、アミノメチルシクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、これらはいずれも、1つ以上の独立したG11置換基で倍により置換されており、G11が式Iの化合物に関して定義されている通りである式Iの化合物に等しい。
【0120】
【化23】

【0121】
下記のスキーム18に示すように式I−ABの化合物を調製する場合、方法ABを使用した。
【0122】
方法AB
【化24】

[Q、KおよびRは、式Iの化合物に対して前に定義される通りであり、A11=Cl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0123】
式I−AB’の化合物の典型的な調製において、典型的なSonogashirai結合手順を通して、式I−ABAの化合物を適切な溶媒中で適切な置換アセチレン誘導体と反応させ得る。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよび塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用してもよいが、好ましい溶媒はDMFである。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行してもよい。好ましくは、反応を0℃から約50℃で実行する。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行され得るが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧を使用してもよい。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されるが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用されることができる。あるいは、式I−AB’’の化合物は、典型的なHeck結合手順を通して、適切な溶媒中の適切な置換ビニル誘導体との反応により、式I−ABAの化合物から調製され得る。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよび塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用してもよいが、好ましい溶媒はDMFである。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行することができる。好ましくは、反応を20℃から約100℃で実行する。
【0124】
がC1−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、こそれらはいずれも、1つ以上の独立したG11置換基で場合により置換されている、スキーム18の式I−ABAの化合物は、下記のスキーム19に示すように調製された。
【0125】
【化25】

[Rは、C1−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、これらはいずれも、1つ以上の独立したG11置換基で場合により置換されており、G11は式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11=Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。]
【0126】
式I−ABAの化合物の典型的な調製において、式I−ABBの化合物を、適切な反応物質の存在下、適切な溶媒中の典型的なMitsunobu条件下にて、アルコールR−OHと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CHCN)、塩素化された溶媒塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用するが、好ましい溶媒はTHFである。上記の工程に使用するための適切な反応物質は、トリフェニルホスフィンなどおよびアゾジカルボン酸塩(DIAD、DEAD、DBAD)を含むが、これらに限定されない。好ましい反応物質は、トリフェニルホスフィンまたは樹脂結合トリフェニルホスフィンおよびDIADであった。上記の工程を約−78℃から約100℃の温度で実行してもよい。好ましくは、反応を約0℃から25℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行したが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されたが、望まれるなら、より高い量またはより低い量が使用された。一般的に、式I−ABBの化合物の1当量あたりトリフェニルホスフィン、DIADおよびR−OHの1当量を使用した。
【0127】
あるいは、式I−ABAの化合物は、当業者に既知の典型的なアルキル化条件下にてアルキル化剤R−LG(LGは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トシレート、メシラート、トリフルオロメタンスルホン酸を含むがこれらに限定されない離脱基である。)により式I−ABBの化合物をアルキル化することにより調製され得る。
【0128】
好ましくは、式I−ABBの化合物において、A11はBrおよびIである。これらの化合物は、既知である(A11=I:H.B.Cottam et al.,J.Med.Chem.1993,36(22),3424−3430、A11=Br:T.S.Leonova et al.,Khim.Geterotsikl.Soedin.1982,(7),982−984)。
【0129】
式I−ACの化合物は、XおよびX=CHであり、XおよびX=Nであり、X、XおよびX=Cであり、Qは、式Iの化合物に対して定義されている通りであり、RがC0−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、これらはいずれも、1つ以上の独立したG11置換基で場合により置換されており、G11が式Iの化合物に対して定義されている通りである式Iの化合物に等しい。
【0130】
【化26】

【0131】
方法ACが下記のスキーム20に示すように、式I−ACの化合物を調製する場合に使用された。
【0132】
方法AC
【化27】

[Q、KおよびRは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0133】
式I−AC’の化合物の典型的な調製において、典型的なSonogashirai結合手順を通して、式I−ACAの化合物を適切な溶媒中で適切な置換アセチレン誘導体と反応させ得る。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよび塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用してもよいが、好ましい溶媒はDMFである。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行し得る。好ましくは、反応を0℃から約50℃で実行する。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、好ましくは、約大気圧で実行されてよいが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用される。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用することがでるが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用することができる。あるいは、典型的なHeck結合手順を通して、適切な溶媒中の適切な置換ビニル誘導体との反応により、式I−ACAの化合物から式I−AC’’の化合物を調製し得る。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよび塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用してもよいが、好ましい溶媒はDMFである。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行することができる。好ましくは、反応を20℃から約100℃で実行する。
【0134】
スキーム20の式I−ACAの化合物は、下記のスキーム21に示されるように調製された。
【0135】
【化28】

[Rは、式I−ACの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0136】
式I−ACAの化合物の典型的な調製において、式XVの化合物を適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はイソプロパノールであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を80℃から約100℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程を、好ましくは、ガラス製の圧力管またはステンレス製の反応装置で実行した。好ましくは、過度のアンモニアを使用した。
【0137】
式XVAの化合物(=RがC1−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、これらはいずれも、1つ以上の独立したG11置換基で場合により置換されている、スキーム21の式XVの化合物)は、下記のスキーム22に示すように調製された。
【0138】
【化29】

(Rは、C1−10アルキル、シクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリル、ヘテロビシクロC5−10アルキル、スピロアルキルまたはヘテロスピロアルキルであり、これらはいずれも、1つ以上の独立したG11置換基で場合により置換されており、G11は式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。)
【0139】
式XVAの化合物の典型的な調製において、式XVIの化合物を適切な反応物質の存在下、適切な溶媒中の典型的なMitsunobu条件下で、アルコールR−OHと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CHCN)、塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用したが、好ましい溶媒はTHFであった。上記の工程に使用するための適切な反応物質は、トリフェニルホスフィンなどおよびアゾジカルボン酸塩(DIAD、DEAD、DBAD)を含んだが、これらに限定されなかった。好ましい反応物質は、トリフェニルホスフィンまたは樹脂結合トリフェニルホスフィンおよびDIADであった。上記の工程を約−78℃から約100℃の温度で実行し得る。好ましくは、反応を約0℃から25℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用した。一般的に、式XVIの化合物の1当量あたりトリフェニルホスフィン、DIADおよびR−OHの1当量を使用した。
【0140】
あるいは、式XVAの化合物は、式XVIの化合物をアルキル化剤R−LG(LGは、塩化物、臭化物、ヨウ化物、トシレート、メシラート、トリフルオロメタンスルホン酸を含むがこれらに限定されない離脱基である。)と、この分野において既知の典型的なアルキル化条件下でアルキル化することにより調製し得る。
【0141】
式XVBの化合物(Rは、1つ以上の独立したG11置換基で場合により置換されたアリールまたはヘテロアリールである、スキーム21の式XVの化合物)は下記のスキーム23に示すように調製された。
【0142】
【化30】

[Rは、1つ以上の独立したG11置換基で場合により置換されているアリールまたはヘテロアリールであり、G11は、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0143】
式XVBの化合物の典型的な調製において、典型的な銅(II)媒介の結合手順を通して、式XVIの化合物を適切な溶媒中で式R−B(OH)の適切なボロン酸と反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、1,4−ジオキサンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリジノン(NMP)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒は塩化メチレン(CHCl)であった。上記の工程に使用するための適切な反応物質は、銅(II)酢酸塩(Cu(OAc))、銅(II)トリフレート(Cu(OTf))などおよび塩基(ピリジンなど)を含んだが、これらに限定されなかった。好ましい反応物質はCu(OAc)およびピリジンであった。本発明の化合物を生成するための上記の工程は、大気下で約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。好ましくは、反応を約22℃で実施した。一般に、1.5当量の銅(II)酢酸塩、2当量のピリジンおよび2当量の式R−B(OH)のボロン酸を式XVIの化合物の1当量あたり使用した。
【0144】
式XVIのすべての化合物は、文献では既知である(A11=I:L.B.Townsend et al.,J.Med.Chem.1990,33,1984−92、A11=Br,Cl:L.B.Townsend et al.,J.Med.Chem.1988,31,2086−2092)。好ましくは、A11はBrおよびIである。
【0145】
ここに記載の化合物のRおよびQの双方は、さらに操作することができる官能基を場合によって含む。官能基のそのような操作は、重要中間体または後期化合物で達成することができることを当業者は理解するであろう。このような官能基の転換は、このような転換の範囲に限定されない実験の項ならびに以下のスキーム24〜25に例示される。
【0146】
式I−ACA’の化合物(RはZ−CONR312322である式I−ACAの化合物)は、下記のスキーム24に示すように、式XV’の化合物(=R=Z−COである式XVの化合物)から調製された。
【0147】
【化31】

