説明

中和器を備えた温水装置

【課題】ドレイン用の中和器内に燃焼ガス遮断用の水封構造を形成するのに十分なドレインが貯留されていない場合にも好適に対処することが可能な温水装置を提供する。
【解決手段】温水装置A1は、湯水流路2と中和器3とを接続しているとともに、湯水流路2から中和器3への湯水供給のオン・オフを切り換え自在なバルブV1が設けられて、中和器3内におけるドレインの水位が所定の基準水位に満たないときに湯水流路2の湯水を中和器3内に導いて中和器3内の水位を上昇させることが可能な補助給水管5と、この補助給水管5を介して中和器3内から湯水流路2に向けて液体の逆流が生じることを阻止可能な逆流防止手段6a〜6cとを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃焼ガスから熱回収を行なう際に発生する酸性のドレイン(凝縮水)を中和するための中和器を備えた温水装置に関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、温水装置の具体例として、特許文献1〜3に記載されたものを先に提案している。これらの文献に記載された温水装置は、燃焼器により発生された燃焼ガスが所定の燃焼ガス流路を進行するように構成されており、この燃焼ガスから熱交換器によって顕熱および潜熱を回収し、湯水加熱を行なうように構成されている。また、前記燃焼ガス流路を形成する部材の下方には、中和器が設けられている。燃焼ガスから潜熱を回収すると、燃焼ガス中の窒素酸化物などの成分を含んだ酸性のドレインが発生するが、このドレインは前記燃焼ガス流路から前記中和器内に送り込まれるように構成されている。前記中和器は、たとえば炭酸カルシウムなどの中和剤が容器に収容されたものであり、酸性のドレインはこの中和器内を通過することによって中和処理され、その後この中和器の排出口から外部に排出される。したがって、ドレインが酸性のまま廃棄されることが回避され、環境保護に良い。
【0003】
一方、前記したような中和器の内部にドレインを導く場合、温水装置の燃焼ガス流路から中和器内に燃焼ガスの一部が進行する虞がある。温水装置を実際に使用する場合、中和器内に進行した燃焼ガスがそのまま中和器内を通過して外部に排出されることは防止したい場合があり、とくに温水装置が屋内設置型の場合にはそのような要請は大きい。そこで、本出願人は、たとえば特許文献4に記載されているように、ドレインが所定量以上貯留することにより、燃焼ガス遮断用の水封構造が内部に形成されるようにした中和器を提案している。このような構成によれば、中和器内に進行した燃焼ガスが前記水封構造部分よりも下流に進行することは適切に阻止され、燃焼ガスが中和器内を通過して外部に排出されないようにすることができる。
【0004】
しかしながら、前記従来技術においては、次に述べるように、未だ改善すべき点があった。
【0005】
すなわち、中和器内において燃焼ガス遮断用の水封構造が適切に形成されるのは、中和器内にドレインが一定水位以上に貯留されている場合に限られ、それ以外の場合には、水封構造は適切に形成されない。たとえば、中和器を備えた温水装置を新規に設置した際には、中和器内にドレインは存在しない。また、冬季などにおいては、凍結防止などを目的として中和器内のドレインを抜き取る場合もある。さらに、当初は中和器内にドレインが十分に存在している場合であっても、予測困難な特殊な事情に起因して、ドレインの水位が低下する場合もあり得る。このような場合には、中和器内に燃焼ガス遮断用の水封構造は形成されないこととなるため、このような状態のまま温水装置が運転されたのでは、燃焼ガスが中和器を経由して外部に排出されることとなる。したがって、このようなことに対して好適に対処することが要請され、この点において改善の余地がある。この場合、温水装置全体が大型化するといった不具合が生じないようにすることが要請される。
【0006】
【特許文献1】特開2006−102617号公報
【特許文献2】特開2006−105467号公報
【特許文献3】特開2006−105468号公報
【特許文献4】特許第3791451号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、前記したような事情のもとで考え出されたものであって、ドレイン用の中和器内に燃焼ガス遮断用の水封構造を形成するのに十分なドレインが貯留されていない場合に好適に対処することが可能な中和器を備えた温水装置を提供することを、その課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の課題を解決するため、本発明では、次の技術的手段を講じている。
【0009】