[R312およびR322は、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンであり、Aはメチルまたはエチルなどのアルキルである。]
【0148】
式I−ACA’(Aがアルキルであり、R312およびR322の双方がHと等しい)の化合物の典型的な調製において、式XV’の化合物と適切な溶媒中のアンモニアとの反応により、式I−ACA’の化合物が得られた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はイソプロパノールであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を80℃から約100℃で実行した。本発明の化合物を生成するための上記の工程を、好ましくは、ガラス製の圧力管またはステンレス製の反応装置で実行した。好ましくは、過度のアンモニアを使用した。さらに、式I−ACA’の化合物(RはZ−CONR312322である式I−ACAの化合物)の典型的な調製において、式XV’の化合物(R=Z−COである式XV’の化合物)をHNR312322と次いで適切な溶媒中のアンモニアと反応させた。AがHである場合、典型的な結合手順(SOClまたは塩化オキサリルで処理した後、HNR312322との反応により、またはDMAP、HOBTもしくはHOAtなどと組み合わせたEDCまたはDCCによる−COHおよびHNR312322の処理により、−COHから−COClへの変換など)を使用して、カルボン酸からアミドへの転換を得た。Aがメチルまたはエチルなどのアルキルである場合、Al(NR312322)によるエステルの処理により、−COから−CO(NR312322)への変換が得られた。引き続くアンモニアによる処理により、式I−ACA’の化合物が得られた。
【0149】
スキーム24に示された化学反応はまた、A11の代わりにQを有する化合物に適用することができる。
【0150】
式XVIII(RがZ−CHOHである式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)、XIX(RがZ−CHLGである式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)およびXX(RがZ−CH(R313)(R323aaである式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)の化合物は、下記のスキーム25に示すように調製された。
【0151】
【化32】

[Q、R312およびR322は、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、LGはトシレート、メシラート、トリフルオロメタンスルホン酸またはハロ(クロロ、ブロモまたはヨードなど)などの適切な離脱基であり、aaは0または1であり、Aは水素またはメチルもしくはエチルなどのアルキルであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンであり、A12はClまたはNHであり、A13はA11またはQであり、AはN、OまたはSである。]
【0152】
以下の表は、式XVII〜XXの化合物、A12、A13、式I−AC、I−ACA、XVの化合物、およびRの関係を示す。
【0153】
【表3】

【0154】
式XVIIIの化合物(RがZ−CHOHである式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)の典型的な調製において、式XVIIの化合物(RがZ−COである式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)をTHFまたは塩化メチレンなどの適切な溶媒中のリチウムアルミニウム水素化物または水素化ジイソブチルアルミニウムなどの適切な還元剤により処理し、式XVIIIの化合物を得た。式XXの化合物(RがZ−CH(R313)(R323aaである式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)の典型的な調製において、式XVIIIの化合物のヒドロキシ基をSOClもしくはTsO、MsOまたはTfOとの反応により、Clまたはトシレート、メシラートもしくはトリフレートなどの適切な離脱基、LGに変換し、式XIXの化合物(RがZ−CHLGである式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)を得た。式XIXの化合物とHA(R313)(R323aaとの反応により、式XXの化合物を得た。さらになお、式XVIIIの化合物は、式XVIIIの化合物と様々なアルキル化された薬剤による処理により、または典型的なMitsunobu反応条件下により、式XXの化合物に直接変換されることができ、式XXの化合物(RがZ−CH(R313)(R323aaであり、A=O、aa=0であり、R313=アルキルまたはアリールである式XV、I−ACAまたはI−ACの化合物)が得られた。当業者は、スキーム25に示される順序のいて、最適な段階を選択し、適切であれば、スキーム21に記載されているようにA12=ClからA12=NHに変換し、スキーム20に記載されるようにA13=A11からA13=Qに変換する。
【0155】
式I−ACの化合物の代替的な調製をスキーム26に示す。
【0156】
【化33】

[QおよびRは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11Cl、Br、またはIなどのハロゲンである。]
【0157】
式XXIの化合物は、メチルリチウムまたはメチルグリニャール試薬(Grignard reagent)の添加、続いて得られたアルコールの式XXIのケトンへの酸化により、アルデヒドQ−CHO(これらの調製についてスキーム14を参照)から調製され得る。他の化合物は、市販されているまたは当業者に既知の方法で調製することができる(Larock,R.C.Comprehensive Organic Transformations,2nded.;Wiley and Sons:New York,1999,1197ffを参照)。典型的なハロゲン化条件下で、式XXIの化合物と、Br、NBS、ピリジニウムペルブロミドもしくはCuBr(A11=Brの場合)、またはNCSもしくはSOCl(A11=Clの場合)を含むがこれらに限定されない、典型的なハロゲン化剤との反応により、式XXIIの化合物が得られる。式HN−Rのアミンとこれらとの反応により、式XXIIIのアミノケトンが得られ、これらケトンは、塩基性条件下、マロノニトリルとの反応により、式XXIVのアミノシアノピロールに変換される。最終的に、典型的な環化条件下、式XXIVの化合物の反応により、式I−ACの化合物が得られる。この環化条件は、ホルムアミドとの加熱、ホルムアミドおよびアンモニアとの加熱、トリアルキルオルトギ酸エステル、アンモニアおよび塩基の順次での処理、ホルミアミジンおよびアンモニアの順次での処理を含むがこれらに限定されない。
【0158】
当業者は、ある場合には、同一であるまたは上記の工程のうちの1つにおいて変更された官能基への同一の反応性を有する置換基は、保護され、続いて脱保護されて望ましい生成物が得られ、望ましくない副反応が避けられることを理解するであろう。あるいは、本発明内に記載されている別の工程を、競合する官能基を避けるために使用してもよい。適切な保護基の例および添加法および除去法が以下の参考文献に記載されている。「Protective Groups in Organic Syntheses」、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,1989。
【0159】
式I−AQの化合物は、XがCHであり、X、XおよびXがNであり、X、XおよびXがCであり、JがHまたはNHである式Iの化合物に等しい。
【0160】
【化34】

【0161】
下記のスキーム27に示すように、式I−AQの化合物を調製する場合、方法AQを使用した。
【0162】
方法AQ
【化35】

[Q、KおよびRは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンであり、JはHまたはNHである。]
【0163】
式I−AQ’の化合物の典型的な調製において、典型的なSonogashirai結合手順を通して、式II−Qの化合物を適切な溶媒中で適切な置換アセチレン誘導体と反応させ得る。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよび塩素化された溶媒塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)などを含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用してもよいが、好ましい溶媒はDMFである。上記の工程は、約−78℃から約120℃の温度で実行されてよい。好ましくは、反応を0℃から約50℃で実行される。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されるが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用される。実質的に、反応物質の等モル量が好ましく使用されるが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用されることができる。あるいは、典型的なHeck結合手順を通して、適切な溶媒中の適切な置換ビニル誘導体との反応により、式II−Qの化合物から式I−AQ’’の化合物が調製され得る。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム、ジオキサン、ジメトキシエタンなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよび塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用してもよいが、好ましい溶媒はDMFである。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行してもよい。好ましくは、反応を20℃から約100℃で実行する。
【0164】
スキーム27の式II−Qの化合物を下記のスキーム28に示すように調製した。
【0165】
【化36】

[Rは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンであり、およびJはHまたはNHである。]
【0166】
式II−Qの化合物の典型的な調製において、式III−Qの化合物を適切な溶媒中のオキシ塩化リン(POCl)およびトリアゾール、ピリジン、アンモニア(NH)の順次で反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はイソプロパノールであった。上記の工程は約−20℃から約50℃の温度で実行された。好ましくは、反応を0℃から約25℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。
【0167】
スキーム28の式III−Qの化合物を下記のスキーム29に示すように調製した。
【0168】
【化37】