本発明により提供される中和器を備えた温水装置は、燃焼ガスを一定の経路で流通させるための燃焼ガス流路を内部に形成している燃焼ガス流路形成部材と、加熱対象の湯水を一定の経路で流通させることが可能であり、かつ前記燃焼ガス流路を流通する燃焼ガスから熱回収を行なう熱交換器を有している湯水流路と、前記熱回収に伴って発生した酸性のドレインを内部に流入させて中和させてから外部に排出可能であり、かつ前記燃焼ガス流路から進行してくる燃焼ガスを遮断する水封構造が内部に形成されるように前記ドレインを所定の基準水位以上に滞留させることが可能とされた中和器と、を備えている、中和器を備えた温水装置であって、前記湯水流路と前記中和器とを互いに接続しているとともに、前記湯水流路から前記中和器への湯水供給のオン・オフを切り換え自在なバルブが設けられ、かつ前記中和器内におけるドレインの水位が前記基準水位に満たないときに前記湯水流路の湯水を前記中和器内に導いて前記中和器内の水位を上昇させることが可能な補助給水管と、この補助給水管を介して前記中和器内から前記湯水流路に向けて液体の逆流が生じることを阻止可能な逆流防止手段と、を備えていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、次のような効果が得られる。
【0011】
第1に、中和器内におけるドレインの水位が所定の基準水位に満たないときには、補助給水管を利用して中和器内に湯水を供給することにより、中和器内の水位を所定の基準水位まで上昇させることが可能であり、このことによって中和器内に燃焼ガス遮断用の水封構造を適切に形成し、燃焼ガスが中和器を経由して外部に排出されないようにすることができる。したがって、たとえば温水装置の設置当初や、凍結防止を目的としてドレインを抜き取った後などにおいて、ドレイン量が水封構造を形成するのに充分でない場合であっても、好適に対処することができる。
【0012】
第2に、中和器内の液体が補助給水管を介して湯水流路に逆流する現象(クロスコネクション)を阻止可能な逆流防止手段を具備しているために、湯水流路内が不衛生となることが防止されることは勿論のこと、次に述べるように、中和器の薄型化を図ったり、あるいは補助給水管と中和器との接続構造に大きな融通性をもたせることが可能となる。すなわち、本発明とは異なり、前記した逆流防止手段が具備されていない場合には、クロスコネクションを防止する観点から、補助給水管をたとえば中和器の側部や底部に接続するといったことは困難であり、補助給水管を中和器の上部に接続せざるを得ないこととなる。また、このように補助給水管を中和器の上部に接続する場合であっても、クロスコネクションを確実に防止するには、補助給水管から中和器内に給水を行なわせるための給水口をドレインの液面のかなり上方に設ける必要がある。ところが、そのような構成とするには、中和器の上下高さ方向の厚みを大きくしなければならず、中和器が大型化する不利を招く。これに対し、本発明によれば、前記したような不具合を全て好適に解消することができ、補助給水管を中和器の側部や底部に接続するといった融通性が得られ、また中和器の薄型化を図って、たとえば中和器を温水装置の他の部分の下方に配置するような場合には温水装置全体の上下高さ寸法を小さくするのに好ましいものとなる。
【0013】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記中和器は、前記燃焼ガス流路形成部材の底部下方に配されており、前記バルブおよび前記逆流防止手段は、前記燃焼ガス流路形成部材または前記中和器の側方に配されている。
【0014】
このような構成によれば、中和器が燃焼ガス流路形成部材の底部下方に配されているために、ドレインを燃焼ガス流路内から中和器内に流入させることが容易化されるとともに、温水装置全体の横幅寸法を小さくするのに好ましいものとなる。また、バルブや逆流防止手段が燃焼ガス流路形成部材または中和器の側方に配されていれば、たとえばこれらバルブや逆流防止手段が燃焼ガス流路形成部材の底部と中和器との間に設けられている場合と比較して、温水装置全体の上下高さ方向のサイズを小さくし得ることとなる。
【0015】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記補助給水管は、前記中和器の側部または底部に接続され、かつ前記中和器の側部または底部に設けられている給水口から前記中和器内に給水が可能な構成とされている。
【0016】
このような構成によれば、たとえば中和器内にその上部から給水を行なう場合と比較すると、中和器内への給水が低い高さから行なわれるために、給水時の音(たとえば、中和器内に存在するドレインの液面上に水が流れ落ちる音など)を小さくし、この音がユーザにとって気にならないようにするのに好適である。また、中和器を燃焼ガス流路形成部材の底部下方に配置した場合には、補助給水管をそれら燃焼ガス流路形成部材と中和器との隙間に通す必要が無くなり、この隙間の寸法を小さくすることもできる。
【0017】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記給水口は、前記基準水位よりも低い高さに設けられている。
【0018】
このような構成によれば、給水口から中和器内に水が注ぎ込まれるときに発生する音を小さくするのにより好ましいものとなる。
【0019】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記中和器内の水位が前記基準水位以上にあるか否かを検出するための水位検出手段と、この水位検出手段を利用して検出される水位が前記基準水位に満たないときに、前記バルブを開状態として前記中和器内への給水を行なわせる制御を実行する制御手段と、を備えている。
【0020】
このような構成によれば、制御手段の制御によって適切なタイミングで中和器内への給水を行なわせることができる。
【0021】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記補助給水管は、前記湯水流路のうち、前記熱交換器への給水量を計測するための流量計よりも上流に接続されており、前記制御手段は、前記中和器内の水位が前記基準水位未満となって前記バルブを開いたときには、その後に前記水位が前記基準水位まで上昇した時点から予め設定された時間が経過した時点で前記バルブを閉じる制御を実行するように構成されている。
【0022】
このような構成によれば、補助給水管から中和器内に給水が行なわれたときには、中和器内の水位は、基準水位よりも適当量だけ余分に上昇した状態とされる。このように、中和器内の水位を適当量だけ余分に上昇させておけば、水面が多少揺れた場合であっても、その水位が基準水位を容易には下回らないこととなり、水位検出手段にハンチング現象(水位が基準水位以上であると判断する動作と、そうではないと判断する動作とが交互に頻繁に繰り返される現象)が起きないようにすることができる。また、補助給水管が前記流量計よりも上流に接続されていれば、補助給水管を利用して中和器に給水を行なったときに、この給水量が前記流量計によって計測されることはない。したがって、前記流量計によって計測される値については、熱交換器への給水量を正確に反映したものとすることができる。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記補助給水管は、前記湯水流路のうち、前記熱交換器への給水量を計測するための流量計よりも下流に接続されており、前記制御手段は、前記中和器内の水位が前記基準水位未満となって前記開閉弁を開いたときには、その後に前記水位が前記所定の基準水位まで上昇した時点から予め設定された流量が前記流量計によって計測された時点で前記バルブを閉じる制御を実行するように構成されている。
【0024】
このような構成によれば、前記した実施形態と同様に、補助給水管から中和器内に給水が行なわれたときには、中和器内の水位が基準水位よりも適当量だけ余分に上昇した状態とされ、水位検出手段のハンチング現象を防止することができる。一方、中和器への給水が停止されるタイミングは、湯水流路に設けられて熱交換器への給水量を計測するための流量計を利用して制御されるために、それ専用の流量計を別途必要とせず、その制御は容易かつ正確なものとすることができる。
【0025】
本発明の好ましい実施の形態においては、前記湯水流路の一部分は、前記湯水流路の他の部分に分岐接続されて逆流防止機構が設けられた浴槽用落とし込み流路として構成されており、前記補助給水管は、前記浴槽用落とし込み流路に分岐接続されていることにより、前記浴槽用落とし込み流路の湯水を前記中和器内に供給可能であり、かつ前記浴槽用落とし込み流路の逆流防止機構が前記逆流防止手段を兼用した構成とされている。
【0026】
このような構成によれば、浴槽用落とし込み流路の逆流防止機構が、中和器から湯水流路への逆流を防止する手段を兼用しているために、補助給水管に専用の逆流防止手段を設ける必要がなく、その構成は合理的である。
【0027】
本発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行なう発明の実施の形態の説明から、より明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照して具体的に説明する。
【0029】
図1〜図3は、本発明が適用された中和器を備えた温水装置(以下、単に「温水装置」と称する)およびこれに関連する構成の一例を示している。図1によく表われているように、本実施形態の温水装置A1は、燃焼器10やその他の後述する部分を有する温水装置本体部1、中和器3、制御部4、加熱対象の湯水を一定の経路で流通させるための湯水流路2、補助給水管5、逆流防止機能を備えた電磁開閉バルブV1、および外装ケース9を備えている。
【0030】
温水装置本体部1は、燃焼器10に加えて、ケーシング11、12、および消音器13を備えている。燃焼器10は、燃料パイプ14を介して外部から供給されてくる灯油などの燃料オイルを噴霧または気化させて下向きに燃焼させる逆燃方式のものであり、その上方からは送風ファン15によって燃焼用空気が下向きに供給される。ケーシング11,12、および消音器13の内部は、一連に繋がった燃焼ガス流路19であり、燃焼器10によって発生された燃焼ガスは、ケーシング11内を下向きに進行してケーシング12内に流入した後に、消音器13内を経てその排気口13aから排ガスとして外部に排出される。ただし、この温水装置A1が屋内設置型の場合には、排気口13aに屋外排気用のダクト(図示略)がさらに接続され、熱回収を終えた燃焼ガスは、この屋外排気用ダクトを介して屋外に排気される。ケーシング11,12、および消音器13は、本発明でいう燃焼ガス流路形成部材の一例に相当する。
【0031】