[Rは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンであり、およびJはHまたはNHである。]
【0169】
式III−Qの化合物の典型的な調製において、中間体V−Qを式IV−Qの化合物に変換した。式V−Qの中間体を適切な反応温度で、適切な溶媒中のオキシ塩化リン(POCl)により処理した。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテルテトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)およびアセトニトリルを含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用された。好ましい溶媒は、アセトニトリルであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を40℃から約95℃で実行された。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく行われたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。式III−Qの中間体を式IV−Qの中間体と適切なハロゲン化剤との反応により調製した。適切なハロゲン化剤は、Br、I、Cl、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドまたはN−ヨードスクシンイミドを含んだが、これらに限定されなかった。好ましいハロゲン化薬剤は、N−ヨードスクシンイミドであった。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒は、DMFであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を40℃から約75℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。
【0170】
J=NHである式IV−QおよびIII−Qの化合物は、それぞれ、当業者に知られているジアゾ化手順により、JがHである式IV−QおよびIII−Qの化合物に変換することができる。典型的な手順は、THFまたはDMFなどの適切な溶媒中のtert−ブチル亜硝酸塩によるJがNHである式IV−QまたはIII−Qの化合物の処理を含む。
【0171】
スキーム29の式V−Qの化合物を下記のスキーム30に示すように調製した。
【0172】
【化38】

[Rは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、AはOH、アルコキシまたはクロロ、イミダゾールまたはO−スクシンイミドなどの離脱基であり、JはHまたはNHである。]
【0173】
式V−Qの化合物の典型的な調製において、式VI−Qの化合物および式Vの化合物を適切なアミド結合条件下で反応させた。適切な条件は、式VI−QおよびVの化合物(A=OHの場合)をDMAP、HOBt、HOAtなどと組み合わせたDCCまたはEDCなどの結合試薬とまたはEEDQのような試薬と反応させることを含むがこれに限定されない。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、クロロホルムまたはハロゲン化された溶媒(塩化メチレンなど)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒は塩化メチレンであった。上記の工程を約0℃から約80℃の温度で実行した。好ましくは、反応を約22℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用する。あるいは、式VI−Qおよび式Vの化合物(A=F、Cl、Br、Iの場合)を、DMAPなどと組み合わせて、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンなどの塩基と反応させた。この工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ピリジン、ハロゲン化された溶媒(クロロホルムまたは塩化メチレンなど)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物が使用されたが、好ましい溶媒はDMFであった。上記の工程を約−20℃から約40℃の温度で実行した。好ましくは、反応を0℃から25℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、式VI−Qおよび式Vの化合物(A=F、Cl、Br、Iの場合)ならびに塩基の等モル量ならびにDMAPの準化学量論的な量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用した。さらに、アミン(式VI−Qの化合物)のアミド(式V−Qの化合物)への変換の他の適切な反応条件は、Larock,R.C.Comprehensive Organic Transformations,2nded.;Wiley and Sons:New York,1999,pp1941−1949に記載されている。
【0174】
スキーム30のJ=Hである式VI−Qの化合物を下記のスキーム31に示すように調製した。
【0175】
【化39】

【0176】
式VI−Qの化合物の典型的な調製において、式VII−Qの化合物を、適切な溶媒中、適切な反応条件下で反応させる。適切な条件は、適切な溶媒中のヒドラジンまたはメチルヒドラジンによる式VII−Qの化合物の処理を含む。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、ハロゲン化された溶媒(クロロホルムまたは塩化メチレンなど)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用してもよいが、好ましい溶媒は、エタノールおよび塩化メチレンであった。上記の工程を約0℃から約80℃の温度で実行した。好ましくは、反応を約22℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用した。
【0177】
J=NHである式VI−Qの化合物は、J.Het.Chem.,(1984),21,697に記載の手順に従い、調製し得る。
【0178】
スキーム31の式VII−Qの化合物を下記のスキーム32に示すように調製した。
【0179】
【化40】

【0180】
式VII−Qの化合物の典型的な調製において、VIII−Qの化合物を、適切な溶媒中、ラネーニッケルと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリム)など、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CHCN)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。好ましい溶媒はエタノールであったが、必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用した。上記の工程を約室温から約100℃の温度で実行した。好ましくは、反応を約80℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用した。さらに、式VII−Qの化合物は、VIII−Qの化合物と、適切な溶媒中、適切な酸化剤との反応により調製することができる。適切な酸化剤は、過酸化水素(H)、3−クロロペルオキシ安息香酸(mCPBA)などを含むが、これらに限定されない。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(THF、グリムなど)、DMF、DMSO、CHCN、ジメチルアセタミド(DMA)、塩素化された溶媒(CHClまたはCHClなど)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用したが、好ましい溶媒はDMAであった。上記の工程を約0℃から100℃の温度で実行してよい。好ましくは、反応を約室温から70℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用した。
【0181】
スキーム32の式VIII−Qの化合物を下記のスキーム33に示すように調製した。
【0182】
【化41】

【0183】
式VIII−Qの化合物の典型的な調製において、IX−Qの化合物を、適切な溶媒中、チオセミカルバジドおよび適切な塩基と反応させた。適切な塩基は、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどを含むが、これらに限定されなかった。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセタミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル(CHCN)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用したが、好ましい溶媒は、エタノールであった。上記の工程を約室温から約100℃の温度で実行してよい。好ましくは、反応を約40℃から80℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用した。式IX−Qの化合物は、文献の手順に従い調製することができる(Knutsen,Lars J.S.et.al.,J.Chem.Soc.Perkin Trans 1:Organic and Bio−Organic Chemistry(1972−1999),1984,229−238)。
【0184】
当業者は、ある場合には、同一であるまたは上記の工程のうちの1つで変更された官能基への同一の反応性を有する置換基は、保護を行い続いて脱保護を行い、望ましい生成物を得て、望ましくない副反応を避けることを理解するであろう。あるいは、記載された本発明内の別の工程を競合の官能基を避けるために使用し得る。「Protective Groups in Organic Syntheses」、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,1989。
【0185】
また、下記のスキーム34に示すように式II−Qの化合物を調製する場合、方法AWを使用した。
【0186】
方法AW
【化42】

[QおよびRは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0187】
式II−Qの化合物の典型的な調製において、式III−Wの化合物を、適切な溶媒中、アンモニアと反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用したが、好ましい溶媒は、イソプロパノールであった。上記の工程を約0℃から約50℃の温度で実行した。好ましくは、反応を0℃から約22℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量を使用した。
【0188】
スキーム34の式III−Wの化合物を下記のスキーム35に示すように調製した。
【0189】
【化43】

[Rは、式Iの化合物に関して前に定義されており、A11はCl、BrまたはIなどのハロゲンである。]
【0190】
式III−Wの化合物の典型的な調製において、式V−Wの化合物を式IV−Wの化合物に変換した。式V−Wの化合物を、適切な反応温度で、適切な溶媒中、オキシ塩化リン(POCl)または単離した「フィルスマイヤ−塩(Vilsmeir salt)」[CAS #33842−02−3]により処理した。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)およびアセトニトリル(CHCN)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用した。好ましい溶媒はアセトニトリルであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を40℃から約95℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。式III−Wの化合物を式IV−Wの化合物と適切なハロゲン化剤との反応により調製した。適切なハロゲン化剤は、Br、I、Cl12、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドまたはN−ヨードスクシンイミドを含んだが、これらに限定されなかった。好ましいハロゲン化薬剤は、N−ヨードスクシンイミドであった。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリル、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、トリフルオロエタノールなど)および塩素化された溶媒(塩化メチレン(CHCl)またはクロロホルム(CHCl)など)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用したが、好ましい溶媒はDMFであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を40℃から約75℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。実質的に、反応物質の等モル量を好ましく使用したが、必要に応じて、より高い量またはより低い量が使用された。
【0191】
スキーム35の式V−Wの化合物を下記のスキーム36に示すように調製した。
【0192】
【化44】