湯水流路2は、第1および第2の熱交換器20A,20B、およびこれらに繋がった入水用および出湯用の内部配管21,22を備えている。第1および第2の熱交換器20A,20Bは、ケーシング11内に配されており、燃焼ガスから顕熱および潜熱を順次回収するように構成されている。湯水流路2においては、外部から入水口21aに供給された水が第2の熱交換器20Bおよび第1の熱交換器20Aに順次送り込まれることにより加熱され、かつこの加熱により生成された温水が出湯口22aから外部に出湯するように構成されている。第2の熱交換器20Bによって燃焼ガスから潜熱を回収すると、その表面上に酸性のドレインが発生するが、このドレインはケーシング12の底部上に流れ落ちる。ケーシング12の底部には、ドレイン用の流出口12aが設けられており、この部分から中和器3にドレインが供給される。
【0032】
中和器3は、温水装置A1の全体の横幅が嵩張らないようにケーシング12の下方に配置されている。この中和器3は、たとえば耐酸性を有する合成樹脂製の容器30内に、粒状の炭酸カルシウムなどの中和剤31が収容された構成を有している。ドレインが流入口32から容器30内に流入すると、このドレインは中和剤31との接触によって中和されてから流出口33に到達する。流出口33に到達したドレインは、適当な内部配管69を介して外装ケース9の外部に排出される。
【0033】
図3によく表われているように、中和器3は、第1および第2の隔壁34a,34bを有しており、これらによって第1ないし第3の貯水槽35a〜35cに区画されている。中和剤31は、第2および第3の貯水槽35b,35cのみに充填されている。この中和器3においては、その内部にドレインが流れ込んで貯留されることにより、燃焼ガス遮断用の水封構造が形成されるようになっている。より具体的には、この水封構造は、中和器3内にドレインが流れ込んだ状態において、第1の貯水槽35a内の水位が少なくとも第1の隔壁34aの下端の高さH1よりも上位にあり、このことにより第1の貯水槽35a内のエアあるいは燃焼ガスが第2の隔壁34bに向けて進行しない状態である。なお、温水装置A1が運転されておらず、燃焼ガス流路19から中和器3内に燃焼ガス圧などが作用していないときに、第1の貯水槽35a内の水位が前記した高さH1と略同等な高さであると、温水装置A1が運転されて燃焼ガス圧が第1の貯水槽35a内に作用したときに、その水位が低下して水封構造が容易に解除される虞がある。このため、本実施形態においては、後述するように、温水装置A1の運転停止時には、第1の貯水槽35a内の水位が前記した高さH1よりも高い水位となるように制御される。
【0034】
中和器3は、水位検出部LSを備えている。この水位検出部LSは、第1の貯水槽35aの水位を検出するためのものであり、電極38,39a〜39cを有している。電極38は、グランド電極である。電極39a〜39cは、それらの下端高さが互いに相違しており、それらの下端がドレイン中に浸漬すると、グランド電極38との間で通電を生じ、このことにより水位が電極39a〜39cの各下端よりも上方であるか否かが制御部4において判断できるようになっている。
【0035】
電極39aは、その下端高さが第1の隔壁34aの下端の高さH1よりも若干寸法だけ高くされ、あるいは略同等の高さであり、たとえば温水装置A1において異常燃焼が生じたり、あるいはそれ以外の原因によって第1の貯水槽35aの水位が異常に大きく低下したときにこれを検出するのに役立つ。また、この電極39aによる水位検出が無いときには、燃焼ガス遮断用の水封構造が形成されていない可能性が高いと判断することができる。このため、たとえば温水装置A1の運転時において、万一、この電極39aの下端高さよりも水位が低下する事態が発生した場合には、その旨の警告が行なわれるとともに、温水装置A1の運転(燃焼運転)を強制的に停止させるなどの制御が実行される。
【0036】
電極39bは、水位が所定の基準水位L1以上であるか否かを判断するためのものである。ここで、本実施形態における基準水位L1は、第1の貯水槽35aに対して最大燃焼ガス圧(好ましくは、排気口13aなどから燃焼ガス流路19に外部空気が吹き込んだ際の圧力も含む)が作用した場合であっても、水位が前記した高さH1よりも低下することはなく、燃焼ガス遮断用の水封構造を維持し得る水面高さである。電極39cは、ドレインの異常上昇を検出するためのものである。より具体的には、中和器3の内部やその下流の配管系に詰まりが無い正常時には、中和器3内は、図3に示す最高水位L2を超えることはない。これに対し、詰まりを生じた場合において、その後もドレインが中和器3内に流入すると、中和器3内の水位が最高水位L2よりも上昇する。電極39cはそのような異常上昇を検出するのに利用される。
【0037】
補助給水管5は、中和器3内のドレイン量が不足するときに中和器3内に給水を行なうためのものである。図1に示すように、この補助給水管5の一端部は、電磁開閉バルブV1を介して入水用の内部配管21に接続されており、また他端部は、中和器3の上部に設けられた給水口37に接続されている。このため、電磁開閉バルブV1を開くことにより、内部配管21内の水を中和器3内に供給することが可能である。内部配管21には、第1および第2の熱交換器20A,20Bへの給水量を計測するための流量計29が設けられているが、電磁開閉バルブV1はこの流量計29よりも上流に接続されている。このことの意義については後述する。電磁開閉バルブV1は、温水装置本体部1または中和器3の一側方に配置されている。このような配置にすると、ケーシング12と中和器3との隙間90に電磁開閉バルブV1を配置させる場合と比較して、隙間90の寸法を小さくし、温水装置A1全体の上下高さ寸法を小さくするのに好ましいものとなる。
【0038】
電磁開閉バルブV1は、逆止弁6a,6b、および逃がし弁6cを備えており、中和器3内のドレインが内部配管21内に逆流することを防止可能である。より詳しくは、図2(a),(b)に示すように、電磁開閉バルブV1のケーシング60には、内部配管21および補助給水管5が接続されるポート60a〜60cが形成されており、電磁ソレノイド61の駆動力によって弁体62が往復動することにより流路63が開閉され、内部配管21と補助給水管5との間の連通および遮断が切り換え自在である。逆止弁6a,6bは、補助給水管5側から内部配管21側への逆流を防止するように動作するが、このように2つの逆止弁6a,6bが設けられていれば、逆流防止が確実化される。逃がし弁6cは、補助給水管5からの2次圧P2が内部配管21からの1次圧P1よりも高くなったときには、同図(a)に示すようにポート60dを開くように動作する。すると、ケーシング60内の液体は配管68を介して外装ケース9の外部にオーバフローする。このような構成によれば、逆止弁6a,6bの双方が仮に適切に動作しない状態が生じても、この逃がし弁6cの動作によって逆流防止効果が得られる。
【0039】
図1において、制御部4は、たとえばマイクロコンピュータを用いて構成されており、燃焼器10やファン15などの駆動を制御して所望温度の温水を加熱生成するのに必要な処理を実行する他、中和器3の水位検出部LSからの信号に基づいて電磁開閉バルブV1を開閉し、中和器3内への給水動作制御をも実行する。その詳細については、後述する。
【0040】
次に、前記した温水装置A1の作用について説明する。
【0041】
まず、湯水流路2に所定流量以上の通水がなされ、その旨が流量計29を介して制御部4によって検出されると、燃焼器10が駆動する。この燃焼器10の駆動により発生した燃焼ガスからは第1および第2の熱交換器20A,20Bによって顕熱および潜熱が回収され、湯水流路2内を流通する湯水が効率良く加熱される。潜熱回収に伴って発生したドレインは、ケーシング12の底部上に流れ落ちた後にドレイン用の流出口12aから流入口32に導かれて中和器3内に流入し、中和剤31との接触によって中和される。その後、この中和されたドレインは、内部配管69を通過して外装ケース9の外部に排出される。
【0042】
中和器3内にドレインが貯留され、第1の貯水槽35aにおけるドレインの水位(温水装置A1の非運転時(非燃焼時)の水位)が基準水位L1以上であれば、温水装置A1が運転されて中和器3内に燃焼ガス圧などが作用しても、その水位が第1の隔壁34aの下端高さH1よりも低い高さまで低下することはなく、燃焼ガスを遮断可能な水封構造が維持される。したがって、燃焼ガス流路19内の燃焼ガスが中和器3や内部配管69を通過して外部に排出されることが適切に防止される。
【0043】
一方、たとえば温水装置A1の設置初期状態においては、中和器3内にドレインは未だ貯留されていない。また、温水装置A1の使用開始後であっても、たとえば冬季に中和器3内のドレインが凍結することを防止したり、中和器3のメンテナンスなどを行なうといった事情から中和器3内の水抜きを行なう場合もある。このような場合において、制御部4は、中和器3内の水位が基準水位L1に満たないと判断すると、その時点で電磁開閉バルブV1を開く。このことにより、湯水流路2内の湯水が補助給水管5を介して中和器3内に供給され、その水位を基準水位L1以上とすることができ、中和器3内に燃焼ガス遮断用の水封構造が適切に形成される。したがって、中和器3内にドレインが十分に貯留されていない場合にも容易かつ適切に対処可能であり、燃焼ガスが中和器3を経由して外部に排出されることがより徹底して防止される。
【0044】
電磁開閉バルブV1は、図2を参照して説明したように、優れた逆流防止機能を備えているために、中和器3内のドレインが湯水流路2内に逆流するクロスコネクションを適切に防止することができるばかりか、次に述べるように、中和器3の高さ寸法を小さくする効果も得られることとなる。すなわち、補助給水管5に逆流防止手段が設けられていない場合には、クロスコネクションを防止する観点から、給水口37の下方周辺域の空間スペースを大きくとる必要があり、図3に示す給水口37と最高水位L2との間の寸法s1を比較的大きな寸法(たとえば25mm以上)にしなければならない。これでは、中和器3の上下高さ寸法が大きくなる。これに対し、本実施形態においては、そのような必要がなく、前記の寸法s1を小さくして(たとえば10mm程度)、中和器3の薄型化を図り、ひいてはこの中和器3と温水装置本体部1とをトータルした温水装置A1全体の上下高さ寸法も小さくすることも可能となる。また、本実施形態においては、電磁開閉バルブV1に逆流防止機能が具備されているために、この電磁開閉バルブV1とは別個の逆止弁を補助給水管5に取り付ける手間も不要となり、その配管組み立て作業も容易となる。