[Rは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、X12はアジドでありまたは単一または二重保護されたアミノ酸であり、およびAはOH、アルコキシまたはクロロまたはイミダゾールなどの離脱基である。]
【0193】
式V−Wの化合物の典型的な調製において、式VI−Wの化合物を適切なアミド結合条件下で式Vの化合物と反応させた。適切な条件は、スキーム10に示すように、化合物XIIIから化合物XIIへの変換について記載された条件を含むが、これらに限定されない。式VI−Wの化合物を式VII−Wの化合物から調製した。式VII−Wの化合物から式VI−Wの化合物への変換のための典型的な手順は、適切な反応温度で、適切な溶媒中、接触水素化などに限定されない還元性条件で、X12がアジドである式VII−Wの化合物を処理とする工程を含む。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテルテトラヒドロフラン(THF)、グリムなど)、アルコール溶媒(メタノール、エタノールなど)およびエステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)を含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用した。好ましい溶媒は、酢酸エチルおよびメタノールであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を40℃から約95℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。あるいは、X12=アジドである場合、式VI−Wの化合物の還元は、適切な溶媒中の水の存在下、適切な反応温度で、トリアリールまたはトリアルキルホスフィンによる式VII−Wの化合物の処理により達成できた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、エーテル(テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサンなど)、アルコール溶媒(メタノール、エタノールなど)エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、DMF、アセトニトリルおよびピリジンを含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用した。好ましい溶媒は、THFおよびアセトニトリルであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を40℃から約95℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。
【0194】
12が単一または二重保護されたアミノ酸である場合、脱保護は、「Protective Groups in Organic Syntheses”,T.W.Greene and P.G.M.Wuts,John Wiley and Sons,1989」に記載されている通り、当業者に知られる手順に従い達成することができる。
【0195】
スキーム36の式VII−Wの化合物を下記のスキーム37に示すように調製した。
【0196】
【化45】

[Rは、式Iの化合物に関して前に定義されている通りであり、X12は、式VII−Wの化合物に関して定義されてい通りであり、X12はヨード、ブロモ、クロロ、トシレート、メシラートまたは他の離脱基である。]
【0197】
12がアジドである式VII−Wの化合物の典型的な調製において、式VIII−Wの化合物を適切な反応温度で、適切な溶媒中、リチウムまたはアジ化ナトリウムなどのアジド塩と反応させた。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、アルコール溶媒(エタノール、ブタノールなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、DMF、アセトニトリル、アセトンDMSOを含んだが、これらに限定されなかった。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用した。好ましい溶媒はアセトンおよびDMFであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を40℃から約95℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが。必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。あるいは、X12が単一または二重保護されたアミノ酸である場合、式VIII−Wの化合物を、窒素の求核の性質が塩基などの試薬の作用により保持されるようにまたは強化されるように保護基が選択された、適切に保護されたアミノ酸と反応させた。当業者は、このような保護基は、ベンジル、トリチル、アリルおよびのアルキルオキシカルボニル誘導体(BOC、CBZ、およびFMOCなど)を含むが、これらに限定されないことを認識する。
【0198】
12がハロゲンである式VIII−Wの化合物は式XI−Wの化合物から調製される。典型的な手順において、式XI−Wの化合物を、N−ヨードスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、塩化シアヌル、N,N’−1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ブロムおよびヨードなど(これらに限定されない。)のハロゲン化剤により、適切な反応温度で、適切な溶媒中、好ましくは過酸化ジベンゾイル、アゾビスイソブチロニトリルまたは光源などの1つ以上のラジカル源の存在下で処理する。上記の工程に使用するための適切な溶媒は、四塩化炭素、ジクロロメタン、α,α,α−トリフルオロトルエンなどの塩素化された溶媒、ギ酸メチルおよび酢酸メチルなどのエステル、DMF、アセトニトリルを含むが、これらに限定されない。必要に応じて、これらの溶媒の混合物を使用した。好ましい溶媒は四塩化炭素およびα,α,α−トリフルオロトルエンであった。上記の工程を約−78℃から約120℃の温度で実行した。好ましくは、反応を40℃から約95℃で実行した。本発明の化合物を生成するために上記の工程は、約大気圧で好ましく実行されたが、必要に応じて、より高い圧またはより低い圧が使用された。
【0199】
当業者は、例えば、Bulletin de la Societe Chimique de France,(1973),(6)(Pt.2),2126などの文献に開示された経路により式IX−Wの化合物を作製することができることを理解する。
【0200】
式I−AQの化合物および/またはこれらの前駆物質は、適合のない化学反応の結果として直接導入されないであろういくつかの機能性にアクセスするための手段として、様々な官能基の相互交換の対象となり得る。式I−AQの化合物および前駆物質に適用することができる、このような官能基操作の例は、式I−AA、I−R、I−AB、I−ACおよびI−AQの化合物に関する前述のスキームに記載されたもの(これらに限定されない。)に類似している。
【0201】
実験手順
8−クロロ−3−シクロブチル−イミダゾ[1,5−α]ピラジン
【0202】
【化46】

【0203】
本化合物は、4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸の代わりにシクロブタンカルボン酸を使用して、trans−メチル4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸塩およびその前駆物質trans−メチル4−({[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]アミノ}カルボニル)シクロヘキサンカルボン酸塩について記載された類似手順を使用して調製された。
【0204】
8−クロロ−3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン
【0205】
【化47】

【0206】
無水DMF(10mL)中の8−クロロ−3−シクロブチルイミダゾ[1,5−α]ピラジン(1058mg、5.1mmol)およびNIS(1146mg、5.1mmol)を、アルゴン下、60℃で6時間撹拌した。反応物をDCM(〜約400mL)で希釈し、洗浄し(HO、塩水)、乾燥(NaSO)し、減圧下で濃縮した。シリカゲル上のフラッシュクロマトグラフィーによる粗製物の精製(50gカートリッジ、10:1〜8:1〜7:1〜6:1のヘキサン:EtOAc)により、淡黄色の固体物である表題化合物が得された。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.51(d,J=4.8Hz,1H)、7.26(d,J=4.8Hz,1H)、3.75(quintetd,J=1.2Hz,8.4Hz,1H)、2.62−2.42(m,4H)、2.32−1.98(m,2H);MS(ES+):m/z334.0(100)[MH];HPLC:t=3.38分(OpenLynx,polar_5分)。
【0207】
3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0208】
【化48】

【0209】
IPA(100mL)中の8−クロロ−3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン(759mg、2.3mmol)を含むパールボンブ(Parr bomb)を5分間0℃でNH(g)で飽和させ、その後、密閉し、115℃で38時間加熱した。その後、反応混合物を減圧下で濃縮し、DCM(200mL)とHO(50mL)との間に分配し、DCM(50mL)で抽出した。一緒にした有機留分を塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、減圧下で濃縮し、白色固体である表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.13(d,J=4.8Hz,1H)、7.01(d,J=5.2Hz,1H)、5.63(br,2H)、3.73(quintetd,J=0.8Hz,8.4Hz,1H)、2.60−2.38(m,4H)、2.20−1.90(m,2H);MS(ES+):m/z315.9(100)[MH];HPLC:t=1.75分(OpenLynx,polar_5分)。
【0210】
trans−メチル4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)シクロヘキサンカルボン酸塩
【0211】
【化49】

【0212】
trans−メチル4−({[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]アミノ}カルボニル)−シクロヘキサンカルボン酸塩(29.00g、93.02mmol)を無水アセトニトリル(930mL)および無水DMF(9mL)に溶解し、窒素下、55℃で3時間加熱した。反応混合物を真空濃縮した後、固体残渣をDCMに溶解し、その後、イソプロパノール中の2MアンモニアでpH10まで塩基性にした。混合物を真空濃縮し、DCMに再溶解し、その後、TEA塩素性化したシリカゲル上に取り込んだ。粗製生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(2:3のEtOAc/DCMで溶離)で精製し、黄色粉末である表題化合物を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.63(ddd,J=13.2,13.2,13.2,3.2Hz,2H)、1.85(ddd,J=13.2,13.2,13.2,2.8Hz,2H)、2.10(dd,J=14.4,3.2Hz,2H)、2.19(dd,J=14.0,3.2Hz,2H)、2.46(tt,J=12.4,3.6Hz,1H)、2.96(tt,J=11.6,3.2Hz,1H)、3.70(s,3H)、7.33(dd,J=5.2,1.2Hz,1H)、7.61(d,J=4.8Hz,1H)、7.79(s,1H)。MS(ES+):m/z294.17/296.14(100/86)[MH]。HPLC:t=2.85分(OpenLynx,polar_5分)。
【0213】
trans−メチル4−({[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]アミノ}カルボニル)シクロヘキサンカルボン酸塩
【0214】
【化50】