【0045】
制御部4は、補助給水管5を介して中和器3内に給水を行なう場合、たとえば図4に示すような制御を行なう。すなわち、中和器3内のドレイン水位が基準水位L1に満たない場合、電磁開閉バルブV1を開いて中和器3内への給水を開始させるが(S1)、その後に中和器3内の水位が基準水位L1に到達してもその時点では給水を停止させず、その時点でタイマをセットする(S2:YES,S3)。次いで、前記タイマによって所定時間がカウントされると、制御部4は、その時点で電磁開閉バルブV1を閉じて中和器3内への給水を停止させる(S4:YES,S5)。このような制御によれば、中和器3内の水位は、基準水位L1よりも高い水位となる(この水位は、最高水位L2と同一または非同一のいずれでもよい)。本実施形態とは異なり、中和器3内の水位が基準水位L1になった時点で給水を停止させたのでは、中和器3内の水面に揺れなどが生じると、水位検出部LSの電極38,39b間が導通・非導通を短期間で頻繁に繰り返すハンチング現象を生じる。これに対し、本実施形態によれば、そのようなハンチング現象を適切に防止することができる。
【0046】
なお、本実施形態においては、中和器3内の水位が基準水位L1以下であるか否かの判断は、温水装置A1の運転が停止されているときにのみ行なわれるように構成されており、温水装置A1の運転中においては、仮に中和器3内の水位が基準水位L1未満となったとしても前記したような給水動作は行なわれない。温水装置A1の運転時には、燃焼ガス圧などによって中和器3内の水位が基準水位L1未満となる場合があり、この場合であっても、水位が第1の隔壁34aの下端高さH1を下回らない限りは、燃焼ガス遮断用の水封構造が維持されているからである。温水装置A1の運転時において、中和器3の水位が前記の高さH1を下回ったときには、運転停止などの適当な措置が採られることは先に述べたとおりである。
【0047】
電磁開閉バルブV1は、既述したように、湯水流路2に対して流量計29よりも上流の位置に接続されているために、湯水流路2内の湯水が補助給水管5を介して中和器3に供給された場合であっても、その流量は流量計29によっては計測されない。したがって、中和器3内に給水が実行されたときに、これが第1および第2の熱交換器20A,20Bへの通水であると制御部4によって過誤判断されることはなく、燃焼器10が駆動されないようにすることができる。
【0048】
ただし、本発明においては、前記した構成に代えて、たとえば図1の仮想線の配管28に示すように、電磁開閉バルブV1のポート60aを流量計9の下流に接続することもできる。このような構成とした場合、中和器3内への給水に際し、制御部4には、たとえば図5に示すような制御を行なわせることができる。同図に示す動作ステップは、図4に示すステップと比較して、ステップS3’,S4’が相違しており、それ以外は共通である。具体的には、中和器3内への給水を開始した後にその水位が基準水位L1まで到達すると、制御部4は流量計29で計測される流量の監視を開始する(S1,S2:YES,S3’)。その後、この流量計29によって所定流量が計測されると、制御部4は、その時点で電磁開閉バルブV1を閉じて中和器3内への給水を停止させる(S4’:YES,S5)。このような動作制御によれば、流量計29を有効に利用して中和器3内の給水量を制御することが可能であり、中和器3内の水位を基準水位L1よりも所望量だけ高い水位に正確に設定することができる。水位を基準水位L1よりも高くすることができるために、前述したハンチング現象を防止し得ることは勿論である。ただし、この場合には、中和器3への給水に起因して流量計29が流量計測を行なうために、これに起因して燃焼器10が駆動されないように配慮する必要がある。
【0049】
図6〜図9は、本発明の他の実施形態を示している。これらの図において、前記実施形態と同一または類似の要素には、前記実施形態と同一の符号を付している。
【0050】
図6に示す温水装置A2においては、補助給水管5の一端部が中和器3の側部に接続されており、図7によく表われているように、中和器3にはその側部に形成されている給水口37から給水が行なわれるように構成されている。給水口37は、好ましくは、基準水位L1よりも低い高さに設けられている。
【0051】
本実施形態によれば、補助給水管5をケーシング12と中和器3との隙間90に通す必要がなく、この隙間90の幅を小さくして、温水装置A2全体の上下高さ寸法をより小さくすることが可能となる。また、給水口37が中和器3の側部に設けられているために、中和器3内の上面部(天井部)から給水を行なう場合とは異なり、中和器3内に高い位置から水が注ぎ込まれないようにし、給水時の音を小さくする効果が得られる。給水口37が基準水位L1よりも低い高さとされている場合には、その給水時の音を小さくするのにより好ましいものとなる。
【0052】
図8(a)に示す実施形態においては、中和器3の底部に給水口37が設けられており、この給水口37に補助給水管5(同図では省略)が接続される構成とされている。本実施形態によれば、中和器3内への給水時の音が殆ど発生しない状態とすることができる。同図(b)に示すように、中和器3の底部に凹部36を形成し、この部分に給水口37を形成すれば、給水口37が形成されている筒状部37aが中和器3の下方に突出しないようにしたり、あるいはこの給水口37に接続される補助給水管5が中和器3の下方において大きく嵩張らないようにすることができる。