【0215】
4−(メトキシカルボニル)シクロヘキサンカルボン酸(15.14g、81.30mmol)およびCDI(13.18g、81.30mmol)のTHF(370mL)溶液を窒素雰囲気下に置き、60℃で4時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却し、その後、(3−クロロピリジン−2−イル)メチルアミン ビス塩素塩(16.00g、73.91mmol)およびDIPEA(31.52g、244.00mmol、42.5mL)を添加した。60℃で20時間撹拌後、反応物を真空濃縮した。粗反応混合物をシリカゲルガラスカラムクロマトグラフィー(3:2のDCM/EtOAcで溶離)で精製し、若干黄色がかったクリーム状の白色粉末である純粋な望ましい生成物を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.43−1.65(m,4H)、2.01−2.14(m,4H)、2.25(tt,J=12.0,3.6Hz,1H)、2.34(tt,J=11.6,3.2Hz,1H)、3.68(s,3H)、4.70(d,J=4.4Hz,2H)、6.81(s,br,−NH)、8.32−8.36(m,1H)、8.46(d,J=2.4Hz,1H);MS(ES+):m/z312.17/314.12(84/32)[MH];HPLC:t=2.44分(OpenLynx,polar_5分)。
【0216】
C−(3−クロロピリジン−2−イル)メチルアミン ビス−塩素塩
【0217】
【化51】

【0218】
無水CHCl(200mL)中の2−(3−クロロピリジン−2−イルメチル)−イソインドール−1,3−ジオン(10.0g、36.5mmol)の溶液を室温で、N雰囲気下、ヒドラジンで充填した(2.87mL、2.93g、91.3mmol、2.5当量)。2.5時間後、MeOH(300mL)を添加し、反応物を溶液が均質になるまで加熱した。反応混合物を19時間撹拌した。形成された白色沈殿物(2,3−ジヒドロフタラジン−1,4−ジオン副生成物)をろ過し、エーテルで数回洗浄した。透明なろ液を真空濃縮し、濃縮物をEtOAcに溶解し、再度ろ過し、白色沈殿物を除去した。すべての溶媒を除去し、黄色油を得、EtOAcおよびエーテルに溶解し、HCl(g)で充填した。表題化合物、淡黄色の固体は、即座に沈殿した。表題化合物を40℃のオーブンで72時間乾燥させ、暗い黄色固体である表題化合物を得た。H NMR(400MHz,CDOD)δ 4.55(2H,s)、8.27(1H,d,J=2.52Hz)、8.54(1H,d,J=2.56Hz);MS(ES+):m/z143.96/145.96(100/60)[MH];HPLC:t=0.41分(OpenLynx,polar_7分)。
【0219】
7−シクロブチル−5−ヨードイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イルアミン
【0220】
【化52】

【0221】
無水ピリジン(10mL)中の1,2,4−トリアゾール(1.28g、18.59mmol)の溶液に、オキシ塩化リン(POCl)(0.578mL、6.20mmol)を添加し、室温で15分撹拌した。この混合物を、無水ピリジン(14mL)中の7−シクロブチル−5−ヨード−3H イミダゾ[5,1f][1,2,4]トリアジン−4−オン(0.653mg、2.07mmol)の溶液に滴下して(3.5分)充填し、1.5時間撹拌した。反応混合物を0℃まで冷却し、イソプロパノール(IPA)中の2MNHで塩基にし反応を停止させ、その後、室温に到達させ、さらに2時間撹拌した。反応混合物をガラス製ブフナーロート(Buchner funnel)でろ過し、DCMで洗浄した。ろ液を真空濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィーで精製し[DCMの30%EtOAcで溶離]、オフホワイトの固体である表題化合物を得た。H NMR(CDCl,400MHz)δ 1.93−2.04(m,1H)、2.05−2.18(m,1H)、2.35−2.45(m,2H)、2.49−2.62(m,2H)、4.00−4.12(m,1H)、7.82(s,1H);MS(ES+):m/z316.08(100)[MH]、HPLC:t=2.59分(MicromassZQ,polar_5分)。
【0222】
7−シクロブチル−5−ヨード−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン
【0223】
【化53】

【0224】
無水DMF(40mL)中の7−シクロブチル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(789mg、4.15mmol)およびN−ヨードスクシンイミド(NIS、933mg、4.15mmol)の溶液を室温で一晩撹拌した。さらに、4当量のNISを添加し、反応物を55℃で6時間加熱した。反応混合物を真空濃縮し、DCMとHOとの間に分配し、分離した。水層をDCM(3X)で洗浄し、混合した有機留分を1Mチオ硫酸ナトリウム(Na)(1X)、塩水(1X)で洗浄し、硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。固体をDCM中の20%EtOAcで粉細し、ガラス製ブフナーロート(Buchner funnel)でろ過し、オフホワイトの固体である表題化合物を得た。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 1.84−1.96(m,1H)、1.98−2.13(m,1H)、2.25−2.43(m,4H)、3.84−3.96(m,1H)、7.87(s,1H);MS(ES+):m/z317.02(100)[MH]、HPLC:t=2.62分(MicromassZQ,polar_5分)。
【0225】
7−シクロブチル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン
【0226】
【化54】

【0227】
オキシ塩化リン(POCl)(10mL)中のシクロブタンカルボン酸(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)アミド(1.33g、6.39mmol)の粗溶液を55℃まで加熱した。反応物を2時間加熱し、その後、真空濃縮し、氷浴で粗油を0℃まで冷却し、イソプロパノール(IPA)中の2MNHで僅かに塩基性にして反応を停止させた。この粗反応混合物を真空濃縮し、DCMとHOとの間に分配し、分離した。水層をDCM(3X)で抽出し、混合した有機留分を硫酸ナトリウム(NaSO)で乾燥させ、ろ過し、真空濃縮した。粗材料をシリカゲル上のクロマトグラフィーで精製し[DCMの5%MeOHで溶離]、オフホワイトの固体である表題化合物を得た。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 1.86−1.96(m,1H)、2.00−2.13(m,1H);2.26−2.46(m,4H);3.87−4.00(m,1H);7.71(s,1H);7.87(d,J=3.6Hz,1H);11.7(brs,1H);MS(ES+):m/z191.27(100)[MH]、HPLC:t=2.06分(MicromassZQ,polar_5分)。
【0228】
シクロブタンカルボン酸(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)アミド
【0229】
【化55】

【0230】
無水N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)(20mL)および無水ピリジン(2mL)中の6−アミノメチル−4H−[1,2,4]トリアジン−5−オン(500mg、3.96mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(0.829mL、4.76mmol)の溶液へ、0℃で塩化シクロブタンカルボニル(0.451mL、3.96mmol)を滴下で充填し、その後、室温まで温め、さらに1.5時間撹拌した。反応混合物をHO(2mL)で反応停止し、真空濃縮し、シリカゲル上のクロマトグラフィーで精製し[DCM(200mL)の5% MeOH→DCM(800mL)の10% MeOHで溶離]、表題化合物を得た。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 1.7−1.82(m,1H)、1.70−1.92(m,1H);1.97−2.07(m,2H);2.07−2.19(m,2H);3.55−3.67(m,1H);4.19(d,2H);7.97(brt,J=5.6Hz,1H);8.67(s,1H);MS(ES+):m/z209.25(100)[MH]、HPLC:t=1.56分(MicromassZQ,polar_5分)。
【0231】
6−アミノメチル−4H−[1,2,4]トリアジン−5−オン
【0232】
【化56】

【0233】
DCM/EtOH(1:1)(150mL)中の2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)イソインドール−1,3−ジオン(4g、15.6mmol)のスラリーを無水ヒドラジン(1.23mL、39.0mmol)で充填し、室温で18時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、オフホワイトの固体を温かいCHClで粉細し、ガラス製ロートでろ過した。その後、固体を熱く沸騰させたメタノール(MeOH)で粉末にし、ガラス製ロートでろ過し、オフホワイトの固体を得た。この物質を前述ようにして2回目の粉細を行い、一晩乾燥させ、白色固体である表題化合物を得、さらに精製せずに、次のステップに着手した。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 3.88(s,2H)、8.31(2,1H);MS(ES+):m/z127.07(100)[MH]、HPLC:t=0.34分(MicromassZQ,polar_5分)。
【0234】
2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)イソインドール−1,3−ジオン
【0235】
【化57】

【0236】
EtOH(40mL)中の2−(5−オキソ−3−チオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)イソインドール−1,3−ジオン(1.0g、3.47mmol)のスラリーを過度のラネーニッケル(3スパチュラ量)で充填し、2時間還流加熱した。セライトの小パッドで熱い反応混合物をろ過し、EtOH/THFの熱い混合物(1:1)(100mL)で洗浄し、ろ液を真空濃縮し、オフホワイトの固体である表題化合物を得た。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 4.75(s,2H)、7.84−7.98(m,4H)、8.66(s,1H);MS(ES+):m/z257.22(100)[MH]、HPLC:t=2.08分(MicromassZQ,polar_5分)。
【0237】
2−(5−オキソ−3−チオキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−[1,2,4]トリアジン−6−イルメチル)インダン−1,3−ジオン
【0238】
【化58】

【0239】
無水EtOH(300mL)中の3−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロイソインド−ル−2−イル)−2−オキソ−プロピオン酸エチルエステル(20g、76.6mmol)のスラリーを一部のチオセミカルバジド(6.98g、76.6mmol)で充填し、80℃で2時間加熱した。反応混合物をN,N−ジイソプロピルエチルアミン(DIEA)(26.7mL、76.56mmol)で充填し、40℃まで6時間加熱し、その後、室温でさらに10時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮し、固体を熱いEtOH/EtOAcで粉細し、ろ過し、EtOAcで洗浄した。固体を真空オーブン(40℃)で一晩乾燥させ、オフホワイトの固体である表題化合物を得た。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 4.68(s,2H)、7.85−7.95(m,4H);MS(ES+):m/z289.2(100)[MH]、HPLC:t=2.50分(MicromassZQ,polar_5分)。
【0240】
ベンジル4−{[(3−クロロピリジン−2−イル)メチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボン酸塩
【0241】
【化59】

【0242】
DCM(27.0mL)中のC−(3−クロロピリジン−2−イル)メチルアミンビス−塩酸塩(2.00g、0.0107mol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.2g、0.017mol)の溶液をN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(3.2g、0.017mol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.5g、0.011mol)および1−[(ベンジルオキシ)カルボニル]−4−ピペリジンカルボン酸(3.8g、0.014mol)で処理した。混合物を室温で一晩撹拌し、その後、DCM(30mL)で希釈し、NaHCO(20mL)飽和水溶液および塩水(20mL)で洗浄し、その後、NaSOで乾燥させ、真空濃縮した。従って、得られた粗物質をシリカゲル上で、EtOAc:ヘキサンの1:1にて溶出してクロマトグラフを行い、3.38gの表題化合物を産出した。H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.68−1.78(m,2H)、1.91−1.94(m,2H)、2.44(m,1H)、2.89−2.92(m,2H)、4.24−4.26(m,2H)、4.70(d,J=4.8Hz,2H)。5.14(s,2H)、6.85(br,1H)、7.30−7.37(m,5H)、8.34(d,J=2.8Hz,1H)、8.45(d,J=2.8Hz,1H)。MS(ES+):m/z389.17[MH+]。
【0243】
ベンジル4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩
【0244】
【化60】

【0245】
EtOAc(0.9mL)およびDMF(0.068mL)中のベンジル4−{[(3−クロロピラジン−2−イル)メチル]カルバモイル}ピペリジン−1−カルボン酸塩(0.100g、0.220mmol)の懸濁液に、0℃でゆっくりとPOCl(0.082mL、0.88mmol)を添加した。室温で1時間撹拌後、混合物を0℃まで冷却し、その後、固体NaHCOで処理した。混合物を室温で20分間撹拌し、水で希釈し、EtOAc(3×20mL)で抽出した。混合した抽出物を水(2×30mL)および塩水(30mL)で洗浄し、その後、NaSOで乾燥させ、真空濃縮し、2.07gの望ましい生成物を産出した。H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.98−2.04(m,4H)、3.03−3.20(m,3H)、4.30−4.33(m,2H)、5.16(s,2H)、7.33(d,J=5.2Hz,1H)、7.35−7.38(m,5H)、7.26(d,J=4.4Hz,1H)、7.79(s,1H)。MS(ES+):m/z371.22[MH+]。
【0246】
ベンジル4−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩
【0247】
【化61】

【0248】
DMF(0.6mL)中のベンジル4−(8−クロロイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(1.31g、0.00354mol)の溶液に、NIS(1.6g、0.0071mol)を添加した。反応混合物を55℃で20時間撹拌して放置し、その後、混合物をEtOAc(20mL)で希釈し、水(2×40mL)および塩水で洗浄し、その後、NaSOで乾燥させ、真空濃縮した。粗反応混合物をシリカゲル上でヘキサン→EtOAc:の1:1で溶離してクロマトグラフを行い、1.63gの望ましい生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.95−2.04(m,4H)、3.02−3.15(m,3H)、4.29−4.32(m,2H)、5.15(s,2H)、7.32(d,J=5.2Hz,1H)、7.34−7.37(m,5H)、7.66(d,J=5.2Hz,1H)。MS(ES+):m/z497.03[MH+]。
【0249】
ベンジル4−(8−アミノ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩
【0250】
【化62】

【0251】
IPA(20mL)中のベンジル4−(8−クロロ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(0.500g、0.00101mol)の混合物を−78℃まで冷却し、アンモニアガスのストリームで3分間にわたり処理した。得られた溶液をパール容器中で110℃で加熱し、次いで、真空中で濃縮し、DCMに溶解し、およびセライトの土台でろ過した。ろ液を真空濃縮し、0.504gの望ましい生成物を得た。H NMR(400MHz,CDCl):δ 1.88−2.02(m,2H)、2.99−3.10(m,3H)、4.24−4.41(m,2H)、5.15(s,2H)、6.03(br,2H)、7.03(d,J=4.8Hz,1H)、7.24(d,J=5.2Hz,1H)、7.31−7.40(m,5H)。MS(ES+):m/z479.33[MH+]。
【実施例1】
【0252】
【化63】

3−シクロブチル−1−(フェニルエチニル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0253】
N,N−ジメチルホルムアミド(6mL)中のの3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン(50mg、0.159mmol)の溶液を真空にし、Nで3回充填した後、トリエチルアミン(0.044mL、0.318mmol)、フェリルアセチレン(0.175mL、1.59mmol)および銅(I)ヨウ化物(3.0mg、0.0159mmol)で処理した。混合物を再度真空にし、さらにNで2回充填した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(20.2mg、0.0175mmol)で処理し、真空にし、最終的に2回Nで充填した。反応混合物を室温で16時間撹拌した後、真空濃縮し、MeOH/CHCN(1:1)(4mL)に溶解し、質量分離調合HPLCで精製する前に0.45μMガラス製のオートバイアル(autovial)でろ過し、13mgの表題化合物を得た。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 1.87−1.99(m,1H)、2.01−2.15(m,1H)、2.32−2.47(m,4H)、3.87−3.99(m,1H)、6.66(brs,2H)、7.08(brs,1H)、7.40−7.51(m,4H)、7.59−7.67(m,2H);MS(ES+):m/z289.13[MH]。
【実施例2】
【0254】
【化64】

1−[(3−クロロフェニル)エチニル]−3−シクロブチルイミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0255】
実施例1に記載の手順に従い、フェリルアセチレンの代わりに適切なアセチレン誘導体を使用して調製した。MS(ES+):m/z323.06&325.02[MH]。
【実施例3】
【0256】
【化65】

1−[(4−クロロフェニル)エチニル]−3−シクロブチルイミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0257】
実施例1に記載の手順に従い、フェリルアセチレンの代わりに適切なアセチレン誘導体を使用して調製した。MS(ES+):m/z322.99&324.95[MH]。
【実施例4】
【0258】
【化66】