【0053】
図9に示す温水装置A3は、一般給湯用の湯水加熱に利用される第1および第2の熱交換器20A,20B’に加えて、浴槽8に対する風呂追い焚き用の熱交換器20Cを備えている。第2の熱交換器20B’は、ケーシング12内に配置され、かつ風呂追い焚き用の熱交換器20Cは、第1および第2の熱交換器20A,20B’の中間部に配置されている。湯水流路2Aは、内部配管22内の湯水を浴槽8に落とし込むための浴槽用落とし込み流路28、および風呂追い焚き用の熱交換器20Cに接続された循環流路27を有している。この循環流路27は、一対の外部配管88を介して浴槽8に接続されており、ポンプPの駆動により、浴槽8と熱交換器20Cとの間で湯水を循環流通させ得るようになっている。
【0054】
浴槽用落とし込み流路28には、電磁開閉バルブV1’が設けられているが、この電磁開閉バルブV1’は、図2を参照して述べた電磁開閉バルブV1と同様な構造であり、逆流防止機能を備えている。このことにより、浴槽用落とし込み流路28から内部配管22内に湯水が逆流するクロスコネクションの現象が的確に防止される。補助給水管5は、その一端部が三方弁V2を介して浴槽用落とし込み流路28に接続されているとともに、その他端部は先に述べた実施形態と同様に中和器3に接続されている。
【0055】
本実施形態によれば、三方弁V2を動作させることにより、浴槽用落とし込み流路28内の湯水を補助給水管5を介して中和器3内に給水することが可能であり、中和器3内にドレインが十分に存在しない場合には、この給水によって燃焼ガス遮断用の水封構造を形成することができる。また、浴槽用落とし込み流路28には、逆流防止機能を備えた電磁開閉バルブV1’が設けられているために、中和器3内のドレインが内部配管22内に逆流することも適切に防止される。本実施形態においては、浴槽用落とし込み流路28に設けられている電磁開閉バルブV1’を利用して中和器3内のドレインの逆流をも防止することができるために、補助給水管5に逆流防止弁を別途設ける必要はなく、その構成は合理的なものとなる。
【0056】
本発明は、上述した実施形態の内容に限定されない。本発明に係る中和器を備えた温水装置の各部の具体的な構成は、種々に設計変更自在である。
【0057】
たとえば、上述の実施形態では、電磁開閉バルブV1,V1’が逆流防止機能を備えたものとして構成されているが、本発明においては、湯水流路から中和器への湯水供給のオン・オフを切り換えるための開閉バルブと、中和器から湯水流路側への逆流を防止するための逆流防止手段とを別々に設けた構成とすることもできる。補助給水管5は、硬質の配管、フレキシブル性を有するチューブなど、種々の材質を用いて構成することができる。本発明でいう基準水位は、中和器内に作用する燃焼ガス圧やその他の風圧などに起因して水位が低下することを考慮した値にすることが好ましいものの、やはりこれに限定されるものではなく、その具体的な高さは任意に選択できる。中和器は、酸性のドレインを中和する機能と、内部にドレインが貯留されることによって燃焼ガス遮断用の水封構造が形成される機能とを備えていればよく、その具体的な構成はやはり限定されない。また、中和器は、燃焼ガス流路形成部材の底部下方に配置されることに代えて、たとえば燃焼ガス流路形成部材の一側方に並べた配置とすることもできる。
【0058】
本発明でいう燃焼ガス流路形成部材は、燃焼ガスを一定の経路で流通させる燃焼ガス流路を内部に形成するものであればよく、燃焼ガスを燃焼器の下方に向けて進行させるものに代えて、たとえば燃焼ガスを燃焼器の上方に向けて進行させたり、あるいは横向き(水平方向)に進行させるような構成とすることもできる。熱交換器は、フィン付きチューブを利用したものに代えて、たとえばコイル状の伝熱管を用いた構成とすることもできる。温水装置が燃焼熱で温水を生成するものである場合、その燃料は石油燃料に限らず、たとえば都市ガスやプロパンガスなどであってもよい。本発明でいう温水装置とは、湯を生成する機能を備えた装置の意であり、一般給湯用、風呂給湯用、暖房用、あるいは融雪用などの各種の給湯装置(単機能の給湯装置に限らず、複数の給湯機能を備えた複合給湯装置も含む)、および給湯以外に用いられる湯を生成する装置を広く含む概念である。また、本発明は、屋内設置型に最適であるが、屋外に設置される温水装置にも適用できることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明に係る中和器を備えた温水装置の一例を模式的に示す断面図である。
【図2】(a),(b)は、図1に示す温水装置に組み込まれている電磁開閉バルブを示す断面図である。
【図3】図1に示す温水装置に組み込まれている中和器の断面図である。
【図4】図1に示す温水装置に組み込まれている制御部の動作手順の一例を示すフローチャートである。
【図5】図1に示す温水装置に組み込まれている制御部の動作手順の他の例を示すフローチャートである。