1−[(2−クロロフェニル)エチニル]−3−シクロブチルイミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0259】
実施例1に記載の手順に従い、フェリルアセチレンの代わりに適切なアセチレン誘導体を使用して調製した。MS(ES+):m/z323.06&325.02[MH]。
【実施例5】
【0260】
【化67】

3−シクロブチル−1−(ピリジン−2−イルエチニル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0261】
実施例1に記載の手順に従い、フェリルアセチレンの代わりに適切なアセチレン誘導体を使用して調製した。MS(ES+):m/z290.10[MH]。
【実施例6】
【0262】
【化68】

3−シクロブチル−1−(ピリジン−3−イルエチニル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0263】
実施例1に記載の手順に従い、フェリルアセチレンの代わりに適切なアセチレン誘導体を使用して調製した。MS(ES+):m/z290.11[MH]。
【実施例7】
【0264】
【化69】

7−シクロブチル−5−(フェニルエチニル)イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−アミン
【0265】
実施例1に記載の手順に従い、3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミンの代わりに7−シクロブチル−5−ヨードイミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−イルアミンを使用して調製した。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 1.88−1.99(m,1H)、2.01−2.10(m,1H)、2.29−2.48(m,4H)、3.93−4.05(m,1H)、6.94(brs,1H)、7.43−7.48(m,3H)、7.66−7.73(m,2H)、7.92(s,1H)、8.55(brs,1H);MS(ES+):m/z290.10[MH]。
【実施例8】
【0266】
【化70】

3−シクロブチル−1−[(E)−2−フェニルビニル]イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0267】
DMF(3.0mL)中の3−シクロブチル−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン(50mg、0.159mmol)、スチレン(0.022mL、0.191mmol)およびトリエチルアミン(0.044mL、0.318mmol)の溶液を3回脱気し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(18mg、0.0159mmol)で充填し、さらに2回脱気し、その後、75℃で16時間加熱した。その後、反応混合物を真空濃縮し、MeOH/CHCN(1:1)(4mL)に溶解し、質量分離調合HPLCで精製する前に0.45μMガラス製のオートバイアル(autovial)でろ過し、表題化合物を得た。H NMR(DMSO−d,400MHz)δ 1.87−1.99(m,1H)、2.02−2.17(m,1H)、2.37−2.47(m,4H)、3.18(s,2H)、3.83−3.94(m,1H)、6.94(d,J=4.9Hz,1H)、7.25(t,J=7.33Hz,1H)、7.32−7.40(m,3H)、7.45(d,J=15.5Hz,1H)、7.63(d,J=15.45Hz,1H)、7.73(d,J=7.46Hz,2H);MS(ES+):m/z291.15[MH]。
【実施例9】
【0268】
【化71】

ベンジル4−(8−アミノ−1−(ピリジン−3−イルエチニル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩
【0269】
DMF(26mL)中のベンジル4−(8−アミノ−1−ヨードイミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(1.00g、0.00210mol)の溶液に、トリエチルアミン(0.58mL、0.0042mol)、3−エチニルピリジン(1.1g、0.010mol)および銅(I)ヨウ化物(66.6mg、0.350mmol)を添加した。混合物を3回脱気し、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(360mg、0.00031mol)で充填し、再度3回脱気し、その後、室温で16時間撹拌した。反応混合物をセライトのパッドを通過させ、ろ液を真空濃縮した。残渣をDCMに戻し、シリカゲル上のクロマトグラフィーで精製し、DCMの20%CHCNで溶離し、表題化合物を得た。H NMR(400MHz−DMSO−d6)δ 1.62−1.72(m,2H)、1.91−1.96(m,2H)、3.00−3.06(m,2H)、3.35−3.42(m,1H)、4.08−4.11(m,2H)、5.11(s,2H)6.69(bs,2H)、7.12(d,J=5.2Hz,1H)、7.30−7.33(m,1H)、7.38−7.40(m,4H)、7.46(m,1H)、7.74(d,J=4.8Hz,1H)、8.03−8.06(m,1H)、8.58(dd,J=1.6,4.8,1H)および8.81−8.82(m,1H);MS(ES+):m/z:452.91[MH+]。
【実施例10】
【0270】
【化72】

1−(ピリジン−3−イルエチニル)−3−[1−(3−チエニルカルボニル)ピペリジン−4−イル]イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
【0271】
濃HCl(10mL、10M、0.3mol)をベンジル4−(8−アミノ−1−(ピリジン−3−イルエチニル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン−3−イル)ピペリジン−1−カルボン酸塩(650mg、0.0014mol)に添加し、水(30mL)で希釈し、ジエチルエーテル(3×20mL)で洗浄する前に、混合物を室温で一晩撹拌してから放置した。水層を真空濃縮し、3−ピペリジン−4−イル−1−(ピリジン−3−イルエチニル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン塩酸塩(610mg、99%)を得た。
【0272】
DMF(4mL)中のこの物質(100.00mg、0.23mmol)をチオフェン−3−カルボン酸(36mg、0.28mmol)、TBTU(90.1mg、0.28mmol)およびDIPEA(0.2mL、1mmol)で処理した。混合物を室温で30分間撹拌してから放置し、その後、DCM(30mL)で希釈し、水(3×20mL)で洗浄した。有機抽出物を混合し、塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。残渣をシリカゲル上でDCMの5%MeOHで溶離してクロマトグラフを行い、表題化合物を得た。
H NMR(400MHz−DMSO−d6)δ 1.63−1.69(m,4H)、1.74−1.77(m,4H)、3.48−3.50(m,1H)、6.70(bs,12)、7.13(d,J=5.2Hz,1H)、7.23(dd,J=1.2,4.8Hz,1H)、7.46−7.50(m,1H)、7.61−7.63(m,1H)、7.77(d,J=5.2Hz,1H)、7.81−7.82(m,1H)、8.03−8.06(m,1H)、8.59(dd,J=1.2,4.8Hz,1H)および8.81−8.82(m,1H);MS(ES+):m/z:428.83[MH+]。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で示される化合物またはその薬学的に許容される塩。
【化1】