【図6】本発明に係る中和器を備えた温水装置の他の例を模式的に示す断面図である。
【図7】図6のVII−VII断面図である。
【図8】(a),(b)は、本発明の他の例を示す要部断面図である。
【図9】本発明に係る中和器を備えた温水装置の他の例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0060】
A1〜A3 中和器を備えた温水装置
LS 水位検出部(水位検出手段)
V1,V1’ 電磁開閉バルブ(バルブ)
2,2A 湯水流路
3 中和器
4 制御部(制御手段)
5 補助給水管
6a,6b 逆止弁(逆流防止手段)
6c 逃がし弁(逆流防止手段)
11,12 ケーシング(燃焼ガス流路形成部材)
13 消音器(燃焼ガス流路形成部材)
19 燃焼ガス流路
20A 第1の熱交換器(熱交換器)
20B,20B’ 第2の熱交換器(熱交換器)
20C 風呂追い焚き用の熱交換器(熱交換器)
28 浴槽用落とし込み流路
29 流量計
37 給水口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼ガスを一定の経路で流通させるための燃焼ガス流路を内部に形成している燃焼ガス流路形成部材と、
加熱対象の湯水を一定の経路で流通させることが可能であり、かつ前記燃焼ガス流路を流通する燃焼ガスから熱回収を行なう熱交換器を有している湯水流路と、
前記熱回収に伴って発生した酸性のドレインを内部に流入させて中和させてから外部に排出可能であり、かつ前記燃焼ガス流路から進行してくる燃焼ガスを遮断する水封構造が内部に形成されるように前記ドレインを所定の基準水位以上に滞留させることが可能とされた中和器と、
を備えている、中和器を備えた温水装置であって、
前記湯水流路と前記中和器とを互いに接続しているとともに、前記湯水流路から前記中和器への湯水供給のオン・オフを切り換え自在なバルブが設けられ、かつ前記中和器内におけるドレインの水位が前記基準水位に満たないときに前記湯水流路の湯水を前記中和器内に導いて前記中和器内の水位を上昇させることが可能な補助給水管と、
この補助給水管を介して前記中和器内から前記湯水流路に向けて液体の逆流が生じることを阻止可能な逆流防止手段と、
を備えていることを特徴とする、中和器を備えた温水装置。
【請求項2】
前記中和器は、前記燃焼ガス流路形成部材の底部下方に配されており、
前記バルブおよび前記逆流防止手段は、前記燃焼ガス流路形成部材または前記中和器の側方に配されている、請求項1に記載の中和器を備えた温水装置。
【請求項3】
前記補助給水管は、前記中和器の側部または底部に接続され、かつ前記中和器の側部または底部に設けられている給水口から前記中和器内に給水が可能な構成とされている、請求項1または2に記載の中和器を備えた温水装置。
【請求項4】
前記給水口は、前記基準水位よりも低い高さに設けられている、請求項3に記載の中和器を備えた温水装置。
【請求項5】
前記中和器内の水位が前記基準水位以上にあるか否かを検出するための水位検出手段と、
この水位検出手段を利用して検出される水位が前記基準水位に満たないときに、前記バルブを開状態として前記中和器内への給水を行なわせる制御を実行する制御手段と、
を備えている、請求項1ないし4のいずれかに記載の中和器を備えた温水装置。
【請求項6】
前記補助給水管は、前記湯水流路のうち、前記熱交換器への給水量を計測するための流量計よりも上流に接続されており、
前記制御手段は、前記中和器内の水位が前記基準水位未満となって前記バルブを開いたときには、その後に前記水位が前記基準水位まで上昇した時点から予め設定された時間が経過した時点で前記バルブを閉じる制御を実行するように構成されている、請求項5に記載の中和器を備えた温水装置。
【請求項7】
前記補助給水管は、前記湯水流路のうち、前記熱交換器への給水量を計測するための流量計よりも下流に接続されており、
前記制御手段は、前記中和器内の水位が前記基準水位未満となって前記開閉弁を開いたときには、その後に前記水位が前記所定の基準水位まで上昇した時点から予め設定された流量が前記流量計によって計測された時点で前記バルブを閉じる制御を実行するように構成されている、請求項5に記載の中和器を備えた温水装置。
【請求項8】
前記湯水流路の一部分は、前記湯水流路の他の部分に分岐接続されて逆流防止機構が設けられた浴槽用落とし込み流路として構成されており、
前記補助給水管は、前記浴槽用落とし込み流路に分岐接続されていることにより、前記浴槽用落とし込み流路の湯水を前記中和器内に供給可能であり、かつ前記浴槽用落とし込み流路の逆流防止機構が前記逆流防止手段を兼用した構成とされている、請求項1ないし7のいずれかに記載の中和器を備えた温水装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−150576(P2009−150576A)
【公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−327255(P2007−327255)
【出願日】平成19年12月19日(2007.12.19)
【出願人】(000004709)株式会社ノーリツ (1,293)
【Fターム(参考)】