[式中
およびXは、それぞれ独立して、NまたはC−(Eaaであり、
は、N、C−(EaaまたはN−(Eaaであり、
、X、XおよびXは、それぞれ独立して、NまたはCであり、
、X、X、XおよびXのうちの少なくとも1つは、独立して、NまたはN−(Eaaであり、
は、C0−10アルキル、シクロC3−10アルキル、アミノメチルシクロC3−10アルキル、ビシクロC5−10アルキル、アリール、ヘテロアリール、アラルキル、ヘテロアラルキル、ヘテロシクリルまたはヘテロビシクロC5−10アルキルであり、これらのいずれも、1つまたはそれ以上の独立したG11置換基により場合により置換されており、
は、−A−(K)であり、
Aは、ビニルまたはアセチレニルであり、
Kは、独立して、水素、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール(1つまたはそれ以上のR31基により場合により置換されている。)、ヘタリール(1つまたはそれ以上のR31基により場合により置換されている。))、C0−6アルキル、−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−NR311S(O)0−2321、−C0−8アルキル−NR311S(O)0−2NR321331、−C0−8アルキル−NR311CO321、−C0−8アルキル−CON(R311)S(O)0−2321、−C0−8アルキル−S(O)0−2NR311321、−C0−8アルキル−NR311COR321、−C0−8アルキル−NR311CONR321331、−C0−8アルキル−CONR311321、−C0−8アルキル−CO311、−C0−8アルキル−COR311、−C0−8アルキルS(O)0−2311、−C0−8アルキル−O−C1−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8−アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(R311)−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−NR311321、−C2−8アルケニル、−C2−8アルキニル、NO、CN、CF、OCF、OCHFであり、
31、R32、R33、R311、R321、R331、R312、R322、R332、R341、R313、R323、R333およびR342は、各々の場合独立して、
0−8アルキル(このC0−8アルキルは、アリール、シクリル、ヘテロシクリル、ヘタリール、ハロ、−CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−CO(C0−8アルキル)、−OC0−8アルキル、−Oアリール、−Oヘタリール、−Oヘテロシクリル、−S(O)0−2アリール、−S(O)0−2ヘタリール、−S(O)0−2ヘテロシクリル、−S(O)0−20−8アルキル、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C1−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C3−8シクロアルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C1−8アルキル)、−S(O)1−2N(C0−8アルキル)C0−8アルキル)、−NR11S(O)1−2(C0−8アルキル)、−CON(C3−8シクロアルキル)(C3−8シクロアルキル)、−CON(C0−8アルキル)(C3−8シクロアルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CON(C3−8シクロアルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CON(C3−8シクロアルキル)(C0−8アルキル)、−N(C0−8アルキル)CO(C3−8シクロアルキル)、−N(C3−8シクロアルキル)CO(C3−8シクロアルキル)、S(O)1−2N(C0−8アルキル)(C3−8シクロアルキル)、−NR11S(O)1−2(C3−8シクロアルキル)、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、CN、CF、OHまたは場合により置換されているアリール置換基の1〜6個により独立して場合により置換されており、上記のアリール、ヘテロシクリル、ヘタリール、アルキルまたはシクロアルキル基のそれぞれは、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール、ヘタリール、C0−6アルキル、C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−S(O)0−2−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−S(O)0−2−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CO−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C1−8アルキル−CO−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキルS(O)0−2−(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−O−C1−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−S−C08アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘテロシクリル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘタリール、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、NO、CN、CF、OCF、OCHFにより独立して場合により置換され得る。)、
−C0−8アルキル−C3−8シクロアルキル、
−C0−8アルキル−O−C0−8アルキル、
−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、
−C0−8アルキル−S(O)0−2−C0−8アルキル、または
ヘテロシクリル(このヘテロシクリルは、C0−8アルキル、シクリルまたは置換されているシクリル置換基の独立した1〜4個により場合により置換されている。)
であり、
は、各々の場合において、独立して、ハロ、−CF、−OCF、−OR、−NR3132、−C(=O)R31、−CO31、−CONR3132、−NO、−CN、−S(O)0−231、−S(O)0−2NR3132、−NR31C(=O)R32、−NR31C(=O)OR32、−NR31C(=O)NR3233、−NR31S(O)0−232、−C(=S)OR31、−C(=O)SR31、−NR31C(=NR32)NR3331、−NR31C(=NR32)OR33、−NR31C(=NR31)SR31、−OC(=C)OR31、−OC(=O)NR3132、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31、−SC(=O)NR3132、C0−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、−C1−10アルコキシC1−10アルキル、−C1−10アルコキシC2−10アルケニル、−C1−10アルコキシC2−10アルキニル、−C1−10アルキルチオC1−10アルキル、−C1−10アルキルチオC2−10アルケニル、−C1−10アルキルチオC2−10アルキニル、シクロC3−8アルキル、シクロC3−8アルケニル、−シクロC3−8アルキルC1−10アルキル、−シクロC3−8アルケニルC1−10アルキル、−シクロC3−8アルキルC2−10アルケニル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルケニル、−シクロC3−8アルキルC2−10アルキニル、−シクロC3−8アルケニルC2−10アルキニル、−ヘテロシクリル−C0−10アルキル、−ヘテロシクリル−C2−10アルケニルまたは−ヘテロシクリル−C2−10アルキニルであり、これらのいずれも、ハロ、オキソ、−CF、−OCF、−OR31、−NR3132、−C(=O)R31、−CO31、−C(=O)NR3132、−NO、−CN、−S(=O)0−231、−SONR31、−NR31C(=O)R32、−NR31C(=O)OR31、−NR31C(=O)NR3233、−NR31S(O)0−231、−C(=S)OR31、−C(=O)SR31、−NR31C(=NR32)NR3331、−NR31C(=NR32)OR33、−NR31C(=NR32)SR33、−OC(=O)OR31、−OC(=O)NR3132、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31または−SC(=O)NR3132置換基の独立した1つまたはそれ以上により場合により置換されており、または
は、各々の場合において、独立して、アリール−C0−10アルキル、アリール−C2−10アルケニル、アリール−C2−10アルキニル、ヘタリール−C0−10アルキル、ヘタリール−C2−10アルケニルまたはヘタリール−C2−10アルキニルであり、結合点は、記載の左または右のいずれかであり、これらのいずれも、ハロ、−CF、−OCF、−OR31、−NR3132、−C(O)R31、−CO31、−C(=O)NR3132、−NO、−CN、−S(O)0−231、−S(O)0−2NR3132、−NR31C(=O)R32、−NR31C(=O)OR32、−NR31C(=O)NR3233、−NR31S(O)0−232、−C(=S)OR31、−C(=O)SR31、−NR31C(=NR32)NR3331、−NR31C(=NR32)OR33、−NR31C(=NR32)SR33、−OC(=O)OR31、−OC(=O)NR3132、−OC(=O)SR31、−SC(=O)OR31または−SC(=O)NR3132置換基の1つまたはそれ以上により独立して場合により置換されており、
−NR3132、−NR311321、−NR312322、−NR332341、−NR313323および−NR323333の場合において、R31およびR32、R311およびR321、R312およびR322、R331およびR341、R313およびR323ならびにR323およびR333のそれぞれは、結合している窒素原子と場合により一緒になって、3〜10員の飽和環または不飽和環を形成し、前記環は、各々の場合において、独立して、−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、ヒドロキシル、ハロゲン、オキソ、アリール、ヘタリール、C0−6アルキル、−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)S(O)0−20−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)S(O)0−2N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CON((C0−8アルキル))S(O)0−2(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−S(O)0−2N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CON(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−CO(C0−8アルキル)、−C0−8アルキルS(O)0−2(C0−8アルキル)、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルシクリル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルアリール、−Oアリール、−C0−8アルキル−O−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−S−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルC3−8シクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘテロシクロアルキル、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルアリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)−C0−8アルキルヘタリール、−C0−8アルキル−N(C0−8アルキル)(C0−8アルキル)、C2−8アルケニル、C2−8アルキニル、NO、CN、CF、OCFまたはOCHF置換基の1つまたはそれ以上により独立して場合により置換されており、前記環は、各々の場合において、独立して、前記窒素以外の1つまたはそれ以上のヘテロ原子を場合により含み、
mは、0、1、2、または3であり、
aaは、0または1であり、ならびに
前記化合物は、
3−シクロブチル−1−[(4−フェノキシフェニル)エチニル]イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン、
3−シクロブチル−1−[(1−メチル−1H−イミダゾール−5−イル)エチニル]イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン、
N−{3−[(8−アミノ−3−シクロブチルイミダゾ[1,5−α]ピラジン−1−イル)エチニル]フェニル}−4−クロロベンズアミド、または
3−シクロブチル−1−(ピリジン−4−イルエチニル)イミダゾ[1,5−α]ピラジン−8−アミン
ではないことを条件とする。]
【請求項2】
およびXがCHであり、XおよびXがNであり、X、XおよびXがCである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項3】
がCHであり、X、XおよびXがNであり、X、XおよびXがCである、請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項4】
【表1】


からなる請求項1に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な担体を含む組成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および抗腫瘍剤、抗癌剤または化学療法剤を含む組成物。
【請求項7】
請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物を備える組成物またはその薬学的に許容可能な塩および細胞毒性薬または血管形成阻害癌治療薬。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の化合物の有効量を投与する段階を備える、過剰増殖性疾患の治療方法。
【請求項9】
前記過剰増殖性疾患が、乳癌、肺癌、非小細胞肺癌、腎臓癌、腎細胞癌、前立腺癌、血液の癌、肝臓癌、卵巣癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、消化管癌、リンパ腫、腎細胞癌、マントル細胞リンパ腫または子宮内膜癌である、請求項8に記載の治療方法。
【請求項10】
請求項1から7のいずれかに記載の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の有効量を投与する段階を含む、関節リウマチ、過誤腫症候群、移植片拒絶反応、アテローム性動脈硬化症、IBD、多発性硬化症または免疫抑制疾患の治療方法。

【公表番号】特表2009−524671(P2009−524671A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−552404(P2008−552404)
【出願日】平成19年1月24日(2007.1.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/002027
【国際公開番号】WO2007/087395
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(506330575)オーエスアイ・ファーマスーティカルズ・インコーポレーテッド (25)
【Fターム(参考)】